説明

推進工法用測量ロボット装置

【課題】 埋設管を地中に直接埋設する推進工法で、掘進機を曲線推進させた路線でも安定して測量することができる低コストの推進工法用測量ロボット装置を提供すること。
【解決手段】 埋設管の内部に、軸方向に貫通する空間を有するインナー管8を挿通し、発進立坑に設置した元押装置で掘進機に推進力を与えて掘削した地中に前記埋設管を埋設して管路を形成する推進工法における測量ロボット装置70に、前記インナー管8の貫通する空間10を自走する起動台車71と、この起動台車71に連なって前記インナー管8の空間10の軸方向に敷設した1本のレール12に沿って走行する測量ジャイロ台車76とを備えさせ、この起動台車71と測量ジャイロ台車76とは屈曲可能に連結され、前記起動台車71は、自走して前記測量ジャイロ台車76を牽引する駆動機72と、距離計測器74と、起動台車制御器75とを有し、前記測量ジャイロ台車76は、ジャイロ77と、ジャイロデータ収集器79とを有しているようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質塩化ビニル管等の埋設管を推進工法で地中に直接埋設する掘進機の推進方向を測量するための推進工法用測量ロボット装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に下水道の管路や他の管路を埋設する工法として、先導する掘進機に後続させて埋設管を埋設する推進工法が知られている。この推進工法は、図13の推進工法を模式的に示す平面図のように、埋設すべき管路の予定埋設線上に発進立坑201と到達立坑202とを構築し、発進立坑201に設置した元押装置203によって埋設管204に推進力を与え、この埋設管204を介して掘進機205に推進力を伝達して地中207を推進させるものである。そして、掘進機205を到達立坑202まで推進させることにより、発進立坑201と到達立坑202との間に連続する埋設管204を直接的に埋設して管路を形成している。
【0003】
上記管路を構成する埋設管としては、200mm〜400mm程度の直径のコンクリート管や硬質塩化ビニル管等が一般的に採用されているが、例えば、直径が300mm程度の小径管の場合には、製作上の関係や耐食性等から硬質塩化ビニル管(この明細書及び特許請求の範囲では、単に「塩ビ管」ともいう)等の合成樹脂管が多く採用されている。
【0004】
例えば、近年、合成樹脂管として多く採用されている塩ビ管を例に説明すると、この塩ビ管を埋設する場合には、塩ビ管によって伝達し得る推進力が小さいため、上記図13に示すように、塩ビ管204には掘進機205を推進するための推進力が直接伝達しないように、塩ビ管204の内部に掘進機205へ推進力を伝達するための金属製インナー管206を挿通し、このインナー管206を介して掘進機205に推進力を伝達するようにしている。この場合、塩ビ管204への推力伝達は、発進立坑201に設けられた元押装置203によって行われる。
【0005】
一方、このような塩ビ管の推進工法では、所定長さの塩ビ管の推進が終了する毎に発進立坑に設けられた元押装置と埋設した塩ビ管との間に新たな塩ビ管が接続され、この塩ビ管の内部に新たなインナー管が配置されると共に、先導する掘進機に動力を伝える動力線や制御信号を伝送する信号線や、掘進機から地中との間に滑材を注入する滑材供給管等、各種線類や管類が配置されて接続される。また、泥水工法の掘進機を採用した場合には、上記線類や管類に加えて送泥管や排泥管等の管が配置されて接続される。
【0006】
しかも、掘進機を常に正しい方向へ推進させるためには、掘進機の推進位置を測量して予定埋設線上を推進するように掘進機を制御しなければならない。この測量は、上記したような小径管の場合には、埋設管の内部空間を利用して発進立坑から掘進機の位置を正確に測量する必要がある。
【0007】
なお、この種の先行技術として、軌道に一定間隔で標識を設置し、距離計測手段・方位計測手段・データ記憶用メモリ・一定時間導出用タイマ・位置算出手段・標識通過検知手段、及び標識通過検知手段で上記標識が検知される毎に、位置座標の算出結果を予め定める算式で補正して移動体の位置座標を算出する標識位置算出手段とを有する位置計測装置を搭載した移動体を、この移動体に搭載した電池で駆動するモータによって上記軌道に設けたレールユニットの軌間距離保って一定の範囲まで曲るレール上を走行させ、曲線区間を含む経路を走行する移動体であっても位置を精度よく計測できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、他の先行技術として、発進立坑側の巻取装置と掘進機側の巻取装置でそれぞれに牽引される測量台車に、超小型ジャイロ・反射鏡・プリズム・光電スイッチを搭載し、衝撃吸収構造の車輪で管路内に支持して上記巻取装置で牽引させることにより測量台車の3次元座標を計測し、その計測データを測量ジャイロ台車に接続された外部のパソコンに伝達して小口径曲線を計測するようにした測量ロボット台車もある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3447480号公報
