説明

携帯電話機

【課題】本発明は、待ち受け3D機能の動作中に、音楽、ラジオ放送、テレビ放送等を再生する機能を動作させるときに、これらのリソース競合を解消し、このときにユーザに違和感を与えない携帯電話機を提供する。
【解決手段】待ち受け画面を表示する表示手段と、現在日時、着信の有無、未読メールの有無のいずれかを含む表示条件を取得する取得手段(S107)と、表示条件に基づいて3D表示体を生成して、待ち受け画面に表示する表示制御手段(S109)と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽、ラジオ放送、テレビ放送等を再生する機能と、待ち受け画面上に「3DCGで表現されたキャラクター」を表示する機能とを備えた携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の小型の電子機器の多機能化に伴い、携帯電話機の表示画面に動画像を表示する機会が増えてきている。例えば、アニメーション壁紙等の動画像を表示できる携帯電話機であって、動画像の表示がなかなか始まらないことによりユーザに対して操作を誤った等の誤解を与えないようにした携帯電話機が提案されている(特許文献1参照)。この携帯電話機は、登録された動画像ファイルを選択する入力手段と、この入力手段により選択された動画像の先頭画像を静止画としてデコードし、ビットマップデータとしてメモリに蓄積する手段と、動画像の再生要求に対して、予めデコードされ蓄積された先頭画像のビットマップデータを最初に表示する表示手段により構成することで、直ぐに先頭画像を表示できるようにしたものである。
【特許文献1】特開2005−151484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年の携帯電話機は、待ち受け画面の表示中に、音楽、ラジオ放送、テレビ放送等を再生する機能を備えている。また一方で、携帯電話機が、待ち受け画面上に「3DCGで表現されたキャラクター」を表示する機能(以下、待ち受け3D機能と言う)を備えていることも多い。しかしながら、これらのうちの2つ以上の機能を同時に動作させると、携帯電話機のメモリ、CPU等のリソース競合が発生し、いずれかの機能が動作しなくなってしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、上記課題を鑑みてなされてものであり、待ち受け3D機能の動作中に、音楽、ラジオ放送、テレビ放送等を再生する機能を動作させるときに、これらのリソース競合を解消し、このときにユーザに違和感を与えない携帯電話機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯電話機は、待ち受け画面を表示する表示手段と、現在日時、着信の有無、未読メールの有無のいずれかを含む表示条件を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された表示条件に基づいて3D表示体を生成して、前記表示手段により表示された待ち受け画面に表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る携帯電話機によると、待ち受け3D機能の動作中に、音楽、ラジオ放送、テレビ放送等を再生する機能を動作させるときに、ユーザに違和感を与えずに、これらのリソース競合を解消することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係る携帯電話機の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本発明に係る携帯電話機として、複数の筐体が開閉自在に結合されてなるクラムシェル型の携帯電話機1を例にあげて説明する。図1(A)は、携帯電話機1の開いた状態を示す正面図、図1(B)は、携帯電話機1の開いた状態を示す側面図である。また、図2(A)は、携帯電話機1の閉じた状態を示す背面図、図2(B)は、携帯電話機1の閉じた状態を示す側面図である。
【0008】
携帯電話機1は、図1及び図2に示すように、主に、矩形の板状の上筐体10と、この上筐体10とほぼ同形状をした下筐体11とにより構成されていて、これらの上筐体10及び下筐体11は、閉じた状態において相互に一面を覆うように積層されている。上筐体10及び下筐体11は、ヒンジ部12を挟むようにヒンジ結合されていて、上筐体10は下筐体11に対して、ヒンジ部12を軸にして、図1及び図2のX方向に所定角度だけ回転自在なように形成されている。携帯電話機1は、上筐体10を下筐体11に対して回転させることにより、閉じた状態から開いた状態に、あるいは開いた状態から閉じた状態に変形する。
