搬送装置及び画像形成装置
【課題】ローラ部と固定部とに間隙が生じる場合に、その間隙への異物の進入を抑制する。
【解決手段】第三ローラ部145と側面部610との間には、間隙が形成されている。付帯部材146は、第三ローラ部145と同軸に回転可能に設けられている。ただし、付帯部材146は、空転可能であり、第三ローラ部145の回転に応じない動きをし得る。付帯部材146は、第三ローラ部145と側面部610とが形成する間隙における異物の流通を阻害する。
【解決手段】第三ローラ部145と側面部610との間には、間隙が形成されている。付帯部材146は、第三ローラ部145と同軸に回転可能に設けられている。ただし、付帯部材146は、空転可能であり、第三ローラ部145の回転に応じない動きをし得る。付帯部材146は、第三ローラ部145と側面部610とが形成する間隙における異物の流通を阻害する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被搬送体を1対のローラで挟み込んで搬送する画像形成装置において、その挟み込む領域(いわゆるニップ部)に異物を挟み込まないようにする技術が知られている。例えば、特許文献1には、切断後の記録紙片が排紙ローラの逆回転によって引き込まれないようにする排紙機構が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4029850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ローラ部と固定部とに間隙が生じる場合に、その間隙への異物の進入を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る搬送装置は、固定部と、前記固定部に対して回転する軸部と、前記軸部を軸とした回転とともに回転し、被搬送体の搬送を誘導する誘導面であって、前記被搬送体の搬送を誘導する位置と異なる位置において前記固定部に対する間隙を形成する前記誘導面を有するローラ部と、前記ローラ部に付帯する付帯部材とを備え、前記付帯部材が、前記軸部に支持され、当該軸部を軸とした回転に対して空転する軸受け部と、前記軸受け部から前記ローラ部に沿って延びる支持部と、前記支持部に支持されて前記誘導面と対向し、あらかじめ決められた基準位置から前記軸部の回転方向に回転したときに前記固定部と接触する対向部とを有する構成を有する。
本発明の請求項2に係る搬送装置は、請求項1に記載の構成において、前記軸部が、前記固定部に対して前記軸と交差する方向に移動可能に設けられ、前記付帯部材及び前記ローラ部が、前記軸部の前記軸と交差する方向への移動とともに移動される構成を有する。
本発明の請求項3に係る搬送装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記固定部が、前記付帯部材が前記軸部を軸として一方の方向に回転したときに前記対向部と接触する第一の接触部と、前記付帯部材が前記軸部を軸として他方の方向に回転したときに前記対向部と接触する第二の接触部とを有し、前記付帯部材の回転をあらかじめ決められた範囲に制限する構成を有する。
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1ないし3のいずれかに記載の搬送装置と、前記被搬送体に画像を形成する画像形成手段とを備える構成を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1、4に記載の構成によれば、付帯部材を有しない場合に比べ、ローラ部と固定部との間隙に異物が進入することを抑制することが可能である。
本発明の請求項2に記載の構成によれば、ローラ部が軸部とともに移動されたとしても、付帯部材との相対的な位置関係を保つことが可能である。
本発明の請求項3に記載の構成によれば、付帯部材がある方向とその逆方向とに回転し得る場合においても、間隙への異物の進入を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】画像形成装置の全体構成を示すブロック図
【図2】画像形成装置の機械的な構成を示す図
【図3】搬送部及びその周辺を示す図
【図4】第二ローラ部の構成を示す図
【図5】第三ローラ部の構成を示す図
【図6】付帯部材の構成を示す図
【図7】付帯部材と側面部の関係を示す図
【図8】搬送装置の構成を示す図
【図9】付帯部材の他の例の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の全体構成を示すブロック図である。また、図2は、この画像形成装置の機械的な構成を示す図である。本実施形態の画像形成装置10は、電子写真方式の画像形成装置であり、図1に示すように、第一搬送部100と、収容部200と、画像形成部300と、第二搬送部400と、制御部500とを備える。なお、本発明に係る画像形成装置は、その記録方式が電子写真方式に限定されない。
【0009】
第一搬送部100は、記録媒体を搬送する搬送手段であり、図2に示す搬送部110、120、130及び140を含む。第一搬送部100は、本発明に係る搬送装置の一例を含むものである。搬送部110、120、130及び140は、それぞれ、ロール状の部材を対向させてニップ部を形成したものであり、このニップ部において記録媒体を挟み込み、図2に示す搬送経路P1に沿って記録媒体を搬送する。搬送部140は、搬送部110、120及び130と異なり、順方向及び逆方向に回転する。ここにおいて、順方向とは、記録媒体を排出する方向をいい、逆方向とは、その反対の方向をいう。
【0010】
