説明

携帯通信端末及びそのプログラム並びにこれを用いるファイル転送方法及びシステム

【課題】 セキュリティ観点からインターネットへ接続しないPC端末で、インターネットから入手する必要がある更新用ファイルを安全且つ適時に入手できるようにする。
【解決手段】 ユーザの使用するコンピュータ端末と、該コンピュータ端末で必要なデータファイルを広域ネットワーク上で送信する配信サーバと、該配信サーバから前記データファイルを受信して前記コンピュータ端末に提供する携帯型通信端末とを備え、この携帯型通信端末が、例えば定められたスケジュールで繰り返し前記配信サーバに前記コンピュータ端末が必要とする新規なファイルの有無を問い合わせ、新規なファイルがある場合に前記配信サーバからダウンロードして、ケーブルでの直接接続あるいは近距離無線通信等の手段によりPC端末に転送する。ここでコンピュータ端末と携帯通信端末のオペレーティングシステムが異なるようにして、ウイルス感染のリスクを低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ配信システムに関し、特に、ネットワークに接続されていないPC端末や、外部との通信が制限されたネットワークに組み込まれたPC端末に携帯通信端末を介してデータ配信を行うシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のネットワーク環境の発達に伴い、ウイルス感染や情報漏洩などに対するセキュリティ対策が益々重要となっている。このため個々のPC(パーソナルコンピュータ)端末にはセキュリティ対策ソフトが導入され、また企業の基幹業務システムのネットワーク(LAN)ではインターネットなどの広域ネットワークとの接続を制限するケースが増えてきている。ここで、コンピュータウイルスは日々新しいものが登場しており、対策ソフトの提供者側はその都度最新パターンの入ったファイルを用意して、広域ネットワークを介してウイルス対策ソフトが導入されたPC端末に配信されるようにしている。この場合、ウイルス対策ソフトが設定されたスケジュールで定期的かつ自動的にソフト提供者側のサーバにアクセスして最新パターンの有無を確認し、もしあればダウンロードして自PCのウイルスパターンを更新する構成となっている。
【0003】
本願発明に関連する従来技術として、携帯端末を利用するセキュリティシステムの一例が、特許文献1に記載されている。この文献の図2に示されるように、ウイルス感染警告通知システムでは、ウイルス監視端末がLAN上のPC端末のウイルス感染を検出した場合、警告メッセージを作成して、当該LANおよび端末とは別の通信ネットワークである公衆回線網を介して、PC端末の管理者の携帯端末へ通知する。これにより、LANを介して警告メッセージを送信した場合に生じうる、LANに接続された他の端末の二次感染を防止するようにしている。
【0004】
また、サーバにアップロードされたプログラムファイルの版情報を確認したうえで、プログラムファイルのダウンロードおよび更新を行うシステムの一例が特許文献2に記載されている。この文献の図1に示すように、システムはインターネット等の通信回線網に接続されるサーバと、起動時にサーバと接続される情報処理機能を有するクライアント端末とを備え、前記サーバが、クライアントからの通信接続時に受信する版情報に基づき当該クライアント端末におけるプログラムファイルの更新処理の必要の有無を判断し、更新が必要な場合にはクライアント端末に対して更新指示および更新終了後の再起動指示を送出する。
【0005】
【特許文献1】特開2004−164270号公報
【特許文献2】特開2003−99264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、最新ウイルスパターンの確認およびダウンロードはインターネット等の広域ネットワークを介して実施する必要があり、広域ネットワークへの接続が制限されている場合には、パターンファイルの確認および更新を行うことができない。この場合にはPC端末が新種のウイルスの危険に曝されてしまうため、何らかの手段でパターンファイルを更新する必要がある。従来、このように広域ネットワークへ接続できない端末のパターンファイル更新は以下の方法がある。
【0007】
一つは、インターネット等の広域ネットワークへ接続しない端末を一時的にこれらのネットワークに接続し、最新パターンの入ったファイルを入手する方法である。もう一つは、インターネット等の広域ネットワークへ接続されている他のPC端末で入手した最新パターンのファイルをUSBメモリやCD−ROM等の可搬型記録媒体にコピーし、それをPC端末で読み込む方法である。しかしながら、前者は元々ウイルス感染等のセキュリティ面から広域ネットワークへ接続していないPC端末を広域ネットワークへ接続することになるため、一時的とはいえウイルス感染や情報漏洩等のセキュリティ上の問題がある。また、後者の場合、広域ネットワークに接続された端末で最新パターンファイルの有無を確認し、記録媒体にコピーしてPC端末に読み込ませるという作業を人手によらねばならず、人的労力がかかるとともに、担当者の暇なときに処理するという携行が強く、最新パターンの更新がタイムリーに行われない場合があるとともに、ダウンロードするPC端末と最終的に転送されるPC端末のオペレーティングシステムが同じ場合にファイル転送を原因とするウイルス感染のリスクがある。