説明

携帯端末、表示装置、輝度制御方法及び輝度制御プログラム

【課題】複数の表示部を備える携帯端末において、ユーザ操作中においても消費電力を抑えることが可能な携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末は、複数の表示部を備え、各表示部に画像が視認可能に表示されている場合において、入力操作が行われたときに、各表示部のうち、当該入力操作に対応しない他の表示部の表示輝度を現在の輝度より低下させる制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示部を有する携帯電話機等の携帯端末に関し、特に、各表示部の輝度制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯端末において、バッテリでの駆動時間を延ばすために、消費電力量を低減させる技術として、例えば、特許文献1の技術が知られている。
特許文献1の技術は、キー等の視認性を高めるために操作部が備えるバックライトが点灯中である場合において、操作部に対する入力が一定時間以上ないときに、バックライトの明るさを低減させるというものである。
【0003】
ところで、近年では、複数の表示部を備える携帯端末が登場している。
このような携帯端末においても消費電力量を低減させるために、特許文献1の技術を適用して、ユーザ操作がない場合には、各表示部の表示輝度を低減させることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−236144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような複数の表示部を備える携帯端末に特許文献1の技術を適用した場合、ユーザ操作がある間は消費電力量を低減させることができないという問題がある。
そこで、本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、複数の表示部を備える携帯端末において、ユーザ操作中においても消費電力を抑えることが可能な携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯端末は、複数の表示部と、各表示部に画像が視認可能に表示されている場合において、入力操作が行われたときに、各表示部のうち、当該入力操作に対応しない他の表示部の表示輝度を現在の輝度より低下させる制御を行う輝度制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記構成を備える本発明に係る携帯端末によれば、ユーザ操作中においても消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係る携帯電話機100の閉状態及び開状態の外観を示す図
【図2】表示モードがマルチモードである場合における各タッチパネル部の表示例及びユーザ操作例を示す図
【図3】表示モードがシングルモードである場合における各タッチパネル部の表示例及びユーザ操作例を示す図
【図4】携帯電話機100の主要部の機能構成を示すブロック図
【図5】各タッチパネル部へのメニュー画面の表示例を示す図
【図6】携帯電話機100の制御処理を示すフローチャート(図7に続く)
【図7】携帯電話機100の制御処理を示すフローチャート(図6へ戻る)
【図8】各タッチパネル部の輝度レベルを決定する方法を説明するための図
【図9】変形携帯電話機における各タッチパネル部の表示例及びユーザ操作例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る携帯端末の一実施形態としての携帯電話機について説明する。
≪実施の形態≫
<概要>
実施の形態に係る携帯電話機は、2つのタッチパネル部を備え、表示モードがマルチモードである場合において、一方のタッチパネル部に対しユーザの指等の接触による入力がなされたときに、他方のタッチパネル部のバックライトの消灯等を行い、電力消費量の低減を図るものである。
【0010】
この携帯電話機は、その表示モードを上記マルチモードと、シングルモードとの間で切り替えて動作することができる。
マルチモードとは、各タッチパネル部に、実行中の異なる2つのアプリケーションによりそれぞれ指示された画像を表示するモードをいう。また、シングルモードとは、実行中の同一のアプリケーションにより指示された画像を表示するモードをいう。
【0011】
ここで、表示モードがシングルモードである場合に各タッチパネルに表示されている画像の関連性と比較して、マルチモードである場合に各タッチパネル部に表示されている画像の関連性は低いと考えられる。マルチモードである場合において各タッチパネル部に表示される画像は、異なる2つの実行中のアプリケーションによりそれぞれ指示された画像だからである。
【0012】
従って、マルチモードである場合において、ユーザが、一方のタッチパネル部を操作しているときに、他方のタッチパネル部の表示が見えなくなっても、ユーザの操作性はそれほど低下しないと考えられる。
シングルモードである場合に、例えば、1つの大きな画像を各タッチパネルに分割して表示させているようなときには、他方のタッチパネル部の表示が見えなくなってしまうと、ユーザは、スムーズな操作ができなくなるといったような、操作性の低下を比較的強く感じると考えられる。
【0013】
この携帯電話機によれば、表示モードがマルチモードである場合において、入力がなされていない上記他方のタッチパネル部のバックライトを消灯させることで、操作性を維持しつつ、電力消費量を低減させることができる。
<装置構成>
まず、実施の形態に係る携帯電話機100の装置構成について説明する。
【0014】
図1(a)は、携帯電話機100の閉状態の外観を示す斜視図であり、図1(b)は、携帯電話機100の開状態の外観を示す斜視図であり、図1(c)は、携帯電話機100の開状態の外観を示す正面図である。
携帯電話機100は、図1(a)〜(c)に示されるように、第1筐体1と第2筐体2とが相対的に移動可能ないわゆるスライド式の端末であり、第1筐体1、第2筐体2及び第1筐体1と第2筐体2とを接続するアーム3を備えている。
【0015】
第1筐体1には、スピーカ4、マイク5、タッチパネル部110、光センサ130及びタッチキー部140が備えられており、第2筐体2には、タッチパネル部120及びタッチキー部150が備えられている。
アーム3は、その基端側が第2筐体2に回転自在に軸支されており、先端側が第1筐体1をスライド移動並びに回転自在に支持している。
【0016】
