説明

携帯機器

【課題】タッチパネルを用いる必要がないとともに、多数の操作キーが密集して配置される場合であっても携帯機器の操作性および視認性を向上させることが可能な携帯機器を提供する。
【解決手段】この携帯電話機100(携帯機器)は、操作部側本体10および表示部側本体20と、操作部側本体10に固定的に設置され、3つの表示パターンを切り替えて表示可能な複数の操作キー40とを備え、複数の操作キー40を用いて単一の意味を有する操作ボタン42の表示を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯機器に関し、特に、複数の操作キーを備えた携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の操作キーを備えた携帯機器が知られている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
上記特許文献1には、携帯電話機本体と、複数の操作キーとを備えた携帯電話機が開示されている。これらの複数の操作キーは、1つの操作キーについてそれぞれ数字、平仮名およびアルファベットの3種類の文字が割り当てられている。そして、携帯電話機の入力モードを切り替えることにより、割り当てられた3種類の文字のうち選択された入力モードに対応した文字を操作キーがそれぞれ示すように構成されている。また、複数の操作キーは、割り当てられた3つの文字をそれぞれ3つの光源からの光を用いてキートップ(キーの上面部分)に個別に表示することが可能なように構成されている。たとえば入力モードが平仮名の場合には、1つの操作キーに割り当てられた1つの平仮名のみが、その1つの操作キーのキートップの全体に表示される。そして、操作キーは、入力モードが切り替えられると、切り替えられた入力モードに対応した1つの文字のみが1つの操作キーのキートップ全体に表示されるように構成されている。
【0004】
また、上記特許文献2には、電子機器本体と、複数の操作キーとを備えた電子機器が開示されている。これらの複数の操作キーは、1つの操作キーについて数字または記号と、アルファベットとの2種類の文字がそれぞれ割り当てられている。1つの操作キーのキートップには、割り当てられた2種類の文字が併記されている。各操作キーは、2つの光源からの光によって2種類の文字の一方のみが表示されるように構成されている。そして、電子機器の入力モードを切り替えることにより、割り当てられた2種類の文字のうち選択された入力モードに対応した文字のみが、1つの操作キーのキートップに発光表示されるように構成されている。
【0005】
また、上記特許文献3には、携帯電話機本体と、複数の操作キーとを備えた携帯電話機が開示されている。これらの複数の操作キーは、1つの操作キーについて、1つの数字、アルファベットまたは記号などが割り当てられている。そして、携帯電話機の入力モードを切り替えることにより、選択された入力モードに対応した数字、アルファベットなどが各操作キーにより入力されるように構成されている。そして、携帯電話機の入力モードを切り替えると、1つの操作キーに割り当てられた1つの数字、アルファベットまたは記号のうち、選択された入力モードに対応した1つの文字のみがその1つの操作キーのキートップに表示されるように構成されている。
【0006】
また、上記特許文献4には、端末本体部と、キー操作部とを備えた携帯端末が開示されている。このキー操作部は、表面側(操作面側)に設けられたタッチパネルと、タッチパネルの裏面側に設けられた複数の液晶表示フィルムとを含んでいる。複数の液晶表示フィルムには、それぞれ、電話機能のためのテンキーなどが設けられた表示パターンや、メール機能のための平仮名のキーが設けられた表示パターンなどが形成されている。これらの液晶表示フィルムを用いて、液晶表示フィルムに形成されたそれぞれの表示パターンがタッチパネルの裏面側に選択的に表示されるように構成されている。そして、この携帯端末は、電話機能やメール機能を使用する際に携帯端末の各機能に応じた表示パターンを表示するように構成されている。これにより、上記特許文献4による携帯端末では、携帯端末の各機能毎にそれぞれ専用の入力画面を表示するとともに、タッチパネルを用いて入力操作を受け付けるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−304875号公報
【特許文献2】特開2008−98160号公報
【特許文献3】特表2007−522573号公報
【特許文献4】特開2009−44225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、携帯機器の多機能化によって様々な入力形式に対応する必要が生じた結果、携帯機器に設けられる操作キー数が増加する傾向にある。しかしながら、携帯機器の小型化の要請から操作キーの配置スペースが限られるため、多数の操作キーが小型化するとともに密集して配置されることに起因して、操作キーの操作性および視認性が低下してしまうという問題点がある。
【0009】
上記特許文献1〜3に開示された携帯電話機および電子機器では、1つの操作キーについて、入力モードに対応した1つの文字のみをキートップに表示させることによって、操作キーの視認性が低下するのを抑制している一方、操作キーが小型化するとともに密集して配置される場合に、操作キーの視認性を向上させるには不十分であるという問題点がある。また、1つの操作キーについて、操作キーのキートップ以上の大きさの文字を表示することはできないので、操作キーが小型化するとともに密集して配置される場合にはユーザが意図するキーを正確に押下するのが困難である。その結果、操作キーの操作性が低下してしまうという問題点もある。
【0010】
また、上記特許文献4に開示された携帯端末では、キー操作部の表示を、各機能に応じた専用の表示パターンに変更するとともに、タッチパネルを用いて表示パターンに応じた操作入力を検出することが可能な一方、上記特許文献4に開示されたメール画面のように50音を示した多数の小型のキーを密集して配置した表示パターンを用いる場合には、ユーザが意図するキーを正確に押下するのが困難であるという不都合がある。その場合、細かい入力操作を行うためのペン状の入力具を用いるのが一般的であるが、入力具を使用する場合に素早い入力操作を行うことは困難であるので、操作性が低下してしまうという問題点がある。また、タッチパネルは、液晶表示部などが必要であるので構造が複雑になるという問題点もある。
