説明

搬送治具、ワーク搬送・設置部品、及び、これを用いたロボット生産システム

【課題】搬送対象物を搬送ロボットを用いて確実に搬送し、自動生産ラインの自動化率を向上させることができる搬送治具を提供する。
【解決手段】搬送治具20は、台座10上に位置決め状態で載置される載置部21と、載置部21に設けられ、ワーク40を位置決め状態で保持するワーク保持部22と、載置部21の側方に一体に設けられ、搬送ロボットが把持するロボット用グリップ23と、ロボット用グリップ23に設けられた位置認識用視覚マーカ24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク、トレイ等の搬送に使用する搬送治具、ワーク搬送・設置部品、及びこれを用いたロボット生産システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばロボットによる自動生産ラインでは、複数の組み付けロボットが配置され、各組み付けロボットに対して所定の位置にワーク作業用治具が設置される。このワーク作業用治具によってワークが組み付けロボットに対して所定の作業位置にセットされる。組み付けロボットは、所定の作業位置にセットされたワークに対して組み付け作業を行うため、ワーク位置特定のために厳密で、且つ、複雑な位置制御を行うことなく、適正に組み付け作業を行うことができる。
【0003】
ところで、ワークは、ワーク作業用治具から次のワーク作業用治具へと搬送する必要があるが、ワーク作業用治具間のワーク搬送は、その自動化が非常に困難である。つまり、ワーク作業用治具にはワークが位置決め状態で保持されているため、位置決めされたワークを取り外してワークを搬送ロボットで把持し、しかも、搬送先のワーク作業用治具に対してワークを位置決め状態にセットする必要があるからである。従って、従来では、作業員がワークを素手で持って搬送していた。
【特許文献1】特開2004−299053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業員によるワーク搬送は、自動生産ラインの自動化率を低下させる要因となる。
【0005】
尚、上記特許文献1には、ロボットによってワークを直に把持して搬送する技術が開示されている。ワークが大きく、しかも、ワークが把持可能な形態であれば直に把持することはできるが、把持したワークをロボットによって次のワーク作業用治具の所定位置にセットすることは困難である。又、ワークが小さい場合には、ロボットによってワークを直に把持することすら困難である。ここで、小さいワークをトレイに搭載し、そのトレイをロボットによって把持して搬送することも考えられるが、トレイを直に把持して搬送する場合にも、前記した大きなワークと同様の問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、搬送対象物を搬送ロボットを用いて確実に搬送し、自動生産ラインの自動化率を向上させることができる搬送治具、ワーク搬送・設置部品、及び、これを用いたロボット生産システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、搬送ロボットが把持するロボット用グリップを備え、前記搬送ロボットによって搬送対象物を搬送することを特徴とする搬送治具である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の搬送治具であって、前記搬送対象物はワークであり、前記ワークを位置決め状態で保持するワーク保持部と、台座に位置決め状態で載置可能な載置部とを備えたことを特徴とする搬送治具である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1記載の搬送治具であって、前記搬送対象物はワークを載せるトレイであり、前記トレイに固定されたことを特徴とする搬送治具である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の搬送治具であって、位置認識用視覚マーカを備えたことを特徴とする搬送治具である。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の搬送治具であって、前記ロボット用グリップは、前記搬送ロボットの把持ハンドが密着するグリップ密着部と、前記グリップ密着部の両端に設けられた突部とを有し、両側の前記突部の互いに対向する内面で、且つ、前記搬送ロボットの把持ハンドが進入してくる側には、ガイド用テーパ面が形成されたことを特徴とする搬送治具である。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の搬送治具であって、前記ロボット用グリップの両方の側面で、且つ、前記搬送ロボットの一対のハンド片の把持用テーパ面が密着する箇所には、把持用テーパ面が形成されたことを特徴とする搬送治具である。
【0013】
請求項7の発明は、搬送ロボットが把持するロボット用グリップと、ワークを位置決め状態で保持するワーク保持部と、台座に位置決め状態で載置可能な載置部とを有する搬送治具と、前記搬送治具の前記載置部を位置決め状態で載置する台座とを備えたことを特徴とするワーク搬送・設置部品である。
