携帯電子機器
【課題】消費電力を抑えつつ、操作性を向上させることができる携帯電子機器を提供することにある。
【解決手段】第1タッチセンサと、第1タッチセンサに積層され、第1タッチセンサよりも低い消費電力で動作する第2タッチセンサと、第1タッチセンサおよび第2タッチセンサに積層される表示部と、表示部による表示が行われずかつ第1タッチセンサによる操作の検出が行われないスリープ状態で第2タッチセンサにより操作が検出された場合に、表示部による表示が行われかつ第1タッチセンサにより操作の検出が行われるアクティブ状態とする制御部と、を備えることで上記課題を解決する。
【解決手段】第1タッチセンサと、第1タッチセンサに積層され、第1タッチセンサよりも低い消費電力で動作する第2タッチセンサと、第1タッチセンサおよび第2タッチセンサに積層される表示部と、表示部による表示が行われずかつ第1タッチセンサによる操作の検出が行われないスリープ状態で第2タッチセンサにより操作が検出された場合に、表示部による表示が行われかつ第1タッチセンサにより操作の検出が行われるアクティブ状態とする制御部と、を備えることで上記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備える携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、入力デバイスとしてタッチセンサと表示部とを積層させたタッチパネルが提案されている。タッチパネルとしては、例えば特許文献1に記載されているように複数点の接触を検出するタッチパネルがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−544352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、タッチパネルを備える携帯電子機器では、一定時間操作が検出されない場合、表示部に画像を表示させずかつタッチセンサに対する操作の検出を停止する、いわゆるスリープ状態とする機能を備えるものがある。このような携帯電子機器では、タッチパネルをスリープ状態から復帰させる操作を行うためのメカニカルスイッチを備えているものがある。
【0005】
ここで、タッチパネルとメカニカルスイッチを設けた携帯電子機器では、スリープ状態から復帰させるために、その都度タッチパネル以外の領域にあるメカニカルスイッチを操作する必要があり、操作性が低下する。
【0006】
操作性が低下するという上記の課題に対処するため、スリープ状態でもタッチセンサに対する操作を検出可能な構成とすることが考えられる。しかしながら、そのような構成では、常にタッチセンサを動作させることになり、消費電力が増加する。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、消費電力を抑えつつ、操作性を向上させることができる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯電子機器であって、第1タッチセンサと、前記第1タッチセンサに積層され、前記第1タッチセンサよりも低い消費電力で動作する第2タッチセンサと、前記第1タッチセンサおよび前記第2タッチセンサに積層される表示部と、前記表示部による表示が行われずかつ前記第1タッチセンサによる操作の検出が行われないスリープ状態で前記第2タッチセンサにより操作が検出された場合に、前記表示部による表示が行われかつ前記第1タッチセンサにより操作の検出が行われるアクティブ状態とする制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、前記制御部は、前記アクティブ状態で前記第1タッチセンサにより操作が検出されずに所定の時間が経過した場合に、前記スリープ状態とすることが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記アクティブ状態で前記第2タッチセンサによる操作の検出を行わないことが好ましい。
【0011】
また、前記第2タッチセンサは、前記第1タッチセンサよりも前記表示部側に配置されていることが好ましい。
【0012】
また、前記第2タッチセンサを基準電位点に接続させるか否かを切り換える切換回路をさらに有し、前記制御部は、前記アクティブ状態で、前記切換回路により前記第2タッチセンサと前記基準電位点とを接続させることが好ましい。
【0013】
また、前記第1タッチセンサは、前記第2タッチセンサよりも前記表示部側に配置されていることが好ましい。
【0014】
また、前記第2タッチセンサは、抵抗膜方式であることが好ましい。
【0015】
また、前記第2タッチセンサは、前記第1タッチセンサよりも分解能が低いことが好ましい。
【0016】
また、前記制御部は、前記スリープ状態で前記第2タッチセンサにより検出される操作の位置に応じて、前記アクティブ状態となったときに前記表示部に表示させる画面を異ならせることが好ましい。
【0017】
また、前記第2タッチセンサにおける基準位置と当該第2タッチセンサにより検出される操作の位置との位置関係に係る第1情報と、複数の画面それぞれの位置関係に係る第2情報とを対応づけて記憶する記憶部を有し、前記制御部は、前記アクティブ状態で前記第1タッチセンサにより検出される操作に応じて前記複数の画面を切り換えて前記表示部に表示させることが可能であり、なおかつ、前記スリープ状態で前記第2タッチセンサにより操作が検出されると、前記アクティブ状態となったときに前記表示部に表示させる画面を、前記複数の画面のうち、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面に対して前記検出された操作の位置に基づく前記第1情報に対応付けられた第2情報に係る位置関係にある画面とすることが好ましい。
【0018】
また、前記制御部は、前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して右側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面の右側の画面とし、前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して左側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面の左側の画面とすることが好ましい。
【0019】
また、前記制御部は、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面が前記複数の画面のうちの右端または左端の画面でありかつ前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して右側または左側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面とすることが好ましい。
【0020】
また、前記制御部は、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面が前記複数の画面のうちの右端または左端の画面でありかつ前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して右側または左側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記複数の画面のうちの基準に設定されている画面とすることが好ましい。
【0021】
また、前記制御部は、前記スリープ状態から前記アクティブ状態となったときに前記表示部に表示させる画面を、特定の画面とするが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、消費電力を抑えつつ、操作性が向上した携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、携帯電話端末の外観を示す正面図である。
【図2】図2は、タッチパネルの概略構成を示す説明図である。
【図3】図3は、第1タッチセンサの概略構成を示す説明図である。
【図4】図4は、第2タッチセンサの概略構成を示す説明図である。
【図5】図5は、携帯電話端末の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、携帯電話端末の操作検出動作時の処理の一例を示すフロー図である。
【図7】図7は、第2タッチセンサの概略構成を示す説明図である。
【図8】図8は、第2タッチセンサの他の実施形態の概略構成を示す説明図である。
【図9】図9は、第2タッチセンサの他の実施形態の概略構成を示す説明図である。
【図10】図10は、図9に示す第2タッチセンサの操作検出時の動作を説明するための説明図である。
【図11】図11は、タッチパネルの他の実施形態の概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、電子機器として携帯電話端末を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、タッチパネルを備える各種装置、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0025】
図1は、本発明の携帯電子機器の一実施形態である携帯電話端末1の外観を示す正面図であり、携帯電話端末1は、薄板状の筐体12を有する。携帯電話端末1は、筐体12の表面に、タッチパネル2と、ボタン20、ボタン22及び入力デバイス24からなる入力部3と、レシーバ7と、マイク8と、が配置されている。タッチパネル2は、板状の筐体12の面積が最も広い面に配置されている。また、入力部3も、筐体12のタッチパネル2が配置されている面の、長手方向の一方の端部に配置されている。入力部3は、短手方向の一方から他方に向かって、ボタン20、入力デバイス24、ボタン22の順で配置されている。また、レシーバ7は、筐体12のタッチパネル2が配置されている面の長手方向の他方の端部、つまり、入力部3が配置されている端部とは反対側の端部に配置されている。また、マイク8は、筐体12のタッチパネル2が配置されている面の長手方向の一方の端部、つまり、入力部3が配置されている端部に配置されている。
【0026】
以下、図2から図4を用いてタッチパネル2について説明する。ここで、図2は、タッチパネルの概略構成を示す説明図である。図3は、第1タッチセンサの概略構成を示す説明図である。図4は、第2タッチセンサの概略構成を示す説明図である。
【0027】
タッチパネル2は、文字、図形、画像等を表示するとともに、指、スタイラス、ペン(ペンの先端、棒状部材の先端)等(以下、単に「指」という)を用いてタッチパネル2に対して行われる各種動作を検出する。例えば、携帯電話端末1は、利用者から文字の入力を受け付けるために、タッチパネル2上に仮想キーボードを表示させる。携帯電話端末1は、タッチパネル2上に仮想キーボードを表示させた状態で、指によってタッチパネル2に入力される各種動作を検出し、仮想キーボードのどのキーが押下されたか、接触されたかを検出し、押下、接触を検出したキーを入力したキーとすることで、文字入力を行うことができる。また、タッチパネル2は、文字の入力によらず、表示させている画像と、指によってタッチパネル2に対して行われる各種動作とに基づいて、各種操作の入力を検出し、入力された操作に基づいて各種制御を行う。
【0028】
タッチパネル2は、図2に示すように、第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bと表示部2Cとを有する。ここで、タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bと表示部2Cとが、筐体12の外側から内側に向かってこの順に積層されている。つまり、タッチパネル2は、第2タッチセンサ2Bが第1タッチセンサ2Aと表示部2Cとに挟まれて配置されている。このように、タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aが最も外側(筐体12の外側、露出する面)に配置され、表示部2Cが最も内側(筐体12の内部側)に配置されている。また、第2タッチセンサ2Bは、第1タッチセンサ2Aよりも表示部2C側に配置されている。
【0029】
第1タッチセンサ2Aは、板状の部材であり、指Fを用いてタッチパネル2に対して行われた各種動作を、動作が行われた場所のタッチパネル2上での位置とともに検出する。第1タッチセンサ2Aによって検出される動作には、例えば、指をタッチパネル2の表面に接触させる動作、指をタッチパネル2の表面に接触させたまま移動させる動作および指をタッチパネル2の表面から離す動作が含まれる。
【0030】
