携帯情報端末、及びコンテンツ情報の取得/操作方法、並びにこの方法のプログラム
【課題】2次元コードを撮影し続けることを不要にしながら、コンテンツ情報の取得/操作が確実になる。
【解決手段】コンテンツ情報取得手段61は撮影手段10で撮影したQRコード200Aに対応したコンテンツ情報を取得する。対コードパラメータ算出手段62はQRコードに対する携帯情報端末100の相対的な位置および姿勢を算出し、これに基づいてコード操作パラメータを算出する。対フローパラメータ算出手段63は撮影画像からオプティカルフローを検出し、これに基づいて携帯情報端末のフロー操作パラメータを算出する。パラメータ切り替え手段64は予め定めた条件に基づいてコード操作パラメータまたはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとする。コンテンツ操作手段65はコンテンツ操作パラメータを用いてコンテンツ情報を操作する。
【解決手段】コンテンツ情報取得手段61は撮影手段10で撮影したQRコード200Aに対応したコンテンツ情報を取得する。対コードパラメータ算出手段62はQRコードに対する携帯情報端末100の相対的な位置および姿勢を算出し、これに基づいてコード操作パラメータを算出する。対フローパラメータ算出手段63は撮影画像からオプティカルフローを検出し、これに基づいて携帯情報端末のフロー操作パラメータを算出する。パラメータ切り替え手段64は予め定めた条件に基づいてコード操作パラメータまたはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとする。コンテンツ操作手段65はコンテンツ操作パラメータを用いてコンテンツ情報を操作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影した2次元コード(QRコードなど)から読み取られるコンテンツ情報を取得/操作する携帯情報端末及びコンテンツ情報の取得/操作方法に係り、特に人のジェスチャや動きによって操作される携帯情報端末と2次元コードとの相対的な位置関係(空間位置及び姿勢)からコンテンツ情報を取得/操作する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
拡張現実感技術(AR)を応用し、2次元コードから読み取ることができる情報を人の動きによって操作する、2次元コードを用いたハンドヘルドARインタフェース技術(以下、2次元コードを用いたHAR)がある。このインタフェース技術は、2次元コードと、それを読み取る携帯情報端末の相対的な位置関係をリアルタイムで算出し、該携帯情報端末の動きによって、該2次元コードから得られるコンテンツ情報を取得/操作可能にするものである。
【0003】
CDアルバムの宣伝ポスターに楽曲を試聴するための2次元コードを添付した利用例について説明する。この例では、ユーザが携帯情報端末が備えるデジタルカメラで2次元コードを読み取ると、該端末の画面上にはアルバムの各曲に対応する画像と各曲名が表示される。ユーザが、該2次元コードを撮影しながら、該端末を2次元コードに近づけたり、遠ざけたりすると、端末とコード間の距離に応じて表示される楽曲が変化する。そして、ユーザは試聴したい曲が表示されているときに決定ボタンを押すと、その楽曲を試聴することができる。従来インタフェースではボタンで選択していたが、このシステムでは楽曲の選択を端末の動きによって行うことができる。
【0004】
また、音量ボリューム操作のための2次元コードを同ポスターに添付しておけば、楽曲の試聴中に、該音量ボリューム用のコードを読み取りながらユーザが端末をコードの法線ベクトル周りに回すと、音量を調整する機能を持たせることもできる。
【0005】
他の応用例として、所定の形状をもつビジュアルコードを携帯情報端末のカメラで撮影するときの相対的な位置関係を算出し、該位置関係を数値に変換し、数値として入力する手法を本願出願人は既に提案している(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
以上のように、2次元コードを用いたHARを応用したシステムには2つの利点がある。1つは、従来2次元コードの読み取り後に行っていたボタン操作を動きによる操作に置き換えることによってスムーズな操作を提供することができる点である。もう1つは、音量ボリューム操作のように実世界にある操作方法に基づいた直感的な操作方法を提供することができる点である。
【特許文献1】特開2006−114943
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
2次元コードを用いたHARの従来の実現手法には操作性に問題がある。従来の手法では、ユーザは携帯情報端末を動かして操作している間、常にデジタルカメラの画角内に操作の対象となる2次元コードを収めなければならない。つまり、ユーザは、携帯情報端末が備えるデジタルカメラの画角に2次元コードを収めながら、該端末を近づけたり、遠ざけたり、回したりしなければならない。前記のボリューム操作を行っている間にデジタルカメラの画角から2次元コードが外れると、操作が中断される。このため、2次元コードが画角から外れないように注意深く操作することになり、スムーズに操作できないといった問題が発生する。
【0008】
2次元コードを用いたHARによるサービスの普及を促進するには、その操作性を向上できることが望ましい。しかしながら、従来の操作方法では、操作に利用するパラメータを2次元コードを撮影することによってのみ算出するため、上述のように2次元コードを画角に収める必要があり、操作性が悪くなる問題があった。一方、ジャイロデバイスのような携帯情報端末の姿勢を検出するデバイスを利用する手法もあるが、新たなデバイスを追加する必要があるため、導入コストが高いという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、2次元コードを撮影し続けることを不要にしながら、コンテンツ情報の取得/操作を確実にした携帯情報端末、及びコンテンツ情報の取得/操作方法、並びにこの方法のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、2次元コードが撮影されていない状況でも携帯情報端末の動きを検出するために、オプティカルフローによって操作に利用するフロー操作パラメータを算出する対フローパラメータと、2次元コードが撮影されているときは操作に利用するコード操作パラメータを算出する対コードパラメータを利用することを特徴とする。
【0011】
また、2次元コードが画角から外れても操作を可能にするため、2次元コードが画角から外れてしまった場合は前記フロー操作パラメータを利用し、2次元コードが検出されている場合は前記コード操作パラメータを利用する、といった状況に応じていずれかの操作パラメータを適切に切り替えることを特徴とする。
【0012】
また、前記パラメータ切り替えにおいて、前記フロー操作パラメータあるいは前記コード操作パラメータを2次元コードの検出状態を予測し、この予測結果に基づき、操作パラメータを適切に切り替えることを特徴とする。
【0013】
また、前記フロー操作パラメータは、前記コード操作パラメータと比較し精度が低い短所がある。この短所を払拭するため、前記コード操作パラメータによって前記フロー操作パラメータを補正することを特徴とする。
【0014】
以上のことから、本発明は、以下の装置、方法およびプログラムを特徴とする。
【0015】
(携帯情報端末の発明)
(1)撮影手段を備えた携帯情報端末を用いて2次元コードを撮影し、携帯情報端末と2次元コードとの相対的な位置及び姿勢によって2次元コードから読み取られるコンテンツ情報を取得/操作する携帯情報端末であって、
前記撮影手段によって読み取った2次元コードに対応したコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得手段と、
前記撮影手段によって撮影された撮影画像中の2次元コードの形状を用いて、2次元コードに対する携帯情報端末の相対的な位置および姿勢を算出し、該相対的な位置および姿勢に基づいてコード操作パラメータを算出する対コードパラメータ算出手段と、
前記撮影手段によって撮影される画像からオプティカルフローを検出し、該オプティカルフローに基づいて携帯情報端末のフロー操作パラメータを算出する対フローパラメータ算出手段と、
予め定めた条件に基づいて、前記コード操作パラメータまたはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとするパラメータ切り替え手段と、
前記コンテンツ操作パラメータを用いてコンテンツ情報を操作するコンテンツ操作手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
(2)前記撮影画像中での前記2次元コードの検出状態を予測したコード状態予測情報を算出する2次元コード状態予測手段を備え、
前記パラメータ切り替え手段は、前記コード状態予測情報に基づき、前記コード操作パラメータあるいはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとすることを特徴とする。
【0017】
(3)前記コード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正手段を備えることを特徴とする。
【0018】
(4)前記コード状態予測情報およびコード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正手段を備えることを特徴とする。
【0019】
(方法の発明)
(5)撮影手段を備えた携帯情報端末を用いて2次元コードを撮影し、携帯情報端末と2次元コードとの相対的な位置及び姿勢によって2次元コードから読み取られるコンテンツ情報を取得/操作するコンテンツ情報の取得/操作方法であって、
前記撮影手段によって読み取った2次元コードに対応したコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得ステップと、
前記撮影手段によって撮影された撮影画像中の2次元コードの形状を用いて、2次元コードに対する携帯情報端末の相対的な位置および姿勢を算出し、該相対的な位置および姿勢に基づいてコード操作パラメータを算出する対コードパラメータ算出ステップと、
前記撮影手段によって撮影される画像からオプティカルフローを検出し、該オプティカルフローに基づいて携帯情報端末のフロー操作パラメータを算出する対フローパラメータ算出ステップと、
予め定めた条件に基づいて、前記コード操作パラメータまたはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとするパラメータ切り替えステップと、
前記コンテンツ操作パラメータを用いてコンテンツ情報を操作するコンテンツ操作ステップとを備えることを特徴とする。
【0020】
(6)前記撮影画像中での前記2次元コードの検出状態を予測したコード状態予測情報を算出する2次元コード状態予測ステップを備え、
前記パラメータ切り替えステップは、前記コード状態予測情報に基づき、前記コード操作パラメータあるいはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとすることを特徴とする。