【0014】
請求項8の発明は、搬送ロボットが把持するロボット用グリップと、ワークを位置決め状態で保持するワーク保持部と、台座に位置決め状態で載置可能な載置部とを有する搬送治具と、少なくとも前記ワークの搬送位置に設置され、前記搬送治具を位置決め状態で載置する台座と、前記搬送治具の前記ロボット用グリップを把持可能な把持ハンドと、前記把持ハンドを移動させるハンド移動手段とを有する搬送ロボットとを備え、前記搬送ロボットが前記搬送治具の前記ロボット用グリップを前記把持ハンドで把持し、前記ハンド移動手段によって前記搬送治具を前記台座上の載置位置まで搬送することを特徴とするロボット生産システムである。
【0015】
請求項9の発明は、ワークを保持するトレイに固定され、ロボット用グリップを有する搬送治具と、前記搬送治具の前記ロボット用グリップを把持可能な把持ハンドと、前記把持ハンドを移動させるハンド移動手段とを有する搬送ロボットとを備え、前記搬送ロボットが前記搬送治具の前記ロボット用グリップを前記把持ハンドで把持し、前記ハンド移動手段によって前記搬送治具が固定された前記トレイを搬送位置まで搬送することを特徴とするロボット生産システムである。
【0016】
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載のロボット生産システムであって、前記搬送治具は、位置認識用視覚マーカを有し、記搬送ロボットは、撮像手段で撮影した前記位置認識用視覚マーカの画像情報より把持位置を認識する把持位置認識手段を有し、前記搬送ロボットが前記位置認識用視覚マーカの画像情報より前記搬送治具の把持位置を認識し、認識した把持位置情報に基づいて前記把持ハンドが前記ロボット用グリップを把持することを特徴とするロボット生産システムである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、搬送ロボットが搬送対象物自体ではなく搬送治具のロボット用グリップを把持することによって搬送対象物を搬送する。従って、搬送ロボットを用いて搬送対象物を確実に搬送でき、自動生産ラインの自動化率の向上を図ることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明に効果に加え、搬送ロボットによって搬送治具を台座の載置位置まで搬送すると、台座に対して所定の位置にワークが載置される。従って、ワークへの組み付け等の作業を作業ロボットを用いて行うことができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用によって、搬送ロボットによってトレイを確実に搬送でき、自動生産ラインの自動化率の向上を図ることができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3の発明の効果に加え、搬送ロボットが搬送治具のロボット用グリップの位置を位置認識用視覚マーカによって認識できるため、搬送ロボットと搬送治具を特定の位置関係で配置しなくても、搬送ロボットが確実に搬送治具を把持できる。
【0021】
請求項5の発明によれば、請求項1の発明〜請求項4の発明の効果に加え、グリップ密着部の両側の突部によって把持ハンドがグリップ密着部に対し把持ズレしたり、把持ズレによって脱落したりするのを防止できる。又、搬送ロボットが力制御による位置補正機能や受動的位置補正機能を持っている場合にあって、搬送ロボットの把持ハンドのロボット用グリップへの進入精度が多少ずれていてもガイド用テーパ面によって正確な把持位置にガイドされるため、搬送ロボットに精密な位置制御を要求することなく搬送ロボットによる正確な把持が可能である。
【0022】
請求項6の発明によれば、請求項1の発明〜請求項5の発明の効果に加え、一対のハンド片が前記ロボット用グリップを把持すると、双方の把持用テーパ面によって把持力がロボット用グリップの側面を押圧する方向とこれに直交する方向にも作用し、把持ハンドがロボット用グリップの三面を密着させた状態で把持するため、把持ハンドがロボット用グリップをガタ付きなく強力に把持できる。
【0023】
請求項7の発明によれば、搬送ロボットによって搬送治具を台座上の載置位置に搬送すると、ワークが搬送位置の所定の位置に設置されるため、搬送位置におけるワークへの作業を作業ロボットを用いて行うことができる。
【0024】
請求項8の発明によれば、搬送ロボットがワーク自体ではなく搬送治具のロボット用グリップを把持することによってワークを搬送するため、ワークを確実に搬送できる。そして、搬送されたワークは、台座上の所定位置に位置するため、ワークへの組み付け等の作業を作業ロボットを用いて行わせることができる。
【0025】
請求項9の発明によれば、搬送ロボットがトレイ自体ではなく搬送治具のロボット用グリップを把持することによってトレイを搬送するため、トレイを確実に搬送できる。
【0026】
