説明

携帯電話機およびキーバックライト制御方法

【課題】ユーザに、発信操作の手順を促すと同時に、発信操作にゲーム感覚の面白みを付加することが出来る携帯電話機およびキーバックライト制御方法を提供する。
【解決手段】電話番号に関する情報を保持するデータベースと、それぞれのキーに対して独立制御可能なキーバックライトを有し、電話番号入力後に、前記データベースから有効桁数を認識し、発信操作するための開始キーの前記キーバックライトを点灯し、前記キーバックライトが既に点灯している場合は、他のキーとは異なる色で点灯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立制御可能なキーバックライトを搭載した携帯電話機およびキーバックライト制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の高性能化に伴い、様々な機能が搭載される一方で、筺体デザイン、画像、メロディなどユーザの嗜好に合わせたデザインや機能も近年必要とされている。
【0003】
一方で、光を用いた機能の提供は、着信用LEDや、筺体外側に配置されるLEDなどに限られ、キー用の照明として実装されるキーバックライトについては、キー全面、または、その一部を単色で点灯するに留まっていた。
【0004】
上記に関連する技術を次に開示する。
【0005】
特許文献1は、予めメモリ部に登録してある電話番号に発信するとき、登録名称の文字を順次テンキー部に入力して電話番号の検索を行い、このとき、システム制御部が最初の文字a1を検出し、a1で始まる全ての登録名称のグループg1をメモリ部より検索し、これらのグループg1を最新の通話日時から順にディスプレイ部に表示させ、グループg1の登録名称の2番目の文字a2に対応する、テンキー部上における全てのキーをキー照明部によって点滅させ、点滅しているキーのうち所望のキーを押すと、文字a1a2で始まる登録名称が最新の通話日時の順にディスプレイ部に表示され、同時に、選択すべき文字に対応する、テンキー部の全てのキーが点滅することが開示されている。
これによって、電話番号の検索時にテンキー部へ登録名称の文字を入力するとき、選択すべきキーと押す必要のないキーとを一目で区別できるようにする。
【0006】
特許文献2は、操作信号もしくはデータを入力するための操作キーと、前記操作キーの操作シーケンスプログラムが記憶された記憶手段と、最初の操作キーが操作された場合に、次に操作すべき操作キーを前記操作シーケンスプログラムに従って順に前記操作キーを点灯、点滅または色変化若しくは光度変化させることにより、次に操作すべき操作キーを光でガイドする操作ガイド手段とを具備することが開示されている。これによって、不慣れな者でも簡単にキー操作できる。
【特許文献1】特開2000−069142号公報
【特許文献2】特開2005−348184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、携帯電話機のデザインによって、開始キーの配置や開始キーの印刷文字は異なっており、携帯電話機を使い慣れていないユーザにとっては、開始キーを探す必要があり、発信操作が難しい問題があった。また、発信操作時に、面白みが無かった。
【0008】
特許文献1では、登録済みの電話番号を検索するとき、入力候補となり得るキーの照明を点滅させることが記載されているが、電話番号入力後に発信を開始する開始キーのバックライトのみを点灯すること、キーバックライトが既に点灯している場合は、他のキーのバックライトとは違う色で点灯することに関しては、記載されていなく、これによる示唆もされていない。
【0009】
特許文献2では、電話番号からその番号の種類を判定し、必要な桁数が全部入力し終わるまでテンキーを点灯もしくは点滅させ続け、入力が終了するとテンキーが全て消灯して発信キーを点灯もしくは点滅することが記載されているが、電話番号入力後に発信を開始する開始キーのバックライトのみを点灯すること、キーバックライトが既に点灯している場合は、他のキーのバックライトとは違う色で点灯することに関しては、記載されていなく、これによる示唆もされていない。
【0010】
本発明では、独立制御が可能なキーバックライトを有し、電話番号入力後に発信を開始する開始キーのバックライトのみを点灯することと、他のキーのバックライトとは違う色で点灯する携帯電話機およびキーバックライト制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる第1の携帯電話機は、電話番号に関する情報を保持するデータベースと、それぞれのキーに対して独立制御可能なキーバックライトを有し、電話番号入力後に、前記データベースから有効桁数を認識し、発信操作するための開始キーの前記キーバックライトを点灯し、前記キーバックライトが既に点灯している場合は、他のキーとは異なる色で点灯することを特徴とする。
