説明

携帯端末及び無線タグ検知装置及び無線タグ検知方法

【課題】 物品の位置探索を行うのに大規模なシステムを必要とせずに、利便性と操作性を兼ね備えた無線タグ検知機能を有する携帯電話端末を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明に係る携帯端末は、周辺に存在する無線タグ10を無線通信により検知して無線タグ10の検知結果情報をメモリ38の無線タグ管理情報40に記憶する無線タグ検知装置30と、出力された検知結果情報を表示する表示部27とを備えた携帯電話端末50であり、無線タグ検知装置30は、無線タグ10の検知を管理する無線タグ管理情報40を予めメモリ38に記憶するとともに、無線タグ10との距離を検出する距離検出部36と、予め記憶された無線タグ管理情報40に従って、距離検出部36が検出した無線タグ10との距離に基づく検知結果情報を生成して記憶する距離検出処理部37とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、無線タグの位置特定が可能な無線タグ検知機能を有する携帯端末および無線タグ検知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の無線タグを利用した位置特定システムは、位置特定装置を装備できない物品の位置を、位置特定装置を装備できる物品の位置に対する相対位置として検知するシステムである。例えば、特許文献1には、予め無線タグを装備した物品に対して、位置管理サーバーを利用して無線タグを装備した物品の位置を特定するシステムが開示されている。特許文献1に開示された技術によれば、予め無線タグを装備した物品に対して、無線タグリーダーが無線タグのIDコードを非接触で定期的に読み取り、これを無線タグごとに設けられた無線LAN端末へ送信し、各無線LAN端末はIDコードを中継して無線アクセスポイントへ送信し、各無線アクセスポイントは受信したIDコードを無線LAN端末の端末アドレスおよび無線アクセスポイントのアクセスポイントアドレスと共に位置管理サーバーへ送信する。利用者は、携帯電話端末を使用して物品の位置探索を位置管理サーバーに依頼する。利用者は、その探索結果を位置管理サーバーから受信してディスプレイ上に表示する。
【0003】
また、特許文献2には、ICタグ検知機能を備えた携帯電話機が開示されている。
【特許文献1】特開2005−109919号公報
【特許文献2】特開2004−013789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、物品の位置探索を行うのに無線タグ、無線タグリーダー、無線LAN端末、無線LANアクセスポイントおよび位置管理サーバーを必要とするため、これを実現するためにはシステムが大規模になるという課題がある。
【0005】
また、従来の技術では、物品に装着された無線タグの位置を特定するために、無線LAN端末を基準とした相対位置として認識する構成となっているため、物品の位置を正確に特定することが困難であり、また、従来の技術で絶対位置を特定できるようにするためには、複数の無線アクセスポイントを必要とし、これを実現するためのコストが上がるという課題がある。無線タグリーダー、無線LAN端末、無線LANアクセスポイントが固定化されている構成となっているため、無線タグを装備した物品を上記に構成された領域以外の場所に移動させた場合、物品の位置探索が困難となる課題がある。
【0006】
特許文献2に開示された技術では、位置検知を制御するための機能として、ICタグを検知するかどうかの検知機能のオン/オフの制御しかない。このため、検知機能がオンになっている場合には、通信範囲外のものでもアラームを発生させてしまうなどの不都合が生じるという課題がある。
【0007】
本発明は、例えば、上記の課題に鑑みてなされたものであり、物品の位置探索を行うのに大規模なシステムを必要とせず、さらに、利用者の利便性と操作性を兼ね備えている、無線タグ検知機能を有する携帯電話端末および無線タグ検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯端末は、
周辺に存在する無線タグを無線通信により検知して、検知した無線タグの検知結果情報をメモリに記憶して出力する無線タグ検知装置と、
無線タグ検知装置により出力された検知結果情報を表示装置に表示する表示部と
を備え、
上記無線タグ検知装置は、
無線タグの検知を管理する無線タグ管理情報を予めメモリに記憶するとともに、
無線タグとの距離を検出する距離検出部と、
予めメモリに記憶された無線タグ管理情報に従って、距離検出部が検出した無線タグとの距離に基づく検知結果情報を生成してメモリに記憶する距離検出処理部と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、携帯端末に無線タグ検知装置を備え、無線タグ検知装置に無線タグ管理情報を備えることにより、物品の位置探索を行うのに大規模なシステムを必要としない端末および無線タグ検知システムを提供することができるという効果を奏する。また、無線タグ検知装置に距離検出部と距離検出処理部を備えたことにより、物品の位置探索において様々な制御が可能となり、利用者の利便性を高めることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
まず、図1に基づき以下の実施の形態にかかる携帯電話端末50のハードウェア構成について説明する。図1は、以下の実施の形態における携帯電話端末50のハードウェア構成の一例を示す図である。携帯電話端末50は、携帯端末の一例である。
【0011】
図1において、携帯電話端末50は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)911を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、LCD表示装置(liquid crystal display)901、K/B(Key Board)902、スピーカー25、マイク26と接続されている。CPUなどは、処理装置の一例である。
【0012】
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置の一例である。
【0013】
通信ボード915は、無線アンテナ、LAN等に接続されている。通信ボード915、無線アンテナなどは、通信装置の一例である。
【0014】
また、K/B902、マイク18などは、入力装置の一例である。
【0015】
また、LCD表示装置901は、表示装置の一例である。
【0016】
ここで、通信ボード915は、電話基地局や無線LANに限らず、直接、インターネット、或いはISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)に接続されても構わない。
【0017】
ROM913又はRAM914には、オペレーティングシステム(OS)、ウィンドウシステム、プログラム群、ファイル群が記憶されている。プログラム群は、CPU911、OS、ウィンドウシステムにより実行される。
【0018】
上記プログラム群には、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0019】
ファイル群には、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜情報」として説明するものが、「〜ファイル」として記憶されている。
【0020】
また、以下に述べる実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータの入出力を示し、そのデータの入出力のためにデータは、フラッシュメモリ、RAM、FD、光ディスク、CD、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disc)等のその他の記録媒体に記録される。あるいは、信号線やその他の伝送媒体により伝送される。
【0021】
また、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、ハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
【0022】
また、以下に述べる実施の形態を実施するプログラムは、また、フラッシュメモリ、RAM、FD、光ディスク、CD、MD、DVD等のその他の記録媒体による記録装置を用いて記憶されても構わない。
【0023】
実施の形態1.