【0009】
上筐体10の内面(下筐体11に対面する側の面)には、文字や画像等を含んだ表示情報を表示するためのディスプレイ13、通話相手から受信した音声を出力するためのスピーカ14が設けられている。これらのディスプレイ13やスピーカ14は、携帯電話機1が閉じた状態のときには、下筐体11により覆われていて外部に露出していないが、上筐体10を下筐体11に対して回転させて開いた状態に変形させたときには、外部に露出される。
【0010】
下筐体11の内面(上筐体10に対面する側の面)には、例えば電源のON/OFFを切り替えるための電源キーや発呼処理を行うための発呼キー、数字や文字を入力するためのテンキー、メール機能やWeb機能、テレビ機能、ラジオ機能等を起動するためのショートカットキー等からなる操作キー15が設けられている。また下筐体11には、音声を集音するためのマイクロフォン16が設けられている。これらの操作キー15やマイクロフォン16は、携帯電話機1が閉じた状態のときには、上筐体10により覆われていて外部に露出していないが、上筐体10を下筐体11に対して回転させて開いた状態に変形させたときには、外部に露出される。
【0011】
下筐体11の側面には、ACアダプタ等の商用電源に接続するためのコネクタ17が設けられている。このコネクタ17にACアダプタに接続されると、このACアダプタから携帯電話機1に内蔵されている電力供給源(バッテリ等)に電力が供給される。このコネクタ17は、携帯電話機1が閉じた状態であっても開いた状態であっても外部に露出されているため、ユーザは携帯電話機1の電力供給源(バッテリ等)を常時充電することができる。
【0012】
次に、携帯電話機1の機能について、図2に示す機能ブロック図を用いて説明する。携帯電話機1は、図2に示すように、主制御部20、電源回路部21、操作入力制御部22、表示制御部23、音声制御部24、通信制御部25、記憶部26、テレビ受信部27、及びラジオ受信部28がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0013】
主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)を具備し、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、後述する待ち受け画面設定処理や、その他の様々な演算処理や制御処理等を行う。電源回路部21は、電源供給源(バッテリ等)を備え、操作キー15を介した入力に基づいて携帯電話機1の電源のON/OFF状態を切り替え、電源がON状態の場合に電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。また電源回路部21は、コネクタ17にACアダプタが接続されると、ACアダプタからの供給される電力を用いて電力供給源(バッテリ等)を充電する。
【0014】
操作入力制御部22は操作キー15に対する入力インタフェースを備え、操作キー15のいずれかが押されたことを検知すると、押された操作キー15を示す信号を生成して主制御部20に伝送する。表示制御部23はディスプレイ13に対する表示インタフェースを備え、主制御部20の制御に基づいて、文書データや画像データ、待ち受け画面や待ち受け3DCGキャラクター(3D表示体)等をディスプレイ13に表示する。
【0015】
音声制御部24は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部24は、デジタル音声信号を取得すると、主制御部20の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ14から音声として出力する。
【0016】
通信制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、基地局からアンテナ25aを介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、主制御部20の指示により、音声制御部24に伝送されてスピーカ14から出力されたり、表示制御部23に伝送されてディスプレイ13に表示されたり、または記憶部26に記録されたりする。また通信制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音された音声データや操作キー15を介して入力されたデータや記憶部26に記憶されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対してアンテナ25aを介して送信する。
【0017】
