携帯電子機器
【課題】機能を切り替え可能な携帯電子機器であって、使用性が向上された携帯電子機器を提供すること。
【解決手段】携帯電話機１は、操作部側筐体２と、操作部側筐体２に所定の回転軸を中心として回転可能に取り付けられる回転ダイヤル部４１と、回転ダイヤル部４１の回転動作に基づいて複数の機能のうち指定された機能を実行する機能実行部７３と、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、前記回転ダイヤル部４１の回転動作により第１機能とは異なる第２機能が指定された場合、機能実行部７３に対して、実行中の第１機能を中断又は終了させて、新たに指定された第２機能を実行させることを指示する切り替え指示部７５と、切り替え指示部７５により、機能実行部７３に対して実行する機能を第１機能から第２機能へ切り替えるよう指示がなされた場合、第１機能の使用状態に関する情報を記憶する使用状態記憶部１３０と、を備える。
【解決手段】携帯電話機１は、操作部側筐体２と、操作部側筐体２に所定の回転軸を中心として回転可能に取り付けられる回転ダイヤル部４１と、回転ダイヤル部４１の回転動作に基づいて複数の機能のうち指定された機能を実行する機能実行部７３と、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、前記回転ダイヤル部４１の回転動作により第１機能とは異なる第２機能が指定された場合、機能実行部７３に対して、実行中の第１機能を中断又は終了させて、新たに指定された第２機能を実行させることを指示する切り替え指示部７５と、切り替え指示部７５により、機能実行部７３に対して実行する機能を第１機能から第２機能へ切り替えるよう指示がなされた場合、第１機能の使用状態に関する情報を記憶する使用状態記憶部１３０と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、回転ダイヤルを有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【０００２】
携帯電子機器としての携帯電話機において、より直感的なユーザインターフェースが要求されている。ここで、ヒンジ部を有するフォルダタイプの携帯電話機において、ヒンジ部にボリューム切り替え等に用いる回転ダイヤルを設けた携帯電話機が知られている（例えば、特許文献１を参照。）。
【０００３】
近年、携帯電話機は、通信・通話機能のみならずテレビやラジオを視聴する機能も搭載され多機能化されている。
ここで、携帯電話機において、テレビ視聴機能等の機能が選択されていない場合には、通信・通話の待受画面がトップ画面として表示される。
そして、ユーザが所定の操作を行うことにより、待受画面から他の機能を選択するメニュー選択画面に移行すると共に、当該選択メニュー画面においてユーザが所定の機能を選択することで所望の機能を起動させることができる。
【０００４】
しかし、メニュー選択画面には、多数の機能が列記されるため不慣れなユーザにとってはスムースな操作が困難であり、携帯電話機自体の使用について抵抗を感じる場合があった。
【０００５】
ところで、デジタルカメラにおいては、回転ダイヤルによってメニュー選択を行うものが知られている。この回転ダイヤルには、ムービー機能（動画を記録する機能）や、連写機能（静止画撮影を短時間に複数行う機能）等の撮影作業を補助するメニューが選択可能に割り当てられている（例えば、特許文献２を参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開平６−９０２００号公報
【特許文献２】特開２００１−２４５１８９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
現在、携帯電話機においては、デジタルカメラに用いられているような回転ダイヤルによる複数メニューの選択方式は採用されていない。
また、携帯電話機には、デジタルカメラにはない特有の機能（通信・通話機能）が含まれており、トップ画面としての通信・通話の待受画面が表示されるという相違点がある。
【０００８】
更には、通信・通話機能とは異なる所定のアプリケーションを動作させた後、該所定の機能を終了した場合には、通信・通話の待受画面が表示される等の仕様上の相違点も存在する。
したがって、特許文献２に示されているような技術を携帯電話機に単に応用しただけでは、携帯電話機の操作上及び使用上不都合が生ずる。
【０００９】
また、携帯電話機において、一の機能を利用して所定の作業をしている最中に他の機能に切り替えられた後、再度、一の機能に戻された場合、一の機能は再度起動されるので初期状態となり、切り替え前に一の機能で行った作業が無駄になるという問題があった。
【００１０】
本発明は、機能を切り替え可能な携帯電子機器であって、使用性が向上された携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明は、筐体と、前記筐体に所定の回転軸を中心として回転可能に取り付けられる回転ダイヤル部と、前記回転ダイヤル部の回転動作に基づいて複数の機能のうち指定された機能を実行する機能実行部と、前記機能実行部により第１機能が実行されている状態において、前記回転ダイヤル部の回転動作により前記第１機能とは異なる第２機能が指定された場合、前記機能実行部に対して、実行中の第１機能を中断又は終了させて、新たに指定された第２機能を実行させることを指示する切り替え指示部と、前記切り替え指示部により、前記機能実行部に対して実行する機能を前記第１機能から前記第２機能へ切り替えるよう指示がなされた場合、前記第１機能の使用状態に関する情報を記憶する使用状態記憶部と、を備える携帯電子機器に関する。
【００１２】
また、実行中の機能に関連する画像を表示可能な表示部と、を備え、前記回転ダイヤル部の回転動作により、前記第１機能が再度指定された場合、前記切り替え指示部は、前記機能実行部に対して、前記第２機能を中断又は終了させるよう指示し、前記使用状態記憶部に記憶された前記使用状態に関する情報を読み出して、切り替え前と同じ画像を前記表示部に表示させるよう指示し、前記第１機能を再開又は再起動させるよう指示することが好ましい。
【００１３】
また、前記回転ダイヤル部の回転動作により、前記第１機能が再度指定された場合、前記切り替え指示部は、前記機能実行部に対して、前記第２機能を中断又は終了させるよう指示し、前記使用状態記憶部に記憶された前記使用状態に関する情報を読み出して、前記第１機能を切り替え前と同じ状態から再起動させるよう指示することが好ましい。
【００１４】
また、通信部と、実行中の機能に関連する画像を表示可能な表示部と、前記回転ダイヤル部とは異なる操作部材と、をさらに備え、前記操作部材による実行する機能の指定は、前記表示部に前記通信部に対する外部からの通信を待ち受ける待ち受け機能に関連する待ち受け画面が表示された状態を介して行い、前記回転ダイヤル部における回転動作による実行する機能の指定は、前記表示部に前記待ち受け画面が表示された状態を介することなく所定の機能を指定することが好ましい。
【００１５】
また、前記機能実行部により前記第１機能が実行されている状態において、前記回転ダイヤル部が回転され、前記第２機能が指定された場合、前記切り替え指示部は、前記使用状態記憶部に対して、前記第１機能が前記回転ダイヤル部の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれる場合には、前記第１機能の使用状態に関する情報を記憶させ、前記第１機能が前記機能群に含まれない場合には、前記第１機能の使用状態に関する情報を記憶させないことが好ましい。
【００１６】
また、前記切り替え指示部は、前記第１機能が前記回転ダイヤル部の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれ、当該第１機能の使用状態に関する情報を記憶させた場合には、前記機能実行部に対して、前記第１機能を中断又は終了させ、前記第１機能が前記機能群に含まれず、当該第１機能の使用状態に関する情報を記憶させない場合には、前記第１機能の終了、又は前記第２機能への切り替えのキャンセルを選択させる選択画像を前記表示部に表示させることが好ましい。
【発明の効果】
【００１７】
本発明によれば、機能を切り替え可能な携帯電子機器であって、使用性が向上された携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明に係る携帯電話機の外観図である。
【図２】携帯電話機の閉状態における表示部側筐体から見たときの外観図である。
【図３】携帯電話機の閉状態における操作部側筐体から見たときの外観図である。
【図４】回転ダイヤル部付近の拡大図である。
【図５】回転ダイヤル部の機能を示す図である。
【図６】回転ダイヤル部における裏面から見た平面図である。
【図７】回転ダイヤル部に形成された位置ポイントとカウント部との関係を説明する図である。
【図８】携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図９Ａ】メモリに記憶されている回転量−機能テーブルを説明する図である。
【図９Ｂ】メモリに記憶されている回転量−機能テーブルを説明する図である。
【図１０】メモリに記憶されている機能群テーブルを説明する図である。
【図１１】携帯電話機における動作を説明するフロー図である。
【図１２】サスペンド情報テーブルの構成を模式的に示す図である。
【図１３】ディスプレイに表示される画面遷移の様子についての説明に供する図である。
【図１４】メニュー画像Ｍ（回転ダイヤル部４１による機能切り替えの場合）を説明する図である。
【図１５】メニュー画像Ｍ１（ボタン１３、１５による機能切り替えの場合）を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【００１９】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、図１から図７により、携帯電話機１における構成について説明する。図１は、本発明に係る携帯電話機の一例である携帯電話機１の外観図を示す。また、図２は、携帯電話機１の閉状態における表示部側筐体３から見たときの外観図を示す。また、図３は、携帯電話機１の閉状態における操作部側筐体２から見たときの外観図を示す。また、図４は、回転ダイヤル部４１付近の拡大図を示す。また、図５は、回転ダイヤル部の機能を示す図である。図６は、回転ダイヤル部４１における裏面４１ｃから見た平面図である。図７は、回転ダイヤル部４１に形成された位置ポイント４３とカウント部４４との関係を説明する図である。
【００２０】
携帯電話機１は、図１に示すように、第１面としての第１表面部１０を有する操作部側筐体２と、第２面としての第２表面部２０を有する表示部側筐体３と、を備えて構成される。操作部側筐体２の上端部と表示部側筐体３の下端部とは、連結部４に配置されるヒンジ機構４Ａを介して連結される。
【００２１】
携帯電話機１は、ヒンジ機構４Ａを介して連結された操作部側筐体２と表示部側筐体３とを相対的に回転することにより、操作部側筐体２における第１表面部１０と表示部側筐体３における第２表面部２０とが互いに離間した開状態と、操作部側筐体２における第１表面部１０と操作部側筐体２における第２表面部２０とが互いに対向して近接配置された閉状態とに変形可能に構成される。
また、携帯電話機１は、ヒンジ機構４Ａと略同軸に設定された回転軸Ｚを中心に回転可能に取り付けられた回転ダイヤル部４１が配置される。
【００２２】
操作部側筐体２は、第１表面部１０Ａと第１裏面部１０Ｂとを有する。操作部側筐体２における第１表面部１０Ａには、図１に示すように、閉状態にて隠れる操作部１１と、使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク１２とが配置される。操作部側筐体２における第１裏面部１０Ｂには、図３に示すように、被写体を撮像するＣＣＤ（Ｃｈａｒｇｅ Ｃｏｕｐｌｅｄ Ｄｅｖｉｃｅ）カメラ等により構成される撮像部１７と、一定の光量を出力する発光部１８とが形成される。
【００２３】
操作部１１は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能（アプリケーション）を動作させるためのキー、オフフックキーや、オンフックキーを含む機能設定操作ボタン１３と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作ボタン１４と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン１５と、ボリュームコントロール等を行うコントロールボタン１６と、から構成される。
ここで、携帯電話機１には、所定の機能（アプリケーション）を選択する操作部材として上述の機能設定操作ボタン１３のほか、後に詳述する回転ダイヤル部４１が配置される。
【００２４】
また、操作部側筐体２は、キー構造部と、キー基板と、ケース体と、基準電位パターン層及び携帯電話機用のＲＦ（Ｒａｄｉｏ Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ）モジュール等の各種電子部品を備える回路基板と、アンテナ部と、充電池８０と、後述する回転ダイヤル部４１における回転量を検出するために用いられるカウント部４４（図７参照）と、を収容する。
【００２５】
表示部側筐体３における第２表面部２０には、各種情報を表示するための表示部としてのディスプレイ２１と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部２２と、が配置される。
【００２６】
ディスプレイ２１は、トップ画面として通信・通話待受画像を表示する。また、ディスプレイ２１は、機能の内容を示す画像を含むメニュー画像（画面）Ｍ（図１４参照）が表示可能に構成される。詳細には、ディスプレイ２１には、後述するタッチセンサ２００（接触検出部７１）が回転ダイヤル部４１に指等の導電体が接触したことを検出した場合、メニュー画像が表示される。
【００２７】
メニュー画像Ｍ（図１４参照）は、目印４２の横に並ぶ選択位置Ｓに配置された後述のアイコンＩに対応する機能（アプリケーション）の内容を示す画像及び／文字を含む。メニュー画像Ｍは、開状態において操作部１１及びディスプレイ２１側から見た回転ダイヤル部４１における機能表示部４１Ｂの表示態様と類似して構成される。本実施形態においては、メニュー画像Ｍは、アプリケーションに対応する機能の名称（略称）を含んで構成される。メニュー画像Ｍは、機能表示部４１ＢにおけるアイコンＩと同様（例えば、相似）の画像を含んで構成されていてもよい。また、ディスプレイ２１は、所定の機能を動作させるためのアプリケーションに基づく画像を表示可能に構成される。なお、ディスプレイ２１は、閉状態において隠れる位置に配されている。
【００２８】
ここで、カメラ機能を動作させるアプリケーションが起動している場合、ディスプレイ２１には、撮像部１７により撮像される画像が表示可能に構成される。メール機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ２１には、受信された電子メールの一覧やメール作成画面が表示可能に構成される。Ｗｅｂブラウザ機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ２１には、Ｗｅｂサーバにアクセスし、Ｗｅｂページを表示するＷｅｂブラウザが表示される。ツール機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ２１には、複数のツール機能を示すアイコンが表示可能に構成される。テレビ機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ２１には、受信した放送信号のうち選択されたチャンネルに対応する放送信号に基づいた映像を表示可能に構成される。メモ帳機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ２１には、文字入力が可能な入力画面が表示可能に構成される。アドレス帳機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ２１には、不図示のメモリに記憶される複数のアドレス情報が表示可能に構成される。これらのアプリケーションは、オンフックキー（終話キー）の押下で終了させることが可能である。
【００２９】
上述のアプリケーションが終了された場合、ディスプレイ２１は、トップ画面としての通信・通話待受画面を表示する。そして、後述する機能実行部７３は、電話機能を使用可能なアプリケーションを動作させている。そして、操作部１１は、数字を入力する機能が割り当てられた入力操作ボタン１４が押下されることで発呼すべき電話番号の入力を受け付ける。
【００３０】
表示部側筐体３における第２裏面２０Ｂには、図２に示すように、各種情報を表示するためのサブディスプレイ２３が閉状態であっても外部に露出する位置に配置される。
サブディスプレイ２３にも同様に、上述の各種機能を動作させるアプリケーションに基づく画像が表示されるが、ディスプレイ２１に比べて画面が小さいので、ディスプレイ２１に表示される画像の一部や、相似（小さくした）画像が表示される。また、サブディスプレイ２３には、各種機能のうち携帯電話機１が閉状態の場合では起動されない機能を動作させるアプリケーションに基づく画像は表示されないように構成される。
【００３１】
ここで、ディスプレイ２１及びサブディスプレイ２３それぞれは、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動回路と、液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とを有して構成される。
【００３２】
回転ダイヤル部４１は、回転軸Ｚを中心として回転可能に配置される。具体的には、回転ダイヤル部４１は、筐体の一部である連結部４における幅方向Ｘにヒンジ機構４Ａと略同軸の回転軸Ｚを中心として回転可能に取り付けられる。回転ダイヤル部４１は、図１に示すように、携帯電話機１が開状態において、操作部１１及びディスプレイ２１を見ながら回転操作が可能に配置される。
【００３３】
