携帯端末、言語設定プログラムおよび言語設定方法
【構成】携帯端末10は、ディスプレイ26およびディスプレイ26の上に設けられるタッチパネル36を備える。ディスプレイ26によって表示される待受画面は機能を実行するため複数のアイコンを含み、さらにディスプレイ26にはアイコンの選択に関係しない特定領域(60)が設定される。タッチ操作によって、特定領域(60)内に手書き文字が入力されると、その手書き文字が文字認識される。たとえば、認識結果の文字がひらがなであれば、プロセサ20は日本語を特定し、使用言語の変更を、日本語が記述されたGUIによって要求する。そして、プロセサ20は、変更を承諾するタッチ操作がされると、携帯端末10で使用される言語を日本語に設定する。
【効果】携帯端末10は、言語設定用のGUIを常に表示させずに、言語の設定を容易に行わせることができる。
【効果】携帯端末10は、言語設定用のGUIを常に表示させずに、言語の設定を容易に行わせることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末に関し、特にたとえば使用言語の設定を変更可能な、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特にたとえば使用言語の設定を変更可能な、装置が知られており、この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術のプリンタは、選択肢や、上下キー、左右キーおよびメニューキーなどが表示される操作パネルを備え、この操作パネルには、日本語や英語などの2つ以上の言語が設定可能である。実施形態1のプリンタでは、操作パネルに表示されるメニューキーが操作されると、上下キーや左右キーによって選択可能な選択肢が表示される。そして、使用者は、選択肢を参照しながら、上下キー、左右キーおよびメニューキーを何度も操作することで、言語変更画面へ移行させ、さらに言語変更の操作を行うことで、操作パネルに表示させる言語の設定を変更することができる。
【0003】
また、実施形態2のプリンタでは、言語変更画面へ移行するための選択肢が常にタッチパネルに表示されているため、使用者はより簡単に言語変更の操作を行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−305690号公報[G06F 3/00, B41J 29/42, H04N 1/00]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来技術の実施形態1では、選択肢の言語が日本語で書かれている場合に、日本語を理解できない使用者では的確に上下キー、左右キーおよびメニューキーを操作できず、使用者は自身が理解できる言語への設定変更を容易に行えない。また、従来技術の実施形態2では、言語変更画面へ移行するための選択肢を常に表示させることで、使用者の利便性を向上させているが、携帯端末に適用する場合に、次のような問題が新たに発生してしまう。
【0006】
携帯端末は、一個人で使用される場合が多く、使用言語の設定が一度行われれば、使用者が表示される言語を理解できないと言った問題は解決してしまう。そのため、表示装置がそれほど大きくない携帯端末において、言語設定の選択肢(アイコン)を常に表示させると、無駄な選択肢を常に表示させることになる。つまり、従来技術の実施形態2は、表示範囲の大きさが限られる携帯端末では、有効な解決手段とはならない。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯端末、言語設定プログラムおよび言語設定方法を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、表示範囲の無駄な利用を避け、かつ容易に言語を設定できる、携帯端末、言語変更プログラムおよび言語変更方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0010】
第1の発明は、待受画面にアイコンを表示する表示手段および表示手段の上に設けられたタッチパネルを有し、アイコンがタッチパネルのタッチ操作によって選択されたときにアイコンが示す機能を実行する携帯端末であって、タッチパネルに対する手書き文字の入力操作を、アイコンの選択に関係しない特定領域で受け付けたとき、手書き文字を認識する認識手段、認識手段による認識結果に基づいて、言語を特定する特定手段、および特定手段によって特定された言語を使用言語として設定する設定手段を備える、携帯端末である。
【0011】
第1の発明では、携帯端末(10)は、ディスプレイ(26)などの表示手段および表示手段の上に設けられた静電容量方式のタッチパネル(36)を有する。表示手段は、スケジュール機能を実行するためのショートカットアイコン(54)や、情報を通知するアイコン(56)などのGUIを含む待受画面を表示する。また、携帯端末10は、たとえばショートカットアイコンを選択するタッチ操作がタッチパネルに対して行われると、スケジュール機能を実行する。表示手段には、アイコンの選択に関係しない特定領域(60)が設定されており、認識手段(20,S21)は、特定領域内に対して手書き文字を入力するタッチ操作されると、パターン認識用の辞書を用いて、手書き文字を認識する。たとえば、認識結果の文字がひらがなであれば、特定手段(20,S33,S53)によって日本語が特定される。そして、特定された言語が日本語である場合に、設定手段(20,S41)は、日本語を使用言語として設定する。
【0012】
第1の発明によれば、使用者は、自身が理解できる言語の文字をタッチパネルに書き込むことで、携帯端末で使用される言語を容易に設定することができる。つまり、言語設定用のGUIを常に表示させずに、言語の設定を容易に行えるようになる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明に従属し、特定手段によって特定された言語への変更の承諾を受け付ける受付手段をさらに備え、設定手段は、受付手段が承諾を受け付けたとき、特定手段によって特定された言語を使用言語として設定する。
【0014】
第2の発明では、受付手段(20,S37)は、たとえば使用言語の設定の変更を承諾する操作を、タッチパネルに対するタッチ操作によって受け付ける。そして、設定手段は、変更を承諾するタッチ操作がされたときに、使用言語の設定を変更する。
【0015】
第2の発明によれば、使用言語の設定を変更する前に、使用者に確認することで、誤って使用言語が設定されるのを防ぐことができる。
【0016】
第3の発明は、第2の発明に従属し、受付手段は、特定手段によって特定された言語で、変更の承諾を受け付ける。
【0017】
第3の発明では、受付手段は、たとえば特定された言語が英語であれば、英語で変更の確認がされた後に、変更を承諾する操作を受け付ける。
【0018】
第3の発明によれば、使用者は、変更される言語を認識した状態で、使用言語を設定することができる。
【0019】
第4の発明は、第3の発明に従属し、表示手段は、特定手段によって言語が特定されたとき、特定手段によって特定された言語で書かれた確認画面を表示し、受付手段は、確認画面に対するタッチ操作を、変更の承諾として受け付ける。
【0020】
第4の発明では、表示手段は、たとえば特定された言語が英語であれば、英語が書かれたポップアップ(74a)を含む確認画面を表示する。そして、受付手段は、確認画面に対するタッチ操作を、変更を承諾する操作として受け付ける。
【0021】
第4の発明によれば、変更の確認が表示手段に表示されるため、変更される言語が正確に使用者に通知される。
【0022】
第5の発明は、第1の発明ないし第4の発明のいずれかに従属し、認識結果によって示される文字が複数の言語で使用される文字であるとき、複数の言語を一覧表示する一覧表示手段をさらに備え、特定手段は、一覧表示された複数の言語の選択結果に基づいて、言語を特定する。
【0023】
第5の発明では、一覧表示手段(20,S27)は、たとえば認識結果の文字がアルファベットであれば、英語、フランス語、スペイン語およびポルトガル語にそれぞれ対応する複数の選択キー(72a−72d)を表示する。そして、特定手段は、操作された選択キーに応じて、言語を特定する。
【0024】
第5の発明によれば、設定可能な言語が一覧表示されるため、使用者は、複数の言語で使用される文字を入力したとしても、自身が理解できる言語を容易に特定し、使用言語として設定することができる。
【0025】
第6の発明は、第1の発明ないし第5の発明のいずれかに従属し、認識手段は、複数の手書き文字の入力操作を受け付けたとき、複数の手書き文字を認識する。
【0026】
第6の発明では、認識手段は、たとえば3文字分の手書き文字が入力されたときに、各手書き文字を認識する。
【0027】
第6の発明によれば、携帯端末では、複数の手書き文字データが入力されない限り、文字認識処理が実行されないため、携帯端末の消費電力が抑えられる。
【0028】
第7の発明は、第1の発明ないし第4の発明のいずれかに従属し、特定手段は、認識結果の文字が言語を特定する特定文字であるとき、特定文字に基づいて言語を特定する文字特定手段を含む。
【0029】
第7の発明では、特定文字は、たとえば設計者によって日本語と対応付けられた「日」や、英語と対応付けられた「E」などである。そして、認識結果の文字が、たとえば「日」であれば、文字特定手段(20,S53)によって日本語が特定される。
【0030】
第7の発明によれば、使用者は特定文字を1文字入力することで、言語の設定を変更できるようになり、言語設定がより簡単に行えるようになる。
【0031】
第8の発明は、待受画面にアイコン(54,56,58)を表示する表示手段(26)および表示手段の上に設けられたタッチパネル(36)を有し、アイコンがタッチパネルのタッチ操作によって選択されたときにアイコンが示す機能を実行する携帯端末(10)のプロセサ(20)を、タッチパネルに対する手書き文字の入力操作を、アイコンの選択に関係しない特定領域(60)で受け付けたとき、手書き文字を認識する認識手段(S21)、認識手段による認識結果に基づいて、言語を特定する特定手段(S33,S53)、および特定手段によって特定された言語を使用言語として設定する設定手段(S41)として機能させる、言語設定プログラムである。
【0032】
第8の発明でも、第1の発明と同様に、使用者は、自身が理解できる言語の文字をタッチパネルに書き込むことで、携帯端末で使用される言語を設定することができる。
【0033】
第9の発明は、待受画面にアイコン(54,56,58)を表示する表示手段(26)および表示手段の上に設けられたタッチパネル(36)を有し、アイコンがタッチパネルのタッチ操作によって選択されたときにアイコンが示す機能を実行する携帯端末(10)の言語変更方法であって、タッチパネルに対する手書き文字の入力操作を、アイコンの選択に関係しない特定領域(60)で受け付けたとき、手書き文字を認識し(S21)、認識結果に基づいて、言語を特定し(S33,S53)、そして特定された言語を使用言語として設定する(S41)、言語設定方法である。
【0034】
第9の発明でも、第1の発明と同様に、使用者は、自身が理解できる言語の文字をタッチパネルに書き込むことで、携帯端末で使用される言語を設定することができる。
【発明の効果】
【0035】
この発明によれば、タッチパネルに対する手書き文字の入力によって、使用される言語を設定できるため、携帯端末は、言語設定用のGUIを常に表示させずに、言語の設定を容易に行わせることができる。
【0036】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は本発明の一実施例の携帯端末の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】図2は図1に示すディスプレイに表示される待受画面の一例を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示すディスプレイに設定される複数の領域の一例を示す図解図である。
【図4】図4は図1に示すプロセサによる言語設定の手順の一例を示す図解図である。
【図5】図5は図1に示すプロセサによる言語設定の手順の他の一例を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示すディスプレイに表示されるGUIを描画するレイヤ構造の一例を示す図解図である。
【図7】図7は図1に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図8】図8は図7に示すGUIアドレスデータの構成の一例を示す図解図である。
【図9】図9は図7に示すGUIデータの構成およびアドレスマップの一例を示す図解図である。
【図10】図10は図1に示すプロセサの言語設定処理の一部を示すフロー図である。
【図11】図11は図1に示すプロセサの言語設定処理の他の一部であって、図10に後続するフロー図である。
【図12】図12は図1に示すプロセサによって認識される特定文字の一例を示す図解図である。
【図13】図13は図1に示すプロセサの他の実施例の言語設定処理の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1を参照して、携帯端末10は、プロセサ(CPUまたはコンピュータと呼ばれることもある。)20およびキー入力装置22を含む。プロセサ20は、CDMA方式に対応する無線通信回路14を制御して発呼信号を出力する。出力された発呼信号は、アンテナ12から送出され、基地局を含む移動通信網に送信される。通話相手が応答操作を行うと、通話可能状態が確立される。
【0039】
通話可能状態に移行した後にキー入力装置22によって通話終了操作が行われると、プロセサ20は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセサ20は、通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセサ20は、通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセサ20は通話処理を終了する。
【0040】
携帯端末10が起動している状態で通話相手からの発呼信号がアンテナ12によって捉えられると、無線通信回路14は、着呼をプロセサ20に通知する。プロセサ20は、バイブレータ38が内蔵するモータを駆動(回転)させることで携帯端末10を振動させ、着呼を使用者に通知する。なお、プロセサ20は、バイブレータ38を駆動させると共に、図示しないスピーカから着呼音を出力させる。
【0041】