記憶部26は、主制御部20が行う処理について、処理プログラムや処理に必要なデータ等を格納するROM(Read Only Memory)やハードディスク、不揮発性メモリ、データベース、主制御部20が処理を行う際に使用されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等から構成される。また、主制御部20が後述する待ち受け画面設定処理を行う際の処理プログラムは、例えばROMに記憶されているものとする。
【0018】
テレビ受信部27は、テレビアンテナ27aを備えていて、放送局からの地上波ディジタルワンセグ放送波、地上波デジタル放送、地上波3セグメントラジオ放送波等のテレビ放送波をテレビアンテナ27aを介して受信する。そしてテレビ受信部28は、これらの受信したテレビ放送波の受信データを音声信号と画像信号に分離して、画像信号を表示制御部23によりディスプレイ13に表示するとともに音声信号を音声制御部24によりスピーカ14を介して出力する視聴処理を行う。
【0019】
ラジオ受信部28は、ラジオアンテナ28aを備えていて、放送局からのラジオ放送波をラジオアンテナ28aを介して受信する。そしてラジオ受信部28は、受信した放送波から音声信号を生成して、音声制御部24によりスピーカ14を介して出力する視聴処理を行う。
【0020】
ここで、携帯電話機1の主制御部20は、少なくとも、モデム用CPUとアプリケーション用CPUとの2つのCPUを具備している。また携帯電話機1は、音声、画像処理に特化した音声・画像処理用チップを具備していて、この音声・画像処理用チップはCPUの補助として用いられる。また携帯電話機1は、音楽の再生のための音源チップを具備している。
【0021】
そして携帯電話機1において、静止画ファイルは、音声・画像処理用チップが未使用の場合はこの音声・画像処理用チップを使用してデコードされ、音声・画像処理用チップが別の機能で使用されている場合は、アプリケーション用CPUによりソフトウェアでデコードされる。FLASH(登録商標)ファイルは、基本的には、アプリケーション用CPUによりソフトウェアでデコードされるが、コンテンツに静止画が含まれる場合は、別途静止画のデコードを行う必要があるので静止画の表示と同様となる。つまり、音声・画像処理用チップが未使用の場合は音声・画像処理用チップが使用され、音声・画像処理用チップが別の機能で使用されている場合は、アプリケーション用CPUによりソフトウェアでデコードされる。
【0022】
音源ファイルには、音声・画像処理用チップまたは音源チップが使用される。テレビ放送の再生には、音声・画像処理用チップが使用される。ラジオ放送の再生には、音声・画像処理用チップまたは音源チップが使用される。3D表示には、音声・画像処理用チップが使用される。
【0023】
また、音声・画像処理用チップは、その処理能力の制限上、ある機能を動作しているときには他の機能を動作できない仕組みになっているため、携帯電話機1において、例えば3D表示の機能と、音楽の再生、テレビ放送の再生、ラジオ放送の再生等の機能とを同時に動作させることができない。しかし、静止画表示の機能とFLASH(登録商標)表示の機能は、ソフトウェアでデコードすることができるために、音楽の再生、テレビ放送の再生、ラジオ放送の再生等の機能と同時に動作させることが可能である。
【0024】
また、携帯電話機1は待ち受け状態において、図4(A)に示すように、ディスプレイ13の表示画面30に三次元CG(Computer Graphics)で表現されたCGキャラクター(3D表示体)31を表示する待ち受け3D機能を備えている。このCGキャラクター31は、現在日時や携帯電話機1の端末状態(例えば着信の有無、未読メールの有無、電波状態、電池残量等)に基づいて衣装や表示位置が設定されて待ち受け画面上に表示され、この待ち受け画面上を自在に動き回るキャラクターである。例えば現在日時が「12月24日」であった場合には、図4(B)に示すように、ディスプレイ13の表示画面30に、サンタクロースの衣装をまとったCGキャラクター31aが表示される。また、携帯電話機1がメールを受信し、このメールがユーザに読まれていない未読メールであった場合には、図4(C)に示すように、ディスプレイ13の表示画面30に、メール(手紙)を保持したCGキャラクター31bが表示される。
【0025】
