説明

携帯電子機器、認証システム及び携帯電子機器の制御方法

【課題】暗証コードを送信するまでの時間を短時間にすることが可能な携帯電子機器、認証システム及び携帯電子機器の制御方法を提供する。
【解決手段】携帯電子機器は、通信を行う第1通信部50と、それぞれ数字が割り当てられる複数の第1キーを含む操作部11と、複数の第1キーのうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された第1キーに割り当てられる数字を表示する表示部21と、表示部21に待受画面が表示される状態において第1キーのいずれかが操作され、当該操作に基づいて表示部21に数字が表示された状態において、第1通信部50により信号を受信した際、当該受信した信号が暗証コード要求信号である場合には、表示部21に表示される数字列を、第1通信部50により暗証コード要求信号の送信相手に送信するように制御する制御部45とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数字列を入力するためのキー操作部と、入力された数字列を外部に送信する通信部とを備える携帯電子機器、この携帯電子機器を備える認証システム、及び携帯電子機器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
認証システムは、暗証コードが入力される携帯電子機器(例えば、携帯電話機)と、携帯電話機から送信された暗証コードと予め登録されている暗証コードとが一致しているか否かを判断し、両者の暗証コードが一致している場合には、扉等に設けられている鍵を開錠する読取装置とを備える。
【0003】
特許文献1に記載された認証システムにおける携帯電話機は、予め読取装置との通信を行い、識別信号を読取装置に送信した後、識別信号を送信したことに対する応答を読取装置から受信してから、ユーザがキー操作部を操作することにより暗証コードが入力され、入力された暗証コードを読取装置に送信する。
【0004】
また、特許文献2に記載された認証システムにおける携帯電話機は、読取装置との間で信号の送受信を繰り返すことにより、暗証コードが入力されるモードに遷移する。モードが遷移した携帯電話機は、ユーザがキー操作部を操作することにより暗証コードが入力され、入力された暗証コードと共に識別(ID)情報を読取装置に送信する。この場合、読取装置は、携帯電話機から送信された暗証コード及びID情報の双方について、予め登録されている暗証コード及びID情報とそれぞれ照合を行い、両者が一致する場合には鍵を開錠する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−339608号公報
【特許文献2】特開2001−193324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に記載された認証システムは、携帯電話機と認証装置との間で信号の送受信を繰り返し行った後に携帯電話機に暗証コードが入力され、この暗証コードを携帯電話機から認証装置に送信するので、暗証コードを認証装置へ送信するまでに時間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明は、暗証コードを送信するまでの時間を短時間にすることが可能な携帯電子機器、認証システム及び携帯電子機器の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯電子機器は、通信を行う第1通信部と、それぞれ数字が割り当てられる複数の第1キーを含むキー操作部と、複数の前記第1キーのうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された第1キーに割り当てられる数字を表示する表示部と、前記表示部に待受画面が表示される状態において前記第1キーのいずれかが操作され、当該操作に基づいて前記表示部に数字が表示された状態において、前記第1通信部により信号を受信した際、当該受信した信号が暗証コード要求信号である場合には、前記表示部に表示される数字列を、前記第1通信部により前記暗証コード要求信号の送信相手に送信するように制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、前記キー操作部に含まれる複数の前記第1キーには、さらに文字が割り当てられており、前記表示部には、複数の前記第1キーのうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された第1キーに割り当てられる数字及び文字の双方が表示され、前記制御部は、前記第1キーのいずれかの操作に基づいて数字列及び文字列の双方が前記表示部に表示された状態において、前記第1通信部により前記暗証コード要求信号を受信した場合には、前記表示部に表示される数字列及び文字列のうち数字列を、前記第1通信部により前記暗証コード要求信号の送信相手に送信するように制御することが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記第1キーのいずれかの操作に基づいて数字及び文字の双方が前記表示部に表示された状態において、当該文字を他の文字に変換する場合、あるいは当該文字を前記複数の第1キーとは異なる第2キーを操作して確定する場合、数字について非表示とすると共に前記表示部に文字のみを表示するよう制御することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記数字列を前記暗証コード要求信号の前記送信相手に送信したことに対する応答として前記第1通信部により応答信号を受信した場合には、前記応答信号に基づく情報を前記表示部に表示させるよう制御することが好ましい。
【0012】
また、前記キー操作部は、文字及び数字が割り当てられておらず、電話発信機能が割り当てられる第3キーをさらに含み、前記制御部は、前記表示部に数字が表示された状態において前記第3キーが操作された場合に、前記表示部に表示された数字を電話番号とする電話発信に関する制御を行うことが好ましい。
【0013】
また、前記携帯電子機器は、公衆通信網に接続可能な第2通信部をさらに備え、複数の前記第1キーは、前記第2通信部による発呼を行うための電話番号を入力可能なテンキーであることが好ましい。
【0014】
また、前記制御部は、前記表示部に待受画面が表示される状態において前記第1キーのいずれかが操作され、当該操作に基づいて前記表示部に数字が表示された状態において、前記第1通信部により信号を受信した際、当該受信した信号が暗証コード要求信号でない場合には、前記表示部に表示される数字列を用いることなく、前記第1通信部によるデータ通信を行うように制御することが好ましい。
