説明

排気熱交換装置

【課題】入口ガスタンクにおける温度低下を図り、耐熱性の低い材料での形成を可能とする排気熱交換装置を提供する。
【解決手段】排気熱交換装置において、チューブ110が複数積層されて、複数の内部流路110Aと、複数のチューブ間流路110Bとが形成されており、排気が第1内部流路連通部131から流入し、複数の内部流路110Aを流通し、また、冷却流体が第1チューブ間流路連通部141から流入し、複数のチューブ間流路110Bを流通するようになっている。第1内部流路連通部131は、チューブ110の長手方向の端部側に設けられ、第1チューブ間流路連通部141の少なくとも一部は、第1内部流路連通部131よりもチューブ110の長手方向の先端側に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関から排出される排気と冷却流体との間で熱交換を行う排気熱交換装置に関するもので、EGR(排気再循環装置)用の排気を冷却するEGRガス熱交換装置(EGRガスクーラ)に適用して有効である。
【背景技術】
【0002】
従来の排気熱交換装置として、例えば特許文献1に示されるものが知られている。即ち、特許文献1の排気熱交換装置においては、内部にインナーフィンが収容され、EGR用の排気(以下、EGRガス)の流通流路を形成するチューブが、複数積層されて、細長筒状の水タンク(ケーシング)内に配設されている。水タンクの長手方向の一端側には、EGRガスを各チューブに分配供給する入口ガスタンクが設けられ、また、ケーシングの長手方向の他端側には、各チューブから流出されるEGRガスを集合回収する出口ガスタンクが設けられている。水タンクの長手方向の両端部側には水タンクに対して冷却水が流入、流出する入口水パイプ(流入口)および出口水パイプ(流出口)が設けられている。そして、水タンク内部と各ガスタンク内とは、チューブの長手方向端部側に設けられたコアプレートによって仕切られて、チューブ内を流通するEGRガスが、水タンク内においてチューブの外側を流通する冷却水によって冷却されるようになっている。
【0003】
上記の各部材(チューブ、インナーフィン、入口ガスタンク、出口ガスタンク、入口水パイプ、出口水パイプ、およびコアプレート)は、すべてステンレス材によって形成されて、一体的にろう付されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−106785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の排気熱交換装置においては、上記のように各部材はステンレス材から形成されており、近年熱交換器の材料として広く使用されているアルミニウム材に比べて、重量面、材料費の面、ろう付け性の面で不利となっている。しかしながら、軽量化、および材料費低減、ろう付け性向上のために例えばアルミニウム化を図ろうとすると、アルミニウム材はステンレス材に比べて耐熱性が低いため、以下の問題が発生する。
【0006】
まず、特にEGRガスの入口側においては、EGRガス温度に対して強度低下が大きく、入口ガスタンクにおける基本的なタンク強度が確保できなくなる。また、EGRガスに晒される入口ガスタンクと冷却水に晒される水タンクとの間には、温度差に伴う熱膨張差が生じることになるが、アルミニウム材はステンレス材に対して線膨張係数が大きいため、アルミニウム材の場合ではステンレス材の場合に比べて入口ガスタンクと水タンクとの接続部において、大きな熱応力が発生する。よって、特に熱的に厳しい入口ガスタンクにおける温度低下を図る必要がある。
【0007】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、入口ガスタンクにおける温度低下を図り、耐熱性の低い材料での形成を可能とする排気熱交換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0009】
請求項1に記載の発明では、内部流路(110A)を有し、複数積層されるチューブ(110)と、
各チューブ(110)の互いに対向する面が内部流路(110A)側にへこんでおり、このへこみによって各チューブ(110)間に形成され、内部流路(110A)とは独立した流路を構成する複数のチューブ間流路(110B)と、
複数の内部流路(110A)同士を連通させる第1内部流路連通部(131)および第2内部流路連通部(132)と、
複数のチューブ間流路(110B)同士を連通させる第1チューブ間流路連通部(141)および第2チューブ間流路連通部(142)と、を備え、
内燃機関から排出される排気が、第1内部流路連通部(131)から流入し、複数の内部流路(110A)を流通し、第2内部流路連通部(132)から外部に流出し、また、冷却用の冷却流体が、第1チューブ間流路連通部(141)から流入し、複数のチューブ間流路(110B)を流通し、第2チューブ間流路連通部(142)から外部に流出し、排気と冷却流体との間で熱交換する排気熱交換装置において、
第1内部流路連通部(131)は、チューブ(110)の長手方向の端部側に設けられ、第1チューブ間流路連通部(141)の少なくとも一部は、第1内部流路連通部(131)よりもチューブ(110)の長手方向の先端側に設けられたことを特徴としている。
【0010】
この発明によれば、内部流路(110A)を備えるチューブ(110)が複数積層されて、各チューブ(110)間にチューブ間流路(110B)が形成されるので、専用の外側タンクを必要とせずに、各チューブ(110)の間にチューブ間流路(110B)を備える排気熱交換装置(100A)を形成することができる。
【0011】
そして、排気熱交換装置(100A)においては、排気は、第1内部流路連通部(131)から流入し、各チューブ(110)の内部流路(110A)に分配されて流通し、更に第2内部流路連通部(132)にて合流され、外部に流出される。一方、冷却流体は、第1チューブ間流路連通部(141)から流入し、各チューブ間流路(110B)に分配されて流通し、更に第2チューブ間流路連通部(142)にて合流され、外部に流出される。そして、内部流路(110A)を流通する排気と、チューブ間流路(110B)を流通する冷却流体との間で熱交換が行われ、排気が冷却される。
【0012】
ここで、第1内部流路連通部(131)は、排気の流入部となっており、従来技術における排気熱交換装置の入口タンク部に相当する部位となる。第1内部流路連通部(131)は、流入する排気の熱の影響を最も受けやすい。この第1内部流路連通部(131)に対して、冷却流体の流入部となる第1チューブ間流路連通部(141)は、チューブ(110)の長手方向において、第1内部流路連通部(131)よりも更に先端側に設けられるようにしている。よって、冷却流体が、第1チューブ間流路連通部(141)から各チューブ間流路(110B)に流れる際に、第1内部流路連通部(131)の外周側を通過していくようにすることができるので、冷却流体によって第1内部流路連通部(131)を効果的に冷却することができる。よって、第1内部流路連通部(131)の効果的な温度低下を図ることができ、例えばアルミニウム材のような耐熱性の低い材料を用いた排気熱交換装置(100A)の形成が可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、第2内部流路連通部(132)は、チューブ(110)の長手方向において第1内部流路連通部(131)とは反対側の端部側に設けられ、
第2チューブ間流路連通部(142)は、チューブ(110)の長手方向において第1チューブ間流路連通部(141)とは反対側で第2内部流路連通部(132)よりも先端側に設けられ、
第1、第2内部流路連通部(131、132)における外部開口方向、および第1、第2チューブ間流路連通部(141、142)における外部開口方向は、それぞれチューブ(110)が積層される積層方向に対して同一の方向を向くように形成されたことを特徴としている。