実施の形態1について図面を用いて説明する。
【0024】
図2は、実施の形態1における無線タグ10の基本構成を示す図である。
【0025】
無線タグ10は、無線通信IC15(IC:Integrated Circuit:半導体集積回路)と通信用の無線タグアンテナ11を備えた通信モジュールである。
【0026】
無線通信IC15には、無線タグID(ID:Identification:識別子)および各種情報を格納する不揮発性メモリ14、無線通信用のRF(Radio Frequency)回路12およびロジック回路13が集積されている。
【0027】
不揮発性メモリ14には、書き換え不能なメモリを用いることもできるし、書き換え可能なメモリを用いることも可能である。
【0028】
ロジック回路13は、演算、認証、暗号化などの処理が可能である。
【0029】
無線タグアンテナ11は、通信用であり、無線通信IC15に集積されている構成でもよいし、無線通信IC15に対して外付けの構成でもよい。
【0030】
無線タグ10は、少なくとも無線タグの識別子である無線タグIDを電波で送信する。
【0031】
図3は、実施の形態1にかかる無線タグ検知装置30を備えた携帯電話端末50の構成の一例を示す図である。図3において、携帯電話端末50は、アンテナ20、RF送受信部21、制御部22、メモリ23、時計機能部24、スピーカー25、マイク26、表示部27、操作部28、外部インタフェース29といった通常の携帯電話端末の機能を実現するための基本構成要素を備えており、それに加えて、無線タグ検知装置30を備えている。
【0032】
無線タグ検知装置30は、携帯電話端末50に内蔵する構成でもよいし、携帯電話端末50が有する外部インタフェース29を通じて外付けに取り付ける構成でもよい。
【0033】
制御部22は、通常の携帯電話端末の制御を行うだけでなく、無線タグ検知装置30の制御も行う。具体的には、利用者から操作部28を通じて指示される無線タグ検知装置30の機能のオン/オフあるいは無線タグ検知装置30の各種設定の制御を行う。詳細については後述する。
【0034】
図4は、実施の形態1にかかる携帯電話端末50に内蔵された無線タグ検知装置30のブロック構成の一例を示す図である。
【0035】
図4において、無線タグ検知装置30は、検知アンテナ31、検知RF送受信部32、検知RF送受信制御部33、無線タグ検出部34、無線タグ検出処理部35、距離検出部36、距離検出処理部37、メモリ38、管理情報設定部381および検出結果処理部39から構成される。
【0036】
検知アンテナ31は、無線タグ10と無線タグ検知装置30との間での電波の送受信を行うためのアンテナである。
【0037】
検知RF(Radio Frequency)送受信部32は、検知アンテナ31を通じて、無線タグ10からの電波の受信を行うとともに、無線タグ10への電波の送信を行う。
【0038】
検知RF送受信制御部33は、検知RF送受信部32の制御を行う。利用者による無線タグ検知機能開始の指示により、検知RF送受信制御部33を通じてRF送受信機能がオンとなり、検知RF送受信部32は、無線タグ10と無線タグ検知装置30との電波の送受信を実行する。利用者による無線タグ検知機能終了の指示により、検知RF送受信制御部33を通じてRF送受信がオフとなり、検知RF送受信部32は、無線タグ10と無線タグ検知装置30との電波の送受信を停止する。
【0039】
メモリ38には、無線タグ管理情報40が記憶されている。無線タグ管理情報40は、無線タグの検知を管理するための情報であり、予めメモリ38に記憶されている。
【0040】
図5は、無線タグ管理情報40の構成の一例を示す図である。無線タグ管理情報40の1レコードは、無線タグID41、登録物品名42、検知設定43、検知距離44、距離設定45、検知結果情報46、各種情報26等の情報から構成される。無線タグ管理情報40の1レコードは、検出すべき無線タグ10に対応する。
【0041】
検知結果情報46を除く無線タグ管理情報40の各項目は、利用者が予め携帯電話端末50の操作部28から入力することで設定する。すなわち、利用者は、物品等に付した検出すべき無線タグ10に対応した情報を予め入力して登録しておく。
【0042】
無線タグ管理情報40は、検出すべき無線タグ10を識別するための無線タグID41、無線タグ10が取り付けられた物品の登録物品名42、無線タグ10を無線タグ検知装置30が検知するか検知しないかを利用者が設定する検知設定43、検知範囲を設定する検知距離44、距離設定を有効にするか無効とするかを利用者が設定する距離設定45、検知結果を保存する検知結果情報46および各種情報47等の情報から構成される。ここで、距離設定を有効にするとは、無線タグ検知装置30と無線タグ10との距離を測定して、その距離が検知距離44の設定値の内外かを判定して、その判定結果に基づいて検知結果情報46に検知結果を設定することを意味する。
【0043】
図4において、管理情報設定部381は、無線タグ管理情報40を入力してメモリ38に設定する。すなわち、本実施の形態1にかかる携帯電話端末50の利用者は、携帯電話端末50の無線タグ検知装置30に、登録したい無線タグ10の各種情報を、携帯電話端末50の操作部28等により入力する。管理情報設定部381は、操作部28から入力された各種情報を入力し、メモリ38の無線タグ管理情報40の各項目に設定する。
【0044】
図4において、無線タグ検出部34は、検知RF送受信部32により受信した無線タグ10からの受信電波にもとづいて、この受信電波によって伝送される情報を検出する。
【0045】
無線タグ検出処理部35は、無線タグ検出部34において検出した無線タグ10の情報の処理を行う。より具体的には、無線タグ検出処理部35は、無線タグ検出部34において検出した無線タグ10の情報から無線タグIDを取り出し、予めメモリ38に登録された無線タグ管理情報40の無線タグID41との照合を行う。そして、無線タグ検出処理部35は、メモリ38の無線タグ管理情報40に設定された無線タグ10を検知するか検知しないかの検知設定43に従って、以下に説明する無線タグ検知処理を行う。
