説明

揮発性化学物質捕集装置及び電子機器

【課題】経時的な性能劣化を起こしにくく、長期にわたってVOCや臭気などの揮発性化学物質を捕集できる揮発性化学物質捕集装置、電子機器を実現する。
【解決手段】本発明のカラー複合機においては、定着ユニット15の上部に設けられた排気ダクト21内に、電界発生捕集部材31より雰囲気中に電界を発生させ、該電界の作用にて雰囲気中に含まれる揮発性化学物質を電界発生捕集部材31の表面に引き寄せて捕集する揮発性化学物質捕集装置30が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臭気やVOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)などの揮発性化学物質(ケミカルエミッション)を捕集する揮発性化学物質捕集装置及び電子機器(例えばパーソナルコンピュータや複写機、プリンタなど)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、アレルギー症や、頭痛や目眩などの健康被害が発症するいわゆるシックハウス症候群の原因物質のひとつとして、VOCが注目されている。このVOCは、パソコンや複写機、プリンタなどの電子機器からも放出されることがわかっている。さらに、これらの電子機器のうち、複写機やプリンタなどの画像形成装置では、VOCのみならず、加熱された用紙やトナーから発生する特有の臭気も問題となっている。
【0003】
このようなVOCや臭気などの揮発性化学物質が画像形成装置から発生する問題に対し、複写機やプリンタなどの画像形成装置では、VOCや臭気などの揮発性化学物質を捕集するVOCハニカムフィルタ(活性炭や触媒などを使用)やマイナスイオン発生装置を設置している。
【0004】
例えば、特許文献1では、画像形成装置内部の定着手段のシート搬送方向下流側に針状の電極にマイナスの高電圧を印加することでマイナスイオンを放出し、定着部の加熱により発生するプラス帯電した有臭成分を減少させる技術が提案されている。
【特許文献1】特開2007−47496号公報(2007年2月22日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術には、以下に述べる問題がある。
【0006】
第1に、フィルタにてVOCや臭気などの揮発性化学物質を捕集する場合は、当然ながら経時的な性能劣化を生じてしまう。この経時的な性能劣化を克服するために、一般的にはハニカム構造を細かくして気流との接触面積を拡大している。しかしながら、トレードオフとして画像形成装置からの排熱を妨げることとなり画像形成装置の機内温度上昇に伴う二次的な弊害をもたらす結果となる。
【0007】
第2に、マイナスイオン発生装置として針状電極を使用する場合は、針先に異物(例えばSi系物質など)が付着すると放電不足となり、マイナスイオン放出量が低下する。また、高電圧印加により針先が経時的になまってしまうため、性能劣化は避けられない。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、経時的な性能劣化を起こしにくく、長期にわたってVOCや臭気などの揮発性化学物質を捕集できる揮発性化学物質捕集装置、及び電子機器を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、筐体の内部にて揮発性化学物質が発生する電子機器であって、上記筐体の内部に、雰囲気中に電界を発生させ、該電界の作用にて雰囲気中に含まれる上記揮発性化学物質を引き寄せて捕集する揮発性化学物質捕集手段が設けられていることを特徴としている。
【0010】
これによれば、上記筐体の内部において発生した揮発性化学物質を、筐体の内部に備えられた揮発性化学物質捕集手段にて捕集するようになっている。揮発性化学物質捕集手段は、雰囲気中に電界を発生させ、該電界の作用にて雰囲気中に含まれる上記揮発性化学物質を引き寄せて捕集する。捕集された揮発性化学物質は、電界発生面に単に引き寄せられているだけなので、布等を用いて簡単に除去でき、繰り返し使用することが可能となる。
【0011】
これにより、従来の構成よりも、経時的な性能劣化を起こしにくく、長期にわたってVOCや臭気などの揮発性化学物質を捕集できる。
【0012】
本発明の電子機器は、さらに、上記揮発性化学物質捕集手段は、電圧が印加されることで電界を発生し、該電界の作用にて雰囲気中に含まれる上記揮発性化学物質を表面に引き寄せて捕集する電界発生捕集部材を備え、該電界発生捕集部材は、上記筐体の内部に設けられた上記揮発性化学物質を含む上記筐体の内部の気体を上記筐体の外部へ導く排気ダクトの内部に配されている構成とすることもできる。
【0013】
これによれば、電界を発生して揮発性化学物質を捕集する電界発生捕集部材が、揮発性化学物質を含む気体を機外へ排出する排気ダクト内部に配されているので、筐体の内部で発生した揮発性化学物質を効率よく捕集することができる。
【0014】
本発明の電子機器は、さらに、上記揮発性化学物質捕集部材を、排気ダクトの内部に設けるにおいて、揮発性化学物質捕集部材を、排気ダクトの内壁に沿って配する構成とすることもできる。
【0015】
これによれば、排気ダクトを流れていく気流より効率的に揮発性化学物質を捕集できるので、排気ダクト内に部分的に揮発性化学物質捕集部材が配される構成に比して、捕集効率を高めることができる。
