説明

搬送台車利用の作業設備

【課題】自動車の最終組立て設備として好適に活用できる作業設備を提供する。
【解決手段】同一の搬送台車1の循環走行経路中に被搬送物支持レベルが異なる複数の作業ラインT〜F2が設定され、各搬送台車1には、各作業ラインT〜F2での支持レベルで被搬送物(車体B)を支持する複数種類の受け台2〜4が着脱交換自在に構成され、前後に隣り合う作業ライン間には、搬送台車1から上手側作業ライン用受け台2を取り外すと共に当該搬送台車1に下手側作業ライン用受け台3を取り付ける受け台交換装置69,70/B69,B70が配設され、始端作業ラインTから終端作業ラインF2までの前後に隣り合う作業ライン間には、搬送台車1上の上手側作業ライン用受け台2〜4から被搬送物(車体B)を一時取り除くと共に交換された下手側作業ライン用受け台2〜4上に当該被搬送物(車体B)を戻す被搬送物受け渡し手段14a,14b,16が配設された構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として自動車の最終組立て設備として活用できる搬送台車利用の作業設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、トリムライン、シャーシーライン、ファイナルラインと呼称される複数の組立てラインから成る自動車の最終組立て設備においては、車体の周囲から当該車体に対して作業を行うトリムラインやファイナルラインでは、車体を低いレベルで下側から支持するテーブル型受け台が使用され、車体の下側に作業者が入り込んで車体の底部に対する作業を行うシャーシーラインでは、車体の左右両側辺を高いレベルで各別に支持する左右一対の支柱部材を備えた支柱型受け台が使用される。即ち、作業ラインごとに車体の支持レベルを変える必要があると共に、良好な作業性を確保するためには、車体を下から支持するか左右両側辺を各別に支持するかの支持方法の選択も必要である。而して従来の一般的なこの種の設備では、車体の支持レベル及び支持方法が異なる搬送キャリアで各作業ラインを構成していた。又、特許文献1に記載されるように、車体の支持レベルを複数段階に変えることができる車体支持手段を搬送台車上に設けた特殊な搬送台車を使用する設備も考えられた。
【特許文献1】特開2007−153178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前者の車体の支持レベル及び支持方法が異なる搬送キャリアで各作業ラインを構成する従来の一般的な設備では、搬送キャリアの種類が多くなり、作業ライン間で車体を積み替える移載リフターと作業ライン間での車体の搬送装置が必要になるため、設備コストが非常に高くつく。後者の車体の支持レベルを複数段階に変えることができる車体支持手段を搬送台車上に設けた特殊な搬送台車を使用する設備では、前者設備における問題点は解消できたが、シャーシーラインにおいて、車体の下側に作業者が入り込んで作業を行える状態に車体を支持させるためには、車体の左右両側それぞれに伸縮自在な支柱状の車体支持手段を配設しなければならないので、トリムラインやファイナルラインでの作業のために、当該車体支持手段を縮小させて支持する車体を搬送台車上の床面近くまで下げたとき、縮小状態といえども相当の大きさの車体支持手段が車体の左右両側に露出しているので、この車体支持手段が車体周りの作業の邪魔になり、作業性が著しく低下することになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記のような従来の問題点を解消し得る搬送台車利用の作業設備を提供することを目的とするものであって、請求項1に記載の搬送台車利用の作業設備は、後述する実施形態の参照符号を付して示すと、同一の搬送台車1の循環走行経路中に被搬送物支持レベルが異なる複数の作業ラインT〜F2が設定され、各搬送台車1には、各作業ラインT〜F2での支持レベルで被搬送物(車体B)を支持する複数種類の受け台2〜4が着脱交換自在に構成され、前後に隣り合う作業ラインT,S/F1,F2間には、搬送台車1から上手側作業ライン用受け台2を取り外すと共に当該搬送台車1に下手側作業ライン用受け台3を取り付ける受け台交換装置69,70/B69,B70が配設され、始端作業ラインTの入り口には被搬送物(車体B)を受け台2上に移載する被搬送物搬入手段6が配設され、終端作業ラインF2の出口には受け台4上から被搬送物(車体B)を取り出す被搬送物搬出手段7が配設され、始端作業ラインTから終端作業ラインF2までの前後に隣り合う作業ライン間には、搬送台車1上の上手側作業ライン用受け台2〜4から被搬送物(車体B)を一時取り除くと共に交換された下手側作業ライン用受け台2〜4上に当該被搬送物(車体B)を戻す被搬送物受け渡し手段14a,14b,16が配設された構成となっている。
【0005】
上記構成の本発明を実施するについて、具体的には請求項2に記載のように、各受け台交換装置69,70/B69,B70で搬送台車1上から取り外された受け台2〜4を、当該受け台2〜4が使用される作業ラインT〜F2の上手側に配設された受け台交換装置69,70/B69,B70に送る受け台送り手段71,72/B71,B72を併設し、同一種類の受け台2〜4が、少なくとも1つの作業ラインT〜F2、受け台交換装置69,70/B69,B70、及び受け台送り手段71,72/B71,B72を経由して循環するように構成することができる。この場合、請求項3に記載のように、搬送台車1の循環走行経路中に、作業ラインT〜F2の上手側走行経路部と下手側走行経路部とが互いに並列する並列走行経路部12a,12b/15a,15bを設け、当該作業ラインT〜F2の上手側に配設される受け台交換装置69/B69と当該作業ラインT〜F2の下手側に配設される受け台交換装置70/B70、及び両交換装置間の2つの受け台送り手段71,72/B71,B72は、この並列走行経路部12a,12b/15a,15bで挟まれる領域内に配設することができる。
【0006】
又、請求項4に記載のように、受け台交換装置69,70/B69,B70には、定位置に停止した搬送台車1に対する受け台取付け取外し位置P1と受け台受け渡し位置P2,P3との間で往復移動自在であって前記受け台取付け取外し位置P1に択一的に位置させることができる受け台取外し台車73,75/B73,B75と受け台取付け台車74,76/B74,B76とを設け、各台車上には、垂直軸心の周りに水平に回動自在に支持されたアーム77,95と、この各アーム77,95に設けられて前記台車に対して昇降自在(アームが台車に対して昇降しても良いし、アームに対して受け台把持手段が昇降しても良い)な受け台把持手段78,96,96A,96Bを設けることができる。
【0007】
更に、請求項5に記載のように、前記受け台として、搬送台車1上の平坦な作業床面17の中央部領域に着脱自在に取り付けられる支持レベルの低いテーブル型受け台2,4と、前記作業床面17の左右両側部上に取り付けられる支持レベルの高い支柱型受け台3とを設け、支柱型受け台3は前記作業床面17の左右両側部上に各別に取り付けられる左右一対の支柱部材40a,40bと、その各支柱部材40a,40bの上端に設けられて被搬送物(車体B)の左右両側辺を各別に支持する受け部42とから構成することができる。この場合、請求項6に記載のように、前記搬送台車1には、下降限位置にあるときにテーブル面28aが当該搬送台車1上の平坦な作業床面17と面一になる昇降テーブル27を設け、前記テーブル型受け台2,4は、この昇降テーブル27上に着脱自在に取り付けて、当該昇降テーブル27の昇降により支持レベルを調整できるように構成することができる。
【0008】
搬送台車1には、取り付けられる受け台2〜4の内、少なくとも一種類の受け台、例えば高さが高くて不安定なシャーシーライン用の支持レベルの高い受け台(支柱型受け台3)、を取外し不能にロックするロック手段44を設けることができる。この場合、請求項7に記載のように、この受け台(支柱型受け台3)の取付け取外しを行う受け台交換装置69,70が配設される場所には、前記ロック手段44に設けられたロック解除操作部55をロック解除方向に操作する操作手段57を配設することができる。
【0009】
上記のロック手段44を設ける場合、請求項8に記載のように、当該ロック手段44は、搬送台車1側に設けられた位置決め孔46に対して抜き差し自在に受け台3のベース43から垂直下向きに突設されたロックピン45aと、このロックピン45aに設けられた係止部(係合溝68)に対して係脱自在で付勢手段51により係止方向に付勢された水平揺動自在な係止片50とから構成すると共に、前記ロック解除操作部55は前記係止片50と連動するレバー部49bで構成し、前記操作手段57は、定位置に停止した搬送台車1の前記レバー部49bを押す押し部59aを備えた可動片59と、この可動片59を駆動するアクチュエーター64、例えばシリンダーユニットなどから構成することができる。更に、請求項9に記載のように、前記ロックピン45a〜45dは、1つのベース43から複数本を突設し、この複数本のロックピン45a〜45dで囲まれる領域内で搬送台車1側に垂直支軸48の周りに水平回転自在な可動板49を設け、この可動板49の周囲から各ロックピン45a〜45dに対応する複数の前記係止片50を突設すると共に、前記可動板49に対し各1つの前記付勢手段51と前記ロック解除操作部55とを設けることができる。
【発明の効果】
【0010】
上記請求項1に記載の本発明に係る搬送台車利用の作業設備によれば、1種類の搬送台車を全ての作業ラインでの被搬送物の搬送キャリアとして使用でき、その搬送台車には、支持レベルや支持方法の異なる複数種類の受け台を取り付ける場所を作業床面上に設けるだけで、従来のような支持レベルを変えることができる大型で複雑な伸縮機構を備えた支持手段を各搬送台車に設けておく必要がなく、搬送台車とは別に準備しなければならない支持レベルや支持方法の異なる複数種類の受け台自体も、構造が簡単な単機能のもので良い。しかも、各作業ライン間での被搬送物の取り扱いのためには、被搬送物を一時搬送台車上から退避させておくための被搬送物受け渡し手段を配設するだけで良く、従来のような作業ライン間での被搬送物搬送装置は不要であるから、設備全体を大幅にコストダウンすることができる。
【0011】
