搬送ベルトを有する搬送装置
【課題】【解決手段】
搬送ベルト(1)を有し、搬送ベルトの下面には、複数のばね要素(4)が設けられている搬送装置が開示されている。1つまたは複数の牽引ロープ又は搬送ロープ(8)を、ばね要素によって弾性的に把持することができる。搬送区間を、複数のセクションに区分することができる。これらのセクションの各々は、搬送ベルトを駆動するための複数の固有のロープ(8)を有する。複数のセクションの間では、これらのばね要素は、広げによって、或るセクションのロープ(8)から解除され、次のセクションのロープの回りに据えられる。かくして、搬送ベルト(1)を、多種多様なセクションに亘っておよび多種多様な技術によって搬送することができる。搬送ベルト(1)の側縁には、側方に突出する複数の側壁(31)が設けられている。これらの側壁は、搬送ベルトに対し非直角の角度にある。それ故に、搬送ベルトの転向の際に、これらの側壁(31)は必要な動きを妨げない。
搬送ベルト(1)を有し、搬送ベルトの下面には、複数のばね要素(4)が設けられている搬送装置が開示されている。1つまたは複数の牽引ロープ又は搬送ロープ(8)を、ばね要素によって弾性的に把持することができる。搬送区間を、複数のセクションに区分することができる。これらのセクションの各々は、搬送ベルトを駆動するための複数の固有のロープ(8)を有する。複数のセクションの間では、これらのばね要素は、広げによって、或るセクションのロープ(8)から解除され、次のセクションのロープの回りに据えられる。かくして、搬送ベルト(1)を、多種多様なセクションに亘っておよび多種多様な技術によって搬送することができる。搬送ベルト(1)の側縁には、側方に突出する複数の側壁(31)が設けられている。これらの側壁は、搬送ベルトに対し非直角の角度にある。それ故に、搬送ベルトの転向の際に、これらの側壁(31)は必要な動きを妨げない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年5月10日に提出されたスイス特許出願第0815/04号の優先権を主張する。本明細書では、このスイス特許出願のすべての開示内容を、引用によって取り入れる。
【0002】
本発明は、特に、複数の独立請求項の前提部分に記載の搬送ベルトを有し、荷物を運搬するための搬送装置に関する。この場合、「荷物」という概念は、広い意味に解釈されねばならず、特に、ばら荷、ばら売りの商品または人員を含む。
【背景技術】
【0003】
このタイプの搬送装置は、例えば、EP 1 338 531、FR 2 560 168、DE 28 13 063、RO 101 572またはDE 1 247 202から公知である。これらの搬送装置は、例えば、搬送ベルトに形成された長手方向溝の形態の、ロープと結合されている結合手段を有する。DE 28 13 063では、ロープは、駆動モータに接続されている牽引要素として構成されている。
【0004】
更に、搬送ベルトがローラ上で索道のキャリアロープによって牽引されてなる複数の装置も知られている。これらの装置は、広々とした土地にある索道の利点を利用することが可能となる。しかし、多数の統合された走行ローラを有する搬送ベルトのための大きな出費、ならびに電力、メンテナンス等への需要が欠点である。
【0005】
特にばら荷の場合には、搬送ベルトに側壁を備えることが利点である。この目的のために、EP 1 338 531では、搬送ベルトの両側に、複数の垂直方向の壁が設けられている。しかし、搬送ベルトを転向ローラの回りに案内することができるように、これらの壁は、ふいごのように折り畳まれている。それ故に、壁を伸ばしまたは圧縮することができる。しかしながら、このような壁の製造は費用がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、種々様々な地形で用いられる、用途が広いが安価な搬送システムを製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、複数の独立請求項に記載の装置によって果たされる。
【0008】
本発明の第1の観点では、搬送ベルトは、ロープ状の各々の牽引要素を弾性的に把持する少なくとも1つのばね要素に結合されている。このことは高い牽引力の伝達を可能にする。搬送ベルトは、単なるキャリア要素として用いられることができるのであって、牽引要素として構成されていなくてもよい。従って、同じ搬送ベルトが、例えば、大きな高低差を解消するためにおよびまた平らな土地でも用いられる。土地の種々のセクションの間でのシステムの交換は省略することができる。
【0009】
この場合、「ロープ状の」牽引要素は、ロープのように細長くてかつ可撓性があり、それ故に、例えば、複数の支持ローラを介して案内されかつ転向されることができる牽引要素を意味する。この牽引要素は、例えば、鋼線、鎖または形材ベルトであってもよい。
【0010】
複数の搬送セクションが、別個のおよび場合によっては異なってさえいる牽引要素を有するとしても、特に、同じ搬送ベルトは、中断なしに、種々の搬送セクションに亘って案内されることが可能である。この目的のために、これらの搬送セクションの間には、複数のばね要素を或るセクションの牽引要素から解除し、次のセクションの牽引要素に結合させることができる手段が設けられていることは好ましい。
【0011】
本発明の第2の観点では、搬送装置は複数の囲い要素を有し、これらの囲い要素は搬送ベルトに設けられており、搬送ベルトのための複数の側壁を形成する。これらの側壁は可撓性があり、搬送ベルトに対し非直角の角度にある。この簡単な構造は、側壁に損傷を与えることなく、搬送ベルトを複数の転向ローラの回りで案内することを可能にする。搬送ベルトと側壁との間の角度は、側壁の過度の圧縮又は延伸がなされないように、その時々に適合される。
【0012】
このような囲い要素を、例えば、実質的に一定な横断面を有する真っ直ぐな長手方向形材として構成することができる。
【0013】
本発明に係わる搬送装置を、例えば、ばら荷またはばら売りの商品を運搬するために、しかしまた人員の運搬のために用いることができる。
【0014】
本発明の他の実施の形態、複数の利点および用途は、従属請求項からおよび複数の図面を用いての以下の記述から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1および2には、装置の第1の実施の形態が示されている。この装置は上面2および下面3を有する搬送ベルト1を具備し、上面2は荷物または人員を保持するために設けられている。搬送ベルト1は、その側縁に沿って、夫々、ばね要素および結合手段に結合されている。各々のばね要素4は、以下ホルダ5ともいう上部と、2つのフィンガ6a,6bを有するグリッパ6を形成する下部とからなる。
【0016】
図示した実施の形態では、搬送ベルト1およびばね要素4の構成部分は、丈夫な可撓性のあるプラスチック、例えば硬質ゴムの形材から一体的に形成されている。
【0017】
各々のばね要素4のホルダ5には、比較的横方向に剛性の形材部分7が設けられている。この形材部分は、両側で、ホルダ5のアーム5a,5bによって把持される。
【0018】
グリッパ6のフィンガ6a,6bは、ばねのような弾性力で、しかも、180°よりも大きい角度(図示した実施の形態では約270°)の円周に亘ってロープ8を把持する。それ故に、搬送ロープ8を、フィンガ6a,6bを広げることによってのみ、グリッパ6から取り出し、グリッパ6に挿入することができる。ロープ8が把持される限りでは、グリッパ6の内形は、実質的に、ロープ8の把持された外形に対応する。それ故に、良好な摩擦係合が保証されている。ロープ8の外面が、横方向または斜め方向に延びる形成物または窪みを有するとき、グリッパ6の内面も対応の形成物を有することが可能である。それ故に、グリッパは形成物または窪みと形状結合を形成し、形成物または窪みがない場合より更に大きな力を伝達することができる。
【0019】
本発明のこの第1の実施の形態では、横方向に剛性の形材部分7がホルダ5のアーム5a,5bを押し離す。このことは、アーム5aおよび5bと、各々のフィンガ6aおよび6bとの間の結合の所定の剛性の故に、フィンガ6a,6bがロープ8の外側の方へ圧縮されることをもたらす。このことは、ばね要素4とロープ8の間の力結合を著しく改善する。
【0020】
横方向に剛性の形材部分7によってアーム5a,5bへ加えられる拡張力を、圧縮力として、より良くフィンガ6a,6bに伝達するために、図3に示すように、ばね要素4も、比較的柔軟な芯10を有することができる。芯は、この芯より硬い材料の外被11によって被覆される。
