説明

搬送装置およびこれを備えた組合せ計量装置

【課題】 搬送中に容器の順番を入れ替えることで、組合せ計量装置における排出処理や品質検査装置におけるランク選別処理等を高速化することが可能な搬送装置およびこれを備えた組合せ計量装置を提供する。
【解決手段】 組合せ計量装置10は、複数の容器Cを略水平面内において旋回移動させる回転部11と、容器Cに投入された被計量物の計量を行う計量部13と、容器Cの順番を入れ替える容器入替機構20と、を備えている。容器入替機構20は、制御部50において選択された2つの容器Cを略鉛直平面内に沿って移動させて順番を入れ替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に入れられた物品に対して計量を行う組合せ計量装置や、その物品についての検査を行う品質検査装置等に搭載される搬送装置およびこれを備えた組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の容器に物品を投入して搬送する搬送装置を備えた組合せ計量装置等の装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の容器をZ型に循環移動させながら所望の容器から物品の排出を行う自動組合せ計量機が開示されている。ここでは、複数の容器を循環させながら所定の排出位置まで移動してきた容器を反転させることで、容器内から物品を排出する。
【特許文献1】特開平9−229755号公報(平成9年9月5日公開)
【特許文献2】特開平8−29242号公報(平成8年2月2日公開)
【特許文献3】特開2003−270031号公報(平成15年9月25日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の装置では、以下に示すような問題点を有している。
【0005】
すなわち、上記公報に開示された自動組合せ計量機では、物品が投入された容器の順番を入れ替えることができないため、組合せ計量において選択された容器が所定の排出位置に移動してくるまで待つ必要がある。このため、選択された全ての容器から物品を排出する処理を高速化することは困難である。
【0006】
本発明の課題は、搬送中に容器の順番を入れ替えることで、組合せ計量装置における排出処理や品質検査装置におけるランク選別処理等を高速化することが可能な搬送装置およびこれを備えた組合せ計量装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る搬送装置は、複数の容器を搬送する搬送部と、順番入替機構と、制御部と、を備えている。順番入替機構は、搬送部において搬送中の複数の容器のうち、選択された複数の容器の順番を略垂直平面内において入れ替える。制御部は、順番入替機構によって入れ替える容器を指定する。
【0008】
ここでは、複数の容器を同時に搬送する搬送部を備えた搬送装置であって、制御部において指定された複数の容器(例えば2つ)の順番を、略垂直平面内において入れ替える順番入替機構を備えている。
【0009】
ここで、制御部は、組合せ計量部における計量結果や品質検査部における検査結果に基づいて、順番を入れ替える容器を指定する。そして、順番入替機構は、制御部によって指定された容器の順番を容器を搬送しながら略垂直平面内において入れ替える。
【0010】
これにより、例えば、本発明の搬送装置が組合せ計量装置に搭載された場合には、計量された物品が投入された複数の容器を搬送中に順番を入れ替えて、組合せ計量において排出される順番に容器を入れ替えることができる。この結果、選択された容器から計量済みの物品を排出する処理を連続して行うことができるため、処理を高速化することができる。
【0011】
一方、本発明の搬送装置を品質検査装置に搭載した場合には、品質検査の結果ランク付けされた複数の物品について、同じランクの物品が固まるように物品が投入されている容器の順番を入れ替えることができる。この結果、品質検査装置においてランク付けされた物品を搬送中にランク分けすることで、ランク分けの処理を高速化することができる。
【0012】
また、このような容器の順番入替を、垂直平面内において行うことで、装置によって占められる平面的な空間の省スペース化が図れる。
【0013】
第2の発明に係る搬送装置は、第1の発明に係る搬送装置であって、順番入替機構は、容器の姿勢を回転させる回転機構を有している。
【0014】
ここでは、搬送中の複数の容器の順番を垂直平面内において入れ替える際や、複数の容器が水平面内において搬送されている際等に、回転機構が容器の姿勢を上下反転させる。ここで、本発明の搬送装置において搬送される容器は、例えば、底板と側壁部と上部開口とで構成されるコップ状の容器が含まれる。
【0015】
これにより、垂直平面内において容器を移動させて順番を入れ替える際等においてその容器を回転させることで、容器内に貯留された物品を容器から排出することができる。この結果、順番の入れ替えに加えて、容器からの物品の排出という機能も併せ持つ搬送装置を得ることが可能になる。
【0016】
第3の発明に係る搬送装置は、第1または第2の発明に係る搬送装置であって、搬送部は、複数の容器を循環経路に沿って移動させる。
【0017】
ここでは、搬送する複数の容器を装置内において循環移動させている。
【0018】
これにより、搬送装置内に、例えば、計量済みの物品を貯留した複数の容器をストックし、その後排出することが可能になる。この結果、本発明の搬送装置を、例えば、組合せ計量装置内に設けた場合には、組合せ演算の結果選択されるまでの間は容器のストック部として機能し、選択されると排出部として機能することができる。
【0019】
第4の発明に係る搬送装置は、第3の発明に係る搬送装置であって、搬送部によって形成される容器の循環経路は、略水平面内において形成される。
【0020】
ここでは、容器を水平面内において移動させながら、容器の入れ替えや計量、ストック、排出等の各工程を行う。
【0021】
これにより、鉛直方向におけるスペースをそれほど必要とすることなく、本発明の搬送装置を組合せ計量装置やランク選別器として機能させることができる。
【0022】
