説明

携帯端末

【課題】複数の音声出力のうち、必要な音声出力を容易に選択する。
【解決手段】携帯通信端末10は、第1LCDモニタ38a、第2LCDモニタ38b、第1DTVチューナ42aおよび第2DTVチューナ42bを備えるため、使用者は、それぞれのLCDモニタで異なるチャンネルのTV番組を視聴することができる。たとえば、使用者は、第1タッチパネル26aタッチすることで、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組の音声の出力を止めることができる。さらに、第2タッチパネル26bタッチすることで、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組の音声の出力を止めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯通信端末に関し、特にたとえば地上デジタル放送を視聴することができる、携帯通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術は、2以上の映像信号を同時に入力し、マルチ画面として表示可能なテレビジョン受像機である。このテレビジョン受像機は、U/VチューナおよびBSチューナを備え、1つのCRTで複数の画面表示を行う。そして、このテレビジョン受像機は、複数の画面表示のそれぞれに、U/Vチューナによって受信した映像とBSチューナによって受信した映像とを表示する。
【0003】
また、特許文献2には、携帯機器が開示されている。この携帯機器は、表示部とタッチパネルとタッチパネル表示部とを備える。表示部には、メニューなどの表示がされ、タッチパネル表示部は、タッチパネルの下面に設けられ、タッチパネルに対して入力された文字などを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−316447号公報[H04N 5/45, H04N 5/44]
【特許文献2】特開2007−86976号公報[G06F 3/041, G06F 3/048, H04M 1/247]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、音声について触れられていないが、一般的に、複数の画面表示を行
う場合に、テレビジョン受像機は、主に視聴する画面表示(テレビ放送)に対応する音声のみを出力する。そして、使用者は、テレビジョン受像機を操作する専用のリモコンによって、容易に主に視聴するテレビ放送の音声を容易に切り替えることができる。
【0006】
また、特許文献2の携帯機器において、特許文献1に示すテレビジョン受像機のように、2つの表示部のそれぞれで、テレビ放送を視聴できるようにすると、主に視聴するテレビ放送の音声を切り替える専用の切り替えキーを備える必要がある。ところが、携帯機器では、設けられるキーの制約があるため、携帯機器に、専用の切り替えキーを備えさせるのは現実的でない。また、すでに設けられた操作キーなど用いて切り替えの処理を行う場合には、使用者の操作が煩雑になり、主に視聴するテレビ放送の音声を容易に切り替えることができない。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯通信端末を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、複数の音声出力のうち、必要な音声出力を容易に選択することができる、携帯通信端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0010】
第1の発明は、放送波を受信して少なくとも2つの音声情報を抽出する放送波受信手段、放送波受信手段によって抽出された2つの音声情報に基づく音声を出力する音声出力装置、2つの音声情報にそれぞれ関連付けられる2つのタッチ検出手段、および一方のタッチ検出手段によってタッチの開始が検出されるときに、関連する一方の音声情報に基づく音声出力を停止させる音声出力停止手段を備える、携帯通信端末である。
【0011】
第1の発明では、携帯通信端末(10)の放送波受信手段(42a、42b)は、放送波を受信して少なくとも2つの音声情報を抽出する。音声出力装置(34a、34b、34c)は、放送波受信手段によって抽出された2つの音声情報に基づく音声を出力する。2つのタッチ検出手段(26a,26b)は、2つの音声情報にそれぞれ関連付けられる。音声出力停止手段(20、S11、S81)は、一方のタッチ検出手段によってタッチの開始が検出されるときに、関連する一方の音声情報に基づく音声出力を停止させる。
【0012】
たとえば、放送波受信手段は、デジタル放送を受信する受信機であり、音声出力装置は、デジタル放送の音声を出力するスピーカである。そして、2つのタッチ検出手段は、2つのタッチパネルである。したがって、一方のタッチ検出手段によってタッチの開始が検出され、音声停止手段によって音声出力が停止されると、一方のタッチ検出手段に関連する音声情報に基づいた音声は、出力されなくなる。
【0013】
第1の発明によれば、使用者は、一方のタッチ検出手段にタッチの開始を検出させることで、一方のタッチ検出手段と対応する一方の音声情報に基づく音声出力が停止されるため、必要な音声出力を容易に選択することができる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明に従属し、音声出力停止手段によって一方の音声情報に基づく音声出力が停止されたときに、音声出力装置の直前の音量情報を記憶する記憶手段、一方のタッチ検出手段によってタッチの終了が検出されるときに、記憶手段によって記憶された音量情報を読み出す読み出し手段、および読み出し手段によって読み出された音量情報を音声出力装置に与えて、音声出力停止手段によって停止された音声出力の停止を解除する解除手段をさらに備える。
【0015】
第2の発明では、記憶手段(20、30、S9、S79)は、音声出力停止手段によって一方の音声情報に基づく音声出力が停止されたときに、音声出力装置の直前の音量情報を記憶する。読み出し手段(20、S57、S137)は、一方のタッチ検出手段によってタッチの終了が検出されるときに、記憶手段によって記憶された音量情報を読み出す。解除手段(20、S59、S139)は、読み出し手段によって読み出された音量情報を音声出力装置に与えて、音声出力停止手段によって停止された音声出力の停止を解除する。つまり、一方のタッチ検出手段によってタッチの終了が検出されると、停止された音声出力が復帰する。
【0016】
第2の発明によれば、使用者は、一方のタッチ検出手段にタッチの終了を検出させることで、一方のタッチ検出手段に関連する音声情報に基づいた音声を、再び音声出力させることができる。
【0017】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に従属し、放送波受信手段は2つの映像情報をさらに抽出し、放送波受信手段によって抽出された2つの映像情報に基づく映像を出力する2つの表示装置をさらに備え、2つのタッチ検出手段は、2つの表示装置にそれぞれ設けられる。
【0018】
第3の発明では、放送波受信手段は2つの映像情報をさらに抽出する。2つの表示装置(38a、38b)は、放送波受信手段によって抽出された2つの映像情報に基づく映像
を出力する。そして、2つのタッチ検出手段は、2つの表示装置にそれぞれ設けられる。たとえば、2つの表示装置は、デジタル放送の映像を出力(表示)する。
【0019】
第3の発明によれば、表示装置から出力される映像を確認してから、必要な音声を選択することができる。
【0020】
第4の発明は、第3の発明に従属し、一方のタッチ検出手段によってタッチ状態の継続が検出されるときに、タッチ状態が継続する時間を計測する時間計測手段、および時間計測手段によって検出された時間に基づいて一方のタッチ検出手段に対応する一方の表示装置による映像出力を停止させる映像出力停止手段をさらに備える。
【0021】
第4の発明では、時間計測手段(20、S3、S5、S23、S73、S75、S93)は、一方のタッチ検出手段によってタッチ状態の継続が検出されるときに、タッチ状態が継続する時間を計測する。映像出力停止手段(20、S25、S95)は、時間計測手段によって検出された時間に基づいて一方のタッチ検出手段に対応する一方の表示装置による映像出力を停止させる。たとえば、映像出力の停止に併せて、放送波受信手段と一方のタッチ検出手段に対応する表示装置との電源がオフにされる。
【0022】
第4の発明によれば、映像出力を停止することで、携帯通信端末の消費電力を低減させることができる。
【0023】
