携帯電子機器
【課題】操作が入力しやすい携帯電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】第1面と、第1面の背面側に設けられた第2面と、第2面の端部近傍に形成される凸部と、を備える筐体と、第1面に配置されたタッチパネルと、第1面のタッチパネル内の領域であって、第2面の凸部が形成された領域の背面側の領域となるタッチパネルの端部領域に操作画面を表示させる制御部と、を有する携帯電子機器とすることで上記課題を解決する。
【解決手段】第1面と、第1面の背面側に設けられた第2面と、第2面の端部近傍に形成される凸部と、を備える筐体と、第1面に配置されたタッチパネルと、第1面のタッチパネル内の領域であって、第2面の凸部が形成された領域の背面側の領域となるタッチパネルの端部領域に操作画面を表示させる制御部と、を有する携帯電子機器とすることで上記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する表示部を備えた携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器としては、表面の略全面に表示部を配置した携帯電子機器がある。例えば、特許文献1には、文字や図形を表示する表示パネルとして電子ペーパを用いる携帯電子機器が記載されている。また、表示部をタッチパネルとしたいわゆるスマートフォンと言われる携帯電話機器もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−243521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、表示部が表面の略全域に配置された携帯電子機器は、一方の手で携帯電子機器の筐体を保持しつつ他方の手で操作を入力することで、机に置いた状態でなくても操作を入力することができる。しかしながら、この入力方法では両手を使用する必要があるため、操作が入力しにくい場合や、片手が塞がっており操作を入力できない場合がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、操作が入力しやすい携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯電子機器であって、第1面と、前記第1面の背面側に設けられた第2面と、前記第2面の端部近傍に形成される凸部と、を備える筐体と、前記第1面に配置されたタッチパネルと、前記第1面の前記タッチパネル内の領域であって、前記第2面の前記凸部が形成された領域の背面側の領域となる前記タッチパネルの端部領域に操作画面を表示させる制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
ここで、前記凸部に対する接触を検出する接触検出部をさらに有し、前記制御部は、前記接触検出部が前記凸部に対する接触を検出した場合、前記端部領域に操作画面を表示させ、前記接触検出部が、前記凸部に対する接触を検出していない場合、前記端部領域に操作画面を表示させないことが好ましい。
【0008】
また、前記制御部は、前記端部領域に前記操作画面として前記タッチパネルの前記端部領域以外の領域に表示された画像に対する操作項目を表示させることが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、前記端部領域に日付、時刻、電池残量および電波強度の少なくとも1つの情報をさらに表示させることが好ましい。
【0010】
また、前記筐体の向きを検出する加速度センサをさらに有し、前記制御部は、前記加速度センサが検出した前記筐体の向きに基づいて前記タッチパネルに表示させる画面の表示方向および前記端部領域に表示させる操作画面の表示方向を変更することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記端部領域の上側領域に前記操作画面を優先的に表示させることが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、前記端部領域の上側領域に前記タッチパネル前記端部領域以外の領域の上側領域の画面に対応する前記操作画面を表示させ、前記端部領域の下側領域に前記端部領域以外の領域の下側領域の画面に対応する前記操作画面を表示させることが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、前記端部領域への入力をタッチパッドへの入力として検出し、前記検出した前記入力を前記端部領域以外の領域に表示された画面に対する操作として実行することが好ましい。
【0014】
また、前記筐体は、前記凸部が配置されている側に重心を有することが好ましい。
【0015】
また、前記筐体の前記凸部の内部に配置されたバッテリをさらに有することが好ましい。
【0016】
また、前記凸部が配置されている前記第2面の端部近傍とは異なる当該第2面の端部近傍側に配置されたカメラをさらに有することが好ましい。
【0017】
また、前記凸部は、前記第2面の長手方向に延在して形成されていることが好ましい。
【0018】
ここで、前記凸部は、前記第2面の端部近傍からユーザの指先がかかる部分まで第2面の前記凸部とは異なる部分よりも隆起した凸形状であることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる携帯電子機器は、筐体を保持しつつ操作を入力することができ、操作しやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す携帯電子機器を示す正面図である。
【図3】図3は、図1に示す携帯電子機器の長手側の側面を示す側面図である。
【図4】図4は、図1に示す携帯電子機器を示す背面図である。
【図5】図5は、図1に示す携帯電子機器の短手側の側面を示す側面図である。
【図6】図6は、図2のA−A線断面図である。
【図7】図7は、携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、タッチパネルの端部領域に表示させる画像の一例を示す説明図である。
【図9】図9は、タッチパネルの端部領域に表示させる画像の一例を示す説明図である。
【図10】図10は、タッチパネルの端部領域に表示させる画像の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器として無線通信機能を備えた携帯通信機器を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯通信機器に限定されるものではなく、例えば、音声通話機能を備える携帯電話機やPHS(Personal Handy-phone System)、PDA、電子書籍、ポータブルナビゲーション装置、ポータブルゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0022】
まず、図1から図6を用いて、携帯電子機器1の外観を説明する。図1は、携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す携帯電子機器を示す正面図である。図3は、図1に示す携帯電子機器の長手側の側面を示す側面図である。また、図4は、図1に示す携帯電子機器を示す背面図である。図5は、図1に示す携帯電子機器の短手側の側面を示す側面図である。図6は、図2のA−A線断面図である。
【0023】
携帯電子機器1は、図1から図5に示すように、筐体2は、細長い板状形状、つまり一定の厚みを備えた長方形形状である。筐体2の表面のうち面積が最も広い面(長方形形状の面)のうち一方側の面を正面(第1面)2Aとし他方側の面を背面(第2面)2Bとする。筐体2の表面のうち一定の厚みとなる面(正面と背面に挟まれた面)を側面とする。
【0024】
ここで、筐体2の背面2Bには、指かけ部(凸部)2Cが形成されている。ここで、凸部は、例えばユーザが指をかける部分となるため指かけ部2Cとよぶことにする。指かけ部2Cは、背面2Bの他の部分よりも凸となる(正面2Aとの距離が長くなる)突出部(凸形状)であり、長手側の側面の端部近傍に形成されている。つまり、指かけ部2Cは、背面2Bの長手方向の端から端まで延在する凸状部材であり、長手側の側面近傍となる端部に形成されている。また、指かけ部2Cは、図5に示すように、指かけ部2Cの背面2Bの中央側の長手方向の端部(指かけ部2Cの端部のうち長手方向に延在しかつ背面2Bの中央側に配置された端部)の領域と背面2Bの他の領域(指かけ部2Cが形成されていない領域)の平面とのなす角が鈍角(90度より大きい角度)となる。また、指かけ部2Cは、図5に示すように、一部を除いて背面2Bの他の領域と平行な面となっている。このように、指かけ部2Cは、図5に示す面(短手方向に平行な面)の形状が略台形となる形状である。この指かけ部2Cは、ユーザが筐体2を保持する際に、指の先端を引っ掛ける部分となる。これにより、ユーザは、指かけ部2Cの背面2Bの中央側の長手方向の端部の傾斜部分に指(指先等)をかけることができる。