請求項10の発明によれば、請求項8又は請求項9の発明の効果に加え、搬送ロボットが搬送治具のロボット用グリップの位置を位置認識用視覚マーカによって認識するため、搬送ロボットと搬送治具を特定の位置関係で配置しなくても、搬送ロボットが確実に搬送治具を把持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1〜図6は本発明の搬送治具、ワーク搬送・設置部品を用いたロボット生産システムにかかる第1の実施の形態を示し、図1はロボット生産システムの概略斜視図、図2はワーク搬送・設置部品の分離状態を示す斜視図、図3はワーク搬送・設置部品の合体状態を示す斜視図、図4は搬送治具のロボット用グリップの側面図、図5は搬送ロボットの把持ハンド及びカメラの斜視図、図6(a)は把持ハンドの一対のハンド片がロボット用グリップに進入可能な程度に互いの間隔を広げた状態(ハンド開位置)を示す正面図、図6(b)は把持ハンドの一対のハンド片がロボット用グリップを把持した状態(ハンド閉位置)を示す正面図である。
【0029】
図1に示すように、ロボット生産システム1Aは、配置変更自在で、且つ、近接位置に配置された第1、第2、第3作業テーブルT1,T2,T3と、第1、第2、第3作業テーブルT1,T2,T3上の所定位置に設置された3つの台座10,10,10と、この3つの台座10,10,10上に選択的に載置可能な搬送治具20と、第1作業テーブルT1上に設置された搬送ロボット30と、第1、第2、第3作業テーブルT1,T2,T3上にそれぞれ設置され、組み付け等の作業を行う第1、第2、第3作業ロボットR1,R2,R3とを備えている。
【0030】
このロボット生産システム1Aは、搬送治具20と台座10から成るワーク搬送・設置部品2を用いることによってワーク40の搬送及び搬送位置での位置決めを可能としている。以下、説明する。
【0031】
図2及び図3に示すように、各台座10は、大略長方形状のブロックであり、その上面が搬送治具20の治具用載置面11とされている。この治具用載置面11上には、搬送治具20の治具側位置決め手段25と台座側位置決め手段12によって位置決めされた状態で搬送治具20が載置される。台座側位置決め手段12は、台座10の互いに直交する側面から治具用載置面11より上方に突出された2カ所の位置決めガイド板12a,12bと、治具用載置面11上に突出された単一の位置決めピン12cとから構成されている。治具側位置決め手段25の構成は、下記する。
【0032】
搬送治具20は、台座10上に位置決め状態で載置可能な載置部21と、この載置部21に設けられ、搬送対象物であるワーク40を位置決め状態で保持するワーク保持部22と、載置部21の側方に固定され、搬送ロボット30が把持するロボット用グリップ23と、このロボット用グリップ23の位置を認識させるための位置認識用視覚マーカ24とを備えている。
【0033】
載置部21は、台座10の治具用載置面11に当接するフラットな底面を有する方形ブロック形状である。載置部21には、治具側位置決め手段25が設けられている。治具側位置決め手段25は、載置部21の互いに直交する2つのフラットな側面25a,25bと、底面に開口された位置決め孔25cとから構成されている(図2参照)。搬送治具20の載置部21は、台座10の2枚の位置決めガイド板12a,12bに2つの側面25a,25bが密着状態で配置され、且つ、台座10の位置決めピン12cが位置決め孔25cに挿入されることによって位置決めされる。
【0034】
ワーク保持部22は、載置部21の上面に開口された円形の凹部であり、この凹部にワーク40の大部分が填り込むように収容されることによってワーク40を位置決め状態で保持する。
【0035】
ロボット用グリップ23は、搬送ロボット30の把持ハンド32が密着するグリップ密着部26と、このグリップ密着部26の両側に設けられた突部27,28とを有する。グリップ密着部26は、搬送ロボット30が確実に把持できるように単純な断面四角形である。両側の突部27,28の互いに対向する内面で、且つ、把持ハンド32が進入してくる方向、この実施の形態では上方の端部には、図4にも示すように、ガイド用テーパ面27a,28aがそれぞれ形成されている。
【0036】
位置認識用視覚マーカ24は、ロボット用グリップ23のグリップ密着部26の上面に開口された3つの孔24aにて形成されている。つまり、グリップ密着部26の上面に照射された光の内で、孔24a以外に入射された光は所定の反射方向に反射光として戻るのに対し、孔24aに入射された光は所定の反射方向に反射光として戻らないことを利用した視覚マーカである。位置認識用視覚マーカ24としては、画像情報として所定パターンの濃淡が得られるものであれば良く、孔24a以外にも種々のものが考えられる。
【0037】
搬送ロボット30は、図1に示すように、第1作業テーブルT1に下端が固定されたハンド移動手段である多関節アーム部31と、この多関節アーム部31の先端に取り付けされた把持ハンド32と、この把持ハンド32の近傍に固定された撮像手段であるカメラ33を有する把持位置認識手段(図示せず)とを備えている。又、搬送ロボット30は、力制御による位置補正機能、若しくは、受動的位置補正機能を有している。
【0038】
多関節アーム部31は、制御部(図示せず)からの駆動信号によって各関節を揺動・回転駆動し、これによって把持ハンド32の位置を所定の位置に移動させる。
【0039】
