説明

携帯機器

【課題】本発明は、一のキー部材を押下することで、第1スイッチと、複数の第2スイッチにおける所定の第2スイッチとを動作させることが可能な携帯電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】携帯電話機1は、キースイッチ501から515と、キースイッチ501から515の周囲に配置される複数の平面スイッチ501Aから515Dと、キースイッチ501から515における動作、及び複数の平面スイッチ501Aから515Dそれぞれにおける動作を検出する検出部121と、検出部121によりキースイッチ501から515における動作が検出された場合、検出部121により複数の平面スイッチ501Aから515Dそれぞれにおける動作が検出されているかを確認すると共に、動作部に対して確認された複数の平面スイッチ501Aから515Dの動作に対応した制御を行う制御部122と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機器としての携帯電話機において、複数のキーが設けられている。複数のキーそれぞれは、キー部材と、キー部材に対応して配置されるスイッチとを有する。スイッチは、キー部材が押下されることで動作する。キー(スイッチ)には、例えば、数字入力や、所定の機能を動作させることがアサインされている。
【0003】
ここで、近年、方向の入力のための方向キーを備える携帯電子機器が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−123632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の携帯電子機器における方向キーは、上下左右方向への入力を行う場合、その都度各方向がアサインされたキーを押し直さなければならず、ユーザにおける操作性が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、キー部材と、キー部材に対応して配置される第1スイッチ及び第1スイッチを囲む複数の第2スイッチとを有し、一のキー部材を押下することで、第1スイッチと、複数の第2スイッチにおける所定の第2スイッチとを動作させることが可能な携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、筐体と、前記筐体に収容され、第1スイッチと、前記第1スイッチの周囲に配置される複数の第2スイッチとを有する回路基板と、前記筐体における表面側に配置される押下部と、前記押下部に対応した前記筐体の内面側に前記第1スイッチと対向して配置され、前記押下部が押下されたことにより移動して前記第1スイッチを動作させる第1凸部と、前記押下部に対応した前記筐体の内面側に前記複数の第2スイッチそれぞれに対向して配置され、前記押下部が押下されたことにより移動して前記複数の第2スイッチそれぞれを動作させる複数の第2凸部と、前記第1スイッチにおける動作、及び前記複数の第2スイッチそれぞれにおける動作を検出する検出部と、所定の動作を行う動作部と、前記検出部により前記第1スイッチにおける動作が検出された場合、前記検出部により前記複数の第2スイッチそれぞれにおける動作が検出されているかを確認すると共に、前記動作部に対して前記確認された前記第2スイッチの動作に対応した制御を行う制御部と、を備える携帯機器に関する。
【0008】
また、前記複数の第2スイッチそれぞれは、前記押下部が押下されていない場合、前記複数の第2凸部それぞれと空隙を有して対向して配置され、前記押下部が押下されている場合、前記複数の第2凸部それぞれと接触して配置されることが好ましい。
【0009】
また、前記複数の第2凸部それぞれは、導電性を有する先端部を有し、前記第1スイッチは、ドームスイッチであり、前記複数の第2スイッチそれぞれは、第1導電領域と当該第1導電領域とは異なる第2導電領域とを有し、前記第1導電領域と前記第2導電領域とが前記先端部によって導通されることにより動作する平面スイッチであることが好ましい。
【0010】
また、前記第1スイッチの動作の情報を含む第1暗証情報と、当該第1スイッチに対応して検出される前記第2スイッチの組み合わせを含む第2暗証情報とを記憶する暗証情報記憶部と、前記検出部により前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの動作情報を受信すると共に、前記受信した動作情報と前記暗証情報記憶部に記憶された前記第1暗証情報及び前記第2暗証情報とに基づいて認証を行う認証部と、を備えることが好ましい。
【0011】
また、複数の押下部と当該押下部それぞれに対応した複数の第1スイッチと、を備え、前記第1暗証情報は、前記第1スイッチのうち複数の所定の第1スイッチの組み合わせ及び動作が検出される順序の情報を有し、前記第2暗証情報は、前記複数の所定の第1スイッチそれぞれに対応して検出される前記第2スイッチの組み合わせの情報を有することが好ましい。
【0012】
また、前記複数の押下部における複数の所定の前記押下部を押下させることで、所定の押下部に対応した第1スイッチ及び第2スイッチからの動作情報に基づいて前記第1暗証情報及び前記第2暗証情報を生成すると共に、前記生成した前記第1暗証情報及び前記第2暗証情報を前記暗証情報記憶部に記憶させる暗証情報生成部を更に備えることが好ましい。
【0013】
また、前記第2凸部の先端部は、所定方向に長い形状であって、長手方向が前記第1導電領域と前記第2導電領域とが並ぶ方向に沿って配置されることが好ましい。
【0014】
また、前記筐体の外郭を構成し、開口部を有するケース部材と、を備え、前記押下部は、前記開口部を介して外部に露出して配置され、前記複数の第2凸部は、可撓性を有し、前記押下部が押下された場合に該押下部が前記ケース部材の内部に潜り込むことを防止するための部材であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、キー部材と、キー部材に対応して配置される第1スイッチ及び第1スイッチを囲む複数の第2スイッチとを有し、一のキー部材を押下することで、第1スイッチと、複数の第2スイッチにおける所定の第2スイッチとを動作させることが可能な携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】携帯電話機1を開いた状態における外観斜視図である。
【図2】操作部側筐体2に内蔵される部材の分解斜視図である。
【図3】表示部側筐体3に内蔵される部材の分解斜視図である。