【特許文献2】特許第3943050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、近年、下水道管等の塩ビ管(合成樹脂管)を埋設する環境としては、地上の制約や周辺の交通事情に与える影響を極力小さくすること、及び発進・到達立坑の築造コストを低減させるために、立坑を設ける間隔を広げたいという要望がある。そして、その対応策として、例えば、200m程度の長距離推進工法の開発が、業界の高いニーズとなっている。しかも、地上の制約等から発進立坑と到達立坑との間で曲進させて塩ビ管を埋設したいという要望もある。
【0011】
しかしながら、上記塩ビ管を200m近く埋設しようとした場合、長距離掘進に対応した送排泥管等の管類、電気配線等の電線類等、多くの構成を狭い塩ビ管の内部に設置する必要があると共に、掘進機の推進方向が予定埋設線からズレないように掘進機の位置を正確に測量しなければならないが、狭い塩ビ管の内部空間にこれらの構成を配置しつつ正確に測量が行えるようにするのは難しい。特に、小口径の塩ビ管を長距離に曲線施工する場合に、曲進させる掘進機の位置を正確に測量して推進方向を予定埋設線に一致させることができるような装置はない。
【0012】
しかも、推進工法の場合には、塩ビ管の地中への埋設が完了すると内部のインナー管及び管類、電線類等は全て発進立坑方向に回収されるが、インナー管及び管類、電線類等を回収可能な構造にすると共に、そのインナー管を利用して曲線施工した場合でも正確に測量できるような装置はない。
【0013】
なお、上記特許文献1の場合には、2本のレール間の軌間距離を保って一定の範囲まで曲るレールを有するレールユニットが必要であり、多くの設備費用を要する。しかも、走行モータや電池を方位計測手段であるジャイロ等と同一の移動体に搭載しているため、移動体が大きくなり、小径断面を掘削する掘進機の測量には採用できない。
【0014】
また、上記特許文献2では、発進立坑側の巻取装置と掘進機側の巻取装置の牽引力の影響を受けて、測量ロボット台車が蛇行、またはある角度を持って平行移動したりする場合があり、その場合には測量精度が落ちる。しかも、矩形の屈折した走行管の中を走行するため、屈折箇所で衝撃吸収構造の車輪がその衝撃を吸収するダンパー移動分の隙間で走行管の中で蛇行して測量精度が落ちる場合がある。
【0015】
そこで、本発明は、埋設管を地中に直接埋設する推進工法で、掘進機を曲線推進させた路線でも安定して測量することができる低コストの推進工法用測量ロボット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、埋設管の内部に、軸方向に貫通する空間を有するインナー管を挿通し、発進立坑に設置した元押装置で掘進機に推進力を与えて掘削した地中に前記埋設管を埋設して管路を形成する推進工法における測量ロボット装置であって、前記インナー管の貫通する空間を自走する起動台車と、該起動台車に連なって前記インナー管の空間の軸方向に敷設した少なくとも1本のレールに沿って走行する測量ジャイロ台車とを備え、該起動台車と測量ジャイロ台車とは屈曲可能に連結され、前記起動台車は、自走して前記測量ジャイロ台車を牽引する駆動機と、距離計測器と、起動台車制御器とを有し、前記測量ジャイロ台車は、ジャイロと、該ジャイロのジャイロデータ収集記憶機能とを有していることを特徴とする。これにより、自走する起動台車と測量ジャイロ台車とを分離して小型化すると共に連結して走行させることにより、小さい断面の走行路でも使用でき、小径断面の路線(トンネル)の測量にも適用可能とすることができる。しかも、インナー管の軸方向に連なる少なくとも1本のレールによって測量ジャイロ台車のローリングを抑止することができるので、測量ジャイロ台車が測量始点から測量終点に停止するまでの距離と方位角を正確に計測して記憶することができ、掘進機の位置を正確に測量することが可能となる。
【0017】
また、前記起動台車と測量ジャイロ台車は、水平方向及び垂直方向に屈曲可能な連結部で連結されていてもよい。このようにすれば、起動台車と測量ジャイロ台車とが屈曲可能な連結部で屈曲し、水平方向の曲線路線であって、垂直方向に緩い傾斜を持たせた路線でも安定して測量することができる。
【0018】
さらに、前記測量ジャイロ台車は、前記収集記憶したジャイロデータの通信機能を有していてもよい。このようにすれば、測量始点から測量終点までの複数のジャイロデータを測量ジャイロ台車で記憶し、測量ジャイロ台車が発進立坑に戻った後でジャイロデータを検証するようにでき、ジャイロデータの処理を容易に行うことができる。
【0019】
また、前記起動台車の駆動機は、少なくとも2輪の駆動車輪を有し、前記距離計測器は、1輪の計測車輪を有していてもよい。このようにすれば、起動台車を走行させる力は2輪の駆動車輪で確実に伝えることができると共に、距離計測器(例えば、エンコーダ)を取付けた計測車輪を1輪とすることにより、計測車輪がスリップし難いようにして距離計測器の計測精度をより安定させることができる。
【0020】