【0021】
ロープ8は牽引ロープとして作用する。すなわち、搬送ベルト1を搬送するための牽引力が、1つまたは複数のモータによって、まずロープ8に伝達されることが可能である。ロープ8は、牽引力を、ばね要素4を介して、搬送ベルト1に伝達する。
【0022】
搬送ベルト1が索道に用いられるとき、ロープ8は、同時に、キャリアロープとしても従ってまた搬送ロープとしても作用する。すなわち、ロープは、索道の複数の支柱の間で、牽引力の他に、搬送ベルト1と、この搬送ベルトに載っている荷物との重力をも吸収する。しかしながら、牽引ロープとして作用するロープ8の他に、別個のキャリアロープが設けられていることも考えられる。後ほど、このことを、図18を参照して説明する。
【0023】
本発明の他の一群の実施の形態が、図4ないし12に示されている。夫々には、搬送ベルト1の1つのみの縁部領域および複数のばね要素4のうちの1が示されている。
【0024】
これらの実施の形態では、ばね要素4は搬送ベルト1の下面3にしっかりとまたは取外し可能に設けられており、搬送ベルトの重力を吸収する。但し、搬送ベルト1が、後述のように、他の方法で支持されない場合に限る。ばね要素4は、第1の実施の形態のように、長い成形形材としてデザインされている。この成形形材は、少なくとも、搬送ベルトの長さの一部分に亘って、搬送ベルト1の長手方向に対し平行に延びている。ばね要素4の長さは、ロープ8の直径よりも一層大きい。ロープ8と、ばね要素4との間の、面の大きな結合、および、力の、長さまたは面に対応して良好な伝達が保証されている。しかし、互いに間隔をあけて搬送ベルト1に沿って分配されている、ばね要素の複数の比較的短いセクションを用いることも考えられる。
【0025】
明らかなように、ばね要素4は、その下面に、同様に、フィンガ6a,6bを有するグリッパ6を具備する。これらのフィンガによって、ロープ8を弾性的に把持することができる。ホルダ5は、同様に、フィンガ6a,6bをロープ8の方へ押圧するために用いられる。フィンガ6a,6bをロープ8から外すことが意図されるとき、ホルダ5を弾性的に変形させねばならない。
【0026】
ホルダ5は側方領域13aと13bとの間に中央領域12を有する。更に、これらの側方領域の間には、第1のブリッジ14および第2のブリッジ15が延びている。それ故に、中央領域12は、側方領域13aと13bとの間で、第1のブリッジ14の下方におよび第2のブリッジ15の上方に位置している。搬送ベルト1の重量は、接続プレート16を介して、ブリッジの中央に掛かっている。
【0027】
中央領域12は、側方領域13a,13bよりも低い剛性を有する。この目的のために、中央領域は、図4ないし6に示す実施の形態では、側方領域13a,13bよりも柔軟な他の材料からなり、実施の形態7ないし12では中空に形成されている。
【0028】
この実施の形態はグリッパ6の容易な開きを可能にする。このことは、図5,6,8,9、ならびに11および12夫々に示されている。これらの図は、広げ手段を示す。広げ手段は、ばね要素4のフィンガ6a,6bを広げるために用いられ、それ故に、ばね要素をロープ8から解除し、あるいはロープ9に取着することができる。このような広げ手段は、例えば、コンベヤセクションの終りに、設けられていてもよい。そこで、搬送ベルト1をロープから解除し、例えば、次のコンベヤセクションのロープに結合しなければならない。
【0029】
広げ手段は、この広げ手段がホルダ5を変形して、フィンガ6a,6bが広げられるように、構成されている。この目的のために、図示の実施の形態では、搬送ベルト1は、まず、複数のリフトローラによって案内される。これらのリフトローラは、例えば、搬送ベルトがリフトローラ20に沿って直線的に走行し、ロープが下方へ転向させられることによって、搬送ベルトを、ロープ8に対し上昇させる。このことによって、ブリッジ14は上方へ曲げられ、側方領域13a,13bを中央へ引き寄せる。従って、第2のブリッジ15は、同様に僅かに曲げられ、ジョイントとして作用する。このジョイントを中心として、側方領域13aはフィンガ6aと共に、側方領域13bはフィンガ6bと共に傾動する。それ故に、フィンガ6a,6bは押し広げられる。このことによって、フィンガ6a,6bの、ロープ8からの最初の解除、あるいは押圧力の少なくとも1つの最初の減少が生じる。
【0030】
次のステップでは、ホルダは2つの押圧ローラ21によって水平方向に圧縮される。このことによって、中央領域12は更に変形され、既に上方へ予め曲げられた第1のブリッジ14が、更に上方へ曲げられる。第2のブリッジ15が第1のブリッジより太くかつ硬いので、このブリッジは、押圧ローラ21によって圧縮されず、幾らか曲げられるだけである。このことによって、フィンガ6a,6bは、ロープ8がグリッパ6から除去されることができるほどに、広げられる。
【0031】
新たなロープ8をグリッパ6へ挿入するために、図5および6に示すステップを、逆の順序で行なう。
【0032】
図10ないし12に示す実施の形態は、図7ないし9に示す実施の形態とは、第1のブリッジ14が、リフトローラ20の作用なしに、中央領域12へ前もって曲げられていて、トグルジョイントロックを形成する点で、異なっている。トグルジョイントロックは、搬送ベルト1のおよびこの搬送ベルトに載っている荷物の正確な重量に著しく無関係である締付力を発生させる。この実施の形態では、側方領域13a,13bの水平方向の圧縮は、第1のブリッジ14が中央領域12へ更に押し込まれ、第2のブリッジの方へ押しやられ、それ故に、フィンガ6a,6bが図12に図示のように開かれないだろうことをもたらすだろう。搬送ベルト1がまず複数のリフトローラ20によってロープ8に対し上昇され、あるいは、ロープ8が下げられるときにはじめて、第1のブリッジ14が外側へ曲がり、押圧ローラ21による後続の水平方向の圧縮は、グリッパ6が図12に図示のように開くことをもたらす。
【0033】
図4ないし12に示すすべての実施の形態で、フィンガ6a,6bが、搬送ベルト1の重力によって、全体的にまたは部分的に圧縮されるのは、搬送ベルト1が第1のブリッジを押圧し、ブリッジを、上方へ逸れることを妨げることによってである。搬送ベルトの重量がホルダ5に掛かっており、ホルダ5の垂直方向の圧縮がフィンガ3a,3bの圧縮をもたらすので、かようにして、ロープ8の追加のロックを達成することができる。
【0034】
本発明の他の観点は、搬送ベルトの側壁に関する。このような側壁の実施の形態は、図13に開示されている。
【0035】
見て取れるように、搬送ベルト1の縁部には、囲い要素30が取着されている。この実施の形態では、囲い要素は、プラスチックの2つの形材要素である。各々の囲い要素30はベース31および側壁32を有する。ベース31は、例えば、搬送ベルト1の各々の縁部を保持するスロット33を有する。側壁32は外側へ突出する。側壁と搬送ベルトとの間の角度αは、囲い要素の弛緩した状態では、直角ではなく、例えば105°である。搬送される荷物に従って、大きいまたは小さい角度αも選択することができる。いずれにせよ、αは、90°に余りに近くないほうがよいので、ベルトの長手方向軸に対し直角方向におよび上面2に対し平行に位置している曲げ軸を中心としたベルトの撓みまたは転向の際には、図14に例示するように、側壁が、所定の方法で、外側へ(あるいは、αが<90°に対しては、場合よっては内側へ)傾く。
【0036】
囲い要素30は、搬送ベルト1に固設されているか取外し可能に設けられていることが可能である。固設の場合には、囲い要素30は、搬送ベルト1と一体的に構成されていてもよい。
【0037】
既述のように、搬送ベルト1は、索道の1本の搬送ロープまたは複数本の搬送ロープ上に設けられていてもよい。この場合、支持部材または支柱の高さは重要ではない。傾斜も容易に解消することができる。搬送ロープの寸法を、その時々の牽引力に適合させるだけでよい。この場合、搬送ロープは、知られた方法で、支持部材に固定されている複数の支持ローラを介して案内される。図15および16は2本の搬送ロープ8上の搬送ベルトの断面図を示す。
【0038】
他方では、搬送ベルト1は、底部の近くでも、あるいは、支持構造体36上に、コンベヤベルトとして案内されてもよい。後者は図17に示されている。ここでは、ロープ8は搬送ロープとしてではなく、牽引ロープとしてのみ作用する。すなわち、このようなロープは実際の担持機能を有さず、僅かな担持機能のみを有する。むしろ、重量は、まず、固定式の支持構造体によって吸収される。