【0012】
本発明にかかる第1のキーバックライト制御方法は、電話番号に関する情報を保持するデータベースと、それぞれのキーに対して独立制御可能なキーバックライトとを有して行うキーバックライト制御方法であって、電話番号入力後に、前記データベースから有効桁数を認識し、発信操作するための開始キーの前記キーバックライトを点灯し、前記キーバックライトが既に点灯している場合は、他のキーとは異なる色で点灯することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、独立制御が可能なキーバックライトを有し、電話番号入力後に発信を開始する開始キーのバックライトのみを点灯することと、他のキーのバックライトとは違う色で点灯することでユーザに、発信操作の手順を促すと同時に、発信操作にゲーム感覚の面白みを付加することが出来る携帯電話機およびキーバックライト制御方法を提供することを可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明では、キーバックライトを構成する複数のRGBのLEDに対して、独立制御を可能とし、キーバックライトを単にキーの照明用途に使用するのではなく、新たな光の演出として商品性向上を図る。
【0015】
本発明は、独立制御可能な複数の発光素子で構成されたキーバックライトを有する携帯電話機において、発信操作時の電話番号入力後に、開始キーのバックライトを点灯したり、他のキーとは異なった色を点灯することによって、発信操作時の操作性向上、およびキーバックライトの演出を向上することを特徴とする。
【0016】
また、電話番号入力完了を認識するためのデータベースを持つ携帯電話機を特徴とする。発信操作時に最初の電話番号3桁入力後に前述データベースによって入力中の電話番号有効桁数を認識することが出来、電話番号の入力完了を認識することが出来る。
【0017】
発信先の電話番号入力完了後に、開始キーのバックライトを点灯したり、他のキーとは異なった色で点灯する。
【0018】
上記特徴を有する本発明を実施する実施の形態について以下、説明していく。
以下に記載する実施の形態は、本発明が有する課題を解決するにあたって好適もしくは最良な構成および処理である。しかし、これに限定されることはなく、この構成および処理は、当業者が容易に想到できる範囲内において修正、変更可能とする。
【0019】
(第1の実施形態)
図1において、実施形態の一態様としてキーバックライトを有する携帯電話機を示す。ユーザインターフェイスとしてメインディスプレイ(101)とキー操作部(102)を有する構成である。
【0020】
キー操作部(102)は、開始キー(103)を含む任意のキー(図示せず)で構成する。キー操作部(102)の下に複数のキーバックライト(104)を配置しキー操作部(102)を照らす。制御部(105)ではキーバックライト(104)の点灯制御とメインディスプレイ(101)の表示制御を行う。
【0021】
携帯電話機とネットワークサーバ間のデータ通信を行う場所として無線通信部(106)を備える。また、電話番号の有効桁数を登録するデータベース(107)を備える。データベース(107)の情報テーブルの一例を図5に示す。この情報情報テーブルには、内線番号やIP電話番号等の任意のデータをユーザ自身が追加登録することが出来る。
【0022】
電話番号3桁が入力されると、制御部(105)は、データベース(107)を参照し、入力中の電話番号の有効桁数を認識することが出来る。制御部(105)は、有効桁数分の入力を認識すると開始キー(103)を照らすキーバックライトを点灯する。
【0023】
図2において、キーバックライト(201)の構成を示す。
【0024】
ライト(202)は3つ(R,G,B)の点灯素子(例えば、LED)で構成され、制御部(105)により各点灯素子(R,G,B)の輝度、点灯時間を制御することで任意の色を表示する。また、各々のライトは、独立に制御でき、制御部(105)により任意のパターンを表示する。
【0025】
キーバックライトを構成するライトの実装位置と個数は、面積などの実装条件内で任意に配置する。本説明文では横3個×縦7個を配置した例を示す。
【0026】
上述した構成を有する携帯電話機で行う処理について図3、および、図4を用いて説明する。
【0027】
図3にキーバックライト点灯状態で有効桁数11桁の電話番号を入力した時のキーバックライト点灯例を示す。
【0028】
ここでの有効桁数11桁の電話番号は、携帯電話番号[090−1234−5678]と刷る。任意の条件によってキーバックライト(104)が点灯した状態から、電話番号の入力を行う。
