説明

搬送装置及び塗布システム

【課題】浮上する基板を確実に保持することができ、しかも、保持した基板を、簡単な構成により全体として平坦とする。
【解決手段】基板Wを搬送する搬送装置40は、基板Wを浮上させる浮上ステージ1と、浮上させた基板Wの側部下面9を吸着する吸着機構3と、吸着機構3を移動させることにより当該吸着機構3が吸着した基板Wを所定高さhに浮上させた状態で搬送する搬送駆動手段とを備えている。吸着機構3は、基板Wの側部下面9を接触させることで当該基板Wの側部を前記所定高さhに位置決めする接触面11を有しているストッパ10と、基板Wの側部下面9を吸着可能であり、吸着前は接触面11よりも上に所定寸法Sについて突出し吸着すると当該所定寸法Sについて下に収縮する吸着パッド20とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を浮上搬送する搬送装置、及び、浮上搬送する基板に対して塗布液を塗布する塗布システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、又は、太陽電池パネルを製造するために、ガラス基板上に塗布液(例えばレジスト液)が塗布された塗布基板が用いられている。このようなガラス基板に塗布液を塗布する装置として、例えば特許文献1に記載の塗布システムが用いられている。
この塗布システムは、ガラス基板を浮上搬送する搬送装置と、浮上搬送するガラス基板の上面に対して塗布液を吐出する口金を有している塗布装置とを備えている。搬送装置は、上面から気体を噴射してガラス基板を浮上させる浮上ステージと、浮上させたガラス基板の側部を吸着する吸着機構と、この吸着機構を基板搬送方向に移動させることにより吸着したガラス基板を搬送する搬送駆動手段とを有している。
【0003】
この塗布システムによれば、ガラス基板を浮上ステージによって所定高さに浮上させ、当該ガラス基板の側部を吸着した吸着機構を搬送駆動手段によって移動させることにより、ガラス基板を浮上させた状態で搬送し、当該ガラス基板に対して塗布液を塗布することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−244155号公報(図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガラス基板は、その面積に比べて非常に薄いため、浮上ステージ上で所定高さに浮上させた際、例えば、ガラス基板の側部(側端部のみ)が当該所定高さよりも(おおよそ1ミリ未満であるが)上となるように反った形状となる。これは、ガラス基板の側部は自由端であることから、当該側部は、浮上ステージの左右縁部の領域から噴射されるエアによって、より高く持ち上げられるためであると考えられる。
【0006】
また、塗布システムでは、塗布液の膜厚が不均一となることにより生じる塗布ムラを抑制する観点から、塗布液を塗布する際、所定高さに浮上させたガラス基板を、全体として水平状とするのが好ましい。このために、前記吸着機構は、ガラス基板の側部下面を吸着する吸着面(上面)を、前記所定高さと同一の高さに設定している。
このため、ガラス基板の側部が前記所定高さよりも上となるように反った形状であると、当該側部の下面と吸着機構の吸着面との間に隙間が生じた状態となり、吸着機構は空吸引となって、ガラス基板を確実に吸着保持することができないおそれがある。
【0007】
そこで、吸着機構がガラス基板を確実に吸着するために、以下の手段が考えられる。すなわち、反った形状にあるガラス基板の側部に沿うように、吸着機構(吸着面)を予め僅かに上寄りの位置に配置したり、アクチュエータによって吸着機構を僅かに上寄りの位置に移動させたりすることが考えられる。
しかし、この場合、ガラス基板は、反った形状のまま搬送されることとなり、ガラス基板と塗布装置の口金との間隔が、位置によって異なり、塗布ムラが生じる。
このため、吸着面を僅かに上寄りに位置させた吸着機構を、吸着後に下げる構成とすることが考えられる。しかし、吸着後に吸着機構を下げてガラス基板の反りを解消しようとしても、その下げ量は微少(1ミリ未満)であり、このような微少な位置制御を実現するためには、非常に精密な構成及び制御を要し、装置のコストアップに繋がる。
【0008】