【0014】
この発明によれば、排気は、第1内部流路連通部(131)をチューブ(110)の積層方向の一方側から他方側に向けて流入し、内部流路(110A)を流通した後、第2内部流路連通部(132)をチューブの積層方向の他方側から一方側に流れる。同様に、冷却流体も、第1チューブ間流路連通部(141)をチューブ(110)の積層方向の一方側(あるいは他方側)から他方側(あるいは一方側)に向けて流入し、チューブ間流路(110B)を流通した後、第2チューブ間流路連通部(141)をチューブ(110)の積層方向の他方側(あるいは一方側)から一方側(あるいは他方側)に流れる。つまり、排気、冷却流体共に排気熱交換装置(100A)に対して、U字状に流れる。
【0015】
ここで、排気および冷却流体の流入側の外部開口方向と、流出側の外部開口方向とをチューブ(110)の積層方向において反対の方向を向くようにすると、排気および冷却流体はそれぞれの慣性によって、流入部においてチューブ(110)の積層方向の奥側に多く流れ、積層方向の流入側にはあまり流れずに、流出されていく。つまり、排気、および冷却流体の流量が各内部流路(110A)、各チューブ間流路(110B)において異なる流れとなり、充分な熱交換ができなくなる。
【0016】
これに対して、請求項2に記載の発明では、上記で説明したように、排気、冷却流体共に、排気熱交換装置(100A)に対して、U字状の流れを形成する。U字状の流れにおいて、排気、冷却流体は、流入部において上記と同様に奥側に多く流れようとするが、流入側においては、流通距離が短くなり流通抵抗が小さくなることから、奥側と遜色ない流れが形成されることになる(図7にて詳細後述)。よって、U字状の流れにおいては、各内部流路(110A)、各チューブ間流路(110B)のそれぞれに排気、および冷却流体を良好に流すことができ、効果的な熱交換が可能となる。
【0017】
ここで、排気熱交換装置(100A)において、排気が冷却流体によって冷却されて、排気中に含まれる水蒸気温度が露点温度を下回ると、排気中からは凝縮水が生成される。請求項1、2に記載の排気熱交換装置(100A)においては、排気の流れは、チューブ110の長手方向に対して、第1、第2内部流路連通部(131、132)において曲げられた流れとなる。また、内部流路(110A)の全断面領域を、第1、第2内部流路連通部(131、132)の断面領域内に入れることは難しい。よって、内部流路(110A)内に凝縮水が生成されると、排気の流れに伴う凝縮水の単純な排出は難しくなり、内部通路(110A)内には、排気の流れと共に単純に排出されない凝縮水が溜まってしまうことになる。
【0018】
そこで、請求項3に記載の発明では、チューブ(110)の積層される積層方向は、水平方向となっており、
複数のチューブ(110)の下側において、複数の内部流路(110A)同士を連通させる下側連通部(150)と、
貫通孔(172c)を有し、チューブ(110)の外表面に設けられて、貫通孔(172c)が第2内部流路連通部(132)に接続される接続用部材(172)と、
接続用部材(172)に設けられて、下側連通部(150)に繋がると共に、貫通孔(172c)の内周面に開口する通路(172h)と、を備えることを特徴としている。
【0019】
この発明によれば、各チューブ(110)の内部流路(110A)を、下側連通部(150)および通路(172h)によって、第2内部流路連通部(132)に接続される接続用部材(172)における貫通孔(172c)の内周面側に繋げることができる。よって、排気が第2内部流路連通部(132)から貫通孔(172c)を通過するときに、排気の流速によって、貫通孔(172c)における圧力が低下され、各内部流路(110A)に溜まった凝縮水を下側連通部(150)および通路(172h)を介して、貫通孔(172c)側に吸引し、排気と共に、凝縮水を外部に排出することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明では、貫通孔(172c)内には、貫通孔(172c)の開口面積を調節する面積調節部(173)が設けられたことを特徴としている。
【0021】
この発明によれば、例えば排出される排気量が少なく、貫通孔(172c)を通過する排気の流速が大きくとれない場合では、貫通孔(172c)における圧力低下が充分得られず、内部流路(110A)に溜まる凝縮水を充分に吸引できない。よって、面積調節部(173)により貫通孔(172c)の開口面積を調節することで、貫通孔(172c)を通過する排気の流速を調整することができるので、貫通孔(172c)における充分な圧力低下を得て、内部流路(110A)内に溜まる凝縮水を吸引することが可能となる。
【0022】
請求項5に記載の発明では、チューブ(110)の積層される積層方向は、水平方向となっており、
複数のチューブ(110)の下側において、複数の内部流路(110A)同士を連通させる下側連通部(150)と、
貫通孔(172c)を有し、チューブ(110)の外表面に設けられて、貫通孔(172c)が第2内部流路連通部(132)に接続される接続用部材(172)と、
接続用部材(172)の内部に設けられて、下側連通部(150)に繋がる空間部(174)と、
空間部(174)から、内燃機関において吸気あるいは排気が流れる流路であって内部流路(110A)内における排気の圧力よりも低圧となる流路に接続されるパイプ部材(175)とを備えることを特徴としている。
【0023】
この発明によれば、各チューブ(110)の内部流路(110A)を、下側連通部(150)を介して、接続用部材(172)における空間部(174)に繋げることができる。そして、パイプ部材(175)によって、空間部(174)は、内燃機関の低圧となる流路に接続されるので、低圧流路部による吸引作用によって、内部流路(110A)に溜まった凝縮水を、下側連通部(150)、空間部(174)およびパイプ部材(175)を介して排出することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明では、複数のチューブ(110)の下端位置は、積層方向において、接続用部材(172)に向けて下側に傾斜していることを特徴としている。
【0025】
この発明によれば、各内部流路(110A)に溜まる凝縮水を接続用部材(172)側に集めることができるので、凝縮水の排出を容易にすることができる。
【0026】
ここで、冷却流体が、第1チューブ間流路連通部(141)から各チューブ間流路(110B)に流れる際に、第1内部流路連通部(131)の外周側を通過するとき、冷却流体流れに淀み等があると、淀みのある領域では、排気の熱によって冷却流体の局部的な沸騰が発生してしまう。よって、第1内部流路連通部(131)での冷却流体の淀みのないスムースな流れを実現させてやる必要がある。
【0027】
そこで、請求項7に記載の発明では、第1チューブ間流路連通部(141)は、第1内部流路連通部(131)の外周に沿うように複数設けられたことを特徴としている。
【0028】
この発明によれば、第1内部流路連通部(131)の外周に沿う複数の第1チューブ間流路連通部(141)から、冷却流体を第1内部流路連通部(131)の外周に満遍なく流すことができるので、流れの淀みに伴う局部沸騰の発生を抑制することができる。
【0029】
また、請求項8に記載の発明では、チューブ間流路(110B)の第1内部流路連通部(131)に対する冷却流体の下流側には、チューブ(110)の長手方向に対して交差する方向に延びるリブ(111c、112c)が設けられており、
リブ(111c、112c)の延びる方向における中央部および両端部に開口部(110C)が形成されて、冷却流体が流通可能となるようにしたことを特徴としている。
【0030】