第1タッチセンサ2Aは、抵抗膜方式、感圧方式、静電容量方式、表面弾性波方式等の種々の検出方式のタッチセンサを採用することができる。第1タッチセンサ2Aは、図2に示すように、動作が行われた場所のタッチパネル2上での位置、つまり接触位置を検出するための電極30がマトリックス状に配置されている。第1タッチセンサ2Aは、指を用いてタッチパネル2に対して各種動作が行われることで、各種動作で接触している位置の電極30の検出値が変化する。第1タッチセンサ2Aは、検出値が変化した電極30の位置に基づいて接触位置を検出する。なお、図3は、第1タッチセンサ2Aの電極30の配置をわかりやすく示すため、12行8列に電極30が配置されたマトリックス形状としたが、行列の数(行の数、列の数)は特に限定されない。第1タッチセンサ2Aは、行列の数を多くすることで、つまり分解能を高くすることで、接触位置をより高精度に検出することができる。
【0031】
第2タッチセンサ2Bは、第1タッチセンサ2Aと略同一の面積の板状部材であり、面積が最も大きい面(主面)同士が重なるように第1タッチセンサ2Aに積層されている。第2タッチセンサ2Bは、指Fを用いてタッチパネル2に対して行われた接触動作を検出する。これにより、第2タッチセンサ2Bは、第1タッチセンサ2Aで接触が検出できる領域と同一の領域で接触動作を検出することができる。また、第2タッチセンサ2Bは、第1タッチセンサ2Aを介して指Fと接触するが、指Fが接触することで変化する物性値を検出することで、接触動作を検出する。第2タッチセンサ2Bは、抵抗膜方式、感圧方式、静電容量方式、表面弾性波方式等の種々の検出方式のタッチセンサを採用することができる。第2タッチセンサ2Bは、図4に示すように接触を検出するための1つの電極32が配置されている。つまり第2タッチセンサ2Bは、第1タッチセンサ2Aの電極30よりも面積が大きい電極32が配置されている。なお、本実施形態の第2タッチセンサ2Bは、接触を検出する素子である電極32が1つであるため、タッチパネル2に対して行われた接触動作を検出するが、接触位置は検出しない。つまり、第2タッチセンサ2Bは、分解能が1であり、接触動作が行われたか否かのみを検出する。このように、第2タッチセンサ2Bは、第1タッチセンサ2Aよりも低い分解能(低い感度)で接触動作を検出する。
【0032】
表示部2Cは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネル等で構成され、文字、図形、画像等を表示する。
【0033】
入力部3は、ボタン20、22が押下された場合に、押下されたボタンに対応する機能を起動させる。また、入力部3は、入力デバイス24に入力された動作も操作として検出し、入力された操作に基づいて各種制御を行う。例えば、入力デバイス24は、方向指示操作や決定操作を検出する。入力デバイス24は、タッチパッド、光学式入力デバイス、4方及び中央にボタンを備える入力デバイス等で構成される。
【0034】
次に、携帯電話端末1の機能と制御部との関係を説明する。図5は、図1に示す携帯電話端末1の機能の概略構成を示すブロック図である。図5に示すように携帯電話端末1は、タッチパネル2と、入力部3と、電源部5と、通信部6と、レシーバ7と、マイク8と、記憶部9と、主制御部10と、RAM(Random Access Memory)11と、を有する。
【0035】
タッチパネル2は、上述したように、第1タッチセンサ2Aと、第2タッチセンサ2Bと、表示部2Cと、を有する。タッチパネル2は、主制御部10の制御に基づいて駆動される。第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとは、タッチパネル2に対して行われた接触動作を検出する。第1タッチセンサ2Aまたは第2タッチセンサ2Bが後述する静電容量式である場合には、対象物が近づくことに起因する静電容量の変化が所定のしきい値を上回れば、対象物が第1タッチセンサ2Aまたは第2タッチセンサ2Bに接触しなくとも操作を検出することができる。なお、第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとは、接触動作の検出の機能が停止されている場合には、タッチパネル2に対して接触動作が行われても当該接触動作を検出しない。第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとは、検出した接触動作に対応する信号を主制御部10へ送信する。表示部2Cは、主制御部10から供給される信号に基づいて画像を表示させる。
【0036】
入力部3は、上述したようにボタン20、22と、入力デバイス24とを有する。ボタン20、22は、物理的な入力(押下)を通じて利用者の操作を受け付け、受け付けた操作に対応する信号を主制御部10へ送信する。また、入力デバイス24も、利用者の操作を受け付け、受け付けた操作に対応する信号を主制御部10へ送信する。
【0037】
電源部5は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、主制御部10を含む携帯電話端末1の各機能部へ供給する。通信部6は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式等による無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。レシーバ7は、電話通信における相手側の音声や着信音等を出力する。マイク8は、利用者等の音声を電気的な信号へ変換する。
【0038】
記憶部9は、例えば、不揮発性メモリや磁気記憶装置であり、主制御部10での処理に利用されるプログラムやデータを保存する。具体的には、記憶部9は、メールの送受信や閲覧のためのメールプログラム9Aや、WEBページの閲覧のためのブラウザプログラム9Bや、タッチパネル2の動作を制御するタッチパネル制御プログラム9Cや、タッチパネル2や入力部3で検出した入力を操作として検出する操作検出プログラム9Dや、各種プログラムを実行する際に用いる各種条件を対応付けた処理条件テーブル9Eを記憶する。また、記憶部9には、携帯電話端末1の基本的な機能を実現するオペレーティングシステムプログラムや、氏名、電話番号、メールアドレス等が登録されたアドレス帳データ等の他のプログラムやデータも記憶される。また、記憶部9には、タッチパネル2に入力された入力操作に基づいて制御動作、処理を決定するプログラム等も記憶される。なお、制御動作、処理とは、携帯電話端末1で実行する各種動作、処理が含まれ、例えば、カーソル、ポインタの移動、画面の表示切換、文字入力処理、各種アプリケーションの起動処理、終了処理がある。
【0039】
また、記憶部9は、第2タッチセンサ2Bの基準位置と第2タッチセンサ2Bに対する操作位置との位置関係に係る第1情報と、表示部に表示可能な複数の画面それぞれの位置関係に係る第2情報と、を対応づけて記憶している。なお、記憶部9は、第1情報、第2情報を記憶する領域として種々の領域を用いることができ、例えば条件テーブル9Eに記憶することができる。この第1情報および第2情報に基づく画面制御については、後で詳細に述べる。
【0040】
主制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、携帯電話端末1の動作を統括的に制御する。具体的には、主制御部10は、記憶部9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部9に記憶されているプログラムを実行して、タッチパネル2、入力部3、通信部6等を制御することによって各種処理を実行する。主制御部10は、記憶部9に記憶されているプログラムや、処理を実行することによって取得/生成/加工されたデータを、一時的な記憶領域を提供するRAM11に必要に応じて展開する。なお、主制御部10が実行するプログラムや参照するデータは、通信部6による無線通信でサーバ装置からダウンロードすることとしてもよい。
【0041】
次に、図6を用いて、携帯電話端末1の主制御部10によるタッチパネル2への接触動作の検出時の処理動作の一例について説明する。図6は、携帯電話端末1の操作検出動作時の処理の一例を示すフロー図である。図6に示す処理手順は、タッチパネル制御プログラム9C、操作制御プログラム9Dが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。より具体的には、タッチパネル制御プログラム9Cが提供する機能により取得した各種検出結果を、操作制御プログラム9Dが提供する機能に基づいて解析して、入力された操作を検出する。
【0042】
携帯電話端末1の主制御部10は、ステップS12としてタッチパネルが待機中であるか、つまりスリープ状態であるかを判定する。なお、主制御部10は、所定の条件が満たされた場合、例えば、利用者による操作が一定時間以上入力されていない状態となった場合にタッチパネル2をスリープ状態とする。なお、スリープ状態とは、携帯電話端末1の主電源は入っているが一部の機能を停止させ、消費電力を抑制する状態である。主制御部10は、スリープ状態の場合、タッチパネル2の表示部3に画面(画像)を表示させない状態とする。
【0043】
主制御部10は、ステップS12でタッチパネルが待機中ではない(No)、つまりスリープ状態ではない(アクティブ状態である)と判定したら、本処理を終了する。なお、アクティブ状態とは、各種機能を起動した状態である。なお、主制御部10は、アクティブ状態の場合、タッチパネル2の表示部3に画面(画像)を表示させる。アクティブ状態でのタッチパネル2の動作については後述する。
【0044】
主制御部10は、ステップS12でタッチパネルが待機中である(Yes)、つまりスリープ状態であると判定したら、ステップS14として、第2タッチセンサ2Bを起動し、ステップS16として、第1タッチセンサ2Aを停止する。つまり、主制御部10は、タッチパネル2に対して行われた接触動作を第2タッチセンサ2Bで検出可能な状態とする。主制御部10は、第1タッチセンサ2Aで接触動作を検出するために駆動していた各種回路への電力の供給を停止することで、第1タッチセンサ2Aを停止する。なお、主制御部10は、ステップS14の処理とステップS16の処理の順序を逆にしても、同時におこなってもよい。
【0045】
その後、主制御部10は、ステップS18として、第2タッチセンサ2Bでタッチ(接触動作)を検出したかを判定する。つまり、主制御部10は、第2タッチセンサ2Bを用いて、スリープ状態のタッチパネル2に操作が入力されたかを判定する。主制御部10は、ステップS18でタッチを検出していない(No)と判定したら、ステップS18に進む。つまり、主制御部は、スリープ状態の場合、第2タッチセンサ2Bで接触動作を検出するまで、ステップS18の処理を繰り返す。
【0046】
主制御部10は、ステップS18でタッチを検出した(Yes)と判定したら、スリープ状態からアクティブ状態に切り換える。具体的には、主制御部10は、ステップS20として、第1タッチセンサ2Aを起動し、ステップS22として、第2タッチセンサ2Bを停止する。つまり、主制御部10は、タッチパネル2に対して行われた接触動作を第1タッチセンサ2Aで検出可能な状態とする。主制御部10は、第2タッチセンサ2Bで接触動作を検出するために駆動していた各種回路への電力の供給を停止することで、第2タッチセンサ2Bを停止する。なお、主制御部10は、ステップS20の処理とステップS22の処理の順序を逆にしても、同時に行ってもよい。また、主制御部10は、ステップS20の処理およびステップS22の処理とともに表示部2Cに画面を表示させる処理も行う。主制御部10は、ステップS20の処理およびステップS22の処理を行い、タッチパネル2をアクティブ状態としたら、本処理を終了する。
【0047】
このように、携帯電話端末1は、タッチパネル2に第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとを設け、スリープ状態の場合は第2タッチセンサ2Bにより接触動作を検出すると共に、各種処理を実行するアクティブ状態の場合は第1タッチセンサ2Aにより接触動作を検出することで、消費電力を抑えつつ、操作性を向上させることができる。つまり、スリープ状態の場合でも第2タッチセンサ2Bでタッチパネル2に対する接触動作を検出することで、利用者はタッチパネル2をタッチすることでタッチパネル2をアクティブ状態にすることができる。これにより、操作性を向上させることができる。また、携帯電話端末1は、第2タッチセンサ2Bの分解能を第1タッチセンサ2Aの分解能よりも低くすることで、スリープ状態において第2タッチセンサ2Bで接触動作の検出を行っても、消費電力の増加を抑制することができる。
【0048】
また、主制御部10は、第1タッチセンサ2Aに対する操作がなされずに所定の時間経過した場合に、スリープ状態とすることで、上述したように消費電力を低減することができる。
【0049】