従って、この携帯電話機100は、第1筐体1と第2筐体2とが単なる相対回動するだけでなく、閉状態と開状態とに変更することが可能である。
携帯電話機100は、図1(a)に示すように、第2筐体2に第1筐体1が重ね合わさり、タッチパネル部120が視認できない閉状態から、アーム3により、第1筐体1が第2筐体2の主表面に沿って移動し、図1(b)、(c)に示すように、第1筐体1の主表面と第2筐体2の主表面とが略同一平面上に揃う開状態となり、タッチパネル部110及びタッチパネル部120が視認可能な開状態になる。
【0017】
なお、ここでは、各筐体においてタッチパネル部が存在する側の表面を主表面と表現している。
<ユーザインタフェース仕様>
次に、図2及び図3を用いて、携帯電話機100における表示例及び操作例を説明する。
【0018】
図2は、表示モードがマルチモードである場合における各タッチパネル部の表示例及びユーザ操作例を示す図である。
図2(a)は、タッチパネル部110に画像表示アプリケーションから指示された画像(地図画像)が表示され、タッチパネル部120に通話アプリケーションから指示されたテンキー10を含む画像が表示されている場合の例を示している。
【0019】
この状態において、ユーザが、例えば、タッチパネル部120に表示されているテンキー10中の“0”が表示されたキーに指を接触させると、図2(b)に示すように、携帯電話機100は、ユーザが指を接触させていないタッチパネル部110のバックライトを消灯させる。
なお、ユーザが、例えば、操作を行おうと、バックライトが消灯しているタッチパネル部110に指等を接触させると、携帯電話機100は、タッチパネル部110のバックライトを、タッチパネル部120のバックライトと同程度の輝度レベルで点灯させる。
【0020】
図3は、表示モードがシングルモードである場合における各タッチパネル部の表示例及びユーザ操作例を示す図である。
図3(a)は、タッチパネル部110及び120に、画像表示アプリケーションから指示された1つの画像(地図画像)が分割して表示されている場合を例に示している。
ユーザがタッチパネル部120に指を接触させると、図3(b)に示すように、画像表示アプリケーションから指示された、図3(a)で表示されていた地図画像を拡大した地図画像が各タッチパネル部に分割して表示される。携帯電話機100は、このとき各タッチパネル部110のバックライトを点灯させたままにする。
【0021】
これは、シングルモードでは、同一のアプリケーション(この例では、画像表示アプリケーション)により指示された関連性の高い画像(この例では1つの地図画像)が各タッチパネル部に表示されているため、各タッチパネル部の画面が同時に見えないと、操作性が大きく低下すると考えられるためである。
一方、マルチモードでは、図2(a)に示すように、異なるアプリケーションによりそれぞれ指示された比較的関連性の低い画像が各タッチパネル部に表示されているので、シングルモードの場合より、ユーザが、操作性の低下を感じる可能性は低いと考えられる。
【0022】
そのため、この携帯電話機100は、マルチモードである場合に限って、一方のタッチパネル部に対し、ユーザの指等の接触による入力がなされたときに、他方のタッチパネル部のバックライトの消灯等を行うことで、操作性を維持しつつ、電力消費量を低減させることができる。
なお、後に詳細に説明するが、この携帯電話機100は、他方のタッチパネル部のバックライトを消灯させている間、そのタッチパネル部に対する表示の更新を停止すると共に、そのタッチパネル部のコントローラの動作状態を省電力状態へと切り替えさせることで、更に電力消費量の低減を図っている。
【0023】
<機能構成>
図4は、携帯電話機100の主要部の機能構成を示すブロック図である。
携帯電話機100は、同図に示すように、本発明に係る表示装置の一実施形態に係る表示装置170を含んで構成されており、タッチパネル部110、120、光センサ130、記憶部131、開閉検出センサ132、タッチキー部140、150及び制御部160を備える。
【0024】
なお、携帯電話機100は、通常の携帯電話機が備える通信部や、図1で示したスピーカ4、マイク5を備えるが、同図では、図示を省略している。また、携帯電話機100は、プロセッサ及びメモリを含んで構成されており、制御部160の機能は、上述のメモリに記憶されているプログラムを上述のプロセッサが実行することにより実現される。
ここで、タッチパネル部110は、表示部111、タッチセンサ114及びコントローラ115を含み、タッチパネル部120は、表示部121、タッチセンサ124及びコントローラ125を含む。
【0025】
また、表示部111は、LCD(Liquid Crystal Display)112及びバックライト113を含み、表示部121は、LCD122及びバックライト123を含む。
各バックライト(113、123)は、エッジライト方式のLEDバックライトであり、入力された電流量に応じた明るさで発光するものである。
各タッチセンサ(114、124)は、静電容量方式のタッチセンサであり、タッチセンサ114はLCD112に重畳して設けられ、タッチセンサ124は、LCD122に重畳して設けられている。なお、各タッチセンサは、透明部材を用いて構成されており、各LCDに表示された画像が見えるように構成されている。
【0026】
各コントローラ(115、125)は、対応するタッチセンサへのユーザの指等の接触を検出し、通常状態においては、検出している間、一定時間(例えば、25ms)毎に、そのタッチセンサにおける接触位置の座標値(x,y)を制御部160に出力するIC(Integrated Circuit)である。なお、対応するタッチセンサとは、そのコントローラを含むタッチパネル部に含まれるタッチセンサのことをいう。
【0027】
また、各コントローラは、制御部160からの指示により上記通常状態と省電力状態との間で動作状態を切り替えて動作可能である。各コントローラは、省電力状態においては、対応するタッチセンサへのユーザの指等の接触を検出した際に、接触位置の座標値を出力することなく、接触を検出した旨を制御部160に通知する。以下、この通知を「検出通知」ともいう。
【0028】
また、光センサ130は、周囲の明るさを検出し、検出した明るさに対応する電圧レベルの信号を制御部160へ出力する回路であり、例えば、フォトダイオードにより実現される。
また、記憶部131は、各種アプリケーション(通話アプリケーション、画像表示アプリケーション、メールアプリケーション、ウェブブラウザ等)用のプログラム及びそれらのアプリケーションが必要とするデータを記憶する機能を有する。
【0029】
