説明

携帯端末装置および携帯端末装置における暗証コード入力方式

【課題】 携帯電話などの携帯端末において暗証コードを入力する際、携帯端末装置の利用者が入力した暗証証コードを周囲の第3者が容易に視認できないようにする。
【解決手段】 携帯端末装置10はそれぞれタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構を備えたキー入力ユニットから構成されたキーユニット23を含む操作/入力部22、タッチパネル入力機構と押しボタン入力機構の何れが操作されたかを識別する入力操作識別部13、文字入力変換部14等を備える。暗証コード入力操作検出部12が暗証コード入力操作を検出した場合、入力文字変換部14は入力操作識別部13の識別結果に基づいて操作されたキー入力ユニットの文字コードにタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構の何れが操作されたかを区別するコードを付加してコード変換し、暗証コード生成部16がコード変換された所定桁数の入力文字コードから暗証コードを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話やPDA装置などの携帯端末装置および携帯端末装置における暗証コード入力方法に関するものであり、特に、入力手段であるキー入力ユニットの各キーにタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構を備え、操作されたキーに割り当てられたコードにタッチパネル操作コードまたは押しボタン操作を示すコードを付加して暗証コードを生成するように構成した携帯端末装置および携帯端末装置における暗証コード入力方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理技術、通信技術の発展に伴い種々の携帯型の情報通信端末装置(以下、携帯端末装置という)が広く普及している。このような携帯端末装置は、利用者が外出先からインターネットなどのネットワークを介して種々サービスを提供する情報配信サーバや所望のウェブサイトに接続して当該サービスを受け、あるいは情報を取得したり、自社のネットワークに接続して業務上必要な情報を取得することができる。
【0003】
最近では、携帯電話のハード、ソフト機能が充実し、従来の携帯端末装置の機能を兼ねるようになってきており、携帯電話の普及率の拡大にはめざましいものがある。携帯電話を利用したデータ通信サービスを提供する事業者も増加しており、携帯電話を利用してバンキング、インターネット販売、ナビゲーション、交通機関やコンピニエンスストアなどの代金決済など様々なサービスを受けることができるようになってきている。特に携帯電話においては種々のオプションやアプリケーションが搭載可能であり、利用できるサービスの種類も豊富になってきている。
【0004】
図4は一般的な携帯電話の外観を示す図である。図4に示すように、携帯電話は、液晶表示ユニットなどから構成される表示部8、操作/入力部9を備えており、操作/入力部9にはテンキー91等と選択キー92、確定キー93、入力文字コード変換キーなどの機能キーを備えている。
【0005】
このような携帯電話などの携帯端末装置においては、装置の寸法上の制約から数値や文字入力のためのキー、装置の機能選択のための機能キーなど多数設けることができず、一般的には、表示部に表示したメニューの選択や機能キーの操作により各キーに割り当てられた入力定義を切り換えて入力文字変換を行うようにされている。図4に示すような携帯電話においては、通話の場合、テンキーは数値入力として入力文字変換が行われ、電話帳入力時の名前や住所の入力、電子メールのテキスト入力時にはかな漢字入力として入力文字変換が行われる。
【0006】
また、このような携帯端末装置においては、先に述べたと同様な理由から操作・入力のためのキー入力ユニットを物理的に大きくすることができず、利用者が指で操作した際に隣接するキーを同時操作しない程度の大きさ、間隔で配置される。このため利用者が所望のキーを正しく操作できたか否かを感覚的に把握できないという問題点がある。
【0007】
このような問題点を解消するため、利用者に入力キー操作の状況を適切に表示できるようにした携帯端末装置のデータ入力装置が下記の特許文献1(特開2002−244791号公報)に開示されている。このデータ入力装置は、入力手段であるキー入力ユニットの各キーにタッチパネル式検出機構と押しボタン入力機構を備え、利用者の操作状況を表示部などに適切に表示するように構成したものである。
【0008】