【0029】
制御部(105)は、キー操作部(102)から入力された最初の3桁[090]を認識すると、データベース(107)を参照して、[090]で始まる電話番号は、11桁の携帯電話番号であることを認識する(図4の1参照)。
【0030】
続いて[1234−5678]が入力されると、制御部(105)は、11桁の電話番号の入力が完了したことを認識して、[開始キー(103)]を照らすバックライトを、他のキーバックライトの色Aとは異なる色Bで点灯する。
【0031】
次に、図4にキーバックライト消灯状態で、有効桁数10桁の電話番号を入力した時のキーバックライト点灯例を示す。
【0032】
ここでの有効桁数10桁の電話番号は、国内通話(固定電話)番号[03−1234−5678]とする。キーバックライト(104)が消灯している状態から、電話番号の入力を行う。
【0033】
制御部(105)は、キー操作部(102)から入力された最初の3桁[03‐1]を認識すると、データベース(107)を参照して、[03‐1]で始まる電話番号は、10桁の国内通話番号であることを認識する(図5の5参照)。図6には、地域によって異なる市外局番、または境界を示す。
【0034】
続いて[234−5678]が入力されると、制御部(105)は、10桁の電話番号の入力が完了したことを認識して、[開始キー(103)]のバックライトのみを点灯させる。
【0035】
また、電話番号について、国際電話番号に対応することも可能である。国際電話の場合、"国際プレフィックス番号[010]"を先頭に、[010 − "国番号" − "相手先の国内電話番号"]の電話番号構成となる。
【0036】
"国番号"は、国や地域によって、1桁〜3桁で表現され、"国番号"によって電話番号の有効桁数が異なる。そのため、国際電話番号に対応する場合、データベース(107)に"国番号"まで情報を持つ。
【0037】
図7に国際電話番号用のデータベース(107)の一例を示す。
【0038】
アメリカ(国番号1)のニューヨーク(地域番号212)の[123−4567]の電話番号に、"国際プレフィックス番号[010]"と"国番号[1]"を加えた電話番号[010−1−212−1234−567]を入力する場合を説明する。
【0039】
制御部(105)は、キー操作部(102)から入力された最初の3桁[010]を認識すると、データベース(107)を参照して、[010]で始まる電話番号は、国際電話であることを認識する(図5の6参照)。
【0040】
続いて制御部(105)は、国番号[1]であることを認識し、国際電話番号用のデータベース(107)を参照し、14桁の国際電話番号であることを認識する(図7の7参照)。
【0041】
制御部(105)は、14桁の電話番号の入力が完了したことを認識すると、[開始キー(103)]のバックライトのみを点灯させる。[開始キー(103)]のキーバックライトが既に点灯している場合は、他のキーとは異なった色で点灯させる。
【0042】
本実施形態によれば、電話番号の入力が完了したタイミングで、キーバックライト(104)が消灯状態ならば[開始キー(103)]のみのバックライトが点灯し、キーバックライト(104)が点灯状態ならば、[開始キー(103)]のバックライトは、他のキーのバックライトとは異なる色で点灯することで、電話番号の入力が完了したことを知らせ、次に操作するキーがどれであるかが一目瞭然になるため、操作性が向上する。
【0043】
また、このような特定の場面で、通常操作では見られない光の演出を表現することが出来るため、商品性向上にも効果を有する。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態にかかる携帯電話機について説明する。
【0045】
本実施形態における携帯電話機のMENU操作は、メインディスプレイ(101)に表示されたMENU項目の番号に対応したキーを押下するだけでMENU項目を選択して操作することが出来る。
【0046】
メインディスプレイ(101)に表示されたMENU項目の文字色とキーバックライト(104)の発光色の紐付けすることで、MENU操作の誤操作を防止する。
【0047】
図8にメインディスプレイ(101)に表示されたMENU項目の文字色とキーバックライト(104)の発光色の紐付けしているイメージ図を示す。
【0048】
MENU項目[1]は、色Aの文字色で表示し、このMENU項目に対応したキーのキーバックライト(104)は、同じ色Aで発光する。MENU項目[2]は、色Bの文字色で表示し、このMENU項目に対応したキーのキーバックライト(104)は、同じ色Bで発光する。
【0049】