また、主制御部10は、アクティブ状態の場合、第2タッチセンサ2Bによる接触動作の検出を行わないことで、つまり第2タッチセンサ2Bを停止させることで、タッチパネル2での消費電力の増加を抑制することができる。また、携帯電話端末1は、アクティブ状態の場合第1タッチセンサ2Aで接触動作を検出しているので、第2タッチセンサ2Bを停止させてもタッチパネル2に対する接触動作を検出することができる。このように、アクティブ状態とスリープ状態とで、起動させるタッチセンサ、停止させるタッチセンサを切り換えることで消費電力を抑えつつ、操作性を向上させることができる。
【0050】
なお、上記実施形態では、タッチパネル2における第2タッチセンサ2Bの分解能が第1タッチセンサ2Aの分解能よりも低い構成として、第2タッチセンサ2Bが接触動作が行われたか否かのみを検出する構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。タッチパネル2は、第2タッチセンサ2Bが第1タッチセンサ2Aよりも低い消費電力で操作を検出するタッチセンサであればよい。例えば、第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとで同様の方式のタッチセンサを用いる場合、第2タッチセンサ2Bの格子密度(電極の配置密度)が、第1タッチセンサ2Aの格子密度(電極の配置密度)よりも低ければ、第1タッチセンサ2Aよりも低い消費電力で動作する。また、第2タッチセンサ2Bの面積が第1タッチセンサ2Aの面積よりも小さければ、低い消費電力で動作する。このように、第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとは、同じ面積である必要はなく、異なる面積であってもよい。
【0051】
また、タッチパネル2は、本実施形態のように第2タッチセンサ2Bを第1タッチセンサ2Aよりも表示部2C側に配置することで、アクティブ状態で接触動作を検出する際の第1タッチセンサ2Aの検出感度を維持することができる。つまり、第1タッチセンサ2Aの感度に第2タッチセンサ2Bが影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0052】
なお、第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとの配置位置はこれに限定されない。タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aを第2タッチセンサ2Bよりも表示部2C側に有していてもよい。つまり、タッチパネル2は、第2タッチセンサ2Bを第1タッチセンサ2Aよりも筐体12の外側(外部に露出する側)に有していてもよい。タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aを第2タッチセンサ2Bよりも表示部2C側に配置することで、第2タッチセンサ2Bで接触動作を好適に検出することができる。
【0053】
なお、タッチパネル2は、第1タッチセンサ2A、第2タッチセンサ2Bとして各種方式のタッチセンサを用いることができる。例えば、タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aに投影型静電容量方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用い、第2タッチセンサ2Bにも投影型静電容量方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用いることができる。
【0054】
タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aに投影型静電容量方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用い、第2タッチセンサ2Bに表面型静電容量方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用いる構成とすることができる。なお、この場合は、第2タッチセンサ2Aを第1タッチセンサ2Bよりも筐体12の外側に配置することが好ましい。
【0055】
タッチセンサ2は、第1タッチセンサ2Aに静電容量方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用い、第2タッチセンサ2Bに抵抗膜方式のタッチセンサを用いることもできる。第2タッチセンサ2Bにより消費電力が少ない抵抗膜方式のタッチセンサを用いることで第2タッチセンサ2Bでの消費電力を少なくすることができる。また、抵抗膜方式のタッチセンサは、操作のために所定の押圧力を加える必要があるため、スリープ時に利用者の意図しない操作を検出しにくくすることができる。なお、この場合は、第2タッチセンサ2Bを第1タッチセンサ2Aよりも筐体12の外側に配置することが好ましい。
【0056】
タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aに静電容量方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用い、第2タッチセンサ2Bにも表面弾性波方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用いる構成とすることができる。なお、この場合は、第2タッチセンサ2Bを第1タッチセンサ2Aよりも筐体12の外側に配置することが好ましい。
【0057】
以上のようにタッチパネル2は、種々のタッチセンサの組み合わせにより構成することができる。なお、一方のタッチセンサに抵抗膜方式のタッチセンサを用いる場合は、抵抗膜方式のタッチセンサを他方のタッチセンサより筐体12の外側に配置することが好ましい。これにより、抵抗膜方式のタッチセンサで好適に接触動作を検出することができる。
【0058】
ここで、図7は、第2タッチセンサの概略構成を示す説明図である。携帯電子機器1は、図7に示すように第2タッチセンサ2Bの全面が1つのボタン(第1ボタン)40であるように扱うこと、つまり分解能を1とすることが好ましい。当該構成では、第2タッチセンサ2Bは、接触動作を検出する回路を有していれば良く、接触位置を検出する回路を設ける必要がないため、接触動作の検出時の消費電力をより少なくすることができる。
【0059】
ここで、第2タッチセンサは、1つのボタン40とすることに限定されない。図8および図9は、第2タッチセンサの他の実施形態の概略構成を示す説明図である。図8に示す第2タッチセンサ41は、接触を検出する領域を上下の2つに分割し2つのボタンとする。具体的には、第2タッチセンサ41は、接触を検出する領域のうち上側の半分の領域をボタン(第1ボタン)42とし、接触を検出する領域のうち下側の半分の領域をボタン(第2ボタン)44とする。また、図9に示す第2タッチセンサ50は、接触を検出する領域を左右方向に3つに分割し3つのボタンとする。具体的には、第2タッチセンサ50は、接触を検出する領域のうち左側の3分の1の領域をボタン(第1ボタン)52とし、接触を検出する領域のうち中央の3分の1の領域をボタン(第2ボタン)54とし、接触を検出する領域のうち右側の3分の1の領域をボタン(第3ボタン)56とする。
【0060】
携帯電話端末1は、タッチパネルの第2タッチセンサの領域を図8および図9に示すように複数の領域に分割し、それぞれの領域をボタン(操作部)として扱うことで、どの領域がタッチされたかを検出することができる。本実施形態では、上述した第2タッチセンサにおける基準位置を第2タッチセンサの中心点とする。基準位置は、図8に示す構成では第1ボタン41と第2ボタンとの境界線上に存在する。基準位置は、図9に示す構成では第2ボタン54に割り当てられた領域(中央の3分の1の領域)に存在する。なお、第2タッチセンサの基準位置は、第2タッチセンサの中心点には限られず、中心点とは異なる位置でもよい。また、第2タッチセンサ上の点でなく、ある程度の面積をもった領域であってもよい。
【0061】
図10を用いて、スリープ時にタッチされるボタンと復帰時に表示部に表示させる画面との関係の一例を説明する。ここで、図10は、図9に示す第2タッチセンサ50の操作検出時の動作を説明するための説明図である。携帯電話端末1の主制御部10は、スリープ状態で第2タッチセンサによりボタン(第1ボタン)52がタッチされたことを検出した場合、画面60を表示させる。なお画面60は、各種設定を行う画面である。また、主制御部10は、スリープ状態で第2タッチセンサによりボタン(第2ボタン)54がタッチされたことを検出した場合、画面62を表示させる。なお画面62は、各種設定を行う画面である。ホーム画面である。なお、ホーム画面等は、待受け画面である。待受画面とは、電話の発着信を待ち受けている状態の画面、または、アプリケーションプログラムの起動を待ち受けている状態の画面である。換言すると、待受画面は、携帯電話端末1が提供する各種機能画面へ画面が変わる前の画面である。なお、待受画面は、例えば、初期画面、デスクトップ画面、ホーム画面、または、壁紙と呼ばれることもある。また、図10に示す例では、無地の画面が待受画面として表示されているが、画像データやアニメーションデータを待受画面として表示してもよい。また、待受画面の一部として、カレンダや時計のように動的に変化する部分が含まれていてもよい。本実施形態の画面62には、時計の画像と発信操作が対応付けられたボタンと戻る操作が対応付けられたボタンと電話帳を呼び出す操作が対応付けられたボタンとが表示される。携帯電話端末1の主制御部10は、スリープ状態で第2タッチセンサによりボタン(第3ボタン)56がタッチされたことを検出した場合、画面64を表示させる。なお画面64は、登録されているアプリケーションのアイコンを表示する画面である。
【0062】
このように、携帯電話端末1は、第2タッチセンサで接触動作によりどのボタンがタッチされたかを判定し、タッチされたボタンに応じてスリープ状態からアクティブ状態に切り換える際に実行する処理を異なる処理とすることができる。これにより、スリープ状態からの復帰時に表示させる画面を種々の画面とすることができ、利用者は、画面復帰の操作と表示画面の切り換えの操作を1つの操作で入力することができる。また、第2タッチセンサを複数の領域に分割した場合でも、一定の設定された領域に分割しておくことで、タッチされた領域の判定の回路を簡単にすることができる。つまり、第2タッチセンサは、接触位置を検出する精度を第1タッチセンサよりも低くしても上記処理は可能であるため、タッチされたボタンの判定を行う場合でも、消費電力を抑えつつ、操作性を向上させることができる。
【0063】
また、異なる複数の画面をタッチパネルに対するドラッグ操作やフリック操作に応じて切り替えて表示できる携帯電話端末がある。このような携帯電話端末においては、主制御部10は、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面の位置関係に対応付けることが好ましい。主制御部10は、第2タッチセンサで検出した接触動作の位置が第3ボタン56の領域に含まれる(基準位置に対して右側である)場合、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面を、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面の右側の画面とし、第2タッチセンサで検出した接触動作の位置が第1ボタン52の領域に含まれる(基準位置に対して左側である)場合、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面を、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面の左側の画面とすることが好ましい。つまり、中央を基準として押下されたボタンの方向に遷移した画面を表示させることが好ましい。これにより、利用者は復帰時に表示させる画面を選択することができる。
【0064】
また、主制御部10は、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面が複数の画面のうちの右端の画面であり、かつ第2タッチセンサで検出した接触動作の位置が右側である場合、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面を、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面とし、一方、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面が複数の画面のうちの左端の画面であり、かつ第2タッチセンサで検出した接触動作の位置が左側である場合、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面を、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面とすることができる。つまり、主制御部10は、表示する設定されている画面からさらに移動させる画面が無い場合、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面を再び表示させることが好ましい。これにより、表示順序の端の画面を表示させていることを認識することができる。
