説明

携帯電話機

【課題】相手方電話機から呼出しがあった場合でもテレビ放送を継続して見ることができる携帯電話機を提供する。
【解決手段】メイン表示部にテレビ画像を表示した状態で相手方電話機から呼出しがあった場合に、テレビ画像表示部35がメイン表示部にテレビ画像を表示した状態のまま、テレビ音声出力部36がそのテレビ画像に対応するテレビ音声の出力を停止させるとともに、文字情報表示部38がテレビ画像に対応する字幕をメイン表示部に表示させる。これにより、相手方電話機との間で通話を行っている間も、テレビ画像及び字幕に基づいてテレビ放送を継続して見ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機に係り、さらに詳しくは、テレビ放送を視聴することができる携帯電話機の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の中には、テレビ局から発信されているテレビ放送波を受信するためのアンテナを備え、テレビ放送波に基づいて表示画面にテレビ画像を表示するとともに、そのテレビ画像に対応するテレビ音声を出力することにより、テレビ放送を視聴することができるようになっているものがある(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
テレビ音声を出力するための音声出力手段としては、携帯電話機に内蔵され、テレビ音声を増幅して出力するスピーカや、携帯電話機に備えられた外部出力端子に接続されるイヤホンなどの外部出力装置が用いられる。自宅のように周囲に人がいない環境でテレビ放送を視聴する場合や、複数の友人が集まってテレビ放送を視聴する場合などには、スピーカからテレビ音声を出力させることができる。これに対して、電車の中のように不特定多数の人が周囲にいるような環境では、イヤホンなどの外部出力装置を介してテレビ音声を出力することにより、周囲の人に迷惑をかけることなくテレビ放送を視聴することができる。
【0004】
一方、相手方電話機との間で通話を行う場合には、携帯電話機に備えられた受話用レシーバに耳を近づけることにより、相手方電話機からの音声を聞くことができる。また、相手方電話機との間で通話を行う場合にも、相手方電話機からの音声をスピーカや外部出力装置から出力させることができる。このように、テレビ放送を受信することができる一般的な携帯電話機では、受話用レシーバ、スピーカ及び外部出力装置のいずれかを選択して通話を行うことができるとともに、スピーカ及び外部出力装置のいずれかを選択してテレビ放送を視聴することができるようになっている。
【0005】
特許文献1及び2に開示されている携帯電話機は、表示画面が形成された表示筐体と、多数の操作キーが配置された操作筐体とを備え、表示筐体が表示画面に水平な面内で操作筐体により回転可能に保持されている。この種の携帯電話機では、例えば、表示画面が長方形形状に形成されており、操作筐体に対して表示筐体を回転させることにより、表示画面の長手方向を上下方向として表示を行う縦長状態と、表示画面の短手方向を上下方向として表示を行う横長状態とに切り替えて使用することができるようになっている。
【0006】
通常、テレビ画像は横長のアスペクト比を有しているので、表示画面を横長状態とすることによりテレビ画像を良好に表示させることができる。一方、相手方電話機からの呼出しに応答して通話を行う場合には、携帯電話機は表示画面を縦長状態として使用される。通常の携帯電話機は、操作筐体の長手方向の一端部に、音声を入力するための送話用マイクロホンを備え、表示筐体の長手方向の一端部に、相手方電話機からの音声を出力するための受話用レシーバを備えている。したがって、表示画面を縦長状態として携帯電話機に顔を近づけることにより、送話用マイクロホンに口を近づけるとともに、受話用レシーバに耳を近づけて、良好に通話を行うことができるようになっている。
【0007】
また、テレビ放送を視聴可能な携帯電話機の一例として、テレビ放送を視聴しているときに電子メールを受信した場合に、その旨を表示画面に表示させることにより、テレビ放送の視聴を中断することなく電子メールの受信を確認することができるものが提案されている(例えば、特許文献3,4)。このような携帯電話機では、電子メールの受信を確認したユーザが所定の操作を行い、その電子メールの文字情報を閲覧するためのアプリケーションを起動させることにより、表示画面に電子メールの全文を表示させて閲覧することができる。そして、必要に応じて、電子メールを作成するためのアプリケーションを起動させる操作を行い、受信した電子メールに対する返信用の電子メールを作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−215180号公報
【特許文献2】特開2005−12344号公報
【特許文献3】特開2005−130132号公報