【0021】
(7)前記コード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正ステップを備えることを特徴とする。
【0022】
(8)前記コード状態予測情報およびコード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正ステップを備えることを特徴とする。
【0023】
(プログラムの発明)
(9)上記の(5)〜(8)におけるコンテンツ情報の取得/操作方法における処理ステップをコンピュータで実行可能にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
以上のとおり、本発明によれば、2次元コードを撮影し続けることを不要にしながら、コンテンツ情報の取得/操作が確実になる。詳細には、
(1)2次元コードを用いたハンドヘルドARインタフェースの操作中に、撮影された2次元コードおよびオプティカルフローの2つの手段から操作のためのパラメータを算出し、それらを切り替えて利用するため、2次元コードを撮影し続ける必要性がなく、操作性を高めることができる。
【0025】
(2)2次元コードが撮影され、検出されているとき、画角から外れそうであるなどの状態を予測することで、前記2次元コードおよびオプティカルフローの手段から得られる操作のパラメータを適切に切り替えることができる。
【0026】
(3)撮影された2次元コードの形状を利用し、オプティカルフローから操作のためのパラメータを算出するときの誤差を修正することができる。
【0027】
(4)2次元コードの検出状態の予測結果を用いて、オプティカルフローの誤差を修正するタイミングを決めるため、計算コストをさげることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(実施形態1)
本実施形態は、携帯情報端末である携帯電話を用いて2次元コードであるQRコードを読み取り、そこに埋め込まれたコンテンツ情報である楽曲の再生音量を該携帯電話の動きによって操作する携帯情報端末およびコンテンツ情報の取得/操作方法を提案するものである。以下、音量の操作を行う場合を詳細に説明するが、以下に説明する各実施形態は音量に限定されるものでなく、操作パラメータ一般に適用可能である。
【0029】
(A)装置のブロック構成
図1は、携帯電話(携帯情報端末)で撮影した2次元コードによる音量ボリューム操作のための機能ブロック構成を示す。携帯電話端末100は、動画像を撮影するための撮影手段10、ネットワーク通信するための通信手段20、ユーザが入力を行うための入力手段30、ユーザが情報を確認、閲覧するための表示手段40、音声を再生するための音声再生手段50、計算処理を行うための汎用計算手段60を備える。この汎用計算手段60は、携帯電話に搭載されるマイクロコンピュータと、このコンピュータのプログラムメモリにプログラムとして記述されるソフトウェアで構成される。
【0030】
汎用計算手段60のブロック構成は、撮影手段10で撮影されたポスター200の撮影画像からQRコード(2次元コード)200Aを読み取り、この読み取った2次元コードに対応したコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得手段61、前記撮影画像から該撮影画像中に写るQRコードの形状を元に該QRコードに対する前記携帯電話100の位置・姿勢パラメータを算出し、コード操作パラメータを算出する対コードパラメータ算出手段62、前記撮影画像(動画像)からオプティカルフローを検出し、フロー操作パラメータを算出する対フローパラメータ算出手段63、前記対コードパラメータ算出手段62と対フローパラメータ算出手段63が算出する操作パラメータを予め定めた条件に基づいて切り替えるパラメータ切り替え手段64,前記コンテンツ情報取得手段61が取得するコンテンツ情報を、前記パラメータ切り替え手段が切り替えた前記コード操作パラメータあるいは前記フロー操作パラメータによって操作を加えるコンテンツ操作手段65を備える。
【0031】
(B)操作概要
ユーザが携帯電話100の撮像手段10によってポスター200上のQRコード200Aを撮影すると、コンテンツ情報取得手段61によって、QRコード200Aに埋め込まれたコンテンツ識別情報を元に、楽曲データが通信手段20を通じて取得され、音声再生手段50によって楽曲データが再生される。ユーザは、楽曲データが再生される間、携帯電話100をQRコード200Aの法線の軸を中心に回転操作することで、再生される楽曲データの音量を調整する。
【0032】
(C)処理の詳細
図2は音量調整操作処理の手順(S1〜S7)を示し、以下、詳細に説明する。
【0033】
(S1)コンテンツ情報取得ステップ
ユーザが、QRコードを撮影手段10によって撮影することによって操作が開始される。コンテンツ情報取得ステップにおいて、コンテンツ情報取得手段61は、前記撮影手段10によって生成された撮影画像からQRコードを抽出し、QRコードに含まれるコード情報(コンテンツ識別情報)をキーに(図3参照)、通信手段20を介して楽曲データベースからコンテンツ情報である楽曲データhoge.mp3を取得する(図4参照)。取得した楽曲データは、コンテンツ情報として保存される。
【0034】
(S2)撮影ステップ
前記コンテンツ情報取得ステップにおいて、コンテンツ情報が取得された後、逐次撮影画像が生成され続ける。
【0035】
(S3)対コードパラメータ算出ステップ
対コードパラメータ算出ステップでは、対コードパラメータ算出手段62によって、前記撮影画像に写っているQRコードの形状を元にQRコードに対する携帯電話100の位置および姿勢を算出する。
【0036】
算出方法は、例えば前記の特許文献1(特開2006−114943)に記載される方法を利用することができる。この算出方法の概要は、図5に示すように、QRコードが1つの平面上にあることを利用して、カメラ映像上の4隅の点(同図のb)と実世界のQRコードの4隅の点(同図のa)とを対応付け、カメラパラメータ行列を算出し、このカメラパラメータ行列からカメラ映像中の2次元の座標から実世界の3次元の座標を算出し、同図の(c)のようにカメラ座標系におけるQRコードの法線ベクトル、およびQRコードの2つの直交する対角線のベクトル、また、同図の(d)のようにQRコードの重心の位置ベクトルを検出し、この4つのベクトルを用いて、QRコードに対するカメラの姿勢および位置を算出する。
【0037】
この手法によって、QRコードに対するカメラの相対位置x、y、zと、姿勢(XYZ軸周りの回転量φ、θ、ψ)の合計6つの位置および姿勢パラメータを算出することができる。本実施形態では、Y軸周りの回転量θをコード操作パラメータとして利用する。
【0038】
ただし、QRコードが撮影画像中に検出されない場合は、コード操作パラメータの算出は、本ステップ中において行われず、コード操作パラメータをNULLとして出力する。
【0039】
(S4)対フローパラメータ算出ステップ
対フローパラメータ算出ステップでは、対フローパラメータ算出手段63によって、オプティカルフローを算出し、フロー操作パラメータを算出する。オプティカルフローの算出は、例えば、下記の非特許文献に示されるLucas&Kanadeアルゴリズムによって行うことができる。
【0040】
非特許文献「Lucas,B.,and Kanade,T.An Iterative Image Registration Technique with an Application to Stereo Vision,Proc.of 7th International Joint Conference on Artificial Intelligence(IJCAI),pp.674−679.」
このオプティカルフローを用いて、携帯電話の角速度θvを算出する。まず、中心点から各フローの方向を見て、図6に示すような角度θnをすべてのフローについて算出する。これら角度θnが4つの象限に平均的にフローが存在しない場合は、画角の中心を中心点として回転していないものと判断し、本ステップを終了する。続いて、前記条件に該当しない場合は、下記式(1)からすべてのθnの平均を算出し、角速度θvとして算出する。現在の回転角度をθlastとし、該θlastに算出された角速度θvを追加し、下記式(2)から回転量θを算出する。
【0041】
【数1】
【0042】
ただし、kは重みで本実施形態では1とする。
【0043】
本実施形態では、このY軸周りの回転量θをフロー操作パラメータとして利用する。
【0044】
(S5)パラメータ切り替えステップ
パラメータ切り替えステップにおいて、パラメータ切り替え手段64は、前記コード操作パラメータ、フロー操作パラメータを受け取り、コンテンツ操作パラメータを出力する。
【0045】
前記コード操作パラメータがNULLではないとき、コード操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとして出力する。また、前記コード操作パラメータがNULLであるときは、フロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとして出力する。
【0046】
(S6)コンテンツ操作ステップ
コンテンツ操作手段65は、保存していた前記楽曲データを読み出し(コンテンツ情報読み出し)、前記楽曲データhoge.mp3を音声再生手段によって再生する。このときの音量は、パラメータ切り替えステップで出力された前記コンテンツ操作パラメータの大きさに基づき決定される。音量Volumeの設定は、下記式(3)に従って行われる(図7参照)。
【0047】
【数2】
【0048】
また、コンテンツ操作手段65は、表示手段40にボリュームを表すグラフィックを提示する(図8参照)。ユーザは、これを見ることで、現在の再生音量のボリュームを視覚的に確認しながら操作を行うことができる。
【0049】
(S7)処理のループ
ユーザが入力手段によって、終了ボタンを押すと、処理が終了する。終了ボタンが押されない場合は、撮影ステップに戻り、引き続き前記一連のステップが繰り返される。
【0050】
したがって、本実施形態によれば、2次元コードを用いたハンドヘルドARインタフェースの操作中に、撮影された2次元コードおよびオプティカルフローの2つの手段から操作のためのパラメータを算出し、それらを切り替えて利用するため、2次元コードを撮影し続ける必要性がなく、操作性を高めることができる。
【0051】
(実施形態1の変形例)
前記の実施形態1では、パラメータ切り替えステップ(S5)では、QRコードが検出されない場合のみ、フロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとして出力する。これをQRコード読み取り後は、常にフロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとして出力するように構成することも可能である。
【0052】
(実施形態2)
本実施形態は、QRコードの検出状態を予測し、該予測結果をパラメータ切り替えステップに利用する場合である。
【0053】