また、開閉検出センサ132は、携帯電話機100が開状態と閉状態とのいずれの状態であるかを示す信号(以下、「開閉状態信号」という)を出力する機能を有する。開閉検出センサ132は、例えば、開状態において接触する第1筐体1の1つの側面と第2筐体2の1つの側面とのうちの一方の側面に埋め込まれた磁石の磁力を他方の側面に埋め込まれたホールセンサにより検出し、検出時に、検出したことを示す信号を開状態を示す開閉状態信号として出力することで実現される。
【0030】
また、各タッチキー部(140、150)は、3つのキーを含み、ユーザが指等を接触させた位置にあるキーに対応する信号を制御部160に出力する機能を有する。
各タッチキー部は、3つのキーを示すマークの形をした透過部を有する樹脂シートと、その樹脂シートの下部に配置され、制御部160の指示により点灯及び消灯するLEDバックライトと、各キーに対応する位置に配置された、例えば、3つの静電容量方式のタッチセンサとを含む。
【0031】
各タッチキー部は、LEDバックライトが点灯している場合に、樹脂シートの透過部から光が通り抜けることで、3つのキーを示すマークが視認可能になる。図2及び図3では、タッチキー部150が視認可能な状態を示し、タッチキー部140が視認不可能な状態を示している。
なお、各タッチキー部は、ユーザが、携帯電話機100の表示モードをマルチモードとシングルモードとの間で切り替える指示を行う際に用いられる。
【0032】
また、制御部160は、一般的な携帯電話機が有する機能の他、特に、表示モードがマルチモードである場合に、ユーザが操作したタッチパネル部とは異なるタッチパネル部における電力消費を低減するように制御する機能を有する。また、制御部160は、開閉検出センサ132からの開閉状態信号に基づいて、携帯電話機100が開状態と閉状態とのいずれの状態であるかを特定する機能も有する。
【0033】
制御部160は、キー制御部161、輝度制御部162、パネル制御部163、アプリケーション実行部164及び表示制御部165を含んで構成される。
ここで、キー制御部161は、各タッチキー部(140及び150)のうち、直近にユーザ操作が行われたタッチパネル部と同じ筐体に配置されているタッチキー部のバックライトのみを点灯させるよう制御する機能を有する。
【0034】
輝度制御部162は、光センサ130から出力された信号に基づいて、各バックライトの明るさを制御すると共に、表示モードと各タッチパネル部に対するユーザ操作の有無に応じて、各タッチパネル部のバックライトの消灯及び点灯を制御する機能を有する。
パネル制御部163は、輝度制御部162がいずれかのバックライトを消灯させた際に、そのバックライトを含むタッチパネル部のコントローラに対し、また検出通知を受けた際に、その検出通知を行ったコントローラに対し、その動作状態を切り替える指示を行う機能を有する。
【0035】
アプリケーション実行部164は、各コントローラ(115、125)から出力された座標値が示す各タッチパネル部における位置に応じた処理を実行する機能を有する。
例えば、図5に示すように、各種アプリケーションを起動するためのアイコンA〜Gが配置されたメニュー画面が各タッチパネル部に表示されている場合に、ユーザがアイコンAの表示位置に指等を接触させると、アプリケーション実行部164は、アイコンAに対応するアプリケーションを起動する。つまり、アプリケーション実行部164は、記憶部131からアイコンAに対応するアプリケーションプログラムを読み出して実行する。
【0036】
なお、アプリケーション実行部164は、上記各種アプリケーションのうち、2つのアプリケーションを時分割で並行実行することができ、上述のように、ユーザによるアプリケーションの起動操作があった場合に、起動操作が行われたタッチパネル部と起動されたアプリケーションとの対応を示す情報(以下、「対応情報」という)を記憶部131に記憶する。
【0037】
例えば、図2に示す状態においては、タッチパネル部110と画像表示アプリケーションとが、タッチパネル部120と通話アプリケーションとが対応することを示す対応情報が記憶部131に記憶されていることになる。また、図3に示す状態においては、例えば、画像表示アプリケーションの起動操作がタッチパネル部120で行われていた場合には、タッチパネル部120と画像表示アプリケーションとが対応することを示す対応情報が記憶部131に記憶されていることになる。
【0038】
また、アプリケーション実行部164は、各タッチキー部から出力された信号に対応するキーに応じた処理(例えば、表示モードをマルチモードとシングルモードとの間で切り替える処理)を実行する機能も有する。
なお、アプリケーション実行部164は、表示モードを示す情報(以下、「モード情報」という)を記憶部131上で管理しており、例えば、各タッチキー部から出力された信号が、表示モードをマルチモードとシングルモードとの間で切り替えるキーに対応する場合、記憶部131のモード情報を、切り替え後の表示モードを示すように更新する。制御部160内の各部は、このモード情報を参照することで、現在の表示モードがマルチモードとシングルモードとのいずれであるかを知ることができる。
【0039】
表示制御部165は、アプリケーション実行部164の処理結果に応じた画面を、各LCD(112、122)に表示させる機能を有する。また、表示制御部165は、輝度制御部162が、いずれかのバックライトを消灯させている間、その消灯しているバックライトを含むタッチパネル部のLCDへの表示の更新を停止させる機能を有する。
<動作>
次に、上記構成を備える携帯電話機100の動作について、図6及び図7を用いて説明する。
【0040】
図6及び図7は、携帯電話機100の制御処理を示すフローチャートである。
同図に示す制御処理は、携帯電話機100の電源がONになると開始され、特に図示していないが、電源がOFFになると終了される。
まず、制御部160は、開閉検出センサ132からの開閉状態信号に基づいて、携帯電話機100が開状態であるかを判定し(図6のステップS1)、開状態でない場合には(ステップS1:NO)、再びステップS1の処理を行う。
【0041】
開状態である場合に(ステップS1:YES)、制御部160の輝度制御部162は、光センサ130からの検出した明るさに対応する電圧レベルの信号に基づいて、各タッチパネル部の輝度レベルを決定する(ステップS2)。
なお、この例では、図8に示すように、各タッチパネル部は、L1〜L5の5段階の輝度レベルで表示可能であるものとする。
【0042】
輝度制御部162は、同図に示すように、光センサ130からの信号が示す明るさの範囲を5段階に分けるための閾値Th1〜Th4を用いて、各タッチパネル部の輝度レベルを決定する。
