説明

携帯電話機

【課題】 WCDMA方式とGSM方式とに対応する携帯電話機の小型軽量化や、低消費電力化が困難である。
【解決手段】 スイッチ61が、アンテナ50と共用器14とを接続する。スイッチ62が、アンテナ50と第2の出力用増幅部22とを接続する。アンテナ50が受信したWCDMA受信信号およびGSM受信信号は、スイッチ61と共用器14等を介して受信信号処理部70に入力される。送信信号生成部80が生成したWCDMA送信信号は、スイッチ41や、スイッチ61等を介してアンテナ50から送信される。送信信号生成部80が生成したGSM送信信号は、スイッチ42や、スイッチ62等を介してアンテナ50から送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WCDMA方式とGSM方式とに対応する携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式と、GSM(Global System for Mobile communications)方式とに対応した携帯電話機がある。
【0003】
従来の携帯電話機は、アンテナと、WCDMA方式およびGSM方式で受信または送信する信号をそれぞれ増幅する複数の増幅部と、受信または送信する信号をそれぞれ通過させる複数のフィルタと、増幅部またはフィルタとアンテナとを接続するスイッチ部とを備えている。
【0004】
そして、WCDMA方式では信号の送受信を同時に行うため、アンテナと受信フィルタおよび送信フィルタとが、スイッチ部が含む第1のスイッチで接続されている。
【0005】
一方、GSM方式では、信号の受信と送信とを異なるタイミングで行うため、アンテナと受信フィルタとがスイッチ部が含む第2のスイッチで接続され、アンテナと増幅部とがスイッチ部が含む第3のスイッチで接続されている。すなわち、従来の携帯電話機は、スイッチ部が3つのスイッチを備えている。
【0006】
特許文献1には、WCDMA方式とGSM方式とに対応し、WCDMA方式として動作するときの発振器の動作電流を少なくして、消費電力を削減する携帯電話機が記載されている。
【0007】
特許文献2には、複数の通信方式に対応した通信端末装置用のフロントエンド回路が記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開2004−88401号公報 (段落0014〜0023、図1)
【特許文献2】特開2002−185356号公報 (段落0013〜0017、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来の携帯電話機は、構成が複雑であるため、携帯電話機の小型化や、軽量化、低コスト化が困難である。また、スイッチ部は3つのスイッチを有するが、高周波電流は開状態のスイッチを通過してしまうため、スイッチを多く有すると高周波損失が大きくなるという問題がある。そして、高周波損失が大きくなると、各増幅部が所定の電力を出力するためには大きな電力が必要となり、低消費電力化が困難になる。また、高周波損失が大きくなると、受信時の高感度化が困難になる。
【0010】
そして、特許文献1および特許文献2に記載されている携帯電話機等は、そのような問題を解決することができない。
【0011】
そこで、本発明は、低消費電力で受信時に高感度な簡易な構成の携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による携帯電話機は、GSM方式とWCDMA方式とで信号を送受信する携帯電話機であって、信号を送受信するアンテナと、所定の信号を通過させるフィルタ部と、GSM方式で送信するGSM送信信号を増幅するGSM送信信号増幅手段と、アンテナと、フィルタ部およびGSM送信信号増幅手段とを接続するアンテナ接続手段とを備え、フィルタ部は、アンテナが受信したGSM方式の信号であるGSM受信信号とWCDMA方式の信号であるWCDMA受信信号とを通過させる受信フィルタと、アンテナから送信されるWCDMA方式の信号であるWCDMA送信信号を通過させる送信フィルタとを含み、アンテナ接続手段は、GSM方式で信号を送信する場合に閉状態となり、閉状態でGSM送信信号増幅手段で増幅されたGSM送信信号をアンテナに出力する第1のアンテナスイッチと、GSM方式で信号を受信する場合またはWCDMA方式で信号を送受信する場合に閉状態となり、閉状態で、GSM受信信号およびWCDMA受信信号とを受信フィルタに出力し、送信フィルタを通過したWCDMA送信信号をアンテナに出力する第2のアンテナスイッチとを含むことを特徴とする。