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑み、インターネット等の広域ネットワークに接続できないようなPC環境であっても、携帯電話機から広域ネットワークに接続して最新のデータを入手し、該携帯電話機からPC端末に転送してデータ更新を行うことにより、容易かつタイムリーにPC端末のデータを最新のものにするシステムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、ユーザの使用するコンピュータ端末に必要なファイルを提供元配信サーバから受信して、前記コンピュータ端末に提供する携帯型通信端末であって、
前記配信サーバから広域ネットワークを介して前記ファイルを受信する受信部と、受信したファイルを蓄積する情報記憶手段と、前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給するためのデータ出力手段と、前記ファイルの送受信を制御する制御手段とを備えるとともに、前記コンピュータ端末とはオペレーティングシステムが異なることを特徴とする。
【0010】
この携帯型情報端末は、定められたスケジュールで前記配信サーバに新規なファイルの有無を問い合わせ、新規なファイルがある場合に前記配信サーバからダウンロードすることが有効である。
【0011】
前記携帯型情報端末がデータ通信機能付の携帯電話機であることが有効である。
【0012】
前記データ出力手段は、ケーブル接続端子、赤外線ポートその他の近距離無線送受信手段、メモリカードドライブのいずれかを備えることが有効である。
【0013】
前記携帯型情報端末さらに前記更新用ファイルの転送を管理するための管理テーブルを備えるとともに、前記制御手段が、前記配信サーバから受信した更新用ファイルについて、少なくともバージョン情報と前記コンピュータに提供済みか否かの情報を前記管理テーブルで管理することが有効である。
【0014】
前記携帯型通信端末が、さらに前記更新用ファイルを受信した旨をユーザに通知する通知手段を備えることが有効である。
【0015】
本発明に係る携帯型情報端末用のプログラムは、ユーザの使用するコンピュータ端末に必要なファイルを広域ネットワークに接続された配信サーバから受信して前記コンピュータ端末に提供する携帯型通信端末の動作プログラムであって、
前記広域ネットワークを介して前記配信サーバにアクセスし、前記コンピュータ端末に必要なデータファイルの有無を定められたスケジュールで問い合わせるステップと、必要なデータファイルがある場合に前記ファイルを受信して前記携帯型通信端末の記憶手段に蓄積するステップと、前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給するステップとを前記携帯型通信端末に実行させることを特徴とする。
【0016】
このプログラムはさらに、前記配信サーバから前記データファイルを受信した場合にそのバージョンを含む管理情報を前記携帯型通信端末内に保存される管理テーブルに登録するステップと、前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給した場合に供給済みである旨を前記管理テーブルに登録するステップと、前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給する際に前記管理テーブルを参照して未だ供給されていないファイルを抽出して前記コンピュータ端末に供給するステップと、を前記携帯型通信端末に実行させることを特徴とする。
【0017】
本発明に係るファイル転送方法は、広域ネットワークに接続された配信サーバから、前記広域ネットワークに接続されないコンピュータ端末にデータファイルを転送する方法であって、
データ通信機能付の携帯型情報端末から前記広域ネットワークに接続して前記ファイルを受信し蓄積するステップと、前記携帯型情報端末が前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給するステップとを備え、前記携帯型情報端末とコンピュータ端末のオペレーティングシステムが異なることを特徴とする。
【0018】
この方法においては、携帯型情報端末が前記広域ネットワークを介して前記配信サーバにアクセスし、前記コンピュータ端末に必要なデータファイルの有無を定められたスケジュールで問い合わせるステップと、必要なデータファイルがある場合に前記携帯型情報端末が前記ファイルを受信して蓄積するステップと、前記携帯型情報端末が前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給するステップとを備えることが有効である。
【0019】
本発明に係るファイル転送システムは、ユーザの使用するコンピュータ端末と、該コンピュータ端末で必要なデータファイルを広域ネットワーク上で送信する配信サーバと、該配信サーバから前記データファイルを受信して前記コンピュータ端末に提供する携帯型通信端末とを備え、