この発明によれば、第1内部流路連通部(131)を通過する冷却流体は、リブ(111c、112c)の開口部(110C)から本来のチューブ間流路(110B)へ流れようとするので、特に、第1内部流路連通部(131)の外周部における下流側で、冷却流体の流れが淀む領域(死水領域)が発生するのを抑えることができ、局部沸騰の発生を抑制することができる。
【0031】
請求項9に記載の発明では、第1内部流路連通部(131)の横断面形状は、チューブ(110)の長手方向に長軸を備える楕円形状に形成されたことを特徴としている。
【0032】
この発明によれば、冷却流体の流れに対して、第1内部流路連通部(131)の流通抵抗を低下させることができるので、第1内部流路連通部(131)の外周部において、冷却流体の流れが淀む領域(死水領域)が発生するのを抑えることができ、局部沸騰の発生を抑制することができる。
【0033】
請求項10に記載の発明では、第1内部流路連通部(131)は、チューブ(110)の長手方向に対して交差する方向に複数設けられたことを特徴としている。
【0034】
この発明によれば、第1内部流路連通部(131)の1つ当たりの流通抵抗を小さくして、各第1内部流路連通部(131)の1つ当たりの流通抵抗を小さくして、各第1内部流路連通部(131)における冷却流体の流れの淀みの発生を抑えて、冷却流体全体の流れをスムースにすることができ、局部沸騰の発生を抑制することができる。
【0035】
ここで、複数のチューブ(110)が積層されて、内部流路(110A)同士を連通させる第1内部流路連通部(131)が形成される排気熱交換装置(100A)においては、第1内部流路連通部(131)は、チューブ(110)の積層方向に延びる連通部となる。そして、この第1内部流路連通部(131)に流入する排気は、排気の慣性によって、流入側よりも奥側に多く流入する。よって、各内部流路(110A)において、流入側の内部流路(110A)よりも奥側の内部流路(110A)に多くの排気が分配される傾向となり、排気熱交換装置(100A)の全体で見たときに、均一な熱交換がされにくくなる。よって、各内部流路(110A)に均等に排気を分配する必要がある。
【0036】
そこで、請求項11に記載の発明では、第1内部流路連通部(131)には、複数の各内部流路(110A)に対応する複数の開口部(191)が形成された筒状体(190)が設けられており、
複数の開口部(191)の開口面積は、第1内部流路連通部(131)の排気の流入側から奥側に向けて順に小さくなるように形成されたことを特徴としている。
【0037】
この発明によれば、筒状体(190)の複数の開口部(191)の開口面積が、第1内部流路連通部(131)の排気の流入側から奥側に向けて順に小さくなるように形成されているので、各開口部(191)から各内部流路(110A)に流れる排気の量を、流入側から奥側に向けて減らすことができる。よって、通常は、流入側よりも奥側に多くの排気が流れてしまうことを是正することができるので、各内部流路(110A)に均一な量の排気を流すことができる。そして、排気熱交換装置(100A)の全体で見たときに各内部流路(110A)における均一な熱交換が可能となり、熱交換効率を向上させることができる。
【0038】
請求項12に記載の発明では、第1内部流路連通部(131)には、複数の各内部流路(110A)に対応する複数の開口部(191)が形成された筒状体(190)が設けられており、
筒状体(190)内の通路の横断面積は、第1内部流路連通部(131)の排気の流入側から奥側に向けて順に小さくなるように形成されたことを特徴としている。
【0039】
この発明によれば、筒状体(190)内の通路の横断面積が、第1内部流路連通部(131)の排気の流入側から奥側に向けて順に小さくなるように形成されているので、奥側に向かうほど排気に対する流通抵抗を増加させることができ、各開口部(191)から各内部流路(110A)に流れる排気の量を、流入側から奥側に向けて減らすことができる。よって、通常は、流入側よりも奥側に多くの排気が流れてしまうことを是正することができるので、各内部流路(110A)に均一な量の排気を流すことができる。そして、排気熱交換装置(100A)の全体で見たときに各内部流路(110A)における均一な熱交換が可能となり、熱交換効率を向上させることができる。
【0040】
請求項13に記載の発明のように、本排気熱交換装置(100A)は、排気は、内燃機関の吸気側に供給される再循環用の排気であり、冷却流体は、内燃機関を冷却する冷却水であるものに適用して好適である。
【0041】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を
示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1実施形態におけるEGRガスクーラの外観全体を示す斜視図である。
【図2】図1におけるEGRガスクーラを示す正面図である。
【図3】図2におけるA−A部を示す断面図である。
【図4】図2におけるB−B部を示す断面図である。
【図5】図2におけるC−C部を示す断面図である。
【図6】図2におけるD−D部を示す断面図である。
【図7】各チューブにおける冷却水の平均流速を示す表である。
【図8】第2実施形態におけるEGRガスクーラを示す断面図である。
【図9】第3実施形態におけるEGRガスクーラを示す断面図である。
【図10】第4実施形態におけるEGRガスクーラのチューブを示す正面図である。
【図11】第4実施形態におけるEGRガスクーラを示す断面図である。
【図12】第5実施形態におけるEGRガスクーラのチューブを示す正面図である。
【図13】第6実施形態におけるEGRガスクーラを示す断面図である。
【図14】第6実施形態におけるカラーを示す側面図である。
【図15】第7実施形態におけるカラーを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0044】
(第1実施形態)
第1実施形態は、本発明に係る排気熱交換装置を車両用ディーゼルエンジンあるいはガソリンエンジン(内燃機関であり、以下エンジン)の排気ガス再循環装置(EGR)におけるEGRガスクーラ100Aに適用したものである。以下、図1〜図6を用いて、EGRガスクーラ100Aの構成について説明する。図1はEGRガスクーラ100Aの外観全体を示す斜視図、図2は図1におけるEGRガスクーラを示す正面図、図3は図2におけるA−A部を示す断面図、図4は図2におけるB−B部を示す断面図、図5は図2におけるC−C部を示す断面図、図6は図2におけるD−D部を示す断面図である。
【0045】
EGRガスクーラ100Aは、エンジンの吸気側に再循環させる排気を、エンジン冷却用の冷却流体としての冷却水によって冷却する排気熱交換装置である。このEGRガスクーラ100Aは、図1〜図6に示すように、内部にインナーフィン160が配設される複数のチューブ110、蓋プレート121、122、フランジ171、172、および水パイプ181、182等から構成されている。以下説明する各部材は、軽量で熱伝導性に優れ、且つ安価なアルミニウム材、あるいはアルミニウム合金材から成形されており、各部材の当接部がろう付あるいは溶接により接合されている。
【0046】
チューブ110は、内部のガス流路110Aを排気が流通する細長で扁平状の管部材であり、2枚のチューブプレート、即ち第1プレート111および第2プレート112から形成されている。
【0047】
