説明

探傷プローブ

【課題】傷の検出精度を悪化させることなく、出力から傷の深さを容易に推定することが可能となる探傷プローブを提供する。
【解決手段】中心軸に垂直な断面が多角形である角筒状に導体を巻回して励磁コイル11を形成し、角筒状の励磁コイル11の一側面を囲繞するように環状の検出コイル12を配置して探傷プローブ1を構成する。検出コイル12が囲繞する励磁コイル11の一側面を探傷プローブ1の探傷面とする。励磁コイル11が発生させる磁界の探傷対象の表面に対する平行成分が最大になる部分及び垂直成分が最大になる部分が共に検出コイル12の内側に位置し、傷の深さと探傷プローブ1の出力との間に単純増加の関係が得られる。検出コイル12の径が小さい場合に比べてS/N比が向上するので、傷の検出精度を悪化させることなく、探傷プローブ1の出力から傷の深さを容易に推定することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、渦流探傷法により探傷を行う際に用いる探傷プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属材料、加工部品又は製品に存在する傷の有無を検査するための非破壊試験法の一つとして、試験対象の表面に渦電流を誘起させ、傷の存在による渦電流の変化を検出することによって傷を検出することができる渦流探傷法がある。渦流探傷法には、渦電流を誘起させるソレノイドコイルの中に長尺の試験対象を挿入させることによって探傷を行う貫通コイル法と、渦電流を誘起させるコイルを含んでなる探傷プローブを試験対象の表面に近づけることによって探傷を行うプローブコイル法とがある。貫通コイル法では、断面が円又は六角等に形成された長尺の材料のみが試験対象となる。これに対して、プローブコイル法は、小型に形成した探傷プローブを試験対象の表面に近づけることによって探傷を行うので、試験対象がどのような形状であっても対応が可能であるというメリットがある。
【0003】
図11は、従来の探傷プローブの構成例を示す模式図である。探傷プローブは、円環状の励磁コイル51と同径の円環状の検出コイル52とを互いに平行に配して備え、検出コイル52の励磁コイル51に対抗した面とは逆の面を探傷面としている。探傷プローブを用いて渦流探傷を行う際には、試験対象の表面と探傷面とを適宜離隔させて対向させ、試験対象の表面に対して励磁コイル51の中心軸が略直交するように探傷プローブを配し、励磁コイル51に交流電流を通流する。交流電流によって励磁コイル51を貫く交流磁界が発生し、この交流磁界によって試験対象の表面に渦電流が誘起される。検出コイル52の両端子間には、励磁コイル51に流れる交流電流による交流磁界と渦電流による交流磁界とによって電圧が発生する。
【0004】
試験対象の表面に傷が存在する場合、渦電流が傷に沿って流れるので、傷が存在しない場合とは渦電流の流路が変化する。従って、傷が存在しない部分から傷が存在する部分へ探傷プローブが移動した場合は、渦電流によって生じる交流磁界の強さ及び方向が変化し、この交流磁界によって検出コイル52の両端子間に誘起される電圧が変化する。故に、検出コイル52の両端子間に発生する電圧を測定することにより、傷の有無を検出することができる。
【0005】
しかし、図11に示した探傷プローブでは、検出コイル52の両端子間に発生する電圧の出力には、励磁コイル51と試験対象の表面との距離、所謂リフトオフの値に依存する成分が含まれているので、リフトオフの変化に起因するノイズが出力結果に混在することとなる。出力結果から傷の存在に起因する成分のみを抽出することは困難であるので、傷の種類及び深さ等の傷の性質を詳しく解析することが困難であるという問題がある。
【0006】
この問題を解決するために、リフトオフの変化に起因するノイズが発生しない探傷プローブの開発が行われている。非特許文献1には、リフトオフの変化に起因するノイズが発生しない探傷プローブが開示されている。図12は、非特許文献1で開示された探傷プローブの構造を示す模式的斜視図である。直方体の対向する2面に垂直な方向を中心軸の方向とし、底面及び上面を含む他の4面に巻線を巻回した四角筒形状のコイルを励磁コイル53とする。励磁コイル53の底面の中央には、中心軸が励磁コイル53の底面に直交する円環状の検出コイル54を配置してある。探傷時には、励磁コイル53の底面が試験対象の表面に略平行になるように探傷プローブを配する。
【0007】