そして、プロセサ20は、表示ドライバ24を制御することで、発呼信号と共に通話相手から送信される発信元情報を表示手段であるディスプレイ26に表示させる。
【0042】
通話可能状態では、次のような処理が実行される。通話相手から送られてきた変調音声信号(高周波信号)は、アンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号は、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、得られた受話音声信号は、スピーカ18から出力される。一方、マイク16によって取り込まれた送話音声信号は、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施される。そして、生成された変調音声信号は、上述と同様、アンテナ12を利用して通話相手に送信される。
【0043】
タッチパネル36は、ディスプレイ26の画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。タッチパネル36は、その上面を指で、押したり、撫でたり、触られたりすることにより操作されると、その操作を検出する。そして、タッチパネル36に指が触れると、タッチパネル制御回路34は、その指の位置を特定し、操作された位置の座標データをプロセサ20に出力する。つまり、使用者は、タッチパネル36の上面を指で、押したり、撫でたり、触れたりすることによって、操作の方向や図形などを携帯端末10に入力することができる。
【0044】
また、タッチパネル36は、指が表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式と呼ばれる方式で、1本または複数本の指がタッチパネル36に触れたことを検出する。具体的には、このタッチパネル36は、電極パターンが形成された透明フィルムに、指が接近することで生じる電極間の静電容量の変化を検出する、投影型の静電容量方式が採用されている。なお、検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などであってもよい。なお、ディスプレイ26の表示座標と、タッチパネル36のタッチ位置座標との原点は左上端とする。つまり、横座標は左上端から右上端に向けて大きくなり、縦座標は左上端から左下端に向けて大きくなる。
【0045】
ここで、使用者がタッチパネル36の上面を指で触れる操作を「タッチ」と言うことにする。一方、タッチパネル36から指を離す操作を「リリース」と言うことにする。また、タッチパネル36の表面を撫でる操作を「スライド」と言うことにする。そして、タッチによって示された座標を「タッチ点」(タッチ開始位置)、リリースによって示された座標を「リリース点」(タッチ終了位置)と言うことにする。さらに、使用者がタッチパネル36の上面をタッチして、続けてリリースする操作を「タッチアンドリリース」と言うことにする。そして、タッチ、リリース、スライドおよびタッチアンドリリースなどのタッチパネル36に対して行う操作を、総じて「タッチ操作」と言うことにする。なお、タッチ操作を行うために、専用のタッチペンなどを備えるようにしてもよい。
【0046】
また、携帯端末10は、データ通信機能を備えており、図示しないサーバとのデータ通信を行い、天気情報などを取得することができる。なお、データ通信中における、アンテナ12および無線通信回路14は通信手段として機能し、図示しないサーバは有線または無線でネットワークと接続されている。さらに、携帯端末10は、スケジュール機能や、電卓機能なども備えており、使用者によって任意に実行される。
【0047】
なお、図1に示す携帯端末10のブロック図では、簡単のため、充電池などの図示は省略する。
【0048】
図2(A)、図2(B)は、ディスプレイ26に表示される待受画面の一例を示す図解図である。図2(A)を参照して、ディスプレイ26は、状態表示領域50および機能表示領域52を含む。状態表示領域50には、アンテナ12による電波受信状態、充電池の残電池容量および現在日時などが表示される。また、機能表示領域52には、待受画像およびタッチ操作によって操作できる複数のアイコン(ピクトまたは図柄ともいう。)が表示される。たとえば、図2(A)では、スケジュールアイコン54aおよび電卓アイコン54bから構成されるショートカットアイコン54および予め設定された地域の天気予報の情報などを表示する情報アイコン56が表示される。
【0049】
スケジュールアイコン54aは、上述したスケジュール機能を実行させるためのショートカットであり、スケジュールアイコン54aが操作されると、携帯端末10はスケジュール機能を実行する。電卓アイコン54bは、上述した電卓機能を実行させるためのショートカットであり、電卓アイコン54bが操作されると、携帯端末10は電卓機能を実行する。なお、表示されるショートカットアイコン54の種類や数は、使用者によって任意に変更可能であってもよい。
【0050】
情報アイコン56は、一定時間毎に実行されるデータ通信によって得られた情報を示し、さらに情報アイコン56が操作された場合にはデータ通信機能を実行する。たとえば、天気予報の情報を示す情報アイコン56が操作されると、携帯端末10は天気予報の情報が記憶されるサーバとのデータ通信を開始する。そして、携帯端末10は、降水確率や気温などの詳細な情報を取得し、取得した情報をディスプレイ26に表示する。なお、情報アイコン56に表示される情報は使用者によって変更可能である。
【0051】
図2(B)を参照して、機能表示領域52には、ショートカットアイコン54および情報アイコン56に加え、通知アイコン58がさらに表示される。通知アイコン58は、使用者によって確認されていない情報を通知するためのアイコンであり、通知された情報が使用者によって確認されると、通知アイコン58の表示は消える。
【0052】
たとえば、図2(B)における、通知アイコン58は、着呼処理を行わなかった着呼が確認されていないことを通知している。また、メール機能を備える携帯端末10であれば、通知アイコン58は、新着メールが未確認であることを通知してもよい。
【0053】
なお、他の図面における、状態表示領域50、機能表示領域52、機能アイコン54、情報アイコン56および通知アイコン58については、別段の説明が無い限り、図2(A)、図2(B)と同じであるため、他の図面での詳細な説明は省略する。また、本実施例の携帯端末10は、日本語、中国語、英語、スペイン語、ポルトガル語および韓国語(朝鮮語ともいう場合もある)の中から、日本語が使用言語として設定されている。そのため、ディスプレイ26に表示されるアイコンや、メニューの表示には日本語が用いられる。また、使用者は、或るアイコンの表示範囲にタッチした後にスライドし、任意の位置でリリースする操作(以下、ドラッグアンドドロップという)によって、機能アイコン54、情報アイコン56および通知アイコン58の表示位置を変更できる。
【0054】
ここで、本実施例では、使用者によって入力される手書き文字を認識し、認識結果に基づいて言語を特定することで、携帯端末10で使用される言語を設定する。
【0055】
まず、手書き文字の入力について説明する。図3を参照して、ディスプレイ26の機能表示領域52内には、ショートカットアイコン54、情報アイコン56および通知アイコン58の選択に関係しない特定領域60が設定される。そして、手書き文字の入力は、この特定領域60で受け付ける。つまり、アイコンの選択に関係しない領域で手書き文字の入力を受け付けることで、アイコンに対する誤操作が防止される。
【0056】
次に、手書き文字の認識について説明する。使用者が、タッチパネル36に対して、手書き文字を入力するタッチ操作(スライド操作)を特定領域60内で行うと、RAM28のバッファ内に、スライド操作の軌跡が格納される。そして、3文字分の軌跡が、バッファに格納されると、各軌跡(手書き文字)に対して文字認識処理が実行される。
【0057】
本実施例における文字認識処理では、RAM28のバッファに格納された手書き文字の軌跡は、ノイズ除去および大きさの正規化が行われた後に、特徴量の抽出がされる。そして、抽出された特徴量を基に、ROM30に記憶されているパターン認識用辞書から、文字が検索される。プロセサ20は、検索によって得られた文字を、認識結果の文字として出力する。つまり、携帯端末10は、これらの処理を実行することで、手書き文字を認識する。
【0058】
このように、本実施例では、3文字分の手書き文字データが入力されない限り、文字認識処理が実行されないため、携帯端末10の消費電力を抑えることができる。たとえば、1文字分の手書き文字データが入力される毎に文字認識処理を実行させるようにすると、タッチパネル36に誤ってタッチ操作を行っても文字認識処理が実行され、無駄な電力が消費されてしまう。ところが、3文字分の手書き文字データが入力されるまで文字認識処理を実行しないようにすることで、タッチパネル36に誤ってタッチ操作を行っても、文字認識処理は実行されず、携帯端末10が無駄な電力を消費しなくなる。
【0059】
なお、パターン認識用辞書は、ひらがな、カタカナ、漢字(簡体字、繁体字を含む)、アルファベットおよびハングルのそれぞれを認識するための辞書から構成されている。また、本実施例では、特徴量の抽出に加重方向指数ヒストグラム法が用いられるが、他の手法で特徴量が抽出されてもよい。また、手書き文字を認識する際には、3文字だけに限らず、2文字であってもよいし、4文字以上であってもよい。
【0060】
図4(A)−図4(F)を参照して、使用言語の設定を変更する操作手順について、具体的に説明する。まず、図4(A)−(C)に示すように、「h」、「o」および「w」の手書き文字が特定領域60内に入力されると、プロセサ20はアルファベットの「h」、「o」および「w」を認識する。そして、認識結果の文字がアルファベットである場合、プロセサ20は、アルファベットで表記される言語、つまり英語(English)、フランス語(Francais)、スペイン語(Espanol)およびポルトガル語(Portugues)を選択するキーをディスプレイ26に表示する。
【0061】
図4(D)を参照して、ディスプレイ26には、ポップアップ70が表示され、ポップアップ70内に現在設定されている言語、たとえば日本語で「言語設定メニュー」および「現在の設定言語:日本語」が表示される。さらに、ポップアップ70内には、言語を特定するために、「English」の文字列を含む選択キー72a、「Francais」の文字列を含む選択キー72b、「Espanol」の文字列を含む選択キー72cおよび「Portugues」の文字列を含む選択キー72dが表示される。また、選択キー72a内の「English」は英語であり、選択キー72b内の「Francais」はフランス語であり、選択キー72c内の「Espanol」はスペイン語であり、選択キー72d内の「Portugues」はポルトガル語である。つまり、各選択キー72内の文字列は対応する言語が記述される。
【0062】
このように、設定可能な言語が一覧表示されることで、使用者は、複数の言語で使用される文字を入力したとしても、自身が理解できる言語に設定することができる。
【0063】
また、ポップアップ70内には、言語設定をキャンセルするためのキャンセルキー72eも表示される。そして、使用者は、誤って言語設定メニューのポップアップを表示させたとしても、キャンセルキー72eによってポップアップ70を消去することが出来る。なお、キャンセルキー72eの代わりに、現在設定されている言語に再設定する再選択キーを表示するようにしてもよい。たとえば、図4(D)では、日本語を再選択する再選択キーが表示される。
【0064】
図4(E)を参照して、選択キー72aが操作されると、変更する言語として英語が特定される。そして、プロセサ20は、特定された英語で、使用言語の変更の承諾を要求するポップアップ74aをディスプレイ26に表示する。また、このポップアップ74a内には、「Yes」の文字列を含む承諾キー76aおよび「No」の文字列を含む拒絶キー78aが表示される。
【0065】
図4(F)を参照して、たとえば、承諾キー76aが操作されると、使用言語が英語に設定され、各アイコンは英語で表示される。つまり、スケジュールアイコン54aは「Schedule」の文字列で表され、電卓アイコン54bは「Calculator」の文字列で表される。また、情報アイコン56は「The Weather of Kyoto:Fine」の文字列を含むようになり、通知アイコン58は「Missed Call 1」の文字列で表されるようになる。一方、図4(E)に示す拒絶キー78aが操作されると、使用言語を変更せず、図4(E)の表示から図2(B)などに示す表示に戻る。
【0066】
このように、使用言語の設定を変更する前に、使用者に確認することで、誤って使用言語が設定されるのを防ぐことができる。また、使用言語が変更される前に、変更する言語で事前確認されるため、使用者は変更される言語を認識した状態で使用言語を設定することができる。さらに、変更の確認がディスプレイ26に表示されるため、変更される言語が正確に使用者に通知される。
【0067】
なお、図4(D)で選択キー72b−72dのいずれかが選択された場合には、各選択キーに対応する言語で、使用言語の変更の承諾が要求される。つまり、選択キー72bが選択されればフランス語が記述されたポップアップ74aに表示される。また、選択キー72cが選択されればスペイン語が記述されたポップアップ74aが表示され、選択キー72dが選択されればポルトガル語が記述されたポップアップ74aが表示される。
【0068】
また、簡単のため、図示は省略するが、認識された文字が漢字であれば、図4(D)に示すポップアップ70内には、日本語、中国語および韓国語を選択するための選択キーが表示される。
【0069】
次に、認識結果の文字と対応する言語が1種類の場合について説明する。図5(A)−図5(C)を参照して、「わ」、「た」および「し」を表す、手書き文字が連続して入力されると、プロセサ20はひらがなの「わ」、「た」および「し」を認識する。そして、プロセサ20は、日本語を、使用言語に設定する言語として特定する。つまり、ひらがなは日本語でのみ使用されるため、プロセサ20は、日本語を特定することができる。
【0070】
図5(D)を参照して、プロセサ20は、日本語で、変更の承諾を求めるポップアップ74bを、ディスプレイ26に表示させる。さらに、ポップアップ74b内には、「はい」の文字列を含む承諾キー76bおよび「いいえ」の文字列を含む拒絶キー78bが表示される。そして、承諾キー76bが操作されると、図5(E)に示すように、待受画面に表示される各アイコンは日本語で表示されるようになる。たとえば、使用言語が英語に設定されている場合には、各アイコンの表示が英語から日本語に切り替えられる。
【0071】