第1プレート111は、細長で長手方向の端部が半円状に形成された板部材であり、外周部に対して内側となる内側領域が対向する第2プレート112側に向けて浅くへこむように打ち出しされて形成されている。第1プレート111の長手方向の両端側には、排気流通用の円形孔であって、この孔の周囲に第2プレート112側に縁立て部が設けられたガス用バーリング孔111a(図3)が形成されている。また、第1プレート111のガス用バーリング孔111aの更に両先端側には、冷却水流通用の円形孔であって、この孔の周囲に第2プレート112側に縁立て部が設けられた水用バーリング孔111b(図4)が形成されている。また、両ガス用バーリング孔111aの間には、対向する第2プレート112とは反対側に膨出する円形のリブ111dが複数設けられている(図5)。リブ111dの膨出側の先端位置は、第1プレート111の外周部の位置と一致している。
【0048】
第2プレート112は、細長で長手方向の端部が半円状に形成された板部材であり、外周部に対して内側となる内側領域が対向する第1プレート111側に向けて浅くへこむように打ち出しされて形成されている。第2プレート112の長手方向の両端側には、第1プレート111のガス用バーリング孔111aに対応するガス用バーリング孔112aが形成されている(図3)。ガス用バーリング孔112aは、排気流通用の円形孔であって、この孔の周囲に第1プレート111とは反対側に縁立て部が設けられている。また、第1プレート111のガス用バーリング孔111aの更に両先端側には、第1プレート111の水用バーリング孔111bに対応する水用バーリング孔112bが形成されている(図4)。水用バーリング孔112bは、冷却水流通用の円形孔であって、この孔の周囲に第1プレート111側に縁立て部が設けられている。また、両ガス用バーリング孔112aの間には、対向する第1プレート112とは反対側(後述する水通路110B側)に膨出する円形のリブ112dが、第1プレート111のリブ111dと対応するように複数設けられている(図5)。リブ112dの膨出側の先端位置は、第2プレート112の外周部の位置と一致している。
【0049】
そして、第2プレート112の外周部には、第1プレート111側に向けて起された縁立て部112eが形成されている(図3〜図5)。縁立て部112eは、第1プレート111側に向けて多少拡がるように、且つ、縁立て部112eの先端部の位置が、対向する第1プレート111の位置を超えるように延設されている。
【0050】
上記第1プレート111と第2プレート112は、各内側領域における板厚方向に所定の間隔を持って配置され、内部に排気が流通するガス流路110Aを有するチューブ110を形成している。上記所定間隔は、チューブ110の厚み寸法に相当する。また、ガス流路110Aは、本発明の内部流路に対応する。ガス流路110Aには、薄肉板材から断面波形状にプレス加工されたインナーフィン160が配設されている。インナーフィン160は、チューブ110の内面に接合されている。このインナーフィン160を有するチューブ110は、インナーフィン160を第1、第2プレート111、112によって挟み込むようにして組付けを行った後に、接合することで形成される。
【0051】
そして上記チューブ110が、チューブ110の厚み方向に複数積層されている。各チューブ110が積層される際には、1つのチューブ110の縁立て部112eに隣のチューブ110が当接して、互いのチューブ110が位置決めされる。そして、隣り合う各チューブ110の外周部(各プレート111、112の外周部)が互いに接合されると共に、1つのチューブ110の縁立て部112eは、隣のチューブ110の縁立て部112eに当接して接合されている。以下、チューブ110が積層される方向を「チューブ積層方向」と定義すると共に、チューブ積層方向において、後述するフランジ171、172が設けられる側(図3〜図6中の左側)を「チューブ積層方向の一方側」、その反対側(図3〜図6中の右側)を「チューブ積層方向の他方側」と定義する。
【0052】
1つのチューブ110のガス用バーリング孔112aは、隣のチューブ110のガス用バーリング孔111aに嵌合して接合されている。各チューブ110のガス用バーリング孔111a、112aが互いに接続されることによって、全体が筒状の空間となるガス連通部131、132が形成されている(図3、図6)。1つのチューブ110におけるガス用バーリング孔112aは、隣のチューブ110のガス用バーリング孔111aに接合されることから、1つのチューブ110においては、ガス用バーリング孔111aとガス用バーリング孔112aとは、接合されておらず、チューブ積層方向に隙間131a(図3)、132a(図6)が形成されるようになっており、ガス連通部131、132は、この隙間131a、132aによって各ガス流路110Aに連通している。尚、積層されるチューブ110のうち、チューブ積層方向の他方側のチューブ110の第2プレート112には、ガス用バーリング孔112aは、設けられておらず、よって、ガス連通部131、132のチューブ積層方向の他方側は閉塞された形となっている。ガス連通部131は、排気が流入する側の連通部であり、本発明の第1内部流路連通部に対応する。また、ガス連通部132は、排気が流出する側の連通部であり、本発明の第2内部流路連通部に対応する。
【0053】
チューブ110が複数積層された状態において、各チューブ110の間には、各プレート111、112の内部領域で浅くへこむように打ち出しされた部位によって、冷却水が流通する水流路110Bが形成されている。水流路110Bは、ガス流路110Aに対して独立した流路となっており、本発明のチューブ間流路流路に対応する。
【0054】
そして、各チューブ110における水用バーリング孔111b、112bが、互いに嵌合して接合されている。各チューブ110の水用バーリング孔111b、112bが互いに接続されることによって、全体が筒状の空間となる水連通部141、142が形成されている(図4、図2)。水連通部141、142は、各水流路110Bに連通している。水連通部141は、冷却水が流入する側の連通部であり、本発明の第1チューブ間流路連通部に対応する。また、水連通部142は、冷却水が流出する側の連通部であり、本発明の第2チューブ間流路連通部に対応する。
【0055】
各チューブ110における第1、第2ガス連通部131、132の間となる領域においては、各プレート111、112に設けられたリブ111d、112dの膨出側の先端部が互いに接合されている(図5)。このリブ111d、112dの接合により、水流路110Bが部分的に閉塞された形となっている。リブ111d、112dの接合により、EGRガスクーラ100Aとしての強度(主に耐圧強度)が向上され、また水流路110Bを流れる冷却水に乱流効果が与えられて冷却水側の熱伝達率が向上されるようになっている。
【0056】
蓋プレート121、122は、複数積層されたチューブ110の積層方向の一方側、および積層方向の他方側に接合される板部材であり、この蓋プレート121、122によって、それぞれ対向するチューブ110との間に水流路110Bが形成されている。
【0057】
蓋プレート121は、上記第2プレート112と類似なプレートであり、ガス用バーリング孔121a、水用バーリング孔121b、およびリブ121dが形成されている。そして、ガス用バーリング孔121aは、積層方向の一方側のチューブ110のガス用バーリング孔111aに嵌合して接合されている(図3)。また、水用バーリング孔121bは、外側に向けて開口している(図4)。また、リブ121dは、積層方向の一方側のチューブ110のリブ111dに接合されている(図5)。
【0058】
蓋プレート122は、上記第1プレート111と類似なプレートであり、リブ122dのみが中間領域に形成されており、このリブ122dは、積層方向の他方側のチューブ110のリブ112dに接合されている(図5)。
【0059】
フランジ171、172は、ガス連通部131、132に接合されて、車両側の排気ガス再循環装置(EGR)における排気管と接続される接続用部材である。フランジ171、172は、外形が菱形状を成す板部材であり、中心部に貫通孔171a、172cがそれぞれ穿設され、また両端側にボルトによる締結用のボルト孔(雌ねじ)171b、172dがそれぞれ形成されている。