すなわち、この特許文献1に開示されたキー入力ユニットは図5に示すように、キー本体53の表面に接触覚ボード52と保護シート51とが積層されて貼り付けられている。保護シート51には文字や記号などが印刷されている。接触覚ボード52は、接触覚を検出し、例えばカーボンファイバ製の薄板フェルトを両側から電極で挟んだものが用いられ、ユーザの指がキーに触れると接触圧力をオンとオフの2値でとらえて検出する。接触覚ボード52は指の接触圧による電極間の電気抵抗の変化を検出し、接触押下判定部29においてキーへの接触を検出する。キー本体53は、反撥弾性をもったヒンジ部55を介してキー基盤50に設置されている。
【0009】
また、キー本体53は裏面に突起部54が一体になって構成されており、キーが(たとえば0.5ニュートン以上の力で)押下されると突起部54がキー基盤50上に設置された金属ドーム接点56を押下し、押下圧力によって金属ドーム接点56が凹んで固定接点57に接触し、キーの押下を検出すると同時に金属ドーム接点56の反撥弾性により指にクリック感を生ずる。各キーは、接触による弱い圧力で接触の有無を検出し、押下による比較的強い圧力によって押下の有無を検出する。
【0010】
また、キーへの接触の有無は、接触覚ボード52の電気抵抗の変化以外に電気容量の変化などのいかなる物理量を測定して検出してもよい。ユーザが何れのキーに触れているかを示す接触信号と、ユーザが何れのキーを押下しているかを示す押下信号は送信部30をへてコンピュータ31に送信される。
【0011】
このようにキー入力ユニットを構成することにより、接触覚ボード52もしくはキー押下による金属ドーム接点56と固定接点57の接触を検出することにより、当該キーが操作された際にその状況を表示し、利用者によるキー操作の確認を容易にすることができるようになる。
【特許文献1】特開2002−244791号公報(図71、段落[0045]〜[0048])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、携帯電話などの携帯端末装置においては先に述べたようにそのアプリケーションが種々提供されており利用範囲が拡大している。例えば、インターネットを利用した商取引の決済や銀行取引(電子マネーとしての預金引き出しなど)のサービスが提供されている。このような取引においては携帯端末装置から予め登録してある暗証コードを入力することにより本人認証を行うシーケンスが必須となる。
【0013】
最近では個人情報の漏洩や不正に取得した暗証コードを用いた犯罪が多発しており、携帯端末装置から暗証コードを入力する場合、周囲の第3者に入力した暗証コードを盗み見られないようにすることが重要になってきている。このような問題点に対応するため、例えば、金融機関の店舗などに設置された端末装置においては、生体認証によって個人認証を行いその安全性を高める提案が種々行われている。
【0014】
しかしながら、携帯端末装置に前述のような生体認証に対応する入力手段や画像処理手段を設けることは、装置の物理的な寸法やコスト上の制約があり現実的な解決策とはなり得ないという問題点があった。一般的な携帯端末が備えているキー入力手段によって暗証コードを入力する場合には周囲の第3者にどのキーを操作したかを覗き見られないように利用者が注意を払うしか防衛手段がないという問題点があった。
【0015】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討した結果、入力手段であるキー入力ユニットの各キーにタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構を備え、操作されたキーに割り当てられたコードにタッチパネル操作コードまたは押しボタン操作を示すコードを付加して暗証コードを生成するように構成すれば、利用者が操作したキーを第3者が盗み見たとしても、タッチ入力であるか、押下入力であるかを識別することは不可能であり、安全性が向上することに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0016】
すなわち、本発明は前記の問題点を解消することを課題とし、携帯電話などの携帯端末において暗証コードを入力する際、携帯端末装置の利用者が入力した暗証証コードを周囲の第3者が容易に視認できないようにした携帯端末装置および携帯端末装置における暗証コード入力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
それぞれタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構を備えたキー入力ユニットから構成されたキーユニットを含む操作/入力部と、暗証コード入力操作を検出する暗証コード入力操作検出部と、タッチパネル入力機構と押しボタン入力機構の何れが操作されたかを識別する入力操作識別部と、文字入力変換部と、暗証コード生成部と、備えた携帯端末装置であって、