尚、請求項2に記載の構成によれば、同一種類の受け台が、少なくとも1つの作業ライン、受け台交換手段、及び受け台送り手段を経由して循環するのであるから、この設備全体で使用される受け台の数も、始端作業ラインから終端作業ラインまでを含む1つの循環走行経路上を走行する搬送台車の総台数と同一数あれば良く、搬送台車の総台数以上の余分な受け台が不要になり、設備コストを下げるのに役立つ。この場合、請求項3に記載の構成によれば、搬送台車走行経路以外での各受け台の移動経路長さ、即ち、作業ライン間での受け台交換のための各受け台の移動経路長さを大幅に短くすることができ、受け台交換のための被搬送物の待機時間を短くすることができるので、請求項2に記載の構成を実施する上で極めて効果的である。
【0012】
又、請求項4に記載の構成によれば、受け台取付け取外し位置に択一的に位置させることができる受け台取外し台車と受け台取付け台車とを各別に作動させ、受け台取外しから次の作業ライン用受け台の取付けまでの時間を短縮できる。又、台車上の受け台を把持するアームの水平回動でも受け台の位置を変えることができるので、受け台取外し台車と受け台取付け台車は、短い直線経路上での往復移動だけ可能に構成すれば良いので、受け台交換装置の構成がシンプルになり、安価に実施することができる。
【0013】
本発明に係る作業設備を先に説明した自動車の最終組立て設備に適用する場合、請求項5に記載の構成によれば、主として車体周りの作業を行うトリムラインやファイナルラインでは、車体を低いレベルで下側から支持するテーブル型受け台を使用し、車体の下側に作業者が入り込んで車体の底部に対する作業を行うシャーシーラインでは、車体の左右両側辺を高いレベルで各別に支持する左右一対の支柱部材を備えた支柱型受け台を利用することができ、自動車の最終組立て設備として本発明に係る作業設備を活用することができる。
【0014】
この場合、請求項6に記載の構成によれば、トリムラインやファイナルラインにおいて、車体を低いレベルで下側から支持するテーブル型受け台を使用して主として車体周りの作業を行う場合に、作業対象部位に応じて昇降テーブルを昇降させ、車体の支持レベルを調整できるので、当該作業を容易に行える。又、作業対象部位の高さが少ししか変わらないのに、支持レベルの異なる別の受け台を使用する専用の作業ラインを追加する場合よりも、結果的に設備コストを下げることができる。しかも、車体の左右両側辺を高いレベルで各別に支持する左右一対の支柱部材を備えた支持レベルの高い支柱型受け台を利用するシャーシーラインでは、支持する車体の真下に位置する昇降テーブルを下降限まで下げておくだけで、そのテーブル上面が搬送台車の平坦な作業床面の一部となり、この昇降テーブルの存在が車体下での作業に悪影響を及ぼす恐れがなくなり、当該作業を容易且つ安全に行うことができる。
【0015】
又、請求項7に記載の構成によれば、搬送台車上に移載された受け台をロック手段により取外し不能にロックすることができるので、この構成を特に支持レベルの高い支柱型受け台に適用することにより、安全性を高めることができる。しかも、この受け台を交換する際に作業者の手作業でロックを解除する必要もないし、各搬送台車側にシリンダーユニットなどのアクチュエーターを搭載する場合と比較して、各搬送台車へのロック解除信号の伝送も不要になる点も含めて、設備コストを大幅に下げることができる。この請求項7に記載の構成は、請求項8に記載の構成の採用により簡単に実施することができる。又、請求項9に記載の構成によれば、受け台の1つのベースを複数本のロックピンと各ロックピンに係合する搬送台車側の複数の係止片とで確実強力にロックすることができ、しかも、複数の係止片は1つの可動板に設けられるものであるから、構造がシンプルで安価に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の搬送台車利用の作業設備を自動車の最終組立て作業設備に適用した好適実施形態を添付図に基づいて説明すると、図1に示すようにこの実施形態では、搬送台車1の循環走行経路中に4列の作業ラインT,S,F1,F2が設けられている。各作業ラインT,S,F1,F2は、それぞれ並列直線状の往行経路部Ta,Sa,F1a,F2aと復行経路部Tb,Sb,F1b,F2bとから成るもので、各作業ラインT,S,F1,F2の入り口(往行経路部の始端部)と出口(復行経路部の終端)とが同一側に位置するように並列配置されている。以下の説明では具体的に、作業ラインTは低支持用テーブル型受け台2を利用するトリムライン、作業ラインSは支柱型受け台3を利用するシャーシーライン、作業ラインF1は低支持用テーブル型受け台2を利用する第一ファイナルライン、作業ラインF2は高支持用テーブル型受け台4を利用する第二ファイナルラインと呼称する。
【0017】
上記作業設備に対して、車体Bは、例えば吊り下げ搬送タイプのコンベヤライン5と車体搬入手段6とを介してトリムラインTの入り口(往行経路部Taの始端)で定位置に停止している搬送台車1上の低支持用テーブル型受け台2上に移載搬入される。上記作業設備において最終組立てが完了した車体Bは、第二ファイナルラインF2の出口(復行経路部F2bの終端)で定位置に停止している搬送台車1上の高支持用テーブル型受け台4上から車体搬出手段7により取り上げられ、例えば吊り下げ搬送タイプのコンベヤライン8により搬出される。車体搬入手段6及び車体搬出手段7としては、水平に出退自在な車体支持用ランニングフォークを昇降枠体に支持させた、ドロップリフターと称呼される従来周知の昇降移載装置が利用できるので、機構の図解及び説明は省略する。
【0018】
シャーシーラインSの往行経路部Saは、搬送台車1を横向き状態で走行させるが、シャーシーラインSの復行経路部Sbと他の作業ラインT,F1,F2及び各作業ライン間の走行経路では、搬送台車1が通常の前進向きで走行する。而して、トリムラインTの出口(復行経路部Tbの終端)からシャーシーラインSの入り口(往行経路部Saの始端)までの搬送台車1の作業ライン間走行経路T−Sは、2台の方向転換用ターンテーブル9a,9bと搬送台車1の向きを直角横向きに転換する台車向き転換手段10とが組み込まれて構成され、シャーシーラインSの出口(復行経路部Sbの終端)から第一ファイナルラインF1の入り口(往行経路部F1aの始端)までの搬送台車1の作業ライン間走行経路S−F1は、搬送台車1を真横に横行させるトラバーサー11aと2台の方向転換用ターンテーブル9c,9dとが組み込まれて構成されている。又、第一ファイナルラインF1の出口(復行経路部F1bの終端)から第二ファイナルラインF2の入り口(往行経路部F2aの入り口)までの搬送台車1の作業ライン間走行経路F1−F2は、2台の方向転換用ターンテーブル9e,9fが組み込まれて構成され、第二ファイナルラインF2の出口(復行経路部F2bの終端)からトリムラインTの入り口(往行経路部Taの始端)までの搬送台車1の作業ライン間走行経路F2−Tは、搬送台車1を真横に横行させるトラバーサー11bと2台の方向転換用ターンテーブル9g,9hとが組み込まれて構成されている。
【0019】
作業ライン間走行経路T−Sと1つ下手側の作業ライン間走行経路S−F1とには、搬送台車1の走行方向が互いに逆向きで且つ互いに平行に並列する一定長さの並列走行経路部12a,12bが形成され、この両並列走行経路部12a,12bで挟まれる領域内に受け台交換設備13Aが配設されると共に、各並列走行経路部12a,12bの外側に隣接して車体受け渡し手段14a,14bが配設されている。又、作業ライン間走行経路F1−F2と1つ下手側の作業ライン間走行経路F2−Tとには、搬送台車1の走行方向が互いに逆向きで且つ互いに平行に並列する一定長さの並列走行経路部15a,15bが形成され、この両並列走行経路部15a,15bで挟まれる領域内に受け台交換設備13Bが配設されると共に、第二ファイナルラインF2の入り口側に接続する並列走行経路部15aの外側に隣接して車体受け渡し手段16が配設されている。各車体受け渡し手段14a,14b及び16も、先の車体搬入手段6及び車体搬出手段7と同様に、水平に出退自在な車体支持用ランニングフォークを昇降枠体に支持させた、ドロップリフターと称呼される従来周知の昇降移載装置が利用できるので、機構の図解及び説明は省略する。
【0020】
以下、詳細に説明すると、搬送台車1は全て同一構造のもので、図2〜図4及び図10に示すように、平面形状が走行方向に長い長方形の平坦な作業床面17を備えたもので、底部には左右一対前後二組の走行車輪18と前後二組の走行向き規制用ローラーユニット19が設けられ、この搬送台車1の循環走行経路には、前記走行車輪18を介して搬送台車1を水平に支持する左右一対の支持用ガイドレール20と、片側のガイドレール20に隣接して前記走行向き規制用ローラーユニット19が係合する走行向き規制用ガイドレール21が敷設されている。尚、走行向き規制用ローラーユニット19は、走行向き規制用ガイドレール21を左右両側から挟む左右一対の垂直軸ローラー19a,19bから構成されている。この搬送台車1の駆動方式は特に限定されないが、この実施形態では従来周知の摩擦駆動方式を利用している。
【0021】
即ち、搬送台車1の左右両側には走行方向と平行な被摩擦面22a,22bが形成され、走行経路側には、一方の被摩擦面22aに当接するバックアップローラー23と他方の被摩擦面22bに付勢力で圧接する摩擦駆動ローラー24、及びこの摩擦駆動ローラー24を回転駆動するモーター25から構成された摩擦駆動手段26が配設される。而して、この摩擦駆動手段26には、低速駆動用摩擦駆動手段、高速駆動用摩擦駆動手段、制動機能付き摩擦駆動手段などがあり、これら摩擦駆動手段26を適宜配設することにより、従来周知のように、各作業ラインT,S,F1,F2や作業ライン間走行経路F2−T中の特定区間などにおいて搬送台車1を前後当接状態で低速(定速)走行させたり、その他の走行経路中の特定区間において搬送台車1を互いに前後離間させた状態で高速走行させたりすることができる。尚、シャーシーラインSの復行経路部Sbにおいて搬送台車1を横向きで互いに当接する状態で走行させる駆動手段として上記摩擦駆動手段26を利用するためには、搬送台車1の前後両側辺にも、前後走行方向とは直交する左右方向の互いに平行な被摩擦面を形成しておけば良い。
【0022】