【特許文献4】特開2005−198259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のようなテレビ放送を受信することができる携帯電話機においては、テレビ放送を視聴しているときに相手方電話機から呼出しがあった場合、テレビ放送の視聴を中止するための操作を行った後、呼出しに応答するための操作を行わなければならない。したがって、相手方電話機から呼出しがあった場合には、必然的にテレビ放送の視聴を中止しなければならず、相手方電話機との間での通話とテレビ放送の視聴とを両立させることができなかった。
【0010】
また、通話を良好に行うことができる表示画面の向きと、テレビ放送を良好に視聴することができる表示画面の向きとは、一般的に異なっている。したがって、横長状態でテレビ放送を視聴しているときに相手方電話機から呼出しがあった場合には、表示筐体を回転させて縦長状態とする操作及び呼出しに応答するための操作を行わなければならず、逆に、テレビ放送を視聴しようとする場合には、表示筐体を縦長状態から回転させて横長状態とする操作及びテレビ放送の視聴を開始させるための操作を行わなければならず、いずれの場合も操作が煩わしい。
【0011】
さらに、テレビ放送の視聴のために携帯電話機が消費する電力は比較的高いので、相手方電話機との間で通話を行っているときのように、必要なとき以外はテレビ画像の表示等を停止させることが好ましい。また、テレビ放送の視聴中に相手方電話機から呼出しがあり、その呼出しに応答する場合には、テレビ放送の視聴を中止しなければならないため、その後のテレビ放送を視聴できなくなってしまうという問題がある。
【0012】
また、特許文献3及び4に開示されているような従来の携帯電話機では、テレビ放送を視聴しているときに電子メールを受信した場合に、その旨を確認することはできるものの、受信した電子メールの文字情報を確認することはできない。そのため、電子メールの文字情報を確認するためには、テレビ放送の視聴を中断して、電子メールを閲覧するためのアプリケーションを起動させなければならず、テレビ放送を視聴しながら電子メールの文字情報を閲覧することができないという問題がある。
【0013】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、相手方電話機から呼出しがあった場合でもテレビ放送を継続して見ることができる携帯電話機を提供することを目的とする。また、本発明は、利便性を向上させることができる携帯電話機を提供することを目的とする。また、本発明は、操作の煩わしさが低減された携帯電話機を提供することを目的とする。また、本発明は、消費電力を効率的に低減することができる携帯電話機を提供することを目的とする。また、本発明は、テレビ放送の視聴中に相手方電話機から呼出しがあった場合の利便性を向上させることができる携帯電話機を提供することを目的とする。また、本発明は、テレビ放送を視聴しながら受信した電子メールの文字情報を閲覧することができる携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の本発明による携帯電話機は、テレビ放送波を受信するテレビ放送受信手段と、受信したテレビ放送波に基づいて表示画面にテレビ画像を表示するとともに、そのテレビ画像に対応するテレビ音声を出力するテレビ出力手段と、呼出信号及び応答信号の送受信を行う無線通信手段と、上記呼出信号に対する応答可能期間中に、ユーザ操作に基づいて、応答信号を生成して通話状態を確立させる着信応答手段とを備え、上記テレビ出力手段は、上記表示画面にテレビ画像を表示している状態で上記呼出信号を受信した場合に、上記表示画面にテレビ画像を表示した状態のまま、そのテレビ画像に対応するテレビ音声の音量を低下させる音量低下手段と、上記音量低下手段がテレビ画像に対応するテレビ音声を低下させる場合に、テレビ放送波からそのテレビ画像に対応する文字情報を抽出して上記表示画面に表示させる文字情報表示手段とを有するように構成される。
【0015】
このような構成により、表示画面にテレビ画像を表示した状態で相手方電話機から呼出しがあった場合に、表示画面にテレビ画像を表示した状態のまま、そのテレビ画像に対応するテレビ音声の音量を低下させて、相手方電話機との間で通話を行うことができる。このとき、テレビ画像に対応する字幕などの文字情報を表示画面に表示させることができるので、相手方電話機との間で通話を行っている間も、テレビ画像及び文字情報に基づいてテレビ放送を継続して見ることができる。
【0016】
第2の本発明による携帯電話機は、筐体面に上記表示画面が形成された筐体と、上記筐体面にユーザが耳を当てた状態で使用される第1音声出力手段と、上記筐体面からユーザが耳を離した状態で使用される第2音声出力手段と、上記音量低下手段がテレビ画像に対応するテレビ音声の音量を低下させる場合に、それまでテレビ音声を出力していたときと同一の音声出力手段を選択して相手方電話機からの音声を出力させる出力選択手段とを備えて構成される。
