説明

携帯電話機及びそれに用いるメールメモリ使用状況確認方法並びにそのプログラム

【課題】 電子メール機能で使用しているメモリの使用状況を容易に確認可能とし、そのメモリの空き状態管理が容易な携帯電話機を提供する。
【解決手段】 携帯電話機1の液晶表示画面20のメッセージ等表示領域24の近傍には、バッテリの使用状態を示す電池残量表示23や電波の状態を示すアンテナ型の電波状態表示22が配置され、それらの状態表示を常に行っている。これらの表示と同様に、携帯電話機1の液晶表示画面20には電子メール機能で使用しているメモリ使用状態を表示するメモリ使用状況表示21が配置され、電子メール機能で使用しているメモリ使用状態を常に表示させている。これによって、ユーザが電子メール機能で使用しているメモリの使用状態を把握しやすいようにする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯電話機及びそれに用いるメールメモリ使用状況確認方法並びにそのプログラムに関し、特に携帯電話機の電子メール機能に用いられるメモリの使用状況の確認方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯電話機においては、それを利用した情報伝達の使用形態を考えると、多くのユーザが音声通話を利用した情報伝達を行うケースよりも電子メール機能を利用した情報伝達を行うケースが増えている。
【0003】携帯電話機を使用して電子メールデータの送受信を行う場合、携帯電話機本体のメモリを必ず使用し、また電子メール機能で使用することができるメモリも限られているため、ユーザは不必要な電子メールデータを削除して電子メール機能で使用可能なメモリを確保しなければならない。
【0004】ここで、電子メール機能で使用するメモリを確保するために不要な電子メールデータを削除するタイミングとして考えられるのは、携帯電話機からの操作によってメモリ使用量を示すインジケータ表示を行っているメニューへ画面を切替え、電子メール機能で使用しているメモリのチェックを行い、メモリの空き状況が少なかった場合、不必要な電子メールデータを削除する場合がある。
【0005】また、別のケースとして、電子メールデータの送受信を行う際に、電子メールデータを送受信すめことができるだけの空きメモリがないため、電子メールデータの送受信を行うことができず、電子メールデータの送受信を行うためにあわてて不必要な電子メールデータを削除して空きメモリを作るという作業を行う場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の携帯電話機では、電子メール機能で使用可能なメモリを確保するために上記のような操作が必要となるので、ユーザが電子メール機能で使用しているメモリの使用状況を把握しにくいという問題がある。
【0007】また、電子メール機能としてメモリの使用状況の表示を行っているため、送信メール、受信メール、下書きメールによってどれだけのメモリが使用されているのかが不明であるため、例えば受信メール文書用のバッファは一杯だが、電子メール機能としてはメモリにまだ空きがあるというような状況になることが考えられ、電子メールデータの削除時に有効な削除を行うことができないという問題がある。
【0008】そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、電子メール機能で使用しているメモリの使用状況を容易に確認することができ、そのメモリの空き状態管理を容易に行うことができる携帯電話機及びそれに用いるメールメモリ使用状況確認方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による携帯電話機は、少なくとも文字情報が表示可能な表示手段を含み、電子メール機能が使用可能な携帯電話機であって、前記電子メール機能における電子メールデータを格納するメールメモリと、前記メールメモリの使用状態を通知する通知手段を備えている。
【0010】本発明によるメールメモリ使用状況確認方法は、少なくとも文字情報が表示可能な表示手段を含み、電子メール機能が使用可能な携帯電話機のメールメモリ使用状況確認方法であって、前記電子メール機能における電子メールデータを格納するメールメモリの使用状態を通知するステップを備えている。
【0011】本発明によるメールメモリ使用状況確認方法のプログラムは、少なくとも文字情報が表示可能な表示手段を含み、電子メール機能が使用可能な携帯電話機のメールメモリ使用状況確認方法のプログラムであって、コンピュータに、前記電子メール機能における電子メールデータを格納するメールメモリの使用状態を通知する処理を実行させている。
【0012】すなわち、本発明の携帯電話機は、電子メール機能で使用しているメモリの使用状況を把握するのに、携帯電話機からの操作で該当するメニューへ画面を切替える必要をなくし、電子メール機能で使用しているメモリ表示で送信メール、受信メール、下書きメール各々の使用状況を容易に判断することができるようにしたことを特徴とする。
