揮散容器
【課題】本発明は、転倒時の液漏れを抑制し、薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせる揮散容器を提供することを目的とする。
【解決手段】液体を貯蔵可能な空洞部を有する容器本体部と、空洞部に連通する開口を備えた口部に取り付け自在な中栓と、中栓を覆うように容器本体部に取り付け自在なトレー付きキャップ30と、を有し、トレー付きキャップ30が、内壁面にネジ部を有するキャップ部と、キャップ部に取り付けられたトレー33と、トレー33にヒンジ35を介して取り付けられたヒンジ蓋34と、を有する揮散容器であって、トレー33には開口部81が設けられており、開口部81を囲むように平面視環状の液漏れ防止リブ71が形成されている揮散容器を用いることにより、上記課題を解決できる。
【解決手段】液体を貯蔵可能な空洞部を有する容器本体部と、空洞部に連通する開口を備えた口部に取り付け自在な中栓と、中栓を覆うように容器本体部に取り付け自在なトレー付きキャップ30と、を有し、トレー付きキャップ30が、内壁面にネジ部を有するキャップ部と、キャップ部に取り付けられたトレー33と、トレー33にヒンジ35を介して取り付けられたヒンジ蓋34と、を有する揮散容器であって、トレー33には開口部81が設けられており、開口部81を囲むように平面視環状の液漏れ防止リブ71が形成されている揮散容器を用いることにより、上記課題を解決できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮散容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内部に貯蔵した液体を一定の量を継続して外部に揮散できる揮散容器が様々な用途に用いられている。前記液体には、たとえば、芳香剤、殺虫剤等の薬剤が用いられている。
【0003】
前記揮散容器は、たとえば、ボトル型の容器本体部と、前記容器本体部の空洞部に連通する開口を備えた口部を塞ぐように取り付けられた中栓と、中栓を覆うように取り付けられた輸送用キャップと、輸送用キャップを覆うように取り付けられたトレー付きキャップと、トレー付きキャップを押さえつけるように取り付けられた外部キャップとを有する商品パッケージとして店頭で販売されている。
なお、前記中栓に設けられた含浸体用孔部には、棒状の含浸体(吸液芯)が挿通保持され、前記トレー付きキャップのトレーには、略直方体状の含浸体(吸液体)が配置される。
【0004】
前記商品パッケージを購入した消費者は、自宅で使用する際に、前記輸送用キャップを取り除き、前記吸液体と前記吸液芯とが接触するように前記中栓上に前記トレー付きキャップを取り付けて使用する。
前記輸送用キャップを取り除くことにより、前記中栓に設けられた通気孔を通して外部の空気が前記空洞部に取り込まれることが可能となる。これにより、前記空洞部に貯蔵されていた液体(薬液)が前記吸液芯の一端側から他端側へと吸い上げられ、他端側で前記吸液体に浸透して、その表面から外部へ揮散される。
しかし、自宅で使用しているときに、前記揮散容器を誤って横に倒すおそれがある。このような転倒の際に、前記トレーと前記吸液体との間から薬液が液漏れして、使用者に不具合を生じさせる場合があった。
【0005】
図10は、従来の揮散容器の一例を示す断面図であって、図10(a)は通常の使用状態を示す図であり、図10(b)は転倒時の図である。
図10(a)に示すように、揮散容器161は、ボトル型の容器本体部101と、容器本体部101の空洞部101cに連通する開口101dを備えた口部101Aを塞ぐように取り付けられた中栓104と、中栓104を覆うように取り付けられたトレー付きキャップ130と、トレー付きキャップ130を覆うように取り付けられた外部キャップ145と、を有している。
中栓104に設けられた含浸体用孔部104aには、吸液芯スリーブ107によって棒状の含浸体(吸液芯)106が挿通保持されている。また、トレー付きキャップ130のトレー133には、略直方体状の含浸体(吸液体)116が配置されている。吸液体116と吸液芯106とが接触するように中栓104を覆うようにトレー付きキャップ130を取り付けられている。
空洞部101cには、液体(薬液)Lが貯蔵されている。
【0006】
図10(b)に示すように、転倒時には、まず、通気孔104bや吸液芯6と吸液芯スリーブ107との間から中栓104と吸液体116との間の上部空間に薬液Lが漏れ出る。次に、トレー付きキャップ130のトレー133の内底面133dと吸液体116との隙間から外部に薬液Lが漏れ出る。
【0007】
図11は、図10に示した揮散容器で用いたトレー付きキャップ130の図であって、図11(a)は平面図であり、図11(b)は断面図である。なお、説明のために、戴置する吸液体116を一点鎖線で示している。図11に示すように、トレー付きキャップ130は、トレー133と、ヒンジ135によってつなげられたヒンジ蓋134を有している。トレー133には開口部181が設けられている。
トレー付きキャップ130のトレー133の内底面133dと吸液体116を密接させて配置して、内底面133dと吸液体116との隙間を無くしても、前記液漏れを十分に防止することはできない。
【0008】
特許文献1は、薬剤揮散器に関するものであり、トレーと吸液体との間にドーナツ状の含浸体を配置して、液漏れを防止する機構が開示されている。しかし、特許文献1に開示された機構では、薬液の液漏れ防止効果は不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−68846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、転倒時の液漏れを防止し、薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせる揮散容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、
本発明の揮散容器は、液体を貯蔵可能な空洞部を有する容器本体部と、前記空洞部に連通する開口を備えた口部に取り付け自在な中栓と、前記中栓を覆うように前記容器本体部に取り付け自在なトレー付きキャップと、を有し、前記トレー付きキャップが、内壁面にネジ部を有するキャップ部と、前記キャップ部に取り付けられたトレーと、前記トレーにヒンジを介して取り付けられたヒンジ蓋と、を有する揮散容器であって、前記トレーの内底面には開口部が設けられており、前記開口部を囲むように平面視環状の液漏れ防止リブが形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の揮散容器は、前記液漏れ防止リブに1以上の切欠部が設けられていることを特徴とする。
本発明の揮散容器は、前記液漏れ防止リブの上面が凹凸面とされていることを特徴とする。
本発明の揮散容器は、前記液漏れ防止リブの内周側に平面視環状の補助リブが形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の揮散容器は、前記補助リブに1以上の切欠部が設けられていることを特徴とする。
本発明の揮散容器は、前記補助リブの上面が凹凸面とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記の構成によれば、転倒時の液漏れを防止し、薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせる揮散容器を提供することができる。
【0015】
本発明の揮散容器は、液体を貯蔵可能な空洞部を有する容器本体部と、前記空洞部に連通する開口を備えた口部に取り付け自在な中栓と、前記中栓を覆うように前記容器本体部に取り付け自在なトレー付きキャップと、を有し、前記トレー付きキャップが、内壁面にネジ部を有するキャップ部と、前記キャップ部に取り付けられたトレーと、前記トレーにヒンジを介して取り付けられたヒンジ蓋と、を有する揮散容器であって、前記トレーの内底面には開口部が設けられており、前記開口部を囲むように平面視環状の液漏れ防止リブが形成され吸液体と接している構成なので、転倒時の液漏れを防止することができる。
【0016】
本発明の揮散容器は、前記液漏れ防止リブに1以上の切欠部が設けられている構成なので、転倒時の液漏れを防止する効果を維持したまま、より容易に空気を流通させて、吸液芯を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせることができる。
【0017】
本発明の揮散容器は、前記液漏れ防止リブの内周側に平面視環状の補助リブが形成されている構成なので、転倒時の液漏れをより防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態の揮散容器を示す断面図である。
【図2】図1に示す揮散容器に取り付けられたトレー付きキャップの平面図である。
【図3】図1に示す揮散容器の転倒時の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の揮散容器を示す断面図である。
【図5】図4に示す揮散容器に取り付けられたトレー付きキャップの平面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の揮散容器を示す断面図である。
【図7】図6に示す揮散容器に取り付けられたトレー付きキャップの平面図である。
【図8】図7に示すトレー付きキャップの切欠部の拡大図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の揮散容器を示す斜視図である。
【図10】従来の揮散容器を示す断面図であって、(a)は通常使用状態の図であり、(b)は転倒時の図である。
【図11】従来の揮散容器に取り付けられたトレー付きキャップの図であって、図11(a)は平面図であり、図11(b)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の揮散容器61の一例を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態である揮散容器61は、ボトル型の容器本体部1と、容器本体部1の空洞部1cに連通する開口1dを備えた口部1Aを塞ぐように取り付けられた中栓4と、中栓4を覆うように取り付けられたトレー付きキャップ30と、トレー付きキャップ30を覆うように取り付けられた外部キャップ45と、を有している。