搬送台車1には昇降テーブル27が設けられている。この昇降テーブル27は、搬送台車1上の平坦な作業床面17の中央部に嵌め込まれたもので、平面矩形の平坦なテーブル面28aを備えたテーブル本体28を平行且つ垂直直線状に昇降させるための昇降駆動機構は、クロスリンク機構29と走行経路側に敷設されたカム30とを利用する従来周知のものである。この昇降駆動機構を簡単に説明すると、テーブル本体28を平行且つ垂直直線状に昇降可能に支持するクロスリンク機構29は、各リンクの一端側が定位置に軸支されると共に他端側が前後水平方向にスライド可能に支持されて互いに連動連結された左右一対のクロスリンク31a,31bから成り、これら両クロスリンク31a,31bには、スライド端がテーブル本体28側にあるリンク32a,32bからレバー部33a,33bが下向きに連設され、この各レバー部33a,33bの下端にカム従動ローラー34a,34bが軸支され、この両カム従動ローラー34a,34bを、走行経路側に敷設されてカム30を構成する左右一対のカムレール30a,30bにより、搬送台車1の走行に伴わせて押し上げることにより、テーブル本体28が所定高さの上昇限レベルまで上昇するように構成されている。
【0023】
尚、図示省略しているが、カム30で上昇限レベルまで上げられたテーブル本体28を当該上昇限レベルで一定区間保持させることは、その一定区間にわたってカム30を連続させておけば良いが、安全対策として、又はそのカム30を前記一定区間の入り口部と出口部にのみ敷設すれば良いように、両クロスリンク31a,31bをテーブル本体28が上昇限レベルに達したときの姿勢でロックするロック手段と、テーブル本体28を上昇限レベルから降下させる直前に前記ロック手段のロックを解除するロック解除手段とを併用することが望ましい。更に、カム30によりクロスリンク機構29を操作してテーブル本体28を上昇させる昇降駆動機構では、搬送台車1の全体の重量に対して昇降テーブル27の負荷重量、この実施形態では、この昇降テーブル27で支持される車体Bの重量が大きいと、カム30でテーブル本体28を押し上げようとしたとき、テーブル本体28(車体B)が搬送台車1に対して上昇しないで、昇降テーブル27を含む搬送台車1全体が走行経路から浮き上がることが考えられるので、搬送台車1の浮き上がりを防止する浮き上がり防止手段を併用するのが望ましい。これらロック手段とロック解除手段、及び浮き上がり防止手段を含む昇降テーブルの昇降駆動機構については、本出願人が先に出願している発明を利用することができる。
【0024】
昇降テーブル27のテーブル本体28は、カム従動ローラー34a,34bを押し上げるカムレール30a,30bが敷設されていない走行経路では重力で下降限レベルまで降下している。勿論、カム従動ローラー34a,34bを介してテーブル本体28を下降限レベルに保持することのできる高さの低いカムレール30a,30bが敷設された走行経路においても、テーブル本体28を下降限レベルに保持させることができるものであるが、何れにしても、テーブル本体28が下降限レベルに位置しているとき、その平面矩形の平坦なテーブル面28aは、搬送台車1の作業床面17と面一であって、当該作業床面17の一部分を形成することになる。
【0025】
上記搬送台車1と併用される3種類の受け台について説明すると、低支持用テーブル型受け台2は、図2〜図4及び図10に示すように、車体Bの左右両側辺それぞれの前後2箇所を支持する受け部35をフレーム36上に配設すると共に当該フレーム36の下側前後左右4箇所に突設された各脚部の下端に、昇降テーブル27のテーブル本体28上に載置されるベース37を付設したものであって、前後左右4つのベース37の内、対角方向に位置する2つのベース37には、下向きに位置決めピン38が突設され、昇降テーブル27のテーブル本体28には、図11に示すように、2本の位置決めピン38がそれぞれ抜き差し自在に差し込まれる位置決め孔39が設けられている。高支持用テーブル型受け台4は、ベース37からの受け部35の高さが高くなっている(各脚部の高さが異なる)だけで、構造そのものは全て低支持用テーブル型受け台2と同一である。従って、低支持用テーブル型受け台2と高支持用テーブル型受け台4は、何れもベース37を利用して昇降テーブル27のテーブル本体28上に載置することができるが、このとき位置決めピン38を位置決め孔39に差し込むことにより、テーブル本体28上での各受け台2,4の位置(姿勢)を一定に保持することができる。
【0026】
支柱型受け台3は、図2、図5、図6及び図11に示すように、左右一対の支柱部材40a,40bの上端に前後方向桁材41を側面視でT字形に付設すると共に当該前後方向桁材41の前後両端部から内側に片持ち状に延出するように、車体Bの左右両側辺それぞれの前後2箇所を支持する受け部42を連設したものであって、左右一対の支柱部材40a,40bの下端のベース43を、搬送台車1の作業床面17上で昇降テーブル27の左右両側に載置するように構成したものである。この状態の支柱型受け台3の各受け部42で車体Bの左右両側辺を支持させたとき、図6及び図11に示すように、左右一対の支柱部材40a,40bは平面視において車体Bの外側に位置すると共に、支持された車体Bは、その下側に作業者が立ち入ることができる高さに支持されるように構成されている。
【0027】
上記支柱型受け台3は、テーブル型受け台2,4と比較して不安定なものであるから、搬送台車1上に載置した状態で取外し不能にロックするロック手段が併設されている。図7〜図9に示すように、このロック手段44は、支柱部材40a,40bごとに配設されたもので、支柱部材40a,40bの下端のベース43の四隅から下向きに突設された4本の位置決めピンでもあるロックピン45a〜45dを備えている。搬送台車1の作業床面17におけるベース43が載置される左右両側2箇所には、図10に示すように、前記ロックピン45a〜45dが各別に抜き差し自在に差し込まれる4つの位置決め孔46が設けられ、搬送台車1の作業床面17を床板と共に構成するフレーム47の下側には、平面視において4つの位置決め孔46で囲まれた四角形領域の略中央位置で、垂直支軸48の周りに水平回転自在な可動板49が設けられ、この可動板49の周辺から、各位置決め孔46に対応して4つの係止片50が突設されている。そして各係止片50の先端が各位置決め孔46の真下に位置するロック作用姿勢に各係止片50(可動板49)を付勢保持する付勢手段51とストッパー52とが設けられている。付勢手段51は、可動板49から横内向きに突設されたレバー部49aと、このレバー部49aの先端に軸支された垂直軸ローラー53と、この垂直軸ローラー53を押圧するスプリングシリンダー54から構成され、スプリングシリンダー54のプッシャー(ピストンロッド)54aが内蔵のコイルスプリング54bで押し出されることにより、当該プッシャー54aが垂直軸ローラー53、レバー部49a、及び可動板49を介して各係止片50を垂直支軸48の周りで一方向に回動させ、プッシャー54aが垂直軸ローラー53をストッパー52との間で挟み付けることにより、各係止片50が図7に示すロック作用姿勢に保持される。
【0028】
又、上記ロック手段44には、各係止片50と連動するロック解除操作部55が設けられている。このロック解除操作部55は、可動板49から横外向きに突設されたレバー部49bとその先端に軸支された垂直軸ローラー56とから構成されている。一方、搬送台車1の走行経路中に設定された支柱型受け台3の取付け取外し作業場所(詳細は後述する)には、図7〜図9に示すロック解除用操作手段57が配設されている。このロック解除用操作手段57は、前記支柱型受け台3の取付け取外し作業場所の定位置に停止した搬送台車1のロック手段44におけるロック解除操作部55を操作するもので、垂直支軸58により水平揺動自在に軸支され且つ先端に前記ロック解除操作部55の垂直軸ローラー56を押す押し部59aを備えたレバー状可動片59と、このレバー状可動片59を図7に示す待機位置に付勢保持するスプリング60と、レバー状可動片59と連動する被操作レバー61と、この被操作レバー61の先端に軸支された垂直軸ローラー62を押すプッシャーロッド63と、当該プッシャーロッド63を押し引き駆動するアクチュエーター(シリンダーユニット)64とから構成されている。
【0029】
搬送台車1が支柱型受け台3の取付け取外し作業場所の定位置に停止した状態で、アクチュエーター64によりプッシャーロッド63を進出させ、その先端で垂直軸ローラー62を介して被操作レバー61を押すことにより、レバー状可動片59をスプリング60の付勢力に抗して垂直支軸58の周りに回動させると、当該レバー状可動片59の先端押し部59aが搬送台車1側のロック手段44に設けられたロック解除操作部55のレバー部49b(垂直軸ローラー56)を押して、可動板49を付勢手段51の付勢力に抗する方向に回動させる。この結果、図7に示すロック作用姿勢にあった各係止片50が、図8に示すロック解除姿勢に切り換えられる。尚、このときロック解除操作部55のレバー部49bの垂直軸ローラー56を受け止めるストッパー65が併設され、レバー状可動片59の先端押し部59aが垂直軸ローラー56をストッパー65との間で挟み付けることにより、各係止片50がロック解除姿勢に保持される。
【0030】
搬送台車1の作業床面17に設けられた各位置決め孔46には、当該位置決め孔46の内径と各ロックピン45a〜45dの外径との差による位置ずれ量を許容範囲内に狭めると共に、当該ロックピン45a〜45dの抜き差し運動が円滑に行われるように、作業床面17の下側でロックピン45a〜45dの昇降ガイド用ローラーユニット66が併設されている。この各昇降ガイド用ローラーユニット66は、位置決め孔46に差し込まれた各ロックピン45a〜45dの周方向3箇所に近接する3つの水平軸ローラー67から構成されたもので、図示省略しているが、昇降テーブル27のテーブル本体28に設けられるテーブル型受け台2,4の位置決め孔39にも上記構成の昇降ガイド用ローラーユニット66を併設することができる。更に、図示省略したが、各位置決め孔39,46には、スプリングで上動してこれら位置決め孔39,46を下側から塞ぐカバープレートを軸支しておき、位置決めピン38やロックピン45a〜45dが差し込まれていない位置決め孔39,46から内部に異物が入り込むのを防止することができる。このカバープレートは、位置決め孔39,46に差し込まれる位置決めピン38やロックピン45a〜45dに押し退けられて自動的に横側方に開動する。
【0031】