携帯電話機1は、待ち受け3D機能が起動されているときに他の機能が起動されたためにリソース競合が発生して、三次元のCGキャラクター31を表示できなくなってしまった状態にあるときに、ディスプレイ13の表示画面30に、このCGキャラクター31の代わりに代替2D画像32(例えば、静止画像やFLASH(登録商標)などで再生される)を表示する。記憶部26は、これらの代替2D画像32を予め複数記憶している。そして携帯電話機1は、待ち受け3D機能が起動されているときに、リソース競合が発生した時点で、表示画面30に、CGキャラクター31の代わりに代替2D画像を表示することによって、このリソース競合を解決する。携帯電話機1は、記憶部26が代替2D画像を複数記憶していて、CGキャラクター31の衣装情報や表示位置情報に基づいて代替2D画像を選出して表示することにより、CGキャラクター31の表示状態に応じた代替2D画像への切り替えをスムーズに行うことができ、この切り替え時にユーザが感じる違和感を軽減することができる。
【0026】
携帯電話機1は、通常の使用状態から待ち受け状態に移行したときに、ディスプレイ13の表示画面30に待ち受け画面や待ち受けのCGキャラクター31を表示する待ち受け画面設定処理を行う。携帯電話機1がこの待ち受け画面設定処理を行う際の手順について、図5、図6、図8、図10、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。以下、例えば「ステップS101」を「S101」のように、「ステップ」の語句を省略して説明する。
【0027】
始めに、携帯電話機1においてユーザによる無操作状態が一定時間継続し、通常の使用状態から待ち受け状態に移行する場合の待ち受け画面設定処理の手順について、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0028】
まず主制御部20は、携帯電話機1においてユーザによる無操作状態が一定時間継続して、待ち受け状態に移行し、表示画面30が待ち受け画面に遷移したか否かを判断する(S101)。待ち受け画面に遷移していない場合(S101のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。
【0029】
待ち受け画面に遷移した場合(S101のYes)は、主制御部20は、現在時刻を表す時計、待ち受け画面に設定されている壁紙、携帯電話機1の電波状態や電池残量等をアイコン等を表示画面30に表示する(S103)。
【0030】
主制御部20は、待ち受け3D機能がONに設定されているか否かを判断する(S105)。待ち受け3D機能のON/OFF状態は、ユーザにより操作キー15を介して入力されたONまたはOFFの情報に基づいて、記憶部26に前もって記憶されている。待ち受け3D機能がOFFに設定されている場合(S105のNo)は、待ち受けのCGキャラクター31を表示する必要がないため、主制御部20は、待ち受け画面設定処理を終了する。
【0031】
待ち受け3D機能がONに設定されている場合(S105のYes)は、主制御部20は、表示画面30にCGキャラクター31を表示するために、現在日時、未読メールの有無等の表示条件を示す情報を取得する(S107)。表示条件とは、CGキャラクター31の衣装や表示位置等を決めるための条件であり、現在日時、未読メールの有無、着信の有無、留守番録音の有無、祝祭日、ユーザの記念日、ユーザのスケジュール等である。
【0032】
主制御部20は、ステップS107にて取得した表示条件に合わせて、表示画面30にCGキャラクター31を表示する(S109)。すなわち、CGキャラクター31は、図4(B)や図4(C)に示すように、現在日時がクリスマスである場合にはクリスマス用の衣装を身に着けた状態で表示され、未読メールがある場合にはメールを保持した状態で表示される。
【0033】
このようにして携帯電話機1は、待ち受け画面に遷移する時に、時計、壁紙、アイコン等の待ち受け画面に必要の情報を表示した後に、待ち受け3D機能の設定がONであるかどうかの判定を行い、もし待ち受け3D機能の設定がONでない場合にはそのまま待ち受け状態に移行する。そして携帯電話機1は、待ち受け3D機能の設定がONである場合には、現在日時、未読メール等の表示条件の情報を取得し、表示画面30に、表示条件に基づいて3DCGで表現されたCGキャラクター31を表示して待ち受け状態に移行する。
【0034】
次に、ステップS109に示す処理により、携帯電話機1において待ち受け3D機能が起動されていて、表示画面30にCGキャラクター31が表示されているときに、表示条件を監視しつつ、必要に応じてCGキャラクター31の表示を切り替える場合の待ち受け画面設定処理の手順について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、始めに、ディスプレイ13の表示画面30に、待ち受けのCGキャラクター31が表示されているものとする。
【0035】