【図4】キースイッチ(第1スイッチ)及び平面スイッチ(第2スイッチ)と、第1凸部及び第2凸部との位置関係を説明する斜視図である。
【図5】キースイッチ(第1スイッチ)及び平面スイッチ(第2スイッチ)と、第1凸部及び第2凸部との位置関係を説明する平面図である。
【図6A】キースイッチ(第1スイッチ)及び平面スイッチ(第2スイッチ)と、第1凸部及び第2凸部との位置関係を説明する断面図である。
【図6B】キースイッチ(第1スイッチ)及び平面スイッチ(第2スイッチ)と、第1凸部及び第2凸部との位置関係を説明する断面図である。
【図6C】キースイッチ(第1スイッチ)及び平面スイッチ(第2スイッチ)と、第1凸部及び第2凸部との位置関係を説明する断面図である。
【図7A】平面スイッチ(第2スイッチ)と、第2凸部との位置関係を説明する模式図である。
【図7B】平面スイッチ(第2スイッチ)と、第2凸部との位置関係を説明する模式図である。
【図8】携帯電話機1における機能ブロック図である。
【図9】暗証情報テーブル150を説明する図である。
【図10】携帯電話機1における動作例を説明するためのフロー図である。
【図11A】平面スイッチ(第2スイッチ)における変形例を示す摸式図である。
【図11B】平面スイッチ(第2スイッチ)における変形例を示す摸式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1により、携帯機器としての携帯電話機1における基本構造を説明する。図1は、携帯電話機1を開いた状態における外観斜視図を示す。
【0018】
図1に示すように、携帯電話機1は、筐体としての操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備える。操作部側筐体2と表示部側筐体3とは、ヒンジ機構を備える連結部4を介して開閉可能に連結される。具体的には、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して連結される。これにより、携帯電話機1は、ヒンジ機構を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に動かすことが可能に構成される。つまり、携帯電話機1は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが開いた状態(開状態)と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(閉状態)とにすることができる。ここで、閉状態とは、両筐体が互いに重なるように配置された状態であり、開状態とは、両筐体が互いに重ならないように配置された状態をいう。
【0019】
操作部側筐体2は、外面がフロントケース2aとリアケース2bとにより構成される。操作部側筐体2は、フロントケース2a側に、操作キー群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイクとしての音声入力部12とがそれぞれ露出するように構成される。
【0020】
操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う操作部材としての決定操作キー15とにより構成される。操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や各種モード、あるいは起動されているアプリケーション等の種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。そして、使用者が各キーを押圧することにより、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が所定の動作部により実行される。各キーにおける構成については、後述する。
【0021】
音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4側と反対の外端部側に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1が開状態において一方の外端部側に配置される。
【0022】
操作部側筐体2における一方側の側面には、外部機器(例えば、ホスト装置)と通信を行うためのインターフェース(図示せず)が配置される。操作部側筐体2の他方側の側面には、所定の機能が割り当てられているサイドキーと、外部メモリの挿入及び取り出しが行われるインターフェース(図示せず)とが配置される。インターフェースは、キャップにより覆われている。各インターフェースは、不使用時にはキャップにより覆われる。
【0023】
表示部側筐体3は、外面がフロントパネル3aと、フロントケース3bと、リアケース3c(図3参照)と、リアパネル3d(図3参照)とにより構成される。表示部側筐体3におけるフロントケース3bには、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバとしての音声出力部22と、が露出するように配置される。ここで、表示部21は、液晶パネルと、この液晶パネルを駆動する駆動回路と、この液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とから構成される。
【0024】
次いで、図2から図7Bにより、操作部側筐体2及び表示部側筐体3の内部構造について説明する。図2は、操作部側筐体2に内蔵される部材の分解斜視図である。図3は、表示部側筐体3に内蔵される部材の分解斜視図である。図4は、キースイッチ(第1スイッチ)及び平面スイッチ(第2スイッチ)と、第1凸部及び第2凸部との位置関係を説明する斜視図である。図5は、キースイッチ(第1スイッチ)及び平面スイッチ(第2スイッチ)と、第1凸部及び第2凸部との位置関係を説明する平面図である。図6Aは、キースイッチ(第1スイッチ)及び平面スイッチ(第2スイッチ)と、第1凸部及び第2凸部との位置関係を説明する断面図である。図6Bは、キースイッチ(第1スイッチ)及び平面スイッチ(第2スイッチ)と、第1凸部及び第2凸部との位置関係を説明する断面図である。図6Cは、キースイッチ(第1スイッチ)及び平面スイッチ(第2スイッチ)と、第1凸部及び第2凸部との位置関係を説明する断面図である。図7Aは、平面スイッチ(第2スイッチ)と、第2凸部との位置関係を説明する模式図である。図7Bは、平面スイッチ(第2スイッチ)と、第2凸部との位置関係を説明する模式図である。
【0025】