上記ロック手段44の各ロックピン45a〜45dには、図9B,Cに示すように、係止片50の先端部が水平横方向に入り込む係合溝68が形成されている。図7に示すロック作用姿勢にある係止片50は、その先端部が各ロックピン45a〜45dの係合溝68に嵌合することにより各ロックピン45a〜45dを抜け止めし、各ロックピン45a〜45dを備えた支柱型受け台3のベース43が搬送台車1の作業床面17から不当に浮き上がったり、ロックピン45a〜45dが位置決め孔46から抜けて支柱型受け台3の支柱部材40a,40bが倒伏するのを防止するが、ベース43の上下方向の遊びをゼロにするか又はできる限り小さくするために、図示のようにロックピン45a〜45dの係合溝68の下側面68aを、係止片50の先端部が進入する方向側ほど上がるように傾斜させ、必要に応じて係止片50の先端部の下側面50aも前記係合溝68の下側面68aと同一方向に傾斜させ、ロックピン45a〜45dの係合溝68に各係止片50の先端部が水平方向に嵌合したとき、各係止片50の先端部下側面50aとロックピン45a〜45dの係合溝68の下側面68aとの相対摺接運動で各係止片50がロックピン45a〜45dを引き下ろす方向に押圧するように構成することができる。
【0032】
図1に示す作業ライン間走行経路T−S,S−F1の並列走行経路部12a,12b間に配設された受け台交換設備13Aについて説明すると、この受け台交換設備13Aは、図12に示すように、作業ライン間走行経路T−Sの並列走行経路部12aの内側に隣接して配設された受け台交換装置69と、作業ライン間走行経路S−F1の並列走行経路部12bの内側に隣接して配設された受け台交換装置70、及びこれら受け台交換装置69,70の両側に配設された受け台送り手段71,72から構成されている。
【0033】
一方の受け台交換装置69は、並列走行経路部12aの定位置に停止した搬送台車1に対する受け台取付け取外し位置P1とその両側の受け台受取り位置P2及び受け台渡し位置P3との間で往復移動自在であって前記受け台取付け取外し位置P1に択一的に位置させることができる受け台取外し台車73と受け台取付け台車74とを備えている。而して、この受け台交換装置69における受け台取外し台車73は、トリムラインTから退出してきた搬送台車1上からトリムラインT用の低支持用テーブル型受け台2を取り外し、受け台取付け台車74は、トリムラインT用の低支持用テーブル型受け台2が取り外された搬送台車1上に次のシャーシーラインS用の支柱型受け台3を取り付けるものである。他方の受け台交換装置70は、並列走行経路部12bの定位置に停止した搬送台車1に対する受け台取付け取外し位置P1とその両側の受け台受取り位置P2及び受け台渡し位置P3との間で往復移動自在であって前記受け台取付け取外し位置P1に択一的に位置させることができる受け台取外し台車75と受け台取付け台車76とを備えている。而して、この受け台交換装置70における受け台取外し台車75は、シャーシーラインSから退出してきた搬送台車1上からシャーシーラインS用の支柱型受け台3を取り外し、受け台取付け台車76は、シャーシーラインS用の支柱型受け台3が取り外された搬送台車1上に次の第一ファイナルラインF1用の低支持用テーブル型受け台2(トリムラインT用の低支持用テーブル型受け台2と同一のもの)を取り付けるものである。
【0034】
従って、何れも低支持用テーブル型受け台2を取り扱う受け台取外し台車73と受け台取付け台車76とは同一構造のものであって、図14に示すように台車73,76上には、垂直軸心77aの周りに水平旋回自在な旋回台77bに一端部が支持されて台車の一側方に水平に延出するアーム77が設けられ、このアーム77の下側には低支持用テーブル型受け台2を把持する受け台把持手段78が昇降自在に取り付けられている。79はアーム旋回駆動手段であって、アーム77の旋回軸心である垂直軸心77aと同心状に旋回台77bに固着されたリング状内歯平歯車80と、台車73,76側に取り付けられたモーター81、及びモーター81の出力軸に取り付けられ且つリング状内歯平歯車80に咬合する小径の平歯車82から構成され、当該モーター81で平歯車82を正逆回転駆動することにより、アーム77を垂直軸心77aの周りで水平略90度の範囲内で正逆往復回転させることができる。このアーム77の下側には一対の支柱部83a,83bが直角下向きに突設され、これら両支柱部83a,83bの内側に昇降駆動手段84a,84bを介してアーム77と平行に配置された昇降梁材85の両端が支持され、この昇降梁材85の下側に受け台把持手段78が取り付けられている。
【0035】
昇降駆動手段84a,84bは左右対称構造のもので、支柱部83a,83bの内側に自転のみ可能に支承された垂直螺軸86、これら垂直螺軸86を正逆回転駆動するモーター87、支柱部83a,83bの内側に敷設された昇降ガイドレール88、及び昇降ガイドレール88に昇降自在に支持され且つ垂直螺軸86に螺嵌する昇降部材89から構成され、昇降梁材85が両昇降駆動手段84a,84bの昇降部材89間に架設されている。従って、両昇降駆動手段84a,84bのモーター87で垂直螺軸86を同一方向に回転駆動して左右一対の昇降部材89を同期させて昇降運動させることにより、昇降梁材85(受け台把持手段78)を平行に昇降運動させることができる。
【0036】
受け台把持手段78は、昇降梁材85の下側にこの昇降梁材85と平行に自転のみ可能に支承された水平螺軸90、この水平螺軸90を正逆回転駆動するモーター91、昇降梁材85の下側にこの昇降梁材85と平行に敷設された水平ガイドレール92、水平ガイドレール92にスライド可能に支持され且つ水平螺軸90に設けられた一対の互いに逆ねじの螺軸部90a,90bに各別に螺嵌する一対の横動部材93a,93b、及び両横動部材93a,93bの下端部に水平外向きに突設された係止ピン94a,94bから構成されている。従って、モーター91により水平螺軸90を正逆回転駆動して左右一対の横動部材93a,93bを互いに逆方向に接近又は離間移動させることができる。而して、左右一対の係止ピン94a,94bを、低支持用テーブル型受け台2のフレーム36の内側で互いに離間する外向きに移動させることにより、当該フレーム36の対向内側面に設けた係止孔に嵌合させて把持させ、又は左右一対の係止ピン94a,94bを互いに接近する内向きに移動させることにより、当該フレーム36の対向内側面に設けた係止孔から退出させて把持を解除させることができる。
【0037】
一方、何れも支柱型受け台3を取り扱う受け台取付け台車74と受け台取外し台車75とは同一構造のものであって、図15に示すように台車74,75上には、垂直軸心95aの周りに水平旋回自在な旋回台95bが設けられ、この旋回台95b上に支柱部材95cを介して一端部が支持されて台車から一側方に水平に延出するアーム95が設けられ、このアーム95の下側には支柱型受け台3を把持する受け台把持手段96が昇降自在に取り付けられている。旋回台95bを介してアーム95を旋回駆動するアーム旋回駆動手段97は、受け台取外し台車73と受け台取付け台車76とに設けられたアーム旋回駆動手段79と同一構造であるから、同一符号を付して構造及び作用の説明は省略する。
【0038】
アーム95の下側には一対の支柱部98a,98bが直角下向きに突設され、これら両支柱部98a,98bの内側に昇降駆動手段99a,99bを介してアーム95と平行に配置された昇降梁材100の両端が支持され、この昇降梁材100の下側に受け台把持手段96が取り付けられているが、昇降駆動手段99a,99bは、受け台取外し台車73と受け台取付け台車76とに設けられた昇降駆動手段84a,84bと同一構造であるから、同一符号を付して構造及び作用の説明は省略する。
【0039】
受け台把持手段96は、支柱型受け台3を構成する左右一対の支柱部材40a,40b(前後方向桁材41及び受け部42を含む)を各別に把持する左右一対の把持手段96A,96Bから構成され、両把持手段96A,96Bは左右対称構造のもので、それぞれは受け台取外し台車73と受け台取付け台車76とに設けられた受け台把持手段78と基本構造が同一であるから、同一符号を付して構造説明は省略するが、異なる点は、受け台把持手段78では一対の横動部材93a,93bの下端に水平外向きに係止ピン94a,94bが突設されているのに対し、この把持手段96A,96Bでは、一対の横動部材93a,93bの下端に水平内向きに係止ピン94a,94bが突設されている点である。従って、各把持手段96A,96Bでは、モーター91により水平螺軸90を正逆回転駆動して左右一対の横動部材93a,93bを互いに逆方向に接近又は離間移動させることができるのであるが、左右一対の係止ピン94a,94bを、支柱型受け台3の各支柱部材40a,40bの上端の前後方向桁材41を左右両側から挟む状態で互いに接近移動させることにより、当該前後方向桁材41の左右両側面に設けた係止孔に内向きに嵌合させて把持させ、又は左右一対の係止ピン94a,94bを互いに離間移動させて、前後方向桁材41の左右両側面に設けた係止孔から外向きに退出させて把持を解除させることができる。
【0040】
図12〜図15に示すように、受け台交換装置69の2台の台車73,74及び受け台交換装置70の2台の台車75,76の支持構造及び走行駆動手段は同一であって、各台車73〜76は、受け台交換装置69,70ごとに並列走行経路部12a,12bと平行に架台101上に敷設された左右一対のスライドガイドレール102に左右一対前後二組のスライドガイドブロック103を介して往復移動自在に支持され、各台車73〜76の走行駆動手段107は、一方のスライドガイドレール102と平行に隣接するように架台101に取り付けられたラックギヤ104と各台車73〜76に取り付けられたモーター105、及びこのモーター105の出力軸に取り付けられて前記ラックギヤ104に咬合するピニオンギヤ106から構成され、各台車73〜76のモーター105を各別に稼働させてピニオンギヤ106を正逆回転駆動することにより、各台車73〜76を各別に受け台取付け取外し位置P1と受け台受取り位置P2及び受け台渡し位置P3との間で往復走行移動させることができる。
【0041】