第5の発明に係る搬送装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る搬送装置であって、容器の重量を測定する計量部をさらに備えている。
【0023】
ここでは、例えば、搬送部の一部として含まれる計量部において、搬送中の容器に貯留された物品の重量を測定する。
【0024】
これにより、容器を搬送している間に、容器内に貯留されている物品の計量を行うことができる。特に、上述した排出機構と組み合わせた場合には、複数の容器を搬送しながら、計量、ストック、排出という各工程を搬送装置内において実施することができる。
【0025】
第6の発明に係る搬送装置は、第5の発明に係る搬送装置であって、計量部における計量結果を用いて組合せ演算を行う組合せ演算部を、さらに備えている。
【0026】
ここでは、計量部における計量結果に基づいて、組合せ演算部において組合せ計量のための演算を行う。
【0027】
これにより、組合せ演算の結果に基づいて、選択された容器の順番を入れ替えたり、容器から物品を排出したりすることができる。
【0028】
第7の発明に係る搬送装置は、第5または第6の発明に係る搬送装置であって、順番入替機構は、複数設けられており、計量部は、複数の順番入替機構の間に配置されている。
【0029】
ここでは、搬送中の容器の順番を入れ替えるために複数設けられた順番入替機構の間に計量部を配置している。
【0030】
これにより、計量部において、順番入替時の駆動力の影響を受けることなく、高精度な計量を実施することができる。
【0031】
第8の発明に係る搬送装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る搬送装置であって、順番入替機構は、容器を支持する支持部材を有しており、容器を入れ替える際には、支持部材ごと順番を入れ替える。
【0032】
ここでは、容器の順番を入れ替える際には、容器を支持している支持部材ごと入れ替える。
【0033】
これにより、容器をより安定した状態で順番の入れ替え等を行うことが可能になる。
【0034】
第9の発明に係る組合せ計量装置は、第1から第8の発明のいずれか1つに係る搬送装置を備えている。
【0035】
ここでは、本発明の搬送装置を、組合せ計量装置に対して適用している。
【0036】
これにより、複数の容器を搬送しながら、容器内に貯留された物品の計量結果を用いて組合せ演算を行い、所望の容器から物品を排出することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の搬送装置によれば、搬送中に容器の順番を入れ替えることで、組合せ計量装置における排出処理や品質検査装置におけるランク選別処理等を高速化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明の一実施形態に係る搬送装置を搭載した組合せ計量装置について、図1〜図12を用いて説明すれば以下の通りである。
【0039】
[組合せ計量装置10全体の構成]
本実施形態に係る組合せ計量装置10は、図1に示すように、回転部(搬送部)11に対して固定配置された複数の計量器25に載置された容器Cを旋回移動させながら各計量器25において計量を行う組合せ計量装置である。そして、組合せ計量装置10では、各計量器25における計量結果に基づいて、制御部(制御部、組合せ演算部)50(図7参照)が組合せ計量の演算を行って所望の容器Cを選択して容器Cから被計量物を排出させることで組合せ計量を行う。また、組合せ計量装置10は、回転部11と、供給部12と、計量部13と、容器入替機構(順番入替機構、回転機構、分配機構)20と、制御部50(図7参照)とを備えている。
【0040】
回転部11は、円形の板状部材であって、回転駆動部23(図7参照)によって円形の板状部材の中心を回転軸として、略水平面内において計量部13や容器入替機構20等を旋回移動させることにより略水平面内において容器Cの循環経路を形成する。
【0041】
供給部12は、後述する供給・計量ゾーンZ1において、回転中の容器Cに対して被計量物を投入する。なお、供給部12としては、例えば、コンベアや振動フィーダ等の供給装置を用いることができる。
【0042】
計量部13は、後述する複数の容器入替機構20の間のスペースに配置された計量器25を複数有しており、後述する供給・計量ゾーンZ1において、供給部12によって容器Cに投入された被計量物の重量を測定する。なお、計量器25は、容器Cの支持部分に載置された容器Cの重量を測定するロードセル25a(図2および図3参照)である。
【0043】
容器入替機構20は、図1等に示すように、各計量器25(容器C)の間のスペースに配置されており、後述するストック・入れ替えゾーンZ2において、引っ掛け部材21(図4等参照)を略鉛直面内において回転させることにより、互いに隣り合う2個の容器Cの順番を略鉛直平面に沿って移動させて入れ替える。また、容器入替機構20は、後述する排出ゾーンZ3において、組合せ計量の演算によって選択された容器Cを上下反転させて被計量物を排出する。このとき、被計量物を排出する容器Cは、組合せ計量において選択された被計量物が容器入替機構20によって集合されている。このため、その選択された容器Cの固まりが排出ゾーンZ3に移動してきた場合に、その複数の容器Cを回転させて被計量物を連続的に排出するだけで、組合せ計量によって選択された被計量物を下流側へ排出することができる。なお、この容器入替機構20の詳しい構成、および容器の順番の入れ替え、1つの容器Cに対する被計量物の集合、被計量物の排出については、後段にて詳述する。
【0044】
制御部50は、図7に示すように、供給部12と、計量部13と、容器入替機構20と、回転駆動部23と、記憶部26と接続されており、記憶部26に格納されている各種プログラムに従って各部の動作を制御する。ここで、記憶部26には、組合せ計量において選択された容器Cの回転部11における相対的な位置が記憶される。このため、制御部50では、記憶部26に記憶されている所望の容器Cの位置を確認しながら選択された容器Cが1つの固まりになるように所望の容器入替機構20の動作を制御する。
【0045】