このように、使用者は、設定する言語でのみ使用される文字を認識させることで、用言語の設定を変更する操作を、さらに簡単に行うことができる。
【0072】
なお、図示は省略するが、認識結果の文字がカタカナであっても、ひらがなのときと同様に、図5(D)に示すGUIが表示される。さらに、認識結果の文字がハングルであれば、図5(D)に示すGUI、つまりポップアップ74b、承諾キー76bおよび拒絶キー78bはハングルで記述される。
【0073】
また、ポップアップ74a,74bを特に区別しない場合には、ポップアップ74と言う。また、承諾キー76a,76bを特に区別しない場合にも承諾キー76と言い、拒絶キー78a,78bの場合も同様に、拒絶キー78と言う。また、本実施例では、ポップアップ74が表示される画面を確認画面と言うこともある。
【0074】
また、文字認識の結果、3文字が同じ文字の種類でない場合には、最も多い文字の種類に基づいて言語を特定する。たとえば、認識結果の文字のうち、2文字がひらがなであり、1文字が漢字であれば、ひらがなに基づいて言語を特定する。さらに、3文字とも全て異なる文字の種類であれば、文字認識の精度を表す値(たとえば、尤度)が最も大きい文字に基づいて言語を特定する。たとえば、認識結果の文字が、ひらがな、カタカナおよび漢字であり、カタカナの尤度が最も大きければ、カタカナに基づいて言語を特定する。
【0075】
ここで、ディスプレイ26の表示を構成する複数のレイヤについて説明する。具体的には図6(A)−図6(C)に示すように、3つのレイヤ(最上層、中間層、最下層)が重ねて設けられ、仮想空間において、視点側(使用者側)に最上層が設けられ、視点から離れる方向に、中間層および最下層が順次配置される。図6(A)に示す最上層には、たとえばポップアップ74b、承諾キー76bおよび拒絶キー78bが描画される。なお、携帯端末10が実行する機能によっては、最上層には何も描画されない場合がある。
【0076】
図6(B)に示す中間層には、たとえば機能アイコン54、情報アイコン56および通知アイコン58が描画される。また、携帯端末10が実行する機能によって、中間層にはさらに多くのアイコンが描画されることもある。図6(C)に示す最下層には、状態表示領域50および機能表示領域52が描画される。
【0077】
このように、中間層のアイコンや、最上層のポップアップの描画がそれぞれ独立しているため、プロセサ20は、ディスプレイ26の表示を切り替える処理を、短時間で行うことができる。
【0078】
図7は、RAM30のメモリマップを示す図解図である。図7を参照して、RAM30のメモリマップには、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ28から一度に全部または必要に応じて部分的にかつ順次的に読み出され、RAM30に記憶されてからプロセサ20などで処理される。
【0079】
プログラム記憶領域302は、携帯端末10を動作させるためのプログラムを記憶する。携帯端末10を動作させるためのプログラムは、文字認識プログラム310および言語設定プログラム312などから構成される。
【0080】
文字認識プログラム310は、タッチパネル36によって入力される手書き文字を認識するためのプログラムである。言語設定プログラム312は、携帯端末10で使用する言語を設定するためのプログラムである。なお、図示は省略するが、携帯端末10動作させるためのプログラムは、通話を行うためのプログラムおよびネットワークのサーバとのデータ通信を行うためのプログラムなどを含む。
【0081】
データ記憶領域304には、タッチバッファ330、表示座標バッファ332、タッチ軌跡バッファ334、文字バッファ336および文字認識バッファ338などが設けられる。また、データ記憶領域304には、GUIアドレスデータ340、GUIデータ342およびタッチ座標マップデータ344などが記憶されると共に、待受フラグ346、タッチフラグ348、リリースカウンタ350および選択カウンタ352などが設けられる。
【0082】
タッチバッファ330は、タッチパネル36によって検出されたタッチなどの入力結果を一時記憶するためのバッファであり、たとえばタッチ点、リリース点および現在のタッチ位置の座標データを一時的に記憶する。表示座標バッファ332は、ディスプレイ26によって表示されている複数のアイコンの表示位置座標や、特定領域60の位置座標が一時的に記憶されるバッファである。つまり、手書き文字の入力操作およびアイコンの選択操作などがされた場合に、表示座標バッファ332に記憶されているデータが参照される。
【0083】
タッチ軌跡バッファ334は、スライド操作におけるタッチ位置の軌跡を記録するためのバッファであり、手書き文字の入力操作と判断されるまでのタッチの軌跡は、タッチ軌跡バッファ334に記録される。
【0084】
文字バッファ336は、手書き文字として判断されたスライドの軌跡を格納するためのバッファである。つまり、手書き文字として判断された場合に、タッチ軌跡バッファ334に格納されたタッチの軌跡が、文字バッファ336にそのまま格納される。文字認識バッファ338は、文字認識プログラム310の処理が実行されるときに用いられるバッファであり、たとえばノイズ除去および大きさの正規化がされたデータが格納される。
【0085】
GUIアドレスデータ340は、後述するGUIデータ342を読み出すときに参照されるデータであり、GUIデータ342が記憶されるデータ領域のメモリアドレスを含む。たとえば、図8を参照して、GUIアドレステーブルはGUIアドレスデータ340の構成の一例である。GUIアドレステーブルは、GUIの列およびメモリアドレスの列を含んでおり、GUIの列には、待受画面に表示されるアイコンやポップアップなどのGUIを意味する待受画面GUI、携帯端末10の設定を変更するためのメインメニューのGUIを意味するメインメニューGUIおよび電話機能における各メニューのGUIを意味する電話メニューGUIなどが記録される。そして、メモリアドレスの列には、GUIの列に対応してデータ領域のメモリアドレスが記憶される。
【0086】
たとえば、待受画面に表示されるGUIデータは、「0XA0000000」−「0XA000FFFF」のメモリアドレスで示されるデータ領域に記憶されている。また、メインメニューのGUIデータは「0XA0010000」−「0XA001FFFF」のメモリアドレスで示されるデータ領域に記憶され、電話メニューのGUIデータは「0XA0020000」−「0XA002FFFF」のメモリアドレスで示されるデータ領域に記憶されている。なお、本実施例では、各データ領域の最初のメモリアドレスを先頭アドレスと呼ぶ。たとえば、待受画面のGUIデータが記憶されるデータ領域の先頭アドレスは、「0XA0000000」である。
【0087】
図7に戻って、GUIデータ342は、たとえばディスプレイ26に表示される、機能アイコン54、情報アイコン56および通知アイコン58を表示するための画像データや、文字列データを含む。また、図9(A)を参照して、GUIデータ346は、日本語GUIデータ346a、英語GUIデータ346b、フランス語GUIデータ346c、スペイン語GUIデータ346d、ポルトガル語GUIデータ346e、中国語GUIデータ346fおよび韓国語GUIデータ346gを含む。
【0088】
そして、図9(B)を参照して、GUIデータ342のアドレスマップでは各データの先頭アドレスが示される。つまり、日本語GUIデータ342aが記憶されるデータ領域の先頭アドレスは「0XA0000000」であり、英語GUIデータ342bでは先頭アドレスが「0XB0000000」であり、フランス語GUIデータ342cでは先頭アドレスが「0XC0000000」であり、スペイン語GUIデータ342dでは先頭アドレスが「0XD0000000」であり、ポルトガル語GUIデータ342eでは先頭アドレスが「0XE0000000」であり、中国語GUIデータ342fでは先頭アドレスが「0XF0000000」であり、韓国語GUIデータ342gでは先頭アドレスが「0XA1000000」である。
【0089】
ここで、図8および図9(B)を参照して、本実施例の携帯端末10において、使用言語が英語に設定されると、待受画面GUIに対応するメモリアドレスは、英語GUIデータ342bの先頭アドレスに基づいて、「0XB0000000」−「0XB000FFFF」に変更される。さらに、待受画面GUIの変更に合わせて、メインメニューGUIおよび電話メニューGUIに対応するメモリアドレスも変更される。つまり、使用言語の設定が変更されると、GUIデータ342を読み出す際に参照されるメモリアドレスが変更される。
【0090】
図7に戻って、タッチ座標マップデータ344は、タッチパネル制御回路34によって特定されるタッチ点などの座標を、ディスプレイ26の表示座標と対応付けるためのデータである。つまり、プロセサ20は、タッチ座標マップデータ334に基づいて、タッチパネル36に対して行われたタッチ操作の結果をディスプレイ26の表示に対応付けることができる。
【0091】
待受フラグ346は、ディスプレイ26に待受画面が表示されているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、待受フラグ346は、1ビットのレジスタで構成される。待受フラグ346がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、待受フラグ346がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。また、待受フラグ346は、待受画面を表示する操作がされるとオンなり、待受画面が表示されている状態で他の画面に遷移する操作がされるとオフになる。
【0092】
タッチフラグ348は、タッチパネル36にタッチしているか(触れているか)否かを判断するためのフラグである。なお、タッチフラグ348の構成は、待受フラグ346と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0093】
リリースカウンタ350は、タッチパネル36から指などが離された(リリースされた)時間をカウントするためのカウンタである。また、選択カウンタ352は、言語設定処理において、ポップアップ70またはポップアップ74が表示されてからの時間を計測するためのカウンタである。
【0094】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、待受画面で表示される待受画像データや、他の携帯端末10に設定されている電話番号などから構成されるアドレス帳データなどが記憶されると共に、携帯端末10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0095】
プロセサ20は、「Linux(登録商標)」および「REX」などのRTOS(Real-time Operating System)の制御下で、図10および図11に示す言語設定処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
【0096】
図10は、言語設定処理のフロー図である。たとえば、携帯端末10の電源がオンにされると、プロセサ20は、ステップS1で待受画面が表示されているか否かを判断する。つまり、待受フラグ346がオンであるか否かを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまり待受画面が表示されていなければ、ステップS1の判断を繰り返し実行する。一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり待受画面が表示されていれば、ステップS3でタッチされたか否かを判断する。つまり、タッチフラグ348がオンであるか否かを判断する。
【0097】
ステップS3で“NO”であれば、つまりタッチされていなければ、ステップS1に戻る。一方、ステップS3で“YES”であれば、つまりタッチされていれば、ステップS5でアイコンが操作された否かを判断する。つまり、タッチバッファ330に格納されているタッチ点が、表示座標バッファ332に格納されているアイコンの表示座標内に含まれているか否かを判断する。また、ステップS5でこのように判断することで、手書き文字の入力中に、手書き文字の軌跡がアイコンの表示範囲を通過した場合や、手書き文字の入力における最後の部位がアイコンの表示範囲内に含まれる場合は、アイコンの操作として判断されない。つまり、タッチ点が特定領域60に含まれている状態で、タッチ後のスライドの軌跡およびリリース点がアイコンの表示領域内に含まれていたとしても、アイコンを選択する操作として判断しないようにすることができる。
【0098】
ステップS5で“YES”であれば、つまりアイコンが操作されていれば、ステップS7でアイコンが示す機能を実行し、ステップS9で実行される機能に応じてディスプレイ26の表示を切り替える。そして、ステップS9の処理が終了すれば、言語設定処理を終了する。たとえば、スケジュールアイコン54aの表示範囲内にタッチ点が含まれていれば、プロセサ20は、スケジュール機能を実行し、スケジュール機能に応じたGUIをディスプレイ26に表示させる。
【0099】
また、ステップS5で“NO”であれば、つまりアイコンが操作されておらず、タッチ点が特定領域60内に含まれていれば、タッチ操作の軌跡を記録する。たとえば、タッチ軌跡バッファ334にスライド操作によるタッチ位置の変化履歴を記録する。なお、タッチ点が特定領域60にも含まれていなければ、ステップS5の処理を繰り返し実行する。続いて、ステップS13では、リリースされてから第1所定時間(たとえば、0.2秒)が経過したか否かを判断する。つまり、1文字目の入力が継続しているか否かを判断する。また、第1所定時間の判断には、リリースカウンタ350の値が参照される。
【0100】
ステップS13で“NO”であれば、つまり第1所定時間が経過していなければ、ステップS11に戻ってスライド操作の軌跡を引き続き記録する。一方、ステップS13で“YES”であれば、つまり第1所定時間が経過していれば、ステップS15で軌跡を1文字として記録する。つまり、タッチ軌跡バッファ334に格納されるスライド操作の軌跡を、文字バッファ336に格納する。なお、本実施例では、1文字分のデータは2次元配列を利用して記録される。
【0101】