【0011】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、タッチパネルを用いる必要がないとともに、多数の操作キーが密集して配置される場合であっても携帯機器の操作性および視認性を向上させることが可能な携帯機器を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0012】
この発明の一の局面による携帯機器は、携帯機器本体と、携帯機器本体に固定的に設置され、複数の操作キー表示パターンを切り替えて表示可能な複数の操作キーとを備え、複数の操作キーを用いて単一の意味を有する第1操作キー表示パターンの表示を行うように構成されている。
【0013】
この発明の一の局面による携帯機器では、上記のように、複数の操作キーを用いて単一の意味を有する第1操作キー表示パターンの表示を行うことによって、携帯機器によって実行する機能において必要とされる操作キー数が携帯機器に設けられたキー数よりも少ない場合には、第1操作キー表示パターンに切り替えることにより、複数の操作キーを用いて単一の意味を有するキー領域を表示することができる。これにより、単一の意味を有するとともに複数の操作キーを含む広いキー領域を表示することができるので、操作キー(キー領域)の視認性を向上させることができる。この場合、ユーザは複数の操作キーを含む広いキー領域を押下することにより単一の入力操作を行うことができるので、個々の操作キーが小型でかつ密集して形成されている場合にも操作性を向上させることができる。また、携帯機器本体に固定的に設置された複数の操作キーを用いて単一の意味を有するキー領域を表示することができるので、第1操作キー表示パターンに切り替えることによって実質的にキー配置が変更される場合にもタッチパネルを用いる必要がない。これらの結果、タッチパネルを用いる必要がないとともに、多数の操作キーが密集して配置される場合にも携帯機器の操作性および視認性を向上させることができる。
【0014】
上記一の局面による携帯機器において、好ましくは、第1操作キー表示を行う場合に、単一の意味を有する複数の操作キーのうちの少なくとも1つが押下された場合に、操作指示が有効になるように構成されている。このように構成すれば、第1操作キー表示を行って複数の操作キーを用いて単一の意味を有するキー領域を表示する場合に、このキー領域に含まれる複数の操作キーのいずれを押下しても操作指示が入力されるので、複数の小型の操作キーが密集して配置された場合にも容易に操作入力を行うことができる。これにより、携帯機器の操作性をさらに向上させることができる。
【0015】
上記一の局面による携帯機器において、好ましくは、複数の操作キーのみならず複数の操作キー間の操作キー以外の部分も用いて単一の意味を有する第1操作キー表示パターンの表示を行うように構成されている。このように構成すれば、第1操作キー表示パターンを表示する場合にも、複数の操作キーと複数の操作キー間の操作キー以外の部分とを用いて、単一の操作キーに割り当てられる記号などを連続的に表示することができる。これにより、複数の操作キーを含む表示領域の視認性をより向上させることができる。
【0016】
この場合において、好ましくは、複数の操作キーは、シート状部材に一体的に設けられており、シート状部材の操作キーに対応する部分は凸部として形成されるとともに、シート状部材の操作キー以外の部分は凹部として形成されている。このように構成すれば、複数の操作キーを用いた第1操作キー表示パターンを表示した場合にも、実際に入力を受け付ける操作キーに対応する部分を凸形状に形成することができるので、キー入力時の感触(いわゆるクリック感)が明確となる。この結果、入力時の感触を得にくいタッチパネルを用いる場合と異なり、1つ1つのキー入力操作が正しく行われたことをユーザが確認することができるので、携帯機器の操作性をより向上させることができる。
【0017】
上記一の局面による携帯機器において、好ましくは、携帯機器本体は、表示部を含み、表示部に動画が表示されている場合には、第1操作キー表示パターンとして、少なくとも再生ボタンおよび停止ボタンを含む操作ボタンの各々を、複数の操作キーを用いて表示するように構成されている。このように構成すれば、動画の再生時において、少なくとも再生ボタンおよび停止ボタンを複数の操作キーを用いて大きく表示することができる。これにより、ユーザは、複数の操作キーを用いて1つの操作ボタンが表示された動画再生専用の表示パターンによって携帯機器の操作を行うことができるので、動画再生時の各操作ボタンの視認性を向上させることができるとともに、操作性を向上させることができる。
【0018】
上記一の局面による携帯機器において、第1操作キー表示パターンは、数字および文字以外の図柄の操作キー表示パターンを含む。このように構成すれば、一般に多数の操作キーが必要な数字入力時および文字入力時と異なり、数字および文字以外の図柄は、たとえば動画再生時の再生ボタンおよび停止ボタン、またはゲーム機能に用いるボタンなどのように所定の機能毎に専用に用いられる場合が多く、かつ、必要とされるキー数も少ない。一方、これらの数字および文字以外の図柄のキーは、それぞれの機能の使用時においては操作入力の頻度が高い。このため、これらの数字および文字以外の図柄の操作ボタンを第1操作キー表示パターンとして表示する場合には、より多くの操作キーを用いて単一のキー領域の表示を行うことができるので、携帯機器の操作性をさらに向上させることができる。
【0019】
上記一の局面による携帯機器において、好ましくは、複数の操作キーを用いて単一の意味を有する第1操作キー表示パターンを表示する第1モードと、単一の操作キーを用いて単一の意味を有する第2操作キー表示パターンを表示する第2モードとを切替可能に構成されている。このように構成すれば、携帯機器が実行する機能(アプリケーション)毎に必要とされる操作キー数に応じて、第1操作キー表示パターンを表示する第1モードと、第2操作キー表示パターンを表示する第2モードとを切り替えることができる。これにより、複数の操作キーを固定的に設ける場合にも、機能(アプリケーション)に応じてキーの表示領域の大きさやキーの配置を適切に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態による携帯電話機の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した携帯電話機の操作キーの第1表示モードを示した斜視図である。
【図3】図1に示した携帯電話機の操作キーの第2表示モードを示した斜視図である。