【0039】
図15は2つのばね要素4を有する実施の形態を示す。各々のばね要素は、支持ローラ35を介して案内される搬送ロープ8を囲む。
【0040】
図16は他の実施の形態を示す。この実施の形態は、図15に示す実施の形態とは、ここでは、複数の異なったばね要素4が搬送ベルト1に並設されている点で異なっている。これらのばね要素は、異なった大きさまたは異なった横断面を夫々有するロープを保持するために用いられる。図16に示した実施の形態では、外側の、小さい方のばね要素4が比較的細いロープ8を保持する。このロープは、多くの支持ローラ35を有する比較的平坦な区間では牽引ロープとして、あるいは索道の短いセクションでは搬送ロープとして用いられる。内側の、大きい方のばね要素4が、水平方向のまたは僅かな勾配の搬送セクションより急勾配の搬送セクションで、用いられる。そこでは、搬送区間は索道として形成されており、および/またはロープはより大きな引張り力を吸収しなければならない。
【0041】
最後に、図17では、ロープ8が、実質的に、実際の担持作用を有しない牽引ロープとして用いられてなる実施の形態が示される。この実施の形態では、支持構造体36の複数の支持ローラ35は、搬送ベルト1の下面2と直接に接触していて、搬送ベルトを支持する。
【0042】
搬送ベルト1を他の方法で支持することも考えられる。かくて、支持構造体は、例えば、搬送ベルトを摺動面において支持するために、構成されていてもよい。搬送ベルトと支持構造体との間の摩擦作用を減じるために、滑り剤、特に、ガス状のまたは液状の滑り剤、例えば、空気またはグリースがある。
【0043】
図17に示す実施の形態では、支持構造体36が底部に載っていることは好ましい。しかしながら、図18に示されているように、支持構造体を、索道の1つのまたは複数のキャリアロープ38に取着することも考えられる。
【0044】
明細書の初めの部分に記載のように、ロープ8は、好ましくはワイヤロープの形態で、牽引ロープまたは搬送ロープであってもよい。しかし、用途および予期される力に従って、プラスチックロープ、長い、可撓性のある形材要素、または一連の多かれ少なかれ硬いリンクが用いられてもよい。
【0045】
搬送ベルト1は、エンドレスベルトとして形成されているか、搬送ベルトの個々のセクションから構成されていてもよい。第2の場合では、搬送ベルトの複数のセクションが、互いに直接的に結合されているか、互いに別々であってもよい。搬送ベルトのセクションは、プレート状の平坦な要素としてデザインされていてもよい。これらの要素は、例えば人員用ころコンベヤにおいて用いられ、あるいは、例えばエスカレータの段の形態を有する。搬送ベルトの複数のセクションがプラスチックまたは金属、例えばアルミニウムからなることは好ましい。
【0046】
搬送ベルトを戻すために、搬送ベルトを例えば180°転回することができる。戻りの最中に、搬送ベルトは、実際の上面1が下方にあるように、方向づけされていてもよい。この場合では、ばね要素4は応力を受ける。(しかし、このことは、必ずしも問題になるわけではない。何故ならば、搬送ベルトが、戻りの最中に、通常荷物を運搬する必要がないからである。それ故に、搬送ベルトの重量が僅かである)。あるいは、戻りの最中にその都度1つまたは複数のロープをベルトの下方で把持する追加のばね要素4が上面2に設けられていてもよい。あるいは、搬送ベルト1は、追加の支持ローラによって支持されねばならない。
【0047】
しかし、戻りの最中でもばね要素4が下方に位置しているように、搬送ベルト1を転回することは好ましい。このことは、例えば、EP 1 338 531に記載の方法でなされることが可能である。搬送ベルトのための他の転回技術は、同様に、当業者に知られている。
【0048】
図15ないし17では、搬送ベルト1を牽引および/または支持するために、その時々に2本のロープ8が使用された。しかし、実施の形態に応じて、只1本のロープ8を用いることができ、あるいは、2本以上のロープまたは他の牽引要素を用いることができる。
【0049】
本願では、本発明の好ましい実施の形態が記載されているのであるが、本発明が実施の形態に限定されず、他の方法でも、上記請求項の範囲内で実施されることができることを明らかに指摘する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施の形態の図を示す。
【図2】図1に示す実施の形態の断面図を示す。
【図3】搬送ベルトの縁部領域および第1の実施の形態の変更の実施の形態の結合手段の断面図を示す。
【図4】搬送ベルトの縁部領域および本発明の第2の実施の形態の結合手段の断面図を示す。
【図5】広げ手段のリフトローラの領域における、図4に示す断面図を示す。
【図6】広げ手段の押圧ローラの領域における、図4に示す断面図を示す。
【図7】搬送ベルトの縁部領域および本発明の第3の実施の形態の結合手段の断面図を示す。
【図8】広げ手段のリフトローラの領域における、図7に示す断面図を示す。
【図9】広げ手段の押圧ローラの領域における、図7に示す断面図を示す。
【図10】搬送ベルトの縁部領域および本発明の第4の実施の形態の結合手段の断面図を示す。
【図11】広げ手段のリフトローラの領域における、図10に示す断面図を示す。
【図12】広げ手段の押圧ローラの領域における、図10に示す断面図を示す。
【図13】搬送ベルトの縁部領域および側壁の断面図を示す。
【図14】搬送ベルトが曲がった状態にある、図13に示す断面図を示す。
【図15】2つの支持ローラに載った搬送ベルトの断面図を示す。
【図16】2つの支持ローラに載った搬送ベルトの他の実施の形態の断面図を示す。
【図17】2つの支持ローラに載った搬送装置の他の実施の形態の断面図を示す。
【図18】索道のキャリアロープに設けられている支持構造体を有する搬送装置の更に他の実施の形態の断面図を示す。
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年5月10日に提出されたスイス特許出願第0815/04号の優先権を主張する。本明細書では、このスイス特許出願のすべての開示内容を、引用によって取り入れる。
【0002】
本発明は、特に、複数の独立請求項の前提部分に記載の搬送ベルトを有し、荷物を運搬するための搬送装置に関する。この場合、「荷物」という概念は、広い意味に解釈されねばならず、特に、ばら荷、ばら売りの商品または人員を含む。
【背景技術】
【0003】
このタイプの搬送装置は、例えば、EP 1 338 531、FR 2 560 168、DE 28 13 063、RO 101 572またはDE 1 247 202から公知である。これらの搬送装置は、例えば、搬送ベルトに形成された長手方向溝の形態の、ロープと結合されている結合手段を有する。DE 28 13 063では、ロープは、駆動モータに接続されている牽引要素として構成されている。
【0004】
更に、搬送ベルトがローラ上で索道のキャリアロープによって牽引されてなる複数の装置も知られている。これらの装置は、広々とした土地にある索道の利点を利用することが可能となる。しかし、多数の統合された走行ローラを有する搬送ベルトのための大きな出費、ならびに電力、メンテナンス等への需要が欠点である。
【0005】
特にばら荷の場合には、搬送ベルトに側壁を備えることが利点である。この目的のために、EP 1 338 531では、搬送ベルトの両側に、複数の垂直方向の壁が設けられている。しかし、搬送ベルトを転向ローラの回りに案内することができるように、これらの壁は、ふいごのように折り畳まれている。それ故に、壁を伸ばしまたは圧縮することができる。しかしながら、このような壁の製造は費用がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、種々様々な地形で用いられる、用途が広いが安価な搬送システムを製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、複数の独立請求項に記載の装置によって果たされる。
【0008】
本発明の第1の観点では、搬送ベルトは、ロープ状の各々の牽引要素を弾性的に把持する少なくとも1つのばね要素に結合されている。このことは高い牽引力の伝達を可能にする。搬送ベルトは、単なるキャリア要素として用いられることができるのであって、牽引要素として構成されていなくてもよい。従って、同じ搬送ベルトが、例えば、大きな高低差を解消するためにおよびまた平らな土地でも用いられる。土地の種々のセクションの間でのシステムの交換は省略することができる。