続いて、ステップS17では、第2所定時間(たとえば、1秒)以内に再タッチされたか否かを判断する。つまり、次の手書き文字を入力する操作が開始された否かを判断する。また、第2所定時間の判断にもリリースカウンタ350の値が参照される。ステップS17で“YES”であれば、つまり次の手書き文字の入力が開始されれば、ステップS11に戻る。一方、ステップS17で“NO”であれば、つまり第2所定時間以内に、次の手書き文字を入力する操作が開始されなければ、ステップS19で3文字分のデータが記録されたか否かを判断する。たとえば、文字バッファ336に3文字分の2次元配列が格納されているか否かを判断する。ステップS19で“NO”であれば、つまり3文字分のデータが記録されていなければ、言語設定処理を終了する。一方、ステップS19で“YES”であれば、つまり3文字分のデータが記録されていれば、ステップS21で文字認識処理を実行する。つまり、文字バッファ336に格納されている手書き文字のデータに対して、文字認識処理を実行する。なお、ステップS21の処理を実行するプロセサ20は、認識手段として機能する。
【0102】
図11を参照して、ステップS23では、設定可能な言語の文字であるか否かを判断する。つまり、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットまたはハングルであるか否かを判断する。ステップS23で“NO”であれば、つまり設定可能な言語の文字でなければ、言語設定処理を終了する。一方、ステップS23で“YES”であれば、たとえば認識した文字がひらがなまたはアルファベットなどであれば、ステップS25で認識結果の文字に対応する言語が1つだけか否かを判断する。つまり、認識結果の文字がひらがな、カタカナまたはハングルであるか否かを判断する。
【0103】
なお、ステップS23では、認識結果の文字が、記号(@,+など)または数字(1,2,…)であれば、“NO”と判断してもよい。また、ステップS25で、認識結果の文字がアルファベットまたは漢字であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0104】
ステップS25で“YES”であれば、つまり認識結果の文字がひらがな、カタカナまたはハングルであればステップS33に進む。一方、ステップS25で“NO”であれば、つまり認識結果の文字がアルファベットまたは漢字であれば、ステップS27で選択可能な言語を一覧表示する。たとえば、認識結果の文字がアルファベットであれば、図4(D)に示すように、英語、フランス語、スペイン語およびポルトガル語を一覧表示する。また、認識結果の文字が漢字であれば、日本語、中国語および韓国語を一覧表示する。なお、ステップS27の処理を実行するプロセサ20は一覧表示手段として機能する。
【0105】
続いて、ステップS29では、言語が選択されたか否かを判断する。たとえば、ディスプレイ26に表示された選択キー72a−72dのいずれか1つが操作されたか否かを判断する。ステップS29で“NO”であれば、つまり選択キーが選択されなければ、ステップS31で第3所定時間(たとえば、5秒)が経過したか否かを判断する。つまり、ステップS31では、各選択キーが表示されたままの状態に陥っているか否かを判断する。また、第3所定時間の経過を判断する際には、選択カウンタ352の値が参照される。
【0106】
ステップS31で“NO”であれば、つまり第3所定時間が経過していなければ、ステップS29に戻る。一方、ステップS31で“YES”であれば、ディスプレイ26に表示されるポップアップ70および選択キー72a−72dを消去して、言語設定処理を終了する。なお、キャンセルキー72eが操作された場合も言語設定処理を終了する。
【0107】
また、ステップS29で“YES”であれば、つまり選択キー72a−72dのいずれか1つが選択されれば、ステップS33で変更する言語を特定する。たとえば、英語に対応する選択キー72aが操作されていれば、変更する言語が英語に特定される。また、認識結果の文字がひらがなであれば、変更する言語が日本語に特定される。なお、ステップS33の処理を実行するプロセサ20は特定手段として機能する。
【0108】
続いて、ステップS35では、特定された言語で、使用言語の変更の承諾を受け付ける。たとえば、特定された言語が英語であれば、図4(E)に示すように、英語で記述されたGUI、つまりポップアップ74a、承諾キー76aおよび拒絶キー78aをディスプレイ26が表示される。また、特定された言語が日本語であれば、図5(D)に示すように、日本語で記述されたGUI、つまりポップアップ74b、承諾キー76bおよび拒絶キー78bをディスプレイ26が表示される。なお、言語変更の承諾の要求を、特定された言語で発話された音声によって行ってもよい。
【0109】
続いて、ステップS37では、変更が承諾されたか否かを判断する。つまり、承諾キー76に対するタッチ操作を受け付けたか否かを判断する。ステップS37で“NO”であれば、つまり承諾キー76および拒絶キー78が操作されなければ、ステップS39で第4所定時間(たとえば、10秒)が経過したか否かを判断する。つまり、変更の承諾を要求したままの状態に陥っているか否かを判断する。また、第4所定時間の経過を判断する際にも、選択カウンタ352の値が参照される。ステップS39で“NO”であれば、つまり第4所定時間が経過していなければ、ステップS37に戻る。一方、ステップS39で“YES”であれば、つまり第4所定時間が経過していれば、ディスプレイ26に表示されるGUIを消去して、言語設定処理を終了する。なお、拒絶キー78が操作された場合も同様に、言語設定処理を終了する。
【0110】
また、ステップS37で“YES”であれば、つまり承諾キー76が操作されれば、ステップS41で使用言語を設定し、言語設定処理を終了する。つまり、GUIアドレスデータ340に記録されるデータ領域のメモリアドレスを、設定された言語に対応するメモリアドレスに変更する。また、ステップS37の処理を実行するプロセサ20は受付手段として機能し、ステップS41の処理を実行するプロセサ20は設定手段として機能する。
【0111】
なお、本実施例では、ステップS41で使用言語が英語に設定された場合には、サーバに記憶される文字列は、英語に翻訳されてから取得される。また、翻訳処理はサーバ側で行われるが、携帯端末10で行うように設定されてもよい。
【0112】
また、言語設定処理は、ステップS1−S41の処理を繰り返し実行するようにしてもよい。つまり、言語設定処理が終了しても、再びステップS1の処理が実行されるようにする。また、言語設定処理は、待受フラグ346がオンにされたときに、ステップS1を省略してステップS3の処理から実行し、待受フラグ346がオフにされたときに終了してもよい。
【0113】
また、他の実施例では、認識結果の文字が、言語を特定する特定文字であるか否かを判断して、言語を特定するようにしてもよい。
【0114】
図12(A)、図12(B)を参照して、「日」または「あ」の手書き文字が特定領域60に入力されれば、変更する言語として日本語が特定される。また、図12(C)、図12(D)を参照して、「中」または「亞」の手書き文字が特定領域60に入力されれば、変更する言語として中国語が特定される。また、手書き文字として、図12(E)および図12(F)に示すハングル文字が入力されれば、変更する言語として韓国語が特定される。そして、図12(G)、図12(H)を参照して、「E」または「A」の手書き文字が入力されれば、変更する言語として英語が特定される。
【0115】
なお、特定文字は、携帯端末10の設計者によって予め設定される。そして、フランス語などの他の言語を特定する文字も、設計者によって予め設定されてもよい。
【0116】
また、図13を参照して、言語設定処理としては、ステップS15(図10参照)の次に、ステップS21で文字認識処理を実行する。続いて、ステップS51で特定文字であるか否かを判断する。つまり、図12(A)−図12(H)に示した8個の文字のいずれか1つであるか否かを判断する。ステップS51で“NO”であれば、つまり特定文字でなければ言語設定処理を終了する。一方、ステップS51で“YES”であれば、つまり特定文字であれば、ステップS53で特定文字に基づいて、変更する言語を特定し、ステップS35に進む。たとえば、ステップS53では、認識結果の文字が「日」または「あ」であれば、変更する言語が日本語に特定される。
【0117】
このように、使用者は特定文字を入力することで、言語の設定を変更できるようになり、言語設定の変更がより簡単に行えるようになる。
【0118】
以上の説明から分かるように、携帯端末10は、ディスプレイ26およびディスプレイ26の上に設けられるタッチパネル36を備える。ディスプレイ26には、ショートカットアイコン54、情報アイコン56および通知アイコン58を含む待受画面が表示され、さらに、これらのアイコンの選択に関係しない特定領域60が設定される。
【0119】
この特定領域60内に、手書き文字がタッチ操作によって入力されると、プロセサ20は、文字認識処理を実行することで手書き文字を認識する。また、認識結果の文字がひらがなであれば、プロセサ20は日本語を特定する。そして、プロセサ20は使用言語の変更を、日本語が記述されたポップアップ74bおよび承諾キー76bによって要求し、承諾キー76bが操作されると、携帯端末10で使用される言語が日本語に設定される。
【0120】
これによって、使用者は、タッチパネル36に対する手書き文字の入力によって、使用される言語を設定できる。そして、携帯端末10は、言語設定用のGUIを常に表示させずに、言語の設定を容易に行わせることができる。
【0121】
なお、本実施例では、ドラッグアンドドロップによってアイコンの表示位置を変更する操作は、アイコンを選択する操作に含まれる。また、或るアイコンの表示範囲にタッチしてから他のアイコンの表示範囲でリリースするドラッグアンドドロップも、アイコンを選択する操作に含まれる。つまり、プロセサ20は、アイコンに対するドラッグアンドドロップを、手書き文字の入力操作と判断しない。
【0122】
さらに、他の実施例において、ドラッグアンドドロップによってアイコンの表示位置が変更できない場合は、タッチ後に一定距離(たとえば、10mm)のスライドがされれば、アイコンの選択操作とは判断せずに、手書き文字の入力と判断するようにしてもよい。つまり、このような場合は、機能表示領域52と特定領域60とが同じ大きさに設定されてもよい。
【0123】
また、ディスプレイ26にはLCDモニタが利用されるが、他の有機ELパネルなどの他の表示装置が利用されてもよい。
【0124】
また、言語認識処理では、ロシア語で使われるキリル文字などの多くの文字を認識できるようにされてもよい。そして、携帯端末10に設定される言語も、ロシア語など多くの言語が設定されるように設計されてもよい。さらに、文字入力機能を備える携帯端末10であれば、使用言語が変更されると、文字入力モードの初期状態も合わせて切り替える。たとえば、使用言語が日本語から英語に変更されると、文字入力モードの初期状態は、日本語の文字入力モードから、英語の文字入力モードに切り替えられる。
【0125】
また、携帯端末10の通信方式には、CDMA方式に限らず、W-CDMA方式、TDMA方式、PHS方式およびGSM方式などを採用してもよい。携帯端末10のみに限らず、スライド機構を備えるPDA(Personal Digital Assistant)や、ノートPCなどの携帯情報端末などであってもよいし、携帯型ゲーム機であってもよい。
【符号の説明】
【0126】
10 … 携帯端末
20 … プロセサ
22 … キー入力装置
26 … ディスプレイ
32 … ROM
36 … タッチパネル
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末に関し、特にたとえば使用言語の設定を変更可能な、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特にたとえば使用言語の設定を変更可能な、装置が知られており、この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術のプリンタは、選択肢や、上下キー、左右キーおよびメニューキーなどが表示される操作パネルを備え、この操作パネルには、日本語や英語などの2つ以上の言語が設定可能である。実施形態1のプリンタでは、操作パネルに表示されるメニューキーが操作されると、上下キーや左右キーによって選択可能な選択肢が表示される。そして、使用者は、選択肢を参照しながら、上下キー、左右キーおよびメニューキーを何度も操作することで、言語変更画面へ移行させ、さらに言語変更の操作を行うことで、操作パネルに表示させる言語の設定を変更することができる。
【0003】
また、実施形態2のプリンタでは、言語変更画面へ移行するための選択肢が常にタッチパネルに表示されているため、使用者はより簡単に言語変更の操作を行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−305690号公報[G06F 3/00, B41J 29/42, H04N 1/00]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来技術の実施形態1では、選択肢の言語が日本語で書かれている場合に、日本語を理解できない使用者では的確に上下キー、左右キーおよびメニューキーを操作できず、使用者は自身が理解できる言語への設定変更を容易に行えない。また、従来技術の実施形態2では、言語変更画面へ移行するための選択肢を常に表示させることで、使用者の利便性を向上させているが、携帯端末に適用する場合に、次のような問題が新たに発生してしまう。
【0006】
携帯端末は、一個人で使用される場合が多く、使用言語の設定が一度行われれば、使用者が表示される言語を理解できないと言った問題は解決してしまう。そのため、表示装置がそれほど大きくない携帯端末において、言語設定の選択肢(アイコン)を常に表示させると、無駄な選択肢を常に表示させることになる。つまり、従来技術の実施形態2は、表示範囲の大きさが限られる携帯端末では、有効な解決手段とはならない。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯端末、言語設定プログラムおよび言語設定方法を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、表示範囲の無駄な利用を避け、かつ容易に言語を設定できる、携帯端末、言語変更プログラムおよび言語変更方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0010】
第1の発明は、待受画面にアイコンを表示する表示手段および表示手段の上に設けられたタッチパネルを有し、アイコンがタッチパネルのタッチ操作によって選択されたときにアイコンが示す機能を実行する携帯端末であって、タッチパネルに対する手書き文字の入力操作を、アイコンの選択に関係しない特定領域で受け付けたとき、手書き文字を認識する認識手段、認識手段による認識結果に基づいて、言語を特定する特定手段、および特定手段によって特定された言語を使用言語として設定する設定手段を備える、携帯端末である。
