搬送装置
【課題】板状のワーク10を搬送するウォーキングビーム式の搬送装置において、板状のワーク10の搬送過程におけるワーク10の破損を防止する。
【解決手段】移動ビーム3上におけるワーク10の搬送方向所定間隔おきにワーク受け部4が設けられており、このワーク受け部4の受け面が、凸凹形状に形成されている。これにより、ワーク受け部4上に異物がのった場合、この異物が凹部4bに入りこむ確率が高くなるので、ワーク受け部4上にワーク10が当接したときに、ワーク受け部4の凸部4aとワーク10との間に異物が挟まりにくくなり、異物が原因となってワーク10が損傷することが回避される。
【解決手段】移動ビーム3上におけるワーク10の搬送方向所定間隔おきにワーク受け部4が設けられており、このワーク受け部4の受け面が、凸凹形状に形成されている。これにより、ワーク受け部4上に異物がのった場合、この異物が凹部4bに入りこむ確率が高くなるので、ワーク受け部4上にワーク10が当接したときに、ワーク受け部4の凸部4aとワーク10との間に異物が挟まりにくくなり、異物が原因となってワーク10が損傷することが回避される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体基板、ガラス基板等のような板状のワークを搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、地球環境問題に対する関心の高まりに伴い、太陽電池が注目されている。現在、太陽電池としては、結晶系シリコン太陽電池が、最も多く生産され普及している。
【0003】
太陽電池を普及させるには、製造コストの削減が重要となっている。そのため、生産ラインでは、自動化が進められており、各工程で用いる処理装置や、これら各処理装置間に、太陽電池基板(ウエハ)等を搬送するための搬送装置が導入されるようになっている。
【0004】
この搬送装置としては、搬送の駆動系が単純であり、多量のワークを処理できる点で優れていることから、いわゆるウォーキングビーム式の搬送装置が多く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
ここで、太陽電池基板等を搬送するのに用いるウォーキングビーム式の搬送装置を図11に示して説明する。図例の搬送装置は、平行に並んで配置される一対の固定ビーム11,12と、この固定ビーム11,12間でかつ固定ビーム11,12より低い位置に配置される移動ビーム13と、図示していないが移動ビーム13を昇降駆動する昇降機構および移動ビーム13を進退変位させる変位機構を少なくとも有している。
【0006】
移動ビーム13の上面には、ワーク受け部14が設置されている。このワーク受け部14は、平面視略長方形で、扁平な板状の部材からなり、その上面つまり受け面は平坦に形成されている。
【0007】
さらに、ワーク受け部14は、厚み方向に貫通する貫通孔15が複数ヶ所に設けられていて、この貫通孔15から図示していない真空ポンプによってワーク10をワーク受け部14に吸着させることによって、ワーク10の搬送中にワーク10の位置ずれを防止するようにしている。このワーク受け部14は、硬度60、反発弾性40%のニトリルゴム(NBR)で形成されている。
【0008】
このような搬送装置によるワーク10の搬送動作を説明する。なお、搬送対象となるワーク10として、例えば太陽電池や半導体装置を製造するためのシリコン基板等のような薄肉基板を例に挙げる。
【0009】
まず、図11および図12に示すように、固定ビーム11,12上に例えば三つのワーク10を搭載してから、移動ビーム13を固定ビーム11,12より上に上昇させることにより、図13に示すように、ワーク10を移動ビーム13で持ち上げて固定ビーム11,12から引き離す。このとき、ワーク10はワーク受け部14の上面に載せられた状態になる。
【0010】
この状態で、移動ビーム13を前方に所定距離移動させてから、移動ビーム13を固定ビーム11,12より下に下降させることにより、ワーク10を移動ビーム13から引き離して固定ビーム11,12上に載せる。このとき、ワーク10はワーク受け部14から離隔された状態になる。この後、移動ビーム13を元の位置に後退させる。
【0011】
このような一連の動作を繰り返すことにより、ワーク10を順次前方へ搬送するようになっている。
【特許文献1】特開昭57−136336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、現在、太陽電池は、結晶系シリコン太陽電池が主流となっているが、シリコン基板の原料となる多結晶シリコンの生産量が需要に追いつかない状態となっている。その対策の一つとして、太陽電池に用いられるシリコン基板の厚さを薄くする試みがなされている。
【0013】
シリコン基板が薄くなるに伴い、太陽電池製造工程中において、ワーク10となるシリコン基板の割れが発生しやすくなり、これが太陽電池製造工程における不良要因の一つとなってきた。
【0014】
そこで、本発明者らは、太陽電池製造工程中の割れ要因を鋭意研究したところ、その割れ要因の一つが、各処理装置間に設置されているウォーキングビーム式の搬送装置で発生していることを知見した。
【0015】
つまり、太陽電池製造工程において発生する異物が、ワーク10としてのシリコン基板とワーク受け部14との間に挟まると、シリコン基板の吸着時にシリコン基板へ曲げ応力等のダメージが付与されることになりやすく、シリコン基板の割れにつながるおそれがある。