即ち、同図に示すように、各タッチパネル部の輝度レベルを、光センサ130からの信号が示す明るさがTh1未満である場合には「L1」に、Th1以上Th2未満である場合には「L2」に、Th2以上Th3未満である場合には「L3」に、Th3以上Th4未満である場合には「L4」に、Th4以上である場合には「L5」に決定する。
【0043】
また、輝度制御部162は、ステップS2で決定した各タッチパネル部の輝度レベルと予め対応付けられているその輝度レベルに制御するための電流量を各バックライトに入力することで、各タッチパネル部の輝度レベルがステップS2で決定した輝度レベルになるように各バックライトを点灯させる(ステップS3)。
続いて、輝度制御部162は、いずれかのタッチパネル部においてユーザ操作が行われたかを判定し(ステップS4)、いずれのコントローラからも座標値の出力が行われていない場合には、ユーザ操作が行われていないと判定し(ステップS4:NO)、再びステップS1から処理を行う。
【0044】
また、輝度制御部162は、いずれかのコントローラから座標値の出力が行われた場合には、ユーザ操作が行われたと判定し(ステップS4:YES)、記憶部131のモード情報に基づいて、現在の表示モードがマルチモードであるかを判定する(ステップS5)。
現在の表示モードがシングルモードである場合(ステップS5:NO)、アプリケーション実行部164は、実行中のアプリケーションにおいて、ユーザ操作に対応する処理を実行し、処理結果の画像の表示指示を表示制御部165に行う。この表示指示を受けた表示制御部165は、記憶部131のモード情報がシングルモードを示すため、各タッチパネル部のLCDに処理結果の画像を表示させる(ステップS6)。
【0045】
また、輝度制御部162は、記憶部131のモード情報に基づいて、現在の表示モードがマルチモードに変更されたかを判定し(ステップS7)、マルチモードに変更されたと判定した場合には(ステップS7:YES)、制御部160は、後述するステップS9から処理を行う。また、マルチモードに変更されていないと判定した場合に(ステップS6:NO)、制御部160は、再びステップS1から処理を行う。
【0046】
一方、ステップS5において、現在の表示モードがマルチモードである場合(ステップS5:YES)、アプリケーション実行部164は、ユーザ操作が行われたタッチパネル部(以下、「アクティブパネル部」という)に対応する実行中のアプリケーションにおいて、そのユーザ操作に対応する処理を実行し、処理結果の画像の表示指示を表示制御部165に行う。この表示指示を受けた表示制御部165は、記憶部131のモード情報がマルチモードを示すため、アクティブパネル部のLCDのみに処理結果の画像を表示させる(ステップS8)。つまり、アクティブパネル部とは異なるタッチパネル部(以下、「非アクティブパネル部」ともいう)のLCDの表示画像は更新されない。
【0047】
また、輝度制御部162は、非アクティブパネル部のバックライト(以下、「非アクティブライト」ともいう)を消灯させる。また、パネル制御部163は、非アクティブパネル部のコントローラ(以下、「非アクティブコントローラ」ともいう)にその動作状態を切り替える指示を行い省電力状態に切り替えさせる(ステップS9)。
続いて、輝度制御部162は、非アクティブコントローラから検出通知を受領したか否かを判定し(ステップS10)、受領した場合には(ステップS10:YES)、パネル制御部163は、非アクティブコントローラにその動作状態を切り替える指示を行い通常状態に切り替えさせる。また、輝度制御部162は、非アクティブパネル部の輝度レベルが、アクティブパネル部の輝度レベルと同程度になるように、非アクティブライトを点灯させる(ステップS11)。具体的には、アクティブパネル部のバックライトに入力している電流量と同じ電流量を非アクティブライトに入力する。
【0048】
また、表示制御部165は、非アクティブパネル部のLCD(以下、「非アクティブLCD」という)に画像を表示させる(ステップS12)。特に、アプリケーション実行部164から受けた直近の表示指示がステップS6で行われた指示の場合、非アクティブLCDには、その直近の表示指示に係る画像が表示される。ステップS12の処理を完了すると、制御部160は、再びステップS1から処理を行う。
【0049】
一方、ステップS10において、非アクティブコントローラから検出通知を受領していない場合には(ステップS10:NO)、輝度制御部162は、記憶部131のモード情報に基づいて、現在の表示モードがシングルモードに変更されたかを判定し(ステップS13)、シングルモードに変更されたと判定した場合には(ステップS13:YES)、制御部160は、ステップS11から処理を行う。
【0050】
また、現在の表示モードがシングルモードに変更されていないと判定した場合に(ステップS13:NO)、輝度制御部162は、アクティブパネル部においてユーザ操作が行われたかを判定する(図7のステップS14)。
アクティブパネル部のコントローラから座標値の出力が行われた場合には、輝度制御部162は、ユーザ操作が行われたと判定し(ステップS14:YES)、アプリケーション実行部164は、ステップS8の処理と同様に、アクティブパネル部に対応する実行中のアプリケーションにおいてユーザ操作に対応する処理を実行し、処理結果の画像の表示指示を表示制御部165に行う。この表示指示を受けた表示制御部165は、記憶部131のモード情報がマルチモードを示すため、アクティブパネル部のLCDのみに処理結果の画像を表示させる(ステップS15)。ステップS15の処理が完了すると、制御部160は、再びステップS10から処理を行う。
【0051】
また、アクティブパネル部のコントローラから座標値の出力が行われていない場合には、ユーザ操作が行われていないと判定し(ステップS14:NO)、輝度制御部162は、ステップS2の処理と同様に、光センサ130からの検出した明るさに対応する電圧レベルの信号に基づいて、アクティブパネル部の輝度レベルを決定する(ステップS16)。
【0052】
輝度制御部162は、現在のアクティブパネル部の輝度レベルと、ステップS16で決定した輝度レベルとが異なるかを判定し(ステップS17)、異なる場合には(ステップS17:YES)、ステップS3の処理と同様に、アクティブパネル部の輝度レベルが、ステップS16で決定した輝度レベルになるように、アクティブパネル部のバックライト(アクティブライト)を点灯させる(ステップS18)。
【0053】