第5の発明は、第4の発明に従属し、記憶手段は、映像出力停止手段によって一方の表示装置による映像出力が停止されたときに、一方の表示装置によって出力された一方の映像情報に対応する放送波のチャンネル情報を記憶するチャンネル情報記憶手段を含み、読み出し手段は、一方のタッチ検出手段によってタッチの終了が検出されるときに、チャンネル情報記憶手段によって記憶されたチャンネル情報を読み出すチャンネル情報読み出し手段を含み、解除手段は、チャンネル情報読み出し手段によって読み出したチャンネル情報を放送波受信手段に与えて、映像出力停止手段によって停止された一方の表示装置の映像出力の停止を解除する映像出力解除手段を含む。
【0024】
第5の発明では、チャンネル情報記憶手段(20、30、S9、S79)は、映像出力停止手段によって一方の表示装置による映像出力が停止されたときに、一方の表示装置によって出力された一方の映像情報に対応する放送波のチャンネル情報を記憶する。チャンネル情報読み出し手段(20、S57、S137)は、一方のタッチ検出手段によってタッチの終了が検出されるときに、チャンネル情報記憶手段によって記憶されたチャンネル情報を読み出す。映像出力解除手段(20、S59、S139)は、チャンネル情報読み出し手段によって読み出したチャンネル情報を放送波受信手段に与えて、映像出力停止手段によって停止された一方の表示装置の映像出力の停止を解除する。
【0025】
第5の発明によれば、使用者は、一方のタッチ検出手段にタッチの終了を検出させることで、停止した映像出力を再び出力させることができる。
【0026】
第6の発明は、第1の発明ないし第5の発明のいずれかに従属し、放送波受信手段は、それぞれ異なる放送波を受信する2つの放送波受信手段を含み、一方の音声情報および一方の映像情報は、一方の放送波受信手段によって抽出され、他方の音声情報および他方の映像情報は、他方の放送波受信手段によって抽出され、2つのタッチパネルは、2つの放送波受信手段にそれぞれ対応付けられる。
【0027】
第6の発明では、2つの放送波受信手段(42a、42b)は、それぞれ異なる放送波を受信する。そして、一方の音声情報および一方の映像情報は、一方の放送波受信手段に
よって抽出され、他方の音声情報および他方の映像情報は、他方の放送波受信手段によって抽出さる。さらに、2つのタッチパネルは、2つの放送波受信手段にそれぞれ対応付けられる。つまり、2つの音声情報および2つの映像情報は、2つの放送波受信手段によって抽出される。
【0028】
第6の発明によれば、携帯通信端末は、2つの放送波受信手段を備えることで、異なる2つの音声を出力することができる。
【0029】
第7の発明は、第6の発明に従属し、音声出力装置は、2つの音声情報に基づく音声を出力する複数の音声出力装置であり、一方のタッチ検出手段によってスライドの操作が検出されるとき、スライドの方向を検出する方向検出手段、方向検出手段によって第1方向が検出されるときに、他方のタッチ検出手段に対応する他方の放送波受信手段から抽出された他方の音声情報に基づく音声を出力する音声出力装置の音量情報を変更する音量情報変更手段、および方向検出手段によって第1方向とは異なる第2方向が検出されるときに、他方の放送波受信手段によって受信される放送波のチャンネル情報を変更するチャンネル情報変更手段をさらに備える。
【0030】
第7の発明では、音声出力装置は、2つの音声情報に基づく音声を出力する複数の音声出力装置である。方向検出手段(20、S31、S101)は、一方のタッチ検出手段によってスライドの操作が検出されるとき、スライドの方向を検出する。音量情報変更手段(20、S35、S105)は、方向検出手段によって第1方向が検出されるときに、他方のタッチ検出手段に対応する他方の放送波受信手段から抽出された他方の音声情報に基づく音声を出力する音声出力装置の音量情報を変更する。チャンネル情報変更手段(20、S37、S107)は、方向検出手段によって第1方向とは異なる第2方向が検出されるときに、他方の放送波受信手段によって受信される放送波のチャンネル情報を変更する。つまり、2つの音声情報のそれぞれは、異なる音声出力装置から出力される。
【0031】
第7の発明によれば、使用者は、一方のタッチ検出手段によってスライドの操作を検出させることで、他方のタッチ検出手段を設ける表示装置から出力される映像またはその映像に対応する音声を制御することができる。
【0032】
第8の発明は、第1の発明ないし第7の発明のいずれかに従属し、複数の音声出力装置は、一方の放送波受信手段によって抽出される一方の音声情報に基づく第1音声を出力する第1音声出力装置、他方の放送波受信手段によって抽出される他方の音声情報に基づく第2音声を出力する第2音声出力装置、および第1音声出力装置と第2音声出力装置との間に設けられ第1音声および第2音声の一方を出力する第3音声出力装置を含み、音声停止手段によって第1音声出力が停止されるときに、第3音声出力装置から第2音声を出力させるように設定し、音声停止手段によって第2音声出力が停止されるときに、第3音声出力装置から第1音声を出力させるように設定する出力設定手段をさらに備える。
【0033】
第8の発明では、第1音声出力装置(34a)は、一方の放送波受信手段によって抽出される一方の音声情報に基づく第1音声を出力する。第2音声出力装置(34c)は、他方の放送波受信手段によって抽出される他方の音声情報に基づく第2音声を出力する。第3音声出力装置(34b)は、第1音声出力装置と第2音声出力装置との間に設けられ第1音声および第2音声の一方を出力する。出力設定手段(20、S159)は、音声停止手段によって第1音声出力が停止されるときに、第3音声出力装置から第2音声を出力させるように設定し、音声停止手段によって第2音声出力が停止されるときに、第3音声出力装置から第1音声を出力させるように設定する。つまり、選択した音声に応じて、第3音声出力装置から出力される音声も変化される。これによって、選択された音声は、2つの音声出力装置から出力される。
【0034】
第8の発明によれば、選択された音声がステレオ放送である場合に、左右のチャンネルそれぞれに割り当てられた音声を聞くことができるようになる。
【発明の効果】
【0035】
この発明によれば、一方のタッチ検出手段によってタッチが検出されると、一方のタッチ検出手段に対応する一方の音声情報に基づく音声出力が停止されるため、必要な音声出力を容易に選択することができる。
【0036】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は本発明の一実施例の携帯通信端末を示すブロック図である。
【図2】図2は図1に示す携帯通信端末の外観を示す図解図である。
【図3】図2は図1に示す携帯通信端末の外観を示す他の図解図である。
【図4】図4は図1に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図5】図5は図4に示すRAMに記憶されるデータ記憶領域を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示すCPUの第1タッチパネルのタッチ検出処理の一部を示すフロー図である。
【図7】図7は図1に示すCPUの第1タッチパネルのタッチ検出処理の他の一部であって、図6に後続するフロー図である。
【図8】図8は図1に示すCPUの第1タッチパネルのタッチ検出処理のその他の一部であって、図7に後続するフロー図である。
【図9】図9は図1に示すCPUの第2タッチパネルのタッチ検出処理の一部を示すフロー図である。
【図10】図10は図1に示すCPUの第2タッチパネルのタッチ検出処理の他の一部であって、図9に後続するフロー図である。
【図11】図11は図1に示すCPUの第2タッチパネルのタッチ検出処理のその他の一部であって、図10に後続するフロー図である。
【図12】図12は図1に示すCPUのスピーカ制御処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
<第1実施例> 図1を参照して、携帯通信端末10は、第1LCDモニタ38aおよび第2LCDモニタ38bと、第1タッチパネル26aおよび第2タッチパネル26bと、キー入力装置22とを含む。第1タッチパネル26aおよび第2タッチパネル26bのそれぞれは、タッチパネル制御回路24によって電源電圧などが制御される。また、第1タッチパネル26aおよび第2タッチパネル26bに対する操作の結果は、タッチパネル制御回路24を介して、CPU20に入力される。
【0039】
第1タッチパネル、第2タッチパネルまたはキー入力装置22によって発呼操作が行われると、CPU20は、CDMA方式に対応する無線通信回路14を制御して発呼信号を出力する。出力された発呼信号は、アンテナ12から送出され、基地局を含む移動通信網に送信される。そして、通話相手が応答操作を行うと、通話可能状態が確立される。
【0040】
通話可能状態に移行した後に、キー入力装置22によって通話終了操作が行われると、CPU20は、無線通信回路14を制御して、基地局を含む移動通信網に通話終了信号を送信する。通話終了信号の送信後、CPU20は、通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、CPU20は、通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、CPU20は通話処