【0016】
また、太陽電池製造工程において発生する粉状の異物が、シリコン基板とワーク受け部14との間に入り込むと、シリコン基板の吸着不良を引き起こして搬送中にシリコン基板がワーク受け部14から位置ずれしやすくなって、シリコン基板が移動ビーム13から落ちたり、あるいは他のシリコン基板と重なったりすることによって、破損するおそれがある。
【0017】
本発明は、ウォーキングビーム式の搬送装置において、板状のワークの搬送過程におけるワークの破損を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、板状のワークを搬送するウォーキングビーム式の搬送装置であって、移動ビーム上におけるワーク搬送方向所定間隔おきにワーク受け部が設けられており、このワーク受け部の受け面が、凸凹形状に形成されていることを特徴としている。
【0019】
上記搬送装置において、前記凸部は直線状または曲線状に延びる突条部とされ、また、前記凹部は前記突条部と併設される溝とされ、それらを一組として、ワーク受け部の受け面全域に複数組互いに隣り合わせに設けたものが好ましい。
【0020】
上記搬送装置において、前記ワークに対する突条部の接触部分において当該突条部の短手方向の幅が、溝の短手方向の開口幅より小さく設定されたものが好ましい。
【0021】
上記搬送装置において、前記突条部は、その短手方向の幅が突出側へ向けて幅狭となるような形状とされていて、ワークに線接触する形態とされたものが好ましい。
【0022】
上記搬送装置において、前記突条部および溝の各両端は、ワーク受け部の端縁に到達されていて、前記溝の両端が外側へ向けて開放されたものが好ましい。
【0023】
上記搬送装置のワーク受け部は、搬送対象となるワークに対し、ワーク搬送方向と略平行な方向のサイズが小さく設定されたものが好ましい。
【0024】
上記搬送装置のワーク受け部は、硬度60未満の弾性材で形成されたものが好ましい。
【0025】
上記搬送装置のワーク受け部は、反発弾性が40%未満の弾性材で形成されたものが好ましい。このワーク受け部は、ブチルゴムとすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る搬送装置によれば、板状のワークがその搬送過程で破損することを防止することが可能になる。
【0027】
これにより、本発明に係る搬送装置を例えば太陽電池や半導体装置等の製造ラインに用いれば、ワークとなる薄いシリコン基板の歩留まりを向上するうえで有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1および図2に示すように、ウォーキングビーム式の搬送装置は、平行に並んで配置される一対の固定ビーム1,2と、この固定ビーム1,2間でかつ固定ビーム1,2より低い位置に配置される移動ビーム3と、図示していないが移動ビーム3を昇降駆動する昇降機構および移動ビーム3を進退変位させる変位機構とを少なくとも有している。
【0030】
固定ビーム1,2は、断面が縦長の長方形とされた棒状部材からなり、移動ビーム3は、扁平な帯状板からなる。これら固定ビーム1,2の上面には、弾性材等からなる緩衝部5が設けられており、ワーク10を傷つきにくくしている。
【0031】
移動ビーム3の上面には、複数(図では二つ)のワーク受け部4が長手方向所定間隔おきに設置されている。ワーク受け部4は、平面視略長方形で、扁平な板状の部材からなる。
【0032】
本発明の特徴説明に先立ち、上記搬送装置によるワーク10の搬送動作を説明する。なお、搬送対象となるワーク10として、例えば太陽電池や半導体装置を製造するためのシリコン基板等のような薄肉基板を例に挙げる。
【0033】
まず、図1および図2に示すように、固定ビーム1,2上にワーク10を搭載してから、図3および図4の矢印Aで示すように、不図示の昇降機構で移動ビーム3を固定ビーム1,2より上に上昇させることにより、ワーク10を移動ビーム3で持ち上げて固定ビーム1,2から引き離す。このとき、ワーク10はワーク受け部4の上面に載せられた状態になる。
【0034】
この状態で、図4の矢印Bで示すように、不図示の変位機構で移動ビーム3を前方に所定距離移動させてから、図4の矢印Cで示すように、不図示の昇降機構で移動ビーム3を固定ビーム1,2より下に下降させることにより、ワーク10を移動ビーム3から引き離して固定ビーム1,2上に載せる。このとき、ワーク10はワーク受け部4から離隔された状態になる。この後、不図示の変位機構で移動ビーム3を元の位置に後退させる。
【0035】
なお、多数のワーク10が固定ビーム1,2上の所定位置に、一つずつ順番に搭載されるので、上述した一連の動作を繰り返すことにより、ワーク10を順次前方へ搬送するようになっている。
【0036】
この実施形態での搬送装置は、ワーク10をワーク受け部4上に従来例のように真空ポンプを使って吸着させるようにせずに、単に載せるだけとしている。
【0037】
このように、ワーク10をワーク受け部4に単に載せる形態とするにあたって、以下のような工夫をしているので、説明する。
【0038】
まず、ワーク受け部4は、ワーク搬送方向と略平行な方向のサイズおよび直交する方向のサイズが、搬送対象となるワーク10より小さく設定されている。
【0039】