中栓4に設けられた含浸体用孔部4aには、棒状の含浸体(以下、吸液芯)6が挿通保持されている。また、トレー付きキャップ30のトレーには、略直方体状の含浸体(以下、吸液体)16が配置されている。吸液体16と吸液芯6とが接触するように中栓4を覆うようにトレー付きキャップ30を取り付けられている。
【0020】
<外部キャップ>
外部キャップ45は、ポリプロピレン(PP)などのプラスチック樹脂などを材料として形成されたカバー覆いであり、射出成型法などを用いて成型することができる。
外部キャップ45を備えることにより、本発明の実施形態である揮散容器61の使用時に、薬液が含浸された吸液体16を空気中に露出させていても、子供やペットなどが誤って吸液体16に触れることがない。
【0021】
<容器本体部>
容器本体部1は、空洞部1cを有する大径部11と、大径部11と外周面が滑らかに接続され、大径部11より小径とされた小径部(ボトルネック部)12とからなる。
ボトルネック部12には、空洞部1cに連通する開口1dを備えた口部1Aが設けられている。また、ボトルネック部12の外周面には、ねじ部1fが形成されている。
【0022】
容器本体部1は、ほぼ均一な肉厚で形成されている。また、図1に示すように、容器本体部1の内底面は、内側に突出する凸面とされている。これにより、薬液が少なくなっても、吸液芯の下端が薬液に接して、薬液をほぼ最後まで使用できる。
【0023】
容器本体部1は、内部に貯蔵する薬液の安定性に影響のない素材を材料として形成されていればよい。たとえば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィンやポリエチレンテレフタレ−ト(PET)などのプラスチック樹脂などを材料として用いることができる。
【0024】
空洞部1cには、たとえば、芳香剤、蚊用ホウ酸ベイト剤などの殺虫剤、消臭剤等の薬剤からなる液体(以下、薬液)Lが貯蔵される。図1では説明のために、薬液Lを入れた状態で示している。
前記薬液の粘度は、30mPa・s以下とすることが好ましい。前記薬液の粘度は、10mPa・s以下とすることがより好ましく、吸液芯を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせることができる。
【0025】
空洞部1cに薬液Lを貯蔵することにより、容器本体部1の小径部(ボトルネック部)12には、中栓4と、容器本体部1の口部1Aと、液体Lの液体面で囲まれたヘッドスペース83が形成される。
また、中栓4上には、含浸体(吸液体)16と、トレー33の内底面33dと、液漏れ防止リブ71で囲まれる上部空間81fが形成されている。そして、上部空間81fは、通気孔4bを介してヘッドスペース83と連通する。
【0026】
<中栓>
中栓4は、中心部に設けられた含浸体用孔部4aと、含浸体用孔部4aを取り囲むように、下方向に突出されるように形成された筒部(以下、吸液芯スリーブ)7と、その周囲に設けられた通気孔4bと、を備えている。
【0027】
中栓4は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン(Linear Low Density Polyetylene:LLDPE)等の熱可塑性樹脂が材料として、射出成型法などを用いて成型することができる。
【0028】
<吸液芯>
中栓4の含浸体用孔部4aには、一端側が下側(容器本体部1の内底面側)に突出し、他端側が中栓4から上側に突出するように棒状の吸液芯6が挿通されており、棒状の吸液芯6は吸液芯スリーブ7により押さえつけられて保持されている。また、吸液芯6の他端側は吸液体16に接するように配置されている。
図1に示すように、容器本体部1の空洞部1cに薬液Lが貯蔵されたとき、吸液芯6の一端側は薬液Lに浸漬される。そして、毛細管現象により、薬液Lは吸上げられて、吸液体16に供給される。
【0029】
吸液芯6は、ガラス繊維、不織布、あるいはナイロン、ポリエステルなどの樹脂繊維、天然繊維、木材、または無機及び/又は有機物質の粉末などのマトリックスを、樹脂などのバインダーに練り込んだ後、押し出し成型や圧縮成型などによって成型することができる。前記マトリックスとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステルなどの樹脂繊維が使いやすく、好ましい。なお、前記マトリックスに用いる繊維は、熱融着または接着剤などにより接着させて用いてもよい。
【0030】
吸液芯6の長さは、容器本体部1の空洞部1cの深さ及び中栓4から突出させる高さを考慮して設定することが好ましい。
また、吸液芯6の平面形状は、中栓4の含浸体用孔部4aの形状に合わせて設定することが好ましい。たとえば、円形、星形、矩形形状などとすることができる。
【0031】
<吸液体>
図1に示すように、吸液芯6の他端側と接するように吸液体16が配置されている。これにより、吸液芯6により吸い上げられた薬液を吸液体16に供給することができる。
吸液体16は、一定量の薬液を貯蔵するとともに、前記薬液をその表面から徐々に揮発させることが可能な媒体からなる。たとえば、吸液体16は、ガラス繊維、不織布、樹脂繊維、Pパルプ、ウレタンフォーム等の発泡成形体等を用いて形成することができる。
【0032】
吸液体16の密度は、0.10〜0.20g/cm3とすることが好ましい。これにより、たとえば、縦4cm、横4cm、高さ1cmの吸液体16を用いたときに、約17gの薬液を貯蔵させることができ、揮散容器に貯蔵した薬液の量を180mlとしたときに、約1ヶ月でこの薬液を揮散させることができる。
【0033】
<トレー付きキャップ>
トレー付きキャップ30は、内壁面にネジ部30fが設けられたキャップ部32と、キャップ部32の上部に取り付けられたトレー33と、を有している。また、トレー33には、ヒンジ35を介してヒンジ蓋34が取り付けられている。
キャップ部32の内壁面にはネジ部30fが形成されている。図1に示すように、ねじ部30fを容器本体部1のねじ部1fに螺合させて、トレー付きキャップ30を容器本体部1に取り付けることができる。
トレー付きキャップ30は、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、ポリエステル等の樹脂、ガラスまたは金属等の材料を用いて形成することができる。
【0034】
図2は、図1に示す本発明の実施形態である揮散容器61に取り付けられたトレー付きキャップ30の平面図である。なお、説明のために、戴置する吸液体16を一点鎖線で示している。
図2に示すように、トレー33の中心には、平面視円形状の開口部81が設けられている。開口部81を囲むように、平面視円環状の液漏れ防止リブ71が形成されている。開口部81上に平面視略矩形状の吸液体16が戴置される。吸液体16は、トレーの側面から内側に突出する8つの突出部76により位置決めがされる。
【0035】
トレー付きキャップ30は、フック部40と、係止凸部41を有している。トレー33に吸液体16を戴置した後、ヒンジ蓋34を閉じて、フック部40を係止凸部41に係止することにより、吸液体16を液漏れ防止リブを押さえつけるように固定することができ、吸液体16がトレー33から外れたり、落下することがないようにすることができる。
また、図2に示すように、トレー33には、ヒンジ35を介してヒンジ蓋34が取り付けられており、ヒンジ蓋34には窓36が設けられている。そのため、吸液体16を固定した状態で、窓36から、吸液体16に供給された薬液を外部に揮散させることができる。
【0036】
開口部81の平面視形状は、円形に限定されるものではなく、たとえば、矩形、5角形、6角形などとしてもよい。
また、窓36の平面視形状は、図2に示す形状に限定されるものではなく、たとえば、矩形、5角形、6角形などとしてもよい。
【0037】
<液漏れ防止リブ>
図2に示すように、トレー33の内底面33dには、開口部81を囲むように平面視円環状の液漏れ防止リブ71が形成されている。また、図1に示すように、液漏れ防止リブ71の断面形状は、矩形状とされている。
【0038】
<液漏れ防止リブの液漏れ防止機能及び外気導入(空気置換)機能>
液漏れ防止リブ71は、液漏れ防止機能及び外気導入(空気置換)機能を有する。
図3に示すように、揮散容器61が横倒しされた場合(転倒時)に、通常、中栓4の通気孔4bや吸液芯6と吸液芯スリーブ7との間を通って上部空間81fへ薬液が移動した後、トレー33の内底面33dと吸液体16との隙間から外部へ薬液は液漏れする。
しかし、本実施形態では、トレー33の内底面33dに液漏れ防止リブ71が設けられた構成なので、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83を密閉して、上部空間81fへの薬液の移動を妨げる。これにより、外部への液漏れが防止することができる。更に、薬液が上部空間81fへ移動したとしても、液漏れ防止リブ71が吸液体16を押さえつけ、液漏れ防止リブ71に吸液体16が密着されて配置された構成なので、外部への液漏れを防止することができる。
【0039】
また、図1に示すように、揮散容器61が横倒しされていない通常の使用状態では、吸液体16に対する液漏れ防止リブ71の接触面積が小さいので、外部から、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83への空気(外気)の流通を妨げない。上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83へ外気を導入(空気を置換)することにより、吸液芯6を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体16にスピ−ディに行渡らせることができる。
【0040】
液漏れ防止リブ71の平面視形状は、円環状に限定されるものではなく、たとえば、4角環状、5角環状または6角環状などとしてもよい。また、液漏れ防止リブ71の断面形状も、矩形状に限定されるものではなく、半円状、台形状、逆台形状などとしてもよい。