【0013】
受信フィルタを通過したGSM受信信号とWCDMA受信信号とを増幅する低雑音増幅手段と、低雑音増幅手段が増幅したGSM受信信号とWCDMA受信信号とを、受信信号を処理する受信信号処理手段に入力する受信段間フィルタとを備えてもよい。
【0014】
送信信号を生成する送信信号生成手段が生成したGSM送信信号とWCDMA送信信号とを通過させる送信段間フィルタと、送信段間フィルタを通過したGSM送信信号とWCDMA送信信号とを所定の電力に増幅する送信信号増幅手段と、GSM方式で信号を送信する場合に閉状態となり、閉状態で送信信号増幅手段が増幅したGSM送信信号をGSM送信信号増幅手段に出力するGSM送信信号スイッチ、およびWCDMA方式で信号を送受信する場合に閉状態となり、閉状態で送信信号増幅手段が増幅したWCDMA送信信号を送信フィルタに出力するWCDMA送信信号スイッチを含む送信信号出力切り替え手段とを備えてもよい。
【0015】
WCDMA送信信号を通過させるアイソレータを備え、WCDMA送信信号スイッチは、アイソレータを介してWCDMA送信信号を送信フィルタに出力してもよい。
【0016】
GSM送信信号とWCDMA送信信号とを通過させるアイソレータを備え、送信信号増幅手段は、アイソレータを介して増幅したGSM送信信号とWCDMA送信信号とを送信信号出力切り替え手段に出力してもよい。
【0017】
第1のアンテナスイッチと、第2のアンテナスイッチと、GSM送信信号スイッチと、WCDMA送信信号スイッチとを制御する制御手段を備え、制御手段は、WCDMA方式で信号を送受信するときに、第1のアンテナスイッチおよびGSM送信信号スイッチを開状態に遷移させ、第2のアンテナスイッチおよびWCDMA送信信号スイッチを閉状態に遷移させてもよい。
【0018】
第1のアンテナスイッチと、第2のアンテナスイッチと、GSM送信信号スイッチと、WCDMA送信信号スイッチとを制御する制御手段を備え、制御手段は、GSM方式で信号を送信するときに、第2のアンテナスイッチおよびWCDMA送信信号スイッチを開状態に遷移させ、GSM送信信号スイッチおよび第1のアンテナスイッチを閉状態に遷移させてもよい。
【0019】
第1のアンテナスイッチと、第2のアンテナスイッチと、GSM送信信号スイッチと、WCDMA送信信号スイッチとを制御する制御手段を備え、制御手段は、GSM方式で信号を受信するときに、第1のアンテナスイッチおよびGSM送信信号スイッチを開状態に遷移させ、第2のアンテナスイッチおよびWCDMA送信信号スイッチを閉状態に遷移させてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、アンテナ接続手段が含むスイッチを2つにしたため、スイッチによる高周波損失を少なくすることができ、低消費電力で受信時に高感度な簡易な構成の携帯電話機を提供することができる。
【0021】
また、一の低雑音増幅手段がGSM受信信号とWCDMA受信信号とを増幅し、一の受信段間フィルタがGSM受信信号とWCDMA受信信号とを受信信号処理手段に入力するように構成されている場合には、携帯電話機の構成を簡素化することができる。
【0022】
また、一の送信段間フィルタがGSM送信信号とWCDMA送信信号とを通過させ、一の送信信号増幅手段がGSM送信信号とWCDMA送信信号とを所定の電力に増幅し、送信信号出力切り替え手段が、各送信信号の出力先を切り替えるように構成されている場合には、携帯電話機の構成を簡素化することができる。
【0023】
WCDMA送信信号スイッチが、アイソレータを介してWCDMA送信信号を送信フィルタに出力するように構成されている場合には、送信信号増幅手段、送信信号出力切り替え手段、およびGSM送信信号増幅手段を一連の構成にすることができるため、それらを一のGaAs半導体モジュールで実現し、携帯電話機を小型化したり、軽量化したりすることができる。
【0024】
送信信号増幅手段が、アイソレータを介して増幅したGSM送信信号とWCDMA送信信号とを送信信号出力切り替え手段に出力するように構成されている場合には、GSM送信信号とWCDMA送信信号との高周波増幅安定度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
実施の形態1.