把持ハンド32は、図5に詳しく示すように、多関節アーム部31の先端に回転自在に取り付けされたハンドベース部35と、このハンドベース部35の下方に設けられた一対のハンド片36,36とを有する。一対のハンド片36,36は、ハンドベース部35に沿って移動する上面部36aと、この上面部36aより垂下された側面部36bと、この側面部36bの下端より内側に突出する下面部36cとから構成されている。各上面部36aの両側の端部にはガイド用テーパ面37が形成されている。
【0040】
一対のハンド片36,36は、互いの間隔を広げる方向と狭める方向に移動可能であり、図6(a)に示すように、ロボット用グリップ23への進入を可能とするハンド開位置や、図6(b)に示すように、ロボット用グリップ23を把持するハンド閉位置に位置させることができる。
【0041】
把持位置認識手段(図示せず)は、カメラ33で撮影した位置認識用視覚マーカ24の画像情報より把持位置を認識する。把持位置情報は制御部(図示せず)に送られ、制御部(図示せず)は把持位置情報に基づいて多関節アーム部31の駆動を制御する。
【0042】
第1〜第3作業ロボットR1,R2,R3は、各作業テーブルT1,T2,T3の台座10,10,10上に載置された搬送治具20のワーク保持位置を作業位置とする。そして、第1、第2、第3作業ロボットR1,R2,R3は、ティーチングされた作業位置でそれぞれ所定の作業をワーク40に対して行う。
【0043】
次に、ロボット生産システム1Aの動作を説明する。図1に示すように、ワーク40を保持した搬送治具20は、第1作業テーブルT1の台座10上に載置されているものとする。第1作業ロボットR1が搬送治具20に保持されたワーク40に対して所定の作業を行う。第1作業ロボットR1の作業が完了すると、搬送ロボット30がカメラ33で撮影した画像情報より搬送治具20のロボット用グリップ23の位置を位置認識用視覚マーカ24によって認識する。この位置認識情報に基づいて搬送ロボット30の多関節アーム部31が駆動され、これによって把持ハンド32が搬送治具20のロボット用グリップ23を把持する位置に移動される。そして、把持ハンド32が図6(a)のハンド開位置から図6(b)のハンド閉位置へと移動され、これによって把持ハンド32でロボット用グリップ23を把持する。
【0044】
次に、搬送ロボット30の多関節アーム部31が、例えば第2作業テーブルT2上の台座位置情報に基づいて駆動され、把持ハンド32に把持された搬送治具20が第2作業テーブルT2の台座10上の載置位置まで搬送される。第2作業テーブルT2の台座10上の載置位置まで搬送された搬送治具20は、台座10に対して台座側位置決め手段12と治具側位置決め手段25によって位置決めされた状態で載置される。ここで、第2作業テーブルT2上に位置決めされた台座10に対して搬送治具20が位置決めされ、この搬送治具20に対してワーク40が位置決めされた状態で保持されるため、その結果として、ワーク40は第2作業ロボットR2に対して所定の作業位置に配置されることになる。
【0045】
次に、第2作業ロボットR2は搬送治具20に保持されたワーク40に対して所定の作業を行う。第2作業ロボットR2の作業が完了すると、搬送治具20とこれに保持されたワーク40は、上記と同様の動作によって第3作業テーブルT3の台座10上に搬送される。第3作業テーブルT3の台座10上に搬送されたワーク40は、第3作業ロボットR3によって所定の作業が行われることになる。
【0046】
以上、ロボット生産システム1Aでは、台座10と、ロボット用グリップ23を有する搬送治具20と、この搬送治具20を搬送する搬送ロボット30とを備えたので、搬送ロボット30を用いてワーク40を確実に所定の作業位置に搬送できる。従って、ロボット生産システム1Aの自動化率を向上させることができる。
【0047】
この第1の実施の形態では、ワーク40を保持する搬送治具20は、搬送ロボット30が把持するロボット用グリップ23を備えたので、搬送ロボット30を用いてワーク40を確実に搬送できる。従って、上記したように、ロボット生産システム1Aの自動化率の向上に寄与する。又、搬送治具20を使用してワーク40を搬送するため、ワーク40の形態、大きさ等に関わらず確実に搬送できるという利点がある。
【0048】
この第1の実施の形態では、搬送治具20は、ワーク40を位置決め状態で保持するワーク保持部22と、台座10に位置決め状態で載置される載置部21とを備えたので、搬送ロボット30によって搬送治具20を台座10の載置位置まで搬送すると、次の作業テーブルT2又はT3の台座10に対して所定の位置にワーク40が載置される。従って、ワーク40への組み付け等の作業を作業ロボットR2,R3を用いて行うことができる。
【0049】
この第1の実施の形態では、搬送治具20は、位置認識用視覚マーカ24を備えたので、搬送ロボット30と搬送治具20を特定の位置関係で配置しなくても、搬送ロボット30が確実に搬送治具20を把持できる。
【0050】