【0041】
液漏れ防止リブ71の高さh1は0.5mm〜1.7mmとすることが好ましい。液漏れ防止リブ71の高さh1を0.5mm〜1.7mmとすることにより、液漏れ防止リブ71と吸液体16を密着させて、液漏れを防止することができる。液漏れ防止リブ71の高さh1が0.5mm未満の場合には、吸液体16とトレー33の内底面33dの間の距離が短く、液漏れ防止リブ71と吸液体16の一部が密着しない場合が生じて、液漏れが生じるおそれが発生する。逆に、液漏れ防止リブ71の高さh1が1.7mmを超える場合には、トレー33の内底面33dから吸液体16が浮いてしまい(離れてしまい)、液漏れの防止効果が低下する。
【0042】
また、トレー33の内底面33dからの吸液芯6の高さh2と、液漏れ防止リブ71の高さh1との差(h2−h1)は、1.5mm以下とすることが好ましい。これにより、吸液芯6および吸液体16はそれぞれ一定のクッション性を有するので、吸液芯6の他端側が吸液体16に一定の圧力以上で接するように配置することができ、吸液芯6により吸い上げられた薬液を吸液体16に速やかに供給することができる。前記高さの差(h2−h1)が1.5mmを超える場合には、トレー33の内底面33dから吸液体16が浮いてしまい(離れてしまい)、液漏れの防止効果が低下する。
【0043】
液漏れ防止リブ71の幅は0.5mm〜3.0mmとすることが好ましい。これにより、通常の使用状態では、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83へ外気を導入(空気を置換)して、吸液芯6を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体16にスピ−ディに行渡らせることができる。
また、揮散容器61が横倒しされた場合に、液漏れを防止することができる。
【0044】
本発明の実施形態である揮散容器61は、液体を貯蔵可能な空洞部1cを有する容器本体部1と、空洞部1cに連通する開口1dを備えた口部1Aに取り付け自在な中栓4と、中栓4を覆うように容器本体部1に取り付け自在なトレー付きキャップ30と、を有する揮散容器であって、トレー付きキャップ30が、内壁面にネジ部を有するキャップ部32と、キャップ部32に取り付けられたトレー33と、トレー33にヒンジ35を介して取り付けられたヒンジ蓋34と、を有しており、トレー33の内底面33dには開口部81が設けられており、前記開口部81を囲むように平面視環状の液漏れ防止リブ71が形成されている構成なので、揮散容器61が横倒しされた場合(転倒時)に、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83を密閉して、上部空間81fへの薬液の移動を妨げるとともに、液漏れ防止リブ71により外部への液漏れを防止することができる。また、通常の使用状態では、吸液体16は、トレー33の内底面33dと液漏れ防止リブ71と接して、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83へ外気を導入(空気を置換)することにより、吸液芯6を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体16にスピ−ディに行渡らせることができる。
【0045】
(実施形態2)
図4は、本発明の第2の実施形態の揮散容器62の一例を示す断面図である。
本発明の実施形態である揮散容器62は、液漏れ防止リブ71の内周側に補助リブ72が形成されているほかは、実施形態1と同様の構成とされている。なお、実施形態1と同一の部材については同一の符号を付して示している。
【0046】
図5は、図4に示す揮散容器62に取り付けられたトレー付きキャップの平面図である。液漏れ防止リブ71の内周側に同心状になるように平面視環状の補助リブ72が形成されており、2重環構造とされている。補助リブ72と液漏れ防止リブ71との2重環構造により液漏れを防ぐ構造なので、液漏れ防止リブ71のみの場合よりも、液漏れをより効果的に防止することができる。
【0047】
図4に示すように、補助リブ72の高さh3は、液漏れ防止リブ71の高さh1と同じ高さとされていることが好ましい。これにより、揮散容器62の転倒時でも、液漏れ防止リブ71と吸液体16を密着させて、転倒時の液漏れを防止することができる。また、空気の流通を妨げず、吸液芯を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせることができる。
なお、本実施形態では、1つの補助リブ72を用いる構成としたが、これに限られるものではなく、複数の補助リブを設けてもよい。たとえば、補助リブ72の内周側に更に別の補助リブを配置することができる。
【0048】
本発明の実施形態である揮散容器62は、前記液漏れ防止リブの内周側に平面視環状の補助リブが形成されている構成なので、2重環構造をとることにより、液漏れ防止リブ71のみの場合よりも、液漏れをより効果的に防止することができる。
【0049】
(実施形態3)
図6は、本発明の第3の実施形態の揮散容器63の一例を示す断面図であり、図7は、図6に示す揮散容器63に取り付けられたトレー付きキャップの平面図である。
本発明の実施形態である揮散容器63は、液漏れ防止リブ71と補助リブ72にそれぞれ切欠部74、73が形成されているほかは、実施形態2と同様の構成とされている。なお、実施形態2と同一の部材については同一の符号を付して示している。
【0050】
図7に示すように、液漏れ防止リブ71には、ヒンジ35の中心位置とヒンジ蓋34の開閉用にトレー33に形成された係止凸部41の中心位置とを結ぶ第1の線Xと交わる箇所にそれぞれ切欠部74が形成されている。また、補助リブ72には、トレー33の中心Oを通り、第1の線Xと垂直な第2の線Yと交わる箇所にそれぞれ切欠部73が形成されている。
なお、第1の線Xは、係止凸部41の中心位置と、フック部40の中心位置とを結ぶ線でもある。
【0051】
図8は、図7に示すトレー付きキャップの液漏れ防止リブ71の切欠部74の拡大図である。
図8に示すように、液漏れ防止リブ71の切欠部74は、液漏れ防止リブ71の一部が逆三角形状に切り欠けられて形成されている。
切欠部74の幅l1は0.3〜1.3mmとすることが好ましく、0.5〜1.2mmとすることがより好ましい。切欠部74の幅l1が0.3mm未満であると、空気の流入量が減って、吸液芯6からの吸い上げを低減する。逆に、切欠部74の幅l1が1.3mmを超えると、液漏れ防止効果が低減して、液漏れするおそれを生じさせる。
【0052】
切欠部74の深さd1は0.05〜0.6mmとすることが好ましく、0.2〜0.4mmとすることがより好ましい。切欠部74の深さd1が0.05mm未満であると、空気の流入量が減って、吸液芯6からの吸い上げを低減する。逆に、切欠部74の深さd1が0.6mmを超えると、液漏れ防止効果が低減して、液漏れするおそれを生じさせる。
また、図7に示す切欠部74の形状は逆三角形であるが、特に限られるものではなく、例えば、矩形状、逆半円状に形成してもよい。
【0053】
また、補助リブ72の切欠部73は切欠部74と同様に、幅l1は0.3〜1.3mmとすることが好ましく、0.5〜1.2mmとすることがより好ましく、深さd1は0.05〜0.6mmとすることが好ましく、0.2〜0.4mmとすることがより好ましい。
なお、切欠部73は、切欠部74と同じ形状で形成されていていても、異なる形状で形成されていてもよい。
【0054】
また、液漏れ防止リブ71の切欠部74及び補助リブ72の切欠部73の数は、液漏れ防止リブ71及び補助リブ毎にそれぞれ1〜4箇所とすることが好ましい。切欠部73、74の数を、液漏れ防止リブ71または補助リブ72毎にそれぞれ5箇所以上にすると、液漏れ防止効果が低減して、液漏れするおそれを生じさせる。
【0055】
液漏れ防止リブ71及び補助リブ72に切欠部74、73を設けることにより、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83へ外気をより導入(空気を置換)することができ、吸液芯6を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体16によりスピ−ディに行渡らせることができる。
【0056】
特に、本実施形態に示すように、液漏れ防止リブ71と、補助リブ72にそれぞれ2箇所の切欠部74、73を設けた場合には、切欠部74から液漏れ防止リブ71と補助リブ72との間に流入させた外気を、補助リブ72の切欠部73から、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83に容易に流入させること(空気置換効果)ができる。
【0057】
また、液漏れ防止リブ71と、補助リブ72にそれぞれ2箇所の切欠部74、73が最も離間するように配置されている構成なので、切欠部74を通って外部に漏れる薬液は、最も長い経路を通る必要が生じる(以下、迷路効果)。そして、前記迷路効果により、転倒時の薬液の液漏れを防止することができる。
【0058】
本発明の実施形態である揮散容器63は、液漏れ防止リブ71に1以上の切欠部74が設けられている構成なので、空気の流通を容易にして、吸液芯6を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体16によりスピ−ディに行渡らせることができる。
【0059】
本発明の実施形態である揮散容器63は、補助リブ72に1以上の切欠部73が設けられている構成なので、空気の流通を容易にして、吸液芯6を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体16によりスピ−ディに行渡らせることができる。
【0060】
(実施形態4)
図9は、本発明の第4の実施形態の揮散容器に用いるトレー付きキャップ30の一例を示す斜視図である。
本発明の実施形態である揮散容器に用いるトレー付きキャップ30は、液漏れ防止リブ71の上面71aが凹凸面75とされているほかは、実施形態1と同様の構成とされている。なお、実施形態1と同一の部材については同一の符号を付して示している。