本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明による携帯電話機の第1の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【0026】
本発明による携帯電話機の第1の実施の形態は、受信フィルタ10、受信段間フィルタ11、送信フィルタ12、送信段間フィルタ13、低雑音増幅部(低雑音増幅手段)20、第1の出力用増幅部(送信信号増幅手段)21、第2の出力用増幅部(GSM送信信号増幅手段)22、アイソレータ30、出力スイッチ部(送信信号出力切り替え手段)40、アンテナ50、アンテナスイッチ部(アンテナ接続手段)60、受信信号処理部(受信信号処理手段)70、送信信号生成部(送信信号生成手段)80、および制御部(制御手段)90を含む。
【0027】
受信フィルタ10は、アンテナ50が受信したWCDMA受信信号とGSM受信信号とを選択的に低雑音増幅部20へ通過させる。具体的には、受信フィルタ10は、例えば、925MHzから960MHzの信号を通過させるバンドパスフィルタによって実現される。
【0028】
低雑音増幅部20は、受信フィルタ10を通過したWCDMA受信信号とGSM受信信号とを増幅して受信段間フィルタ11に出力する。
【0029】
受信段間フィルタ11は、低雑音増幅部20が増幅したWCDMA受信信号とGSM受信信号とを選択的に受信信号処理部70へ通過させる。具体的には、受信段間フィルタ11は、例えば、925MHzから960MHzの信号を通過させるバンドパスフィルタによって実現される。
【0030】
送信段間フィルタ13は、送信信号生成部80が生成したWCDMA送信信号とGSM送信信号とを選択的に第1の出力用増幅部21へ通過させる。具体的には、送信段間フィルタ13は、例えば、880MHzから915MHzの信号を通過させるバンドパスフィルタによって実現される。
【0031】
第1の出力用増幅部21は、送信段間フィルタ13を通過したWCDMA送信信号とGSM送信信号とを所定の電力まで増幅してアイソレータ30に出力する。具体的には、第1の出力用増幅部21は、例えば、WCDMA方式での最大出力電力である24dBmの電力の信号をアンテナ50が送信ように増幅する。
【0032】
アイソレータ30は、反射波などの第1の出力用増幅部21に戻る不要な信号を吸収し、第1の出力用増幅部21の動作を安定させ、第1の出力用増幅部21が出力した信号を出力スイッチ部40に出力する。
【0033】
出力スイッチ部40は、アイソレータ30と送信フィルタ12とを接続するスイッチ(WCDMA送信信号スイッチ)41、およびアイソレータ30と第2の出力用増幅部22とを接続するスイッチ(GSM送信信号スイッチ)42を含む。
【0034】
スイッチ41は、制御部90の制御にしたがって、WCDMA方式で携帯電話機が動作する場合に閉状態になる。また、スイッチ42は、制御部90の制御にしたがって、GSM方式で携帯電話機が動作する場合に閉状態になる。
【0035】
第2の出力用増幅部22は、GSM送信信号を所定の電力まで増幅してアンテナスイッチ部60に出力する。具体的には、例えば、GSM方式での最大出力電圧である33dBmの電力の信号をアンテナ50が送信するように増幅する。
【0036】
送信フィルタ12は、WCDMA送信信号を選択的にアンテナスイッチ部60へ通過させる。具体的には、送信フィルタ12は、例えば、880MHzから915MHzの信号を通過させるバンドパスフィルタで実現される。なお、受信フィルタ10と送信フィルタ12とは、一の共用器(フィルタ部)14を構成する。
【0037】
アンテナスイッチ部60は、アンテナ50と共用器14とを接続するスイッチ(第2のアンテナスイッチ)61、およびアンテナ50と第2の出力用増幅部22とを接続するスイッチ(第1のアンテナスイッチ)62を含む。
【0038】
スイッチ61は、制御部90の制御にしたがって、WCDMA方式で携帯電話機が動作する場合、およびGSM方式で携帯電話機が動作する場合であって、GSM受信信号を受信するときに閉状態になる。また、スイッチ62は、制御部90の制御にしたがって、GSM方式で携帯電話機が動作する場合であって、GSM送信信号を送信するときに閉状態になる。
【0039】
受信信号処理部70は、WCDMA受信信号およびGSM受信信号を音声信号等に変換する。また、送信信号生成部80は、音声信号等をWCDMA送信信号またはGSM送信信号に変換する。制御部90は、携帯電話機の各部を制御する。
【0040】
次に、本発明の第1の実施の形態の動作について、図面を参照して説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【0041】
制御部90は、アンテナ50が信号を受信したり、操作部(図示せず)が送信操作されたりすると、WCDMA方式の携帯電話機として動作するのか、GSM方式の携帯電話機として動作するのかを判断する(ステップS101)。
【0042】
制御部90は、GSM方式の携帯電話機として動作すると判断すると、信号を受信するタイミングであるのか、あるいは信号を送信するタイミングであるのかを判断する(ステップS102)。
【0043】