この第1の実施の形態では、ロボット用グリップ23は、搬送ロボット30の把持ハンド32が把持するグリップ密着部26と、グリップ密着部26の両側に突設された突部27,28とを有し、両側の突部27,28の互いに対向する内面で、且つ、把持ハンド32が進入してくる上方の端部にはガイド用テーパ面27a,28aが形成されている。従って、グリップ密着部26の両側の突部27,28によって把持ハンド32がグリップ密着部26に対し把持ズレしたり、把持ズレによって脱落したりするのを防止できる。又、図4に示すように、搬送ロボット30の把持ハンド32のロボット用グリップ23への進入精度が多少ずれていてもガイド用テーパ面27a,28aによって正確な把持位置にガイドされるため、搬送ロボット30に精密な位置制御を要求することなく搬送ロボット30による正確な把持が可能である。又、この第1の実施の形態では、把持ハンド32の一対のハンド片36,36側にもガイド用テーパ面37,37が形成されているため、正確な把持位置へのガイドがよりスムーズに行われる。
【0051】
この第1の実施の形態では、第1、第2、第3作業テーブルT1,T2,T3にそれぞれ作業ロボットR1,R2,R3を設置し、第1作業テーブルT1をも含めて全ての作業テーブルT1,T2,T3でワーク40への作業を行うよう構成されている。しかし、第1作業テーブルT1においてワーク40への作業を行わない場合(第1作業テーブルT1が待機用テーブル)もあり、このような場合には第1作業テーブルT1に台座10を設置しなくても良く、ワーク40の搬送先である第2及び第3作業テーブルT2,T3に設置すれば良い。又、作業テーブルと作業ロボットの設置パターンも種々のものが考えられる。
【0052】
尚、前記第1の実施の形態では、台座側位置決め手段12は、2カ所の位置決めガイド板12a,12bと単一の位置決めピン12cとから構成されているが、3カ所以上の位置決めガイド板のみから構成しても、2本以上の位置決めピンのみから構成しても、単一の位置決めピンと1カ所の位置決めガイド板のみから構成しても良い。治具側位置決め手段25は、台座側位置決め手段12の構成に応じて変更される。
【0053】
尚、前記第1の実施の形態では、グリップ密着部26は、搬送ロボット30が確実に把持できるように単純な断面四角形の形態であるが、確実に把持できる形態であれば良く、断面円形の形態でも良い。
【0054】
図7及び図8は第1の実施の形態にかかる搬送治具のロボット用グリップと搬送ロボットの把持ハンドとの変形例を示し、図7は搬送治具のロボット用グリップと搬送ロボットの把持ハンドとの斜視図、図8(a)は把持ハンドの一対のハンド片がロボット用グリップに進入可能な程度に互いの間隔を広げた状態(ハンド開位置)を示す正面図、図8(b)は把持ハンドの一対のハンド片がロボット用グリップを把持した状態(ハンド閉位置)を示す正面図である。
【0055】
図7に示すように、搬送治具20のロボット用グリップ23のグリップ密着面26は、把持ハンド32が把持する両側の側面の下部が把持用テーパ面23a,23aにそれぞれ形成されている。両側の把持用テーパ面23a,23aは、下方に向かうに従って把持幅を狭くする方向に傾斜されている。
【0056】
搬送ロボット30の把持ハンド32は、前記第1の実施の形態と同様に、多関節アーム部(図示せず)の先端に取り付けされたハンドベース部35と、このハンドベース部35の下方に設けられた一対のハンド片36,36とを有する。しかし、一対のハンド片36,36は、ハンドベース部35に沿って移動する上面部36aと、この上面部36aより垂下された側面部36bとからのみ構成されている。そして、一対の側面部36b,36bの互いに対向する内面には、先端に向かうに従って互いに近接する方向に傾斜する把持用テーパ面38が形成されている。
【0057】
一対のハンド片36,36は、前記第1の実施の形態のものと同様に、互いの間隔を広げる方向と狭める方向に移動可能であり、図8(a)に示すように、ロボット用グリップ23に進入が可能な程度に互いの間隔を広げるハンド開位置や、図8(b)に示すように、ロボット用グリップ23を把持するハンド閉位置に移動させることができる。
【0058】
この変形例では、ロボット用グリップ23の一対の把持用テーパ面23a,23aが一対のハンド片36,36の一対の把持用テーパ面38,38によってそれぞれ押圧されると、双方の把持用テーパ面23a,23a,38,38によって把持力がロボット用グリップ23の側面を押圧する方向とこれに直交する方向にも作用し、一対のハンド片36,36の上面部36a,36aと両側の把持用テーパ面38,38の三面でロボット用グリップ23を密着させた状態で把持する。従って、把持ハンド32がロボット用グリップ23をガタ付きなく強力に把持できる。
【0059】
図9〜図12は本発明の搬送治具を用いたロボット生産システムにかかる第2の実施の形態を示し、図9はロボット生産システムの概略平面図、図10は搬送治具が付設されたトレイの斜視図、図11は搬送治具の斜視図、図12は搬送治具のロボット用グリップを搬送ロボットの把持ハンドが把持した状態を示す斜視図である。
【0060】
図9に示すように、ロボット生産システム1Bは、それぞれ配置変更自在で、且つ、近接位置に配置されたストック用テーブルT4及び作業テーブルT5と、ストック用テーブルT4及び作業テーブルT5上の所定位置に載置され、それぞれ搬送治具60が付設された複数のトレイ50と、ストック用テーブルT4上に設置された搬送ロボット30と、作業テーブルT5上に設置された作業ロボットR4とを備えている。ストック用テーブルT4上には、複数のトレイ50が積層配置される。ストック用テーブルT4及び作業テーブルT5には、トレイ50を所定の位置で、且つ、位置決め状態で載置するためのトレイ載置部が設けられている。