【0013】本発明の携帯電話機では、電子メール機能で使用しているメモリの使用状況を表示画面近傍に表示することで、メモリの使用状況の確認を画面上での操作を行うことなく、実現することが可能となる。
【0014】また、電子メール機能で使用しているメモリの使用状況を、電子メール機能としてのメモリ全体表示を送信メール、受信メール、下書きメール毎に分けて表示にすることで、電子メールデータを削除する必要があるメモリ領域を明確にすることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による携帯電話機の構成を示すブロック図である。図1において、携帯電話機1は網側とのインタフェースである送受信アンテナ11と、無線部12と、制御部13と、メモリ14と、少なくとも文字情報が表示可能な表示部15と、操作部16と、サウンダ17と、タイマ18と、制御部13で実行するプログラムを格納する記録媒体19とから構成されている。
【0016】メモリ14には電子メール機能で使用する電子メールデータを格納できるエリアを備えている。電子メールデータの送受信や電子メールデータの下書き保存が行われた場合には、制御部13によってメモリ14に電子メールデータが格納される。
【0017】図2は本発明の一実施例による携帯電話機1の液晶画面表示例を示す図であり、図3は本発明の一実施例による携帯電話機1のメモリ14の使用状態表示マトリックスを示す図である。
【0018】図4は本発明の一実施例による携帯電話機1における送信用メールをメモリ14に追加する動作を示すフローチャートであり、図5は本発明の一実施例による携帯電話機1における送信用メールをメモリ14から削除する動作を示すフローチャートである。図4及び図5の処理動作は制御部13が記録媒体19に格納されたプログラムを実行することで実現される。
【0019】図6は本発明の一実施例による携帯電話機1のメールメモリ管理テーブルの構成例を示す図であり、図7は本発明の一実施例による携帯電話機1のメモリ14における操作別メールの管理イメージを示す図である。
【0020】これら図1〜図7を参照して本発明の一実施例による携帯電話機1からの操作による電子メール機能で使用しているメモリ14の使用状況の確認方法について説明する。
【0021】操作部16から電子メール機能で使用しているメモリ14の使用状況の表示要求が制御部13に対して行われると、制御部13からメモリ14へ電子メール機能のメモリ使用状況の要求が行われる。メモリ14はその要求に対して電子メール機能のメモリ使用状況を制御部13に渡し、制御部13は使用量とメモリの空き情報とを表示部15へ表示するように処理を行う。
【0022】携帯電話機1の液晶表示画面20のメッセージ等表示領域24の近傍には、バッテリの使用状態を示す電池残量表示23や電波の状態を示すアンテナ型の電波状態表示22が配置され、それらの状態表示を常に行っている。これらの表示と同様に、携帯電話機1の液晶表示画面20には電子メール機能で使用しているメモリ使用状態を表示するメモリ使用状況表示21が配置され、電子メール機能で使用しているメモリ使用状態を常に表示させている(図2参照)。これによって、ユーザが電子メール機能で使用しているメモリの使用状態を把握しやすいようにする。
【0023】電子メール機能においてメモリ14に電子メールデータを追加するユーザ操作は、電子メールデータの送信を行う場合、電子メールデータの受信を行う場合、電子メールデータの下書き保存を行う場合の3種類であり、これらの場合にメモリ14に電子メールデータが追加される。電子メール機能で使用するメモリ14の使用方法を図7に示す。
【0024】図7において、メモリ14にはメール機能用メモリバッファ30の領域が設けられており、メール機能用メモリバッファ30は送信メール用バッファ31と受信メール用バッファ32と下書メール用バッファ33とから構成されている。このように、メモリ14は電子メールデータを追加するユーザ操作A毎に分けて管理される。
【0025】また、各ユーザ操作Aで使用するメモリ14の使用状況としては、メールメモリ空き状態(電子メール機能で使用可能なメモリ14に充分に空きがある)、メールメモリニアフル状態(電子メール機能で使用可能なメモリ14の空きが残り少ない)、メールメモリフル状態(電子メール機能で使用可能なメモリ14の空きがない)という3種類の状態があり、これらメモリ14の使用状況を区別して使用状況表示を行う(図3参照)。
【0026】電子メール機能のうちの送信メールの追加についてのメモリ使用状況表示動作を図4と図6と図7とを参照して説明する。メール送信操作が行われると、制御部13は図7に示す送信メール用バッファ31に電子メールデータの追加を行う(図4ステップS1)。追加された電子メールデータは、図6に示すように、電子メール管理番号と電子メールデータとが空きバッファに追加され、管理テーブルの更新が行われる。
【0027】制御部13は上記のメールメモリ管理テーブルから電子メールデータ領域の空き状況検索を行い、送信メールの使用状況の確認を行う。制御部13は空きエリアが十分あれば(図4ステップS2)、電子メールデータで使用しているメモリ14の空き表示を“送 空き”データを使用して表示処理を実行し(図4ステップS4)、処理を終了する。