【0060】
フランジ171は、貫通孔171aがガス連通路131に連通するように、蓋プレート121に接合されている(図3)。また、フランジ172は、貫通孔172cがガス連通路132に連通するように、蓋プレート121に接合されている(図6)。
【0061】
水パイプ181は、冷却水流入用の管部材であり、水連通部141に対応する蓋プレート121の水用バーリング孔121bに接合されている。水パイプ181は、水連通部141と連通している(図4)。また、水パイプ182は、冷却水流出用の管部材であり、水連通部142に対応する蓋プレート121の水用バーリング孔121bに接合されている。水パイプ182は、水連通部142と連通している(図4相当)。
【0062】
EGRガスクーラ100Aは、チューブ110の長手方向が水平方向となり、またチューブ積層方向が水平方向となるように配置されて使用される。そして、上記説明のように、排気の流入側となるフランジ171、および排気の流出側となるフランジ172は共に、チューブ積層方向の一方側に設けられている。また、同様に、冷却水の流入側となる水パイプ181、および冷却水の流出側となる水パイプ182は共に、チューブ積層方向の一方側に設けられている。即ち、フランジ171、172、水パイプ181、182の外部開口方向は、すべて、チューブ積層方向に対して同一の方向を向くようになっている。
【0063】
次に、ガス流路110A内にて排気が冷却されるときに、排気中の水蒸気から生成される凝縮水を排出するための構造について、図6を用いて説明する。
【0064】
複数積層されるチューブ110の外周部の下側には、各ガス流路110A同士を連通させる下側連通部150が形成されている。下側連通部150は、隣り合うチューブ110間に形成される連通孔151によって形成されている。連通孔151は、隣り合うチューブ110の第2プレート112と、第1プレート111とを貫通して、隣り合うガス流路110Aを連通させる孔である。また、チューブ積層方向の一方側のチューブ110と蓋プレート121との間にも同様の連通孔151が形成されている。下側連通路150は、チューブ110の長手方向のうち、排気の流出側となるガス連通部132およびフランジ172の貫通孔172cの下側に設けられている。下側連通路150の下側は、各第2プレート112の縁立て部112eの拡がり形状によって、チューブ積層方向の一方側に向けて下側に傾斜する形となっている。
【0065】
そして、排気の流出側となるフランジ172は、フランジ171と類似の本体部172aと、スペーサ172bとから形成されている。スペーサ172bは、本体部172aに対してチューブ110側に配設された円板状の部材であり、中心部には丸孔が穿設されており、本体部172aと共に貫通孔172cを形成している。スペーサ172bの下側連通部150と対向する位置には、スペーサ172bの板厚方向に貫通する孔部172fが形成されている。更に、スペーサ172bの本体部172a側の面には孔部172fから貫通孔172cに至る溝部172gが形成されている。このスペーサ172bが本体部172aに接合されることで、貫通孔172cと溝部172gとによってフランジ172内にはL字状の排水通路172hが形成されている。そして、排水通路172hの一方(孔部172f)は、下側連通路150と繋がるようにしている。よって、排水通路172hの一方は各ガス流路110A内と連通しており、また、排水通路172hの他方は、フランジ172の貫通孔172cの内周面に開口している。
【0066】
次に、上記構成に基づく本実施形態の作用および効果について説明する。
【0067】
本実施形態のEGRガスクーラ100Aにおいては、ガス流路110Aを備えるチューブ110が複数積層されて、各チューブ110の内側領域に形成された浅くへこむ打ち出しによって、各チューブ110間にガス流路110Aとは独立した水流路110Bが形成されるようにしているので、専用の外側タンクを必要とせずに、各チューブ110の間に水流路110Bを備えるEGRガスクーラ100Aを形成することができる。また、各チューブ110を積層する際には、各チューブ110に設けた縁立て部112eによって互いのチューブ110が位置決めされるので、組付けが容易となる。
【0068】
そして、このEGRガスクーラ100Aにおいては、排気は、フランジ171、ガス連通部131から流入し、各チューブ110のガス流路110Aに分配されて流通し、更にガス連通部132にて合流され、フランジ172を介して外部に流出される。一方、冷却水は、水パイプ181、水連通部141から流入し、各水流路110Bに分配されて流通する。各水流路110Bにおいては、互いに接合されるリブ111d、112dによって冷却水の流れに乱れが発生され、水側の熱伝達率が向上される。更に、冷却水は水連通部142にて合流され、水パイプ182を介して外部に流出される。そして、ガス流路110Aを流通する排気と、水流路110Bを流通する冷却水との間で効果的な熱交換が行われ、排気が冷却される。
【0069】
ここで、ガス連通部131は、排気の流入部となっており、従来技術における排気熱交換装置の入口タンク部に相当する部位となる。ガス連通部131は、流入する排気の熱の影響を最も受けやすい。このガス連通部131に対して、冷却水の流入部となる水連通部141は、チューブ110の長手方向において、ガス連通部131よりも更に先端側に設けられるようにしている。よって、冷却水が、水連通部141から各水流路110Bに流れる際に、ガス連通部131の外周側を通過していくようにすることができるので、冷却水によってガス連通部131を効果的に冷却することができる。よって、ガス連通部131の効果的な温度低下を図ることができ、例えばアルミニウム材のような耐熱性の低い材料を用いたEGRガスクーラ100Aの形成が可能となる。
【0070】
また、排気は、ガス連通部131をチューブ積層方向の一方側から他方側に向けて流入し、ガス流路110Aを流通した後、ガス連通部132をチューブ積層方向の他方側から一方側に流れる。同様に、冷却水も、水連通部141をチューブ積層方向の一方側から他方側に向けて流入し、水流路110Bを流通した後、水連通部141をチューブ積層方向の他方側から一方側に流れる。つまり、排気、冷却水共にEGRガスクーラ100Aに対して、U字状に流れる。
【0071】
ここで、排気および冷却水の流入側の外部開口方向と、流出側の外部開口方向とをチューブ110の積層方向において反対の方向を向くようにすると、排気および冷却水はそれぞれの慣性によって、流入部においてチューブ積層方向の奥側に多く流れ、チューブ積層方向の流入側にはあまり流れずに、流出されていく。つまり、排気、および冷却水の流量が各ガス流路110A、各水流路110Bにおいて異なる流れとなり、充分な熱交換ができなくなる。
【0072】
これに対して、本実施形態では、上記で説明したように、排気、冷却流体共に、EGRガスクーラ100Aに対して、U字状の流れを形成する。U字状の流れにおいて、排気、冷却水は、流入部において上記と同様に奥側に多く流れようとするが、流入側においては、流通距離が短くなり流通抵抗が小さくなることから、奥側と遜色ない流れが形成されることになる。よって、U字状の流れにおいては、各ガス流路110A、各水流路110Bのそれぞれに排気、および冷却水を良好に流すことができ、効果的な熱交換が可能となる。
【0073】
図7は、従来技術と本発明とで比較した場合の各チューブ1〜5における冷却水の平均流速を示す表である。図7は、チューブ段数を5段としたものにおいて、冷却水の流量Vwを8L/minの条件で流したときの各チューブにおける平均流速を示したものである。水パイプの流入側と流出側の位置をチューブ積層方向に対して反対側としたものは、冷却水の流入側に対して奥側となるチューブ5に向かうほど冷却水流量が増大しており、流入側においてはほとんど流れていない状況であった。しかしながら、本実施形態のように冷却水の流入側と流出側とをチューブ積層方向に対して同一として、U字状流れとしたものは、各チューブ1〜5ともに同様の流速が得られた。