理を終了する。
【0041】
携帯通信端末10の電源がオンである状態で通話相手からの発呼信号がアンテナ12によって捉えられると、無線通信回路14は、着信をCPU20に通知する。CPU20は、第1LCDモニタ38aまたは第2LCDモニタ38bから出力し、図示しない着信通知用のスピーカから着信音を出力する。キー入力装置22によって応答操作が行われると、通話可能状態が確立される。
【0042】
通話可能状態では、次のような処理が実行される。通話相手から送信された変調音声信号(高周波信号)は、アンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号は、無線通信回路14によって復調処理および復号処理を施される。これによって得られた受話音声信号は、スピーカ18から出力される。また、マイク16によって取り込まれた送話音声信号は、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理を施される。これによって生成された変調音声信号は、アンテナ12を利用して送信される。
【0043】
また、デジタルTV視聴モードが実行されると、デジタルTV受像機として機能する。第1DTVチューナ42aは、第1タッチパネル、第2タッチパネルまたはキー入力装置22によって選局操作がされると、DTVアンテナ44によって受信されたデジタル放送の高周波信号から所望のチャネルの高周波信号を抽出し、かつ抽出された高周波信号にMPEGフォーマットに従う復調処理を施す。これによって、所望のチャネルのTV番組データは、TS(Transport Stream)形式で第1DTVチューナ42aから出力される。出力されたTV番組データは、第1DEMUX(デマルチプレクサ)40aに与えられる。
【0044】
第1DEMUX40aは、与えられたTV番組データから映像パケットおよび音声パケットを抽出する。抽出された映像パケットおよび音声パケットは、CPU20を介してデコーダ32に与られる。デコーダ32は、第1DEMUX40aから与えられた映像パケットをデコードして映像データを作成し、生成された映像データをLCDドライバ36に与え、LCDドライバ36は、与えられたTV番組の映像データを第1LCDモニタ38aに出力する。この結果、所望のTV番組の映像が、第1LCDモニタ38aに表示される。
【0045】
また、デコーダ32は、第1DEMUX40aから与えられた音声パケットをデコードして左チャンネルと右チャンネルとの2つの音声データを生成する。生成された2つの音声データは、図示しないD/A変換器によってアナログ信号である音声信号に変換され、変換された左チャンネルの音声信号は第1スピーカ34aに与えられ、変換された右チャンネルの音声信号は第2スピーカ34bに与えられる。この結果、所望のTV番組の音声が第1スピーカ34aおよび第2スピーカ34bから出力される。
【0046】
また、同様にして、第2DTVチューナ42bは、第1タッチパネル、第2タッチパネルまたはキー入力装置22によって選局操作がされると、DTVアンテナ44によって受信されたデジタル放送の高周波信号から他の所望のチャネルの高周波信号を抽出し、他の所望のチャネルの他のTV番組データは、TS形式で第2DTVチューナ42bから出力される。出力された他のTV番組データは、第2DEMUX40bに与えられ、第2DEMUX40bは、与えられた他のTV番組データから映像パケットおよび音声パケットを抽出する。抽出された映像パケットおよび音声パケットは、CPU20を介してデコーダ32に与られる。
【0047】
そして、デコーダ32は、第2DEMUX40bから与えられた音声パケットをデコードして左チャンネルと右チャンネルとの2つの音声データを生成する。生成された2つの
音声データは、図示しないD/A変換器によってアナログ信号である音声信号に変換され、変換された左チャンネルの音声信号と右チャンネルの音声信号は、混合され第3スピーカ34cに与えられる。この結果、他の所望のTV番組の音声が第3スピーカ34cから出力される。また、第1LCDモニタ38aと同様にして、第2LCDモニタ38bには、所望の他のTV番組の映像が表示さる。
【0048】
図2は、携帯通信端末10における開状態を示す外観図である。図2を参照して、携帯通信端末10は、各々が板状に形成されたケースC1およびケースC2を有する。ケースC1およびケースC2の厚みは略同じである。アンテナ12は、伸縮可能に構成された伸縮アンテナであり、ケースC1に突出して設けられる。なお、アンテナ12は内蔵アンテナであってもよく、ケースC1またはC2に内蔵される場合も考えられる。
【0049】
マイク16(図1参照)はケースC2に内蔵され、内蔵されたマイク16に通じる開口op3はケースC2の長さ方向一方の内側面に設けられる。同じく、図2では図示しないスピーカ18はケースC1に内蔵され、内蔵されたスピーカ18に通じる開口op1はケースC1の長さ方向一方の内側面に設けられる。つまり、使用者は、開口op1を通じてスピーカ18から出力される音を聞き、開口op3を通じてマイク16に音声を入力する。
【0050】
キー入力装置22は、操作キー群がケースC2の内側面に露出するようにケースC2に取り付けられる。第1LCDモニタ38aは、モニタ画面がケースC1の内側面に露出するようにケースC1に取り付けられ、さらに第1LCDモニタ38aの上面には、第1タッチパネル26aが設けられる。第2LCDモニタ38bは、モニタ画面がケースC2の内側面に露出するようケースC1に取り付けられ、さらに、第2LCDモニタ38bの上面には、第2タッチパネル26bが設けられる。
【0051】
また、第1タッチパネル26aおよび第2タッチパネル26bのそれぞれは、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)および静電容量結合式のいずれかの種類のものを用いることができる。第1タッチパネル26aは、第1LCDモニタ38aの画面内の任意の位置を使用者が指示するためのポインティングデバイスである。第1タッチパネル26aは、その上面を指で、押したり、撫でたり(スライドしたり)、触れたりされることにより操作されると、操作された操作位置の座標データを出力する。また、第2タッチパネル26bは、第2LCDモニタ28bにおいて同様である。
【0052】
つまり、使用者は、第1タッチパネル26aまたは第2タッチパネル26bの上面を指で、押したり、撫でたり、触れたりすることによって、操作の方向や図形などを携帯通信端末10に入力することができる。
【0053】
ここで、使用者が第1タッチパネル26aまたは第2タッチパネル26bの上面をペン或いは指で触れる操作を「タッチ」と呼ぶことにする。一方、第1タッチパネル26aまたは第2タッチパネル26bから指などを離す操作を「リリース」と呼ぶことにする。
そして、タッチによって示された座標を「タッチ始点」、リリースによって示された座標を「タッチ終点」と呼ぶことにする。また、タッチ始点の座標とは異なる座標でタッチ終点の座標を示す操作を「スライド操作」と呼ぶことにする。
【0054】
なお、第1タッチパネル26aまたは第2タッチパネル26bに対する操作は、指だけに限らずペンなどの先が細い形状をした棒で行われてもよいことは言うまでもない。また、操作を行うために、専用のタッチペンなどを備えるようにしてもよい。
【0055】
ヒンジ機構Hは、ケースC2の長さ方向他方端の側面にヒンジ機構として形成される。
ケースC1は長さ方向他方端の側面においてヒンジ機構Hと結合される。また、ヒンジ機構Hは、ケースC1をケースC2の上に積層した状態で、ケースC2の内側面の短辺と平行な軸AXを基準として可動させる。つまり、軸AXを基準とした回転により、ケースC1とケースC2とを開閉させる。
【0056】
図2では図示しない第1スピーカ34aは、スピーカ18と同様にケースC1に内蔵される。内蔵された第1スピーカ34aは、開口op1を通じて音声を出力する。同じく、図2では図示しない第2スピーカ34bは、ヒンジ機構Hに内蔵される。内蔵された第2スピーカ34bに通じる開口op2は、ヒンジ機構Hの中央において、開状態で開口op3が設けられるケースC2の内側面と同じ平面上に設けられる。また、同じく、図2では図示しない第3スピーカ34cは、マイク16と同様にケースC2に内蔵される。内蔵された第3スピーカ34cは、開口op3を通じて音声を出力する。
【0057】
つまり、使用者は、開口op1および開口op2を通じて第1LCDモニタ38aに対応するTV番組の音声を聞き、開口op3を通じて第2LCDに対応するTV番組の音声を聞く。
【0058】