励磁コイル53の底面では、巻線が略平行に均等の間隔で並んでいる。この励磁コイル53に交流電流を通流することにより、励磁コイル53の底面の直下では、巻線に平行な渦電流が試験対象の表面に発生する。この渦電流は、流れる方向が略平行で電流密度が一様な渦電流となる。励磁コイル53に流れる交流電流による交流磁界と渦電流による交流磁界とが円環状の検出コイル54には殆ど鎖交しないので、試験対象の表面に傷が存在しない場合は検出コイル54の両端子間の出力は略0である。従って、リフトオフが変化した場合であっても、検出コイル54の両端子間の出力にはノイズが含まれることは殆どない。試験対象の表面に傷が存在する場合は、渦電流が傷に沿って流れることによって渦電流の流路が変化するので、流路が変化した渦電流によって検出コイル54に鎖交する交流磁界が発生し、検出コイル54の両端子間に電圧が発生する。このように、図12に示す如き非特許文献1に開示された探傷プローブを用いることによって、リフトオフの変化に起因するノイズに影響されることなく探傷試験を行うことができる。従って、図12に示した探傷プローブを用いることによって、探傷試験での傷の検出感度が向上するので、この探傷プローブを用いた探傷試験の実用化が図られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】小山潔、星川洋「渦流探傷試験における一様渦電流プローブの基礎的特性に関する研究」、非破壊検査、日本非破壊検査協会、平成12年11月、第49巻、第11号、p.775−781
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、図12に示す如き構成の探傷プローブの実用性を確認するために、探傷実験を行った。金属製の試験片に人工傷を生成し、図12に示す如き構成の探傷プローブを用いて試験片に対する探傷試験を行った。図13は、試験片の表面上の人工傷の深さに対する探傷プローブの出力を示す特性図である。横軸は試験片上の所定の位置から傷までの距離を示す。縦軸は、励磁コイル53に流れる交流電流に対応して位相検波を行った検出コイル54の出力電圧を示し、これが探傷プローブの出力である。探傷プローブの励磁コイル53は、12mm角の立方体形状とし、検出コイル54は直径5mmとした。試験片は炭素鋼SS400を用いた。また励磁コイル53に流れる交流電流の周波数は50kHzとし、リフトオフは1mmとした。図13には、傷の深さが0.6mm〜8.0mmである人工傷に対して探傷試験を行った試験結果を示す。
【0010】
図13に示す如く、人工傷の深さが0.6mm、1.2mm、1.8mm、2.0mmと大きくなるに従って、人工傷に対して得られた探傷プローブの出力の振幅がより小さくなっていく。また傷の深さが2.0mm以上である人工傷に対しては、傷の深さが大きくなるに従って探傷プローブの出力の振幅が大きくなっていく。更に図中には示していないが、傷の深さが0.6mmよりも小さい人工傷では、傷の深さが大きくなるに従って探傷プローブの出力の振幅が大きくなることが観測されている。即ち、傷の深さによっては、傷の深さが大きくなるに従って探傷プローブの出力が大きくなる場合と逆に探傷プローブの出力が小さくなる場合とがあることが判明した。この状態は、傷の深さの変化と探傷プローブの出力の変化とが単純に対応していないので、探傷プローブの出力が得られた場合に傷の深さを推定することが困難である。この現象は、非磁性であるアルミニウム試験片を用いた場合の探傷実験でも同様に観測されており、材質にかかわらず生じることが確認されている。また図13が示す各人工傷に対する探傷プローブの出力の出力波形の内、傷の深さが1.2mm、1.8mm、2.0mm、2.4mmである人工傷に対して得られた出力波形は二つの信号波形が重ね合わされた波形となっており、2種類の現象が発生していることが推測される。
【0011】
本発明者は、次に、励磁コイル53によって試験片表面に生成される磁界の試験片表面に対する垂直成分を測定した。図14は、励磁コイル53によって生成される磁界の試験片表面に対する垂直成分の測定結果を示す特性図である。直径5mmのプレーナ型コイルを用いて、12mm角の立方体形状の励磁コイル53の周囲に生成される磁界の試験片表面に対する垂直成分を試験片表面で測定した。励磁コイル53に流れる交流電流の周波数は50kHzとし、リフトオフは1mmとした。横軸は、励磁コイル53の中心軸に平行な方向に沿った励磁コイル53の中心の真下の位置からの相対距離を示し、縦軸は、プレーナ型コイルの出力電圧を示し、磁界の強さに対応する。また縦軸が示す符号は、磁界の垂直成分の向きに対応する。図中に示す磁界の垂直成分は、励磁コイル53の端部で磁界強度が最大となり、励磁コイル53の中心部で磁界強度が最小になるように分布している。これに対応して、磁界の試験片表面に平行な成分は、励磁コイル53の端部で磁界強度が最小となり、励磁コイル53の中心部で磁界強度が最大となるように分布する。これら磁界の垂直成分及び平行成分の夫々によって渦電流が発生するので、試験片表面には2種類の渦電流が発生していることになる。従って、図13に示す如く、探傷プローブの出力は二つの信号波形が重ね合わされた波形となる。また、試験片の表面に発生する渦電流は、位置によって強度が異なる磁界の垂直成分及び平行成分に応じて発生するので、方向及び強度が位置によって変化し、図12に示した探傷プローブでは非特許文献1に開示されているような略平行で一様な渦電流を実際に得ることは困難であることが判明した。このことが、傷の深さの変化と探傷プローブの出力の変化とが単純に対応しない原因である。