【0025】
筐体2は、以上のような形状であり、背面2Bの短手方向の端部近傍に長手方向に延在する指かけ部2Cが形成されている。これにより、筐体2は、指かけ部2Cが形成されている領域の厚みが他の領域の厚みよりも厚くなり、指かけ部2Cの短手方向の中央側の端部が段となる。
【0026】
次に、図1から図6を用いて筐体2に設けられた携帯電子機器1の各部について説明する。筐体2の正面2Aには、タッチパネル12が配置されている。タッチパネル12は、正面2Aの短手方向が短辺となり、正面2Aの長手方向が長辺となる長方形形状である。タッチパネル12は、正面2Aの略全域に配置されている。ここで、タッチパネル12は、主領域12Aと端部領域12Bの2つの領域がある。主領域12Aは、正面2Aの指かけ部2Cと対面する領域を除いた略全域である。つまり、主領域12Aは、正面2Aの長手方向の略全域かつ短手方向の指かけ部2Cが形成されている端部の一定領域を除く領域と対面する正面2Aの領域である。端部領域12Bは、正面2Aの短手方向が短辺となり、正面2Aの長手方向が長辺となる長方形形状である。端部領域12Bは、正面2Aの指かけ部2Cと対面する領域の略全域である。つまり、端部領域12Bは、正面2Aの長手方向の略全域かつ短手方向の指かけ部2Cが形成されている端部の一定領域を含む領域と対面する正面2Aの領域である。
【0027】
ここで、タッチパネル12は、文字、図形、画像等を表示するとともに、利用者が指やスタイラス等(以下、単に「指」という)を用いて当該タッチパネル12に対して行う各種操作を検出する。つまり、タッチパネル12は、画像を表示する機能(表示部)と、操作を検出する機能(操作部)との2つの機能を有する。ここで、本実施形態の携帯電子機器1は、基本的に図1に示すように主領域12Aに動画や画像を表示させ、端部領域12Bに操作メニュー(例えば拡大キー、縮小キー、ホームキー、メニューキー等)を含む操作画面を表示させる。なお、操作画面は、少なくとも操作メニューを含む画面であればよく、他の画面との明確な境界(つまり操作画面の輪郭線)を設けなくてもよい。
【0028】
また、筐体2は、指かけ部2Cが形成されている側面に操作部15が配置されている。操作部15は、側面の長手方向中央に配置されている。操作部15は、押下を検出する物理キーであり、押下されることで、正面2Aの短手方向に変位する。
【0029】
また、筐体2は、背面2Bにカメラ36が配置されている。カメラ36は、背面2Bの指かけ部2Cが形成された端部とは反対側の端部近傍に配置されている。つまり、カメラ36は背面2Bの長手方向の中央、かつ、短手方向の指かけ部2Cが配置されている端部とは反対側の端部に配置されている。
【0030】
次に、図6を用いて携帯電子機器1の内部構造について説明する。図6に示すように筐体2の内部には、タッチパネル12と、操作部15と、回路基板19と、バッテリ34と、カメラ36と、が配置されている。タッチパネル12と操作部15との配置位置、構造については、上述したので説明を省略する。
【0031】
回路基板19は、後述する制御部22、記憶部24等の機能を持つ電子部品、例えばCPU、メモリ等が設置されている基板であり、タッチパネル12よりも背面2B側に配置されている。バッテリ34は、指かけ部2Cに内蔵されている。つまり、バッテリ34は、筐体2のタッチパネル12の端部領域12Bに対面する領域で、端部領域12Bよりも背面2B側にされている。
【0032】
次に、携帯電子機器1の機能と制御部22との関係を説明する。図7は、図1に示す携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。図7に示すように携帯電子機器1は、制御部22と、記憶部24と、通信部26と、操作ユニット28と、表示ユニット32と、表示制御部33と、バッテリ34と、カメラ36と、加速度センサ38と、接触検出部39と、を有する。なお、携帯電子機器1は、さらに、マイク、レシーバ、スピーカ等を備えていてもよい。
【0033】
制御部22は、携帯電子機器1の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。すなわち、携帯電子機器1の各種の処理が、操作ユニット28の操作や携帯電子機器1の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部26、表示ユニット32等の動作を制御する。制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。
【0034】
記憶部24には、制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されている。例えば、記憶部24には、表示ユニット32に表示させる画像を制御するプログラムや、メールの送受信を実行するためのプログラムが保存されている。さらに、記憶部24には、プログラム以外の各種データも記憶されている。例えば、記憶部24には、各種設定条件や、文字変換に用いる辞書データ、表示ユニット32に表示させる動画データ等が保存されている。
【0035】
通信部26は、アンテナ26aを介して、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で情報通信を行う。
【0036】
操作ユニット28は、タッチパネル12と操作部15とで構成される。操作ユニット28は、これらのタッチパネル12または操作部15がユーザの操作により入力されると、その操作内容を制御部22へ入力する。
【0037】
表示ユニット32は、上述したように、タッチパネル12を有する。表示ユニット32のタッチパネル12は、制御部22から表示制御部33を介して供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示装置に表示させる。バッテリ34は、制御部22等、携帯電子機器1の各部に電力を供給する電力源である。
【0038】
カメラ36は、背面2Bと対向している撮影領域(一定角度の視野角に含まれる領域)の画像を取得する撮像装置である。カメラ36は、撮影した画像の情報を制御部22に送信する。加速度センサ38は、筐体2に加わる加速度を検出する検出器であり、筐体2に加わる加速度を検出することで筐体2の向きを検出する。なお、加速度センサ38としては、種々の方法で加速度を検出する検出器を用いることができ、例えば、静電容量の変化や、ピエゾ抵抗の変化、相対位置の変化等で加速度を検出する検出器を用いることができる。
【0039】
接触検出部39は、指かけ部2Cに接触されたか否か、つまり、ユーザが筐体2を支持している状態か否かを検出する検出器である。なお、接触検出器39としては、タッチセンサー等を指かけ部2Cに配置した構成を用いることができる。なお、タッチセンサーは、指かけ部2Cの指が接触する面、具体的には指かけ部2Cの短手方向の中央側の端部が段となっている部分を含む面に配置することが好ましい。また、タッチパネル12の端部領域12Bに接触検出部39の機能を持たせてもよい。この場合、接触検出部39は、端部領域12Bへの接触を検出することにより、指かけ部2Cにユーザの指がかかっていると判定する。
【0040】
このように、携帯電子機器1の筐体2の背面2Bに指かけ部2Cを設けることで、ユーザは、片手で筐体2を保持する場合に指を指かけ部2Cに掛けた状態で指かけ部2Cが形成された端部を保持することができる。これにより、ユーザは、指かけ部2Cに指(ひとさし指から小指のいずれか)をかけつつ、親指で正面2A側の面を支持することで筐体2を支持することができる。
【0041】
また、正面2Aの指かけ部2Cに対面する領域に配置された操作ユニット28を構成するタッチパネル12の端部領域12Bに操作画面(タッチパネル12(主に主領域12A)に表示された画像に対応する操作項目)を表示させる。これにより、ユーザは筐体2を保持している手の指で端部領域12Bに表示された操作画面に操作を入力することができる。これにより、ユーザは、片手で筐体2を持ちつつ、操作を入力することができる。また、ユーザが筐体2を保持する際にユーザの手で隠れる領域である端部領域12Bに操作画面を表示させることで、ユーザが観賞、閲覧するために表示させた動画等の画面を、ユーザの手で隠れない領域であり画面の面積が端部領域12Bよりも大きい主領域12Aに表示させることができる。これにより、ユーザは、観賞、閲覧するために表示させた動画等が筐体2を支持している手で隠れるのを抑制しつつ、必要に応じて片手で操作を入力することが可能となる。これにより、正面2Aの領域を効率よく利用しつつ、操作性を高くすることができる。
