説明

携帯端末装置、携帯端末装置の機能制限プログラム、及び携帯端末装置の機能制限方法

【課題】 大規模な装置を設置することなく、周囲の人の有無に応じて自動的にマナーモードを設定する。
【解決手段】 制御部13は、近距離無線通信ユニットを介して、当該携帯電話機の周囲に存在する他のユーザの携帯電話機との間で近距離無線通信を行うことで、当該携帯電話機の周囲に存在する他のユーザの携帯電話機の数を検出する。そして、この周囲に存在する他のユーザの携帯電話機の数が、予め設定しておいた機器数閾値以上であった場合、当該携帯電話機のユーザの周囲に、多くの他のユーザが居るものと判断し、当該携帯電話機をマナーモードに移行させる。また、近距離無線通信を行うことで、当該携帯電話機の周囲に存在する他のユーザの携帯電話機の数が上記機器数閾値よりも少ない数となった際に、それまで設定されていたマナーモードを解除して通常モードに移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばブルートゥース(Bluetooth:登録商標)や赤外線通信機能(IrDA:Infrared Data Association)等の近距離無線通信機能を備えた携帯電話機、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、ノート型のパーソナルコンピュータ装置等の携帯機器に適用して好適な携帯端末装置、携帯端末装置の機能制限プログラム、及び携帯端末装置の機能制限方法に関し、特に携帯機器間で近距離無線通信を行うことで、当該携帯機器の周囲に所定数以上の携帯機器が存在していた場合に、当該携帯電話機を自動的にマナーモードとし、或いは相手の携帯機器からの要求に応じて当該携帯電話機をマナーモードとする携帯端末装置、携帯端末装置の機能制限プログラム、及び携帯端末装置の機能制限方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003−47042号の公開特許公報(特許文献1)に、携帯電話装置が使用禁止区域内を出入りする際に、該携帯電話装置の電源のオン/オフ、或いは所定の機能の制限/解除を自動的に制御する無線通信システムが開示されている。
【0003】
この無線通信システムは、携帯電話装置の使用禁止区域内の出入口に設置された無線通信モジュールから携帯電話装置に対して使用禁止区域であることを示す指示信号を発信する。携帯電話装置の制御部は、この指示信号を受信すると、当該携帯電話装置が使用禁止区域内に位置しているものと判断して、電源をオフ状態に制御し、或いは所定の機能を制限するように各部を制御する。
【0004】
また、携帯電話装置の制御部は、上記指示信号が非受信となった際に、当該携帯電話装置が使用禁止区域外に位置するものと判断して、オフ状態に制御していた電源をオン状態に復帰させ、或いは制限していた所定の機能を使用可能とするように各部を制御する。
【0005】
これにより、使用禁止区域内における携帯電話装置の使用や所定の機能の使用を自動的に制限可能となっている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−47042号公報(第4頁〜第5頁:図1、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示されている無線通信システムの場合、上記「使用禁止区域」という「場所」を、携帯電話装置の電源や所定の機能を制限する基準としている。このため、この「使用禁止区域」を設定するために上記無線通信モジュール等の大規模な装置の設置を必要とする問題がある。
【0008】
ここで、携帯電話機を用いた通話や携帯電話機から発せられる着信音等が人の迷惑となるのは、当該携帯電話機の周囲に人がいるからである。すなわち、携帯電話機の周囲に人がいない場合には、携帯電話機で通話を行っても、携帯電話機から着信音が発せられても、人の迷惑とは成り得ないのである。このため、携帯電話機の通話の制限や所定の機能の制限は、「場所」を基準として行うのではなく、「人の有無」を基準として行うのが好ましい。
【0009】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、大規模な装置を設置することなく、周囲の人の有無に応じて通話や着信音の発生等を制限することができるような携帯端末装置、携帯端末装置の機能制限プログラム、及び携帯端末装置の機能制限方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る携帯端末装置は、上述の課題を解決するための手段として、