制御部90は、信号を送信するタイミングであると判断すると、スイッチ61を開状態にする(ステップS103)。また、制御部90は、スイッチ62を閉状態にする(ステップS104)。さらに、制御部90は、スイッチ41を開状態にする(ステップS105)。また、制御部90は、スイッチ42を閉状態にする(ステップS106)。
【0044】
すると、GSM送信信号は、送信段間フィルタ13を通過し、第1の出力用増幅部21で増幅され、アイソレータ30を通り、スイッチ42を通り、第2の出力用増幅部22で増幅され、スイッチ62を通り、アンテナ50から送信される。
【0045】
また、制御部90は、ステップS102で信号を受信するタイミングであると判断すると、スイッチ61を閉状態にする(ステップS107)。また、制御部90は、スイッチ62を開状態にする(ステップS108)。さらに、制御部90は、スイッチ41を閉状態にする(ステップS109)。また、制御部90は、スイッチ42を開状態にする(ステップS110)。
【0046】
すると、アンテナ50が受信したGSM受信信号は、スイッチ61を通り、受信フィルタ10を通過し、低雑音増幅部20で増幅され、受信段間フィルタ11を通過して受信信号処理部70に入力される。
【0047】
なお、制御部90は、GSM受信信号を受信するときにスイッチ41を開状態にしてもよいが、受信フィルタ10および送信フィルタ12の動作を安定させるために、スイッチ41を閉状態にすることが好ましい。
【0048】
また、制御部90は、ステップS101でWCDMA方式の携帯電話機として動作すると判断すると、スイッチ61を閉状態にする(ステップS107)。また、制御部90は、スイッチ62を開状態にする(ステップS108)。さらに、制御部90は、スイッチ41を閉状態にする(ステップS109)。また、制御部90は、スイッチ42を開状態にする(ステップS110)。
【0049】
すると、WCDMA送信信号は、送信段間フィルタ13を通過し、第1の出力用増幅部21で増幅され、アイソレータ30を通り、スイッチ41を通り、送信フィルタ12を通過し、スイッチ61を通り、アンテナ50から送信される。
【0050】
また、アンテナ50が受信したWCDMA受信信号は、スイッチ61を通り、受信フィルタ10を通過し、低雑音増幅部20で増幅され、受信段間フィルタ11を通過して受信信号処理部70に入力される。
【0051】
以上に述べたように、この実施の形態によれば、従来の携帯電話機に比べてフィルタの数を減少させ、低雑音増幅部を削除し、構成を簡素化したので、携帯電話機を小型化したり、軽量化したり、低コスト化したりすることができる。
【0052】
また、この実施の形態によれば、従来の携帯電話機に比べてアンテナスイッチ部60のスイッチを減少させたので、高周波損失を低減することができる。そのため、第1の出力用増幅部21と第2の出力用増幅部22とが必要とする電力を削減することができ、携帯電話機を低消費電力化することができる。
【0053】
さらに、高周波損失が低減するため、受信信号の雑音指数(ノイズフィギュア)を小さくすることができ、携帯電話機の受信性能を高感度化することができる。
【0054】
実施の形態2.
本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して説明する。図3は、本発明による携帯電話機の第2の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【0055】
本発明の第2の実施の形態と第1の実施の形態とでは、アイソレータ30の位置が異なる。
【0056】
具体的には、第1の実施の形態では、アイソレータ30は第1の出力用増幅部21が出力した信号を出力スイッチ部40に出力するが、第2の実施の形態では、スイッチ41を介して第1の出力用増幅部21が出力した信号を送信フィルタ12に出力する。
【0057】
その他の構成は第1の実施の形態と同様なため、図1と同じ符号を付し説明を省略する。
【0058】
以上に述べたように、この実施の形態によれば、一般にGaAs半導体で実現される第1の出力用増幅部21、出力スイッチ部40、および第2の出力用増幅部22を一連の構成にすることができるため、第1の出力用増幅部21、出力スイッチ部40、および第2の出力用増幅部22を一のGaAs半導体モジュールで実現し、携帯電話機を小型化したり、軽量化したりすることができる。
【0059】
なお、第1の出力用増幅部21、出力スイッチ部40、および第2の出力用増幅部22に、アンテナスイッチ部60を加えて一のGaAs半導体モジュールで実現してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、WCDMA方式とGSM方式とに対応する携帯電話機に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明による携帯電話機の第1の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明による携帯電話機の第2の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0062】
10 受信フィルタ
11 受信段間フィルタ
12 送信フィルタ
14 共用器
20 低雑音増幅部
21 第1の出力用増幅部