【0042】
また、正面2Aの端部領域12Bに隣接した側面に操作部15を配置することで、ユーザは、筐体2を支持している手で、端部領域12Bに加え、操作部15を使用して操作を入力することができる。
【0043】
また、携帯電子機器1は、指かけ部2Cの内部に重量が大きいバッテリ34を配置することで、筐体2を片手で支持しやすくすることができる。つまり、携帯電子機器1は、正面2Aの短手方向において、ユーザが片手で筐体2を支持する指かけ部2C側の重量を、その反対側の重量よりも重くすることで、ユーザが筐体2を保持しやすくすることができる。
【0044】
なお、携帯電子機器1は、本実施形態のように、バッテリ34を指かけ部2Cの内部に配置することが好ましいが、指かけ部2Cが配置されている側に装置の重心があること、具体的には、指かけ部2Cが配置されている側の端面に直交する方向において装置の重心が中心よりも指かけ部2Cが配置されている側にあればよい。装置の重心を指かけ部2C側とすることで、ユーザが指かけ部2C側を持った場合に筐体2を支持しやすくすることができる。
【0045】
ここで、携帯電子機器1は、接触検出部39で指かけ部2Cへの接触を検出した場合(接触検出部39が指かけ部2Cに指がかかっていることを検出した場合)、端部領域12Bに操作画面を表示させ、接触検出部39が指かけ部2Cに指がかかっていることを検出していない場合、端部領域12Bに操作画面を表示させないことが好ましい。これにより、ユーザが筐体2を指かけ部2Cを持って支持している場合、つまり、ユーザが筐体2を支持している手で端部領域12Bに操作を入力できる場合に操作画面を表示させることができる。なお、携帯電子機器1は、接触検出部39が指かけ部2Cに指がかかっていることを検出していない場合は、主領域12Aと端部領域12Bとを1つの画面にしてユーザが観賞、閲覧するために表示させた画面を表示させればよい。これにより、操作画面を表示させない状態では、ユーザが観賞、閲覧するために表示させた画面をより大きく表示させることができる。また、上記制御を行うことで、ユーザは、指かけ部2Cを持つだけで操作画面を表示させることができ、操作性をより高くすることができる。
【0046】
また、携帯電子機器1の制御部22は、主領域12Aに表示された画面に対応する操作に関する情報(操作メニュー)を端部領域12Bに表示させることが好ましい。このように、端部領域12Bに主領域12Aに表示させた画像に対応する操作メニューを含む操作画面を表示させることで、ユーザは端部領域12Bに表示された操作画面を操作することで主領域12Aの表示させる画面を操作することができる。
【0047】
また、制御部22は、端部領域12Bに日付、時刻、電池残量および電波強度の少なくとも1つの情報を表示させる、つまり端部領域12Bをいわゆるサブ表示部として用いることが好ましい。このように、操作画面の一部に日付、時刻、電池残量および電波強度の少なくとも1つの情報を表示させることでこれらの情報を主領域12Aに表示させる必要がなくなり、主領域12Aには、ユーザが観賞、閲覧するために表示させた画面のみを表示させることができる。また、接触検出部39で指かけ部2Cへの接触を検出しなかった場合は、接触検出部39が指かけ部2Cに指がかかっていることを検出しない場合に端部領域12Bに表示させる操作画面を表示させず、時刻、電池残量および電波強度の少なくとも1つの情報を表示させてもよい。
【0048】
また、携帯電子機器1は、端部領域12Bへの入力をタッチパッドへの入力として検出することも好ましい。この場合は、端部領域12Bに画像を表示させずに入力のみを検出してもよい。このように、端部領域12Bへの入力をタッチパッドへの入力として検出することで、筐体2を支持している手で、主領域12Aに表示させる画面に対する操作、具体的には、主領域12Aに表示させているカーソルの移動、ページのスクロール操作、画面の移動操作を入力することができる。
【0049】
また、携帯電子機器1は、本実施形態のように指かけ部2Cが配置されている背面2Bの端部近傍とは異なる端部近傍側にカメラ36を配置することで、ユーザが指かけ部2Cを持って筐体2を支持してもユーザの手でカメラ36のレンズが塞がることを抑制することができる。これにより、カメラ36を使用しやすくすることができる。
【0050】
また、指かけ部2Cは、本実施形態のように、背面2Bの中央側の長手方向の端部を傾斜角が鋭角となる形状とすることが好ましい。これにより、ユーザは指かけ部2Cに指(特に指先)をかけやすくすることができ、筐体2を容易に支持することができる。
【0051】
また、指かけ部2Cは、本実施形態のように背面2Bの長手方向に延在した形状で形成することが好ましい。これにより、ユーザは、筐体2の指かけ部2Cが設けられている側面のどの位置を持っても指かけ部2Cに指をかけることができる。これにより、筐体2を支持しやすくすることができる。また、ユーザが筐体2を支持している手で端部領域12Bに操作を入力する場合も、筐体2の側面の支持する位置を移動させながら、操作を入力することができる。これにより、端部領域12Bの長手方向の端から端まで操作を入力することが可能となる。
【0052】
また、指かけ部2Cは、本実施形態のように背面2Bの端部近傍からユーザの指先がかかる部分まで背面2Bの指かけ部2Cとは異なる部分(指かけ部2C以外の領域)よりも隆起した凸形状であること、つまり、背面2Bの端部近傍からユーザの指先がかかる部分まで隆起部が延在する形状とすることが好ましい。指かけ部2Cを隆起部が延在する形状とすることで、筐体2を保持しやすくすることができる。また、指かけ部2Cを隆起部が延在する形状とすることで、筐体2の内部の空間を大きくすることができ、バッテリ34等の部材を配置することができる。なお、指かけ部2Cは、隆起部が延在する形状とすることが好ましいが、ユーザが指をかける部分が隆起した形状であればよい。つまり、筐体2の背面2Bの端部から一定距離の位置に指をかける隆起部(突起部)を設けた形状としてもよい。
【0053】
ここで、指かけ部2Cは、ユーザの指先がかかる部分(背面2Bの中央側の端部)が、背面2Bの端から離れている距離を50mm以下とすること、つまり図5に示す距離L1を50mm以下とすることが好ましい。これにより、ユーザが筐体2を支持した場合に、指先を指かけ部2Cの指先がかかる部分に好適にかけることができ、筐体2を支持しやすくすることができる。
【0054】
また、指かけ部2Cは、隆起部が背面2Bの指かけ部2Cとは異なる部分(他の領域)4mm以上6mm以下隆起していること、つまり図5に示す距離Dが4mm以上6mm以下であることが好ましく、5mm前後隆起していることがより好ましい。これにより、片手で筐体2を挟みやすくすることができる。また、ユーザの指先がかかる部分の段を一定距離以上の段差とすることができ、指をかけやすくすることができる。また、指かけ部2Cの内部の空間を大きくすることができ、各種部品を内蔵しやすくすることができる。
【0055】
筐体2は、正面2Aの中央側の端部領域12Bの長手方向の端部(長手方向に延在する端部)から背面2Bに形成された指かけ部2Cのユーザの指先がかかる部分までの表面における距離(タッチパネル12に表示される操作画面の端部(具体的には端部領域12Bに表示される操作画面の正面2Aの中央側の端部)から指かけ部2Cの端部(指かけ部2Cの背面2Bの中央側の端部)までの表面における距離)、つまり図5中距離L2を、80mm以上120mm以下とすることが好ましく、100mm前後とすることがより好ましい。すなわち、端部領域12Bの短手方向の長さと筐体2の厚みと指かけ部2Cの短手方向の長さとが80mm以上120mm以下とすることが好ましく、100mm前後とすることがより好ましい。なお、筐体2は、本実施形態の長さの関係に限定されず、端部領域12Bの短手方向の長さと筐体2の厚みと指かけ部2Cの短手方向の長さとを相対的に変化させた種々の形状とすることができ、端部領域12Bの短手方向の長さと筐体2の厚みと指かけ部2Cの短手方向の長さとのいずれかが変化させたら、他の長さ、厚さも相対的に変化させ、距離の合計が80mm以上120mm以下、または、100mm前後とする形状とすればよい。当該距離を、上記範囲とすることで、筐体2の端部領域12Bが配置された領域を親指で支持し、他の指で指かけ部2Cの背面2Bの中央側の端部を支持することができる。これにより指かけ部2Cをより持ちやすくし、かつ、端部領域12Bに操作を入力しやすくすることができる。