【0011】
第1の発明では、携帯端末(10)は、ディスプレイ(26)などの表示手段および表示手段の上に設けられた静電容量方式のタッチパネル(36)を有する。表示手段は、スケジュール機能を実行するためのショートカットアイコン(54)や、情報を通知するアイコン(56)などのGUIを含む待受画面を表示する。また、携帯端末10は、たとえばショートカットアイコンを選択するタッチ操作がタッチパネルに対して行われると、スケジュール機能を実行する。表示手段には、アイコンの選択に関係しない特定領域(60)が設定されており、認識手段(20,S21)は、特定領域内に対して手書き文字を入力するタッチ操作されると、パターン認識用の辞書を用いて、手書き文字を認識する。たとえば、認識結果の文字がひらがなであれば、特定手段(20,S33,S53)によって日本語が特定される。そして、特定された言語が日本語である場合に、設定手段(20,S41)は、日本語を使用言語として設定する。
【0012】
第1の発明によれば、使用者は、自身が理解できる言語の文字をタッチパネルに書き込むことで、携帯端末で使用される言語を容易に設定することができる。つまり、言語設定用のGUIを常に表示させずに、言語の設定を容易に行えるようになる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明に従属し、特定手段によって特定された言語への変更の承諾を受け付ける受付手段をさらに備え、設定手段は、受付手段が承諾を受け付けたとき、特定手段によって特定された言語を使用言語として設定する。
【0014】
第2の発明では、受付手段(20,S37)は、たとえば使用言語の設定の変更を承諾する操作を、タッチパネルに対するタッチ操作によって受け付ける。そして、設定手段は、変更を承諾するタッチ操作がされたときに、使用言語の設定を変更する。
【0015】
第2の発明によれば、使用言語の設定を変更する前に、使用者に確認することで、誤って使用言語が設定されるのを防ぐことができる。
【0016】
第3の発明は、第2の発明に従属し、受付手段は、特定手段によって特定された言語で、変更の承諾を受け付ける。
【0017】
第3の発明では、受付手段は、たとえば特定された言語が英語であれば、英語で変更の確認がされた後に、変更を承諾する操作を受け付ける。
【0018】
第3の発明によれば、使用者は、変更される言語を認識した状態で、使用言語を設定することができる。
【0019】
第4の発明は、第3の発明に従属し、表示手段は、特定手段によって言語が特定されたとき、特定手段によって特定された言語で書かれた確認画面を表示し、受付手段は、確認画面に対するタッチ操作を、変更の承諾として受け付ける。
【0020】
第4の発明では、表示手段は、たとえば特定された言語が英語であれば、英語が書かれたポップアップ(74a)を含む確認画面を表示する。そして、受付手段は、確認画面に対するタッチ操作を、変更を承諾する操作として受け付ける。
【0021】
第4の発明によれば、変更の確認が表示手段に表示されるため、変更される言語が正確に使用者に通知される。
【0022】
第5の発明は、第1の発明ないし第4の発明のいずれかに従属し、認識結果によって示される文字が複数の言語で使用される文字であるとき、複数の言語を一覧表示する一覧表示手段をさらに備え、特定手段は、一覧表示された複数の言語の選択結果に基づいて、言語を特定する。
【0023】
第5の発明では、一覧表示手段(20,S27)は、たとえば認識結果の文字がアルファベットであれば、英語、フランス語、スペイン語およびポルトガル語にそれぞれ対応する複数の選択キー(72a−72d)を表示する。そして、特定手段は、操作された選択キーに応じて、言語を特定する。
【0024】
第5の発明によれば、設定可能な言語が一覧表示されるため、使用者は、複数の言語で使用される文字を入力したとしても、自身が理解できる言語を容易に特定し、使用言語として設定することができる。
【0025】
第6の発明は、第1の発明ないし第5の発明のいずれかに従属し、認識手段は、複数の手書き文字の入力操作を受け付けたとき、複数の手書き文字を認識する。
【0026】
第6の発明では、認識手段は、たとえば3文字分の手書き文字が入力されたときに、各手書き文字を認識する。
【0027】
第6の発明によれば、携帯端末では、複数の手書き文字データが入力されない限り、文字認識処理が実行されないため、携帯端末の消費電力が抑えられる。
【0028】
第7の発明は、第1の発明ないし第4の発明のいずれかに従属し、特定手段は、認識結果の文字が言語を特定する特定文字であるとき、特定文字に基づいて言語を特定する文字特定手段を含む。
【0029】
第7の発明では、特定文字は、たとえば設計者によって日本語と対応付けられた「日」や、英語と対応付けられた「E」などである。そして、認識結果の文字が、たとえば「日」であれば、文字特定手段(20,S53)によって日本語が特定される。
【0030】
第7の発明によれば、使用者は特定文字を1文字入力することで、言語の設定を変更できるようになり、言語設定がより簡単に行えるようになる。
【0031】
第8の発明は、待受画面にアイコン(54,56,58)を表示する表示手段(26)および表示手段の上に設けられたタッチパネル(36)を有し、アイコンがタッチパネルのタッチ操作によって選択されたときにアイコンが示す機能を実行する携帯端末(10)のプロセサ(20)を、タッチパネルに対する手書き文字の入力操作を、アイコンの選択に関係しない特定領域(60)で受け付けたとき、手書き文字を認識する認識手段(S21)、認識手段による認識結果に基づいて、言語を特定する特定手段(S33,S53)、および特定手段によって特定された言語を使用言語として設定する設定手段(S41)として機能させる、言語設定プログラムである。
【0032】
第8の発明でも、第1の発明と同様に、使用者は、自身が理解できる言語の文字をタッチパネルに書き込むことで、携帯端末で使用される言語を設定することができる。
【0033】
第9の発明は、待受画面にアイコン(54,56,58)を表示する表示手段(26)および表示手段の上に設けられたタッチパネル(36)を有し、アイコンがタッチパネルのタッチ操作によって選択されたときにアイコンが示す機能を実行する携帯端末(10)の言語変更方法であって、タッチパネルに対する手書き文字の入力操作を、アイコンの選択に関係しない特定領域(60)で受け付けたとき、手書き文字を認識し(S21)、認識結果に基づいて、言語を特定し(S33,S53)、そして特定された言語を使用言語として設定する(S41)、言語設定方法である。
【0034】
第9の発明でも、第1の発明と同様に、使用者は、自身が理解できる言語の文字をタッチパネルに書き込むことで、携帯端末で使用される言語を設定することができる。
【発明の効果】
【0035】
この発明によれば、タッチパネルに対する手書き文字の入力によって、使用される言語を設定できるため、携帯端末は、言語設定用のGUIを常に表示させずに、言語の設定を容易に行わせることができる。
【0036】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は本発明の一実施例の携帯端末の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】図2は図1に示すディスプレイに表示される待受画面の一例を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示すディスプレイに設定される複数の領域の一例を示す図解図である。
【図4】図4は図1に示すプロセサによる言語設定の手順の一例を示す図解図である。
【図5】図5は図1に示すプロセサによる言語設定の手順の他の一例を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示すディスプレイに表示されるGUIを描画するレイヤ構造の一例を示す図解図である。
【図7】図7は図1に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図8】図8は図7に示すGUIアドレスデータの構成の一例を示す図解図である。
【図9】図9は図7に示すGUIデータの構成およびアドレスマップの一例を示す図解図である。
【図10】図10は図1に示すプロセサの言語設定処理の一部を示すフロー図である。
【図11】図11は図1に示すプロセサの言語設定処理の他の一部であって、図10に後続するフロー図である。
【図12】図12は図1に示すプロセサによって認識される特定文字の一例を示す図解図である。
【図13】図13は図1に示すプロセサの他の実施例の言語設定処理の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1を参照して、携帯端末10は、プロセサ(CPUまたはコンピュータと呼ばれることもある。)20およびキー入力装置22を含む。プロセサ20は、CDMA方式に対応する無線通信回路14を制御して発呼信号を出力する。出力された発呼信号は、アンテナ12から送出され、基地局を含む移動通信網に送信される。通話相手が応答操作を行うと、通話可能状態が確立される。
【0039】
通話可能状態に移行した後にキー入力装置22によって通話終了操作が行われると、プロセサ20は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセサ20は、通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセサ20は、通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセサ20は通話処理を終了する。
【0040】
携帯端末10が起動している状態で通話相手からの発呼信号がアンテナ12によって捉えられると、無線通信回路14は、着呼をプロセサ20に通知する。プロセサ20は、バイブレータ38が内蔵するモータを駆動(回転)させることで携帯端末10を振動させ、着呼を使用者に通知する。なお、プロセサ20は、バイブレータ38を駆動させると共に、図示しないスピーカから着呼音を出力させる。
【0041】
そして、プロセサ20は、表示ドライバ24を制御することで、発呼信号と共に通話相手から送信される発信元情報を表示手段であるディスプレイ26に表示させる。
【0042】
通話可能状態では、次のような処理が実行される。通話相手から送られてきた変調音声信号(高周波信号)は、アンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号は、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、得られた受話音声信号は、スピーカ18から出力される。一方、マイク16によって取り込まれた送話音声信号は、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施される。そして、生成された変調音声信号は、上述と同様、アンテナ12を利用して通話相手に送信される。
【0043】
タッチパネル36は、ディスプレイ26の画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。タッチパネル36は、その上面を指で、押したり、撫でたり、触られたりすることにより操作されると、その操作を検出する。そして、タッチパネル36に指が触れると、タッチパネル制御回路34は、その指の位置を特定し、操作された位置の座標データをプロセサ20に出力する。つまり、使用者は、タッチパネル36の上面を指で、押したり、撫でたり、触れたりすることによって、操作の方向や図形などを携帯端末10に入力することができる。
【0044】
また、タッチパネル36は、指が表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式と呼ばれる方式で、1本または複数本の指がタッチパネル36に触れたことを検出する。具体的には、このタッチパネル36は、電極パターンが形成された透明フィルムに、指が接近することで生じる電極間の静電容量の変化を検出する、投影型の静電容量方式が採用されている。なお、検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などであってもよい。なお、ディスプレイ26の表示座標と、タッチパネル36のタッチ位置座標との原点は左上端とする。つまり、横座標は左上端から右上端に向けて大きくなり、縦座標は左上端から左下端に向けて大きくなる。
【0045】
ここで、使用者がタッチパネル36の上面を指で触れる操作を「タッチ」と言うことにする。一方、タッチパネル36から指を離す操作を「リリース」と言うことにする。また、タッチパネル36の表面を撫でる操作を「スライド」と言うことにする。そして、タッチによって示された座標を「タッチ点」(タッチ開始位置)、リリースによって示された座標を「リリース点」(タッチ終了位置)と言うことにする。さらに、使用者がタッチパネル36の上面をタッチして、続けてリリースする操作を「タッチアンドリリース」と言うことにする。そして、タッチ、リリース、スライドおよびタッチアンドリリースなどのタッチパネル36に対して行う操作を、総じて「タッチ操作」と言うことにする。なお、タッチ操作を行うために、専用のタッチペンなどを備えるようにしてもよい。
【0046】
また、携帯端末10は、データ通信機能を備えており、図示しないサーバとのデータ通信を行い、天気情報などを取得することができる。なお、データ通信中における、アンテナ12および無線通信回路14は通信手段として機能し、図示しないサーバは有線または無線でネットワークと接続されている。さらに、携帯端末10は、スケジュール機能や、電卓機能なども備えており、使用者によって任意に実行される。
【0047】
なお、図1に示す携帯端末10のブロック図では、簡単のため、充電池などの図示は省略する。
【0048】
図2(A)、図2(B)は、ディスプレイ26に表示される待受画面の一例を示す図解図である。図2(A)を参照して、ディスプレイ26は、状態表示領域50および機能表示領域52を含む。状態表示領域50には、アンテナ12による電波受信状態、充電池の残電池容量および現在日時などが表示される。また、機能表示領域52には、待受画像およびタッチ操作によって操作できる複数のアイコン(ピクトまたは図柄ともいう。)が表示される。たとえば、図2(A)では、スケジュールアイコン54aおよび電卓アイコン54bから構成されるショートカットアイコン54および予め設定された地域の天気予報の情報などを表示する情報アイコン56が表示される。