ステップS18の処理を完了し、又はステップS17において、現在のアクティブパネル部の輝度レベルと、ステップS16で決定した輝度レベルとが同一である場合には(ステップS17:NO)、制御部160は、ステップS10から処理を行う。
≪補足≫
以上、本発明に係る表示装置及び携帯端末を、実施の形態に基づいて説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した実施の形態で示した通りの表示装置及び携帯電話機に限られないことは勿論である。
【0054】
(1)実施の形態に係る携帯電話機100は、表示モードがマルチモードである場合に、非アクティブパネル部を省電力制御するものとして説明した。即ち、非アクティブライトを消灯させ、非アクティブコントローラを省電力状態に切り替えさせ、非アクティブLCDの表示画像を更新させないものとして説明した。
しかしながら、表示モードによらず、非アクティブパネル部を省電力制御するようにしてもよいし、非アクティブライトを消灯させる制御のみを行い、非アクティブコントローラを省電力状態に切り替えさせず、非アクティブLCDの表示画像を更新させるようにしてもよい。また、非アクティブライトを消灯させずに、非アクティブライトに入力する電流量を低下させることで、非アクティブライトの明るさを低下させ、非アクティブパネル部の輝度を低下させるようにしてもよい。また、非アクティブライトをいきなり消灯させるのではなく、アクティブパネル部でユーザ操作が行われたときから、非アクティブパネル部でユーザ操作が行われるときまで、所定時間毎に、非アクティブライトの明るさを低下させていくようにしてもよく、このとき、最終的に、非アクティブライトを消灯させてもよいし、所定の明るさで維持するようにしてもよい。
【0055】
また、実施の形態に係る携帯電話機100は、表示モードがマルチモードである場合において、非アクティブパネル部を省電力制御した後に、表示モードがマルチモードからシングルモードに変化したときに、非アクティブパネル部の省電力制御を解除するものとして説明した(図6のステップS13:YES、S11、S12参照)。即ち、非アクティブコントローラを通常状態に切り替えさせ、非アクティブライトをアクティブパネル部のバックライトと同程度の明るさで点灯させ、非アクティブLCDの表示画像の更新を再開させるものとして説明した。
【0056】
しかしながら、非アクティブパネル部を省電力制御した後に、表示モードがマルチモードからシングルモードに変化しても、非アクティブパネル部の省電力制御を解除しないようにしてもよい。
また、実施の形態に係る携帯電話機100は、表示モードがシングルモードである場合において、表示モードがシングルモードからマルチモードに変化したときに、非アクティブパネル部の省電力制御を行うものとして説明した(図6のステップS7:YES参照)。
【0057】
しかしながら、表示モードがシングルモードである場合において、表示モードがシングルモードからマルチモードに変化しても、非アクティブパネル部の省電力制御を行わないようにしてもよい。
(2)実施の形態では、各タッチキー部への操作により、携帯電話機100の表示モードを切り替えるものとして説明した。しかしながら、他の操作、例えば、各タッチパネル部への所定の操作に基づいて表示モードを切り替えるようにしてもよい。
【0058】
その場合、携帯電話機100のアプリケーション実行部164を、各タッチパネル部における所定の操作を検出するように変形する必要がある。以下、この変形に係る携帯電話機及びアプリケーション実行部を、「変形携帯電話機」及び「変形アプリケーション実行部」という。
図9は、変形携帯電話機における各タッチパネル部の表示例及びユーザ操作例を示す図である。
【0059】
図9(a)は、表示モードがシングルモードである場合において、タッチパネル部110及び120に、画像表示アプリケーションから指示された1つの画像(写真画像)が分割して表示されているときに、ユーザが各タッチパネル部に対し、指を接触させている様子を示している。
タッチパネル部110と120とに、ユーザの指等が同時に接触している時間が一定時間以上になったことを変形アプリケーション実行部が検出すると、変形携帯電話機は、図9(b)に示すように、メニュー画面を各タッチパネル部に表示する。
【0060】
図9(b)の状態で、例えば、ユーザが、タッチパネル部110に表示されているアイコンAの表示位置と、タッチパネル部120に表示されているアイコンBの表示位置とに指等を接触させると、この変形アプリケーション実行部は、アイコンAに対応するアプリケーション及びアイコンBに対応するアプリケーションを起動すると共に、記憶部131のモード情報を、マルチモードを示すように更新する。
【0061】
このように、変形携帯電話機では、各タッチパネル部にユーザの指等が同時に接触している時間が一定時間以上となる当該各タッチパネル部への操作に基づいて、表示モードを切り替えることができる。
なお、ここでは、表示モードをシングルモードからマルチモードに切り替える場合を例に説明したが、表示モードがマルチモードである場合において、各タッチパネル部にユーザの指等が同時に接触している時間が一定時間以上となる当該各タッチパネル部への操作に基づいて、シングルモードに切り替えることができる。
【0062】
(3)実施の形態では、輝度制御部162が、光センサ130が検出した周囲の明るさに応じて、各タッチパネル部の輝度レベルを決定するものとして説明したが、その他の方法で輝度レベルを決定するようにしてもよい。
例えば、各タッチパネル部の輝度を調整(低下又は上昇)するためのボタンの押下といったユーザ操作に応じて、輝度レベルを決定するよう輝度制御部162を変形してもよい。なお、このボタンは、ハードウェアボタンであってもよいし、各タッチパネル部(110、120)に表示されるソフトウェアボタンであってもよい。
【0063】
また、実施の形態では、各タッチパネル部の輝度レベルは、L1〜L5の5段階あるものとして説明したが、輝度レベルは5段階に限らず、1段階(つまり、点灯時の輝度が固定レベル)以上であれば、5段階より多くても少なくてもよく、ユーザが、段階数の選択肢の中から選択できるようにしてもよい。
(4)実施の形態では、各タッチパネル部の輝度を、各バックライトへの入力電流量により制御するものとして説明したが、各バックライト(LED)の点灯と消灯とを高速に繰り返すことで、輝度を制御するようにしてもよい(いわゆるPWM(Pulse Width Modulation)制御)。
【0064】
また、実施の形態では、各バックライトは、エッジライト方式のLEDバックライトであるものとして説明したが、エッジライト方式によらず、直下型方式のものであってもよいし、LEDバックライトによらず、その他の光源(例えば、冷陰極管、電球、熱陰極管等)を用いたものであってもよい。