図2に示すように、操作部側筐体2は、フロントケース2aと、キー構造部40と、キー基板50と、ケース体60と、基準電位パターン層75及び携帯電話機用のRF(Radio Frequency)モジュール等の各種電子部品を備えるメイン回路基板70と、アンテナ部90と、バッテリリッド2cを備えたリアケース2bと、バッテリ80とを備える。
【0026】
フロントケース2aとリアケース2bとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、フロントケース2aとリアケース2bとの間には、キー構造部40と、キー基板50と、ケース体60と、メイン回路基板70と、アンテナ部90とが挟まれるようにして内蔵される。
【0027】
フロントケース2aには、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3の表示部21と対向する内側面に、キー開口部13a、キー開口部14a、キー開口部15aが形成される。
【0028】
キー構造部40は、操作部材40Aと、キーフレーム40Bと、キーシート40Cと、により構成される。
【0029】
操作部材40Aは、複数のキー操作部材により構成される。具体的には、本実施形態において、操作部材40Aは、4個の機能設定操作キー部材13bと、入力操作キー部材201から215と、1個の決定操作キー部材15bとにより構成される。
【0030】
機能設定操作キー部材13bは、押圧面103がキー開口部13aを介して外部に露出するよう操作部側筐体2の内部に配設される。また、機能設定操作キー部材13bは、後述するキースイッチ51を押圧しない通常位置と、通常位置よりも操作部側筐体2における内部側であってキースイッチ51を押圧する押圧位置とに移動可能に構成される。
【0031】
複数の入力操作キー部材201から215それぞれは、押圧面201aから215a(押下部)それぞれがキー開口部14aを介して外部(表面)に露出するよう操作部側筐体2の内部に配設される。また、入力操作キー部材201から215それぞれは、後述するキースイッチ(第1スイッチ)501から515それぞれを押圧しない通常位置と、通常位置よりも操作部側筐体2における内部側であってキースイッチ501から515それぞれを押圧する押圧位置とに移動可能に構成される。
【0032】
決定操作キー部材15bは、押圧面105がキー開口部15aを介して外部に露出するよう操作部側筐体2の内部に配設される。また、決定操作キー部材15bは、後述するキースイッチ53を押圧しない通常位置と、通常位置よりも操作部側筐体2における内部側であってキースイッチ53を押圧する押圧位置とに移動可能に構成される。
【0033】
キーフレーム40Bは、複数の入力操作キー部材201から215とキーシートとの間に配置される。
キーフレーム40Bは、複数のキースイッチ501から515それぞれに対応する位置に形成される複数の孔部301から315と、複数の孔部301から315を囲むように形成され複数の入力操作キー部材201から215を支持する支持部14eと、を有する。キーフレーム40Bは、金属性の板状部材である。
【0034】
キーフレーム40Bは、入力操作キー部材201から215の押圧によるメイン回路基板70等への悪影響を防ぐための補強部材である。また、キーフレーム40Bは、導電性の部材であり、入力操作キー部材14bにおける静電気を逃がすための部材としても機能する。
【0035】
キーシート40Cは、複数の入力操作キー部材201から215における押圧面201aから215a(押下部)と反対の面側に配置される。キーシート40Cは、複数の入力操作キー部材201から215よりも操作部側筐体2における内部側に配置される。
キーシート40Cは、可撓性を有するシリコンゴム製のシート状部材である。キーシート40Cには、上述の通り、複数の上面側凸部401から415が形成される。複数の上面側凸部401から415は、キーシート40Cにおけるキーフレーム40Bが配置される側の面に形成される。
複数の上面側凸部401から415それぞれは、後述するキースイッチ501から515に対応する位置に形成されると共に、キーフレーム40Bに形成される複数の孔部301から315に挿通して配置される。複数の上面側凸部401から415それぞれの表面には、所定の接着剤により入力操作キー部材201から215が接着される。
【0036】
図4から図6Cに示すように、複数の上面側凸部401から415における入力操作キー部材201から215と反対側の面には、複数のキースイッチ(第1スイッチ)501から515それぞれに対応した位置に凸状の押子である第1凸部601から615が形成される。
言い換えると、第1凸部601から615それぞれは、複数の入力操作キー部材201から215それぞれにおける押圧面(押下部)201aから215aに対応した裏面側(筐体の内部側)に複数のキースイッチ(第1スイッチ)501から515それぞれと対向して配置される。そして、第1凸部601から615それぞれは、複数の入力操作キー部材201から215それぞれにおける押圧面(押下部)201aから215aが押下されたことにより移動して複数のキースイッチ(第1スイッチ)501から515それぞれを動作させる。
【0037】
図4から図6Cに示すように、複数の上面側凸部401から415における入力操作キー部材201から215と反対側の面には、複数の平面スイッチ(第2スイッチ、後述)501Aから515Cそれぞれに対応した位置に第2凸部601Aから615Cが形成される。
言い換えると、第2凸部601Aから615Cそれぞれは、複数の入力操作キー部材201から215それぞれにおける押圧面(押下部)201aから215aに対応した裏面側(筐体の内部側)に複数の平面スイッチ(第2スイッチ)501Aから515Cそれぞれと対向して配置される。そして、第2凸部601Aから615Cそれぞれは、複数の入力操作キー部材201から215それぞれにおける押圧面(押下部)201aから215aが押下されたことにより移動して複数の平面スイッチ(第2スイッチ)501Aから515Cそれぞれを動作させる。
【0038】
図4及び図5に示すように、第2凸部601Aから615Cそれぞれは、キーシート40Cにおいて、第1凸部601から615と同じ面側に、第1凸部601から615それぞれを囲むように形成される。具体的には、第2凸部601Aから601Dは、第1凸部601を囲むように形成される。第2凸部602Aから602Dは、第1凸部602を囲むように形成される。以下同様に、第2凸部は、所定の第1凸部を囲むように形成される。
【0039】
図6Aから図7Bに示すように、第2凸部601Aから615Cそれぞれは、細長い凸状の部材である。