また、本実施形態の組合せ計量装置10では、容器Cに対する被計量物の供給、被計量物の計量、容器Cの順番の並び替え、容器Cから被計量物の排出といった各工程を、回転部11によって複数の容器Cを回転させながら行う。より詳細には、組合せ計量装置10では、図1に示すように、供給・計量ゾーンZ1、ストック・並び替えゾーンZ2および排出ゾーンZ3という3つの領域が形成される。つまり、被計量物が供給されていない空の状態で供給・計量ゾーンZ1へ移動してきた容器Cは、供給・計量ゾーンZ1において供給部12から所定の量の被計量物が投入され、各計量器25によって計量される。このとき、計量器25では、事前に容器Cが空の状態の重量を計量しているため、被計量物が投入された後の重量値から空の容器の重量値を引き算することで、容器Cに投入された被計量物の重量を算出することができる。制御部50(図7参照)では、以上のようにして算出された被計量物の計量値を用いて組合せ計量の演算を行う。次に、ストック・並び替えゾーンZ2に移動してきた容器Cは、制御部50における複数の被計量物の重量値を用いた組合せ計量の演算の結果、選択された複数の容器Cが連続した並びになるように、容器入替機構20によってその配置順が入れ替えられる。ストック・並び替えゾーンZ2において、容器入替機構20によって並び替えが完了した容器Cは、排出ゾーンZ3に移動して容器入替機構20によって回転させられて、その配置順に被計量物を排出する。
【0046】
以上のように、容器Cから排出された被計量物は、下流側に配置された図示しない製袋包装機等に対して供給され、所定の重量範囲内になるように梱包される。
【0047】
[容器入替機構20の構成]
容器入替機構20は、互いに隣接する位置に配置された2つの容器Cの位置を入れ替える順番入替機構(図8および図9参照)、隣の容器Cに対して被計量物の一部あるいは全部を分配する分配機構(図10(a)〜図10(d)参照)、容器C内の被計量物を排出する排出機構(図11参照)としての機能を兼ね備えている。また、容器入替機構20は、図1等に示すように、計量器25の間のスペースに設けられており、回転部11による回転駆動によって容器Cとともに旋回移動する。そして、容器入替機構20は、図4および図6に示すように、略鉛直方向に沿って配置された3つの回転駆動部20a〜20cと、回転駆動部20bによって回転駆動される引っ掛け部材21と、引っ掛け部材21の回転中心となる回転軸22と、回転軸22の回転を伝達する伝達機構30と、を備えている。
【0048】
回転駆動部20aは、図6に示すように、ギア30aを回転させ、ギア30aに噛み合ったギア31aを回転駆動することで、ギア32aを介して反転ギア33aを回転させる。ここで、反転ギア33aは、支持機構(支持部材)24に含まれる容器回転ギア24dと噛み合っている。このため、反転ギア33aを回転させることにより、引っ掛け部材21の図中左側において支持された容器Cを回転させることが可能になる。つまり、回転駆動部20aを駆動することにより、引っ掛け部材21の一方の側において支持された容器Cの姿勢を上下反転させたり、所望の角度だけ回転させたりすることができる。
【0049】
回転駆動部20bは、図6に示すように、引っ掛け部材21の回転中心となる回転軸22を回転駆動することで、引っ掛け部材21を略鉛直方向において回転させる。
【0050】
回転駆動部20cは、図6に示すように、ギア30cを回転させ、ギア30cに噛み合ったギア31bを回転駆動することで、ギア32bを介して反転ギア33bを回転させる。ここで、反転ギア33bは、反転ギア33aと同様に、支持機構24に含まれる容器回転ギア24dと噛み合っている。このため、反転ギア33bを回転させることにより、引っ掛け部材21の図中右側において支持された容器Cを回転させることが可能になる。つまり、回転駆動部20cを駆動することにより、引っ掛け部材21の他方の側において支持された容器Cの姿勢を上下反転させたり、所望の角度だけ回転させたりすることができる。
【0051】
本実施形態の組合せ計量装置10では、これらの回転駆動部20a〜20cによる回転駆動を適切に制御することにより、引っ掛け部材21の両端に支持された容器Cの順番の入れ替えや、その中に貯留されている被計量物の分配、排出等を行うことができる。なお、この回転駆動部20a〜20cを用いた容器Cの順番入替、回転、回転制御については、後段にて詳述する。
【0052】
引っ掛け部材21は、その両端部分に容器Cを保持して搬送するために形成された円弧部21aと、円弧部21aにおいて容器Cを保持するための磁石21abと、を有している。円弧部21aは、容器Cを支持する支持機構24の被支持部24cを上下方向から引っ掛けるようにしてその両端において2つの容器Cを保持する。磁石21abは、円弧部21aの近傍に取り付けられており、支持機構24に含まれる磁石24caとの間において互いを引き付け合う。
【0053】
回転軸22は、図4および図6に示すように、回転駆動部20bの回転軸として配置されており、引っ掛け部材21の中心部分と接続されている。そして、回転駆動部20bからの回転駆動力を受けて引っ掛け部材21を略鉛直方向において回転させる。
【0054】
(伝達機構30の構成)
伝達機構30は、複数のギアを組み合わせて構成されており、回転駆動部20a,20cにおける回転駆動力を引っ掛け部材21において支持されている支持機構24の容器回転ギア24d(容器C)に対して伝達する。具体的には、伝達機構30は、図6に示すように、ギア30a,30c、ギア31a,31b、ギア32a,32bおよび反転ギア33a,33bを有している。
【0055】
ギア30a,30cは、それぞれ回転駆動部20a、20cの回転軸に対して取り付けられている。
【0056】
ギア31a,31bは、ギア30a,30cとそれぞれ噛み合っており、回転駆動部20a,20cの回転駆動力をギア32a,32bに対して伝達する。
【0057】
ギア32a,32bは、互いに隣接するように同軸で配置された同じ大きさの回転ギアであって、ギア31a,31bとそれぞれ噛み合っている。そして、ギア32a,32bは、ギア31a,31bから伝達される回転駆動力を、図中左側の反転ギア33a、図中右側の反転ギア33bに対してそれぞれ伝達する。
【0058】