【0028】また、制御部13は空きエリアが十分なければ(図4ステップS2)、図6に示すメールメモリ管理テーブルから電子メール管理番号nの電子メールデータの確認を行う。制御部13は電子メール管理番号nの電子メールデータが存在しなければ(図4ステップS3)、電子メールデータで使用しているメモリ14のニアフル表示を“送 ニアフル”データを使用して表示処理を実行し(図4ステップS5)、処理を終了する。
【0029】制御部13は電子メール管理番号nの電子メールデータが存在すれば(図4ステップS3)、電子メールデータで使用しているメモリ14のフル表示を“送フル”データを使用して表示処理を実行し(図4ステップS6)、処理を終了する。
【0030】電子メール機能のうちの送信メールの削除についてのメモリ使用状況表示動作を図5〜図7を参照して説明する。送信メールの削除操作が行われると、制御部13は送信メール用バッファ31から電子メールデータの削除を行う(図5ステップS11)。削除される電子メールデータは電子メール管理番号にしたがって電子メール管理番号と電子メールデータとが消去される。
【0031】制御部13は削除した電子メール管理番号エリアに、削除した電子メール管理番号以降の電子メールデータを1管理番号ずつシフトして空きエリアに電子メールデータを移動させ、送信メールのメモリエリアが上から順番に埋まるように処理を実行する(図5ステップS12)。
【0032】制御部13は図6のメールメモリ管理テーブルから電子メールデータ領域の空き状況検索を行い、送信メールの使用状況の確認を行い、空きエリアが十分あれば(図5ステップS13)、電子メールデータで使用しているメモリ14の空き表示を“送 空き”データを使用して表示処理を実行し(図5ステップS13)、処理を終了する。
【0033】また、制御部13は空きエリアが十分になければ(図5ステップS13)、電子メールデータで使用しているメモリ14のニアフル表示を“送 ニアフル”データを使用して表示処理を実行し(図5ステップS15)、処理を終了する。
【0034】このように、電子メール機能で使用しているメモリ14の使用状況表示21を、電池残量表示23や電波状態表示22とともに、液晶表示画面20に表示することで、メモリ14の使用状況の確認が携帯電話機1からの操作を行わなくても行うことができる。
【0035】また、電子メール機能で使用しているメモリ14の使用状況を液晶表示画面20に常に表示することで、メモリ14の使用状況がすぐに分かるようになり、電子メール機能で使用するメモリ14の空き管理が行いやすくなる。
【0036】さらに、言葉(音声)によるメモリ14の状態通知を行うことで、電子メール機能で使用しているメモリ14の使用状態を分かりやすくすることができる。さらにまた、メモリ14における送信メール、受信メール、下書きメールの各使用状況を別々に表示することで、削除が必要な電子メールデータを明確にすることができ、操作性を向上させることができる。
【0037】尚、本発明の一実施例では電子メール機能で使用しているメモリ14の使用状況表示21を、電池残量表示23や電波状態表示22とともに、液晶表示画面20に表示しているが、液晶表示画面20以外に表示部を有する場合には、その表示部にも表示することも可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、少なくとも文字情報が表示可能な表示手段を含み、電子メール機能が使用可能な携帯電話機において、電子メール機能における電子メールデータを格納するメールメモリの使用状態を通知することによって、電子メール機能で使用しているメモリの使用状況を容易に確認することができ、そのメモリの空き状態管理を容易に行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例による携帯電話機の液晶画面表示例を示す図である。
【図3】本発明の一実施例による携帯電話機のメモリの使用状態表示マトリックスを示す図である。
【図4】本発明の一実施例による携帯電話機における送信用メールをメモリに追加する動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例による携帯電話機における送信用メールをメモリから削除する動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例による携帯電話機のメールメモリ管理テーブルの構成例を示す図である。
【図7】本発明の一実施例による携帯電話機のメモリにおける操作別メールの管理イメージを示す図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機
11 送受信アンテナ
12 無線部
13 制御部
14 メモリ
15 表示部
16 操作部
17 サウンダ
18 タイマ
19 記録媒体
20 液晶表示画面
21 メモリ使用状況表示
22 電波状態表示
23 電池残量表示
30 メール機能用メモリバッファ
31 送信メール用バッファ
32 受信メール用バッファ