なお、本実施形態において、画像形成装置10は、設置面S1に設置されているものとする。以下において、画像形成装置10のうちの設置面S1に近い側を「下方」とし、画像形成装置10のうちの設置面S1から遠い側を「上方」とする。つまり、第一搬送部100は、記録媒体を下方から上方へと搬送する。また、重力は、ここでいう上方から下方に向かって作用するものとする。
【0011】
また、本実施形態において、記録媒体とは、搬送経路を搬送され、画像が記録される媒体をいい、本発明に係る被搬送体(搬送される媒体)の一例に相当するものである。記録媒体は、シート状の被搬送体であり、例えば、いわゆる用紙である。ただし、記録媒体は、その材質や寸法が限定されることはなく、本発明の実施の態様に応じたものが用いられればよい。
【0012】
収容部200は、一又は複数の記録媒体を収容し、第一搬送部100が形成する搬送経路にこれを供給する。収容部200は、記録媒体を積み重ねて収容し、最上方にあるものから順番に供給していく。
画像形成部300は、露光部310と、転写部320と、定着部330とを備える。露光部310は、記録媒体に形成する画像に応じた光を転写部320に照射する光源を備え、静電潜像を形成する。転写部320は、感光体ドラム、帯電器、現像器、転写部材などを備え、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーによって現像し、トナー像を記録媒体に転写する。定着部330は、トナー像が転写された記録媒体を加熱及び加圧し、トナーを記録媒体に定着させる。画像形成部300は、本発明に係る画像形成手段の一例に相当する。なお、画像形成部300は、ここでは単色の画像形成手段とするが、本発明に係る画像形成手段は、複数色の画像を形成するものであってもよい。
【0013】
第二搬送部400は、記録媒体の両面に画像が形成されるときに機能する搬送手段である。第二搬送部400は、搬送部410、420、430及び440を備え、搬送部140によりその一部が排出された記録媒体を再び内部に引き込み、記録媒体を転写部320の位置まで搬送する。このとき、記録媒体は、感光体ドラムと対向する面が反転するため、最初に画像が形成された面と反対の面にトナーが転写されるようになる。なお、記録媒体の両面に画像を形成することを、以下においては「両面プリント」という。
【0014】
制御部500は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置やメモリを備え、あらかじめ記憶されたプログラムを実行することによって画像形成装置10の各部の動作を制御する。例えば、制御部500は、図示せぬ通信手段(ネットワーク等)や画像読取手段(スキャナ等)を介して画像データを取得し、画像形成部300に画像を形成させるための処理を行う。また、制御部500は、記録媒体を搬送するタイミングなどを制御する。制御部500による搬送制御には、搬送部140の回転方向の制御が含まれる。すなわち、制御部500は、両面プリントを行う場合には、搬送部140の回転方向を順方向から逆方向に切り換え、記録媒体が第二搬送部400に送り出されるように制御する。
【0015】
図3は、搬送部140及びその周辺を画像形成装置10の外部(すなわち記録媒体が排出される側)から示す図である。搬送部140は、駆動ローラ部140aと、従動ローラ部140b、140cとを有する。なお、駆動ローラ部140aの手前側、すなわち記録媒体が排出される側には、実際にはカバー620で覆われるが、ここではカバー620を透視して示している。
【0016】
駆動ローラ部140aは、シャフト141と、シャフト141に固定された複数の第一ローラ部142を備える。駆動ローラ部140aは、図示せぬモータ等の駆動手段によりシャフト141が駆動され、順方向及び逆方向に回転する。一方、従動ローラ部140b及び140cは、駆動ローラ部140aの回転に応じて回転するものであり、それ自体には駆動手段が設けられていない。従動ローラ部140b及び140cは、側面部610によって複数の位置で回転可能に支持されている。なお、従動ローラ部140bと従動ローラ部140cとは、その位置が異なるのみであって、各部の構成は共通するものである。
【0017】
側面部610は、排出された記録媒体が突き当たり、位置が揃えられるように設けられた部材であり、画像形成装置10の筐体の一部である。側面部610は、搬送部140の回転によらずその位置が固定的なものであり、本発明に係る固定部の一例に相当するものである。なお、ここで側面部610についていう「固定」とは、搬送部140の回転に対して相対的に位置が変化しないことを指すものであり、画像形成装置10が全体として移動しない(すなわち位置が変化しない)ことを指すものではない。また、図3においては、側面部610とそれ以外の各部とを明確に区別するために、側面部610にハッチングを付している。
【0018】
従動ローラ部140b(又は140c)は、第二ローラ部144と、複数の第三ローラ部145と、複数の付帯部材146とを備える。これらの各部は、その回転軸が同じになるように設けられている。第三ローラ部145は、第二ローラ部144とともに回転し、付帯部材146は、第二ローラ部144の回転に対して空転(すなわち空回り)するように設けられている。ただし、付帯部材146は、第二ローラ部144に対してまったく回転しないわけではなく、自重や第二ローラ部144との摩擦の作用によって、ある程度は回転し得る。第三ローラ部145は、本発明に係るローラ部の一例に相当するものである。
【0019】