【図4】図1に示した携帯電話機の操作キーの第3表示モードを示した斜視図である。
【図5】図1に示した携帯電話機の内部構造を示す分解斜視図である。
【図6】図1に示した携帯電話機の操作キーの第3表示モードを説明するための操作キー部の平面図である。
【図7】図1に示した携帯電話機の操作キー部を説明するための分解斜視図である。
【図8】図1に示した携帯電話機の操作回路部を説明するためのブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態による携帯電話機の操作キーの第3表示モードの第1変形例を説明するための操作キー部の平面図である。
【図10】本発明の一実施形態による携帯電話機の操作キーの第3表示モードの第2変形例を説明するための操作キー部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
まず、図1〜図8を参照して、本発明の一実施形態による携帯電話機100の構成について説明する。なお、本実施形態では、本発明の携帯機器の一例として、表示部が操作部に対してスライド移動するスライド型の携帯電話機100に、本発明を適用した場合について説明する。
【0023】
本発明の一実施形態による携帯電話機100は、図1〜図4に示すように、平面的に見て横長形状を有する操作部側本体10と、操作部側本体10の上面側に取り付けられ、操作部側本体10に対してX方向およびY方向にスライド移動が可能である表示部側本体20とを備えている。なお、操作部側本体10および表示部側本体20は、本発明の「携帯機器本体」の一例である。
【0024】
図1に示すように、携帯電話機100は、ユーザが表示部側本体20をスライド移動させずに操作部側本体10の上に完全に重ねることによって、携帯電話機100の平面積を最も小さくした状態で保持できるように構成されている。
【0025】
また、図5に示すように、操作部側本体10は、操作部側筐体11と、操作回路基板12と、操作キー部13と、スイッチ基板14とによって構成されている。操作部側筐体11は、ダイキャスト成形による金属製(Mg製またはAl製)の蓋部材111が、ポリカーボネート(PC)やABS樹脂からなる樹脂製のケーシング部材112に対してZ方向に嵌め込まれて形成されている。また、操作回路基板12は、操作部側筐体11の内部に収納されるとともに携帯電話機100に種々の機能を実現させる役割を有している。また、操作キー部13は、複数の操作キー40が形成されたシート状形状を有するとともに、スイッチ基板14を介して操作回路基板12と接続されている。なお、操作キー40は、本発明の「操作キー」の一例である。
【0026】
また、表示部側本体20は、表示部側筐体21と、液晶ディスプレイからなる表示部22とによって構成されている。表示部側筐体21は、ポリカーボネート(PCやABS樹脂)からなる樹脂製のパネル部21aが、ダイキャスト成形による金属製(Mg製またはAl製)のケーシング部材21bに対してZ方向に嵌め込まれて形成されている。また、表示部22は、表示部側筐体21の内部に収納されるとともにFPC(Flexible Printed Circuits)(図示せず)を介して操作回路基板12と接続されている。また、表示部22の液晶ディスプレイにはタッチパネルが設けられている。これにより、表示部22に表示されるアイコンなどにユーザが直接触れることによっても、携帯電話機100を操作することができる。また、表示部側本体20の上面には、複数の操作キー23が設けられている。これらの操作キー23は、携帯電話機100の形態(スライドさせているか、重ねているか)に関わらず常に上面に露出して配置されているため、受話および終話などの基本的な機能が割り当てられている。
【0027】
ここで、図5に示すように、操作部側本体10と表示部側本体20とは、操作部側本体10と表示部側本体20との間に配置された板金製のスライドプレート31と、X方向スライダ32およびY方向スライダ33とからなるスライド機構を介して接続されている。
【0028】
上述のようなスライド機構を備えることによって、図2〜図4に示すように、ユーザが図1に示した初期状態から表示部側本体20を操作部側本体10に対してX方向およびこの方向と直交するY方向にスライドさせた状態で携帯電話機100を使用することが可能とされている。すなわち、ユーザが表示部側本体20をX1方向にスライド移動させた場合、図3に示すように、操作キー40のうちの操作部側本体10の上面に露出する領域A(一点鎖線領域)に対応する操作キー群を使用して携帯電話機100を操作することが可能である。また、ユーザが表示部側本体20をY1方向にスライド移動させた場合、図2に示すように、操作キー40のうちの操作部側本体10の上面に露出する領域B(破線領域)に対応する操作キー群を使用して携帯電話機100を操作することが可能であるように構成されている。
【0029】
また、図7に示すように、操作部側本体10の操作キー部13は、部分的に重複した領域Aおよび領域Bを含むL字状形状を有する。また、操作キー部13は、シート基材13a、緑色反射シート13b、青色反射シート13cおよび赤色反射シート13dを含んでいる。操作キー部13は、シート基材13aに対して緑色反射シート13b、青色反射シート13cおよび赤色反射シート13dが蒸着により積層された4層構造を有する。また、シート基材13aは、操作キー部13の表面(操作面)側に配置された樹脂材料からなるシートである。シート基材13aには、複数の凸形状の操作キー40が固定的に形成されている。具体的には、シート基材13aの操作キー40に対応する部分は凸部として形成されるとともに、シート基材13aの操作キー40以外の部分は凹部41として形成されている。操作キー部13は、各操作キー40および凹部41に、それぞれの操作キー40に割り当てられた数字、文字または記号を表示可能なように構成されている。凸形状の複数の操作キー40と、各操作キー40間の凹部41とは、シート基材13aに一体的に形成されている。なお、シート基材13aは、本発明の「シート状部材」の一例である。
【0030】