周囲に存在する機器に設けられた近距離無線通信手段との間で近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、
上記近距離無線通信手段が近距離無線通信している機器の数をカウントすることで、周囲に存在する機器の数を検出する周囲機器数検出手段と、
上記周囲機器数検出手段により、所定数以上の上記機器が存在することが検出されている間、少なくともスピーカ部からの音声出力を停止制御する機能制限手段と
を有する。
【0011】
また、本発明に係る携帯端末装置の機能制限プログラムは、上述の課題を解決するために、
周囲に存在する機器に設けられた近距離無線通信手段との間で近距離無線通信を行うように近距離無線通信手段を制御する近距離無線通信制御手段としてコンピュータを機能させ、
上記近距離無線通信手段が近距離無線通信している機器の数をカウントすることで、周囲に存在する機器の数を検出する周囲機器数検出手段としてコンピュータを機能させ、
上記周囲機器数検出手段としてコンピュータを機能させることで、所定数以上の上記機器が存在することが検出されている間、少なくともスピーカ部からの音声出力を停止制御する機能制限手段としてコンピュータを機能させる。
【0012】
また、本発明に係る携帯端末装置の機能制限方法は、上述の課題を解決するための手段として、
近距離無線通信制御手段が、周囲に存在する機器に設けられた近距離無線通信手段との間で近距離無線通信を行うように近距離無線通信手段を制御するステップと、
周囲機器数検出手段が、上記ステップにおいて上記近距離無線通信手段が近距離無線通信している機器の数をカウントすることで、周囲に存在する機器の数を検出するステップと、
上記ステップにおいて、周囲に所定数以上の上記機器が存在することが検出されている間、機能制限手段が、少なくともスピーカ部からの音声出力を停止制御するステップと
を有する。
【0013】
このような本発明は、近距離無線通信手段で近距離無線通信を行うことが可能な機器が、当該携帯端末装置の周囲にいくつ存在するかをカウントする。そして、このカウント数が、所定数以上であった場合、当該携帯端末装置の周囲に複数のユーザが存在するものと認識し、少なくともスピーカ部からの音声出力を停止制御する。これにより、当該携帯端末装置の周囲の人の有無や数に応じて、機能制限を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、大規模な装置を設置することなく、周囲の人の有無や数に応じて通話や着信音の発生等を制限することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、携帯電話機に適用することができる。
【0016】
[携帯電話機の構成]
この本発明の実施の形態となる携帯電話機は、図1に示すように基地局との間で無線通信を行うアンテナ1及び通信回路2と、着信音や受話音声等の音響出力を得るためのスピーカ部3と、送話音声等を集音するためのマイクロホン部4と、画像(動画像、静止画像等)や文字等を表示するための表示部5と、所定の入力操作や選択操作を行うための操作部6とを有している。
【0017】
また、この携帯電話機は、発着信等を光で知らせるための発光部7(LED:Light Emitting Diode)と、所望の被写体の静止画像或いは動画像を撮像するためのカメラ部8と、当該携帯電話機の筐体を振動させて発着信等をユーザに知らせるためのバイブレーションユニット9と、例えばブルートゥース(Bluetooth:登録商標)や赤外線(IrDA:Infrared Data Association)等の近距離無線通信アンテナ10及び近距離無線通信ユニット11とを有している。
【0018】
また、この携帯電話機は、通信処理を行うための通信処理プログラム(コミュニケーションプログラム)や各種アプリケーションプログラムの他、スケジュール帳、電話帳、発着信した電子メールのデータ、電話や電子メールの発着信履歴等が記憶されたメモリ12と、当該携帯電話機全体の動作を制御する制御部13とを有している。
【0019】
上記メモリ12に記憶されているアプリケーションプログラムとしては、近距離無線通信ユニット11で周囲の携帯電話機と近距離無線通信を行うことで、当該携帯電話機を自動的にマナーモードに設定するためのマナーモード設定プログラム、近距離無線通信ユニット11を近距離無線通信制御するための近距離無線通信プログラム、カメラ部8を撮像制御するためのカメラ制御プログラム、音楽データを再生制御するための音楽プレーヤプログラム等が記憶されている。