【0009】
この場合、「ロープ状の」牽引要素は、ロープのように細長くてかつ可撓性があり、それ故に、例えば、複数の支持ローラを介して案内されかつ転向されることができる牽引要素を意味する。この牽引要素は、例えば、鋼線、鎖または形材ベルトであってもよい。
【0010】
複数の搬送セクションが、別個のおよび場合によっては異なってさえいる牽引要素を有するとしても、特に、同じ搬送ベルトは、中断なしに、種々の搬送セクションに亘って案内されることが可能である。この目的のために、これらの搬送セクションの間には、複数のばね要素を或るセクションの牽引要素から解除し、次のセクションの牽引要素に結合させることができる手段が設けられていることは好ましい。
【0011】
本発明の第2の観点では、搬送装置は複数の囲い要素を有し、これらの囲い要素は搬送ベルトに設けられており、搬送ベルトのための複数の側壁を形成する。これらの側壁は可撓性があり、搬送ベルトに対し非直角の角度にある。この簡単な構造は、側壁に損傷を与えることなく、搬送ベルトを複数の転向ローラの回りで案内することを可能にする。搬送ベルトと側壁との間の角度は、側壁の過度の圧縮又は延伸がなされないように、その時々に適合される。
【0012】
このような囲い要素を、例えば、実質的に一定な横断面を有する真っ直ぐな長手方向形材として構成することができる。
【0013】
本発明に係わる搬送装置を、例えば、ばら荷またはばら売りの商品を運搬するために、しかしまた人員の運搬のために用いることができる。
【0014】
本発明の他の実施の形態、複数の利点および用途は、従属請求項からおよび複数の図面を用いての以下の記述から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1および2には、装置の第1の実施の形態が示されている。この装置は上面2および下面3を有する搬送ベルト1を具備し、上面2は荷物または人員を保持するために設けられている。搬送ベルト1は、その側縁に沿って、夫々、ばね要素および結合手段に結合されている。各々のばね要素4は、以下ホルダ5ともいう上部と、2つのフィンガ6a,6bを有するグリッパ6を形成する下部とからなる。
【0016】
図示した実施の形態では、搬送ベルト1およびばね要素4の構成部分は、丈夫な可撓性のあるプラスチック、例えば硬質ゴムの形材から一体的に形成されている。
【0017】
各々のばね要素4のホルダ5には、比較的横方向に剛性の形材部分7が設けられている。この形材部分は、両側で、ホルダ5のアーム5a,5bによって把持される。
【0018】
グリッパ6のフィンガ6a,6bは、ばねのような弾性力で、しかも、180°よりも大きい角度(図示した実施の形態では約270°)の円周に亘ってロープ8を把持する。それ故に、搬送ロープ8を、フィンガ6a,6bを広げることによってのみ、グリッパ6から取り出し、グリッパ6に挿入することができる。ロープ8が把持される限りでは、グリッパ6の内形は、実質的に、ロープ8の把持された外形に対応する。それ故に、良好な摩擦係合が保証されている。ロープ8の外面が、横方向または斜め方向に延びる形成物または窪みを有するとき、グリッパ6の内面も対応の形成物を有することが可能である。それ故に、グリッパは形成物または窪みと形状結合を形成し、形成物または窪みがない場合より更に大きな力を伝達することができる。
【0019】
本発明のこの第1の実施の形態では、横方向に剛性の形材部分7がホルダ5のアーム5a,5bを押し離す。このことは、アーム5aおよび5bと、各々のフィンガ6aおよび6bとの間の結合の所定の剛性の故に、フィンガ6a,6bがロープ8の外側の方へ圧縮されることをもたらす。このことは、ばね要素4とロープ8の間の力結合を著しく改善する。
【0020】
横方向に剛性の形材部分7によってアーム5a,5bへ加えられる拡張力を、圧縮力として、より良くフィンガ6a,6bに伝達するために、図3に示すように、ばね要素4も、比較的柔軟な芯10を有することができる。芯は、この芯より硬い材料の外被11によって被覆される。
【0021】
ロープ8は牽引ロープとして作用する。すなわち、搬送ベルト1を搬送するための牽引力が、1つまたは複数のモータによって、まずロープ8に伝達されることが可能である。ロープ8は、牽引力を、ばね要素4を介して、搬送ベルト1に伝達する。
【0022】
搬送ベルト1が索道に用いられるとき、ロープ8は、同時に、キャリアロープとしても従ってまた搬送ロープとしても作用する。すなわち、ロープは、索道の複数の支柱の間で、牽引力の他に、搬送ベルト1と、この搬送ベルトに載っている荷物との重力をも吸収する。しかしながら、牽引ロープとして作用するロープ8の他に、別個のキャリアロープが設けられていることも考えられる。後ほど、このことを、図18を参照して説明する。
【0023】
本発明の他の一群の実施の形態が、図4ないし12に示されている。夫々には、搬送ベルト1の1つのみの縁部領域および複数のばね要素4のうちの1が示されている。
【0024】
これらの実施の形態では、ばね要素4は搬送ベルト1の下面3にしっかりとまたは取外し可能に設けられており、搬送ベルトの重力を吸収する。但し、搬送ベルト1が、後述のように、他の方法で支持されない場合に限る。ばね要素4は、第1の実施の形態のように、長い成形形材としてデザインされている。この成形形材は、少なくとも、搬送ベルトの長さの一部分に亘って、搬送ベルト1の長手方向に対し平行に延びている。ばね要素4の長さは、ロープ8の直径よりも一層大きい。ロープ8と、ばね要素4との間の、面の大きな結合、および、力の、長さまたは面に対応して良好な伝達が保証されている。しかし、互いに間隔をあけて搬送ベルト1に沿って分配されている、ばね要素の複数の比較的短いセクションを用いることも考えられる。
【0025】
明らかなように、ばね要素4は、その下面に、同様に、フィンガ6a,6bを有するグリッパ6を具備する。これらのフィンガによって、ロープ8を弾性的に把持することができる。ホルダ5は、同様に、フィンガ6a,6bをロープ8の方へ押圧するために用いられる。フィンガ6a,6bをロープ8から外すことが意図されるとき、ホルダ5を弾性的に変形させねばならない。
【0026】
ホルダ5は側方領域13aと13bとの間に中央領域12を有する。更に、これらの側方領域の間には、第1のブリッジ14および第2のブリッジ15が延びている。それ故に、中央領域12は、側方領域13aと13bとの間で、第1のブリッジ14の下方におよび第2のブリッジ15の上方に位置している。搬送ベルト1の重量は、接続プレート16を介して、ブリッジの中央に掛かっている。
【0027】
中央領域12は、側方領域13a,13bよりも低い剛性を有する。この目的のために、中央領域は、図4ないし6に示す実施の形態では、側方領域13a,13bよりも柔軟な他の材料からなり、実施の形態7ないし12では中空に形成されている。
【0028】
この実施の形態はグリッパ6の容易な開きを可能にする。このことは、図5,6,8,9、ならびに11および12夫々に示されている。これらの図は、広げ手段を示す。広げ手段は、ばね要素4のフィンガ6a,6bを広げるために用いられ、それ故に、ばね要素をロープ8から解除し、あるいはロープ9に取着することができる。このような広げ手段は、例えば、コンベヤセクションの終りに、設けられていてもよい。そこで、搬送ベルト1をロープから解除し、例えば、次のコンベヤセクションのロープに結合しなければならない。
【0029】
広げ手段は、この広げ手段がホルダ5を変形して、フィンガ6a,6bが広げられるように、構成されている。この目的のために、図示の実施の形態では、搬送ベルト1は、まず、複数のリフトローラによって案内される。これらのリフトローラは、例えば、搬送ベルトがリフトローラ20に沿って直線的に走行し、ロープが下方へ転向させられることによって、搬送ベルトを、ロープ8に対し上昇させる。このことによって、ブリッジ14は上方へ曲げられ、側方領域13a,13bを中央へ引き寄せる。従って、第2のブリッジ15は、同様に僅かに曲げられ、ジョイントとして作用する。このジョイントを中心として、側方領域13aはフィンガ6aと共に、側方領域13bはフィンガ6bと共に傾動する。それ故に、フィンガ6a,6bは押し広げられる。このことによって、フィンガ6a,6bの、ロープ8からの最初の解除、あるいは押圧力の少なくとも1つの最初の減少が生じる。
【0030】