【0015】
また、前記第1通信部は、磁界通信を行う磁界通信部であって、前記制御部は、前記第1キーのいずれかの操作に基づいて前記表示部に数字が表示された状態において前記磁界通信部により信号を受信すると、当該受信した信号が暗証コード要求信号であるか否か判断し、前記暗証コード要求信号で無い場合には、前記表示部に表示される数字列について前記磁界通信部により送信する処理は行わないことが好ましい。
【0016】
本発明は、携帯電子機器と、前記携帯電子機器との間で通信を行う読取装置とを備える認証システムであって、前記携帯電子機器は、通信部と、それぞれ数字が割り当てられる複数の第1キーを含むキー操作部と、複数の前記第1キーのうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された前記第1キーに割り当てられる数字を表示する表示部と、前記表示部に待受画面が表示される状態において前記第1キーのいずれかが操作され、当該操作に基づいて前記表示部に数字が表示された状態において、前記通信部により前記読取装置から暗証コード要求信号を受信した場合には、前記表示部に表示される数字列を、前記通信部により前記読取装置に送信するように制御する制御部と、を備え、前記読取装置は、前記携帯電子機器に前記暗証コード要求信号を送信した後、当該暗証コード要求信号に対する応答として前記携帯電子機器から前記数字列を受信する通信部と、認証を許可する暗証コードを記憶する記憶部と、前記読取装置が受信した数字列と、前記記憶部に記憶された前記暗証コードとが一致する場合に、認証に関係する処理を実行するよう制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明は、それぞれ数字が割り当てられる複数の第1キーを備える携帯電子機器の制御方法であって、待受画面を表示する工程と、前記待受画面が表示される状態において、複数の前記第1キーのうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された前記第1キーに割り当てられる数字を表示する工程と、数字列が表示される状態において、外部から信号を受信した際、当該信号が暗証コード要求信号である場合には、表示される前記数字列を前記暗証コード要求信号の送信相手に送信する工程と、を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、暗証コードを送信するまでの時間を短時間にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の携帯電子機器の一実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】キーアサインについての説明に供する図である。
【図4】エディタアプリケーションが起動された場合における、表示部の表示態様の変化について説明するための図である。
【図5】携帯電話機が機能を発揮するための構成を示す機能ブロック図である。
【図6】認証システムの機能を示す機能ブロック図である。
【図7】認証システムの動作について説明するための第1のシーケンス図である。
【図8】認証システムの動作について説明するための図である。
【図9】認証システムの動作について説明するための第2のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[携帯電子機器について]
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の携帯電子機器の一実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機の形態としては特にこれに限られない。例えば、携帯電話機は、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ、フリップタイプ)でもよい。
【0021】
携帯電話機1は、操作部側筐体部2と、表示部側筐体部3とを備える。操作部側筐体部2は、表面部10に、操作部11(キー操作部)と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声を入力するマイク12とを備える。操作部11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15とを含む。なお、これらのキーは、表示部21と一体に形成されたタッチパネルに配置(表示)するようにしてもよい。
【0022】
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種情報を表示する表示部21と、通話の相手側の音声を出力するスピーカ22とを備える。
【0023】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0024】
また、図2は、携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電話機1は、図2に示すように、操作部11と、マイク12と、第1通信部50と、第2通信部46と、画像処理部42と、音声処理部43と、メモリ44と、制御部45と、表示部21と、スピーカ22と、ドライバIC23とを操作部側筐体部2又は表示部側筐体部3に備える。なお、第1通信部50の詳細については、後述する。
【0025】
第2通信部46は、メインアンテナ40と、RF回路部41とを備える。
メインアンテナ40は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で基地局を介して公衆通信網に接続し、外部装置と通信を行う構成である。なお、本実施形態では、所定の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。
【0026】
RF回路部41は、メインアンテナ40によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部45に供給する。そして、RF回路部41は、制御部45から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ40を介して外部装置に送信する。また、その一方で、RF回路部41は、メインアンテナ40によって受信している信号の強度を制御部45に通知する。
【0027】