さらに、前記測量ジャイロ台車は、後端部にレスキューホールを有していてもよい。このようにすれば、起動台車又は測量ジャイロ台車に何かのトラブルが生じて帰還できない場合、例えば、後端に牽引紐を有し、先端にレスキューホール係止具(フック)及びカメラを有した、別の自走起動台車を走らせて、レスキューホール係止具を測量ジャイロ台車のレスキューホールに引っ掛けて牽引紐で発進立坑方向へトラブルが生じた台車を回収することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、埋設管を地中に直接埋設する推進工法において、インナー管の内部空間を利用して曲線推進時でも掘進機の位置を正確に測量することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る測量ロボット装置を用いる一実施形態の推進工法用測量装置における掘進機側を示す軸方向の断面図である。
【図2】図1に示すII−II断面図である。
【図3】図1に示す推進工法用測量装置の掘進機側に続く構成を示す軸方向の断面図である。
【図4】図3に示すIV−IV断面図である。
【図5】図1に示す推進工法用測量装置の発進立坑側における軸方向の断面図である。
【図6】図1の推進工法用測量装置における起動台車収納固定管を示す軸方向の断面図である。
【図7】図1の推進工法用測量装置における起動台車収納中折管を示す軸方向の断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る推進工法用測量ロボット装置を一部断面した側面図である。
【図9】図8に示すIX−IX断面図である。
【図10】図8に示すX−X断面図である。
【図11】(a) は、図8に示すXIa−XIa断面図であり、(b) は、XIb矢視図である。
【図12】図1に示す推進工法用測量装置によって測量する掘進機の曲進状態を模式的に示す平面図である。
【図13】従来の推進工法を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の説明でも、埋設管として塩ビ管を例にし、掘進機は泥水式を例にして、図の右方向を発進立坑方向とした例を説明する。また、この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、掘進機が掘進する進行方向を前側、後方向を後側ともいう。なお、上述した図13に示す構成と同一の構成には、同一符号を付して説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る測量ロボット装置を用いる一実施形態の推進工法用測量装置における掘進機側を示す軸方向の断面図であり、図2は、図1に示すII−II断面図、図3は、図1に示す推進工法用測量装置の掘進機側に続く構成を示す軸方向の断面図、図4は、図3に示すIV−IV断面図、図5は、図1に示す推進工法用測量装置の発進立坑側における軸方向の断面図、図6は、図1の推進工法用測量装置における起動台車収納固定管を示す軸方向の断面図、図7は、図1の推進工法用測量装置における起動台車収納中折管を示す軸方向の断面図である。これらの図面に基いて、まず本発明に係る測量ロボット装置を用いる推進工法用測量装置を説明する。
【0025】
図1に示すように、推進工法用測量装置1は、掘進機205の後方(発進立坑方向)に連なるように配設された、起動台車収納管2と、ステーション管5と、アダプター管6とを備えている。上記起動台車収納管2は、上記掘進機205側に位置する起動台車収納固定管3と、上記ステーション管5側に位置する起動台車収納中折管4とを具備している。これらの管は、ボルトによって連結されている。また、上記アダプター管6の後端部に先頭インナー管7が連結され、この先頭インナー管7の後方には所定長さのインナー管8が連結されている。このインナー管8を内部に配置するようにして塩ビ管9がアダプター管6の管部6aの後方に接続され、これらが一体的に地中207を推進させられる。
【0026】
そして、上記インナー管8は矩形断面の中空管で形成され、そのインナー管8の軸方向に貫通する空間10と、このインナー管8の前方に連結された先頭インナー管7、アダプター管6、ステーション管5、及び起動台車収納管2に連なる空間11とを、自走する起動台車71と、この起動台車71に連なる測量ジャイロ台車76とを備えた測量ロボット装置70が走行するようになっている。この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、空間10,11を「走行路10,11」ともいう。
【0027】
上記起動台車収納固定管3は、起動台車71の収納スペースを有し、上記ステーション管5は、測量ジャイロ台車76の収納スペースを有している。このステーション管5が、掘進機205側の測量終点となっており、このステーション管5の測量ジャイロ台車76停止位置から掘進機205の先端までの距離は予め設定されている。また、アダプター管6、先頭インナー管7は、後方のインナー管8から伝達される推進力を、掘進機205側に効率良く伝達するために設けられていると共に、一点鎖線で示す垂直方向の軸26に対して前後で水平方向に屈曲可能としている。この軸26によって屈曲可能となった屈曲部25により、掘進機205の曲線推進に対応してインナー管7,8の連結部分で水平方向に屈曲するようにしている。
【0028】