例えばワーク10として、例えば125mm角の厚さ180μm〜200μmの単結晶シリコン基板(単結晶シリコンウエハ)からなる太陽電池基板を例とする場合、ワーク受け部4は124mm×60mmとすることができる。
【0040】
また、ワーク受け部4の上面つまり受け面は、それとワーク10との間に異物を挟みにくくするために、凸凹形状とされている。
【0041】
さらに、ワーク受け部4は、ワーク10をワーク受け部4上に載せた状態でワーク10を搬送する際に、ワーク10の位置ずれを防止するために、粘性、柔軟性、反発弾性の優れた材料、好ましくは、硬度60未満で、反発弾性40%未満の弾性材、より好ましくはブチルゴム等で形成されている。ブチルゴムは、硬度30、反発弾性21%である。
【0042】
詳しく説明する。ワーク受け部4の受け面には、直線形状の突条部4aと直線形状の溝4bとが、それらを一組として複数組隣り合わせに設けられることによって、ワーク受け部4の受け面が凸凹形状とされている。
【0043】
なお、図では、説明の都合上、突条部4aの短手方向の幅を極端に大きく記載しているが、例えばワーク受け部4が124mm×60mmの場合、突条部4aの短手方向の幅が0.5mm程度とされ、突条部4aの高さが0.2mm程度とされる。
【0044】
この突条部4aおよび溝4bの各両端は、ワーク受け部4の端縁に到達されていて、溝4bの両端が外側へ向けて開放されるようになっている。
【0045】
また、突条部4aは、その短手方向の幅が突出側へ向けて漸減するような形状、つまり突条部4aの突出側表面形状は、所定曲率の部分円弧形状とされている。このような形状の突条部4aでは、その突出端がワーク10に対して線接触する形態になる。
【0046】
なお、溝4bは、その底へ向けて漸次幅狭となる形状である。この溝4bの短手方向での開口幅は、ワーク10に対する突条部4aの接触部分における当該突条部4aの短手方向での幅より大きく設定されている。
【0047】
このように、突条部4aを突出側へ向けて短手方向で幅狭とすると、この突条部4aに粉状の異物が乗りにくくなって溝4bへ落ちやすくなる。
【0048】
そして、ワーク受け部4をブチルゴムとした理由について説明する。
【0049】
まず、ブチルゴムは粘性が高いので、ワーク受け部4をワーク10に当接させた状態でワーク10が位置ずれしにくくなる。このように滑り止め作用を発揮する。
【0050】
また、ブチルゴムは柔軟性が高いので、ワーク受け部4上に異物が載っても、ワーク受け部4上にワーク10が載ることによって異物がワーク受け部4内に埋まりこむようになる。このように異物排除作用を発揮する。
【0051】
さらに、ブチルゴムは反発弾性が低いので、ワーク受け部4がワーク10に当接する際の衝撃が小さくなる。このように衝撃緩和作用を発揮する。
【0052】
但し、ワーク受け部4をブチルゴムで形成すると、ワーク受け部4の受け面が従来例のように平坦であったり、梨地状(ザラザラにした状態)であったりすると、ワーク受け部4の粘着力が強くなりすぎるので、ワーク10が位置ずれ防止に効果的であるものの、ワーク受け部4からワーク10が離れにくくなる。
【0053】
しかし、上述したように、ワーク受け部4の上面に突条部4aと溝4bとを設けて凸凹形状としてやれば、ワーク受け部4からワーク10を位置ずれしにくくしたうえで離れやすくすることが可能になる。
【0054】
但し、ワーク10を位置ずれしにくくしたうえで離れやすくするように、隣り合う突条部4aのピッチを適宜設定するのが好ましい。
【0055】
そして、ワーク受け部4は、図1に示すように、その突条部4aおよび溝4bの長手方向がワーク搬送方向と直交するように移動ビーム3上に設置されている。なお、図示していないが、ワーク受け部4は、その突条部4aおよび溝4bの長手方向をワーク搬送方向と略平行に移動ビーム3上に設置してもよい。
【0056】
以上説明したように、ワーク受け部4にワーク10を真空吸着させない形態としているので、ワーク受け部4とワーク10との間に仮に異物が挟まれたとしても、ワーク10に曲げ応力等のダメージが付与されなくなる。
【0057】
また、ワーク受け部4をワーク10と線接触させる形態としているので、仮に、突条部4a上に異物が載ったときでも、この異物が溝4bへ落ちやすくなってワーク受け部4とワーク10との間に異物が挟まれにくくなる。このことに加えて、ワーク受け部4をワーク10の滑り止め作用を発揮する材料で形成しているので、それらの相乗によって、ワーク10の搬送中におけるワーク10の位置ずれを防止することが可能になる。
【0058】
これらのことによって、薄肉板状のワーク10であっても、搬送過程でワーク10の位置ずれや、割れ等といった破損の発生を抑制または防止できるようになる。しかも、従来例のような真空ポンプの設備が不要となるので、搬送装置の構成簡素化とメンテナンス頻度を少なくできる等、設備コストならびにランニングコストの低減に貢献できる。
【0059】
さらに、上記実施形態では、溝4bの両端を外側へ向けて開放しているので、メンテナンス時に溝4b内に溜まった異物を取り除きやすくなる。
【0060】
以上説明したウォーキングビーム式の搬送装置は、例えば図5に示すような太陽電池製造工程フローにおける各工程の間に配置することができる。この場合、ワーク10となる薄いシリコン基板の歩留まりを向上するうえで有利となる。
【0061】