反転ギア33a,33bは、引っ掛け部材21の裏面側に固定配置されたギアであって、引っ掛け部材21が回転するとギア32a,32bとそれぞれ噛み合った状態のまま回転軸22を中心として回転する。そして、反転ギア33aは、引っ掛け部材21の図中左側の円弧部21aにおいて支持機構24が支持されると、支持機構24に含まれる容器回転ギア24dと噛み合うようになっている。一方、反転ギア33bは、引っ掛け部材21の図中右側の円弧部21aにおいて支持機構24が支持されると、支持機構24に含まれる容器回転ギア24dと噛み合うようになっている。このため、反転ギア33a,33bのいずれか一方を回転させることで、引っ掛け部材21の両端に形成された円弧部21aにおいて支持されている支持機構24を容器Cごと回転させることができる。
【0059】
[支持機構24の構成]
支持機構24は、図3に示すように、容器Cを支持するとともに、容器入替機構20によって容器Cとともに引っ掛け部材21上を移動する。そして、支持機構24は、図5(a)および図5(b)に示すように、容器支持部24a、開口部24b、被支持部24cおよび容器回転ギア24dを有している。
【0060】
容器支持部24aは、コの字型形状の板金部材であって、容器Cの側面に沿って配置される。
【0061】
開口部24bは、図3および図5(a)、図5(b)に示すように、板金部材である容器支持部24aのコの字型形状の両側の面に形成されており、ここに容器Cのつば部分C1が挿入されることで容器Cを支持する。
【0062】
被支持部24cは、支持機構24の最も後端側に配置されており、図4に示すように、引っ掛け部材21の円弧部21aによって支持される。
【0063】
容器回転ギア24dは、引っ掛け部材21において支持機構24が支持された際に、引っ掛け部材21の裏面側に取り付けられた反転ギア33a,33bのいずれか一方のギアに噛み合う。これにより、回転駆動部20aまたは回転駆動部20cにおける回転駆動によって、容器Cを引っ掛け部材21の円弧部21aにおいて支持された状態で、容器回転ギア24dの中心を回転軸として支持機構24ごと回転させることが可能になる。
【0064】
<容器Cの入れ替え動作>
ここで、本実施形態の組合せ計量装置10において、制御部50において選択された容器Cを所望の順番に入れ替える際の容器入替機構20の動作および容器Cの動きについて、図8(a)〜図8(e)および図9(a)〜図9(e)を用いて説明すれば以下の通りである。
【0065】
まず、制御部50は、供給・計量ゾーンZ1において、各計量器25によって計量された被計量物の重量値を各計量器25から入手して組合せ計量の演算を行う。そして、その重量値のデータの入手が完了した時点で、ストック・並び替えゾーンZ2において容器入替機構20を制御して容器Cが所望の配置順になるように並び替えを行う。
【0066】
具体的には、制御部50は、図8(a)に示すように、図中右側の引っ掛け部材21の両端の円弧部21aにおいて保持している2つの容器Cの順番を入れ替える場合には、図8(b)に示すように、略水平方向に沿った位置で初期状態となっていた隣接する図中左側の引っ掛け部材21を、反時計回りに約45度回転させて停止させるように容器入替機構20を制御する。このとき、引っ掛け部材21の回転駆動は、上述したように、引っ掛け部材21の回転中心となる回転軸22を駆動する回転駆動部20bによって行われる。
【0067】
なお、このとき図中左右の引っ掛け部材21の間で保持された容器Cは、図8(a)に示すように、図中左右両方の引っ掛け部材21に取り付けられた磁石21abによって保持されている。ここで、引っ掛け部材21を回転させる際には、図8(b)に示すように、図中左側の引っ掛け部材21側へ容器Cを引き渡すために、図中右側の容器入替機構20の回転駆動部20aを回転させて反転ギア33aを時計回りに回転させて容器Cを支持する支持機構24の被支持部24cの部分を円弧部21aの中から押し出すように移動させる。これにより、磁石21abによる保持を強制的に解除して図中左側の引っ掛け部材21の方へ容器Cを引き渡すことができる。
【0068】
一方、順番を入れ替える容器Cを両端に保持した引っ掛け部材21については、同じく図8(b)および図8(c)に示すように、反時計回りに180度回転させるように容器入替機構20を制御する。これにより、図8(d)に示すように、容器Cの順番が入れ替えられる。このとき、180度回転させる間に容器Cの姿勢が上下反転するようなことがないように、制御部50は、容器Cの開口側が横あるいは下向きにならないように回転駆動部20a,20cを制御する。詳細には、図6および図12に示すように、上述した伝達機構30に含まれるギア30a、ギア31aおよびギア32aを介して反転ギア33aを回転させることで、引っ掛け部材21の図中左側に保持された容器Cの姿勢を制御する。一方、伝達機構30に含まれるギア30c、ギア31bおよびギア32bを介して反転ギア33bを回転させることで、引っ掛け部材21の図中右側に保持された容器Cの開口が横あるいは下向きにならないように姿勢を制御する。
【0069】
最後に、制御部50は、反時計回りに45度回転した状態で停止していた隣接する引っ掛け部材21を、図8(e)に示すように元の初期状態に戻すように容器入替機構20を制御することで、容器Cの順番入替のための動作が終了する。
【0070】
なお、図9(a)に示すように、図中左側の引っ掛け部材21の両端の円弧部21aにおいて保持されている2つの容器Cの順番を入れ替える場合でも、図9(b)に示すように、隣接する図中右側の引っ掛け部材21を反時計回りに約45度回転させた後、図9(b)〜図9(d)に示すように、図中左側の引っ掛け部材21を180度回転させた後、図9(e)に示すように、図中右側の引っ掛け部材21を初期位置に戻すように容器入替機構20を制御することで、上記と同様にスムーズに容器Cの順番の入れ替え作業を完了することができる。
【0071】
以下、同様にして制御部50によって排出の順番を指定された容器Cを並び替えることで、排出ゾーンZ3に入ったときに、所望の排出順で被計量物を排出することが可能になる。
【0072】
<隣接する容器Cに対する被計量物の分配動作>
次に、本実施形態の組合せ計量装置10において、制御部50において選択された容器Cを傾けて隣接する所望の容器Cに対して被計量物の一部または全部を分配する際の容器入替機構20の動作および容器Cの動きについて、図10(a)〜図10(d)を用いて説明すれば以下の通りである。
