説明

接地構造及びそれを備えた電子機器

【課題】移動可能なユニットや部材を簡単な構成で確実に接地可能な接地構造及びそれを備えた電子機器を提供する。
【解決手段】板バネ部材43は、画像形成装置100本体側の第1フレーム40と画像読取部20側の第2フレーム41とを電気的に導通させて画像読取部20を接地する接地部材であり、第1ビス45によって第1フレーム40に固定されている。また、第1フレーム40には板バネ部材43を第2フレーム41に圧接するための圧縮コイルバネ47が第2ビス50によって固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置等の電子機器に用いられる接地構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置では、ジャム処理やメンテナンス作業を容易にするために、構成ユニットを画像形成装置本体に対し移動(着脱)可能としたものが知られている。このようなユニットは、安全規格のために必要な保護アース線により画像形成装置本体と電気的に接続されているが、それ以外の接地(アース)対策はとられていなかった。
【0003】
しかし、近年の装置のデジタル化により、画像形成装置から電磁波ノイズが放出され、その電磁波ノイズが画像形成装置の周囲にある他の電子機器に影響を与えることがある。そのため、EMI(Electro Magnetic Interference)対策の重要性が増し、移動可能なユニットや外装カバー等の部材に対してより確実な接地構造が要望されている。
【0004】
一般的な接地構造としては、接地部材として板バネを用い、板バネの一端を一方の部材にビス固定し、他端を板バネの付勢力によって他方の部材に圧接させる方法が知られている。しかし、この構造では、振動や衝撃等により板バネが変形したり、接地が必要な部材間のずれが発生したりして、板バネの接触が不安定になるおそれがあった。また、接地部材としてコイルバネを用いる方法も考えられるが、線材で形成されるコイルバネはインピーダンスが高く、接触面積も小さいため十分な接地を行うことができなかった。
【0005】
そこで、画像形成装置本体とユニットまたは部材との接地性を安定させる方法が提案されており、例えば特許文献1には、板バネの一端を一方の部材にビス固定し、板バネの他端を磁石または電磁石の磁力によって他方の部材に吸着させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−307282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の方法では、ユニットや部材を移動させる際に、磁力によって吸着した板バネを他方の部材から離間させる必要があり、吸着力の強さによっては板バネが変形するおそれがあった。また、電磁石を用いる場合は構成部材も増加するとともに配線も複雑となり、電磁石に通電するための消費電力も増大するという問題点もあった。なお、上記では画像形成装置における接地構造の問題点について説明したが、画像形成装置以外の他の電子機器においても事情は同じであった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、移動可能なユニットや部材を簡単な構成で確実に接地可能な接地構造及びそれを備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、互いに対向配置された第1の部材と第2の部材とを接地する電子機器の接地構造であって、前記第1の部材に固定される固定部と、前記第2の部材に面接触する接触部と、該接触部と前記固定部とを連結する弾性変形可能な連結部と、を有する板バネ部材と、前記接触部に対し略垂直に配置され、一端が前記第1の部材に固定されるとともに他端が前記接触部を前記第2の部材側に押圧する圧縮コイルバネと、を有する電子機器の接地構造である。
【0010】
また本発明は、上記構成の接地構造において、前記圧縮コイルバネは、前記接触部を押圧するコイル端面がクローズドエンド加工されていることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記構成の接地構造において、前記圧縮コイルバネは、前記接触部を押圧するコイル端面が研削エンド加工されていることを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記構成の接地構造を備えた電子機器である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の構成によれば、板バネ部材の接触部が圧縮コイルバネによって第2の部材に押圧されるため、接触部と第2の部材とが確実に面接触する。これにより、第1の部材と第2の部材とを確実に接地することができ、第2の部材と板バネ部材の接触が不安定となるおそれもない。また、圧縮コイルバネのバネ定数を選択することで板バネ部材の接触圧を任意に設定することができる。さらに、板バネ部材の材料として高価なバネ鋼材を使用しなくても板バネ部材の接触圧を維持できるため、コスト面においても有利となる。従って、電子機器のEMI対策として有効な接地構造となる。
【0014】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の接地構造において、接触部を押圧する圧縮コイルバネのコイル端面をクローズドエンド加工することにより、圧縮コイルバネのコイル端面が接触部に環状に接触可能となり、板バネ部材の接触部が第2の部材に面で圧接され、接触部と第2の部材の接触状態を安定させることができる。