【0016】
本発明の電子機器は、さらに、上記排気ダクトの内壁に沿って配されている電界発生捕集部材を第1の電界発生捕集部材とすると、上記揮発性化学物質捕集手段は、上記排気ダクトの内壁に沿って配された第1の電界発生捕集部材との間に距離を隔てて、上記排気ダクトを流れる主たる気流と正面から当たるように配された第2の電界発生捕集部材を備える構成とすることもできる。
【0017】
これによれば、揮発性化学物質を含む気流は、第2の電界発生捕集部材に正面から当たるので、そのときに、効率よく揮発性化学物質を捕集できる。これにより、第1の電界発生捕集部材にて捕集し切れなかった揮発性化学物質を含む気流が、ダイレクトに機外へ排出されることを阻止でき、より効果的に揮発性化学物質を捕集することができる。
【0018】
本発明の電子機器は、さらに、上記筐体の内部の気体を上記筐体の外部へ排気する排気ファンが設けられており、上記電界発生捕集部材は、上記排気ファンにおける気流の流れ方向上流に配されている構成とすることもできる。
【0019】
これによれば、揮発性化学物質を含んだ気流が、電界発生捕集部材による揮発性化学物質の捕集作用を受けることなく、ダイレクトに機外へ排出されることを、効果的に阻止することができる。
【0020】
本発明の電子機器は、さらに、マイナスの電圧を発生する電源装置を備え、上記電界発生捕集部材は、上記電源装置によってマイナスの電圧が印加されることによりマイナス電位を有する構成とすることもできる。
【0021】
これによれば、電界発生捕集部材はマイナスに帯電した電極となるので、プラス帯電した揮発性化学物質を捕集することが可能となる。
【0022】
本発明の電子機器は、さらに、マイナスの電圧を発生する電源装置と、プラスの電圧を発生する電源装置とを備え、上記電界発生捕集部材は、上記何れか一方の電源装置と選択的に接続されてマイナス或いはプラスの電圧が印加されることによりマイナス電位或いはプラス電位を有する構成とすることもできる。
【0023】
これによれば、電界発生捕集部材の極性を切り換えることができるので、電子機器自身が発生する揮発性化学物質の極性に応じて、印加電圧の極性を切り換えることで、揮発性化学物質を効率よく捕集することができる。
【0024】
本発明の電子機器は、さらに、上記排気ダクトの内部に、上記揮発性化学物質を捕集する捕集フィルタがさらに設けられている構成である。
【0025】
これによれば、電界発生捕集部材にて捕集されなかった揮発性化学物質を2次的に捕集することが可能となるので、機外の揮発性化学物質の排出をより一層、効果的に抑制できる。
【0026】
本発明の揮発性化学物質捕集装置は、上記課題を解決するために、雰囲気中に電界を発生させ、該電界の作用にて雰囲気中に含まれる揮発性化学物質を表面に引き寄せて捕集する電界発生捕集部材と、高電圧を発生する電源装置から上記電界発生捕集部材に電圧を供給する接続部とを備えることを特徴としている。
【0027】
既に電子機器として説明したが、これによれば、従来の構成よりも、経時的な性能劣化を起こしにくく、長期にわたってVOCや臭気などの揮発性化学物質を捕集できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の電子機器は、以上のように、筐体の内部にて揮発性化学物質が発生する電子機器であって、上記筐体の内部に、雰囲気中に電界を発生させ、該電界の作用にて雰囲気中に含まれる上記揮発性化学物質を引き寄せて捕集する揮発性化学物質捕集手段が設けられている構成である。
【0029】
また、本発明の揮発性化学物質捕集装置は、以上のように、雰囲気中に電界を発生させ、該電界の作用にて雰囲気中に含まれる揮発性化学物質を表面に引き寄せて捕集する電界発生捕集部材と、高電圧を発生する電源装置から上記電界発生捕集部材に電圧を供給する接続部とを備える構成である。
【0030】
これにより、従来の構成よりも、経時的な性能劣化を起こしにくく、長期にわたってVOCや臭気などの揮発性化学物質を捕集できる電子機器、揮発性化学物質捕集装置を提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態について、図1、図2に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、本実施の形態では、本発明の画像形成装置をカラー複合機100に適用した場合について説明する。
【0032】
図2は、第1の実施形態を示すものであり、カラー複合機100の概略構成を示す縦断面図である。
【0033】
カラー複合機100は、電子写真方式の画像形成装置であり、図示しないパーソナルコンピュータなどから入力された印刷ジョブデータに基づいて、シート(記録材、記録用紙)に多色あるいは単色の画像を形成するものである。
【0034】
図2に示すように、カラー複合機100は、シートに画像を形成する画像形成部として、光学系ユニットE、4組の可視像形成ユニットpa・pb・pc・pd、中間転写ベルト11、二次転写ユニット14、定着ユニット15、内部給紙ユニット16、およびこれらを内包する筐体25、ならびに、該筐体25の外部に設けられた手差し給紙ユニット17、排紙トレイ18などを備えている。
【0035】