回転ダイヤル部４１は、当接部４１Ａと、機能表示部４１Ｂとを備える。当接部４１Ａは、回転ダイヤル部４１における側面であって、該回転ダイヤル部４１が取り付けられた状態で幅方向Ｘにおける端部側に配置される部分に形成される。当接部４１Ａは、表面に凹凸が形成され回転ダイヤル部４１を回転動作させやすいように構成される。
【００３４】
機能表示部４１Ｂは、回転ダイヤル部４１における側面であって、該回転ダイヤル部４１が取り付けられた状態で当接部４１Ａよりも幅方向Ｘにおける中央側に配置される部分に形成される。機能表示部４１Ｂには、表面に機能を示す記号又絵であるアイコンＩが表示される。機能表示部４１Ｂには、図５に示すように、回転方向に所定角度（例えば、４５度）ごとに機能を示すアイコンＩが表示される。
【００３５】
具体的には、機能表示部４１Ｂには、標準位置としてのニュートラルを示す丸印のアイコンＩａが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、４５度（ニュートラルを基準とした場合の回転ａ方向の角度を示す。以下同様である。）の位置に形成されるカメラ機能を示すカメラのアイコンＩｂが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、９０度の位置に形成されたメール機能を示す手紙のアイコンＩｃが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、１３５度に形成されたＷｅｂブラウザ機能を示すアイコンＩｄが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、１８０度の位置に形成されたツール機能を示す工具のアイコンＩｅが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、２２５度の位置に形成されたテレビ機能を示すテレビのアイコンＩｆが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、２７０度の位置に形成されメモ帳機能を示すペンのアイコンＩｇが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、３１５度の位置に形成されアドレス機能を示す手帳のアイコンＩｈが表示される。
【００３６】
機能表示部４１Ｂは、回転操作が加えられた当接部４１Ａの回転にともなって回転される。携帯電話機１が開状態における操作部１１及びディスプレイ２１側に表示されるアイコンＩ（指標）は、当接部４１Ａによる回転にともなって変更される。更には、連結部４の外面であって携帯電話機１が開状態において操作部１１及びディスプレイ２１側を向く位置に形成される目印４２と幅方向Ｘに並んだ位置である選択位置Ｓに配置されるアイコンＩは、回転ダイヤル部４１の回転にともなって変更される。選択位置Ｓに配置されるアイコンＩは、回転ダイヤル部４１の回転量により決まる。本実施形態において、回転位置は標準位置を基準とした回転量により示される。
【００３７】
ここで、本実施形態において、標準位置とは、機能表示部４１Ｂにおける丸印のアイコンＩａが選択位置Ｓに配置された状態をいう。
【００３８】
回転ダイヤル部４１における連結部４側には、連結部４に形成された不図示の挿通部に挿入される回転軸部４５が形成される。回転ダイヤル部４１における連結部４側の面である裏面４１ｃには、図６に示すように、円周方向（回転方向）に沿って突起状の位置ポイント４３ａから４３ｈが形成される。位置ポイント４３ａから４３ｈは、円周方向に所定間隔をあけて形成される。位置ポイント４３ａから４３ｈは、円周方向において、各機能を示すアイコンＩ同士の間に形成される。
【００３９】
連結部４には、回転ダイヤル部４１が回転された状態における位置ポイント４３ａから４３ｈの移動軌跡上に舌片４４ａが位置するカウント部４４が配置される。
カウント部４４は、舌片４４ａが回転方向に傾くことで通過した位置ポイント４３ａから４３ｈの数をカウントする。具体的には、舌片４４ａが回転ａ方向に傾いた場合においてはカウント数を加算し、回転ｂ方向に傾いた場合にはカウント数を減算する。標準位置を基準としたカウント数に応じて、後述する機能指定部７２（図９Ａ、９Ｂ参照）により回転ダイヤル部４１における回転量が検出され、その結果、回転位置が特定できる。
【００４０】
更に、回転ダイヤル部４１は、導電性を有する金属製、あるいは導電性を有するように処理された樹脂製の部材により構成される。
回転ダイヤル部４１の内部には、該回転ダイヤル部４１への接触を検出するためのタッチセンサ２００が配置される。タッチセンサ２００は、回転ダイヤル部４１にユーザの指が当接された場合における静電容量の変化を接触検出部７１に出力可能に構成される。
【００４１】
後述する接触検出部７１は、タッチセンサ２００における静電容量の変化に基づいて、回転ダイヤル部４１にユーザの指が接触したことを検出する。
接触検出部７１により回転ダイヤル部４１への接触が検出された場合、後述する機能指定部７２は、回転ダイヤル部４１における回転（回転方向及び回転量）を検出可能な状態となる。また、タッチセンサ２００における静電容量の変化に基づいて、接触検出部７１により回転ダイヤル部４１への接触が検出された場合、後述する機能実行部７３は、機能指定部７２により指定された機能を実行可能な状態となる。
【００４２】
機能指定部７２は、接触検出部７１により接触が検出された接触状態の間における回転ダイヤル部４１の回転（回転量及び回転方向）を検出する。この場合、ディスプレイ２１には、機能指定部７２により検出された回転に基づいて、選択位置Ｓに配置されたアイコンＩに対応する機能を報知するメニュー画像を表示する（枠で囲まれて）。
【００４３】
回転ダイヤル部４１への接触が検出されなくなった場合、機能指定部７２は、接触が検出されなくなってから所定時間経過後、上記機能を指定する。機能実行部７３は、機能指定部７２により指定された一の機能を実行させる。具体的には、機能実行部７３は、機能指定部７２により指定された一の機能を実施するためのアプリケーションを起動させる。
【００４４】
ここで、回転ダイヤル部４１の操作及び機能について説明する。回転ダイヤル部４１は、図４に示すように、ユーザの指により当接部４１ａに回転方向（図４中の矢印の回転ａ方向及び矢印の回転ｂ方向）への力が加えられることで回転するように筐体における連結部４に取り付けられる。回転ダイヤル部４１には、上述の通り、回転方向において所定の間隔ごとにアイコンＩ（アイコンＩａからＩｈ）が付されている。アイコンＩは、図５に示すように、アプリケーションを選択する際にユーザにとって理解（イメージ）しやすい記号や絵によって描かれている。
【００４５】
ユーザは、回転ダイヤル部４１における当接部４１Ａに指を置いて、回転ダイヤル部４１を回転させるための準備状態に入る。この場合、回転ダイヤル部４１に配置されたタッチセンサ２００における静電容量は、変化する。接触検出部７１は、タッチセンサ２００における静電容量の変化により回転ダイヤル部４１に対する接触を検出する。これにより、上述の通り、機能指定部７２は、回転ダイヤル部４１における回転量を検出可能な状態となる。また、機能実行部７３は、機能指定部７２により指定された指定機能を実行可能な状態となる。
【００４６】
そして、ユーザは、アイコンＩを手掛かりとして、所望する機能（アプリケーション）に対応するアイコンＩを選択位置Ｓまで移動させる。これにより、機能指定部７２は、選択位置Ｓに配置されるアイコンＩに対応する機能を指定可能な状態となる。
【００４７】
ユーザは、所望の機能を動作させるアプリケーションに対応したアイコンＩが選択位置Ｓに配置された状態において、当接部４１Ａに置かれていた指を離間させる。これにより、接触検出部７１は、タッチセンサ２００における静電容量の変化に基づいて、指が接触していない非接触状態であることを検出すると共に、非接触状態であるとの検出結果を機能指定部７２に出力する。
【００４８】
機能指定部７２は、接触検出部７１により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、選択位置のアイコンＩに対応した機能を指定する。具体的には、機能指定部７２は、接触検出部７１により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、機能指定部７２により検出された回転（回転方向及び回転量）に基づいて、実行する機能を指定する。
【００４９】
機能実行部７３は、機能指定部７２により指定された機能を実行する。具体的には、機能実行部７３は、接触検出部７１により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した後、所定時間内に接触検出部７１により再度の接触が検出された場合には、指定された機能を実行するアプリケーションを起動させ、所定時間内に接触検出部７１により再度の接触が検出されない場合には、指定された機能を実行するアプリケーションを起動させる。
【００５０】
このようにして、回転ダイヤル部４１は、物理的な回転ダイヤルの操作により、各種の機能を発揮するメニュー選択を可能とする。
メニューの選択において、具体的には、図４及び図５に示すように、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に４５度（回転ｂ方向に３１５度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、カメラ機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、撮像部１７のカメラ機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５１】
また、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に９０度（回転ｂ方向に２７０度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、メール機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、カメラ機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５２】
また、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に１３５度（回転ｂ方向に２２５度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、Ｗｅｂブラウザ機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、Ｗｅｂブラウザ機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５３】
また、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に１８０度（回転ｂ方向に１８０度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、ツールメニュー（携帯電話機１における音出力等に関する各種の設定を行うメニュー）機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、ツールメニュー機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５４】
また、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に２２５度（回転ｂ方向に１３５度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、テレビ機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、テレビ機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５５】
また、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に２７０度（回転ｂ方向に９０度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、メモ帳機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、メモ帳機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５６】
また、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に３１５度（回転ｂ方向に４５度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、アドレス帳機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、アドレス帳機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５７】
ここで、携帯電話機１は、実行中の第１機能を第２機能に切り替えた後、元の第１機能に戻すよう回転ダイヤル部４１が操作された場合、切り替えられた時点で表示された画像と同じ画像をディスプレイ２１に表示させる。携帯電話機１は、実行中の第１機能を第２機能に切り替えた後、元の第１機能に戻すよう回転ダイヤル部４１が操作された場合、第１機能を切り替えられた時点の状態から再開させる。
【００５８】
例えば、携帯電話機１は、メール作成中にメール機能をテレビ機能に切り替え、再びメール機能に切り替えるように回転ダイヤル部４１が操作された場合、テレビ機能に切り替えられる直前に表示されたメール作成の画面と同じ画面をディスプレイ２１に表示せると共に、切り替えられた時点の状態からメール機能を再開させる。これにより、ユーザは、再度の機能の切り替えにおいて、初期状態から起動する必要がなく、切り替え前の作業を引き継ぐことができ、スムースに切り替え前の作業を再開することができる。なお、当該動作を実現する構成については、後に詳述する。
【００５９】
ここで、回転ダイヤル部４１が動作しない（ユーザによる操作がされない）状態では、ディスプレイ２１には、待ち受け画面として外部からの通信を待ち受ける待ち受け画面が表示される。
回転ダイヤル部４１にユーザの指が接触し、接触検出部７１により接触が検出された場合、ディスプレイ２１には、メニュー画像Ｍ（図１４参照）が表示される。メニュー画像Ｍには、回転ダイヤル部４１により切り替え可能な機能を示す指標（文字、画像等）が表示される。回転ダイヤル部４１を操作して機能を切り替える場合、メニュー画像Ｍを見ながら直接切り替えることができる。回転ダイヤル部４１を操作して機能を切り替える場合、機能指定部７２は、待ち受け画像が表示された状態を介することなく、一の機能から他の機能へ直接切り替えることができる。
【００６０】
回転ダイヤル部４１とは異なる操作部材（例えば、機能設定操作ボタン１３）により機能を選択したり切り替えたりする場合、ディスプレイ２１には、メニュー画像Ｍと異なる他のメニュー画像Ｍ１（図１５参照）が表示される。メニュー画像Ｍ１には、異なる操作部材により切り替え可能な機能を示す指標が表示される。異なる操作部材を操作して機能を切り替える場合、一度、待ち受け画面が表示される待ち受け状態にした後、異なる操作部材を操作してメニュー画像Ｍ１を表示させることが必要である。つまり、異なる操作部材を操作して機能を切り替える場合、機能指定部７２は、待ち受け機能に基づく待ち受け画面が表示された状態を介してメニュー画像Ｍ１を表示させ、機能を切り替える。
【００６１】
具体的には、まず、終話ボタンを押下げ、実行中の機能を終了させる。これにより、機能は待ち受け機能に切り替えられ、ディスプレイ２１には、待ち受け画面が表示される。次いで、決定操作ボタン１５を押下操作することで、ディスプレイ２１には、メニュー画像Ｍ１が表示される。続けて、機能設定操作ボタン１３をスクロール操作して所定の機能を選択した後、決定操作ボタン１５を押下操作して選択する機能を確定させる。このように機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５によって機能を選択することで、機能指定部７２は、選択された機能を実行する機能として指定する。機能実行部７３は、機能指定部７２によって指定された機能を起動させる。
【００６２】
ここで、他の操作部材により起動され実行中の機能を回転ダイヤル部４１により他の機能に切り替える際、携帯電話機１は、所定の場合において、ディスプレイ２１に後述する選択画像を表示させることができる。
具体的には、実行中の機能が回転ダイヤル部４１により切り替え可能な機能でない場合、携帯電話機１は、ディスプレイ２１に実行中の機能を終了させるのか又は機能の切り替えをキャンセルするのかを選択させる選択画像を表示させる。詳細には、後述する機能実行部７３は、実行中の機能が回転ダイヤル部４１により切り替え可能な機能でないと判定した場合、ディスプレイ２１に上述の選択画像を表示させる。
つまり、携帯電話機１は、回転ダイヤル部４１の操作で元に戻すことができない機能については、実行中の機能を終了して切り替え処理を続行させるのか又は切り替え処理をキャンセルするのかをユーザに選択させる。
【００６３】
次いで、図８から図１１により、携帯電話機１における機能的な構成について説明する。図８は、携帯電話機１の機能を示す機能ブロック図である。図９Ａは、メモリに記憶されている回転量−機能テーブルを説明する図である。図９Ｂは、メモリに記憶されている回転量−機能テーブルを説明する図である。図１０は、メモリに記憶される機能群テーブルを説明する図である。図１１は、使用状態記憶部に記憶される使用状態情報（サスペンド情報テーブル）を説明する図である。
【００６４】
図８に示すように、携帯電話機１は、外部の端末と通信を行う通信部６０と、充電池８０と、充電池８０から供給される電源電圧を所定の電圧に変換し変換後の電圧を通信部６０やＣＰＵ７０等に供給する電源回路部９０と、操作部１１と、所定の情報を表示するディスプレイ２１と、ユーザの操作により回転される回転ダイヤル部４１と、タッチセンサ２００と、ＣＰＵ７０と、メモリ１００と、を備える。
【００６５】