なお、上記実施形態において、ワーク受け部4を110mm×60mmとした場合についても上記実施形態と同様の効果が得られた。また、ワーク10として多結晶シリコンウエハを用いた場合についても上記実施形態と同様の効果が得られた。
【0062】
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
【0063】
まず、上述したワーク受け部4の突条部4aの短手方向の断面形状や溝4bの断面形状については特に限定されない。
【0064】
例えば図6から図8に示すように、突条部4aの短手方向の断面形状を略直角三角形とし、溝4bの短手方向の断面形状を略逆さ直角三角形としてもよい。この図でも、突条部4aの幅を極端に大きく記載しているが、その短手方向の幅は例えば0.5mm程度とされ、その高さは例えば0.2mm程度とされる。
【0065】
この場合、ワーク受け部4上にワーク10を載せたときに、ワーク10に対する突条部4aの接触形態が極細の線接触となり、ワーク10に対する突条部4aの短手方向での接触幅が極限に小さくなる。
【0066】
また、図示していないが、突条部4aの短手方向の断面形状を略二等辺三角形とし、溝4bの断面形状を略逆さ二等辺三角形としてもよい。
【0067】
ところで、上記実施形態に対し、図9に示すように、ワーク受け部4Aに上方へ向けて開口する窪み4A1をドットマトリクス状に設けた場合や、図10に示すように、ワーク受け部4Bの突条部4B1および溝4B2の断面形状を略矩形とした場合について検討したので、説明する。これらの図においても、窪み4A1、突条部4B1および溝4B2を極端に大きく記載している。
【0068】
図9の格子状凸部4A2や突条部4B1の突出端が平坦面であるために、そのうえに、異物が溜まりやすくなる。また、ワーク10に対して格子状凸部4A2や突条部4B1が面接触となるために、その間に異物が挟まれやすくなる。これらのことから、図9や図10に示す形状のワーク受け部4A,4Bでは、ワーク10が搬送中に位置ずれするおそれがあって、図1や図6に示す形状のワーク受け部4に比べて劣ると言える。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係る搬送装置の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1の(2)−(2)線断面の矢視図で、移動ビームを下げた状態を示している。
【図3】図2の状態から移動ビームを上げた状態を示している。
【図4】図1の搬送装置によるワークの搬送形態を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明に係る搬送装置の搬送対象となるワークを太陽電池とする場合の製造処理手順の一例を示す説明図である。
【図6】本発明に係る搬送装置の他の実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図7】図6の(7)−(7)線断面の矢視図である。
【図8】図7の状態から移動ビームを上げた状態を示している。
【図9】本発明の比較例1となるワーク受け部の斜視図である。
【図10】本発明の比較例2となるワーク受け部の斜視図である。
【図11】従来例に係る搬送装置の概略構成を示す斜視図である。
【図12】図11の(12)−(12)線断面の矢視図である。
【図13】図12の状態から移動ビームを上げた状態を示している。
【符号の説明】
【0070】
1,2 固定ビーム
3 移動ビーム
4 ワーク受け部
4a 突条部
4b 溝
10 ワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体基板、ガラス基板等のような板状のワークを搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、地球環境問題に対する関心の高まりに伴い、太陽電池が注目されている。現在、太陽電池としては、結晶系シリコン太陽電池が、最も多く生産され普及している。
【0003】
太陽電池を普及させるには、製造コストの削減が重要となっている。そのため、生産ラインでは、自動化が進められており、各工程で用いる処理装置や、これら各処理装置間に、太陽電池基板(ウエハ)等を搬送するための搬送装置が導入されるようになっている。
【0004】
この搬送装置としては、搬送の駆動系が単純であり、多量のワークを処理できる点で優れていることから、いわゆるウォーキングビーム式の搬送装置が多く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
ここで、太陽電池基板等を搬送するのに用いるウォーキングビーム式の搬送装置を図11に示して説明する。図例の搬送装置は、平行に並んで配置される一対の固定ビーム11,12と、この固定ビーム11,12間でかつ固定ビーム11,12より低い位置に配置される移動ビーム13と、図示していないが移動ビーム13を昇降駆動する昇降機構および移動ビーム13を進退変位させる変位機構を少なくとも有している。
【0006】
移動ビーム13の上面には、ワーク受け部14が設置されている。このワーク受け部14は、平面視略長方形で、扁平な板状の部材からなり、その上面つまり受け面は平坦に形成されている。
【0007】