【0015】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1の構成の接地構造において、接触部を押圧する圧縮コイルバネのコイル端面を研削エンド加工することにより、圧縮コイルバネのコイル端面が接触部に面接触可能となり、板バネ部材の接触部が第2の部材に面で圧接され、接触部と第2の部材の接触状態をより一層安定させることができる。
【0016】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれかの構成の接地構造を用いることにより、電磁波ノイズの放射による他の電子機器への影響を効果的に抑制する有効なEMI対策のなされた電子機器となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の接地構造が用いられる画像形成装置100の内部構成を示す概略断面図
【図2】画像読取部20の内部構造を示す側面断面図
【図3】画像読取部20と画像形成装置100本体との接地構造の一実施形態を示す断面図
【図4】本実施形態の接地構造に用いられる板バネ部材43の斜視図
【図5】本実施形態の接地構造に用いられる圧縮コイルバネ47の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の接地構造を備えた画像形成装置の内部構成を示す概略図である。画像形成装置100はタンデム式のカラー複写機であり、画像形成装置100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、図1では左側から順に配設されている。画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
【0019】
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dが配設されており、さらに図1において反時計回りに回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次転写されて重畳された後、二次転写ローラー9の作用によって記録媒体の一例としての用紙26上に転写され、さらに、定着装置7において用紙26上に定着された後、装置本体より排出される。感光体ドラム1a〜1dを図1において時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0020】
トナー像が転写される記録媒体としての用紙26は、装置下部の給紙カセット10内に収容されている。用紙26は給紙カセット10の用紙積載板28上に積載されており、ピックアップローラー29に用紙26の上面が所定の圧力で圧接された状態でピックアップローラー29を回転させることで用紙26の給送が開始される。そして、フィードローラー30aとリタードローラー30bとで構成される給紙ローラー対30により複数枚の用紙26のうち最上の1枚のみが分離され、用紙搬送路11に向けて搬送される。用紙搬送路11を通過した用紙26はレジストローラー対14に到達し、画像形成タイミングに合わせて二次転写ローラー9と後述する中間転写ベルト8の駆動ローラー13との間のニップへと搬送される。
【0021】
中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、主として継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。また、二次転写ローラー9から見て中間転写ベルト8の移動方向の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナーを除去するためのブレード状のベルトクリーナー17が配置されている。
【0022】
画像読取部20は、複写時に原稿を照明するスキャナーランプや原稿からの反射光の光路を変更するミラーが搭載された走査光学系、原稿からの反射光を集光して結像する集光レンズ、及び結像された画像光を電気信号に変換するCCDセンサー等(いずれも図示せず)から構成されており、原稿画像を読み取って画像データに変換する。
【0023】
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を露光する露光装置4と、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング装置5a、5b、5c及び5dが設けられている。
【0024】
画像読取部20から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光装置4によって画像データに応じて光ビームを照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像読取部20からの画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラー(現像剤担持体)を備え、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。このトナーは、現像装置3a〜3dの現像ローラーにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置4からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0025】
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング装置5a〜5dにより除去される。
【0026】