通信部６０は、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うメインアンテナ６１と、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部６２と、を備える。
【００６６】
メインアンテナ６１は、所定の使用周波数帯（例えば、８００ＭＨｚ）で外部装置（基地局）と通信を行う。なお、本実施の形態では、所定の使用周波数帯として、８００ＭＨｚとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。また、メインアンテナ６１は、所定の使用周波数帯の他に、第２の使用周波数帯（例えば、２ＧＨｚ）に対応できる、いわゆるデュアルバンド対応型による構成であってもよいし、更に、第３の使用周波数帯以上にも対応できる複数バンド対応型により構成されていてもよい。
【００６７】
通信処理部６２は、メインアンテナ６１によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号をＣＰＵ７０に供給し、一方、ＣＰＵ７０から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ６１を介して外部装置（基地局）に送信する。
【００６８】
電源回路部９０は、充電池８０から供給される電源電圧を所定の電圧値に変圧し、変圧後の電源電圧を通信部６０やＣＰＵ７０等に供給する。
【００６９】
操作部１１は、回転ダイヤル部４１と、他の操作部材としての機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５と、を有する。
表示部としてのディスプレイ２１は、実行中の機能に関連する画像を表示可能である。
【００７０】
メモリ１００は、ＣＰＵ７０にて実行される多数のプログラム、所定のパラメータや各種テーブル等を記憶する。具体的には、メモリ１００は、ＣＰＵ７０にて起動、終了、中断等がなされる多数のアプリケーションプログラムや、これら複数のアプリケーションにて使用されるパラメータ、複数のアプリケーションプログラムを動作させるためのＯＳプログラム等を記憶する。複数のアプリケーションプログラムには、基準アプリケーション、ミュージック・プレーヤー、カメラ、メール等の携帯電話機１が有するアプリケーションごとのアプリケーションプログラムが含まれる。
【００７１】
また、メモリ１００は、回転量―機能テーブル記憶部１１０と、機能群テーブル記憶部１２０と、使用状態記憶部１３０と、を有する。
回転量―機能テーブル記憶部１１０は、機能指定部７２にて検出される回転量（カウント数）と複数の機能（アプリケーション）との対応関係を示す回転量―機能テーブル（１１１、１１２）を記憶する。回転量―機能テーブル（１１１、１１２）は、回転ダイヤル部４１の回転方向及び回転量に対応して振り分けられた機能（アプリケーション）を示すテーブルである。
図９Ａ及び図９Ｂに示すように、回転量―機能テーブル記憶部１１０は、回転ダイヤル部４１が回転ａ方向に回転された場合における第１テーブル１１１及び回転ダイヤル部４１が回転ｂ方向に回転された場合における第２テーブル１１２を記憶する。
【００７２】
図１０に示すように、機能群テーブル記憶部１２０は、機能群テーブル１２１を記憶する。機能群テーブル１２１は、操作部材としての回転ダイヤル部４１や、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５により指定可能に割り当てられているか否かの情報を含む。具体的には、機能ごとに、回転ダイヤル部４１により指定可能に割り当てられているか否かの情報、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５により指定可能に割り当てられているか否かの情報を含む。機能群テーブル１２１は、後述する切り替え指示部７５により参照される。
【００７３】
使用状態記憶部１３０は、切り替え指示部７５により、機能実行部７３に対して実行する機能を第１機能から第２機能へ切り替えるよう指示がなされた場合、第１機能の使用状態に関する情報（後述するサスペンド情報テーブルに相当する）を記憶する。つまり、使用状態記憶部１３０は、実行中の機能が第１機能から他の第２機能に切り替えられた場合、切り替え前における第１機能の使用状態に関する使用状態情報を記憶する。これにより、第２機能に切り替えられた後、再度、第１機能に戻された場合、第２機能に切り替えられる前の画像、状態で第１機能を再開又は再起動させることができる。
【００７４】
また、使用状態記憶部１３０には、後述する機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され機能指定部７２により第２機能が指定された場合において、第１機能が回転ダイヤル部４１の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれる場合には第１機能の使用状態に関する情報が記憶され、第１機能が機能群に含まれない場合には第１機能の使用状態に関する情報が記憶される。
【００７５】
本実施形態において、回転ダイヤル部４１によって、該回転ダイヤル部４１に指定可能に割り当てられた第１機能から、同じく該回転ダイヤル部４１に指定可能に割り当てられた第２機能に切り替えられた場合、使用状態記憶部１３０には、第１機能における切り替える前の状態に関する使用状態情報が記憶される。逆に、回転ダイヤル部４１によって、回転ダイヤル部４１に指定可能に割り当てられていない第１機能から、該回転ダイヤル部４１に指定可能に割り当てられた第２機能に切り替えられた場合、使用状態記憶部１３０には、第１機能における使用状態情報が記憶されない。
つまり、第１機能が回転ダイヤル部４１では切り替えることができない機能である場合、使用状態記憶部１３０には、第１機能における使用状態情報が記憶されない。
【００７６】
また、使用状態記憶部１３０に記憶される各機能における使用状態情報は、所定のタイミングで消去される。例えば、使用状態記憶部１３０に記憶される各機能における使用状態情報は、記憶されてから所定時間経過後や、所定の操作の終了後や、回転ダイヤル部４１による連続した機能の切り替えから所定時間経過後や、通話処理がなされた後等の所定のタイミングで消去される。
【００７７】
ＣＰＵ７０は、回転ダイヤル部４１から供給される回転量に応じて各種機能に対する起動処理を行う。
ここで、ＣＰＵ７０の構成と動作について説明する。
ＣＰＵ７０は、回転ダイヤル部４１へ導電体（例えば、ユーザの指）が接触したことを検出する接触検出部７１と、機能指定部７２と、機能実行部７３と、切り替え指示部７５と、表示制御部７８とを備える。
【００７８】
接触検出部７１は、回転ダイヤル部４１の内部に配置されるタッチセンサ２００により検出される静電容量の変化により、回転ダイヤル部４１に所定の導電体が接触しているかを検出する。言い換えると、接触検出部７１は、タッチセンサ２００により検出される静電容量の変化により、回転ダイヤル部４１に所定の導体が接触している接触状態であるか、回転ダイヤル部４１に所定の導体が接触していない非接触状態であるかを検出する。
接触検出部７１は、タッチセンサ２００により検出される静電容量の変化に基づいて所定の導電体が回転ダイヤル部４１に接触していることを検出した場合、機能指定部７２と、機能実行部７３と、切り替え指示部７５とに検出信号を出力する。
【００７９】
機能指定部７２は、回転ダイヤル部４１における回転に基づいて、複数の機能のうち所定の機能を実行する機能として指定する。機能指定部７２は、接触検出部により接触が検出された状態における回転ダイヤル部４１の回転に基づいて実行する機能を指定する。
【００８０】
機能指定部７２は、回転ダイヤル部４１における回転量を検出する。
機能指定部７２は、接触検出部７１からの検出信号を受信することで、回転ダイヤル部４１における回転を検出可能な状態になる。機能指定部７２は、接触検出部７１からの検出信号を受信しなくなるか又は非検出信号を受信するまで、回転ダイヤル部４１における回転を検出可能な状態で維持される。
【００８１】
機能指定部７２は、上述の通り、カウント部４４にカウントされた位置ポイント４３ａから４３ｈの数により回転ダイヤル部４１における回転量を検出する。例えば、回転ａ方向を＋とした場合において、カウント部４４における位置ポイントのカウント数が「＋１」である場合、機能指定部７２は、回転量を２２．５度から６７．５度であることを検出する。そして、機能指定部７２は、一定時間（例えば、１から２秒）カウント部４４における位置ポイントのカウント数が変化しない場合、当該回転量を確定させる。また、機能指定部７２は、カウント部４４における舌片４４ａの傾き方向によって回転方向を検出する。
【００８２】
機能指定部７２は、検出された回転ダイヤル部４１における回転（回転方向及び回転量）に基づいて、所定の機能を指定する。具体的には、機能指定部７２は、接触検出部７１により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、検出された回転に基づいて機能を指定する。詳細には、機能指定部７２は、接触検出部７１により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、検出された回転に基づいて選択位置のアイコンＩに対応した機能（アプリケーション）を指定する。
【００８３】
機能指定部７２は、メモリ１００に記憶された回転量−機能テーブル（１１１、１１２）を参照して、機能を指定する。詳細には、機能指定部７２は、検出された回転方向により第１テーブル１１１又は第２テーブル１１２のいずれか選択して参照し、検出された回転量により指定する機能を決定する。また、機能指定部７２は、所定の機能を指定した場合、指定機能に関する情報を機能実行部７３に出力する。
【００８４】
ここで、機能指定部７２は、回転ダイヤル部４１における回転動作により実行する機能を指定するほか、他の操作部材としての機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５の動作により実行する機能を指定することができる。
機能指定部７２は、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５における動作により実行する機能を指定する場合、ディスプレイ２１に通信部６０に対する外部からの通信を待ち受ける待ち受け機能に関連する待ち受け画面が表示された状態を介して所定の機能を指定する。
これに対し、上述の通り、機能指定部７２は、回転ダイヤル部４１における回転動作により実行する機能を指定する場合、ディスプレイ２１に待ち受け画面が表示された状態を介することなく所定の機能を指定する。回転ダイヤル部４１によれば、ディスプレイ２１に待ち受け画面が表示された状態を介することなく機能を直接的に切り替えることができる。
【００８５】
機能実行部７３は、機能指定部７２により指定された機能を実行する。
機能実行部７３は、接触検出部７１により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した後、所定時間内に接触検出部７１により再度の接触が検出されない場合には、指定された機能を実行するアプリケーションを起動させる。
【００８６】
機能実行部７３は、第１機能が第２機能に切り替えられた後、回転ダイヤル部４１が操作されたことにより、機能指定部７２により第１機能が再度指定された場合、第２機能を中断又は終了させ、使用状態記憶部１３０に記憶された使用状態に関する情報を読み出して切り替え前と同じ画像（画面）をディスプレイ２１に表示させ、第１機能を再開又は再起動させる。ディスプレイ２１に切り替え前の画像と同じ画像を表示させることで、ユーザは、作業をスムースに再開することができる。
【００８７】
また、機能実行部７３は、第１機能が第２機能に切り替えられた後、回転ダイヤル部４１が操作されたことにより、機能指定部７２により第１機能が再度指定された場合、第２機能を中断又は終了させ、使用状態記憶部１３０に記憶された使用状態に関する情報を読み出して第１機能を切り替え前と同じ状態から再起動させるよう指示する。これにより、切り替え前の作業が無駄にならず、ユーザは、作業をスムースに再開することができる。
【００８８】
機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され、機能指定部７２により第２機能が指定された場合、機能実行部７３は、第１機能が回転ダイヤル部４１の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれる場合には、第１機能を中断（サスペンド状態）又は終了させる。この場合、第１機能における使用状態情報は、使用状態記憶部１３０に記憶される。つまり、この場合、第１機能は、切り替え前と同じ状態で再開又は再起動可能な状態で停止又は終了される。
また、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され、機能指定部７２により第２機能が指定された場合、後述の通り、機能実行部７３は、第１機能が前記機能群に含まれない場合には、第１機能の終了、又は第２機能への切り替えのキャンセルを選択させる選択画像をディスプレイ２１に表示させる。
【００８９】
また、機能実行部７３は、携帯電話機１が電源ＯＮされると、まずＯＳプログラムを立ち上げ、ＯＳ管理下で基準アプリケーションプログラムを起動する。このとき、表示制御部７８はディスプレイ２１に待受画面を表示可能としている。その後、起動すべきアプリケーションが発生する都度、ＯＳ管理下で基準アプリケーションプログラムを終了あるいは中断して新たなアプリケーションプログラムを起動する。この処理に応じて、表示制御部７８は、ディスプレイ２１上に、待受画面に代えて新たに起動したアプリケーションに基づく画面を表示させる。
【００９０】
切り替え指示部７５は、機能指定部７２からの指示に基づいて、機能実行部７３に対して、実行中の機能を他の機能に切り替えるよう指示する。具体的には、切り替え指示部７５は、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、機能指定部７２により第１機能とは異なる第２機能が指定された場合、機能実行部７３に対して、実行中の第１機能を中断又は終了させて、新たに指定された第２機能を実行させることを指示する。
【００９１】
また、切り替え指示部７５は、回転ダイヤル部４１が操作されたことにより、機能指定部７２により第１機能が再度指定された場合、機能実行部７３に対して、第２機能を中断又は終了させるよう指示し、使用状態記憶部１３０に記憶された使用状態に関する情報を読み出して切り替え前と同じ画像をディスプレイ２１に表示させるよう指示し、第１機能を再開又は再起動させるよう指示する。上述の通り、ディスプレイ２１に切り替え前の画像と同じ画像を表示させることで、ユーザには、作業をスムースに再開することができる。
【００９２】
また、切り替え指示部７５は、回転ダイヤル部４１が操作されたことにより、機能指定部７２により第１機能が再度指定された場合、機能実行部７３に対して、第２機能を中断又は終了させるよう指示し、使用状態記憶部１３０に記憶された使用状態に関する情報を読み出して第１機能を切り替え前と同じ状態から再起動させるよう指示する。これにより、上述お通り、切り替え前の作業が無駄にならず、ユーザは、作業をスムースに再開することができる。
【００９３】
また、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され、機能指定部７２により前記第２機能が指定された場合、切り替え指示部７５は、使用状態記憶部１３０に第１機能における使用状態情報を記憶させ、又は記憶させない。具体的には、切り替え指示部７５は、使用状態記憶部１３０に対して、第１機能が回転ダイヤル部４１の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれる場合には、第１機能の使用状態に関する情報を記憶させ、第１機能が機能群に含まれない場合には、第１機能の使用状態に関する情報を記憶させない。つまり、回転ダイヤル部４１の回転動作により再度指定される可能性がある機能については、使用状態記憶部１３０に使用状態情報を記憶させ、回転ダイヤル部４１の回転動作により再度指定されることがない機能については、使用状態記憶部１３０に使用状態情報を記憶させない。ここで、切り替え指示部７５は、図１０に示す機能群テーブル１２１を参照して、第１機能が上記機能群に含まれるか否かを判定する。
【００９４】
また、切り替え指示部７５は、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され、機能指定部７２により第２機能が指定された場合、第１機能が回転ダイヤル部４１の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれるときには、機能実行部７３に対して、第１機能を中断又は終了させる。そして、切り替え指示部７５は、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され、機能指定部７２により第２機能が指定された場合、第１機能が機能群に含まれないときには、表示制御部７８に対して、第１機能の終了、又は第２機能への切り替えのキャンセルを選択させる選択画像をディスプレイ２１に表示させる。
【００９５】
表示制御部７８は、ディスプレイ２１の表示を制御する。接触検出部７１が静電容量の変化に基づいて回転ダイヤル部４１に導電体が接触したことを検出した場合、表示制御部７８は、複数の機能を示す画像を含むメニュー画像Ｍ（画面）をディスプレイ２１に表示する。具体的には、表示制御部７８は、機能指定部７２により指定された機能を示す画像を含むメニュー画像Ｍをディスプレイ２１に表示させる（図１４参照）。
【００９６】
また、表示制御部７８は、起動しているアプリケーションが終了された場合（例えば、オンフックキーが押下げられた場合）、ディスプレイ２１に表示される画像を起動していた機能（アプリケーション）に基づく画像から待ち受け画像（基準画像）に遷移させる。
【００９７】