前記実施形態1では、QRコードが検出されなくなると、コンテンツ操作パラメータを前記コード操作パラメータから、前記フロー操作パラメータへと切り替えるものであった。一般的にQRコードは、撮影画像のチラツキなどによって検出限界に近づくと、検出されなかったり、されたりする状態が発生する。このため、検出限界の近辺にある場合、前記コード操作パラメータと前記フロー操作パラメータの切り替えが頻繁に発生する可能性がある。本実施形態は、前記実施形態1に加えて、パラメータ切り替え手段が、QRコードの検出状態を予測する2次元コード状態予測手段を備えることによって、この切り替えをスムーズにすると共に計算コストを下げるものである。以下、携帯情報端末の構成、及びコンテンツ情報の取得/操作方法を詳細に説明する。
【0054】
(A)装置のブロック構成
図9は、携帯電話(携帯情報端末)で撮影した2次元コードによる音声ボリューム操作のための機能ブロック構成を示す。また、図10には、音量調整操作処理の手順(S1〜S8)を示す。
【0055】
本実施形態は、実施形態1と異なる部分は、QRコードの現在状態を示す状態パラメータから構成されるコード状態予測情報を生成する2次元コード状態予測手段66と、2次元コード状態予測ステップ(S8)を追加した点にある。
【0056】
パラメータ切り替え手段64は、前記2次元コード状態予測情報に基づいて、フロー操作パラメータあるいはコード操作パラメータのいずれかをコンテンツ操作パラメータとする。
【0057】
(B)処理の詳細
図11に2次元コード状態予測を基にしたパラメータ切り替え処理の詳細な手順図示し、以下、各ステップ毎に説明する。
【0058】
(S8)2次元コード状態予測ステップ
2次元コード状態予測ステップでは、2次元コード状態予測手段は、QRコードが画角から外れそうかを予測するための外接長方形パラメータ、QRコードの傾きが大きすぎて検出が不可能になりそうかを予測するための姿勢パラメータ、QRコードの距離が離れすぎて、あるいは近すぎて検出が不可能になりそうかを予測するための距離推定パラメータの3つのパラメータを算出する。これらの外接長方形パラメータ、姿勢パラメータ、距離パラメータは下記の処理で算出され、これらをコード状態予測情報として、パラメータ切り替え手段64に送信する。
【0059】
(S8A)外接長方形パラメータ算出ステップ
前記撮影画像中のQRコードの外接長方形を算出し、外接長方形から画像の端までの4つの距離を算出する。例えば、図12に示す上下左右方向の4つの画角から外れるまでの距離、x1、x2、y1、y2を算出する。このx1、x2、y1、y2、を外接長方形パラメータとする。
【0060】
(S8B)姿勢パラメータ算出ステップ
前記コード操作パラメータ算出ステップと同じ手法によって、QRコードの携帯電話に対する姿勢を検出する。例えば、姿勢は図13に示す、φ、θ、ψの3つのパラメータとして算出され、この3つのパラメータを姿勢パラメータとする。
【0061】
(S8C)距離パラメータ算出ステップ
撮影画像中のQRコードの形状が占める面積を用いて算出する(図14参照)。この面積値を距離パラメータとする。
【0062】
(S5)パラメータ切り替えステップ
パラメータ切り替え手段64は、QRコードが余裕を持って検出されるときの、前記外接長方形パラメータ値域、姿勢パラメータ値域、距離パラメータ値域の3つの値域からなる検出安定パラメータ範囲データを不揮発性メモリに予め保存しておき、以下の処理に従ってパラメータを切り替える。
【0063】
(S5A)判断結果情報保存ステップ
パラメータ切り替え手段64は、前記ステップで得られた外接長方形パラメータ、姿勢パラメータ、距離パラメータがすべて検出安定パラメータ範囲データの値域に入っているかを判断する。ここで、該値域に入っているか、否かの判断結果情報を時刻情報とともに判断結果保存手段(メモリ)に保存する。
【0064】
(S5B)予測ステップ
2次元コード状態予測手段66は、判断結果保存手段に保存されている中から、時刻情報を元に一定時間内(例えば3秒間)に含まれる判断結果情報を引き出し、該判断結果情報がすべて値域に入っていないことを示す場合、フロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとする。前記判断結果情報がすべて値域に入っていないことを示す場合以外の場合は、コード操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとし、このコンテンツ操作パラメータをコンテンツ操作手段65に転送する。
【0065】
本実施形態によれば、2次元コードが撮影され、検出されているとき、画角から外れそうであるなどの状態を予測することで、前記2次元コードおよびオプティカルフローの手段から得られる操作のパラメータを適切に切り替えることができる。
【0066】
(実施形態2の変形例)
前記の実施形態2では、検出安定パラメータ範囲から外れた時間を測定し、検出安定パラメータ範囲から撮影画像中のQRコードが規定時間内外れたことを算出し、それをもって、QRコードが検出されない状況になりつつあるとしてコード状態予測情報を生成するものであった。
【0067】
本変形例は、動きのスピードを考慮し、コード状態予測情報を生成するものである。ユーザが携帯電話を動かす速度によって、検出安定パラメータ範囲から実際に検出できない状態に陥るまでの時間間隔は異なってくる。本変形例は、前記3つのパラメータからなる2次元コード状態パラメータの速度を算出し、その速度に応じて、パラメータを切り替えるものである。
【0068】
図15に示すように、2次元コード状態予測ステップまで、前記実施形態2と同様の処理を行う。以降の処理をステップ毎に説明する。
【0069】
(S5C)2次元コード状態パラメータ速度算出ステップ
パラメータ切り替え手段64は、パラメータ一時保存手段に保存されている過去のコード状態予測情報を過去コード状態予測情報として読み出す。次に現在のコード状態予測情報を該パラメータ一時保存手段に保存する。
【0070】
パラメータ切り替え手段64は、コード状態予測情報から過去コード状態予測情報を引き算し、コード状態予測情報変化量を算出する。このコード状態予測情報変化量は、外接長方形パラメータ変化量、姿勢パラメータ変化量、距離パラメータ変化量からなる。
【0071】
パラメータ切り替え手段64は、前記外接長方形パラメータ、姿勢パラメータ、距離パラメータと、外接長方形パラメータ変化量、姿勢パラメータ変化量、距離パラメータ変化量とをそれぞれパラメータ毎に足し合わせ、予測外接長方形パラメータ、予測姿勢パラメータ、予測距離パラメータからなる予測用パラメータを算出する。
【0072】
(S5D)予測ステップ
パラメータ切り替え手段64は、予測外接長方形パラメータ、予測姿勢パラメータ、予測距離パラメータが、前記検出安定パラメータ範囲データから得られる前記外接長方形パラメータ値域、姿勢パラメータ値域、距離パラメータ値域に入っているかを判断する。
【0073】
いずれか1つのパラメータでも前記値域入っていない場合は、予測結果として、次フレーム以降QRコードが検出されなくなる可能性が高いとして、フロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとする。これ以外の場合、コード操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとする。最後に、パラメータ切り替え手段64は、コンテンツ操作パラメータを、コンテンツ操作手段65に転送する。
【0074】
(実施形態3)
前記フロー操作パラメータは、前記実施形態1に記載のように角速度の和によって算出する。これは、常に角度を検出し続ける前記コード操作パラメータと比較し、誤差が集積しやすい。本実施形態では、図16にブロック構成を示すように、携帯電話には前記コード操作パラメータを用いて前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正手段67を備えることが図1と異なる。また、図17に音量調整操作処理の手順(S1〜S7、S9)を示し、以下、フロー算出補正ステップによる処理を詳細に説明する。
【0075】
(S9)フロー算出補正ステップ
フロー算出補正ステップにおいて、フロー算出補正手段67は、前記コード操作パラメータおよび前記フロー操作パラメータを取得する。これらは下記式(4)、(5)で表せるコード操作パラメータθcodeとフロー操作パラメータθflowとする。
【0076】
【数3】
【0077】
ここで、式(4)が成り立つようにktempを式(5)で算出する。算出されたktempは、フロー算出補正手段67が備える重み保存手段(メモリ)に保存される。パラメータ切り替えステップS5においてフロー操作パラメータをコンテンツ操パラメータとして利用するとき、重み保存手段に保存されたすべてのktempの平均値ktemp_aveを算出し、以降、対フローパラメータ算出ステップで行われる式(1)のkの値を平均値ktemp_aveで更新する。
【0078】
したがって、本実施形態によれば、撮影された2次元コードの形状を利用し、オプティカルフローから操作のためのパラメータを算出するときの誤差を自動修正することができる。
【0079】
(実施形態3の変形例)
前記の実施形態3は、常時フロー算出補正を行うものであった。コード操作パラメータ算出とフロー操作パラメータ算出と、フロー補正を同時に行うことは、計算コストが高い。そこで、フロー補正は、コード状態予測情報がフロー操作パラメータに切り替えることを示しており、さらにQRコードが検出されている場合のときのみ補正を行うように構成することも可能である。
【0080】
(変形例1)縦横平行移動のオプティカルフローでの算出の例
前記実施形態は、端末のQRコードの法線ベクトル周りの回転角度を操作量として用いるものであった。これ以外にも、縦横の2次元の平行移動量を操作量として用いて実現することも可能である。
【0081】
コード操作パラメータは、前記実施形態1に記載のx、yパラメータを利用し、2次元の平行移動量を算出することができる。フロー操作パラメータは、以下の方法により、オプティカルフローから縦横移動を算出することができる。
【0082】
図18に算出されたオプティカルフローの例を示し、(a)は携帯電話が右下に移動している瞬間のオプティカルフローの例であり、(b)は携帯電話が左に平行移動している瞬間の同例である。同図に示すようなオプティカルフローが算出された場合、フローそれぞれのベクトルを2次元で、ベクトルvn=(xn,yn)として表す(式中ではvの上に→を付して示す)。撮影画像中のベクトルvnの平均から以下の式(6)で、平行移動速度vvを算出する。平行移動量をベクトルplastとし、以下の式(7)では該plastに算出された平行移動速度(角速度)vvを追加し、平行移動量ベクトルpを算出する。
【0083】
【数4】
【0084】
ただし、kx、kyは重みであり、kx=1、ky=1
この平行移動量も前記実施形態3に記載と同様の手法で、コード操作パラメータを用いて補正を行うことができる。フロー算出補正ステップS9において、フロー算出補正手段67は、前記コード操作パラメータおよび前記フロー操作パラメータを取得する。これらはコード操作パラメータpcodeとフロー操作パラメータpflowとすると、以下の式(8)が成り立つようにkxtemp、kytempを式(9)で算出する。
【0085】
【数5】
【0086】
算出されたkytemp、kytempは、フロー算出補正手段67が備える重み保存手段(メモリ)に保存される。