上記起動台車71と測量ジャイロ台車76とは、水平方向及び垂直方向に屈曲可能な連結部90で連結されており、図2に示すように、空間11の幅方向中央部の下部に敷設された、レール12に沿って走行するようになっている。図1に示すように、このレール12は、上記インナー管8から起動台車収納管2まで軸方向に連なるように敷設されている。このレール12は、両台車71,76の走行用と台車蛇行防止用とを兼ねており、空間10,11の幅方向中央下部に1本が軸方向に連なるように敷設されている。このように1本のレール12とすることにより、曲線施工時に上記軸26の部分で屈折しても変位が少ないようにしている。このレール12に沿って起動台車71と測量ジャイロ台車76とが発進立坑201から起動台車収納管2及びステーション管5まで走行して戻ることで測量するようになっている。
【0029】
図3に示すように、上記インナー管8の後方に連結されるインナー管として、上記インナー管8と同一の標準インナー管8と、塩ビ管9が受ける推進抵抗力を所定間隔で受けるプッシャー15が設けられたプッシャーインナー管16と、塩ビ管9と地中207の間に滑材を供給する滑材注入管20が設けられた滑材インナー管21とが備えられている。
【0030】
上記プッシャーインナー管16は、プッシャー15をインナー管8側から径方向に突出/格納させるプッシャー出入機構17によって塩ビ管9に向けて突出させられて、塩ビ管9と係合している。このプッシャー15は、プッシャーインナー管16の上下部に設けられている。このプッシャー出入機構17は、プッシャー15を突出/格納させる揺動レバー18と、この揺動レバー18を揺動させるプルロッド19とを有している。このプルロッド19を発進立坑方向へ引くことにより、揺動レバー18がプッシャー15を径方向内方へ移動させて格納するようになっている。
【0031】
上記プッシャー15は、複数の塩ビ管9を推進させるための推進力が塩ビ管9の許容推進力を超えない位置に備えられ、塩ビ管9の推進に要する推進力を塩ビ管9だけで伝えるのではなく、そのプッシャー15から前方に位置する塩ビ管9の推進力はインナー管8で負荷し、ある長さ単位で塩ビ管9が負荷する推進力を塩ビ管9の許容推進力の範囲に限定して、それ以上の推進力はインナー管8に負荷させて長距離の推進ができるようにしている。これにより、塩ビ管9が低強度であることによって限定されていた施工距離を、高強度であるインナー管8の許容推進力による施工距離まで伸ばすことを可能としている。
【0032】
また、上記滑材インナー管21は、滑材注入管20をインナー管8側から径方向に突出/格納させる滑材注入管出入機構22によって塩ビ管9に向けて突出させて塩ビ管9の所定位置から地中へ滑材を注入することができるようになっている。この滑材注入管20は、滑材インナー管21の上部に設けられている。この滑材注入管出入機構22は、滑材注入管20を突出/格納させる揺動レバー23と、この揺動レバー23を揺動させるプルロッド24とを有している。このプルロッド24を発進立坑方向へ引くことにより、揺動レバー23が滑材注入管20を径方向内方へ移動させて格納するようになっている。このプルロッド24は、上記プルロッド19と連結されている。滑材注入管20は、例えば、塩ビ管9を100m程度推進させた位置に設けられ、この滑材注入管20から滑材を塩ビ管9と地中207との間に供給することによって推進抵抗を軽減させて、100m以上の長距離推進が行えるようにしている。
【0033】
このような構成により、プルロッド19,24を発進立坑方向に引くことで、揺動レバー18,23を介してプッシャー15と滑材注入管20とを突出状態から径方向内方に格納して塩ビ管9の内面と干渉しない位置まで格納すれば、インナー管8,16,21と共にプッシャー15及び滑材注入管20を発進立坑方向に回収することができるようになっている。
【0034】
さらに、これらのインナー管8,16,21の連結部分も、屈曲可能な屈曲部25となっており、図に一点鎖線で示す垂直方向の軸26に対して前後のインナー管8(16,21)の連結部分が水平方向に屈曲可能となっている。
【0035】
また、これらのインナー管8,16,21には、屈曲部25の前方に、インナー管8,16,21から半径方向に突出する支持ローラ27が設けられている。この支持ローラ27は、図4に示すように、インナー管16(8,21)の後部を塩ビ管9の内面で支持するように上記屈曲部25の近傍の前方に1箇所設けられている。この例では、インナー管16(8,21)の上下位置の左右角部に支持ローラ27が斜めに対向配置されている。このように支持ローラ27を配置することにより、塩ビ管9を介して地中207に反力を受ける機能と、インナー管16(8,21)を発進立坑方向に引き戻す時に接触抵抗を軽減させる車輪の機能とを兼ねさせている。この支持ローラ27と塩ビ管9の内面との間には、スムーズな移動ができる所定の隙間が設けられており、インナー管16(8,21)を発進立坑方向へ回収する時にスムーズに回収できるようにしている。
【0036】
さらに、インナー管16(8,21)の中心部の空間10を測量エリアとすることにより、これらのインナー管8,16,21の全周任意の箇所に各種配管・配線等を設置できるようにしている。この実施の形態ではインナー管16(8,21)の側面と塩ビ管9の内面との間に管支持金具28が設けられ、この管支持金具28の上部に送水管29a、排水管29b、伝送管30a、電力線30b、滑材管31等が配設されている。また、送泥管33と排泥管32が管支持金具28の下方に配設されている。
【0037】