また、表示制御部７８は、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５における動作により実行する機能を指定する場合、待ち受け画面を介してメニュー画像Ｍ１（図１５参照）を表示させる。表示制御部７８は、回転ダイヤル部４１により実行する機能を指定する場合、待ち受け画面を介することなく、メニュー画像Ｍ（図１４参照）を直接表示させる。
【００９８】
また、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され、機能指定部７２により第２機能が指定された場合、表示制御部７８は、第１機能が回転ダイヤル部４１により指定可能に割り当てられる機能群に含まれない場合には、第１機能の終了、又は第２機能への切り替えのキャンセルを選択させる選択画像をディスプレイ２１に表示させる。つまり、回転ダイヤル部４１の回転動作により第２機能に切り替えられた後は、回転ダイヤル部４１の回転動作により第１機能に戻すことができないので、選択画像をディスプレイ２１に表示させて、第１機能の終了、又は第２機能への切り替えのキャンセルをユーザに選択させる。この場合、第１機能における使用状態情報は、使用状態記憶部１３０に記憶されない。
【００９９】
次に、図１１から図１３により、本実施形態における携帯電話機１の動作について説明する。
【０１００】
携帯電話機１は、一の機能（アプリケーションＡ）から他の機能（アプリケーションＢ）に切り替えられ、再度、アプリケーションＢからアプリケーションＡに切り替えられた場合に、アプリケーションＡをサスペンドするか終了するかを選択する。ここで、携帯電話機１は、アプリケーションＡをサスペンドした場合には、再度、アプリケーションＢからアプリケーションＡに切り替えられた場合に、アプリケーションＡを再開（リジューム）させる。また、携帯電話機１は、アプリケーションＡを終了した場合には、再度、アプリケーションＢからアプリケーションＡに切り替えられた場合に、アプリケーションＡを再起動させる。
【０１０１】
ここで、アプリケーションの切り替えに応じて機能の切り替え制御を実行するＣＰＵ７０の動作について、図１１に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の実施例では、現在、所定の機能（以下、アプリケーションＡという。）が起動しているものとして説明する。
【０１０２】
ステップＳＴ１において、ＣＰＵ７０は、回転ダイヤル部４１が回転したことを検出する。具体的には、ＣＰＵ７０は、回転ダイヤル部４１の内部に配置されるタッチセンサ２００により検出される静電容量の変化により、回転ダイヤル部４１に所定の導電体が接触しているかを検出する。
【０１０３】
ステップＳＴ２において、ＣＰＵ７０は、ステップＳＴ１の工程による回転ダイヤル部４１の回転に基づいてアプリケーションの切り替えを検出する。具体的には、ＣＰＵ７０は、回転ダイヤル部４１における回転に基づいて、現在起動されているアプリケーションＡ以外のアプリケーション（以下、アプリケーションＢという。）を指定する。
【０１０４】
ステップＳＴ３において、ＣＰＵ７０は、現在起動されているアプリケーションＡは、回転ダイヤル部４１により選択可能なアプリケーションであるか否か、すなわち、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５のみによって選択可能なアプリケーションではないか否かを判断する。回転ダイヤル部４１により選択可能なアプリケーションであると判断された場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ５に進み、回転ダイヤル部４１により選択可能なアプリケーションではないと判断された場合（Ｎｏ）には、ステップＳＴ４に進む。
【０１０５】
ステップＳＴ４において、ＣＰＵ７０は、ユーザにアプリケーションＡを終了してよいか否かを確認する。例えば、ＣＰＵ７０は、ディスプレイ２１に「アプリケーションＡの実行を終了しますか？」等のメッセージをポップアップ表示し、ユーザにその意思を確認する。ＣＰＵ７０は、ユーザの意思表示によりアプリケーションＡの実行を終了すると判断した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ５に進む。また、ＣＰＵ７０は、アプリケーションＡの実行を終了しないと判断した場合（Ｎｏ）には、処理を終了し、アプリケーションＡの実行を継続する。
【０１０６】
ステップＳＴ５において、ＣＰＵ７０は、現在実行中のアプリケーションＡをサスペンドする必要があるか否かを判断する。サスペンドする必要があると判断した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ６に進み、サスペンドする必要がないと判断した場合（Ｎｏ）には、ステップＳＴ７に進む。
【０１０７】
ここで、ＣＰＵ７０は、図１２に示すサスペンド情報テーブルを参照してサスペンドの有無を判断する。サスペンド情報テーブルには、回転ダイヤル部４１に割り当てられている機能（アプリケーション）ごとにサスペンドの有無を決定するフラグ「サスペンド有無フラグ」と、サスペンド中であるか否かを示すフラグ「サスペンド中フラグ」と、サスペンドの情報が保存される「サスペンド情報」により構成されている。また、サスペンド情報テーブルは、例えば、メモリ１００に記憶されている。
【０１０８】
ステップＳＴ６において、ＣＰＵ７０は、現在実行中のアプリケーションＡをサスペンドする。ＣＰＵ７０は、サスペンド情報テーブルの「サスペンド情報」にアプリケーションＡの情報を保存する。ここで、アプリケーションＡがＥメールであれば、画面タイプ（送受信一覧画面、メール作成画面、閲覧画面等）や、表示位置情報や、メール作成情報（件名、ＴＯアドレス（宛先アドレス）、ＣＣアドレス、ＢＣＣアドレス、本文（ＢＯＤＹ）、添付ファイル情報等）等がサスペンド情報として保存される。
【０１０９】
また、ステップＳＴ７において、ＣＰＵ７０は、現在実行中のアプリケーションＡを終了する。
【０１１０】
ステップＳＴ８において、ＣＰＵ７０は、これから起動するアプリケーションＢがサスペンド状態であるか否かをサスペンド情報テーブルの「サスペンド中フラグ」を参照して判断する。サスペンド状態であると判断した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ９に進み、サスペンド状態ではないと判断した場合（Ｎｏ）には、ステップＳＴ１０に進む。
【０１１１】
ステップＳＴ９において、ＣＰＵ７０は、起動対象となっているアプリケーションＢをサスペンド情報テーブルの「サスペンド情報」を参照してリジュームする。したがって、アプリケーションＢは、初期画面からの起動ではなく、前回終了した途中から起動されることになる。
【０１１２】
また、ステップＳＴ１０において、ＣＰＵ７０は、起動対象となっているアプリケーションＢを起動する。したがって、アプリケーションＢは、初期画面から起動されることになる。
【０１１３】
つぎに、上述したＣＰＵ７０の動作に伴うディスプレイ２１に表示される画面遷移の様子について図１３を参照しながら説明する。
【０１１４】
携帯電話機１は、メールアプリケーションが起動され、メールを作成する画面を表示している状態において（１３（ａ））、回転ダイヤル部４１の操作によって、Ｗｅｂブラウザが選択された場合、Ｗｅｂブラウザが画面に表示される（図１３（ｂ））。ここで、携帯電話機１は、Ｗｅｂブラウザに切り替えるときに、メールアプリケーションの「サスペンド有無フラグ」が「ＯＮ」状態になっていることを確認し、メールアプリケーションの状態をサスペンド情報テーブルの「サスペンド中フラグ」に保存する。
【０１１５】
そして、携帯電話機１は、再びユーザの回転ダイヤル部４１による操作によって、メールアプリケーションが選択された場合には、サスペンド情報テーブルの「サスペンド中フラグ」が「ＯＮ」状態になっていることを確認し、「サスペンド情報」を参照してメールアプリケーションをリジュームさせる（図１３（ｃ））。このようにして、携帯電話機１は、切り替える前のメールアプリケーションの状態（図１３（ａ））と、再度切り替えられたときのメールアプリケーションの状態（図１３（ｂ））が同じ状態になる。
【０１１６】
また、携帯電話機１は、Ｗｅｂブラウザが画面に表示されている状態（図１３（ｂ））から、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５によりアプリケーション（以下、アプリＸＸという。）が選択された場合、アプリＸＸが画面に表示される（図１３（ｄ））。なお、アプリＸＸは、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５のみにより指定可能に割り当てられているアプリケーションである。
【０１１７】
携帯電話機１は、アプリＸＸが表示されている状態において、ユーザの回転ダイヤル部４１による操作によって、メールアプリケーションが選択された場合には、ディスプレイ２１に「アプリケーションＡの実行を終了しますか？」等のメッセージをポップアップ表示し、ユーザにその意思を確認する（図１３（ｅ））。携帯電話機１は、ユーザにより「ＮＯ」が選択された場合には、メールアプリケーションの機能を行わない。また、携帯電話機１は、ユーザにより「ＹＥＳ」が選択された場合には、サスペンド情報テーブルの「サスペンド中フラグ」が「ＯＮ」状態になっていることを確認し、「サスペンド情報」を参照してメールアプリケーションをリジュームさせる（図１３（ｆ））。このようにして、携帯電話機１は、切り替える前のメールアプリケーションの状態（図１３（ａ））と、再度切り替えられたときのメールアプリケーションの状態（図１３（ｆ））が同じ状態になる。
【０１１８】
本実施形態によれば、回転ダイヤル部４１を直接操作することにより、一定条件下において、回転ダイヤル部４１に割り当てられている各種機能を直接的に起動させることができ、従来のようにメインメニューを経由する必要がなく、簡易に所望するアプリケーションを起動することができる。
【０１１９】
また、本実施形態によれば、機能を切り替え可能な携帯電話機１であって、使用性が向上された携帯電話機１を提供することができる。
【０１２０】
また、本実施形態によれば、実行中の第１機能を第２機能に切り替える場合、第１機能の使用状態における使用状態情報が保存される。これにより、第２機能への切り替え前に行っていたユーザの作業（第１機能における）が無駄になることを抑制できる。
【０１２１】
また、本実施形態によれば、第１機能から切り替えられた第２機能を再び第１機能にもどす場合、第１機能における切り替え前の画像と同じ画像（画面）がディスプレイ２１に表示される。このため、ユーザは、中断された作業を違和感なく再開させることができる。
【０１２２】
また、本実施形態によれば、第１機能から切り替えられた第２機能を再び第１機能にもどす場合、第１機能における切り替え前と同じ状態で第１機能を再開させることができる。このため、ユーザは、中断された作業を違和感なく再開させることができる。
【０１２３】
また、本実施形態によれば、回転ダイヤル部４１を用いることで、待ち受け画面が表示された状態を介することなく機能を切り替えることができる。これにより、携帯電話機１における使用性を向上させることができる。
【０１２４】
また、本実施形態によれば、回転ダイヤル部４１によって第１機能から第２機能に切り替えられる際において、第１機能が回転ダイヤル部４１により指定できない機能である場合、切り替え指示部７５は、ディスプレイ２１に対して、切り替えをキャンセルするか／第１機能を終了するかを選択させる選択画像を表示させる。これにより、ユーザは、切り替えをキャンセルするか／第１機能を終了させるかを選択できるので、意に反して第１機能における作業が無駄になることが抑制される。
【０１２５】
また、本実施形態によれば、回転ダイヤル部４１によって第１機能から第２機能に切り替えられる際において、切り替え指示部７５は、第１機能が回転ダイヤル部４１によって指定が可能な機能である場合には第１機能の使用状態に関する情報を記憶させ、回転ダイヤル部４１によって指定ができない場合には第１機能の使用状態に関する情報を記憶させない。これにより、使用状態記憶部１３０は、無駄な情報を記憶することが抑制される。
【０１２６】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、携帯電話機１について説明しているが、これに限定されず、ＰＨＳ（登録商標；Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｈａｎｄｙ ｐｈｏｎｅ Ｓｙｓｔｅｍ）、ＰＤＡ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｄｉｇｉｔａｌ Ａｓｓｉｓｔａｎｔ）ナビゲーション装置等であってもよい。
【０１２７】
また、本実施形態においては、連結部４により折り畳み可能な携帯電話機１の説明をしているが、このような折り畳み式ではなく、操作部側筐体２と表示部側筐体３との重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体２と表示部側筐体３との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転（ターン）式や、操作部側筐体２と表示部側筐体３とが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式（ストレートタイプ）でもよい。また、携帯電話機１は、開閉及び回転可能ないわゆる２軸ヒンジタイプであってもよい。
【０１２８】
また、本実施形態において、回転ダイヤル部４１は、ヒンジ機構４Ａにおける開閉軸と略同軸の回転軸Ｚを中心に回転可能に構成されるが、これに限定されず、ユーザの操作によって回転自在な構成であればよい。例えば、回転ダイヤル部４１は、回転軸Ｚと直交する所定の回転軸を中心に回転可能に構成してもよい。
【０１２９】
また、本実施形態において、回転ダイヤル部４１により選択可能な機能は上述の通りであるが、これに限定されず、例えば、ユーザ自身が頻繁に使用するメニューを登録可能な構成であってもよいし、また、所望のＷｅｂアドレスを登録しておき、当該Ｗｅｂアドレスを回転ダイヤル部４１により選択することによって、Ｗｅｂブラウザが起動して当該ＷｅｂアドレスのＷｅｂページを閲覧できるような構成であってもよい。また、メニューの数も上述した数（７つ）に限定されるものではない。
【０１３０】
また、本実施形態において、機能指定部７２は、カウント部４４によりカウントされた位置ポイントの数に基づいて回転量を検出しているが、これに限定されず、所定のセンサにより回転ダイヤル部４１の回転角度の変化量を回転量として検出してもよい。また、機能指定部７２は、例えば、抵抗率の変化等により回転量を検出する構成にしてもよい。
【符号の説明】
【０１３１】
１ 携帯電話機
２ 操作部側筐体
３ 表示部側筐体
４ ヒンジ機構
１１ 操作部
１３ 機能設定操作ボタン
１５ 決定操作ボタン
２１ ディスプレイ
４１ 回転ダイヤル部
７０ ＣＰＵ
７１ 接触検出部
７２ 機能指定部
７３ 機能実行部
７５ 切り替え指示部
１００ メモリ
１３０ 使用状態記憶部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、回転ダイヤルを有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【０００２】
携帯電子機器としての携帯電話機において、より直感的なユーザインターフェースが要求されている。ここで、ヒンジ部を有するフォルダタイプの携帯電話機において、ヒンジ部にボリューム切り替え等に用いる回転ダイヤルを設けた携帯電話機が知られている（例えば、特許文献１を参照。）。
【０００３】
近年、携帯電話機は、通信・通話機能のみならずテレビやラジオを視聴する機能も搭載され多機能化されている。
ここで、携帯電話機において、テレビ視聴機能等の機能が選択されていない場合には、通信・通話の待受画面がトップ画面として表示される。
そして、ユーザが所定の操作を行うことにより、待受画面から他の機能を選択するメニュー選択画面に移行すると共に、当該選択メニュー画面においてユーザが所定の機能を選択することで所望の機能を起動させることができる。
【０００４】
しかし、メニュー選択画面には、多数の機能が列記されるため不慣れなユーザにとってはスムースな操作が困難であり、携帯電話機自体の使用について抵抗を感じる場合があった。
【０００５】
ところで、デジタルカメラにおいては、回転ダイヤルによってメニュー選択を行うものが知られている。この回転ダイヤルには、ムービー機能（動画を記録する機能）や、連写機能（静止画撮影を短時間に複数行う機能）等の撮影作業を補助するメニューが選択可能に割り当てられている（例えば、特許文献２を参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開平６−９０２００号公報
【特許文献２】特開２００１−２４５１８９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
現在、携帯電話機においては、デジタルカメラに用いられているような回転ダイヤルによる複数メニューの選択方式は採用されていない。
また、携帯電話機には、デジタルカメラにはない特有の機能（通信・通話機能）が含まれており、トップ画面としての通信・通話の待受画面が表示されるという相違点がある。
【０００８】
更には、通信・通話機能とは異なる所定のアプリケーションを動作させた後、該所定の機能を終了した場合には、通信・通話の待受画面が表示される等の仕様上の相違点も存在する。
したがって、特許文献２に示されているような技術を携帯電話機に単に応用しただけでは、携帯電話機の操作上及び使用上不都合が生ずる。
【０００９】
また、携帯電話機において、一の機能を利用して所定の作業をしている最中に他の機能に切り替えられた後、再度、一の機能に戻された場合、一の機能は再度起動されるので初期状態となり、切り替え前に一の機能で行った作業が無駄になるという問題があった。
【００１０】