受け台交換設備13Aにおける受け台交換装置69の受け台取外し台車73と受け台交換装置70の受け台取付け台車76は、これら受け台交換装置69,70の受け台取付け台車74及び受け台取外し台車75に対して、これら受け台交換装置69,70が隣接する各並列走行経路部12a,12b(台車走行方向は互いに逆向き)の台車走行方向に関して上手側に配置されている。従って、この受け台交換設備13Aにおける受け台送り手段71は、受け台交換装置69の受け台取外し台車73と受け台交換装置70の受け台取付け台車76とに隣接する側に配設されたもので、左右一対のガイドレール108上に支持された受け台搬送台車109を備え、この受け台搬送台車109を適当な走行駆動手段により、受け台交換装置69の受け台取外し台車73に隣接する受け台受取り位置P4と受け台交換装置70の受け台取付け台車76に隣接する受け台渡し位置P5との間で往復走行させることができるものである。又、この受け台交換設備13Aにおける受け台送り手段72は、受け台交換装置70の受け台取外し台車75と受け台交換装置69の受け台取付け台車74とに隣接する側に配設されたもので、左右一対のガイドレール110上に支持された受け台搬送台車111を備え、この受け台搬送台車111を適当な走行駆動手段により、受け台交換装置70の受け台取外し台車75に隣接する受け台受取り位置P4と受け台交換装置69の受け台取付け台車74に隣接する受け台渡し位置P5との間で往復走行させることができるものである。尚、受け台送り手段71の受け台搬送台車109には、低支持用テーブル型受け台2の2本の位置決めピン38が抜き差し自在に差し込まれる位置決め孔が設けられ、受け台送り手段72の受け台搬送台車111には、支柱型受け台3の左右一対の支柱部材40a,40bが有する各4本のロックピン45a〜45dが抜き差し自在に差し込まれる位置決め孔が設けられている。
【0042】
図1及び図16に示す受け台交換設備13Bは、図において、受け台交換設備13Aと対応する部分に受け台交換設備13Bを表す「B」を符号の前に付して示すように、受け台交換設備13Aと基本構成が同一のものである。異なる点は、受け台交換設備13Aで取り扱うのは、低支持用テーブル型受け台2と支柱型受け台3であるのに対し、受け台交換設備13Bで取り扱うのは、低支持用テーブル型受け台2と高支持用テーブル型受け台4であるから、受け台交換設備13Bにおいて低支持用テーブル型受け台2を取り扱う受け台交換装置B69の受け台取外し台車B73と受け台交換装置B70の受け台取付け台車B76は、受け台交換設備13Aの受け台取外し台車73と受け台取付け台車76と同一であり、受け台交換設備13Bにおいて高支持用テーブル型受け台4を取り扱う受け台交換装置B69の受け台取付け台車B74と受け台交換装置B70の受け台取外し台車B75は、低支持用テーブル型受け台2を取り扱う受け台取外し台車73(B73)と受け台取付け台車76(B76)のアーム77の高さを高支持用テーブル型受け台4に適合するように高くしたものが使用されている。又、受け台送り手段B71,B72は、何れも支持される底部構造が同一の低支持用テーブル型受け台2と高支持用テーブル型受け台4とを取り扱うものであるから、全て受け台交換設備13Aの受け台送り手段71,72と同一構造になる。
【0043】
以下、以上のように構成された自動車の最終組立て作業設備全体の使用方法について説明する。図1に示すように、コンベヤライン5から車体搬入手段6に移載された車体Bは、この車体搬入手段6に対する定位置に停止している搬送台車1上に当該車体搬入手段6により移載される。この搬送台車1は、上手側の第二ファイナルラインF2から送り出される空の搬送台車1であって、受け台交換設備13Bにおける受け台交換装置B70により、第二ファイナルラインF2で使用されていた高支持用テーブル型受け台4からトリムラインTで使用する低支持用テーブル型受け台2に交換されている。而して、車体搬入手段6により低支持用テーブル型受け台2上に車体Bが移載された搬送台車1は、トリムラインT内に順次送り込まれ、このトリムラインT内において前後当接状態で定速走行する各搬送台車1上の車体Bに対して所要の作業が行われる。
【0044】
トリムラインTには、搬送台車1が備える昇降テーブル27のテーブル本体28を上昇させるカム30は敷設されていない。従って図2に示すように、テーブル本体28は下降限レベルで安定しており、このテーブル本体28の上に載置されて受け台2側の位置決めピン38がテーブル本体28側の位置決め孔39に差し込まれた状態の低支持用テーブル型受け台2上に支持された車体Bは、トリムラインTでの作業に好適な最も低い第一レベルL1(図2〜図4参照)で支持されている。そして、図10に示すように、低支持用テーブル型受け台2は、平面視において車体Bと重なる位置にあって、車体Bの周囲には、搬送台車1の平坦な作業床面17が存在するだけであるから、当該車体B周囲からの作業を楽に安全に行うことができる。而して、トリムラインTの往行経路部Taから復行経路Tbを経由して当該トリムラインTから作業ライン間走行経路T−Sに送り出された各搬送台車1は、図1に示す方向転換用ターンテーブル9a,9bを経由して、受け台交換設備13Aの図12に示す受け台交換装置69における受け台取付け取外し位置P1に対応する定位置で停止する。
【0045】
受け台交換装置69の受け台取付け取外し位置P1に対応する定位置には、受け台交換装置69のある側とは反対側に、図1に示す車体受け渡し手段14aが配設されているので、定位置で停止した搬送台車1の受け台2上に支持されている車体Bを当該車体受け渡し手段14aにより搬送台車1の上方横側方に移動させ、一時退避させる。この後、図12に仮想線で示すように、受け台渡し位置P3にあって且つアーム77を受け台送り手段71の受け台受取り位置P4の方に向けて待機していた受け台交換装置69の受け台取外し台車73を、図12に実線で示すように、受け台取付け取外し位置P1へ移動させると共に、そのアーム77を直角横向きに旋回させ、当該アーム77の下側に設けられている受け台把持手段78を、定位置で停止している搬送台車1上の空の受け台2の上方定位置に位置させる。図14は、受け台送り手段71の受け台搬送台車109との間の受け台2の受け渡しを説明する図であるが、この図の受け台搬送台車109上の受け台2とアーム77側の受け台把持手段78との位置関係は、搬送台車1上の受け台2とアーム77側の受け台把持手段78との位置関係と全く同一であるから、この図を参照して搬送台車1上の受け台2を取り外す作用を説明する。
【0046】
受け台取外し台車73の受け台把持手段78を、定位置で停止している搬送台車1上の空の受け台2の上方定位置に位置させたならば、左右一対の横動部材93a,93bが図示のように互いに内側に接近移動した待機状態にある受け台把持手段78を、昇降駆動手段84a,84bにより昇降梁材85を介して所定距離だけ降下させる。この結果、当該横動部材93a,93bの下端外側に突設されている左右一対の係止ピン94a,94bが受け台2のフレーム36間を降下し、当該係止ピン94a,94bが受け台フレーム36側の係止孔と同心状に対向するレベルで停止するので、係る状態で、次にモーター91を作動させて左右一対の横動部材93a,93bを互いに離間する方向に所定距離移動させ、左右一対の係止ピン94a,94bを受け台フレーム36側の一対の係止孔に嵌合させる。この後、昇降駆動手段84a,84bによって受け台把持手段78を、昇降梁材85を介して所定距離だけ上昇させることにより、搬送台車1上(昇降テーブル27上)の低支持用テーブル型受け台2が、その位置決めピン38がテーブル本体28の位置決め孔39から引き抜かれて所定高さまで吊り上げられる。
【0047】
次に受け台取外し台車73を、図12に仮想線で示すように、受け台取付け取外し位置P1から受け台渡し位置P3まで横動させると共に、アーム77をアーム旋回駆動手段79により搬送台車1から離れる方向に90度旋回させ、当該アーム77下側の受け台把持手段78で把持されて吊り上げられている受け台2を、受け台送り手段71の受け台受取り位置P4の真上位置へ旋回移動させる。一方、受け台送り手段71の受け台受取り位置P4には空の受け台搬送台車109が待機しているので、受け台2を把持している上昇位置の受け台把持手段78を昇降駆動手段84a,84bにより昇降梁材85を介して所定距離だけ降下させることにより、当該受け台2の位置決めピン38を受け台搬送台車109に設けられている位置決め孔に差し込みながらベース37を受け台搬送台車109上に着床させ、受け台2を受け台搬送台車109上に移載させる。この後、図14に示すように、左右一対の横動部材93a,93bを内側に接近移動した待機状態に戻して係止ピン94a,94bを受け台フレーム36側の係止孔から離脱させると共に、昇降駆動手段84a,84bにより昇降梁材85を介して受け台把持手段78を元の待機レベルまで上昇させる。低支持用テーブル型受け台2が移載された受け台搬送台車109は、受け台渡し位置P5まで移動させる。
【0048】
一方、この受け台交換装置69の受け台取付け台車74は、図12に実線で示すように、受け台受取り位置P2にあって、そのアーム95を受け台送り手段72の受け台渡し位置P5に向けた待機状態にあるが、この受け台送り手段72の受け台渡し位置P5には、後述するように、シャーシーラインSから送り出された搬送台車1上から受け台交換装置70の受け台取外し台車75で取り外された支柱型受け台3を支持している受け台搬送台車111が待機しているので、図15に示すように、受け台取付け台車74の受け台把持手段96における左右一対の把持手段96A,96Bを、それぞれの横動部材93a,93bが離間移動して一対の係止ピン94a,94bが開いている状態で、昇降駆動手段99a,99bにより昇降梁材100を上昇限レベルから所定距離降下させ、各把持手段96A,96Bの開いている一対の係止ピン94a,94bを、受け台搬送台車111上の支柱型受け台3における左右一対の支柱部材40a,40bの上端前後方向桁材41に設けられている係止孔に同心状に対向させる。係る状態で、各把持手段96A,96Bの一対の係止ピン94a,94bを、所定距離だけそれぞれ互いに接近移動させることにより、支柱型受け台3側の各係止孔に嵌合させる。この後、昇降駆動手段99a,99bにより昇降梁材100を上昇限レベルまで上昇させ、各把持手段96A,96Bの係止ピン94a,94bを介して支柱型受け台3を受け台搬送台車111上から、各ロックピン45a〜45dを受け台搬送台車111側の位置決め孔から引き抜くように所定高さまで吊り上げる。空になった受け台搬送台車111は、直ちに受け台受取り位置P4まで戻しておく。
【0049】
上記のようにして支柱型受け台3を受け台把持手段96で把持してアーム95で吊り上げている受け台取付け台車74は、先に説明したように搬送台車1上から低支持用テーブル型受け台2を取り外した受け台取外し台車73が受け台取付け取外し位置P1から受け台渡し位置P3へ移動することによって、受け台取付け取外し位置P1が空いたとき、受け台受取り位置P2から受け台取付け取外し位置P1へ移動させると共に、アーム95を搬送台車1側へ90度水平に旋回させることにより、当該アーム95で吊り下げている支柱型受け台3を、先に低支持用テーブル型受け台2が取り外された状態の搬送台車1上の所定位置の真上に位置させることができる。この状態で、昇降駆動手段99a,99bにより昇降梁材100を介して受け台把持手段96を所定距離だけ降下させることにより、吊り下げられていた支柱型受け台3の一対の支柱部材40a,40bを、その下端の各ロックピン45a〜45dを搬送台車1の作業床面17に設けられている各位置決め孔46に差し込みながらベース43を搬送台車1の作業床面17上に着床させ、搬送台車1上に移載させることができる。