【0065】
また、主制御部10は、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面が複数の画面のうちの右端/左端(右端または左端)の画面であり、かつ第2タッチセンサで検出した接触動作の位置が右側/左側(右端または左端、つまり画面の端側)である場合、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面を、複数の画面のうち基準に設定されている画面とすることもできる。つまり、主制御部10は、表示する設定の画面が端の画面であり、さらにその端よりも外側に移動させる操作が入力された場合、基準に設定されている画面(例えば、ホーム画面)を表示させることが好ましい。これにより、画面の順序を認識しやすくすることができる。
【0066】
主制御部10は、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面を、第2タッチセンサ2Bにより検出される操作の位置にかかわらず特定の画面とすることもできる。このように復帰時は常に同じ画面を表示させる設定とすることで、直前の操作の影響を受けることなく操作を開始することができる。
【0067】
次に、図11は、タッチパネルの他の実施形態の概略構成を示す説明図である。携帯電話端末1は、図11に示すように、基準電位点70と、第2タッチセンサ2Bと基準電位点70との接続を切り換える切換回路72とを有することが好ましい。なお、図11に示すタッチパネルは、第1タッチセンサ2Aと表示部2Cとの間に第2タッチセンサ2Bが配置された構成である。基準電位点70は、いわゆるアースである。切換回路72は、第2タッチセンサ2Bと基準電位点70とが電気的に接続している状態と接続していない状態とを切り換える回路である。切換回路72は、第2タッチセンサ2Bと基準電位点70とを電気的に接続することで、第2タッチセンサ2Bを基準電位とする。
【0068】
主制御部10は、アクティブ状態の場合、切換回路72により第2タッチセンサ2Bと基準電位点70とを接続させる。また、主制御部10は、スリープ状態の場合、切換回路72により第2タッチセンサ2Bと基準電位点70とを接続していない状態とする。このように、アクティブ状態の場合、切換回路72により第2タッチセンサ2Bと基準電位点70とを接続させ、第2タッチセンサ2Bを基準電位にすることで、第2タッチセンサ2Bを第1タッチセンサ2Aと表示部2Cとの間のシールドとすることができる。これにより、アクティブ時に第1タッチセンサ2Aと表示部2Cとを駆動させることで、一方の駆動が他方の駆動に影響を与えノイズとなることを抑制できる。このように、第2タッチセンサ2Bをシールド(ノイズシールド)とすることで、第1タッチセンサ2Aにノイズシールドを設けなくてもノイズの発生を抑制することができる。また、切換回路72は簡単な機構で実現可能であるため装置も安価にすることができる。また、第2タッチセンサ2Bは、表示部2Cに画面を表示させないスリープ状態、つまり表示部2Cを停止している場合に駆動される。これにより、第2タッチセンサ2Bは、表示部2Cとの間にシールドを設けなくても表示部2に起因して発生するノイズを抑制できる。
【0069】
上述の実施形態において、図6を参照して主制御部10によるタッチパネル2への接触動作の検出時の処理動作の一例についての説明を行った。図6に示すフローチャートにおいて、主制御部10は、スリープ状態で第2タッチセンサ2Bにより操作が検出されると(ステップS18でYes)、ステップS20で第1タッチセンサ2Aを起動させると共にステップS22で第2タッチセンサ2Bを停止させる。
【0070】
ここで、ステップS18における操作を行った指(対象物、上述したように利用者の指またはスタイラスペン)が、ステップS20で主制御部10により第1タッチセンサ2Aが起動された段階でタッチパネル2上にある場合が考えられる。このとき、例えば第1タッチセンサ2Aが静電容量式であれば、利用者の指による静電容量の変化に基づき、第1タッチセンサ2Aから操作に対応する信号が主制御部10に送信される。主制御部10は、第1タッチセンサ2Aから受信した操作に係る信号に基づいて所定の処理を行ってもよいし、行わなくてもよい。すなわち、主制御部10は、スリープ状態で第2タッチセンサ2Bにより操作が検出されて、第1タッチセンサ2Aにより操作を検出するアクティブ状態となったときに第1タッチセンサ2Aにより操作が検出されると、当該検出された操作を有効としてもよいし、無効としてもよい。
【0071】
主制御部10は、上記所定の処理として、第1タッチセンサ2Aにより検出された操作の位置が、表示部2Cに表示された所定の機能を起動させるためのアイコンに割り当てられた領域に対応する場合には、当該所定の機能を起動する処理を行うことができる。また、アクティブ状態になったときに第1タッチセンサ2Aにより検出される操作の位置が移動することが検出された場合(例えば、ユーザーがドラッグ操作やフリック操作を行った場合に該当する)には、当該操作に基づいて表示部2Cに表示された画面をスクロールする等の処理を行ってもよい。
【0072】
主制御部10は、表示部2Cによる表示が行われると共に第1タッチセンサ2Aによる操作の検出が行われるアクティブ状態となってからの時間を計測し、アクティブ状態となってから所定の時間が経過する前に第1タッチセンサ2Aにより操作が検出されなくなった場合には上記所定の処理を行わず、アクティブ状態となってから所定の時間が経過した後も第1タッチセンサ2Aにより操作(接触)が検出される場合には上記所定の処理を行うこととしてもよい。
【0073】
アクティブ状態となってから所定の時間が経過する前に操作が検出されない場合、利用者が所定の処理を行うことを意図していない、すなわち単にスリープ状態からアクティブ状態へ移行することだけを目的としてタッチパネル2に対する操作を行った可能性が考えられる。一方、アクティブ状態となってから所定の時間が経過した後も操作が検出される場合には、ユーザーが何らかの機能を起動させる意図を持ってタッチパネル2に対する操作を行っている可能性が考えられる。このように、アクティブ状態となってから経過した時間に応じて上記所定の処理を行うか否かを決定することで、利用者の使い勝手を向上させることができる。
【0074】
なお、アクティブ状態となってから所定の時間が経過した後も操作が検出される場合には、操作がなされる位置の移動を検出し、操作が検出されなくなった位置に対応するアイコンに係る機能を起動するようにしてもよい。これにより、利用者は、表示部2Cによる表示が行われた時点において指で触っている位置のアイコンに係る機能が起動させたい機能と異なる場合に、所望の機能に対応するアイコンが表示される領域まで指を移動させてから指を離すことで、所望の機能を起動させることができる。これにより、使い勝手がさらに向上する。
【符号の説明】
【0075】
1 携帯電話端末
2 タッチパネル
2A 第1タッチセンサ
2B 第2タッチセンサ
2C 表示部
3 入力部
5 電源部
6 通信部
7 レシーバ
8 マイク
9 記憶部
9A メールプログラム
9B ブラウザプログラム
9C タッチパネル制御プログラム
9D 操作制御プログラム
9E 処理条件テーブル
10 主制御部
11 RAM
12 筐体
20、22 ボタン
24 入力デバイス
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備える携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、入力デバイスとしてタッチセンサと表示部とを積層させたタッチパネルが提案されている。タッチパネルとしては、例えば特許文献1に記載されているように複数点の接触を検出するタッチパネルがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−544352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、タッチパネルを備える携帯電子機器では、一定時間操作が検出されない場合、表示部に画像を表示させずかつタッチセンサに対する操作の検出を停止する、いわゆるスリープ状態とする機能を備えるものがある。このような携帯電子機器では、タッチパネルをスリープ状態から復帰させる操作を行うためのメカニカルスイッチを備えているものがある。
【0005】
ここで、タッチパネルとメカニカルスイッチを設けた携帯電子機器では、スリープ状態から復帰させるために、その都度タッチパネル以外の領域にあるメカニカルスイッチを操作する必要があり、操作性が低下する。
【0006】
操作性が低下するという上記の課題に対処するため、スリープ状態でもタッチセンサに対する操作を検出可能な構成とすることが考えられる。しかしながら、そのような構成では、常にタッチセンサを動作させることになり、消費電力が増加する。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、消費電力を抑えつつ、操作性を向上させることができる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯電子機器であって、第1タッチセンサと、前記第1タッチセンサに積層され、前記第1タッチセンサよりも低い消費電力で動作する第2タッチセンサと、前記第1タッチセンサおよび前記第2タッチセンサに積層される表示部と、前記表示部による表示が行われずかつ前記第1タッチセンサによる操作の検出が行われないスリープ状態で前記第2タッチセンサにより操作が検出された場合に、前記表示部による表示が行われかつ前記第1タッチセンサにより操作の検出が行われるアクティブ状態とする制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、前記制御部は、前記アクティブ状態で前記第1タッチセンサにより操作が検出されずに所定の時間が経過した場合に、前記スリープ状態とすることが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記アクティブ状態で前記第2タッチセンサによる操作の検出を行わないことが好ましい。
【0011】
また、前記第2タッチセンサは、前記第1タッチセンサよりも前記表示部側に配置されていることが好ましい。
【0012】
また、前記第2タッチセンサを基準電位点に接続させるか否かを切り換える切換回路をさらに有し、前記制御部は、前記アクティブ状態で、前記切換回路により前記第2タッチセンサと前記基準電位点とを接続させることが好ましい。
【0013】
また、前記第1タッチセンサは、前記第2タッチセンサよりも前記表示部側に配置されていることが好ましい。
【0014】
また、前記第2タッチセンサは、抵抗膜方式であることが好ましい。
【0015】
また、前記第2タッチセンサは、前記第1タッチセンサよりも分解能が低いことが好ましい。
【0016】
また、前記制御部は、前記スリープ状態で前記第2タッチセンサにより検出される操作の位置に応じて、前記アクティブ状態となったときに前記表示部に表示させる画面を異ならせることが好ましい。
【0017】
また、前記第2タッチセンサにおける基準位置と当該第2タッチセンサにより検出される操作の位置との位置関係に係る第1情報と、複数の画面それぞれの位置関係に係る第2情報とを対応づけて記憶する記憶部を有し、前記制御部は、前記アクティブ状態で前記第1タッチセンサにより検出される操作に応じて前記複数の画面を切り換えて前記表示部に表示させることが可能であり、なおかつ、前記スリープ状態で前記第2タッチセンサにより操作が検出されると、前記アクティブ状態となったときに前記表示部に表示させる画面を、前記複数の画面のうち、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面に対して前記検出された操作の位置に基づく前記第1情報に対応付けられた第2情報に係る位置関係にある画面とすることが好ましい。
【0018】
また、前記制御部は、前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して右側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面の右側の画面とし、前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して左側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面の左側の画面とすることが好ましい。