【0061】
図10に詳しく示すように、各トレイ50は、長方形状のほぼプレート状であり、所定の間隔を置いて多数のワーク支持孔51が形成されている。ワーク70は、前記した第1の実施の形態のワーク40に比較して小さく、各ワーク支持孔51にそれぞれ挿入されることによって保持されている。トレイ50の四隅には支柱52がそれぞれ立設されていると共に、支柱52に対応するトレイ50の底面には凹部(図示せず)が形成されている。この4隅の支柱52とトレイ50の4隅の凹部(図示せず)を利用して複数のトレイ50が積層配置できる。このように構成されたトレイ50の上面に搬送治具60が付設されている。
【0062】
搬送治具60は、搬送ロボット30が把持するロボット用グリップ61と、位置認識用視覚マーカ24とを備えている。
【0063】
ロボット用グリップ61は、搬送ロボット30の把持ハンド32が密着するグリップ密着部62と、このグリップ密着部62の両側に突設された突部63,64とを有する。グリップ密着部62は、搬送治具60の両側の下部に窪み部62a,62aが形成され、これによって把持ハンド32が把持できるようになっている。両側の突部63,64の互いに対向する内面で、且つ、把持ハンド32が進入してくる方向、この実施の形態では上方の端部には、図11にも示すように、ガイド用テーパ面63a,64aがそれぞれ形成されている。
【0064】
位置認識用視覚マーカ24は、前記第1の実施の形態と同様に、グリップ密着部62の上面に開口された3つの孔24aにて形成されている。
【0065】
搬送ロボット30は、図9に示すように、前記第1の実施の形態と同様であるため、図面の同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
【0066】
作業ロボットR4は、ティーチングされた作業位置、具体的には、作業テーブルT5上のトレイ載置部のトレイ50に保持された各ワーク保持位置を作業位置として所定の作業(例えばワーク供給作業)を行う。
【0067】
次に、ロボット生産システム1Bの動作を説明する。図9に示すように、複数のトレイ50は、ストック用テーブルT4に積層配置されているものとする。作業テーブルT5上のトレイ50内の全てのワーク70に対する作業が完了し、作業完了済みのトレイ50が作業テーブルT5から排出される。すると、搬送ロボット30がカメラ33で撮影した画像情報よりストック用テーブルT4上のトレイ50のロボット用グリップ61の位置を位置認識用視覚マーカ24によって認識する。この位置認識情報に基づいて搬送ロボット30の多関節アーム部31が駆動され、これによって把持ハンド32がストック用テーブルT4の最上部のトレイ50のロボット用グリップ61が把持する位置に移動される。そして、把持ハンド32がハンド開位置からハンド閉位置へと移動され、これによって把持ハンド32がロボット用グリップ61を把持する。
【0068】
次に、搬送ロボット30の多関節アーム部31が、例えば作業テーブルT5上のトレイ位置情報に基づいて駆動され、搬送治具60とこれが付設されたトレイ50が作業テーブルT5の所定のトレイ位置まで搬送される。作業テーブルT5のトレイ載置部まで搬送された搬送治具60は、作業テーブルT5に対して位置決めされた状態で載置される。ここで、作業テーブルT5上に位置決めされたトレイ50に対してワーク70が位置決めされた状態で保持されるため、結果として、各ワーク70は作業ロボットR4に対して所定の位置に配置されることになる。
【0069】
次に、作業ロボットR4はトレイ50上の各ワーク70に対して所定の作業(例えばワーク供給作業)を行う。作業ロボットR4の作業が完了すると、搬送治具60付きのトレイ50は、作業テーブルT5上より排出される。そして、次の搬送治具60付きのトレイ50が、上記したのと同様の動作によって、ストック用テーブルT4から作業テーブルT5に搬送される。以後、このような一連の動作が繰り返される。尚、作業テーブルT5からのトレイ50の排出は、搬送ロボット30の多関節アーム部31によって行っても良い。
【0070】
以上、ロボット生産システム1Bでは、トレイ50に付設された搬送治具60と搬送ロボット30とを備えたので、搬送ロボット30が搬送治具60のロボット用グリップ61を把持することによってトレイ50を所定の搬送位置に確実に搬送できる。従って、ロボット生産システム1Bの自動化率を向上させることができる。
【0071】
この第2の実施の形態では、トレイ50に付設された搬送治具60は、搬送ロボット30が把持するロボット用グリップ61を備えたので、搬送ロボット30が搬送治具60のロボット用グリップ61を把持することによってトレイ50を確実に搬送できる。従って、上記したように、ロボット生産システム1Bの自動化率の向上に寄与できる。又、搬送治具60を使用してトレイ50を搬送するため、トレイ50の形態、大きさ等に関わらず確実に搬送できるという利点がある。
【0072】