前記携帯型通信端末が、前記配信サーバから広域ネットワークを介して前記ファイルを受信する受信部と、受信したファイルを蓄積する情報記憶手段と、前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給するためのデータ出力手段と、前記ファイルの送受信を制御する制御手段とを備え、
前記コンピュータ端末と携帯通信端末のオペレーティングシステムが異なることを特徴とする。
【0020】
このシステムでは、前記携帯型情報端末が、定められたスケジュールで繰り返し前記配信サーバに前記コンピュータ端末が必要とする新規なファイルの有無を問い合わせ、新規なファイルがある場合に前記配信サーバからダウンロードすることが有効である。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、インターネットに接続されないコンピュータ端末に、この端末とは異なるオペレーティングシステムで動作する携帯型情報端末を介して前記コンピュータ端末に必要なデータを転送するため、同じオペレーティングシステムで動作する端末を介してファイルを転送する場合に比して、ファイル転送によるウイルス感染の可能性が低減する。また、携帯型情報端末から定期的に配信サーバに問い合わせを行い、コンピュータ端末に必要な新たなデータが存在する場合にダウンロードする構成としたため、必要なデータファイルをタイムリーに入手することができる。また、携帯型情報端末としてコンピュータ端末のユーザの所持する携帯電話機を用いることにより、安全且つタイムリーなデータファイルの入手が実現する。
【0022】
また、携帯型情報端末からコンピュータ端末へのファイル供給は、ケーブルを用いた直接接続、赤外線通信やbluetoothなどの近距離無線通信、メモリカードを用いたファイル提供とすることにより、1対1の接続関係により安全にファイル転送を遂行することができる。また、携帯型情報端末が受信したファイルについてバージョンとコンピュータ端末に転送済みか否かを管理することにより、状況に応じて効率的に必要なファイル更新を実現することができる。また、携帯型情報端末が配信サーバからファイルを受信した場合にユーザに通知することにより、タイムリーなファイル転送が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明にかかる情報配信システムの一実施例の構成を示す図である。図1を参照すると、本発明の第1実施例は、更新ファイルを配信する情報配信サーバ100と、このサーバ100とインターネット110を介して接続される携帯型情報端末110と、インターネットに接続されないPC(パーソナルコンピュータ)端末130とを備えている。インターネットに接続されないPC端末130は、例えば企業の基幹業務システム等に用いる端末であって、ウイルス感染や情報漏洩を防ぐ観点から、敢えてインターネット等の広域ネットワークに接続できない設定となっている。ただし、本発明においてPC端末130は外部へのアクセスが制限された企業内LANなどの小規模ネットワークに接続されていてもよい。また、本実施例において転送対象となるファイルは例えばセキュリティ対策ソフトのパターンファイルであるが、本発明はこの例に限るものではなく、PC端末において必要なデータファイルすべてに適用することが可能である。
【0025】
情報配信サーバ100は、配信されるべき更新データを格納するマスタデータ格納部101と、マスタデータを利用者に配信するデータ配信部102と、登録ユーザデータ格納部103とを備えている。登録ユーザデータ格納部103には、予め更新ファイルにかかるアプリケーションについて登録したユーザのデータが格納されている。このユーザデータには少なくとも、PC端末130の利用者またはそのシステム管理者の所持する携帯型情報端末120のメールアドレスが登録される。なお、更新データにかかるアプリケーションには多数のユーザが想定されるが、当該ユーザがインターネットに接続されるPC端末(図示せず)を利用している場合には当該PC端末のアドレスが登録される。ユーザの登録方法としては公知の方法を利用することができ、オンライン登録や登録カードを郵送により取得し情報配信端末100に入力する方法等がある。この情報配信サーバ100は、PC端末130で動作するアプリケーションで使用する新規な更新データがマスタデータ格納部101に登録された場合、登録ユーザデータ格納部103に登録されているメールアドレス宛に更新データを随時送信する。
【0026】
携帯型情報端末120は、例えばPC端末130のユーザまたはそのシステム管理者等の所持するデータ通信機能付の携帯電話機であり、場所を選ばず情報配信サーバ100からのデータを受信することができるものである。この携帯型情報端末120は、情報配信サーバ100から送信される更新ファイルを受信する受信部121と、受信した更新ファイルの情報をユーザに通知するための通知部123と、受信した更新データを格納するデータ蓄積部124と、更新データをPC端末130に転送するデータ転送部125と、これらの要素を制御する受信情報処理部122とを備える。受信部121は、インターネット110に接続された携帯電話会社の無線基地局(図示せず)と無線通信を行い、データの送受信を行う。通知部123は、例えば新たな更新ファイルを受信したことをユーザに示す表示画面および音声出力手段を備える。これらの手段または機能は従来の携帯電話機に採用されている表示画面やスピーカを利用することができる。