第2凸部601Aから615Cそれぞれは、導電性を有する先端部を有する。第2凸部601Aから615Cそれぞれは、少なくとも先端部が導電性の材料(例えば、導電性シリコン)により構成される。
第2凸部601Aから615Cそれぞれは、先端部が第1導電領域と第2導電領域との双方に当接することで、第1導電領域と第2導電領域とを導通させる。
【0040】
図4、図5、図7A及び図7Bに示すように、第2凸部601Aから615Cそれぞれの先端部は、細長い形状であって、長手方向が後述する平面スイッチ501Aから515Dそれぞれの第1導電領域(後述)と第2導電領域(後述)とが並ぶ方向に沿って配置される。
ここで、第2凸部601Aから615Cそれぞれは、長手方向が第1導電領域と第2導電領域とが並ぶ方向に沿って配置されるので、長手方向に位置がずれた場合であっても、短手方向に位置がずれた場合(図7B参照)であっても、第1導電領域と第2導電領域との導通を確保できる。第2凸部601Aから615Cそれぞれは、例えば、入力操作キー部材(押圧面、押下部)の押下操作時におけるずれや、組み込み時の交差ずれ等があっても第1導電領域と第2導電領域との導通を確保できる。
【0041】
図6Aから図6Cに示すように、第2凸部601Aから615Cそれぞれは、複数の入力操作キー部材201から215それぞれにおける押圧面(押下部)201aから215aが押下されていない場合(図6A参照)、平面スイッチ(第2スイッチ)501Aから515Cそれぞれと空隙を有して対向して配置される。そして、第2凸部601Aから615Cそれぞれは、複数の入力操作キー部材201から215それぞれにおける押圧面(押下部)201aから215aが押下されている場合(図6B及び図6C参照)、平面スイッチ(第2スイッチ)501Aから515Cそれぞれと接触して配置される。
第2凸部601Aから615Cそれぞれは、先端部が第1導電領域と第2導電領域との双方に当接することで、第1導電領域と第2導電領域とを導通させる。
【0042】
ここで、第2凸部601Aから615Cそれぞれは、入力操作キー部材201から215が押下られた場合に入力操作キー部材201から215がフロントケース2a(ケース部材)の内部に潜り込むことを防止するための部材(スタビライザー)としても機能する。
【0043】
キー基板50(回路基板)は、キーフレーム40Bにおける入力操作キー部材201から215と反対側に配置される。
キー基板50は、キーシート40C側に実装される複数のスイッチを有する。
【0044】
キースイッチ51、キースイッチ(第1スイッチ)501から515、平面スイッチ501Aから515D、及びキースイッチ53は、キー基板50におけるキーシート40C側の実装面50aに実装(配置)される。
【0045】
複数のキースイッチ51、53それぞれは、キー基板50における機能設定操作キー部材13b、決定操作キー部材15bに対応する位置に配置される。また、キースイッチ51、53それぞれは、機能設定操作キー部材13b、決定操作キー部材15bそれぞれが通常位置にある場合には押圧されず、押圧位置にある場合には押圧されるよう配置される。
【0046】
キー基板50に配置されるキースイッチ51、53は、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームを有するドームスイッチである。メタルドームは、その椀状形状の頂点が凸部材(押子)により押圧されると、キー基板50の表面に印刷された電気回路(図示せず)に形成されるスイッチ端子に接触して電気的に導通するように構成される。なお、キー基板50は、複数の絶縁層(絶縁フィルム)の間に配線を挟み込んだものである。
【0047】
図2、図4及び図5に示すように、キー基板50における入力操作キー部材201から215に対応する領域には、複数のキースイッチ(第1スイッチ)501から515と、複数の平面スイッチ(第2スイッチ)501Aから515Dが実装される。
【0048】
複数のキースイッチ501から515それぞれは、キー基板50における入力操作キー部材201から215それぞれに対応する位置に配置される。また、複数のキースイッチ501から515それぞれは、入力操作キー部材201から215それぞれが通常位置にある場合には押圧されず、押圧位置にある場合には押圧されるよう配置される。
【0049】
複数のキースイッチ501から515それぞれは、第1凸部601から615それぞれに対向した配置される。複数のキースイッチ501から515それぞれは、複数の入力操作キー部材201から215それぞれにおける押圧面(押下部)201aから215aが押下されたことにより移動した第1凸部601から615それぞれに押下されて動作する。
複数のキースイッチ501から515それぞれは、ドームスイッチである。
【0050】
図2、図4及び図5に示すように、複数の平面スイッチ(第2スイッチ)501Aから515Dそれぞれは、キースイッチ(第1スイッチ)501から515それぞれを囲むように配置される。
具体的には、図4に示すように、平面スイッチ501Aから501Dは、キースイッチ501を囲むように配置される。ここで、他の平面スイッチ502Aから515Dも同様に、他のキースイッチ502から515を囲むように配置される。
【0051】
平面スイッチ(第2スイッチ)501Aから515Dそれぞれは、第2凸部601Aから615Dそれぞれに対向して配置される。平面スイッチ501Aから515Dそれぞれは、入力操作キー部材201から215それぞれにおける押圧面(押下部)201aから215aのいずれかが押下されたことにより移動した第2凸部601Aから615Dそれぞれの先端部に当接(接触)されて動作する。
【0052】
図6Aから図6Cに示すように、平面スイッチ(第2スイッチ)501Aから515Dそれぞれは、入力操作キー部材201から215それぞれにおける押圧面(押下部)201aから215aが押下されていない場合、第2凸部601Aから615Dそれぞれと空隙を有して対向して配置される(図6A参照)。また、平面スイッチ(第2スイッチ)501Aから515Dそれぞれは、入力操作キー部材201から215それぞれにおける押圧面(押下部)201aから215aが押下されている場合、第2凸部601Aから615Dそれぞれと接触して配置される(図6B及び図6C参照)。
【0053】
平面スイッチ(第2スイッチ)501Aから515Dそれぞれは、第1導電領域と、第2導電領域とを有する。
具体的には、図5及び図7Aに示すように、平面スイッチ501Aは、第1導電領域501Aaと、第2導電領域501Abと、第1導電領域501Aaとを有する。ここで、第1導電領域501Aaと、第2導電領域501Abと、第1導電領域501Aaとは、この順序で第2凸部601Aの長手方向に並んで配置される。
