説明

携帯電子機器

【課題】第1筐体および第2筐体を縦開きおよび横開きできる携帯電子機器の横開き状態における良好な操作性が得られる携帯電子機器を提供する。
【解決手段】携帯端末10は、第1筐体20と連結部40とを連結する第1連結軸41が、第1筐体20の操作面20aと、操作面20aとは反対側の外面20bとの間に配置されているため、連結部40が第1筐体20の操作面20aに対して突出せず、横開き状態における使用者の指が連結部40に干渉する虞が少なく、従来に比較して横開き状態における使用者の操作性が向上する。また、携帯端末10は、第1筐体20の平面積に対する操作部21の実効面積を広く確保できるため、操作ボタン21a、21bの大型化や配置間隔を拡大でき、設計の自由度が増す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折りたたみ式の携帯電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、主に操作部を有する第1筐体と、主に液晶画面を有する第2筐体とを、ヒンジ機構を介して開閉可能な折りたたみ式の携帯電子機器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
近年、このような携帯電子機器の液晶画面および操作部を用いて、メールの送受信や、ゲームを行ったり、TV放送を受信したりすることが行われるようになってきた。携帯電子機器のこのような使用態様の多様化に伴い、例えば、メールの送受信やゲームを行う場合には、液晶画面を見ながら片手で操作できるように、下筐体(第1筐体)と上筐体(第2筐体)とを連結部(ヒンジ機構)を介して長手方向へ開いて液晶画面と操作部を縦長にするいわゆる縦開き状態とするのが便利である。一方、ゲームやTV受信の場合には、液晶画面を横長で使用するように、第1筐体と第2筐体とを幅方向(短手方向)へ開くいわゆる横開きとするのが便利である。
【0004】
このため、特許文献1に記載の携帯電子機器である携帯端末においては、ヒンジ機構を介して、第1筐体と第2筐体とを縦方向に開く縦開きおよび横方向に開く横開きが可能となっている。
【特許文献1】特開2006−22899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の携帯端末では、下筐体と連結部とを連結する第1の連結軸が、下筐体の表面から突出した位置に固定されているため、上筐体と連結部とを連結する第2の連結軸を中心として下筐体に対して上筐体を回動させる横開き状態においては、連結部が下筐体の表面(操作面)から突出する。
このため、特許文献1に記載の携帯端末では、横開き状態において、使用者が両手で下筐体を支持するとともに両手で操作部を操作する際に、左手の指が連結部に干渉し、操作性が悪いという問題がある。
【0006】
本発明は、前述した不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、第1筐体および第2筐体を縦開きおよび横開きできる携帯電子機器において、横開き状態における良好な操作性が得られる携帯電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯電子機器は、操作部が設けられた第1筐体と、表示部が設けられた第2筐体と、前記第1筐体および前記第2筐体を連結する連結部と、前記第1筐体と前記連結部とを連結するために、前記操作部が設けられた操作面と、前記操作面とは反対側の面との間に配置され、前記第1筐体と前記連結部との配列方向に沿った第1の方向に対して直交する第2の方向に沿うとともに前記操作面に対して平行な第1連結軸と、前記第2筐体と前記連結部とを連結するために、前記第1連結軸とは異なる向きに配置され、かつ、前記第1筐体における第2の方向に沿った長さの中心から前記第2の方向に沿ってずれた位置に配置された第2連結軸と、を備え、前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に積層された閉じ状態において、前記連結部の表面が前記第1筐体の前記操作面に連続するとともに、前記連結部の表面と前記第2筐体の前記表示部が設けられた表示面とが対面し、前記閉じ状態から前記第1連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する縦開き状態において、前記連結部の表面が前記第2筐体の前記表示面に対面した状態で前記連結部が回動するとともに、前記連結部の表面と前記操作面とが互いに異なる方向を向き、前記閉じ状態から前記第2連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する横開き状態において、前記連結部の表面が前記第1筐体の前記操作面に連続するとともに、前記連結部の表面と前記第2筐体の前記表示面とが互いに異なる方向を向く構成を有している。
【0008】
ここで、第1部材の表面が第1筐体の操作面に連続する形態としては、横開き状態において、第1部材の表面と第1筐体の操作面とが同一平坦面あるいは同一曲面に沿った形態を例示できるが、第1部材の表面と、第1筐体の操作面との間に使用者の指による操作部の操作に支障が生じない程度の段差や隙間を介した形態も本発明に含まれる。
【0009】
本発明においては、第1連結軸が、第1筐体の操作部が設けられた操作面と、操作面とは反対側の面との間に配置されているため、連結部の輪郭形状が第1筐体の操作面に対して突出しないように形成できることになる。
すなわち、本発明においては、連結部が第1筐体の操作面に対して突出しないため、横開き状態において使用者の指が連結部に干渉する虞が少なく、従来に比較して横開き状態における使用者の操作性が向上する。
さらに、本発明においては、連結部が第1筐体の操作面に対して突出しないため、第1筐体の平面積に対する操作部の実効面積を広く確保でき、これに伴い、操作ボタンの大型化や配置間隔の拡大が可能になり、設計の自由度が増す。