(5)実施の形態では、携帯電話機100は1つのプロセッサを含んで構成されており、アプリケーション実行部164は、各種アプリケーションのうち、2つのアプリケーションを時分割で並行実行するものとして説明した。しかしながら、携帯電話機100を、2つのプロセッサと含んで構成されたものに変形し、各プロセッサが1つのアプリケーションを実行することで、2つのアプリケーションを並行実行するようにしてもよい。
【0065】
(6)実施の形態に係る携帯電話機100は、図1(c)に示すように開状態で、タッチパネル部110とタッチパネル部120とが略同一平面上に配置されるものとして説明したが、ユーザが各タッチパネル部の画面を見ることができる態様であれば、どのような配置でもよい。
例えば、開状態で、第1筐体1のタッチパネル部110を含む主表面と、第2筐体2のタッチパネル部120を含む主表面とが略平行になるように配置されてもよいし、第1筐体1のタッチパネル部110を含む主表面と、第2筐体2のタッチパネル部120を含む主表面との間に、ユーザが各タッチパネル部の画面を見ることができる程度の角度が生じるように配置されてもよい。
【0066】
また、実施の形態では、各LCD(112、122)の形状は、略矩形状であるとして説明したが、例えば、円形上、その他多角形状であってもよく、また、各LCDの画素数は同一であっても、異なってもよい。
各タッチパネル部(110及び120)は、各LCD(112、122)を含むものとして説明したが、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むようにしてもよい。
【0067】
また、実施の形態に係る携帯電話機100は、2つのタッチパネル部を備えるものとして説明したが、3つ以上のタッチパネル部を備えるようにしてもよい。
即ち、3つ以上のタッチパネル部を備える携帯電話機においては、1つのタッチパネル部において入力が検出された場合に、その1つのタッチパネル部以外の他の2以上のタッチパネル部の表示輝度を、現在の輝度より低下させるよう制御すればよい。
【0068】
(7)実施の形態に係る携帯電話機100は、スライド式の携帯電話機であるものとして説明したが、複数のタッチパネル部を備える限り、折りたたみ式の携帯電話機やストレート型の携帯電話機等、他の外観を有する携帯電話機であってもよい。
(8)実施の形態に係る各タッチセンサは、静電容量方式のタッチセンサであるものとして説明したが、この静電容量方式のタッチセンサとして、多数の電極パターンをプラスチックやガラス等の基板上に形成し、接触点の近傍の複数の電極パターンによる電流量の比率を計測することで判別する投影型や、導電膜と基板とを有して構成され、基板の隅に電極を設け、導電膜による均一な電界を形成し、指等の接触による隅の端子の電流量の比率を計測して接触位置を判別する表面型等、適宜なものを用いることができる。
【0069】
また、各タッチセンサは、静電容量方式のタッチセンサである場合に限らず、電子ペン等の専用のペンを用いる電磁誘導方式や、2層構造の透明電極からなるマトリクススイッチ方式や、2枚の抵抗膜の1枚に電圧を印加し、他方の抵抗膜において操作した位置に応じた電圧を検知する抵抗膜方式や、振動波の跳ね返りを圧電素子の電圧変化によって検出し、指等の接触を検知する表面弾性波方式や、遮光された赤外線により指等が接触した位置を検出する赤外線方式や、画面に光センサを組み込んで接触位置を検知する光センサ方式等、適宜なものを用いてもよい。
【0070】
(9)実施の形態において説明した各構成要素のうち、全部又は一部を1チップ又は複数チップの集積回路で実現してもよいし、コンピュータのプログラムで実現してもよいし、その他どのような形態で実現してもよい。
また、実施の形態において説明した各構成要素は、携帯電話機が有するプロセッサと協働することにより、その機能を実現する。
【0071】
(10)実施の形態において説明した携帯電話機の制御処理(図6参照)をプロセッサに実行させるためのプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布されたプログラムは、機器におけるプロセッサで読み取り可能なメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのプロセッサがそのプログラムを実行することにより実施の形態で示した携帯電話機の各機能が実現される。
【0072】
(11)実施の形態に係る携帯電話機に、上記(1)〜(10)の一部又は全部の変形を組み合わせて適用してもよい。
(12)以下、更に本発明の一実施形態に係る携帯端末及び表示装置の構成及びその変形例と各効果について説明する。
(a)本発明の一実施形態に係る携帯端末は、複数の表示部と、各表示部に画像が視認可能に表示されている場合において、入力操作が行われたときに、各表示部のうち、当該入力操作に対応しない他の表示部の表示輝度を現在の輝度より低下させる制御を行う輝度制御部とを備える。
【0073】
また、本発明の一実施形態に係る表示装置は、複数の表示部と、各表示部に画像が視認可能に表示されている場合において、入力操作が行われたときに、各表示部のうち、当該入力操作に対応しない他の表示部の表示輝度を現在の輝度より低下させる制御を行う輝度制御部とを備える。
ここで、各表示部に画像が視認可能に表示されている場合とは、各表示部を構成する発光部(例えば、液晶ディスプレイにおけるバックライトや有機ELディスプレイにおける発光層等)が完全に発光していない状態以外の状態をいう。
【0074】
この携帯端末及びこの表示装置によれば、ユーザが入力操作を行った場合に、その入力操作に対応しない他の表示部の表示輝度を低下させ得るので、ユーザ操作中においても機器全体として消費電力を抑えることができる。
(b)また、前記輝度制御部は、前記入力操作に対応する一の表示部の表示輝度を維持することとしてもよい。
【0075】
また、前記携帯端末は、各表示部のうちの相互に異なる1つの表示部を含み、接触による入力操作を検出する複数のタッチパネル部を備え、前記輝度制御部は、各タッチパネル部のうち、接触による入力操作が検出されたタッチパネル部に含まれる表示部を前記一の表示部として、当該タッチパネル部とは異なるタッチパネル部に含まれる表示部を前記他の表示部として、前記制御を行うこととしてもよい。
【0076】
この携帯端末によれば、ユーザが入力操作を行った場合に、その入力操作に対応する一の表示部の表示輝度を維持するため、その入力操作に対応しない他の表示部の表示輝度を低下させることでユーザ操作中においても機器全体として消費電力を抑えつつも、操作性を維持することができる。