【0019】
また、前記制御部は、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面が前記複数の画面のうちの右端または左端の画面でありかつ前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して右側または左側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面とすることが好ましい。
【0020】
また、前記制御部は、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面が前記複数の画面のうちの右端または左端の画面でありかつ前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して右側または左側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記複数の画面のうちの基準に設定されている画面とすることが好ましい。
【0021】
また、前記制御部は、前記スリープ状態から前記アクティブ状態となったときに前記表示部に表示させる画面を、特定の画面とするが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、消費電力を抑えつつ、操作性が向上した携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、携帯電話端末の外観を示す正面図である。
【図2】図2は、タッチパネルの概略構成を示す説明図である。
【図3】図3は、第1タッチセンサの概略構成を示す説明図である。
【図4】図4は、第2タッチセンサの概略構成を示す説明図である。
【図5】図5は、携帯電話端末の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、携帯電話端末の操作検出動作時の処理の一例を示すフロー図である。
【図7】図7は、第2タッチセンサの概略構成を示す説明図である。
【図8】図8は、第2タッチセンサの他の実施形態の概略構成を示す説明図である。
【図9】図9は、第2タッチセンサの他の実施形態の概略構成を示す説明図である。
【図10】図10は、図9に示す第2タッチセンサの操作検出時の動作を説明するための説明図である。
【図11】図11は、タッチパネルの他の実施形態の概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、電子機器として携帯電話端末を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、タッチパネルを備える各種装置、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0025】
図1は、本発明の携帯電子機器の一実施形態である携帯電話端末1の外観を示す正面図であり、携帯電話端末1は、薄板状の筐体12を有する。携帯電話端末1は、筐体12の表面に、タッチパネル2と、ボタン20、ボタン22及び入力デバイス24からなる入力部3と、レシーバ7と、マイク8と、が配置されている。タッチパネル2は、板状の筐体12の面積が最も広い面に配置されている。また、入力部3も、筐体12のタッチパネル2が配置されている面の、長手方向の一方の端部に配置されている。入力部3は、短手方向の一方から他方に向かって、ボタン20、入力デバイス24、ボタン22の順で配置されている。また、レシーバ7は、筐体12のタッチパネル2が配置されている面の長手方向の他方の端部、つまり、入力部3が配置されている端部とは反対側の端部に配置されている。また、マイク8は、筐体12のタッチパネル2が配置されている面の長手方向の一方の端部、つまり、入力部3が配置されている端部に配置されている。
【0026】
以下、図2から図4を用いてタッチパネル2について説明する。ここで、図2は、タッチパネルの概略構成を示す説明図である。図3は、第1タッチセンサの概略構成を示す説明図である。図4は、第2タッチセンサの概略構成を示す説明図である。
【0027】
タッチパネル2は、文字、図形、画像等を表示するとともに、指、スタイラス、ペン(ペンの先端、棒状部材の先端)等(以下、単に「指」という)を用いてタッチパネル2に対して行われる各種動作を検出する。例えば、携帯電話端末1は、利用者から文字の入力を受け付けるために、タッチパネル2上に仮想キーボードを表示させる。携帯電話端末1は、タッチパネル2上に仮想キーボードを表示させた状態で、指によってタッチパネル2に入力される各種動作を検出し、仮想キーボードのどのキーが押下されたか、接触されたかを検出し、押下、接触を検出したキーを入力したキーとすることで、文字入力を行うことができる。また、タッチパネル2は、文字の入力によらず、表示させている画像と、指によってタッチパネル2に対して行われる各種動作とに基づいて、各種操作の入力を検出し、入力された操作に基づいて各種制御を行う。
【0028】
タッチパネル2は、図2に示すように、第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bと表示部2Cとを有する。ここで、タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bと表示部2Cとが、筐体12の外側から内側に向かってこの順に積層されている。つまり、タッチパネル2は、第2タッチセンサ2Bが第1タッチセンサ2Aと表示部2Cとに挟まれて配置されている。このように、タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aが最も外側(筐体12の外側、露出する面)に配置され、表示部2Cが最も内側(筐体12の内部側)に配置されている。また、第2タッチセンサ2Bは、第1タッチセンサ2Aよりも表示部2C側に配置されている。
【0029】
第1タッチセンサ2Aは、板状の部材であり、指Fを用いてタッチパネル2に対して行われた各種動作を、動作が行われた場所のタッチパネル2上での位置とともに検出する。第1タッチセンサ2Aによって検出される動作には、例えば、指をタッチパネル2の表面に接触させる動作、指をタッチパネル2の表面に接触させたまま移動させる動作および指をタッチパネル2の表面から離す動作が含まれる。
【0030】
第1タッチセンサ2Aは、抵抗膜方式、感圧方式、静電容量方式、表面弾性波方式等の種々の検出方式のタッチセンサを採用することができる。第1タッチセンサ2Aは、図2に示すように、動作が行われた場所のタッチパネル2上での位置、つまり接触位置を検出するための電極30がマトリックス状に配置されている。第1タッチセンサ2Aは、指を用いてタッチパネル2に対して各種動作が行われることで、各種動作で接触している位置の電極30の検出値が変化する。第1タッチセンサ2Aは、検出値が変化した電極30の位置に基づいて接触位置を検出する。なお、図3は、第1タッチセンサ2Aの電極30の配置をわかりやすく示すため、12行8列に電極30が配置されたマトリックス形状としたが、行列の数(行の数、列の数)は特に限定されない。第1タッチセンサ2Aは、行列の数を多くすることで、つまり分解能を高くすることで、接触位置をより高精度に検出することができる。
【0031】
第2タッチセンサ2Bは、第1タッチセンサ2Aと略同一の面積の板状部材であり、面積が最も大きい面(主面)同士が重なるように第1タッチセンサ2Aに積層されている。第2タッチセンサ2Bは、指Fを用いてタッチパネル2に対して行われた接触動作を検出する。これにより、第2タッチセンサ2Bは、第1タッチセンサ2Aで接触が検出できる領域と同一の領域で接触動作を検出することができる。また、第2タッチセンサ2Bは、第1タッチセンサ2Aを介して指Fと接触するが、指Fが接触することで変化する物性値を検出することで、接触動作を検出する。第2タッチセンサ2Bは、抵抗膜方式、感圧方式、静電容量方式、表面弾性波方式等の種々の検出方式のタッチセンサを採用することができる。第2タッチセンサ2Bは、図4に示すように接触を検出するための1つの電極32が配置されている。つまり第2タッチセンサ2Bは、第1タッチセンサ2Aの電極30よりも面積が大きい電極32が配置されている。なお、本実施形態の第2タッチセンサ2Bは、接触を検出する素子である電極32が1つであるため、タッチパネル2に対して行われた接触動作を検出するが、接触位置は検出しない。つまり、第2タッチセンサ2Bは、分解能が1であり、接触動作が行われたか否かのみを検出する。このように、第2タッチセンサ2Bは、第1タッチセンサ2Aよりも低い分解能(低い感度)で接触動作を検出する。
【0032】
表示部2Cは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネル等で構成され、文字、図形、画像等を表示する。
【0033】
入力部3は、ボタン20、22が押下された場合に、押下されたボタンに対応する機能を起動させる。また、入力部3は、入力デバイス24に入力された動作も操作として検出し、入力された操作に基づいて各種制御を行う。例えば、入力デバイス24は、方向指示操作や決定操作を検出する。入力デバイス24は、タッチパッド、光学式入力デバイス、4方及び中央にボタンを備える入力デバイス等で構成される。
【0034】
次に、携帯電話端末1の機能と制御部との関係を説明する。図5は、図1に示す携帯電話端末1の機能の概略構成を示すブロック図である。図5に示すように携帯電話端末1は、タッチパネル2と、入力部3と、電源部5と、通信部6と、レシーバ7と、マイク8と、記憶部9と、主制御部10と、RAM(Random Access Memory)11と、を有する。
【0035】
タッチパネル2は、上述したように、第1タッチセンサ2Aと、第2タッチセンサ2Bと、表示部2Cと、を有する。タッチパネル2は、主制御部10の制御に基づいて駆動される。第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとは、タッチパネル2に対して行われた接触動作を検出する。第1タッチセンサ2Aまたは第2タッチセンサ2Bが後述する静電容量式である場合には、対象物が近づくことに起因する静電容量の変化が所定のしきい値を上回れば、対象物が第1タッチセンサ2Aまたは第2タッチセンサ2Bに接触しなくとも操作を検出することができる。なお、第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとは、接触動作の検出の機能が停止されている場合には、タッチパネル2に対して接触動作が行われても当該接触動作を検出しない。第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとは、検出した接触動作に対応する信号を主制御部10へ送信する。表示部2Cは、主制御部10から供給される信号に基づいて画像を表示させる。
【0036】
入力部3は、上述したようにボタン20、22と、入力デバイス24とを有する。ボタン20、22は、物理的な入力(押下)を通じて利用者の操作を受け付け、受け付けた操作に対応する信号を主制御部10へ送信する。また、入力デバイス24も、利用者の操作を受け付け、受け付けた操作に対応する信号を主制御部10へ送信する。
【0037】
電源部5は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、主制御部10を含む携帯電話端末1の各機能部へ供給する。通信部6は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式等による無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。レシーバ7は、電話通信における相手側の音声や着信音等を出力する。マイク8は、利用者等の音声を電気的な信号へ変換する。
【0038】
記憶部9は、例えば、不揮発性メモリや磁気記憶装置であり、主制御部10での処理に利用されるプログラムやデータを保存する。具体的には、記憶部9は、メールの送受信や閲覧のためのメールプログラム9Aや、WEBページの閲覧のためのブラウザプログラム9Bや、タッチパネル2の動作を制御するタッチパネル制御プログラム9Cや、タッチパネル2や入力部3で検出した入力を操作として検出する操作検出プログラム9Dや、各種プログラムを実行する際に用いる各種条件を対応付けた処理条件テーブル9Eを記憶する。また、記憶部9には、携帯電話端末1の基本的な機能を実現するオペレーティングシステムプログラムや、氏名、電話番号、メールアドレス等が登録されたアドレス帳データ等の他のプログラムやデータも記憶される。また、記憶部9には、タッチパネル2に入力された入力操作に基づいて制御動作、処理を決定するプログラム等も記憶される。なお、制御動作、処理とは、携帯電話端末1で実行する各種動作、処理が含まれ、例えば、カーソル、ポインタの移動、画面の表示切換、文字入力処理、各種アプリケーションの起動処理、終了処理がある。