緑色反射シート13bは、緑色光のみを選択的に反射し、緑色光以外の光を透過する機能を有する。この緑色反射シート13bには、領域Bに含まれる16個の矩形状の操作キー40に対応する位置に、1〜16までの数字からなる表示パターンP1(図2参照)を表示するための複数の開口部P1aが個別に形成されている。また、緑色反射シート13bには、領域Bに含まれる円形状の操作キー40に対応する位置に、4方向(矢印X1、X2、Y1およびY2方向)の矢印の表示パターンP1(図2参照)を表示するための複数の開口部P1aが個別に形成されている。このため、操作キー部13の下方から照射された緑色光が表示パターンP1の形状を有する開口部P1aを通過するとともに、緑色反射シート13bの開口部P1a以外の部分では緑色光が反射されるように構成されている。これにより、操作キー部13の各操作キー40(シート基材13a)には、緑色反射シート13bの開口部P1aを通過した緑色光により、各表示パターンP1(1〜16の数字および4方向の矢印の形状)(図2参照)が緑色に光りながら表示されるように構成されている。
【0031】
青色反射シート13cは、青色光のみを選択的に反射し、青色光以外の光を透過する機能を有する。この青色反射シート13cには、領域Aに含まれる39個の矩形状の操作キー40に対応する位置に、アルファベットの文字(A〜ZおよびA´〜M´)の表示パターンP2(図3参照)を表示するための複数の開口部P2aが個別に形成されている。このため、操作キー部13の下方から照射された青色光が表示パターンP2の形状を有する開口部P2aを通過するとともに、青色反射シート13cの開口部P2a以外の部分では青色光が反射されるように構成されている。これにより、第2表示モードにおいて操作キー部13の各操作キー40(シート基材13a)には、青色反射シート13cの開口部P2aを通過した青色光により、各表示パターンP2(アルファベット(A〜ZおよびA´〜M´))(図3参照)が青色に光りながら表示されるように構成されている。
【0032】
赤色反射シート13dは、赤色光のみを選択的に反射し、赤色光以外の光を透過する機能を有する。この赤色反射シート13dには、複数の操作キー40および凹部41を用いる操作ボタン42(42a〜42e)(図4参照)を表示するための複数の開口部P3aが、領域Aの各操作ボタン42に対応する位置にそれぞれ形成されている。このため、操作キー部13の下方から照射された赤色光が操作ボタン42の形状を有する開口部P3aを通過するとともに、赤色反射シート13dの開口部P3a以外の部分では赤色光が反射されるように構成されている。これにより、第3表示モードにおいて操作キー部13の各操作キー40(シート基材13a)には、赤色反射シート13dの開口部P3aを通過した赤色光により、操作ボタン42(42a〜42e)(図4参照)が赤色に光りながら表示されるように構成されている。
【0033】
また、操作キー部13の下側には、導光板131が配置されるとともに、緑色、青色および赤色の照明光を照射する4個の発光部132が導光板131の側端面131aに設けられている。
【0034】
導光板131は、側端面131aから入射された照明光を表面全体に均一に発光させる機能を有する。これにより、4個の発光部132からの照明光によって緑色、青色および赤色のそれぞれの照明光を操作キー部13の全体に下方から照射するように構成されている。
【0035】
発光部132は、図8に示すように、緑色LED(Light Emitting Diode)132a、青色LED132bおよび赤色LED132cの3つのLEDを含んでいる。この発光部132が緑色LED132a、青色LED132bおよび赤色LED132cのそれぞれを用いて緑色光、青色光および赤色光を導光板131に個別に照射するように構成されている。
【0036】
本実施形態では、これらの各操作キー40の表示は、3つの表示モードに切り替え可能に構成されている。すなわち、操作キー部13は、緑色、青色および赤色のうちいずれか1色の照明光を下方から操作キー部13に対して照射することによって、緑色の表示パターンP1を表示する第1表示モード(図2参照)、青色の表示パターンP2を表示する第2表示モード(図3参照)および赤色の操作ボタン42を表示する第3表示モード(図4参照)のいずれか1つを選択して、切り替え可能に表示するように構成されている。そして、各操作キー40は、それぞれの表示モードにおいて各操作キー40に表示される数字、文字または記号に対応する操作入力を受け付けるように構成されている。
【0037】
具体的には、第1表示モードでは、図2に示すように、単一の操作キー40を用いて単一の意味(1〜16までの数字および4方向の矢印の各々)を有する表示パターンP1が、それぞれの操作キー40に表示されるように構成されている。この第1表示モードでは、携帯電話機100を縦方向(矢印Y1方向)にスライドさせた場合に表示パターンP1が表示されるように構成されている。なお、表示パターンP1は、本発明の「第2操作キー表示パターン」の一例である。また、第1表示モードは、本発明の「第2モード」の一例である。
【0038】
第2表示モードでは、図3に示すように、第2表示モードでは、単一の操作キー40を用いて単一の意味(アルファベットの文字(A〜ZおよびA´〜M´)の各々)を有する表示パターンP2が、それぞれの操作キー40に表示されるように構成されている。この第2表示モードでは、携帯電話機100を横方向(X1方向)にスライドさせた場合に表示パターンP2が表示されるように構成されている。なお、表示パターンP2は、本発明の「第2操作キー表示パターン」の一例である。また、第2表示モードは、本発明の「第2モード」の一例である。
【0039】
ここで、本実施形態では、第3表示モードは、携帯電話機100を用いて動画再生機能を実行する場合(表示部22に動画が表示されている場合)に複数の操作キー40を用いて動画再生機能に使用する操作ボタン42を大きく表示する表示モードである。図4に示すように、この第3表示モードでは、複数の操作キー40を用いて単一の意味を有する操作ボタン42を大きく表示するように構成されている。具体的には、図6に示すように、それぞれ6つの操作キー40を用いて巻き戻しボタン42a、停止ボタン42b、一時停止ボタン42cおよび早送りボタン42eの表示パターンが大きく表示されるとともに、4つの操作キーを用いて再生ボタン42dの表示パターンが大きく表示されている。なお、これらの5つの操作ボタン42の矢印Y1方向側の操作キー40には、個別に「次チャプター」や、「前チャプター」などの操作ボタンが表示されている。なお、操作ボタン42(42a〜42e)は、本発明の「第1操作キー表示パターン」の一例である。また、第3表示モードは、本発明の「第1モード」の一例である。
【0040】