図5に示すように、発進立坑201には元押装置203が設置されており、この元押装置203でインナー管21(8,16)を介して掘進機205(図1)に推進力が伝達される。この推進力は、上記プッシャーインナー管16のプッシャー15を介して塩ビ管9にも伝達される(図3)。
【0038】
また、発進立坑201内には、測量時に上記測量ジャイロ台車76の測量始点となるランチャー35が備えられている。このランチャー35は、上方が開放した測量ジャイロ台車76の収納スペースが確保され、測量ジャイロ台車76の基点検知機構36と、台車衝突緩衝機構41とを有している。
【0039】
上記基点検知機構36は、プリズム37とトランシット38と測量ジャイロ台車76の後端に設けられたミラー39とを有しており、トランシット38によってプリズム37と測量ジャイロ台車76のミラー39に反射した反射光40を確認して測量ジャイロ台車76の位置を実測することによって測量始点(測量基点)を設定するものである。
【0040】
また、上記台車衝突緩衝機構41は、ランチャー35の後端部にショックアブソーバ42を有し、測量ジャイロ台車76を後進させてこのショックアブソーバ42に当接した時の衝撃を緩和するようになっている。このショックアブソーバ42に測量ジャイロ台車76の後端を当接させた位置が上記測量始点となる。
【0041】
さらに、ランチャー35は、上記測量ジャイロ台車76の後端部を、測量始点設定時の位置決め部となるショックアブソーバ42で支持した状態で、この測量ジャイロ台車76と上記起動台車71との連結部90が位置する部分に、垂直方向に多少の変位が可能な屈折部45を有している。この屈折部45は、上記インナー管21(8,16)の後端に連結されるランチャー本体前部46と、上記台車衝突緩衝機構41を後端に設けたランチャー本体後部47とを蝶番48で連結したものであり、垂直方向の屈折を可能としている。
【0042】
これによりインナー管21(8,16)の軸心角度と同一角度にセットされるランチャー本体前部46に対して、ランチャー本体後部47の垂直方向角度を変更できるようになっている。このように角度変向可能とすることにより、インナー管21(8,16)が下向き傾斜の場合でも、ランチャー本体後部47を上向きに傾斜とすることにより、測量始点の設定時に測量ジャイロ台車76を上向き傾斜に配置して後端部を上記ショックアブソーバ42に当接させ、その状態で安定した測量始点の設定を行うことができるようにしている。
【0043】
一方、図6に示すように、上記起動台車収納固定管3には、上記起動台車71の先端に設けられた磁気センサ87(図1)に検知される停止磁石51が設けられている。この停止磁石51を起動台車71の磁気センサ87が検知することにより、起動台車71を停止させるようになっている。これが、起動台車71を停止させる停止センサ50である。この停止磁石51の近傍には、停止信号スイッチ52が設けられており、起動台車71の先端が接することで停止したことを検知するようになっている。
【0044】
また、起動台車収納固定管3の掘進機側(前側)には、上記起動台車71の前端を支持する台車衝突緩衝機構53が備えられている。この台車衝突緩衝機構53は、起動台車71の前端が当接した時の衝撃を緩和するショックアブソーバ54を有している。
【0045】
さらに、図7に示すように、上記起動台車収納中折管4には、水平方向に屈曲する中折部55が設けられており、起動台車収納管2の後部位置で中折れ可能な構造となっている。この中折部55は、前部中折管56から後方に突設された前側フランジ57と、後部中折管58から前方に突設された後側フランジ59とを垂直配置のピン60で連結したものである。これにより、ピン60を中心にして前側フランジ57と後側フランジ59との間で中折れできるようになっている。この中折部55には、中折センサ61が設けられており、中折部55の中折れ角度を検出できるようになっている。この中折部55の外周には、後部中折管58から筒状のシール受62が突設され、このシール受62にシール材63が設けられている。このシール材63の外周には、前部中折管56に設けられたカラー64が接してシールされている。
【0046】
図1に示すように、このような起動台車収納管2の上記起動台車収納固定管3に上記起動台車71が収納されることにより、測量終点となる上記ステーション管5の所定位置に上記測量ジャイロ台車76が停止するようになっている。このように測量ジャイロ台車76が測量終点に達するまでの間では、上記発進立坑201に設けられたランチャー35(図5)の測量始点から所定間隔でジャイロ77により方位角が計測され、そのジャイロデータは測量ジャイロ台車76の後述するジャイロデータ収集器79に記録される。
【0047】
図8は、本発明の一実施の形態に係る推進工法用測量ロボット装置を一部断面した側面図であり、図9は、図8に示すIX−IX断面図、図10は、図8に示すX−X断面図、図11(a) は、図8に示すXIa−XIa断面図であり、(b) は、XIb矢視図である。
【0048】
図8に示すように、推進工法用測量ロボット装置70の起動台車71は、測量ジャイロ台車76を牽引するための駆動機72と、その電源となる電池73と、測量始点からの走行距離を計測する距離計測器74と、起動台車制御器75とを有している。また、上記測量ジャイロ台車76は、ジャイロ77と、ジャイロ制御器78と、ジャイロデータ収集器79と、通信アンテナ80等を有している。