まず主制御部20は、携帯電話機1において表示条件の変更契機であるか否かを判断する(S201)。表示条件の変更契機とは、例えば、時間が経過して現在日時の日付が切り替わったこと、メールを受信したこと、着信があったこと、留守番録音がされたこと等である。
【0036】
表示条件の変更契機でない場合(S201のNo)は、ステップS201に戻って、主制御部20はそのままCGキャラクター31の表示を継続する。表示条件の変更契機であった場合(S201のYes)は、主制御部20は、現在時刻、未読メールの有無等の表示条件を示す情報を取得する(S203)。
【0037】
主制御部20は、CGキャラクター31の表示を切り替える必要があるか否かを判断する(S205)。このとき、例えば現在日時の日付が切り替わって、その日付が祝祭日の日付であった場合、ユーザの記念日であった場合、スケジュールで指定された特定の日付であった場合、あるいは、メールを受信した場合、着信があった場合、留守番録音があった場合等には、CGキャラクター31の表示を切り替える必要があるものと判断する。表示を切り替える必要がなかった場合(S205のNo)は、ステップS201に戻って、主制御部20はそのままCGキャラクター31の表示を継続する。
【0038】
表示を切り替える必要があった場合(S205のYes)は、主制御部20は、ステップS203にて取得した表示条件に合わせてCGキャラクター31の衣装や表示位置等を切り替えて再表示する(S207)。例えば図7(A)に示すように、始めに表示画面30において、メールを保持していないCGキャラクター31が表示されているときに、携帯電話機1がメールを受信した場合、ステップS207にて、図7(B)に示すように、メールを保持していないCGキャラクター31の代わりに、メールを保持したCGキャラクター31bが表示画面30に表示される。
【0039】
このようにして携帯電話機1は、待ち受け3D機能の設定時にCGキャラクター31の表示条件が切り替わるような変更契機が発生したとき、すなわち現在日時の日付が切り替わったりメールを受信したりしたときに、この表示条件の変更契機が発生した時点で、現在日時、未読メールの有無等の表示条件を示す情報を取得し、表示条件にしたがってCGキャラクター31を再表示して再び待ち受け状態に移行する。
【0040】
次に、ステップS109に示す処理により、携帯電話機1において待ち受け3D機能が起動されていて、表示画面30にCGキャラクター31が表示されているときに、ユーザによりテレビ放送の受信が指示された場合の待ち受け画面設定処理の手順について、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、始めに、ディスプレイ13の表示画面30に、CGキャラクター31が表示されているものとする。
【0041】
まず主制御部20は、テレビ放送の受信が指示されたか否かを判断する(S301)。このとき、主制御部20は、例えばユーザにより所定の操作キー15が押されたこと、または、現在日時が、テレビ放送の視聴や録画を行う日時として、ユーザにより予め指定されて記憶部26に記憶されていた日時に切り替わったことに基づいて、テレビ放送の受信が指示されたものと判断する。テレビ放送の受信が指示されていない場合(S301のNo)は、ステップS301に戻って、主制御部20はそのままCGキャラクター31の表示を継続する。
【0042】
テレビ放送の受信が指示された場合(S301のYes)は、主制御部20は、待ち受け3D機能において、現在表示されているCDキャラクター31が身に着けている衣装を示す情報、CDキャラクター31の表示位置を示す情報等を取得する(S303)。そして主制御部20は、待ち受け3D機能を停止し、CGキャラクター31の表示を停止する(S305)。
【0043】
主制御部20は、ステップS303にて取得した情報、すなわち、現在表示されているCDキャラクター31が身に着けている衣装を示す情報、CDキャラクター31の表示位置を示す情報等に合わせて代替2D画像を選出して、表示画面30に表示する(S307)。このとき、例えば図9(A)に示すように、表示画面30において、メールを保持したCGキャラクター31が画面の左下に表示されていたときには、ステップS307にて、図9(B)に示すように、メールを保持したCGキャラクター31が画面の左下に表示された二次元の画像である代替2D画像32が表示画面30に表示される。なお、代替2D画像自体のデコードは、S305における待ち受け3D機能の停止後に行ってもよいし、待ち受け3D機能をONに設定したことを契機に行っても良いし、待ち受け3D機能の表示が異なるごとにデコードを行っても良い。
【0044】