このようにMENU項目毎に文字色と、MENU項目に対応したキーのキーバックライト(104)の発光色を一致させることにより、MENU項目を選択するキーが一目瞭然になるため、操作性が向上する。また、色鮮やかなキーバックライトを演出することが出来る。
【0050】
第1の実施形態および第2の実施形態にかかる携帯電話機において、キーバックライトを構成する複数のRGBのLEDを有し、前述のRGBのLEDがキーの真下、または近接した場所に実装され、前述の携帯電話機に搭載された機能において、キーに割り振られている各機能をRGBのLEDの複数の色を用いてユーザに通知する手段を有することも可能である。また、データベースに、登録された情報を元に、電話番号の有効桁数を通知する手段を有することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】キーバックライトを有する携帯電話機を示す図である。
【図2】キーバックライト(201)の構成を示す図である。
【図3】キーバックライト点灯状態で、有効桁数11桁の電話番号を入力した時のキーバックライト点灯例を示す図である。
【図4】キーバックライト消灯状態で、有効桁数10桁の電話番号を入力した時のキーバックライト点灯例を示す図である。
【図5】データベース(107)の情報テーブルの一例を示す図である。
【図6】地域によって異なる市外局番、または境界を示す図である。
【図7】国際電話番号用のデータベース(107)の一例を示す図である。
【図8】メインディスプレイ(101)に表示されたMENU項目の文字色とキーバックライト(104)の発光色の紐付けしているイメージ図を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
101 インディスプレイ
102 キー操作部
103 開始キー
104 キーバックライト
105 制御部
107 データベース
201 キーバックライト
202 ライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話番号に関する情報を保持するデータベースと、
それぞれのキーに対して独立制御可能なキーバックライトを有し、
電話番号入力後に、前記データベースから有効桁数を認識し、発信操作するための開始キーの前記キーバックライトを点灯し、前記キーバックライトが既に点灯している場合は、他のキーとは異なる色で点灯することを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
メインディスプレイに表示したMENU項目の字の色と、MENU項目の選択に対応するキーのバックライトの色を合わせて点灯することを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記キーバックライトは、点灯色、輝度、点灯タイミングを独立に制御可能であることを特徴とする請求項2に記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記キーバックライトは、複数の色が発光可能となるようにRGB化がされていることを特徴とする請求項3に記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記データベースに保持されている電話番号の種類によって、適した点灯タイミングで点灯することを特徴とする請求項4に記載の携帯電話機。
【請求項6】
電話番号に関する情報を保持するデータベースと、
それぞれのキーに対して独立制御可能なキーバックライトとを有して行うキーバックライト制御方法であって、
電話番号入力後に、前記データベースから有効桁数を認識し、発信操作するための開始キーの前記キーバックライトを点灯し、前記キーバックライトが既に点灯している場合は、他のキーとは異なる色で点灯することを特徴とするキーバックライト制御方法。
【請求項7】
メインディスプレイに表示したMENU項目の字の色と、MENU項目の選択に対応するキーのバックライトの色を合わせて点灯することを特徴とする請求項6に記載のキーバックライト制御方法。
【請求項8】
前記キーバックライトは、点灯色、輝度、点灯タイミングを独立に制御可能であることを特徴とする請求項7に記載のキーバックライト制御方法。
【請求項9】
前記キーバックライトは、複数の色が発光可能となるようにRGB化がされていることを特徴とする請求項8に記載のキーバックライト制御方法。
【請求項10】
前記データベースに保持されている電話番号の種類によって、適した点灯タイミングで点灯することを特徴とする請求項9に記載のキーバックライト制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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