【0056】
ここで、携帯電子機器1は、加速度センサ38で検出した筐体2の向きに基づいて、主領域12Aに表示させる画面の向きおよび端部領域12Bに表示させる操作画面の向き、位置を切り換えることが好ましい。つまり、制御部22は、加速度センサ38が検出した筐体2の向きに基づいて主領域12Aに表示させる画面の表示方向および端部領域12Bに表示させる操作画面の表示方向を設定することが好ましい。このように、筐体2の向きに応じて主領域12Aおよび端部領域12Bに表示させる画面の向きを設定することで、ユーザが見やすい向きで画像を表示させることができる。例えば、鉛直方向上側を画面の鉛直方向上側とすることができる。なお、筐体2の向きと画面の向きとの関係はユーザの設定により調整できるようにしてもよい。
【0057】
制御部22は、端部領域12Bの上側領域(鉛直方向上側となる領域)に操作に関する情報を優先的に表示させることが好ましい。以下、図8から図10を用いて説明する。ここで、図8から図10は、それぞれタッチパネルの端部領域に表示させる画像の一例を示す説明図である。なお、図8から図10では、短手方向に平行な面を切断面として、端部領域12Bを長手方向の中央部で2つの領域に分割し、一方の領域を第1領域13Aとし、他方の領域を第2領域13Bとする。携帯電子機器1は、図8に示すように、端部領域12Bの第1領域13Aが第2領域13Bよりも鉛直方向上側となる向きで配置されている場合は、第1領域13Aに操作メニューを含む操作画面を表示させる。なお、図8では、操作メニューとして、ホームキーと、メニューキーと、元に戻すキーを表示させている。また、携帯電子機器1は、図9に示すように、端部領域12Bの第2領域13Bが第1領域13Aよりも鉛直方向上側となる向きで配置されている場合は、第2領域13Bに操作画面を表示させる。また、携帯電子機器1は、図10に示すように、主領域12Aが端部領域12Bよりも鉛直方向上側となる向きで配置されている場合は、第2領域13Bに操作メニューを表示させる。なお、図8から図10のいずれの場合も鉛直方向上側が表示させる文字、記号の上側となる向きで操作メニューを表示させる。また、携帯電子機器1が図10に示す向きの場合は、第1領域13Aに操作メニューを表示させてもよい。
【0058】
図8および図9に示すように、操作メニューを端部領域12Bの鉛直方向上側の領域に表示させることで、筐体2を支持している手が操作しやすい領域に操作メニューを表示させることができる。これにより、ユーザは、筐体2を支持している手で端部領域12Bを容易に操作することができ、操作性をより向上させることができる。
【0059】
また、制御部22は、端部領域12Bの上側領域に主領域12Aの上側領域の画像に対応する操作メニュー(操作項目)を含む操作画面を表示させ、端部領域12Bの下側領域に主領域12Aの下側領域の画像に対応する操作メニューを含む操作画面を表示させることが好ましい。例えば、主領域12Aの上側領域と下側領域にそれぞれ別々のアプリケーションに関連する画像を表示させている場合は、上側領域に画像を表示しているアプリケーションに関連する操作メニューを端部領域12Bの上側領域に表示させ、下側領域に画像を表示しているアプリケーションに関連する操作メニューを端部領域12Bの下側領域に表示させる。このように、端部領域12Bの操作メニューの表示位置を、主領域12Aに表示させている画像(画面、ウインドウ)に対応した位置とすることで、直感的な操作が可能となり、操作をしやすくすることができる。なお、制御部22は、主領域12Aに1つのアプリケーションの画像を表示させる場合も、同様に、表示させている画像の構成要素に関連する操作メニューを端部領域12Bの当該構成要素の近傍の位置に表示させればよい。
【0060】
また、上記実施形態では、指かけ部2Cを背面2Bの長手側の側面に沿って配置したが、指かけ部2Cを配置する端部はこれに限定されない。携帯電子機器は、指かけ部を短手側の側面に沿って配置してもよい。つまり、指かけ部を短手側の側面に隣接する背面の端部に配置してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、主領域12Bに表示された画像に対する操作項目(操作メニュー)を正面2Aの端部領域12Bの長手方向に配置したが、これに限られない。端部領域12Bに表示させる操作項目の位置関係は、種々の位置関係とすることができ、例えば、正面2Aの端部領域に円状に配置しても、斜め(長手方向に対して傾斜した列状)に配置してもよい。操作項目を円状に配置することで、筐体2を支持いている手の親指の先を移動しやすい位置に複数の操作メニューを配置することができる。また、操作メニューを斜めに配置する場合は、一直線上に斜めに配置することに限定されず、千鳥格子状に配置してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 携帯電子機器
2 筐体
12 タッチパネル
15 操作部
19 回路基板
22 制御部
24 記憶部
26 通信部
28 操作ユニット
32 表示ユニット
33 表示制御部
34 バッテリ
36 カメラ
38 加速度センサ
39 接触検出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する表示部を備えた携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器としては、表面の略全面に表示部を配置した携帯電子機器がある。例えば、特許文献1には、文字や図形を表示する表示パネルとして電子ペーパを用いる携帯電子機器が記載されている。また、表示部をタッチパネルとしたいわゆるスマートフォンと言われる携帯電話機器もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−243521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、表示部が表面の略全域に配置された携帯電子機器は、一方の手で携帯電子機器の筐体を保持しつつ他方の手で操作を入力することで、机に置いた状態でなくても操作を入力することができる。しかしながら、この入力方法では両手を使用する必要があるため、操作が入力しにくい場合や、片手が塞がっており操作を入力できない場合がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、操作が入力しやすい携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯電子機器であって、第1面と、前記第1面の背面側に設けられた第2面と、前記第2面の端部近傍に形成される凸部と、を備える筐体と、前記第1面に配置されたタッチパネルと、前記第1面の前記タッチパネル内の領域であって、前記第2面の前記凸部が形成された領域の背面側の領域となる前記タッチパネルの端部領域に操作画面を表示させる制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
ここで、前記凸部に対する接触を検出する接触検出部をさらに有し、前記制御部は、前記接触検出部が前記凸部に対する接触を検出した場合、前記端部領域に操作画面を表示させ、前記接触検出部が、前記凸部に対する接触を検出していない場合、前記端部領域に操作画面を表示させないことが好ましい。
【0008】
また、前記制御部は、前記端部領域に前記操作画面として前記タッチパネルの前記端部領域以外の領域に表示された画像に対する操作項目を表示させることが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、前記端部領域に日付、時刻、電池残量および電波強度の少なくとも1つの情報をさらに表示させることが好ましい。
【0010】
また、前記筐体の向きを検出する加速度センサをさらに有し、前記制御部は、前記加速度センサが検出した前記筐体の向きに基づいて前記タッチパネルに表示させる画面の表示方向および前記端部領域に表示させる操作画面の表示方向を変更することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記端部領域の上側領域に前記操作画面を優先的に表示させることが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、前記端部領域の上側領域に前記タッチパネル前記端部領域以外の領域の上側領域の画面に対応する前記操作画面を表示させ、前記端部領域の下側領域に前記端部領域以外の領域の下側領域の画面に対応する前記操作画面を表示させることが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、前記端部領域への入力をタッチパッドへの入力として検出し、前記検出した前記入力を前記端部領域以外の領域に表示された画面に対する操作として実行することが好ましい。