【0027】
データ蓄積部124は携帯型情報端末120の内部記憶手段であり、受信する更新データを格納するのに十分な容量を有するものとする。データ転送部125は実施例によって異なるが、後述するようにPC端末130とケーブルで直接接続する場合は出力端子として構成され、PC端末130と赤外線通信やBlootoothなどの近距離無線通信を行う場合は赤外線ポート等として構成され、メモリカード等を利用する場合は当該メモリカードのドライブとして構成される。受信情報処理部122は携帯型情報端末120に搭載されるプログラムであり、携帯型情報端末120のメモリからCPUに読み込まれ実行されることにより実現される。このプログラムは携帯型情報端末120のオペレーティングシステムの一部モジュールとして構成してもよい。また、後述するように携帯型情報端末120のオペレーティングシステムは、更新データを転送するPC端末130のオペレーティングシステムとは異なるものとして、携帯型情報端末120からPC端末130へのウイルス感染を防止するようにする。
【0028】
インターネットに接続されないPC端末130は、当該PC端末130のメモリからCPUに展開されるアプリケーション131と、このアプリケーション131が利用するデータが格納される記憶手段132と、この記憶手段132のデータ更新を制御するデータ更新処理部133と、携帯型情報端末120から更新データを受信する転送受信部134とを備えている。本実施例におけるアプリケーション131はコンピュータのセキュリティ対策ソフトであり、記憶手段132に登録されるウイルスパターンファイルを参照してPC端末130のウイルスチェックや外部からの不正アクセスの検出および防御を実行する。データ更新処理部133はPC端末130に搭載されるプログラムであり、PC端末130のメモリからCPUに読み込まれ実行されることにより実現される。データ更新処理部133は、携帯型情報端末120から更新ファイルを受領し、記憶手段132のデータを更新する。転送受信部134は、上述した携帯型情報端末120のデータ転送部125に対応するデータ送受信手段であり、すなわちケーブル端子や赤外線ポートやメモリカードドライブとして構成される。なお、上述のようにPC端末130のオペレーティングシステムは携帯型情報端末120とは異なるものである。
【0029】
このように構成されたデータ配信システムの第1実施例の動作を、図2のフローチャートを参照しながら説明する。以下の説明では情報配信サーバ100,携帯型情報端末120,PC端末130の動作として描写するが、実際にこれらの動作を担当するのは情報配信サーバ100のデータ送信部102,携帯型情報端末120の受信情報処理部122,PC端末130のデータ更新処理部133である。
【0030】
新規なコンピュータウイルスが発見されると、オペレータにより当該ウイルスのパターンを追加した更新用データが情報配信サーバ100に登録される。ウイルスパターンファイルはウイルス固有のバイトパターンを含むファイルであり、アプリケーション131(ウイルス対策ソフト)はこのパターンファイルを参考にウイルスのパターンを認識して検索エンジンがウイルスを検知する。新規なウイルスは毎月数百種類出現しているといわれており、新しい複雑なウイルスの検索に対してはウイルス対策ソフトの検索エンジンを更新(バージョンアップ)することが必要となるが、その他の場合はウイルスパターンファイルを更新することで新しく出現したウイルスの検出が可能である。この情報配信サーバ100は、セキュリティ対策ソフトを開発・販売している会社などがインターネットを経由して、ソフトを購入したユーザに随時最新のウイルス情報を含んだパターンファイルを配信するために運営しているウェブサーバである。
【0031】
本実施例のデータ送信部102は、マスタデータ格納部101から更新用ファイルを抽出し、電子メールに添付してユーザデータ格納部103に登録されているメールアドレス宛に送信する(ステップ201)。このメール配信は、データ送信部102がマスタデータ格納部101に新たな更新用データが登録されたことを検出して自動的に行ってもよいし、オペレータの入力操作をトリガとして実行されるよう構成されていてもよい。また、電子メールの配信は、ユーザデータ格納部103に登録された複数のメールアドレス宛に一斉に送られてもよいし、個別にあるいは所定数のメールをまとめて送ることを繰り返してもよい。
【0032】
この更新用ファイルはインターネット110を介して携帯型情報端末120に配信される。携帯型情報端末120は受信部121で交信用ファイルを受信し、受信情報処理部122が通知部123を制御してユーザに通知するとともに(ステップ211)、受信した更新用ファイルをデータ蓄積部124に登録し(ステップ212)、その後PC端末130への転送準備を実施する。ここで、受信情報処理部122は携帯型情報端末120の電源オン時には常時起動しており、受信される電子メールの内容をその都度確認し、更新ファイルの送信を示す予め定められた文字列(識別コード)がある場合あるいは添付ファイルがその識別子等から更新ファイルと確認された場合に一連の処理を開始するよう構成することができる。この処理により携帯型情報端末120の表示画面に新規な更新用ファイルを受信したことが表示され、ユーザに受け取った更新用ファイルをPC端末130に転送することが促される。なお、更新用ファイルを受信した際は画面表示とともにビープ音等を発してユーザの注意をひくようにしてもよい。