画像処理部42は、制御部45の制御にしたがって、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをドライバIC23に出力する。ドライバIC23は、画像処理部42から供給された画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングで表示部21に出力する。
【0028】
音声処理部43は、制御部45の制御にしたがって、RF回路部41から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をスピーカ22に出力する。スピーカ22は、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。
【0029】
また、音声処理部43は、制御部45の制御にしたがって、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号をRF回路部41に出力する。RF回路部41は、音声処理部43から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ40に出力する。
【0030】
メモリ44は、例えば、ワーキングメモリを含み、制御部45による演算処理に利用される。また、メモリ44には、複数のアプリケーションや当該アプリケーションが必要とする各種のテーブル等が記憶されている。また、メモリ44は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0031】
制御部45は、携帯電話機1の全体を制御しており、中央処理装置(CPU)等を用いて構成される。ここで、操作部11によるキー操作に応じた制御部45の制御動作について説明する。制御部45は、原則的に現在アクティブに起動されているアプリケーションに応じて、操作部11を構成する各キー(機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15)に割り当てる文字、数字、記号や機能を変化させる。
【0032】
具体的には、操作部11は、いずれかのキーが操作されたときに、当該キーの位置情報(例えば、図3(a)に示すように、入力操作キー14の第2行左列のキー(「1」と「あ」が表面に印刷されているキー)が操作された場合には、(X2、Y1)なる位置情報)を制御部45に送信する。制御部45は、メモリ44にアクセスして、現在アクティブになっているアプリケーションに対応するキーアサインテーブルを参照し、操作部11から送信されてきた位置情報から割り当てられている記号の処理を実行する。例えば、メモリ44には、図3(b)及び図3(c)に示すように、複数のキーアサインテーブルが格納されている。なお、図3(b)は、電話発信を行う際に利用されるテーブルであり、図3(c)は、メモ帳アプリケーションやメールアプリケーションにおいて利用されるテーブルである。
【0033】
なお、記号の処理の実行とは、例えば、現在アクティブになっているアプリケーションがメモ帳の場合には、「1」や「あ」を表示部21に表示することを意味している。
【0034】
また、メモリ44には、複数のキーアサインテーブルが格納されており、制御部45は、アプリケーションに応じて、参照するキーアサインテーブルを切り替え、操作部11から送信されてくるキーの位置情報に基づいて所定のキーアサインテーブルを参照して、所定の処理を実行する。
【0035】
次に、携帯電話機1において利用されるエディタアプリケーションについて説明する。図4は、エディタアプリケーションが起動された場合における、表示部21の表示態様の変化について説明するための図である。
【0036】
制御部45は、待受画面100(通信を待ち受けているとき、又はアプリケーションの起動を待ち受けているときに表示される画面)を表示部21に表示させている状態において(図4(a)参照)、入力操作キー14を構成するいずれかのキーが操作された場合には、操作されたキーに割り当てられる文字を表示する文字列表示領域101と、操作されたキーに割り当てられる数字を表示する数字列表示領域102との双方を待受画面100に替えて表示部21に表示するように制御する(図4(b)参照)。
【0037】
ここで、図4に例示するように、待受画面100が表示部21に表示されている状態(図4(a)参照)において、「0」と「わをん」が表面に印刷されているキーの操作を行った場合、制御部45は、文字列表示領域101に「わ」を表示させるよう制御すると共に、数字列表示領域102に「0」を表示させるよう制御する(図4(b)参照)。そして、入力操作キー14を構成するキーが複数回連続して操作された場合、文字列表示領域101には「わたなべ」が表示され、数字列表示領域102には「0456666*」が表示される(図4(c)参照)。
【0038】
また、表示部21に文字列表示領域101と数字列表示領域102とが表示されている状態(図4(b)、図4(c)参照)において、発信キー16(第3キー:図1参照)が操作された場合、制御部45は、数字列表示領域102に表示されている数字を電話番号として電話発信に関する制御を行う。
【0039】
この後、決定操作キー15が上下操作された場合、制御部45は、文字列表示領域101に表示されている文字(かな)を漢字に変換する処理を実行し、文字列表示領域101が表示部21(表示画面)全体に渡って表示されるように制御する(図4(d)参照)。
【0040】
このように構成される携帯電話機1は、数字列を送信するまでの時間を短時間にすることが可能な機能を有する。
以下に、携帯電話機1に係る上記機能を発揮するための構成と動作について詳述する。まず、本実施形態に係る携帯電話機1の上記機能を発揮するための構成について、図2を参照しながら説明する。
【0041】
第1通信部50は、アンテナ51と通信回路部52とを備え、外部機器(例えば、後述する読取装置)と通信を行う。なお、第1通信部50の機能の詳細については、後述する。
操作部11は、それぞれ数字が割り当てられる複数の入力操作キー14(第1キー)を含む。
【0042】
表示部21は、複数の入力操作キー14のうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字を表示する。また、表示部21は、待受画面100を表示する。
【0043】
制御部45は、表示部21に待受画面100が表示される状態において入力操作キー14のいずれかが操作され、この操作に基づいて表示部21に数字が表示された状態において、第1通信部50により信号を受信した際、この受信した信号が暗証コード要求信号である場合には、表示部21に表示される数字列を、第1通信部50により暗証コード要求信号の送信相手に送信するように制御する。