前記暗証コード入力操作検出部が暗証コード入力操作を検出した場合、前記入力文字変換部は前記入力操作識別部の識別結果に基づいて操作されたキー入力ユニットの文字コードにタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構の何れが操作されたかを区別するコードを付加してコード変換し、暗証コード生成部が前記コード変換された所定桁数の入力文字コードに基づいて暗証コードを生成することを特徴とする。
【0018】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる携帯端末装置において、
前記携帯端末装置は、更に、登録暗証コード記憶部とコード比較部と、を備え、前記暗証コード生成部が生成した暗証コードと前記登録暗証コード記憶部に記憶された暗証コードとを前記コード比較部により比較し、比較結果が一致した場合に入力された暗証コードが正しい暗証コードであると判定することを特徴とする。
【0019】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる携帯端末装置において、前記携帯端末装置は、更に、無線通信部を備え、前記暗証コード生成部が生成した暗証コードを所望のサービス提供機関に送信することを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項4にかかる発明は、
それぞれタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構を備えたキー入力ユニットから構成されたキーユニットを含む操作/入力部と、暗証コード入力操作を検出する暗証コード入力操作検出部と、タッチパネル入力機構と押しボタン入力機構の何れが操作されたかを識別する入力操作識別部と、文字入力変換部と、暗証コード生成部と、備えた携帯端末装置における暗証コード入力方法であって、
前記暗証コード入力操作検出部が暗証コード入力操作を検出するステップと、前記入力文字変換部は前記入力操作識別部の識別結果に基づいて操作されたキー入力ユニットの文字コードにタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構の何れが操作されたかを区別するコードを付加してコード変換するステップと、前記暗証コード生成部が前記コード変換された所定桁数の入力文字コードに基づいて暗証コードを生成するステップと、を有することを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる暗証コード入力方法において、
前記携帯端末装置は、更に、登録暗証コード記憶部とコード比較部と、を備え、前記暗証コード入力方法は、前記暗証コード生成部が生成した暗証コードと前記登録暗証コード記憶部に記憶された暗証コードとを前記コード比較部により比較するステップと、比較結果が一致した場合に入力された暗証コードが正しい暗証コードであると判定するステップと、を更に含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1にかかる発明においては、暗証コード入力操作検出部が暗証コード入力操作を検出した場合、前記入力文字変換部は前記入力操作識別部の識別結果に基づいて操作されたキー入力ユニットの文字コードにタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構の何れが操作されたかを区別するコードを付加してコード変換し、暗証コード生成部が前記コード変換された所定桁数の入力文字コードに基づいて暗証コードを生成する。
【0023】
従って、暗証コードはタッチ操作と押下操作により区別された別のコードとして入力文字コード変換されるため、周囲の第3者が入力操作を盗み見たとしても、タッチ操作であるか押下操作であるかは操作した本人には明確に区別が認識できるが、一瞥した他の人にはこの差を識別することは事実上困難であり、暗証コード入力の安全性を飛躍的に向上させることができるようになる。
【0024】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、帯端末装置は、更に、登録暗証コード記憶部とコード比較部と、を備え、前記暗証コード生成部が生成した暗証コードと前記登録暗証コード記憶部に記憶された暗証コードとを前記コード比較部により比較し、比較結果が一致した場合に入力された暗証コードが正しい暗証コードであると判定する。
【0025】
従って、利用者が暗証コード入力に際してタッチ操作と押下操作を間違えても、エラーメッセージを表示することができ、入力の修正を行うことができるようになる。