【0087】
パラメータ切り替えステップS5において、フロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとして利用するとき、重み保存手段に保存されたすべてのkx、kyの値の平均値kxave、kyaveを算出し、以降、対フローパラメータ算出ステップで行われる式(7)の計算のkx、kyの値の該平均値kxave、kyaveで更新する。
【0088】
(変形例2)奥行き移動量のオプティカルフローでの算出の例
前記実施形態は、端末のQRコードの法線ベクトル周りの回転角度を操作量として用いるものであった。これ以外にも、奥行き移動量の算出も実現することが可能である。
【0089】
コード操作パラメータは、前記実施形態1に記載のようにzパラメータを利用し、奥行きの移動量を算出することができる。フロー操作パラメータは、以下の方法により、オプティカルフローから奥行き移動量を算出することができる。
【0090】
まず、奥行き方向の移動の方向、および該移動があるかの判断を行う。図19の(a)に例を示すように、第一象限に左下向きのオプティカルフローが、第二象限に右下向きのオプティカルフローが、第三象限に右上向きのオプティカルフローが、第四象限に左上向きのオプティカルフローが現れる場合は奥行き移動量は携帯電話をQRコードから遠ざける方向であるとする。また、図19の(b)に例を示すように、第一象限に右上向きのオプティカルフローが、第二象限に左上向きのオプティカルフローが、第三象限に左下向きのオプティカルフローが、第四象限に右下向きのオプティカルフローが現れる場合は奥行き移動量は携帯電話をQRコードから近づける方向であるとし、それ以外の場合は、奥行き移動量はないとして処理する。
【0091】
次に、奥行きの移動量を推定する。図19のようにオプティカルフローが算出された場合、フローそれぞれのベクトルを2次元で、ベクトルvn=(xn,yn)として表す。撮影画像中のベクトルvnの絶対値|vn|の平均を以下の式(10)で、平行移動速度絶対値|vv|を算出する。現在のフロー奥行き移動量をdpastとし、以下の式(11)では該dpastに算出された平行移動速度絶対値|vv|を追加し、フロー奥行き移動量dを算出する。
【0092】
【数6】
【0093】
このフロー奥行き移動量も前記実施形態3および前記変形例に記載と同様の手法で、コード操作パラメータを用いて補正を行うことができる。フロー算出補正ステップS9において、フロー算出補正手段67は、前記コード操作パラメータおよび前記フロー操作パラメータを取得する。これらをコード操作パラメータzとフロー操作パラメータdとすると、
以下の式(12)が成り立つようにktempを以下の式(13)で算出する。
【0094】
【数7】
【0095】
算出されたktempは、フロー算出補正手段が備える重み保存手段(メモリ)に保存される。パラメータ切り替えステップS5において、フロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとして利用するとき、重み保存手段に保存されたすべてのktempの値の平均値kaveを算出し、以降、対フローパラメータ算出ステップで行われる式(11)の計算のkの値を該平均値kaveで更新する。
【0096】
(変形例3)物理量を利用する例
利用するQRコードに該コード自身の物理的なサイズを示す物理サイズ情報を含めて構成する、あるいはQRコードを予め定めた物理サイズで構成することによって、コード操作パラメータ算出時に算出されるx、y、zパラメータを実サイズに再現することができる。これによって、フロー算出補正手段によって補正されたフロー操作パラメータを仮想的な物理量としてシステムに利用することができる。
【0097】
(変形例4)他のQRコードを利用可能とする例
本実施形態では、QRコードを2次元コードとして利用したが、下記の参考文献にも記載される、サイバーコード、ARToolkit、DataMatrixなどの2次元コードを利用して構成することも可能である。
【0098】
参考文献「バーコード・二次元コードの知識」日本工業出版(2001年度)
(変形例5)オプティカルフローの算出手法
本実施形態では、オプティカルフローの算出に前記Lucas&Kanadeアルゴリズムを用いたが、ブロックマッチング等のその他の手法を用いて算出するように構成することも可能である。
【0099】
(変形例6)サーバサイドでも処理可能とする例
本実施形態では、あらゆるステップを携帯電話の汎用計算手段上で実行している。ネットワーク上のサーバ手段で前記汎用計算手段で行われるすべての処理を行うように構成することも可能である。
【0100】
なお、本発明は、図2等に示した方法の一部又は全部の処理機能をプログラムとして構成してコンピュータで実行可能とすることができる。また、コンピュータでその各部の処理機能を実現するためのプログラム、あるいはコンピュータにその処理手順を実行させるためのプログラムを、そのコンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、MO、ROM、メモリカード、CD、DVD、リムーバブルディスクなどに記録して、保存したり、提供したりすることが可能であり、また、インターネットのような通信ネットワークを介して配布したりすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施形態1を示す携帯電話の機能ブロック構成図。
【図2】実施形態1における音量調整操作処理手順図。
【図3】2次元コードの概要図。
【図4】楽曲データのための楽曲データベースのデータ構成例。
【図5】対コードパラメータ算出の概要図。
【図6】回転量を算出するオプティカルフローの概要図。
【図7】再生音量を調整する操作イメージ。
【図8】再生音量調整中のグラフィックの例。
【図9】本発明の実施形態2を示す携帯電話の機能ブロック構成図。
【図10】実施形態2における音量調整操作処理手順図。
【図11】2次元コード状態予測を基にしたパラメータ切り替え処理の詳細な手順図。
【図12】外接長方形パラメータの概要図。
【図13】姿勢パラメータの概要図。
【図14】距離パラメータの概要図。
【図15】2次元コード状態予測処理の詳細な手順図。
【図16】本発明の実施形態3を示す携帯電話の機能ブロック構成図。
【図17】実施形態3における音量調整操作処理手順図。
【図18】平行移動量のためのオプティカルフローのイメージ。
【図19】奥行き移動量のためのオプティカルフローのイメージ。
【符号の説明】
【0102】
100 携帯電話(携帯情報端末)
200 ポスター
200A QRコード
10 撮影手段
20 通信手段
61 コンテンツ情報取得手段
62 対コードパラメータ算出手段
63 対フローパラメータ算出手段
64 パラメータ切り替え手段
65 コンテンツ操作手段
66 2次元コード状態予測手段
67 フロー算出補正手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影した2次元コード(QRコードなど)から読み取られるコンテンツ情報を取得/操作する携帯情報端末及びコンテンツ情報の取得/操作方法に係り、特に人のジェスチャや動きによって操作される携帯情報端末と2次元コードとの相対的な位置関係(空間位置及び姿勢)からコンテンツ情報を取得/操作する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
拡張現実感技術(AR)を応用し、2次元コードから読み取ることができる情報を人の動きによって操作する、2次元コードを用いたハンドヘルドARインタフェース技術(以下、2次元コードを用いたHAR)がある。このインタフェース技術は、2次元コードと、それを読み取る携帯情報端末の相対的な位置関係をリアルタイムで算出し、該携帯情報端末の動きによって、該2次元コードから得られるコンテンツ情報を取得/操作可能にするものである。
【0003】
CDアルバムの宣伝ポスターに楽曲を試聴するための2次元コードを添付した利用例について説明する。この例では、ユーザが携帯情報端末が備えるデジタルカメラで2次元コードを読み取ると、該端末の画面上にはアルバムの各曲に対応する画像と各曲名が表示される。ユーザが、該2次元コードを撮影しながら、該端末を2次元コードに近づけたり、遠ざけたりすると、端末とコード間の距離に応じて表示される楽曲が変化する。そして、ユーザは試聴したい曲が表示されているときに決定ボタンを押すと、その楽曲を試聴することができる。従来インタフェースではボタンで選択していたが、このシステムでは楽曲の選択を端末の動きによって行うことができる。
【0004】
また、音量ボリューム操作のための2次元コードを同ポスターに添付しておけば、楽曲の試聴中に、該音量ボリューム用のコードを読み取りながらユーザが端末をコードの法線ベクトル周りに回すと、音量を調整する機能を持たせることもできる。
【0005】
他の応用例として、所定の形状をもつビジュアルコードを携帯情報端末のカメラで撮影するときの相対的な位置関係を算出し、該位置関係を数値に変換し、数値として入力する手法を本願出願人は既に提案している(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
以上のように、2次元コードを用いたHARを応用したシステムには2つの利点がある。1つは、従来2次元コードの読み取り後に行っていたボタン操作を動きによる操作に置き換えることによってスムーズな操作を提供することができる点である。もう1つは、音量ボリューム操作のように実世界にある操作方法に基づいた直感的な操作方法を提供することができる点である。
【特許文献1】特開2006−114943
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
2次元コードを用いたHARの従来の実現手法には操作性に問題がある。従来の手法では、ユーザは携帯情報端末を動かして操作している間、常にデジタルカメラの画角内に操作の対象となる2次元コードを収めなければならない。つまり、ユーザは、携帯情報端末が備えるデジタルカメラの画角に2次元コードを収めながら、該端末を近づけたり、遠ざけたり、回したりしなければならない。前記のボリューム操作を行っている間にデジタルカメラの画角から2次元コードが外れると、操作が中断される。このため、2次元コードが画角から外れないように注意深く操作することになり、スムーズに操作できないといった問題が発生する。
【0008】
2次元コードを用いたHARによるサービスの普及を促進するには、その操作性を向上できることが望ましい。しかしながら、従来の操作方法では、操作に利用するパラメータを2次元コードを撮影することによってのみ算出するため、上述のように2次元コードを画角に収める必要があり、操作性が悪くなる問題があった。一方、ジャイロデバイスのような携帯情報端末の姿勢を検出するデバイスを利用する手法もあるが、新たなデバイスを追加する必要があるため、導入コストが高いという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、2次元コードを撮影し続けることを不要にしながら、コンテンツ情報の取得/操作を確実にした携帯情報端末、及びコンテンツ情報の取得/操作方法、並びにこの方法のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、2次元コードが撮影されていない状況でも携帯情報端末の動きを検出するために、オプティカルフローによって操作に利用するフロー操作パラメータを算出する対フローパラメータと、2次元コードが撮影されているときは操作に利用するコード操作パラメータを算出する対コードパラメータを利用することを特徴とする。