【0073】
すなわち、制御部50は、供給・計量ゾーンZ1における計量結果が、組み合わせ計量に参加可能な所定の重量範囲から外れている被計量物を貯留している容器Cを選定し、ストック・並び替えゾーンZ2において、これらの容器Cの姿勢を傾けて隣接する容器Cに対して被計量物の一部または全部を分配(排出)する。なお、上記組み合わせ計量に参加可能な所定の重量範囲とは、例えば、供給・計量ゾーンZ1において供給された被計量物の量が少な過ぎた場合や、逆に多過ぎた場合等が考えられる。
【0074】
具体的には、制御部50は、図10(a)に示すように、図中右側の引っ掛け部材21の両端の円弧部21aにおいて保持している2つの容器Cについて、図中左側の容器Cに貯留された被計量物の計量結果が組合せ計量に参加可能な所定の重量範囲外である場合には、以下のような動作を行うことにより、隣接する容器Cに対して被計量物の一部等を分配する。
【0075】
すなわち、制御部50において、図中左側の容器C内の被計量物が所定の重量範囲外であると認識された場合には、まず、図10(b)に示すように、略水平方向に沿った位置で初期状態となっていた隣接する図中左側の引っ掛け部材21を、反時計回りに約45度回転させて停止させるように容器入替機構20を制御する。なお、引っ掛け部材21の回転駆動は、上述したように、引っ掛け部材21の回転中心となる回転軸22を駆動する回転駆動部20bによって行われる。
【0076】
このとき、図中左右の引っ掛け部材21の間で保持された容器Cは、図10(a)に示すように、図中右側の引っ掛け部材21に取り付けられた磁石21abによって保持されている。
【0077】
一方、制御部50は、左右両方の円弧部21aにおいてそれぞれ容器Cを保持している図中右側の引っ掛け部材21を、図10(b)に示すように、時計回りに約45度回転させた位置で停止するように容器入替機構20を制御する。これにより、隣接する容器Cに対して被計量物を分配する投入側の容器Cを高い位置へ移動させるとともに、隣接する容器Cから被計量物が分配される容器Cを投入側の容器Cよりも低い位置へ移動させることができる。なお、引っ掛け部材21の回転駆動は、上述したように、引っ掛け部材21の回転中心となる回転軸22を駆動する回転駆動部20bによって行われる。
【0078】
次に、図10(b)に示すように、投入元の容器Cと投入先の容器Cとが高い位置、低い位置へとそれぞれ移動すると、図中右側の容器入替機構20では、回転駆動部20aがギア30aを時計回りに回転させる。すると、図6および図12に示すギア31a、ギア32aを介して反転ギア33aが反時計回りに回転し、これに噛み合っている支持機構24の容器反転ギア24cを時計回りに回転させることができる。この結果、図10(c)に示すように、この支持機構24において支持されている容器Cを右側へ傾けることが可能になる。ここで、容器Cは上部が開口になっていることから、容器Cを傾けることにより中の被計量物を容器Cの外へと排出することができるため、容器Cが傾いた際に開口が向く方向に配置された隣接する容器Cに対して被計量物を分配することができる。
【0079】
なお、隣の容器Cに対して被計量物を排出する際の容器Cの傾きについては、制御部50において回転駆動部20a(回転駆動部20c)の回転量によって管理されており、容器Cから少量の被計量物を排出する場合には容器Cの傾きを小さくし、反対に容器Cから大量(全部)の被計量物を排出する場合には容器Cの傾きを大きくするように制御される。これにより、投入元となる容器Cに貯留された被計量物が、組合せ計量に参加可能な所定の重量範囲内になるように調整することが可能になる。
【0080】
そして、制御部50は、図10(d)に示すように、排出時に傾けられた容器Cを元の状態に戻した後、右側の引っ掛け部材21を初期位置に戻した後、左側の引っ掛け部材21を初期状態に戻すように容器入替機構20を制御する。
【0081】
この後、被計量物の投入元の容器Cおよび投入先の容器Cは、再度、供給・計量ゾーンZ1へと進み、新たに被計量物が供給されることなく、被計量物を分配後の状態でそれぞれ計量される。
【0082】
ここで双方の容器Cに貯留されている被計量物が組合せ計量に参加可能な所定の重量範囲内になっている場合には、これらの容器Cはそのままストック・並び替えゾーンZ2へと移動し、ここで組合せ計量に参加する容器Cの順番が並び替えられた後、排出ゾーンZ3において被計量物を排出する。
【0083】
一方、被計量物を分配後における双方あるいはいずれか一方の容器Cの計量結果が上記所定の重量範囲外である場合には、制御部50は、再び容器入替機構20を制御して2つの容器C間において被計量物の分配を行う。
【0084】
本実施形態の組合せ計量装置10では、以上のように、組合せ計量に参加可能な所定重量範囲外の被計量物を他の容器Cに対して分配する動作を1回あるいは繰り返し行うことで、組合せ計量に参加不能な容器Cの数を減らして効率よく組合せ計量を実施することが可能になる。
【0085】
なお、上述した被計量物の分配動作については、組合せ計量において選択された各被計量物を貯留している容器Cを隣接するように並び替えた後、特定の1つの容器Cに対してそれらの容器Cに貯留された被計量物を集合させるように分配動作を行ってもよい。
【0086】
この場合には、組合せ計量に参加する被計量物を、1回の排出動作、つまり1つの容器Cの上下反転によって全て排出することができるため、複数の容器Cから被計量物を排出する場合と比較して排出動作を効率よく実施することができる。
【0087】
<容器Cからの被計量物の排出動作>
続いて、本実施形態の組合せ計量装置10において、制御部50において選択された容器Cを上下反転させて所望の位置で被計量物を排出する際の容器入替機構20の動作および容器Cの動きについて、図11(a)〜図11(e)を用いて説明すれば以下の通りである。
【0088】
すなわち、制御部50は、供給・計量ゾーンZ1における計量結果に基づいて、ストック・並び替えゾーンZ2において容器Cを所望の順番に入れ替えた後、排出ゾーンZ3において容器Cから被計量物が排出される。
【0089】