(c)また、前記携帯端末は、更に実行中のアプリケーションにより表示指示された画像を、各表示部に表示させる表示制御部を備え、前記輝度制御部は、いずれかのタッチパネル部で接触による入力操作が検出されたときに前記表示制御部が各表示部に表示させている画像が、実行中の異なるアプリケーションによりそれぞれ表示指示された画像であることを条件として、前記制御を行うこととしてもよい。
【0077】
各表示部に表示させている画像が、実行中の異なるアプリケーションにより表示指示された画像である場合の各画像の関連性は、実行中の同一のアプリケーションにより表示指示された画像である場合の各画像の関連性と比較して低く、入力操作に対応しない他の表示部の視認性が低下しても操作性を大きく低下させる可能性は低いと考えられる。
この携帯端末によれば、各表示部に表示させている画像が実行中の異なるアプリケーションにより表示指示された画像である場合、つまり、表示中の各画像の関連性が比較的低いと想定される場合に限って、ユーザが操作を行ったタッチパネル部とは異なるタッチパネル部に含まれる表示部の表示輝度を低下させるので、操作性を維持することができる。
【0078】
(d)また、前記輝度制御部は、更に前記制御を行った後に、前記表示制御部が各表示部に表示させている画像が、実行中の同一のアプリケーションにより表示指示された画像に変化した場合に、前記他の表示部の表示輝度を、前記一の表示部の表示輝度と同程度まで上昇させる制御を行うこととしてもよい。
この携帯端末によれば、各表示部に表示されている画像が、実行中の同一のアプリケーションにより表示指示された画像に変化し、つまり、表示中の各画像の関連性がそれまでよりも高くなると想定される場合に、表示輝度を低下させていた他の表示部の輝度を上昇させるので、操作性を維持することができる。
【0079】
(e)また、前記輝度制御部は、いずれかのタッチパネル部で接触による入力操作が検出されたときに前記表示制御部が各表示部に表示させている画像が、実行中の同一のアプリケーションにより表示指示された画像である場合において、各表示部に表示させている画像が、実行中の異なるアプリケーションにより表示指示された画像に変化したことを条件として、前記制御を行うこととしてもよい。
【0080】
この携帯端末によれば、各表示部に表示されている画像が、実行中の異なるアプリケーションにより表示指示された画像に変化し、つまり、表示中の各画像の関連性がそれまでよりも低くなると想定される場合に、ユーザが操作を行っていないタッチパネル部の表示部の表示輝度を低下させるので、操作性の維持をより確実に行いつつ、消費電力を抑えることができる。
【0081】
(f)また、各表示部は、LCD(Liquid Crystal Display)及び入力された電流量に応じた明るさで発光するバックライトを含み、前記輝度制御部は、前記他の表示部の前記バックライトに入力する電流量を低下させることで、前記制御を行うこととしてもよい。
この携帯端末によれば、各表示部が液晶ディスプレイを含んで構成される場合に、ユーザが行った入力操作に対応しない他の表示部に含まれているバックライトへの入力電流量を低下させることで、比較的簡単に消費電力を抑えることができる。
【0082】
(g)また、前記輝度制御部は、前記他の表示部の前記バックライトへの電流の入力を停止させることで、前記制御を行うものであり、前記携帯端末は、更に前記輝度制御部が前記制御を行う前においては、実行中のアプリケーションにより表示指示された画像を、各表示部に表示させ、前記輝度制御部が前記制御を行った後においては、実行中のアプリケーションにより表示指示された画像を前記他の表示部には表示させない表示制御部を備えることとしてもよい。
【0083】
この携帯端末によれば、ユーザが行った入力操作に対応しない他の表示部に含まれているバックライトへの電流の入力を停止させると共に、表示指示された画像を他の表示部へは表示させないため、携帯端末の消費電力をより抑えることができる。
(h)また、前記輝度制御部は、更に前記制御を行った後に、前記他の表示部を含むタッチパネル部において接触による入力操作が検出された場合に、当該他の表示部の表示輝度を前記一の表示部の表示輝度と同程度まで上昇させるよう制御することとしてもよい。
【0084】
この携帯端末によれば、一旦表示輝度を低下させていた他の表示部を含むタッチパネル部をユーザが操作した場合に、他の表示部の表示輝度を上昇させるので、操作性を維持できる。
(i)また、各タッチパネル部は、それぞれ接触による入力操作を検出し、検出した当該入力操作の位置を示す座標値を出力する通常状態と、接触による入力操作を検出した際に、前記座標値の出力を行うことなく、当該入力操作を検出した旨の通知を出力する省電力状態とを、指示に従って切り替えて動作するコントローラを含み、前記携帯端末は、更に前記輝度制御部が前記制御を行った際に、前記他の表示部を含むタッチパネル部に含まれる前記コントローラに対し、前記省電力状態へ切り替えることを指示し、当該コントローラから前記通知が出力された際に、当該コントローラに対し、前記通常状態に切り替えることを指示するパネル制御部を備えることとしてもよい。
【0085】
この携帯端末によれば、ユーザがいずれかのタッチパネル部に操作を行った際に、そのタッチパネル部とは異なるタッチパネル部のコントローラを、接触位置の座標値を出力しない省電力状態に切り替えて動作させるため、携帯端末全体として、より消費電力を抑えることができる。
(13)本発明に係る携帯端末の複数のタッチパネル部は、例えば、実施の形態に係る携帯電話機100の各タッチパネル部(110、120)に相当する。また、本発明に係る携帯端末の複数の表示部は、例えば、実施の形態に係る携帯電話機100の各表示部(111、121)に相当する。また、本発明に係る携帯端末のLCD及びバックライトは、例えば、実施の形態に係る携帯電話機100の各LCD(112、122)及び各バックライト(113、123)に相当する。また、本発明に係る携帯端末のコントローラは、例えば、実施の形態に係る携帯電話機100の各コントローラ(115、125)に相当する。
【0086】
また、本発明に係る携帯端末の輝度制御部、表示制御部及びパネル制御部は、例えば、実施の形態に係る携帯電話機100の輝度制御部162、表示制御部165及びパネル制御部163に相当する。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明に係る携帯端末は、複数の表示部に画像を表示させて使用する場合に利用される。