33 下書メール用バッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも文字情報が表示可能な表示手段を含み、電子メール機能が使用可能な携帯電話機であって、前記電子メール機能における電子メールデータを格納するメールメモリと、前記メールメモリの使用状態を通知する通知手段を有することを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】 前記通知手段は、前記メールメモリの使用状態を表示するメールメモリ使用状態表示を前記表示手段に表示するようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】 前記メールメモリ使用状態表示は、前記電子メール機能で使用している前記メールメモリの使用状態を前記メモリに充分に空きがあることを示す空き状態と、前記メールメモリの空きが残り少ないことを示すニアフル状態と、前記メールメモリの空きがないことを示すフル状態とを区別して表示されることを特徴とする請求項2記載の携帯電話機。
【請求項4】 前記通知手段は、前記メールメモリの使用状態を音声にて通知するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載の携帯電話機。
【請求項5】 前記通知手段は、前記電子メール機能で使用している前記メールメモリの使用状態を前記メールメモリに充分に空きがあることを示す空き状態と、前記メールメモリの空きが残り少ないことを示すニアフル状態と、前記メールメモリの空きがないことを示すフル状態とを区別して通知するようにしたことを特徴とする請求項4記載の携帯電話機。
【請求項6】 前記メールメモリの使用状況を、前記電子メール機能にて送信する送信メールと、前記電子メール機能にて受信した受信メールと、前記電子メール機能にて送信する送信メールの下書きである下書メールとにそれぞれ分けて通知するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか記載の携帯電話機。
【請求項7】 少なくとも文字情報が表示可能な表示手段を含み、電子メール機能が使用可能な携帯電話機のメールメモリ使用状況確認方法であって、前記電子メール機能における電子メールデータを格納するメールメモリの使用状態を通知するステップを有することを特徴とするメールメモリ使用状況確認方法。
【請求項8】 前記メールメモリの使用状態を通知するステップは、前記メールメモリの使用状態を表示するメールメモリ使用状態表示を前記表示手段に表示するようにしたことを特徴とする請求項7記載のメールメモリ使用状況確認方法。
【請求項9】 前記メールメモリ使用状態表示は、前記電子メール機能で使用している前記メールメモリの使用状態を前記メモリに充分に空きがあることを示す空き状態と、前記メールメモリの空きが残り少ないことを示すニアフル状態と、前記メールメモリの空きがないことを示すフル状態とを区別して表示されることを特徴とする請求項8記載のメールメモリ使用状況確認方法。
【請求項10】 前記メールメモリの使用状態を通知するステップは、前記メールメモリの使用状態を音声にて通知するようにしたことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか記載のメールメモリ使用状況確認方法。
【請求項11】 前記メールメモリの使用状態を通知するステップは、前記電子メール機能で使用している前記メールメモリの使用状態を前記メールメモリに充分に空きがあることを示す空き状態と、前記メールメモリの空きが残り少ないことを示すニアフル状態と、前記メールメモリの空きがないことを示すフル状態とを区別して通知するようにしたことを特徴とする請求項10記載のメールメモリ使用状況確認方法。
【請求項12】 前記メールメモリの使用状況を、前記電子メール機能にて送信する送信メールと、前記電子メール機能にて受信した受信メールと、前記電子メール機能にて送信する送信メールの下書きである下書メールとにそれぞれ分けて通知するようにしたことを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか記載のメールメモリ使用状況確認方法。
【請求項13】 少なくとも文字情報が表示可能な表示手段を含み、電子メール機能が使用可能な携帯電話機のメールメモリ使用状況確認方法のプログラムであって、コンピュータに、前記電子メール機能における電子メールデータを格納するメールメモリの使用状態を通知する処理を実行させるためのプログラム。

【図3】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2003−115916(P2003−115916A)
【公開日】平成15年4月18日(2003.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−307012(P2001−307012)
【出願日】平成13年10月3日(2001.10.3)
【出願人】(000232106)日本電気テレコムシステム株式会社 (4)
【Fターム(参考)】