なお、このように、浮上搬送されるガラス基板のうち部分的に高くなる部位は、側部に限らず、例えば中央部でも生じることがあり、また、搬送装置の形式によっては、様々な部位で高くなるおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、浮上する基板を確実に保持することができ、しかも、保持した基板を、簡単な構成により全体として平坦とすることができる搬送装置、及び、このように保持して浮上搬送する基板に塗布液を塗布することが可能となる塗布システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の搬送装置は、基板を浮上させる浮上ステージと、前記浮上ステージによって浮上させた前記基板の下面を吸着する吸着機構と、前記吸着機構を基板搬送方向に移動させることにより当該吸着機構が吸着した前記基板を所定高さに浮上させた状態で当該基板搬送方向に搬送する搬送駆動手段と、を備え、前記吸着機構は、前記基板の前記下面を接触させることで当該基板を前記所定高さに位置決めする接触面を有している位置決め部と、前記基板の前記下面を吸着可能であり、吸着前は前記接触面よりも上に所定寸法について突出し吸着すると当該所定寸法について下に収縮する吸着部とを有していることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、吸着機構の吸着部は、基板の下面への吸着前では、位置決め部の接触面よりも上に所定寸法について突出しているので、例えば、所定高さに浮上している基板が反っていて当該基板の一部(吸着部が吸着する部分)が当該所定高さよりも上に位置していても、吸着部は、その部分の下面を吸着することが可能となり、基板を確実に保持することができる。
しかも、吸着部が基板の下面を吸着すると、吸引により吸着部内で生じる負圧によって、当該吸着部は前記所定寸法について下に収縮することから、吸着した下面を位置決め部の接触面に接触させ、基板(吸着した部分)を前記所定高さに位置決めする。そして、前記位置決め部と前記吸着部とによる簡単な構成により、基板を確実に保持することができると共に、保持した基板を全体として平坦にすることができる。
【0012】
また、前記位置決め部には、前記接触面に接触した前記基板の前記下面を吸引する吸引部が設けられているのが好ましい。
この場合、吸着部によって吸着し位置決め部の接触面に接触させた基板の下面を、さらに吸引部が吸引するので、基板をより強く保持することができる。特に、搬送開始及び停止の際に生じる加速度が大きい場合、基板が吸着部と共に基板の面方向に僅かに振動するおそれがあり、また、基板と吸着部との間で搬送方向にわずかにずれることがあるが、吸引部によってこれを抑制することができる。
【0013】
また、前記吸着部の少なくとも一部が、上下方向に伸縮自在な蛇腹構造である場合、吸着部が基板の下面に吸着すると、吸引により吸着部内で生じる負圧によって、吸着部は、容易に収縮する。そして、吸着が解除されると、吸着部は接触面よりも上に突出した状態に復帰することができる。
なお、蛇腹構造を部分的に設ける場合、蛇腹構造部を吸着部の下部や中央部に設けてもよいが、基板と接触する上端部に蛇腹構造部を設けた場合は、当該上端部が柔軟性を有することから、基板との密着性が向上し吸着性能をより向上させることができる。
【0014】
また、前記吸着機構は、前記基板に沿って所定間隔を有して複数設けられており、当該吸着機構それぞれの前記接触面は、同一平面上に設定されているのが好ましい。
この場合、吸着機構が複数設けられているので、基板をより強く保持することができる。なお、基板の保持力を強くするために、基板に沿って連続している単一の長い吸着機構(接触面)を設置してもよいが、この場合、当該吸着機構の接触面を、その長手方向全体にわたって同一平面上に製造及び調整する必要がある。しかし、吸着機構が、所定間隔を有して複数設けられている場合では、接触面の高さを吸着機構毎で調整すればよく、全ての接触面を同一平面上に調整する作業が容易となる。
【0015】
また、本発明の塗布システムは、前記搬送装置と、前記搬送装置の前記浮上ステージによって前記基板を所定高さに浮上させた状態で前記搬送駆動手段によって搬送される当該基板の上面に対して塗布液を吐出する吐出口を有している塗布装置とを備えたことを特徴とする。
前記搬送装置によれば、前記のとおり、基板を確実に保持することができ、しかも、当該基板を前記所定高さに位置決めすることができる。このため、基板の上面に対して塗布装置の吐出口から塗布液を吐出する際、当該基板を所定高さで浮上搬送するが、この基板の、前記吸着機構による吸着部分についても当該所定高さに位置決めされているので、基板を全体として平坦にすることができる。このため、浮上搬送される基板と塗布装置の吐出口との間隔を一定に保つことができ、塗布ムラの発生を抑制することができる。
【0016】
また、前記浮上ステージは、前記塗布装置が塗布液を前記基板に塗布する塗布作業位置を含むメインユニットと、当該メインユニットの前記基板搬送方向で上流側と下流側とのうちの少なくとも一方に設けられているサブユニットとを有しているのが好ましい。