【0049】
スケジュールアイコン54aは、上述したスケジュール機能を実行させるためのショートカットであり、スケジュールアイコン54aが操作されると、携帯端末10はスケジュール機能を実行する。電卓アイコン54bは、上述した電卓機能を実行させるためのショートカットであり、電卓アイコン54bが操作されると、携帯端末10は電卓機能を実行する。なお、表示されるショートカットアイコン54の種類や数は、使用者によって任意に変更可能であってもよい。
【0050】
情報アイコン56は、一定時間毎に実行されるデータ通信によって得られた情報を示し、さらに情報アイコン56が操作された場合にはデータ通信機能を実行する。たとえば、天気予報の情報を示す情報アイコン56が操作されると、携帯端末10は天気予報の情報が記憶されるサーバとのデータ通信を開始する。そして、携帯端末10は、降水確率や気温などの詳細な情報を取得し、取得した情報をディスプレイ26に表示する。なお、情報アイコン56に表示される情報は使用者によって変更可能である。
【0051】
図2(B)を参照して、機能表示領域52には、ショートカットアイコン54および情報アイコン56に加え、通知アイコン58がさらに表示される。通知アイコン58は、使用者によって確認されていない情報を通知するためのアイコンであり、通知された情報が使用者によって確認されると、通知アイコン58の表示は消える。
【0052】
たとえば、図2(B)における、通知アイコン58は、着呼処理を行わなかった着呼が確認されていないことを通知している。また、メール機能を備える携帯端末10であれば、通知アイコン58は、新着メールが未確認であることを通知してもよい。
【0053】
なお、他の図面における、状態表示領域50、機能表示領域52、機能アイコン54、情報アイコン56および通知アイコン58については、別段の説明が無い限り、図2(A)、図2(B)と同じであるため、他の図面での詳細な説明は省略する。また、本実施例の携帯端末10は、日本語、中国語、英語、スペイン語、ポルトガル語および韓国語(朝鮮語ともいう場合もある)の中から、日本語が使用言語として設定されている。そのため、ディスプレイ26に表示されるアイコンや、メニューの表示には日本語が用いられる。また、使用者は、或るアイコンの表示範囲にタッチした後にスライドし、任意の位置でリリースする操作(以下、ドラッグアンドドロップという)によって、機能アイコン54、情報アイコン56および通知アイコン58の表示位置を変更できる。
【0054】
ここで、本実施例では、使用者によって入力される手書き文字を認識し、認識結果に基づいて言語を特定することで、携帯端末10で使用される言語を設定する。
【0055】
まず、手書き文字の入力について説明する。図3を参照して、ディスプレイ26の機能表示領域52内には、ショートカットアイコン54、情報アイコン56および通知アイコン58の選択に関係しない特定領域60が設定される。そして、手書き文字の入力は、この特定領域60で受け付ける。つまり、アイコンの選択に関係しない領域で手書き文字の入力を受け付けることで、アイコンに対する誤操作が防止される。
【0056】
次に、手書き文字の認識について説明する。使用者が、タッチパネル36に対して、手書き文字を入力するタッチ操作(スライド操作)を特定領域60内で行うと、RAM28のバッファ内に、スライド操作の軌跡が格納される。そして、3文字分の軌跡が、バッファに格納されると、各軌跡(手書き文字)に対して文字認識処理が実行される。
【0057】
本実施例における文字認識処理では、RAM28のバッファに格納された手書き文字の軌跡は、ノイズ除去および大きさの正規化が行われた後に、特徴量の抽出がされる。そして、抽出された特徴量を基に、ROM30に記憶されているパターン認識用辞書から、文字が検索される。プロセサ20は、検索によって得られた文字を、認識結果の文字として出力する。つまり、携帯端末10は、これらの処理を実行することで、手書き文字を認識する。
【0058】
このように、本実施例では、3文字分の手書き文字データが入力されない限り、文字認識処理が実行されないため、携帯端末10の消費電力を抑えることができる。たとえば、1文字分の手書き文字データが入力される毎に文字認識処理を実行させるようにすると、タッチパネル36に誤ってタッチ操作を行っても文字認識処理が実行され、無駄な電力が消費されてしまう。ところが、3文字分の手書き文字データが入力されるまで文字認識処理を実行しないようにすることで、タッチパネル36に誤ってタッチ操作を行っても、文字認識処理は実行されず、携帯端末10が無駄な電力を消費しなくなる。
【0059】
なお、パターン認識用辞書は、ひらがな、カタカナ、漢字(簡体字、繁体字を含む)、アルファベットおよびハングルのそれぞれを認識するための辞書から構成されている。また、本実施例では、特徴量の抽出に加重方向指数ヒストグラム法が用いられるが、他の手法で特徴量が抽出されてもよい。また、手書き文字を認識する際には、3文字だけに限らず、2文字であってもよいし、4文字以上であってもよい。
【0060】
図4(A)−図4(F)を参照して、使用言語の設定を変更する操作手順について、具体的に説明する。まず、図4(A)−(C)に示すように、「h」、「o」および「w」の手書き文字が特定領域60内に入力されると、プロセサ20はアルファベットの「h」、「o」および「w」を認識する。そして、認識結果の文字がアルファベットである場合、プロセサ20は、アルファベットで表記される言語、つまり英語(English)、フランス語(Francais)、スペイン語(Espanol)およびポルトガル語(Portugues)を選択するキーをディスプレイ26に表示する。
【0061】
図4(D)を参照して、ディスプレイ26には、ポップアップ70が表示され、ポップアップ70内に現在設定されている言語、たとえば日本語で「言語設定メニュー」および「現在の設定言語:日本語」が表示される。さらに、ポップアップ70内には、言語を特定するために、「English」の文字列を含む選択キー72a、「Francais」の文字列を含む選択キー72b、「Espanol」の文字列を含む選択キー72cおよび「Portugues」の文字列を含む選択キー72dが表示される。また、選択キー72a内の「English」は英語であり、選択キー72b内の「Francais」はフランス語であり、選択キー72c内の「Espanol」はスペイン語であり、選択キー72d内の「Portugues」はポルトガル語である。つまり、各選択キー72内の文字列は対応する言語が記述される。
【0062】
このように、設定可能な言語が一覧表示されることで、使用者は、複数の言語で使用される文字を入力したとしても、自身が理解できる言語に設定することができる。
【0063】
また、ポップアップ70内には、言語設定をキャンセルするためのキャンセルキー72eも表示される。そして、使用者は、誤って言語設定メニューのポップアップを表示させたとしても、キャンセルキー72eによってポップアップ70を消去することが出来る。なお、キャンセルキー72eの代わりに、現在設定されている言語に再設定する再選択キーを表示するようにしてもよい。たとえば、図4(D)では、日本語を再選択する再選択キーが表示される。
【0064】
図4(E)を参照して、選択キー72aが操作されると、変更する言語として英語が特定される。そして、プロセサ20は、特定された英語で、使用言語の変更の承諾を要求するポップアップ74aをディスプレイ26に表示する。また、このポップアップ74a内には、「Yes」の文字列を含む承諾キー76aおよび「No」の文字列を含む拒絶キー78aが表示される。
【0065】
図4(F)を参照して、たとえば、承諾キー76aが操作されると、使用言語が英語に設定され、各アイコンは英語で表示される。つまり、スケジュールアイコン54aは「Schedule」の文字列で表され、電卓アイコン54bは「Calculator」の文字列で表される。また、情報アイコン56は「The Weather of Kyoto:Fine」の文字列を含むようになり、通知アイコン58は「Missed Call 1」の文字列で表されるようになる。一方、図4(E)に示す拒絶キー78aが操作されると、使用言語を変更せず、図4(E)の表示から図2(B)などに示す表示に戻る。
【0066】
このように、使用言語の設定を変更する前に、使用者に確認することで、誤って使用言語が設定されるのを防ぐことができる。また、使用言語が変更される前に、変更する言語で事前確認されるため、使用者は変更される言語を認識した状態で使用言語を設定することができる。さらに、変更の確認がディスプレイ26に表示されるため、変更される言語が正確に使用者に通知される。
【0067】
なお、図4(D)で選択キー72b−72dのいずれかが選択された場合には、各選択キーに対応する言語で、使用言語の変更の承諾が要求される。つまり、選択キー72bが選択されればフランス語が記述されたポップアップ74aに表示される。また、選択キー72cが選択されればスペイン語が記述されたポップアップ74aが表示され、選択キー72dが選択されればポルトガル語が記述されたポップアップ74aが表示される。
【0068】
また、簡単のため、図示は省略するが、認識された文字が漢字であれば、図4(D)に示すポップアップ70内には、日本語、中国語および韓国語を選択するための選択キーが表示される。
【0069】
次に、認識結果の文字と対応する言語が1種類の場合について説明する。図5(A)−図5(C)を参照して、「わ」、「た」および「し」を表す、手書き文字が連続して入力されると、プロセサ20はひらがなの「わ」、「た」および「し」を認識する。そして、プロセサ20は、日本語を、使用言語に設定する言語として特定する。つまり、ひらがなは日本語でのみ使用されるため、プロセサ20は、日本語を特定することができる。
【0070】
図5(D)を参照して、プロセサ20は、日本語で、変更の承諾を求めるポップアップ74bを、ディスプレイ26に表示させる。さらに、ポップアップ74b内には、「はい」の文字列を含む承諾キー76bおよび「いいえ」の文字列を含む拒絶キー78bが表示される。そして、承諾キー76bが操作されると、図5(E)に示すように、待受画面に表示される各アイコンは日本語で表示されるようになる。たとえば、使用言語が英語に設定されている場合には、各アイコンの表示が英語から日本語に切り替えられる。
【0071】
このように、使用者は、設定する言語でのみ使用される文字を認識させることで、用言語の設定を変更する操作を、さらに簡単に行うことができる。
【0072】
なお、図示は省略するが、認識結果の文字がカタカナであっても、ひらがなのときと同様に、図5(D)に示すGUIが表示される。さらに、認識結果の文字がハングルであれば、図5(D)に示すGUI、つまりポップアップ74b、承諾キー76bおよび拒絶キー78bはハングルで記述される。
【0073】
また、ポップアップ74a,74bを特に区別しない場合には、ポップアップ74と言う。また、承諾キー76a,76bを特に区別しない場合にも承諾キー76と言い、拒絶キー78a,78bの場合も同様に、拒絶キー78と言う。また、本実施例では、ポップアップ74が表示される画面を確認画面と言うこともある。
【0074】
また、文字認識の結果、3文字が同じ文字の種類でない場合には、最も多い文字の種類に基づいて言語を特定する。たとえば、認識結果の文字のうち、2文字がひらがなであり、1文字が漢字であれば、ひらがなに基づいて言語を特定する。さらに、3文字とも全て異なる文字の種類であれば、文字認識の精度を表す値(たとえば、尤度)が最も大きい文字に基づいて言語を特定する。たとえば、認識結果の文字が、ひらがな、カタカナおよび漢字であり、カタカナの尤度が最も大きければ、カタカナに基づいて言語を特定する。
【0075】
ここで、ディスプレイ26の表示を構成する複数のレイヤについて説明する。具体的には図6(A)−図6(C)に示すように、3つのレイヤ(最上層、中間層、最下層)が重ねて設けられ、仮想空間において、視点側(使用者側)に最上層が設けられ、視点から離れる方向に、中間層および最下層が順次配置される。図6(A)に示す最上層には、たとえばポップアップ74b、承諾キー76bおよび拒絶キー78bが描画される。なお、携帯端末10が実行する機能によっては、最上層には何も描画されない場合がある。
【0076】
図6(B)に示す中間層には、たとえば機能アイコン54、情報アイコン56および通知アイコン58が描画される。また、携帯端末10が実行する機能によって、中間層にはさらに多くのアイコンが描画されることもある。図6(C)に示す最下層には、状態表示領域50および機能表示領域52が描画される。
【0077】
このように、中間層のアイコンや、最上層のポップアップの描画がそれぞれ独立しているため、プロセサ20は、ディスプレイ26の表示を切り替える処理を、短時間で行うことができる。
【0078】
図7は、RAM30のメモリマップを示す図解図である。図7を参照して、RAM30のメモリマップには、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ28から一度に全部または必要に応じて部分的にかつ順次的に読み出され、RAM30に記憶されてからプロセサ20などで処理される。
【0079】
プログラム記憶領域302は、携帯端末10を動作させるためのプログラムを記憶する。携帯端末10を動作させるためのプログラムは、文字認識プログラム310および言語設定プログラム312などから構成される。
【0080】
文字認識プログラム310は、タッチパネル36によって入力される手書き文字を認識するためのプログラムである。言語設定プログラム312は、携帯端末10で使用する言語を設定するためのプログラムである。なお、図示は省略するが、携帯端末10動作させるためのプログラムは、通話を行うためのプログラムおよびネットワークのサーバとのデータ通信を行うためのプログラムなどを含む。
【0081】
データ記憶領域304には、タッチバッファ330、表示座標バッファ332、タッチ軌跡バッファ334、文字バッファ336および文字認識バッファ338などが設けられる。また、データ記憶領域304には、GUIアドレスデータ340、GUIデータ342およびタッチ座標マップデータ344などが記憶されると共に、待受フラグ346、タッチフラグ348、リリースカウンタ350および選択カウンタ352などが設けられる。
【0082】
タッチバッファ330は、タッチパネル36によって検出されたタッチなどの入力結果を一時記憶するためのバッファであり、たとえばタッチ点、リリース点および現在のタッチ位置の座標データを一時的に記憶する。表示座標バッファ332は、ディスプレイ26によって表示されている複数のアイコンの表示位置座標や、特定領域60の位置座標が一時的に記憶されるバッファである。つまり、手書き文字の入力操作およびアイコンの選択操作などがされた場合に、表示座標バッファ332に記憶されているデータが参照される。