次のステップでは、ホルダは2つの押圧ローラ21によって水平方向に圧縮される。このことによって、中央領域12は更に変形され、既に上方へ予め曲げられた第1のブリッジ14が、更に上方へ曲げられる。第2のブリッジ15が第1のブリッジより太くかつ硬いので、このブリッジは、押圧ローラ21によって圧縮されず、幾らか曲げられるだけである。このことによって、フィンガ6a,6bは、ロープ8がグリッパ6から除去されることができるほどに、広げられる。
【0031】
新たなロープ8をグリッパ6へ挿入するために、図5および6に示すステップを、逆の順序で行なう。
【0032】
図10ないし12に示す実施の形態は、図7ないし9に示す実施の形態とは、第1のブリッジ14が、リフトローラ20の作用なしに、中央領域12へ前もって曲げられていて、トグルジョイントロックを形成する点で、異なっている。トグルジョイントロックは、搬送ベルト1のおよびこの搬送ベルトに載っている荷物の正確な重量に著しく無関係である締付力を発生させる。この実施の形態では、側方領域13a,13bの水平方向の圧縮は、第1のブリッジ14が中央領域12へ更に押し込まれ、第2のブリッジの方へ押しやられ、それ故に、フィンガ6a,6bが図12に図示のように開かれないだろうことをもたらすだろう。搬送ベルト1がまず複数のリフトローラ20によってロープ8に対し上昇され、あるいは、ロープ8が下げられるときにはじめて、第1のブリッジ14が外側へ曲がり、押圧ローラ21による後続の水平方向の圧縮は、グリッパ6が図12に図示のように開くことをもたらす。
【0033】
図4ないし12に示すすべての実施の形態で、フィンガ6a,6bが、搬送ベルト1の重力によって、全体的にまたは部分的に圧縮されるのは、搬送ベルト1が第1のブリッジを押圧し、ブリッジを、上方へ逸れることを妨げることによってである。搬送ベルトの重量がホルダ5に掛かっており、ホルダ5の垂直方向の圧縮がフィンガ3a,3bの圧縮をもたらすので、かようにして、ロープ8の追加のロックを達成することができる。
【0034】
本発明の他の観点は、搬送ベルトの側壁に関する。このような側壁の実施の形態は、図13に開示されている。
【0035】
見て取れるように、搬送ベルト1の縁部には、囲い要素30が取着されている。この実施の形態では、囲い要素は、プラスチックの2つの形材要素である。各々の囲い要素30はベース31および側壁32を有する。ベース31は、例えば、搬送ベルト1の各々の縁部を保持するスロット33を有する。側壁32は外側へ突出する。側壁と搬送ベルトとの間の角度αは、囲い要素の弛緩した状態では、直角ではなく、例えば105°である。搬送される荷物に従って、大きいまたは小さい角度αも選択することができる。いずれにせよ、αは、90°に余りに近くないほうがよいので、ベルトの長手方向軸に対し直角方向におよび上面2に対し平行に位置している曲げ軸を中心としたベルトの撓みまたは転向の際には、図14に例示するように、側壁が、所定の方法で、外側へ(あるいは、αが<90°に対しては、場合よっては内側へ)傾く。
【0036】
囲い要素30は、搬送ベルト1に固設されているか取外し可能に設けられていることが可能である。固設の場合には、囲い要素30は、搬送ベルト1と一体的に構成されていてもよい。
【0037】
既述のように、搬送ベルト1は、索道の1本の搬送ロープまたは複数本の搬送ロープ上に設けられていてもよい。この場合、支持部材または支柱の高さは重要ではない。傾斜も容易に解消することができる。搬送ロープの寸法を、その時々の牽引力に適合させるだけでよい。この場合、搬送ロープは、知られた方法で、支持部材に固定されている複数の支持ローラを介して案内される。図15および16は2本の搬送ロープ8上の搬送ベルトの断面図を示す。
【0038】
他方では、搬送ベルト1は、底部の近くでも、あるいは、支持構造体36上に、コンベヤベルトとして案内されてもよい。後者は図17に示されている。ここでは、ロープ8は搬送ロープとしてではなく、牽引ロープとしてのみ作用する。すなわち、このようなロープは実際の担持機能を有さず、僅かな担持機能のみを有する。むしろ、重量は、まず、固定式の支持構造体によって吸収される。
【0039】
図15は2つのばね要素4を有する実施の形態を示す。各々のばね要素は、支持ローラ35を介して案内される搬送ロープ8を囲む。
【0040】
図16は他の実施の形態を示す。この実施の形態は、図15に示す実施の形態とは、ここでは、複数の異なったばね要素4が搬送ベルト1に並設されている点で異なっている。これらのばね要素は、異なった大きさまたは異なった横断面を夫々有するロープを保持するために用いられる。図16に示した実施の形態では、外側の、小さい方のばね要素4が比較的細いロープ8を保持する。このロープは、多くの支持ローラ35を有する比較的平坦な区間では牽引ロープとして、あるいは索道の短いセクションでは搬送ロープとして用いられる。内側の、大きい方のばね要素4が、水平方向のまたは僅かな勾配の搬送セクションより急勾配の搬送セクションで、用いられる。そこでは、搬送区間は索道として形成されており、および/またはロープはより大きな引張り力を吸収しなければならない。
【0041】
最後に、図17では、ロープ8が、実質的に、実際の担持作用を有しない牽引ロープとして用いられてなる実施の形態が示される。この実施の形態では、支持構造体36の複数の支持ローラ35は、搬送ベルト1の下面2と直接に接触していて、搬送ベルトを支持する。
【0042】
搬送ベルト1を他の方法で支持することも考えられる。かくて、支持構造体は、例えば、搬送ベルトを摺動面において支持するために、構成されていてもよい。搬送ベルトと支持構造体との間の摩擦作用を減じるために、滑り剤、特に、ガス状のまたは液状の滑り剤、例えば、空気またはグリースがある。
【0043】
図17に示す実施の形態では、支持構造体36が底部に載っていることは好ましい。しかしながら、図18に示されているように、支持構造体を、索道の1つのまたは複数のキャリアロープ38に取着することも考えられる。
【0044】
明細書の初めの部分に記載のように、ロープ8は、好ましくはワイヤロープの形態で、牽引ロープまたは搬送ロープであってもよい。しかし、用途および予期される力に従って、プラスチックロープ、長い、可撓性のある形材要素、または一連の多かれ少なかれ硬いリンクが用いられてもよい。
【0045】
搬送ベルト1は、エンドレスベルトとして形成されているか、搬送ベルトの個々のセクションから構成されていてもよい。第2の場合では、搬送ベルトの複数のセクションが、互いに直接的に結合されているか、互いに別々であってもよい。搬送ベルトのセクションは、プレート状の平坦な要素としてデザインされていてもよい。これらの要素は、例えば人員用ころコンベヤにおいて用いられ、あるいは、例えばエスカレータの段の形態を有する。搬送ベルトの複数のセクションがプラスチックまたは金属、例えばアルミニウムからなることは好ましい。
【0046】
搬送ベルトを戻すために、搬送ベルトを例えば180°転回することができる。戻りの最中に、搬送ベルトは、実際の上面1が下方にあるように、方向づけされていてもよい。この場合では、ばね要素4は応力を受ける。(しかし、このことは、必ずしも問題になるわけではない。何故ならば、搬送ベルトが、戻りの最中に、通常荷物を運搬する必要がないからである。それ故に、搬送ベルトの重量が僅かである)。あるいは、戻りの最中にその都度1つまたは複数のロープをベルトの下方で把持する追加のばね要素4が上面2に設けられていてもよい。あるいは、搬送ベルト1は、追加の支持ローラによって支持されねばならない。
【0047】
しかし、戻りの最中でもばね要素4が下方に位置しているように、搬送ベルト1を転回することは好ましい。このことは、例えば、EP 1 338 531に記載の方法でなされることが可能である。搬送ベルトのための他の転回技術は、同様に、当業者に知られている。
【0048】
図15ないし17では、搬送ベルト1を牽引および/または支持するために、その時々に2本のロープ8が使用された。しかし、実施の形態に応じて、只1本のロープ8を用いることができ、あるいは、2本以上のロープまたは他の牽引要素を用いることができる。
【0049】
本願では、本発明の好ましい実施の形態が記載されているのであるが、本発明が実施の形態に限定されず、他の方法でも、上記請求項の範囲内で実施されることができることを明らかに指摘する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施の形態の図を示す。
【図2】図1に示す実施の形態の断面図を示す。