従動ローラ部140b及び140cは、それぞれ、側面部610(すなわち筐体)に対して、回転軸と交差する方向の移動が可能な構成であり、より望ましくは、当該方向の移動により着脱される構成である。従動ローラ部140b及び140cは、例えば、第二ローラ部144が磨耗した場合などに、新しいものに交換される。従動ローラ部140b及び140cは、回転軸と交差する方向の移動をするとき、各部が一体に移動する。つまり、第二ローラ部144が移動すれば、その移動に合わせて、第三ローラ部145や付帯部材146も移動する。
【0020】
図4は、第二ローラ部144の構成を示す図である。第二ローラ部144は、軸部1441と、誘導部1442と、複数の張出部1443とを備える。軸部1441は、複数の位置において側面部610に支持され、側面部610に対する回転の軸となる部分である。誘導部1442は、第一ローラ部142と接触し、第一ローラ部142の回転とともに回転する。すなわち、誘導部1442は、順方向及び逆方向に回転する。張出部1443は、第三ローラ部145の位置決めのために設けられた円形の突起である。第三ローラ部145は、2つの張出部1443の間に挟み込まれるようにして設けられる。
【0021】
なお、従動ローラ部140b及び140cにおける回転は、駆動ローラ部140aの回転に応じて動くものであり、駆動ローラ部140aの回転と完全に同一の態様で動くものに限定されない。例えば、誘導部1442は、記録媒体が進入するタイミングなどにおいて、第一ローラ部142に対して滑りを生じ、瞬間的に第一ローラ部142の回転と一致しない動きをすることがある。これは、第三ローラ部145についてもいえることである。
【0022】
図5は、第三ローラ部145の構成を示す図である。第三ローラ部145は、例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)等の弾性を有する材料によって形成され、第二ローラ部144にはめ込めるように作られている。第三ローラ部145は、その中心に段差が設けられた孔部を有する。孔部の直径d1は、軸部1441の直径に一致し、直径d2は、張出部1443の形状と一致する。なお、ここでいう「一致」とは、公差程度の誤差を許容し得る概念である。第三ローラ部145は、記録媒体と接触する円形の面を有する。この面は、記録媒体を誘導する誘導面として機能する。第三ローラ部145は、第二ローラ部144よりも直径が大きい。これは、記録媒体をその搬送方向と直交する方向について直線的にならないようにし、記録媒体がニップ部から排出された後に自重で垂れるのを抑制するためである。
【0023】
図6は、付帯部材146の構成を示す図である。付帯部材146は、軸受け部1461と、支持部1462と、第一対向部1463と、第二対向部1464とを備える。軸受け部1461は、軸部1441が挿入される孔部を有する。付帯部材146は、軸部1441により支持されたときに、軸受け部1461を軸として回転する。ただし、軸受け部1461は、軸部1441に対して空転するように調整されている。支持部1462は、第一対向部1463及び第二対向部1464を支持するために設けられた部分であり、第三ローラ部145に沿って延びる部分を有する。
【0024】
第一対向部1463及び第二対向部1464は、支持部1462の端部側に設けられ、第三ローラ部145と接触しないように対向する。第一対向部1463は、画像形成装置10の内部又は外部の一方と面し、第二対向部1464は、その他方(第一対向部1463が面していない側)と面する。なお、付帯部材146は、その形状が線対称になるように構成されており、図3に示す配置において、第三ローラ部145の右側と左側のいずれに設けるときにも同じものを用い得るように構成されている。よって、付帯部材146は、その配置次第で、第一対向部1463が画像形成装置10の内部と面する場合もあれば、これが画像形成装置10の外部と面する場合もある。
【0025】
図7は、付帯部材146と側面部610の関係を示す図である。ここにおいては、図中の右方向を画像形成装置10の外部とし、左方向を画像形成装置10の内部とする。また、付帯部材146は、図7の紙面垂直方向に対して、第三ローラ部145よりも手前側にあるものとする。側面部610は、付帯部材146に接触する部位として、接触部611及び612を有する。接触部611は、接触部612よりも画像形成装置10の外部寄りにあり、接触部612は、接触部611よりも画像形成装置10の内部寄りにある。
【0026】
図7(a)は、記録媒体を搬送していない状態、すなわち、第三ローラ部145が回転していない状態を示している。この状態において、付帯部材146は、自重によって、第一対向部1463及び第二対向部1464が第三ローラ部145に対して鉛直方向の下方(すなわち真下)に位置する状態となる。付帯部材146が図7(a)に示す状態にあることを、以下においては「基準状態」という。
【0027】
付帯部材146は、基準状態にあるとき、第三ローラ部145と側面部610との間に形成される間隙における異物の流通を阻害する。例えば、付帯部材146を設けない場合、第三ローラ部145と側面部610との間に形成される間隙には、その間隙と同程度の大きさの異物が外部から内部(又は内部から外部)へと移動し得る。一方、付帯部材146を設けた場合、かかる間隙を通ることが可能な異物は、付帯部材146を設けない場合よりも小さくなる。
【0028】
図7(b)は、記録媒体を順方向に搬送する状態を示している。このとき、第三ローラ部145には、記録媒体を画像形成装置10の内部から外部に送り出す方向の力が生じる。付帯部材146は、この力の影響を受けて、第三ローラ部145と同じ方向に回転し得る状態にあるが、仮に回転したとしても、接触部612に接触して突き当たると、それ以上は回転しないようになる。また、このとき第三ローラ部145には、異物を画像形成装置10の外部から内部に誘導する力が生じているともいえる。なぜならば、異物が外部から第三ローラ部145と接触すると、この異物には外部から内部に移動しようとする力が作用するからである。この状態において、付帯部材146は、仮に異物が外部から進入してきたとしても、接触部612とともに内部への進入を妨げるように間隙を塞ぎ止める。よって、異物は、仮に外部から進入しようとしても、付帯部材146よりも内部には進入できなくなる。