平面スイッチ501Bは、第1導電領域501Baと、第2導電領域501Bbと、第1導電領域501Baとを有する。ここで、第1導電領域501Baと、第2導電領域501Bbと、第1導電領域501Baとは、この順序で第2凸部601Bの長手方向に並んで配置される。
平面スイッチ501Cは、第1導電領域501Caと、第2導電領域501Cbと、第1導電領域501Caとを有する。ここで、第1導電領域501Caと、第2導電領域501Cbと、第1導電領域501Caとは、この順序で第2凸部601Cの長手方向に並んで配置される。
平面スイッチ501Dは、第1導電領域501Daと、第2導電領域501Dbと、第1導電領域501Daとを有する。ここで、第1導電領域501Daと、第2導電領域501Dbと、第1導電領域501Daとは、この順序で第2凸部601Dの長手方向に並んで配置される。
ここで、他の平面スイッチ502Aから515Dにおいても同様の構成である。
【0054】
平面スイッチ(第2スイッチ)501Aから515Dそれぞれは、第1導電領域と第2導電領域とが、第2凸部601Aから615Dそれぞれ(の先端部)により導通されることで動作する。
【0055】
ここで、図6Aから図6Cにより更に説明すると、まず、図6Aに示すように、入力操作キー部材201における押圧面(押下部)201aが押下されていない場合、キースイッチ501は第1凸部601により押下されておらず、また、平面スイッチ501AからDそれぞれは、第2凸部601AからDと離間して配置される。この状態において、キースイッチ501、平面スイッチ501AからDはいずれも動作していない。
【0056】
次いで、図6Bに示すように、入力操作キー部材201における押圧面(押下部)201aが押下された場合(矢印F方向)、キースイッチ501は第1凸部601により所定距離だけ押下され、また、平面スイッチ501AからDのうち所定の平面スイッチ(図6Bにおいて平面スイッチ501B、501D)は、第2凸部601AからDのうち所定の第2凸部(図6Bにおいて第2凸部601B、601D)により当接される。この状態において、キースイッチ501は動作せず、平面スイッチ501B、Dは動作する。
ここで、後述する制御部122は、キースイッチ(第1スイッチ)501の動作が検出された場合に、平面スイッチ501(第2スイッチ)B、Dの動作に対応した制御を行うため、この状態において、制御部122は、平面スイッチ501(第2スイッチ)B、Dの動作に対応した制御を行わない。
【0057】
続けて、図6Cに示すように、入力操作キー部材201における押圧面(押下部)201aが更に押下された場合(矢印F方向)、キースイッチ501は第1凸部601により所定距離だけ更に押下され、また、平面スイッチ501AからDのうち所定の平面スイッチ(図6Cにおいて平面スイッチ501B、501D)は、第2凸部601AからDのうち所定の第2凸部(図6Cにおいて第2凸部601B、601D)により当接した状態で維持される。この状態において、キースイッチ501は動作する。
ここで、後述する制御部122は、キースイッチ(第1スイッチ)501の動作が検出されたので、平面スイッチ501(第2スイッチ)B、Dの動作に対応した制御を行うことが可能な状態となる。
制御部122については、後に詳述する。
【0058】
ケース体60は、薄型の直方体における一の広い面が開口した形状を有する導電性の部材である。ケース体60は、平板部61における開口側の面に略垂直に形成されるリブ62を有する。リブ62は、メイン回路基板70に実装される各種電子部品のうち最も高さのある電子部品の高さと同等又はそれよりも十分に高くなるよう形成される。リブ62は、平板部61の周縁及び内側に基準電位部を構成する基準電位パターン層75に対応するように形成される。具体的には、ケース体60がメイン回路基板70に載置された状態で、基準電位パターン層75上に配置されるようにリブ62が形成される。なお、ケース体60は、金属により形成するほか、骨格を樹脂により形成し、その表面に導体膜を形成したものでもよい。
【0059】
ケース体60は、リブの底面が基準電位パターン層75に当接されることで、該基準電位パターン層75と電気的に接続される。ケース体60は、基準電位パターン層75と電気的に導通して該基準電位パターン層75と同じ大きさの電位を有するようになる。つまり、ケース体60は、シールドケースとして機能する。ケース体60は、シールドケースとして外部からの高周波等のノイズがメイン回路基板70に配置される各種電子部品に作用するのを抑制すると共に、RF(Radio Frequency)回路、CPU回路、電源回路等から放出されるノイズを遮蔽して、他の電子部品やアンテナに接続される受信回路等に作用することを抑制する。具体的には、ケース体60におけるリブ62の底面が基準電位パターン層75上に配置されることで、後述する各回路はリブ62により囲われると共に平板部61の一部により覆われる。リブ62は、各回路における隔壁として機能し、平板部61の一部と共に各回路をシールドする。
【0060】
メイン回路基板70には、アンテナ108が送受信する信号を処理する信号処理部を含む不図示の各種電子部品や回路が配置される。各種電子部品は、所定の組み合わせにより複数の回路ブロックを形成する。例えば、RF(Radio Frequency)回路、電源回路等を含む各種回路ブロックが形成される。
【0061】
メイン回路基板70におけるケース体60側の第1面70aには、上述の各種電子部品のほか、基準電位部を構成する基準電位パターン層75が形成される。基準電位パターン層75は、上述の各回路ブロックを区画するように形成される。基準電位パターン層75は、メイン回路基板70の第1面70aの表面に導電性の部材を所定パターンで印刷することで形成される。
【0062】
アンテナ部90は、基台上に所定形状のアンテナエレメントが配置されることにより構成さる。アンテナ部90は、携帯電話機1における連結部4側と反対の端部側に配置される。このアンテナ部90のアンテナエレメントは、帯状の板金により形成される。また、アンテナ部90は、不図示の給電端子を介してメイン回路基板70から給電される。これにより、アンテナエレメントは、給電端子を介してメイン回路基板70から給電されると共に、メイン回路基板70のRFモジュール等と接続される。
【0063】
リアケース2bの一端側(図2において)には、取り外し可能なバッテリリッド2cが設けられており、バッテリ80をリアケース2bの外側から収納した後、リアケース2bに装着される。また、リアケース2bにおける一端側には、ユーザの音声を入力する不図示の音声入力部12(特にマイク)が収容される。