【0017】
このような構成により、表示画面にテレビ画像を表示した状態で相手方電話機から呼出しがあった場合に、そのときテレビ音声を出力していた音声出力手段を用いて相手方電話機からの音声を出力させることができる。したがって、相手方電話機との間で通話を行うために音声出力手段を切り替える操作を行う必要がなく、それまで使用していた音声出力手段を用いて続けて通話を行うことができるので、利便性を向上させることができる。
【0018】
第3の本発明による携帯電話機は、上記テレビ出力手段が、上記表示画面にテレビ画像を表示した状態のまま、上記第2音声出力手段により相手方電話機からの音声が出力されているときに、上記第1音声出力手段により音声を出力するための操作が行われた場合に、上記表示画面に対するテレビ画像の表示を停止させる画像表示停止手段を有するように構成される。
【0019】
このような構成により、第2音声出力手段により相手方電話機からの音声を出力しながら、表示画面に表示されているテレビ画像を見ているときに、第1音声出力手段により音声を出力するための操作が行われたことに基づいて、表示画面に対するテレビ画像の表示を停止させることができる。第1音声出力手段により音声を出力するための操作が行われた場合、ユーザは通話のために筐体面に耳を当てなければならず、表示画面を見ることはできなくなるので、自動的にテレビ画像の表示を停止させることにより、消費電力を効率的に低減することができる。
【0020】
第4の本発明による携帯電話機は、上記画像表示停止手段がテレビ画像の表示を停止させた場合に、テレビ放送波に基づいてその後のテレビ画像を記録する録画手段を備えて構成される。
【0021】
このような構成により、表示画面に対する表示が停止されることにより視聴できなくなったテレビ放送を録画しておいて、後からそのテレビ放送を見ることができるので、利便性を向上させることができる。
【0022】
第5の本発明による携帯電話機は、通話状態が確立されているときに、相手方電話機への通話音の出力が停止された保留状態に切り替えるための保留切替手段を備え、上記テレビ出力手段が、テレビ音声の音量を低下させた状態で上記表示画面にテレビ画像を表示しているときに、上記保留切替手段により保留状態に切り替えられた場合に、テレビ音声の音量を増大させる音量増大手段を有するように構成される。
【0023】
このような構成により、表示画面にテレビ画像を表示したままテレビ音声の音量を低下させて相手方電話機との間で通話を行っているときに、テレビ画像の内容からテレビ音声を聞きたくなった場合には、保留状態としてテレビ音声の音量を増大させることにより一時的にテレビ音声を聞くことができるので、利便性がさらに向上する。
【0024】
第6の本発明による携帯電話機は、筐体面に長方形の表示画面が形成された表示筐体と、上記表示画面の長手方向の一端側における上記表示筐体内に配置され、上記筐体面にユーザが耳を当てた状態で使用される音声出力手段と、上記表示画面が縦長状態及び横長状態となるように、上記表示筐体を上記表示画面に水平な面内で回転可能に保持する保持手段と、ユーザによる上記表示筐体の回転操作を検出する回転操作検出手段と、テレビ放送波を受信するテレビ放送受信手段と、受信したテレビ放送波に基づいて生成され、上記回転操作に応じて回転させたテレビ画像を上記表示画面に表示させるテレビ画像表示手段と、呼出信号及び応答信号の送受信を行う無線通信手段と、上記呼出信号に対する応答可能期間中に、テレビ画像を表示している上記表示画面を横長状態から縦長状態へ遷移させる回転操作に基づいて、応答信号を生成して通話状態を確立させる着信応答手段とを備えて構成される。
【0025】
このような構成により、表示筐体が横長状態で表示画面にテレビ画像を表示した状態で、呼出信号を受信したときに、表示筐体を横長状態から縦長状態まで回転させるだけで呼出しに応答することができる。したがって、テレビ放送を視聴しているときに相手方電話機から呼出しがあった場合に、表示筐体を回転させるだけで呼出しに応答することができるので、表示筐体を回転させる操作及び呼出しに応答するための操作を両方行う必要がなく、操作の煩わしさを低減することができる。
【0026】
第7の本発明による携帯電話機は、上記テレビ画像表示手段が、上記着信応答手段が通話状態を確立させた場合に、上記表示画面に対するテレビ画像の表示を停止させる画像表示停止手段を有するように構成される。
【0027】
このような構成により、相手方電話機からの呼出しに対して表示筐体を回転させて応答することに基づいて、表示画面に対するテレビ画像の表示を停止させることができる。表示筐体を横長状態から縦長状態に回転させて呼出しに応答する場合、ユーザは通話のために表示筐体の筐体面に耳を当てなければならず、表示画面を見ることはできなくなるので、自動的にテレビ画像の表示を停止させることにより、消費電力を効率的に低減することができる。