図3は、デジタルTV視聴モードを実行する場合の携帯通信端末10の外観を示す図解図である。図3を参照して、ケースC1,C2と、開口op1,op2,op3と、ヒンジ機構Hと、アンテナ12と、キー入力装置22と、第1タッチパネル26aと、第2タッチパネル26bと第1LCDモニタ38aと、第2LCDモニタ38bとにおいては、図2で説明した内容と同様であるため、重複した説明は省略する。
【0059】
携帯通信端末10は、デジタルTV視聴モードでは、左側に第1LCDモニタ38a、右側に第2LCDモニタ38bがとなるように、使用者によって保持される。そして、使用者は、左側の第1LCDモニタ38a、第1スピーカ(開口op1)および第2スピーカ(開口op2)によって、第1DTVチューナ42aが受信したチャンネルのTV番組を視聴する。また、右側の第2LCDモニタ38b、第3スピーカ(開口op3)によって、第2DTVチューナ42bが受信したチャンネルの他のTV番組を視聴する。
【0060】
ここで、第1LCDモニタ38aと第2LCDモニタ38bとに対応するTV番組を視聴する場合に、第1スピーカ34a(開口op1)、第2スピーカ34b(開口op2)および第3スピーカ34c(開口op3)との距離が近いため、それぞれのTV番組の音声を正確に聞き取ることができない。
【0061】
そのため、本実施例では、第1タッチパネル26aがタッチされると、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組の音声は無音状態にされる設定(以下、本実施例では、「ミュート設定」という。)がされ、リリースされると、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組の音声はミュート設定が解除される。つまり、ミュート設定される前の音声の出力状態に復帰する。同様にして、第2タッチパネル26bがタッチされると、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組の音声はミュート設定にされ、リリースされると、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組の音声はミュート設定が解除される。
【0062】
なお、第1タッチパネル26aのみがタッチされる場合には、第2スピーカ34bは、第2LCDモニタに対応するスピーカとして設定される。つまり、変換された左チャンネルの音声信号は第2スピーカ34bから出力され、右チャンネルの音声信号は第3スピーカ34cから出力される。
【0063】
また、タッチの時間、つまりタッチパネルに触れ続けた時間が所定時間(ここでは、20秒間)を経過すると、ミュート設定されたTV番組の映像を表示するLCDモニタと、
そのTV番組に対応するチャネルの高周波信号を受信するDTVチューナおよびDEMUXとの電源をオフにするモード(以下、本実施例では、「スリープモード」という。)が設定される。これによって、携帯通信端末10の消費電力を低減させることができる。
【0064】
たとえば、第1タッチパネルに対するタッチが20秒を経過すると、第1LCDモニタ38aと、第1DTVチューナ42aと、第1DEMUX40aとがスリープモードに設定されるため、それぞれの電源がオフにされる。
【0065】
さらに、タッチした後にスライド操作がされる場合に、ミュート設定されていないTV番組のチャンネルの選局や音量調整を操作することができる。スライド操作が横方向であれば、選局操作が行われる。たとえば、左方向へのスライド操作であれば、高周波信号の値が大きく、つまり割り当てられたチャンネルの番号が増加し、右方向であれば、高周波信号の値が小さく、つまり割り当てられたチャンネルの番号が減少する。
【0066】
また、スライド操作が縦方向であれば、音量調整の操作が行われる。たとえば、上方向へのスライド操作であれば、スピーカから出力される音声の音量が大きくなり、下方向へのスライド操作であれば、スピーカから出力される音声の音量が小さくなる。
【0067】
つまり、第1タッチパネル26aに対してタッチされ、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組がミュート設定される場合に、上方向へのスライド操作がされると、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組の音量は大きくなり、下方向へのスライド操作がされると、TV番組の音量は小さくなる。さらに、左方向へのスライド操作がされると、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組のチャンネルの番号が減少し、右方向へのスライド操作がされると、TV番組のチャンネルの番号が増加する。
【0068】
また、スライド操作を行うためにリリースされた場合に、ミュート設定が解除されないようにするために、リリースされてから他の所定時間(ここでは、1秒間)は、ミュート設定が解除されないようにする。
【0069】
なお、第1タッチパネル26aと第2タッチパネル26bとに同時にタッチされる場合には、スライド操作によってチャンネルの選局や音量調節の操作は行われない。
【0070】
また、縦方向のスライド操作によってチャンネルの選局が行われ、横方向のスライド操作によって音量調整の操作が行われてもよい。そして、タッチからリリースまでの座標の変化を記憶することで、丸、三角形、四角形などの一筆書き可能な図形などをタッチパネルで入力することで、チャンネルの選局または音量調整の操作が行われるようにしてもよい。
【0071】
図4は、RAM30にメモリマップを示す図解図である。図4を参照して、RAM30のメモリマップには、プログラム記憶領域102およびデータ記憶領域104が含まれる。プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ28から一度に全部または必要に応じて部分的にかつ順次的に読み出され、RAM30に記憶され、そしてCPU20などで処理される。
【0072】
プログラム記憶領域102は、携帯通信端末10を動作させるためのプログラムを記憶する。携帯通信端末10を動作させるためのプログラムは、通話プログラム112、第1タッチパネルのタッチ検出プログラム114、第2タッチパネルのタッチ検出プログラム116およびスピーカ制御プログラムなどによって構成される。通話プログラム112は、携帯通信端末10によって通話機能を実行するためのプログラムである。
【0073】
第1タッチパネルのタッチ検出プログラム114は、デジタルTV視聴モードにおける第1タッチパネル26aに対するタッチを検出するプログラムであり、たとえば、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組のミュート設定、スリープモード設定を処理したり、スライド操作による第2LCDモニタ38bに対応するTV番組の選局操作や音量調節の操作を処理したりする。
【0074】
第2タッチパネルのタッチ検出プログラム116は、第1タッチパネルのタッチ検出プログラム114と同様に、デジタルTV視聴モードにおける第2タッチパネル26bに対するタッチを検出するプログラムである。スピーカ制御プログラム118は、ミュート設定が行われたTV番組に対応して、第2スピーカを制御するためのプログラムであり、たとえば、第1タッチパネルにタッチされた場合に、第2スピーカを第2LCDモニタ対応するスピーカに設定する処理を行う。
【0075】
なお、図示は省略するが、携帯通信端末10を動作させるためのプログラムは、デジタルTV視聴モードを実行するためのプログラム、現在時刻を通知するためのプログラム、メール機能を実行するためのプログラムなどを含む。
【0076】
図5に示すように、データ記憶領域104には、文字列データ132、画像データ134、タッチ座標データ136、第1設定値データ138および第2設定値データ140が記憶されるとともに、第1タッチフラグ142、第2タッチフラグ144、第1ミュートフラグ146、第2ミュートフラグ148、第1スリープモードフラグ150、第2スリープモードフラグ152、第1タッチ終了フラグ154、第2タッチ終了フラグ156、第1タッチ開始カウンタ158、第2タッチ開始カウンタ160、第1タッチ終了カウンタ162および第2タッチ終了カウンタ164などが設けられる。
【0077】
文字列データ132は、携帯通信端末10の第1LCDモニタ38aおよび第2LCDモニタ38bに表示される文字列のデータである。画像データ132は、携帯通信端末10の第1LCDモニタ38aおよび第2LCDモニタ38bに表示される画像のデータである。タッチ座標マップデータ136は、第1タッチパネル26aまたは第2タッチパネル26bに対して行われた操作、たとえばタッチ始点によって示された座標と、第1LCDモニタ38aまたは第2LCDモニタ38bの表示座標とを対応付けるためのデータである。たとえば、CPU20は、タッチ座標マップデータ136に基づいて第1タッチパネル26aに対して行われた操作の結果を第1LCDモニタ38aの表示に反映させることができる。