22 第2の出力用増幅部
30 アイソレータ
40 出力スイッチ部
41、42 スイッチ
50 アンテナ
60 アンテナスイッチ部
61、62 スイッチ
70 受信信号処理部
80 送信信号生成部
90 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GSM方式とWCDMA方式とで信号を送受信する携帯電話機において、
信号を送受信するアンテナと、
所定の信号を通過させるフィルタ部と、
GSM方式で送信するGSM送信信号を増幅するGSM送信信号増幅手段と、
前記アンテナと、前記フィルタ部および前記GSM送信信号増幅手段とを接続するアンテナ接続手段とを備え、
前記フィルタ部は、前記アンテナが受信したGSM方式の信号であるGSM受信信号とWCDMA方式の信号であるWCDMA受信信号とを通過させる受信フィルタと、前記アンテナから送信されるWCDMA方式の信号であるWCDMA送信信号を通過させる送信フィルタとを含み、
前記アンテナ接続手段は、GSM方式で信号を送信する場合に閉状態となり、閉状態で前記GSM送信信号増幅手段で増幅されたGSM送信信号を前記アンテナに出力する第1のアンテナスイッチと、
GSM方式で信号を受信する場合またはWCDMA方式で信号を送受信する場合に閉状態となり、閉状態で、前記GSM受信信号および前記WCDMA受信信号とを前記受信フィルタに出力し、前記送信フィルタを通過したWCDMA送信信号を前記アンテナに出力する第2のアンテナスイッチとを含む
ことを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
受信フィルタを通過したGSM受信信号とWCDMA受信信号とを増幅する低雑音増幅手段と、
前記低雑音増幅手段が増幅したGSM受信信号とWCDMA受信信号とを、受信信号を処理する受信信号処理手段に入力する受信段間フィルタとを備える
請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
送信信号を生成する送信信号生成手段が生成したGSM送信信号とWCDMA送信信号とを通過させる送信段間フィルタと、
前記送信段間フィルタを通過したGSM送信信号とWCDMA送信信号とを所定の電力に増幅する送信信号増幅手段と、
GSM方式で信号を送信する場合に閉状態となり、閉状態で前記送信信号増幅手段が増幅したGSM送信信号をGSM送信信号増幅手段に出力するGSM送信信号スイッチ、およびWCDMA方式で信号を送受信する場合に閉状態となり、閉状態で前記送信信号増幅手段が増幅したWCDMA送信信号を送信フィルタに出力するWCDMA送信信号スイッチを含む送信信号出力切り替え手段とを備える
請求項1または請求項2記載の携帯電話機。
【請求項4】
WCDMA送信信号を通過させるアイソレータを備え、
WCDMA送信信号スイッチは、前記アイソレータを介して前記WCDMA送信信号を送信フィルタに出力する
請求項3記載の携帯電話機。
【請求項5】
GSM送信信号とWCDMA送信信号とを通過させるアイソレータを備え、
送信信号増幅手段は、前記アイソレータを介して増幅したGSM送信信号とWCDMA送信信号とを送信信号出力切り替え手段に出力する
請求項3記載の携帯電話機。
【請求項6】
第1のアンテナスイッチと、第2のアンテナスイッチと、GSM送信信号スイッチと、WCDMA送信信号スイッチとを制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、WCDMA方式で信号を送受信するときに、第1のアンテナスイッチおよびGSM送信信号スイッチを開状態に遷移させ、第2のアンテナスイッチおよびWCDMA送信信号スイッチを閉状態に遷移させる
請求項3から請求項5のうちいずれか1項記載の携帯電話機。
【請求項7】
第1のアンテナスイッチと、第2のアンテナスイッチと、GSM送信信号スイッチと、WCDMA送信信号スイッチとを制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、GSM方式で信号を送信するときに、第2のアンテナスイッチおよびWCDMA送信信号スイッチを開状態に遷移させ、GSM送信信号スイッチおよび第1のアンテナスイッチを閉状態に遷移させる
請求項3から請求項6のうちいずれか1項記載の携帯電話機。
【請求項8】
第1のアンテナスイッチと、第2のアンテナスイッチと、GSM送信信号スイッチと、WCDMA送信信号スイッチとを制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、GSM方式で信号を受信するときに、第1のアンテナスイッチおよびGSM送信信号スイッチを開状態に遷移させ、第2のアンテナスイッチおよびWCDMA送信信号スイッチを閉状態に遷移させる
請求項3から請求項7のうちいずれか1項記載の携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−36868(P2007−36868A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−219336(P2005−219336)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】