さらに、ワーク受け部14は、厚み方向に貫通する貫通孔15が複数ヶ所に設けられていて、この貫通孔15から図示していない真空ポンプによってワーク10をワーク受け部14に吸着させることによって、ワーク10の搬送中にワーク10の位置ずれを防止するようにしている。このワーク受け部14は、硬度60、反発弾性40%のニトリルゴム(NBR)で形成されている。
【0008】
このような搬送装置によるワーク10の搬送動作を説明する。なお、搬送対象となるワーク10として、例えば太陽電池や半導体装置を製造するためのシリコン基板等のような薄肉基板を例に挙げる。
【0009】
まず、図11および図12に示すように、固定ビーム11,12上に例えば三つのワーク10を搭載してから、移動ビーム13を固定ビーム11,12より上に上昇させることにより、図13に示すように、ワーク10を移動ビーム13で持ち上げて固定ビーム11,12から引き離す。このとき、ワーク10はワーク受け部14の上面に載せられた状態になる。
【0010】
この状態で、移動ビーム13を前方に所定距離移動させてから、移動ビーム13を固定ビーム11,12より下に下降させることにより、ワーク10を移動ビーム13から引き離して固定ビーム11,12上に載せる。このとき、ワーク10はワーク受け部14から離隔された状態になる。この後、移動ビーム13を元の位置に後退させる。
【0011】
このような一連の動作を繰り返すことにより、ワーク10を順次前方へ搬送するようになっている。
【特許文献1】特開昭57−136336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、現在、太陽電池は、結晶系シリコン太陽電池が主流となっているが、シリコン基板の原料となる多結晶シリコンの生産量が需要に追いつかない状態となっている。その対策の一つとして、太陽電池に用いられるシリコン基板の厚さを薄くする試みがなされている。
【0013】
シリコン基板が薄くなるに伴い、太陽電池製造工程中において、ワーク10となるシリコン基板の割れが発生しやすくなり、これが太陽電池製造工程における不良要因の一つとなってきた。
【0014】
そこで、本発明者らは、太陽電池製造工程中の割れ要因を鋭意研究したところ、その割れ要因の一つが、各処理装置間に設置されているウォーキングビーム式の搬送装置で発生していることを知見した。
【0015】
つまり、太陽電池製造工程において発生する異物が、ワーク10としてのシリコン基板とワーク受け部14との間に挟まると、シリコン基板の吸着時にシリコン基板へ曲げ応力等のダメージが付与されることになりやすく、シリコン基板の割れにつながるおそれがある。
【0016】
また、太陽電池製造工程において発生する粉状の異物が、シリコン基板とワーク受け部14との間に入り込むと、シリコン基板の吸着不良を引き起こして搬送中にシリコン基板がワーク受け部14から位置ずれしやすくなって、シリコン基板が移動ビーム13から落ちたり、あるいは他のシリコン基板と重なったりすることによって、破損するおそれがある。
【0017】
本発明は、ウォーキングビーム式の搬送装置において、板状のワークの搬送過程におけるワークの破損を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、板状のワークを搬送するウォーキングビーム式の搬送装置であって、移動ビーム上におけるワーク搬送方向所定間隔おきにワーク受け部が設けられており、このワーク受け部の受け面が、凸凹形状に形成されていることを特徴としている。
【0019】
上記搬送装置において、前記凸部は直線状または曲線状に延びる突条部とされ、また、前記凹部は前記突条部と併設される溝とされ、それらを一組として、ワーク受け部の受け面全域に複数組互いに隣り合わせに設けたものが好ましい。
【0020】
上記搬送装置において、前記ワークに対する突条部の接触部分において当該突条部の短手方向の幅が、溝の短手方向の開口幅より小さく設定されたものが好ましい。
【0021】
上記搬送装置において、前記突条部は、その短手方向の幅が突出側へ向けて幅狭となるような形状とされていて、ワークに線接触する形態とされたものが好ましい。
【0022】
上記搬送装置において、前記突条部および溝の各両端は、ワーク受け部の端縁に到達されていて、前記溝の両端が外側へ向けて開放されたものが好ましい。
【0023】
上記搬送装置のワーク受け部は、搬送対象となるワークに対し、ワーク搬送方向と略平行な方向のサイズが小さく設定されたものが好ましい。
【0024】
上記搬送装置のワーク受け部は、硬度60未満の弾性材で形成されたものが好ましい。
【0025】
上記搬送装置のワーク受け部は、反発弾性が40%未満の弾性材で形成されたものが好ましい。このワーク受け部は、ブチルゴムとすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る搬送装置によれば、板状のワークがその搬送過程で破損することを防止することが可能になる。
【0027】
これにより、本発明に係る搬送装置を例えば太陽電池や半導体装置等の製造ラインに用いれば、ワークとなる薄いシリコン基板の歩留まりを向上するうえで有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1および図2に示すように、ウォーキングビーム式の搬送装置は、平行に並んで配置される一対の固定ビーム1,2と、この固定ビーム1,2間でかつ固定ビーム1,2より低い位置に配置される移動ビーム3と、図示していないが移動ビーム3を昇降駆動する昇降機構および移動ビーム3を進退変位させる変位機構とを少なくとも有している。