可視画像形成ユニットpa・pb・pc・pdは、それぞれブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像を形成するものである。可視画像形成ユニットpaは、トナー像の担持体となる感光体ドラム101aの周囲に、現像ユニット102a、帯電ユニット103a、クリーニングユニット104aを配置した構成となっている。
【0036】
帯電ユニット103aは、感光体ドラム101aの表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。本実施形態では、帯電ユニット103aがオゾンを極力発生させることなく感光体ドラム101aの表面を一様に帯電させられるように、帯電ローラ方式の帯電ユニット103aを採用している。なお、帯電ユニット103aとしては、図1に示す接触型のローラの代わりに、接触型のブラシや非接触のチャージャ型などを使用してもよい。
【0037】
光学系ユニットEは、レーザ照射部4および反射ミラー8を備え、入力された印刷ジョブデータに応じてレーザ照射部4からの光により感光体ドラム101a・101b・101c・101dを露光して、各感光体ドラム上に静電潜像を形成するものである。露光ユニット1としては、上記の構成に代わりに、発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いたものを採用してもよい。
【0038】
現像ユニット102aは、感光体ドラム101a上に形成された静電潜像をトナーにより顕像化するものである。なお、現像ユニット102aはブラックのトナーを有し、現像ユニット102b・102c・102dはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアンのトナーを有している。一次転写ユニット13aは、中間転写ベルト11を挟んで感光体ドラム101aの上側に配置されており、感光体ドラム101aの表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト11に転写するものである。クリーニングユニット104aは、転写工程後に感光体ドラム101aの表面に残留しているトナーを除去し、回収するものである。
【0039】
他の3組の可視像形成ユニットpb・pc・pdも上述した可視画像形成ユニットpaと同様の構成である。
【0040】
中間転写ベルト11は、2つのテンションローラ11a・11bによってたわむことなく張架され、中間転写ベルト11のテンションローラ11b側には廃トナーボックス12が、また、テンションローラ11a側には二次転写ユニット14が当接して配置されている。
【0041】
定着ユニット15は、定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bから構成され、定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bは、図示しない加圧手段により所定の圧力で互いに圧接されている。なお、定着ユニット15は、二次転写ユニット14よりも用紙搬送方向下流に配置されている。
【0042】
以上のようなカラー複合機100において画像形成プロセスは以下のようにして行われる。まず、帯電ユニット103aが感光体ドラム101aの表面を一様に帯電した後、光学系ユニットEが感光体ドラム101aの表面の帯電領域を画像データに応じてレーザ露光することにより、静電潜像が形成される。続いて、感光体ドラム101a上の静電潜像を現像ユニット102aがトナーによって現像し、得られたトナー像を、トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加された一次転写ユニット13aが中間転写ベルト11上に転写する。他の3組の可視像形成ユニットpb・pc・pdも上記と同様に動作して、順次各色トナー像を中間転写ベルト11上に重ねて転写する。
【0043】
中間転写ベルト11上のトナー像は二次転写ユニット14まで搬送され、トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加された二次転写ユニット14が、内部給紙ユニット16の給紙ローラ16aまたは手差し給紙ユニット17の給紙ローラ17aによって給紙されて搬送されてきた記録紙にトナー像を転写する。そして、記録紙上のトナー像は定着ユニット15へと搬送され、定着ユニット15がトナー像を十分に加熱して記録紙上に融着させ、トナー像が融着した記録紙を排紙ローラ18aが排紙トレイ18へ排出する。
【0044】
また、このようなカラー複合機100においては、4組の可視像形成ユニットpa、pb、pc、pdからは、オゾンガス成分が発生シ、定着ユニット15からは、揮発成分ガスと熱が発生する。
【0045】
そのため、図2には図示してはいないが、筐体25内には、発生したガスや熱を機外へ排出するための排気ダクトが設けられている。また、排気ダクトの排出口近傍には、排気ファンが設置されている。
【0046】
図1(a)は、定着ユニット15とその上部周辺の縦断面図である。また、図1(b)は、定着ユニット15の上部の横断面図である。なお、図1(b)では、定着ユニット15等の記載を省略し、排気に関わる部材のみ記載している。
【0047】
図1(a)に示すように、定着ユニット15の上部には、定着ユニット15にて発生した揮発成分ガスと余分な熱を排出するための排気ダクト21が設けられている。図1(b)に示すように、排気ダクト21は、定着ユニット15の上部の空間を覆うように設けられ本体部21aと、機外に通じる2つの排出口へ本体部21aより延びる2つの導管部21b,21cとからなる。排気ダクト21の材質としては、ABS樹脂など、形状を保持でき、適度な非導電性かつ耐熱性を有するものが適している。