【0010】
そして、本発明においては、第1連結軸を収容する連結部の第1部材の表面が、横開き状態において第1筐体の操作面に連続するため、動画鑑賞・ゲーム等、横開き状態における操作部の操作性がさらに向上することとなる。
【0011】
また、本発明の携帯電子機器は、前記連結部が、前記第1連結軸に軸通される第1部材と、前記第2連結軸に軸通される第2部材とを有し、前記第1筐体支持部および前記第1部材のうちの少なくとも一方が前記第1筐体の第2の方向に沿って複数、かつ、所定間隔を空けて設けられているとともに、前記第1筐体支持部および前記第1部材のうちの他方を挟み込むように配置された構成を有している。
【0012】
本発明においては、第1筐体に設けられて第1連結軸に軸通される第1筐体支持部または連結部に設けられて第1連結軸に軸通される第1部材のうちの少なくとも一方が複数とされ、これらにより他方を挟む構造としたので、第1連結軸の両端部が支持されることになり、第1連結軸が片方の端部のみを支持される場合に比較して第1連結軸に必要とされる強度を低く設定できることになる。
すなわち、本発明においては、第1連結軸を小径化できるため、連結部を薄型化、小型化でき、これによっても連結部が第1筐体の操作面に対して突出しないように形成できる。
【0013】
また、本発明の携帯電子機器は、前記第2部材が、前記第1部材の前記表面から突出する構成を有している。
【0014】
本発明においては、第2連結軸が、連結部の第1部材の表面から突出する第2部材に支持されるので、第1連結軸と第2連結軸とが段違いになり、これにより第1筐体の平面積を広く確保できる。
【0015】
また、本発明の携帯電子機器は、前記第2部材が、前記第1部材の表面から前記第1部材の表面に対する頂部まで斜面を有する構成を有している。
【0016】
本発明においては、第2部材が第1部材の表面から斜面を有しているので、横開き状態における使用者の指に対する第2部材の干渉を小さくでき、操作性が向上する。
【0017】
また、本発明の携帯電子機器は、前記斜面が凹状の円弧面である構成を有している。
【0018】
本発明においては、横開き状態における使用者の指に対する第2部材の干渉を最小にでき、操作性が更に向上する。
【0019】
また、本発明の携帯電子機器は、前記斜面に設けられた凹部と、前記第2筐体に設けられ、前記凹部に挿入可能な凸部と、を有し、前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に積層された閉じ状態、および前記第1連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する縦開き状態において、前記凹部に前記凸部が挿入され、前記第2連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する横開き状態において、前記凹部から前記凸部が引き抜かれる構成を有している。
【0020】
本発明においては、閉じ状態および縦開き状態において、連結部を構成する第2部材の斜面に設けられた凹部に対して、第2筐体に設けられた凸部が挿入されるので、閉じ状態および縦開き状態において第2回動軸と協働して第2筐体と連結部との相対位置を確実に維持できる。
【0021】
すなわち、本発明においては、閉じ状態および縦開き状態において、第2回動軸に加わる負荷を低減できるため、第2回動軸や第2回動軸を支持する連結部あるいは第2筐体の内部構造が破損する虞を少なくできる。
そして、本発明においては、第2回動軸や第2回動軸を支持する連結部あるいは第2筐体に必要とされる強度が低いため、第2回動軸を小径化できるとともに、連結部および第2筐体の厚みを小さくでき、携帯電子機器の全体形状を小型化できる。
【0022】
また、本発明の携帯電子機器は、前記第1筐体支持部が複数設けられているとともに、前記第1部材が前記第1筐体支持部に挟まれている構成を有している。
【0023】
本発明においては、第1部材が複数の第1筐体支持部に挟まれているので、第1筐体の側端面に対して第1筐体支持部の端面を同一面にできることになる。
このため、本発明においては、第1筐体および第2筐体が相対的に積層された閉じ状態から、第1連結軸を中心として第1筐体および第2筐体が相対的に回動する縦開き状態に移行させるために、例えば第1連結軸の端部にワンプッシュオープナの操作ボタンを配置した場合、使用者が片手で第1筐体を保持した状態のまま、第1筐体を保持した手の指で操作ボタンを押しても操作ボタンの周部、すなわち第1筐体支持部の端面が第1筐体に対して回動する第2筐体に追従しないことになる。
従って、本発明においては、第1連結軸の端部にワンプッシュオープナの操作ボタンを配置した場合であって、良好な操作ボタンの操作性が得られる。
【0024】
さらに、本発明の携帯電子機器は、前記第1筐体および前記第2筐体の相対位置を保持するための保持手段が前記第2部材に収容されている構成を有している。
【0025】
本発明においては、閉じ状態を保持するための保持手段が第2部材に収容されているため、第1筐体あるいは第2筐体を薄型化できる。
【0026】
また、本発明の携帯電子機器は、前記第1筐体の前記操作部が設けられた操作面における前記連結部と連結される側と反対側に設けられた第1係合部と、前記第2筐体の前記表示部が設けられた表示面における前記第1係合部と対面する位置に設けられて前記第1係合部に係合可能な第2係合部とを有し、前記第1係合部および前記第2係合部のうちの一方が開口部であるとともに、前記第1係合部および前記第2係合部のうちの他方が前記開口部に挿入されて係合可能な係合爪であり、前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に積層された閉じ状態、および前記第1連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する縦開き状態において、前記開口部および前記係合爪が係合されず、前記第2連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する横開き状態において、前記開口部および前記係合爪が係合される構成を有している。