【0044】
制御部45は、表示部21に待受画面100が表示される状態において、入力操作キー14を構成するいずれかのキーが操作された場合には、エディタアプリケーションを起動する。制御部45は、エディタアプリケーションを起動した場合、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字をエディタアプリケーションに入力させる。さらに、制御部45は、表示部21に数字列表示領域102を表示させるよう制御して、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字を数字列表示領域102に入力させる。制御部45は、入力操作キー14が複数回操作された場合、操作された入力操作キー14のそれぞれに割り当てられる数字を順に数字列表示領域102に入力させる。これにより、数字列表示領域102は、数字列を表示する。
制御部45は、第1通信部50により暗証コード要求信号を受信した場合には、数字列表示領域102に入力されている数字列を、暗証コード要求信号の送信相対に対して送信する。
【0045】
次に、上記の構成となっている携帯電話機1の制御方法について説明する。図5は、携帯電話機1の制御方法について説明するためのフローチャートである。
携帯電話機1は、第1表示工程S1と、第2表示工程S2と、送信工程S3とを行う。
【0046】
第1表示工程S1において、表示部21は、待受画面100を表示する。
第2表示工程S2において、表示部21は、待受画面100が表示される状態において、複数の入力操作キー14のうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字を表示する。なお、表示部21は、入力操作キー14が複数回操作された場合には、数字列を表示する。
【0047】
送信工程S3において、制御部45は、数字列が表示される状態において、外部から信号を受信した際、当該信号が暗証コード要求信号である場合には、表示される数字列を暗証コード要求信号の送信相手に送信する。
【0048】
したがって、携帯電話機1は、表示部21に数字列が表示されている状態において、第1通信部50により暗証コード要求信号を受信した場合に、表示部21に表示されている数字列を送信するので、従来のように暗証コードの要求信号を受信した後に数字列を入力する必要がなく、数字列を送信するまでの時間を短時間にすることができる。なお、もし数字列が表示されていない状態で暗証コード要求信号を受信した場合には、暗証コードの入力を促す画面を表示部21に表示させ、その後入力された数字列を暗証コードとして返送するよう構成してもよい。
【0049】
また、操作部11に含まれる複数の入力操作キー14には、さらに文字が割り当てられてもよい。この場合、表示部21には、複数の入力操作キー14のうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字及び文字の双方が表示される。この状態で、暗証コード要求信号を受信すると、文字列ではなく数字列を送信する。
【0050】
また、制御部45は、入力操作キー14のいずれかの操作に基づいて数字列及び文字列の双方が表示部21に表示された状態において、第1通信部50により暗証コード要求信号を受信した場合には、表示部21に表示される数字列及び文字列のうち数字列を、第1通信部50により暗証コード要求信号の送信相手に送信するように制御する。
【0051】
制御部45は、表示部21に待受画面100が表示される状態において、入力操作キー14を構成するいずれかのキーが操作された場合には、エディタアプリケーションを起動する。
制御部45は、エディタアプリケーションが起動された場合、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字及び文字をエディタアプリケーションに入力させる。さらに、制御部45は、数字列表示領域102及び文字列表示領域101を表示部21に表示させるよう制御して、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字を数字列表示領域102に入力させると共に、操作された入力操作キー14に割り当てられる文字を文字列表示領域101に入力させる。
【0052】
制御部45は、入力操作キー14が複数回操作された場合、操作された入力操作キー14のそれぞれに割り当てられる数字及び文字をそれぞれ数字列表示領域102及び文字列表示領域101に入力させる。これにより、数字列表示領域102は、数字列を表示する。また、文字列表示領域101は、文字列を表示する。
制御部45は、第1通信部50により暗証コード要求信号を受信した場合には、数字列表示領域102に入力されている数字列を、暗証コード要求信号の送信相手に対して送信する。
【0053】
ここで、携帯電話機1は、入力操作キー14が操作されることにより文字列(例えば、「こんにちは」:図8(B)参照)がエディタアプリケーションに入力された場合、この文字列の生成時に操作された入力操作キー14にそれぞれ対応する数字列(例えば、「2222200055446」:図8(B)参照)をもエディタアプリケーションに入力される。すなわち、エディタアプリケーションには、文字列と、この文字列に対応する数字列とが入力される。このため、携帯電話機1は、ユーザが記憶している文字列がエディタアプリケーションに入力された場合でも、文字列を入力するときに操作された入力操作キー14に割り当てられる数字に基づく数字列を送信することが可能になる。よって、携帯電話機1のユーザは、記憶し難い数字列を記憶するのではなく、記憶し易い文字列を記憶すればよい。
【0054】
したがって、携帯電話機1は、表示部21に数字列が表示されている状態において、第1通信部50により暗証コード要求信号を受信した場合に、表示部21に表示されている数字列を送信するので、従来のように暗証コードの要求信号を受信した後に数字列を入力する必要がなく、数字列を送信するまでの時間を短時間にすることができる。
【0055】
また、制御部45は、入力操作キー14のいずれかの操作に基づいて数字及び文字の双方が表示部21に表示された状態において、表示された文字を他の文字に変換する場合(変換処理)、あるいは表示された文字を複数の入力操作キー14とは異なる決定操作キー15(第2キー)を操作して確定する場合(確定処理)、数字について非表示とすると共に表示部21に文字のみを表示するよう制御することが好ましい。
【0056】