【0026】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる発明において、携帯端末装置は、更に、無線通信部を備え、前記暗証コード生成部が生成した暗証コードを所望のサービス提供機関に送信する。従って、サービス提供機関の個人認証を安全に行うことができるようになる。
【0027】
また、請求項4、請求項5にかかる発明においては、それぞれ、請求項1、請求項2にかかる携帯端末装置における暗証コード入力方法を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の実施例にかかる携帯端末装置としての携帯電話の構成を示すブロック図である。図2は、図1の携帯電話における入力暗証コードと登録暗証コードの比較判断の例を示す模式図である。図3は、図1の携帯電話における暗証コード入力の動作手順を示すフローチャートである。なお、本実施例においては、携帯端末装置として携帯電話を例に説明するが、本発明は、携帯電話のみならず一般的なPDA装置などの携帯端末装置に適用することも可能である。
【実施例1】
【0029】
本発明の実施例にかかる携帯電話10は、図1に示すように、制御部11、暗証コード入力操作検出部12、入力操作識別部13、入力文字変換部14、登録暗証コード記憶部15、暗証コード生成部16、コード比較部17、無線通信部18、通話処理部19、パケット通信制御部20、表示部21、キーユニット23を含む操作/操作/入力部22などを備えて構成されている。制御部11は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にRAM、ROMなどの記憶手段を備えており、これらの記憶手段に蓄積されたプログラムによって各部の動作が制御される。
【0030】
無線通信部18は、携帯電話基地局との間で無線通信を行う無線通信インターフェースであり、音声通話やデータ通信のパケットデータが無線通信によって携帯電話基地局との間で送受信される。通話処理部19は、音声出力のためのスピーカ、音声入力のためのマイク、音声の符号化と複合化の機能と受話音量やマイクの感度変更機能を持つ音声コーデックなどから構成され通話を行う際に使用される。操作/操作/入力部22は数字キー、アルファベットキーなどのキーユニット23を含み、携帯電話10が持つ各種の機能を選択するための機能ボタン、タッチパッドやジョグダイヤルなどを含んで構成され、携帯電話10を操作する入力を行う部分であり、液晶ディスプレイなどで構成される表示部21は、各種アプリケーションの操作画面を表示したり、操作/操作/入力部21から入力された入力に従って関連する画面を表示したりする。
【0031】
利用者が暗証コードを登録、入力する場合は、表示部に表示されたメニュー画面等により暗証コード入力が選択されたり、暗証コード入力の機能キーなどが動作されたりする。暗証コード入力操作検出12はこれを検出し、利用者が暗証コード入力の処理を行っていることを判別することができる。
【0032】
キーユニット23を構成する個々のキー入力ユニットは、図5に示す従来周知のタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構を備えた複数のキー入力ユニットから構成されている。従って、暗証コード入力操作検出部12暗証コード入力操作を検出し、利用者が前述したキー入力ユニットを指で操作する際に、タッチ操作であるか、押下操作であるかにより、それぞれの操作を検出する。そして、文字入力コード変換部14が操作されたキー入力ユニットに対応する入力文字コードに変換する際に、タッチ操作または押下操作の区別を示すコードを付加することにより、当該操作されたキー入力ユニットの入力文字コードが2種類の異なる暗証コードに変換される。変換された暗証コードを所定桁数分のデータに編集し、暗証コード生成部16が複数桁の暗証コードを生成する。
【0033】
利用者は、所望のサービス機関に対して登録した暗証コードについて、携帯電話10を用いて先ず暗証コード登録処理を選択し、所定のキー入力ユニットを登録した暗証コードの桁数分順次操作して上記の入力作業を行うと、暗証コード生成部16が生成した複数桁の暗証コードが登録暗証コード記憶部15に記憶される。一方、利用者が所望のサービス機関に対してサービスを要求するに際して暗証コードを入力する場合は、暗証コード入力を選択して前述と同様にしてキー入力ユニットを順次操作し暗証コードを生成する。
【0034】
図2は前述のようにして登録暗証コード記憶部15に登録された暗証コード、暗証コード入力により入力された暗証コードをコード比較部17により比較し、両者が一致するか否かを判別する比較判断の一例を示す図である。登録暗証コード記憶部15に登録された暗証コードが図2に示すように、1桁目が数字「3:押下」、2桁目が数字「4:タッチ」、3桁目が数字「4:押下」、4桁目が数字「5:押下」であったものとする。