【0061】
液漏れ防止リブ71の上面を凹凸面75とすることにより、液漏れ防止リブ71の上面内に、液漏れ防止リブ71が吸液体16に強い圧力で接するところ(当りの強いところ)と、弱い圧力で接するところ(当りの弱いところ)が形成される。前記当りの弱いところから外部の空気を空洞部1c内に容易に導入することが可能となる。
一方、液漏れ防止リブ71の前記当りの強いところが吸液体16を押さえる構成なので、揮散容器61が横倒しされた場合(転倒時)でも、急激に液が漏れることはなく、転倒時の液漏れを防止することができる。
【0062】
凹凸面75の平均幅及び平均深さはそれぞれ0.10〜0.5mmとすることが好ましい。凹凸面71aの平均幅及び平均深さが0.10mm未満であると、空気の流入量が減って、吸液芯6からの吸い上げを低減する。逆に、凹凸面75の平均幅及び平均深さが0.5mmを超えると、液漏れ防止効果が低減して、液漏れするおそれを生じさせる。
上記の平均幅及び平均深さを有する凹凸面75は、エンボス加工、ブラスト加工またはローレット加工(ギザギザ)を用いて形成することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、液漏れ防止リブ71の上面を凹凸面75とした例について示したが、これに限られるものではなく、たとえば、内周側に補助リブを配し、前記補助リブの上面も凹凸面75としてもよい。
【0064】
本発明の実施形態である揮散容器は、液漏れ防止リブ71の上面が凹凸面75とされている構成なので、凹凸面75の当りの強いところが、転倒時の液漏れを防止することができる。また、凹凸面75の当りの弱いところが、空気の流通を容易にして、吸液芯を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせることができる。
【0065】
本発明の実施形態である揮散容器は、凹凸面75がエンボス加工、ブラスト加工またはローレット加工により形成された構成なので、凹凸面75の当りの強いところが、転倒時の液漏れを抑制することができる。また、凹凸面75の当りの弱いところが、空気の流通を容易にして、吸液芯を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例】
【0066】
(実施例1)
まず、図1に示す揮散容器(実施例1)を構成する次の部品を用意した。
外部キャップは、PP(樹脂メーカー:サンアロマー、グレード:PM970W)を材料として射出成型法により形成した。
容器本体部は、ポリプロピレン(PP)(樹脂メーカー:住友化学、グレード:AS321)を材料として用い、射出成型法により、直径70mm、高さ68mm、肉厚0.5〜1.5mm、容積200mlになるように形成した。
中栓は、LLDPE(樹脂メーカー:住友化学 グレード:G801)を材料として用い、射出成型法により、直径31.5mm、高さ30mmになるように形成した。
【0067】
吸液芯は、PE:PPの質量比が1:1となる樹脂を材料として用い、射出成型法により、直径6.8mm、長さ70mmになるように形成した。
トレー付きキャップは、ポリプロピレン(PP)(樹脂メーカー:サンアロマー、グレード:PM970W)を材料として用い、射出成型法により、縦58mm、横54mm、高さ29.2mmになるように形成した。
液漏れ防止リブは、幅1.0mm、高さ1.0mm、内径30mmの円環状となるように形成した。
含浸体(吸液体)は、Pパルプ製であり、縦40mm、横40mm、高さ10mmの直方体となるように形成した。その質量は2.5gであり、密度は0.15g/cm3であった。
【0068】
<薬剤:ベイト剤>
次に、液体薬剤として、蚊用ホウ酸ベイト剤(以下、ベイト剤)を用意した。表1に、このベイト剤の組成を示す。
なお、このベイト液の粘度(21℃時)を、BL型粘度計(TOKI SANGYO CO.,LTD製)を用いて、No.1(H−1)のローターで20rpm、60秒間の測定条件で測定した。このベイト液の粘度は7mPa・sであった。
【0069】
【表1】
【0070】
<含浸速さの評価及び液漏れ評価>
まず、容器本体部(満中200ml)に上記ベイト液を180ml入れ、吸液芯を備えた中栓を嵌め、トレー付きキャップを嵌め、前記トレー付きキャップのトレーに吸液体を戴置した後、ヒンジ蓋を閉じ、最後に外部キャップを装着して、揮散容器(実施例1)とした。このとき、トレー上の吸液芯の高さは2.0mmとした。
【0071】
次に、この揮散容器(実施例1)を7分間静置した。
7分後、含浸状態を目視により観察した。含浸体が十分含浸している状態を+++とし、かなり含浸している状態を++とし、含浸している状態を+とし、一部含浸している状態を±とし、含浸していない状態を−と評価する。
揮散容器(実施例1)は、かなり含浸体が含浸している状態であったので、評価は++とした。
【0072】
次に、この揮散容器(実施例1)を約3時間静置した。3時間静置することにより、含浸体にベイト液が十分含浸させることができた。
次に、揮散容器(実施例1)を横倒しして、24時間放置した。
24時間後、液漏れの有無を目視により観察した。液漏れがあったものを×、ごく僅かに液漏れがあったものを△、ほとんど液漏れがなかったものを○、液漏れが全くなかったものを◎と評価する。
揮散容器(実施例1)は、液漏れが無かったので、評価は◎とした。
【0073】
(実施例2〜6)
液漏れ防止リブの高さh1を0.1mm(実施例2)、0.5mm(実施例3)、1.5mm(実施例4)、1.7mm(実施例5)、2.0mm(実施例6)と変えた他は実施例1と同様にして揮散容器(実施例2〜6)を作製した。
実施例1と同様の条件で、揮散容器(実施例2〜6)の評価を行った。
【0074】
(実施例7)
トレー上の吸液芯の高さh2を1.0mm(実施例7)と変えた他は実施例1と同様にして揮散容器(実施例7)を作製した。
実施例1と同様の条件で、揮散容器(実施例7)の評価を行った。
【0075】
(実施例8〜12)
液漏れ防止リブの構造を変えたほかは実施例1と同様にして揮散容器(実施例8〜12)を作製した。
揮散容器(実施例8)は、平均幅及び平均深さが0.2mmの凹凸面を備えた液漏れ防止リブとした他は実施例1と同様の構成とした。
また、揮散容器(実施例9)は、幅1.0mm×深さ0.3mmの切欠部を2つ最も離間するように設けた液漏れ防止リブとした他は実施例1と同様の構成とした。
また、揮散容器(実施例10)は、幅1.0mm×深さ1.0mm、内径25mmの補助リブを備えた他は実施例1と同様の構成とした。
また、揮散容器(実施例11)は、幅1.0mm×深さ1.0mm、内径25mmの補助リブを備え、液漏れ防止リブ及び補助リブの上面を平均幅及び平均高さが0.2mmの凹凸面とした他は実施例1と同様の構成とした。
更に、揮散容器(実施例12)は、幅1.0mm×深さ1.0mm、内径25mmの補助リブを備え、液漏れ防止リブ及び補助リブにそれぞれ2つの幅1.0mm×深さ0.3mmの切欠部を最も離間するように設けた他は実施例1と同様の構成とした。
実施例1と同様の条件で、揮散容器(実施例8〜12)の評価を行った。
【0076】
(比較例1)
液漏れ防止リブを設けなかったほかは実施例1と同様にして揮散容器(比較例1)を作製した。
実施例1と同様の条件で、揮散容器(比較例1)の評価を行った。1分後から液漏れが始まり、揮散容器(比較例1)の評価は×であった。
実施例1〜12、比較例1の条件及び評価結果について、表1にまとめた。
【0077】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、揮散容器に関するものであって、芳香剤、蚊用ホウ酸ベイト剤などの殺虫剤、消臭剤等の薬剤の揮散容器に関するものであって、前記揮散容器を製造・利用する産業において利用可能性がある。
【符号の説明】
【0079】
1…容器本体部、1A…口部、1c…空洞部、1d…開口、1f…ねじ部、4…中栓、4a…含浸体用孔部、4b…通気孔、6…棒状の含浸体(吸液芯)、7…筒部(吸液芯スリーブ)、11…大径部、12…小径部(ボトルネック部)、16…含浸体、30…トレー付きキャップ、30f…ねじ部、32…キャップ部、33…トレー、33d…内底面、34…ヒンジ蓋、35…ヒンジ、36…窓、40…フック部、41…係止凸部、45…外部キャップ、61、62、63…揮散容器、71…液漏れ防止リブ、71a…上面、72…補助リブ、73、74…切欠部、75…凹凸面、76…突出部、81…開口部、81f…上部空間、83…ヘッドスペース、161…揮散容器、101…容器本体部、101A…口部、101c…空洞部、101d…開口、104…中栓、104a…含浸体用孔部、104b…通気孔、106…棒状の含浸体(吸液芯)、107…吸液芯スリーブ、116…含浸体、130…トレー付きキャップ、133…トレー、133d…内底面、145…外部キャップ、181…開口部、L…薬液(液体)、O…トレーの中心、X…第1の線、Y…第2の線。
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮散容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内部に貯蔵した液体を一定の量を継続して外部に揮散できる揮散容器が様々な用途に用いられている。前記液体には、たとえば、芳香剤、殺虫剤等の薬剤が用いられている。
【0003】
前記揮散容器は、たとえば、ボトル型の容器本体部と、前記容器本体部の空洞部に連通する開口を備えた口部を塞ぐように取り付けられた中栓と、中栓を覆うように取り付けられた輸送用キャップと、輸送用キャップを覆うように取り付けられたトレー付きキャップと、トレー付きキャップを押さえつけるように取り付けられた外部キャップとを有する商品パッケージとして店頭で販売されている。
なお、前記中栓に設けられた含浸体用孔部には、棒状の含浸体(吸液芯)が挿通保持され、前記トレー付きキャップのトレーには、略直方体状の含浸体(吸液体)が配置される。
【0004】
前記商品パッケージを購入した消費者は、自宅で使用する際に、前記輸送用キャップを取り除き、前記吸液体と前記吸液芯とが接触するように前記中栓上に前記トレー付きキャップを取り付けて使用する。