【0029】
図7(c)は、記録媒体を逆方向に搬送する状態を示している。このとき、第三ローラ部145には、記録媒体を画像形成装置10の外部から内部に引き戻す方向の力が生じる。このとき、付帯部材146は、図7(b)の場合とは反対に、接触部611と接触し、それ以上は回転しない状態になる。また、このとき第三ローラ部145には、異物を画像形成装置10の内部から外部に誘導する力が生じている。この状態において、付帯部材146は、仮に異物が内部から進入してきたとしても、接触部611とともに外部への排出を妨げるように間隙を塞ぎ止める。
【0030】
このように、接触部611及び612は、付帯部材146の位置を、基準状態の位置からあらかじめ決められた範囲内の位置までに制限する機能をそれぞれ有する。それゆえ、付帯部材146は、軸受け部1461を中心として1回転するようなことがないため、駆動ローラ部140aに衝突するなどして、駆動ローラ部140aと従動ローラ部140b(又は140c)とによる記録媒体の搬送を妨げることがない。
【0031】
また、本実施形態の構成は、第三ローラ部145等の設計変更を容易にするものであるともいえる。例えば、第三ローラ部145の直径を変更する場合、本実施形態の構成においては、第三ローラ部145の変更に合わせて付帯部材146を変更すれば、側面部610(すなわち筐体)を変更しなくても、側面部610との間隙への異物の進入が阻害される状態が得られることがある。換言すれば、本実施形態の構成によれば、第三ローラ部145等を変更した場合に、異物の進入を阻害する状態を維持するために筐体の変更を行う必要が生じないことがある。
【0032】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、他の形態でも実施され得るものである。例えば、本発明は、上述した画像形成部300や第二搬送部400に相当する構成を備えない装置、すなわち記録媒体を搬送する搬送装置としても実施され得るものである。また、かかる搬送装置は、順方向にのみ記録媒体を搬送し、逆方向には搬送しないのであれば、接触部612があれば足り、接触部611がなくてもよい。
【0033】
また、本発明を適用する箇所は、記録媒体の搬送が行われる部位であれば、いかなる部位であってもよい。例えば、本発明は、いわゆる手差しトレイ(記録媒体を手差しにて供給する部分)や、スキャナ等における原稿を自動的に搬送する装置に対して適用されてもよいものである。なお、本発明を適用する部位によっては、基準状態における付帯部材の位置が重力以外の力の影響を受ける位置であってもよい。
【0034】
図8は、本発明の他の実施形態である搬送装置の構成を示す図である。同図において、搬送装置20は、図中の搬送経路P2に沿って被搬送体を搬送するものであり、軸部21と、ローラ部22と、付帯部材23と、固定部24とを備える。この構成において、付帯部材23は、あらかじめ固定部24と接触した状態にあり、これより下方には移動しないようになされている。
【0035】
さらに、本発明に係る付帯部材は、ロール部の形状に応じて変形可能である。例えば、ロール部の幅(直径の方向と直交する方向の寸法)が比較的大きい場合には、図9に示す構成の付帯部材が用いられる。図9(a)は、ロール部145aの両側に付帯部材146a及び146bを備える構成を例示するものである。また、図9(b)は、ロール部145aの両側に軸受け部を有する付帯部材146cを例示するものである。
【符号の説明】
【0036】
10…画像形成装置、100…第一搬送部、110、120、130、140…搬送部、140a…駆動ローラ部、140b、140c…従動ローラ部、144…第二ローラ部、145…第三ローラ部、146、146a、146b、146c…付帯部材、200…収容部、300…画像形成部、400…第二搬送部、500…制御部、610…側面部、20…搬送装置、21…軸部、22…ローラ部、23…付帯部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被搬送体を1対のローラで挟み込んで搬送する画像形成装置において、その挟み込む領域(いわゆるニップ部)に異物を挟み込まないようにする技術が知られている。例えば、特許文献1には、切断後の記録紙片が排紙ローラの逆回転によって引き込まれないようにする排紙機構が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4029850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ローラ部と固定部とに間隙が生じる場合に、その間隙への異物の進入を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る搬送装置は、固定部と、前記固定部に対して回転する軸部と、前記軸部を軸とした回転とともに回転し、被搬送体の搬送を誘導する誘導面であって、前記被搬送体の搬送を誘導する位置と異なる位置において前記固定部に対する間隙を形成する前記誘導面を有するローラ部と、前記ローラ部に付帯する付帯部材とを備え、前記付帯部材が、前記軸部に支持され、当該軸部を軸とした回転に対して空転する軸受け部と、前記軸受け部から前記ローラ部に沿って延びる支持部と、前記支持部に支持されて前記誘導面と対向し、あらかじめ決められた基準位置から前記軸部の回転方向に回転したときに前記固定部と接触する対向部とを有する構成を有する。