【0014】
また、前記筐体は、前記凸部が配置されている側に重心を有することが好ましい。
【0015】
また、前記筐体の前記凸部の内部に配置されたバッテリをさらに有することが好ましい。
【0016】
また、前記凸部が配置されている前記第2面の端部近傍とは異なる当該第2面の端部近傍側に配置されたカメラをさらに有することが好ましい。
【0017】
また、前記凸部は、前記第2面の長手方向に延在して形成されていることが好ましい。
【0018】
ここで、前記凸部は、前記第2面の端部近傍からユーザの指先がかかる部分まで第2面の前記凸部とは異なる部分よりも隆起した凸形状であることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる携帯電子機器は、筐体を保持しつつ操作を入力することができ、操作しやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す携帯電子機器を示す正面図である。
【図3】図3は、図1に示す携帯電子機器の長手側の側面を示す側面図である。
【図4】図4は、図1に示す携帯電子機器を示す背面図である。
【図5】図5は、図1に示す携帯電子機器の短手側の側面を示す側面図である。
【図6】図6は、図2のA−A線断面図である。
【図7】図7は、携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、タッチパネルの端部領域に表示させる画像の一例を示す説明図である。
【図9】図9は、タッチパネルの端部領域に表示させる画像の一例を示す説明図である。
【図10】図10は、タッチパネルの端部領域に表示させる画像の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器として無線通信機能を備えた携帯通信機器を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯通信機器に限定されるものではなく、例えば、音声通話機能を備える携帯電話機やPHS(Personal Handy-phone System)、PDA、電子書籍、ポータブルナビゲーション装置、ポータブルゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0022】
まず、図1から図6を用いて、携帯電子機器1の外観を説明する。図1は、携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す携帯電子機器を示す正面図である。図3は、図1に示す携帯電子機器の長手側の側面を示す側面図である。また、図4は、図1に示す携帯電子機器を示す背面図である。図5は、図1に示す携帯電子機器の短手側の側面を示す側面図である。図6は、図2のA−A線断面図である。
【0023】
携帯電子機器1は、図1から図5に示すように、筐体2は、細長い板状形状、つまり一定の厚みを備えた長方形形状である。筐体2の表面のうち面積が最も広い面(長方形形状の面)のうち一方側の面を正面(第1面)2Aとし他方側の面を背面(第2面)2Bとする。筐体2の表面のうち一定の厚みとなる面(正面と背面に挟まれた面)を側面とする。
【0024】
ここで、筐体2の背面2Bには、指かけ部(凸部)2Cが形成されている。ここで、凸部は、例えばユーザが指をかける部分となるため指かけ部2Cとよぶことにする。指かけ部2Cは、背面2Bの他の部分よりも凸となる(正面2Aとの距離が長くなる)突出部(凸形状)であり、長手側の側面の端部近傍に形成されている。つまり、指かけ部2Cは、背面2Bの長手方向の端から端まで延在する凸状部材であり、長手側の側面近傍となる端部に形成されている。また、指かけ部2Cは、図5に示すように、指かけ部2Cの背面2Bの中央側の長手方向の端部(指かけ部2Cの端部のうち長手方向に延在しかつ背面2Bの中央側に配置された端部)の領域と背面2Bの他の領域(指かけ部2Cが形成されていない領域)の平面とのなす角が鈍角(90度より大きい角度)となる。また、指かけ部2Cは、図5に示すように、一部を除いて背面2Bの他の領域と平行な面となっている。このように、指かけ部2Cは、図5に示す面(短手方向に平行な面)の形状が略台形となる形状である。この指かけ部2Cは、ユーザが筐体2を保持する際に、指の先端を引っ掛ける部分となる。これにより、ユーザは、指かけ部2Cの背面2Bの中央側の長手方向の端部の傾斜部分に指(指先等)をかけることができる。
【0025】
筐体2は、以上のような形状であり、背面2Bの短手方向の端部近傍に長手方向に延在する指かけ部2Cが形成されている。これにより、筐体2は、指かけ部2Cが形成されている領域の厚みが他の領域の厚みよりも厚くなり、指かけ部2Cの短手方向の中央側の端部が段となる。
【0026】
次に、図1から図6を用いて筐体2に設けられた携帯電子機器1の各部について説明する。筐体2の正面2Aには、タッチパネル12が配置されている。タッチパネル12は、正面2Aの短手方向が短辺となり、正面2Aの長手方向が長辺となる長方形形状である。タッチパネル12は、正面2Aの略全域に配置されている。ここで、タッチパネル12は、主領域12Aと端部領域12Bの2つの領域がある。主領域12Aは、正面2Aの指かけ部2Cと対面する領域を除いた略全域である。つまり、主領域12Aは、正面2Aの長手方向の略全域かつ短手方向の指かけ部2Cが形成されている端部の一定領域を除く領域と対面する正面2Aの領域である。端部領域12Bは、正面2Aの短手方向が短辺となり、正面2Aの長手方向が長辺となる長方形形状である。端部領域12Bは、正面2Aの指かけ部2Cと対面する領域の略全域である。つまり、端部領域12Bは、正面2Aの長手方向の略全域かつ短手方向の指かけ部2Cが形成されている端部の一定領域を含む領域と対面する正面2Aの領域である。
【0027】
ここで、タッチパネル12は、文字、図形、画像等を表示するとともに、利用者が指やスタイラス等(以下、単に「指」という)を用いて当該タッチパネル12に対して行う各種操作を検出する。つまり、タッチパネル12は、画像を表示する機能(表示部)と、操作を検出する機能(操作部)との2つの機能を有する。ここで、本実施形態の携帯電子機器1は、基本的に図1に示すように主領域12Aに動画や画像を表示させ、端部領域12Bに操作メニュー(例えば拡大キー、縮小キー、ホームキー、メニューキー等)を含む操作画面を表示させる。なお、操作画面は、少なくとも操作メニューを含む画面であればよく、他の画面との明確な境界(つまり操作画面の輪郭線)を設けなくてもよい。
【0028】
また、筐体2は、指かけ部2Cが形成されている側面に操作部15が配置されている。操作部15は、側面の長手方向中央に配置されている。操作部15は、押下を検出する物理キーであり、押下されることで、正面2Aの短手方向に変位する。
【0029】
また、筐体2は、背面2Bにカメラ36が配置されている。カメラ36は、背面2Bの指かけ部2Cが形成された端部とは反対側の端部近傍に配置されている。つまり、カメラ36は背面2Bの長手方向の中央、かつ、短手方向の指かけ部2Cが配置されている端部とは反対側の端部に配置されている。
【0030】
次に、図6を用いて携帯電子機器1の内部構造について説明する。図6に示すように筐体2の内部には、タッチパネル12と、操作部15と、回路基板19と、バッテリ34と、カメラ36と、が配置されている。タッチパネル12と操作部15との配置位置、構造については、上述したので説明を省略する。
【0031】
回路基板19は、後述する制御部22、記憶部24等の機能を持つ電子部品、例えばCPU、メモリ等が設置されている基板であり、タッチパネル12よりも背面2B側に配置されている。バッテリ34は、指かけ部2Cに内蔵されている。つまり、バッテリ34は、筐体2のタッチパネル12の端部領域12Bに対面する領域で、端部領域12Bよりも背面2B側にされている。
【0032】
次に、携帯電子機器1の機能と制御部22との関係を説明する。図7は、図1に示す携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。図7に示すように携帯電子機器1は、制御部22と、記憶部24と、通信部26と、操作ユニット28と、表示ユニット32と、表示制御部33と、バッテリ34と、カメラ36と、加速度センサ38と、接触検出部39と、を有する。なお、携帯電子機器1は、さらに、マイク、レシーバ、スピーカ等を備えていてもよい。