前記輸送用キャップを取り除くことにより、前記中栓に設けられた通気孔を通して外部の空気が前記空洞部に取り込まれることが可能となる。これにより、前記空洞部に貯蔵されていた液体(薬液)が前記吸液芯の一端側から他端側へと吸い上げられ、他端側で前記吸液体に浸透して、その表面から外部へ揮散される。
しかし、自宅で使用しているときに、前記揮散容器を誤って横に倒すおそれがある。このような転倒の際に、前記トレーと前記吸液体との間から薬液が液漏れして、使用者に不具合を生じさせる場合があった。
【0005】
図10は、従来の揮散容器の一例を示す断面図であって、図10(a)は通常の使用状態を示す図であり、図10(b)は転倒時の図である。
図10(a)に示すように、揮散容器161は、ボトル型の容器本体部101と、容器本体部101の空洞部101cに連通する開口101dを備えた口部101Aを塞ぐように取り付けられた中栓104と、中栓104を覆うように取り付けられたトレー付きキャップ130と、トレー付きキャップ130を覆うように取り付けられた外部キャップ145と、を有している。
中栓104に設けられた含浸体用孔部104aには、吸液芯スリーブ107によって棒状の含浸体(吸液芯)106が挿通保持されている。また、トレー付きキャップ130のトレー133には、略直方体状の含浸体(吸液体)116が配置されている。吸液体116と吸液芯106とが接触するように中栓104を覆うようにトレー付きキャップ130を取り付けられている。
空洞部101cには、液体(薬液)Lが貯蔵されている。
【0006】
図10(b)に示すように、転倒時には、まず、通気孔104bや吸液芯6と吸液芯スリーブ107との間から中栓104と吸液体116との間の上部空間に薬液Lが漏れ出る。次に、トレー付きキャップ130のトレー133の内底面133dと吸液体116との隙間から外部に薬液Lが漏れ出る。
【0007】
図11は、図10に示した揮散容器で用いたトレー付きキャップ130の図であって、図11(a)は平面図であり、図11(b)は断面図である。なお、説明のために、戴置する吸液体116を一点鎖線で示している。図11に示すように、トレー付きキャップ130は、トレー133と、ヒンジ135によってつなげられたヒンジ蓋134を有している。トレー133には開口部181が設けられている。
トレー付きキャップ130のトレー133の内底面133dと吸液体116を密接させて配置して、内底面133dと吸液体116との隙間を無くしても、前記液漏れを十分に防止することはできない。
【0008】
特許文献1は、薬剤揮散器に関するものであり、トレーと吸液体との間にドーナツ状の含浸体を配置して、液漏れを防止する機構が開示されている。しかし、特許文献1に開示された機構では、薬液の液漏れ防止効果は不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−68846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、転倒時の液漏れを防止し、薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせる揮散容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、
本発明の揮散容器は、液体を貯蔵可能な空洞部を有する容器本体部と、前記空洞部に連通する開口を備えた口部に取り付け自在な中栓と、前記中栓を覆うように前記容器本体部に取り付け自在なトレー付きキャップと、を有し、前記トレー付きキャップが、内壁面にネジ部を有するキャップ部と、前記キャップ部に取り付けられたトレーと、前記トレーにヒンジを介して取り付けられたヒンジ蓋と、を有する揮散容器であって、前記トレーの内底面には開口部が設けられており、前記開口部を囲むように平面視環状の液漏れ防止リブが形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の揮散容器は、前記液漏れ防止リブに1以上の切欠部が設けられていることを特徴とする。
本発明の揮散容器は、前記液漏れ防止リブの上面が凹凸面とされていることを特徴とする。
本発明の揮散容器は、前記液漏れ防止リブの内周側に平面視環状の補助リブが形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の揮散容器は、前記補助リブに1以上の切欠部が設けられていることを特徴とする。
本発明の揮散容器は、前記補助リブの上面が凹凸面とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記の構成によれば、転倒時の液漏れを防止し、薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせる揮散容器を提供することができる。
【0015】
本発明の揮散容器は、液体を貯蔵可能な空洞部を有する容器本体部と、前記空洞部に連通する開口を備えた口部に取り付け自在な中栓と、前記中栓を覆うように前記容器本体部に取り付け自在なトレー付きキャップと、を有し、前記トレー付きキャップが、内壁面にネジ部を有するキャップ部と、前記キャップ部に取り付けられたトレーと、前記トレーにヒンジを介して取り付けられたヒンジ蓋と、を有する揮散容器であって、前記トレーの内底面には開口部が設けられており、前記開口部を囲むように平面視環状の液漏れ防止リブが形成され吸液体と接している構成なので、転倒時の液漏れを防止することができる。
【0016】
本発明の揮散容器は、前記液漏れ防止リブに1以上の切欠部が設けられている構成なので、転倒時の液漏れを防止する効果を維持したまま、より容易に空気を流通させて、吸液芯を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせることができる。
【0017】
本発明の揮散容器は、前記液漏れ防止リブの内周側に平面視環状の補助リブが形成されている構成なので、転倒時の液漏れをより防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態の揮散容器を示す断面図である。
【図2】図1に示す揮散容器に取り付けられたトレー付きキャップの平面図である。
【図3】図1に示す揮散容器の転倒時の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の揮散容器を示す断面図である。
【図5】図4に示す揮散容器に取り付けられたトレー付きキャップの平面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の揮散容器を示す断面図である。
【図7】図6に示す揮散容器に取り付けられたトレー付きキャップの平面図である。
【図8】図7に示すトレー付きキャップの切欠部の拡大図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の揮散容器を示す斜視図である。
【図10】従来の揮散容器を示す断面図であって、(a)は通常使用状態の図であり、(b)は転倒時の図である。
【図11】従来の揮散容器に取り付けられたトレー付きキャップの図であって、図11(a)は平面図であり、図11(b)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の揮散容器61の一例を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態である揮散容器61は、ボトル型の容器本体部1と、容器本体部1の空洞部1cに連通する開口1dを備えた口部1Aを塞ぐように取り付けられた中栓4と、中栓4を覆うように取り付けられたトレー付きキャップ30と、トレー付きキャップ30を覆うように取り付けられた外部キャップ45と、を有している。
中栓4に設けられた含浸体用孔部4aには、棒状の含浸体(以下、吸液芯)6が挿通保持されている。また、トレー付きキャップ30のトレーには、略直方体状の含浸体(以下、吸液体)16が配置されている。吸液体16と吸液芯6とが接触するように中栓4を覆うようにトレー付きキャップ30を取り付けられている。
【0020】
<外部キャップ>
外部キャップ45は、ポリプロピレン(PP)などのプラスチック樹脂などを材料として形成されたカバー覆いであり、射出成型法などを用いて成型することができる。
外部キャップ45を備えることにより、本発明の実施形態である揮散容器61の使用時に、薬液が含浸された吸液体16を空気中に露出させていても、子供やペットなどが誤って吸液体16に触れることがない。
【0021】
<容器本体部>
容器本体部1は、空洞部1cを有する大径部11と、大径部11と外周面が滑らかに接続され、大径部11より小径とされた小径部(ボトルネック部)12とからなる。
ボトルネック部12には、空洞部1cに連通する開口1dを備えた口部1Aが設けられている。また、ボトルネック部12の外周面には、ねじ部1fが形成されている。
【0022】
容器本体部1は、ほぼ均一な肉厚で形成されている。また、図1に示すように、容器本体部1の内底面は、内側に突出する凸面とされている。これにより、薬液が少なくなっても、吸液芯の下端が薬液に接して、薬液をほぼ最後まで使用できる。
【0023】
容器本体部1は、内部に貯蔵する薬液の安定性に影響のない素材を材料として形成されていればよい。たとえば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィンやポリエチレンテレフタレ−ト(PET)などのプラスチック樹脂などを材料として用いることができる。
【0024】
空洞部1cには、たとえば、芳香剤、蚊用ホウ酸ベイト剤などの殺虫剤、消臭剤等の薬剤からなる液体(以下、薬液)Lが貯蔵される。図1では説明のために、薬液Lを入れた状態で示している。
前記薬液の粘度は、30mPa・s以下とすることが好ましい。前記薬液の粘度は、10mPa・s以下とすることがより好ましく、吸液芯を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせることができる。
【0025】