本発明の請求項2に係る搬送装置は、請求項1に記載の構成において、前記軸部が、前記固定部に対して前記軸と交差する方向に移動可能に設けられ、前記付帯部材及び前記ローラ部が、前記軸部の前記軸と交差する方向への移動とともに移動される構成を有する。
本発明の請求項3に係る搬送装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記固定部が、前記付帯部材が前記軸部を軸として一方の方向に回転したときに前記対向部と接触する第一の接触部と、前記付帯部材が前記軸部を軸として他方の方向に回転したときに前記対向部と接触する第二の接触部とを有し、前記付帯部材の回転をあらかじめ決められた範囲に制限する構成を有する。
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1ないし3のいずれかに記載の搬送装置と、前記被搬送体に画像を形成する画像形成手段とを備える構成を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1、4に記載の構成によれば、付帯部材を有しない場合に比べ、ローラ部と固定部との間隙に異物が進入することを抑制することが可能である。
本発明の請求項2に記載の構成によれば、ローラ部が軸部とともに移動されたとしても、付帯部材との相対的な位置関係を保つことが可能である。
本発明の請求項3に記載の構成によれば、付帯部材がある方向とその逆方向とに回転し得る場合においても、間隙への異物の進入を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】画像形成装置の全体構成を示すブロック図
【図2】画像形成装置の機械的な構成を示す図
【図3】搬送部及びその周辺を示す図
【図4】第二ローラ部の構成を示す図
【図5】第三ローラ部の構成を示す図
【図6】付帯部材の構成を示す図
【図7】付帯部材と側面部の関係を示す図
【図8】搬送装置の構成を示す図
【図9】付帯部材の他の例の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の全体構成を示すブロック図である。また、図2は、この画像形成装置の機械的な構成を示す図である。本実施形態の画像形成装置10は、電子写真方式の画像形成装置であり、図1に示すように、第一搬送部100と、収容部200と、画像形成部300と、第二搬送部400と、制御部500とを備える。なお、本発明に係る画像形成装置は、その記録方式が電子写真方式に限定されない。
【0009】
第一搬送部100は、記録媒体を搬送する搬送手段であり、図2に示す搬送部110、120、130及び140を含む。第一搬送部100は、本発明に係る搬送装置の一例を含むものである。搬送部110、120、130及び140は、それぞれ、ロール状の部材を対向させてニップ部を形成したものであり、このニップ部において記録媒体を挟み込み、図2に示す搬送経路P1に沿って記録媒体を搬送する。搬送部140は、搬送部110、120及び130と異なり、順方向及び逆方向に回転する。ここにおいて、順方向とは、記録媒体を排出する方向をいい、逆方向とは、その反対の方向をいう。
【0010】
なお、本実施形態において、画像形成装置10は、設置面S1に設置されているものとする。以下において、画像形成装置10のうちの設置面S1に近い側を「下方」とし、画像形成装置10のうちの設置面S1から遠い側を「上方」とする。つまり、第一搬送部100は、記録媒体を下方から上方へと搬送する。また、重力は、ここでいう上方から下方に向かって作用するものとする。
【0011】
また、本実施形態において、記録媒体とは、搬送経路を搬送され、画像が記録される媒体をいい、本発明に係る被搬送体(搬送される媒体)の一例に相当するものである。記録媒体は、シート状の被搬送体であり、例えば、いわゆる用紙である。ただし、記録媒体は、その材質や寸法が限定されることはなく、本発明の実施の態様に応じたものが用いられればよい。
【0012】
収容部200は、一又は複数の記録媒体を収容し、第一搬送部100が形成する搬送経路にこれを供給する。収容部200は、記録媒体を積み重ねて収容し、最上方にあるものから順番に供給していく。
画像形成部300は、露光部310と、転写部320と、定着部330とを備える。露光部310は、記録媒体に形成する画像に応じた光を転写部320に照射する光源を備え、静電潜像を形成する。転写部320は、感光体ドラム、帯電器、現像器、転写部材などを備え、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーによって現像し、トナー像を記録媒体に転写する。定着部330は、トナー像が転写された記録媒体を加熱及び加圧し、トナーを記録媒体に定着させる。画像形成部300は、本発明に係る画像形成手段の一例に相当する。なお、画像形成部300は、ここでは単色の画像形成手段とするが、本発明に係る画像形成手段は、複数色の画像を形成するものであってもよい。
【0013】
第二搬送部400は、記録媒体の両面に画像が形成されるときに機能する搬送手段である。第二搬送部400は、搬送部410、420、430及び440を備え、搬送部140によりその一部が排出された記録媒体を再び内部に引き込み、記録媒体を転写部320の位置まで搬送する。このとき、記録媒体は、感光体ドラムと対向する面が反転するため、最初に画像が形成された面と反対の面にトナーが転写されるようになる。なお、記録媒体の両面に画像を形成することを、以下においては「両面プリント」という。
【0014】