この第2の実施の形態では、搬送治具60は、位置認識用視覚マーカ24を備えたので、搬送ロボット30と搬送治具60を特定の位置関係で配置しなくても、搬送ロボット30が確実に搬送治具60を把持できる。
【0073】
この第2の実施の形態では、ロボット用グリップ61は、搬送ロボット30の把持ハンド32が把持するグリップ密着部62と、グリップ密着部62の両側に突設された突部63,64とを有し、両側の突部63,64の互いに対向する内面で、且つ、把持ハンド32が進入してくる上方の端部には、ガイド用テーパ面63a,64aが形成されている。従って、搬送ロボット30が力制御による位置補正機能や受動的位置補正機能を有していることから、第1の実施の形態と同様に、搬送ロボット30の把持ハンド32のロボット用グリップ61への進入精度が多少ずれていてもガイド用テーパ面63a,64aによって正確な把持位置にガイドされるため、搬送ロボット30に精密な位置制御を要求することなく搬送ロボット30による把持が可能である。又、この第2の実施の形態で、把持ハンド32の一対のハンド片36側にはガイド用テーパ面37,37が形成されているため、正確な把持位置へのガイドがよりスムーズに行われる。
【0074】
尚、この第2の実施の形態によれば、ストック用テーブルT4では複数のトレイ50を積層配置したが、複数のトレイ50を積層することなく平置き配置しても良いことはもちろんである。
【0075】
尚、第2の実施の形態にかかる搬送治具60のロボット用グリップ61と搬送ロボット30の把持ハンド32の構成は、前記第1の実施の形態の変形例(図7及び図8)のような構成にしても良いことはもちろんである。
【0076】
前記第1の実施の形態では、ワーク40を載せた搬送治具20を搬送する場合について、第2の実施の形態では、ワーク70を載せたトレイ50を搬送する場合について説明したが、搬送治具20のロボット用グリップ23とトレイ50に付設した搬送治具60のロボット用グリップ61の大きさを、同一の把持ハンド32で把持可能な大きさに設定すれば、同一の把持ハンド32でワーク40を載せた搬送治具20と、別の小さなワーク70を載せたトレイ50を共に搬送可能であるため、把持ハンド32の交換が不要である。
【0077】
前記第1及び第2の実施の形態では、搬送治具20,60は、位置認識用視覚マーカ24を有し、搬送ロボット30は、カメラ33で撮影した位置認識用視覚マーカ24の画像情報より把持位置を認識する把持位置認識手段(図示せず)を有し、搬送ロボット30が位置認識用視覚マーカ24の画像情報より搬送治具20,60の把持位置を認識し、認識した把持位置情報に基づいて把持ハンド32がロボット用グリップ23,61を把持するようになっている。しかし、搬送治具20,60に位置認識用視覚マーカ24を設けず、搬送ロボット30にも把持位置認識手段を設けず、搬送作業前に搬送ロボット30に厳密なティーチングを行うことによって把持ハンド32がロボット用グリップ23,61を把持するよう構成しても良い。
【0078】
尚、前記第1の実施の形態では、搬送治具20による搬送対象物がワーク40であり、第2の実施の形態では、搬送対象物がトレイ50であるが、搬送対象物はワーク40やトレイ50以外のものであっても本発明を適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、ロボット生産システムの概略斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示し、ワーク搬送・設置部品の分離状態(搬送治具が台座より離された状態)の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示し、ワーク搬送・設置部品の合体状態(搬送治具が台座上に載置された状態)の斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示し、搬送治具のロボット用グリップの側面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態を示し、搬送ロボットの把持ハンド及びカメラの斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態を示し、(a)は把持ハンドの一対のハンド片がロボット用グリップに進入可能な程度に互いの間隔を広げた状態(ハンド開位置)を示す正面図、(b)は把持ハンドの一対のハンド片がロボット用グリップを把持した状態(ハンド閉位置)を示す正面図である。
【図7】搬送治具のロボット用グリップと搬送ロボットの把持ハンドとの変形例の斜視図である。
【図8】搬送治具のロボット用グリップと搬送ロボットの把持ハンドとの変形例を示し、(a)は把持ハンドの一対のハンド片がロボット用グリップに進入可能な程度に互いの間隔を広げた状態(ハンド開位置)を示す正面図、(b)は把持ハンドの一対のハンド片がロボット用グリップを把持した状態(ハンド閉位置)を示す正面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示し、ロボット生産システムの概略平面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示し、搬送治具が付設されたトレイの斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態を示し、搬送治具の斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態を示し、搬送治具のロボット用グリップを搬送ロボットの把持ハンドが把持した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0080】