【0028】
第8の本発明による携帯電話機は、上記画像表示停止手段がテレビ画像の表示を停止させた場合に、テレビ放送波に基いてその後のテレビ画像を記録する録画手段を備えて構成される。
【0029】
このような構成により、表示画面に対する表示が停止されることにより視聴できなくなったテレビ放送を録画しておいて、後からそのテレビ放送を見ることができる。したがって、ユーザは、テレビ放送の視聴中に相手方電話機から呼出しがあった場合でも、その後のテレビ放送は自動的に録画されるという安心感により、ためらうことなく呼出しに応答して通話を行うことができる。これにより、テレビ放送の視聴中に相手方電話機から呼出しがあった場合の利便性を向上させることができる。
【0030】
第9の本発明による携帯電話機は、上記テレビ画像表示手段が、上記呼出信号に対する応答可能期間でないときに、テレビ画像を表示している上記表示画面を横長状態から縦長状態へ遷移させる回転操作に基づいて、上記表示画面に対するテレビ画像の表示を90°回転させる第1画像回転手段を有するように構成される。
【0031】
このような構成により、呼出信号に対する応答可能期間でないときに、表示画面にテレビ画像を表示した状態で表示筐体を横長状態から縦長状態まで回転させた場合には、表示画面に対するテレビ画像の表示を90°回転させることにより、テレビ画像の方向を回転位置に合わせることができる。
【0032】
第10の本発明による携帯電話機は、上記テレビ画像表示手段が、縦長状態とされた上記表示画面に、テレビ画像とともに、テレビ放送波からそのテレビ画像に対応する文字情報を抽出して表示させる文字情報表示手段を有するように構成される。
【0033】
このような構成により、表示筐体が縦長状態まで回転された状態で、表示画面の縦横の長さの比とテレビ画像のアスペクト比との違いから表示画面上に生じる空きスペースに、そのテレビ画像に対応する字幕などの文字情報を表示させることができる。したがって、文字情報の表示を望む場合には、表示筐体を縦長状態まで回転させるだけで文字情報を表示させることができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0034】
第11の本発明による携帯電話機は、上記テレビ画像表示手段が、テレビ画像を表示していない上記表示画面を縦長状態から横長状態へ遷移させる回転操作に基づいて、上記表示画面に対するテレビ画像の表示を開始させる画像表示開始手段を有するように構成される。
【0035】
このような構成により、表示筐体を縦長状態から横長状態まで回転させるだけで、表示画面にテレビ画像を自動的に表示させることができる。したがって、テレビ放送を視聴しようとしたときに、表示筐体を回転させる操作及びテレビ画像の表示を開始させるための操作を両方行う必要がなく、操作の煩わしさを低減することができる。
【0036】
第12の本発明による携帯電話機は、上記テレビ画像表示手段が、テレビ画像を表示している上記表示画面を縦長状態から横長状態へ遷移させる回転操作に基づいて、上記表示画面に対するテレビ画像の表示を90°回転させる第2画像回転手段を有するように構成される。
【0037】
このような構成により、表示画面にテレビ画像を表示した状態で表示筐体を縦長状態から横長状態まで回転させた場合には、表示画面に対するテレビ画像の表示を90°回転させることにより、テレビ画像の方向を回転位置に合わせることができる。
【0038】
第13の本発明による携帯電話機は、テレビ放送波を受信するテレビ放送受信手段と、受信したテレビ放送波に基づいて表示画面にテレビ画像を表示するテレビ画像表示手段と、文字情報からなる電子メールを基地局から受信する電子メール受信手段と、上記テレビ画像表示手段が上記表示画面にテレビ画像を表示している状態で電子メールを受信した場合に、その電子メールの文字情報を上記表示画面上において時間経過とともに移動するようにスクロール表示させるスクロール表示手段と、上記スクロール表示の開始後、ユーザ操作に基づいて、受信した電子メールの文字情報を閲覧するためのアプリケーション、又は電子メールを作成するためのアプリケーションを起動させるアプリケーション起動手段とを備えて構成される。
【0039】
このような構成により、表示画面にテレビ画像を表示している状態で電子メールを受信した場合に、テレビ画像を表示した状態のまま、受信した電子メールの文字情報を表示画面にスクロール表示させることができるので、テレビ放送を視聴しながら受信した電子メールの文字情報を閲覧することができる。受信した電子メールの文字情報を表示画面にスクロール表示させることにより、テレビ画像を表示させるためのスペースを確保しつつ電子メールの全文を表示させることができる。