【0039】
また、記憶部9は、第2タッチセンサ2Bの基準位置と第2タッチセンサ2Bに対する操作位置との位置関係に係る第1情報と、表示部に表示可能な複数の画面それぞれの位置関係に係る第2情報と、を対応づけて記憶している。なお、記憶部9は、第1情報、第2情報を記憶する領域として種々の領域を用いることができ、例えば条件テーブル9Eに記憶することができる。この第1情報および第2情報に基づく画面制御については、後で詳細に述べる。
【0040】
主制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、携帯電話端末1の動作を統括的に制御する。具体的には、主制御部10は、記憶部9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部9に記憶されているプログラムを実行して、タッチパネル2、入力部3、通信部6等を制御することによって各種処理を実行する。主制御部10は、記憶部9に記憶されているプログラムや、処理を実行することによって取得/生成/加工されたデータを、一時的な記憶領域を提供するRAM11に必要に応じて展開する。なお、主制御部10が実行するプログラムや参照するデータは、通信部6による無線通信でサーバ装置からダウンロードすることとしてもよい。
【0041】
次に、図6を用いて、携帯電話端末1の主制御部10によるタッチパネル2への接触動作の検出時の処理動作の一例について説明する。図6は、携帯電話端末1の操作検出動作時の処理の一例を示すフロー図である。図6に示す処理手順は、タッチパネル制御プログラム9C、操作制御プログラム9Dが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。より具体的には、タッチパネル制御プログラム9Cが提供する機能により取得した各種検出結果を、操作制御プログラム9Dが提供する機能に基づいて解析して、入力された操作を検出する。
【0042】
携帯電話端末1の主制御部10は、ステップS12としてタッチパネルが待機中であるか、つまりスリープ状態であるかを判定する。なお、主制御部10は、所定の条件が満たされた場合、例えば、利用者による操作が一定時間以上入力されていない状態となった場合にタッチパネル2をスリープ状態とする。なお、スリープ状態とは、携帯電話端末1の主電源は入っているが一部の機能を停止させ、消費電力を抑制する状態である。主制御部10は、スリープ状態の場合、タッチパネル2の表示部3に画面(画像)を表示させない状態とする。
【0043】
主制御部10は、ステップS12でタッチパネルが待機中ではない(No)、つまりスリープ状態ではない(アクティブ状態である)と判定したら、本処理を終了する。なお、アクティブ状態とは、各種機能を起動した状態である。なお、主制御部10は、アクティブ状態の場合、タッチパネル2の表示部3に画面(画像)を表示させる。アクティブ状態でのタッチパネル2の動作については後述する。
【0044】
主制御部10は、ステップS12でタッチパネルが待機中である(Yes)、つまりスリープ状態であると判定したら、ステップS14として、第2タッチセンサ2Bを起動し、ステップS16として、第1タッチセンサ2Aを停止する。つまり、主制御部10は、タッチパネル2に対して行われた接触動作を第2タッチセンサ2Bで検出可能な状態とする。主制御部10は、第1タッチセンサ2Aで接触動作を検出するために駆動していた各種回路への電力の供給を停止することで、第1タッチセンサ2Aを停止する。なお、主制御部10は、ステップS14の処理とステップS16の処理の順序を逆にしても、同時におこなってもよい。
【0045】
その後、主制御部10は、ステップS18として、第2タッチセンサ2Bでタッチ(接触動作)を検出したかを判定する。つまり、主制御部10は、第2タッチセンサ2Bを用いて、スリープ状態のタッチパネル2に操作が入力されたかを判定する。主制御部10は、ステップS18でタッチを検出していない(No)と判定したら、ステップS18に進む。つまり、主制御部は、スリープ状態の場合、第2タッチセンサ2Bで接触動作を検出するまで、ステップS18の処理を繰り返す。
【0046】
主制御部10は、ステップS18でタッチを検出した(Yes)と判定したら、スリープ状態からアクティブ状態に切り換える。具体的には、主制御部10は、ステップS20として、第1タッチセンサ2Aを起動し、ステップS22として、第2タッチセンサ2Bを停止する。つまり、主制御部10は、タッチパネル2に対して行われた接触動作を第1タッチセンサ2Aで検出可能な状態とする。主制御部10は、第2タッチセンサ2Bで接触動作を検出するために駆動していた各種回路への電力の供給を停止することで、第2タッチセンサ2Bを停止する。なお、主制御部10は、ステップS20の処理とステップS22の処理の順序を逆にしても、同時に行ってもよい。また、主制御部10は、ステップS20の処理およびステップS22の処理とともに表示部2Cに画面を表示させる処理も行う。主制御部10は、ステップS20の処理およびステップS22の処理を行い、タッチパネル2をアクティブ状態としたら、本処理を終了する。
【0047】
このように、携帯電話端末1は、タッチパネル2に第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとを設け、スリープ状態の場合は第2タッチセンサ2Bにより接触動作を検出すると共に、各種処理を実行するアクティブ状態の場合は第1タッチセンサ2Aにより接触動作を検出することで、消費電力を抑えつつ、操作性を向上させることができる。つまり、スリープ状態の場合でも第2タッチセンサ2Bでタッチパネル2に対する接触動作を検出することで、利用者はタッチパネル2をタッチすることでタッチパネル2をアクティブ状態にすることができる。これにより、操作性を向上させることができる。また、携帯電話端末1は、第2タッチセンサ2Bの分解能を第1タッチセンサ2Aの分解能よりも低くすることで、スリープ状態において第2タッチセンサ2Bで接触動作の検出を行っても、消費電力の増加を抑制することができる。
【0048】
また、主制御部10は、第1タッチセンサ2Aに対する操作がなされずに所定の時間経過した場合に、スリープ状態とすることで、上述したように消費電力を低減することができる。
【0049】
また、主制御部10は、アクティブ状態の場合、第2タッチセンサ2Bによる接触動作の検出を行わないことで、つまり第2タッチセンサ2Bを停止させることで、タッチパネル2での消費電力の増加を抑制することができる。また、携帯電話端末1は、アクティブ状態の場合第1タッチセンサ2Aで接触動作を検出しているので、第2タッチセンサ2Bを停止させてもタッチパネル2に対する接触動作を検出することができる。このように、アクティブ状態とスリープ状態とで、起動させるタッチセンサ、停止させるタッチセンサを切り換えることで消費電力を抑えつつ、操作性を向上させることができる。
【0050】
なお、上記実施形態では、タッチパネル2における第2タッチセンサ2Bの分解能が第1タッチセンサ2Aの分解能よりも低い構成として、第2タッチセンサ2Bが接触動作が行われたか否かのみを検出する構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。タッチパネル2は、第2タッチセンサ2Bが第1タッチセンサ2Aよりも低い消費電力で操作を検出するタッチセンサであればよい。例えば、第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとで同様の方式のタッチセンサを用いる場合、第2タッチセンサ2Bの格子密度(電極の配置密度)が、第1タッチセンサ2Aの格子密度(電極の配置密度)よりも低ければ、第1タッチセンサ2Aよりも低い消費電力で動作する。また、第2タッチセンサ2Bの面積が第1タッチセンサ2Aの面積よりも小さければ、低い消費電力で動作する。このように、第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとは、同じ面積である必要はなく、異なる面積であってもよい。
【0051】
また、タッチパネル2は、本実施形態のように第2タッチセンサ2Bを第1タッチセンサ2Aよりも表示部2C側に配置することで、アクティブ状態で接触動作を検出する際の第1タッチセンサ2Aの検出感度を維持することができる。つまり、第1タッチセンサ2Aの感度に第2タッチセンサ2Bが影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0052】
なお、第1タッチセンサ2Aと第2タッチセンサ2Bとの配置位置はこれに限定されない。タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aを第2タッチセンサ2Bよりも表示部2C側に有していてもよい。つまり、タッチパネル2は、第2タッチセンサ2Bを第1タッチセンサ2Aよりも筐体12の外側(外部に露出する側)に有していてもよい。タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aを第2タッチセンサ2Bよりも表示部2C側に配置することで、第2タッチセンサ2Bで接触動作を好適に検出することができる。
【0053】
なお、タッチパネル2は、第1タッチセンサ2A、第2タッチセンサ2Bとして各種方式のタッチセンサを用いることができる。例えば、タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aに投影型静電容量方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用い、第2タッチセンサ2Bにも投影型静電容量方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用いることができる。
【0054】
タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aに投影型静電容量方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用い、第2タッチセンサ2Bに表面型静電容量方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用いる構成とすることができる。なお、この場合は、第2タッチセンサ2Aを第1タッチセンサ2Bよりも筐体12の外側に配置することが好ましい。
【0055】
タッチセンサ2は、第1タッチセンサ2Aに静電容量方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用い、第2タッチセンサ2Bに抵抗膜方式のタッチセンサを用いることもできる。第2タッチセンサ2Bにより消費電力が少ない抵抗膜方式のタッチセンサを用いることで第2タッチセンサ2Bでの消費電力を少なくすることができる。また、抵抗膜方式のタッチセンサは、操作のために所定の押圧力を加える必要があるため、スリープ時に利用者の意図しない操作を検出しにくくすることができる。なお、この場合は、第2タッチセンサ2Bを第1タッチセンサ2Aよりも筐体12の外側に配置することが好ましい。
【0056】
タッチパネル2は、第1タッチセンサ2Aに静電容量方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用い、第2タッチセンサ2Bにも表面弾性波方式のタッチセンサ(タッチスクリーン)を用いる構成とすることができる。なお、この場合は、第2タッチセンサ2Bを第1タッチセンサ2Aよりも筐体12の外側に配置することが好ましい。
【0057】
以上のようにタッチパネル2は、種々のタッチセンサの組み合わせにより構成することができる。なお、一方のタッチセンサに抵抗膜方式のタッチセンサを用いる場合は、抵抗膜方式のタッチセンサを他方のタッチセンサより筐体12の外側に配置することが好ましい。これにより、抵抗膜方式のタッチセンサで好適に接触動作を検出することができる。
【0058】
ここで、図7は、第2タッチセンサの概略構成を示す説明図である。携帯電子機器1は、図7に示すように第2タッチセンサ2Bの全面が1つのボタン(第1ボタン)40であるように扱うこと、つまり分解能を1とすることが好ましい。当該構成では、第2タッチセンサ2Bは、接触動作を検出する回路を有していれば良く、接触位置を検出する回路を設ける必要がないため、接触動作の検出時の消費電力をより少なくすることができる。
【0059】