【0078】
第1設定値データ138は、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組のチャンネルと音量とのデータであり、たとえば、TV番組のチャンネルを示す高周波信号の値と、音量調整の調整値とが第1設定値データ138としてデータ記憶領域104に記憶される。また、第2設定値データ140は、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組のチャンネルと音量とのデータであり、データの構造は第1設定値データ138と同様である。
【0079】
第1タッチフラグ142は、第1タッチパネル26aにタッチしているか(触れているか)否かを判断するフラグである。たとえば、第1タッチフラグ142は、1ビットのレジスタで構成される。第1タッチフラグ142が成立(オン)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定され、第1タッチフラグ142が不成立(オフ)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。また、第2タッチフラグ144は、第2タッチパネル26bに触れているか否かを判断するフラグであり、そのフラグの構成は、第1タッチフラグ142と同様である。
【0080】
第1ミュートフラグ146は、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組がミュート
設定されているか否かを判断するフラグである。たとえば、第1ミュートフラグ146は、1ビットのレジスタで構成される。第1ミュートフラグ146が成立(オン)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定され、第1ミュートフラグ146が不成立(オフ)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。また、第2ミュートフラグ148は、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組がミュート設定されているか否かを判断するフラグであり、そのフラグの構成は、第1ミュートフラグ146と同様である。
【0081】
第1スリープモードフラグ150は、第1LCDモニタ38aと、第1DTVチューナ42aと、第1DEMUX40aとがスリープモードに設定されているか否かを判断するフラグである。たとえば、第1スリープモードフラグ150は、1ビットのレジスタで構成される。第1スリープモードフラグ150が成立(オン)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定され、第1スリープモードフラグ150が不成立(オフ)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。また、第2スリープモードフラグ152は、第2LCDモニタ38bと、第2DTVチューナ42bと、第2DEMUX40bとがスリープモードに設定されているか否かを判断するフラグであり、そのフラグの構成は、第1スリープモードフラグ150と同様である。
【0082】
第1タッチ終了フラグ154は、第1タッチパネル26aに対してリリースされたか否かを判断するためのフラグである。たとえば、第1タッチ終了フラグ154は、1ビットのレジスタで構成される。第1タッチ終了フラグ154が成立(オン)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定され、第1タッチ終了フラグ154が不成立(オフ)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。また、第2タッチ終了フラグ156は、第2タッチパネル26bに対してリリースされたか否かを判断するためのフラグであり、そのフラグの構成は、第1タッチ終了フラグ154と同様である。
【0083】
第1タッチ開始カウンタ158は、第1タッチパネル26aに触れ続けられている時間をカウントするためのカウンタである。この第1タッチ開始カウンタ158の計測結果は、第1LCDモニタ38aと、第1DTVチューナ42aと、第1DEMUX40aとをスリープモードに設定するか否かを判断するために用いられる。また、第2タッチ開始カウンタ158は、第2タッチパネル26bに触れ続けられている時間をカウントするためのカウンタである。また、第2タッチ開始カウンタ158の利用目的は、第1LCDモニタ38aと、第1DTVチューナ42aと、第1DEMUX40aとをスリープモードに設定するか否かを判断するために用いられる。
【0084】
第1タッチ終了カウンタ162は、第1タッチパネルに対してリリースされてから、つまり第1タッチフラグ142がオフ状態にされてからの時間をカウントするためのカウンタである。この第1タッチ終了カウンタ162の計測結果は、ミュート設定を解除するか否かを判断するために用いられる。これによって、スライド操作によってチャンネルの選局や音量調節を連続して行う場合に、リリースされても、他の所定時間(1秒間)以内にタッチされれば、ミュート設定が解除されないようにすることができる。
【0085】
また、第2タッチ終了カウンタ164は、第2タッチフラグ144がオフ状態にされてからの時間をカウントするためのカウンタであり、そのカウンタの利用目的は、第1タッチ終了カウンタ162と同様である。
【0086】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域104には、アドレス帳のデータなどが記憶されるとともに、携帯通信端末10の動作に必要な他のカウンタやフラグも設けられる。
【0087】
具体的には、CPU20は、μITRONやSymbianなどのマルチタスクOSの制御下で、図6−図8に示す第1タッチパネルのタッチ検出処理、図9−図11に示す第
2タッチパネルのタッチ検出処理および図12に示すスピーカ制御処理などを含む複数のタスクを並列的に実行する。
【0088】
たとえば、携帯通信端末10の使用者がキー入力装置22、第1タッチパネル26aまたは第2タッチパネル26bを操作して、デジタルTV視聴モードを実行する指示を入力すると、図6に示すように、CPU20は、第1タッチパネルのタッチ検出処理を開始し、ステップS1では、第1タッチパネル26aにタッチされたか否かを判断する。たとえば、このステップS1では、第1タッチフラグ142がオン状態であるか否かを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまり第1タッチフラグ142がオフ状態であれば、ステップS1の判断を繰り返す。
【0089】
ステップS1で“YES”であれば、第1タッチフラグ142がオン状態であれば、ステップS3で第1タッチ開始カウンタ158を初期化し、次のステップS5で第1タッチ開始カウンタ158をインクリメントする。たとえば、このステップS3では、第1タッチ開始カウンタ158に0を設定し、次のステップS5で、第1タッチ開始カウンタ158を「+1」する。
【0090】
続いて、ステップS7では、ミュート設定か否かを判断する。つまり、このステップS7では、第1ミュートフラグ146がオン状態であるか否かを判断する。ここで、ステップS7で“YES”であれば、つまり第1ミュートフラグ146がオン状態であれば、図7に示すステップS21に進む。一方、ステップS7で“NO”であれば、つまり第1ミュートフラグ146がオフ状態であれば、ステップS9で第1LCDモニタ38aに対応するTV番組の各設定値を記憶する。つまり、このステップS9では、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組のチャンネルの高周波信号の値と音量の調整値とを第1設定データ138として記憶する。
【0091】
次のステップS11では、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組をミュート設定する。つまり、音量の調整値を最小値にすることで、第1スピーカ34aと第2スピーカ34bとから出力される音声の出力を止め、第1ミュートフラグをオン状態にする。なお、音量の調整値は、即座に最小値にされてもよいし、段階的に調整値を小さくすることでフェードアウトさせてもよい。さらに、デコーダ32から第1スピーカ34aと第2スピーカ34bとに与えられる音声信号を止めるようにしてもよい。
【0092】
続いて、図7に示すステップS21では、スリープモードか否かを判断する。