【0012】
本発明者は、次に、励磁コイル53の長さを変化させながら、励磁コイル53によって試験片表面に生成される磁界の試験片表面に対する平行成分を測定した。図15は、励磁コイル53によって生成される磁界の試験片表面に対する平行成分の測定結果を示す特性図である。横軸は、励磁コイル53の中心軸に平行な方向に沿った励磁コイル53の中心の真下の位置からの相対距離を示し、縦軸は、プレーナコイルの出力電圧を示し、磁界の強さに対応する。励磁コイル53の幅及び高さは12mmとし、中心軸方向の長さが夫々12mm、24mm、36mmである励磁コイル53について磁界を測定した。図中には、励磁コイル53の長さが夫々12mm、24mm、36mmである場合について、夫々実線、破線、一点鎖線で測定結果を示している。励磁コイル53の長さが長くなるほど、磁界の平行成分の強度が最大で位置によらずに均一になる領域が広くなることがわかる。この領域では、磁界の平行成分の強度が均一であると同時に磁界の垂直成分の強度が最小であるので、試験片表面に対して略平行で均一な磁界により、試験片表面に略平行で一様な渦電流が発生する。
【0013】
以上の結果により、試験対象の表面に略平行で一様な渦電流を発生させ、傷の深さの変化と傷を検出する検出コイル54の出力の振幅の変化との間に単純増加の関係を得るためには、励磁コイル53の幅に比べて長さを3倍程度に長くする必要があることがわかる。しかし、通常の探傷試験では、作業員が探傷プローブを手で持って探傷を行う手探傷作業も行われるので、作業員が手で持つ探傷プローブは、手で持ちやすいように外形寸法が直径18mm程度以下であることが望ましい。探傷プローブの外形寸法を直径18mm程度以下にするためには、励磁コイル53の長さは高々12mm以下の寸法にする必要があるので、試験対象上で渦電流が略一様になる領域が狭くなり、傷の深さの変化と探傷プローブの出力の変化との間に単純増加の関係を得ることが困難である。従って、手探傷作業が可能な探傷プローブでは、探傷プローブの出力から傷の深さを推定することが困難であるという問題がある。
【0014】
12mm以下の寸法の励磁コイル53を用いて傷の深さの変化と探傷プローブの出力の変化との間に単純増加の関係を得る方法としては、検出コイル54の径を小さくし、磁界の垂直成分が最小で平行成分が最大となる励磁コイル53の中心の微小部分で検出コイル54の出力信号を測定する方法が考えられる。しかし、検出コイル54の径を小さくして面積を小さくした場合は、検出コイル54の出力電圧が低くなり、出力信号の信号対雑音(S/N)比が悪化することによって、傷の検出精度が低下するという問題がある。
【0015】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、傷の検出精度を悪化させることなく、出力から傷の深さを容易に推定することが可能となる探傷プローブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る探傷プローブは、探傷対象に渦電流を誘起させる励磁コイルと、該励磁コイルに誘起された渦電流の状態に応じた信号を出力する検出コイルとを備える探傷プローブにおいて、前記励磁コイルは、中心軸に垂直な断面が多角形である角筒状に導体を巻回してなり、前記検出コイルは、角筒状の前記励磁コイルが有する一側面に中心軸が交差するように、前記一側面を囲繞して導体を巻回してなることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、角筒状に導体を巻回した励磁コイルの一側面を囲繞するように検出コイルを配置して探傷プローブを構成し、検出コイルが囲繞する励磁コイルの一側面を探傷プローブの探傷面とする。これにより、励磁コイルが発生させる磁界の試験対象の表面に対する平行な成分が最大になる部分及び垂直な成分が最大になる部分が共に検出コイルの内側に位置し、探傷対象の表面での傷の存在に起因する渦電流の変化が検出コイルの内側で発生するようになる。
【0018】