【0064】
図3に示すように、表示部側筐体3は、フロントパネル3aと、音声出力部22と、フロントケース3bと、音声出力部22と、表示部21と、表示部21が接続されたプリント基板85と、リアケース3cと、リアパネル3dと、を備える。
【0065】
表示部側筐体3は、フロントパネル3aと、フロントケース3bと、表示部21と、プリント基板85と、リアケース3cと、リアパネル3dとがそれぞれが積層的に配置される。具体的には、フロントケース3bとリアケース3cとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。
【0066】
そして、フロントケース3bとリアケース3cとの間には、表示部21が接続されたプリント基板85が挟まれるようにして内蔵される。プリント基板85には、不図示のアンプと接続されるスピーカが接続される。
【0067】
続けて、図8により、メイン携帯電話機1の構成について説明する。図8は、携帯電話機1における機能ブロック図である。図9は、暗証情報テーブル150を説明する図である。
図8に示すように、携帯電話機1は、無線通信部200と、操作部111と、表示部21と、メモリ44と、CPU45とを備える。
【0068】
無線通信部100は、アンテナ部90と、通信処理部101と、を備える。
無線通信部100は、所定の情報を外部に送受信可能に構成される。無線通信部100は、所定の情報を所定の通信網を介して外部に送信することができる。
【0069】
アンテナ部90は、所定の通信方式(例えば、CDMA(Code Division Mulitiple Access)2000_1x等)に基づいて、基地局を介して他の通信端末装置との間で、電話による通信やメールによる通信等を行う。
【0070】
通信処理部101は、送信処理を行う送信回路と受信処理を行う受信回路とにより構成される。通信処理部101は、アンテナ部90によって受信した信号を受信回路により復調処理し、処理後の信号をCPU45に供給する。また、通信処理部101は、CPU45から供給された信号を送信回路により変調処理し、アンテナ部90を介して基地局に送信する。
【0071】
操作部111は、キースイッチ(第1スイッチ)501から515と、平面スイッチ(第2スイッチ)501Aから515Dとを含む。
キースイッチ501から515それぞれは、入力操作キー部材201から215それぞれが押下されたことにより動作され、所定の信号を後述する検出部121に出力する。
また、平面スイッチ501Aから515Dそれぞれは、入力操作キー部材201から215それぞれが押下されたことにより動作され、所定の信号を後述する検出部121に出力する。
【0072】
表示部21は、所定の文字や画像を表示する。
表示部21は、後述する方向認識部126からの情報に基づいて、上下左右方向に表示画像をスクロールする。
具体的には、ユーザが所定の入力操作キー部材に指を置いて押下した状態で、該入力操作キー部材に置いた指を傾けたり、強く押す位置を変えたりして、動作される平面スイッチを変更させることで、方向認識部126にユーザが所望する方向を認識させることができる。そして、表示部21は、方向認識部126からの情報に基づいて、ユーザが意図する方向に表示画像をスクロールする。
【0073】
CPU45は、携帯電話機1の全体を制御する。CPU45は、各種機能部を有する。CPU45は、検出部121と、制御部122と、暗証情報生成部123と、認証部124と、方向認識部126とを有する。
【0074】
検出部121は、キースイッチ501から515それぞれにおける動作、及び平面スイッチ501Aから515Dそれぞれにおける動作を検出する。具体的には、検出部121は、キースイッチ501から515それぞれから出力される所定の信号、及び平面スイッチ501Aから515Dそれぞれから出力される所定の信号を検出する。
検出部121は、キースイッチ501から515それぞれにおける動作を検出した場合、第1検出信号を制御部122に出力する。また、検出部121は、平面スイッチ501Aから515Dそれぞれにおける動作を検出した場合、第2検出信号を制御部122に出力する。
【0075】
制御部122は、所定の動作部を制御する。ここで、動作部は、表示部21や音声出力部等の外部から認識可能な動作を行うものだけでなく、通信処理部101や所定の機能部等を含むものである。
制御部122は、検出部121によりキースイッチ501から515それぞれにおける動作が検出された場合、検出部121により平面スイッチ501Aから515Dそれぞれにおける動作が検出されているかを確認する。つまり、制御部122は、検出部121から第1検出信号を受信した後、第2検出信号の受信を開始する。そして、制御部122は、所定の動作部に対して確認された平面スイッチ501Aから515Dそれぞれの動作に対応した制御を行う。
【0076】
暗証情報生成部123は、暗証情報(例えば、暗証番号)を生成する。同じ入力操作部材(押圧面、押下部)を押下することで得られるキースイッチの動作情報及び平面スイッチの動作情報を認証に利用することを可能にする機能部である。
具体的には、暗証情報生成部123は、入力操作キー部材(押圧面)201から215における複数の所定の入力操作キー部材(押圧面)を押下させることで、所定の入力操作キー部材(押圧面)に対応したキースイッチ(第1スイッチ)及び平面スイッチ(第2スイッチ)から出力される動作情報に基づいて、後述する第1暗証情報及び第2暗証情報を生成する。
【0077】
暗証情報生成部123によれば、ユーザが入力操作部材(押圧面)のどの位置を押下するかというユーザの癖を含んだ暗証情報(第2暗証情報)を生成することができる。そして、暗証情報生成部123は、生成した第1暗証情報及び第2暗証情報を後述するメモリ(暗証情報記憶部)44に記憶させる。
【0078】
認証部124は、検出部121からのキースイッチ501から515及び平面スイッチ501Aから515Dの動作情報を受信すると共に、受信した動作情報と後述するメモリ(暗証情報記憶部)44に記憶された第1暗証情報及び第2暗証情報とに基づいて認証を行う。
【0079】
具体的には、認証部124は、所定の認証を得るための暗証情報(例えば、暗証番号)の入力を受け付ける暗証情報入力モードにおいて、ユーザが、複数の所定の入力操作部材(押圧面)を押下して入力された入力情報と、メモリ44に記憶される暗証情報テーブル150に含まれる暗証情報(第1暗証情報及び第2暗証情報)とを比較する。そして、認証部124は、入力情報と暗証情報(第1暗証情報及び第2暗証情報)とが同じである場合には、所定の認証を行う。