【0083】
タッチ軌跡バッファ334は、スライド操作におけるタッチ位置の軌跡を記録するためのバッファであり、手書き文字の入力操作と判断されるまでのタッチの軌跡は、タッチ軌跡バッファ334に記録される。
【0084】
文字バッファ336は、手書き文字として判断されたスライドの軌跡を格納するためのバッファである。つまり、手書き文字として判断された場合に、タッチ軌跡バッファ334に格納されたタッチの軌跡が、文字バッファ336にそのまま格納される。文字認識バッファ338は、文字認識プログラム310の処理が実行されるときに用いられるバッファであり、たとえばノイズ除去および大きさの正規化がされたデータが格納される。
【0085】
GUIアドレスデータ340は、後述するGUIデータ342を読み出すときに参照されるデータであり、GUIデータ342が記憶されるデータ領域のメモリアドレスを含む。たとえば、図8を参照して、GUIアドレステーブルはGUIアドレスデータ340の構成の一例である。GUIアドレステーブルは、GUIの列およびメモリアドレスの列を含んでおり、GUIの列には、待受画面に表示されるアイコンやポップアップなどのGUIを意味する待受画面GUI、携帯端末10の設定を変更するためのメインメニューのGUIを意味するメインメニューGUIおよび電話機能における各メニューのGUIを意味する電話メニューGUIなどが記録される。そして、メモリアドレスの列には、GUIの列に対応してデータ領域のメモリアドレスが記憶される。
【0086】
たとえば、待受画面に表示されるGUIデータは、「0XA0000000」−「0XA000FFFF」のメモリアドレスで示されるデータ領域に記憶されている。また、メインメニューのGUIデータは「0XA0010000」−「0XA001FFFF」のメモリアドレスで示されるデータ領域に記憶され、電話メニューのGUIデータは「0XA0020000」−「0XA002FFFF」のメモリアドレスで示されるデータ領域に記憶されている。なお、本実施例では、各データ領域の最初のメモリアドレスを先頭アドレスと呼ぶ。たとえば、待受画面のGUIデータが記憶されるデータ領域の先頭アドレスは、「0XA0000000」である。
【0087】
図7に戻って、GUIデータ342は、たとえばディスプレイ26に表示される、機能アイコン54、情報アイコン56および通知アイコン58を表示するための画像データや、文字列データを含む。また、図9(A)を参照して、GUIデータ346は、日本語GUIデータ346a、英語GUIデータ346b、フランス語GUIデータ346c、スペイン語GUIデータ346d、ポルトガル語GUIデータ346e、中国語GUIデータ346fおよび韓国語GUIデータ346gを含む。
【0088】
そして、図9(B)を参照して、GUIデータ342のアドレスマップでは各データの先頭アドレスが示される。つまり、日本語GUIデータ342aが記憶されるデータ領域の先頭アドレスは「0XA0000000」であり、英語GUIデータ342bでは先頭アドレスが「0XB0000000」であり、フランス語GUIデータ342cでは先頭アドレスが「0XC0000000」であり、スペイン語GUIデータ342dでは先頭アドレスが「0XD0000000」であり、ポルトガル語GUIデータ342eでは先頭アドレスが「0XE0000000」であり、中国語GUIデータ342fでは先頭アドレスが「0XF0000000」であり、韓国語GUIデータ342gでは先頭アドレスが「0XA1000000」である。
【0089】
ここで、図8および図9(B)を参照して、本実施例の携帯端末10において、使用言語が英語に設定されると、待受画面GUIに対応するメモリアドレスは、英語GUIデータ342bの先頭アドレスに基づいて、「0XB0000000」−「0XB000FFFF」に変更される。さらに、待受画面GUIの変更に合わせて、メインメニューGUIおよび電話メニューGUIに対応するメモリアドレスも変更される。つまり、使用言語の設定が変更されると、GUIデータ342を読み出す際に参照されるメモリアドレスが変更される。
【0090】
図7に戻って、タッチ座標マップデータ344は、タッチパネル制御回路34によって特定されるタッチ点などの座標を、ディスプレイ26の表示座標と対応付けるためのデータである。つまり、プロセサ20は、タッチ座標マップデータ334に基づいて、タッチパネル36に対して行われたタッチ操作の結果をディスプレイ26の表示に対応付けることができる。
【0091】
待受フラグ346は、ディスプレイ26に待受画面が表示されているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、待受フラグ346は、1ビットのレジスタで構成される。待受フラグ346がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、待受フラグ346がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。また、待受フラグ346は、待受画面を表示する操作がされるとオンなり、待受画面が表示されている状態で他の画面に遷移する操作がされるとオフになる。
【0092】
タッチフラグ348は、タッチパネル36にタッチしているか(触れているか)否かを判断するためのフラグである。なお、タッチフラグ348の構成は、待受フラグ346と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0093】
リリースカウンタ350は、タッチパネル36から指などが離された(リリースされた)時間をカウントするためのカウンタである。また、選択カウンタ352は、言語設定処理において、ポップアップ70またはポップアップ74が表示されてからの時間を計測するためのカウンタである。
【0094】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、待受画面で表示される待受画像データや、他の携帯端末10に設定されている電話番号などから構成されるアドレス帳データなどが記憶されると共に、携帯端末10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0095】
プロセサ20は、「Linux(登録商標)」および「REX」などのRTOS(Real-time Operating System)の制御下で、図10および図11に示す言語設定処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
【0096】
図10は、言語設定処理のフロー図である。たとえば、携帯端末10の電源がオンにされると、プロセサ20は、ステップS1で待受画面が表示されているか否かを判断する。つまり、待受フラグ346がオンであるか否かを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまり待受画面が表示されていなければ、ステップS1の判断を繰り返し実行する。一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり待受画面が表示されていれば、ステップS3でタッチされたか否かを判断する。つまり、タッチフラグ348がオンであるか否かを判断する。
【0097】
ステップS3で“NO”であれば、つまりタッチされていなければ、ステップS1に戻る。一方、ステップS3で“YES”であれば、つまりタッチされていれば、ステップS5でアイコンが操作された否かを判断する。つまり、タッチバッファ330に格納されているタッチ点が、表示座標バッファ332に格納されているアイコンの表示座標内に含まれているか否かを判断する。また、ステップS5でこのように判断することで、手書き文字の入力中に、手書き文字の軌跡がアイコンの表示範囲を通過した場合や、手書き文字の入力における最後の部位がアイコンの表示範囲内に含まれる場合は、アイコンの操作として判断されない。つまり、タッチ点が特定領域60に含まれている状態で、タッチ後のスライドの軌跡およびリリース点がアイコンの表示領域内に含まれていたとしても、アイコンを選択する操作として判断しないようにすることができる。
【0098】
ステップS5で“YES”であれば、つまりアイコンが操作されていれば、ステップS7でアイコンが示す機能を実行し、ステップS9で実行される機能に応じてディスプレイ26の表示を切り替える。そして、ステップS9の処理が終了すれば、言語設定処理を終了する。たとえば、スケジュールアイコン54aの表示範囲内にタッチ点が含まれていれば、プロセサ20は、スケジュール機能を実行し、スケジュール機能に応じたGUIをディスプレイ26に表示させる。
【0099】
また、ステップS5で“NO”であれば、つまりアイコンが操作されておらず、タッチ点が特定領域60内に含まれていれば、タッチ操作の軌跡を記録する。たとえば、タッチ軌跡バッファ334にスライド操作によるタッチ位置の変化履歴を記録する。なお、タッチ点が特定領域60にも含まれていなければ、ステップS5の処理を繰り返し実行する。続いて、ステップS13では、リリースされてから第1所定時間(たとえば、0.2秒)が経過したか否かを判断する。つまり、1文字目の入力が継続しているか否かを判断する。また、第1所定時間の判断には、リリースカウンタ350の値が参照される。
【0100】
ステップS13で“NO”であれば、つまり第1所定時間が経過していなければ、ステップS11に戻ってスライド操作の軌跡を引き続き記録する。一方、ステップS13で“YES”であれば、つまり第1所定時間が経過していれば、ステップS15で軌跡を1文字として記録する。つまり、タッチ軌跡バッファ334に格納されるスライド操作の軌跡を、文字バッファ336に格納する。なお、本実施例では、1文字分のデータは2次元配列を利用して記録される。
【0101】
続いて、ステップS17では、第2所定時間(たとえば、1秒)以内に再タッチされたか否かを判断する。つまり、次の手書き文字を入力する操作が開始された否かを判断する。また、第2所定時間の判断にもリリースカウンタ350の値が参照される。ステップS17で“YES”であれば、つまり次の手書き文字の入力が開始されれば、ステップS11に戻る。一方、ステップS17で“NO”であれば、つまり第2所定時間以内に、次の手書き文字を入力する操作が開始されなければ、ステップS19で3文字分のデータが記録されたか否かを判断する。たとえば、文字バッファ336に3文字分の2次元配列が格納されているか否かを判断する。ステップS19で“NO”であれば、つまり3文字分のデータが記録されていなければ、言語設定処理を終了する。一方、ステップS19で“YES”であれば、つまり3文字分のデータが記録されていれば、ステップS21で文字認識処理を実行する。つまり、文字バッファ336に格納されている手書き文字のデータに対して、文字認識処理を実行する。なお、ステップS21の処理を実行するプロセサ20は、認識手段として機能する。
【0102】
図11を参照して、ステップS23では、設定可能な言語の文字であるか否かを判断する。つまり、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットまたはハングルであるか否かを判断する。ステップS23で“NO”であれば、つまり設定可能な言語の文字でなければ、言語設定処理を終了する。一方、ステップS23で“YES”であれば、たとえば認識した文字がひらがなまたはアルファベットなどであれば、ステップS25で認識結果の文字に対応する言語が1つだけか否かを判断する。つまり、認識結果の文字がひらがな、カタカナまたはハングルであるか否かを判断する。
【0103】
なお、ステップS23では、認識結果の文字が、記号(@,+など)または数字(1,2,…)であれば、“NO”と判断してもよい。また、ステップS25で、認識結果の文字がアルファベットまたは漢字であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0104】
ステップS25で“YES”であれば、つまり認識結果の文字がひらがな、カタカナまたはハングルであればステップS33に進む。一方、ステップS25で“NO”であれば、つまり認識結果の文字がアルファベットまたは漢字であれば、ステップS27で選択可能な言語を一覧表示する。たとえば、認識結果の文字がアルファベットであれば、図4(D)に示すように、英語、フランス語、スペイン語およびポルトガル語を一覧表示する。また、認識結果の文字が漢字であれば、日本語、中国語および韓国語を一覧表示する。なお、ステップS27の処理を実行するプロセサ20は一覧表示手段として機能する。
【0105】
続いて、ステップS29では、言語が選択されたか否かを判断する。たとえば、ディスプレイ26に表示された選択キー72a−72dのいずれか1つが操作されたか否かを判断する。ステップS29で“NO”であれば、つまり選択キーが選択されなければ、ステップS31で第3所定時間(たとえば、5秒)が経過したか否かを判断する。つまり、ステップS31では、各選択キーが表示されたままの状態に陥っているか否かを判断する。また、第3所定時間の経過を判断する際には、選択カウンタ352の値が参照される。
【0106】
ステップS31で“NO”であれば、つまり第3所定時間が経過していなければ、ステップS29に戻る。一方、ステップS31で“YES”であれば、ディスプレイ26に表示されるポップアップ70および選択キー72a−72dを消去して、言語設定処理を終了する。なお、キャンセルキー72eが操作された場合も言語設定処理を終了する。
【0107】
また、ステップS29で“YES”であれば、つまり選択キー72a−72dのいずれか1つが選択されれば、ステップS33で変更する言語を特定する。たとえば、英語に対応する選択キー72aが操作されていれば、変更する言語が英語に特定される。また、認識結果の文字がひらがなであれば、変更する言語が日本語に特定される。なお、ステップS33の処理を実行するプロセサ20は特定手段として機能する。
【0108】
続いて、ステップS35では、特定された言語で、使用言語の変更の承諾を受け付ける。たとえば、特定された言語が英語であれば、図4(E)に示すように、英語で記述されたGUI、つまりポップアップ74a、承諾キー76aおよび拒絶キー78aをディスプレイ26が表示される。また、特定された言語が日本語であれば、図5(D)に示すように、日本語で記述されたGUI、つまりポップアップ74b、承諾キー76bおよび拒絶キー78bをディスプレイ26が表示される。なお、言語変更の承諾の要求を、特定された言語で発話された音声によって行ってもよい。