制御部500は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置やメモリを備え、あらかじめ記憶されたプログラムを実行することによって画像形成装置10の各部の動作を制御する。例えば、制御部500は、図示せぬ通信手段(ネットワーク等)や画像読取手段(スキャナ等)を介して画像データを取得し、画像形成部300に画像を形成させるための処理を行う。また、制御部500は、記録媒体を搬送するタイミングなどを制御する。制御部500による搬送制御には、搬送部140の回転方向の制御が含まれる。すなわち、制御部500は、両面プリントを行う場合には、搬送部140の回転方向を順方向から逆方向に切り換え、記録媒体が第二搬送部400に送り出されるように制御する。
【0015】
図3は、搬送部140及びその周辺を画像形成装置10の外部(すなわち記録媒体が排出される側)から示す図である。搬送部140は、駆動ローラ部140aと、従動ローラ部140b、140cとを有する。なお、駆動ローラ部140aの手前側、すなわち記録媒体が排出される側には、実際にはカバー620で覆われるが、ここではカバー620を透視して示している。
【0016】
駆動ローラ部140aは、シャフト141と、シャフト141に固定された複数の第一ローラ部142を備える。駆動ローラ部140aは、図示せぬモータ等の駆動手段によりシャフト141が駆動され、順方向及び逆方向に回転する。一方、従動ローラ部140b及び140cは、駆動ローラ部140aの回転に応じて回転するものであり、それ自体には駆動手段が設けられていない。従動ローラ部140b及び140cは、側面部610によって複数の位置で回転可能に支持されている。なお、従動ローラ部140bと従動ローラ部140cとは、その位置が異なるのみであって、各部の構成は共通するものである。
【0017】
側面部610は、排出された記録媒体が突き当たり、位置が揃えられるように設けられた部材であり、画像形成装置10の筐体の一部である。側面部610は、搬送部140の回転によらずその位置が固定的なものであり、本発明に係る固定部の一例に相当するものである。なお、ここで側面部610についていう「固定」とは、搬送部140の回転に対して相対的に位置が変化しないことを指すものであり、画像形成装置10が全体として移動しない(すなわち位置が変化しない)ことを指すものではない。また、図3においては、側面部610とそれ以外の各部とを明確に区別するために、側面部610にハッチングを付している。
【0018】
従動ローラ部140b(又は140c)は、第二ローラ部144と、複数の第三ローラ部145と、複数の付帯部材146とを備える。これらの各部は、その回転軸が同じになるように設けられている。第三ローラ部145は、第二ローラ部144とともに回転し、付帯部材146は、第二ローラ部144の回転に対して空転(すなわち空回り)するように設けられている。ただし、付帯部材146は、第二ローラ部144に対してまったく回転しないわけではなく、自重や第二ローラ部144との摩擦の作用によって、ある程度は回転し得る。第三ローラ部145は、本発明に係るローラ部の一例に相当するものである。
【0019】
従動ローラ部140b及び140cは、それぞれ、側面部610(すなわち筐体)に対して、回転軸と交差する方向の移動が可能な構成であり、より望ましくは、当該方向の移動により着脱される構成である。従動ローラ部140b及び140cは、例えば、第二ローラ部144が磨耗した場合などに、新しいものに交換される。従動ローラ部140b及び140cは、回転軸と交差する方向の移動をするとき、各部が一体に移動する。つまり、第二ローラ部144が移動すれば、その移動に合わせて、第三ローラ部145や付帯部材146も移動する。
【0020】
図4は、第二ローラ部144の構成を示す図である。第二ローラ部144は、軸部1441と、誘導部1442と、複数の張出部1443とを備える。軸部1441は、複数の位置において側面部610に支持され、側面部610に対する回転の軸となる部分である。誘導部1442は、第一ローラ部142と接触し、第一ローラ部142の回転とともに回転する。すなわち、誘導部1442は、順方向及び逆方向に回転する。張出部1443は、第三ローラ部145の位置決めのために設けられた円形の突起である。第三ローラ部145は、2つの張出部1443の間に挟み込まれるようにして設けられる。
【0021】
なお、従動ローラ部140b及び140cにおける回転は、駆動ローラ部140aの回転に応じて動くものであり、駆動ローラ部140aの回転と完全に同一の態様で動くものに限定されない。例えば、誘導部1442は、記録媒体が進入するタイミングなどにおいて、第一ローラ部142に対して滑りを生じ、瞬間的に第一ローラ部142の回転と一致しない動きをすることがある。これは、第三ローラ部145についてもいえることである。
【0022】
図5は、第三ローラ部145の構成を示す図である。第三ローラ部145は、例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)等の弾性を有する材料によって形成され、第二ローラ部144にはめ込めるように作られている。第三ローラ部145は、その中心に段差が設けられた孔部を有する。孔部の直径d1は、軸部1441の直径に一致し、直径d2は、張出部1443の形状と一致する。なお、ここでいう「一致」とは、公差程度の誤差を許容し得る概念である。第三ローラ部145は、記録媒体と接触する円形の面を有する。この面は、記録媒体を誘導する誘導面として機能する。第三ローラ部145は、第二ローラ部144よりも直径が大きい。これは、記録媒体をその搬送方向と直交する方向について直線的にならないようにし、記録媒体がニップ部から排出された後に自重で垂れるのを抑制するためである。