【0020】
また、メモリ12には、上記マナーモード設定プログラムで当該携帯電話機を自動的にマナーモードとするか否かを示すマナーモード自動切り替えフラグと、当該携帯電話機を自動的にマナーモードに切り替える基準値となる、当該携帯電話機の周囲に存在する携帯電話機の数を示す機器数閾値とが記憶されている。このうち「マナーモード自動切り替えフラグ」は、ユーザにより設定メニューからマナーモードへの自動切り替えメニューが選択されることで、メモリ12内に立つようになっている。また、「機器数閾値」は、ユーザが設定メニューから所望の数を選択し、或いは入力することでメモリ12に記憶されるようになっている。
【0021】
なお、ここでいう「マナーモード」は、発着信時や操作時にスピーカ部3から着信音や操作音等を出力させないモードである。この「マナーモード」では、ユーザの設定によりバイブレーションユニット9は駆動可能となっている(駆動させない設定も可能である。)。
【0022】
また、以下、当該実施の形態の携帯電話機では、上記マナーモード設定プログラムにより当該携帯電話機を自動的にマナーモードに設定することとして説明を進めるが、上記マナーモード設定プログラムにより当該携帯電話機の電源を自動的にオン/オフ制御してもよい。すなわち、上記マナーモード設定プログラムは、周囲の人々に迷惑を掛けないモードに、当該携帯電話機のモードを自動的に移行させるものと理解されたい。
【0023】
[マナーモードへの自動切り替え動作]
このような実施の形態の携帯電話機は、当該携帯電話機の周囲に存在する携帯電話機の数に応じて自動的にマナーモードへ移行し、また、当該携帯電話機の周囲に存在するいずれかの携帯電話機からマナーモードへの移行要求がなされた際に、当該移行要求のなされたユーザの確認を経て、マナーモードへ移行するようになっている。
【0024】
〔周囲の機器数に応じた自動切り替え動作〕
まず、図2のフローチャートに、当該携帯電話機の周囲に存在する携帯電話機の数に応じて自動的にマナーモードへ移行する動作の流れを示す。このフローチャートは、当該携帯電話機のメイン電源が投入されると、制御部13が、図1のメモリ12に記憶されているマナーモード設定プログラムに基づいて、例えば10秒周期で繰り返し実行するようになっている。
【0025】
まず、この実施の形態の携帯電話機の場合、マナーモードへの自動切り替えを行うか否かは、ユーザが予め設定メニューに基づいて選択設定するようになっている。そして、ユーザがマナーモードへの自動切り替えを行うことを容認した場合、メモリ12内にマナーモード自動切り替えフラグが立つようになっている。
【0026】
このため、制御部13は、ステップS1において、このマナーモード自動切り替えフラグがメモリ13内に立っているか否かを判別することで、上記ユーザによりマナーモードの自動切り替えが容認されているか否かを判別する。そして、メモリ13内にマナーモード自動切り替えフラグが立っていた場合は処理をステップS2に進め、メモリ13内にマナーモード自動切り替えフラグが立っていなかった場合は、そのままこの図2に示すフローチャートの処理を終了する。
【0027】
次に、ステップS2では、メモリ13内にマナーモード自動切り替えフラグが立っているため、制御部13が、近距離無線通信プログラムに基づいて、当該携帯電話機の周囲に存在する携帯電話機と近距離無線通信を行い、近距離無線通信回線が確立された携帯電話機の数をカウントすることで、当該携帯電話機の周囲に存在する携帯電話機の機器数をカウントする。
【0028】
次に、この実施の形態の携帯電話機の場合、マナーモードへの自動切り替えを行うか否かの判別に用いる、上記周囲に存在する携帯電話機の機器数は、ユーザが予め設定メニューに基づいて設定するようになっている。そして、このユーザにより設定された機器数が上記「機器数閾値」としてメモリ12内に記憶されるようになっている。
【0029】
このため、ステップS2において上記周囲に存在する携帯電話機の機器数がカウントされると、制御部13は、ステップS3において、このカウントされた機器数は、メモリ12に記憶されている機器数閾値以上の数であるか否かを判別する。そして、カウントされた機器数が機器数閾値以上の数であった場合は処理をステップS4に進め、カウントされた機器数が機器数閾値よりも少ない数であった場合は処理をステップS6に進める。
【0030】