【0050】
尚、受け台交換設備13Aの受け台交換装置69における受け台取付け取外し位置P1に隣接する搬送台車1の停止位置は、支柱型受け台3の取付け作業場所でもあるから、先に説明したように当該支柱型受け台3の取付け作業場所には、図7に示すロック解除用操作手段57が配設されている。而して、受け台交換装置69における受け台取付け取外し位置P1に隣接する定位置に搬送台車1が停止したとき、前記ロック解除用操作手段57は、当該搬送台車1の底部で左右両側に配設されているロック手段44のロック解除操作部55に対して図示のような位置関係にあるから、搬送台車1の停止後にロック解除用操作手段57のアクチュエーター64を作動させ、図8に示すように、進出移動するプッシャーロッド63で、垂直軸ローラー62と被操作レバー61を介してレバー状可動片59をスプリング60の付勢力に抗して垂直支軸58の周りに回動させ、その先端の押し部59aでロック手段44側のロック解除操作部55である垂直軸ローラー56をストッパー65との間で挟む位置まで押圧させる。この結果、レバー部49bを介して可動板49が垂直支軸48の周りで付勢手段51(スプリングシリンダー54)の付勢力に抗して所定角度だけ回動し、可動板49の周囲の各係止片50が、支柱型受け台3側の各ロックピン45a〜45dが差し込まれる位置決め孔46の真下位置から横側方に逃げたロック解除状態に切り換えられる。
【0051】
従って、先に説明した受け台交換装置69の受け台取付け台車74によって搬送台車1上に支柱型受け台3が吊り下ろされる時には、当該搬送台車1側の支柱型受け台3をロックするロック手段44がロック解除状態に切り換えられているので、支柱型受け台3側の各ロックピン45a〜45dは、搬送台車1側の各位置決め孔46に支障なく差し込むことができる。そして支柱型受け台3の左右一対の支柱部材40a,40bが搬送台車1の作業床面17上の所定位置に、各ロックピン45a〜45dが各位置決め孔46に差し込まれて各ベース43が作業床面17に着床する状態に移載されたならば、当該支柱型受け台3を吊り下ろした受け台把持手段96の各把持手段96A,96Bにおける横動部材93a,93bを離間移動させて係止ピン94a,94bを支柱部材40a,40b側の係止孔から離脱させると共に、昇降駆動手段99a,99bにより昇降梁材100を元の待機レベルまで上昇させる。そして、受け台取付け台車74を受け台取付け取外し位置P1から受け台受取り位置P2に戻すと共に、アーム95を受け台送り手段72のある側へ水平に90度旋回させることにより、一連の受け台交換作業、即ち、車体受け渡し手段14aで車体Bを一時搬送台車1上から退避させた状態で、上手側のトリムラインTで使用されていた低支持用テーブル型受け台2を搬送台車1上から取り外し、その後へ下手側のシャーシーラインSで使用する支柱型受け台3を取り付ける作業が完了する。
【0052】
支柱型受け台3を搬送台車1上に移載し終わった後、ロック解除用操作手段57のプッシャーロッド63を後退移動させ、図7に示すように、レバー状可動片59をスプリング60の付勢力で元の退避姿勢に戻すことにより、ロック手段44における可動板49が付勢手段51の付勢力で元の姿勢、即ち、レバー部49aの先端の垂直軸ローラー53が付勢手段51のプッシャー(ピストンロッド)54aとストッパー52とで挟まれて固定されるロック作用姿勢に復帰する。この結果、各係止片50の先端部が各ロックピン45a〜45dの係合溝68(図9B,C参照)に係合して各ロックピン45a〜45dが引き抜き不能な状態に切り換わり、支柱型受け台3が搬送台車1に対してロックされ、不当な揺れや倒伏が確実に防止される。又、搬送台車1の走行開始時にロック解除用操作手段57のレバー状可動片59と搬送台車1側のロック手段44のロック解除操作部55とが干渉することもない。
【0053】
受け台交換装置69での搬送台車1上の受け台交換が完了したならば、車体受け渡し手段14aにより退避させていた車体Bを当該車体受け渡し手段14aにより当該搬送台車1上に戻すと、この車体Bは搬送台車1上の交換された支柱型受け台3上に移載される。即ち、図5及び図6に示すように、車体Bの左右両側辺が支柱型受け台3の左右一対の支柱部材40a,40bの上端から内側へ片持ち状に延出する受け具42で支持され、その支持レベルは、図2に仮想線で示すように、車体Bの下側に作業者が立ち入ることができる最高の第三レベルL3となる。このように交換後の支柱型受け台3上に車体Bが戻された後の搬送台車1は、その下手側につながるシャーシーラインSへと送り込まれるが、その各搬送台車1は、図1に示す台車向き転換手段10によって走行方向に対し直角横向きに姿勢が転換された後にシャーシーラインSへ送り込まれる。而して、シャーシーラインSにおいて左右側辺どうしが互いに当接する状態で定速走行する各搬送台車1上の最高の第三レベルL3で支持された車体Bに対し、作業者が当該車体Bの下側に立ち入った状態で、この車体Bに吊り込まれたエンジンなどの組付け作業などが行われるが、このとき搬送台車1上の昇降テーブル27は、上手側のトリムラインTにあるときから下降限レベルにあって、そのテーブル本体28のテーブル面28aは搬送台車1の平坦な作業床面17と面一であるから、車体Bの下側のテーブル面28aを含む平坦な作業床面17上でシャーシーラインSでの作業は容易且つ安全に行われる。
【0054】
シャーシーラインSの往行経路部Saから通常の走行向きに戻されて縦列状態で走行する復行経路部Sbを経てシャーシーラインSから送り出される各搬送台車1は、トラバーサー11bを経由して受け台交換設備13Aの受け台交換装置70に沿った並列走行経路部12bに送り込まれ、図12に示す当該受け台交換装置70の受け台取付け取外し位置P1に対応する定位置で停止する。そして図1に示すように、この受け台交換装置70のある側とは反対側(外側)の車体受け渡し手段14bによって、停止した搬送台車1の支柱型受け台3上の車体Bを上方横側方に移動させ、一時退避させる。
【0055】
この受け台交換装置70における受け台取付け取外し位置P1に隣接する搬送台車1の停止位置は、支柱型受け台3の取外し作業場所であるから、先に説明したように当該支柱型受け台3の取外し作業場所には、図7に示すロック解除用操作手段57が配設されている。而して、上記定位置で搬送台車1が停止したとき、前記ロック解除用操作手段57は、当該搬送台車1の底部で左右両側に配設されているロック手段44のロック解除操作部55に対して図示のような位置関係にあるから、搬送台車1の停止後にロック解除用操作手段57のアクチュエーター64を作動させて、先に説明した受け台交換装置69の位置でのロック解除操作と同一のロック解除操作を行うことにより、図8に示すように、各係止片50を支柱型受け台3側の各ロックピン45a〜45dから横側方に離脱移動させ、支柱型受け台3のロックを解除して支柱型受け台3を上方に吊り上げ可能な状態に切り換える。
【0056】
一方、定位置に停止した搬送台車1上から車体Bを一時退避させ終わった後、図12に仮想線で示すように、受け台渡し位置P3にあって且つアーム95を受け台送り手段72の受け台受取り位置P4の方に向けて待機していた受け台交換装置70の受け台取外し台車75を、図12に実線で示すように、受け台取付け取外し位置P1へ移動させると共に、そのアーム95を直角横向きに旋回させ、当該アーム95の下側の受け台把持手段96を、定位置で停止している搬送台車1上の空の支柱型受け台3の上方定位置に位置させる。図15は、受け台送り手段72の受け台搬送台車111との間の支柱型受け台3の受け渡しを説明する図であるが、この図の受け台搬送台車111上の支柱型受け台3とアーム95側の受け台把持手段96との位置関係は、搬送台車1上の支柱型受け台3とアーム95側の受け台把持手段96との位置関係と全く同一である。
【0057】
而して、この受け台交換装置70における受け台取外し台車75による搬送台車1上からの支柱型受け台3の取外し作用と、取り外した支柱型受け台3を受け台送り手段72の受け台搬送台車111上へ移載する一連の作用は、先に説明した受け台交換装置69における受け台取付け台車74の一連の作用、即ち、受け台送り手段72の受け台搬送台車111上から支柱型受け台3を受け取る作用と、受け取った支柱型受け台3を搬送台車1上に移載する取付け作用と全く同一であるから、概要を説明すると、上記のように受け台取付け取外し位置P1へ移動させた受け台取外し台車75のアーム95を、定位置で停止している搬送台車1上の空の支柱型受け台3の上方定位置に位置させたならば、受け台把持手段96の左右一対の把持手段96A,96Bを所定距離だけ降下させた状態で各把持手段96A,96Bを作動させ、その係止ピン94a,94bを支柱型受け台3における左右一対の支柱部材40a,40b側の係止孔に嵌合させて把持させる。この後、受け台把持手段96を所定距離だけ上昇させて、把持した支柱型受け台3を、ロック解除されている各ロックピン45a〜45dを搬送台車1側の位置決め孔46から引き抜くようにして所定高さまで吊り上げる。続いて受け台取外し台車75を受け台取付け取外し位置P1から受け台渡し位置P3へ移動させると共に、アーム95を受け台送り手段72の受け台受取り位置P4に向くように90度水平に旋回させる。このようにしてアーム95下の受け台把持手段96で吊り上げ状態の支柱型受け台3を、受け台受取り位置P4で待機している受け台送り手段72の受け台搬送台車111の真上所定位置まで移動させたならば、受け台把持手段96を支柱型受け台3の吊り上げ作用とは逆の手順で作用させ、この受け台把持手段96で吊り上げている支柱型受け台3を受け台搬送台車111上の所定位置に下ろして載置させる。このときも支柱型受け台3の各ロックピン45a〜45dは、受け台搬送台車111側の各位置決め孔に差し込まれ、位置決めされる。
【0058】
上記のように搬送台車1上から支柱型受け台3を取り外したならば、受け台交換装置70の受け台取付け台車76により、次の下手側の第一ファイナルラインF1で使用する低支持用テーブル型受け台2、即ち、この受け台交換設備13Aの受け台交換装置69で搬送台車1上から取り外されて受け台送り手段71の受け台搬送台車109上に移載されている、シャーシーラインSより1つ上手側のトリムラインTで使用されていた低支持用テーブル型受け台2が、支柱型受け台3が取り外された後の搬送台車1上に取り付けられる。受け台送り手段71の受け台搬送台車109上に移載された前記低支持用テーブル型受け台2は、当該受け台搬送台車109によって受け台渡し位置P5まで搬送されて待機している。