また、本実施形態では、上述の第3表示モードでは、複数の操作キー40に加えて複数の操作キー40の間の凹部41も用いて操作ボタン42の表示を行うように構成されている。このため、各操作ボタン42には、複数の操作キー40と各操作キー40間の凹部41とを用いてそれぞれ単一の意味を示す図柄(「停止」を意味する矩形状の図柄や、「再生」を意味する三角形状の図柄など)の表示パターンが連続的に表示されている。また、各操作ボタン42は、単一の意味を有する複数の操作キー40(操作ボタン42に含まれる操作キー40)のうち、少なくとも1つの操作キー40が押下げられた場合に操作指示が有効になるように構成されている。たとえば、動作再生中に停止ボタン42bの表示領域に含まれる6つの操作キー40の内のいずれか1つでも押下された場合には、動画再生の停止指示が有効となるように構成されている。
【0041】
また、図5に示すように、これらの4層の操作キー部13および導光板131の下面側に、スイッチ基板14が配置されている。スイッチ基板14は、メンブレン方式を用いたキー入力回路が形成されたFPC基板からなる。スイッチ基板14には、操作キー部13の各操作キー40に対応する位置にスイッチ部14aがそれぞれ配置されている。このスイッチ基板14のスイッチ部14aにより、ユーザによる操作キー40の押下入力を検出するように構成されている。このスイッチ基板14は、蓋部材111の上面に固定的に取り付けられるとともに、図示しないリード部が蓋部材111に設けられた孔部111aを介して操作回路基板(メイン基板)12に接続されている。
【0042】
また、図8に示すように、携帯電話機100の操作回路基板12は、CPU(Central Processing Unit)121と、通信回路122と、RAM(Random Access Memory)123と、ROM(Read Only Memory)124と、フラッシュメモリ125と、音声処理回路126と、I/F(Interface)127とを備えている。
【0043】
CPU121は、ROM124に記憶されたプログラムに基づき、RAM123を作業領域として用いて各種演算処理を行うことにより、携帯電話機100全体の制御を行うように構成されている。また、CPU121は、通信回路122および音声処理回路126を用いて、音声通話に伴う制御などを行うように構成されている。また、CPU121は、表示部側本体20のY方向のスライドを検出するための第1位置検出センサ51、表示部側本体20のX方向のスライドを検出するための第2位置検出センサ52、表示部側本体20の操作キー23(表示部側)、操作キー部13の操作キー40(スイッチ基板14)および発光部132と、それぞれI/F127を介して接続されている。
【0044】
CPU121は、発光部132を制御して、操作キー部13の各操作キー40に所定の表示パターン(第1表示モード、第2表示モードまたは第3表示モードの各表示パターン)を表示させる機能を有する。ここで、CPU121は、所定の位置に内蔵された第1位置検出センサ51を用いて表示部側本体20のY方向のスライド動作を検出するとともに、所定の位置に内蔵された第2位置検出センサ52を用いて表示部側本体20のX方向のスライド動作を検出するように構成されている。
【0045】
そして、CPU121は、第1位置検出センサ51からの出力に基づいて発光部132の緑色LED132aを発光させるとともに、第2位置検出センサ52からの出力に基づいて発光部132の青色LED132bを発光させるように構成されている。
【0046】
また、CPU121は、表示部22のタッチパネルや、表示部側本体20に設けられた操作キー23および操作キー部13に設けられた操作キー40などを用いてユーザにより動画再生モードが選択されると、ROM124から動画再生用ソフトウェアを読み込むとともに、フラッシュメモリ125に格納された動画データを読み出すことにより、動画再生を開始するように構成されている。本実施形態では、この動画再生時には、CPU121は、発光部132の赤色LED132cを発光させるように構成されている。
【0047】
なお、各操作キー40が押下されると、押し下げられた操作キー40に対応した信号がスイッチ基板14からCPU121に入力される。このとき、CPU121は、第1表示モードの表示パターンP1、第2表示モードの表示パターンP2または第3表示モードの操作ボタン42のいずれの表示パターンが表示されているかに応じて、押下された操作キー40に対応する操作入力を受け付けるように構成されている。特に、第3表示モードにおいて操作ボタン42が操作キー40(操作キー部13)に表示されている場合には、CPU121は、単一の操作ボタン42に含まれる複数の操作キー40の入力をいずれも同一の操作入力として受け付ける。これにより、操作ボタン42を構成する複数の操作キー40のうちのいずれのキーが入力されても、操作ボタン42に対応する操作指示が有効になる。
【0048】
通信回路122は、アンテナ122aを介して通信用電波の送受信を行う機能を有する。これにより、携帯電話機100は、他の通信端末との電話回線を用いた通話を行うことが可能である。
【0049】
RAM123は、CPU121による制御に伴い生成される一時データなどを書き換え可能に記憶する機能を有する。また、ROM124には、動画再生用ソフトウェアを含むCPU121による各種の機能を実現させるためのプログラムなどが記憶されている。
【0050】
フラッシュメモリ125は、不揮発性メモリからなり、このフラッシュメモリ125には動画データなどが記憶されている。動画データの再生時には、CPU121により動画データがフラッシュメモリ125から読み出されて、表示部22および音声処理回路126に出力される。
【0051】
音声処理回路126は、フラッシュメモリ125に記憶された動画データに含まれる音声データや、通話時の音声データなどを表示部側本体20に内蔵されたスピーカ126aから出力するとともに、マイク126bから入力される音声信号をCPU121に出力する機能を有する。
【0052】
次に、図1〜3および図6〜図8を参照して、本発明の一実施形態による携帯電話機100の各操作キー40の表示パターン切り替え動作を説明する。
【0053】
図1に示すように、ユーザが表示部側本体20を操作部側本体10の上に完全に重ねた状態から表示部側本体20をY方向にスライドさせる場合には、図2に示すように、操作キー部13の領域Bが露出される。この際、表示部側本体20のY方向のスライドに伴い、第1位置検出センサ51(図8参照)からの出力信号がI/F127を介してCPU121に入力される。そして、第1位置検出センサ51からの出力信号に基づき、CPU121により発光部132の緑色LED132aが発光される。図7に示すように、緑色LED132aからの緑色光は、導光板131を介して操作キー部13に下方から照射される。