制御部45は、変換処理又は確定処理が行われた場合、表示部21(表示画面)の全体に渡って文字列表示領域101を表示するように制御する(図4(d)参照)。すなわち、制御部45は、変換処理又は確定処理が行われた場合、表示部21に数字列表示領域102を表示させないように制御する。
したがって、携帯電話機1は、変換処理又は確定処理が行われた場合、表示部21に文字列表示領域101のみを表示させるので、数字列の送信を行わず、エディタアプリケーションを利用し続けることができる。
【0057】
また、制御部45は、数字列を暗証コード要求信号の送信相手に送信したことに対する応答として第1通信部50により応答信号を受信した場合には、応答信号に基づく情報を表示部21に表示させるよう制御することが好ましい。
例えば、送信相手が、携帯電話機1から送信された数字列と、予め登録された暗証コードとを照合する読取装置である場合には、応答信号に基づく情報は、数字列と暗証コードとの照合結果となる。より具体的な一例としては、応答信号に基づく情報は、「暗証コードを認証しました」や「数字列を再度送信して下さい」等の情報であればよい。
したがって、携帯電話機1は、応答信号に基づく情報を表示部21に表示させるので、数字列を送信したことに対する送信相手の処理結果をユーザに報知することができる。よって、ユーザは、数字列を再度送信する必要があるときは、数字列を再度送信することができる。
【0058】
また、操作部11は、文字及び数字が割り当てられておらず、電話発信機能が割り当てられる発信キー16(第3キー)をさらに含むことが好ましい。この場合、制御部45は、表示部21に数字が表示された状態において発信キー16が操作された場合に、表示部21に表示された数字を電話番号とする電話発信に関する制御を行う。
すなわち、表示部21に文字列表示領域101と数字列表示領域102とが表示されている状態(図4(b)、図4(c)参照)において、発信キー16が操作された場合、制御部45は、数字列表示領域102に表示されている数字列を電話番号として電話発信に関する制御を行う。
したがって、携帯電話機1は、エディタアプリケーションを使用しているときに発信キー16が操作された場合には、電話発信を行うことができる。
【0059】
携帯電話機1は、公衆通信網に接続可能な第2通信部46をさらに備えることが好ましい。この場合、複数の入力操作キー14は、第2通信部46による発呼を行うための電話番号を入力可能なテンキーである。
したがって、電話番号を入力する入力操作キー14を備える携帯電話機1において、別段の入力操作キーを設けることなく本発明を採用可能である。
【0060】
また、制御部45は、表示部21に待受画面100が表示される状態において入力操作キー14のいずれかが操作され、この操作に基づいて表示部21に数字が表示された状態において、第1通信部50により信号を受信した際、この受信した信号が暗証コード要求信号でない場合には、表示部21に表示される数字列を用いることなく、第1通信部50によるデータ通信を行うように制御することが好ましい。
暗証コード要求信号の送信相手に送信されるデータは、例えば、メモリ44、又は第1通信部50に備えられた集積回路(IC)チップ(メモリ)(不図示)等に記憶されている。また、データは、例えば、交通機関の定期券や電子マネーや社員証等を始めとする種々の情報であればよい。
したがって、携帯電話機1は、受信した信号が暗証コード要求信号ではない場合には、信号の送信相手にデータを送信するので、ICカードのように利用されることができる。
【0061】
また、第1通信部50は、磁界通信を行う磁界通信部であってもよい。この場合、制御部45は、入力操作キー14のいずれかの操作に基づいて表示部21に数字が表示された状態において磁界通信部により信号を受信すると、当該受信した信号が暗証コード要求信号であるか否か判断し、暗証コード要求信号で無い場合には、表示部21に表示される数字列について磁界通信部により送信する処理は行わない。すなわち、例えば、電子マネーの決済を求める信号であれば、電子マネーの課金に関する処理等を行う。
【0062】
ここで、磁界通信の一例について説明する。信号の送信相手(ここでは、読取装置)は、アンテナ(不図示)に電流を供給することにより、このアンテナの周囲に磁界を発生させる。この磁界に携帯電話機1を近づけた場合、第1通信部50のメインアンテナ40は、磁界によって誘導起電力を生じる。この誘導起電力は、通信回路部52に供給される。読取装置がアンテナに供給する電流を変調する場合、誘導起電力は変調される。このため、読取装置は、アンテナに供給する電流を変調することにより、携帯電話機1に信号(データ)を送信する。
一方、第1通信部50におけるメインアンテナ40の負荷を変動させた場合、読取装置では、アンテナのインピーダンスが変動して、アンテナを通過する電力が変動する。このため、読取装置は、電力の変動を検出(復調)することで、携帯電話機1から信号(データ)を受信する。
【0063】
制御部45は、上述した磁界通信により信号を受信した場合において、この信号が暗証コード要求信号ではないときには、エディタアプリケーションに入力された数字列を読取装置に送信する処理を行わない。
【0064】
したがって、携帯電話機1は、磁界通信部により暗証コード要求信号を受信したときのみ数字列を送信するので、特定の相手にのみ数字列を送信することができ、安全性を確保することができる。
【0065】
[認証システムについて]
図6は、認証システムの機能を示す機能ブロック図である。
認証システムは、携帯電話機1(携帯電子機器)と、携帯電話機1との間で通信を行う読取装置60とを備える。
携帯電話機1は、第1通信部50(通信部)と、操作部11(キー操作部)と、表示部21と、制御部45とを備える。
【0066】
操作部11は、それぞれ数字が割り当てられる複数の入力操作キー14を含む。
表示部21は、複数の入力操作キー14のうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字を表示する。
【0067】
制御部45は、表示部21に待受画面100が表示される状態において入力操作キー14のいずれかが操作され、この操作に基づいて表示部21に数字が表示された状態において、第1通信部50により読取装置60から暗証コード要求信号を受信した場合には、表示部21に表示される数字列を、第1通信部50により読取装置60に送信するように制御する。
なお、認証システムにおける携帯電話機1の具体的な構成は、上記の[携帯電子機器について]において説明した携帯電話機1の構成と同じである。このため、携帯電話機1についての詳細な説明を省略する。
【0068】
読取装置60は、通信部61と、メモリ62(記憶部)と、制御部63とを備える。