本発明は、機能を切り替え可能な携帯電子機器であって、使用性が向上された携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明は、筐体と、前記筐体に所定の回転軸を中心として回転可能に取り付けられる回転ダイヤル部と、前記回転ダイヤル部の回転動作に基づいて複数の機能のうち指定された機能を実行する機能実行部と、前記機能実行部により第１機能が実行されている状態において、前記回転ダイヤル部の回転動作により前記第１機能とは異なる第２機能が指定された場合、前記機能実行部に対して、実行中の第１機能を中断又は終了させて、新たに指定された第２機能を実行させることを指示する切り替え指示部と、前記切り替え指示部により、前記機能実行部に対して実行する機能を前記第１機能から前記第２機能へ切り替えるよう指示がなされた場合、前記第１機能の使用状態に関する情報を記憶する使用状態記憶部と、を備える携帯電子機器に関する。
【００１２】
また、実行中の機能に関連する画像を表示可能な表示部と、を備え、前記回転ダイヤル部の回転動作により、前記第１機能が再度指定された場合、前記切り替え指示部は、前記機能実行部に対して、前記第２機能を中断又は終了させるよう指示し、前記使用状態記憶部に記憶された前記使用状態に関する情報を読み出して、切り替え前と同じ画像を前記表示部に表示させるよう指示し、前記第１機能を再開又は再起動させるよう指示することが好ましい。
【００１３】
また、前記回転ダイヤル部の回転動作により、前記第１機能が再度指定された場合、前記切り替え指示部は、前記機能実行部に対して、前記第２機能を中断又は終了させるよう指示し、前記使用状態記憶部に記憶された前記使用状態に関する情報を読み出して、前記第１機能を切り替え前と同じ状態から再起動させるよう指示することが好ましい。
【００１４】
また、通信部と、実行中の機能に関連する画像を表示可能な表示部と、前記回転ダイヤル部とは異なる操作部材と、をさらに備え、前記操作部材による実行する機能の指定は、前記表示部に前記通信部に対する外部からの通信を待ち受ける待ち受け機能に関連する待ち受け画面が表示された状態を介して行い、前記回転ダイヤル部における回転動作による実行する機能の指定は、前記表示部に前記待ち受け画面が表示された状態を介することなく所定の機能を指定することが好ましい。
【００１５】
また、前記機能実行部により前記第１機能が実行されている状態において、前記回転ダイヤル部が回転され、前記第２機能が指定された場合、前記切り替え指示部は、前記使用状態記憶部に対して、前記第１機能が前記回転ダイヤル部の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれる場合には、前記第１機能の使用状態に関する情報を記憶させ、前記第１機能が前記機能群に含まれない場合には、前記第１機能の使用状態に関する情報を記憶させないことが好ましい。
【００１６】
また、前記切り替え指示部は、前記第１機能が前記回転ダイヤル部の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれ、当該第１機能の使用状態に関する情報を記憶させた場合には、前記機能実行部に対して、前記第１機能を中断又は終了させ、前記第１機能が前記機能群に含まれず、当該第１機能の使用状態に関する情報を記憶させない場合には、前記第１機能の終了、又は前記第２機能への切り替えのキャンセルを選択させる選択画像を前記表示部に表示させることが好ましい。
【発明の効果】
【００１７】
本発明によれば、機能を切り替え可能な携帯電子機器であって、使用性が向上された携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明に係る携帯電話機の外観図である。
【図２】携帯電話機の閉状態における表示部側筐体から見たときの外観図である。
【図３】携帯電話機の閉状態における操作部側筐体から見たときの外観図である。
【図４】回転ダイヤル部付近の拡大図である。
【図５】回転ダイヤル部の機能を示す図である。
【図６】回転ダイヤル部における裏面から見た平面図である。
【図７】回転ダイヤル部に形成された位置ポイントとカウント部との関係を説明する図である。
【図８】携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図９Ａ】メモリに記憶されている回転量−機能テーブルを説明する図である。
【図９Ｂ】メモリに記憶されている回転量−機能テーブルを説明する図である。
【図１０】メモリに記憶されている機能群テーブルを説明する図である。
【図１１】携帯電話機における動作を説明するフロー図である。
【図１２】サスペンド情報テーブルの構成を模式的に示す図である。
【図１３】ディスプレイに表示される画面遷移の様子についての説明に供する図である。
【図１４】メニュー画像Ｍ（回転ダイヤル部４１による機能切り替えの場合）を説明する図である。
【図１５】メニュー画像Ｍ１（ボタン１３、１５による機能切り替えの場合）を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【００１９】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、図１から図７により、携帯電話機１における構成について説明する。図１は、本発明に係る携帯電話機の一例である携帯電話機１の外観図を示す。また、図２は、携帯電話機１の閉状態における表示部側筐体３から見たときの外観図を示す。また、図３は、携帯電話機１の閉状態における操作部側筐体２から見たときの外観図を示す。また、図４は、回転ダイヤル部４１付近の拡大図を示す。また、図５は、回転ダイヤル部の機能を示す図である。図６は、回転ダイヤル部４１における裏面４１ｃから見た平面図である。図７は、回転ダイヤル部４１に形成された位置ポイント４３とカウント部４４との関係を説明する図である。
【００２０】
携帯電話機１は、図１に示すように、第１面としての第１表面部１０を有する操作部側筐体２と、第２面としての第２表面部２０を有する表示部側筐体３と、を備えて構成される。操作部側筐体２の上端部と表示部側筐体３の下端部とは、連結部４に配置されるヒンジ機構４Ａを介して連結される。
【００２１】
携帯電話機１は、ヒンジ機構４Ａを介して連結された操作部側筐体２と表示部側筐体３とを相対的に回転することにより、操作部側筐体２における第１表面部１０と表示部側筐体３における第２表面部２０とが互いに離間した開状態と、操作部側筐体２における第１表面部１０と操作部側筐体２における第２表面部２０とが互いに対向して近接配置された閉状態とに変形可能に構成される。
また、携帯電話機１は、ヒンジ機構４Ａと略同軸に設定された回転軸Ｚを中心に回転可能に取り付けられた回転ダイヤル部４１が配置される。
【００２２】
操作部側筐体２は、第１表面部１０Ａと第１裏面部１０Ｂとを有する。操作部側筐体２における第１表面部１０Ａには、図１に示すように、閉状態にて隠れる操作部１１と、使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク１２とが配置される。操作部側筐体２における第１裏面部１０Ｂには、図３に示すように、被写体を撮像するＣＣＤ（Ｃｈａｒｇｅ Ｃｏｕｐｌｅｄ Ｄｅｖｉｃｅ）カメラ等により構成される撮像部１７と、一定の光量を出力する発光部１８とが形成される。
【００２３】
操作部１１は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能（アプリケーション）を動作させるためのキー、オフフックキーや、オンフックキーを含む機能設定操作ボタン１３と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作ボタン１４と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン１５と、ボリュームコントロール等を行うコントロールボタン１６と、から構成される。
ここで、携帯電話機１には、所定の機能（アプリケーション）を選択する操作部材として上述の機能設定操作ボタン１３のほか、後に詳述する回転ダイヤル部４１が配置される。
【００２４】
また、操作部側筐体２は、キー構造部と、キー基板と、ケース体と、基準電位パターン層及び携帯電話機用のＲＦ（Ｒａｄｉｏ Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ）モジュール等の各種電子部品を備える回路基板と、アンテナ部と、充電池８０と、後述する回転ダイヤル部４１における回転量を検出するために用いられるカウント部４４（図７参照）と、を収容する。
【００２５】
表示部側筐体３における第２表面部２０には、各種情報を表示するための表示部としてのディスプレイ２１と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部２２と、が配置される。
【００２６】
ディスプレイ２１は、トップ画面として通信・通話待受画像を表示する。また、ディスプレイ２１は、機能の内容を示す画像を含むメニュー画像（画面）Ｍ（図１４参照）が表示可能に構成される。詳細には、ディスプレイ２１には、後述するタッチセンサ２００（接触検出部７１）が回転ダイヤル部４１に指等の導電体が接触したことを検出した場合、メニュー画像が表示される。
【００２７】
メニュー画像Ｍ（図１４参照）は、目印４２の横に並ぶ選択位置Ｓに配置された後述のアイコンＩに対応する機能（アプリケーション）の内容を示す画像及び／文字を含む。メニュー画像Ｍは、開状態において操作部１１及びディスプレイ２１側から見た回転ダイヤル部４１における機能表示部４１Ｂの表示態様と類似して構成される。本実施形態においては、メニュー画像Ｍは、アプリケーションに対応する機能の名称（略称）を含んで構成される。メニュー画像Ｍは、機能表示部４１ＢにおけるアイコンＩと同様（例えば、相似）の画像を含んで構成されていてもよい。また、ディスプレイ２１は、所定の機能を動作させるためのアプリケーションに基づく画像を表示可能に構成される。なお、ディスプレイ２１は、閉状態において隠れる位置に配されている。
【００２８】
ここで、カメラ機能を動作させるアプリケーションが起動している場合、ディスプレイ２１には、撮像部１７により撮像される画像が表示可能に構成される。メール機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ２１には、受信された電子メールの一覧やメール作成画面が表示可能に構成される。Ｗｅｂブラウザ機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ２１には、Ｗｅｂサーバにアクセスし、Ｗｅｂページを表示するＷｅｂブラウザが表示される。ツール機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ２１には、複数のツール機能を示すアイコンが表示可能に構成される。テレビ機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ２１には、受信した放送信号のうち選択されたチャンネルに対応する放送信号に基づいた映像を表示可能に構成される。メモ帳機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ２１には、文字入力が可能な入力画面が表示可能に構成される。アドレス帳機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ２１には、不図示のメモリに記憶される複数のアドレス情報が表示可能に構成される。これらのアプリケーションは、オンフックキー（終話キー）の押下で終了させることが可能である。
【００２９】
上述のアプリケーションが終了された場合、ディスプレイ２１は、トップ画面としての通信・通話待受画面を表示する。そして、後述する機能実行部７３は、電話機能を使用可能なアプリケーションを動作させている。そして、操作部１１は、数字を入力する機能が割り当てられた入力操作ボタン１４が押下されることで発呼すべき電話番号の入力を受け付ける。
【００３０】
表示部側筐体３における第２裏面２０Ｂには、図２に示すように、各種情報を表示するためのサブディスプレイ２３が閉状態であっても外部に露出する位置に配置される。
サブディスプレイ２３にも同様に、上述の各種機能を動作させるアプリケーションに基づく画像が表示されるが、ディスプレイ２１に比べて画面が小さいので、ディスプレイ２１に表示される画像の一部や、相似（小さくした）画像が表示される。また、サブディスプレイ２３には、各種機能のうち携帯電話機１が閉状態の場合では起動されない機能を動作させるアプリケーションに基づく画像は表示されないように構成される。
【００３１】
ここで、ディスプレイ２１及びサブディスプレイ２３それぞれは、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動回路と、液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とを有して構成される。
【００３２】
回転ダイヤル部４１は、回転軸Ｚを中心として回転可能に配置される。具体的には、回転ダイヤル部４１は、筐体の一部である連結部４における幅方向Ｘにヒンジ機構４Ａと略同軸の回転軸Ｚを中心として回転可能に取り付けられる。回転ダイヤル部４１は、図１に示すように、携帯電話機１が開状態において、操作部１１及びディスプレイ２１を見ながら回転操作が可能に配置される。
【００３３】
回転ダイヤル部４１は、当接部４１Ａと、機能表示部４１Ｂとを備える。当接部４１Ａは、回転ダイヤル部４１における側面であって、該回転ダイヤル部４１が取り付けられた状態で幅方向Ｘにおける端部側に配置される部分に形成される。当接部４１Ａは、表面に凹凸が形成され回転ダイヤル部４１を回転動作させやすいように構成される。
【００３４】
機能表示部４１Ｂは、回転ダイヤル部４１における側面であって、該回転ダイヤル部４１が取り付けられた状態で当接部４１Ａよりも幅方向Ｘにおける中央側に配置される部分に形成される。機能表示部４１Ｂには、表面に機能を示す記号又絵であるアイコンＩが表示される。機能表示部４１Ｂには、図５に示すように、回転方向に所定角度（例えば、４５度）ごとに機能を示すアイコンＩが表示される。
【００３５】
具体的には、機能表示部４１Ｂには、標準位置としてのニュートラルを示す丸印のアイコンＩａが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、４５度（ニュートラルを基準とした場合の回転ａ方向の角度を示す。以下同様である。）の位置に形成されるカメラ機能を示すカメラのアイコンＩｂが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、９０度の位置に形成されたメール機能を示す手紙のアイコンＩｃが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、１３５度に形成されたＷｅｂブラウザ機能を示すアイコンＩｄが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、１８０度の位置に形成されたツール機能を示す工具のアイコンＩｅが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、２２５度の位置に形成されたテレビ機能を示すテレビのアイコンＩｆが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、２７０度の位置に形成されメモ帳機能を示すペンのアイコンＩｇが表示される。また、機能表示部４１Ｂには、３１５度の位置に形成されアドレス機能を示す手帳のアイコンＩｈが表示される。
【００３６】
機能表示部４１Ｂは、回転操作が加えられた当接部４１Ａの回転にともなって回転される。携帯電話機１が開状態における操作部１１及びディスプレイ２１側に表示されるアイコンＩ（指標）は、当接部４１Ａによる回転にともなって変更される。更には、連結部４の外面であって携帯電話機１が開状態において操作部１１及びディスプレイ２１側を向く位置に形成される目印４２と幅方向Ｘに並んだ位置である選択位置Ｓに配置されるアイコンＩは、回転ダイヤル部４１の回転にともなって変更される。選択位置Ｓに配置されるアイコンＩは、回転ダイヤル部４１の回転量により決まる。本実施形態において、回転位置は標準位置を基準とした回転量により示される。
【００３７】
ここで、本実施形態において、標準位置とは、機能表示部４１Ｂにおける丸印のアイコンＩａが選択位置Ｓに配置された状態をいう。
【００３８】
回転ダイヤル部４１における連結部４側には、連結部４に形成された不図示の挿通部に挿入される回転軸部４５が形成される。回転ダイヤル部４１における連結部４側の面である裏面４１ｃには、図６に示すように、円周方向（回転方向）に沿って突起状の位置ポイント４３ａから４３ｈが形成される。位置ポイント４３ａから４３ｈは、円周方向に所定間隔をあけて形成される。位置ポイント４３ａから４３ｈは、円周方向において、各機能を示すアイコンＩ同士の間に形成される。
【００３９】
連結部４には、回転ダイヤル部４１が回転された状態における位置ポイント４３ａから４３ｈの移動軌跡上に舌片４４ａが位置するカウント部４４が配置される。
カウント部４４は、舌片４４ａが回転方向に傾くことで通過した位置ポイント４３ａから４３ｈの数をカウントする。具体的には、舌片４４ａが回転ａ方向に傾いた場合においてはカウント数を加算し、回転ｂ方向に傾いた場合にはカウント数を減算する。標準位置を基準としたカウント数に応じて、後述する機能指定部７２（図９Ａ、９Ｂ参照）により回転ダイヤル部４１における回転量が検出され、その結果、回転位置が特定できる。
【００４０】
更に、回転ダイヤル部４１は、導電性を有する金属製、あるいは導電性を有するように処理された樹脂製の部材により構成される。
回転ダイヤル部４１の内部には、該回転ダイヤル部４１への接触を検出するためのタッチセンサ２００が配置される。タッチセンサ２００は、回転ダイヤル部４１にユーザの指が当接された場合における静電容量の変化を接触検出部７１に出力可能に構成される。
【００４１】
後述する接触検出部７１は、タッチセンサ２００における静電容量の変化に基づいて、回転ダイヤル部４１にユーザの指が接触したことを検出する。