中間転写ベルト8は、従動ローラー12及び駆動ローラー13に掛け渡されており、ベルト駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー13の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回りに回転を開始すると、用紙26がレジストローラー対14から所定のタイミングで中間転写ベルト8に近接して設けられた二次転写ローラー9と中間転写ベルト8のニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、ニップ部において用紙26上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙26は定着装置7へと搬送される。
【0027】
定着装置7に搬送された用紙26は、定着ローラー対15のニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱及び加圧されてトナー像が用紙26の表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙26は、搬送ローラー対16を経て用紙搬送路19の分岐部に配置された搬送ガイド部材21によって搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、反転搬送路23に送られて両面コピーされた後に)、排出ローラー対24を介して排出トレイ18に排出される。
【0028】
用紙搬送路19は、具体的には、搬送ローラー対16の下流側において左右二股に分岐し、一方の経路(図1では左方向に分岐する経路)は排出トレイ18に連通するように構成されている。そして、他方の経路(図1では右方向に分岐する経路)は反転搬送路23に連通するように構成されている。
【0029】
続いて、原稿の画像を電気信号として読み取るための画像読取部20の構成について説明する。図2は、画像読取部20の内部構造を示す側面断面図である。画像読取部20のフレーム(第2フレーム)41内には、原稿の画像面に向けて光を照射するランプ(光源)61と、このランプ61からの光を効率よく原稿の画像面に与えるための反射板62と、原稿反射光を直接に受けて反射させる第1ミラー63と、この第1ミラー63からの反射光を受けて反射させる第2ミラー64と、この第2ミラー64からの反射光を受けて反射させる第3ミラー65と、が配設されている。画像読取部20は、メンテナンスや交換のために画像形成装置100本体に対し着脱可能となっている。
【0030】
また、この第3ミラー65からの反射光を導入して集光するレンズ群(不図示)を保持した鏡胴66と、この鏡胴66のレンズ群で集光された原稿反射光を受けて電気信号に変換する光電変換素子を備えたライン型のCCD(光電変換部材)センサー67と、がベースプレート70上に配設されている。なお、原稿反射光の光路を一点鎖線で示す。
【0031】
ここで、ランプ61、反射板62及び第1ミラー63は第1キャリッジ68上に一体的に固定され、また、第2ミラー64及び第3ミラー65は第2キャリッジ69上に一体的に固定されている。これらの第1及び第2キャリッジ68、69は、走査手段を構成しており、相互に独立しているが連携して往復移動可能になっている。
【0032】
つまり、自動原稿搬送装置(図示せず)を用いてシートスルー方式で原稿画像の読取動作が行われる際は、第1キャリッジ68が自動読取用ガラス25aの第1画像読取領域(画像読取位置)R1の直下に移動して保持されるとともに、第2キャリッジ69が所定位置に保持され、他方、原稿固定方式で原稿画像の読取動作が行われる際は、第1キャリッジ68と第2キャリッジ69は相互に原稿反射光の光路長を一定に維持しながら手置き原稿用ガラス25bの第2画像読取領域R2の下方を往復移動(走査移動)する。また、第1キャリッジ68及び第2キャリッジ69は、不図示のキャリッジ駆動モーターにより駆動されるようになっている。また、第1及び第2キャリッジ68、69は、白基準板(不図示)の直下をホームポジションとしている。
【0033】
このような構成のもと、ランプ61から照射されて原稿の画像面で反射した原稿反射光は、第1ミラー63〜第3ミラー65で反射して鏡胴66内のレンズ群に導入され、レンズ群で集光されてCCDセンサー67上に結像する。そして、このCCDセンサー67で光電変換処理がなされ、原稿画像は電気信号として読み取られる。
【0034】
次に、本発明の接地構造について説明する。図3は、画像読取部20と画像形成装置100本体との接地構造の一実施形態を示す断面図である。板バネ部材43は、画像形成装置100本体側の第1フレーム40と画像読取部20側の第2フレーム41とを電気的に導通させて画像読取部20を接地する接地部材であり、第1ビス45によって第1フレーム40に固定されている。また、第1フレーム40には板バネ部材43を第2フレーム41に圧接するための圧縮コイルバネ47が第2ビス50によって固定されている。
【0035】
図4は、本実施形態の接地構造に用いられる板バネ部材43の斜視図である。図4に示すように、板バネ部材43は1枚の金属板の2箇所を折り曲げて一体形成されており、折り曲げ線によって固定部43a、連結部43b、及び接触部43cに区画されている。固定部43aは、板バネ部材43を第1フレーム40に取り付けるための部分であり、第1ビス45(図3参照)が締結されるビス孔46が形成されている。連結部43bは、固定部43aと接触部43cとを弾性変形可能に連結する部分であり、連結部43b及び固定部43aの一辺から所定の角度で斜め方向に延びている。接触部43cは第2フレーム41に面接触する部分であり、固定部43aと略平行になるように形成されている。
【0036】
図5は、本実施形態の接地構造に用いられる圧縮コイルバネ47の斜視図である。図5に示すように、第1フレーム40に固定される圧縮コイルバネ47の末端部47aは、圧縮コイルバネ47の径方向内側に巻き込まれた形状(ピッグテールエンド)に加工されており、末端部47aの内径は第2ビス50(図3参照)の軸径よりも僅かに大きく形成されている。これにより、末端部47aは第2ビス50により第2フレーム41に締結される。