本発明に係る探傷プローブは、探傷対象に渦電流を誘起させる励磁コイルと、該励磁コイルに誘起された渦電流の状態に応じた信号を出力する環状の検出コイルとを備える探傷プローブにおいて、前記励磁コイルは、中心軸に垂直な断面が多角形である角筒状に導体を巻回してなり、前記検出コイルは、少なくとも一方向の径の長さを前記励磁コイルの中心軸方向の長さ以上になしてあり、角筒状の前記励磁コイルが有する一側面の外側に、前記検出コイルの前記一方向の径が前記励磁コイルの中心軸に実質的に平行になり、しかも前記検出コイルの中心軸が前記一側面に交差するように前記検出コイルを配置してあることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、角筒状に導体を巻回した励磁コイルの一側面の外側に、少なくとも一方向の径の長さが励磁コイルの中心軸方向の長さ以上であるように形成してある環状の検出コイルを、励磁コイルの長さ以上である径の方向が励磁コイルの中心軸方向に平行になるように配置して探傷プローブを構成する。外側に検出コイルを配置してある励磁コイルの一側面を探傷プローブの探傷面とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明にあっては、角筒状に導体を巻回した励磁コイルの探傷面を囲繞するように検出コイルを配置することによって、傷の存在による渦電流の変化を検出コイルの内側で発生させ、傷の深さの変化と探傷プローブの出力の変化との間に単純増加の関係を得ることができる。従って、探傷試験の際には、探傷プローブの出力から傷の深さを容易に推定することが可能になる。また、検出コイルの径は励磁コイルの探傷面を囲繞するように大きく形成してあるので、検出コイルの径を小さくして励磁コイルによる磁界の垂直成分が最小である微小部分で検出コイルの出力電圧を得る方法に比べて、検出コイルの出力電圧が大きくなってS/N比が向上する。従って、傷の検出精度を悪化させることなく、出力から傷の深さを容易に推定することが可能となる。
【0021】
本発明にあっては、径の長さが励磁コイルの中心軸方向の長さ以上であるので、励磁コイルの探傷面を囲繞するように検出コイルを配置した場合と同様に、傷の存在による渦電流の変化を検出コイルの内側で発生させ、傷の深さの変化と探傷プローブの出力の変化との間に単純増加の関係を得ることができる。従って、出力から傷の深さを容易に推定することが可能となる。また励磁コイルの探傷面を囲繞するように検出コイルを配置した場合に比べて、探傷プローブの外径をより小さくすることができるので、作業員がより使用し易い探傷プローブを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態1に係る本発明の探傷プローブの主な構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る探傷プローブを用いた探傷装置の構成を示すブロック図である。
【図3】探傷実験の方法を模式的に示す平面図である。
【図4】炭素鋼の試験片に生成した人工傷の深さに対する探傷プローブの出力を示す特性図である。
【図5】アルミニウムの試験片に生成した人工傷の深さに対する探傷プローブの出力を示す特性図である。
【図6】三角筒形状に励磁コイルを形成した探傷プローブを示す斜視図である。
【図7】励磁コイルの探傷面の外側に検出コイルを配置した探傷プローブを示す斜視図である。
【図8】励磁コイルの探傷面の内側に検出コイルを配置した探傷プローブを示す斜視図である。
【図9】実施の形態2に係る本発明の探傷プローブの主な構成を示す斜視図である。
【図10】実施の形態2に係る探傷プローブを用いた本発明の探傷装置の構成を示すブロック図である。
【図11】従来の探傷プローブの構成例を示す模式図である。
【図12】非特許文献1で開示された探傷プローブの構造を示す模式的斜視図である。
【図13】試験片の表面上の人工傷の深さに対する探傷プローブの出力を示す特性図である。
【図14】励磁コイルによって生成される磁界の試験片表面に対する垂直成分の測定結果を示す特性図である。
【図15】励磁コイルによって生成される磁界の試験片表面に対する平行成分の測定結果を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施の形態1)
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、実施の形態1に係る本発明の探傷プローブの主な構成を示す斜視図である。探傷プローブ1は、探傷試験の試験対象(探傷対象)に渦電流を誘起させる励磁コイル11と、渦電流の状態に応じた信号を出力する検出コイル12とを備える。励磁コイル11は、励磁コイル11の中心軸に垂直な断面が長方形である空芯の四角筒状に導体を巻回してなる。検出コイル12は、平面視で円環形状をなし、四角筒状の励磁コイル11の一側面を囲繞して導体を巻回してなる。なお、検出コイル12の平面視での形状は円環形状に限るものではなく、励磁コイル11の一側面を囲繞する形状であれば、四角環状又は六角環状等のその他の形状であってもよい。また検出コイル12は、中心軸が励磁コイル11の前記一側面に交差するように、好ましくは中心軸が前記一側面に略直交するように配置してある。