接触検出部７１により回転ダイヤル部４１への接触が検出された場合、後述する機能指定部７２は、回転ダイヤル部４１における回転（回転方向及び回転量）を検出可能な状態となる。また、タッチセンサ２００における静電容量の変化に基づいて、接触検出部７１により回転ダイヤル部４１への接触が検出された場合、後述する機能実行部７３は、機能指定部７２により指定された機能を実行可能な状態となる。
【００４２】
機能指定部７２は、接触検出部７１により接触が検出された接触状態の間における回転ダイヤル部４１の回転（回転量及び回転方向）を検出する。この場合、ディスプレイ２１には、機能指定部７２により検出された回転に基づいて、選択位置Ｓに配置されたアイコンＩに対応する機能を報知するメニュー画像を表示する（枠で囲まれて）。
【００４３】
回転ダイヤル部４１への接触が検出されなくなった場合、機能指定部７２は、接触が検出されなくなってから所定時間経過後、上記機能を指定する。機能実行部７３は、機能指定部７２により指定された一の機能を実行させる。具体的には、機能実行部７３は、機能指定部７２により指定された一の機能を実施するためのアプリケーションを起動させる。
【００４４】
ここで、回転ダイヤル部４１の操作及び機能について説明する。回転ダイヤル部４１は、図４に示すように、ユーザの指により当接部４１ａに回転方向（図４中の矢印の回転ａ方向及び矢印の回転ｂ方向）への力が加えられることで回転するように筐体における連結部４に取り付けられる。回転ダイヤル部４１には、上述の通り、回転方向において所定の間隔ごとにアイコンＩ（アイコンＩａからＩｈ）が付されている。アイコンＩは、図５に示すように、アプリケーションを選択する際にユーザにとって理解（イメージ）しやすい記号や絵によって描かれている。
【００４５】
ユーザは、回転ダイヤル部４１における当接部４１Ａに指を置いて、回転ダイヤル部４１を回転させるための準備状態に入る。この場合、回転ダイヤル部４１に配置されたタッチセンサ２００における静電容量は、変化する。接触検出部７１は、タッチセンサ２００における静電容量の変化により回転ダイヤル部４１に対する接触を検出する。これにより、上述の通り、機能指定部７２は、回転ダイヤル部４１における回転量を検出可能な状態となる。また、機能実行部７３は、機能指定部７２により指定された指定機能を実行可能な状態となる。
【００４６】
そして、ユーザは、アイコンＩを手掛かりとして、所望する機能（アプリケーション）に対応するアイコンＩを選択位置Ｓまで移動させる。これにより、機能指定部７２は、選択位置Ｓに配置されるアイコンＩに対応する機能を指定可能な状態となる。
【００４７】
ユーザは、所望の機能を動作させるアプリケーションに対応したアイコンＩが選択位置Ｓに配置された状態において、当接部４１Ａに置かれていた指を離間させる。これにより、接触検出部７１は、タッチセンサ２００における静電容量の変化に基づいて、指が接触していない非接触状態であることを検出すると共に、非接触状態であるとの検出結果を機能指定部７２に出力する。
【００４８】
機能指定部７２は、接触検出部７１により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、選択位置のアイコンＩに対応した機能を指定する。具体的には、機能指定部７２は、接触検出部７１により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、機能指定部７２により検出された回転（回転方向及び回転量）に基づいて、実行する機能を指定する。
【００４９】
機能実行部７３は、機能指定部７２により指定された機能を実行する。具体的には、機能実行部７３は、接触検出部７１により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した後、所定時間内に接触検出部７１により再度の接触が検出された場合には、指定された機能を実行するアプリケーションを起動させ、所定時間内に接触検出部７１により再度の接触が検出されない場合には、指定された機能を実行するアプリケーションを起動させる。
【００５０】
このようにして、回転ダイヤル部４１は、物理的な回転ダイヤルの操作により、各種の機能を発揮するメニュー選択を可能とする。
メニューの選択において、具体的には、図４及び図５に示すように、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に４５度（回転ｂ方向に３１５度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、カメラ機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、撮像部１７のカメラ機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５１】
また、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に９０度（回転ｂ方向に２７０度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、メール機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、カメラ機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５２】
また、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に１３５度（回転ｂ方向に２２５度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、Ｗｅｂブラウザ機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、Ｗｅｂブラウザ機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５３】
また、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に１８０度（回転ｂ方向に１８０度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、ツールメニュー（携帯電話機１における音出力等に関する各種の設定を行うメニュー）機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、ツールメニュー機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５４】
また、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に２２５度（回転ｂ方向に１３５度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、テレビ機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、テレビ機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５５】
また、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に２７０度（回転ｂ方向に９０度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、メモ帳機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、メモ帳機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５６】
また、ユーザが回転ダイヤル部４１に指を当接させた状態で回転操作して無操作時（ニュートラル（Ｎ））を基準として、回転ａ方向に３１５度（回転ｂ方向に４５度）±２２．５度回転させると共に、回転操作後に指を離間させることで、アドレス帳機能が指定される。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部４１から離間して所定時間（例えば、２から３秒間）経過した後、アドレス帳機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【００５７】
ここで、携帯電話機１は、実行中の第１機能を第２機能に切り替えた後、元の第１機能に戻すよう回転ダイヤル部４１が操作された場合、切り替えられた時点で表示された画像と同じ画像をディスプレイ２１に表示させる。携帯電話機１は、実行中の第１機能を第２機能に切り替えた後、元の第１機能に戻すよう回転ダイヤル部４１が操作された場合、第１機能を切り替えられた時点の状態から再開させる。
【００５８】
例えば、携帯電話機１は、メール作成中にメール機能をテレビ機能に切り替え、再びメール機能に切り替えるように回転ダイヤル部４１が操作された場合、テレビ機能に切り替えられる直前に表示されたメール作成の画面と同じ画面をディスプレイ２１に表示せると共に、切り替えられた時点の状態からメール機能を再開させる。これにより、ユーザは、再度の機能の切り替えにおいて、初期状態から起動する必要がなく、切り替え前の作業を引き継ぐことができ、スムースに切り替え前の作業を再開することができる。なお、当該動作を実現する構成については、後に詳述する。
【００５９】
ここで、回転ダイヤル部４１が動作しない（ユーザによる操作がされない）状態では、ディスプレイ２１には、待ち受け画面として外部からの通信を待ち受ける待ち受け画面が表示される。
回転ダイヤル部４１にユーザの指が接触し、接触検出部７１により接触が検出された場合、ディスプレイ２１には、メニュー画像Ｍ（図１４参照）が表示される。メニュー画像Ｍには、回転ダイヤル部４１により切り替え可能な機能を示す指標（文字、画像等）が表示される。回転ダイヤル部４１を操作して機能を切り替える場合、メニュー画像Ｍを見ながら直接切り替えることができる。回転ダイヤル部４１を操作して機能を切り替える場合、機能指定部７２は、待ち受け画像が表示された状態を介することなく、一の機能から他の機能へ直接切り替えることができる。
【００６０】
回転ダイヤル部４１とは異なる操作部材（例えば、機能設定操作ボタン１３）により機能を選択したり切り替えたりする場合、ディスプレイ２１には、メニュー画像Ｍと異なる他のメニュー画像Ｍ１（図１５参照）が表示される。メニュー画像Ｍ１には、異なる操作部材により切り替え可能な機能を示す指標が表示される。異なる操作部材を操作して機能を切り替える場合、一度、待ち受け画面が表示される待ち受け状態にした後、異なる操作部材を操作してメニュー画像Ｍ１を表示させることが必要である。つまり、異なる操作部材を操作して機能を切り替える場合、機能指定部７２は、待ち受け機能に基づく待ち受け画面が表示された状態を介してメニュー画像Ｍ１を表示させ、機能を切り替える。
【００６１】
具体的には、まず、終話ボタンを押下げ、実行中の機能を終了させる。これにより、機能は待ち受け機能に切り替えられ、ディスプレイ２１には、待ち受け画面が表示される。次いで、決定操作ボタン１５を押下操作することで、ディスプレイ２１には、メニュー画像Ｍ１が表示される。続けて、機能設定操作ボタン１３をスクロール操作して所定の機能を選択した後、決定操作ボタン１５を押下操作して選択する機能を確定させる。このように機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５によって機能を選択することで、機能指定部７２は、選択された機能を実行する機能として指定する。機能実行部７３は、機能指定部７２によって指定された機能を起動させる。
【００６２】
ここで、他の操作部材により起動され実行中の機能を回転ダイヤル部４１により他の機能に切り替える際、携帯電話機１は、所定の場合において、ディスプレイ２１に後述する選択画像を表示させることができる。
具体的には、実行中の機能が回転ダイヤル部４１により切り替え可能な機能でない場合、携帯電話機１は、ディスプレイ２１に実行中の機能を終了させるのか又は機能の切り替えをキャンセルするのかを選択させる選択画像を表示させる。詳細には、後述する機能実行部７３は、実行中の機能が回転ダイヤル部４１により切り替え可能な機能でないと判定した場合、ディスプレイ２１に上述の選択画像を表示させる。
つまり、携帯電話機１は、回転ダイヤル部４１の操作で元に戻すことができない機能については、実行中の機能を終了して切り替え処理を続行させるのか又は切り替え処理をキャンセルするのかをユーザに選択させる。
【００６３】
次いで、図８から図１１により、携帯電話機１における機能的な構成について説明する。図８は、携帯電話機１の機能を示す機能ブロック図である。図９Ａは、メモリに記憶されている回転量−機能テーブルを説明する図である。図９Ｂは、メモリに記憶されている回転量−機能テーブルを説明する図である。図１０は、メモリに記憶される機能群テーブルを説明する図である。図１１は、使用状態記憶部に記憶される使用状態情報（サスペンド情報テーブル）を説明する図である。
【００６４】
図８に示すように、携帯電話機１は、外部の端末と通信を行う通信部６０と、充電池８０と、充電池８０から供給される電源電圧を所定の電圧に変換し変換後の電圧を通信部６０やＣＰＵ７０等に供給する電源回路部９０と、操作部１１と、所定の情報を表示するディスプレイ２１と、ユーザの操作により回転される回転ダイヤル部４１と、タッチセンサ２００と、ＣＰＵ７０と、メモリ１００と、を備える。
【００６５】
通信部６０は、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うメインアンテナ６１と、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部６２と、を備える。
【００６６】
メインアンテナ６１は、所定の使用周波数帯（例えば、８００ＭＨｚ）で外部装置（基地局）と通信を行う。なお、本実施の形態では、所定の使用周波数帯として、８００ＭＨｚとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。また、メインアンテナ６１は、所定の使用周波数帯の他に、第２の使用周波数帯（例えば、２ＧＨｚ）に対応できる、いわゆるデュアルバンド対応型による構成であってもよいし、更に、第３の使用周波数帯以上にも対応できる複数バンド対応型により構成されていてもよい。
【００６７】
通信処理部６２は、メインアンテナ６１によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号をＣＰＵ７０に供給し、一方、ＣＰＵ７０から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ６１を介して外部装置（基地局）に送信する。
【００６８】
電源回路部９０は、充電池８０から供給される電源電圧を所定の電圧値に変圧し、変圧後の電源電圧を通信部６０やＣＰＵ７０等に供給する。
【００６９】
操作部１１は、回転ダイヤル部４１と、他の操作部材としての機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５と、を有する。
表示部としてのディスプレイ２１は、実行中の機能に関連する画像を表示可能である。
【００７０】
メモリ１００は、ＣＰＵ７０にて実行される多数のプログラム、所定のパラメータや各種テーブル等を記憶する。具体的には、メモリ１００は、ＣＰＵ７０にて起動、終了、中断等がなされる多数のアプリケーションプログラムや、これら複数のアプリケーションにて使用されるパラメータ、複数のアプリケーションプログラムを動作させるためのＯＳプログラム等を記憶する。複数のアプリケーションプログラムには、基準アプリケーション、ミュージック・プレーヤー、カメラ、メール等の携帯電話機１が有するアプリケーションごとのアプリケーションプログラムが含まれる。
【００７１】
また、メモリ１００は、回転量―機能テーブル記憶部１１０と、機能群テーブル記憶部１２０と、使用状態記憶部１３０と、を有する。
回転量―機能テーブル記憶部１１０は、機能指定部７２にて検出される回転量（カウント数）と複数の機能（アプリケーション）との対応関係を示す回転量―機能テーブル（１１１、１１２）を記憶する。回転量―機能テーブル（１１１、１１２）は、回転ダイヤル部４１の回転方向及び回転量に対応して振り分けられた機能（アプリケーション）を示すテーブルである。
図９Ａ及び図９Ｂに示すように、回転量―機能テーブル記憶部１１０は、回転ダイヤル部４１が回転ａ方向に回転された場合における第１テーブル１１１及び回転ダイヤル部４１が回転ｂ方向に回転された場合における第２テーブル１１２を記憶する。
【００７２】
図１０に示すように、機能群テーブル記憶部１２０は、機能群テーブル１２１を記憶する。機能群テーブル１２１は、操作部材としての回転ダイヤル部４１や、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５により指定可能に割り当てられているか否かの情報を含む。具体的には、機能ごとに、回転ダイヤル部４１により指定可能に割り当てられているか否かの情報、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５により指定可能に割り当てられているか否かの情報を含む。機能群テーブル１２１は、後述する切り替え指示部７５により参照される。
【００７３】
使用状態記憶部１３０は、切り替え指示部７５により、機能実行部７３に対して実行する機能を第１機能から第２機能へ切り替えるよう指示がなされた場合、第１機能の使用状態に関する情報（後述するサスペンド情報テーブルに相当する）を記憶する。つまり、使用状態記憶部１３０は、実行中の機能が第１機能から他の第２機能に切り替えられた場合、切り替え前における第１機能の使用状態に関する使用状態情報を記憶する。これにより、第２機能に切り替えられた後、再度、第１機能に戻された場合、第２機能に切り替えられる前の画像、状態で第１機能を再開又は再起動させることができる。
【００７４】
また、使用状態記憶部１３０には、後述する機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され機能指定部７２により第２機能が指定された場合において、第１機能が回転ダイヤル部４１の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれる場合には第１機能の使用状態に関する情報が記憶され、第１機能が機能群に含まれない場合には第１機能の使用状態に関する情報が記憶される。