【0074】
ここで、EGRガスクーラ100Aにおいて、排気が冷却水によって冷却されて、排気中に含まれる水蒸気温度が露点温度を下回ると、排気中からは凝縮水が生成される。本実施形態のEGRガスクーラ100Aにおいては、排気の流れは、チューブ110の長手方向に対して、ガス連通部131、132において曲げられた流れとなる。また、ガス流路110A断面の図6中上下方向寸法は、ガス連通部132の図6中上下方向寸法より大きく、ガス流路110Aの全断面領域を、ガス連通部131、132の断面領域内に入れることは難しい。よって、ガス流路110A内に凝縮水が生成されると、排気の流れに伴う凝縮水の単純な排出は難しくなり、ガス通路110A内には、排気の流れと共に単純に排出されない凝縮水が溜まってしまうことになる。
【0075】
これに対して、本実施形態では、下側連通部150と排水通路172hを設けるようにしており、各チューブ110のガス流路110Aを、下側連通部150および排水通路172hによって、ガス連通部132に接続されるフランジ172における貫通孔172cの内周面側に繋げるようにしている。よって、排気がガス連通部132から貫通孔172cを通過するときに、排気の流速によって、貫通孔172cにおける圧力が低下され、各ガス流路110Aに溜まった凝縮水を下側連通部150および通路172hを介して、貫通孔172c側に吸引し、排気と共に、凝縮水を外部に排出することができる。
【0076】
(第2実施形態)
第2実施形態のEGRガスクーラ100Bを図8に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、フランジ172の貫通孔172cの開口面積を調節する面積調節部としてのバルブ173を追加したものである。
【0077】
バルブ173は、貫通孔172cの内径よりも小さく設定された直径を有する円板状のバルブであり、軸部173aを中心にして回動し、貫通孔172cの開口面積を調節できるようになっている。図8中においてバルブ173が上下方向を向く場合が貫通孔172cを最大に絞った状態となり、バルブ173が水平方向を向く場合が貫通孔172cを最大に開いた状態となる。バルブ173は、例えば冷却された排気の温度が、凝縮水の発生を伴うような低い場合で(50℃前後の温度)、更にEGRガスクーラ100Bに供給される排気流量が所定流量より低い場合に、貫通孔172cを絞る方向に回動されるようにしている。
【0078】
つまり、例えば排出される排気量が少なく、貫通孔172cを通過する排気の流速が大きくとれない場合では、貫通孔172cにおける圧力低下が充分得られず、ガス流路110Aに溜まる凝縮水を充分に吸引できない。本実施形態においては、バルブ173により貫通孔172cの開口面積を調節することで、貫通孔172cを通過する排気の流速を調整することができるので、つまり、排気流量が少ないときでも貫通孔172cを通過する排気の流速を上げることができるので、貫通孔172cにおける充分な圧力低下を得て、ガス流路110A内に溜まる凝縮水を吸引することが可能となる。
【0079】
(第3実施形態)
第3実施形態のEGRガスクーラ100Cを図9に示す。第3実施形態は、上記第1実施形態に対して、フランジ172の内部に空間部174を形成し、この空間部174にパイプ175を接続したものである。
【0080】
フランジ172を形成するスペーサ172bは、上記第1実施形態に対して下側に延設されており、スペーサ172bの下側部が一部除肉されて、この除肉部によってフランジ172の内部に空間部174が形成されている。空間部174の一方(図9中の上方側)は、下側連通部150と連通している。即ち、空間部174は各ガス流路110Aと連通している。また空間部174の他方(図9中の下方側)は外部に開口しており、この開口部には、内部流路を有すると共に外周部にねじが形成されたジョイント174aが接続されている。更に、ジョイント174aには、パイプ(パイプ部材)175が接続されている。よって、ガス流路110A、空間部174、パイプ175が順に連通されている。
【0081】
パイプ175の先端側は、ガス流路110A内における排気の圧力よりも低圧となるエンジンの所定の流路に接続されている。低圧となるエンジンの所定流路は、例えばエンジンの吸気が流れるインテークマニホールド、あるいはエンジンの排気が流れるエギゾーストマニホールドの絞り部、更にはマフラーの絞り部等とすることができる。
【0082】
本実施形態では、各チューブ110のガス流路110Aを、下側連通部150を介して、フランジ172における空間部174に繋げている。そして、パイプ175によって、空間部174は、エンジンの低圧となる流路に接続されるので、低圧流路による吸引作用によって、ガス流路110Aに溜まった凝縮水を、下側連通部150、空間部174およびパイプ175を介して積極的に排出することができる。
【0083】
(第4実施形態)
第4実施形態のEGRガスクーラ100Dを図10、図11に示す。第4実施形態は、上記第1実施形態に対して、水連通部141を複数設けると共に、水流路110Bにおいてガス連通部131の下流側にリブ111c、112cを設けたものである。図10は第4実施形態のチューブ110を示す正面図、図11は図2のB−B部に相当する部位を示すガスクーラ100Dの断面図である。
【0084】
水連通部141は、ガス連通部131の中心位置に対応する上流部位から下流側に向けて、ガス連通部131の外周に沿うように2つ設けられている。水連通部141は、図10において、ガス連通部131の外周に沿って、円弧状に形成されている。
【0085】
リブ111c、112cは、それぞれ第1、第2プレート111、112に形成されたリブ111d、112dと同様に(図5)、水通路110B側に膨出するリブであり、細長に形成されている。リブ111c、112cは、ガス連通部131の下流側で、チューブ110の長手方向に交差する方向に延びるように形成されている。そして、リブ111c、112cの延びる方向の中央部および両端部にはリブの形成されない部位によって開口部110C(3箇所)が設けられている。また、蓋プレート121、122にも同様のリブ121c、122cが設けられている。
【0086】
このリブ111c、112c、121c、122cによって、ガス連通部131の下流側の水通路110Bは、大半が閉塞されつつも、開口部110Cにおいて更に下流側に連通するようになっている。
【0087】
ここで、冷却水が、水連通部141から各水流路110Bに流れる際に、ガス連通部131の外周側を通過するとき、冷却水の流れに淀み等があると、淀みのある領域では、排気の熱によって冷却水の局部的な沸騰が発生してしまう。よって、ガス連通部131での冷却水の淀みのないスムースな流れを実現させてやる必要がある。
【0088】
本実施形態では、ガス連通部131の外周に沿う複数の水連通部141から、冷却水をガス連通部131の外周に満遍なく流すことができるので、流れの淀みに伴う局部沸騰の発生を抑制することができる。
【0089】
更に、リブ111c、112c、121c、122cによって、ガス連通部131を通過する冷却水は、リブ111c、112c、121、122cの開口部110Cから本来の水流路110Bへ流れようとするので、特に、ガス連通部131の外周部における下流側で、冷却水の流れが淀む領域(死水領域)が発生するのを抑えることができ、局部沸騰の発生を抑制することができる。
【0090】
(第5実施形態)
第5実施形態のEGRガスクーラ100Eを図12に示す。第5実施形態は、上記第1実施形態に対して、ガス連通部131の横断面形状を変更すると共に、ガス連通部131を複数設けるようにしたものである。図12は第5実施形態のチューブ110を示す正面図である。