塗布ムラを抑制するためには、基板と塗布装置の吐出口との間隔を一定とすべきであることから、塗布作業位置を含むメインユニットは、基板の浮上高さ精度が高いものとするのが好ましい。なお、浮上高さ精度とは、基板の浮上量のバラツキの程度であり、例えば、浮上ステージが、その上面から気体を噴射して基板を浮上させる方式の場合では、気体の噴射量のバラツキにより生じる基板の浮上量のバラツキの程度である。つまり、浮上高さ精度が高いとは、気体の噴射量のバラツキが小さく、基板の浮上量が全体にわたって均一であることを意味する。
そして、メインユニットの上流側と下流側との少なくとも一方に設けられるサブユニットは、基板の浮上高さ精度が多少低くても、塗布ムラに影響を与えない。このため、サブユニットはメインユニットよりも精度が低いものを採用することができ、浮上ユニットにおいて必要な長さを確保しながらも、装置のコストダウンが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の搬送装置によれば、吸着機構の位置決め部及び吸着部により、簡単な構成で、浮上する基板を確実にかつ全体を平坦として保持することができ、また、本発明の塗布システムによれば、このように保持した基板に塗布液を塗布することで、塗布ムラの発生を抑え、品質の良い塗布基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の塗布システムの概略構成を示す斜視図である。
【図2】塗布液を基板に塗布する塗布作業位置を左右方向から見た説明図である。
【図3】吸着機構の斜視図である。
【図4】吸着機構の一部を拡大して示した断面図である。
【図5】(a)は本発明が解決することができる別の課題を説明する図であり、(b)は従来例の問題点を説明する説明図である。
【図6】吸着パッドの他の形態を説明する説明図である。
【図7】塗布システムによる処理順序を説明する説明図である。
【図8】本発明の搬送装置を備えた検査システムの概略構成を示す説明図である。
【図9】吸着機構の他の形態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の塗布システムの概略構成を示す斜視図である。この塗布システムは、浮上搬送する薄板状の基板(ガラス基板)Wに対して、薬液やレジスト液等の液状物である塗布液を塗布するものである。
この塗布システムは、基板Wを浮上搬送する搬送装置40を有しており、この搬送装置40は、上面2から気体を噴射して基板Wを浮上させる浮上ステージ1と、この浮上ステージ1によって浮上させた基板Wの側部8の下面(以下、側部下面ともいう)を吸着する吸着機構3と、この吸着機構3を基板搬送方向Xに移動させることにより当該吸着機構3が吸着した基板Wを同方向Xに搬送する搬送駆動手段4とを備えている。本実施形態では、基板搬送方向Xを前方向、その反対が後方、前後方向と水平面上で直交する方向を左右方向、前後方向および左右方向の双方に直交する方向を上下方向(高さ方向)と呼ぶ。
【0020】
塗布システムは、さらに、浮上搬送する基板Wの上面に対して塗布液を吐出する口金(吐出口)6を有している塗布装置5を備えている。この塗布装置5では、塗布液が口金6まで供給され、口金6から塗布液が吐出されることで基板Wに塗布液を塗布することができる。口金6は、左右方向に長く水平であるスリットによって形成されており、基板Wの左右方向のほぼ全長(全幅)に対して、塗布液を塗布する。
図2は、塗布液を基板Wに塗布する塗布作業位置Pを、左右方向から見た説明図である。基板Wは、浮上ステージ1によって、搬送装置40の基準面から所定高さhに浮上した状態となり、この状態で、基板Wの側部下面9が、前記吸着機構3によって吸着されている。なお、前記「基準面」は、高さ方向の位置に関して基準となる水平面であればよく、本実施形態では、浮上ステージ1の上面2である。
そして、この基板Wは前記搬送駆動手段4(図1参照)によって搬送される途中で、その上面に対して口金6から塗布液が塗布される。
【0021】
図1において、本実施形態の浮上ステージ1は、前後方向に分割されており、上流側から、上流側サブユニット32、メインユニット31、及び下流側サブユニット33を有している。ユニット32,31,33それぞれは、基板Wを浮上させるための気体として圧縮空気を噴射する構成であり、微細な孔を有する多孔質からなるステージ本体を有し、この微細な孔から圧縮空気を上に噴射する。浮上ステージ1の左右方向寸法は基板Wの左右方向寸法よりも小さく、基板Wの左右側部8,8は浮上ステージ1からはみ出した状態となる。また、ユニット32,31,33それぞれは、空気を吸引する吸引孔もその上面に有しており、噴射する圧縮空気と吸引する空気とのバランスを、図外の制御装置が制御することにより、基板Wを水平状の姿勢で浮上させる。
【0022】