ここで、第2タッチセンサは、1つのボタン40とすることに限定されない。図8および図9は、第2タッチセンサの他の実施形態の概略構成を示す説明図である。図8に示す第2タッチセンサ41は、接触を検出する領域を上下の2つに分割し2つのボタンとする。具体的には、第2タッチセンサ41は、接触を検出する領域のうち上側の半分の領域をボタン(第1ボタン)42とし、接触を検出する領域のうち下側の半分の領域をボタン(第2ボタン)44とする。また、図9に示す第2タッチセンサ50は、接触を検出する領域を左右方向に3つに分割し3つのボタンとする。具体的には、第2タッチセンサ50は、接触を検出する領域のうち左側の3分の1の領域をボタン(第1ボタン)52とし、接触を検出する領域のうち中央の3分の1の領域をボタン(第2ボタン)54とし、接触を検出する領域のうち右側の3分の1の領域をボタン(第3ボタン)56とする。
【0060】
携帯電話端末1は、タッチパネルの第2タッチセンサの領域を図8および図9に示すように複数の領域に分割し、それぞれの領域をボタン(操作部)として扱うことで、どの領域がタッチされたかを検出することができる。本実施形態では、上述した第2タッチセンサにおける基準位置を第2タッチセンサの中心点とする。基準位置は、図8に示す構成では第1ボタン41と第2ボタンとの境界線上に存在する。基準位置は、図9に示す構成では第2ボタン54に割り当てられた領域(中央の3分の1の領域)に存在する。なお、第2タッチセンサの基準位置は、第2タッチセンサの中心点には限られず、中心点とは異なる位置でもよい。また、第2タッチセンサ上の点でなく、ある程度の面積をもった領域であってもよい。
【0061】
図10を用いて、スリープ時にタッチされるボタンと復帰時に表示部に表示させる画面との関係の一例を説明する。ここで、図10は、図9に示す第2タッチセンサ50の操作検出時の動作を説明するための説明図である。携帯電話端末1の主制御部10は、スリープ状態で第2タッチセンサによりボタン(第1ボタン)52がタッチされたことを検出した場合、画面60を表示させる。なお画面60は、各種設定を行う画面である。また、主制御部10は、スリープ状態で第2タッチセンサによりボタン(第2ボタン)54がタッチされたことを検出した場合、画面62を表示させる。なお画面62は、各種設定を行う画面である。ホーム画面である。なお、ホーム画面等は、待受け画面である。待受画面とは、電話の発着信を待ち受けている状態の画面、または、アプリケーションプログラムの起動を待ち受けている状態の画面である。換言すると、待受画面は、携帯電話端末1が提供する各種機能画面へ画面が変わる前の画面である。なお、待受画面は、例えば、初期画面、デスクトップ画面、ホーム画面、または、壁紙と呼ばれることもある。また、図10に示す例では、無地の画面が待受画面として表示されているが、画像データやアニメーションデータを待受画面として表示してもよい。また、待受画面の一部として、カレンダや時計のように動的に変化する部分が含まれていてもよい。本実施形態の画面62には、時計の画像と発信操作が対応付けられたボタンと戻る操作が対応付けられたボタンと電話帳を呼び出す操作が対応付けられたボタンとが表示される。携帯電話端末1の主制御部10は、スリープ状態で第2タッチセンサによりボタン(第3ボタン)56がタッチされたことを検出した場合、画面64を表示させる。なお画面64は、登録されているアプリケーションのアイコンを表示する画面である。
【0062】
このように、携帯電話端末1は、第2タッチセンサで接触動作によりどのボタンがタッチされたかを判定し、タッチされたボタンに応じてスリープ状態からアクティブ状態に切り換える際に実行する処理を異なる処理とすることができる。これにより、スリープ状態からの復帰時に表示させる画面を種々の画面とすることができ、利用者は、画面復帰の操作と表示画面の切り換えの操作を1つの操作で入力することができる。また、第2タッチセンサを複数の領域に分割した場合でも、一定の設定された領域に分割しておくことで、タッチされた領域の判定の回路を簡単にすることができる。つまり、第2タッチセンサは、接触位置を検出する精度を第1タッチセンサよりも低くしても上記処理は可能であるため、タッチされたボタンの判定を行う場合でも、消費電力を抑えつつ、操作性を向上させることができる。
【0063】
また、異なる複数の画面をタッチパネルに対するドラッグ操作やフリック操作に応じて切り替えて表示できる携帯電話端末がある。このような携帯電話端末においては、主制御部10は、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面の位置関係に対応付けることが好ましい。主制御部10は、第2タッチセンサで検出した接触動作の位置が第3ボタン56の領域に含まれる(基準位置に対して右側である)場合、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面を、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面の右側の画面とし、第2タッチセンサで検出した接触動作の位置が第1ボタン52の領域に含まれる(基準位置に対して左側である)場合、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面を、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面の左側の画面とすることが好ましい。つまり、中央を基準として押下されたボタンの方向に遷移した画面を表示させることが好ましい。これにより、利用者は復帰時に表示させる画面を選択することができる。
【0064】
また、主制御部10は、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面が複数の画面のうちの右端の画面であり、かつ第2タッチセンサで検出した接触動作の位置が右側である場合、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面を、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面とし、一方、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面が複数の画面のうちの左端の画面であり、かつ第2タッチセンサで検出した接触動作の位置が左側である場合、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面を、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面とすることができる。つまり、主制御部10は、表示する設定されている画面からさらに移動させる画面が無い場合、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面を再び表示させることが好ましい。これにより、表示順序の端の画面を表示させていることを認識することができる。
【0065】
また、主制御部10は、スリープ状態に移行する前に表示部に表示されていた画面が複数の画面のうちの右端/左端(右端または左端)の画面であり、かつ第2タッチセンサで検出した接触動作の位置が右側/左側(右端または左端、つまり画面の端側)である場合、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面を、複数の画面のうち基準に設定されている画面とすることもできる。つまり、主制御部10は、表示する設定の画面が端の画面であり、さらにその端よりも外側に移動させる操作が入力された場合、基準に設定されている画面(例えば、ホーム画面)を表示させることが好ましい。これにより、画面の順序を認識しやすくすることができる。
【0066】
主制御部10は、スリープ状態からアクティブ状態への切換時に表示させる画面を、第2タッチセンサ2Bにより検出される操作の位置にかかわらず特定の画面とすることもできる。このように復帰時は常に同じ画面を表示させる設定とすることで、直前の操作の影響を受けることなく操作を開始することができる。
【0067】
次に、図11は、タッチパネルの他の実施形態の概略構成を示す説明図である。携帯電話端末1は、図11に示すように、基準電位点70と、第2タッチセンサ2Bと基準電位点70との接続を切り換える切換回路72とを有することが好ましい。なお、図11に示すタッチパネルは、第1タッチセンサ2Aと表示部2Cとの間に第2タッチセンサ2Bが配置された構成である。基準電位点70は、いわゆるアースである。切換回路72は、第2タッチセンサ2Bと基準電位点70とが電気的に接続している状態と接続していない状態とを切り換える回路である。切換回路72は、第2タッチセンサ2Bと基準電位点70とを電気的に接続することで、第2タッチセンサ2Bを基準電位とする。
【0068】
主制御部10は、アクティブ状態の場合、切換回路72により第2タッチセンサ2Bと基準電位点70とを接続させる。また、主制御部10は、スリープ状態の場合、切換回路72により第2タッチセンサ2Bと基準電位点70とを接続していない状態とする。このように、アクティブ状態の場合、切換回路72により第2タッチセンサ2Bと基準電位点70とを接続させ、第2タッチセンサ2Bを基準電位にすることで、第2タッチセンサ2Bを第1タッチセンサ2Aと表示部2Cとの間のシールドとすることができる。これにより、アクティブ時に第1タッチセンサ2Aと表示部2Cとを駆動させることで、一方の駆動が他方の駆動に影響を与えノイズとなることを抑制できる。このように、第2タッチセンサ2Bをシールド(ノイズシールド)とすることで、第1タッチセンサ2Aにノイズシールドを設けなくてもノイズの発生を抑制することができる。また、切換回路72は簡単な機構で実現可能であるため装置も安価にすることができる。また、第2タッチセンサ2Bは、表示部2Cに画面を表示させないスリープ状態、つまり表示部2Cを停止している場合に駆動される。これにより、第2タッチセンサ2Bは、表示部2Cとの間にシールドを設けなくても表示部2に起因して発生するノイズを抑制できる。
【0069】
上述の実施形態において、図6を参照して主制御部10によるタッチパネル2への接触動作の検出時の処理動作の一例についての説明を行った。図6に示すフローチャートにおいて、主制御部10は、スリープ状態で第2タッチセンサ2Bにより操作が検出されると(ステップS18でYes)、ステップS20で第1タッチセンサ2Aを起動させると共にステップS22で第2タッチセンサ2Bを停止させる。
【0070】
ここで、ステップS18における操作を行った指(対象物、上述したように利用者の指またはスタイラスペン)が、ステップS20で主制御部10により第1タッチセンサ2Aが起動された段階でタッチパネル2上にある場合が考えられる。このとき、例えば第1タッチセンサ2Aが静電容量式であれば、利用者の指による静電容量の変化に基づき、第1タッチセンサ2Aから操作に対応する信号が主制御部10に送信される。主制御部10は、第1タッチセンサ2Aから受信した操作に係る信号に基づいて所定の処理を行ってもよいし、行わなくてもよい。すなわち、主制御部10は、スリープ状態で第2タッチセンサ2Bにより操作が検出されて、第1タッチセンサ2Aにより操作を検出するアクティブ状態となったときに第1タッチセンサ2Aにより操作が検出されると、当該検出された操作を有効としてもよいし、無効としてもよい。
【0071】
主制御部10は、上記所定の処理として、第1タッチセンサ2Aにより検出された操作の位置が、表示部2Cに表示された所定の機能を起動させるためのアイコンに割り当てられた領域に対応する場合には、当該所定の機能を起動する処理を行うことができる。また、アクティブ状態になったときに第1タッチセンサ2Aにより検出される操作の位置が移動することが検出された場合(例えば、ユーザーがドラッグ操作やフリック操作を行った場合に該当する)には、当該操作に基づいて表示部2Cに表示された画面をスクロールする等の処理を行ってもよい。
【0072】
主制御部10は、表示部2Cによる表示が行われると共に第1タッチセンサ2Aによる操作の検出が行われるアクティブ状態となってからの時間を計測し、アクティブ状態となってから所定の時間が経過する前に第1タッチセンサ2Aにより操作が検出されなくなった場合には上記所定の処理を行わず、アクティブ状態となってから所定の時間が経過した後も第1タッチセンサ2Aにより操作(接触)が検出される場合には上記所定の処理を行うこととしてもよい。
【0073】
アクティブ状態となってから所定の時間が経過する前に操作が検出されない場合、利用者が所定の処理を行うことを意図していない、すなわち単にスリープ状態からアクティブ状態へ移行することだけを目的としてタッチパネル2に対する操作を行った可能性が考えられる。一方、アクティブ状態となってから所定の時間が経過した後も操作が検出される場合には、ユーザーが何らかの機能を起動させる意図を持ってタッチパネル2に対する操作を行っている可能性が考えられる。このように、アクティブ状態となってから経過した時間に応じて上記所定の処理を行うか否かを決定することで、利用者の使い勝手を向上させることができる。