【００７５】
本実施形態において、回転ダイヤル部４１によって、該回転ダイヤル部４１に指定可能に割り当てられた第１機能から、同じく該回転ダイヤル部４１に指定可能に割り当てられた第２機能に切り替えられた場合、使用状態記憶部１３０には、第１機能における切り替える前の状態に関する使用状態情報が記憶される。逆に、回転ダイヤル部４１によって、回転ダイヤル部４１に指定可能に割り当てられていない第１機能から、該回転ダイヤル部４１に指定可能に割り当てられた第２機能に切り替えられた場合、使用状態記憶部１３０には、第１機能における使用状態情報が記憶されない。
つまり、第１機能が回転ダイヤル部４１では切り替えることができない機能である場合、使用状態記憶部１３０には、第１機能における使用状態情報が記憶されない。
【００７６】
また、使用状態記憶部１３０に記憶される各機能における使用状態情報は、所定のタイミングで消去される。例えば、使用状態記憶部１３０に記憶される各機能における使用状態情報は、記憶されてから所定時間経過後や、所定の操作の終了後や、回転ダイヤル部４１による連続した機能の切り替えから所定時間経過後や、通話処理がなされた後等の所定のタイミングで消去される。
【００７７】
ＣＰＵ７０は、回転ダイヤル部４１から供給される回転量に応じて各種機能に対する起動処理を行う。
ここで、ＣＰＵ７０の構成と動作について説明する。
ＣＰＵ７０は、回転ダイヤル部４１へ導電体（例えば、ユーザの指）が接触したことを検出する接触検出部７１と、機能指定部７２と、機能実行部７３と、切り替え指示部７５と、表示制御部７８とを備える。
【００７８】
接触検出部７１は、回転ダイヤル部４１の内部に配置されるタッチセンサ２００により検出される静電容量の変化により、回転ダイヤル部４１に所定の導電体が接触しているかを検出する。言い換えると、接触検出部７１は、タッチセンサ２００により検出される静電容量の変化により、回転ダイヤル部４１に所定の導体が接触している接触状態であるか、回転ダイヤル部４１に所定の導体が接触していない非接触状態であるかを検出する。
接触検出部７１は、タッチセンサ２００により検出される静電容量の変化に基づいて所定の導電体が回転ダイヤル部４１に接触していることを検出した場合、機能指定部７２と、機能実行部７３と、切り替え指示部７５とに検出信号を出力する。
【００７９】
機能指定部７２は、回転ダイヤル部４１における回転に基づいて、複数の機能のうち所定の機能を実行する機能として指定する。機能指定部７２は、接触検出部により接触が検出された状態における回転ダイヤル部４１の回転に基づいて実行する機能を指定する。
【００８０】
機能指定部７２は、回転ダイヤル部４１における回転量を検出する。
機能指定部７２は、接触検出部７１からの検出信号を受信することで、回転ダイヤル部４１における回転を検出可能な状態になる。機能指定部７２は、接触検出部７１からの検出信号を受信しなくなるか又は非検出信号を受信するまで、回転ダイヤル部４１における回転を検出可能な状態で維持される。
【００８１】
機能指定部７２は、上述の通り、カウント部４４にカウントされた位置ポイント４３ａから４３ｈの数により回転ダイヤル部４１における回転量を検出する。例えば、回転ａ方向を＋とした場合において、カウント部４４における位置ポイントのカウント数が「＋１」である場合、機能指定部７２は、回転量を２２．５度から６７．５度であることを検出する。そして、機能指定部７２は、一定時間（例えば、１から２秒）カウント部４４における位置ポイントのカウント数が変化しない場合、当該回転量を確定させる。また、機能指定部７２は、カウント部４４における舌片４４ａの傾き方向によって回転方向を検出する。
【００８２】
機能指定部７２は、検出された回転ダイヤル部４１における回転（回転方向及び回転量）に基づいて、所定の機能を指定する。具体的には、機能指定部７２は、接触検出部７１により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、検出された回転に基づいて機能を指定する。詳細には、機能指定部７２は、接触検出部７１により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、検出された回転に基づいて選択位置のアイコンＩに対応した機能（アプリケーション）を指定する。
【００８３】
機能指定部７２は、メモリ１００に記憶された回転量−機能テーブル（１１１、１１２）を参照して、機能を指定する。詳細には、機能指定部７２は、検出された回転方向により第１テーブル１１１又は第２テーブル１１２のいずれか選択して参照し、検出された回転量により指定する機能を決定する。また、機能指定部７２は、所定の機能を指定した場合、指定機能に関する情報を機能実行部７３に出力する。
【００８４】
ここで、機能指定部７２は、回転ダイヤル部４１における回転動作により実行する機能を指定するほか、他の操作部材としての機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５の動作により実行する機能を指定することができる。
機能指定部７２は、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５における動作により実行する機能を指定する場合、ディスプレイ２１に通信部６０に対する外部からの通信を待ち受ける待ち受け機能に関連する待ち受け画面が表示された状態を介して所定の機能を指定する。
これに対し、上述の通り、機能指定部７２は、回転ダイヤル部４１における回転動作により実行する機能を指定する場合、ディスプレイ２１に待ち受け画面が表示された状態を介することなく所定の機能を指定する。回転ダイヤル部４１によれば、ディスプレイ２１に待ち受け画面が表示された状態を介することなく機能を直接的に切り替えることができる。
【００８５】
機能実行部７３は、機能指定部７２により指定された機能を実行する。
機能実行部７３は、接触検出部７１により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した後、所定時間内に接触検出部７１により再度の接触が検出されない場合には、指定された機能を実行するアプリケーションを起動させる。
【００８６】
機能実行部７３は、第１機能が第２機能に切り替えられた後、回転ダイヤル部４１が操作されたことにより、機能指定部７２により第１機能が再度指定された場合、第２機能を中断又は終了させ、使用状態記憶部１３０に記憶された使用状態に関する情報を読み出して切り替え前と同じ画像（画面）をディスプレイ２１に表示させ、第１機能を再開又は再起動させる。ディスプレイ２１に切り替え前の画像と同じ画像を表示させることで、ユーザは、作業をスムースに再開することができる。
【００８７】
また、機能実行部７３は、第１機能が第２機能に切り替えられた後、回転ダイヤル部４１が操作されたことにより、機能指定部７２により第１機能が再度指定された場合、第２機能を中断又は終了させ、使用状態記憶部１３０に記憶された使用状態に関する情報を読み出して第１機能を切り替え前と同じ状態から再起動させるよう指示する。これにより、切り替え前の作業が無駄にならず、ユーザは、作業をスムースに再開することができる。
【００８８】
機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され、機能指定部７２により第２機能が指定された場合、機能実行部７３は、第１機能が回転ダイヤル部４１の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれる場合には、第１機能を中断（サスペンド状態）又は終了させる。この場合、第１機能における使用状態情報は、使用状態記憶部１３０に記憶される。つまり、この場合、第１機能は、切り替え前と同じ状態で再開又は再起動可能な状態で停止又は終了される。
また、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され、機能指定部７２により第２機能が指定された場合、後述の通り、機能実行部７３は、第１機能が前記機能群に含まれない場合には、第１機能の終了、又は第２機能への切り替えのキャンセルを選択させる選択画像をディスプレイ２１に表示させる。
【００８９】
また、機能実行部７３は、携帯電話機１が電源ＯＮされると、まずＯＳプログラムを立ち上げ、ＯＳ管理下で基準アプリケーションプログラムを起動する。このとき、表示制御部７８はディスプレイ２１に待受画面を表示可能としている。その後、起動すべきアプリケーションが発生する都度、ＯＳ管理下で基準アプリケーションプログラムを終了あるいは中断して新たなアプリケーションプログラムを起動する。この処理に応じて、表示制御部７８は、ディスプレイ２１上に、待受画面に代えて新たに起動したアプリケーションに基づく画面を表示させる。
【００９０】
切り替え指示部７５は、機能指定部７２からの指示に基づいて、機能実行部７３に対して、実行中の機能を他の機能に切り替えるよう指示する。具体的には、切り替え指示部７５は、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、機能指定部７２により第１機能とは異なる第２機能が指定された場合、機能実行部７３に対して、実行中の第１機能を中断又は終了させて、新たに指定された第２機能を実行させることを指示する。
【００９１】
また、切り替え指示部７５は、回転ダイヤル部４１が操作されたことにより、機能指定部７２により第１機能が再度指定された場合、機能実行部７３に対して、第２機能を中断又は終了させるよう指示し、使用状態記憶部１３０に記憶された使用状態に関する情報を読み出して切り替え前と同じ画像をディスプレイ２１に表示させるよう指示し、第１機能を再開又は再起動させるよう指示する。上述の通り、ディスプレイ２１に切り替え前の画像と同じ画像を表示させることで、ユーザには、作業をスムースに再開することができる。
【００９２】
また、切り替え指示部７５は、回転ダイヤル部４１が操作されたことにより、機能指定部７２により第１機能が再度指定された場合、機能実行部７３に対して、第２機能を中断又は終了させるよう指示し、使用状態記憶部１３０に記憶された使用状態に関する情報を読み出して第１機能を切り替え前と同じ状態から再起動させるよう指示する。これにより、上述お通り、切り替え前の作業が無駄にならず、ユーザは、作業をスムースに再開することができる。
【００９３】
また、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され、機能指定部７２により前記第２機能が指定された場合、切り替え指示部７５は、使用状態記憶部１３０に第１機能における使用状態情報を記憶させ、又は記憶させない。具体的には、切り替え指示部７５は、使用状態記憶部１３０に対して、第１機能が回転ダイヤル部４１の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれる場合には、第１機能の使用状態に関する情報を記憶させ、第１機能が機能群に含まれない場合には、第１機能の使用状態に関する情報を記憶させない。つまり、回転ダイヤル部４１の回転動作により再度指定される可能性がある機能については、使用状態記憶部１３０に使用状態情報を記憶させ、回転ダイヤル部４１の回転動作により再度指定されることがない機能については、使用状態記憶部１３０に使用状態情報を記憶させない。ここで、切り替え指示部７５は、図１０に示す機能群テーブル１２１を参照して、第１機能が上記機能群に含まれるか否かを判定する。
【００９４】
また、切り替え指示部７５は、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され、機能指定部７２により第２機能が指定された場合、第１機能が回転ダイヤル部４１の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれるときには、機能実行部７３に対して、第１機能を中断又は終了させる。そして、切り替え指示部７５は、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され、機能指定部７２により第２機能が指定された場合、第１機能が機能群に含まれないときには、表示制御部７８に対して、第１機能の終了、又は第２機能への切り替えのキャンセルを選択させる選択画像をディスプレイ２１に表示させる。
【００９５】
表示制御部７８は、ディスプレイ２１の表示を制御する。接触検出部７１が静電容量の変化に基づいて回転ダイヤル部４１に導電体が接触したことを検出した場合、表示制御部７８は、複数の機能を示す画像を含むメニュー画像Ｍ（画面）をディスプレイ２１に表示する。具体的には、表示制御部７８は、機能指定部７２により指定された機能を示す画像を含むメニュー画像Ｍをディスプレイ２１に表示させる（図１４参照）。
【００９６】
また、表示制御部７８は、起動しているアプリケーションが終了された場合（例えば、オンフックキーが押下げられた場合）、ディスプレイ２１に表示される画像を起動していた機能（アプリケーション）に基づく画像から待ち受け画像（基準画像）に遷移させる。
【００９７】
また、表示制御部７８は、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５における動作により実行する機能を指定する場合、待ち受け画面を介してメニュー画像Ｍ１（図１５参照）を表示させる。表示制御部７８は、回転ダイヤル部４１により実行する機能を指定する場合、待ち受け画面を介することなく、メニュー画像Ｍ（図１４参照）を直接表示させる。
【００９８】
また、機能実行部７３により第１機能が実行されている状態において、回転ダイヤル部４１が回転され、機能指定部７２により第２機能が指定された場合、表示制御部７８は、第１機能が回転ダイヤル部４１により指定可能に割り当てられる機能群に含まれない場合には、第１機能の終了、又は第２機能への切り替えのキャンセルを選択させる選択画像をディスプレイ２１に表示させる。つまり、回転ダイヤル部４１の回転動作により第２機能に切り替えられた後は、回転ダイヤル部４１の回転動作により第１機能に戻すことができないので、選択画像をディスプレイ２１に表示させて、第１機能の終了、又は第２機能への切り替えのキャンセルをユーザに選択させる。この場合、第１機能における使用状態情報は、使用状態記憶部１３０に記憶されない。
【００９９】
次に、図１１から図１３により、本実施形態における携帯電話機１の動作について説明する。
【０１００】
携帯電話機１は、一の機能（アプリケーションＡ）から他の機能（アプリケーションＢ）に切り替えられ、再度、アプリケーションＢからアプリケーションＡに切り替えられた場合に、アプリケーションＡをサスペンドするか終了するかを選択する。ここで、携帯電話機１は、アプリケーションＡをサスペンドした場合には、再度、アプリケーションＢからアプリケーションＡに切り替えられた場合に、アプリケーションＡを再開（リジューム）させる。また、携帯電話機１は、アプリケーションＡを終了した場合には、再度、アプリケーションＢからアプリケーションＡに切り替えられた場合に、アプリケーションＡを再起動させる。
【０１０１】
ここで、アプリケーションの切り替えに応じて機能の切り替え制御を実行するＣＰＵ７０の動作について、図１１に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の実施例では、現在、所定の機能（以下、アプリケーションＡという。）が起動しているものとして説明する。
【０１０２】
ステップＳＴ１において、ＣＰＵ７０は、回転ダイヤル部４１が回転したことを検出する。具体的には、ＣＰＵ７０は、回転ダイヤル部４１の内部に配置されるタッチセンサ２００により検出される静電容量の変化により、回転ダイヤル部４１に所定の導電体が接触しているかを検出する。
【０１０３】
ステップＳＴ２において、ＣＰＵ７０は、ステップＳＴ１の工程による回転ダイヤル部４１の回転に基づいてアプリケーションの切り替えを検出する。具体的には、ＣＰＵ７０は、回転ダイヤル部４１における回転に基づいて、現在起動されているアプリケーションＡ以外のアプリケーション（以下、アプリケーションＢという。）を指定する。
【０１０４】
ステップＳＴ３において、ＣＰＵ７０は、現在起動されているアプリケーションＡは、回転ダイヤル部４１により選択可能なアプリケーションであるか否か、すなわち、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５のみによって選択可能なアプリケーションではないか否かを判断する。回転ダイヤル部４１により選択可能なアプリケーションであると判断された場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ５に進み、回転ダイヤル部４１により選択可能なアプリケーションではないと判断された場合（Ｎｏ）には、ステップＳＴ４に進む。
【０１０５】
ステップＳＴ４において、ＣＰＵ７０は、ユーザにアプリケーションＡを終了してよいか否かを確認する。例えば、ＣＰＵ７０は、ディスプレイ２１に「アプリケーションＡの実行を終了しますか？」等のメッセージをポップアップ表示し、ユーザにその意思を確認する。ＣＰＵ７０は、ユーザの意思表示によりアプリケーションＡの実行を終了すると判断した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ５に進む。また、ＣＰＵ７０は、アプリケーションＡの実行を終了しないと判断した場合（Ｎｏ）には、処理を終了し、アプリケーションＡの実行を継続する。
【０１０６】
ステップＳＴ５において、ＣＰＵ７０は、現在実行中のアプリケーションＡをサスペンドする必要があるか否かを判断する。サスペンドする必要があると判断した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ６に進み、サスペンドする必要がないと判断した場合（Ｎｏ）には、ステップＳＴ７に進む。
【０１０７】