ユニット32,31,33それぞれで異なる点は、前後方向の長さ、及び基板Wの浮上高さ精度である。「浮上高さ精度」とは、例えば圧縮空気の噴射量のバラツキにより生じる基板Wの浮上量のバラツキの程度である。つまり、浮上高さ精度が高いとは、圧縮空気の噴射量のバラツキが小さく、基板Wの浮上量が全体にわたって均一であることを意味し、浮上高さ精度が低いとは、圧縮空気の噴射量のバラツキが大きく、基板Wの浮上量が全体にわたって不均一であることを意味する。
そして、この浮上高さ精度が、メインユニット31と、サブユニット32,33とで異なっており、メインユニット31の浮上高さ精度は、サブユニット32,33よりも高いものである。
【0023】
前記吸着機構3は、上流側サブユニット32に搬入され浮上させた基板Wの側部8の下面を吸着し、その吸着状態を保ったまま、前記搬送駆動手段4によって下流側サブユニット33まで搬送される。図1は、基板Wが下流側サブユニット33上に到達した状態を示している。
吸着機構3は、浮上ステージ1の左右両側それぞれに設けられており、本実施形態では、基板Wの片側の側部8に沿って前後方向に所定間隔を有して三台設けられ、左右方向の両側で、合計六台設けられている。片側三台の吸着機構3は、共通する可動部材34に搭載されており、一体となって移動する。吸着機構3の詳細な構成については後に説明する。
【0024】
前記搬送駆動手段4は、基板搬送方向Xに長く浮上ステージ1の左右両側に設置されたレール35,35と、前記可動部材34をレール35に沿って基板搬送方向Xに移動させる前後方向駆動部36とを有している。前後方向駆動部36は、例えばリニアモータからなる。搬送駆動手段4は、吸着機構3を搭載する左右の可動部材34,34を同期させて同方向に移動させることで、当該吸着機構3が吸着した基板Wを直線的に搬送する。
【0025】
図3は、吸着機構3の斜視図である。この吸着機構3は、前記可動部材34(図1参照)に固定される固定部材13と、この固定部材13に対して上下方向にガイドされて昇降する昇降部材14と、この昇降部材14を上下方向に移動させる上下方向駆動部17とを有している。上下方向駆動部17は、例えばエアシリンダを有しており、エアが供給されることで昇降部材14を上昇させることができる。
さらに、吸着機構3は、基板Wの側部8を上下方向(高さ方向)に位置決めするストッパ(位置決め部)10と、この基板Wの側部8の下面を吸着して保持する吸着パッド(吸着部)20とを有している。ストッパ10及び吸着パッド20は、昇降部材14に設置されている。吸着機構3は、昇降部材14の高さ、つまり、ストッパ10の高さを調整(微調整)する調整器15を有している。
【0026】
ストッパ10は、基板Wの側部8に沿って形成された細長い直方体のブロックであり、このストッパ10の長手方向に沿って、複数の吸着パッド20が設けられている。ストッパ10は、例えば樹脂製や金属製であり、吸着パッド20は、ゴム等の弾性素材からなる筒状の部材であり、弾性変形する。
【0027】
図2において、ストッパ10の上面は、基板Wの側部下面9を面接触させる接触面11であり、接触面11は水平であり平坦に形成されている。また、この接触面11の前記基準面からの高さが、前記所定高さhと同一に設定されている。このため、接触面11に、基板Wの側部下面9を接触させることで、当該基板Wの側部を所定高さhに位置決めすることができる。
そして、この位置決めした状態で、複数の吸着パッド20が基板Wの側部下面9を吸着し、基板Wは吸着機構3に固定される。
【0028】
図3において、各吸着パッド20は、吸引ポンプ24と、吸着用電磁弁29a及び配管25を介して、繋がっている。各吸着パッド20は、吸引ポンプ24によって、空気を吸引する筒状のノズルであり、基板Wの側部8の下面を吸着することができる。本実施形態では、七個の吸着パッド20が所定間隔毎に設けられており、ストッパ10に埋設された状態で設けられている。
【0029】
図4は、吸着機構3の一部を拡大して示した断面図であり、(a)は基板Wへの吸着直前、(b)が基板Wへの吸着後である。なお、前記のとおり、ストッパ10の接触面11は、基準面から所定高さhの位置にある。また、基板Wは、その面積に比べて非常に薄いため、前記浮上ステージ1で基準面から所定高さhに浮上させた際、基板Wの側部(側端部のみ)が、当該所定高さhよりも(おおよそ1ミリ未満であるが)上となるように反った形状となる。
このため、図4(a)に示しているように、基板Wの側部下面9は、接触面11との間で僅かな隙間が形成されている。
【0030】
ストッパ10には上下方向に貫通した貫通孔16が設けられており、この貫通孔16に吸着パッド20が設けられている。吸着パッド20は、基板Wの側部下面9への吸着前では、自由状態にあり、ストッパ10の接触面11よりも上に所定寸法Sについて突出している。つまり、吸着パッド20は接触面11よりも上に所定寸法Sの出代を有している。この所定寸法Sは、基板Wの側部下面9と、接触面11との間に形成されてしまう前記隙間の値以上に設定される。