【0011】
また、2次元コードが画角から外れても操作を可能にするため、2次元コードが画角から外れてしまった場合は前記フロー操作パラメータを利用し、2次元コードが検出されている場合は前記コード操作パラメータを利用する、といった状況に応じていずれかの操作パラメータを適切に切り替えることを特徴とする。
【0012】
また、前記パラメータ切り替えにおいて、前記フロー操作パラメータあるいは前記コード操作パラメータを2次元コードの検出状態を予測し、この予測結果に基づき、操作パラメータを適切に切り替えることを特徴とする。
【0013】
また、前記フロー操作パラメータは、前記コード操作パラメータと比較し精度が低い短所がある。この短所を払拭するため、前記コード操作パラメータによって前記フロー操作パラメータを補正することを特徴とする。
【0014】
以上のことから、本発明は、以下の装置、方法およびプログラムを特徴とする。
【0015】
(携帯情報端末の発明)
(1)撮影手段を備えた携帯情報端末を用いて2次元コードを撮影し、携帯情報端末と2次元コードとの相対的な位置及び姿勢によって2次元コードから読み取られるコンテンツ情報を取得/操作する携帯情報端末であって、
前記撮影手段によって読み取った2次元コードに対応したコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得手段と、
前記撮影手段によって撮影された撮影画像中の2次元コードの形状を用いて、2次元コードに対する携帯情報端末の相対的な位置および姿勢を算出し、該相対的な位置および姿勢に基づいてコード操作パラメータを算出する対コードパラメータ算出手段と、
前記撮影手段によって撮影される画像からオプティカルフローを検出し、該オプティカルフローに基づいて携帯情報端末のフロー操作パラメータを算出する対フローパラメータ算出手段と、
予め定めた条件に基づいて、前記コード操作パラメータまたはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとするパラメータ切り替え手段と、
前記コンテンツ操作パラメータを用いてコンテンツ情報を操作するコンテンツ操作手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
(2)前記撮影画像中での前記2次元コードの検出状態を予測したコード状態予測情報を算出する2次元コード状態予測手段を備え、
前記パラメータ切り替え手段は、前記コード状態予測情報に基づき、前記コード操作パラメータあるいはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとすることを特徴とする。
【0017】
(3)前記コード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正手段を備えることを特徴とする。
【0018】
(4)前記コード状態予測情報およびコード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正手段を備えることを特徴とする。
【0019】
(方法の発明)
(5)撮影手段を備えた携帯情報端末を用いて2次元コードを撮影し、携帯情報端末と2次元コードとの相対的な位置及び姿勢によって2次元コードから読み取られるコンテンツ情報を取得/操作するコンテンツ情報の取得/操作方法であって、
前記撮影手段によって読み取った2次元コードに対応したコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得ステップと、
前記撮影手段によって撮影された撮影画像中の2次元コードの形状を用いて、2次元コードに対する携帯情報端末の相対的な位置および姿勢を算出し、該相対的な位置および姿勢に基づいてコード操作パラメータを算出する対コードパラメータ算出ステップと、
前記撮影手段によって撮影される画像からオプティカルフローを検出し、該オプティカルフローに基づいて携帯情報端末のフロー操作パラメータを算出する対フローパラメータ算出ステップと、
予め定めた条件に基づいて、前記コード操作パラメータまたはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとするパラメータ切り替えステップと、
前記コンテンツ操作パラメータを用いてコンテンツ情報を操作するコンテンツ操作ステップとを備えることを特徴とする。
【0020】
(6)前記撮影画像中での前記2次元コードの検出状態を予測したコード状態予測情報を算出する2次元コード状態予測ステップを備え、
前記パラメータ切り替えステップは、前記コード状態予測情報に基づき、前記コード操作パラメータあるいはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとすることを特徴とする。
【0021】
(7)前記コード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正ステップを備えることを特徴とする。
【0022】
(8)前記コード状態予測情報およびコード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正ステップを備えることを特徴とする。
【0023】
(プログラムの発明)
(9)上記の(5)〜(8)におけるコンテンツ情報の取得/操作方法における処理ステップをコンピュータで実行可能にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
以上のとおり、本発明によれば、2次元コードを撮影し続けることを不要にしながら、コンテンツ情報の取得/操作が確実になる。詳細には、
(1)2次元コードを用いたハンドヘルドARインタフェースの操作中に、撮影された2次元コードおよびオプティカルフローの2つの手段から操作のためのパラメータを算出し、それらを切り替えて利用するため、2次元コードを撮影し続ける必要性がなく、操作性を高めることができる。
【0025】
(2)2次元コードが撮影され、検出されているとき、画角から外れそうであるなどの状態を予測することで、前記2次元コードおよびオプティカルフローの手段から得られる操作のパラメータを適切に切り替えることができる。
【0026】
(3)撮影された2次元コードの形状を利用し、オプティカルフローから操作のためのパラメータを算出するときの誤差を修正することができる。
【0027】
(4)2次元コードの検出状態の予測結果を用いて、オプティカルフローの誤差を修正するタイミングを決めるため、計算コストをさげることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(実施形態1)
本実施形態は、携帯情報端末である携帯電話を用いて2次元コードであるQRコードを読み取り、そこに埋め込まれたコンテンツ情報である楽曲の再生音量を該携帯電話の動きによって操作する携帯情報端末およびコンテンツ情報の取得/操作方法を提案するものである。以下、音量の操作を行う場合を詳細に説明するが、以下に説明する各実施形態は音量に限定されるものでなく、操作パラメータ一般に適用可能である。
【0029】
(A)装置のブロック構成
図1は、携帯電話(携帯情報端末)で撮影した2次元コードによる音量ボリューム操作のための機能ブロック構成を示す。携帯電話端末100は、動画像を撮影するための撮影手段10、ネットワーク通信するための通信手段20、ユーザが入力を行うための入力手段30、ユーザが情報を確認、閲覧するための表示手段40、音声を再生するための音声再生手段50、計算処理を行うための汎用計算手段60を備える。この汎用計算手段60は、携帯電話に搭載されるマイクロコンピュータと、このコンピュータのプログラムメモリにプログラムとして記述されるソフトウェアで構成される。
【0030】
汎用計算手段60のブロック構成は、撮影手段10で撮影されたポスター200の撮影画像からQRコード(2次元コード)200Aを読み取り、この読み取った2次元コードに対応したコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得手段61、前記撮影画像から該撮影画像中に写るQRコードの形状を元に該QRコードに対する前記携帯電話100の位置・姿勢パラメータを算出し、コード操作パラメータを算出する対コードパラメータ算出手段62、前記撮影画像(動画像)からオプティカルフローを検出し、フロー操作パラメータを算出する対フローパラメータ算出手段63、前記対コードパラメータ算出手段62と対フローパラメータ算出手段63が算出する操作パラメータを予め定めた条件に基づいて切り替えるパラメータ切り替え手段64,前記コンテンツ情報取得手段61が取得するコンテンツ情報を、前記パラメータ切り替え手段が切り替えた前記コード操作パラメータあるいは前記フロー操作パラメータによって操作を加えるコンテンツ操作手段65を備える。
【0031】
(B)操作概要
ユーザが携帯電話100の撮像手段10によってポスター200上のQRコード200Aを撮影すると、コンテンツ情報取得手段61によって、QRコード200Aに埋め込まれたコンテンツ識別情報を元に、楽曲データが通信手段20を通じて取得され、音声再生手段50によって楽曲データが再生される。ユーザは、楽曲データが再生される間、携帯電話100をQRコード200Aの法線の軸を中心に回転操作することで、再生される楽曲データの音量を調整する。
【0032】
(C)処理の詳細
図2は音量調整操作処理の手順(S1〜S7)を示し、以下、詳細に説明する。
【0033】
(S1)コンテンツ情報取得ステップ
ユーザが、QRコードを撮影手段10によって撮影することによって操作が開始される。コンテンツ情報取得ステップにおいて、コンテンツ情報取得手段61は、前記撮影手段10によって生成された撮影画像からQRコードを抽出し、QRコードに含まれるコード情報(コンテンツ識別情報)をキーに(図3参照)、通信手段20を介して楽曲データベースからコンテンツ情報である楽曲データhoge.mp3を取得する(図4参照)。取得した楽曲データは、コンテンツ情報として保存される。
【0034】
(S2)撮影ステップ
前記コンテンツ情報取得ステップにおいて、コンテンツ情報が取得された後、逐次撮影画像が生成され続ける。
【0035】
(S3)対コードパラメータ算出ステップ
対コードパラメータ算出ステップでは、対コードパラメータ算出手段62によって、前記撮影画像に写っているQRコードの形状を元にQRコードに対する携帯電話100の位置および姿勢を算出する。
【0036】