【0054】
操作キー部13に照射された緑色光は、赤色反射シート13dおよび青色反射シート13cを透過し、緑色反射シート13bに照射される。第1表示モードの表示パターンP1が形成された開口部P1aから照射された緑色光が上方に通過する一方、緑色反射シート13bの開口部P1a以外の部分では緑色光が反射される。これにより、操作キー部13の各操作キー40(シート基材13a)に第1表示モードの緑色の表示パターンP1が表示される。
【0055】
また、ユーザが表示部側本体20を操作部側本体10の上に完全に重ねた状態(図1参照)から表示部側本体20をX方向にスライドさせる場合には、図3に示すように、操作キー部13の領域Aが露出される。この際、表示部側本体20のX方向へのスライドに伴い、第2位置検出センサ52(図8参照)からの出力信号がI/F127を介してCPU121に入力される。そして、第2位置検出センサ52からの出力信号に基づき、CPU121により発光部132の青色LED132bが発光される。図7に示すように、青色LED132bからの青色光は、導光板131を介して操作キー部13に下方から照射される。
【0056】
操作キー部13に照射された青色光は、赤色反射シート13dを透過して青色反射シート13cに照射される。第2表示モードの表示パターンP2が形成された開口部P2aから照射された青色光が上方に通過する一方、青色反射シート13cの開口部P2a以外の部分では青色光が反射される。そして、第2表示モードの表示パターンP2が形成された開口部P2aを通過した青色光が緑色反射シート13bを透過することにより、操作キー部13の各操作キー40(シート基材13a)に第2表示モードの青色の表示パターンP2が表示される。
【0057】
その後、ユーザにより動画再生モードに切り替える操作指示が入力されると、CPU121により、ROM124の動画再生用ソフトウェアが実行されるとともにフラッシュメモリ125から動画データが読み込まることにより動画再生が開始される。この際、図7に示すように、CPU121により発光部132の赤色LED132cが発光され、赤色光が導光板131を介して操作キー部13に下方から照射される。
【0058】
操作キー部13に照射された赤色光は、第3表示モードの操作ボタン42が形成された開口部P3aから上方に通過する一方、赤色反射シート13dの開口部P3a以外の部分では赤色光が反射される。そして、第3表示モードの操作ボタン42が形成された開口部P3aを通過した赤色光が青色反射シート13cおよび緑色反射シート13bを透過することにより、操作キー部13の各操作キー40(シート基材13a)に赤色の操作ボタン42(図6参照)が表示される。
【0059】
このようにして、第1表示モード〜第3表示モードの各表示パターン(表示パターンP1、P2または操作ボタン42)の表示切り替えが行われる。
【0060】
本実施形態では、上記のように、第3表示モードに切り替えることによって、複数の操作キー40を用いて単一の意味を有する操作ボタン42(42a〜42e)を表示することができる。これにより、単一の意味を有するとともに複数の操作キー40を含む広いキー領域(操作ボタン42)を表示することができるので、操作キー40(操作ボタン42)の視認性を向上させることができる。この場合、ユーザは複数の操作キー40を含む広いキー領域(操作ボタン42)を押下することにより単一の入力操作を行うことができるので、個々の操作キー40が小型でかつ密集して形成されている場合にも操作性を向上させることができる。また、操作部側本体10に固定的に設置された複数の操作キー40を用いて単一の意味を有する操作ボタン42を表示することができるので、第3表示モードに切り替えることによって実質的にキー配置が変更される場合にもタッチパネルを用いる必要がない。これらの結果、タッチパネルを用いる必要がないとともに、多数の操作キー40が密集して配置される場合にも携帯電話機100の操作性および視認性を向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、第3表示モードにおいて、操作ボタン42に含まれる複数の操作キー40のうちの少なくとも1つが押下された場合に、操作指示が有効になるように構成することによって、複数の操作キー40を用いて単一の意味を有する操作ボタン42を表示する場合に、この操作ボタン42に含まれる複数の操作キー40のいずれを押下しても操作指示が入力されるので、複数の小型の操作キー40が密集して配置された場合にも容易に操作入力を行うことができる。これにより、携帯電話機100の操作性をさらに向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、複数の操作キー40のみならず複数の操作キー40間の操作キー40以外の部分(凹部41)も用いて操作ボタン42(42a〜42e)の表示を行うように構成することによって、複数の操作キー40と複数の操作キー40間の凹部41とを用いて、各操作ボタン42の「再生(再生ボタン42d)」や「停止(停止ボタン42b)」を示す図柄を連続的に表示することができる。これにより、複数の操作キー40を含む表示領域(操作ボタン42)の視認性をより向上させることができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、操作キー部13(シート基材13a)の操作キー40に対応する部分を凸部として形成するとともに、操作キー部13(シート基材13a)の操作キー40以外の部分を凹部41として形成することによって、複数の操作キー40を用いた操作ボタン42(42a〜42e)を表示した場合にも、実際に入力を受け付ける操作キー40に対応する部分を凸形状に形成することができるので、キー入力時の感触(いわゆるクリック感)が明確となる。この結果、入力時の感触を得にくいタッチパネルを用いる場合と異なり、1つ1つのキー入力操作が正しく行われたことをユーザが確認することができるので、携帯電話機100の操作性をより向上させることができる。
【0064】