この吸着パッド20によれば、基板Wの側部下面9を吸着する前において、所定高さhに浮上している基板Wが反っていて、基板Wの側部が当該所定高さhよりも僅かに上に位置していても、吸着パッド20の上端部20aが、ストッパ10の接触面11よりも上に突出しているので、吸着パッド20は、基板Wの側部下面9に接触し、当該側部下面9を吸着することができ、基板Wの側部を確実に保持することができる。
【0031】
そして、吸着パッド20が、基板Wの側部下面9に吸着すると、前記吸引ポンプ24による吸引で生じる負圧によって、図4(b)に示しているように、吸着したまま弾性変形して下に収縮し、吸着した基板Wの側部下面9を接触面11に接触させる。そして、吸引ポンプ24による吸引は継続しており、吸着パッド20は、接触面11に接触している側部下面9を吸着したままの状態を保つ。このように、吸着パッド20は、出代であった前記所定寸法S(図4(a)参照)について、下に収縮した状態となる。なお、吸引ポンプ24による吸着が解除され、基板Wが搬出されると、吸着パッド20は弾性復元力によって伸張し、元の状態、つまり、接触面11よりも上に所定寸法Sについて突出している状態に、自動的に復帰する。
【0032】
このように、吸着パッド20が基板Wの側部下面9を吸着すると、当該吸着パッド20は下に収縮することから、吸着した側部下面9をストッパ10の接触面11に接触させ、基板Wの側部を前記所定高さhに位置決めすることができる。
このため、基板Wの上面に対して前記塗布装置5(図示参照)の口金6から塗布液を吐出する際、この基板Wを浮上ステージ1によって所定高さhに浮上させるが、この基板Wの側部についても当該所定高さhに位置決めされるので、基板Wを全体として平坦にすることができる。この結果、浮上搬送される基板Wと口金6との間隔を一定に保つことができ、塗布液の膜厚が均一となり、塗布ムラの発生を抑制することができる。
また、ブロック状であるストッパ10上で基板Wを吸着保持していることから、保持力は高く、搬送開始時や停止時に慣性力によって基板Wが振動するのを抑制できる。
【0033】
また、本実施形態(図1)の塗布システム(搬送装置40)では、前記のとおり、浮上ステージ1は、塗布液を基板Wに塗布する塗布作業位置Pを含むメインユニット31と、このメインユニット31の上流側及び下流側に設けられているサブユニット32,33とを有している。メインユニット31上での塗布作業の際の塗布ムラを抑制するためは、基板Wと口金6との間隔を一定とすべきであることから、少なくとも、実質的に塗布作業が行われるメインユニット31を、浮上高さ精度が高いものとしている。
これに対して、サブユニット32,33は、その上で実質的に塗布作業が行われず塗布ムラに影響を与えないので、浮上高さ精度が多少低くてもよい。このため、サブユニット32,33は、メインユニット31よりも浮上高さ精度が低いものを採用しており、装置のコストダウンを図っている。
【0034】
しかし、このように、浮上ユニット1を分割した場合、特に、メインユニット31とサブユニット32,33との間で浮上高さ精度が異なる場合、例えば図5(a)に示しているように、基板Wがサブユニット32とメインユニット31とに跨って搬入されると、両者間で、基板Wの浮上量に差が生じ、基板Wに前後方向の段差δが生じることとなる。
なお、メインユニット31上で塗布処理が実行されることから、このメインユニット31における基板Wの浮上高さが、前記所定高さhとなるように設定されており、また、全ての吸着機構3のストッパ10の接触面11が、同じ所定高さhとなるように設定されている。つまり、ストッパ10の接触面11は、メインユニット31における基板Wの浮上高さ(基板Wの下面における浮上高さ)に設定されている。
【0035】
そこで前記のとおり、基板Wに前後方向の段差δが生じている場合、メインユニット31の側方に位置している第一の吸引機構3aでは、搬入された基板Wの側部下面9を吸引することができるが、上流側サブユニット32の側方に位置している第二の吸着機構3bでは、基板Wの側部下面9との間に隙間gが生じ、この吸着機構3bでは空吸引となって、基板Wを確実に吸着できないことが考えられる。
【0036】
これを解消するために、従来例として、前記隙間gを考慮して、第二の吸着機構3bを第一の吸着機構3aよりも予め高く設定することがある。
しかし、この場合、図5(b)に示しているように、同じ基板Wでありながら、第一の吸着機構3aによって吸着されている部分A1と、第二の吸着機構3bによって吸着されている部分A2とで高さが異なり、浮上搬送する基板Wと口金6との間隔が、部分A1と部分A2とで相違し、塗布ムラが生じてしまう。
【0037】