【0023】
図6は、付帯部材146の構成を示す図である。付帯部材146は、軸受け部1461と、支持部1462と、第一対向部1463と、第二対向部1464とを備える。軸受け部1461は、軸部1441が挿入される孔部を有する。付帯部材146は、軸部1441により支持されたときに、軸受け部1461を軸として回転する。ただし、軸受け部1461は、軸部1441に対して空転するように調整されている。支持部1462は、第一対向部1463及び第二対向部1464を支持するために設けられた部分であり、第三ローラ部145に沿って延びる部分を有する。
【0024】
第一対向部1463及び第二対向部1464は、支持部1462の端部側に設けられ、第三ローラ部145と接触しないように対向する。第一対向部1463は、画像形成装置10の内部又は外部の一方と面し、第二対向部1464は、その他方(第一対向部1463が面していない側)と面する。なお、付帯部材146は、その形状が線対称になるように構成されており、図3に示す配置において、第三ローラ部145の右側と左側のいずれに設けるときにも同じものを用い得るように構成されている。よって、付帯部材146は、その配置次第で、第一対向部1463が画像形成装置10の内部と面する場合もあれば、これが画像形成装置10の外部と面する場合もある。
【0025】
図7は、付帯部材146と側面部610の関係を示す図である。ここにおいては、図中の右方向を画像形成装置10の外部とし、左方向を画像形成装置10の内部とする。また、付帯部材146は、図7の紙面垂直方向に対して、第三ローラ部145よりも手前側にあるものとする。側面部610は、付帯部材146に接触する部位として、接触部611及び612を有する。接触部611は、接触部612よりも画像形成装置10の外部寄りにあり、接触部612は、接触部611よりも画像形成装置10の内部寄りにある。
【0026】
図7(a)は、記録媒体を搬送していない状態、すなわち、第三ローラ部145が回転していない状態を示している。この状態において、付帯部材146は、自重によって、第一対向部1463及び第二対向部1464が第三ローラ部145に対して鉛直方向の下方(すなわち真下)に位置する状態となる。付帯部材146が図7(a)に示す状態にあることを、以下においては「基準状態」という。
【0027】
付帯部材146は、基準状態にあるとき、第三ローラ部145と側面部610との間に形成される間隙における異物の流通を阻害する。例えば、付帯部材146を設けない場合、第三ローラ部145と側面部610との間に形成される間隙には、その間隙と同程度の大きさの異物が外部から内部(又は内部から外部)へと移動し得る。一方、付帯部材146を設けた場合、かかる間隙を通ることが可能な異物は、付帯部材146を設けない場合よりも小さくなる。
【0028】
図7(b)は、記録媒体を順方向に搬送する状態を示している。このとき、第三ローラ部145には、記録媒体を画像形成装置10の内部から外部に送り出す方向の力が生じる。付帯部材146は、この力の影響を受けて、第三ローラ部145と同じ方向に回転し得る状態にあるが、仮に回転したとしても、接触部612に接触して突き当たると、それ以上は回転しないようになる。また、このとき第三ローラ部145には、異物を画像形成装置10の外部から内部に誘導する力が生じているともいえる。なぜならば、異物が外部から第三ローラ部145と接触すると、この異物には外部から内部に移動しようとする力が作用するからである。この状態において、付帯部材146は、仮に異物が外部から進入してきたとしても、接触部612とともに内部への進入を妨げるように間隙を塞ぎ止める。よって、異物は、仮に外部から進入しようとしても、付帯部材146よりも内部には進入できなくなる。
【0029】
図7(c)は、記録媒体を逆方向に搬送する状態を示している。このとき、第三ローラ部145には、記録媒体を画像形成装置10の外部から内部に引き戻す方向の力が生じる。このとき、付帯部材146は、図7(b)の場合とは反対に、接触部611と接触し、それ以上は回転しない状態になる。また、このとき第三ローラ部145には、異物を画像形成装置10の内部から外部に誘導する力が生じている。この状態において、付帯部材146は、仮に異物が内部から進入してきたとしても、接触部611とともに外部への排出を妨げるように間隙を塞ぎ止める。
【0030】
このように、接触部611及び612は、付帯部材146の位置を、基準状態の位置からあらかじめ決められた範囲内の位置までに制限する機能をそれぞれ有する。それゆえ、付帯部材146は、軸受け部1461を中心として1回転するようなことがないため、駆動ローラ部140aに衝突するなどして、駆動ローラ部140aと従動ローラ部140b(又は140c)とによる記録媒体の搬送を妨げることがない。
【0031】
また、本実施形態の構成は、第三ローラ部145等の設計変更を容易にするものであるともいえる。例えば、第三ローラ部145の直径を変更する場合、本実施形態の構成においては、第三ローラ部145の変更に合わせて付帯部材146を変更すれば、側面部610(すなわち筐体)を変更しなくても、側面部610との間隙への異物の進入が阻害される状態が得られることがある。換言すれば、本実施形態の構成によれば、第三ローラ部145等を変更した場合に、異物の進入を阻害する状態を維持するために筐体の変更を行う必要が生じないことがある。
【0032】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、他の形態でも実施され得るものである。例えば、本発明は、上述した画像形成部300や第二搬送部400に相当する構成を備えない装置、すなわち記録媒体を搬送する搬送装置としても実施され得るものである。また、かかる搬送装置は、順方向にのみ記録媒体を搬送し、逆方向には搬送しないのであれば、接触部612があれば足り、接触部611がなくてもよい。