つまり、このステップS21では、第1スリープモードフラグ150がオン状態であるか否かを判断する。このステップS21で、“YES”であれば、つまり第1スリープモードフラグ150がオン状態であれば、ステップS27に進む。一方、ステップS21で“NO”であれば、ステップS23で第1タッチ開始カウンタ158の値が600以上であるか否かを判断する。つまり、タッチがされてからステップS23の判断が行われるまでの時間が所定時間(20秒間)を越えたか否かを判断する。ステップS23で“NO”であれば、つまり第1タッチ開始カウンタ158の値が600未満であれば、ステップS27に進む。一方、ステップS23で“YES”であれば、つまり第1タッチ開始カウンタ158の値が600以上であれば、ステップS25でスリープモードに設定し、ステップS27に進む。
つまり、第1LCDモニタ38aと、第1DTVチューナ42aと、第1DEMUX40aとの電源をオフにし、第1スリープモードフラグ150をオン状態にする。
【0093】
また、ステップS5−S11、ステップS21−37およびステップS41−S59の処理は約1/30分秒で処理されるため、第1タッチ開始カウンタ158の値が600であれば、約20秒間経過したことを示す。
つまり、タッチしてから約20秒の間、リリースされなければ、スリープモードが設定される。
【0094】
なお、ステップS23の閾値は、使用者によって600以上、または600未満の値を任意に設定できるようにしてもよい。さらに、タッチしてからの時間に関わらずスリープモードを設定しないようにしてもよい。
【0095】
次のステップS27では、スライド操作がされたか否かを判断する。つまり、このステップS27では、第1タッチパネル26aにおいて、タッチ始点の座標とタッチ終点の座標とが異なるか否かを判断する。ステップS27で“NO”であれば、つまりスライド操作がされていなければ、図8に示すステップS41に進む。一方、ステップS27で“YES”であれば、つまりスライド操作がされていれば、ステップS29で第2LCDモニタ26bに対応するTV番組がミュート設定されているか否かを判断する。つまり、このステップS29では第2ミュートフラグ148がオン状態であるか否かを判断する。ステップS29で“NO”であれば、つまり第2ミュートフラグ148がオフ状態であれば、ステップS31でスライド方向を検出する。つまり、このステップS31では、タッチ始点によって示された座標とタッチ終点によって示された座標とからスライド方向を検出する。
【0096】
たとえば、本実施例では、第1タッチパネル26aにおける、タッチ座標系の原点が、図3に示す携帯通信端末10において左上であり、横軸をX軸、縦軸をY軸とすれば、タッチ始点の座標を(x,y)とし、タッチ終点の座標を(x,y)とすることができる。そして、数1に示すように、タッチ始点およびタッチ終点のX軸方向の変化量よりY軸方向の変化量が大きければ、縦方向のスライド操作とする。また、数2に示すように、Y軸方向の変化量よりX軸方向の変化量が大きければ、横方向のスライド操作とする。なお、数3に示すように、タッチ始点およびタッチ終点のX軸方向の変化量とY軸方向の変化量とが同じのときは、横方向のスライド操作とする。これによって、スライド操作の方向は、縦方向か横方向のいずれか一方の方向に判断される。
【0097】
[数1] |x−x|<|y−y| …縦方向のスライド操作 [数2] |x−x|>|y−y| …横方向のスライド操作 [数3] |x−x|=|y−y| …横方向のスライド操作 そして、縦方向のスライド操作である場合に、変化量が正の値であれば下方向のスライド操作であり、負の値であれば上方向のスライド操作である。一方、横方向のスライド操作である場合に、変化量が正の値であれば右方向のスライド操作であり、変化量が負の値であれば左方向のスライド操作である。
【0098】
次のステップS33では、スライド方向が縦方向か否かを判断する。つまり、このステップS33では、スライド方向が上方向または下方向かであるか否かを判断し、ステップS41(図8参照)に進む。ステップS33で“YES”であれば、つまり縦方向のスライド操作であれば、ステップS35で第2LCDモニタ38bに対応するTV番組の音量調整の処理を実行する。つまり、このステップS35では、スライド方向が上方向であれば、音量の調整値を上げ、スライド操作が下方向であれば音量の調整値を下げる。また、ステップS33で“NO”であれば、つまり横方向のスライド操作であれば、ステップS37で第2LCDモニタ38bに対応するTV番組の選局の処理を実行し、ステップS41に進む。つまり、このステップS37では、スライド方向が左方向であれば、高周波信号の値を大きく、つまり割り当てられたチャンネルの番号を増加させ、スライド方向が右方向であれば、高周波信号の値を小さく、つまり割り当てられたチャンネルの番号を減少させる。
【0099】
ここで、ステップS29で“YES”であれば、つまり第2ミュートフラグ148がオン状態であれば、ステップS41に進み、ステップS41でリリースされたか否かを判断する。つまり、このステップS41では、第1タッチフラグ142がオフ状態であるか否かを判断する。ステップS41で“NO”であれば、つまり第1タッチフラグ142がオン状態であれば、ステップS5(図6参照)に戻る。
【0100】
また、ステップS41で“YES”であれば、つまり第1タッチフラグ142がオフ状態であれば、ステップS43で第1タッチ終了カウンタ162を初期化し、次のステップS45で第1タッチ終了カウンタ162をインクリメントする。つまり、ステップS3で第1タッチ終了カウンタ162に0を設定し、ステップS45で第1タッチ終了カウンタ162を「+1」する。
【0101】
続いて、ステップS47では、第1タッチパネルにタッチされたか否かを判断する。つまり、このステップS47では、第1タッチフラグ142がオン状態であるか否かを判断する。ステップS47で“NO”であれば、つまり第1タッチフラグ142がオフ状態であれば、ステップS49で第1タッチ終了カウンタ162の値が100以上であるか否かを判断する。リリースされてからステップS49の処理が行われるまでの時間が他の所定時間(1秒間)を超えたか否かを判断する。ステップS49で“NO”でれば、つまり第1タッチ終了カウンタ162の値が100未満であればステップS45に戻る。一方、ステップS49で“YES”であれば、つまり第1タッチ終了カウンタ162の値が100以上であれば、ステップS45で第1タッチ終了フラグ154をオン状態にし、ステップS55に進む。
【0102】
また、ステップS45−S49の処理は約1/100秒で処理されるため、第1タッチ終了カウンタ162の値が100であれば、リリースされてから約1秒間が経過したことを示す。つまり、リリースされてから約1秒間が経過すると、第1タッチ終了フラグ154がオン状態にされる。
【0103】
なお、ステップS49の閾値は、使用者によって100以上、または100未満の値を任意に設定できるようにしてもよい。
【0104】
ここで、ステップS47で“YES”であれば、つまり1秒以内にタッチがされれば、ステップS53で第1タッチ終了フラグ154をオフにし、ステップS55で第1タッチ終了フラグ154がオン状態であるか否かを判断する。ステップS55で“NO”であれば、つまり第1タッチ終了フラグ154がオフ状態であれば、ステップS5(図6参照)に戻る。一方、ステップS55で“YES”であれば、ステップS57で第1LCDモニタ38aに対応するTV番組の各設定値を読み出す。つまり、このステップS57では、第1設定値データ138を読み出す。
【0105】
続いて、ステップS59では、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組のミュート設定を解除し、ステップS1(図6参照)に戻る。つまり、このステップS59では、読み出された第1設定値データ138を構成する高周波信号の値を第1DTVチューナ42aに与え、第1設定値データ138を構成する音量の調整値に基づいて、第1スピーカ34aおよび第2スピーカ34bから出力される音量を調整する。そして、第1ミュートフラグ146をオフ状態にする。
【0106】
また、第1スリープモードフラグ150がオン状態であれば、第1LCDモニタ38aと、第1DTVチューナ42aと、第1DEMUX40aとの電源をオンにし、第1スリープモードフラグ150をオフ状態した後に、読み出された第1設定値データ138を構成する高周波信号の値と音量の調整値に基づいて、第1LCDモニタ38aに対応するT
V番組の状態をミュート設定される前の状態に復帰させる。
【0107】
図9−図11は、第2タッチパネルのタッチ検出処理を示すフロー図である。この図9−図11に示す第2タッチパネルのタッチ検出処理は、図6−図8に示した第1タッチパネルのタッチ検出処理とほぼ同じであるため、重複する内容については、簡単に説明することにする。
【0108】