【図3】搬送ベルトの縁部領域および第1の実施の形態の変更の実施の形態の結合手段の断面図を示す。
【図4】搬送ベルトの縁部領域および本発明の第2の実施の形態の結合手段の断面図を示す。
【図5】広げ手段のリフトローラの領域における、図4に示す断面図を示す。
【図6】広げ手段の押圧ローラの領域における、図4に示す断面図を示す。
【図7】搬送ベルトの縁部領域および本発明の第3の実施の形態の結合手段の断面図を示す。
【図8】広げ手段のリフトローラの領域における、図7に示す断面図を示す。
【図9】広げ手段の押圧ローラの領域における、図7に示す断面図を示す。
【図10】搬送ベルトの縁部領域および本発明の第4の実施の形態の結合手段の断面図を示す。
【図11】広げ手段のリフトローラの領域における、図10に示す断面図を示す。
【図12】広げ手段の押圧ローラの領域における、図10に示す断面図を示す。
【図13】搬送ベルトの縁部領域および側壁の断面図を示す。
【図14】搬送ベルトが曲がった状態にある、図13に示す断面図を示す。
【図15】2つの支持ローラに載った搬送ベルトの断面図を示す。
【図16】2つの支持ローラに載った搬送ベルトの他の実施の形態の断面図を示す。
【図17】2つの支持ローラに載った搬送装置の他の実施の形態の断面図を示す。
【図18】索道のキャリアロープに設けられている支持構造体を有する搬送装置の更に他の実施の形態の断面図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送区間に亘って荷物を運搬するための搬送装置であって、この搬送装置は、搬送ベルト(1)と、牽引力を前記搬送ベルト(1)に加える少なくとも1つのロープ状の牽引要素(8)とを有し、前記搬送ベルト(1)は、少なくとも、前記搬送区間の或る搬送セクションに沿って、前記牽引要素(8)に従い、前記搬送区間で、結合手段によって前記牽引要素と結合されていてなる搬送装置において、
前記結合手段は、力結合を生起するための前記牽引要素(8)を前記搬送セクションにおいて弾性的に把持する少なくとも1つのばね要素(4)を有することを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
別個の複数の牽引要素(8)を有する複数の搬送セクションを具備し、これらの搬送セクションの間には、1つのばね要素(4)または複数のばね要素(4)を前記複数のセクションのうちの1のセクションの前記牽引要素(8)から解除し、次のセクションの牽引要素(8)に結合させるための手段(20,21)が設けられていること、および特に、種々のセクションの前記牽引要素(8)は、少なくとも部分的に、異なった横断面を有すること、を特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記牽引要素(8)は、複数の支持ローラの上面を走行すること、および特に、これらの支持ローラは支持体に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記搬送ベルトの重量および場合によっては前記荷物の重量は、前記搬送セクションで、前記1つの牽引要素(8)または前記複数の牽引要素(8)によって吸収されることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記搬送ベルト(1)の重量は、この搬送ベルト(1)の下方に設けられた固定式の支持構造体(35,36)によって吸収されること、および特に、前記搬送ベルト(1)と前記支持構造体(35,36)との間の摩擦作用は、滑り剤、特に、空気またはグリースによって減じられ、および/または特に、前記支持構造体は、前記搬送ベルト(1)と結合されている複数の支持ローラ(35)を有することを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記支持構造体(36)は、索道の少なくとも1つのキャリアロープ(38)に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記ばね要素(4)は、前記牽引要素(8)の180°以上の周囲を把持することを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記ばね要素(4)は、前記牽引要素(8)の、把持される外形に対応する内形を有するグリッパ(6)を具備すること、および特に、前記ばね要素(4)の前記外形の面は、横方向または斜め方向に延びる複数の形成物または窪みを有し、前記グリッパ(6)の内形の面は、このグリッパが前記複数の形成物または窪みと形状結合を形成するような形成物を有することを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記搬送セクションの少なくとも1つの終りまたは初めに、前記ばね要素(4)を広げるための広げ手段(20,21)を夫々具備すること、および特に、前記搬送装置は、前記牽引要素(8)を挿入または解除するために、前記広げ手段によって前記ばね要素(4)を広げるように、構成されていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記ばね要素(4)は、2つのフィンガ(6a,6b)および弾性的なホルダ(5)を有し、これらフィンガ(6a,6b)は、前記牽引要素(8)を把持し、これらフィンガ(6a,6b)は、前記弾性的なホルダ(5)に保持されており、前記牽引要素(8)を解除するために前記ホルダ(5)の弾性変形のもとで互いに広げられることができることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項11】
前記広げ手段(20,21)は、前記フィンガ(6a,6b)が互いに広げられるように、前記弾性的なホルダ(5)を変形するように構成されており、および特に、前記広げ手段(20,21)は、前記ホルダ(5)を水平方向に圧縮するように構成されていることを特徴とする請求項8または9に記載の搬送装置。
【請求項12】
前記ホルダ(5)は、中央領域(12)および複数の側方領域(13a,13b)を有し、前記フィンガ(6a,6b)は、これら側方領域(13a,13b)の圧縮によって夫々広げられることができ、および特に、前記中央領域(12)は前記側方領域(13a,13b)の圧縮によって変形されることができることを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項13】
前記中央領域(12)は、前記側方領域(13a,13b)よりも低い剛性を有すること、および特に、前記中央領域(12)は中空であり、あるいは、前記側方領域(13a,13b)とは異なる材料からなることを特徴とする請求項12に記載の搬送装置。
【請求項14】
前記ホルダ(5)は、前記複数の側方領域(13a,13b)の間に延びている第1のブリッジ(14)を有すること、および特に、前記搬送ベルト(1)は、少なくとも部分的に、前記第1のブリッジ(14)に載っていることを特徴とする請求項12または13に記載の搬送装置。
【請求項15】
前記ホルダ(5)は、前記複数の側方領域(13a,13b)の間に延びている第2のブリッジ(15)を有すること、前記グリッパ(6)は、前記第1のブリッジよりも近くに前記第2のブリッジに設けられていること、および前記2つのブリッジと前記側方領域との間の領域(12)は中空であり、あるいは、前記複数のブリッジ(14、15)および前記複数の側方領域(13a,13b)より柔軟な材料からなること、および特に、前記広げ手段(20,21)は、この広げ手段が、前記複数の側方領域(13a,13b)同士を押圧し、その際に、前記第1のブリッジ(14)を前記第2のブリッジ(15)よりも大きく変形し、その結果、前記グリッパ(6)が広げられるように、構成されていることを特徴とする請求項14に記載の搬送装置。
【請求項16】
前記広げ手段(20,21)は、この広げ手段が前記搬送ベルト(1)を前記牽引要素(8)に対し上昇しおよび/または前記牽引要素(8)を前記ホルダ(5)に対し降下し従ってまた前記第1のブリッジ(14)の変形を生起すること、および特に、前記ホルダ(5)は、前記ホルダ(5)が前記広げ手段(20,21)によって前記牽引要素(8)に対し上昇されおよび/または前記牽引要素(8)が前記ホルダ(5)に対し降下された後にのみ、前記複数の側方領域(13a,13b)の水平方向の圧縮によって、前記グリッパ(6)の開きが可能であるように、構成されていることを特徴とする請求項15に記載の搬送装置。