【0074】
なお、アクティブ状態となってから所定の時間が経過した後も操作が検出される場合には、操作がなされる位置の移動を検出し、操作が検出されなくなった位置に対応するアイコンに係る機能を起動するようにしてもよい。これにより、利用者は、表示部2Cによる表示が行われた時点において指で触っている位置のアイコンに係る機能が起動させたい機能と異なる場合に、所望の機能に対応するアイコンが表示される領域まで指を移動させてから指を離すことで、所望の機能を起動させることができる。これにより、使い勝手がさらに向上する。
【符号の説明】
【0075】
1 携帯電話端末
2 タッチパネル
2A 第1タッチセンサ
2B 第2タッチセンサ
2C 表示部
3 入力部
5 電源部
6 通信部
7 レシーバ
8 マイク
9 記憶部
9A メールプログラム
9B ブラウザプログラム
9C タッチパネル制御プログラム
9D 操作制御プログラム
9E 処理条件テーブル
10 主制御部
11 RAM
12 筐体
20、22 ボタン
24 入力デバイス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1タッチセンサと、
前記第1タッチセンサに積層され、前記第1タッチセンサよりも低い消費電力で動作する第2タッチセンサと、
前記第1タッチセンサおよび前記第2タッチセンサに積層される表示部と、
前記表示部による表示が行われずかつ前記第1タッチセンサによる操作の検出が行われないスリープ状態で前記第2タッチセンサにより操作が検出された場合に、前記表示部による表示が行われかつ前記第1タッチセンサにより操作の検出が行われるアクティブ状態とする制御部と、を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記アクティブ状態で前記第1タッチセンサにより操作が検出されずに所定の時間が経過した場合に、前記スリープ状態とすることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記アクティブ状態で前記第2タッチセンサによる操作の検出を行わないことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記第2タッチセンサは、前記第1タッチセンサよりも前記表示部側に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記第2タッチセンサを基準電位点に接続させるか否かを切り換える切換回路をさらに有し、
前記制御部は、前記アクティブ状態で、前記切換回路により前記第2タッチセンサと前記基準電位点とを接続させることを特徴とする請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記第1タッチセンサは、前記第2タッチセンサよりも前記表示部側に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記第2タッチセンサは、抵抗膜方式であることを特徴とする請求項6に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記第2タッチセンサは、前記第1タッチセンサよりも分解能が低いことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、前記スリープ状態で前記第2タッチセンサにより検出される操作の位置に応じて、前記アクティブ状態となったときに前記表示部に表示させる画面を異ならせることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記第2タッチセンサにおける基準位置と当該第2タッチセンサにより検出される操作の位置との位置関係に係る第1情報と、複数の画面それぞれの位置関係に係る第2情報とを対応づけて記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、前記アクティブ状態で前記第1タッチセンサにより検出される操作に応じて前記複数の画面を切り換えて前記表示部に表示させることが可能であり、なおかつ、前記スリープ状態で前記第2タッチセンサにより操作が検出されると、前記アクティブ状態となったときに前記表示部に表示させる画面を、前記複数の画面のうち、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面に対して前記検出された操作の位置に基づく前記第1情報に対応付けられた第2情報に係る位置関係にある画面とすることを特徴とする請求項9に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
前記制御部は、前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して右側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面の右側の画面とし、前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して左側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面の左側の画面とすることを特徴とする請求項10に記載の携帯電子機器。
【請求項12】
前記制御部は、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面が前記複数の画面のうちの右端または左端の画面でありかつ前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して右側または左側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面とすることを特徴とする請求項11に記載の携帯電子機器。
【請求項13】
前記制御部は、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面が前記複数の画面のうちの右端または左端の画面でありかつ前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して右側または左側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記複数の画面のうちの基準に設定されている画面とすることを特徴とする請求項11に記載の携帯電子機器。
【請求項14】
前記制御部は、前記スリープ状態から前記アクティブ状態となったときに前記表示部に表示させる画面を、特定の画面とすることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項1】
第1タッチセンサと、
前記第1タッチセンサに積層され、前記第1タッチセンサよりも低い消費電力で動作する第2タッチセンサと、
前記第1タッチセンサおよび前記第2タッチセンサに積層される表示部と、
前記表示部による表示が行われずかつ前記第1タッチセンサによる操作の検出が行われないスリープ状態で前記第2タッチセンサにより操作が検出された場合に、前記表示部による表示が行われかつ前記第1タッチセンサにより操作の検出が行われるアクティブ状態とする制御部と、を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記アクティブ状態で前記第1タッチセンサにより操作が検出されずに所定の時間が経過した場合に、前記スリープ状態とすることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記アクティブ状態で前記第2タッチセンサによる操作の検出を行わないことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記第2タッチセンサは、前記第1タッチセンサよりも前記表示部側に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記第2タッチセンサを基準電位点に接続させるか否かを切り換える切換回路をさらに有し、
前記制御部は、前記アクティブ状態で、前記切換回路により前記第2タッチセンサと前記基準電位点とを接続させることを特徴とする請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記第1タッチセンサは、前記第2タッチセンサよりも前記表示部側に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記第2タッチセンサは、抵抗膜方式であることを特徴とする請求項6に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記第2タッチセンサは、前記第1タッチセンサよりも分解能が低いことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、前記スリープ状態で前記第2タッチセンサにより検出される操作の位置に応じて、前記アクティブ状態となったときに前記表示部に表示させる画面を異ならせることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記第2タッチセンサにおける基準位置と当該第2タッチセンサにより検出される操作の位置との位置関係に係る第1情報と、複数の画面それぞれの位置関係に係る第2情報とを対応づけて記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、前記アクティブ状態で前記第1タッチセンサにより検出される操作に応じて前記複数の画面を切り換えて前記表示部に表示させることが可能であり、なおかつ、前記スリープ状態で前記第2タッチセンサにより操作が検出されると、前記アクティブ状態となったときに前記表示部に表示させる画面を、前記複数の画面のうち、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面に対して前記検出された操作の位置に基づく前記第1情報に対応付けられた第2情報に係る位置関係にある画面とすることを特徴とする請求項9に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
前記制御部は、前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して右側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面の右側の画面とし、前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して左側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面の左側の画面とすることを特徴とする請求項10に記載の携帯電子機器。
【請求項12】
前記制御部は、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面が前記複数の画面のうちの右端または左端の画面でありかつ前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して右側または左側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面とすることを特徴とする請求項11に記載の携帯電子機器。
【請求項13】
前記制御部は、前記スリープ状態となる前に表示されていた画面が前記複数の画面のうちの右端または左端の画面でありかつ前記第2タッチセンサにより検出された操作の位置が前記基準位置に対して右側または左側である場合、前記アクティブ状態で前記表示部に表示させる画面を、前記複数の画面のうちの基準に設定されている画面とすることを特徴とする請求項11に記載の携帯電子機器。
【請求項14】
前記制御部は、前記スリープ状態から前記アクティブ状態となったときに前記表示部に表示させる画面を、特定の画面とすることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−226497(P2012−226497A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92401(P2011−92401)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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