すなわち、当該実施の形態の携帯電話機の周囲に人が存在しないということは、当該携帯電話機から着信音等が発音されたとしても、これにより迷惑を被る人が存在しないことを意味する。また、当該実施の形態の携帯電話機の周囲に存在する人の人数が所定人数(=上記機器数閾値に相当)よりも少ない人数であるということは、当該携帯電話機から着信音等が発音されたとしても、これにより周囲の人が迷惑を被る可能性が低いことを意味する。
【0031】
このため、上記カウントされた機器数が機器数閾値よりも少ない数であった場合、制御部13は、ステップS6において、現在、マナーモードに設定されているか否かを判別し、マナーモードが設定されていない場合は(=着信音等が出力される通常モードの場合は)、そのままこの図2のフローチャートの処理を終了し、マナーモードが設定済みの場合は、ステップS7において、マナーモードから通常モードにモードの切り替え制御を行い、この図2のフローチャートの処理を終了する。これにより、着信等があった場合に着信音等が出力制御されることとなるが、周囲に存在する人がおらず、或いは少ないため、該着信音等が周囲の人の迷惑となることはない。
【0032】
一方、上記カウントされた機器数が機器数閾値以上の数であると判別することで処理をステップS4に進めると、制御部13は、当該携帯電話機に対して既にマナーモードが設定されているか否かを判別する。そして、マナーモードが設定済みの場合は、そのままこの図2に示すフローチャートの処理を終了し、マナーモードが設定されていない場合は、ステップS5に処理を進める。
【0033】
ステップS5では、マナーモードが設定されていないため、制御部13が、例えばバイブレーションユニット9は駆動可能状態とし、スピーカ部3から出力される着信音等の音声は非出力とするマナーモードに当該携帯電話機を切り替え制御して、この図2に示すフローチャートの処理を終了する。
【0034】
制御部13は、上述のようにこの図2のフローチャートに示す処理を、例えば10秒周期で繰り返し実行する。これにより、当該携帯電話機の周囲に人が多い場合は、当該携帯電話機に対してマナーモードが自動的に設定され、当該携帯電話機の周囲に人が存在せず、或いは少ない場合は、マナーモードが解除され、通常モードが自動的に設定されることとなる。
【0035】
〔マナーモードへの移行要求に応じた自動切り替え動作〕
次に、当該実施の形態の携帯電話機は、当該携帯電話機の周囲に存在するいずれかの携帯電話機からマナーモードへの移行要求がなされた際に、当該移行要求のなされた側となるユーザの確認を経て、マナーモードへ移行するようになっている。図3のフローチャートに、当該実施の形態の携帯電話機が、他の携帯電話機に対してマナーモードへの移行要求信号を送信する側となった場合の動作の流れを示す。
【0036】
まず、他の携帯電話機をマナーモードに移行させたい場合、当該実施の形態の携帯電話機のユーザは操作部6を操作することで、例えば動作メニューからマナーモードへの移行要求信号の送信動作を選択する。制御部13は、このマナーモードへの移行要求信号の送信動作が選択されると、上記マナーモード設定プログラムに基づいて、図3のフローチャートの処理をスタートさせ、ステップS1において、メモリ12に、マナーモード自動切り替えフラグが立っているか否かを判別することで、ユーザによりマナーモードの自動切り替えが容認されているか否かを判別する。
【0037】
そして、メモリ12に、マナーモード自動切り替えフラグが立っているものと判別した場合は処理をステップS12に進め、メモリ12に、マナーモード自動切り替えフラグが立っていないものと判別した場合は、マナーモードへの移行要求信号を送信することなく、この図3のフローチャートに示す処理を終了する。
【0038】
すなわち、マナーモード自動切り替えフラグが立っていないということは、この携帯電話機は、他のユーザからのマナーモードへの移行要求信号を受け付けない設定となっていることを意味する。そして、他のユーザからのマナーモードへの移行要求信号を受け付けない設定となっているにもかかわらず、他のユーザに対してマナーモードへの移行要求信号を送信可能とすることは、公正の見地から好ましいことではない。このため、当該実施の形態の携帯電話機においては、メモリ12にマナーモード自動切り替えフラグが立っていない場合には、ユーザからマナーモードへの移行要求信号の送信要求がなされた場合でも、該移行要求信号を送信することなく、この図3のフローチャートに示す処理を終了する。
【0039】
なお、メモリ12にマナーモード自動切り替えフラグが立っていない場合、制御部13が、例えば「マナーモードへの自動切り替え設定を行った後に操作をしてください」等のメッセージを表示部5に表示し、マナーモードへの自動切り替え設定がなされていない場合は、上記移行要求信号の送信要求は行えないことをユーザに認識させることが好ましいであろう。