【0049】
図8,9に示すように、インナー管8の空間10(走行路10)を走行する起動台車71は、先端部に駆動車輪81が備えられ、この駆動車輪81は歯車機構82を介して上記駆動機72によって駆動されている。歯車機構82は、駆動機72の動力を直交する軸に伝達するかさ歯車と、その動力を減速する複数枚の歯車を介して駆動車輪81の軸81aを駆動するようになっている。歯車機構82は、他の構成であってもよい。駆動車輪81は、インナー管8の幅方向中央部に敷設されたレール12の両側方に離れて2輪が設けられている。駆動車輪81を2輪とすることにより、一方の車輪81がスリップしても他方で起動台車71を確実に自走させることができるようにしている。
【0050】
また、駆動車輪81の前方には、上記レール12を左右から挟むように側方車輪85が設けられている。この側方車輪85は、起動台車71から下向きに突設された支持軸86に回転自在に設けられている。
【0051】
上記インナー管8に敷設されたレール12は、インナー管8の幅方向中央下部に1本が設けられており、このレール12の側面と側方車輪85との間に最小限度の隙間を空けて側方車輪85で挟むように配置することによって起動台車71及び測量ジャイロ台車76の蛇行防止を図っている。このレール12と側方車輪85との隙間は、測量精度に影響しないような隙間で、測量ジャイロ台車76が平行移動しないような隙間に設定される。また、この側方車輪85とレール12との隙間は、上記ランチャー35とステーション管5の位置においては更に狭くなるようにして、測量始点と測量終点とにおける測量精度の向上を図っている。
【0052】
さらに、起動台車71に電池73(電源)を備えさせて、駆動機72を駆動する電源供給機能を具備させることにより、起動台車71は配線等を有することなく自走でき、この起動台車71によって牽引される測量ジャイロ台車76を安定して走行させることができるようにしている。この電池73の後方には、起動台車制御器75が設けられている。この起動台車制御器75は、上記磁気センサ87が停止磁石51(図6)を検知すると、駆動機72を停止させて起動台車71を停止させる機能を備えている。なお、起動台車71の前端には、停止時に上記ショックアブソーバ54(図1)に当接する当接部材89が設けられている。
【0053】
図8,10に示すように、上記起動台車制御器75の後方には、距離計測器74が設けられている。この実施の形態の距離計測器74はエンコーダであり、起動台車71に設けられたブラケット71aに回動自在に支持された従動車輪である計測車輪83の軸83aに設けられている。計測車輪83は、幅方向中央部に1輪が設けられており、上記インナー管8の中央部に設けられたレール12の上面に沿って走行するようになっている。この計測車輪83を1輪とすることによって起動台車71を支持する車輪を3輪とし、1輪の計測車輪83に作用する自重を大きくしてスリップし難いようにして、計測精度の安定化を図っている。また、中央に1輪を設けることにより、曲線施工した場合でもインナー管8の中央部を通って内輪差等を生じないようにしている。
【0054】
また、計測車輪83の前方にも、上記レール12を左右から挟むように側方車輪85が設けられており、上記駆動車輪81の前方の側方車輪85とによって、起動台車71をレール12に沿って走行させるように案内している。
【0055】
さらに、図8に示すように、この実施の形態では、この距離計測器74の上部にも磁気センサ88が設けられており、インナー管8側の所定位置に設けられたインナー管本数カウント兼距離計算ポイント用磁石13を検知するようにしている。このインナー管本数カウント兼距離計算ポイント用磁石13は、所定長さのインナー管8毎に設けられる。この磁気センサ88で検知したインナー管本数や、上記距離計測器74で計測された距離等は、上記起動台車制御器75の記憶部に記憶される。
【0056】
上記起動台車71と測量ジャイロ台車76とは、連結部90に設けられた連結バー91によって連結されている。この連結バー91は、起動台車71及び測量ジャイロ台車76から鉛直方向に設けられたピン92で連結されており、水平方向の回動が自在な状態で連結されている。また、ピン92の隙間によって、垂直方向にも多少の変位(屈折)が可能なようになっている。
【0057】
図8,11に示すように、上記測量ジャイロ台車76は、ジャイロ77の前後に複数の案内車輪93,94が備えられており、これらの案内車輪93,94によってインナー管8の走行路10を安定して走行するようになっている。上部の案内車輪94は、衝撃吸収機構(図示略)を具備しており、通常はインナー管8の内面と所定の隙間を空けて走行し、上方向へ変位したときにインナー管8と接して衝撃を吸収するようになっている。この測量ジャイロ台車76も、上記したようにインナー管8に敷設されたレール12を左右から挟むように側方車輪85が前後部に設けられており、これらの側方車輪85とレール12との隙間を最小限度とすることにより、測量ジャイロ台車76の蛇行を最小限に抑えて、測量精度を向上させるようにしている。
【0058】