図9に示すように、CPU20は、第2タッチパネルのタッチ検出処理を実行すると、ステップS71で、第2タッチパネル26bにタッチされたか否かを判断する。つまり、第2タッチフラグ144がオン状態であるか否かを判断する。ステップS71で“NO”であれば、つまり、第2タッチフラグ144がオフ状態であれば、ステップS71の処理を繰り返す。一方、ステップS71の“YES”であれば、つまり第2タッチフラグ144がオン状態であれば、ステップS73で第2タッチ開始カウンタ160を初期化し、ステップS75で第2タッチ開始カウンタ160をインクリメントし、ステップS77に進む。
【0109】
続いて、ステップS77では、ミュート設定か否かを判断する。つまり、第2ミュートフラグ148がオン状態であるか否かを判断する。ステップS77で“YES”であれば、つまり第2ミュートフラグ148がオン状態であれば、ステップS91(図10参照)に進む。一方、ステップS77で“NO”であれば、つまり第2ミュートフラグ148がオフ状態であれば、ステップS79で第2LCDモニタ38bに対応するTV番組の各設定値を記憶する。つまり、このステップS79では、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組におけるチャンネルの高周波信号の値と音量の調整値とを第2設定値データ140としてデータ記憶領域104に記憶する。次のステップS81では、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組をミュート設定し、ステップS91に進む。つまり、このステップS81では、第3スピーカ34cから出力される音声を止め、第2ミュートフラグ148をオン状態にする。また、第2スピーカ34bが第2LCDモニタ38bに対応する左チャンネルに設定される場合には、第2スピーカ34bから出力される音声も止める。
【0110】
ステップS91では、スリープモードか否かを判断する。つまり、このステップS91では、第2スリープモードフラグ152がオン状態であるか否かを判断する。ステップS91で“YES”であれば、つまり第2スリープモードフラグ152がオン状態であれば、ステップS97に進む。一方、ステップS91で“NO”でれば、つまり第2スリープモードフラグ152がオフ状態であれば、ステップS93で第2タッチ開始カウンタ160の値が600であるか否かを判断する。つまり、タッチを開始してから所定時間(20秒)が経過したか否かを判断する。ステップS93で“NO”であれば、つまり20秒が経過していなければステップS97に進む。また、ステップS93で“YES”であれば、20秒が経過していれば、ステップS95でスリープモードを設定し、ステップS97に進む。つまり、第2LCDモニタ38bと、第2DTVチューナ42bと、第2DEMUX40bとの電源をオフにし、第2スリープモードフラグ152をオン状態にする。
【0111】
続いて、ステップS97では、スライド操作がされたか否かを判断する。ステップS97で“NO”であれば、つまりスライド操作がされてなければステップ121(図11参照)に進む。一方、ステップS97で“YES”であれば、つまりスライド操作がされていれば、ステップS99で第1LCDモニタ38aに対応するTV番組はミュート設定されているか否かを判断する。つまり、第1ミュートフラグ150がオン状態であるか否かを判断する。ステップS99で“YES”であれば、つまり第1ミュートフラグ150がオン状態であれば、ステップS121に進む。
【0112】
また、ステップS99で“NO”であれば、つまり第1ミュートフラグ150がオフ状
態であれば、ステップS101でスライド方向を検出し、ステップS103でスライド方向が縦方向か否かを判断する。つまり、検出されたスライド方向が縦方向であるか否かを判断する。ステップS103で“YES”であれば、ステップS105で第1LCDモニタ38aに対応するTV番組の音量調整の処理を実行し、ステップS121に進む。つまり、このステップS105では、上方向または下方向に応じて音量調整の処理を行う。また、ステップS103で“NO”であれば、ステップS107で第1LCDモニタ38aに対応するTV番組の選局の処理を実行し、ステップS121に進む。つまり、このステップS107では、左方向または右方向に応じて選局の処理を行う。
【0113】
図11に示すステップS121では、リリースされたか否かを判断する。つまり、第2タッチフラグ144がオフであるか否かを判断する。ステップS121で“NO”であれば、つまり第2タッチフラグ144がオン状態であれば、ステップS75(図9参照)に戻る。また、ステップS121で“YES”であれば、つまり第2タッチフラグ144がオフ状態であれば、ステップS123で第2タッチ終了カウンタ164を初期化し、ステップS125で第2タッチ終了カウンタ164をインクリメントし、ステップS127に進む。
【0114】
続いて、ステップS127では、第2タッチパネル26bにタッチされたか否かを判断する。つまり、第2タッチフラグ144がオン状態であるか否かを判断する。ステップS127で“NO”であれば、つまり第2タッチフラグ144がオン状態であれば、ステップS129で第2タッチ終了カウンタの値が100であるか否かを判断する。つまり、リリースされてから他の所定時間(1秒間)が経過したか否かを判断する。ステップS120で“NO”であれば、つまり1秒間が経過していなければ、ステップS125に戻る。一方、ステップS129で“YES”であれば、ステップS131で第2タッチ終了フラグ156をオン状態にし、ステップS135に進む。
【0115】
また、ステップS127で“YES”であれば、つまり第2タッチフラグ144がオン状態であれば、ステップS133で第2タッチフラグをオフ状態にし、ステップS135で第2タッチ終了フラグ156がオン状態であるか否かを判断する。ステップS135で“NO”であれば、ステップS75(図9参照)に戻る。また、ステップS135で“YES”であれば、ステップS137で第2LCDモニタ38bに対応するTV番組の各設定値を読み出す。つまり、第2設定値データ140に含まれる、高周波信号の値と音量の調整値とが読み出される。
【0116】
続いて、ステップS139では、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組のミュート設定を解除し、ステップS71(図9参照)に戻る。つまり、読み出した高周波信号の値と音量の調整値から、ミュート設定される前の状態に復帰させ、第2ミュートフラグ148をオフ状態にする。また、スリープモードが設定される場合には、つまり第2スリープモードフラグ152がオン状態であれば、第2LCDモニタ38bと、第2DTVチューナ42bと、第2DEMUX40bとの電源をオンにし、第2スリープモードフラグ152をオフ状態にする。そして、読み出した高周波信号の値と音量の調整値とから、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組をミュート設定される前の状態に復帰させる。
【0117】
これによって、第1LCDモニタ38aまたは第2LCDモニタ38bに対応するTV番組は、第1タッチパネル26aまたは第2タッチパネル26bによって、ミュート設定される。そして、第1タッチパネル26aと第2タッチパネル26bとに同時にタッチする場合には、第1スピーカ34a、第2スピーカ34bおよび第3スピーカ34cからは音声が出力されない状態となる。
【0118】
図12は、スピーカ制御処理を示すフロー図である。たとえば、携帯通信端末10の使
用者がキー入力装置22、第1タッチパネル26aまたは第2タッチパネル26bを操作して、デジタルTV視聴モードを実行する指示を入力すると、図12に示すように、CPU20は、スピーカ制御処理を実行し、ステップS151で第2スピーカ34bを第1LCDモニタ38aに対応する右チャンネルに設定する。つまり、デジタルTV視聴モードの初期状態として、第2スピーカ34bは、第1LCDモニタ38aに対応する右チャンネルとして設定される。
【0119】
次のステップS153では、第1ミュートフラグ146が変化したか否かを判断する。つまり、このステップS153では、第1ミュートフラグ146がオン状態からオフ状態またはオフ状態からオン状態に変化したか否かを判断する。ステップS153で“NO”であれば、つまり第1ミュートフラグ146の状態が変化していなければ、ステップS155で第2ミュートフラグ148が変化したか否かを判断する。つまり、このステップS155では、第2ミュートフラグ148がオン状態からオフ状態またはオフ状態からオン状態に変化したか否かを判断する。ステップS155で“NO”であれば、つまり第2ミュートフラグ148の状態が変化していなければ、ステップS153に戻る。
【0120】