【0048】
そして、2つの導管部21b、21cの排出口近傍には、排気ファン22a,22bが設けられている。
【0049】
このような構成により、定着ユニット15で発生した揮発成分ガスと余分な熱を含む空気は、定着ユニット15の上部を覆う本体部21aで効率よく集められ、排気ファン22にて形成される気流の作用にて、導管部21b、21cを通って機外へ排出される。
【0050】
そして、本実施形態のカラー複合機100では、筐体25内部であって、この排気ダクト21内部に、雰囲気中に電界を発生させ、該電界の作用にて雰囲気中に含まれる揮発性化学物質を表面に引き寄せて捕集する揮発性化学物質捕集装置(揮発性化学物質捕集手段)30が設けられている。
【0051】
揮発性化学物質捕集装置30は、排気ダクト21の内部に配され、電圧が印加されることで表面より電界を発生し、該電界の作用にて雰囲気中に含まれる揮発性化学物質を表面に引き寄せて捕集する電界発生捕集部材31と、カラー複合機100に備えられたマイナス高電圧電源35a或いはプラス高電圧電源35bより高電圧を上記電界発生捕集部材31に供給する接続部32とを備えている。
【0052】
電界発生捕集部材31は、接続部32を介してマイナスの高電圧を発生する高電圧電源35a、或いはプラスの高電圧を発生する高電圧電源35bと接続され、供給される高電圧により、近傍空間に電界を発生して、その電界の作用にて雰囲気中に含まれる揮発性化学物質を、その表面に引き寄せて捕集するものである。
【0053】
本実施形態においては、電界発生捕集部材31は、排気ダクト21の内壁と同じ形状をなす薄い板状の部材であり、排気ダクト21の内壁に沿って、該内壁を覆うようにほぼ全域に配されており、これにより、広い捕集面を確保している。なお、電界発生捕集部材31は、必ずしも、排気ダクト21の内壁全体に設けられている必要はなく、一部設けられていない部分が存在していてもよい。
【0054】
このような電界発生捕集部材31としては、導電性特性及び耐久性特性を有していれば良いため、素材としては主に金属である鉄、SUS、金、銀、銅、タングステンなどを用いて形成することができる。中でも、錆びることなく、安価で加工が容易かつ形状変化を起こしにくいSUSが好ましい。
【0055】
その他、有機系導電性材料ももちろん使用可能であるが、抵抗が比較的高い場合は通電による発熱が生じるため形状変化し、一定距離を保つことができなくなり一様な電界形成が困難になる場合があるため、できるだけ抵抗が小さい材料を選ぶ必要がある。
【0056】
接続部32と各高圧電源部35a,35bとの間には、スイッチ33が設けられており、該スイッチ33を用いて、ユーザは、マイナスの高電圧電源35a或いはプラスの高電圧電源35bの何れ一方を、電界発生捕集部材31と接続する。
【0057】
一般に、揮発性化学物質はプラス帯電していることが多い。そのため、電界発生捕集部材31の表面がマイナス電位となるように、マイナスの高電圧電源35aと接続することで、プラス帯電している揮発性化学物質を捕集することができる。
【0058】
また、捕集対象の揮発性化学物質がマイナス帯電している場合や、プラス帯電しているものよりもマイナス帯電している揮発性化学物質の割合が多い場合は、電界発生捕集部材31の表面がプラス電位となるように、プラスの高電圧電源35bと接続すればよい。
【0059】
なお、本実施形態では、マイナスの高電圧電源35aとプラスの高電圧電源35bの両方と選択的に接続可能な構成としたが、捕集対象の揮発性化学物質の帯電極性が何れか決定している場合は、マイナスの高電圧電源35a或いはプラスの高電圧電源35bの何れ一方を備える構成で充分である。
【0060】
電界発生捕集部材31に印加するマイナス、プラスの高電圧としては、電界発生捕集部材31の表面に、帯電している揮発性化学物質を引き寄せて捕集し得る電界を形成することのできる電圧である。
【0061】
電界発生捕集部材31への高電圧の印加(揮発性化学物質捕集装置30の作動)は、排気ファン22a,22bの稼動時(印字中、及び印字前後のウォームアップ及びクールダウン時)に実施されるようになっている。なお、排気ファン22a,22bの稼動時に限るものではなく、排気ファン22a,22bを停止した後、所定時間稼動させるようにすることもできる。その他、排気ダクト21内にVOCセンサーを設ける場合は、VOCの濃度が予め定める所定濃度に到達するまでの間、揮発性化学物質捕集装置30を作動させるようにしてもよい。ここで、排気ファン22a,22bの稼動と連動させることは必須ではなく、排気ファン22a,22bを停止させた状態で、揮発性化学物質捕集装置30のみ単独で作動させてもよい。
【0062】
このような揮発性化学物質捕集装置30の構成では、電界発生部剤31の面積を広く確保できるため、針状電極を使用するマイナスイオン発生装置のように、針先に異物が付着して放電不足となるようなこともなく、長期にわたって性能を維持できる。
【0063】
また、電界発生部剤31の面積を広く確保して、気流との接触面積を拡大しても、揮発性化学物質捕集フィルタのように、カラー複合機100からの排熱を妨げることもない。
【0064】