しかし、本実施形態の前記吸着機構3によれば、図5(a)で示しているように、サブユニット32で基板Wが高く浮上していても、基板Wへの吸着前の吸着機構3では、吸着パッド20がストッパ10の接触面11よりも上に突出しているので、当該基板Wの側部下面9を吸着することができる。しかも、前記のとおり、吸着後、吸着パッド20は収縮して基板Wを前記所定高さhに保持することができるので、全ての(三台の)吸着機構3それぞれによって吸着されている基板Wの各部分の高さを、同じ所定高さhに揃えることができる。このため、口金6と基板Wとの間隔が全面にわたって一定となり、塗布ムラの発生を防ぐことができる。
【0038】
以上のように、本実施形態の塗布システム(搬送装置)によれば、基板Wが、所定高さhで浮上する中央部に比べて、左右の側部で高くなるように反っていても、また、基板Wに前後方向の段差が生じていて、吸着機構3によって基板Wが吸着される対象部位が、前記所定高さhよりも高くなっていても、基板Wの側部を確実に保持することができると共に、保持した基板Wを全体として水平にすることができる。
【0039】
図6は、吸着パッド20の他の形態を説明する説明図である。吸着パッド20は、少なくとも上端部20aが、前記形態(図4)と同様に、弾性変形可能な材質からなるが、図6の吸着パッド20では、さらに、少なくとも上端部20aが、上下方向に伸縮自在な蛇腹構造である。この場合、吸着パッド20が基板Wの側部下面9に吸着すると、吸引により生じる負圧によって、吸着パッド20は容易に収縮することができる。そして、吸着が解除され、基板Wが排出されると、吸着パッド20は、接触面11よりも上に突出した状態に復帰することができる。
【0040】
このように蛇腹構造の部分を有している吸着パッド20によれば、収縮量をより大きく得ることが可能となる。このため、接触面11からの突出量(出代)、つまり、前記所定寸法Sを大きく設定しても、吸引ポンプ24による吸引で生じる負圧で、当該所定寸法Sについて充分に収縮することができる。したがって、基板Wの側部のみが、前記所定高さhよりも大きく上に反っていても、吸着パッド20の上端面20bは、この基板Wの側部下面9に届き、吸着することが可能となる。
また、浮上テーブル1の上流側サブユニット32とメインユニット31との間において、高さ方向の組み付け誤差が大きく、基板Wが前後方向に大きな段差が生じる場合であっても、吸着パッド20の上端面20bは、この基板Wの側部下面9に届き、吸着することが可能となる。つまり、浮上テーブル1のユニットの組み付け精度が低くても、基板Wを吸着することが可能となる。
【0041】
また、図3に示しているように、ストッパ10には、接触面11に接触した基板Wの側部8の下面を吸引する吸引部12が設けられている。本実施形態では、吸引部12は、接触面11に開口している吸引孔(吸引溝)であり、この吸引孔には、吸着パッド20と別の吸引用流路が繋がっている。つまり、吸引孔には、前記吸引ポンプ(第一の吸引ポンプ)24とは別の第二の吸引ポンプ26が、吸引用電磁弁29b及び配管27を介して繋がっている。この吸引ポンプ26によって、吸引孔(吸引部12)から空気を吸引し、前記吸着パッド20によって吸着している基板Wの側部8の下面をさらに吸引する。
【0042】
この吸引部12によれば、吸着パッド20によって吸着しストッパ10の接触面11に接触させた基板Wの側部8の下面を、さらに吸引するので、基板Wをより強く保持することができる。吸着パッド20は柔軟性を有するため、それ自身では保持力が低く、特に、基板Wの搬送開始及び停止の際に生じる加速度が大きい場合、当該基板Wが吸着パッド20と共に基板Wの面方向に僅かに振動するおそれがあり、また、基板Wと吸着パッドとの間で基板搬送方向Xにわずかにずれることがあるが、この吸引部12によって、基板Wの保持力を高めることができ、前記振動や位置ずれ等を抑制することができる。
【0043】
また、図9は、吸着機構3の他の形態を説明する説明図である。この吸着機構3は、前記実施形態と同様に、基板Wの側部を位置決めするストッパ(位置決め部)10と、この基板Wの側部下面9を吸着して保持する吸着パッド(吸着部)20とを有している。そして、吸着パッド20はストッパ10の接触面11よりも上に所定寸法Sの出代を有しており、吸着パッド20は蛇腹構造の部分22によって上下方向に伸縮することができる。
この図9では、吸着パッド20は、その下部に蛇腹構造の部分22を有している。そして、吸着パッド20は、その上部(蛇腹構造の部分22の上側)に、基板Wと接触する樹脂製の接触部材23を有している。この接触部材23は、ストッパ10と同じ素材とすることもできる。このように、基板Wと接触する接触部材23を樹脂製とすることにより、基板Wとの接触部分が劣化して吸着力が低下するのを防ぐことができる。しかも、吸着パッド20の下部に蛇腹構造の部分22を設けることで、吸着パッド20の伸縮性(収縮性)を確保することができる。
【0044】