ここで、ステップS153またはステップS155で“YES”であれば、つまり第1ミュートフラグ146または第2ミュートフラグ148のどちらか一方の状態が変化すれば、ステップS157で、第1ミュートフラグ146のみがオン状態であるか否かを判断する。つまり、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組のみがミュート設定されているか否かを判断する。ステップS157で“YES”であれば、つまり第1LCDモニタ38aに対応するTV番組のみがミュート設定されていれば、ステップS159で第2スピーカを第2LCDモニタ38bに対応する左チャンネルに設定し、ステップS153に戻る。つまり、使用者は、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組をステレオ放送として視聴することが可能な状態になる。
【0121】
また、ステップS157で“NO”であれば、つまり第1LCDモニタ38aに対応するTV番組のみがミュート設定されていなければ、ステップS151に戻る。
【0122】
以上の説明から分かるように、携帯通信端末10は、第1LCDモニタ38a、第2LCDモニタ38b、第1DTVチューナ42aおよび第2DTVチューナ42bを備えるため、使用者は、それぞれのLCDモニタで異なるチャンネルのTV番組を視聴することができる。たとえば、使用者は、第1タッチパネル26aタッチすることで、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組の音声の出力を止めることができる。さらに、第2タッチパネル26bタッチすることで、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組の音声の出力を止めることができる。
【0123】
これによって、使用者は、第1タッチパネル26aまたは第2タッチパネル26bに対してタッチおよびリリースを行うだけで、必要とするTV番組の音声を容易に選択することができる。
【0124】
なお、本実施例は、ミュート設定されるとともに、当該ミュート設定されたTV番組の映像データと音声データとを記憶、つまり録画するようにしてもよい。たとえば、ステップS11(図6参照)で第1LCDモニタ38aに対応するTV番組がミュート設定されると、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組の映像データと音声データとをRAM30のメモリマップ(図4および図5参照)において、図示しない録画データとしてのデータ記憶領域104記憶されるようにしてもよい。
【0125】
また、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組がミュート設定され、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組を録画する場合には、スリープモードが設定されないよう
にする必要がある。つまり、スリープモードでは、第1DTVチューナ42aの電源がオフになるため、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組のチャンネルを受信できないようになるからである。
【0126】
さらに、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組がミュート設定されると、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組を録画する場合に、さらに、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組がミュート設定された場合は、図示しない他の録画データとして、データ記憶領域104に記憶するようにしてもよいし、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組は録画されないようにしてもよい。第2LCDモニタ38bに対応するTV番組は録画されないようにする場合には、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組がミュート設定された後に、第1ミュートフラグ146がオン状態であるか否かを判断するようにすればよい。
【0127】
また、さらに、ステップS37(図7参照)で、第1タッチパネル26aに対して、横方向のスライド操作することで、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組のチャンネル選局の処理を行う場合に、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組と同じチャンネルとなる場合がある。この場合に、第1LCDモニタ38aに対応するTV番組のミュートを解除し、第2LCDモニタ38bに対応するTV番組をミュート設定するようにしてもよい。
【0128】
また、本実施例では、タッチパネルを設けたLCDモニタによって、タッチまたはリリースを検出したが、タッチパネルの機能を備える「光センサ内蔵システム液晶」などの表示装置によって、タッチまたはリリースを検出するようにしてもよい。
【0129】
また、本実施例では、スピーカによって音声を出力したが、「サウンドウィンドウ」のように、タッチパネルを振動板として利用し、音声を出力する技術を利用するようにしてもよい。
【0130】
また、携帯通信端末10の通信方式には、CDMA方式、W‐CDMA方式、TDMA方式に限らず、PHS方式などを採用してもよい。また、携帯通信端末10のみに限らず、PDA(Personal Degital Assistant)などの携帯情報端末などであってもよい。
【符号の説明】
【0131】
10 携帯通信端末
20 CPU
26a 第1タッチパネル
26b 第2タッチパネル
30 RAM
34a 第1スピーカ
34b 第2スピーカ
34c 第3スピーカ
38a 第1LCDモニタ
38b 第2LCDモニタ
42a 第1DTVチューナ
42b 第2DTVチューナ
44 DTVアンテナ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの音声情報に基づく音声を出力する音声出力装置、
前記2つの音声情報にそれぞれ関連付けられる2つのタッチ領域に対するタッチを検出するタッチ領域検出手段、および
前記タッチ領域検出手段によって一方のタッチ領域におけるタッチが検出されるときに、一方の音声情報に基づく音声出力を停止させる音声出力停止手段を備える、携帯通信端末。
【請求項2】
前記音声出力停止手段によって前記一方の音声情報に基づく音声出力が停止されたときに、前記音声出力装置の直前の音量情報を記憶する記憶手段、
前記タッチ領域検出手段によって前記一方のタッチ領域におけるタッチの終了が検出されるときに、前記記憶手段によって記憶された前記音量情報を読み出す読み出し手段、および前記読み出し手段によって読み出された音量情報を前記音声出力装置に与えて、前記音声出力停止手段によって停止された音声出力の停止を解除する解除手段をさらに備える、請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記2つの音声情報に対応する2つの映像情報に基づく映像を出力する表示装置をさらに備え、
前記2つのタッチ領域は、前記2つの映像情報に基づく映像の表示領域に設けられる、請求項1または2記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記タッチ領域検出手段によって前記一方のタッチ領域におけるタッチ状態の継続が検出されるときに、前記タッチ状態が継続する時間を計測する時間計測手段、および
前記時間計測手段によって検出された時間に基づいて前記一方の音声情報に対応する映像出力を停止させる映像出力停止手段をさらに備える、請求項3記載の携帯通信端末。
【請求項5】
前記複数の音声出力装置は、前記一方の音声情報に基づく第1音声を出力する第1音声出力装置、前記他方の音声情報に基づく第2音声を出力する第2音声出力装置、および第1音声出力装置と第2音声出力装置との間に設けられ前記第1音声および第2音声の一方を出力する第3音声出力装置を含み、
前記音声停止手段によって前記第1音声出力が停止されるときに、前記第3音声出力装置から前記第2音声を出力させるように設定し、前記音声停止手段によって前記第2音声出力が停止されるときに、前記第3音声出力装置から前記第1音声を出力させるように設定する出力設定手段をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載の携帯通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−9399(P2013−9399A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−178866(P2012−178866)
【出願日】平成24年8月10日(2012.8.10)
【分割の表示】特願2008−66093(P2008−66093)の分割
【原出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】