そして、長期間の使用により、電界発生捕集部材31の表面に揮発性化学物質が付着し、性能が劣化した場合には、電界発生捕集部材31に電圧を印加しない状態で、その表面を、布などの繊維によりクリーニングすることにより、電界発生捕集部材31の捕集面を容易にリフレッシュさせることが可能となる。なお、安全上、このような清掃作業は、カラー複合機100の電源を落とした状態で行うことが好ましい。
【0065】
また、本実施形態では、このような揮発性化学物質捕集装置30における電界発生捕集部材31を、排気ダクト21内に設けているので、排気ダクト21内を通過して機外へと排出される空気中より、効率よく揮発性化学物質を除去して、揮発性化学物質の機外への排出を、効果的に抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、電界発生捕集部材31を、排気ファン22a,22bに対し、排気ファン22a,22bによる気流の流れ方向上流に配しているので、揮発性化学物質を含む気体がダイレクトに排気ファン22a,22bへ流れず、電界発生捕集部材31に捕集する機会を向上させることが可能となる。
【0067】
ところで、上記構成においては、電界発生捕集部材31の近傍には、対向電極は設けられていない。そのため、電界発生捕集部材31からみて、カラー複合機100に含まれるグランドが、無限遠の対向電極となる。
【0068】
電界発生捕集部材31の近傍に対向電極が存在すると、電界発生捕集部材31と対向電極との間の電界が強化され、その部分では捕集能力が高くなる。しかしながら、その反面、電界発生捕集部材31と対向電極間との間以外の空間においては、電界の作用が弱まり、捕集能力が劣化する。対向電極を設けない構成とすることで、電界発生捕集部材31が面する空間部全体的に、均一な捕集能力を確保することができる。
【0069】
また、対向電極を設けた場合、電界発生捕集部材31と対向電極との間の電界が強くなり、放電が生じるなどしてオゾンガスを発生する可能性があるが、このように、対向電極を設けないことで、放電によるオゾンガスの発生を確実に排除できる。
【0070】
なお、本実施形態では、電界発生捕集部材31を、排気ダクト21の内壁のほぼその全域に設ける構成としたが、排気ダクト自体を、上記した電界発生捕集部材31に使用できる材質より作成し、排気ダクトと電界発生捕集部材31の機能を一体化することもできる。
【0071】
但し、排気ダクトと、カラー複合機100の本体及び各プロセスユニットとの間で、高圧リークが発生しないように手段を講じる必要がある。
【0072】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態について、図3に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態のカラー複合機と、上述した第1の実施形態のカラー複合機100との違いは、排気ダクト21内に、揮発性化学物質捕集装置30における電界形成部材31の補助部材として、電界発生捕集補助部材34a,34bが設けられている点である。
【0073】
電界発生捕集補助部材34a,34bが設けられている以外は、上述した第1の実施形態のものと同一であので、上述した第1の実施形態と同一の構成については説明を適宜上、省略する。
【0074】
図3(a)は、本実施形態の、定着ユニット15とその上部周辺の縦断面図である。また、図3(b)は、本実施形態の、定着ユニット15の上部の横断面図である。なお、図3(b)では、定着ユニット15等の記載を省略し、排気に関わる部材のみ記載している。
【0075】
排気ダクト21の内壁に沿って形成されている電界発生捕集部材31を主たる電界発生捕集部材(第1の電界発生主部材)として、上記電界発生捕集補助部材(第2の電界発生捕集部材)34a,34bは、排気ダクト21の内部の気流が集約される導管部21b、21cの入口部分に、主たる気流の流れ方向が、自身の電界形成面の法線方向となるように、傾きを持って配設されている。
【0076】
ここで、電界発生捕集補助部材34a,34bは、その周囲における電界発生捕集部材31(或いは排気ダクト21の内壁)との間に距離を隔てて配設されており、主たる気体の流れを、自身に当接させて一旦は遮るものの、その後、背面へ抜ける気流の流れを妨げないようになっている。
【0077】
そして、電界発生捕集補助部材34a,34bには、上記した接続部32を通じて、マイナス高電圧電源35a或いはプラス高電圧電源35bの何れ一方より、電界発生捕集部材31に印加されるのと同じ高電圧が供給される。
【0078】
このような構成によれば、電界発生捕集補助部材34a,34bと電界発生捕集部材31との間に確保された十分な隙間により、排気を滞ることなく行いながら、揮発性化学物質がダイレクトに排気ファン22に流れ込むことを阻止して、電界発生捕集補助部材34a,34bにて効果的に捕集することができる。
【0079】
しかも、この場合、電界発生捕集補助部材34a,34bに遮られた気流は、電界発生捕集補助部材34a,34bを回り込むときに、電界の強い電界発生捕集補助部材34の近傍を通過するため、その際に、より効果的に電界発生捕集部材31にて捕集することが可能となる。
【0080】