【0091】
ガス連通部131の横断面形状は、チューブ110の長手方向に長軸を有する楕円形状となっている。ガス連通部131の横断面形状は、水流路110Bを流れる冷却水に対して、流線形に類似する滑らかな扁平形状となっている。そして、ガス連通部131は、チューブ110の長手方向に対して交差する方向に複数並ぶように設けられている。ここでは、ガス連通部131を2つ設けている。このガス連通部131に対応するように、水連通部141も複数(2つ)設けられている。
【0092】
本実施形態では、ガス連通部131の横断面形状を楕円形状としているので、冷却水の流れに対して、ガス連通部131の流通抵抗を低下させることができ、ガス連通部131の外周部において、冷却水の流れが淀む領域(死水領域)が発生するのを抑えることができ、局部沸騰の発生を抑制することができる。
【0093】
更に、ガス連通部131をチューブ110の長手方向に交差する方向に複数設けるようにしているので、ガス連通部131の1つ当たりの流通抵抗を小さくして、各ガス連通部131における冷却水の流れの淀みの発生を抑えて、冷却水全体の流れをスムースにすることができ、局部沸騰の発生を抑制することができる。
【0094】
(第6実施形態)
第6実施形態のEGRガスクーラ100Fを図13、図14に示す。第6実施形態は、上記第1実施形態に対して、ガス連通部131にカラー190を追加したものである。
【0095】
カラー190は、筒状に形成された筒状体であり、外周面には各ガス流路110Aに対応した複数の開口部191が形成されている。カラー190は、ガス連通部131内の筒状空間に相当する大きさで形成されており、ガス連通部131に挿入されている。複数の開口部191は、カラー190の外周面のうち、反対側のガス連通部132に対向する側の外周面に設けられており、各開口部191は、各ガス流路110Aの位置に対応するように配置されている。また、各開口部191の開口面積は、ガス連通部131における排気の流入側から奥側に向けて順に小さくなるようにしている。
【0096】
ここで、複数のチューブ110が積層されて、ガス流路110A同士を連通させるガス連通部131が形成されるEGRガスクーラ100Fにおいては、ガス連通部131は、チューブ110の積層方向に延びる連通部となる。そして、このガス連通部131に流入する排気は、排気の慣性によって、流入側よりも奥側に多く流入する。よって、各ガス流路110Aにおいて、流入側のガス流路110Aよりも奥側のガス流路110Aに多くの排気が分配される傾向となり、EGRガスクーラ100Fの全体で見たときに、均一な熱交換がされにくくなる。よって、各ガス流路110Aに均等に排気を分配する必要がある。
【0097】
本実施形態によれば、排気は、ガス連通部131に挿入されたカラー190内に流入し、流れ方向がほぼ90度折り曲げられて、各開口部191から各チューブ110のガス流路110Aに分配される。本実施形態では、カラー190の複数の開口部191の開口面積が、ガス連通部131の排気の流入側から奥側に向けて順に小さくなるように形成されているので、各開口部191から各ガス流路110Aに流れる排気の量を、流入側から奥側に向けて減らすことができる。よって、通常は、流入側よりも奥側に多くの排気が流れてしまうことを是正することができるので、各ガス流路110Aに均一な量の排気を流すことができる。そして、EGRガスクーラ100Fの全体で見たときに各ガス流路110Aにおける均一な熱交換が可能となり、熱交換効率を向上させることができる。
【0098】
(第7実施形態)
第7実施形態のEGRガスクーラ100Gを図15に示す。第7実施形態は、上記第6実施形態に対して、カラー190の形状を変更したものである。
【0099】
カラー190は、筒状に形成された筒状体であり、ガス連通部131に挿入されている。カラー190は、ガス連通部131の排気の流入側から奥側に向けて、内部通路の横断面積(筒の軸方向に直交する内部通路の断面の面積)が順に小さくなるように形成されている。そして、カラー190の外周面のうち、反対側のガス連通部132に対向する側の外周面には、各ガス流路110Aに対応した複数の開口部191が形成されている。各開口部191の開口面積は、すべて同一となっている。
【0100】
本実施形態では、カラー190内の通路の横断面積が、ガス連通部131の排気の流入側から奥側に向けて順に小さくなるように形成されているので、奥側に向かうほど排気に対する流通抵抗を増加させることができ、各開口部191から各ガス流路110Aに流れる排気の量を、流入側から奥側に向けて減らすことができる。よって、通常は、流入側よりも奥側に多くの排気が流れてしまうことを是正することができるので、各ガス流路110Aに均一な量の排気を流すことができる。そして、EGRガスクーラ100Gの全体で見たときに各ガス流路110Aにおける均一な熱交換が可能となり、熱交換効率を向上させることができる。
【0101】
(その他の実施形態)
上記第1実施形態では、凝縮水排出のために、下側連通部150および排水通路172hを設けたものとして説明したが、冷却水によるガス連通部131における温度低下を第1に考えたEGRガスクーラとするならば、上記下側通路150および排水通路172hは、廃止しても良い。
【0102】
また、上記各実施形態では、ガス連通部131、132、および水連通部141、142の外部開口方向を共にチューブ積層方向の一方側に設定したが、ガス連通部131、132の外部開口方向をチューブ積層方向の一方側とし、また、水連通部141、142の外部開口方向をチューブ積層方向の他方側としても良い。
【0103】
また、各ガス流路110Aにおける排気の流れ、および各水流路110Bにおける冷却水の流れが、良好であれば、ガス連通部131と132、更に水連通部141と142の外部開口方向は、チューブ積層方向において反対側となるように設定しても良い。
【0104】
また、第1実施形態で説明した連通口151は、ガス連通部131の下側のみに限らず、チューブ110の長手方向の複数箇所に設けるようにしても良い。
【0105】
また、第1実施形態では、傾斜を有する縁立て部112eによって、各チューブ110の下端位置がフランジ172に向けて下側に傾斜するようにしたが、これに限らず、EGRガスクーラ100A自体を傾けて、各チューブ110の下端位置がフランジに向けて下側に傾斜するようにしても良い。
【0106】
また、チューブ110における第2プレート112の縁立て部112eを、第1プレート111に設けるようにしても良い。第1プレート111に縁立て部を設ける場合は、チューブ積層方向の他方側(図3中の右側)に延設される縁立て部となる。また、チューブ110は、2つのチューブプレート111、112から形成されるものとしたが、これに限らず、一体の管部材から形成されるようにしても良い。
【0107】
また、EGRガス冷却装置100A〜100Gの冷却流体としてエンジン10の冷却水を活用するものとして説明したが、これに限らず、エンジン10とは独立して形成される専用冷却水回路の冷却水を活用するものとしても良い。専用冷却水回路としては、例えばサブラジエータおよび専用ポンプを備える回路等が挙げられる。
【0108】
また、上記第1〜第7実施形態では本発明の排気熱交換装置をEGRガスクーラ100A〜100Gに適用したものとして説明したが、これに限定されることなく、他の熱交換器へも広く適用可能であり、例えば外気に排出される排気ガスと冷却水との間で熱交換して、冷却水を加熱する排熱回収熱交換器に適用しても良い。
【符号の説明】
【0109】
100A〜100G EGRガスクーラ(排気熱交換装置)
110 チューブ
110A ガス流路(内部流路)
110B 水流路(チューブ間流路)
110C 開口部