【0109】
続いて、ステップS37では、変更が承諾されたか否かを判断する。つまり、承諾キー76に対するタッチ操作を受け付けたか否かを判断する。ステップS37で“NO”であれば、つまり承諾キー76および拒絶キー78が操作されなければ、ステップS39で第4所定時間(たとえば、10秒)が経過したか否かを判断する。つまり、変更の承諾を要求したままの状態に陥っているか否かを判断する。また、第4所定時間の経過を判断する際にも、選択カウンタ352の値が参照される。ステップS39で“NO”であれば、つまり第4所定時間が経過していなければ、ステップS37に戻る。一方、ステップS39で“YES”であれば、つまり第4所定時間が経過していれば、ディスプレイ26に表示されるGUIを消去して、言語設定処理を終了する。なお、拒絶キー78が操作された場合も同様に、言語設定処理を終了する。
【0110】
また、ステップS37で“YES”であれば、つまり承諾キー76が操作されれば、ステップS41で使用言語を設定し、言語設定処理を終了する。つまり、GUIアドレスデータ340に記録されるデータ領域のメモリアドレスを、設定された言語に対応するメモリアドレスに変更する。また、ステップS37の処理を実行するプロセサ20は受付手段として機能し、ステップS41の処理を実行するプロセサ20は設定手段として機能する。
【0111】
なお、本実施例では、ステップS41で使用言語が英語に設定された場合には、サーバに記憶される文字列は、英語に翻訳されてから取得される。また、翻訳処理はサーバ側で行われるが、携帯端末10で行うように設定されてもよい。
【0112】
また、言語設定処理は、ステップS1−S41の処理を繰り返し実行するようにしてもよい。つまり、言語設定処理が終了しても、再びステップS1の処理が実行されるようにする。また、言語設定処理は、待受フラグ346がオンにされたときに、ステップS1を省略してステップS3の処理から実行し、待受フラグ346がオフにされたときに終了してもよい。
【0113】
また、他の実施例では、認識結果の文字が、言語を特定する特定文字であるか否かを判断して、言語を特定するようにしてもよい。
【0114】
図12(A)、図12(B)を参照して、「日」または「あ」の手書き文字が特定領域60に入力されれば、変更する言語として日本語が特定される。また、図12(C)、図12(D)を参照して、「中」または「亞」の手書き文字が特定領域60に入力されれば、変更する言語として中国語が特定される。また、手書き文字として、図12(E)および図12(F)に示すハングル文字が入力されれば、変更する言語として韓国語が特定される。そして、図12(G)、図12(H)を参照して、「E」または「A」の手書き文字が入力されれば、変更する言語として英語が特定される。
【0115】
なお、特定文字は、携帯端末10の設計者によって予め設定される。そして、フランス語などの他の言語を特定する文字も、設計者によって予め設定されてもよい。
【0116】
また、図13を参照して、言語設定処理としては、ステップS15(図10参照)の次に、ステップS21で文字認識処理を実行する。続いて、ステップS51で特定文字であるか否かを判断する。つまり、図12(A)−図12(H)に示した8個の文字のいずれか1つであるか否かを判断する。ステップS51で“NO”であれば、つまり特定文字でなければ言語設定処理を終了する。一方、ステップS51で“YES”であれば、つまり特定文字であれば、ステップS53で特定文字に基づいて、変更する言語を特定し、ステップS35に進む。たとえば、ステップS53では、認識結果の文字が「日」または「あ」であれば、変更する言語が日本語に特定される。
【0117】
このように、使用者は特定文字を入力することで、言語の設定を変更できるようになり、言語設定の変更がより簡単に行えるようになる。
【0118】
以上の説明から分かるように、携帯端末10は、ディスプレイ26およびディスプレイ26の上に設けられるタッチパネル36を備える。ディスプレイ26には、ショートカットアイコン54、情報アイコン56および通知アイコン58を含む待受画面が表示され、さらに、これらのアイコンの選択に関係しない特定領域60が設定される。
【0119】
この特定領域60内に、手書き文字がタッチ操作によって入力されると、プロセサ20は、文字認識処理を実行することで手書き文字を認識する。また、認識結果の文字がひらがなであれば、プロセサ20は日本語を特定する。そして、プロセサ20は使用言語の変更を、日本語が記述されたポップアップ74bおよび承諾キー76bによって要求し、承諾キー76bが操作されると、携帯端末10で使用される言語が日本語に設定される。
【0120】
これによって、使用者は、タッチパネル36に対する手書き文字の入力によって、使用される言語を設定できる。そして、携帯端末10は、言語設定用のGUIを常に表示させずに、言語の設定を容易に行わせることができる。
【0121】
なお、本実施例では、ドラッグアンドドロップによってアイコンの表示位置を変更する操作は、アイコンを選択する操作に含まれる。また、或るアイコンの表示範囲にタッチしてから他のアイコンの表示範囲でリリースするドラッグアンドドロップも、アイコンを選択する操作に含まれる。つまり、プロセサ20は、アイコンに対するドラッグアンドドロップを、手書き文字の入力操作と判断しない。
【0122】
さらに、他の実施例において、ドラッグアンドドロップによってアイコンの表示位置が変更できない場合は、タッチ後に一定距離(たとえば、10mm)のスライドがされれば、アイコンの選択操作とは判断せずに、手書き文字の入力と判断するようにしてもよい。つまり、このような場合は、機能表示領域52と特定領域60とが同じ大きさに設定されてもよい。
【0123】
また、ディスプレイ26にはLCDモニタが利用されるが、他の有機ELパネルなどの他の表示装置が利用されてもよい。
【0124】
また、言語認識処理では、ロシア語で使われるキリル文字などの多くの文字を認識できるようにされてもよい。そして、携帯端末10に設定される言語も、ロシア語など多くの言語が設定されるように設計されてもよい。さらに、文字入力機能を備える携帯端末10であれば、使用言語が変更されると、文字入力モードの初期状態も合わせて切り替える。たとえば、使用言語が日本語から英語に変更されると、文字入力モードの初期状態は、日本語の文字入力モードから、英語の文字入力モードに切り替えられる。
【0125】
また、携帯端末10の通信方式には、CDMA方式に限らず、W-CDMA方式、TDMA方式、PHS方式およびGSM方式などを採用してもよい。携帯端末10のみに限らず、スライド機構を備えるPDA(Personal Digital Assistant)や、ノートPCなどの携帯情報端末などであってもよいし、携帯型ゲーム機であってもよい。
【符号の説明】
【0126】
10 … 携帯端末
20 … プロセサ
22 … キー入力装置
26 … ディスプレイ
32 … ROM
36 … タッチパネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
待受画面にアイコンを表示する表示手段および前記表示手段の上に設けられたタッチパネルを有し、前記アイコンが前記タッチパネルのタッチ操作によって選択されたときに前記アイコンが示す機能を実行する携帯端末であって、
前記タッチパネルに対する手書き文字の入力操作を、前記アイコンの選択に関係しない特定領域で受け付けたとき、前記手書き文字を認識する認識手段、
前記認識手段による認識結果に基づいて、言語を特定する特定手段、および
前記特定手段によって特定された言語を使用言語として設定する設定手段を備える、携帯端末。
【請求項2】
前記特定手段によって特定された言語への変更の承諾を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記受付手段が承諾を受け付けたとき、前記特定手段によって特定された言語を使用言語として設定する、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記受付手段は、前記特定手段によって特定された言語で、変更の承諾を受け付ける、請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記表示手段は、前記特定手段によって言語が特定されたとき、前記特定手段によって特定された言語で書かれた確認画面を表示し、
前記受付手段は、前記確認画面に対するタッチ操作を、変更の承諾として受け付ける、請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
前記認識結果によって示される文字が複数の言語で使用される文字であるとき、前記複数の言語を一覧表示する一覧表示手段をさらに備え、
前記特定手段は、一覧表示された前記複数の言語の選択結果に基づいて、言語を特定する、請求項1ないし4のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項6】
前記認識手段は、複数の手書き文字の入力操作を受け付けたとき、前記複数の手書き文字を認識する、請求項1ないし5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
前記特定手段は、認識結果の文字が言語を特定する特定文字であるとき、前記特定文字に基づいて言語を特定する文字特定手段を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項8】
待受画面にアイコンを表示する表示手段および前記表示手段の上に設けられたタッチパネルを有し、前記アイコンが前記タッチパネルのタッチ操作によって選択されたときに前記アイコンが示す機能を実行する携帯端末のプロセサを、
前記タッチパネルに対する手書き文字の入力操作を、前記アイコンの選択に関係しない特定領域で受け付けたとき、前記手書き文字を認識する認識手段、
前記認識手段による認識結果に基づいて、言語を特定する特定手段、および
前記特定手段によって特定された言語を使用言語として設定する設定手段として機能させる、言語設定プログラム。
【請求項9】
待受画面にアイコンを表示する表示手段および前記表示手段の上に設けられたタッチパネルを有し、前記アイコンが前記タッチパネルのタッチ操作によって選択されたときに前記アイコンが示す機能を実行する携帯端末の言語変更方法であって、
前記タッチパネルに対する手書き文字の入力操作を、前記アイコンの選択に関係しない特定領域で受け付けたとき、前記手書き文字を認識し、
認識結果に基づいて、言語を特定し、そして
特定された言語を使用言語として設定する、言語設定方法。
【請求項1】
待受画面にアイコンを表示する表示手段および前記表示手段の上に設けられたタッチパネルを有し、前記アイコンが前記タッチパネルのタッチ操作によって選択されたときに前記アイコンが示す機能を実行する携帯端末であって、
前記タッチパネルに対する手書き文字の入力操作を、前記アイコンの選択に関係しない特定領域で受け付けたとき、前記手書き文字を認識する認識手段、
前記認識手段による認識結果に基づいて、言語を特定する特定手段、および
前記特定手段によって特定された言語を使用言語として設定する設定手段を備える、携帯端末。
【請求項2】
前記特定手段によって特定された言語への変更の承諾を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記受付手段が承諾を受け付けたとき、前記特定手段によって特定された言語を使用言語として設定する、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記受付手段は、前記特定手段によって特定された言語で、変更の承諾を受け付ける、請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記表示手段は、前記特定手段によって言語が特定されたとき、前記特定手段によって特定された言語で書かれた確認画面を表示し、
前記受付手段は、前記確認画面に対するタッチ操作を、変更の承諾として受け付ける、請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
前記認識結果によって示される文字が複数の言語で使用される文字であるとき、前記複数の言語を一覧表示する一覧表示手段をさらに備え、
前記特定手段は、一覧表示された前記複数の言語の選択結果に基づいて、言語を特定する、請求項1ないし4のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項6】
前記認識手段は、複数の手書き文字の入力操作を受け付けたとき、前記複数の手書き文字を認識する、請求項1ないし5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
前記特定手段は、認識結果の文字が言語を特定する特定文字であるとき、前記特定文字に基づいて言語を特定する文字特定手段を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項8】
待受画面にアイコンを表示する表示手段および前記表示手段の上に設けられたタッチパネルを有し、前記アイコンが前記タッチパネルのタッチ操作によって選択されたときに前記アイコンが示す機能を実行する携帯端末のプロセサを、
前記タッチパネルに対する手書き文字の入力操作を、前記アイコンの選択に関係しない特定領域で受け付けたとき、前記手書き文字を認識する認識手段、
前記認識手段による認識結果に基づいて、言語を特定する特定手段、および
前記特定手段によって特定された言語を使用言語として設定する設定手段として機能させる、言語設定プログラム。
【請求項9】
待受画面にアイコンを表示する表示手段および前記表示手段の上に設けられたタッチパネルを有し、前記アイコンが前記タッチパネルのタッチ操作によって選択されたときに前記アイコンが示す機能を実行する携帯端末の言語変更方法であって、
前記タッチパネルに対する手書き文字の入力操作を、前記アイコンの選択に関係しない特定領域で受け付けたとき、前記手書き文字を認識し、
認識結果に基づいて、言語を特定し、そして
特定された言語を使用言語として設定する、言語設定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−8435(P2011−8435A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150202(P2009−150202)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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