【0030】
固定ビーム1,2は、断面が縦長の長方形とされた棒状部材からなり、移動ビーム3は、扁平な帯状板からなる。これら固定ビーム1,2の上面には、弾性材等からなる緩衝部5が設けられており、ワーク10を傷つきにくくしている。
【0031】
移動ビーム3の上面には、複数(図では二つ)のワーク受け部4が長手方向所定間隔おきに設置されている。ワーク受け部4は、平面視略長方形で、扁平な板状の部材からなる。
【0032】
本発明の特徴説明に先立ち、上記搬送装置によるワーク10の搬送動作を説明する。なお、搬送対象となるワーク10として、例えば太陽電池や半導体装置を製造するためのシリコン基板等のような薄肉基板を例に挙げる。
【0033】
まず、図1および図2に示すように、固定ビーム1,2上にワーク10を搭載してから、図3および図4の矢印Aで示すように、不図示の昇降機構で移動ビーム3を固定ビーム1,2より上に上昇させることにより、ワーク10を移動ビーム3で持ち上げて固定ビーム1,2から引き離す。このとき、ワーク10はワーク受け部4の上面に載せられた状態になる。
【0034】
この状態で、図4の矢印Bで示すように、不図示の変位機構で移動ビーム3を前方に所定距離移動させてから、図4の矢印Cで示すように、不図示の昇降機構で移動ビーム3を固定ビーム1,2より下に下降させることにより、ワーク10を移動ビーム3から引き離して固定ビーム1,2上に載せる。このとき、ワーク10はワーク受け部4から離隔された状態になる。この後、不図示の変位機構で移動ビーム3を元の位置に後退させる。
【0035】
なお、多数のワーク10が固定ビーム1,2上の所定位置に、一つずつ順番に搭載されるので、上述した一連の動作を繰り返すことにより、ワーク10を順次前方へ搬送するようになっている。
【0036】
この実施形態での搬送装置は、ワーク10をワーク受け部4上に従来例のように真空ポンプを使って吸着させるようにせずに、単に載せるだけとしている。
【0037】
このように、ワーク10をワーク受け部4に単に載せる形態とするにあたって、以下のような工夫をしているので、説明する。
【0038】
まず、ワーク受け部4は、ワーク搬送方向と略平行な方向のサイズおよび直交する方向のサイズが、搬送対象となるワーク10より小さく設定されている。
【0039】
例えばワーク10として、例えば125mm角の厚さ180μm〜200μmの単結晶シリコン基板(単結晶シリコンウエハ)からなる太陽電池基板を例とする場合、ワーク受け部4は124mm×60mmとすることができる。
【0040】
また、ワーク受け部4の上面つまり受け面は、それとワーク10との間に異物を挟みにくくするために、凸凹形状とされている。
【0041】
さらに、ワーク受け部4は、ワーク10をワーク受け部4上に載せた状態でワーク10を搬送する際に、ワーク10の位置ずれを防止するために、粘性、柔軟性、反発弾性の優れた材料、好ましくは、硬度60未満で、反発弾性40%未満の弾性材、より好ましくはブチルゴム等で形成されている。ブチルゴムは、硬度30、反発弾性21%である。
【0042】
詳しく説明する。ワーク受け部4の受け面には、直線形状の突条部4aと直線形状の溝4bとが、それらを一組として複数組隣り合わせに設けられることによって、ワーク受け部4の受け面が凸凹形状とされている。
【0043】
なお、図では、説明の都合上、突条部4aの短手方向の幅を極端に大きく記載しているが、例えばワーク受け部4が124mm×60mmの場合、突条部4aの短手方向の幅が0.5mm程度とされ、突条部4aの高さが0.2mm程度とされる。
【0044】
この突条部4aおよび溝4bの各両端は、ワーク受け部4の端縁に到達されていて、溝4bの両端が外側へ向けて開放されるようになっている。
【0045】
また、突条部4aは、その短手方向の幅が突出側へ向けて漸減するような形状、つまり突条部4aの突出側表面形状は、所定曲率の部分円弧形状とされている。このような形状の突条部4aでは、その突出端がワーク10に対して線接触する形態になる。
【0046】
なお、溝4bは、その底へ向けて漸次幅狭となる形状である。この溝4bの短手方向での開口幅は、ワーク10に対する突条部4aの接触部分における当該突条部4aの短手方向での幅より大きく設定されている。
【0047】
このように、突条部4aを突出側へ向けて短手方向で幅狭とすると、この突条部4aに粉状の異物が乗りにくくなって溝4bへ落ちやすくなる。
【0048】
そして、ワーク受け部4をブチルゴムとした理由について説明する。
【0049】
まず、ブチルゴムは粘性が高いので、ワーク受け部4をワーク10に当接させた状態でワーク10が位置ずれしにくくなる。このように滑り止め作用を発揮する。
【0050】
また、ブチルゴムは柔軟性が高いので、ワーク受け部4上に異物が載っても、ワーク受け部4上にワーク10が載ることによって異物がワーク受け部4内に埋まりこむようになる。このように異物排除作用を発揮する。
【0051】
さらに、ブチルゴムは反発弾性が低いので、ワーク受け部4がワーク10に当接する際の衝撃が小さくなる。このように衝撃緩和作用を発揮する。
【0052】
但し、ワーク受け部4をブチルゴムで形成すると、ワーク受け部4の受け面が従来例のように平坦であったり、梨地状(ザラザラにした状態)であったりすると、ワーク受け部4の粘着力が強くなりすぎるので、ワーク10が位置ずれ防止に効果的であるものの、ワーク受け部4からワーク10が離れにくくなる。