【0027】
本発明においては、閉じ状態では、第1筐体の操作面に設けられた第1係合部と、第2筐体の表示面に設けられた第2係合部とが相互に係合しないので、閉じ状態から第1連結軸を中心として縦開きに開く際に、障害とならない。
また、本発明においては、閉じ状態から第2連結軸を中心として横開き状態とした際には、第1筐体に対して第2筐体が第2連結軸を中心として回動を開始すると、第1係合部と第2係合部とが係合されるので十分な強度が得られ、安定して横開き状態を取り得る。
【0028】
さらに、本発明の携帯電子機器は、前記第2筐体の前記第1の方向の端部にアンテナを備えた構成を有している。
【0029】
本発明においては、第2筐体の第2連結軸側の長手方向端部にアンテナを備えているため、操作部の面積を広く確保できるとともに、横開き状態における良好な受信感度や送信効率が得られ、通信特性が向上する。
【0030】
また、本発明の携帯電子機器は、操作部を備えた第1筐体と、表示部を備えた第2筐体と、前記第1筐体と前記第2筐体とを回動可能に連結する連結部と、前記第1筐体と前記第2筐体とを長手方向に回動可能にする第1連結軸と、前記第1筐体と前記第2筐体とを前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に回動可能にする第2連結軸と、を備え、前記第1筐体と前記第2筐体とが積層された閉じ状態において、前記第1連結軸は、前記第2連結軸よりも前記第1筐体の厚み方向において下側に位置し、前記連結部は、前記第1連結軸に軸通される第1部材と、前記第2連結軸に軸通される第2部材とを有し、前記第2部材は、前記第1部材の前記表面から突出し、前記第1部材の表面から前記第2部材の頂部まで斜面を有する構成を有している。
【0031】
本発明においては、前記第2部材が、頂部まで斜面を有するため、横開き状態における操作部を操作する使用者の指が第2部材に干渉しにくい。
【0032】
さらに、本発明の携帯電子機器は、操作部を備えた第1筐体と、表示部を備えた第2筐体と、前記第1筐体と前記第2筐体とを回動可能に連結する連結部と、前記第1筐体と前記第2筐体とを長手方向に回動可能にする第1連結軸と、前記第1筐体と前記第2筐体とを前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に回動可能にする第2連結軸と、を備え、前記第1筐体と前記第2筐体とが積層された閉じ状態において、前記第1連結軸は、前記第2連結軸よりも前記第1筐体の厚み方向において下側に位置し、前記連結部は、前記第1連結軸に軸通される第1部材と、前記第2連結軸に軸通される第2部材とを有し、前記第2部材は、前記第1筐体の短手方向の中心よりも前記第2筐体側のみに位置する構成を有している。
【0033】
本発明においては、第2部材が、第1筐体の短手方向の中心よりも第2筐体側のみに位置するため、横開き状態における操作部を操作する使用者の指が第2部材に干渉しにくい。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、横開き状態において使用者の指が連結部に干渉する虞が少なく、従来に比較して横開き状態における使用者の操作性が向上する携帯電子機器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態の携帯電子機器について、図面を用いて説明する。
図1は本発明にかかる第1実施形態である携帯電子機器の横開き状態を示す斜視図、図2は携帯電子機器の縦開き状態を示す斜視図、図3は携帯電子機器の閉じ状態を示す斜視図、図4は連結部の分解斜視図、図5は図4中V−V位置の断面図、図6は図4中VI−VI位置の断面図、図7は第1係合部および第2係合部を示す分解斜視図である。
【0036】
図1〜図3に本発明の第1実施形態を示す。第1実施形態の携帯電子機器としての携帯端末10は、矩形箱状の第1筐体20と、矩形箱状の第2筐体30と、第1筐体20および第2筐体30を連結する連結部40とを有している。
この携帯端末10は、第1筐体20および連結部40が第1連結軸41を介して連結されているとともに、第2筐体30および連結部40が第2連結軸42を介して連結されている。
【0037】
なお、以下に示す第1実施形態において、第1筐体20と連結部40との配列方向に沿った第1筐体20の第1の方向を長手方向と称し、第1の方向に対して直交する第1筐体20の第2の方向を短手方向と称し、長手方向および短手方向に対して直交する方向を第1筐体20の厚み方向と称する。
そして、第2筐体30における長手方向、短手方向、厚み方向は、第1筐体20における長手方向、短手方向、厚み方向と同様に称する。
【0038】
そして、携帯端末10は、第1筐体20および第2筐体30が相対的に積層された閉じ状態(図3の状態)と、閉じ状態から第1連結軸41を中心として第1筐体20に対して第2筐体30および連結部40が一体となって回動する縦開き状態(図2の状態)と、閉じ状態から第2連結軸42を中心として第1筐体20に対して第2筐体30が回動する横開き状態(図1の状態)とを取り得る。
【0039】
第1筐体20は、携帯端末10を使用者が使用する際に片手または両手で把持する部分であり、数字や文字を入力するための入力キー群21aと、各種設定や機能の切替えを行うための機能キー群21bとを備えた操作部21が操作面20aに設けられている。
【0040】