通信部61は、携帯電話機1に暗証コード要求信号を送信した後、この暗証コード要求信号に対する応答として携帯電話機1から数字列を受信する。
メモリ62は、認証を許可する暗証コードを記憶する。
【0069】
制御部63は、読取装置60が受信した数字列と、メモリ62に記憶された暗証コードとが一致する場合に、認証に関係する処理を実行するよう制御する。認証に関係する処理とは、例えば、読取装置60が鍵の施錠及び開錠を行う装置(例えば、後述する施錠側システム)に設けられている場合には、鍵を開錠する処理である。
【0070】
読取装置60(例えば、後述する施錠側システム)は、公衆電源に接続されており、通信部61から磁界通信用の磁界を発生させている。この磁界中に携帯電話機1やICカードなどが進入すると、当該磁界により携帯電話機1やICカードの中の磁界アンテナ中に誘導起電力が生じる。この起電力の発生を検知することで、磁界通信可能な状態下にあることを携帯電話機1やICカードそれぞれの制御部が認識することができる。
【0071】
したがって、認証システムは、携帯電話機1の表示部21に数字列が表示されている状態において、第1通信部50により暗証コード要求信号を受信した場合に、表示部21に表示されている数字列を読取装置60に送信し、読取装置60において数字列が暗証コードに一致するか否かの判断を行うので、従来のように暗証コードの要求信号を携帯電話機1が受信した後に数字列が入力される必要はなく、読取装置60に数字列を送信するまでの時間を短時間にすることができる。
【0072】
次に、認証システムの第1の動作(一例として、携帯電話機1を利用して、扉に設けられた鍵を開錠する場合)について説明する。図7は、認証システムの動作について説明するための第1のシーケンス図である。
【0073】
まず、携帯電話機1における動作について説明する。
ステップS100において、制御部45は、表示部21に待受画面100が表示される場合に、タイマー(不図示)を起動させる。
ステップS101において、制御部45は、入力操作キー14のいずれかが操作されたことを検知する。
【0074】
ステップS102において、制御部45は、ステップS101の処理により検知されたキーの情報をバッファへ記憶する。すなわち、制御部45は、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字をメモリ44に記憶する。
ステップS103において、制御部45は、表示部21の表示更新を行う。すなわち、制御部45は、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字を表示部21に表示させる。
【0075】
ステップS104において、制御部45は、入力操作キー14の操作が行われなくなってから、ステップS100の処理において起動されたタイマーの計時が所定時間を経過したか否かを判断する。所定時間を経過していない場合(No)には、ステップS101に戻る。所定時間を経過している場合(Yes)には、ステップS105に進む。
【0076】
ステップS105において、制御部45は、第1通信部50による検出処理を実行する。
ステップS106において、制御部45は、後述するステップS202の処理として施錠側システム(ここでは、読取装置60)から送信された通信要求を検知する。
ステップS107において、制御部45は、ステップS102の処理としてバッファに記憶したキー情報(数字列)を暗証コードとして施錠側システムに送信する。
【0077】
ここで、携帯電話機1と施錠側システムの読取装置60との間で行われる処理の流れの観点から、携帯電話機1と読取装置60との動作を説明する。
第1通信部50は、アンテナ51(ループ式磁界アンテナ)により取得した磁力により誘導起電力が生じると、当該誘導起電力の発生を制御部45に通知する。これにより、制御部45は、誘導起電力の発生、すなわち自装置が読取装置60の通信可能圏内に入ったことを検出する(ステップS105)。ここで、第1通信部50は、読取装置60に対して通信可能であることを返信する。
一方、読取装置60は、通信可能である旨を受信すると(後述するステップS201)、引き続いて通信要求信号を出力する(後述するステップS202)。ここで、読取装置60は、施錠側システムに関する装置であるため、要求信号の種別としては暗証コード要求信号を送信することになる。
そして、第1通信部50は、暗証コード要求信号を受信(ステップS106)することとなり、制御部45は、通信相手が施錠側システムであり、暗証コードの送信が要求されていることを知る。そして、制御部45は、現在の自装置の状態が待ち受け状態であり、なおかつメモリ44のバッファに数字列が蓄積されていれば、当該数字列を暗証コードとして第1通信部50により読取装置60に対して送信する。
また、読取装置60側では、暗証コード要求信号に対する応答として、数字列が暗証コードとして受信されると(後述するステップS203)、後述するステップS204に移行する。
【0078】
次に、施錠側システムの動作について説明する。
ステップS201において、施錠側システムの読取装置60は、ステップS105の処理として携帯電話機1から送信された信号を検知する。
ステップS202において、読取装置60は、通信要求を携帯電話機1に送出する。すなわち、読取装置60は、暗証コード要求信号を携帯電話機1に送信する。
ステップS203において、読取装置60は、ステップS107の処理として送信された数字列(暗証コード)を受信する。
【0079】
ステップS204において、読取装置60は、ステップS203の処理として受信した数字列と、メモリ62に予め記憶されている暗証コードとが一致するか否かを判断する。数字列と暗証コードとが一致しない場合(No)には、処理を終了する。数字列と暗証コードとが一致する場合(Yes)には、ステップS205に進む。
ステップS205において、施錠側システムは、扉に設けられている鍵を開錠する。
【0080】
次に、認証システムの第2の動作(一例として、携帯電話機1を利用して、扉に設けられた鍵を開錠する場合)について説明する。図8は、認証システムの動作について説明するための図である。図9は、認証システムの動作について説明するための第2のシーケンス図である。
【0081】
まず、携帯電話機1における動作について説明する。
携帯電話機1の表示部21は、待受画面100を表示する(図8(A)参照)。
次に、図9に示すステップS300において、制御部45は、表示部21に待受画面100が表示された状態において、タイマー(不図示)を起動させる。
【0082】