【0046】
無線タグ検知処理に関して、図4、図5を用いて、例を示して以下に説明する。
【0047】
無線タグ検出処理部35は、メモリ38の無線タグ管理情報40に登録されている無線タグについて、以下の検出処理を行う。
【0048】
例えば、無線タグ10−1は、利用者によりメモリ38の無線タグ管理情報40に登録されているが、通信範囲外であるため無線タグ検出部34によって検出されない無線タグ10である。その場合、無線タグ検出処理部35は、無線タグ10−1(無線タグID「A」)が通信範囲外であると判断し、その結果を「検知不可」として無線タグ管理情報40の検知結果情報46に設定する。さらに、その結果を「検知不可」として検出結果処理部39に送る。
【0049】
また、例えば、無線タグ10−2は、利用者によりメモリ38の無線タグ管理情報40に登録されており、かつ、利用者により検知設定43が「検知しない」と設定されている。この場合、無線タグ検出処理部35は、無線タグ10−2(無線タグID「B」)を検知する必要がない又は検知が禁止されているとして、無線タグ管理情報40の検知結果情報46に「検知しない」を設定する。さらにその結果を検出結果処理部39に送る。
【0050】
また、例えば、無線タグ10−3は、利用者によりメモリ38の無線タグ管理情報40に登録されており、かつ、検知設定43が「検知する」と設定されている。この場合、無線タグ検出処理部35は、無線タグ10−3の無線タグIDと無線タグ検出部34において検出された情報から取り出した無線タグ10−3の無線タグIDとの照合を行う。照合結果が一致すれば、無線タグ10−3(無線タグID「C」)を検知できたとして、無線タグ管理情報40の検知結果情報46に「検知した」を設定する。また、その情報を検出結果処理部39に送る。
【0051】
また、例えば、無線タグ10−4は、利用者によりメモリ38の無線タグ管理情報40に登録されており、かつ、検知設定43が「検知する」と設定されている。さらに、無線タグ10−4は、距離設定45が「有効」となっている。この場合、まず、無線タグ検出処理部35は、無線タグ10−4の無線タグIDと無線タグ検出部34において検出された無線タグの情報から取り出した無線タグIDとの照合を行う。照合結果が一致すれば、無線タグ検知装置30は、無線タグ10−4(無線タグID「D」)を検知できたとして、次に、距離検出処理を行う。距離検出処理とは、無線タグ10−4と携帯電話端末50との距離を測定し、その距離測定結果に対して無線タグ管理情報40の設定内容に応じた処理を行う処理である。無線タグ10−4の場合において、無線タグ検知装置30は、携帯電話端末50と無線タグ10−4との距離を、無線タグ管理情報40の検知結果情報46に設定する。また、その情報を検出結果処理部39に送る。距離検出処理についての詳細は後述する。
【0052】
以上、無線タグ検出処理について説明した。
【0053】
次に、図3における距離検出部36と距離検出処理部37の距離検出処理について詳細に説明する。
【0054】
距離検出部36は、携帯電話端末50と無線タグ10との距離測定を行う。距離測定を行う手段としては、無線タグ10の電波の電界強度を測定し、それを利用して距離を求める方法でもよいし、携帯電話端末50および無線タグ10に時計機能を有しておき、無線タグ10が電波を送信した時刻と携帯電話端末50が無線タグ10からの電波を受信した時刻との差を利用して距離を求める方法でもよい。
【0055】
距離検出処理部37は、距離検出部36において検出した携帯電話端末50と無線タグ10との距離測定結果をもとに処理を行う。より具体的には、まず、距離検出処理部37は、距離検出部36において検出した携帯電話端末50と無線タグ10との距離情報を取り出す。距離検出処理部37は、無線タグ検出処理部35から無線タグ10のIDとメモリ38の無線タグ管理情報40の無線タグID41との照合結果を取り出し、メモリ38の無線タグ管理情報40の検知距離44および距離設定45をもとに、以下に説明する距離検出処理を行う。
【0056】
距離検出処理に関して、図5を用いて、例を示して以下に説明する。
【0057】
ここで、距離検出処理部37の距離検出処理とは、距離検出部36において検出した携帯電話端末50と無線タグ10との距離測定結果をもとに行う処理である。
【0058】
距離検出処理部37は、メモリ38の無線タグ管理情報40に距離設定45が「無効」と設定されている場合(例えば、無線タグID「C」)、距離検出処理は行わず検知結果情報46に記録を行わない。すなわち、「検知不可」又は「検知した」のいずれかが無線タグ検出処理部35により検知結果情報46に記録される。例えば、無線タグ検出処理部35が、該無線タグ10(無線タグID「C」)の検知結果情報46に「検知した」との情報を設定する。
【0059】
例えば、無線タグ10−4の場合について説明する。距離検出処理部37は、メモリ38の無線タグ管理情報40に距離設定45が「有効」と設定されている場合(例えば、無線タグ10−4)、距離検出処理を行う。まず、距離検出部36は、無線タグ10−4と携帯電話端末50との距離を測定する。そして、距離検出処理部37は、距離検出部36において検出した携帯電話端末50と無線タグ10−4との距離測定結果をもとに処理を行う。より具体的には、距離検出処理部37は、無線タグ管理情報40の検知距離44「3m」と距離検出部36において検出した携帯電話端末50と無線タグ10−4との距離測定結果「1m」とを比較する。距離測定結果「1m」が検知距離44「3m」よりも小さい場合(1m<3m)、検知距離44(3m)以内に無線タグ10−4を検知したとして距離測定結果の情報「1m」を無線タグ管理情報40の検知結果情報46に設定する。さらに、その情報を検出結果処理部39に送る。
【0060】