【0059】
而して、受け台交換装置70における受け台取付け台車76による一連の作用、即ち、受け台搬送台車109上からの受け台2の受取り作用と、受け取った受け台2を搬送台車1上に移載する取付け作用とは、先に説明した受け台交換装置69における受け台取外し台車73による一連の作用、即ち、搬送台車1上から受け台2を取り外す作用と、取り外した受け台2を受け台送り手段71の受け台搬送台車109上に移載する作用と全く同一であるから、図12と図14に基づいて概要を説明すると、受け台受取り位置P2にあってアーム77が受け台送り手段71の受け台渡し位置P5で待機している受け台搬送台車109の上方所定位置に位置する状態で、当該アーム77下側の受け台把持手段78を所定距離だけ降下させると共にその受け台把持手段78を作動させ、係止ピン94a,94bを受け台2側の係止孔に嵌合させて把持させる。この後、受け台把持手段78を所定距離だけ上昇させて、把持した受け台2を、その位置決めピン38を受け台搬送台車109側の位置決め孔から引き抜くようにして所定高さまで吊り上げる。続いて受け台取付け台車76を受け台受取り位置P2から受け台取付け取外し位置P1へ移動させると共に、アーム77を待機中の搬送台車1の上方に向くように90度水平に旋回させる。このようにしてアーム77下の受け台把持手段78で吊り上げ状態の受け台2を、定位置で待機している搬送台車1上の真上所定位置まで移動させたならば、受け台把持手段78を受け台2の吊り上げ作用とは逆の手順で作用させ、この受け台把持手段78で吊り上げている受け台2を搬送台車1上の昇降テーブル27上の所定位置に下ろして載置させる。このときも受け台2の各位置決めピン38は、搬送台車1の昇降テーブル27のテーブル本体28に設けられている各位置決め孔39に差し込まれ、位置決めされる。
【0060】
以上で一連の受け台交換作業、即ち、車体受け渡し手段14bで車体Bを一時搬送台車1上から退避させた状態で、上手側のシャーシーラインSで使用されていた支柱型受け台3を搬送台車1上から取り外し、その後へ下手側の第一ファイナルラインF1で使用する低支持用テーブル型受け台2を取り付ける作業が完了する。
【0061】
受け台交換装置70での搬送台車1上の受け台交換が完了したならば、車体受け渡し手段14bにより退避させていた車体Bを当該車体受け渡し手段14bにより当該搬送台車1上に戻すと、この車体Bは搬送台車1上の交換された低支持用テーブル型受け台2上に移載される。この状態では、下降限レベルまで下げられて搬送台車1の作業床面17と面一状態のテーブル本体28の上に、トリムラインTで使用していた低支持用テーブル型受け台2を介して車体Bが支持されるので、当該車体Bの支持レベルは、この時点ではトリムラインTでの支持レベルと同一の最低の第一レベルL1(図2〜図4参照)である。この状態に車体Bが支持された搬送台車1は、次の第一ファイナルラインF1に向かって走行するが、この走行に先立って、ロック解除用操作手段57のプッシャーロッド63を後退移動させ、図7に示すように、ロック手段44における各係止片50を元のロック作用位置に復帰させておくことにより、搬送台車1の走行開始時にロック解除用操作手段57のレバー状可動片59と搬送台車1側のロック手段44のロック解除操作部55とが干渉することはない。
【0062】
受け台交換設備13Aから次の第一ファイナルラインF1に向かって走行開始した搬送台車1は、図1の方向転換用ターンテーブル9c,9dを経由して第一ファイナルラインF1に進入し、この第一ファイナルラインF1においても、前後両端が互いに当接する状態で低速走行することになるが、この第一ファイナルラインF1には、昇降テーブル27を上昇限レベルまで上昇させておくカム30(カムレール30a,30b)が、図2の仮想線、図3、及び図4に示すように、必要区間にわたって敷設されている。従って、このカム30が敷設された区間内を搬送台車1が走行するときは、当該カム30(カムレール30a,30b)によって昇降テーブル27のテーブル本体28が、図3及び図4に示すように、搬送台車1の作業床面17に対し所定高さまで上昇した状態になり、このテーブル本体28上に取り付けられている低支持用テーブル型受け台2で支持される車体Bは、トリムラインTでの支持レベル、即ち、低支持用テーブル型受け台2の高さに相当する最低の第一レベルL1より、テーブル本体28の上昇高さ分だけ高い中間レベルL1+で支持されることになる。即ち、第一ファイナルラインF1での作業における好適な車体Bの支持レベルが、上記の昇降テーブル27と低支持用テーブル型受け台2とを併用して得られる中間レベルL1+であって、この結果、この第一ファイナルラインF1での車体Bに対する作業は容易且つ安全に行える。
【0063】
尚、第一ファイナルラインF1内での中間レベルL1+で車体Bを支持する区間が、当該第一ファイナルラインF1の全域に及ぶときは、カム30を第一ファイナルラインF1の直前から終端まで連続して敷設すれば良いが、場合によっては、第一ファイナルラインF1内の一定区間にだけカム30を敷設して、その一定区間だけ中間レベルL1+で車体Bを支持させ、残りの区間では昇降テーブル27のテーブル本体28を下降限まで下げて、トリムラインTと同一の最低の第一レベルL1で車体Bを支持させることもできる。
【0064】
第一ファイナルラインF1の往行経路部F1aから復行経路部F1bを経てこの第一ファイナルラインF1から送り出される各搬送台車1は、方向転換用ターンテーブル9e,9fを経由して、図16に示す受け台交換設備13Bの受け台交換装置B69に沿った並列走行経路部15aに送り込まれ、当該受け台交換装置B69の受け台取付け取外し位置P1に対応する定位置で停止する。そして図1に示すように、この受け台交換装置B69のある側とは反対側(外側)の車体受け渡し手段16によって、停止した搬送台車1の受け台2上の車体Bを上方横側方に移動させ、一時退避させる。
【0065】
この受け台交換設備13Bにおける受け台交換装置B69は、先に説明したように、第一ファイナルラインF1からの搬送台車1上の低支持用テーブル型受け台2を次の第二ファイナルラインF2で使用される高支持用テーブル型受け台4と交換するものであり、この受け台交換設備13Bにおける受け台交換装置B70は、第二ファイナルラインF2からの搬送台車1上の高支持用テーブル型受け台4を次のトリムラインTで使用される低支持用テーブル型受け台2に交換するものである。而して先の受け台交換設備13Aにおける受け台交換装置69,70とは、取り扱う受け台が、受け台交換設備13Aでは低支持用テーブル型受け台2と支柱型受け台3とであるのに対し、受け台交換設備13Bでは低支持用テーブル型受け台2と高支持用テーブル型受け台4とである点で異なるだけであり、交換作業そのものは全く同一であるから、説明は省略する。又、この受け台交換設備13Bでは、支柱型受け台3の取付け取外しは行われないので、ロック解除用操作手段57は配設されていない。
【0066】
而して、受け台交換設備13Bにおいて、車体受け渡し手段16により車体Bが一時退避された搬送台車1に対し、上手側の第一ファイナルラインF1で使用されていた低支持用テーブル型受け台2を下手側の第二ファイナルラインF2で使用される高支持用テーブル型受け台4に交換する受け台交換が完了すると、一時退避されていた車体Bが車体受け渡し手段16により搬送台車1上の高支持用テーブル型受け台4上に戻された後、この搬送台車1が最終段の第二ファイナルラインF2に送り込まれる。図2〜図4に示すように、高支持用テーブル型受け台4による車体Bの支持レベルは、昇降テーブル27と低支持用テーブル型受け台2との併用による中間レベルL1+より高いが、支柱型受け台3による車体Bの支持レベルL3よりも十分に低い、第二レベルL2である。即ち、第二ファイナルラインF2での作業は、この第二レベルL2で支持される車体Bに対して最も好適に行えるのである。尚、図1では、低支持用テーブル型受け台2と高支持用テーブル型受け台4との区別を容易にするため、高支持用テーブル型受け台4を円形で示している。
【0067】
この第二ファイナルラインF2においても、各搬送台車1はその前後両端が互いに当接する状態で低速走行し、その間に、高支持用テーブル型受け台4上に支持されている車体Bに対する所要の作業が行われる。そして往行経路部F2aから復行経路部F2bを経由して当該第二ファイナルラインF2の出口に達した搬送台車1は、図1に示す車体搬出手段7に対応する定位置で一旦停止し、当該搬送台車1の高支持用テーブル型受け台4上の一連の作業が終了した車体Bが車体搬出手段7によってコンベヤライン8に移載され、当該コンベヤライン8を経由してこの組立て作業設備から所要箇所へ搬出される。一方空になった搬送台車1は、図1に示すトラバーサー11bを経由して受け台交換設備13Bの受け台交換装置B70に隣接する並列走行経路部15bに送り込まれ、当該受け台交換装置B70における受け台取付け取外し位置P1に対応する定位置で停止する。ここで受け台交換装置B70により、搬送台車1上の高支持用テーブル型受け台4が取り外されると共に、受け台交換装置B69によって取り外されて受け台送り手段B71の受け台搬送台車109上で待機していた、第一ファイナルラインF1で使用されていた低支持用テーブル型受け台2が搬送台車1上に取り付けられる。受け台交換装置B70により取り外された高支持用テーブル型受け台4は、受け台送り手段B72の受け台搬送台車111上に移載されて待機し、受け台交換装置B69によって、この第二ファイナルラインF2に送り込まれる搬送台車1上に、上手側の第一ファイナルラインF1で使用されていた低支持用テーブル型受け台2に代えて取り付けられる。
【0068】