そして主制御部20は、ステップS301における指示に基づいて、テレビ放送の受信を開始する(S309)。この際、テレビ放送を表示画面30に表示する場合には、テレビ放送の映像が表示画面30に表示され、例えば待ち受け画面を表示したままでテレビ放送の音声のみを再生する場合等のテレビ放送を表示画面30に表示しない場合には、表示画面30に代替2D画像32が表示される。
【0045】
このように携帯電話機1は、待ち受け3D機能の動作中に、地上波デジタル放送等のテレビ放送を受信するときに、リソース競合が発生して、テレビ放送の表示と三次元のCGキャラクター31の表示とを同時に行うことができない場合、地上波デジタル放送の受信が開始された時点で、待ち受け3D機能により表示されているCGキャラクター31の衣装情報、表示位置情報等を取得して、待ち受け3D機能の表示を停止する。そして携帯電話機1は、これらの衣装情報、表示位置情報等に基づいて予め用意された代替2D画像を表示する。これによりリソースの競合が解決され、地上波デジタル放送の受信が可能となるので、携帯電話機1は地上波デジタル放送の受信を開始して待ち受け状態に移行する。
【0046】
次に、携帯電話機1において待ち受け3D機能が起動されていて、ステップS309に示す処理により、テレビ放送の受信が開始された後に、待ち受け画面への遷移が指示された場合の待ち受け画面設定処理の手順について、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、始めに、携帯電話機1においてテレビ放送が受信されているものとする。
【0047】
まず主制御部20は、待ち受け画面への遷移が指示されたか否かを判断する(S401)。このとき、主制御部20は、例えばユーザにより所定の操作キー15が押されたことに基づいて、待ち受け画面への遷移が指示されたものと判断する。待ち受け画面への遷移が指示されていない場合(S401のNo)は、ステップS401に戻って、主制御部20はそのままテレビ放送の受信を継続する。
【0048】
待ち受け画面への遷移が指示された場合(S401のYes)は、主制御部20は、現在日時を示す時計、待ち受け画面に設定されている壁紙、携帯電話機1の電波状態や電池残量等をアイコン等を表示画面30に表示する(S403)。このとき、表示画面30にテレビ放送を表示している場合には、テレビ放送の表示を停止する。
【0049】
主制御部20は、待ち受け3D機能がONに設定されているか否かを判断する(S405)。待ち受け3D機能のON/OFF状態は、ユーザにより操作キー15を介して入力されたONまたはOFFの情報に基づいて、記憶部26に前もって記憶されている。待ち受け3D機能がOFFに設定されている場合(S405のNo)は、主制御部20は、待ち受け画面設定処理を終了する。
【0050】
待ち受け3D機能がONに設定されている場合(S405のYes)は、主制御部20は、ステップS107と同様に、現在日時、未読メールの有無等の表示条件を示す情報を取得する(S407)。主制御部20は、ステップS109と同様に、ステップS407にて取得した表示条件に合わせて、表示画面30にCGキャラクター31を表示する(S409)。
【0051】
このようにして携帯電話機1は、地上波デジタル放送等のテレビ放送を受信しているときに待ち受け画面に遷移する場合、地上波デジタル放送の受信中に待ち受けに遷移した時点で、時計、壁紙、アイコン等の待ち受け画面に必要な情報を表示し、その後に、待ち受け3D機能がONかどうかを判定して、ONであれば、リソース競合により待ち受け3D機能の動作を行うことができないので、現在日時、未読メールの有無等の表示条件を取得して、この表示条件にしたがって代替2D画像を表示して待ち受け状態に移行する。待ち受け3D機能がOFFの場合にはリソース競合が発生しないので、携帯電話機1はそのまま待ち受け状態に移行する。
【0052】
次に、携帯電話機1において待ち受け3D機能が起動されていて、ステップS309に示す処理により、テレビ放送の受信が開始された後に、テレビ放送の受信の終了が指示された場合の待ち受け画面設定処理の手順について、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、始めに、携帯電話機1においてテレビ放送が受信されていて、かつ、表示画面30に待ち受け画面(代替2D画像32)が表示されているものとする。
【0053】
まず主制御部20は、テレビ放送の受信の終了が指示されたか否かを判断する(S501)。このとき、主制御部20は、例えばユーザにより所定の操作キー15が押されたことに基づいて、テレビ放送の受信の終了が指示されたものと判断する。
【0054】