【符号の説明】
【0088】
1、2 筐体
3 アーム
4 スピーカ
5 マイク
100 携帯電話機
110、120 タッチパネル部
111、121 表示部
112、122 LCD
113、123 バックライト
114、124 タッチセンサ
115、125 コントローラ
130 光センサ
131 記憶部
132 開閉検出センサ
140、150 タッチキー部
160 制御部
161 キー制御部
162 輝度制御部
163 パネル制御部
164 アプリケーション実行部
165 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示部と、
各表示部に画像が視認可能に表示されている場合において、入力操作が行われたときに、各表示部のうち、当該入力操作に対応しない他の表示部の表示輝度を現在の輝度より低下させる制御を行う輝度制御部とを備える
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記輝度制御部は、
前記入力操作に対応する一の表示部の表示輝度を維持する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記携帯端末は、
各表示部のうちの相互に異なる1つの表示部を含み、接触による入力操作を検出する複数のタッチパネル部を備え、
前記輝度制御部は、各タッチパネル部のうち、接触による入力操作が検出されたタッチパネル部に含まれる表示部を前記一の表示部として、当該タッチパネル部とは異なるタッチパネル部に含まれる表示部を前記他の表示部として、前記制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
前記携帯端末は、更に
実行中のアプリケーションにより表示指示された画像を、各表示部に表示させる表示制御部を備え、
前記輝度制御部は、いずれかのタッチパネル部で接触による入力操作が検出されたときに前記表示制御部が各表示部に表示させている画像が、実行中の異なるアプリケーションによりそれぞれ表示指示された画像であることを条件として、前記制御を行う
ことを特徴とする請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
前記輝度制御部は、更に
前記制御を行った後に、前記表示制御部が各表示部に表示させている画像が、実行中の同一のアプリケーションにより表示指示された画像に変化した場合に、前記他の表示部の表示輝度を、前記一の表示部の表示輝度と同程度まで上昇させる制御を行う
ことを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項6】
前記輝度制御部は、いずれかのタッチパネル部で接触による入力操作が検出されたときに前記表示制御部が各表示部に表示させている画像が、実行中の同一のアプリケーションにより表示指示された画像である場合において、各表示部に表示させている画像が、実行中の異なるアプリケーションにより表示指示された画像に変化したことを条件として、前記制御を行う
ことを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項7】
各表示部は、LCD(Liquid Crystal Display)及び入力された電流量に応じた明るさで発光するバックライトを含み、
前記輝度制御部は、前記他の表示部の前記バックライトに入力する電流量を低下させることで、前記制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項8】
前記輝度制御部は、前記他の表示部の前記バックライトへの電流の入力を停止させることで、前記制御を行うものであり、
前記携帯端末は、更に
前記輝度制御部が前記制御を行う前においては、実行中のアプリケーションにより表示指示された画像を、各表示部に表示させ、
前記輝度制御部が前記制御を行った後においては、実行中のアプリケーションにより表示指示された画像を前記他の表示部には表示させない表示制御部を備える
ことを特徴とする請求項7記載の携帯端末。
【請求項9】
前記輝度制御部は、更に
前記制御を行った後に、前記他の表示部を含むタッチパネル部において接触による入力操作が検出された場合に、当該他の表示部の表示輝度を前記一の表示部の表示輝度と同程度まで上昇させるよう制御する
ことを特徴とする請求項3記載の携帯端末。
【請求項10】
各タッチパネル部は、それぞれ
接触による入力操作を検出し、検出した当該入力操作の位置を示す座標値を出力する通常状態と、接触による入力操作を検出した際に、前記座標値の出力を行うことなく、当該入力操作を検出した旨の通知を出力する省電力状態とを、指示に従って切り替えて動作するコントローラを含み、
前記携帯端末は、更に
前記輝度制御部が前記制御を行った際に、前記他の表示部を含むタッチパネル部に含まれる前記コントローラに対し、前記省電力状態へ切り替えることを指示し、当該コントローラから前記通知が出力された際に、当該コントローラに対し、前記通常状態に切り替えることを指示するパネル制御部を備える
ことを特徴とする請求項3記載の携帯端末。
【請求項11】
複数の表示部と、
各表示部に画像が視認可能に表示されている場合において、入力操作が行われたときに、各表示部のうち、当該入力操作に対応しない他の表示部の表示輝度を現在の輝度より低下させる制御を行う輝度制御部とを備える
ことを特徴とする表示装置。
【請求項12】
複数の表示部を備える携帯端末における輝度制御方法であって、
各表示部に画像が視認可能に表示されている場合において、入力操作が行われたときに、各表示部のうち、当該入力操作に対応しない他の表示部の表示輝度を現在の輝度より低下させる制御を行う輝度制御ステップを含む
ことを特徴とする輝度制御方法。
【請求項13】
複数の表示部を備える携帯端末におけるプロセッサに、輝度制御処理を行わせるためのプログラムであって、
前記輝度制御処理は、
各表示部に画像が視認可能に表示されている場合において、入力操作が行われたときに、各表示部のうち、当該入力操作に対応しない他の表示部の表示輝度を現在の輝度より低下させる制御を行う輝度制御ステップを含む
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−220550(P2012−220550A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83438(P2011−83438)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】