【0024】
以上の如く構成された探傷プローブ1は、検出コイル12が囲繞している励磁コイル11の一側面を探傷面とし、試験対象の表面に探傷面が対向する状態で試験対象から適宜離隔され、この状態で試験対象の表面を操作することによって使用される。
【0025】
図2は、実施の形態1に係る探傷プローブ1を用いた探傷装置の構成を示すブロック図である。探傷装置は、探傷プローブ1を備え、励磁コイル11には発振器21が接続されている。発振器21は、所定周波数の交流電流を発生し、発生した交流電流を励磁コイル11に供給する構成となっている。検出コイル12には、増幅器22が接続されている。増幅器22は、検出コイル12の両端に発生する電圧の出力を受け付け、受け付けた検出コイル12からの出力を適宜増幅し、増幅した信号を出力する構成となっている。また発振器21及び増幅器22には、位相検波器23が接続されている。位相検波器23は、増幅器22が出力する信号を入力信号として受け付け、発振器21が発生する交流電流を基準信号として受け付け、入力信号から基準信号と同じ周波数の信号を検出し、検出した信号の振幅、及び基準信号と検出した信号との位相差に比例した信号を出力する構成となっている。位相検波器23には、位相検波器23が出力した信号が示す電圧を測定する電圧計24が接続されている。電圧計24は、測定した電圧を示すデジタルデータを出力する構成となっている。電圧計24には、電圧計23が出力したデジタルデータを受け付けて記録するパーソナルコンピュータ(PC)等の記録部25が接続されている。なお、電圧計24は、電圧を示すアナログデータを出力する構成であってもよく、また記録部25は、電圧計24が出力したデータの値を記録用紙に記録するペンレコーダ等の記録装置であってもよい。
【0026】
図2に示した探傷装置では、発振器21が交流電流を発生させることによって、発生した交流電流が励磁コイル11を流れ、試験対象の表面に渦電流が発生する。試験対象の表面に傷が存在している場合は、試験対象の表面の渦電流が変化することによって検出コイル12の両端に電圧が発生し、増幅器22は、検出コイル12の両端に発生する電圧の出力を受け付け、受け付けた出力を適宜増幅した信号を位相検波器23へ出力する。位相検波器23は、増幅器22からの信号を入力信号として受け付け、発振器21からの交流電流を基準信号として受け付け、基準信号と同じ周波数の信号の振幅、及び基準信号との位相差に比例した信号を出力する。電圧計24は、位相検波器23からの信号を受け付け、受け付けた信号が示す電圧を測定し、測定した電圧を示すデジタルデータを出力し、記録部25は電圧計24が出力したデジタルデータを記録する。
【0027】
以上の如き構成の探傷装置を用いて、探傷実験を行った。励磁コイル11は、線形0.2mmのポリイミド線を160回巻回して作成し、全体として一辺12mmの立方体形状とした。励磁コイル11の探傷面を囲繞する内径16mmの円環状ボビンを配置し、検出コイル12は、この円環状ボビンに線形70μmのポリイミド線を120回巻回して作成した。試験片として炭素鋼SS400とアルミニウムA1050とを使用した。各試験片は、幅60mm、長さ550mmとした。人工傷は幅を0.3mm、試験片の幅方向の長さを50mmとし、機械加工で生成した。
【0028】
図3は、探傷実験の方法を模式的に示す平面図である。探傷試験では、探傷プローブ1の探傷面を試験片の表面に対向させた上で励磁コイル11の巻回方向が人工傷の長さ方向と略平行になるように探傷プローブ1を配置し、図中に白矢印で示す如く、人工傷の長さ方向に直交する方向へ探傷プローブ1を移動させ、試験片上の各位置での検出コイル12の出力信号を電圧計24で計測して記録部25で記録した。
【0029】
図4は、炭素鋼の試験片に生成した人工傷の深さに対する探傷プローブ1の出力を示す特性図である。横軸は試験片上の所定の位置から傷までの距離を示す。縦軸は、位相検波器23が出力した信号の電圧を電圧計24が測定した電圧の値を示し、これが探傷プローブ1の出力である。励磁コイル11に流れる交流電流の周波数は50kHzとし、リフトオフは1mmとした。図中には、傷深さが0.5mmから10mmまでの各人工傷に対する探傷結果を示している。図中に示す如く、傷の深さが増加するに従って、探傷プローブ1の出力の振幅がほぼ比例して単純増加している。即ち、図13に示した従来の場合とは異なって、本発明によって傷の深さの変化と探傷プローブ1の出力の変化との間に単純増加の関係を得ることができた。
【0030】