テレビ放送の受信の終了が指示されていない場合(S501のNo)は、ステップS501に戻って、主制御部20はそのままテレビ放送の受信を継続する。テレビ放送の受信の終了が指示された場合(S501のYes)は、主制御部20は、テレビ放送の受信を終了する(S503)。
【0055】
主制御部20は、待ち受け3D機能がONに設定されているか否かを判断する(S505)。待ち受け3D機能のON/OFF状態は、ユーザにより操作キー15を介して入力されたONまたはOFFの情報に基づいて、記憶部26に前もって記憶されている。待ち受け3D機能がOFFに設定されている場合(S505のNo)は、待ち受けのCGキャラクター31を表示する必要がないため、主制御部20は、待ち受け画面設定処理を終了する。
【0056】
待ち受け3D機能がONに設定されている場合(S505のYes)は、主制御部20は、現在表示画面30に表示されている代替2D画像32から、キャラクターが身に着けている衣装を示す情報、キャラクターの表示位置を示す情報等を取得する(S507)。また主制御部20は、代替2D画像の表示を終了する(S509)。
【0057】
主制御部20は、ステップS507にて取得した衣装情報や表示位置情報に基づいて、表示画面30にCGキャラクター31を表示する(S511)。このとき、始めに、例えば図12(A)に示すように、メールを保持したキャラクターが画面の左下に表示されている代替2D画像32が表示画面30に表示されていた場合には、ステップS509にて、図12(B)に示すように、メールを保持したCGキャラクター31bが、表示画面30の左下に表示される。
【0058】
このようにして携帯電話機1は、地上波デジタル放送等のテレビ放送を受信していて、かつ、待ち受け画面(代替2D画像32)を表示画面30に表示しているときに、地上波デジタル放送の受信を終了した場合、地上波デジタル放送の受信が終了した時点で、リソース競合が解消して待ち受け3D機能の動作を行うことができるようになるので、待ち受け3D機能がONかどうかを判定して、ONであれば代替2D画像32で表示している衣装情報、表示位置情報を取得して、代替2D画像32の表示を停止する。また携帯電話機1は、その後、代替2D画像で表示している衣装情報、表示位置情報に基づいて、CGキャラクター31を表示画面30に表示する。そして携帯電話機1は、待ち受け3D機能がOFFの場合には、そのまま待ち受け状態に移行する。
【0059】
なお、実施形態として、携帯電話機1において待ち受け3D機能が起動されているときに、待ち受け画面を表示しながらテレビ放送を受信する例について説明したが、これに限定されず、携帯電話機1において待ち受け3D機能が起動されているときに、同様に3GCG表示とのリソース競合が発生する機能である音楽再生、ラジオ放送の再生等の機能を動作させる場合においても、同様の手法が適用できる。
【0060】
また、実施形態として、複数の代替2D画像32を記憶部26が記憶している例について説明したが、これに限定されず、CGキャラクター31の表示から代替2G画像32の表示に切り替える時に、CGキャラクター31が表示されている画面をキャプチャーして、これを代替2G画像32としても良い。
【0061】
本発明に係る携帯電話機1によると、待ち受け画面の3DのCGキャラクター31の表示に対してチップのリソース競合が発生してしまう場合に、3DのCGキャラクター31の代わりに表示される代替2D画像を複数記憶しておくことにより、待ち受け3D機能の動作中に、音楽、ラジオ放送、テレビ放送等を再生する機能を動作させるときに、ユーザに違和感を与えずに、これらのリソース競合を解消することが可能となる。
【0062】
本発明の説明として、携帯電話機1について説明したが、これに限らず、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯音楽プレイヤー、携帯ビデオカメラ、携帯ゲーム機等、待ち受け画面を表示する電子機器であれば任意の電子機器であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】(A)は、本発明に係る携帯電話機の開いた状態を示す正面図、(B)は、本発明に係る携帯電話機の開いた状態を示す側面図。
【図2】(A)は、本発明に係る携帯電話機の閉じた状態を示す正面図、(B)は、本発明に係る携帯電話機の閉じた状態を示す側面図。
【図3】本発明に係る携帯電話機の機能ブロック図。
【図4】(A)乃至(C)は、本発明に係る携帯電話機における待ち受け画面の一例を示す画面図。
【図5】本発明に係る携帯電話機における待ち受け画面設定処理の手順を示すフローチャート。
【図6】本発明に係る携帯電話機における待ち受け画面設定処理の手順を示すフローチャート。
【図7】(A)及び(B)は、本発明に係る携帯電話機が待ち受け画面設定処理を行う際の待ち受け画面の一例を示す画面図。