第1筐体20は、長手方向に沿った一方の端部(機能キー群21b側の端部)に一対の第1筐体支持部24a、24bが設けられているとともに、長手方向に沿った他方の端部の操作面20aにマイクロフォン22が設けられている。
マイクロフォン22は、携帯端末10を電話として使用するために縦開き状態とした際に使用者の音声を集音するためのものである。
【0041】
第1筐体支持部24a、24bは、略U字状の端面が第1筐体20の側端面に対して連続するように、第1筐体20の短手端面から長手方向に突設され、第1筐体20の短手方向に沿って切欠き23を介して所定間隔で配置されている。
これらの第1筐体支持部24a、24bは、第1筐体20の操作面20aと、操作面20aとは反対側の外面20bとに対して突出しない。
【0042】
なお、第1筐体支持部24aの端面には、携帯端末10を閉じ状態から縦開き状態に移行させるための機構であるワンプッシュオープナの操作ボタン41aが配置されている。
ワンプッシュオープナは、第1筐体20および連結部40間に掛け渡された内蔵スプリング(図示せず)を圧縮状態から伸張状態に開放させることにより、携帯端末10を閉じ状態から縦開き状態に移行させる機構である。
【0043】
第1筐体20は、第1連結軸41の両端部が第1筐体支持部24a、24bに支持されるため、換言すれば操作面20aと、操作面20aとは反対側の外面20bとの間において、第1筐体20と連結部40との配列方向に沿った長手方向(第1の方向)に対して直交する短手方向(第2の方向)に沿うとともに操作面20aに対して平行に第1連結軸41が配置されることになる。
このため、第1筐体20は、第1連結軸41を収容するための突起を操作面20aに設ける必要性がなく、操作面20aが平坦となっている。
【0044】
第2筐体30は、閉じ状態(図3の状態)において第1筐体20の操作面20aに対面する表示面30aにLCD等の主表示部31が設けられているとともに、表示面30aとは反対側の外面30bに副表示部35が設けられている。
主表示部31は、縦開き状態および横開き状態においてゲームやTV放送の表示画面として使用される。
【0045】
第2筐体30は、表示面30aにおける長手方向に沿った一方の端部に、縦開き状態において電話として使用する際に、使用者の耳に当接させることにより送信された音声等を発する発音部33が設けられているとともに、長手方向に沿った他方の端部(連結部40側)に窪み32およびアンテナ37(図1参照)が設けられている。
アンテナ36は、第2筐体30に内蔵されている。
【0046】
図4にも示すように、連結部40は、第1連結軸41に挿通される略筒状の第1部材43と、第1部材の外側に設けられた第2部材45とを有している。
第1部材43は、縦開き状態および横開き状態において、第1筐体20の操作面20aに対して段差等が生じることなく連続した面となる表面43aを部分的に有する略円筒形状とされている。
【0047】
第1部材43は、第1筐体20の第1筐体支持部24a、24b間の切欠き23に収容可能とされ、第1連結軸41に軸通されることにより、第1連結軸41を中心として第1筐体20に対して回動可能となっている。
この第1部材43は、携帯端末10が縦開き状態あるいは横開き状態において、第1筐体20の操作面20aに対して突出しない形状、直径寸法を有している。
なお、表面43aとしては、操作面20aの表面形状に対応して、例えば平坦面、円弧面、曲面等を例示でき、表面43aに別途表示部や操作ボタン等を配置してもよい。
【0048】
第2部材45は、表面43aから第1部材43の母線に沿って第1部材43の一端面から遠ざかる所定位置まで突出するとともに、第1部材43の径方向に沿って突出する略水滴状の端面を有する形状とされ、第1部材43の表面43aから第2部材45の頂部45aまで斜面45bが連続している。
すなわち、第2部材45は、第1筐体20の短手方向に沿った長さの中心から短手方向に沿ってずれた第2筐体30側のみに位置する。斜面45bは、凹状の円弧面とされている。
第2部材45は、第2筐体30の窪み32に収容され、第2筐体30の長手方向に沿う第2連結軸42に軸支される。
【0049】
従って、連結部40は、第1連結軸41および第2連結軸42が互いに異なる面に沿うとともに、互いに異なる方向に向けて配置された、いわゆる段違いに配置されている。
換言すれば、閉じ状態において、第1連結軸41は、第2連結軸42よりも第1筐体20および第2筐体30の厚み方向において下側に位置する。
そして、連結部40は、第1連結軸41を中心として第1筐体20に対して回動可能とされ、第2連結軸42を中心として第2筐体30に対して回動可能とされている。
【0050】
このような連結部40は、第2部材45の斜面45bに凹部46が設けられている。
凹部46は、第1部材43の軸線に向かって形成されたスリットとされ、第2筐体30に固定されて窪み32から露出する凸部36aが挿入可能となっている(図1参照)。
図5にも示すように、凸部36aは、板金形成された係合部材36の一部とされ、凹部46に挿入可能な略板状であるとともに、片面に係止凹部36cが設けられている。係合部材36は、第2回動軸42に連結されているとともに、第2筐体30の内部にネジ36bにより固定されている。
【0051】
従って、携帯端末10は、閉じ状態および縦開き状態において、凹部46に凸部36aが挿入されるため、閉じ状態および縦開き状態における連結部20と第2筐体30との連結強度を確保でき、第2連結軸42に加わる負荷を低減できる。
【0052】
図5にも示すように、連結部40は、第2部材の内部に第1保持手段60が収容されている。第1保持手段60は、凹部46の一方の内側面46aに設けられた丸穴46bと、丸穴46bに連続するとともに第2部材45の内部に設けられた円筒状の空間47と、空間47に収容される球体47aおよびスプリング47bとを有している。