算出方法は、例えば前記の特許文献1(特開2006−114943)に記載される方法を利用することができる。この算出方法の概要は、図5に示すように、QRコードが1つの平面上にあることを利用して、カメラ映像上の4隅の点(同図のb)と実世界のQRコードの4隅の点(同図のa)とを対応付け、カメラパラメータ行列を算出し、このカメラパラメータ行列からカメラ映像中の2次元の座標から実世界の3次元の座標を算出し、同図の(c)のようにカメラ座標系におけるQRコードの法線ベクトル、およびQRコードの2つの直交する対角線のベクトル、また、同図の(d)のようにQRコードの重心の位置ベクトルを検出し、この4つのベクトルを用いて、QRコードに対するカメラの姿勢および位置を算出する。
【0037】
この手法によって、QRコードに対するカメラの相対位置x、y、zと、姿勢(XYZ軸周りの回転量φ、θ、ψ)の合計6つの位置および姿勢パラメータを算出することができる。本実施形態では、Y軸周りの回転量θをコード操作パラメータとして利用する。
【0038】
ただし、QRコードが撮影画像中に検出されない場合は、コード操作パラメータの算出は、本ステップ中において行われず、コード操作パラメータをNULLとして出力する。
【0039】
(S4)対フローパラメータ算出ステップ
対フローパラメータ算出ステップでは、対フローパラメータ算出手段63によって、オプティカルフローを算出し、フロー操作パラメータを算出する。オプティカルフローの算出は、例えば、下記の非特許文献に示されるLucas&Kanadeアルゴリズムによって行うことができる。
【0040】
非特許文献「Lucas,B.,and Kanade,T.An Iterative Image Registration Technique with an Application to Stereo Vision,Proc.of 7th International Joint Conference on Artificial Intelligence(IJCAI),pp.674−679.」
このオプティカルフローを用いて、携帯電話の角速度θvを算出する。まず、中心点から各フローの方向を見て、図6に示すような角度θnをすべてのフローについて算出する。これら角度θnが4つの象限に平均的にフローが存在しない場合は、画角の中心を中心点として回転していないものと判断し、本ステップを終了する。続いて、前記条件に該当しない場合は、下記式(1)からすべてのθnの平均を算出し、角速度θvとして算出する。現在の回転角度をθlastとし、該θlastに算出された角速度θvを追加し、下記式(2)から回転量θを算出する。
【0041】
【数1】
【0042】
ただし、kは重みで本実施形態では1とする。
【0043】
本実施形態では、このY軸周りの回転量θをフロー操作パラメータとして利用する。
【0044】
(S5)パラメータ切り替えステップ
パラメータ切り替えステップにおいて、パラメータ切り替え手段64は、前記コード操作パラメータ、フロー操作パラメータを受け取り、コンテンツ操作パラメータを出力する。
【0045】
前記コード操作パラメータがNULLではないとき、コード操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとして出力する。また、前記コード操作パラメータがNULLであるときは、フロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとして出力する。
【0046】
(S6)コンテンツ操作ステップ
コンテンツ操作手段65は、保存していた前記楽曲データを読み出し(コンテンツ情報読み出し)、前記楽曲データhoge.mp3を音声再生手段によって再生する。このときの音量は、パラメータ切り替えステップで出力された前記コンテンツ操作パラメータの大きさに基づき決定される。音量Volumeの設定は、下記式(3)に従って行われる(図7参照)。
【0047】
【数2】
【0048】
また、コンテンツ操作手段65は、表示手段40にボリュームを表すグラフィックを提示する(図8参照)。ユーザは、これを見ることで、現在の再生音量のボリュームを視覚的に確認しながら操作を行うことができる。
【0049】
(S7)処理のループ
ユーザが入力手段によって、終了ボタンを押すと、処理が終了する。終了ボタンが押されない場合は、撮影ステップに戻り、引き続き前記一連のステップが繰り返される。
【0050】
したがって、本実施形態によれば、2次元コードを用いたハンドヘルドARインタフェースの操作中に、撮影された2次元コードおよびオプティカルフローの2つの手段から操作のためのパラメータを算出し、それらを切り替えて利用するため、2次元コードを撮影し続ける必要性がなく、操作性を高めることができる。
【0051】
(実施形態1の変形例)
前記の実施形態1では、パラメータ切り替えステップ(S5)では、QRコードが検出されない場合のみ、フロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとして出力する。これをQRコード読み取り後は、常にフロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとして出力するように構成することも可能である。
【0052】
(実施形態2)
本実施形態は、QRコードの検出状態を予測し、該予測結果をパラメータ切り替えステップに利用する場合である。
【0053】
前記実施形態1では、QRコードが検出されなくなると、コンテンツ操作パラメータを前記コード操作パラメータから、前記フロー操作パラメータへと切り替えるものであった。一般的にQRコードは、撮影画像のチラツキなどによって検出限界に近づくと、検出されなかったり、されたりする状態が発生する。このため、検出限界の近辺にある場合、前記コード操作パラメータと前記フロー操作パラメータの切り替えが頻繁に発生する可能性がある。本実施形態は、前記実施形態1に加えて、パラメータ切り替え手段が、QRコードの検出状態を予測する2次元コード状態予測手段を備えることによって、この切り替えをスムーズにすると共に計算コストを下げるものである。以下、携帯情報端末の構成、及びコンテンツ情報の取得/操作方法を詳細に説明する。
【0054】
(A)装置のブロック構成
図9は、携帯電話(携帯情報端末)で撮影した2次元コードによる音声ボリューム操作のための機能ブロック構成を示す。また、図10には、音量調整操作処理の手順(S1〜S8)を示す。
【0055】
本実施形態は、実施形態1と異なる部分は、QRコードの現在状態を示す状態パラメータから構成されるコード状態予測情報を生成する2次元コード状態予測手段66と、2次元コード状態予測ステップ(S8)を追加した点にある。
【0056】
パラメータ切り替え手段64は、前記2次元コード状態予測情報に基づいて、フロー操作パラメータあるいはコード操作パラメータのいずれかをコンテンツ操作パラメータとする。
【0057】
(B)処理の詳細
図11に2次元コード状態予測を基にしたパラメータ切り替え処理の詳細な手順図示し、以下、各ステップ毎に説明する。
【0058】
(S8)2次元コード状態予測ステップ
2次元コード状態予測ステップでは、2次元コード状態予測手段は、QRコードが画角から外れそうかを予測するための外接長方形パラメータ、QRコードの傾きが大きすぎて検出が不可能になりそうかを予測するための姿勢パラメータ、QRコードの距離が離れすぎて、あるいは近すぎて検出が不可能になりそうかを予測するための距離推定パラメータの3つのパラメータを算出する。これらの外接長方形パラメータ、姿勢パラメータ、距離パラメータは下記の処理で算出され、これらをコード状態予測情報として、パラメータ切り替え手段64に送信する。
【0059】
(S8A)外接長方形パラメータ算出ステップ
前記撮影画像中のQRコードの外接長方形を算出し、外接長方形から画像の端までの4つの距離を算出する。例えば、図12に示す上下左右方向の4つの画角から外れるまでの距離、x1、x2、y1、y2を算出する。このx1、x2、y1、y2、を外接長方形パラメータとする。
【0060】
(S8B)姿勢パラメータ算出ステップ
前記コード操作パラメータ算出ステップと同じ手法によって、QRコードの携帯電話に対する姿勢を検出する。例えば、姿勢は図13に示す、φ、θ、ψの3つのパラメータとして算出され、この3つのパラメータを姿勢パラメータとする。
【0061】
(S8C)距離パラメータ算出ステップ
撮影画像中のQRコードの形状が占める面積を用いて算出する(図14参照)。この面積値を距離パラメータとする。
【0062】
(S5)パラメータ切り替えステップ
パラメータ切り替え手段64は、QRコードが余裕を持って検出されるときの、前記外接長方形パラメータ値域、姿勢パラメータ値域、距離パラメータ値域の3つの値域からなる検出安定パラメータ範囲データを不揮発性メモリに予め保存しておき、以下の処理に従ってパラメータを切り替える。
【0063】
(S5A)判断結果情報保存ステップ
パラメータ切り替え手段64は、前記ステップで得られた外接長方形パラメータ、姿勢パラメータ、距離パラメータがすべて検出安定パラメータ範囲データの値域に入っているかを判断する。ここで、該値域に入っているか、否かの判断結果情報を時刻情報とともに判断結果保存手段(メモリ)に保存する。
【0064】
(S5B)予測ステップ
2次元コード状態予測手段66は、判断結果保存手段に保存されている中から、時刻情報を元に一定時間内(例えば3秒間)に含まれる判断結果情報を引き出し、該判断結果情報がすべて値域に入っていないことを示す場合、フロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとする。前記判断結果情報がすべて値域に入っていないことを示す場合以外の場合は、コード操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとし、このコンテンツ操作パラメータをコンテンツ操作手段65に転送する。
【0065】
本実施形態によれば、2次元コードが撮影され、検出されているとき、画角から外れそうであるなどの状態を予測することで、前記2次元コードおよびオプティカルフローの手段から得られる操作のパラメータを適切に切り替えることができる。
【0066】
(実施形態2の変形例)
前記の実施形態2では、検出安定パラメータ範囲から外れた時間を測定し、検出安定パラメータ範囲から撮影画像中のQRコードが規定時間内外れたことを算出し、それをもって、QRコードが検出されない状況になりつつあるとしてコード状態予測情報を生成するものであった。
【0067】
本変形例は、動きのスピードを考慮し、コード状態予測情報を生成するものである。ユーザが携帯電話を動かす速度によって、検出安定パラメータ範囲から実際に検出できない状態に陥るまでの時間間隔は異なってくる。本変形例は、前記3つのパラメータからなる2次元コード状態パラメータの速度を算出し、その速度に応じて、パラメータを切り替えるものである。
【0068】
図15に示すように、2次元コード状態予測ステップまで、前記実施形態2と同様の処理を行う。以降の処理をステップ毎に説明する。
【0069】
(S5C)2次元コード状態パラメータ速度算出ステップ
パラメータ切り替え手段64は、パラメータ一時保存手段に保存されている過去のコード状態予測情報を過去コード状態予測情報として読み出す。次に現在のコード状態予測情報を該パラメータ一時保存手段に保存する。
【0070】
パラメータ切り替え手段64は、コード状態予測情報から過去コード状態予測情報を引き算し、コード状態予測情報変化量を算出する。このコード状態予測情報変化量は、外接長方形パラメータ変化量、姿勢パラメータ変化量、距離パラメータ変化量からなる。