以上のように構成した塗布システムによる処理順序について、図7により説明する。基板Wが浮上ステージ1の上流側部に搬入されると(ステップS1)、浮上ステージ1は当該基板Wを浮上させる(ステップS2)。搬送駆動手段4が、吸着機構3を前記基板Wの下方まで水平移動させてから(ステップS3)、上下方向駆動部17(図3参照)によって吸着パッド20及びストッパ10を基板受け取り高さまで上昇させる(ステップS4)。基板受け取り高さは、ストッパ10の接触面11が前記所定高さhとなる位置である。そして、吸引ポンプ24及び吸着用電磁弁29aの作動によって、吸着パッド20によって基板Wの吸着を行い、ガラスを吸着する(ステップS5)。すると、吸着パッド20は収縮し、基板Wの側部8の下面がストッパ10の接触面11に接触する(ステップS6)。そして、前記吸引部12(図3参照)が設けられている場合、第二の吸引ポンプ26及び吸引用電磁弁29bの作動によって、基板Wの吸引を行い、基板Wの側部8の下面を接触面11に密着させる(ステップS7)。その後、搬送駆動手段4が、吸着機構3を基板搬送方向Xに水平移動させることで、基板Wは搬送され、その途中で、塗布装置5の口金6から吐出される塗布液が塗布される(ステップS8)。
【0045】
以上の塗布システムによれば、吸着機構3が有しているストッパ10と吸着パッド20とによる簡単な構成により、基板Wの側部8を確実に保持することができると共に、保持した基板Wを全体として水平にすることができる。そして、全体として水平のままの状態で浮上させた基板Wを搬送することができ、この基板Wの上面と口金6との間隔を一定として塗布液を塗布することができる。このため、塗布ムラの発生を抑え、品質の良い塗布基板を得ることができる。
【0046】
また、吸着機構3は、基板Wの側部8に沿って所定間隔を有して複数設けられており、吸着機構3それぞれの接触面11は、同一水平面上に設定されている。このように、吸着機構3が複数設けられているので、基板Wをより強く保持することができる。また、吸着機構3が、基板Wの側部8に沿って独立して設置されていることから、前記調整器15(図3参照)によって接触面11の高さを吸着機構3毎で調整すればよく、全ての吸着機構3の接触面11を共通する同一水平面上に調整する作業が容易となる。
【0047】
また、本発明の塗布システム(搬送装置)は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば、前記実施形態では、浮上ステージ1が、メインユニット31と、二つのサブユニット32,33とを有している場合を説明したが、メインユニット31の上流側と下流側とのうちの少なくとも一方にサブユニットが設けられたものであってもよい。また、浮上ステージ1(各ユニット)を、微細な孔を有する多孔質により構成した場合を説明したが、これ以外として、水平の板状の部材に機械的に形成した複数の孔から圧縮空気を噴射する構成であってもよい。
さらに、吸着機構3の数は、変更自在であり、本実施形態では三台としたが、これ以外であってもよい。
さらに、前記実施形態では、ストッパ10が、基板Wの側部8に沿って形成された細長い直方体のブロックである場合を説明したが、例えば、製造上の観点から、一つのストッパ10は、複数の分割ブロックを組み立てて構成したものであってもよい。そして、この場合、前記分割ブロックに吸引部(吸引孔)12が設けられていてもよい。
また、図3では吸引部(吸引孔)12がストッパ10に形成されている場合を説明したが、吸引部(吸引孔)12を無くし、吸着パッド20のみで基板Wを保持する構成であってもよい。
【0048】
また、前記実施形態(図1)では、搬送装置40と塗布装置5とを備えた塗布システムとして説明したが、本発明の搬送装置は、塗布システム以外にも適用可能である。例えば、図8(a)に示しているように、浮上搬送する基板Wの(表面の)検査を行う検査装置50を備えた検査システムにも適用可能である。前記実施形態(図1)では、搬送装置40が有する吸着機構3は、基板Wの側部下面を吸着する構成であったが、図8(a)の搬送装置60が有する吸着機構3は、基板Wの中央部下面を吸着する構成である。
【0049】
図8(a)の検査システムについて説明すると、検査装置50は、搬送装置60によって浮上搬送される基板Wの上面を撮影するカメラ50aを有している。搬送装置60は、基板Wを浮上搬送させながらカメラ50aの下を通過させる。搬送装置60は、左右方向の中央部を除いた両側部に固定状態で設けられた固定浮上ステージ41と、吸着機構3と一体移動する可動浮上ステージ42とを有している。