ステップS301において、制御部45は、入力操作キー14のいずれかが操作されたことを検知する。
ステップS302において、制御部45は、エディタアプリケーションを起動する。さらに、制御部45は、起動したエディタアプリケーションに、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字及び文字を入力する。
【0083】
ステップS303において、制御部45は、ステップS301の処理により検知されたキーの情報をバッファへ記憶する。すなわち、制御部45は、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字をメモリ44に記憶する。
【0084】
ステップS304において、制御部45は、表示部21の表示更新を行う。すなわち、制御部45は、数字列表示領域102及び文字列表示領域101を表示部21に表示させる。さらに、制御部45は、操作された入力操作キー14に割り当てられる数字を数字列表示領域102に入力させると共に、操作された入力操作キー14に割り当てられる文字を文字列表示領域101に入力させる。
【0085】
例えば、制御部45は、入力操作キー14のいずれかが操作されることに基づいて、文字列としての「こんにちは」を文字列表示領域101に入力させると共に、文字列「こんにちは」の予測変換候補として「こんにちは」、「今日は」及び「コンニチハ」を文字列表示領域101に表示させる(図8(B)参照)。さらに、制御部45は、文字列「こんにちは」をエディタアプリケーションに入力するために操作された入力操作キー14に割り当てられる数字に基づく数字列「2222200055446」を数字列表示領域102に入力させる(図8(B)参照)。
【0086】
ステップS305において、制御部45は、入力操作キー14の操作が行われなくなってから、ステップS300の処理において起動されたタイマーの計時が所定時間を経過したか否かを判断する。所定時間を経過していない場合(No)には、ステップS303に戻る。所定時間を経過している場合(Yes)には、ステップS306に進む。
【0087】
ステップS306において、制御部45は、文字データと数字データとがバッファに記憶されているか否かを判断する。すなわち、制御部45は、ステップS303の処理としてメモリ44に記憶されたキー情報に、文字データと数字データとが含まれているか否かを判断する。文字データと数字データとがバッファに記憶されている場合(Yes)には、ステップS307に進む。文字データと数字データとがバッファに記憶されていない場合(No)には、処理を終了する。
【0088】
ステップS307において、制御部45は、第1通信部50による検出処理を実行する。すなわち、携帯電話機1が施錠側システム(読取装置60)に近づけられた場合(図8(C)参照)に、制御部45は、第1通信部50から信号を送信する。
ステップS308において、制御部45は、後述するステップS401の処理として施錠側システムから送信された通信要求を検知する。
ステップS309において、制御部45は、ステップS303の処理としてバッファに記憶したキー情報(数字列)を暗証コードとして施錠側システムに送信する。
【0089】
ここで、携帯電話機1と施錠側システムの読取装置60との間で行われる処理の流れの観点から、携帯電話機1と読取装置60との動作を説明する。
第1通信部50は、アンテナ51(ループ式磁界アンテナ)により取得した磁力により誘導起電力が生じると、当該誘導起電力の発生を制御部45に通知する。これにより、制御部45は、誘導起電力の発生、すなわち自装置が読取装置60の通信可能圏内に入ったことを検出する(ステップS307)。ここで、第1通信部50は、読取装置60に対して通信可能であることを返信する。
一方、読取装置60は、通信可能である旨を受信すると(後述するステップS400)、引き続いてエディタアプリケーションのデータを要求する信号を出力する(後述するステップS401)。ここで、読取装置60は、施錠側システムに関する装置であるため、要求信号の種別としては暗証コード要求信号を送信することになる。
そして、第1通信部50は、暗証コード要求信号を受信(ステップS308)することとなり、制御部45は、通信相手が施錠側システムであり、暗証コードの送信が要求されていることを知る。そして、制御部45は、現在の自装置の状態が待ち受け状態であり、なおかつメモリ44のバッファに数字列が蓄積されていれば、当該数字列を暗証コードとして第1通信部50により読取装置60に対して送信する。
また、読取装置60側では、暗証コード要求信号に対する応答として、数字列が暗証コードとして受信されると(後述するステップS402)、後述するステップS403に移行する。
【0090】
次に、施錠側システムの動作について説明する。
ステップS400において、施錠側システムの読取装置60は、ステップS307の処理として携帯電話機1から送信された信号を検知する。
ステップS401において、読取装置60は、通信要求を携帯電話機1に送出する。すなわち、読取装置60は、暗証コード要求信号を携帯電話機1に送信する。
ステップS402において、読取装置60は、ステップS309の処理として送信された数字列(暗証コード)を受信する。
【0091】
ステップS403において、読取装置60は、ステップS402の処理として受信した信号に基づく情報に数字列(数字データ)が含まれているか否かを判断する。数字列が含まれている場合(Yes)には、ステップS404に進む。数字列が含まれていない場合(No)には、処理を終了する。
【0092】
ステップS404において、読取装置60は、ステップS402の処理として受信した数字列と、メモリ62に予め記憶されている暗証コードとが一致するか否かを判断する。数字列と暗証コードとが一致しない場合(No)には、処理を終了する。数字列と暗証コードとが一致する場合(Yes)には、ステップS405に進む。
ステップS405において、施錠側システムは、扉に設けられている鍵を開錠する(扉を開ける)(図8(D)参照)。
【0093】
なお、上述した実施形態では、本発明の携帯電子機器が携帯電話機1に適用される場合について説明した。しかしながら、本発明は、この実施形態に限定されることはなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistant)やポータブルナビゲーションデバイス等の携帯電子機器にも適用することができる。
【符号の説明】
【0094】
1 携帯電話機(携帯電子機器)
11 操作部(キー操作部)
14 入力操作キー(第1キー)
15 決定操作キー(第2キー)