具体的には、制御部50は、図11(a)に示すように、図中右側の引っ掛け部材21の両端の円弧部21aにおいて保持されている2つの容器Cのうち、図中左側の容器Cに組合せ計量に参加するために選択された被計量物が貯留されている場合には、排出ゾーンZ3において図中左側の容器Cから被計量物を排出する。
【0090】
すなわち、まず、図11(b)に示すように、略水平方向に沿った位置で初期状態となっていた隣接する図中左側の引っ掛け部材21を、図中右側の円弧部21aにおいて容器Cを保持したまま反時計回りに約60度回転させて停止させるように容器入替機構20を制御する。なお、引っ掛け部材21の回転駆動は、上述したように、引っ掛け部材21の回転中心となる回転軸22を駆動する回転駆動部20bによって行われる。
【0091】
なお、このとき図中左右の引っ掛け部材21の間で保持された容器Cは、図11(a)に示すように、図中左右両方の引っ掛け部材21に取り付けられた磁石21abによって保持されている。このため、上記と同様に、引っ掛け部材21を回転させる際には、図11(b)に示すように、図中左側の引っ掛け部材21側へ容器Cを引き渡すために、図中右側の容器入替機構20の回転駆動部20aを回転させて反転ギア33aを時計回りに回転させて容器Cを支持する支持機構24の被支持部24cの部分を円弧部21aの中から押し出すように移動させる。これにより、磁石21abによる保持を強制的に解除して図中左側の引っ掛け部材21の方へ容器Cを引き渡すことができる。
【0092】
次に、図11(b)に示すように排出元の容器Cが初期位置よりも高い位置へ移動すると、図中左側の容器入替機構20では、回転駆動部20cが図6および図12に示すギア30cを時計回りに回転させる。すると、ギア31b、ギア32bを介して反転ギア33bが反時計回りに回転し、これに噛み合っている支持機構24の容器反転ギア24dを時計回りに回転させることができる。この結果、図11(c)に示すように、この支持機構24において支持されている容器Cを、開口が下を向くように上下反転させることが可能になる。このため、容器Cの下方に配置された図示しない集合シュート等に対して被計量物を排出することができる。また、制御部50は、図11(c)に示す排出時には、容器Cの上下反転とともに、引っ掛け部材21を時計回りに回転させるように容器入替機構20を制御する。これにより、容器Cが回転した際に重力によって下方に落下する被計量物に対して鉛直下向きの力を加えることができるため、被計量物が複数の物品から構成される場合に生じ易い尾引きの発生を防止することができる。
【0093】
なお、被計量物を隣の容器Cに対して排出する際の容器Cの上下反転については、制御部50において回転駆動部20c(回転駆動部20a)の回転量によって管理されており、容器Cが150度〜180度回転するように制御される。これにより、容器C内に貯留されている被計量物を外部に確実に排出することができる。
【0094】
そして、制御部50は、図11(d)に示すように、排出時に傾けられた容器Cを元の状態に戻した後、図11(e)に示すように、左右の引っ掛け部材21を双方とも初期位置に戻すように容器入替機構20を制御する。
【0095】
本実施形態の組合せ計量装置10では、以上のように、略水平面内において旋回移動している容器Cが所定の位置に移動してきたタイミングで容器Cを上下反転させることにより、所望の場所に容器Cに貯留されていた被計量物を排出することができる。そして、上述したように、本実施形態では、組合せ計量の結果に基づいて、組合せ計量に参加するために容器Cの順番が並び替えられているため、所望の被計量物を連続して所定の場所に排出することが可能になる。
【0096】
[組合せ計量装置10の特徴]
(1)
本実施形態の組合せ計量装置10では、被計量物が投入される複数の容器Cを略水平面内において旋回移動させる回転部11と、容器Cに投入された被計量物の計量を行う計量部13と、容器Cの順番を入れ替える容器入替機構20と、を備えた装置であって、容器入替機構20は、図8(a)〜図8(e)に示すように、制御部50(図7参照)において選択された2つの容器Cを略鉛直平面内に沿って移動させて順番を入れ替える。
【0097】
これにより、容器Cを旋回移動させながら計量、ストック、排出を行う場合において、所望の順番に容器Cを入れ替えることができるため、ストック中に容器Cの並び替えを行うことで排出時には容器Cから連続して被計量物を排出することができる。また、図8(a)〜図8(e)に示すように、容器Cを入れ替える際には、略鉛直方向に沿って容器Cを移動させることで、略水平方向に沿って容器Cを移動させて入れ替える場合と比較して、装置が占有する平面的なスペースを縮小化することができる。
【0098】
(2)
本実施形態の組合せ計量装置10では、容器入替機構20が、図10(a)〜図12に示すように、旋回移動している容器Cの姿勢を上下反転させる回転機構としても機能する。
【0099】
これにより、容器Cのように上部が開口した入れ物に被計量物を投入して組合せ計量を行う場合には、容器入替機構20によってこの容器Cを上下反転させることで、近傍に配置された他の容器Cに対して被計量物の一部あるいは全部を供給したり、所定の排出位置で被計量物を容器Cから排出したりすることもできる。
【0100】
(3)
本実施形態の組合せ計量装置10では、図1に示すように、回転部11を回転軸を中心として回転させることで、複数の容器Cを旋回移動させながら計量、ストック、排出等の処理を行っている。
【0101】
これにより、回転部11を複数の容器Cを搬送するための搬送部としてだけではなく、組合せ計量において制御部50によって選択される前の容器Cについてはストック部として機能させることができる。
【0102】
(4)
本実施形態の組合せ計量装置10では、複数の容器Cを旋回移動させて形成される循環ループを、略水平面内において形成している。
【0103】
これにより、装置の鉛直方向における占有スペースを最小限に抑えて、装置の小型化を図ることができる。
【0104】
(5)
本実施形態の組合せ計量装置10では、図1等に示すように、搬送部として機能する回転部11に対して、容器Cに投入された被計量物の計量を行う計量部13を固定配置している。
【0105】