例えば、無線タグ10−5の場合、距離検出処理部37は、メモリ38の無線タグ管理情報40に距離設定45が「有効」と設定されているので、距離検出処理を行う。まず、距離検出部36は、無線タグ10−5と携帯電話端末50との距離を測定する。そして、距離検出処理部37は、距離検出部36において検出した携帯電話端末50と無線タグ10−5との距離測定結果をもとに処理を行う。より具体的には、距離検出処理部37は、無線タグ管理情報40の検知距離44「3m」と距離検出部36において検出した携帯電話端末50と無線タグ10−4との距離測定結果(例えば、「3.5m」)とを比較する。そして、距離検出処理部37は、距離測定結果が検知距離44よりも大きい場合(3m<3.5m)、「検知距離外」としてその情報を無線タグ管理情報40の検知結果情報46に設定する。さらに、その結果を検出結果処理部39に送る。
【0061】
検出結果処理部39は、メモリ38の無線タグ管理情報40に登録されている全ての無線タグについての無線タグ検知処理が終了すると、無線タグ検出処理部35、距離検出処理部37およびメモリ38の無線タグ管理情報40をもとに、検出結果の処理(検出結果処理)を行う。すなわち、検出結果処理部39は、無線タグ管理情報40に基づいて、無線タグID41に対応づけられた登録物品名42と対応する検知結果情報46とを携帯電話端末50の制御部22を通じて、表示部27に表示する。表示部27の具体的な表示例については、後述する。
【0062】
上記の説明では、無線タグ10の位置探索結果を携帯電話端末50の表示部27に表示する方法について述べたが、報知する手段として携帯電話端末50のスピーカー25を利用したアラーム手段の方法をとってもよい。この場合、無線タグ10を検知した場合にアラームを発生してもよいし、無線タグ10を検知しなかった場合にアラームを発生する構成にしてもよい。
【0063】
次に、図5〜図7を用いて、実施の形態1における無線タグ検知装置30を内蔵した携帯電話端末50と無線タグ10を付した物品等からなる無線タグ検知システム51について、説明する。無線タグ検知システム51は、無線タグ検知装置30を備えた携帯電話端末50により無線タグ10を付した物品の位置検出処理を行うシステムである。
【0064】
図7は、実施の形態1における無線タグ検知装置30を搭載した携帯電話端末50を備えた無線タグ検知システム51の全体構成を示す図である。
【0065】
無線タグ検知システム51において、携帯電話端末50の利用者が無線タグ検知機能を有効にした場合、物品52に取り付けられた無線タグ10と携帯電話端末50に内蔵された無線タグ検知装置30とが無線通信を行う。携帯電話端末50に内蔵された無線タグ検知装置30には、利用者が携帯電話端末50の操作部28等から入力することにより、予め無線タグ10の無線タグ管理情報40を登録しておく。無線タグ検知装置30は、通信可能な範囲に存在する無線タグ10と所定の時間間隔で無線通信を行い、物品52にとりつけられた無線タグ10との通信可能あるいは通信不可状態および無線タグID情報を監視する。
【0066】
無線タグ検知システム51における物品52の位置検出処理に関して、図5から図7を用いて、例を示して以下に説明する。
【0067】
無線タグ検知システム51において、物品A52−1(かさ)、物品B52−2(財布)、物品C52−3(かばん)、物品D52−4(書類)、物品E52−5(めがね)、物品F52−6(本)には、それぞれ無線タグ10−1、無線タグ10−2、無線タグ10−3、無線タグ10−4、無線タグ10−5、無線タグ10−6が取り付けられている。携帯電話端末50は、それぞれの物品に取り付けられた無線タグ10−1、無線タグ10−2、無線タグ10−3、無線タグ10−4、無線タグ10−5、無線タグ10−6に関する無線タグID41、登録物品名42、無線タグを検知するか検知しないかの検知設定43、どの距離まで検知するかの検知距離44、距離設定を有効とするか無効とするかの距離設定45等の情報を予め読み込んでおき、それらを無線タグ検知装置30のメモリ38内の無線タグ管理情報40(図5参照)として保存する。
【0068】
図7において、円周55の範囲内は、無線タグ10と無線タグ検知装置30との通信可能範囲であり、本実施の形態では半径4m以内の範囲である。また、円周54の範囲内は、無線タグ検知装置30を中心とするの半径2mの円の範囲内とする。また、円周53の範囲内は、無線タグ検知装置30を中心とするの半径3mの円の範囲内とする。
【0069】
事前に設定された、物品A52−1に取り付けられた無線タグ10−1の無線タグ管理情報40は、無線タグID41が「A」、登録物品名42が「物品A」、検知設定43が「検知する」、検知距離44の設定が「なし」、距離設定45が「無効」となっている(図5参照)。
【0070】
携帯電話端末50は、物品A52−1の位置探索を行うが、物品A52−1に取り付けられた無線タグ10−1は通信可能範囲55の範囲外であるため通信が行えない。この場合、無線タグ検出処理部35が、「検知不可」として検知結果を無線タグ管理情報40の検知結果情報46に保存する。また、検出結果処理部39は、検知結果を携帯電話端末50の制御部22を通じて登録物品名の物品名Aとともに表示部27に表示する。
【0071】
事前に設定された、物品B52−2に取り付けられた無線タグ10−2の無線タグ管理情報40は、無線タグID41が「B」、登録物品名42が「物品B」、検知設定43が「検知しない」、検知距離44の設定が「2m」、距離設定45が「有効」となっている(図5参照)。
【0072】
この場合、無線タグ管理情報40の検知設定43が「検知しない」となっているので、無線タグ検知装置30の無線タグ検出処理部35は、検知処理を行わず、検知結果を「検知しない」として無線タグ管理情報40の検知結果情報46に保存する。また、検出結果処理部39は、検知結果を携帯電話端末50の制御部22を通じて登録物品名の物品名Bとともに表示部27に表示する。
【0073】
事前に設定された、物品C52−3に取り付けられた無線タグ10−3の無線タグ管理情報40は無線タグID41が「C」、登録物品名42が「物品C」、検知設定43が「検知する」、検知距離44の設定が「なし」、距離設定45が「無効」となっている(図5参照)。
【0074】