【0035】
一方、暗証コード入力処理において暗証コード生成部16において生成された暗証コードが図2に示すように、1桁目が数字「3:押下」、2桁目が数字「4:タッチ」、3桁目が数字「5:押下」、4桁目が数字「5:押下」であると、コード比較部17は両者を比較し、3桁目が登録暗証コード(4:押下)と入力暗証コード(5:押下)とが異なるため、暗証コードの不一致としてエラーメッセージを表示部21に表示する。
【0036】
両者が一致した場合には暗証コード入力が正しく行われたものとしてパケット通信制御部19に入力した暗証コードが送られ、無線通信部18を介して所定のサービス提供機関に送信される。暗証コードは以上述べたようにタッチ操作と押下操作により区別された別のコードとして入力文字コード変換されるため、周囲の第3者が入力操作を盗み見たとしても、タッチ操作であるか押下操作であるかは操作した本人には明確に区別が認識できるが、一瞥した他の人にはこの差を識別することは事実上困難であり、暗証コード入力の安全性を飛躍的に向上させることができるようになる。
【0037】
図3は、図1の携帯電話10における暗証コード入力の動作手順を示すフローチャートである。暗証コードは前述のようにして利用者によって既に登録処理が行われ、登録暗証コード記憶部15に記憶されているものとする。また、入力された暗証コードを送信する所望のサービス提供機関の送信先などの指定は所定の入力メニュー画面等を使用して完了しているものとする。
【0038】
先ず、利用者によって暗証コード入力の処理が選択されるとステップS10の処理において、暗証コード入力操作検出部12がこれを検出する。ステップS11の処理においてキーユニット23の操作があったか否かが判定され、キー入力ユニットの操作がなければステップS11の判定処理を繰り返し、キー入力ユニットの操作があれば、ステップS12の処理に進み、入力操作識別部13がキーの押下であるか否かを判定する。
【0039】
図5に示すように、キー入力ユニットが押下されると突起部54がキー基盤50上に設置された金属ドーム接点56を押下し、押下圧力によって金属ドーム接点56が凹んで固定接点57に接触し、キー入力ユニットの押下を検出する。ステップS13の処理においてキー入力ユニットの押下が検出されると、ステップS14の処理において入力文字変換部14は入力文字コード変換を行い図2に例示したように文字変換と押下、タッチの区別を付加し「3:押下」のようにコードに変換し、暗証コード生成部16に送って記憶する。
【0040】
そして、ステップS15の処理において入力操作識別部13はキー入力ユニットから指が離れたかを判定し、指が離れていなければこのステップS15の判定を繰り返し、指が離れたならばステップS19の処理に進み、所定の入力桁数に達したかが判定される。
【0041】
一方、ステップS12の処理において、キー入力ユニットの押下が検出されなかった場合は、ステップS16の処理において入力操作識別部13がキー入力ユニットから指が離れたか否かを判定し指が離れていなければステップS12の処理に戻り、指が離れたことが検出され、ステップS17の処理において、入力操作識別部13が図5に示すように接触覚ボード52において指の接触圧による電極間の電気抵抗の変化を検出して、キー入力ユニットへの接触(タッチ)を識別する。
【0042】
キー入力ユニットのタッチが検出されると、ステップS18の処理において入力文字変換部14は入力文字コード変換を行い図2に例示したように文字変換と押下、タッチの区別を付加し「4:タッチ」のようにコードに変換し、暗証コード生成部16に送って記憶する。
【0043】
ステップS19の処理においては、暗証コード生成部16が所定桁数の暗証コードが全て入力されたかを判定し、全ての桁の入力が終了していなければステップS11の処理に戻り、次の桁のキー入力ユニットの操作を検出する。所定桁数の入力が終了していればステップS29の処理において暗証コード生成部16は全ての入力コードを編集し、図2に示す暗証コードを生成する。
【0044】
そして、ステップS21の処理においてコード比較部17は、図2を参照して説明したように登録暗証コード記憶部15に記憶された登録暗証コードと暗証コード生成部16が生成した入力暗証コードを比較し、登録された暗証コードと入力された暗証コードが一致しなければ、ステップS23の処理にとおいてエラーメッセージを表示部21に表示し、一致していれば暗証コードが正しく入力されたものとしてステップS22の処理において携帯電話10は所定のサービス提供機関に当該入力された暗証コードを送信して処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例にかかる携帯端末装置としての携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の携帯電話における入力暗証コードと登録暗証コードの比較判断の例を示す模式図である。