【0033】
メッセージを見たユーザは、携帯型情報端末120からPC端末130への転送準備を整え、携帯型情報端末120を操作してデータ転送を実行する(ステップS212)。具体的には、PC端末130とケーブルで接続する実施例の場合ユーザは携帯型情報端末120とPC端末130とをケーブルで接続し、携帯型情報端末120に画面表示された「転送開始」ボタンをクリックする等してデータ転送を開始させる。また、PC端末130と赤外線通信やBluethoothなどの近距離無線通信を行う実施例ではPC端末130と通信可能な位置に携帯型情報端末120を適切に配置し、データ転送を開始させる。また、メモリカードなどの記憶媒体を介してデータ転送を行う場合には、携帯型情報端末120に十分な空き容量のメモリカードを装填し、画面表示されたボタンをクリックすると更新用ファイルがメモリカードにコピーされるよう構成する。ここで、携帯型情報端末120とPC端末130のオペレーティングシステムが異なることから、このデータ転送によってウイルスが感染する可能性は最低限に抑えられる。
【0034】
インターネットに接続されないPC端末130は、転送受信部134にて更新用ファイルを受信し、データ更新処理部133が、アプリケーション131が検索する記憶手段132のデータファイルを更新する(ステップ221)。ここで、データ更新は、最新のウイルスパターンファイルが過去のウイルスパターンデータをすべて含むような場合はデータファイルをそのまま上書き処理する構成をとってもよく、最新のウイルスパターンデータのみを持つような場合はパターンファイルに最新分のデータを追加するような構成であってもよい。従来、多くのウイルスチェックソフトは前者の形態をとっているが、追加/変更部分のみを含む更新用ファイルの方が転送データ量が少なくできる場合が多く、特に携帯型情報端末120に携帯電話機を使用する場合等に好適である。
【0035】
具体的な更新処理について、図3を参照して説明する。本図は更新用ファイルの構成イメージを示す図である。本図に示すように、レコードごとに処理内容61,処理インデックス62,更新内容63の項目が設けられている。処理内容61にはこのレコードの処理方法が記録され、この内容として”add”は「追加」、”chg”は「更新」、”del”は削除等がある。処理インデックス62には処理対象となるデータ内の検索キーが記録されており、更新内容63には新しく追加・更新されるパターンファイルの内容が記録されている。データ更新処理部133はこの更新用ファイルをレコードごとに読み込み、記憶手段132に格納されたデータに対し追加・更新・削除処理を実行する。なお、この処理手順の説明では他の実施例にも適用できるように追加・更新・削除の処理を可能としているが、ウイルスパターンファイルの更新の場合は「削除」ということは考えにくく、追加と更新のみの処理機能を備えるように構成してもよい。
【0036】
ファイル更新のタイミングは、携帯型情報端末120からの転送要求を受けた時点でデータ更新処理部133が自動的に受信処理を行い、受信が完了したらデータ更新を行うようにしてもよいし、転送要求を受けた時点でPC端末130にその旨を画面表示して、ユーザに更新用データの受信および実際の更新処理の確認をとるようにしてもよい。
【0037】
このように、本実施例によれば、情報配信サーバ100にある最新の更新用ファイルを携帯型情報端末120で入手し、その入手をユーザに通知し、ここからインターネットに接続されないPC端末130に転送する構成であるため、インターネットなど広域ネットワークに接続できないPC端末130のウイルスパターンファイルの更新を容易に行うことができる。また、情報配信サーバ100に新規な更新用ファイルが登録された時点で当該ファイルが電子メールで配信されるため、インターネットに接続されないPC端末130の利用者が最新パターンの存在を検知することができ、ウイルスパターンファイルの更新をタイムリーに行うことができる。また、PC端末130においてウイルスパターンの更新をインターネット等に接続することなく実行することが可能であるため、インターネットに接続してファイル更新を行う場合に比してウイルス感染や情報漏洩等のセキュリティ上のリスクが低減する。また、最新の更新用ファイルの入手は携帯電話など、更新対象となるPC端末130とはオペレーティングシステムが異なる端末を介して実現するよう構成しており、コンピュータウイルスの殆どが携帯電話機のオペレーティングシステムには感染しないものであるため、ファイル転送を行う場合のウイルス感染のリスクを大幅に低減することができる。さらに、例えばPC端末130が社員が出張に携帯するようなノート型パソコンである場合、移動中に携帯電話機で更新用データを受信しておき、目的に着いてからPC端末130に最新の更新用ファイルを転送するといったことが可能となり、更新用ファイルを効率的に入手することができる。
【実施例2】
【0038】