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態について、図4に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態のカラー複合機と、上述した第1の実施形態のカラー複合機100との違いは、排気ダクト21内に、VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bが設けられている点である。
【0081】
このようなVOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bが設けられている以外は、上述した第1の実施形態のものと同一であので、上述した第1の実施形態と同一の構成については説明を適宜上、省略する。
【0082】
図4(a)は、本実施形態の、定着ユニット15とその上部周辺の縦断面図である。また、図4(b)は、本実施形態の、定着ユニット15の上部の横断面図である。なお、図4(b)では、定着ユニット15等の記載を省略し、排気に関わる部材のみ記載している。
【0083】
VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bは、排気ダクト21の内部であって、排気ダクト21の内部の気流が集約される導管部21b、21cの入口部分に、その周囲における電界発生捕集部材31(或いは排気ダクト21の内壁)との間に隙間を形成することなく配設されている。
【0084】
これにより、導管部21b、21c内へと流れ込む気流は全て、VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bを通過するように、排気ダクト21における本体部21aの内壁に沿うように形成されている電界発生捕集部材31にて捕集しきれなかった揮発性成分ガスを、VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bにて、吸着することができる。
【0085】
なお、図4(a)図5(b)の構成では、VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bを排気ファン22a,22bに対し、気流の上流に設置したが、排気ファン22a,22bの下流に設置することもできる。
【0086】
〔第4の実施形態〕
本発明の第4の実施形態について、図5に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態のカラー複合機と、上述した第1の実施形態のカラー複合機100との違いは、排気ダクト21内に、第2の実施形態で説明した、電界発生捕集補助部材34a,34bが設けられると共に、第3の実施形態で説明した、VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bが設けられている点である。
【0087】
電界発生捕集補助部材34a,34bと、VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bとが設けられている以外は、上述した第1の実施形態のものと同一であり、また、電界発生捕集補助部材34a,34b及びVOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bの構成は、上述した第2、第3の実施形態と同一である。したがって、上述した第1〜第3の実施形態と同一の構成については、説明を適宜上、省略する。
【0088】
図5(a)は、本実施形態の、定着ユニット15とその上部周辺の縦断面図である。また、図5(b)は、本実施形態の、定着ユニット15の上部の横断面図である。なお、図5(b)では、定着ユニット15等の記載を省略し、排気に関わる部材のみ記載している。
【0089】
VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bは、排気ダクト21の内部であって、排気ダクト21の内部の気流が集約される導管部21b、21cの入口部分に、その周囲における電界発生捕集部材31(或いは排気ダクト21の内壁)との間に距離を隔てることなく配設され、これよりも気流の上流側に、電界発生捕集補助部材34a,34bが配置されている。
【0090】
VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bと電界発生捕集補助部材34a,34bとの間は、電界発生捕集補助部材34a,34bにてVOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bを通過する気流が妨げられないように、適度は間隔を有している。
【0091】
なお、図5(a)図5(b)の構成では、VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bを排気ファン22a,22bに対し、気流の上流に設置したが、排気ファン22a,22bの下流に設置することもできる。
【0092】
また、電界発生捕集補助部材34a,34bに対し、気流の上流に、VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bを設ける構成も可能であるが、VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ23a,23bは、電界発生捕集補助部材34a,34bのように、布などの繊維によりクリーニングすることができないので、電界発生捕集補助部材34a,34bの下流に設ける構成が好ましい。