空洞部1cに薬液Lを貯蔵することにより、容器本体部1の小径部(ボトルネック部)12には、中栓4と、容器本体部1の口部1Aと、液体Lの液体面で囲まれたヘッドスペース83が形成される。
また、中栓4上には、含浸体(吸液体)16と、トレー33の内底面33dと、液漏れ防止リブ71で囲まれる上部空間81fが形成されている。そして、上部空間81fは、通気孔4bを介してヘッドスペース83と連通する。
【0026】
<中栓>
中栓4は、中心部に設けられた含浸体用孔部4aと、含浸体用孔部4aを取り囲むように、下方向に突出されるように形成された筒部(以下、吸液芯スリーブ)7と、その周囲に設けられた通気孔4bと、を備えている。
【0027】
中栓4は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン(Linear Low Density Polyetylene:LLDPE)等の熱可塑性樹脂が材料として、射出成型法などを用いて成型することができる。
【0028】
<吸液芯>
中栓4の含浸体用孔部4aには、一端側が下側(容器本体部1の内底面側)に突出し、他端側が中栓4から上側に突出するように棒状の吸液芯6が挿通されており、棒状の吸液芯6は吸液芯スリーブ7により押さえつけられて保持されている。また、吸液芯6の他端側は吸液体16に接するように配置されている。
図1に示すように、容器本体部1の空洞部1cに薬液Lが貯蔵されたとき、吸液芯6の一端側は薬液Lに浸漬される。そして、毛細管現象により、薬液Lは吸上げられて、吸液体16に供給される。
【0029】
吸液芯6は、ガラス繊維、不織布、あるいはナイロン、ポリエステルなどの樹脂繊維、天然繊維、木材、または無機及び/又は有機物質の粉末などのマトリックスを、樹脂などのバインダーに練り込んだ後、押し出し成型や圧縮成型などによって成型することができる。前記マトリックスとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステルなどの樹脂繊維が使いやすく、好ましい。なお、前記マトリックスに用いる繊維は、熱融着または接着剤などにより接着させて用いてもよい。
【0030】
吸液芯6の長さは、容器本体部1の空洞部1cの深さ及び中栓4から突出させる高さを考慮して設定することが好ましい。
また、吸液芯6の平面形状は、中栓4の含浸体用孔部4aの形状に合わせて設定することが好ましい。たとえば、円形、星形、矩形形状などとすることができる。
【0031】
<吸液体>
図1に示すように、吸液芯6の他端側と接するように吸液体16が配置されている。これにより、吸液芯6により吸い上げられた薬液を吸液体16に供給することができる。
吸液体16は、一定量の薬液を貯蔵するとともに、前記薬液をその表面から徐々に揮発させることが可能な媒体からなる。たとえば、吸液体16は、ガラス繊維、不織布、樹脂繊維、Pパルプ、ウレタンフォーム等の発泡成形体等を用いて形成することができる。
【0032】
吸液体16の密度は、0.10〜0.20g/cm3とすることが好ましい。これにより、たとえば、縦4cm、横4cm、高さ1cmの吸液体16を用いたときに、約17gの薬液を貯蔵させることができ、揮散容器に貯蔵した薬液の量を180mlとしたときに、約1ヶ月でこの薬液を揮散させることができる。
【0033】
<トレー付きキャップ>
トレー付きキャップ30は、内壁面にネジ部30fが設けられたキャップ部32と、キャップ部32の上部に取り付けられたトレー33と、を有している。また、トレー33には、ヒンジ35を介してヒンジ蓋34が取り付けられている。
キャップ部32の内壁面にはネジ部30fが形成されている。図1に示すように、ねじ部30fを容器本体部1のねじ部1fに螺合させて、トレー付きキャップ30を容器本体部1に取り付けることができる。
トレー付きキャップ30は、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、ポリエステル等の樹脂、ガラスまたは金属等の材料を用いて形成することができる。
【0034】
図2は、図1に示す本発明の実施形態である揮散容器61に取り付けられたトレー付きキャップ30の平面図である。なお、説明のために、戴置する吸液体16を一点鎖線で示している。
図2に示すように、トレー33の中心には、平面視円形状の開口部81が設けられている。開口部81を囲むように、平面視円環状の液漏れ防止リブ71が形成されている。開口部81上に平面視略矩形状の吸液体16が戴置される。吸液体16は、トレーの側面から内側に突出する8つの突出部76により位置決めがされる。
【0035】
トレー付きキャップ30は、フック部40と、係止凸部41を有している。トレー33に吸液体16を戴置した後、ヒンジ蓋34を閉じて、フック部40を係止凸部41に係止することにより、吸液体16を液漏れ防止リブを押さえつけるように固定することができ、吸液体16がトレー33から外れたり、落下することがないようにすることができる。
また、図2に示すように、トレー33には、ヒンジ35を介してヒンジ蓋34が取り付けられており、ヒンジ蓋34には窓36が設けられている。そのため、吸液体16を固定した状態で、窓36から、吸液体16に供給された薬液を外部に揮散させることができる。
【0036】
開口部81の平面視形状は、円形に限定されるものではなく、たとえば、矩形、5角形、6角形などとしてもよい。
また、窓36の平面視形状は、図2に示す形状に限定されるものではなく、たとえば、矩形、5角形、6角形などとしてもよい。
【0037】
<液漏れ防止リブ>
図2に示すように、トレー33の内底面33dには、開口部81を囲むように平面視円環状の液漏れ防止リブ71が形成されている。また、図1に示すように、液漏れ防止リブ71の断面形状は、矩形状とされている。
【0038】
<液漏れ防止リブの液漏れ防止機能及び外気導入(空気置換)機能>
液漏れ防止リブ71は、液漏れ防止機能及び外気導入(空気置換)機能を有する。
図3に示すように、揮散容器61が横倒しされた場合(転倒時)に、通常、中栓4の通気孔4bや吸液芯6と吸液芯スリーブ7との間を通って上部空間81fへ薬液が移動した後、トレー33の内底面33dと吸液体16との隙間から外部へ薬液は液漏れする。
しかし、本実施形態では、トレー33の内底面33dに液漏れ防止リブ71が設けられた構成なので、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83を密閉して、上部空間81fへの薬液の移動を妨げる。これにより、外部への液漏れが防止することができる。更に、薬液が上部空間81fへ移動したとしても、液漏れ防止リブ71が吸液体16を押さえつけ、液漏れ防止リブ71に吸液体16が密着されて配置された構成なので、外部への液漏れを防止することができる。
【0039】
また、図1に示すように、揮散容器61が横倒しされていない通常の使用状態では、吸液体16に対する液漏れ防止リブ71の接触面積が小さいので、外部から、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83への空気(外気)の流通を妨げない。上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83へ外気を導入(空気を置換)することにより、吸液芯6を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体16にスピ−ディに行渡らせることができる。
【0040】
液漏れ防止リブ71の平面視形状は、円環状に限定されるものではなく、たとえば、4角環状、5角環状または6角環状などとしてもよい。また、液漏れ防止リブ71の断面形状も、矩形状に限定されるものではなく、半円状、台形状、逆台形状などとしてもよい。
【0041】
液漏れ防止リブ71の高さh1は0.5mm〜1.7mmとすることが好ましい。液漏れ防止リブ71の高さh1を0.5mm〜1.7mmとすることにより、液漏れ防止リブ71と吸液体16を密着させて、液漏れを防止することができる。液漏れ防止リブ71の高さh1が0.5mm未満の場合には、吸液体16とトレー33の内底面33dの間の距離が短く、液漏れ防止リブ71と吸液体16の一部が密着しない場合が生じて、液漏れが生じるおそれが発生する。逆に、液漏れ防止リブ71の高さh1が1.7mmを超える場合には、トレー33の内底面33dから吸液体16が浮いてしまい(離れてしまい)、液漏れの防止効果が低下する。
【0042】
また、トレー33の内底面33dからの吸液芯6の高さh2と、液漏れ防止リブ71の高さh1との差(h2−h1)は、1.5mm以下とすることが好ましい。これにより、吸液芯6および吸液体16はそれぞれ一定のクッション性を有するので、吸液芯6の他端側が吸液体16に一定の圧力以上で接するように配置することができ、吸液芯6により吸い上げられた薬液を吸液体16に速やかに供給することができる。前記高さの差(h2−h1)が1.5mmを超える場合には、トレー33の内底面33dから吸液体16が浮いてしまい(離れてしまい)、液漏れの防止効果が低下する。
【0043】
液漏れ防止リブ71の幅は0.5mm〜3.0mmとすることが好ましい。これにより、通常の使用状態では、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83へ外気を導入(空気を置換)して、吸液芯6を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体16にスピ−ディに行渡らせることができる。
また、揮散容器61が横倒しされた場合に、液漏れを防止することができる。
【0044】