また、本実施形態では、上記のように、表示部22に動画が表示されている場合(第3表示モード)には、再生ボタン42d、停止ボタン42b、巻き戻しボタン42a、一時停止ボタン42cおよび早送りボタン42eを含む操作ボタン42の各々を複数の操作キー40を用いて表示することによって、動画の再生時において、各操作ボタン42(42a〜42e)を複数の操作キー40を用いて大きく表示することができる。これにより、ユーザは、複数の操作キー40を用いて1つの操作ボタン42が表示された動画再生専用の表示パターン(操作ボタン42)によって携帯電話機100の操作を行うことができるので、動画再生時の各操作ボタン42の視認性を向上させることができるとともに、操作性を向上させることができる。
【0065】
また、本実施形態では、上記のように、第3表示モードの表示パターンとして、数字および文字以外の図柄の操作ボタン42(42a〜42e)を含むように構成することによって、一般に多数の操作キー40が必要な数字入力時および文字入力時と異なり、数字および文字以外の図柄は、たとえば動画再生時の再生ボタン42dおよび停止ボタン42b、またはゲーム機能に用いるボタンなどのように所定の機能毎に専用に用いられる場合が多く、かつ、必要とされるキー数も少ない。一方、これらの数字および文字以外の図柄のキー(操作ボタン)は、それぞれの機能(アプリケーション)の使用時においては操作入力の頻度が高い。このため、これらの数字および文字以外の図柄の操作ボタン42を表示する場合には、より多くの操作キー40(6つまたは4つの操作キー40)を用いて単一のキー領域(操作ボタン42)の表示を行うことができるので、携帯電話機100の操作性をさらに向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態では、上記のように、複数の操作キー40を用いて単一の意味を有する操作ボタン42(42a〜42e)を表示する第3表示モードと、単一の操作キー40を用いて単一の意味を有する表示パターンP1を表示する第1表示モードと、表示パターンP2を表示する第2表示モードとを切替可能に構成することによって、携帯電話機100が実行する機能(アプリケーション)毎に必要とされる操作キー40の数に応じて、操作ボタン42を表示する第3表示モードと、表示パターンP1を表示する第1表示モードと、表示パターンP2を表示する第2表示モードとを切り替えることができる。これにより、複数の操作キー40を固定的に設ける場合にも、機能(アプリケーション)に応じてキー(操作ボタン)の表示領域の大きさやキー(操作ボタン)の配置を適切に切り替えることができる。
【0067】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0068】
たとえば、上記実施形態では、本発明の携帯機器をスライド式の携帯電話機100により構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明の携帯機器を、スライド式携帯電話機以外の携帯電話機や、携帯情報端末(PDA)、および、いわゆるスマートフォンなどの携帯端末に適用してもよい。この他、本発明の携帯機器を携帯ゲーム機やその他の携帯機器に適用してもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、6つの操作キーを用いて巻き戻しボタン42a、停止ボタン42b、一時停止ボタン42cおよび早送りボタン42eを表示するとともに、4つの操作キー40を用いて再生ボタン42dを表示した例を示したが、本発明はこれに限られない。操作ボタンは、2つ、3つ、5つまたは7つ以上の操作キーを用いて表示してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、操作ボタン42に含まれる操作キー40のうち、少なくとも1つの操作キー40が押下された場合に操作指示が有効になるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、単一の意味を有する複数の操作キー(操作ボタンを構成する複数の操作キー)のうち、1つまたは複数の一部の操作キーが押下された場合に操作指示が有効になるように構成してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、複数の操作キー40に加えて複数の操作キー40の間の凹部41も用いて操作ボタン42の表示を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図9に示す本実施形態の第1変形例のように、凸形状の操作キー40のみを用いて操作ボタンを表示するように構成してもよい。この第1変形例では、複数の操作キー40のキートップ(操作キー40の上面)部分のみを用いて各操作ボタン142(142a〜142e)が表示されている。なお、これらの操作ボタン142は、上記実施形態と同様に、巻き戻しボタン142a、停止ボタン142b、一時停止ボタン142c、再生ボタン142dおよび早送りボタン142eである。
【0072】
また、上記実施形態では、複数の操作キー40をそれぞれ凸部として形成するとともに、操作キー部13の操作キー40以外の部分は凹部41として形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数の操作キーおよび操作キー以外の部分を平坦に形成してもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、複数の操作キー40を用いて巻き戻しボタン42a、停止ボタン42b、一時停止ボタン42c、再生ボタン42dおよび早送りボタン42eの5つの操作ボタン42を表示した例を示したが、本発明はこれに限られない。操作ボタンとして、たとえば再生ボタンおよび停止ボタンのみを複数の操作キーを用いて表示してもよい。また、上記実施形態において操作キー40に個別に表示していた「次チャプター」や、「前チャプター」などの操作ボタンを、複数の操作キー40を用いて表示してもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、複数の操作キー40を用いて動画再生に用いる5つの操作ボタン42を表示した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図10に示す本実施形態の第2変形例のように、複数の操作キー40を用いてゲーム機能に用いる操作ボタン242を表示するように構成してもよい。この第2変形例では、3つの操作キー40およびこの3つの操作キー40の間の凹部41を用いてゲーム機能に用いる「Aボタン」242aおよび「Cボタン」242cを表示する。また、2つの操作キー40およびこの2つの操作キー40の間の凹部41を用いて「Bボタン」242b、「Dボタン」242d、「STARTボタン」242eおよび「SELECTボタン」242fを表示する。また、1つの操作キー40を用いて個別に「方向ボタン」の表示パターンを表示する。また、この第2変形例では、各操作ボタン242の矢印X2方向側にそれぞれの操作ボタンを示す文字(A〜D、STARTおよびSELECT)を表示している。この場合にも、複数の操作キー40を用いてゲーム操作に用いる操作ボタン242(242a〜242f)を表示することによって、操作キー(操作ボタン)の視認性および操作性を向上することが可能である。