例えば、認証部124は、所定の機能部が動作を開始することに対して認証を行う。
【0080】
方向認識部126は、制御部122から出力される第2検出信号に基づいて、方向情報を生成する。
方向認識部126は、ユーザが所定の入力操作キー部材に指を置いて押下した状態で、該入力操作キー部材に置いた指を傾けたり、強く押す位置を変えたりして、動作される平面スイッチを変更させることで出力される第2検出信号に基づいて、ユーザが所望する方向及び方向の変化を認識する。そして、方向認識部126は、受信した第2検出信号に基づいて、方向情報を生成する。
また、方向認識部126は、生成した方向情報を表示部21等に出力する。
【0081】
メモリ44は、所定のデータを記憶する。具体的には、メモリ44は、各種機能を動作させるアプリケーションプログラムや、各種データを記憶する。
また、メモリ44(暗証情報記憶部)は、暗証情報テーブル150を記憶する。
【0082】
図9に示すように、暗証情報テーブル150は、第1暗証情報150Aと、第2暗証情報150Bとを含む。
第1暗証情報150Aは、複数のキースイッチ501から515(第1スイッチ)のうち複数の所定のキースイッチ(図9においては、キースイッチ505、506、511、512)の組み合わせ及び、動作が検出される順序に関する情報を含む。
ここで、ユーザは、第1暗証情報150Aを所定のキースイッチにアサインされた数字(第1暗証情報150Aにおける括弧内の数字)により、暗証番号として記憶する。
【0083】
第2暗証情報150Bは、複数の所定のキースイッチ(第1スイッチ)それぞれに対応して検出される平面スイッチ(第2スイッチ)の組み合わせの情報を含む。
第2暗証情報150Bは、所定にキースイッチ(第1スイッチ)ごとに対応する平面スイッチ(第2スイッチ)の情報を含む。
第2暗証情報150Bは、言い換えると、所定のキースイッチ(第1スイッチ)を動作させるためにユーザが押下操作した(指を置いた)入力操作キー部材における位置に関する情報である。第2暗証情報150Bは、ユーザの押下操作時における癖を反映させることが可能な情報である。第2暗証情報150Bは、携帯電話機1におけるセキュリティーを向上させることができる情報である。
【0084】
続けて、図10により、携帯電話機1における動作例について説明する。図10は、携帯電話機1における動作例を説明するためのフロー図である。
まず、ステップST1において、暗証情報生成部123は、ユーザによる所定の操作により、暗証情報を生成可能な暗証情報生成モードになる。
【0085】
次いで、ステップST2において、暗証情報生成部123は、ユーザからの操作部111への入力を受けて、暗証情報を生成する。暗証情報生成部123は、ユーザにより押下された入力操作キー部材に対応するキースイッチ(第1スイッチ)の組み合わせに関する情報と、動作した順序に関する情報とにより第1暗証情報を生成する。また、暗証情報生成部123は、ユーザにより押下された入力操作キー部材に対応するキースイッチ(第1スイッチ)それぞれの動作に対応して動作した平面スイッチ(第2スイッチ)の情報により第2暗証情報を生成する。
暗証情報生成部123は、生成した第1暗証情報及び第2暗証情報をメモリ44に記憶される暗証情報テーブル150に記憶する(更新する)。
【0086】
続けて、ステップST3において、ユーザは、メニュー画面(不図示)を参照して、所定の機能(容認証)を選択する。
ステップST4において、認証部124は、表示部21に暗証番号(情報)の入力を求める画像を表示させる。
これに対応して、ステップST5において、ユーザは、複数の入力操作キー部材を押下して、暗証番号を入力する。
【0087】
続けて、ステップST6において、認証部124は、ユーザの押下操作に対応し、検出部121からのキースイッチ及び平面スイッチの動作情報を受信する。そして、認証部124は、受信したキースイッチ及び平面スイッチの動作情報と、メモリ(暗証情報記憶部)44に記憶された暗証情報テーブル150に含まれる第1暗証情報150A及び第2暗証情報150Bとに基づいて認証を行う。具体的には、認証部124は、入力情報(受信したキースイッチ及び平面スイッチの動作情報)と、メモリ44に記憶される暗証情報テーブル150に含まれる暗証情報(第1暗証情報150A及び第2暗証情報150B)とを比較する。そして、認証部124は、入力情報と暗証情報とが同じである場合には、所定の認証を行う。ここで、認証部124は、第2暗証情報150Bが完全に同じでなくても、入力情報と暗証情報とが同じであると判定するように設定してもよい。
【0088】
そして、認証部124が入力情報と暗証情報とが同じであると判定した場合(ST6,YES)、認証部124は所定の機能を動作させることを認証して、処理は、ステップST7に進む。
また、認証部124が入力情報と暗証情報とが同じではないと判定した場合(ST6,NO)、認証部124は所定の機能を動作させることを認証せず、処理は、ステップST4に戻る。
【0089】
続けて、ステップST7において、所定の動作部は、ユーザに選択された所定の機能を動作させる。
【0090】
本実施形態によれば、一の入力操作キー部材を押下することで、キースイッチ(第1スイッチ)と、複数の平面スイッチ(第2スイッチ)における所定の平面スイッチ(第2スイッチ)とを動作させることが可能な携帯電話機1を提供することができる。
【0091】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、メタルドームスイッチである第1スイッチ(キースイッチ)を囲むようにキー基板50に実装される第2スイッチを高さを必要としない平面スイッチとしたので、実装面積を小さくすることができる。また、平面スイッチはユーザにクリック感を与えない素子であるので、携帯電話機1は、第1スイッチ(メタルドーム)のクリック感を邪魔することなく、ユーザに通常の感覚で操作を行わせることができる。
【0092】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、入力操作キー部材の潜り込み防止部材(スタビライザー)を第2凸部として利用する。これにより、携帯電話機1は、新たな部材等を用いないので、省スペース化やコスト削減が可能である。
【0093】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、キースイッチ(第1スイッチ)の動作情報(入力情報)だけでなく、平面スイッチ(第2スイッチ)の動作情報(入力情報)も鑑みて所定の認証をするかを判定するので、セキュリティー性が向上される。