【0033】
制御部22は、携帯電子機器1の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。すなわち、携帯電子機器1の各種の処理が、操作ユニット28の操作や携帯電子機器1の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部26、表示ユニット32等の動作を制御する。制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。
【0034】
記憶部24には、制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されている。例えば、記憶部24には、表示ユニット32に表示させる画像を制御するプログラムや、メールの送受信を実行するためのプログラムが保存されている。さらに、記憶部24には、プログラム以外の各種データも記憶されている。例えば、記憶部24には、各種設定条件や、文字変換に用いる辞書データ、表示ユニット32に表示させる動画データ等が保存されている。
【0035】
通信部26は、アンテナ26aを介して、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で情報通信を行う。
【0036】
操作ユニット28は、タッチパネル12と操作部15とで構成される。操作ユニット28は、これらのタッチパネル12または操作部15がユーザの操作により入力されると、その操作内容を制御部22へ入力する。
【0037】
表示ユニット32は、上述したように、タッチパネル12を有する。表示ユニット32のタッチパネル12は、制御部22から表示制御部33を介して供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示装置に表示させる。バッテリ34は、制御部22等、携帯電子機器1の各部に電力を供給する電力源である。
【0038】
カメラ36は、背面2Bと対向している撮影領域(一定角度の視野角に含まれる領域)の画像を取得する撮像装置である。カメラ36は、撮影した画像の情報を制御部22に送信する。加速度センサ38は、筐体2に加わる加速度を検出する検出器であり、筐体2に加わる加速度を検出することで筐体2の向きを検出する。なお、加速度センサ38としては、種々の方法で加速度を検出する検出器を用いることができ、例えば、静電容量の変化や、ピエゾ抵抗の変化、相対位置の変化等で加速度を検出する検出器を用いることができる。
【0039】
接触検出部39は、指かけ部2Cに接触されたか否か、つまり、ユーザが筐体2を支持している状態か否かを検出する検出器である。なお、接触検出器39としては、タッチセンサー等を指かけ部2Cに配置した構成を用いることができる。なお、タッチセンサーは、指かけ部2Cの指が接触する面、具体的には指かけ部2Cの短手方向の中央側の端部が段となっている部分を含む面に配置することが好ましい。また、タッチパネル12の端部領域12Bに接触検出部39の機能を持たせてもよい。この場合、接触検出部39は、端部領域12Bへの接触を検出することにより、指かけ部2Cにユーザの指がかかっていると判定する。
【0040】
このように、携帯電子機器1の筐体2の背面2Bに指かけ部2Cを設けることで、ユーザは、片手で筐体2を保持する場合に指を指かけ部2Cに掛けた状態で指かけ部2Cが形成された端部を保持することができる。これにより、ユーザは、指かけ部2Cに指(ひとさし指から小指のいずれか)をかけつつ、親指で正面2A側の面を支持することで筐体2を支持することができる。
【0041】
また、正面2Aの指かけ部2Cに対面する領域に配置された操作ユニット28を構成するタッチパネル12の端部領域12Bに操作画面(タッチパネル12(主に主領域12A)に表示された画像に対応する操作項目)を表示させる。これにより、ユーザは筐体2を保持している手の指で端部領域12Bに表示された操作画面に操作を入力することができる。これにより、ユーザは、片手で筐体2を持ちつつ、操作を入力することができる。また、ユーザが筐体2を保持する際にユーザの手で隠れる領域である端部領域12Bに操作画面を表示させることで、ユーザが観賞、閲覧するために表示させた動画等の画面を、ユーザの手で隠れない領域であり画面の面積が端部領域12Bよりも大きい主領域12Aに表示させることができる。これにより、ユーザは、観賞、閲覧するために表示させた動画等が筐体2を支持している手で隠れるのを抑制しつつ、必要に応じて片手で操作を入力することが可能となる。これにより、正面2Aの領域を効率よく利用しつつ、操作性を高くすることができる。
【0042】
また、正面2Aの端部領域12Bに隣接した側面に操作部15を配置することで、ユーザは、筐体2を支持している手で、端部領域12Bに加え、操作部15を使用して操作を入力することができる。
【0043】
また、携帯電子機器1は、指かけ部2Cの内部に重量が大きいバッテリ34を配置することで、筐体2を片手で支持しやすくすることができる。つまり、携帯電子機器1は、正面2Aの短手方向において、ユーザが片手で筐体2を支持する指かけ部2C側の重量を、その反対側の重量よりも重くすることで、ユーザが筐体2を保持しやすくすることができる。
【0044】
なお、携帯電子機器1は、本実施形態のように、バッテリ34を指かけ部2Cの内部に配置することが好ましいが、指かけ部2Cが配置されている側に装置の重心があること、具体的には、指かけ部2Cが配置されている側の端面に直交する方向において装置の重心が中心よりも指かけ部2Cが配置されている側にあればよい。装置の重心を指かけ部2C側とすることで、ユーザが指かけ部2C側を持った場合に筐体2を支持しやすくすることができる。
【0045】
ここで、携帯電子機器1は、接触検出部39で指かけ部2Cへの接触を検出した場合(接触検出部39が指かけ部2Cに指がかかっていることを検出した場合)、端部領域12Bに操作画面を表示させ、接触検出部39が指かけ部2Cに指がかかっていることを検出していない場合、端部領域12Bに操作画面を表示させないことが好ましい。これにより、ユーザが筐体2を指かけ部2Cを持って支持している場合、つまり、ユーザが筐体2を支持している手で端部領域12Bに操作を入力できる場合に操作画面を表示させることができる。なお、携帯電子機器1は、接触検出部39が指かけ部2Cに指がかかっていることを検出していない場合は、主領域12Aと端部領域12Bとを1つの画面にしてユーザが観賞、閲覧するために表示させた画面を表示させればよい。これにより、操作画面を表示させない状態では、ユーザが観賞、閲覧するために表示させた画面をより大きく表示させることができる。また、上記制御を行うことで、ユーザは、指かけ部2Cを持つだけで操作画面を表示させることができ、操作性をより高くすることができる。
【0046】
また、携帯電子機器1の制御部22は、主領域12Aに表示された画面に対応する操作に関する情報(操作メニュー)を端部領域12Bに表示させることが好ましい。このように、端部領域12Bに主領域12Aに表示させた画像に対応する操作メニューを含む操作画面を表示させることで、ユーザは端部領域12Bに表示された操作画面を操作することで主領域12Aの表示させる画面を操作することができる。
【0047】
また、制御部22は、端部領域12Bに日付、時刻、電池残量および電波強度の少なくとも1つの情報を表示させる、つまり端部領域12Bをいわゆるサブ表示部として用いることが好ましい。このように、操作画面の一部に日付、時刻、電池残量および電波強度の少なくとも1つの情報を表示させることでこれらの情報を主領域12Aに表示させる必要がなくなり、主領域12Aには、ユーザが観賞、閲覧するために表示させた画面のみを表示させることができる。また、接触検出部39で指かけ部2Cへの接触を検出しなかった場合は、接触検出部39が指かけ部2Cに指がかかっていることを検出しない場合に端部領域12Bに表示させる操作画面を表示させず、時刻、電池残量および電波強度の少なくとも1つの情報を表示させてもよい。
【0048】
また、携帯電子機器1は、端部領域12Bへの入力をタッチパッドへの入力として検出することも好ましい。この場合は、端部領域12Bに画像を表示させずに入力のみを検出してもよい。このように、端部領域12Bへの入力をタッチパッドへの入力として検出することで、筐体2を支持している手で、主領域12Aに表示させる画面に対する操作、具体的には、主領域12Aに表示させているカーソルの移動、ページのスクロール操作、画面の移動操作を入力することができる。