図8(b)は、吸着機構3、可動浮上ステージ42及びその周囲を取り出した説明図である。可動浮上ステージ42は、吸着機構3の前後両側に設けられており、これら吸着機構3と可動浮上ステージ42とは、前記実施形態(図1)と同様の搬送駆動手段4(レール35とリニアモータ)によって、基板搬送方向Xに移動することができる。また、図8(b)の吸着機構3は、吸着パッド20が左右方向に2つ並んで設けられているが、吸着機構3の各部は、前記実施形態(図1)と同様の構成であり、同様の機能を有している。
【0050】
この図8の実施形態の場合、浮上ステージ41,42の上面から噴出された気体が、ストッパ10の上面と基板Wの下面との間に入り込んで、基板Wのうちの吸着機構3が吸着しようとする部分が、基板Wを浮上させる所定高さhよりも上に位置してしまうことがあるが、この吸着機構3の吸着パッド20によれば、このような基板Wの下面を吸着することができ、さらに、吸着した部分を前記所定高さhに位置決めすることができる。
そして、このような搬送装置60を備えた検査システムによれば、搬送装置60は、前記実施形態の場合と同様に、浮上する基板Wを確実にかつ全体を平坦として保持することができ、その状態で水平に搬送することができるので、浮上搬送される基板Wとカメラ50aとの距離を一定にすることができ、正確な検査が可能となる。
【0051】
また、前記各実施形態(図1と図8)の搬送装置(浮上ステージ)は、その上面から気体を噴射して基板Wを浮上させる形式として説明したが、浮上ステージは超音波によって基板を浮上させる形式の搬送装置であってもよい。この場合であっても、浮上ステージによって基板は高さ方向に波打つ(反る)ことがあり、吸着機構によって基板を吸着しようとする部分が、所定高さよりも上に位置することがある。しかし、この場合であっても、吸着機構3は当該部分を吸着することができ、かつ、吸着後は、当該部分を所定高さに位置決めすることができ、その状態で基板Wを搬送することができる。
【符号の説明】
【0052】
1:浮上ステージ、 2:上面、 3:吸着機構、 4:搬送駆動手段、 5:塗布装置、 6:口金(吐出口)、 8:側部、 9:側部下面、 10:ストッパ(位置決め部)、 11:接触面、 12:吸引部、 20:吸着パッド(吸着部)、 20a:上端部、 31:メインユニット、 32:上流側サブユニット、 33:下流側サブユニット、 40,60:搬送装置 h:所定高さ、 P:塗布作業位置、 S:所定寸法、 W:基板、 X:基板搬送方向、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を浮上させる浮上ステージと、
前記浮上ステージによって浮上させた前記基板の下面を吸着する吸着機構と、
前記吸着機構を基板搬送方向に移動させることにより当該吸着機構が吸着した前記基板を所定高さに浮上させた状態で当該基板搬送方向に搬送する搬送駆動手段と、
を備え、
前記吸着機構は、
前記基板の前記下面を接触させることで当該基板を前記所定高さに位置決めする接触面を有している位置決め部と、
前記基板の前記下面を吸着可能であり、吸着前は前記接触面よりも上に所定寸法について突出し吸着すると当該所定寸法について下に収縮する吸着部と、
を有していることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記位置決め部には、前記接触面に接触した前記基板の前記下面を吸引する吸引部が設けられている請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記吸着部の少なくとも一部は、上下方向に伸縮自在な蛇腹構造である請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記吸着機構は、前記基板に沿って所定間隔を有して複数設けられており、当該吸着機構それぞれの前記接触面は、同一平面上に設定されている請求項1から3のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の搬送装置と、
前記搬送装置の前記浮上ステージによって前記基板を所定高さに浮上させた状態で前記搬送駆動手段によって搬送される当該基板の上面に対して塗布液を吐出する吐出口を有している塗布装置と、を備えたことを特徴とする塗布システム。
【請求項6】
前記浮上ステージは、前記塗布装置が塗布液を前記基板に塗布する塗布作業位置を含むメインユニットと、当該メインユニットの前記基板搬送方向で上流側と下流側とのうちの少なくとも一方に設けられているサブユニットと、を有している請求項5に記載の塗布システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−213435(P2011−213435A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81860(P2010−81860)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】