1A,1B ロボット生産システム
2 ワーク搬送・設置部品
10 台座
20,60 搬送治具
21 載置部
22 ワーク保持部
23,61 ロボット用グリップ
23a,38 把持用テーパ面
24 位置認識用視覚マーカ
26,62 グリップ密着部
27,28,63,64 突部
27a,28a,63a,64a ガイド用テーパ面
30 搬送ロボット
31 多関節アーム部(ハンド移動手段)
32 把持ハンド
33 カメラ(撮像手段)
35 ハンドベース
36 ハンド片
40,70 ワーク(搬送対象物)
50 トレイ(搬送対象物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ロボットが把持するロボット用グリップを備え、前記搬送ロボットによって搬送対象物を搬送することを特徴とする搬送治具。
【請求項2】
請求項1記載の搬送治具であって、
前記搬送対象物はワークであり、前記ワークを位置決め状態で保持するワーク保持部と、台座に位置決め状態で載置可能な載置部とを備えたことを特徴とする搬送治具。
【請求項3】
請求項1記載の搬送治具であって、
前記搬送対象物はワークを載せるトレイであり、前記トレイに固定されたことを特徴とする搬送治具。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の搬送治具であって、
位置認識用視覚マーカを備えたことを特徴とする搬送治具。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の搬送治具であって、
前記ロボット用グリップは、前記搬送ロボットの把持ハンドが密着するグリップ密着部と、前記グリップ密着部の両端に設けられた突部とを有し、両側の前記突部の互いに対向する内面で、且つ、前記搬送ロボットの把持ハンドが進入してくる側には、ガイド用テーパ面が形成されたことを特徴とする搬送治具。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の搬送治具であって、
前記ロボット用グリップの両方の側面で、且つ、前記搬送ロボットの一対のハンド片の把持用テーパ面が密着する箇所には、把持用テーパ面が形成されたことを特徴とする搬送治具。
【請求項7】
搬送ロボットが把持するロボット用グリップと、ワークを位置決め状態で保持するワーク保持部と、台座に位置決め状態で載置可能な載置部とを有する搬送治具と、
前記搬送治具の前記載置部を位置決め状態で載置する台座とを備えたことを特徴とするワーク搬送・設置部品。
【請求項8】
搬送ロボットが把持するロボット用グリップと、ワークを位置決め状態で保持するワーク保持部と、台座に位置決め状態で載置可能な載置部とを有する搬送治具と、
少なくとも前記ワークの搬送位置に設置され、前記搬送治具を位置決め状態で載置する台座と、
前記搬送治具の前記ロボット用グリップを把持可能な把持ハンドと、前記把持ハンドを移動させるハンド移動手段とを有する搬送ロボットとを備え、
前記搬送ロボットが前記搬送治具の前記ロボット用グリップを前記把持ハンドで把持し、前記ハンド移動手段によって前記搬送治具を前記台座上の載置位置まで搬送することを特徴とするロボット生産システム。
【請求項9】
ワークを保持するトレイに固定され、ロボット用グリップを有する搬送治具と、
前記搬送治具の前記ロボット用グリップを把持可能な把持ハンドと、前記把持ハンドを移動させるハンド移動手段とを有する搬送ロボットとを備え、
前記搬送ロボットが前記搬送治具の前記ロボット用グリップを前記把持ハンドで把持し、前記ハンド移動手段によって前記搬送治具が固定された前記トレイを搬送位置まで搬送することを特徴とするロボット生産システム。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載のロボット生産システムであって、
前記搬送治具は、位置認識用視覚マーカを有し、
前記搬送ロボットは、撮像手段で撮影した前記位置認識用視覚マーカの画像情報より把持位置を認識する把持位置認識手段を有し、
前記搬送ロボットが前記位置認識用視覚マーカの画像情報より前記搬送治具の把持位置を認識し、認識した把持位置情報に基づいて前記把持ハンドが前記ロボット用グリップを把持することを特徴とするロボット生産システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−214225(P2009−214225A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60052(P2008−60052)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】