【図3】図1の携帯電話における暗証コード入力の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】従来の携帯電話の外観を示す外観図である。
【図5】従来周知のタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構を備えたキー入力ユニットの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
10・・・携帯電話
11・・・制御部
12・・・暗証コード入力操作検出部
13・・・入力操作識別部
14・・・入力文字変換部
15・・・登録暗証コード記憶部
16・・・暗証コード生成部
17・・・コード比較部
18・・・無線通信部
19・・・通話処理部
20・・・パケット通信制御部
21・・・表示部
22・・・操作/操作/入力部
23・・・キーユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構を備えたキー入力ユニットから構成されたキーユニットを含む操作/入力部と、暗証コード入力操作を検出する暗証コード入力操作検出部と、タッチパネル入力機構と押しボタン入力機構の何れが操作されたかを識別する入力操作識別部と、文字入力変換部と、暗証コード生成部と、備えた携帯端末装置であって、
前記暗証コード入力操作検出部が暗証コード入力操作を検出した場合、前記入力文字変換部は前記入力操作識別部の識別結果に基づいて操作されたキー入力ユニットの文字コードにタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構の何れが操作されたかを区別するコードを付加してコード変換し、暗証コード生成部が前記コード変換された所定桁数の入力文字コードに基づいて暗証コードを生成することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記携帯端末装置は、更に、登録暗証コード記憶部とコード比較部と、を備え、前記暗証コード生成部が生成した暗証コードと前記登録暗証コード記憶部に記憶された暗証コードとを前記コード比較部により比較し、比較結果が一致した場合に入力された暗証コードが正しい暗証コードであると判定することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記携帯端末装置は、更に、無線通信部を備え、前記暗証コード生成部が生成した暗証コードを所望のサービス提供機関に送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
それぞれタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構を備えたキー入力ユニットから構成されたキーユニットを含む操作/入力部と、暗証コード入力操作を検出する暗証コード入力操作検出部と、タッチパネル入力機構と押しボタン入力機構の何れが操作されたかを識別する入力操作識別部と、文字入力変換部と、暗証コード生成部と、備えた携帯端末装置における暗証コード入力方法であって、
前記暗証コード入力操作検出部が暗証コード入力操作を検出するステップと、前記入力文字変換部は前記入力操作識別部の識別結果に基づいて操作されたキー入力ユニットの文字コードにタッチパネル入力機構と押しボタン入力機構の何れが操作されたかを区別するコードを付加してコード変換するステップと、前記暗証コード生成部が前記コード変換された所定桁数の入力文字コードに基づいて暗証コードを生成するステップと、を有することを特徴とする携帯端末装置における暗証コード入力方法。
【請求項5】
前記携帯端末装置は、更に、登録暗証コード記憶部とコード比較部と、を備え、前記暗証コード入力方法は、前記暗証コード生成部が生成した暗証コードと前記登録暗証コード記憶部に記憶された暗証コードとを前記コード比較部により比較するステップと、比較結果が一致した場合に入力された暗証コードが正しい暗証コードであると判定するステップと、を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末装置における暗証コード入力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−60074(P2007−60074A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240780(P2005−240780)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】