携帯電話端末50は、物品C52−3の位置探索を行う。物品C52−3に取り付けられた無線タグ10−3は通信可能範囲55の中であるため通信が可能となる。この場合、無線タグ検出処理部35は、「検知した」として検知結果を無線タグ管理情報40の検知結果情報46に保存する。また、検出結果処理部39は、検知結果を携帯電話端末50の制御部22を通じて登録物品名の物品名Cとともに表示部27に表示する。
【0075】
事前に設定された、物品D52−4に取り付けられた無線タグ10−4の無線タグ管理情報40は無線タグID41が「D」、登録物品名42が「物品D」、検知設定43が「検知する」、検知距離44の設定が「3m」、距離設定45が「有効」となっている(図5参照)。
【0076】
携帯電話端末50は物品D52−4の位置探索を行う。物品D52−4に取り付けられた無線タグ10−4は通信可能範囲55の中であるため通信が可能となる。また、無線タグ10−4は検知距離44「3m」の範囲内であるので、この場合、距離検出処理部37は、携帯電話端末50と無線タグ10−4との間の距離の測定結果(「1m」)を無線タグ管理情報40の検知結果情報46に保存する。また、検出結果処理部39は、検知結果を携帯電話端末50の制御部22を通じて登録物品名の物品名Dとともに表示部27に表示する。
【0077】
事前に設定された、物品E52−5に取り付けられた無線タグ10−5の無線タグ管理情報40は無線タグID41が「E」、登録物品名42が「物品E」、検知設定43が「検知する」、検知距離44の設定が「3m」、距離設定45が「有効」となっている(図5参照)。
【0078】
携帯電話端末50は、物品E52−5の位置探索を行う。物品E52−5に取り付けられた無線タグ10−5は、通信可能範囲55の中であるため通信が可能となり検知が可能である。しかし、無線タグ10−5は、検知をする範囲である検知距離44「3m」(円周53の範囲)の範囲外であるので、この場合、距離検出処理部37は、検知結果を「検知範囲外」として無線タグ管理情報40の検知結果情報46に保存する。また、検出結果処理部39は、検知結果を携帯電話端末50の制御部22を通じて登録物品名の物品名Eとともに表示部27に表示する。
【0079】
事前に設定された、物品F52−6に取り付けられた無線タグ10−6の無線タグ管理情報40は無線タグID41が「F」、登録物品名42が「物品F」、検知設定43が「検知する」、検知距離44の設定が「3m」、距離設定45が「有効」となっている(図5参照)。
【0080】
携帯電話端末50は物品F52−6の位置探索を行う。物品F52−6に取り付けられた無線タグ10−6は通信可能範囲55の範囲内であるため通信が可能となる。ここで、距離検出部36が、測定した携帯電話端末50と無線タグ10−6との距離は2.5mである(図7参照)。無線タグ10−6は、検知距離44「3m」の範囲内であるので、距離検出処理部37は、携帯電話端末50と無線タグ10−4との間の距離の測定結果(2.5m)を無線タグ管理情報40の検知結果情報46に保存する。また、検出結果処理部39は、検知結果を携帯電話端末50の制御部22を通じて登録物品名の物品名Fとともに表示部27に表示する。
【0081】
図6は、携帯電話端末50の表示部27に検知結果情報46を一覧表示する一例を示した図である。上記で説明した無線タグ検知システム51の検出結果を表示すると、図6のようになる。図6では、携帯電話端末50に登録されている全ての物品52について、対応する「無線タグID」、「物品名」、「検知結果情報」を一覧表示している。しかし、無線タグ管理情報40において検知設定43が「検知しない」と設定されている物品(例えば、物品B(財布))は、利用者自らが検知しなくてよいと判断して無線タグ管理情報40に設定したと考えられるので、一覧表示に表示しなくてもよい。また、表示する項目についても、上述した項目に限られず、例えば、無線タグIDは表示しなくてもよい。あるいは、設定した検知距離を表示するようにしてもよい。また、携帯電話端末50の利用者が、どの項目を表示するかを選択できるようにしてもよい。
【0082】
ここで、無線タグ検知システム51を利用した具体例を示す。
【0083】
図8は、無線タグ検知装置30を内蔵した携帯電話端末50を利用して、探し物をする場合を示した図である。物品Fの本を探したい利用者が、A地点で携帯電話端末50の無線タグ検知機能を開始する。すると、携帯電話端末50の表示部27に、「F:本 2.5m」と表示され、利用者は、探したい本が2.5mの距離にあることがわかる。次に、利用者が、携帯電話端末50を持ってB地点に移動する。ここで、携帯電話端末50の表示部27に、「本 1.0m」と表示される。これにより、利用者は探し物の本に近づいたことがわかり、さらに、A地点を中心とした略半径2.5mの円周56とB地点を中心とした略半径1.0mの円周57との略交点(P地点、Q地点)付近に探し物の本があることがわかる。このように、無線タグ検知システム51は、距離設定により無線タグ検知装置からの距離を測定することで、探し物をするとき等に便利である。この場合には、携帯電話端末等に無線タグ検知装置が内蔵されていると、手軽に無線タグ検知機能を利用することができ、また所持して移動することが簡単であり、より高い利便性を有する。
【0084】
また、利用者は、検知してほしい検知範囲を指定することができるので、次のような利用形態をとることができる。例えば、図8のA地点において、検知範囲3mと設定して本Fの無線タグ検知処理を行う。すると、本FはA地点から2.5mの距離なので「検知した」と表示される。次に、利用者は検知範囲1mと設定して、同じA地点で無線タグ検知処理を開始すると、本Fは検知設定範囲外のため「検知距離外」と表示される。このようにして、利用者は移動することなく、所望の本Fが、A地点を中心に半径3mの円周と半径2mの円周との間の範囲に存在することがわかる。
【0085】
また、利用者は、部屋の中あるいは店舗の中等で、貴重品や商品等に無線タグを取り付けておき、所定の時間毎に定期的に無線タグ検知機能を開始するようにしておくことで、空き巣による窃盗や万引きなどにより盗まれた場合に、所定の時間以内に発見することができる。この場合も、利用者は、無線タグ検知装置が内蔵された携帯電話端末を利用することで、大規模なシステムを購入する必要がない。また、店舗などでは、通信可能範囲毎に担当者を定めて、定期的に無線タグ検知処理を行うことで、簡単に万引き防止等の商品管理を行うことができる。