【図8】本発明に係る携帯電話機における待ち受け画面設定処理の手順を示すフローチャート。
【図9】(A)及び(B)は、本発明に係る携帯電話機が待ち受け画面設定処理を行う際の待ち受け画面の一例を示す画面図。
【図10】本発明に係る携帯電話機における待ち受け画面設定処理の手順を示すフローチャート。
【図11】本発明に係る携帯電話機における待ち受け画面設定処理の手順を示すフローチャート。
【図12】(A)及び(B)は、本発明に係る携帯電話機が待ち受け画面設定処理を行う際の待ち受け画面の一例を示す画面図。
【符号の説明】
【0064】
1…携帯電話機,10…上筐体,11…下筐体,12…ヒンジ部,13…ディスプレイ,14…スピーカ,15…操作キー,16…マイクロフォン,17…コネクタ,20…主制御部,21…電源回路部,22…操作入力制御部,23…表示制御部,24…音声制御部,25…通信制御部,25a…アンテナ,26…記憶部,27…テレビ受信部,27a…テレビアンテナ,28…ラジオ受信部,28a…ラジオアンテナ,30…表示画面,31、31a、31b…CGキャラクター,32…代替2G画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
待ち受け画面を表示する表示手段と、
現在日時、着信の有無、未読メールの有無のいずれかを含む表示条件を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された表示条件に基づいて3D表示体を生成して、前記表示手段により表示された待ち受け画面に表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記表示条件が変更されたことを検出する検出手段を備え、
前記表示制御手段は、前記検出手段により前記表示条件の変更が検出されたときに、変更後の表示条件に基づいて前記3D表示体を再生成して、前記表示手段により表示された待ち受け画面に表示することを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
テレビ放送またはラジオ放送を受信する受信手段と、
2D画像を記憶する記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記受信手段によりテレビ放送またはラジオ放送が受信されている間、前記3D表示体の代わりに前記記憶手段により記憶された2D画像を、前記表示手段により表示された待ち受け画面に表示することを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記記憶手段は、2D画像を複数記憶していて、
前記表示制御手段は、前記3D表示体の代わりに前記2D画像を表示するときに、前記表示手段により表示された待ち受け画面に表示されている3D表示体の表示状態に基づいて、前記記憶手段により記憶された複数の2D画像から1の2D画像を選出して、この2D画像を前記表示手段により表示された待ち受け画面に表示することを特徴とする請求項3記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記受信手段によりテレビ放送またはラジオ放送が受信されている間、待ち受け画面の表示の指示を受け付ける受付手段を備え、
前記記憶手段は、2D画像を複数記憶していて、
前記取得手段は、前記受付手段により待ち受け画面の表示の指示が受け付けられたときに、現在日時、着信の有無、未読メールの有無のいずれかを含む表示条件を取得し、
前記表示制御手段は、前記取得手段により取得された表示条件に基づいて、前記記憶手段により記憶された複数の2D画像から1の2D画像を選出して、この2D画像を前記表示手段により表示された待ち受け画面に表示することを特徴とする請求項3記載の携帯電話機。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記受信手段がテレビ放送またはラジオ放送の受信を終了するときに、前記表示手段により表示された待ち受け画面に表示されている2D画像に基づいて3D表示体を生成して、この待ち受け画面に前記2D画像の代わりにこの3D表示体を表示することを特徴とする請求項4記載の携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−290590(P2009−290590A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141389(P2008−141389)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】