本発明の実施形態である揮散容器61は、液体を貯蔵可能な空洞部1cを有する容器本体部1と、空洞部1cに連通する開口1dを備えた口部1Aに取り付け自在な中栓4と、中栓4を覆うように容器本体部1に取り付け自在なトレー付きキャップ30と、を有する揮散容器であって、トレー付きキャップ30が、内壁面にネジ部を有するキャップ部32と、キャップ部32に取り付けられたトレー33と、トレー33にヒンジ35を介して取り付けられたヒンジ蓋34と、を有しており、トレー33の内底面33dには開口部81が設けられており、前記開口部81を囲むように平面視環状の液漏れ防止リブ71が形成されている構成なので、揮散容器61が横倒しされた場合(転倒時)に、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83を密閉して、上部空間81fへの薬液の移動を妨げるとともに、液漏れ防止リブ71により外部への液漏れを防止することができる。また、通常の使用状態では、吸液体16は、トレー33の内底面33dと液漏れ防止リブ71と接して、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83へ外気を導入(空気を置換)することにより、吸液芯6を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体16にスピ−ディに行渡らせることができる。
【0045】
(実施形態2)
図4は、本発明の第2の実施形態の揮散容器62の一例を示す断面図である。
本発明の実施形態である揮散容器62は、液漏れ防止リブ71の内周側に補助リブ72が形成されているほかは、実施形態1と同様の構成とされている。なお、実施形態1と同一の部材については同一の符号を付して示している。
【0046】
図5は、図4に示す揮散容器62に取り付けられたトレー付きキャップの平面図である。液漏れ防止リブ71の内周側に同心状になるように平面視環状の補助リブ72が形成されており、2重環構造とされている。補助リブ72と液漏れ防止リブ71との2重環構造により液漏れを防ぐ構造なので、液漏れ防止リブ71のみの場合よりも、液漏れをより効果的に防止することができる。
【0047】
図4に示すように、補助リブ72の高さh3は、液漏れ防止リブ71の高さh1と同じ高さとされていることが好ましい。これにより、揮散容器62の転倒時でも、液漏れ防止リブ71と吸液体16を密着させて、転倒時の液漏れを防止することができる。また、空気の流通を妨げず、吸液芯を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせることができる。
なお、本実施形態では、1つの補助リブ72を用いる構成としたが、これに限られるものではなく、複数の補助リブを設けてもよい。たとえば、補助リブ72の内周側に更に別の補助リブを配置することができる。
【0048】
本発明の実施形態である揮散容器62は、前記液漏れ防止リブの内周側に平面視環状の補助リブが形成されている構成なので、2重環構造をとることにより、液漏れ防止リブ71のみの場合よりも、液漏れをより効果的に防止することができる。
【0049】
(実施形態3)
図6は、本発明の第3の実施形態の揮散容器63の一例を示す断面図であり、図7は、図6に示す揮散容器63に取り付けられたトレー付きキャップの平面図である。
本発明の実施形態である揮散容器63は、液漏れ防止リブ71と補助リブ72にそれぞれ切欠部74、73が形成されているほかは、実施形態2と同様の構成とされている。なお、実施形態2と同一の部材については同一の符号を付して示している。
【0050】
図7に示すように、液漏れ防止リブ71には、ヒンジ35の中心位置とヒンジ蓋34の開閉用にトレー33に形成された係止凸部41の中心位置とを結ぶ第1の線Xと交わる箇所にそれぞれ切欠部74が形成されている。また、補助リブ72には、トレー33の中心Oを通り、第1の線Xと垂直な第2の線Yと交わる箇所にそれぞれ切欠部73が形成されている。
なお、第1の線Xは、係止凸部41の中心位置と、フック部40の中心位置とを結ぶ線でもある。
【0051】
図8は、図7に示すトレー付きキャップの液漏れ防止リブ71の切欠部74の拡大図である。
図8に示すように、液漏れ防止リブ71の切欠部74は、液漏れ防止リブ71の一部が逆三角形状に切り欠けられて形成されている。
切欠部74の幅l1は0.3〜1.3mmとすることが好ましく、0.5〜1.2mmとすることがより好ましい。切欠部74の幅l1が0.3mm未満であると、空気の流入量が減って、吸液芯6からの吸い上げを低減する。逆に、切欠部74の幅l1が1.3mmを超えると、液漏れ防止効果が低減して、液漏れするおそれを生じさせる。
【0052】
切欠部74の深さd1は0.05〜0.6mmとすることが好ましく、0.2〜0.4mmとすることがより好ましい。切欠部74の深さd1が0.05mm未満であると、空気の流入量が減って、吸液芯6からの吸い上げを低減する。逆に、切欠部74の深さd1が0.6mmを超えると、液漏れ防止効果が低減して、液漏れするおそれを生じさせる。
また、図7に示す切欠部74の形状は逆三角形であるが、特に限られるものではなく、例えば、矩形状、逆半円状に形成してもよい。
【0053】
また、補助リブ72の切欠部73は切欠部74と同様に、幅l1は0.3〜1.3mmとすることが好ましく、0.5〜1.2mmとすることがより好ましく、深さd1は0.05〜0.6mmとすることが好ましく、0.2〜0.4mmとすることがより好ましい。
なお、切欠部73は、切欠部74と同じ形状で形成されていていても、異なる形状で形成されていてもよい。
【0054】
また、液漏れ防止リブ71の切欠部74及び補助リブ72の切欠部73の数は、液漏れ防止リブ71及び補助リブ毎にそれぞれ1〜4箇所とすることが好ましい。切欠部73、74の数を、液漏れ防止リブ71または補助リブ72毎にそれぞれ5箇所以上にすると、液漏れ防止効果が低減して、液漏れするおそれを生じさせる。
【0055】
液漏れ防止リブ71及び補助リブ72に切欠部74、73を設けることにより、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83へ外気をより導入(空気を置換)することができ、吸液芯6を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体16によりスピ−ディに行渡らせることができる。
【0056】
特に、本実施形態に示すように、液漏れ防止リブ71と、補助リブ72にそれぞれ2箇所の切欠部74、73を設けた場合には、切欠部74から液漏れ防止リブ71と補助リブ72との間に流入させた外気を、補助リブ72の切欠部73から、上部空間81f及び上部空間81fと連通するヘッドスペース83に容易に流入させること(空気置換効果)ができる。
【0057】
また、液漏れ防止リブ71と、補助リブ72にそれぞれ2箇所の切欠部74、73が最も離間するように配置されている構成なので、切欠部74を通って外部に漏れる薬液は、最も長い経路を通る必要が生じる(以下、迷路効果)。そして、前記迷路効果により、転倒時の薬液の液漏れを防止することができる。
【0058】
本発明の実施形態である揮散容器63は、液漏れ防止リブ71に1以上の切欠部74が設けられている構成なので、空気の流通を容易にして、吸液芯6を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体16によりスピ−ディに行渡らせることができる。
【0059】
本発明の実施形態である揮散容器63は、補助リブ72に1以上の切欠部73が設けられている構成なので、空気の流通を容易にして、吸液芯6を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体16によりスピ−ディに行渡らせることができる。
【0060】
(実施形態4)
図9は、本発明の第4の実施形態の揮散容器に用いるトレー付きキャップ30の一例を示す斜視図である。
本発明の実施形態である揮散容器に用いるトレー付きキャップ30は、液漏れ防止リブ71の上面71aが凹凸面75とされているほかは、実施形態1と同様の構成とされている。なお、実施形態1と同一の部材については同一の符号を付して示している。
【0061】
液漏れ防止リブ71の上面を凹凸面75とすることにより、液漏れ防止リブ71の上面内に、液漏れ防止リブ71が吸液体16に強い圧力で接するところ(当りの強いところ)と、弱い圧力で接するところ(当りの弱いところ)が形成される。前記当りの弱いところから外部の空気を空洞部1c内に容易に導入することが可能となる。
一方、液漏れ防止リブ71の前記当りの強いところが吸液体16を押さえる構成なので、揮散容器61が横倒しされた場合(転倒時)でも、急激に液が漏れることはなく、転倒時の液漏れを防止することができる。
【0062】
凹凸面75の平均幅及び平均深さはそれぞれ0.10〜0.5mmとすることが好ましい。凹凸面71aの平均幅及び平均深さが0.10mm未満であると、空気の流入量が減って、吸液芯6からの吸い上げを低減する。逆に、凹凸面75の平均幅及び平均深さが0.5mmを超えると、液漏れ防止効果が低減して、液漏れするおそれを生じさせる。
上記の平均幅及び平均深さを有する凹凸面75は、エンボス加工、ブラスト加工またはローレット加工(ギザギザ)を用いて形成することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、液漏れ防止リブ71の上面を凹凸面75とした例について示したが、これに限られるものではなく、たとえば、内周側に補助リブを配し、前記補助リブの上面も凹凸面75としてもよい。
【0064】
本発明の実施形態である揮散容器は、液漏れ防止リブ71の上面が凹凸面75とされている構成なので、凹凸面75の当りの強いところが、転倒時の液漏れを防止することができる。また、凹凸面75の当りの弱いところが、空気の流通を容易にして、吸液芯を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせることができる。
【0065】
本発明の実施形態である揮散容器は、凹凸面75がエンボス加工、ブラスト加工またはローレット加工により形成された構成なので、凹凸面75の当りの強いところが、転倒時の液漏れを抑制することができる。また、凹凸面75の当りの弱いところが、空気の流通を容易にして、吸液芯を通して十分な量の薬液を吸上げて吸液体にスピ−ディに行渡らせることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例】
【0066】
(実施例1)
まず、図1に示す揮散容器(実施例1)を構成する次の部品を用意した。
外部キャップは、PP(樹脂メーカー:サンアロマー、グレード:PM970W)を材料として射出成型法により形成した。