111c、112c リブ
131 ガス連通部(第1内部流路連通部)
132 ガス連通部(第2内部流路連通部)
141 水連通部(第1チューブ間流路連通部)
142 水連通部(第2チューブ間流路連通部)
150 下側連通部
172 フランジ(接続用部材)
172c 貫通孔
172h 排水通路(通路)
173 バルブ(面積調節部)
174 空間部
175 パイプ(パイプ部材)
190 カラー(筒状体)
191 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部流路(110A)を有し、複数積層されるチューブ(110)と、
各前記チューブ(110)の互いに対向する面が前記内部流路(110A)側にへこんでおり、このへこみによって各前記チューブ(110)間に形成され、前記内部流路(110A)とは独立した流路を構成する複数のチューブ間流路(110B)と、
複数の前記内部流路(110A)同士を連通させる第1内部流路連通部(131)および第2内部流路連通部(132)と、
複数の前記チューブ間流路(110B)同士を連通させる第1チューブ間流路連通部(141)および第2チューブ間流路連通部(142)と、を備え、
内燃機関から排出される排気が、前記第1内部流路連通部(131)から流入し、複数の前記内部流路(110A)を流通し、前記第2内部流路連通部(132)から外部に流出し、また、冷却用の冷却流体が、前記第1チューブ間流路連通部(141)から流入し、複数の前記チューブ間流路(110B)を流通し、前記第2チューブ間流路連通部(142)から外部に流出し、前記排気と前記冷却流体との間で熱交換する排気熱交換装置において、
前記第1内部流路連通部(131)は、前記チューブ(110)の長手方向の端部側に設けられ、前記第1チューブ間流路連通部(141)の少なくとも一部は、前記第1内部流路連通部(131)よりも前記チューブ(110)の長手方向の先端側に設けられたことを特徴とする排気熱交換装置。
【請求項2】
前記第2内部流路連通部(132)は、前記チューブ(110)の長手方向において前記第1内部流路連通部(131)とは反対側の端部側に設けられ、
前記第2チューブ間流路連通部(142)は、前記チューブ(110)の長手方向において前記第1チューブ間流路連通部(141)とは反対側で前記第2内部流路連通部(132)よりも先端側に設けられ、
前記第1、第2内部流路連通部(131、132)における外部開口方向、および前記第1、第2チューブ間流路連通部(141、142)における外部開口方向は、それぞれ前記チューブ(110)が積層される積層方向に対して同一の方向を向くように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の排気熱交換装置。
【請求項3】
前記チューブ(110)の積層される積層方向は、水平方向となっており、
複数の前記チューブ(110)の下側において、複数の前記内部流路(110A)同士を連通させる下側連通部(150)と、
貫通孔(172c)を有し、前記チューブ(110)の外表面に設けられて、前記貫通孔(172c)が前記第2内部流路連通部(132)に接続される接続用部材(172)と、
前記接続用部材(172)に設けられて、前記下側連通部(150)に繋がると共に、前記貫通孔(172c)の内周面に開口する通路(172h)と、を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排気熱交換装置。
【請求項4】
前記貫通孔(172c)内には、前記貫通孔(172c)の開口面積を調節する面積調節部(173)が設けられたことを特徴とする請求項3に記載の排気熱交換装置。
【請求項5】
前記チューブ(110)の積層される積層方向は、水平方向となっており、
複数の前記チューブ(110)の下側において、複数の前記内部流路(110A)同士を連通させる下側連通部(150)と、
貫通孔(172c)を有し、前記チューブ(110)の外表面に設けられて、前記貫通孔(172c)が前記第2内部流路連通部(132)に接続される接続用部材(172)と、
前記接続用部材(172)の内部に設けられて、前記下側連通部(150)に繋がる空間部(174)と、
前記空間部(174)から、前記内燃機関において吸気あるいは前記排気が流れる流路であって前記内部流路(110A)内における前記排気の圧力よりも低圧となる流路に接続されるパイプ部材(175)とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排気熱交換装置。
【請求項6】
複数の前記チューブ(110)の下端位置は、前記積層方向において、前記接続用部材(172)に向けて下側に傾斜していることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1つに記載の排気熱交換装置。
【請求項7】
前記第1チューブ間流路連通部(141)は、前記第1内部流路連通部(131)の外周に沿うように複数設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の排気熱交換器。
【請求項8】
前記チューブ間流路(110B)の前記第1内部流路連通部(131)に対する前記冷却流体の下流側には、前記チューブ(110)の長手方向に対して交差する方向に延びるリブ(111c、112c)が設けられており、
前記リブ(111c、112c)の延びる方向における中央部および両端部に開口部(110C)が形成されて、前記冷却流体が流通可能となるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の排気熱交換装置。
【請求項9】
前記第1内部流路連通部(131)の横断面形状は、前記チューブ(110)の長手方向に長軸を備える楕円形状に形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の排気熱交換装置。
【請求項10】
前記第1内部流路連通部(131)は、前記チューブ(110)の長手方向に対して交差する方向に複数設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1つに記載の排気熱交換器。
【請求項11】
前記第1内部流路連通部(131)には、複数の各内部流路(110A)に対応する複数の開口部(191)が形成された筒状体(190)が設けられており、
複数の前記開口部(191)の開口面積は、前記第1内部流路連通部(131)の前記排気の流入側から奥側に向けて順に小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の排気熱交換装置。
【請求項12】
前記第1内部流路連通部(131)には、複数の各内部流路(110A)に対応する複数の開口部(191)が形成された筒状体(190)が設けられており、
前記筒状体(190)内の通路の横断面積は、前記第1内部流路連通部(131)の前記排気の流入側から奥側に向けて順に小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の排気熱交換装置。
【請求項13】
前記排気は、前記内燃機関の吸気側に供給される再循環用の排気であり、
前記冷却流体は、前記内燃機関を冷却する冷却水であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載の排気熱交換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−2481(P2012−2481A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140814(P2010−140814)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】