【0086】
以上をまとめると、本実施の形態にかかる無線タグ検知装置を備えた携帯電話端末によれば、無線タグ管理情報40に各無線タグIDに対する検知設定43、検知距離44、検知結果情報46等の情報を設定することができるので、利用者は、無線タグ10の取り付けられた物品52を検知する際に任意の設定が可能となる。例えば、利用者は、物品52を検知する場合に、検知距離を遠距離から近距離へと順次変更することにより、物品52の正確な位置を特定することが可能となる。また、無線タグ検知装置30を携帯電話端末50に備えることにより、物品の位置探索を行う上で、大規模なシステムを必要としない持ち運びが可能な無線タグ検知システムを提供することが可能となる。
【0087】
本実施の形態における無線タグ検知装置30の動作(無線タグ検知方法)について、図9を用いて説明する。図9は、実施の形態1にかかる無線タグ検知装置30の無線タグ検知方法の動作を示すフロー図である。
【0088】
<管理情報設定工程>
無線タグ検知装置30では、予め無線タグの検知を管理する無線タグ管理情報40をメモリ38に記憶している。管理情報設定部381は、利用者が操作部28等から入力した無線タグ10についての設定情報を入力して、メモリ38の無線タグ管理情報40の各項目に設定する(S99)。
【0089】
<無線タグ検出工程>
無線タグ検知装置30は、利用者による携帯電話端末50の操作部28等の操作により、無線タグ検知装置30の無線タグ検知機能がオンにされた場合、無線タグ検知動作を開始する。すなわち、無線タグ検知装置30は、周辺に存在する無線タグ10と無線通信を開始する。無線タグ検出部34は、周辺に存在する無線タグ10を検出する(S100)。
【0090】
<無線タグ検出処理工程>
無線タグ検出処理部35は、無線タグ10との通信が可能かどうかをチェックする(S110)。無線タグ検出処理部35は、通信圏外にあるために通信が行えなかった(通信不可)無線タグ10がある場合は、その無線タグ10を通信不可と判断し、メモリ38の無線タグ管理情報40の無線タグ10に対応する検知結果情報46に、「通信不可」と記憶する(S120)。無線タグ検出処理部35は、通信が行えた通信可能な無線タグ10の場合は、その無線タグを通信可能と判断し、次のステップに進む。
【0091】
無線タグ検出処理部35は、無線タグ検知装置30のメモリ38に保存された無線タグ管理情報40の検知設定43をチェックする(S130)。
【0092】
無線タグ検出処理部35は、検知設定43が「検知しない」と設定されている場合、無線タグの検知処理を行わず、メモリ38の無線タグ管理情報40の無線タグ10に対応する検知結果情報46に、「検知しない」と記憶する(S140)。
【0093】
無線タグ検出処理部35は、検知設定43が「検知する」と設定されている場合、次のステップに進む。
【0094】
無線タグ検出処理部35は、無線タグ10と無線タグ検知装置30との距離を測定して表示するか否かを設定する距離設定45が有効であるか無効であるかのチェックを行う(S150)。無線タグ検出処理部35は、無線タグ検知装置30のメモリ38に保存された無線タグ管理情報40の距離設定45が「無効」と設定されている場合、無線タグの距離測定は行わず検知処理のみを行い、メモリ38の無線タグ管理情報40の無線タグ10に対応する検知結果情報46に、「検知した」と記憶する(S160)。
【0095】
<距離検出工程>
距離設定45が有効と設定されている場合(S150)、距離検出部36は、無線タグ10と携帯電話端末50との距離を測定する(S151)。
【0096】
<距離検出処理工程>
距離検出処理部37は、距離検出部36が検出した距離測定結果とメモリ38に保存された無線タグ管理情報40の検知距離44とを比較する(S170)。無線タグと携帯電話端末50の距離の測定結果が検知距離44よりも大きい(検知距離範囲外)場合、距離検出処理部37は、検知範囲外であると判断して、メモリ38の無線タグ管理情報40の無線タグ10に対応する検知結果情報46に、「検知範囲外」と上書きして記憶する(S180)。
【0097】
無線タグ10と携帯電話端末50の距離測定結果が検知距離44よりも小さい(検知距離範囲内)場合、距離検出処理部37は、検知範囲内であると判断して、メモリ38の無線タグ管理情報40の無線タグIDに対応する検知結果情報46に、距離測定結果(例えば、「1m」)を上書きして記憶する(S190)。
【0098】
<検出結果処理工程>
検出結果処理部39は、メモリ38の無線タグ管理情報40の検知結果情報46に基づいて、携帯電話端末50の表示部27に物品名と検知結果情報46を表示する(S191)。
【0099】
以上のように、本実施の形態にかかる無線タグ検知装置30を備えた携帯電話端末50によれば、携帯電話端末50に無線タグ検知装置30を備え、無線タグ検知装置30に距離検出部36、距離検出処理部37を備え、無線タグ検知装置30内のメモリ38に無線タグ管理情報40を備えることにより、無線タグ10を取り付けた物品52の位置探索において、検知する/検知しないの設定、検知距離の設定、距離設定の有効/無効の設定等の設定が可能となり、利用者が任意の設定を行えるという効果を奏する。すなわち、利用者が、無線タグ10の取り付けられた物品を検知する際に、任意の設定が可能となるので、例えば、物品を検知する場合に検知距離44を遠距離から近距離へと順次変更することにより、物品の正確な位置を特定することが可能となり探し物を探す場合等の利便性が向上するという効果を奏する。
【0100】
また、以上のように、本実施の形態にかかる無線タグ検知装置30を備えた携帯電話端末50によれば、無線タグ検知装置30を携帯電話端末50に備えているので、物品の位置探索を行うのに大規模なシステムを必要としないで、持ち運びが可能な無線タグ検知システムを提供することができるという効果を奏する。
【0101】
実施の形態2.