【0094】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、携帯機器として携帯電話機1について説明しているが、これに限定されず、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等であってもよい。
【0095】
また、本実施形態において、連結部4により折り畳み可能な携帯電話機1の説明をしているが、このような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転(ターン)式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが1つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)でもよい。また、携帯電話機1は、開閉及び回転可能ないわゆる2軸ヒンジタイプであってもよい。
【0096】
また、平面スイッチ(第2スイッチ)の構成及び形状は、上述に限定されない。例えば、図11A及び図11Bに示すように、平面スイッチは、リング状の第1導電領域と、リング状の第1導電領域の内側に配置される円状の第2導電領域とにより構成されていてもよい。平面スイッチがこのような構成及び形状の場合においても、上述の場合と同様に、入力操作キー部材(押圧面、押下部)の押下操作時におけるずれや、組み込み時の交差ずれ等があっても第2凸部により好適に導通される。
【0097】
また、図9にて、4つのスイッチが押下された場合における認証方法について説明したものの、押下されるスイッチはいくつでもかまわない。例えば、押下されるスイッチは1つでも構わない。
【符号の説明】
【0098】
1 携帯電話機
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
14e 支持部
40B キーフレーム
40C キーシート
121 検出部
122 制御部
123 暗証情報生成部
124 認証部
126 方向認識部
201〜215 入力操作キー部材
201a〜215a 押圧面
501〜515 キースイッチ(第1スイッチ)
501A〜515D 平面スイッチ(第2スイッチ)
601〜615 第1凸部
601A〜615D 第2凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容され、第1スイッチと、前記第1スイッチの周囲に配置される複数の第2スイッチとを有する回路基板と、
前記筐体における表面側に配置される押下部と、
前記押下部に対応した前記筐体の内面側に前記第1スイッチと対向して配置され、前記押下部が押下されたことにより移動して前記第1スイッチを動作させる第1凸部と、
前記押下部に対応した前記筐体の内面側に前記複数の第2スイッチそれぞれに対向して配置され、前記押下部が押下されたことにより移動して前記複数の第2スイッチそれぞれを動作させる複数の第2凸部と、
前記第1スイッチにおける動作、及び前記複数の第2スイッチそれぞれにおける動作を検出する検出部と、
所定の動作を行う動作部と、
前記検出部により前記第1スイッチにおける動作が検出された場合、前記検出部により前記複数の第2スイッチそれぞれにおける動作が検出されているかを確認すると共に、前記動作部に対して前記確認された前記第2スイッチの動作に対応した制御を行う制御部と、を備える
携帯機器。
【請求項2】
前記複数の第2スイッチそれぞれは、
前記押下部が押下されていない場合、前記複数の第2凸部それぞれと空隙を有して対向して配置され、
前記押下部が押下されている場合、前記複数の第2凸部それぞれと接触して配置される
請求項1に記載の携帯機器。
【請求項3】
前記複数の第2凸部それぞれは、導電性を有する先端部を有し、
前記第1スイッチは、ドームスイッチであり、
前記複数の第2スイッチそれぞれは、第1導電領域と当該第1導電領域とは異なる第2導電領域とを有し、前記第1導電領域と前記第2導電領域とが前記先端部によって導通されることにより動作する平面スイッチである
請求項2に記載の携帯機器。
【請求項4】
前記第1スイッチの動作の情報を含む第1暗証情報と、当該第1スイッチに対応して検出される前記第2スイッチの組み合わせを含む第2暗証情報とを記憶する暗証情報記憶部と、
前記検出部により前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの動作情報を受信すると共に、前記受信した動作情報と前記暗証情報記憶部に記憶された前記第1暗証情報及び前記第2暗証情報とに基づいて認証を行う認証部と、を備える
請求項1から3のいずれかに記載の携帯機器。
【請求項5】
複数の押下部と当該押下部それぞれに対応した複数の第1スイッチと、を備え、
前記第1暗証情報は、前記第1スイッチのうち複数の所定の第1スイッチの組み合わせ及び動作が検出される順序の情報を有し、
前記第2暗証情報は、前記複数の所定の第1スイッチそれぞれに対応して検出される前記第2スイッチの組み合わせの情報を有する
請求項4に記載の携帯機器。
【請求項6】
前記複数の押下部における複数の所定の前記押下部を押下させることで、所定の押下部に対応した第1スイッチ及び第2スイッチからの動作情報に基づいて前記第1暗証情報及び前記第2暗証情報を生成すると共に、前記生成した前記第1暗証情報及び前記第2暗証情報を前記暗証情報記憶部に記憶させる暗証情報生成部を更に備える
請求項5に記載の携帯機器。
【請求項7】
前記第2凸部の先端部は、所定方向に長い形状であって、長手方向が前記第1導電領域と前記第2導電領域とが並ぶ方向に沿って配置される
請求項3に記載の携帯機器。
【請求項8】
前記筐体の外郭を構成し、開口部を有するケース部材と、を備え、
前記押下部は、前記開口部を介して外部に露出して配置され、
前記複数の第2凸部は、可撓性を有し、前記押下部が押下された場合に該押下部が前記ケース部材の内部に潜り込むことを防止するための部材である
請求項1から7のいずれかに記載の携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公開番号】特開2011−134073(P2011−134073A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292512(P2009−292512)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】