次に、第2の実施例について説明する。図4は、本発明にかかるデータ配信システムの第2実施例の動作を説明する図である。本実施例の構成は図1に示すシステムとほぼ同様であるが、情報配信サーバ100と携帯型情報端末120間で行われるファイル配信手順が異なっており、情報配信サーバ100のデータ送信部102の処理と、携帯型情報端末120の受信情報処理部122の処理が異なる。
【0039】
新たなウイルスが発見されると、情報配信サーバ100のオペレータが新規なウイルスパターンを含む更新用ファイルをマスタデータ格納部101に登録するが、この時点では携帯型情報端末120に配信しない(ステップ501)。一方、携帯型情報端末120の受信情報処理部122は定期的に情報配信サーバ100に接続し、新たな更新用ファイルが存在するかを問い合わせる(ステップ511)。この問い合わせでは、前回転送された更新用ファイルのバージョン情報を携帯型情報端末120がデータ蓄積部124に登録しておき、このバージョン情報を情報配信サーバ100への通知に含めるようにする。情報配信サーバ100のデータ送信部102は、受信したバージョン情報とマスタデータ格納部101に登録されている最新の更新用データのバージョン情報とを比較して、両者が異なるものであれば新たなファイルが存在する旨を返信する(ステップ502)。なお、別の実施例では、携帯型情報端末120から情報配信サーバ100に現在登録されている最新の更新用データのバージョンを問い合わせ、返信情報に基づき携帯型情報端末120が自端末内に保存されている前回更新ファイルのバージョンと比較することにより更新の必要性を判断するようにしてもよい。
【0040】
ここで、新規な更新用ファイルが存在する場合、携帯型情報端末120は情報配信サーバ100にダウンロード要求を行い(ステップ512)、これに応じて情報配信サーバ100がマスタデータ格納部101から最新の更新用ファイルを抽出して携帯型情報端末120に送信する(ステップ503)。以降の処理は図2に示す第1実施例と同様であり、図2と同じステップ番号を付してその説明は省略する。
【実施例3】
【0041】
次に、本発明の第3の実施例について、図5および図6を用いて説明する。本実施例では、インターネットに接続されないPC端末330のアプリケーション331が辞書検索ソフトであるものとして説明する。辞書ソフトの場合、新しい流行語などが生まれた場合に新しい言葉とその意味を追加したり、既存の言葉に新しい意味合いが発生した場合に既存の言葉の意味合いを更新したり、一時的な流行語で使用されなくなった言葉を削除するなど辞書データの更新が有効であり、この更新版辞書データは版数管理されている。図5のシステムを参照すると、図1のシステムに加え携帯型情報端末330の受信情報処理部322がさらに蓄積データ管理部324を備えている。この蓄積データ管理部324は携帯型情報端末320のプログラムモジュールとして構成され、この端末320が受信した更新用ファイルの情報を管理する。
【0042】
図6のフローチャートに示されるように、情報配信サーバ300のデータ送信部302がアプリケーションの検索対象となる最新の更新用ファイルをマスタデータ301から抽出し、携帯型情報端末320に送信する(ステップ401)。この配信処理は上述した第1および第2の実施例のいずれかの手順で行われるものとする。携帯型情報端末320は情報配信サーバ300からの更新用ファイルを受信部321で受信し、受信情報処理部322は更新用ファイルの情報を通知部323を用いて利用者に通知するとともに、データ蓄積部325に受信した更新用ファイルを登録する(ステップ411)。このとき、蓄積データ管理部324は、図7に示す管理テーブルに更新用ファイルの情報を登録する(ステップ412)。
【0043】
この確認テーブルはデータ蓄積部325に保存管理されており、新たな更新用ファイルを受信した場合や、各ファイルがPC端末330に転送された場合に更新されるものである。図7に示すように、確認テーブルでは更新用ファイルごとにレコードが作成されており、各レコードはファイル名52,バージョン情報53,更新端末識別情報54,更新フラッグ55の項目を少なくとも有している。ファイル名52およびバージョン情報53には更新用ファイルのファイル名とそのバージョン情報が登録され、更新端末識別情報54にはこの携帯型情報端末320が辞書検索ソフトの最新辞書データの更新を行うPC端末330の識別情報が登録され、更新フラッグ55には辞書データの更新が行われたか否かを示すフラッグが登録される。
【0044】
図7に示す実施例では、REC01のレコードでは2004年11月10に第6版(バージョン060)で「jdata60」というファイル名の辞書データがデータ蓄積部325に登録されているが、「abcd001」という識別子を持つPC端末(PC端末330)への更新フラッグが「0」であるため、データの転送はまだ行われていない状態である。これに対し、REC02のレコードでは、同じように第5版の辞書データは識別子が「abcd001」のPC端末330への更新フラッグが「1」であり、辞書データの更新が行われていることが分かる。これに今回入手した更新用データの情報がREC003(第7版データ)として追加される。
【0045】