【0040】
次に、制御部13は、ステップS12において、周囲の携帯電話機と近距離無線通信回線を確立するように近距離無線通信ユニット11を制御し、該近距離無線通信回線が確立されたタイミングで処理をステップS13に進め、マナーモードへの移行要求信号をブロードキャスト送信するように近距離無線通信ユニット11を制御する。これにより、近距離無線通信回線が確立された周囲の各携帯電話機に対して、マナーモードへの移行要求信号がブロードキャスト送信されることとなる。
【0041】
次に、図4のフローチャートに、当該実施の形態の携帯電話機が、このマナーモードへの移行要求信号を受信した側となった場合の動作の流れを示す。制御部13は、他の携帯電話機から上述のマナーモードへの移行要求信号を受信すると、マナーモード設定プログラムに基づいて、この図4のフローチャートの処理をスタートさせる。
【0042】
ステップS21では、制御部13が、当該携帯電話機に対して既にマナーモードが設定されているか否かを判別し、マナーモードが設定済みの場合はそのままこの図4のフローチャートに示す処理を終了し、マナーモードが設定されていない場合は処理をステップS22に進める。
【0043】
ステップS22では、マナーモードが設定されていないため、制御部13が、例えば「マナーモードへの移行が要求されています。マナーモードを設定しますか?」等の、マナーモードの設定を促すメッセージを表示部5に表示制御し、処理をステップS23に進める。なお、このメッセージを表示する際、制御部13は、バイブレーションユニット9を振動駆動する。これにより、当該メッセージの表示をユーザに知らせることができる。
【0044】
次に、ステップS23では、制御部13が、操作部6の操作状態を検出することで、上記メッセージに対応して、ユーザからマナーモードへの移行指示がなされたか否かを判別する。そして、ユーザからマナーモードへの移行指示がなされなかった場合は、そのままこの図3に示すフローチャートを終了し、ユーザからマナーモードへの移行指示がなされた場合は処理をステップS24に進め、当該携帯電話機をマナーモードに切り替え制御する。これにより、マナーモードへの移行要求信号を送信するだけで、他のユーザの携帯電話機をマナーモードに移行させることができる。
【0045】
なお、この例では、マナーモードへの移行要求がなされた際に、マナーモードを設定するか否かをユーザにより判断させることとしたが(ステップS23)、これはマナーモードへの移行要求がなされたタイミングで、制御部13が自動的にマナーモードを設定するようにしてもよい。
【0046】
[実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態となる携帯電話機は、当該携帯電話機の周囲に存在する他のユーザの携帯電話機との間で近距離無線通信を行うことにより、当該携帯電話機の周囲に所定数以上の他のユーザの携帯電話機が存在するものと判別した場合に、当該携帯電話機を自動的にマナーモードに移行させることができる。周囲の携帯電話機との間の近距離無線通信により、このようなマナーモードへの移行制御を行うことができるため、携帯電話機の使用禁止区域の出入口に無線通信モジュールを設置する等の大規模な装置を不要とすることができる。
【0047】
また、近距離無線通信ユニット11を用いてマナーモードへの移行要求信号を送信することができるため、周囲のユーザに対して、着信音等を不快に感じる自分の気持ちを伝えることができる。
【0048】
また、反対に、マナーモードへの移行要求信号を受信することで、周囲のユーザが、自分の携帯電話機の着信音等を不快に感じていることを認識することができ、自分の携帯電話機を速やかにマナーモードに切り替えてマナーを遵守可能とすることができる。
【0049】
[変形例]
上述の実施の形態の説明では、本発明を携帯電話機に適用することとしたが、本発明は、この携帯電話機の他、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、ノート型のパーソナルコンピュータ装置等の他の携帯端末装置に適用してもよい。この場合でも、上述と同様の効果を得ることができる。
【0050】
最後に、本発明は、本発明の一例として開示したに過ぎない上述の実施の形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、上述の実施の形態以外であっても設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明を適用した実施の形態となる携帯電話機のブロック図である。