受け台交換設備13Bの受け台交換装置B70によってトリムラインTで使用される低支持用テーブル型受け台2が取り付けられた搬送台車1は、図1に示す他の作業ライン間走行経路と比較して長い作業ライン間走行経路F2−T内を方向転換用ターンテーブル9g,9hを経由して最初のトリムラインTに送り込まれる。即ち、搬送台車1は、この組立て作業設備の各作業ラインにおいて使用される低支持用テーブル型受け台2、支柱型受け台3、及び高支持用テーブル型受け台4の何れかが取り付けられた状態で、この組立て作業設備の全ての作業ラインを含む無端状の循環走行経路を循環走行するものである。又、低支持用テーブル型受け台2、支柱型受け台3、及び高支持用テーブル型受け台4は、それぞれ入り交じることなく特定の循環経路を循環移動しており、しかもその循環移動は、受け台交換設備13A,13B内の狭いエリア内を除けば、全て搬送台車1に取り付けられた状態で搬送台車1の走行によって実現され、他の受け台専用の循環移動のための搬送手段は使用されていない。従って、受け台の総数は、受け台交換設備13Aと受け台交換設備13B内で待機する僅かな台数だけ、搬送台車1の総台数より多いだけである。
【0069】
尚、以上の実施形態では、搬送台車1に昇降テーブル27を設けて、少なくとも1種類の受け台(低支持用テーブル型受け台2)を少なくとも2つの作業ライン(トリムラインTと第一ファイナルラインF1)に兼用させながら、特定の作業ライン(第一ファイナルラインF1)では、昇降テーブル27による当該受け台(低支持用テーブル型受け台2)の高さ調整により、車体Bの支持レベルを変えて使用できるように構成したが、この昇降テーブル27は、基本的には本発明に必須のものではない。例えば、第一ファイナルラインF1において車体Bを中間レベルL1+で支持する専用の受け台を使用することもできる。この場合、トリムラインTとシャーシーラインSの2つの作業ラインを含む搬送台車1の循環走行経路と、第一ファイナルラインF1と第二ファイナルラインF2の2つの作業ラインを含む搬送台車1の循環走行経路とに分けて構成すると、受け台送り手段を含む受け台交換設備の構成が上記実施形態と同じように簡単になるが、2つの搬送台車1の循環走行経路間での車体Bの移載手段が必要になる。勿論、受け台循環のための受け台専用の搬送経路が長くなったり、多少複雑になっても差し支えない場合には、1つの循環走行経路内にそれぞれ専用の受け台を使用する3つ以上の作業ラインを構成することは可能である。
【0070】
又、上記実施形態のように、昇降テーブル27を備えた搬送台車1を利用する場合、その昇降テーブル27のテーブル本体28を、搬送台車1の作業床面17と面一になる下降限レベルを除いて、例えばカム30の高さを区間ごとに変えるなどして、複数の支持レベルに切り換えられるように構成することもできる。これによって車体Bの支持レベルを、受け台を代えないで作業内容の異なる区間ごとに変えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】自動車の最終組立て作業設備全体のレイアウトを説明する平面図である。
【図2】搬送台車とこれに着脱交換自在に取り付けられる受け台とを示す一部縦断側面図である。
【図3】搬送台車の昇降テーブルにテーブル型受け台を取り付けた状態の一部縦断側面図である。
【図4】図3の背面図である。
【図5】搬送台車の作業床面上に支柱型受け台を取り付けた状態の一部縦断側面図である。
【図6】図5の背面図である。
【図7】支柱型受け台に併用されるロック手段のロック状態とそのロック解除用操作手段を示す一部横断平面図である。
【図8】図7のロック解除状態を示す一部横断平面図である。
【図9】A図は図7の正面図、B図はロックピンと係止片とを示す側面図、C図はロックピンと係止片とを示す一部縦断正面図である。
【図10】テーブル型受け台が取り付けられた搬送台車の平面図である。
【図11】支柱型受け台が取り付けられた搬送台車の平面図である。
【図12】並列走行経路部間に配設された受け台交換設備を示す平面図である。
【図13】図12の一部分の側面図である。
【図14】図12のテーブル型受け台を取り扱う装置部分を示す一部切り欠き正面図である。
【図15】図12の支柱型受け台を取り扱う装置部分を示す一部切り欠き正面図である。
【図16】並列走行経路部間に配設された他の受け台交換設備を示す平面図である。
【符号の説明】
【0072】
B 車体(被搬送物)
F1 第一ファイナルライン
F2 第二ファイナルライン
P1 受け台取付け取外し位置
P2,P4 受け台受取り位置
P3,P5 受け台渡し位置
S シャーシーライン
T トリムライン
Ta,Sa,F1a,F2a 往行経路部
Tb,Sb,F1b,F2b 復行経路部
T−S,S−F1,F1−F2,F2−T 作業ライン間走行経路
1 搬送台車
2 低支持用テーブル型受け台
3 支柱型受け台
4 高支持用テーブル型受け台
5,8 コンベヤライン
6 車体搬入手段
7 車体搬出手段
9a〜9h 方向転換用ターンテーブル
10 台車向き転換手段
11a,11b トラバーサー
12a,12b,15a,15b 並列走行経路部
13A,13B 受け台交換設備
14a,14b,16 車体受け渡し手段
17 搬送台車の作業床面
26 摩擦駆動手段
27 昇降テーブル
28 テーブル本体
28a テーブル面
29 クロスリンク機構
30 カム
34a,34b カム従動ローラー
35,42 受け台の受け部
38 位置決めピン
40a,40b 受け台の支柱部材
44 ロック手段
45a〜45d ロックピン
49 可動板
50 係止片
51 付勢手段
55 ロック解除操作部
57 ロック解除用操作手段
66 昇降ガイド用ローラーユニット
69,B69,70,B70 受け台交換装置
71,B71,72,B72 受け台送り手段
73,B73,75,B75 受け台取外し台車
74,B74,76,B76 受け台取付け台車
77,95 アーム
78,96,96A,96B 受け台把持手段
79,97 アーム旋回駆動手段
84a,84b,99a,99b 昇降駆動手段
107 走行駆動手段
109,110 受け台搬送台車


【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の搬送台車の循環走行経路中に被搬送物支持レベルが異なる複数の作業ラインが設定され、各搬送台車には、各作業ラインでの支持レベルで被搬送物を支持する複数種類の受け台が着脱交換自在に構成され、前後に隣り合う作業ライン間には、搬送台車から上手側作業ライン用受け台を取り外すと共に当該搬送台車に下手側作業ライン用受け台を取り付ける受け台交換装置が配設され、始端作業ラインの入り口には被搬送物を受け台上に移載する被搬送物搬入手段が配設され、終端作業ラインの出口には受け台上から被搬送物を取り出す被搬送物搬出手段が配設され、始端作業ラインから終端作業ラインまでの前後に隣り合う作業ライン間には、搬送台車上の上手側作業ライン用受け台から被搬送物を一時取り除くと共に交換された下手側作業ライン用受け台上に当該被搬送物を戻す被搬送物受け渡し手段が配設されている、搬送台車利用の作業設備。
【請求項2】
各受け台交換装置で搬送台車上から取り外された受け台を、当該受け台が使用される作業ラインの上手側に配設された受け台交換装置に送る受け台送り手段が併設され、同一種類の受け台が、少なくとも1つの作業ライン、受け台交換装置、及び受け台送り手段を経由して循環するように構成された、請求項1に記載の搬送台車利用の作業設備。
【請求項3】
搬送台車の循環走行経路中には、作業ラインの上手側走行経路部と下手側走行経路部とが互いに並列する並列走行経路部が設けられ、当該作業ラインの上手側に配設される受け台交換装置と当該作業ラインの下手側に配設される受け台交換装置、及び両交換装置間の2つの受け台送り手段は、この並列走行経路部で挟まれる領域内に配設されている、請求項2に記載の搬送台車利用の作業設備。
【請求項4】
受け台交換装置は、定位置に停止した搬送台車に対する受け台取付け取外し位置と受け台受け渡し位置との間で往復移動自在であって前記受け台取付け取外し位置に択一的に位置させることができる受け台取外し台車と受け台取付け台車とを備え、各台車上には、垂直軸心の周りに水平に回動自在に支持されたアームと、この各アームに設けられて前記台車に対して昇降自在な受け台把持手段とが設けられた、請求項1〜3の何れか1項に記載の搬送台車利用の作業設備。
【請求項5】
前記受け台として、搬送台車上の平坦な作業床面の中央部領域に着脱自在に取り付けられる支持レベルの低いテーブル型受け台と、前記作業床面の左右両側部上に取り付けられる支持レベルの高い支柱型受け台とが設けられ、支柱型受け台は前記作業床面の左右両側部上に各別に取り付けられる左右一対の支柱部材と、その各支柱部材の上端に設けられて被搬送物の左右両側辺を各別に支持する受け部とから構成されている、請求項1〜4の何れか1項に記載の搬送台車利用の作業設備。
【請求項6】
前記搬送台車には、下降限位置にあるときにテーブル上面が当該搬送台車上の平坦な作業床面と面一になる昇降テーブルが設けられ、前記テーブル型受け台は、この昇降テーブル上に着脱自在に取り付けられて、当該昇降テーブルの昇降により支持レベルが調整可能に構成されている、請求項5に記載の搬送台車利用の作業設備。
【請求項7】
搬送台車には、取り付けられる受け台の内、少なくとも一種類の受け台を取外し不能にロックするロック手段が設けられ、この受け台の取付け取外しを行う受け台交換装置が配設される場所には、前記ロック手段に設けられたロック解除操作部をロック解除方向に操作する操作手段が配設されている、請求項1〜6の何れか1項に記載の搬送台車利用の作業設備。
【請求項8】
前記ロック手段は、搬送台車側に設けられた位置決め孔に対して抜き差し自在に受け台のベースから垂直下向きに突設されたロックピンと、このロックピンに設けられた係止部に対して係脱自在で付勢手段により係止方向に付勢された水平揺動自在な係止片とから成り、前記ロック解除操作部は前記係止片と連動するレバー部で構成され、前記操作手段は、定位置に停止した搬送台車の前記レバー部を押す押し部を備えた可動片と、この可動片を駆動するアクチュエーターとから構成されている、請求項7に記載の搬送台車利用の作業設備。
【請求項9】
前記ロックピンは、1つのベースから複数本が突設され、この複数本のロックピンで囲まれる領域内で搬送台車側に垂直支軸の周りに水平回転自在な可動板が設けられ、この可動板の周囲から各ロックピンに対応する複数の前記係止片が突設され、前記可動板に対し各1つの前記付勢手段と前記ロック解除操作部とが設けられている、請求項8に記載の搬送台車利用の作業設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−51289(P2009−51289A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218287(P2007−218287)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】