次に、蓄積データ管理部324は、過去にデータ蓄積部325に蓄積されたデータを含め、辞書検索ソフトの更新用ファイルの情報を確認し、今回追加・更新する必要のある更新用ファイルを判定する(ステップ412)。この処理は、データ蓄積部325に蓄積されたデータを参照して更新フラッグが「0」(未更新)である更新用データを特定し、ここで特定された更新用データをデータ蓄積部325から抽出してPC端末330に転送する。図7の実施例では、REC03(第7版の辞書データ)とREC02(第6版の辞書データ)を抽出し、識別子abcd001のPC端末330に転送する。この転送および以降の処理は上述した第1および第2の実施例と同様であるため、以降の説明は省略する。
【0046】
本実施例によれば、例えば上述したようにPC端末330が出張に携帯されるノート型パソコンであって、比較的短期間で2以上の更新用ファイルがリリースされたような場合に、1つ目のファイルによる更新を実施していない状態でも2つ目以降のファイルを受信して蓄積しておき、対応する時間ができたときに未更新のファイルを抽出してPC端末に転送し、辞書データを更新させることができる。この実施例は比較的間隔を空けずに更新ファイルがリリースされるようなアプリケーション、例えば毎日あるいは毎週新たなカリキュラムが送信される教育ソフトの教材データ等の場合に特に有効となる。
【0047】
本発明のいくつかの実施例を詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、他の様々な実施例を考えることができる。特に、PC端末におけるアプリケーションとその参照ファイル(更新対象となるデータファイル)は、例えば、辞書検索ソフトにおける辞書データファイル、法律・判例検索ソフトにおける法律・判例データ、地図検索ソフトにおける地図データ、各種教育ソフトにおける毎回内容が異なる教育コンテンツデータ等のように、検索や境域受講などの機能をもったアプリケーションに用いられ、必要に応じて内容が追加・更新される検索対象データまたはコンテンツデータであれば、様々な例に適用することができる。また、情報配信サーバと携帯型情報端末のデータ転送手順も上記実施例に限るものではない。例えば、新たな更新用ファイルが情報配信サーバに登録されたらファイルを添付せずに各利用者の携帯型情報端末にその旨の電子メールを配信し、これを受けた携帯型情報端末側から情報配信サーバにアクセスして更新用ファイルをダウンロードする構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、セキュリティ上の問題でインターネット等の広域ネットワークへの接続が制限され、ローカル若しくは企業内などアクセスが管理されたネットワークに接続されるPC端末で、インターネットから入手する必要がある更新用ファイルを安全且つ適時に入手できるようにするものであり、情報通信産業その他コンピュータを用いる産業で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明にかかるデータ配信システムの第1実施例の構成を示す図である。
【図2】図1に示す第1実施例の動作を説明する図である。
【図3】転送される更新用ファイルの構成を示すイメージ図である。
【図4】データ配信システムの第2実施例の動作を説明する図である。
【図5】データ配信システムの第3実施例の構成を示す図である。
【図6】図5に示す第3実施例の動作を説明する図である。
【図7】図5に示す蓄積データ管理部が管理する管理テーブルの構成を示すイメージ図である。
【符号の説明】
【0050】
100 情報配信サーバ
101 マスタデータ格納部
102 データ送信部
103 ユーザデータ格納部
110 インターネット
120 携帯型情報端末
121 受信部
122 受信情報処理部
123 通知部
124 データ蓄積部
125 データ転送部
130 PC端末
131 アプリケーション
132 記憶手段
133 データ更新処理部
134 転送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの使用するコンピュータ端末に必要なファイルを提供元配信サーバから受信して、前記コンピュータ端末に提供する携帯型通信端末であって、
前記配信サーバから広域ネットワークを介して前記ファイルを受信する受信部と、受信したファイルを蓄積する情報記憶手段と、前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給するためのデータ出力手段と、前記ファイルの送受信を制御する制御手段とを備えるとともに、前記コンピュータ端末とはオペレーティングシステムが異なることを特徴とする携帯型通信端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型情報端末であって、定められたスケジュールで前記配信サーバに新規なファイルの有無を問い合わせ、新規なファイルがある場合に前記配信サーバからダウンロードすることを特徴とする携帯型通信端末。
【請求項3】