【0071】
パラメータ切り替え手段64は、前記外接長方形パラメータ、姿勢パラメータ、距離パラメータと、外接長方形パラメータ変化量、姿勢パラメータ変化量、距離パラメータ変化量とをそれぞれパラメータ毎に足し合わせ、予測外接長方形パラメータ、予測姿勢パラメータ、予測距離パラメータからなる予測用パラメータを算出する。
【0072】
(S5D)予測ステップ
パラメータ切り替え手段64は、予測外接長方形パラメータ、予測姿勢パラメータ、予測距離パラメータが、前記検出安定パラメータ範囲データから得られる前記外接長方形パラメータ値域、姿勢パラメータ値域、距離パラメータ値域に入っているかを判断する。
【0073】
いずれか1つのパラメータでも前記値域入っていない場合は、予測結果として、次フレーム以降QRコードが検出されなくなる可能性が高いとして、フロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとする。これ以外の場合、コード操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとする。最後に、パラメータ切り替え手段64は、コンテンツ操作パラメータを、コンテンツ操作手段65に転送する。
【0074】
(実施形態3)
前記フロー操作パラメータは、前記実施形態1に記載のように角速度の和によって算出する。これは、常に角度を検出し続ける前記コード操作パラメータと比較し、誤差が集積しやすい。本実施形態では、図16にブロック構成を示すように、携帯電話には前記コード操作パラメータを用いて前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正手段67を備えることが図1と異なる。また、図17に音量調整操作処理の手順(S1〜S7、S9)を示し、以下、フロー算出補正ステップによる処理を詳細に説明する。
【0075】
(S9)フロー算出補正ステップ
フロー算出補正ステップにおいて、フロー算出補正手段67は、前記コード操作パラメータおよび前記フロー操作パラメータを取得する。これらは下記式(4)、(5)で表せるコード操作パラメータθcodeとフロー操作パラメータθflowとする。
【0076】
【数3】
【0077】
ここで、式(4)が成り立つようにktempを式(5)で算出する。算出されたktempは、フロー算出補正手段67が備える重み保存手段(メモリ)に保存される。パラメータ切り替えステップS5においてフロー操作パラメータをコンテンツ操パラメータとして利用するとき、重み保存手段に保存されたすべてのktempの平均値ktemp_aveを算出し、以降、対フローパラメータ算出ステップで行われる式(1)のkの値を平均値ktemp_aveで更新する。
【0078】
したがって、本実施形態によれば、撮影された2次元コードの形状を利用し、オプティカルフローから操作のためのパラメータを算出するときの誤差を自動修正することができる。
【0079】
(実施形態3の変形例)
前記の実施形態3は、常時フロー算出補正を行うものであった。コード操作パラメータ算出とフロー操作パラメータ算出と、フロー補正を同時に行うことは、計算コストが高い。そこで、フロー補正は、コード状態予測情報がフロー操作パラメータに切り替えることを示しており、さらにQRコードが検出されている場合のときのみ補正を行うように構成することも可能である。
【0080】
(変形例1)縦横平行移動のオプティカルフローでの算出の例
前記実施形態は、端末のQRコードの法線ベクトル周りの回転角度を操作量として用いるものであった。これ以外にも、縦横の2次元の平行移動量を操作量として用いて実現することも可能である。
【0081】
コード操作パラメータは、前記実施形態1に記載のx、yパラメータを利用し、2次元の平行移動量を算出することができる。フロー操作パラメータは、以下の方法により、オプティカルフローから縦横移動を算出することができる。
【0082】
図18に算出されたオプティカルフローの例を示し、(a)は携帯電話が右下に移動している瞬間のオプティカルフローの例であり、(b)は携帯電話が左に平行移動している瞬間の同例である。同図に示すようなオプティカルフローが算出された場合、フローそれぞれのベクトルを2次元で、ベクトルvn=(xn,yn)として表す(式中ではvの上に→を付して示す)。撮影画像中のベクトルvnの平均から以下の式(6)で、平行移動速度vvを算出する。平行移動量をベクトルplastとし、以下の式(7)では該plastに算出された平行移動速度(角速度)vvを追加し、平行移動量ベクトルpを算出する。
【0083】
【数4】
【0084】
ただし、kx、kyは重みであり、kx=1、ky=1
この平行移動量も前記実施形態3に記載と同様の手法で、コード操作パラメータを用いて補正を行うことができる。フロー算出補正ステップS9において、フロー算出補正手段67は、前記コード操作パラメータおよび前記フロー操作パラメータを取得する。これらはコード操作パラメータpcodeとフロー操作パラメータpflowとすると、以下の式(8)が成り立つようにkxtemp、kytempを式(9)で算出する。
【0085】
【数5】
【0086】
算出されたkytemp、kytempは、フロー算出補正手段67が備える重み保存手段(メモリ)に保存される。
【0087】
パラメータ切り替えステップS5において、フロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとして利用するとき、重み保存手段に保存されたすべてのkx、kyの値の平均値kxave、kyaveを算出し、以降、対フローパラメータ算出ステップで行われる式(7)の計算のkx、kyの値の該平均値kxave、kyaveで更新する。
【0088】
(変形例2)奥行き移動量のオプティカルフローでの算出の例
前記実施形態は、端末のQRコードの法線ベクトル周りの回転角度を操作量として用いるものであった。これ以外にも、奥行き移動量の算出も実現することが可能である。
【0089】
コード操作パラメータは、前記実施形態1に記載のようにzパラメータを利用し、奥行きの移動量を算出することができる。フロー操作パラメータは、以下の方法により、オプティカルフローから奥行き移動量を算出することができる。
【0090】
まず、奥行き方向の移動の方向、および該移動があるかの判断を行う。図19の(a)に例を示すように、第一象限に左下向きのオプティカルフローが、第二象限に右下向きのオプティカルフローが、第三象限に右上向きのオプティカルフローが、第四象限に左上向きのオプティカルフローが現れる場合は奥行き移動量は携帯電話をQRコードから遠ざける方向であるとする。また、図19の(b)に例を示すように、第一象限に右上向きのオプティカルフローが、第二象限に左上向きのオプティカルフローが、第三象限に左下向きのオプティカルフローが、第四象限に右下向きのオプティカルフローが現れる場合は奥行き移動量は携帯電話をQRコードから近づける方向であるとし、それ以外の場合は、奥行き移動量はないとして処理する。
【0091】
次に、奥行きの移動量を推定する。図19のようにオプティカルフローが算出された場合、フローそれぞれのベクトルを2次元で、ベクトルvn=(xn,yn)として表す。撮影画像中のベクトルvnの絶対値|vn|の平均を以下の式(10)で、平行移動速度絶対値|vv|を算出する。現在のフロー奥行き移動量をdpastとし、以下の式(11)では該dpastに算出された平行移動速度絶対値|vv|を追加し、フロー奥行き移動量dを算出する。
【0092】
【数6】
【0093】
このフロー奥行き移動量も前記実施形態3および前記変形例に記載と同様の手法で、コード操作パラメータを用いて補正を行うことができる。フロー算出補正ステップS9において、フロー算出補正手段67は、前記コード操作パラメータおよび前記フロー操作パラメータを取得する。これらをコード操作パラメータzとフロー操作パラメータdとすると、
以下の式(12)が成り立つようにktempを以下の式(13)で算出する。
【0094】
【数7】
【0095】
算出されたktempは、フロー算出補正手段が備える重み保存手段(メモリ)に保存される。パラメータ切り替えステップS5において、フロー操作パラメータをコンテンツ操作パラメータとして利用するとき、重み保存手段に保存されたすべてのktempの値の平均値kaveを算出し、以降、対フローパラメータ算出ステップで行われる式(11)の計算のkの値を該平均値kaveで更新する。
【0096】
(変形例3)物理量を利用する例
利用するQRコードに該コード自身の物理的なサイズを示す物理サイズ情報を含めて構成する、あるいはQRコードを予め定めた物理サイズで構成することによって、コード操作パラメータ算出時に算出されるx、y、zパラメータを実サイズに再現することができる。これによって、フロー算出補正手段によって補正されたフロー操作パラメータを仮想的な物理量としてシステムに利用することができる。
【0097】
(変形例4)他のQRコードを利用可能とする例
本実施形態では、QRコードを2次元コードとして利用したが、下記の参考文献にも記載される、サイバーコード、ARToolkit、DataMatrixなどの2次元コードを利用して構成することも可能である。
【0098】
参考文献「バーコード・二次元コードの知識」日本工業出版(2001年度)
(変形例5)オプティカルフローの算出手法
本実施形態では、オプティカルフローの算出に前記Lucas&Kanadeアルゴリズムを用いたが、ブロックマッチング等のその他の手法を用いて算出するように構成することも可能である。
【0099】
(変形例6)サーバサイドでも処理可能とする例
本実施形態では、あらゆるステップを携帯電話の汎用計算手段上で実行している。ネットワーク上のサーバ手段で前記汎用計算手段で行われるすべての処理を行うように構成することも可能である。
【0100】
なお、本発明は、図2等に示した方法の一部又は全部の処理機能をプログラムとして構成してコンピュータで実行可能とすることができる。また、コンピュータでその各部の処理機能を実現するためのプログラム、あるいはコンピュータにその処理手順を実行させるためのプログラムを、そのコンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、MO、ROM、メモリカード、CD、DVD、リムーバブルディスクなどに記録して、保存したり、提供したりすることが可能であり、また、インターネットのような通信ネットワークを介して配布したりすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施形態1を示す携帯電話の機能ブロック構成図。
【図2】実施形態1における音量調整操作処理手順図。
【図3】2次元コードの概要図。
【図4】楽曲データのための楽曲データベースのデータ構成例。
【図5】対コードパラメータ算出の概要図。
【図6】回転量を算出するオプティカルフローの概要図。
【図7】再生音量を調整する操作イメージ。
【図8】再生音量調整中のグラフィックの例。
【図9】本発明の実施形態2を示す携帯電話の機能ブロック構成図。
【図10】実施形態2における音量調整操作処理手順図。
【図11】2次元コード状態予測を基にしたパラメータ切り替え処理の詳細な手順図。
【図12】外接長方形パラメータの概要図。