16 発信キー(第3キー)
21 表示部
45 制御部
46 第2通信部
50 第1通信部
60 読取装置
61 通信部
62 メモリ(記憶部)
63 制御部
100 待受画面
101 文字列表示領域
102 数字列表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信を行う第1通信部と、
それぞれ数字が割り当てられる複数の第1キーを含むキー操作部と、
複数の前記第1キーのうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された第1キーに割り当てられる数字を表示する表示部と、
前記表示部に待受画面が表示される状態において前記第1キーのいずれかが操作され、当該操作に基づいて前記表示部に数字が表示された状態において、前記第1通信部により信号を受信した際、当該受信した信号が暗証コード要求信号である場合には、前記表示部に表示される数字列を、前記第1通信部により前記暗証コード要求信号の送信相手に送信するように制御する制御部と、を備える携帯電子機器。
【請求項2】
前記キー操作部に含まれる複数の前記第1キーには、さらに文字が割り当てられており、
前記表示部には、複数の前記第1キーのうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された第1キーに割り当てられる数字及び文字の双方が表示され、
前記制御部は、前記第1キーのいずれかの操作に基づいて数字列及び文字列の双方が前記表示部に表示された状態において、前記第1通信部により前記暗証コード要求信号を受信した場合には、前記表示部に表示される数字列及び文字列のうち数字列を、前記第1通信部により前記暗証コード要求信号の送信相手に送信するように制御する請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1キーのいずれかの操作に基づいて数字及び文字の双方が前記表示部に表示された状態において、当該文字を他の文字に変換する場合、あるいは当該文字を前記複数の第1キーとは異なる第2キーを操作して確定する場合、数字について非表示とすると共に前記表示部に文字のみを表示するよう制御する請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記数字列を前記暗証コード要求信号の前記送信相手に送信したことに対する応答として前記第1通信部により応答信号を受信した場合には、前記応答信号に基づく情報を前記表示部に表示させるよう制御する請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記キー操作部は、文字及び数字が割り当てられておらず、電話発信機能が割り当てられる第3キーをさらに含み、
前記制御部は、前記表示部に数字が表示された状態において前記第3キーが操作された場合に、前記表示部に表示された数字を電話番号とする電話発信に関する制御を行う請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
公衆通信網に接続可能な第2通信部をさらに備え、
複数の前記第1キーは、前記第2通信部による発呼を行うための電話番号を入力可能なテンキーである請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記表示部に待受画面が表示される状態において前記第1キーのいずれかが操作され、当該操作に基づいて前記表示部に数字が表示された状態において、前記第1通信部により信号を受信した際、当該受信した信号が暗証コード要求信号でない場合には、前記表示部に表示される数字列を用いることなく、前記第1通信部によるデータ通信を行うように制御する請求項1から6いずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記第1通信部は、磁界通信を行う磁界通信部であって、
前記制御部は、前記第1キーのいずれかの操作に基づいて前記表示部に数字が表示された状態において前記磁界通信部により信号を受信すると、当該受信した信号が暗証コード要求信号であるか否か判断し、前記暗証コード要求信号で無い場合には、前記表示部に表示される数字列について前記磁界通信部により送信する処理は行わない請求項1から6のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
携帯電子機器と、前記携帯電子機器との間で通信を行う読取装置とを備える認証システムであって、
前記携帯電子機器は、
通信部と、
それぞれ数字が割り当てられる複数の第1キーを含むキー操作部と、
複数の前記第1キーのうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された前記第1キーに割り当てられる数字を表示する表示部と、
前記表示部に待受画面が表示される状態において前記第1キーのいずれかが操作され、当該操作に基づいて前記表示部に数字が表示された状態において、前記通信部により前記読取装置から暗証コード要求信号を受信した場合には、前記表示部に表示される数字列を、前記通信部により前記読取装置に送信するように制御する制御部と、を備え、
前記読取装置は、
前記携帯電子機器に前記暗証コード要求信号を送信した後、当該暗証コード要求信号に対する応答として前記携帯電子機器から前記数字列を受信する通信部と、
認証を許可する暗証コードを記憶する記憶部と、
前記読取装置が受信した数字列と、前記記憶部に記憶された前記暗証コードとが一致する場合に、認証に関係する処理を実行するよう制御する制御部と、を備える認証システム。
【請求項10】
それぞれ数字が割り当てられる複数の第1キーを備える携帯電子機器の制御方法であって、
待受画面を表示する工程と、
前記待受画面が表示される状態において、複数の前記第1キーのうち少なくとも1つが操作されることにより、操作された前記第1キーに割り当てられる数字を表示する工程と、
数字列が表示される状態において、外部から信号を受信した際、当該信号が暗証コード要求信号である場合には、表示される前記数字列を前記暗証コード要求信号の送信相手に送信する工程と、を行う携帯電子機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−111835(P2011−111835A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270712(P2009−270712)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】