実施の形態1では、検出結果処理部39の検出結果処理は、検出結果処理部39が、メモリ38の無線タグ管理情報40の検知結果情報46に基づいて、携帯電話端末50の表示部27に検知結果を表示する処理となっている。
【0102】
しかし、実施の形態2では、検出結果処理部39が以下のような機能を持つことで、本実施の形態を実現する。
【0103】
本実施の形態では、検出結果処理部39は、無線タグ検出処理部35、距離検出処理部37およびメモリ38の無線タグ管理情報40を利用して、検出結果処理を行う。
【0104】
検出結果処理に関して、例を示して以下に説明する。
【0105】
メモリ38の無線タグ管理情報40において距離設定45が「無効」の場合、検出結果処理部39は、無線タグ10を検知した/しないの処理を行う。ここで、検出結果処理部39は、無線タグ検出処理部35とメモリ38の無線タグ管理情報40とを利用する。すなわち、無線タグ検出処理部35が、無線タグ10が通信範囲外か、検知したか、検知しないかの判断を行い、その判断結果と無線タグ10に対応づけられた登録物品名42を、携帯電話端末50の制御部22を通じて、表示部27に表示する。
【0106】
メモリ38の無線タグ管理情報40において距離設定45が「有効」の場合、検出結果処理部39は、無線タグ10の距離検知処理を行う。ここで、検出結果処理部39は、無線タグ検出処理部35と距離検出処理部37とメモリ38のデータとを利用する。距離検出処理部37は、無線タグと無線タグ検知装置との距離測定結果が検知距離外であるか否かを判断し、検知距離内であればその距離測定結果を用い、その距離測定結果と無線タグID41に対応づけられた登録物品名42とを携帯電話端末50の制御部22を通じて表示部27に表示する。距離検出処理部37は、検知距離外で検知結果を「検知範囲外」として、その検知結果と無線タグ10に対応づけられた登録物品名42とを携帯電話端末50の制御部22を通じて表示部27に表示する。
【0107】
図10は、実施の形態2にかかる無線タグ検知装置30の無線タグ検知方法の動作を示すフロー図である。実施の形態1における無線タグ検知方法のフロー図である図9と、基本的な動作は同じである。このため、図9と同じ処理を行う部分については同じ符号を付しその説明を省略し、異なる部分について以下に説明する。
【0108】
無線タグ検出処理部35は、通信が行えなかった(通信不可)の無線タグ10の場合、その無線タグを通信不可と判断すると、検出結果処理部39は、携帯電話端末50の表示部27に無線タグに対応する物品名と「通信不可」とを表示する(S220)。
【0109】
無線タグ検出処理部35は、検知設定43が「検知しない」と設定されている場合、無線タグ10の検知処理を行わない。そして、検出結果処理部39は、携帯電話端末50の表示部27に無線タグ10に対応する物品名と「検知しない」とを表示する(S240)。
【0110】
無線タグ検出処理部35は、無線タグ検知装置30のメモリ38に保存された無線タグ管理情報40の距離設定45が「無効」と設定されている場合、無線タグ10の距離測定は行わず検知処理のみを行う。そして、検出結果処理部39は、携帯電話端末50の表示部27に無線タグ10に対応する物品名と「検知した」とを表示する(S260)。
【0111】
無線タグと携帯電話端末の距離測定結果が検知距離44よりも大きい(検知距離範囲外)場合、距離検出処理部37は、検知範囲外であると判断する。そして、検出結果処理部39は、携帯電話端末50の表示部27に無線タグに対応する物品名と「検知範囲外」とを表示する(S280)。
【0112】
距離検出部が検出した無線タグと携帯電話端末の距離測定結果が検知距離44よりも小さい(検知距離範囲内)場合、距離検出処理部37は、設定範囲内であると判断する。検出結果処理部39は、携帯電話端末50の表示部27に無線タグに対応する物品名と「距離測定結果(例えば、1m)とを表示する(S290)。
【0113】
以上のように、本実施の形態によれば、無線タグ検知装置30は、無線タグ10に関する判断結果(検知結果情報46)を記憶するとともに、携帯電話端末50の表示部27に順次表示する処理となっている。このため、メモリ38に対する参照回数が減少し、無線タグ検知処理の処理速度が速くなるという効果を奏する。
【0114】
以上の、実施の形態1〜2の説明において、無線タグ検知装置30における無線タグ検出処理部35、距離検出処理部37、検出結果処理部39は、それぞれ独立した機能ブロックとして構成されているが、ひとつの機能ブロックとしてもよい。あるいは、無線タグ検出処理35と距離検出処理部37とをまとめてひとつの機能ブロックとし、検出結果処理部39を、ひとつの機能ブロックとしてもよい。あるいは、これらの機能ブロックを、他のどのような組み合わせで構成しても構わない。
【0115】
また、無線タグ検出処理部35と距離検出処理部37とは、処理結果を無線タグ管理情報40の検知結果情報46に記憶しているが、無線タグ管理情報40に、無線タグ検出処理部35と距離検出処理部37との処理結果を個別に記憶する欄を設けるようにしてもよい。
【0116】
また、実施の形態1〜2では、携帯端末の一例として、無線タグ検知装置30を備えた携帯電話端末50について説明したが、電話機能がなくてもよく、携帯されるものであればよい。例えば、PHS(登録商標)(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末であっても構わない。また、あるいは、電子手帳、腕時計、携帯ゲーム機等の携帯端末であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】実施の形態における携帯電話端末50のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】実施の形態1における無線タグ10の基本構成を示す図である。