【請求項17】
前記両フィンガ(6a,6b)は、前記搬送ベルト(1)の重力によって圧縮可能であること、および特に、前記搬送ベルト(1)は、前記ホルダ(5)に載っており、前記ホルダの垂直方向の圧縮は、前記フィンガ(6a,6b)の圧縮をもたらすことおよび/または特に、前記ホルダがトグルジョイントロックを形成することを特徴とする請求項10ないし16のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項18】
前記ホルダ(5)には、剛体(7)、特に、実質的に硬い形材が設けられていることを特徴とする請求項10ないし17のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項19】
前記牽引要素(8)は、ロープであることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項20】
前記ばね要素(4)は、前記牽引要素(8)を、前記牽引要素(8)の直径よりも著しく大きい長さに亘って、把持すること、および特に、前記ばね要素(4)は、成形形材として、前記搬送ベルト(1)に沿って、前記搬送ベルト(1)の長手方向の少なくとも1つの部分に亘って設けられていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項21】
前記搬送ベルト(1)は、荷物を保持するための保持面(2)を有すること、および前記ばね要素(4)は、前記搬送ベルト(1)の、前記保持面(2)と反対の面(3)に設けられていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項22】
前記搬送ベルト(1)は、エンドレスであることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項23】
前記搬送ベルト(1)は、この搬送ベルトの個々のセクションから構成されていることを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項24】
前記搬送ベルト(1)に沿って、異なった横断面を有する複数の牽引要素(8)を保持するための複数の異なったばね要素(4)が並設されていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項25】
特に、請求項1ないし24のいずれか1に記載の、荷物を或る搬送区間に亘って運搬するための搬送装置であって、この搬送装置は搬送ベルト(1)および複数の囲い要素(30)を有し、これらの囲い要素(30)は前記搬送ベルト(1)に設けられており、前記搬送ベルト(1)のための複数の側壁(32)を形成してなる搬送装置において、
前記側壁(32)は、可撓性があり、前記搬送ベルト(1)に対し非直角の角度(α)にあることを特徴とする搬送装置。
【請求項26】
前記複数の囲い要素(30)は、前記搬送ベルト(1)の上面および下面(2,3)を、縁部から把持すること、および特に、これらの囲い要素(30)は、前記搬送ベルト(1)の縁部を保持するスロットを有するベース(31)を具備し、このベース(31)には、各々の側壁(32)が設けられていることを特徴とする請求項25に記載の搬送装置。
【請求項27】
前記複数の囲い要素(30)は、取外し可能に前記搬送ベルト(1)に取着されていることを特徴とする請求項25または26に記載の搬送装置。
【請求項28】
前記複数の囲い要素(30)は、取外し不能に前記搬送ベルト(1)に固定されていることを特徴とする請求項25または26に記載の搬送装置。
【請求項29】
前記複数の囲い要素(30)は、実質的に一定な横断面を有する真っ直ぐな長手方向形材であることを特徴とする請求項25ないし28のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項30】
前記搬送装置は、前記ベルトの長手方向軸に対し直角方向におよび前記搬送ベルトの上面(2)に対し平行に位置している曲げ軸を中心として前記搬送ベルトを曲げるように、構成されていることを特徴とする請求項25ないし29のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項1】
搬送区間に亘って荷物を運搬するための搬送装置であって、この搬送装置は、搬送ベルト(1)と、牽引力を前記搬送ベルト(1)に加える少なくとも1つのロープ状の牽引要素(8)とを有し、前記搬送ベルト(1)は、少なくとも、前記搬送区間の或る搬送セクションに沿って、前記牽引要素(8)に従い、前記搬送区間で、結合手段によって前記牽引要素と結合されていてなる搬送装置において、
前記結合手段は、力結合を生起するための前記牽引要素(8)を前記搬送セクションにおいて弾性的に把持する少なくとも1つのばね要素(4)を有することを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
別個の複数の牽引要素(8)を有する複数の搬送セクションを具備し、これらの搬送セクションの間には、1つのばね要素(4)または複数のばね要素(4)を前記複数のセクションのうちの1のセクションの前記牽引要素(8)から解除し、次のセクションの牽引要素(8)に結合させるための手段(20,21)が設けられていること、および特に、種々のセクションの前記牽引要素(8)は、少なくとも部分的に、異なった横断面を有すること、を特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記牽引要素(8)は、複数の支持ローラの上面を走行すること、および特に、これらの支持ローラは支持体に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記搬送ベルトの重量および場合によっては前記荷物の重量は、前記搬送セクションで、前記1つの牽引要素(8)または前記複数の牽引要素(8)によって吸収されることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記搬送ベルト(1)の重量は、この搬送ベルト(1)の下方に設けられた固定式の支持構造体(35,36)によって吸収されること、および特に、前記搬送ベルト(1)と前記支持構造体(35,36)との間の摩擦作用は、滑り剤、特に、空気またはグリースによって減じられ、および/または特に、前記支持構造体は、前記搬送ベルト(1)と結合されている複数の支持ローラ(35)を有することを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記支持構造体(36)は、索道の少なくとも1つのキャリアロープ(38)に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記ばね要素(4)は、前記牽引要素(8)の180°以上の周囲を把持することを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記ばね要素(4)は、前記牽引要素(8)の、把持される外形に対応する内形を有するグリッパ(6)を具備すること、および特に、前記ばね要素(4)の前記外形の面は、横方向または斜め方向に延びる複数の形成物または窪みを有し、前記グリッパ(6)の内形の面は、このグリッパが前記複数の形成物または窪みと形状結合を形成するような形成物を有することを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記搬送セクションの少なくとも1つの終りまたは初めに、前記ばね要素(4)を広げるための広げ手段(20,21)を夫々具備すること、および特に、前記搬送装置は、前記牽引要素(8)を挿入または解除するために、前記広げ手段によって前記ばね要素(4)を広げるように、構成されていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記ばね要素(4)は、2つのフィンガ(6a,6b)および弾性的なホルダ(5)を有し、これらフィンガ(6a,6b)は、前記牽引要素(8)を把持し、これらフィンガ(6a,6b)は、前記弾性的なホルダ(5)に保持されており、前記牽引要素(8)を解除するために前記ホルダ(5)の弾性変形のもとで互いに広げられることができることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項11】