【0037】
第1フレーム40への圧縮コイルバネ47の固定方法としては、末端部47aをピッグテールエンドに加工してビス固定する方法の他、例えば、ワッシャー(座金)を介して末端部47aをビス固定する方法や、第1フレーム40に突設したボス部を末端部47aに圧入する方法等が挙げられる。
【0038】
また、板バネ部材43の接触部43cを押圧する圧縮コイルバネ47の末端部47bは、コイル端面(図5における圧縮コイルバネ47の上面)がコイル軸方向に隣のコイルと接している形状(クローズドエンド)に加工されている。これにより、末端部47bが接触部43cに環状に接触可能となり、末端部47bと接触部43cとの接触状態を安定させることができる。なお、末端部47bのコイル端面を平坦状に研削された形状(研削エンド)に加工して末端部47bが接触部43cに面接触するようにすれば、末端部47bと接触部43cとの接触状態がより一層安定する。
【0039】
本実施形態の接地構造によれば、板バネ部材43の接触部43cが圧縮コイルバネ47によって第2フレーム41に押圧されるため、接触部43aと第2フレーム41とが確実に面接触する。その結果、画像読取部20を画像形成装置100の第1フレーム40に確実に接地することができ、画像読取部20の着脱操作や画像形成装置100の移動による振動等で板バネ部材43の接触が不安定となるおそれもない。従って、CCDセンサー67(図2参照)の高周波信号を送信するケーブルからの電磁波ノイズの漏洩を効果的に抑制することができる。
【0040】
また、圧縮コイルバネ47のバネ定数を選択することで板バネ部材43の接触圧を任意に設定することができる。さらに、板バネ部材43の材料として高価なバネ鋼材を使用しなくても板バネ部材43の接触圧を維持できるため、コスト面においても有利となる。
【0041】
なお、ここでは末端部47aから末端部47bまでの外径が一定である円筒形の圧縮コイルバネ47を用いているが、末端部47aから末端部47bまでの外径が徐々に小さくなる台形バネ(円錐バネ)を用いることもできる。圧縮コイルバネ47に台形バネを用いた場合、板バネ部材43の接触部43cを押圧する際に圧縮コイルバネ47が座屈し難くなるため好ましい。
【0042】
その他、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では固定部43aと接触部43cとが略平行な板バネ部材43を用いたが、接地される2つの部材の対向面(接地面)が平行でない場合は、対向面の角度に応じて固定部43aと接触部43cとの角度を調整するとともに、接触部43cを垂直に押圧するように圧縮コイルバネ47を配置すれば良い。
【0043】
また、上記実施形態においては、画像読取部20と画像形成装置100本体との間の接地構造を例に挙げて説明したが、本発明の接地構造は、露光装置4、定着装置7等の、画像形成装置100本体に対し着脱可能なユニット、或いは画像形成装置100の側面カバー等の画像形成装置100本体に対し移動可能な部材の接地構造として用いることができる。
【0044】
また、本発明の接地構造は。図1に示したようなタンデム型のカラー複写機に限らず、モノクロ複写機、デジタル複合機、モノクロ及びカラープリンター、インクジェットプリンター等の他のタイプの画像形成装置にも適用でき、画像形成装置以外の電子機器のアース構造にも適用できるのはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、画像形成装置等の電子機器に用いられる接地構造に利用可能である。本発明の利用により、移動可能なユニットや部材を簡単な構成で確実に接地可能な接地構造及びそれを備えた電子機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0046】
20 画像読取部
40 第1フレーム(第1の部材)
41 第2フレーム(第2の部材)
43 板バネ部材
43a 固定部
43b 連結部
43c 接触部
45 第1ビス
47 圧縮コイルバネ
47a、47b 末端部
50 第2ビス
100 画像形成装置(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向配置された第1の部材と第2の部材とを接地する電子機器の接地構造であって、
前記第1の部材に固定される固定部と、前記第2の部材に面接触する接触部と、該接触部と前記固定部とを連結する弾性変形可能な連結部と、を有する板バネ部材と、
前記接触部に対し略垂直に配置され、一端が前記第1の部材に固定されるとともに他端が前記接触部を前記第2の部材側に押圧する圧縮コイルバネと、
を有する電子機器の接地構造。
【請求項2】
前記圧縮コイルバネは、前記接触部を押圧するコイル端面がクローズドエンド加工されていることを特徴とする請求項1に記載の接地構造。
【請求項3】
前記圧縮コイルバネは、前記接触部を押圧するコイル端面が研削エンド加工されていることを特徴とする請求項1に記載の接地構造。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の接地構造を備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−15556(P2013−15556A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146187(P2011−146187)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】