空間47は、丸穴46bの内径寸法よりも大きな内径寸法を有している。球体47aの直径寸法は、丸穴46bの内径寸法よりも大きく、かつ、空間47の内径寸法よりも小さい。
従って、球体47aは、丸穴46bから凹部46内に脱落することなく、スプリング47bの弾性により内側面46aから一部が弾性的に突出する。
【0053】
従って、携帯端末10は、使用者が横開き状態から閉じ状態に移行させると、スプリング47bを圧縮させながら球体47aを丸穴46b内に押し込みつつ、爪部材36の凸部36aが連結部40の凹部46に挿入され、凸部36aの係止凹部36cが球体47aに達すると、スプリング47bにより球体47aが係止凹部36cに嵌合する。
これにより、携帯端末10は、使用者が横開き状態から閉じ状態に移行させると、第1保持手段60により、球体47aが係止凹部36cに嵌合した際のクリック音により、横開き状態から閉じ状態への移行が完了したことを使用者に報知するとともに、一定以上の力を加えない限り閉じ状態から横開き状態に移行しないように、第1筐体20および第2筐体30の相対位置を保持する。
【0054】
図4に戻って、第2部材45は、第2連結軸42を回動可能に軸支する円形断面の軸受穴45cが設けられている。
第2連結軸42は、先端部には周方向に連続する溝42aが設けられており、溝42aが露出するように先端部が軸受穴45cから突出している。第2連結軸42は、溝42aに取り付けられたCリング48により、第2部材45から脱落することなく軸受穴45cに挿通されている。
【0055】
図4および図6に示すように、第2部材45は、軸受穴45cの内周面に一部連続する略直方体形状のバネ収納空間45dが設けられている。バネ収納空間45dは、第2部材45における第2筐体30とは反対側に開口している。
バネ収納空間45dは、軸受穴45c側から順に、第2保持手段70の一部として平板状の外板49a、第1の板バネ49b、第2の板バネ49c、平板状の中板49d、第3の板バネ49e、第4の板バネ49fが積層された状態で収納されている。
【0056】
外板49aは剛性の高い平板であり、バネ収納空間45dと軸受穴45cとを連通させる矩形状の連通開口の縦横寸法よりも大きな縦横寸法を有している。
第1の板バネ49bおよび第2の板バネ49cは、外板49a側に膨らむ円弧状をしたバネ部材であり、第1の板バネ49bの外側面が外板49aに押し付けられた状態で重ねられている。
中板49dは、剛性の高い平板である。
第3の板バネ49eおよび第4の板バネ49fは、中板49dとは反対側に膨らむ円弧状をしたバネ部材であり、第4の板バネ49fの外側面がバネ収納空間45dの内面に押し付けられる状態で重ねられている。
【0057】
第2の板バネ49cおよび第3の板バネ49eは、当該間に中板49dが介装されているため、中板49dの面方向に沿って相対的に位置ずれが生じても、外板49aに対して一定以上の弾性力が確実に伝達可能となっている。
また、第1の板バネ49b、第2の板バネ49c、第3の板バネ49e、第4の板バネ49fは、外板49aにより第2連結軸42の外側から軸線に向かって常に一定の弾性力で加えている。
【0058】
そして、外板49aは、横開き状態において第2連結軸42の外周面に対して母線接触し、閉じ状態および縦開き状態において第2連結軸42の平坦部42bに対して面接触する。
従って、携帯端末10は、使用者が横開き状態から閉じ状態に移行させると、第2保持手段70により、外板49aが第2連結軸42の平坦部42bに対して面接触したときに、第2連結軸42を中心として第1筐体20に対する第2筐体30を回動させるために必要な力が変動するため、使用者に対して横開き状態から閉じ状態への移行が完了したことを感触で報知するとともに、一定以上の力を加えない限り閉じ状態から横開き状態に移行しないように、第1筐体20および第2筐体30の相対位置を保持する。
【0059】
このような第2部材45は、バネ収納空間45dの開口と、前述した空間47の開口とが蓋部材51に覆われている。
蓋部材51は、ネジ52により第2部材45の側面に取り付けられているとともに、第2連結軸42の端部とともにカバー部材53に覆われている。
【0060】
図7に示すように、第1筐体20に設けられている第1係合部25は、係合爪61と、この係合爪61を保持する保持部62と、係合爪61が保持部62から脱落するのを防止するストッパ63と、第1筐体磁石64とを有している。
係合爪61は、第1筐体20から第2筐体30に突出する第1突出部65と、第1突出部65に接続されて交差する方向に延びる第2突出部66とを有している。
【0061】
また、第2筐体30に設けられている第2係合部34は、開口71を有し、開口71内部において回動自在に設けられ第1突出部65を収容するとともに内部に磁石がインサート成型されている第1収容部72と、第2筐体30と一体で回動し第2突出部66を収容する開口部73aを有する第2収容部73と、第2収容部73を回転させて、第1収容部72の開口の向きと第2収容部73の向きを合わせるリターンスプリング74とを有している。
【0062】
従って、携帯端末10は、閉じ状態において、第1収容部72にインサート成型されている磁石の磁力により、係合爪61が第2係合部34の方向へ突出する。この状態では、第1係合部25と第2係合部34とは、係合していない。
この状態から第2連結軸42を中心として第2筐体30を横開きに回動させると、第2収容部73が第2筐体30と一体で回転して開口部73aにより係合爪61の第2突出部66を係止する。すなわち、第1係合部25と第2係合部34とが係合する。
【0063】
これにより、閉じ状態では、第1筐体20の第1係合部25と、第2筐体30の第2係合部34とが相互に係合しないので、閉じ状態から第1連結軸41を中心として縦開きに開く際に、障害とならない。
また、閉じ状態から第2連結軸42を中心として横開きに開く際には、第2筐体30が第2連結軸42を中心として回動を開始すると、第1係合部25と第2係合部34とが係合されるので十分な強度が得られ、安定して横開きを行うことができる。