これにより、複数の容器Cを旋回移動させながら、計量部13において計量を行うことができるため、計量から排出までの処理を高速化することができる。
【0106】
(6)
本実施形態の組合せ計量装置10では、図7に示す制御部50が、計量部13における計量結果に基づいて組み合わせ演算を行う。
【0107】
これにより、制御部50における組合せ演算の結果に基づいて、容器入替機構20が容器Cの順番を入れ替えることで、組合せ計量に参加する被計量物を連続して排出することができる。この結果、組合せ計量に参加する全ての被計量物を排出する時間を短縮して、効率よく被計量物の排出処理を実施することができる。
【0108】
(7)
本実施形態の組合せ計量装置10では、図1および図2に示すように、複数の容器Cに貯留された被計量物の計量を行う計量器25は、容器入替機構20の間に挿入されるように配置されている。
【0109】
このように、駆動系を含む容器入替機構20とは別に計量器25を設けることで、引っ掛け部材21を駆動する際の振動等が計量に悪影響を与えることを回避して、常に高精度な計量を実施することができる。
【0110】
(8)
本実施形態の組合せ計量装置10では、容器入替機構20において、容器Cを支持する支持機構24ごと容器Cの順番を入れ替えている。
【0111】
これにより、上部に開口を有する容器Cを略鉛直平面内において移動させて順番を入れ替える場合でも、容易に容器Cを保持して順番の入れ替えを行うことができる。
【0112】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0113】
(A)
上記実施形態では、図1に示すように、複数の容器入替機構20および計量器25を略水平面内において旋回移動させて略水平面内において1つの循環ループを形成する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0114】
例えば、図13に示す、下流側に、排出された被計量物を集合させる集合シュート101と、フィルムFを用いて製袋する製袋包装機102とを備えた製袋包装システム100のように、図1に示すような略水平面内に沿って容器Cを移動させる循環ループが上下方向に複数段重ねるように複数の組合せ計量装置10によって構成されていてもよい。
【0115】
この場合には、上段に位置する循環ループに沿って旋回移動する容器Cを、下段に位置する循環ループに沿って旋回移動する容器C上において上下反転させることで、上段の容器Cから下段の容器Cに対する被計量物の供給、分配等を行うことができる。
【0116】
(B)
上記実施形態では、図10(a)〜図10(d)に示す被計量物の分配動作において、制御部50によって選択される2つの容器Cが、投入元の容器Cと投入先の容器Cとが共に上記所定重量範囲外である例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0117】
例えば、いずれか一方の容器Cに貯留された被計量物が上記所定重量範囲外であり、他方の容器Cに貯留された被計量物が上記所定重量範囲内であってもよい。
【0118】
例えば、投入元の容器C内の被計量物が上記所定重量範囲外である場合には、投入先となる容器Cにおいて貯留されている被計量物の重量を考慮して、上記所定重量範囲を超えない程度の投入量になるように容器Cの傾き量が制御される。
【0119】
これにより、上記所定重量範囲内の被計量物と範囲外の被計量物とを組み合わせた場合でも、双方の被計量物が所定重量範囲内になるようにすることができる。
【0120】
(C)
上記実施形態では、容器入替機構20間において、容器Cを直接受け渡すのではなく、支持機構24を介して容器Cの受け渡しを行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0121】
例えば、容器入替機構間において、支持機構を介すことなく、直接容器の受け渡しを行ってもよい。この場合でも、組合せ計量装置における被計量物の排出処理を効率よく行うことができるという上記と同様の効果を得ることができる。
【0122】
(D)
上記実施形態では、本発明に係る搬送装置を組合せ計量装置10に対して適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0123】
例えば、ランク分別装置や、シールチェッカ等の品質検査装置における搬送装置として搭載されていてもよい。この場合には、例えば、ランク分別装置において7段階にランク分けされた物品を、ランク順に物品が配置されるように順番を入れ替えてもよい。
【0124】
これにより、排出位置まで搬送される間に、ランク順に並び替えられた容器Cから物品を排出することができるため、その後の箱詰め等の後処理を効率よく行うことができる。
【0125】
また、シールチェッカのような不良品と良品とを分別するための検査を行う装置では、良品と不良品とが完全に2分されるように順番を入れ替えてもよい。このような場合でも、搬送中に所望の順番に物品の順番を入れ替えることができるため、箱詰め等のその後の処理を効率よく実施することが可能になる。
【0126】
(E)
上記実施形態では、容器Cを旋回移動させながら順番を入れ替える構成を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0127】
例えば、直線状に容器Cを搬送する搬送部によって容器を搬送しながらその順番を上記実施形態と同様の構成を有する容器入替機構によって入れ替える構成であってもよい。
【0128】
(F)
上記実施形態では、容器入替機構20によって互いに隣接する2つの容器Cの順番を入れ替える例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0129】
例えば、1個の容器を挟み込むように配置された2つの容器の順番を入れ替えるような構成であってもよい。ただし、この場合には、複数の容器を所望の順番に入れ替える制御が複雑になってしまうため、制御を簡略化するという面では、上記実施形態のように隣接する2つの容器の順番を入れ替える構成がより好ましい。
【0130】
(G)