従来の場合では、励磁コイルが発生させる磁界の試験対象の表面に対する平行な成分が最大になる部分が検出コイルの内側に位置し、磁界の試験対象の表面に対する垂直な成分が最大になる部分が検出コイルの外側に位置していた。これに対して、本発明では、励磁コイル11が発生させる磁界の試験対象の表面に対する平行な成分が最大になる部分及び垂直な成分が最大になる部分が共に検出コイル12の内側に位置する。即ち、従来の場合では、励磁コイルが発生させる磁界の試験対象の表面に対する平行な成分と垂直な成分とに起因する渦電流が検出コイルの内側と外側とに位置していることに対して、本発明では両種類の渦電流が検出コイル11の内側に位置している。従って、傷の存在に起因する渦電流の変化が全て検出コイル11の内側で発生するので、傷の深さの変化と探傷プローブ1の出力の変化との間に単純増加の関係を得ることができると推測される。
【0031】
図5は、アルミニウムの試験片に生成した人工傷の深さに対する探傷プローブ1の出力を示す特性図である。この場合は、励磁コイル11に流れる交流電流の周波数は25kHzとした。図中には、傷深さが0.1mmから10mmまでの各人工傷に対する探傷結果を示している。図中に示す如く、試験片が炭素鋼である場合と同様に、傷の深さが増加するに従って、探傷プローブ1の出力の振幅がほぼ比例して単純増加している。即ち、本発明では、試験対象での磁性の有無に関係なく、傷の深さの変化と探傷プローブ1の出力の変化との間に単純増加の関係を得ることができることが判明した。
【0032】
以上の如く、本発明においては、角筒状に導体を巻回した励磁コイル11の探傷面を囲繞するように検出コイル12を配置することによって、傷の存在による渦電流の変化を検出コイル12の内側で発生させ、傷の深さの変化と探傷プローブ1の出力の変化との間に単純増加の関係を得ることができる。従って、探傷試験の際には、探傷プローブ1の出力から傷の深さを容易に推定することが可能になる。また、検出コイル12の径は励磁コイル11の探傷面を囲繞するように大きく形成してあるので、検出コイルの径を小さくして励磁コイル11による磁界の垂直成分が最小である微小部分で検出コイルの出力電圧を得る方法に比べて、検出コイル12の出力電圧が大きくなってS/N比が向上する。従って、傷の検出精度を悪化させることなく、出力から傷の深さを容易に推定することが可能となる。
【0033】
以上に示した探傷プローブ1の構成例では、励磁コイル11を四角筒形状に形成した形態を示したが、励磁コイル11の形状はこれに限るものではなく、励磁コイル11の中心軸に垂直な断面は四角以外の多角形状であってもよい。図6は、三角筒形状に励磁コイル11を形成した探傷プローブ1を示す斜視図である。励磁コイル11は、励磁コイル11の中心軸に垂直な断面が三角形である三角筒形状に導体を巻回してなり、検出コイル12は、三角筒形状の励磁コイル11の一側面を囲繞して配置されている。探傷プローブ1は、検出コイル12が囲繞している励磁コイル11の一側面を探傷面とする。励磁コイル11の中心軸に垂直な断面は、探傷面に含まれる一辺を底辺とした二等辺三角形状に形成されていることが望ましい。励磁コイル11の探傷面以外の他の面に流れる電流は、試験対象に渦電流を発生させることに寄与しない無駄な電流なので、励磁コイル11を三角筒形状に形成することにより、四角筒形状の励磁コイルに比べて無駄な電流が減少し、探傷試験を行う際の電力を削減することができる。また励磁コイル11は、励磁コイル11の中心軸に垂直な断面が台形状又は六角形状等のその他の多角形状であってもよい。
【0034】
また、以上に示した探傷プローブ1の構成例では、励磁コイル11の探傷面を囲繞するように検出コイル12を配置する形態を示したが、検出コイル12の配置はこれに限るものではなく、角筒形状の励磁コイル11の探傷面の外側に検出コイル12を配置した形態であってもよい。図7は、励磁コイル11の探傷面の外側に検出コイル12を配置した探傷プローブ1を示す斜視図である。探傷プローブ1は、四角筒形状の励磁コイル11の一側面の外側に、この側面に中心軸が鎖交するように検出コイル12を配置してあり、検出コイル12を配置してある励磁コイル11の一側面を探傷面とする。検出コイル12は、中心軸が励磁コイル11の前記一側面に略直交していることが望ましい。検出コイル12は、励磁コイル12の探傷面と試験対象との間に位置することとなる。検出コイル12は、少なくとも一方向の径の長さが励磁コイル11の中心軸方向の長さ以上であるように形成してあり、励磁コイル11の長さ以上である径の方向が励磁コイル11の中心軸方向に略平行になるように配置してある。
【0035】