【0064】
第1実施形態の携帯端末10は、閉じ状態において連結部40の表面43aが第1筐体20の操作面20aに連続するとともに、連結部40の表面43aと第2筐体30の表示面30aとが対面し、縦開き状態において連結部40の表面43aが第2筐体30の表示面30aに対面した状態で連結部40が回動するとともに、連結部40の表面43aと第1筐体20の操作面20aとが互いに異なる方向を向き、横開き状態において連結部40の表面43aが第1筐体20の操作面20aに連続するとともに、連結部40の表面43aと第2筐体30の表示面30aとが互いに異なる方向を向く構成となっている。
【0065】
以上、説明した第1実施形態の携帯端末10によれば、第1連結軸41が、第1筐体20の操作部21が設けられた操作面20aと、操作面20aとは反対側の外面20bとの間に配置されているため、連結部40が第1筐体20の操作面20aに対して突出しないように形成できる。
すなわち、携帯端末10によれば、連結部40が第1筐体20の操作面20aに対して突出しないため、横開き状態において使用者の指が連結部40に干渉する虞が少なく、従来に比較して横開き状態における動画鑑賞・ゲーム等の操作部21を操作する使用者の操作性が向上する。
【0066】
さらに、携帯端末10によれば、連結部40が第1筐体20の操作面20aに対して突出しないため、第1筐体20の平面積に対する操作部21の実効面積を広く確保でき、これに伴い、操作ボタン21aの大型化や配置間隔の拡大が可能になり、設計の自由度が増す。
【0067】
また、携帯端末10によれば、第1筐体20に設けられた一対の第1筐体支持部24a、24bが連結部40を構成する第1部材43を挟み込む構造であるため、第1連結軸41の両端部が支持されることになり、第1連結軸41が片方の端部のみを支持される場合に比較して第1連結軸41に必要とされる強度を低く設定できることになる。
すなわち、携帯端末10によれば、第1連結軸41を小径化できるため、連結部40を薄型化、小型化でき、これによっても連結部40が第1筐体20の操作面20aに対して突出しないように形成できる。
【0068】
さらに、携帯端末10によれば、横開き状態において連結部40を構成する第1部材43の表面43aが第1筐体20の操作面20aに連続するため、動画鑑賞・ゲーム等、横開き状態における操作部21の操作性がさらに向上する。
【0069】
また、携帯端末10によれば、連結部40を構成する第1部材43および第2部材45により第1連結軸41および第2連結軸42が互いに異なる面に沿う段違いに配置されているため、これにより第1筐体20の平面積を広く確保できる。
【0070】
さらに、携帯端末10によれば、第2部材45が、第1部材43の表面43aから第1部材43の表面43aに対する頂部まで連続する斜面45bを有するため、横開き状態における使用者の指に対する第2部材45の干渉を小さくでき、操作部21の操作性が向上する。
【0071】
その上、携帯端末10によれば、第2部材45の斜面45bが凹状の円弧面であるため、横開き状態における使用者の指に対する第2部材45の干渉を最小にでき、操作部21の操作性が更に向上する。
【0072】
そして、携帯端末10によれば、閉じ状態、縦開き状態、横開き状態において適宜挿脱可能な凹部46および凸部36aが設けられているため、閉じ状態および縦開き状態における連結部20と第2筐体30との連結強度を確保でき、第2連結軸42に加わる負荷を低減できる。
【0073】
さらに、携帯端末10によれば、一対の第1筐体支持部42a、42bに連結部支持部である第1部材43が挟まれているため、第1筐体20の側端面に対して第1筐体支持部42a、42bの端面を同一面にできる。
すなわち、携帯端末10によれば、使用者が片手で第1筐体20を保持した状態のまま、第1筐体20を保持した手の指でワンプッシュオープナの操作ボタン41aを押しても操作ボタン41aの周部、すなわち第1筐体支持部42aの端面が第2筐体30に追従して回動せず、良好な操作ボタン41aの操作性が得られる。
【0074】
また、携帯端末10によれば、閉じ状態において、第1筐体20および第2筐体30の相対位置を保持するための第1保持手段60および第2保持手段70が第2部材45に収容されているため、第1筐体20あるいは第2筐体30を薄型化できる。
【0075】
さらに、携帯端末10によれば、閉じ状態において第1筐体20の操作面20aに設けられた第1係合部25と、第2筐体30の表示面30aに設けられた第2係合部34とが相互に係合しないので、閉じ状態から第1連結軸41を中心として縦開きに開く際に、障害とならない。
また、携帯端末10によれば、閉じ状態から第2連結軸42を中心として横開きに開く際には、第1係合部25と第2係合部34とが係合されるので十分な強度が得られ、安定して横開きを行うことができる。
【0076】
さらに、携帯端末10によれば、第2筐体30の第2連結軸42側の長手方向端部にアンテナ37を備えているため、操作部21の面積を広く確保できるとともに、横開き状態における良好な受信感度や送信効率が得られ、通信特性が向上する。
【0077】
(第2実施形態)
次に、本発明にかかる第2実施形態の携帯電子機器である携帯端末10Bについて説明する。
図8は第2実施形態の携帯端末の横開き状態を示す斜視図、図9は携帯端末の縦開き状態を示す斜視図、図10は携帯端末の閉じ状態を示す斜視図である。
なお、以下に説明する第2実施形態において、前述した第1実施形態の携帯端末10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0078】
図8〜図10に示すように、第2実施形態の携帯端末10Bにおいては、連結部40Bに一対の第1部材44A、44Bが設けられているとともに、第1筐体20に1個の第1筐体支持部24Bが設けられ、第1筐体支持部24Bが一対の第1部材44A、44B間に挟み込まれている。