【0053】
しかし、上述したように、ワーク受け部4の上面に突条部4aと溝4bとを設けて凸凹形状としてやれば、ワーク受け部4からワーク10を位置ずれしにくくしたうえで離れやすくすることが可能になる。
【0054】
但し、ワーク10を位置ずれしにくくしたうえで離れやすくするように、隣り合う突条部4aのピッチを適宜設定するのが好ましい。
【0055】
そして、ワーク受け部4は、図1に示すように、その突条部4aおよび溝4bの長手方向がワーク搬送方向と直交するように移動ビーム3上に設置されている。なお、図示していないが、ワーク受け部4は、その突条部4aおよび溝4bの長手方向をワーク搬送方向と略平行に移動ビーム3上に設置してもよい。
【0056】
以上説明したように、ワーク受け部4にワーク10を真空吸着させない形態としているので、ワーク受け部4とワーク10との間に仮に異物が挟まれたとしても、ワーク10に曲げ応力等のダメージが付与されなくなる。
【0057】
また、ワーク受け部4をワーク10と線接触させる形態としているので、仮に、突条部4a上に異物が載ったときでも、この異物が溝4bへ落ちやすくなってワーク受け部4とワーク10との間に異物が挟まれにくくなる。このことに加えて、ワーク受け部4をワーク10の滑り止め作用を発揮する材料で形成しているので、それらの相乗によって、ワーク10の搬送中におけるワーク10の位置ずれを防止することが可能になる。
【0058】
これらのことによって、薄肉板状のワーク10であっても、搬送過程でワーク10の位置ずれや、割れ等といった破損の発生を抑制または防止できるようになる。しかも、従来例のような真空ポンプの設備が不要となるので、搬送装置の構成簡素化とメンテナンス頻度を少なくできる等、設備コストならびにランニングコストの低減に貢献できる。
【0059】
さらに、上記実施形態では、溝4bの両端を外側へ向けて開放しているので、メンテナンス時に溝4b内に溜まった異物を取り除きやすくなる。
【0060】
以上説明したウォーキングビーム式の搬送装置は、例えば図5に示すような太陽電池製造工程フローにおける各工程の間に配置することができる。この場合、ワーク10となる薄いシリコン基板の歩留まりを向上するうえで有利となる。
【0061】
なお、上記実施形態において、ワーク受け部4を110mm×60mmとした場合についても上記実施形態と同様の効果が得られた。また、ワーク10として多結晶シリコンウエハを用いた場合についても上記実施形態と同様の効果が得られた。
【0062】
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
【0063】
まず、上述したワーク受け部4の突条部4aの短手方向の断面形状や溝4bの断面形状については特に限定されない。
【0064】
例えば図6から図8に示すように、突条部4aの短手方向の断面形状を略直角三角形とし、溝4bの短手方向の断面形状を略逆さ直角三角形としてもよい。この図でも、突条部4aの幅を極端に大きく記載しているが、その短手方向の幅は例えば0.5mm程度とされ、その高さは例えば0.2mm程度とされる。
【0065】
この場合、ワーク受け部4上にワーク10を載せたときに、ワーク10に対する突条部4aの接触形態が極細の線接触となり、ワーク10に対する突条部4aの短手方向での接触幅が極限に小さくなる。
【0066】
また、図示していないが、突条部4aの短手方向の断面形状を略二等辺三角形とし、溝4bの断面形状を略逆さ二等辺三角形としてもよい。
【0067】
ところで、上記実施形態に対し、図9に示すように、ワーク受け部4Aに上方へ向けて開口する窪み4A1をドットマトリクス状に設けた場合や、図10に示すように、ワーク受け部4Bの突条部4B1および溝4B2の断面形状を略矩形とした場合について検討したので、説明する。これらの図においても、窪み4A1、突条部4B1および溝4B2を極端に大きく記載している。
【0068】
図9の格子状凸部4A2や突条部4B1の突出端が平坦面であるために、そのうえに、異物が溜まりやすくなる。また、ワーク10に対して格子状凸部4A2や突条部4B1が面接触となるために、その間に異物が挟まれやすくなる。これらのことから、図9や図10に示す形状のワーク受け部4A,4Bでは、ワーク10が搬送中に位置ずれするおそれがあって、図1や図6に示す形状のワーク受け部4に比べて劣ると言える。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係る搬送装置の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1の(2)−(2)線断面の矢視図で、移動ビームを下げた状態を示している。
【図3】図2の状態から移動ビームを上げた状態を示している。
【図4】図1の搬送装置によるワークの搬送形態を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明に係る搬送装置の搬送対象となるワークを太陽電池とする場合の製造処理手順の一例を示す説明図である。
【図6】本発明に係る搬送装置の他の実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図7】図6の(7)−(7)線断面の矢視図である。
【図8】図7の状態から移動ビームを上げた状態を示している。