【実施例】
【0093】
1)上記した第1の実施形態の構成を有する実施例1のカラー複合機を作成した。電界発生捕集部材31としては、厚さ5mmのSUS304板を使用し、排気ダクト21の内壁全面に形成した。実験には、上記マイナス高電圧電源35aの機能を有する電圧印加手段として、Trek社製MODEL610Cを用いた。そして、排気ファン22a,22bの稼動時(印字中、及び印字前後のウォームアップ及びクールダウン時)に、電界発生捕集部材31に−10kVを印加して、電界発生捕集部材31の表面にマイナス電位を形成する構成とした。
【0094】
2)上記した第2の実施形態の構成を有する実施例2のカラー複合機を作成した。電界発生捕集部材31としては、厚さ5mmのSUS304板を使用し、排気ダクト21の内壁全面に形成した。また、電界発生捕集補助部材34a,34bとしては、同じく厚さ5mmで、50mm×20mmのSUS304板を使用した。実験には、上記マイナス高電圧電源35aの機能を有する電圧印加手段として、Trek社製MODEL610Cを用いた。そして、排気ファン22a,22bの稼動時(印字中、及び印字前後のウォームアップ及びクールダウン時)に、電界発生捕集部材31、及び電界発生捕集補助部材34a,34bに、−10kVを印加して、電界発生捕集部材31の表面、電界発生捕集補助部材34a,34bの表面に、マイナス電位を形成する構成とした。
【0095】
3)上記した第3の実施形態の構成を有する実施例3のカラー複合機を作成した。電界発生捕集部材31としては、厚さ5mmのSUS304板を使用し、排気ダクト21の内壁全面に形成した。排気ファン22a,22bの上流に、VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタとして、東洋紡績株式会社製DPB−600を配置した。実験には、上記マイナス高電圧電源35aの機能を有する電圧印加手段として、Trek社製MODEL610Cを用いた。そして、排気ファン22a,22bの稼動時(印字中、及び印字前後のウォームアップ及びクールダウン時)に、電界発生捕集部材31に−10kVを印加して、電界発生捕集部材31の表面にマイナス電位を形成する構成とした。
【0096】
4)上記した第4の実施形態の構成を有する実施例4のカラー複合機を作成した。電界発生捕集部材31としては、厚さ5mmのSUS304板を使用し、排気ダクト21の内壁全面に形成し、電界発生捕集補助部材34a,34bとしては、同じく厚さ5mmで、50mm×20mmのSUS304板を使用した。排気ファン22a,22bの上流に、VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタとして、東洋紡績株式会社製DPB−600を配置した。実験には、上記マイナス高電圧電源35aの機能を有する電圧印加手段として、Trek社製MODEL610Cを用いた。そして、排気ファン22a,22bの稼動時(印字中、及び印字前後のウォームアップ及びクールダウン時)に、電界発生捕集部材31、及び電界発生捕集補助部材34a,34bに、それぞれ−10kVを印加して、電界発生捕集部材31の表面、電界発生捕集補助部材34a,34bの表面に、マイナス電位を形成する構成とした。
【0097】
このように構成した実施例1〜4のカラー複合機を、約9mの密室チャンバに設置し、両面モノクロ印字を連続して15分行ったときのチャンバ室内のTVOC(Total Volatile Organic Compounds)上昇値の測定結果を、図6に示す。
【0098】
実験方法をより具体的に説明すると、純水にてチャンバ内壁をクリーニング後、十分に換気し、各複合機の電源をONした状態で23℃50%の温調にて1時間以上放置した状態をスタンバイ状態としてTVOC_sを測定し、15分間の両面モノクロ印字を連続して行った状態をプリント状態としてTVOC_pを測定し、TVOC_p−TVOC_sをTVOC上昇値として評価項目とした。TVOC測定装置はJMS社製JHV−1000を用いた。
【0099】
定着ユニット15から排気ファン22までの間に何も対策を施さない場合のTVOC測定データをリファレンスとすると、リファレンスのTVOC上昇値は平均23.3μg/m3となるのに対し、実施の形態1〜4の対策を施した実施例1〜4のTVOC上昇値は平均19.3μg/m3となり、TVOC削減効果が得られることを確認した(各5回の測定値の平均)。また、実施の形態1〜4の個別対策による効果の差も確認できた。
【0100】
また、電界発生捕集部材31及び電界発生捕集補助部材34a,34bの表面に多量の揮発性化学物質が付着して性能劣化をもたらした場合は、布などにアルコールを含有させた繊維で軽く押し付けながら、電界発生捕集部材31及び電界発生捕集補助部材34a,34bの表面をふき取り、その後水を含ませた繊維で軽く同じ場所をふき取ることでクリーニングでき、削減効果が復活することも確認した。
【0101】
前述のアルコール拭きは、電界発生捕集部材31及び電界発生捕集補助部材34a,34bの表面に付着した揮発性化学物質を除去するためであり、後述の水拭きは前述のアルコール拭きにより残留したアルコール成分を除去することで、残留アルコール成分が揮発してVOCの2次発生を防止するためである。
【0102】