【図13】姿勢パラメータの概要図。
【図14】距離パラメータの概要図。
【図15】2次元コード状態予測処理の詳細な手順図。
【図16】本発明の実施形態3を示す携帯電話の機能ブロック構成図。
【図17】実施形態3における音量調整操作処理手順図。
【図18】平行移動量のためのオプティカルフローのイメージ。
【図19】奥行き移動量のためのオプティカルフローのイメージ。
【符号の説明】
【0102】
100 携帯電話(携帯情報端末)
200 ポスター
200A QRコード
10 撮影手段
20 通信手段
61 コンテンツ情報取得手段
62 対コードパラメータ算出手段
63 対フローパラメータ算出手段
64 パラメータ切り替え手段
65 コンテンツ操作手段
66 2次元コード状態予測手段
67 フロー算出補正手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影手段を備えた携帯情報端末を用いて2次元コードを撮影し、携帯情報端末と2次元コードとの相対的な位置及び姿勢によって2次元コードから読み取られるコンテンツ情報を取得/操作する携帯情報端末であって、
前記撮影手段によって読み取った2次元コードに対応したコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得手段と、
前記撮影手段によって撮影された撮影画像中の2次元コードの形状を用いて、2次元コードに対する携帯情報端末の相対的な位置および姿勢を算出し、該相対的な位置および姿勢に基づいてコード操作パラメータを算出する対コードパラメータ算出手段と、
前記撮影手段によって撮影される画像からオプティカルフローを検出し、該オプティカルフローに基づいて携帯情報端末のフロー操作パラメータを算出する対フローパラメータ算出手段と、
予め定めた条件に基づいて、前記コード操作パラメータまたはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとするパラメータ切り替え手段と、
前記コンテンツ操作パラメータを用いてコンテンツ情報を操作するコンテンツ操作手段と、
を備えることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
前記撮影画像中での前記2次元コードの検出状態を予測したコード状態予測情報を算出する2次元コード状態予測手段を備え、
前記パラメータ切り替え手段は、前記コード状態予測情報に基づき、前記コード操作パラメータあるいはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとすることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
前記コード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
前記コード状態予測情報およびコード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の携帯情報端末。
【請求項5】
撮影手段を備えた携帯情報端末を用いて2次元コードを撮影し、携帯情報端末と2次元コードとの相対的な位置及び姿勢によって2次元コードから読み取られるコンテンツ情報を取得/操作するコンテンツ情報の取得/操作方法であって、
前記撮影手段によって読み取った2次元コードに対応したコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得ステップと、
前記撮影手段によって撮影された撮影画像中の2次元コードの形状を用いて、2次元コードに対する携帯情報端末の相対的な位置および姿勢を算出し、該相対的な位置および姿勢に基づいてコード操作パラメータを算出する対コードパラメータ算出ステップと、
前記撮影手段によって撮影される画像からオプティカルフローを検出し、該オプティカルフローに基づいて携帯情報端末のフロー操作パラメータを算出する対フローパラメータ算出ステップと、
予め定めた条件に基づいて、前記コード操作パラメータまたはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとするパラメータ切り替えステップと、
前記コンテンツ操作パラメータを用いてコンテンツ情報を操作するコンテンツ操作ステップと、
を備えることを特徴とするコンテンツ情報の取得/操作方法。
【請求項6】
前記撮影画像中での前記2次元コードの検出状態を予測したコード状態予測情報を算出する2次元コード状態予測ステップを備え、
前記パラメータ切り替えステップは、前記コード状態予測情報に基づき、前記コード操作パラメータあるいはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとすることを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ情報の取得/操作方法。
【請求項7】
前記コード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正ステップを備えることを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ情報の取得/操作方法。
【請求項8】
前記コード状態予測情報およびコード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正ステップを備えることを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ情報の取得/操作方法。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか1項に記載のコンテンツ情報の取得/操作方法における処理ステップをコンピュータで実行可能にしたことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
撮影手段を備えた携帯情報端末を用いて2次元コードを撮影し、携帯情報端末と2次元コードとの相対的な位置及び姿勢によって2次元コードから読み取られるコンテンツ情報を取得/操作する携帯情報端末であって、
前記撮影手段によって読み取った2次元コードに対応したコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得手段と、
前記撮影手段によって撮影された撮影画像中の2次元コードの形状を用いて、2次元コードに対する携帯情報端末の相対的な位置および姿勢を算出し、該相対的な位置および姿勢に基づいてコード操作パラメータを算出する対コードパラメータ算出手段と、
前記撮影手段によって撮影される画像からオプティカルフローを検出し、該オプティカルフローに基づいて携帯情報端末のフロー操作パラメータを算出する対フローパラメータ算出手段と、
予め定めた条件に基づいて、前記コード操作パラメータまたはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとするパラメータ切り替え手段と、
前記コンテンツ操作パラメータを用いてコンテンツ情報を操作するコンテンツ操作手段と、
を備えることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
前記撮影画像中での前記2次元コードの検出状態を予測したコード状態予測情報を算出する2次元コード状態予測手段を備え、
前記パラメータ切り替え手段は、前記コード状態予測情報に基づき、前記コード操作パラメータあるいはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとすることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
前記コード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
前記コード状態予測情報およびコード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の携帯情報端末。
【請求項5】
撮影手段を備えた携帯情報端末を用いて2次元コードを撮影し、携帯情報端末と2次元コードとの相対的な位置及び姿勢によって2次元コードから読み取られるコンテンツ情報を取得/操作するコンテンツ情報の取得/操作方法であって、
前記撮影手段によって読み取った2次元コードに対応したコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得ステップと、
前記撮影手段によって撮影された撮影画像中の2次元コードの形状を用いて、2次元コードに対する携帯情報端末の相対的な位置および姿勢を算出し、該相対的な位置および姿勢に基づいてコード操作パラメータを算出する対コードパラメータ算出ステップと、
前記撮影手段によって撮影される画像からオプティカルフローを検出し、該オプティカルフローに基づいて携帯情報端末のフロー操作パラメータを算出する対フローパラメータ算出ステップと、
予め定めた条件に基づいて、前記コード操作パラメータまたはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとするパラメータ切り替えステップと、
前記コンテンツ操作パラメータを用いてコンテンツ情報を操作するコンテンツ操作ステップと、
を備えることを特徴とするコンテンツ情報の取得/操作方法。
【請求項6】
前記撮影画像中での前記2次元コードの検出状態を予測したコード状態予測情報を算出する2次元コード状態予測ステップを備え、
前記パラメータ切り替えステップは、前記コード状態予測情報に基づき、前記コード操作パラメータあるいはフロー操作パラメータのどちらか一方をコンテンツ操作パラメータとすることを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ情報の取得/操作方法。
【請求項7】
前記コード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正ステップを備えることを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ情報の取得/操作方法。
【請求項8】
前記コード状態予測情報およびコード操作パラメータを用いて、前記フロー操作パラメータを補正するフロー算出補正ステップを備えることを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ情報の取得/操作方法。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか1項に記載のコンテンツ情報の取得/操作方法における処理ステップをコンピュータで実行可能にしたことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図8】
【公開番号】特開2008−72322(P2008−72322A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248091(P2006−248091)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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