また、携帯端末10Bは、第1実施形態において連結部40に設けた第2部材45に相当する第2部材45Bが第2筐体30に設けられているとともに、第1実施形態において第2筐体30に設けた窪み32に相当する窪み52が連結部40に設けられている。
さらに、携帯端末10Bは、第1実施形態において第1筐体20に設けた第1係合部25が第2筐体30に設けられているとともに、第1実施形態において第2筐体30に設けた第2係合部34が第1筐体20に設けられている。
【0079】
以上、説明した第2実施形態の携帯端末10Bによれば、第1筐体20の操作面20aと、操作面20aとは反対側の外面20bとの間に第1連結軸41が配置されるため、前述した第1実施形態と同様の作用・効果が得られとともに、第2部材45Bが連結部40Bに設けられていないため、第2部材45Bを一層小型化でき、連結部40が第1筐体20の操作面20aに対して突出しない形状に形成できる。
【0080】
なお、本発明の携帯電子機器は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、第1実施形態においては一対の第1筐体支持部24a、24bにより第1部材43を挟み込む形態を例示し、第2実施形態においては一対の第1部材44A,44Bにより第1筐体支持部24Bを挟み込む形態を例示したが、第1筐体支持部および第1部材をそれぞれ複数採用した形態も本発明に含まれる。
【0081】
また、前述した第1実施形態においては、連結部40の表面43aと第1筐体20の操作面20aを連続としたが、これに限らず、連結部40の表面43aと第1筐体20の操作面20aとは使用者の指による操作部21の操作に支障が生じない形状であればよい。
例えば、第1筐体20の厚み方向において、連結部40の表面43aが第1筐体40の操作面43aよりも相対的に低い位置となっている形状でもよい。
【0082】
さらには、使用者の指による操作部の操作に支障が生じなければ、第1筐体20の厚み方向において、連結部40の表面43aが第1筐体20の操作面より相対的に微少に高い位置、あるいは低い位置となる形状でもよい。
また、第1筐体20と第2筐体30とを横開きにした状態において、連結部40の第2部材45は、第1筐体20の短手方向の中心よりも第2筐体30側のみに位置する形状とすれば、第2部材45が斜面を有さない形状としてもよい。
そして、前述した各実施形態において、携帯電子機器として携帯端末を例示したが、本発明は他の携帯電子機器全般に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる携帯電子機器の横開き状態を示す斜視図
【図2】本発明の第1実施形態にかかる携帯電子機器の縦開き状態を示す斜視図
【図3】本発明の第1実施形態にかかる携帯電子機器の閉じた状態を示す斜視図
【図4】連結部の分解斜視図
【図5】図4中V−V位置の断面図
【図6】図4中VI−VI位置の断面図
【図7】第1係合部および第2係合部を示す分解斜視図
【図8】本発明の第2実施形態にかかる携帯電子機器の横開き状態を示す斜視図
【図9】本発明の第2実施形態にかかる携帯電子機器の縦開き状態を示す斜視図
【図10】本発明の第2実施形態にかかる携帯電子機器の閉じた状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0084】
10 携帯端末(携帯電子機器)
20 第1筐体
20a 操作面
20b 外面(操作面とは反対側の面)
21 操作部
24 第1筐体支持部
25 第1係合部
30 第2筐体
31 主表示部(表示部)
34 第2係合部
36a 凸部
40 連結部
41 第1連結軸
42 第2連結軸
43 第1部材
43a 表面
45 第2部材
45a 頂部
45b 斜面
46 凹部
61 係合爪
60 第1保持手段(保持手段)
70 第2保持手段(保持手段)
73a 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部が設けられた第1筐体と、
表示部が設けられた第2筐体と、
前記第1筐体および前記第2筐体を連結する連結部と、
前記第1筐体と前記連結部とを連結するために、前記操作部が設けられた操作面と、前記操作面とは反対側の面との間に配置され、前記第1筐体と前記連結部との配列方向に沿った第1の方向に対して直交する第2の方向に沿うとともに前記操作面に対して平行な第1連結軸と、
前記第2筐体と前記連結部とを連結するために、前記第1連結軸とは異なる向きに配置され、かつ、前記第1筐体における第2の方向に沿った長さの中心から前記第2の方向に沿ってずれた位置に配置された第2連結軸と、を備え、
前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に積層された閉じ状態において、前記連結部の表面が前記第1筐体の前記操作面に連続するとともに、前記連結部の表面と前記第2筐体の前記表示部が設けられた表示面とが対面し、
前記閉じ状態から前記第1連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する縦開き状態において、前記連結部の表面が前記第2筐体の前記表示面に対面した状態で前記連結部が回動するとともに、前記連結部の表面と前記操作面とが互いに異なる方向を向き、
前記閉じ状態から前記第2連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する横開き状態において、前記連結部の表面が前記第1筐体の前記操作面に連続するとともに、前記連結部の表面と前記第2筐体の前記表示面とが互いに異なる方向を向く携帯電子機器。
【請求項2】
前記連結部が、前記第1連結軸に軸通される第1部材と、前記第2連結軸に軸通される第2部材とを有し、