【0033】
また、本発明を適用する箇所は、記録媒体の搬送が行われる部位であれば、いかなる部位であってもよい。例えば、本発明は、いわゆる手差しトレイ(記録媒体を手差しにて供給する部分)や、スキャナ等における原稿を自動的に搬送する装置に対して適用されてもよいものである。なお、本発明を適用する部位によっては、基準状態における付帯部材の位置が重力以外の力の影響を受ける位置であってもよい。
【0034】
図8は、本発明の他の実施形態である搬送装置の構成を示す図である。同図において、搬送装置20は、図中の搬送経路P2に沿って被搬送体を搬送するものであり、軸部21と、ローラ部22と、付帯部材23と、固定部24とを備える。この構成において、付帯部材23は、あらかじめ固定部24と接触した状態にあり、これより下方には移動しないようになされている。
【0035】
さらに、本発明に係る付帯部材は、ロール部の形状に応じて変形可能である。例えば、ロール部の幅(直径の方向と直交する方向の寸法)が比較的大きい場合には、図9に示す構成の付帯部材が用いられる。図9(a)は、ロール部145aの両側に付帯部材146a及び146bを備える構成を例示するものである。また、図9(b)は、ロール部145aの両側に軸受け部を有する付帯部材146cを例示するものである。
【符号の説明】
【0036】
10…画像形成装置、100…第一搬送部、110、120、130、140…搬送部、140a…駆動ローラ部、140b、140c…従動ローラ部、144…第二ローラ部、145…第三ローラ部、146、146a、146b、146c…付帯部材、200…収容部、300…画像形成部、400…第二搬送部、500…制御部、610…側面部、20…搬送装置、21…軸部、22…ローラ部、23…付帯部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部と、
前記固定部に対して回転する軸部と、
前記軸部を軸とした回転とともに回転し、被搬送体の搬送を誘導する誘導面であって、前記被搬送体の搬送を誘導する位置と異なる位置において前記固定部に対する間隙を形成する前記誘導面を有するローラ部と、
前記ローラ部に付帯する付帯部材とを備え、
前記付帯部材が、
前記軸部に支持され、当該軸部を軸とした回転に対して空転する軸受け部と、
前記軸受け部から前記ローラ部に沿って延びる支持部と、
前記支持部に支持されて前記誘導面と対向し、あらかじめ決められた基準位置から前記軸部の回転方向に回転したときに前記固定部と接触する対向部とを有する
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記軸部が、前記固定部に対して前記軸と交差する方向に移動可能に設けられ、
前記付帯部材及び前記ローラ部が、前記軸部の前記軸と交差する方向への移動とともに移動される
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記固定部が、
前記付帯部材が前記軸部を軸として一方の方向に回転したときに前記対向部と接触する第一の接触部と、前記付帯部材が前記軸部を軸として他方の方向に回転したときに前記対向部と接触する第二の接触部とを有し、前記付帯部材の回転をあらかじめ決められた範囲に制限する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の搬送装置と、
前記被搬送体に画像を形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
固定部と、
前記固定部に対して回転する軸部と、
前記軸部を軸とした回転とともに回転し、被搬送体の搬送を誘導する誘導面であって、前記被搬送体の搬送を誘導する位置と異なる位置において前記固定部に対する間隙を形成する前記誘導面を有するローラ部と、
前記ローラ部に付帯する付帯部材とを備え、
前記付帯部材が、
前記軸部に支持され、当該軸部を軸とした回転に対して空転する軸受け部と、
前記軸受け部から前記ローラ部に沿って延びる支持部と、
前記支持部に支持されて前記誘導面と対向し、あらかじめ決められた基準位置から前記軸部の回転方向に回転したときに前記固定部と接触する対向部とを有する
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記軸部が、前記固定部に対して前記軸と交差する方向に移動可能に設けられ、
前記付帯部材及び前記ローラ部が、前記軸部の前記軸と交差する方向への移動とともに移動される
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記固定部が、
前記付帯部材が前記軸部を軸として一方の方向に回転したときに前記対向部と接触する第一の接触部と、前記付帯部材が前記軸部を軸として他方の方向に回転したときに前記対向部と接触する第二の接触部とを有し、前記付帯部材の回転をあらかじめ決められた範囲に制限する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の搬送装置と、
前記被搬送体に画像を形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−81202(P2011−81202A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233555(P2009−233555)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]