図7に示した探傷プローブ1は、径の長さが励磁コイル11の中心軸方向の長さ以上であるので、励磁コイル11が発生させる磁界の試験対象の表面に対する平行な成分が最大になる部分及び垂直な成分が最大になる部分が共に検出コイル12の内側に位置する。従って、励磁コイル11の探傷面を囲繞するように検出コイル12を配置した場合と同様に、傷の深さの変化と探傷プローブ1の出力の変化との間に単純増加の関係を得ることができる。また励磁コイル11の探傷面の外側に検出コイル12を配置した形態は、励磁コイル11の探傷面を囲繞するように検出コイル12を配置した形態に比べて、探傷プローブ1の外径をより小さくすることができるので、手探傷作業を行う際に作業員がより使用し易い探傷プローブ1を実現することができる。
【0036】
また、探傷プローブ1は、角筒形状の励磁コイル11の探傷面の内側に検出コイル12を配置した形態であってもよい。図8は、励磁コイル11の探傷面の内側に検出コイル12を配置した探傷プローブ1を示す斜視図である。四角筒形状の励磁コイル11の一側面の内側に、中心軸が前記一側面に鎖交するように検出コイル12を配置してある。検出コイル12は、中心軸が前記一側面に略直交していることが望ましい。探傷プローブ1は、検出コイル12を配置してある励磁コイル11の一側面を探傷面とする。励磁コイル11の探傷面は、検出コイル12と試験対象との間に位置することとなる。励磁コイル11の探傷面の内側に検出コイル12を配置することにより、励磁コイル11の探傷面を試験対象の表面により接近させることができる。従って、渦電流の密度をより密にして感度のよい探傷試験を可能とする。
【0037】
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2に係る本発明の探傷プローブの主な構成を示す斜視図である。探傷プローブ3は、励磁コイル31と、第1検出コイル32及び第2検出コイル33とを備える。励磁コイル31は、中心軸に垂直な断面が長方形である空芯の四角筒状に導体を巻回してなる。第1検出コイル32は、励磁コイル31の中心軸方向の長さよりも径が小さい円環状に形成され、励磁コイル31の一側面の外側に配置されている。第2検出コイル33は、平面視で円環形状をなし、第1検出コイル32が外側に配置されている励磁コイル31の一側面を囲繞して導体を巻回してなる。第1検出コイル32及び第2検出コイル33は、各中心軸が励磁コイル31の前記一側面に交差するように、好ましくは各中心軸が前記一側面に略直交するように配置してある。探傷プローブ3は、第1検出コイル32が配置されている励磁コイル31の一側面を探傷面とする。
【0038】
図10は、実施の形態2に係る探傷プローブ3を用いた本発明の探傷装置の構成を示すブロック図である。探傷装置は、探傷プローブ3を備え、励磁コイル31には発振器41が接続されている。発振器41は、所定周波数の交流電流を発生し、発生した交流電流を励磁コイル31に供給する構成となっている。また第1検出コイル32は第1増幅器42に接続され、第2検出コイル33は第2増幅器43に接続されている。第1増幅器42,第2増幅器43は、第1検出コイル32,第2検出コイル33の両端に発生する電圧の出力を夫々受け付け、受け付けた第1検出コイル32,第2検出コイル33からの出力を適宜増幅し、増幅した信号を出力する構成となっている。また第1増幅器42,第2増幅器43は、夫々に第1位相検波器44,第2位相検波器45に接続され、第1位相検波器44及び第2位相検波器45には発振器41が接続されている。第1位相検波器44,第2位相検波器45は、夫々に第1増幅器42,第2増幅器43が出力する信号を入力信号として受け付け、発振器41が発生する交流電流を基準信号として受け付け、入力信号から基準信号と同じ周波数の信号を検出し、検出した信号の振幅、及び基準信号と検出した信号との位相差に比例した信号を出力する構成となっている。
【0039】
第1位相検波器44,第2位相検波器45の夫々には、出力した信号が示す電圧を測定する第1電圧計46,第2電圧計47が接続されている。第1電圧計46は、測定した電圧を示すデジタルデータ(第1信号)を出力し、第2電圧計47は、測定した電圧を示すデジタルデータ(第2信号)を出力する構成となっている。第1電圧計46及び第2電圧計47には、第1電圧計46及び第2電圧計47が出力したデジタルデータを受け付け、受け付けたデジタルデータに基づいた演算を行う演算部48が接続されている。
【0040】
本実施の携帯に係る本発明の探傷装置では、発振器41が交流電流を発生させることによって、発生した交流電流が励磁コイル31を流れ、試験対象の表面に渦電流が発生する。試験対象の表面に傷が存在している場合は、試験対象の表面の渦電流が変化することによって第1検出コイル32,第2検出コイル33の両端に電圧が発生し、第1増幅器42,第2増幅器43は、夫々に第1検出コイル32,第2検出コイル33の両端に発生する電圧の出力を受け付け、受け付けた出力を適宜増幅した信号を夫々に第1位相検波器44,第2位相検波器45へ出力する。第1位相検波器44,第2位相検波器45は、夫々に第1増幅器42,第2増幅器43からの信号を入力信号として受け付け、発振器41からの交流電流を基準信号として受け付け、基準信号と同じ周波数の信号の振幅及び基準信号との位相差に比例した信号を出力する。第1電圧計46,第2電圧計47は、夫々に第1位相検波器44,第2位相検波器45からの信号を受け付け、受け付けた信号が示す電圧を測定し、測定した電圧を示すデジタルデータを演算部48へ出力する。