前記広げ手段(20,21)は、前記フィンガ(6a,6b)が互いに広げられるように、前記弾性的なホルダ(5)を変形するように構成されており、および特に、前記広げ手段(20,21)は、前記ホルダ(5)を水平方向に圧縮するように構成されていることを特徴とする請求項8または9に記載の搬送装置。
【請求項12】
前記ホルダ(5)は、中央領域(12)および複数の側方領域(13a,13b)を有し、前記フィンガ(6a,6b)は、これら側方領域(13a,13b)の圧縮によって夫々広げられることができ、および特に、前記中央領域(12)は前記側方領域(13a,13b)の圧縮によって変形されることができることを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項13】
前記中央領域(12)は、前記側方領域(13a,13b)よりも低い剛性を有すること、および特に、前記中央領域(12)は中空であり、あるいは、前記側方領域(13a,13b)とは異なる材料からなることを特徴とする請求項12に記載の搬送装置。
【請求項14】
前記ホルダ(5)は、前記複数の側方領域(13a,13b)の間に延びている第1のブリッジ(14)を有すること、および特に、前記搬送ベルト(1)は、少なくとも部分的に、前記第1のブリッジ(14)に載っていることを特徴とする請求項12または13に記載の搬送装置。
【請求項15】
前記ホルダ(5)は、前記複数の側方領域(13a,13b)の間に延びている第2のブリッジ(15)を有すること、前記グリッパ(6)は、前記第1のブリッジよりも近くに前記第2のブリッジに設けられていること、および前記2つのブリッジと前記側方領域との間の領域(12)は中空であり、あるいは、前記複数のブリッジ(14、15)および前記複数の側方領域(13a,13b)より柔軟な材料からなること、および特に、前記広げ手段(20,21)は、この広げ手段が、前記複数の側方領域(13a,13b)同士を押圧し、その際に、前記第1のブリッジ(14)を前記第2のブリッジ(15)よりも大きく変形し、その結果、前記グリッパ(6)が広げられるように、構成されていることを特徴とする請求項14に記載の搬送装置。
【請求項16】
前記広げ手段(20,21)は、この広げ手段が前記搬送ベルト(1)を前記牽引要素(8)に対し上昇しおよび/または前記牽引要素(8)を前記ホルダ(5)に対し降下し従ってまた前記第1のブリッジ(14)の変形を生起すること、および特に、前記ホルダ(5)は、前記ホルダ(5)が前記広げ手段(20,21)によって前記牽引要素(8)に対し上昇されおよび/または前記牽引要素(8)が前記ホルダ(5)に対し降下された後にのみ、前記複数の側方領域(13a,13b)の水平方向の圧縮によって、前記グリッパ(6)の開きが可能であるように、構成されていることを特徴とする請求項15に記載の搬送装置。
【請求項17】
前記両フィンガ(6a,6b)は、前記搬送ベルト(1)の重力によって圧縮可能であること、および特に、前記搬送ベルト(1)は、前記ホルダ(5)に載っており、前記ホルダの垂直方向の圧縮は、前記フィンガ(6a,6b)の圧縮をもたらすことおよび/または特に、前記ホルダがトグルジョイントロックを形成することを特徴とする請求項10ないし16のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項18】
前記ホルダ(5)には、剛体(7)、特に、実質的に硬い形材が設けられていることを特徴とする請求項10ないし17のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項19】
前記牽引要素(8)は、ロープであることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項20】
前記ばね要素(4)は、前記牽引要素(8)を、前記牽引要素(8)の直径よりも著しく大きい長さに亘って、把持すること、および特に、前記ばね要素(4)は、成形形材として、前記搬送ベルト(1)に沿って、前記搬送ベルト(1)の長手方向の少なくとも1つの部分に亘って設けられていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項21】
前記搬送ベルト(1)は、荷物を保持するための保持面(2)を有すること、および前記ばね要素(4)は、前記搬送ベルト(1)の、前記保持面(2)と反対の面(3)に設けられていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項22】
前記搬送ベルト(1)は、エンドレスであることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項23】
前記搬送ベルト(1)は、この搬送ベルトの個々のセクションから構成されていることを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項24】
前記搬送ベルト(1)に沿って、異なった横断面を有する複数の牽引要素(8)を保持するための複数の異なったばね要素(4)が並設されていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項25】
特に、請求項1ないし24のいずれか1に記載の、荷物を或る搬送区間に亘って運搬するための搬送装置であって、この搬送装置は搬送ベルト(1)および複数の囲い要素(30)を有し、これらの囲い要素(30)は前記搬送ベルト(1)に設けられており、前記搬送ベルト(1)のための複数の側壁(32)を形成してなる搬送装置において、
前記側壁(32)は、可撓性があり、前記搬送ベルト(1)に対し非直角の角度(α)にあることを特徴とする搬送装置。
【請求項26】
前記複数の囲い要素(30)は、前記搬送ベルト(1)の上面および下面(2,3)を、縁部から把持すること、および特に、これらの囲い要素(30)は、前記搬送ベルト(1)の縁部を保持するスロットを有するベース(31)を具備し、このベース(31)には、各々の側壁(32)が設けられていることを特徴とする請求項25に記載の搬送装置。
【請求項27】
前記複数の囲い要素(30)は、取外し可能に前記搬送ベルト(1)に取着されていることを特徴とする請求項25または26に記載の搬送装置。
【請求項28】
前記複数の囲い要素(30)は、取外し不能に前記搬送ベルト(1)に固定されていることを特徴とする請求項25または26に記載の搬送装置。
【請求項29】
前記複数の囲い要素(30)は、実質的に一定な横断面を有する真っ直ぐな長手方向形材であることを特徴とする請求項25ないし28のいずれか1に記載の搬送装置。
【請求項30】
前記搬送装置は、前記ベルトの長手方向軸に対し直角方向におよび前記搬送ベルトの上面(2)に対し平行に位置している曲げ軸を中心として前記搬送ベルトを曲げるように、構成されていることを特徴とする請求項25ないし29のいずれか1に記載の搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図5】
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【図8】
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【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2007−536180(P2007−536180A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511825(P2007−511825)
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000243
【国際公開番号】WO2005/108247
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(505343882)インノワ・パテント・ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000243
【国際公開番号】WO2005/108247
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(505343882)インノワ・パテント・ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】
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