容器本体部は、ポリプロピレン(PP)(樹脂メーカー:住友化学、グレード:AS321)を材料として用い、射出成型法により、直径70mm、高さ68mm、肉厚0.5〜1.5mm、容積200mlになるように形成した。
中栓は、LLDPE(樹脂メーカー:住友化学 グレード:G801)を材料として用い、射出成型法により、直径31.5mm、高さ30mmになるように形成した。
【0067】
吸液芯は、PE:PPの質量比が1:1となる樹脂を材料として用い、射出成型法により、直径6.8mm、長さ70mmになるように形成した。
トレー付きキャップは、ポリプロピレン(PP)(樹脂メーカー:サンアロマー、グレード:PM970W)を材料として用い、射出成型法により、縦58mm、横54mm、高さ29.2mmになるように形成した。
液漏れ防止リブは、幅1.0mm、高さ1.0mm、内径30mmの円環状となるように形成した。
含浸体(吸液体)は、Pパルプ製であり、縦40mm、横40mm、高さ10mmの直方体となるように形成した。その質量は2.5gであり、密度は0.15g/cm3であった。
【0068】
<薬剤:ベイト剤>
次に、液体薬剤として、蚊用ホウ酸ベイト剤(以下、ベイト剤)を用意した。表1に、このベイト剤の組成を示す。
なお、このベイト液の粘度(21℃時)を、BL型粘度計(TOKI SANGYO CO.,LTD製)を用いて、No.1(H−1)のローターで20rpm、60秒間の測定条件で測定した。このベイト液の粘度は7mPa・sであった。
【0069】
【表1】
【0070】
<含浸速さの評価及び液漏れ評価>
まず、容器本体部(満中200ml)に上記ベイト液を180ml入れ、吸液芯を備えた中栓を嵌め、トレー付きキャップを嵌め、前記トレー付きキャップのトレーに吸液体を戴置した後、ヒンジ蓋を閉じ、最後に外部キャップを装着して、揮散容器(実施例1)とした。このとき、トレー上の吸液芯の高さは2.0mmとした。
【0071】
次に、この揮散容器(実施例1)を7分間静置した。
7分後、含浸状態を目視により観察した。含浸体が十分含浸している状態を+++とし、かなり含浸している状態を++とし、含浸している状態を+とし、一部含浸している状態を±とし、含浸していない状態を−と評価する。
揮散容器(実施例1)は、かなり含浸体が含浸している状態であったので、評価は++とした。
【0072】
次に、この揮散容器(実施例1)を約3時間静置した。3時間静置することにより、含浸体にベイト液が十分含浸させることができた。
次に、揮散容器(実施例1)を横倒しして、24時間放置した。
24時間後、液漏れの有無を目視により観察した。液漏れがあったものを×、ごく僅かに液漏れがあったものを△、ほとんど液漏れがなかったものを○、液漏れが全くなかったものを◎と評価する。
揮散容器(実施例1)は、液漏れが無かったので、評価は◎とした。
【0073】
(実施例2〜6)
液漏れ防止リブの高さh1を0.1mm(実施例2)、0.5mm(実施例3)、1.5mm(実施例4)、1.7mm(実施例5)、2.0mm(実施例6)と変えた他は実施例1と同様にして揮散容器(実施例2〜6)を作製した。
実施例1と同様の条件で、揮散容器(実施例2〜6)の評価を行った。
【0074】
(実施例7)
トレー上の吸液芯の高さh2を1.0mm(実施例7)と変えた他は実施例1と同様にして揮散容器(実施例7)を作製した。
実施例1と同様の条件で、揮散容器(実施例7)の評価を行った。
【0075】
(実施例8〜12)
液漏れ防止リブの構造を変えたほかは実施例1と同様にして揮散容器(実施例8〜12)を作製した。
揮散容器(実施例8)は、平均幅及び平均深さが0.2mmの凹凸面を備えた液漏れ防止リブとした他は実施例1と同様の構成とした。
また、揮散容器(実施例9)は、幅1.0mm×深さ0.3mmの切欠部を2つ最も離間するように設けた液漏れ防止リブとした他は実施例1と同様の構成とした。
また、揮散容器(実施例10)は、幅1.0mm×深さ1.0mm、内径25mmの補助リブを備えた他は実施例1と同様の構成とした。
また、揮散容器(実施例11)は、幅1.0mm×深さ1.0mm、内径25mmの補助リブを備え、液漏れ防止リブ及び補助リブの上面を平均幅及び平均高さが0.2mmの凹凸面とした他は実施例1と同様の構成とした。
更に、揮散容器(実施例12)は、幅1.0mm×深さ1.0mm、内径25mmの補助リブを備え、液漏れ防止リブ及び補助リブにそれぞれ2つの幅1.0mm×深さ0.3mmの切欠部を最も離間するように設けた他は実施例1と同様の構成とした。
実施例1と同様の条件で、揮散容器(実施例8〜12)の評価を行った。
【0076】
(比較例1)
液漏れ防止リブを設けなかったほかは実施例1と同様にして揮散容器(比較例1)を作製した。
実施例1と同様の条件で、揮散容器(比較例1)の評価を行った。1分後から液漏れが始まり、揮散容器(比較例1)の評価は×であった。
実施例1〜12、比較例1の条件及び評価結果について、表1にまとめた。
【0077】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、揮散容器に関するものであって、芳香剤、蚊用ホウ酸ベイト剤などの殺虫剤、消臭剤等の薬剤の揮散容器に関するものであって、前記揮散容器を製造・利用する産業において利用可能性がある。
【符号の説明】
【0079】
1…容器本体部、1A…口部、1c…空洞部、1d…開口、1f…ねじ部、4…中栓、4a…含浸体用孔部、4b…通気孔、6…棒状の含浸体(吸液芯)、7…筒部(吸液芯スリーブ)、11…大径部、12…小径部(ボトルネック部)、16…含浸体、30…トレー付きキャップ、30f…ねじ部、32…キャップ部、33…トレー、33d…内底面、34…ヒンジ蓋、35…ヒンジ、36…窓、40…フック部、41…係止凸部、45…外部キャップ、61、62、63…揮散容器、71…液漏れ防止リブ、71a…上面、72…補助リブ、73、74…切欠部、75…凹凸面、76…突出部、81…開口部、81f…上部空間、83…ヘッドスペース、161…揮散容器、101…容器本体部、101A…口部、101c…空洞部、101d…開口、104…中栓、104a…含浸体用孔部、104b…通気孔、106…棒状の含浸体(吸液芯)、107…吸液芯スリーブ、116…含浸体、130…トレー付きキャップ、133…トレー、133d…内底面、145…外部キャップ、181…開口部、L…薬液(液体)、O…トレーの中心、X…第1の線、Y…第2の線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯蔵可能な空洞部を有する容器本体部と、前記空洞部に連通する開口を備えた口部に取り付け自在な中栓と、前記中栓を覆うように前記容器本体部に取り付け自在なトレー付きキャップと、を有し、前記トレー付きキャップが、内壁面にネジ部を有するキャップ部と、前記キャップ部に取り付けられたトレーと、前記トレーにヒンジを介して取り付けられたヒンジ蓋と、を有する揮散容器であって、
前記トレーの内底面には開口部が設けられており、前記開口部を囲むように平面視環状の液漏れ防止リブが形成されていることを特徴とする揮散容器。
【請求項2】
前記液漏れ防止リブに1以上の切欠部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の揮散容器。
【請求項3】
前記液漏れ防止リブの上面が凹凸面とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の揮散容器。
【請求項4】
前記液漏れ防止リブの内周側に平面視環状の補助リブが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の揮散容器。
【請求項5】
前記補助リブに1以上の切欠部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の揮散容器。
【請求項6】
前記補助リブの上面が凹凸面とされていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の揮散容器。
【請求項1】
液体を貯蔵可能な空洞部を有する容器本体部と、前記空洞部に連通する開口を備えた口部に取り付け自在な中栓と、前記中栓を覆うように前記容器本体部に取り付け自在なトレー付きキャップと、を有し、前記トレー付きキャップが、内壁面にネジ部を有するキャップ部と、前記キャップ部に取り付けられたトレーと、前記トレーにヒンジを介して取り付けられたヒンジ蓋と、を有する揮散容器であって、
前記トレーの内底面には開口部が設けられており、前記開口部を囲むように平面視環状の液漏れ防止リブが形成されていることを特徴とする揮散容器。
【請求項2】
前記液漏れ防止リブに1以上の切欠部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の揮散容器。
【請求項3】
前記液漏れ防止リブの上面が凹凸面とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の揮散容器。
【請求項4】
前記液漏れ防止リブの内周側に平面視環状の補助リブが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の揮散容器。
【請求項5】
前記補助リブに1以上の切欠部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の揮散容器。
【請求項6】
前記補助リブの上面が凹凸面とされていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の揮散容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−215273(P2010−215273A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65193(P2009−65193)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】
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