なお、上記第1〜第4の実施形態において、本発明による画像形成装置をカラー複合機やカラーレーザープリンタなど、電子写真方式を用いた画像形成装置について説明してきたが、本発明は画像形成装置に限定されるものではなく、モノクロレーザープリンタ等モノクロ画像形成装置にも適用できることは言うまでもなく、電子写真プロセスだけでなく、パソコンなどVOCや臭気を発生する全ての電子機器に対して有効であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、図1(a)は、定着ユニットとその上部周辺の縦断面図であり、図1(b)は、定着ユニットの上部の横断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示すものであり、カラー複合機の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明のその他の実施形態を示すものであり、図3(a)は、定着ユニットとその上部周辺の縦断面図であり、図3(b)は、定着ユニットの上部の横断面図である。
【図4】本発明のその他の実施形態を示すものであり、図4(a)は、定着ユニットとその上部周辺の縦断面図であり、図4(b)は、定着ユニットの上部の横断面図である。
【図5】本発明のその他の実施形態を示すものであり、図5(a)は、定着ユニットとその上部周辺の縦断面図であり、図5(b)は、定着ユニットの上部の横断面図である。
【図6】本発明の実施例におけるTVOC上昇値の実験結果を示す説明図である。
【符号の説明】
【0104】
15 定着ユニット15
21 排気ダクト
22a,22b 排気ファン
25 筐体
30 揮発性化学物質捕集装置(揮発性化学物質捕集手段)
31 電界発生捕集部材(第1の電界発生捕集部材)
32 接続部
34a,34b 電界発生捕集補助部材(第2の電界発生捕集部材)
35a、35b 電源装置
36a,46b VOCガス処理用活性炭ハニカムフィルタ
100 カラー複合機(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部にて揮発性化学物質が発生する電子機器であって、
上記筐体の内部に、雰囲気中に電界を発生させ、該電界の作用にて雰囲気中に含まれる上記揮発性化学物質を引き寄せて捕集する揮発性化学物質捕集手段が設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記揮発性化学物質捕集手段は、電圧が印加されることで表面より電界を発生し、該電界の作用にて雰囲気中に含まれる上記揮発性化学物質を表面に引き寄せて捕集する電界発生捕集部材を備え、
該電界発生捕集部材は、上記筐体の内部に設けられた上記揮発性化学物質を含む上記筐体の内部の気体を上記筐体の外部へ導く排気ダクトの内部に配されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
上記電界発生捕集部材は、上記排気ダクトの内壁に沿って配されていることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
上記排気ダクトの内壁に沿って配されている電界発生捕集部材を第1の電界発生捕集部材とすると、上記揮発性化学物質捕集手段は、上記排気ダクトの内壁に沿って配された第1の電界発生捕集部材との間に距離を隔てて、上記排気ダクトを流れる主たる気流と正面から当たるように配された第2の電界発生捕集部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
上記筐体の内部の気体を上記筐体の外部へ排気する排気ファンが設けられており、
上記電界発生捕集部材は、上記排気ファンにおける気流の流れ方向上流に配されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
マイナスの電圧を発生する電源装置を備え、
上記電界発生捕集部材は、上記電源装置によってマイナスの電圧が印加されることによりマイナス電位を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
プラスの電圧を発生する電源装置をさらに備え、
上記電界発生捕集部材は、上記何れか一方の電源装置と選択的に接続されてマイナス或いはプラスの電圧が印加されることによりマイナス電位或いはプラス電位を有することを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
上記排気ダクトの内部に、上記揮発性化学物質を捕集する捕集フィルタがさらに設けられていることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに1項に記載の電子機器。
【請求項9】
雰囲気中に電界を発生させ、該電界の作用にて雰囲気中に含まれる揮発性化学物質を表面に引き寄せて捕集する電界発生捕集部材と、
高電圧を発生する電源装置から上記電界発生捕集部材に電圧を供給する接続部とを備えることを特徴と揮発性化学物質捕集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−282455(P2009−282455A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136920(P2008−136920)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】