【図3】実施の形態1にかかる無線タグ検知装置を備えた携帯電話端末50の構成の一例を示す図である。
【図4】実施の形態1にかかる携帯電話端末50に内蔵された無線タグ検知装置30のブロック構成の一例を示す図である。
【図5】無線タグ管理情報40の構成の一例を示す図である。
【図6】携帯電話端末50の表示部27に検知結果情報46を一覧表示する一例を示した図である。
【図7】実施の形態1における無線タグ検知装置30を搭載した携帯電話端末50を備えた無線タグ検知システム51の全体構成を示す図である。
【図8】無線タグ検知装置30を内蔵した携帯電話端末50を利用して、探し物をする場合を示した図である。
【図9】実施の形態1にかかる無線タグ検知装置30の無線タグ検知方法の動作を示すフロー図である。
【図10】実施の形態2にかかる無線タグ検知装置30の無線タグ検知方法の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0118】
10 無線タグ、11 無線タグアンテナ、12 RF回路、13 ロジック回路、14 不揮発性メモリ、15 無線通信IC、20 アンテナ、21 RF送受信部、22 制御部、23 メモリ、24 時計機能部、25 スピーカー、26 マイク、27 表示部、28 操作部、29 外部インタフェース、30 無線タグ検知装置、31 検知アンテナ、32 検知RF送受信部、33 検知RF送受信制御部、34 無線タグ検出部、35 無線タグ検出処理部、36 距離検出部、37 距離検出処理部、38 メモリ、39 検出結果処理部、40 無線タグ管理情報、41 無線タグID、42 登録物品名、43 検知設定、44 検知距離、45 距離設定、46 検知結果情報、47 各種情報、50 携帯電話端末、51 無線タグ検知システム、381 管理情報設定部、901 LCD表示装置、902 K/B、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、916 フラッシュメモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末において、
周辺に存在する無線タグを無線通信により検知して、検知した無線タグの検知結果情報をメモリに記憶して出力する無線タグ検知装置と、
無線タグ検知装置により出力された検知結果情報を表示装置に表示する表示部とを備え、
上記無線タグ検知装置は、
無線タグの検知を管理する無線タグ管理情報を予めメモリに記憶するとともに、
無線タグとの距離を検出する距離検出部と、
予めメモリに記憶された無線タグ管理情報に従って、距離検出部が検出した無線タグとの距離に基づく検知結果情報を生成してメモリに記憶する距離検出処理部と
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
上記無線タグ検知装置は、さらに、
無線タグを検出する無線タグ検出部と、
予めメモリに記憶された無線タグ管理情報に従って、無線タグ検出部が検出した無線タグの検知結果情報を生成してメモリに記憶する無線タグ検出処理部と、
無線タグ検出処理部がメモリに記憶した検知結果情報を表示装置に表示する検出結果処理部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
上記無線タグ検知装置は、
無線タグ管理情報を入力してメモリに設定する管理情報設定部を備えたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
周辺に存在する無線タグを無線通信により検知する無線タグ検知装置において、
無線タグの検知を管理する無線タグ管理情報を予めメモリに記憶するとともに、
無線タグ管理情報を入力してメモリに設定する管理情報設定部と、
無線タグを検出する無線タグ検出部と、
予めメモリに記憶された無線タグ管理情報に従って、無線タグ検出部が検出した無線タグの検知結果情報を生成してメモリに記憶する無線タグ検出処理部と、
無線タグ検知装置と無線タグとの距離を検出する距離検出部と、
予めメモリに記憶された無線タグ管理情報に従って、距離検出部が検出した無線タグ検知装置と無線タグとの距離に基づく検知結果情報を生成してメモリに記憶する距離検出処理部と、
メモリに記憶した検知結果情報を表示装置に表示する検出結果処理部と
を備えたことを特徴とする無線タグ検知装置。
【請求項5】
無線タグ検知装置の無線タグ検知方法は、
管理情報設定部が、無線タグの検知を管理する無線タグ管理情報を予めメモリに記憶する管理情報設定工程と、
無線タグ検出部が、無線タグを検出する無線タグ検出工程と、
無線タグ検出処理部が、予めメモリに記憶された無線タグ管理情報に従って、無線タグ検出部が検出した無線タグの検知結果情報を生成してメモリに記憶する無線タグ検出処理工程と、
検出結果処理部が、無線タグ検出処理部がメモリに記憶した検知結果情報を表示装置に表示する検出結果処理工程と
を備えたことを特徴とする無線タグ検知方法。
【請求項6】
無線タグ検知方法は、さらに、
距離検出部が、無線タグとの距離を検出する距離検出工程と、
距離検出処理部が、予めメモリに記憶された無線タグ管理情報に従って、距離検出部が検出した無線タグとの距離に基づく検知結果情報を生成してメモリに記憶する距離検出処理工程と
を備えたことを特徴とする請求項5記載の無線タグ検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−256180(P2007−256180A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83246(P2006−83246)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】