前記第1筐体支持部および前記第1部材のうちの少なくとも一方が前記第1筐体の第2の方向に沿って複数、かつ、所定間隔を空けて設けられているとともに、前記第1筐体支持部および前記第1部材のうちの他方を挟み込むように配置された請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記第2部材が、前記第1部材の前記表面から突出する請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記第2部材が、前記第1部材の表面から前記第1部材の表面に対する頂部まで斜面を有する請求項2または請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記斜面が凹状の円弧面である請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記斜面に設けられた凹部と、
前記第2筐体に設けられ、前記凹部に挿入可能な凸部と、を有し、
前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に積層された閉じ状態、および前記第1連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する縦開き状態において、前記凹部に前記凸部が挿入され、
前記第2連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する横開き状態において、前記凹部から前記凸部が引き抜かれる請求項4または請求項5に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記第1筐体支持部が複数設けられているとともに、前記第1部材が前記第1筐体支持部に挟まれている請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記第1筐体および前記第2筐体の相対位置を保持するための保持手段が前記第2部材に収容されている請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記第1筐体の前記操作面における前記連結部と連結される側と反対側に設けられた第1係合部と、
前記第2筐体の前記表示部が設けられた表示面における前記第1係合部と対面する位置に設けられて前記第1係合部に係合可能な第2係合部とを有し、
前記第1係合部および前記第2係合部のうちの一方が開口部であるとともに、前記第1係合部および前記第2係合部のうちの他方が前記開口部に挿入されて係合可能な係合爪であり、
前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に積層された閉じ状態、および前記第1連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する縦開き状態において、前記開口部および前記係合爪が係合されず、
前記第2連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する横開き状態において、前記開口部および前記係合爪が係合される請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記第2筐体の前記第2連結軸側の前記第1の方向の端部にアンテナを備えた請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
操作部を備えた第1筐体と、
表示部を備えた第2筐体と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを回動可能に連結する連結部と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを第1の方向に回動可能にする第1連結軸と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に回動可能にする第2連結軸と、を備え、
前記第1筐体と前記第2筐体とが積層された閉じ状態において、前記第1連結軸は、前記第2連結軸よりも前記第1筐体の厚み方向において下側に位置し、
前記連結部は、前記第1連結軸に軸通される第1部材と、前記第2連結軸に軸通される第2部材とを有し、
前記第2部材は、前記第1部材の前記表面から突出し、前記第1部材の表面から前記第2部材の頂部まで斜面を有する携帯電子機器。
【請求項12】
操作部を備えた第1筐体と、
表示部を備えた第2筐体と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを回動可能に連結する連結部と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを第1の方向に回動可能にする第1連結軸と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に回動可能にする第2連結軸と、を備え、
前記第1筐体と前記第2筐体とが積層された閉じ状態において、前記第1連結軸は、前記第2連結軸よりも前記第1筐体の厚み方向において下側に位置し、
前記連結部は、前記第1連結軸に軸通される第1部材と、前記第2連結軸に軸通される第2部材とを有し、
前記第2部材は、前記第1筐体の短手方向の中心よりも前記第2筐体側のみに位置する携帯電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−68407(P2010−68407A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234784(P2008−234784)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】