【0075】
また、上記実施形態では、複数の操作キー40を用いて単一の意味を有する操作ボタン42を表示する第3表示モードと、単一の操作キー40を用いて単一の意味(1〜16までの数字および4方向の矢印の各々)を有する表示パターンP1を表示する第1表示モードと、単一の操作キー40を用いて単一の意味(アルファベットの文字(A〜ZおよびA´〜M´)の各々)を有する表示パターンP2を表示する第2表示モードとの、3つの表示モードを切り替え可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数の操作キーを用いて単一の意味を有する操作ボタンを表示するモードと、単一の操作キーを用いて単一の意味を有する表示パターンを表示するモードとの2つのモードのみを切り替え可能に構成してもよい。また、本発明では、4つ以上の表示モードを切り替え可能に構成してもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、緑色反射シート13b、青色反射シート13cおよび赤色反射シート13dをそれぞれ用いて、3つの表示モードを切り替え可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、特定の色の光のみを選択的に吸収するフィルタを用いて3つの表示モードを切り替え可能に構成してもよい。すなわち、緑色光のみを選択的に吸収し、緑色光以外の色の光を透過するフィルタに表示パターンP1の開口部P1aを形成する。青色光のみを選択的に吸収し、青色光以外の色の光を透過するフィルタに表示パターンP2の開口部P2aを形成する。また、赤色光のみを選択的に吸収し、赤色光以外の色の光を透過するフィルタに操作ボタン42の開口部P3aを形成する。これにより、3つの表示モードを切り替え可能に構成することができる。
【0077】
また、上記実施形態では、緑色、青色および赤色のうちいずれか1色の照明光を操作キー部13に対して照射することによって、3つの表示モードを切り替え可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、緑色、青色および赤色以外の色の照明光を照射することによって、表示モードを切り替えてもよい。たとえば、紫色光、青緑色光および橙色光の照明光をそれぞれ用いて3つの表示モードを切り替えるように構成してもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、再生ボタン(三角形状の図柄)や停止ボタン(四角形状の図柄)などの数字および文字以外の図柄の操作ボタンを操作キー部13に表示するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、テレビ受信機能を備えた携帯電話機において、テレビ放送を受信中には、チャンネルを送る(次のチャンネル、および、前のチャンネル)操作ボタンや、音量調節(音量上昇および音量減少)ボタンなどの操作ボタンにそれぞれ対応する図柄を表示するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0079】
10 操作部側本体(携帯機器本体)
13a シート基材(シート状部材)
20 表示部側本体(携帯機器本体)
22 表示部
40 操作キー
41 凹部
42、142、242 操作ボタン(第1操作キー表示パターン)
42b、142b 停止ボタン
42d、142d 再生ボタン
P1、P2 表示パターン(第2操作キー表示パターン)
100 携帯電話機(携帯機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯機器本体と、
前記携帯機器本体に固定的に設置され、複数の操作キー表示パターンを切り替えて表示可能な複数の操作キーとを備え、
前記複数の操作キーを用いて単一の意味を有する第1操作キー表示パターンの表示を行うように構成されている、携帯機器。
【請求項2】
前記第1操作キー表示を行う場合に、前記単一の意味を有する複数の操作キーのうちの少なくとも1つが押下された場合に、操作指示が有効になるように構成されている、請求項1に記載の携帯機器。
【請求項3】
前記複数の操作キーのみならず前記複数の操作キー間の前記操作キー以外の部分も用いて前記単一の意味を有する第1操作キー表示パターンの表示を行うように構成されている、請求項1または2に記載の携帯機器。
【請求項4】
前記複数の操作キーは、シート状部材に一体的に設けられており、
前記シート状部材の前記操作キーに対応する部分は凸部として形成されるとともに、前記シート状部材の前記操作キー以外の部分は凹部として形成されている、請求項3に記載の携帯機器。
【請求項5】
前記携帯機器本体は、表示部を含み、
前記表示部に動画が表示されている場合には、前記第1操作キー表示パターンとして、少なくとも再生ボタンおよび停止ボタンを含む操作ボタンの各々を、前記複数の操作キーを用いて表示するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の携帯機器。
【請求項6】
前記第1操作キー表示パターンは、数字および文字以外の図柄の操作キー表示パターンを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯機器。
【請求項7】
前記複数の操作キーを用いて単一の意味を有する第1操作キー表示パターンを表示する第1モードと、単一の前記操作キーを用いて単一の意味を有する第2操作キー表示パターンを表示する第2モードとを切替可能に構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−15187(P2011−15187A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157554(P2009−157554)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】