前記携帯型情報がデータ通信機能付の携帯電話機であることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯型情報端末。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の携帯型通信端末において、前記データ出力手段は、ケーブル接続端子、赤外線ポートその他の近距離無線送受信手段、メモリカードドライブのいずれかを備えることを特徴とする携帯型通信端末。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の携帯型通信端末において、さらに前記更新用ファイルの転送を管理するための管理テーブルを備えるとともに、前記制御手段が、前記配信サーバから受信したファイルについて、少なくともバージョン情報と前記コンピュータに提供済みか否かの情報を前記管理テーブルで管理することを特徴とする携帯型通信端末。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の携帯型通信端末において、さらに前記更新用ファイルを受信した場合にその旨をユーザに通知する通知手段を備えることを特徴とする携帯型通信端末。
【請求項7】
ユーザの使用するコンピュータ端末に必要なファイルを広域ネットワークに接続された配信サーバから受信して前記コンピュータ端末に提供する携帯型通信端末の動作プログラムであって、
前記広域ネットワークを介して前記配信サーバにアクセスし、前記コンピュータ端末に必要なデータファイルの有無を定められたスケジュールで問い合わせるステップと、必要なデータファイルがある場合に前記ファイルを受信して前記携帯型通信端末の記憶手段に蓄積するステップと、前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給するステップとを前記携帯型通信端末に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムにおいて、前記配信サーバから前記データファイルを受信した場合にそのバージョンを含む管理情報を前記携帯型通信端末内に保存される管理テーブルに登録するステップと、前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給した場合に供給済みである旨を前記管理テーブルに登録するステップと、前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給する際に前記管理テーブルを参照して未だ供給されていないファイルを抽出して前記コンピュータ端末に供給するステップと、を前記携帯型通信端末に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
広域ネットワークに接続された配信サーバから、前記広域ネットワークに接続されないコンピュータ端末にデータファイルを転送する方法であって、
データ通信機能付の携帯型情報端末から前記広域ネットワークに接続して前記ファイルを受信し蓄積するステップと、前記携帯型情報端末が前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給するステップとを備え、前記携帯型情報端末とコンピュータ端末のオペレーティングシステムが異なることを特徴とするファイル転送方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記携帯型情報端末が配信サーバから前記ファイルを受信し蓄積するステップは、前記携帯型情報端末が前記広域ネットワークを介して前記配信サーバにアクセスし、前記コンピュータ端末に必要なデータファイルの有無を定められたスケジュールで問い合わせるステップと、必要なデータファイルがある場合に前記携帯型情報端末が前記ファイルを受信するステップと、受信したデータファイルを前記携帯型情報端末の記憶手段に格納するステップとを含むことを特徴とするファイル転送方法。
【請求項11】
ユーザの使用するコンピュータ端末と、該コンピュータ端末で必要なデータファイルを広域ネットワーク上で送信する配信サーバと、該配信サーバから前記データファイルを受信して前記コンピュータ端末に提供する携帯型通信端末とを備え、
前記携帯型通信端末が、前記配信サーバから広域ネットワークを介して前記ファイルを受信する受信部と、受信したファイルを蓄積する情報記憶手段と、前記コンピュータ端末に前記ファイルを供給するためのデータ出力手段と、前記ファイルの送受信を制御する制御手段とを備え、
前記コンピュータ端末と携帯通信端末のオペレーティングシステムが異なることを特徴とするファイル転送システム。
【請求項12】
請求項11に記載のファイル転送システムにおいて、前記携帯型情報端末が、定められたスケジュールで繰り返し前記配信サーバに前記コンピュータ端末が必要とする新規なファイルの有無を問い合わせ、新規なファイルがある場合に前記配信サーバからダウンロードすることを特徴とするファイル転送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−6081(P2007−6081A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−183227(P2005−183227)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(390001395)エヌイーシーシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】