【0049】
また、携帯電子機器1は、本実施形態のように指かけ部2Cが配置されている背面2Bの端部近傍とは異なる端部近傍側にカメラ36を配置することで、ユーザが指かけ部2Cを持って筐体2を支持してもユーザの手でカメラ36のレンズが塞がることを抑制することができる。これにより、カメラ36を使用しやすくすることができる。
【0050】
また、指かけ部2Cは、本実施形態のように、背面2Bの中央側の長手方向の端部を傾斜角が鋭角となる形状とすることが好ましい。これにより、ユーザは指かけ部2Cに指(特に指先)をかけやすくすることができ、筐体2を容易に支持することができる。
【0051】
また、指かけ部2Cは、本実施形態のように背面2Bの長手方向に延在した形状で形成することが好ましい。これにより、ユーザは、筐体2の指かけ部2Cが設けられている側面のどの位置を持っても指かけ部2Cに指をかけることができる。これにより、筐体2を支持しやすくすることができる。また、ユーザが筐体2を支持している手で端部領域12Bに操作を入力する場合も、筐体2の側面の支持する位置を移動させながら、操作を入力することができる。これにより、端部領域12Bの長手方向の端から端まで操作を入力することが可能となる。
【0052】
また、指かけ部2Cは、本実施形態のように背面2Bの端部近傍からユーザの指先がかかる部分まで背面2Bの指かけ部2Cとは異なる部分(指かけ部2C以外の領域)よりも隆起した凸形状であること、つまり、背面2Bの端部近傍からユーザの指先がかかる部分まで隆起部が延在する形状とすることが好ましい。指かけ部2Cを隆起部が延在する形状とすることで、筐体2を保持しやすくすることができる。また、指かけ部2Cを隆起部が延在する形状とすることで、筐体2の内部の空間を大きくすることができ、バッテリ34等の部材を配置することができる。なお、指かけ部2Cは、隆起部が延在する形状とすることが好ましいが、ユーザが指をかける部分が隆起した形状であればよい。つまり、筐体2の背面2Bの端部から一定距離の位置に指をかける隆起部(突起部)を設けた形状としてもよい。
【0053】
ここで、指かけ部2Cは、ユーザの指先がかかる部分(背面2Bの中央側の端部)が、背面2Bの端から離れている距離を50mm以下とすること、つまり図5に示す距離L1を50mm以下とすることが好ましい。これにより、ユーザが筐体2を支持した場合に、指先を指かけ部2Cの指先がかかる部分に好適にかけることができ、筐体2を支持しやすくすることができる。
【0054】
また、指かけ部2Cは、隆起部が背面2Bの指かけ部2Cとは異なる部分(他の領域)4mm以上6mm以下隆起していること、つまり図5に示す距離Dが4mm以上6mm以下であることが好ましく、5mm前後隆起していることがより好ましい。これにより、片手で筐体2を挟みやすくすることができる。また、ユーザの指先がかかる部分の段を一定距離以上の段差とすることができ、指をかけやすくすることができる。また、指かけ部2Cの内部の空間を大きくすることができ、各種部品を内蔵しやすくすることができる。
【0055】
筐体2は、正面2Aの中央側の端部領域12Bの長手方向の端部(長手方向に延在する端部)から背面2Bに形成された指かけ部2Cのユーザの指先がかかる部分までの表面における距離(タッチパネル12に表示される操作画面の端部(具体的には端部領域12Bに表示される操作画面の正面2Aの中央側の端部)から指かけ部2Cの端部(指かけ部2Cの背面2Bの中央側の端部)までの表面における距離)、つまり図5中距離L2を、80mm以上120mm以下とすることが好ましく、100mm前後とすることがより好ましい。すなわち、端部領域12Bの短手方向の長さと筐体2の厚みと指かけ部2Cの短手方向の長さとが80mm以上120mm以下とすることが好ましく、100mm前後とすることがより好ましい。なお、筐体2は、本実施形態の長さの関係に限定されず、端部領域12Bの短手方向の長さと筐体2の厚みと指かけ部2Cの短手方向の長さとを相対的に変化させた種々の形状とすることができ、端部領域12Bの短手方向の長さと筐体2の厚みと指かけ部2Cの短手方向の長さとのいずれかが変化させたら、他の長さ、厚さも相対的に変化させ、距離の合計が80mm以上120mm以下、または、100mm前後とする形状とすればよい。当該距離を、上記範囲とすることで、筐体2の端部領域12Bが配置された領域を親指で支持し、他の指で指かけ部2Cの背面2Bの中央側の端部を支持することができる。これにより指かけ部2Cをより持ちやすくし、かつ、端部領域12Bに操作を入力しやすくすることができる。
【0056】
ここで、携帯電子機器1は、加速度センサ38で検出した筐体2の向きに基づいて、主領域12Aに表示させる画面の向きおよび端部領域12Bに表示させる操作画面の向き、位置を切り換えることが好ましい。つまり、制御部22は、加速度センサ38が検出した筐体2の向きに基づいて主領域12Aに表示させる画面の表示方向および端部領域12Bに表示させる操作画面の表示方向を設定することが好ましい。このように、筐体2の向きに応じて主領域12Aおよび端部領域12Bに表示させる画面の向きを設定することで、ユーザが見やすい向きで画像を表示させることができる。例えば、鉛直方向上側を画面の鉛直方向上側とすることができる。なお、筐体2の向きと画面の向きとの関係はユーザの設定により調整できるようにしてもよい。
【0057】
制御部22は、端部領域12Bの上側領域(鉛直方向上側となる領域)に操作に関する情報を優先的に表示させることが好ましい。以下、図8から図10を用いて説明する。ここで、図8から図10は、それぞれタッチパネルの端部領域に表示させる画像の一例を示す説明図である。なお、図8から図10では、短手方向に平行な面を切断面として、端部領域12Bを長手方向の中央部で2つの領域に分割し、一方の領域を第1領域13Aとし、他方の領域を第2領域13Bとする。携帯電子機器1は、図8に示すように、端部領域12Bの第1領域13Aが第2領域13Bよりも鉛直方向上側となる向きで配置されている場合は、第1領域13Aに操作メニューを含む操作画面を表示させる。なお、図8では、操作メニューとして、ホームキーと、メニューキーと、元に戻すキーを表示させている。また、携帯電子機器1は、図9に示すように、端部領域12Bの第2領域13Bが第1領域13Aよりも鉛直方向上側となる向きで配置されている場合は、第2領域13Bに操作画面を表示させる。また、携帯電子機器1は、図10に示すように、主領域12Aが端部領域12Bよりも鉛直方向上側となる向きで配置されている場合は、第2領域13Bに操作メニューを表示させる。なお、図8から図10のいずれの場合も鉛直方向上側が表示させる文字、記号の上側となる向きで操作メニューを表示させる。また、携帯電子機器1が図10に示す向きの場合は、第1領域13Aに操作メニューを表示させてもよい。
【0058】
図8および図9に示すように、操作メニューを端部領域12Bの鉛直方向上側の領域に表示させることで、筐体2を支持している手が操作しやすい領域に操作メニューを表示させることができる。これにより、ユーザは、筐体2を支持している手で端部領域12Bを容易に操作することができ、操作性をより向上させることができる。
【0059】
また、制御部22は、端部領域12Bの上側領域に主領域12Aの上側領域の画像に対応する操作メニュー(操作項目)を含む操作画面を表示させ、端部領域12Bの下側領域に主領域12Aの下側領域の画像に対応する操作メニューを含む操作画面を表示させることが好ましい。例えば、主領域12Aの上側領域と下側領域にそれぞれ別々のアプリケーションに関連する画像を表示させている場合は、上側領域に画像を表示しているアプリケーションに関連する操作メニューを端部領域12Bの上側領域に表示させ、下側領域に画像を表示しているアプリケーションに関連する操作メニューを端部領域12Bの下側領域に表示させる。このように、端部領域12Bの操作メニューの表示位置を、主領域12Aに表示させている画像(画面、ウインドウ)に対応した位置とすることで、直感的な操作が可能となり、操作をしやすくすることができる。なお、制御部22は、主領域12Aに1つのアプリケーションの画像を表示させる場合も、同様に、表示させている画像の構成要素に関連する操作メニューを端部領域12Bの当該構成要素の近傍の位置に表示させればよい。
【0060】