上記実施形態では、容器入替機構20によって隣接する2つの容器Cの順番を入れ替える例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0131】
例えば、隣接する4つの容器の順番を入れ替える容器入替機構であってもよい。ただし、この場合にも、複数の容器を所望の順番に入れ替える制御が複雑になってしまうため、制御を簡略化するという面では、上記実施形態のように2つの容器の順番を入れ替える構成がより好ましい。
【0132】
(H)
上記実施形態では、搬送中の容器Cの順番を入れ替える容器入替機構20が、容器Cの旋回軌道に沿って回転部11(容器C)とともに移動する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0133】
例えば、容器の移動が間欠移動である場合には、容器の搬送径路の側方における所定の位置に容器入替機構を固定配置してもよい。この場合には、間欠移動する容器が停止状態になる間に順番入替機構が容器に接触して保持し、順番入替を行えばよい。
【産業上の利用可能性】
【0134】
組合せ計量装置における被計量物の排出や品質検査装置におけるランク分け等の後処理を高速化できるという効果を奏することから、複数の物品を搬送する搬送装置を搭載した各種装置に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送装置を搭載した組合せ計量装置の全体の構成を示す平面図。
【図2】図1の組合せ計量装置に含まれる計量器と容器入替機構との位置関係を示す平面図。
【図3】図2の計量器において支持されている容器を示す側面図。
【図4】図1の組合せ計量装置に含まれており、容器の順番の入れ替え、被計量物の分配、排出等を行う容器入替機構において容器を支持した状態を示す正面図。
【図5】(a)および(b)は、図3の容器入替機構によって容器ごと移動する支持機構の構成を示す側面図と正面図。
【図6】図1の組合せ計量装置において容器の順番の入れ替え、被計量物の分配、排出等を行う容器入替機構の構成を示す正面図。
【図7】図1の組合せ計量装置が備えている制御ブロックを示すブロック図。
【図8】(a)〜(e)は、図4および図6に示す容器入替機構によって容器の順番を入れ替える際の動作の流れを示す正面図。
【図9】(a)〜(e)は、図4および図6に示す容器入替機構によって容器の順番を入れ替える際の動作の流れを示す正面図。
【図10】(a)〜(d)は、図4および図6に示す容器入替機構によって隣接する容器に対して被計量物を分配する際の動作の流れを示す正面図。
【図11】(a)〜(d)は、図4および図6に示す容器入替機構によって容器から被計量物を排出する際の動作の流れを示す正面図。
【図12】図4および図6に示す容器入替機構に含まれる容器の姿勢を上下反転させるための機構を示す側面図。
【図13】本発明の他の実施形態に係る搬送装置を搭載した組合せ計量装置を含む製袋包装システムの構成を示す斜視図。
【符号の説明】
【0136】
10 組合せ計量装置
11 回転部(搬送部)
12 供給部
13 計量部
20 容器入替機構(順番入替機構、回転機構、分配機構)
20a 回転駆動部
20b 回転駆動部
20c 回転駆動部
21 引っ掛け部材
21a 円弧部
21ab 磁石
22 回転軸
23 回転駆動部
24 支持機構(支持部材)
24a 容器支持部
24b 開口部
24c 被支持部
24ca 磁石
24d 容器回転ギア
25 計量器
25a ロードセル
26 記憶部
30 伝達機構
30a ギア
30c ギア
31a ギア
31b ギア
32a ギア
32b ギア
33a 反転ギア
33b 反転ギア
50 制御部(制御部、組合せ演算部)
100 製袋包装システム
101 集合シュート
102 製袋包装機
C 容器
C1 つば部分
F フィルム
Z ゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器を搬送する搬送部と、
前記搬送部において搬送中の前記複数の容器のうち、選択された複数の容器の順番を略垂直平面内において入れ替える順番入替機構と、
前記順番入替機構によって入れ替える前記容器を指定する制御部と、
を備えている搬送装置。
【請求項2】
前記順番入替機構は、前記容器の姿勢を回転させる回転機構を有している、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記搬送部は、前記複数の容器を循環経路に沿って移動させる、
請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記搬送部によって形成される前記容器の循環経路は、略水平面内において形成される、
請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記容器の重量を測定する計量部をさらに備えている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記計量部における計量結果を用いて組合せ演算を行う組合せ演算部を、さらに備えている、
請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記順番入替機構は、複数設けられており、
前記計量部は、複数の前記順番入替機構の間に配置されている、
請求項5または6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記順番入替機構は、前記容器を支持する支持部材を有しており、
前記容器を入れ替える際には、前記支持部材ごと順番を入れ替える、
請求項1から7のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の搬送装置を備えている、
組合せ計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−114179(P2007−114179A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131380(P2006−131380)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(505195306)
【Fターム(参考)】