【図2】実施の形態の携帯電話機におけるマナーモードへの自動切り替え動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】実施の形態の携帯電話機におけるマナーモードへの移行要求信号の送信動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】マナーモードへの移行要求信号を受信した実施の形態の携帯電話機における、マナーモードへの切り替え動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1 アンテナ、2 通信回路、3 スピーカ部、4 マイクロホン部、5 表示部、6 操作部、7 発光部(LED)、8 カメラ部、9 バイブレーションユニット、10 近距離無線通信アンテナ、11 近距離無線通信ユニット、12 メモリ、13 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲に存在する機器に設けられた近距離無線通信手段との間で近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、
上記近距離無線通信手段が近距離無線通信している機器の数をカウントすることで、周囲に存在する機器の数を検出する周囲機器数検出手段と、
上記周囲機器数検出手段により、所定数以上の上記機器が存在することが検出されている間、少なくともスピーカ部からの音声出力を停止制御する機能制限手段と
を有する携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置であって、
上記少なくともスピーカ部からの音声出力の停止制御を要求する機能制限要求信号を、上記周囲に存在する各機器に送信するように上記近距離無線通信手段を制御する機能制限要求信号送信手段を有し、
上記機能制限手段は、上記近距離無線通信手段を介して上記機能制限要求信号を受信した際に、少なくともスピーカ部からの音声出力を停止制御すること
を特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末装置であって、
上記機能制限手段は、上記近距離無線通信手段を介して上記機能制限要求信号を受信した際に、表示手段上に機能制限の是非を問う表示を行い、或いは上記スピーカ部から機能制限の是非を問う音声を出力し、この表示或いは音声出力により、ユーザから操作手段を介して、機能制限を承認する操作がなされた際に、上記少なくともスピーカ部からの音声出力を停止制御すること
を特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
周囲に存在する機器に設けられた近距離無線通信手段との間で近距離無線通信を行うように近距離無線通信手段を制御する近距離無線通信制御手段としてコンピュータを機能させ、
上記近距離無線通信手段が近距離無線通信している機器の数をカウントすることで、周囲に存在する機器の数を検出する周囲機器数検出手段としてコンピュータを機能させ、
上記周囲機器数検出手段としてコンピュータを機能させることで、所定数以上の上記機器が存在することが検出されている間、少なくともスピーカ部からの音声出力を停止制御する機能制限手段としてコンピュータを機能させること
を特徴とする携帯端末装置の機能制限プログラム。
【請求項5】
近距離無線通信制御手段が、周囲に存在する機器に設けられた近距離無線通信手段との間で近距離無線通信を行うように近距離無線通信手段を制御するステップと、
周囲機器数検出手段が、上記ステップにおいて上記近距離無線通信手段が近距離無線通信している機器の数をカウントすることで、周囲に存在する機器の数を検出するステップと、
上記ステップにおいて、周囲に所定数以上の上記機器が存在することが検出されている間、機能制限手段が、少なくともスピーカ部からの音声出力を停止制御するステップと
を有する携帯端末装置の機能制限方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−135009(P2007−135009A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326611(P2005−326611)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】