また、この測量ジャイロ台車76の前部には上記ジャイロ制御器78が設けられており、ジャイロ77によるデータ収集間隔等が制御されている。測量ジャイロ台車76の後部には上記ジャイロデータ収集器79が設けられており、ジャイロ77で収集したジャイロデータが記憶されるようになっている。このジャイロデータ収集器79の側面には、上記ランチャー35に戻ったときに停止磁石(図示略;図5に示す磁気センサ95の位置に対応した位置に設けられ、上記停止磁石51と同一構成)を検知するランチャー側停止磁気センサ95が設けられている。
【0059】
さらに、ジャイロデータ収集器79の後部には、上記測量始点で正対角を計測するための光を反射させるミラー39と、後方に向けて突設された通信アンテナ80と、レスキューホール97が設けられた牽引部材96とが設けられている。通信アンテナ80は、ジャイロデータ収集器79に記憶されたジャイロデータをパソコン等に送信する通信機能を有する。図11(b) にも示すように、牽引部材96の後端部に設けられたレスキューホール97は、上下方向に貫通する穴であり、後方からフック98(係止具)を引っ掛けて係止できるような形状で設けられる。この牽引部材96の後端が、上記ランチャー35のショックアブソーバ42に当接する部分である(図5)。
【0060】
このように、インナー管8の軸方向に貫通する空間10を走行路として利用し、この走行路10に敷設された軸方向に連なるレール12に沿って起動台車71と測量ジャイロ台車76とを走行させることで、ランチャー35で設定した発進立坑201の測量始点から起動台車収納管2に起動台車71が収納されて測量ジャイロ台車76がステーション管5に停止する測量終点までの距離と方位角を正確に計測することができ、それによって掘進機205の位置を正確に測量することを可能としている。
【0061】
測量ジャイロ台車76がステーション管5の所定位置に停止した測量終点での掘進機205の位置は、ステーション管5に停止した測量ジャイロ台車76までの距離及び方位角と、上述したステーション管5の測量ジャイロ台車76停止位置から掘進機205までの予め設定された距離と、上記中折センサ61の検出角度とから、演算によって出される。
【0062】
以上のような測量ロボット装置70は、以下のようにして曲進路線の測量を行う。
【0063】
まず、発進立坑201において、ランチャー35の上部開口部より起動台車71、測量ジャイロ台車76の順で台車をインナー管8とランチャー35内にセットする。そして、測量ジャイロ台車76の後端がランチャー35のショックアブソーバ42と接触するまで、無線でバックさせ、測量ジャイロ台車76の後端がショックアブソーバ42に当接した状態でランチャー35上のジャイロの正対角を作業者が実測する。
【0064】
その後、無線にて起動信号を与えるとジャイロ初期化時間経過後、起動台車71が自動的に速度制御しながら加速して、測量ジャイロ台車76を牽引して行く。そして、ある距離ごとにジャイロ77で方位角が検出されると共に距離計測機74で走行距離が計測され、ジャイロデータ収集器79に記憶される。
【0065】
次に、ステーション管5の手前の予め記憶させた箇所の減速磁石(例えば、先頭インナー管7の手前数管目のインナー管8に設けられた磁石13;図示略)を検知することにより、起動台車71が減速を始める。その際、距離計測器74(エンコーダ)で検出した距離と、常に対比するようにして、起動台車71が起動台車収納固定管3の所定位置に安定して停止できるように監視する。
【0066】
そして、掘進機側の停止磁石51を検知することによって起動台車71を停止させる。この時、起動台車71の先端がショックアブソーバ54に当接しても衝撃は緩和される。この起動台車71が所定位置に停止した状態では、停止信号スイッチ52からの信号で停止が検知され、測量ジャイロ台車76がステーション管5の所定位置に停止した状態であり、その位置で測量終点の計測が行われる。
【0067】
このように測量ジャイロ台車76をステーション管5の所定位置に停止させて測量終点の計測を行った後は、起動台車71は発進立坑201側に自動的に戻る。そして、ランチャー35に帰還した測量ジャイロ台車76は、停止磁石(図示略)を検知して停止する。この時、測量ジャイロ台車76の後端がショックアブソーバ42に当接しても衝撃は緩和される。このようにランチャー35に測量ジャイロ台車76が帰還した状態で、ランチャー35上の測量ジャイロ台車76の正対角が作業者によって再度実測される。
【0068】
この正対角に大きな異常がなければ、測量ジャイロ台車76とパソコン(図示略)が接続されて、収集・記憶されたジャイロデータをパソコンに送信し、そのジャイロデータからパソコンにて路線が演算され、その路線(曲線路線)の結果がアウトプットされる。
【0069】
そして、その路線結果に問題がなければ、ランチャー35の上部開口部より測量ジャイロ台車76、起動台車71の順で台車が回収される。
【0070】
このように、以上の構成機器と機能とを有する測量ロボット装置70によれば、上記操作によって、小口径の推進工法における掘進機205の位置を、ジャイロ77の精度を十分に発揮させて安定して測量することが可能となる。
【0071】
図12は、図1に示す推進工法用測量装置によって測量する掘進機の曲進状態を模式的に示す平面図であり、上記したように掘進機205を曲線推進させて、その曲線施工に追随するようにインナー管8及び塩ビ管9を埋設するような場合でも、インナー管8の空間10を利用して起動台車71と測量ジャイロ台車76(図1)とを備えた推進工法用測量ロボット装置70を走行させることにより、発進立坑201側から掘進機205の位置を正確に測量することができる。