ここで、ＣＰＵ７０は、図１２に示すサスペンド情報テーブルを参照してサスペンドの有無を判断する。サスペンド情報テーブルには、回転ダイヤル部４１に割り当てられている機能（アプリケーション）ごとにサスペンドの有無を決定するフラグ「サスペンド有無フラグ」と、サスペンド中であるか否かを示すフラグ「サスペンド中フラグ」と、サスペンドの情報が保存される「サスペンド情報」により構成されている。また、サスペンド情報テーブルは、例えば、メモリ１００に記憶されている。
【０１０８】
ステップＳＴ６において、ＣＰＵ７０は、現在実行中のアプリケーションＡをサスペンドする。ＣＰＵ７０は、サスペンド情報テーブルの「サスペンド情報」にアプリケーションＡの情報を保存する。ここで、アプリケーションＡがＥメールであれば、画面タイプ（送受信一覧画面、メール作成画面、閲覧画面等）や、表示位置情報や、メール作成情報（件名、ＴＯアドレス（宛先アドレス）、ＣＣアドレス、ＢＣＣアドレス、本文（ＢＯＤＹ）、添付ファイル情報等）等がサスペンド情報として保存される。
【０１０９】
また、ステップＳＴ７において、ＣＰＵ７０は、現在実行中のアプリケーションＡを終了する。
【０１１０】
ステップＳＴ８において、ＣＰＵ７０は、これから起動するアプリケーションＢがサスペンド状態であるか否かをサスペンド情報テーブルの「サスペンド中フラグ」を参照して判断する。サスペンド状態であると判断した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ９に進み、サスペンド状態ではないと判断した場合（Ｎｏ）には、ステップＳＴ１０に進む。
【０１１１】
ステップＳＴ９において、ＣＰＵ７０は、起動対象となっているアプリケーションＢをサスペンド情報テーブルの「サスペンド情報」を参照してリジュームする。したがって、アプリケーションＢは、初期画面からの起動ではなく、前回終了した途中から起動されることになる。
【０１１２】
また、ステップＳＴ１０において、ＣＰＵ７０は、起動対象となっているアプリケーションＢを起動する。したがって、アプリケーションＢは、初期画面から起動されることになる。
【０１１３】
つぎに、上述したＣＰＵ７０の動作に伴うディスプレイ２１に表示される画面遷移の様子について図１３を参照しながら説明する。
【０１１４】
携帯電話機１は、メールアプリケーションが起動され、メールを作成する画面を表示している状態において（１３（ａ））、回転ダイヤル部４１の操作によって、Ｗｅｂブラウザが選択された場合、Ｗｅｂブラウザが画面に表示される（図１３（ｂ））。ここで、携帯電話機１は、Ｗｅｂブラウザに切り替えるときに、メールアプリケーションの「サスペンド有無フラグ」が「ＯＮ」状態になっていることを確認し、メールアプリケーションの状態をサスペンド情報テーブルの「サスペンド中フラグ」に保存する。
【０１１５】
そして、携帯電話機１は、再びユーザの回転ダイヤル部４１による操作によって、メールアプリケーションが選択された場合には、サスペンド情報テーブルの「サスペンド中フラグ」が「ＯＮ」状態になっていることを確認し、「サスペンド情報」を参照してメールアプリケーションをリジュームさせる（図１３（ｃ））。このようにして、携帯電話機１は、切り替える前のメールアプリケーションの状態（図１３（ａ））と、再度切り替えられたときのメールアプリケーションの状態（図１３（ｂ））が同じ状態になる。
【０１１６】
また、携帯電話機１は、Ｗｅｂブラウザが画面に表示されている状態（図１３（ｂ））から、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５によりアプリケーション（以下、アプリＸＸという。）が選択された場合、アプリＸＸが画面に表示される（図１３（ｄ））。なお、アプリＸＸは、機能設定操作ボタン１３及び決定操作ボタン１５のみにより指定可能に割り当てられているアプリケーションである。
【０１１７】
携帯電話機１は、アプリＸＸが表示されている状態において、ユーザの回転ダイヤル部４１による操作によって、メールアプリケーションが選択された場合には、ディスプレイ２１に「アプリケーションＡの実行を終了しますか？」等のメッセージをポップアップ表示し、ユーザにその意思を確認する（図１３（ｅ））。携帯電話機１は、ユーザにより「ＮＯ」が選択された場合には、メールアプリケーションの機能を行わない。また、携帯電話機１は、ユーザにより「ＹＥＳ」が選択された場合には、サスペンド情報テーブルの「サスペンド中フラグ」が「ＯＮ」状態になっていることを確認し、「サスペンド情報」を参照してメールアプリケーションをリジュームさせる（図１３（ｆ））。このようにして、携帯電話機１は、切り替える前のメールアプリケーションの状態（図１３（ａ））と、再度切り替えられたときのメールアプリケーションの状態（図１３（ｆ））が同じ状態になる。
【０１１８】
本実施形態によれば、回転ダイヤル部４１を直接操作することにより、一定条件下において、回転ダイヤル部４１に割り当てられている各種機能を直接的に起動させることができ、従来のようにメインメニューを経由する必要がなく、簡易に所望するアプリケーションを起動することができる。
【０１１９】
また、本実施形態によれば、機能を切り替え可能な携帯電話機１であって、使用性が向上された携帯電話機１を提供することができる。
【０１２０】
また、本実施形態によれば、実行中の第１機能を第２機能に切り替える場合、第１機能の使用状態における使用状態情報が保存される。これにより、第２機能への切り替え前に行っていたユーザの作業（第１機能における）が無駄になることを抑制できる。
【０１２１】
また、本実施形態によれば、第１機能から切り替えられた第２機能を再び第１機能にもどす場合、第１機能における切り替え前の画像と同じ画像（画面）がディスプレイ２１に表示される。このため、ユーザは、中断された作業を違和感なく再開させることができる。
【０１２２】
また、本実施形態によれば、第１機能から切り替えられた第２機能を再び第１機能にもどす場合、第１機能における切り替え前と同じ状態で第１機能を再開させることができる。このため、ユーザは、中断された作業を違和感なく再開させることができる。
【０１２３】
また、本実施形態によれば、回転ダイヤル部４１を用いることで、待ち受け画面が表示された状態を介することなく機能を切り替えることができる。これにより、携帯電話機１における使用性を向上させることができる。
【０１２４】
また、本実施形態によれば、回転ダイヤル部４１によって第１機能から第２機能に切り替えられる際において、第１機能が回転ダイヤル部４１により指定できない機能である場合、切り替え指示部７５は、ディスプレイ２１に対して、切り替えをキャンセルするか／第１機能を終了するかを選択させる選択画像を表示させる。これにより、ユーザは、切り替えをキャンセルするか／第１機能を終了させるかを選択できるので、意に反して第１機能における作業が無駄になることが抑制される。
【０１２５】
また、本実施形態によれば、回転ダイヤル部４１によって第１機能から第２機能に切り替えられる際において、切り替え指示部７５は、第１機能が回転ダイヤル部４１によって指定が可能な機能である場合には第１機能の使用状態に関する情報を記憶させ、回転ダイヤル部４１によって指定ができない場合には第１機能の使用状態に関する情報を記憶させない。これにより、使用状態記憶部１３０は、無駄な情報を記憶することが抑制される。
【０１２６】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、携帯電話機１について説明しているが、これに限定されず、ＰＨＳ（登録商標；Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｈａｎｄｙ ｐｈｏｎｅ Ｓｙｓｔｅｍ）、ＰＤＡ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｄｉｇｉｔａｌ Ａｓｓｉｓｔａｎｔ）ナビゲーション装置等であってもよい。
【０１２７】
また、本実施形態においては、連結部４により折り畳み可能な携帯電話機１の説明をしているが、このような折り畳み式ではなく、操作部側筐体２と表示部側筐体３との重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体２と表示部側筐体３との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転（ターン）式や、操作部側筐体２と表示部側筐体３とが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式（ストレートタイプ）でもよい。また、携帯電話機１は、開閉及び回転可能ないわゆる２軸ヒンジタイプであってもよい。
【０１２８】
また、本実施形態において、回転ダイヤル部４１は、ヒンジ機構４Ａにおける開閉軸と略同軸の回転軸Ｚを中心に回転可能に構成されるが、これに限定されず、ユーザの操作によって回転自在な構成であればよい。例えば、回転ダイヤル部４１は、回転軸Ｚと直交する所定の回転軸を中心に回転可能に構成してもよい。
【０１２９】
また、本実施形態において、回転ダイヤル部４１により選択可能な機能は上述の通りであるが、これに限定されず、例えば、ユーザ自身が頻繁に使用するメニューを登録可能な構成であってもよいし、また、所望のＷｅｂアドレスを登録しておき、当該Ｗｅｂアドレスを回転ダイヤル部４１により選択することによって、Ｗｅｂブラウザが起動して当該ＷｅｂアドレスのＷｅｂページを閲覧できるような構成であってもよい。また、メニューの数も上述した数（７つ）に限定されるものではない。
【０１３０】
また、本実施形態において、機能指定部７２は、カウント部４４によりカウントされた位置ポイントの数に基づいて回転量を検出しているが、これに限定されず、所定のセンサにより回転ダイヤル部４１の回転角度の変化量を回転量として検出してもよい。また、機能指定部７２は、例えば、抵抗率の変化等により回転量を検出する構成にしてもよい。
【符号の説明】
【０１３１】
１ 携帯電話機
２ 操作部側筐体
３ 表示部側筐体
４ ヒンジ機構
１１ 操作部
１３ 機能設定操作ボタン
１５ 決定操作ボタン
２１ ディスプレイ
４１ 回転ダイヤル部
７０ ＣＰＵ
７１ 接触検出部
７２ 機能指定部
７３ 機能実行部
７５ 切り替え指示部
１００ メモリ
１３０ 使用状態記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
筐体と、
前記筐体に所定の回転軸を中心として回転可能に取り付けられる回転ダイヤル部と、
前記回転ダイヤル部の回転動作に基づいて複数の機能のうち指定された機能を実行する機能実行部と、
前記機能実行部により第１機能が実行されている状態において、前記回転ダイヤル部の回転動作により前記第１機能とは異なる第２機能が指定された場合、前記機能実行部に対して、実行中の第１機能を中断又は終了させて、新たに指定された第２機能を実行させることを指示する切り替え指示部と、
前記切り替え指示部により、前記機能実行部に対して実行する機能を前記第１機能から前記第２機能へ切り替えるよう指示がなされた場合、前記第１機能の使用状態に関する情報を記憶する使用状態記憶部と、を備える
携帯電子機器。
【請求項２】
実行中の機能に関連する画像を表示可能な表示部と、を備え、
前記回転ダイヤル部の回転動作により、前記第１機能が再度指定された場合、
前記切り替え指示部は、前記機能実行部に対して、
前記第２機能を中断又は終了させるよう指示し、
前記使用状態記憶部に記憶された前記使用状態に関する情報を読み出して、切り替え前と同じ画像を前記表示部に表示させるよう指示し、
前記第１機能を再開又は再起動させるよう指示する
請求項１に記載の携帯電子機器。
【請求項３】
前記回転ダイヤル部の回転動作により、前記第１機能が再度指定された場合、
前記切り替え指示部は、前記機能実行部に対して、
前記第２機能を中断又は終了させるよう指示し、
前記使用状態記憶部に記憶された前記使用状態に関する情報を読み出して、前記第１機能を切り替え前と同じ状態から再起動させるよう指示する
請求項１又は２に記載の携帯電子機器。
【請求項４】
通信部と、
実行中の機能に関連する画像を表示可能な表示部と、
前記回転ダイヤル部とは異なる操作部材と、をさらに備え、
前記操作部材による実行する機能の指定は、
前記表示部に前記通信部に対する外部からの通信を待ち受ける待ち受け機能に関連する待ち受け画面が表示された状態を介して行い、
前記回転ダイヤル部における回転動作による実行する機能の指定は、
前記表示部に前記待ち受け画面が表示された状態を介することなく所定の機能を指定する
請求項１から３に記載の携帯電子機器。
【請求項５】
前記機能実行部により前記第１機能が実行されている状態において、前記回転ダイヤル部が回転され、前記第２機能が指定された場合、
前記切り替え指示部は、前記使用状態記憶部に対して、
前記第１機能が前記回転ダイヤル部の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれる場合には、前記第１機能の使用状態に関する情報を記憶させ、
前記第１機能が前記機能群に含まれない場合には、前記第１機能の使用状態に関する情報を記憶させない
請求項４に記載の携帯電子機器。
【請求項６】
前記切り替え指示部は、
前記第１機能が前記回転ダイヤル部の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれ、当該第１機能の使用状態に関する情報を記憶させた場合には、前記機能実行部に対して、前記第１機能を中断又は終了させ、
前記第１機能が前記機能群に含まれず、当該第１機能の使用状態に関する情報を記憶させない場合には、前記第１機能の終了、又は前記第２機能への切り替えのキャンセルを選択させる選択画像を前記表示部に表示させる
請求項５に記載の携帯電子機器。
【請求項１】
筐体と、
前記筐体に所定の回転軸を中心として回転可能に取り付けられる回転ダイヤル部と、
前記回転ダイヤル部の回転動作に基づいて複数の機能のうち指定された機能を実行する機能実行部と、
前記機能実行部により第１機能が実行されている状態において、前記回転ダイヤル部の回転動作により前記第１機能とは異なる第２機能が指定された場合、前記機能実行部に対して、実行中の第１機能を中断又は終了させて、新たに指定された第２機能を実行させることを指示する切り替え指示部と、
前記切り替え指示部により、前記機能実行部に対して実行する機能を前記第１機能から前記第２機能へ切り替えるよう指示がなされた場合、前記第１機能の使用状態に関する情報を記憶する使用状態記憶部と、を備える
携帯電子機器。
【請求項２】
実行中の機能に関連する画像を表示可能な表示部と、を備え、
前記回転ダイヤル部の回転動作により、前記第１機能が再度指定された場合、
前記切り替え指示部は、前記機能実行部に対して、
前記第２機能を中断又は終了させるよう指示し、
前記使用状態記憶部に記憶された前記使用状態に関する情報を読み出して、切り替え前と同じ画像を前記表示部に表示させるよう指示し、
前記第１機能を再開又は再起動させるよう指示する
請求項１に記載の携帯電子機器。
【請求項３】
前記回転ダイヤル部の回転動作により、前記第１機能が再度指定された場合、
前記切り替え指示部は、前記機能実行部に対して、
前記第２機能を中断又は終了させるよう指示し、
前記使用状態記憶部に記憶された前記使用状態に関する情報を読み出して、前記第１機能を切り替え前と同じ状態から再起動させるよう指示する
請求項１又は２に記載の携帯電子機器。
【請求項４】
通信部と、
実行中の機能に関連する画像を表示可能な表示部と、
前記回転ダイヤル部とは異なる操作部材と、をさらに備え、
前記操作部材による実行する機能の指定は、
前記表示部に前記通信部に対する外部からの通信を待ち受ける待ち受け機能に関連する待ち受け画面が表示された状態を介して行い、
前記回転ダイヤル部における回転動作による実行する機能の指定は、
前記表示部に前記待ち受け画面が表示された状態を介することなく所定の機能を指定する
請求項１から３に記載の携帯電子機器。
【請求項５】
前記機能実行部により前記第１機能が実行されている状態において、前記回転ダイヤル部が回転され、前記第２機能が指定された場合、
前記切り替え指示部は、前記使用状態記憶部に対して、
前記第１機能が前記回転ダイヤル部の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれる場合には、前記第１機能の使用状態に関する情報を記憶させ、
前記第１機能が前記機能群に含まれない場合には、前記第１機能の使用状態に関する情報を記憶させない
請求項４に記載の携帯電子機器。
【請求項６】
前記切り替え指示部は、
前記第１機能が前記回転ダイヤル部の回転動作により指定可能に割り当てられた機能群に含まれ、当該第１機能の使用状態に関する情報を記憶させた場合には、前記機能実行部に対して、前記第１機能を中断又は終了させ、
前記第１機能が前記機能群に含まれず、当該第１機能の使用状態に関する情報を記憶させない場合には、前記第１機能の終了、又は前記第２機能への切り替えのキャンセルを選択させる選択画像を前記表示部に表示させる
請求項５に記載の携帯電子機器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９Ａ】
【図９Ｂ】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９Ａ】
【図９Ｂ】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【公開番号】特開２０１０−２３２９０５（Ｐ２０１０−２３２９０５Ａ）
【公開日】平成２２年１０月１４日（２０１０．１０．１４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−７７６１３（Ｐ２００９−７７６１３）
【出願日】平成２１年３月２６日（２００９．３．２６）
【出願人】（０００００６６３３）京セラ株式会社 (13,660)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１０月１４日（２０１０．１０．１４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年３月２６日（２００９．３．２６）
【出願人】（０００００６６３３）京セラ株式会社 (13,660)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]