【図9】本発明の比較例1となるワーク受け部の斜視図である。
【図10】本発明の比較例2となるワーク受け部の斜視図である。
【図11】従来例に係る搬送装置の概略構成を示す斜視図である。
【図12】図11の(12)−(12)線断面の矢視図である。
【図13】図12の状態から移動ビームを上げた状態を示している。
【符号の説明】
【0070】
1,2 固定ビーム
3 移動ビーム
4 ワーク受け部
4a 突条部
4b 溝
10 ワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のワークを搬送するウォーキングビーム式の搬送装置であって、
移動ビーム上におけるワーク搬送方向所定間隔おきにワーク受け部が設けられており、このワーク受け部の受け面が、凸凹形状に形成されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記凸部は直線状または曲線状に延びる突条部とされ、また、前記凹部は前記突条部と併設される溝とされ、それらを一組として、ワーク受け部の受け面全域に複数組互いに隣り合わせに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記ワークに対する突条部の接触部分において当該突条部の短手方向の幅が、溝の短手方向の開口幅より小さく設定されていることを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記突条部は、その短手方向の幅が突出側へ向けて幅狭となるような形状とされていて、ワークに線接触する形態とされることを特徴とする請求項2または3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記突条部および溝の各両端は、ワーク受け部の端縁に到達されていて、前記溝の両端が外側へ向けて開放されていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
前記ワーク受け部は、搬送対象となるワークに対し、ワーク搬送方向と略平行な方向のサイズが小さく設定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項7】
前記ワーク受け部は、硬度60未満の弾性材で形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
前記ワーク受け部は、反発弾性が40%未満の弾性材で形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項9】
前記ワーク受け部は、ブチルゴムからなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項1】
板状のワークを搬送するウォーキングビーム式の搬送装置であって、
移動ビーム上におけるワーク搬送方向所定間隔おきにワーク受け部が設けられており、このワーク受け部の受け面が、凸凹形状に形成されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記凸部は直線状または曲線状に延びる突条部とされ、また、前記凹部は前記突条部と併設される溝とされ、それらを一組として、ワーク受け部の受け面全域に複数組互いに隣り合わせに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記ワークに対する突条部の接触部分において当該突条部の短手方向の幅が、溝の短手方向の開口幅より小さく設定されていることを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記突条部は、その短手方向の幅が突出側へ向けて幅狭となるような形状とされていて、ワークに線接触する形態とされることを特徴とする請求項2または3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記突条部および溝の各両端は、ワーク受け部の端縁に到達されていて、前記溝の両端が外側へ向けて開放されていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
前記ワーク受け部は、搬送対象となるワークに対し、ワーク搬送方向と略平行な方向のサイズが小さく設定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項7】
前記ワーク受け部は、硬度60未満の弾性材で形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
前記ワーク受け部は、反発弾性が40%未満の弾性材で形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項9】
前記ワーク受け部は、ブチルゴムからなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−321610(P2006−321610A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−145893(P2005−145893)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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