【0072】
以上のように、上記推進工法用測量ロボット装置70によれば、インナー管8の中央部の空間10を測量エリアとして利用し、掘進機205を曲進させて塩ビ管9を曲線施工する場合でも、インナー管8の空間10のレール12に沿って測量ジャイロ台車76を走行させて掘進機205の位置を正確に測量することができるので、そのデータに基いて掘進機205を常に正しい方向へ曲進させるように制御することができる。
【0073】
つまり、インナー管8の貫通する空間10を、配管・配線を配置しない空間として測量エリアとしているので、その空間10を自走する起動台車71と、この起動台車71に連なって空間10に敷設した軸方向に連なるレール12に沿って走行させる測量ジャイロ台車76とにより、ジャイロ77の精度を十分に発揮させて、掘進機205の曲線施工や全方向変化に対して正確に測量することが可能となる。
【0074】
なお、上記実施の形態では泥水式の掘進機205を例に説明したが、この掘進機205の形式は地質等に応じて決定すればよく、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0075】
また、上記実施の形態では矩形断面のインナー管8の内部空間を走行路10,11とした例を説明したが、走行路10,11は矩形断面に限られるものではなく、円形走行路にも適用可能であり、走行路10,11の断面形状は上記実施の形態に限定されるものではない。
【0076】
さらに、上述した実施の形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明に係る推進工法用測量ロボット装置は、下水道管等で直径が300mm程度以上の埋設管を曲率半径約50m〜60m程度の曲線施工を行って長距離に埋設する場合等の推進工法に利用できる。
【符号の説明】
【0078】
1 推進工法用測量装置
2 起動台車収納管
5 ステーション管
6 アダプター管
7 先頭インナー管
8 インナー管
9 塩ビ管
10 空間(走行路)
11 空間(走行路)
12 レール
13 インナー管本数カウント兼距離計算ポイント用磁石
25 屈曲部
26 軸
35 ランチャー
36 基点検知機構
37 プリズム
38 トランシット
39 ミラー
40 反射光
41 台車衝突緩衝機構
45 屈折部
46 ランチャー本体前部
47 ランチャー本体後部
48 蝶番
50 停止センサ
51 停止磁石
52 停止信号スイッチ
53 台車衝突緩衝機構
55 中折部
70 測量ロボット装置
71 起動台車
72 駆動機
73 電池
74 距離計測器
75 起動台車制御器
76 測量ジャイロ台車
77 ジャイロ
78 ジャイロ制御器
79 ジャイロデータ収集器
80 通信アンテナ
81 駆動車輪
83 計測車輪
85 側方車輪
87 磁気センサ
88 磁気センサ
90 連結部
91 連結バー
92 ピン
95 ランチャー側停止磁気センサ
96 牽引部材
97 レスキューホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋設管の内部に、軸方向に貫通する空間を有するインナー管を挿通し、発進立坑に設置した元押装置で掘進機に推進力を与えて掘削した地中に前記埋設管を埋設して管路を形成する推進工法における測量ロボット装置であって、
前記インナー管の貫通する空間を自走する起動台車と、該起動台車に連なって前記インナー管の空間の軸方向に敷設した少なくとも1本のレールに沿って走行する測量ジャイロ台車とを備え、
該起動台車と測量ジャイロ台車とは屈曲可能に連結され、
前記起動台車は、自走して前記測量ジャイロ台車を牽引する駆動機と、距離計測器と、起動台車制御器とを有し、
前記測量ジャイロ台車は、ジャイロと、該ジャイロのジャイロデータ収集記憶機能とを有していることを特徴とする推進工法用測量ロボット装置。
【請求項2】
前記起動台車と測量ジャイロ台車は、水平方向及び垂直方向に屈曲可能な連結部で連結されている請求項1に記載の推進工法用測量ロボット装置。
【請求項3】
前記測量ジャイロ台車は、前記収集記憶したジャイロデータの通信機能を有している請求項1又は請求項2に記載の推進工法用測量ロボット装置。
【請求項4】
前記起動台車の駆動機は、少なくとも2輪の駆動車輪を有し、前記距離計測器は、1輪の計測車輪を有している請求項1〜3のいずれか1項に記載の推進工法用測量ロボット装置。
【請求項5】
前記測量ジャイロ台車は、後端部にレスキューホールを有している請求項1〜4のいずれか1項に記載の測量ロボット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−190860(P2010−190860A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38192(P2009−38192)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【出願人】(502218617)株式会社エム・シー・エル・コーポレーション (14)
【Fターム(参考)】