また、上記実施形態では、指かけ部2Cを背面2Bの長手側の側面に沿って配置したが、指かけ部2Cを配置する端部はこれに限定されない。携帯電子機器は、指かけ部を短手側の側面に沿って配置してもよい。つまり、指かけ部を短手側の側面に隣接する背面の端部に配置してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、主領域12Bに表示された画像に対する操作項目(操作メニュー)を正面2Aの端部領域12Bの長手方向に配置したが、これに限られない。端部領域12Bに表示させる操作項目の位置関係は、種々の位置関係とすることができ、例えば、正面2Aの端部領域に円状に配置しても、斜め(長手方向に対して傾斜した列状)に配置してもよい。操作項目を円状に配置することで、筐体2を支持いている手の親指の先を移動しやすい位置に複数の操作メニューを配置することができる。また、操作メニューを斜めに配置する場合は、一直線上に斜めに配置することに限定されず、千鳥格子状に配置してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 携帯電子機器
2 筐体
12 タッチパネル
15 操作部
19 回路基板
22 制御部
24 記憶部
26 通信部
28 操作ユニット
32 表示ユニット
33 表示制御部
34 バッテリ
36 カメラ
38 加速度センサ
39 接触検出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面の背面側に設けられた第2面と、前記第2面の端部近傍に形成される凸部と、を備える筐体と、
前記第1面に配置されたタッチパネルと、
前記第1面の前記タッチパネル内の領域であって、前記第2面の前記凸部が形成された領域の背面側の領域となる前記タッチパネルの端部領域に操作画面を表示させる制御部と、を有することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記凸部に対する接触を検出する接触検出部をさらに有し、
前記制御部は、前記接触検出部が前記凸部に対する接触を検出した場合、前記端部領域に操作画面を表示させ、前記接触検出部が前記凸部に対する接触を検出していない場合、前記端部領域に操作画面を表示させないことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記端部領域に前記操作画面として前記タッチパネルの前記端部領域以外の領域に表示された画像に対する操作項目を表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記端部領域に日付、時刻、電池残量および電波強度の少なくとも1つの情報をさらに表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記筐体の向きを検出する加速度センサをさらに有し、
前記制御部は、前記加速度センサが検出した前記筐体の向きに基づいて前記タッチパネルに表示させる画面の表示方向および前記端部領域に表示させる操作画面の表示方向を変更することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記端部領域の上側領域に前記操作画面を優先的に表示させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記端部領域の上側領域に前記タッチパネル前記端部領域以外の領域の上側領域の画面に対応する前記操作画面を表示させ、前記端部領域の下側領域に前記端部領域以外の領域の下側領域の画面に対応する前記操作画面を表示させることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記端部領域への入力をタッチパッドへの入力として検出し、前記検出した前記入力を前記端部領域以外の領域に表示された画面に対する操作として実行することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記筐体は、前記凸部が配置されている側に重心を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記筐体の前記凸部の内部に配置されたバッテリをさらに有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
前記凸部が配置されている前記第2面の端部近傍とは異なる当該第2面の端部近傍側に配置されたカメラをさらに有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項12】
前記凸部は、前記第2面の長手方向に延在して形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項13】
前記凸部は、前記第2面の端部近傍からユーザの指先がかかる部分まで第2面の前記凸部とは異なる部分よりも隆起した凸形状であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項1】
第1面と、前記第1面の背面側に設けられた第2面と、前記第2面の端部近傍に形成される凸部と、を備える筐体と、
前記第1面に配置されたタッチパネルと、
前記第1面の前記タッチパネル内の領域であって、前記第2面の前記凸部が形成された領域の背面側の領域となる前記タッチパネルの端部領域に操作画面を表示させる制御部と、を有することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記凸部に対する接触を検出する接触検出部をさらに有し、
前記制御部は、前記接触検出部が前記凸部に対する接触を検出した場合、前記端部領域に操作画面を表示させ、前記接触検出部が前記凸部に対する接触を検出していない場合、前記端部領域に操作画面を表示させないことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記端部領域に前記操作画面として前記タッチパネルの前記端部領域以外の領域に表示された画像に対する操作項目を表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記端部領域に日付、時刻、電池残量および電波強度の少なくとも1つの情報をさらに表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記筐体の向きを検出する加速度センサをさらに有し、
前記制御部は、前記加速度センサが検出した前記筐体の向きに基づいて前記タッチパネルに表示させる画面の表示方向および前記端部領域に表示させる操作画面の表示方向を変更することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記端部領域の上側領域に前記操作画面を優先的に表示させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記端部領域の上側領域に前記タッチパネル前記端部領域以外の領域の上側領域の画面に対応する前記操作画面を表示させ、前記端部領域の下側領域に前記端部領域以外の領域の下側領域の画面に対応する前記操作画面を表示させることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記端部領域への入力をタッチパッドへの入力として検出し、前記検出した前記入力を前記端部領域以外の領域に表示された画面に対する操作として実行することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記筐体は、前記凸部が配置されている側に重心を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記筐体の前記凸部の内部に配置されたバッテリをさらに有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
前記凸部が配置されている前記第2面の端部近傍とは異なる当該第2面の端部近傍側に配置されたカメラをさらに有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項12】
前記凸部は、前記第2面の長手方向に延在して形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項13】
前記凸部は、前記第2面の端部近傍からユーザの指先がかかる部分まで第2面の前記凸部とは異なる部分よりも隆起した凸形状であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−150609(P2012−150609A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8041(P2011−8041)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]