【0041】
演算部48は、第1電圧計46,第2電圧計47の夫々から出力されたデジタルデータに対して四則演算を行い、励磁コイルが発生させる磁界の試験対象の表面に対する平行成分による傷の検出信号と、磁界の試験対象の表面に対する垂直成分による傷の検出信号とを分離する処理を行う。第1検出コイル32では、磁界の平行成分が最大になる部分が内側に位置し、磁界の垂直成分が最大になる部分が外側に位置するので、磁界の平行成分に起因する傷の検出信号と磁界の垂直成分に起因する傷の検出信号とが逆位相で重なって出力される。これに対して、第2検出コイル33では、磁界の平行成分が最大になる部分及び垂直成分が最大になる部分が共に内側に位置するので、磁界の平行成分に起因する傷の検出信号と磁界の垂直成分に起因する傷の検出信号とが同位相で重なって出力される。従って、第1電圧計46,第2電圧計47の夫々から出力されたデジタルデータに対して、夫々を適宜増幅した後で互いに加算又は減算することによって、磁界の平行成分に起因する傷の検出信号と磁界の垂直成分に起因する傷の検出信号とを分離することが可能となる。
【0042】
以上詳述した如く、本実施の形態においては、励磁コイル31の中心軸方向の長さよりも径が小さい第1検出コイル32を励磁コイル31の一側面の外側に配置し、この側面を囲繞する第2検出コイル33を更に配置することによって、励磁コイルが発生させる磁界の試験対象の表面に対する平行成分に起因する傷の検出信号と磁界の垂直成分に起因する傷の検出信号とを分離することが可能となる。従って、探傷試験において、試験対象の表面での傷の有無をより詳細に調べることが可能となる。
【0043】
なお、本実施の形態においては、励磁コイル31の探傷面を囲繞するように第2検出コイル33を配置する形態を示したが、これに限るものではなく、少なくとも一方向の径の長さが励磁コイル31の中心軸方向の長さ以上であるように形成した第2検出コイル33を、励磁コイル31の長さ以上である径の方向が励磁コイル31の中心軸方向に平行になり、第2検出コイル33の中心軸が励磁コイル31の探傷面に交差するように励磁コイル31の探傷面の外側に配置した形態であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1、3 探傷プローブ
11、31 励磁コイル
12 検出コイル
32 第1検出コイル
33 第2検出コイル
21、41 発振器
23 位相検波器
44 第1位相検波器
45 第2位相検波器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
探傷対象に渦電流を誘起させる励磁コイルと、該励磁コイルに誘起された渦電流の状態に応じた信号を出力する検出コイルとを備える探傷プローブにおいて、
前記励磁コイルは、中心軸に垂直な断面が多角形である角筒状に導体を巻回してなり、
前記検出コイルは、角筒状の前記励磁コイルが有する一側面に中心軸が交差するように、前記一側面を囲繞して導体を巻回してなる
ことを特徴とする探傷プローブ。
【請求項2】
探傷対象に渦電流を誘起させる励磁コイルと、該励磁コイルに誘起された渦電流の状態に応じた信号を出力する環状の検出コイルとを備える探傷プローブにおいて、
前記励磁コイルは、中心軸に垂直な断面が多角形である角筒状に導体を巻回してなり、
前記検出コイルは、少なくとも一方向の径の長さを前記励磁コイルの中心軸方向の長さ以上になしてあり、
角筒状の前記励磁コイルが有する一側面の外側に、前記検出コイルの前記一方向の径が前記励磁コイルの中心軸に実質的に平行になり、しかも前記検出コイルの中心軸が前記一側面に交差するように前記検出コイルを配置してあること
を特徴とする探傷プローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−191324(P2011−191324A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148375(P2011−148375)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【分割の表示】特願2005−1930(P2005−1930)の分割
【原出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(505009519)
【Fターム(参考)】