【0040】
したがって、テレビ放送を視聴しながら受信した電子メールの文字情報をスクロール表示で確認し、直ちに全文を閲覧したい場合や返信用の電子メールを作成したい場合には、ユーザ操作によりアプリケーションを起動させることができる。一方、テレビ放送の視聴を優先したい場合には、その時点では上記ユーザ操作を行わずにテレビ放送を視聴し、後でアプリケーションを起動させればよい。
【0041】
第14の本発明による携帯電話機は、上記アプリケーション起動手段が、受信した電子メールの文字情報が上記表示画面にすべてスクロール表示される前に上記ユーザ操作が行われた場合、既に上記表示画面にスクロール表示された文字情報以外の文字情報を閲覧させるためのアプリケーションを起動させるメール閲覧アプリケーション起動手段を有するように構成される。
【0042】
このような構成により、テレビ放送を視聴しながら受信した電子メールの文字情報をスクロール表示により確認している途中で、直ちに全文を閲覧したい場合には、その電子メールの文字情報が表示画面にすべてスクロール表示される前にユーザ操作を行うことにより、既に表示画面にスクロール表示された文字情報以外の文字情報を閲覧させるためのアプリケーションを起動させることができる。このアプリケーションの起動により、既に表示画面にスクロール表示された文字情報以外の文字情報を閲覧することができるので、最低限の表示で受信した電子メールの全文を閲覧することができる。
【0043】
第15の本発明による携帯電話機は、上記アプリケーション起動手段が、受信した電子メールの文字情報が上記表示画面にすべてスクロール表示された後、一定時間内に上記ユーザ操作が行われた場合に、受信した電子メールに対する返信用の電子メールを作成するためのアプリケーションを起動させるメール作成アプリケーション起動手段を有するように構成される。
【0044】
このような構成により、テレビ放送を視聴しながら受信した電子メールの文字情報をスクロール表示により確認し終わった後、その電子メールに対する返信用の電子メールを作成したい場合には、スクロール表示終了後の一定時間内にユーザ操作を行うことにより、返信用の電子メールを作成するためのアプリケーションを起動させることができる。したがって、送信先のメールアドレスを指定する操作を省略することができ、返信用の電子メールを容易に送信することができる。
【0045】
第16の本発明による携帯電話機は、長方形の表示画面が形成された表示筐体と、上記表示画面が縦長状態及び横長状態となるように、上記表示筐体を上記表示画面に水平な面内で回転可能に保持する保持手段と、ユーザによる上記表示筐体の回転操作を検出する回転操作検出手段とを備え、上記テレビ画像表示手段が、上記回転操作に応じて回転させたテレビ画像を上記表示画面に表示させ、上記アプリケーション起動手段が、上記表示画面を横長状態から縦長状態へ遷移させる回転操作に基づいて、アプリケーションを起動させるように構成される。
【0046】
このような構成により、表示筐体を横長状態から縦長状態まで回転させる操作に基づいて、受信した電子メールの文字情報を閲覧するためのアプリケーション、又は電子メールを作成するためのアプリケーションを起動させることができる。
【0047】
第17の本発明による携帯電話機は、上記テレビ画像表示手段が、上記アプリケーション起動手段がアプリケーションを起動させた後も継続して、縦長状態とされた上記表示画面における長手方向の一方側にテレビ画像を表示し、上記アプリケーション起動手段が、上記表示画面における長手方向の他方側に電子メールを閲覧又は作成するための画面を表示させるように構成される。
【0048】
このような構成により、縦長状態とされた表示画面における長手方向の一方側に横長のテレビ画像を表示するとともに、これにより表示画面における長手方向の他端側に形成された空スペースに、電子メールを閲覧又は作成するための画面を表示させることができる。
【発明の効果】
【0049】
本発明によれば、表示画面にテレビ画像を表示した状態で相手方電話機から呼出しがあった場合に、表示画面にテレビ画像を表示した状態のまま、そのテレビ画像に対応するテレビ音声の音量を低下させて、相手方電話機との間で通話を行うことができるとともに、テレビ画像に対応する字幕などの文字情報を表示画面に表示させることができるので、相手方電話機との間で通話を行っている間も、テレビ画像及び文字情報に基づいてテレビ放送を継続して見ることができる。
【0050】
また、本発明によれば、表示画面にテレビ画像を表示した状態で相手方電話機から呼出しがあった場合に、それまで使用していた音声出力手段を用いて続けて通話を行うことができるので、利便性を向上させることができる。また、表示画面にテレビ画像を表示したままテレビ音声の音量を低下させて相手方電話機との間で通話を行っているときに、テレビ画像の内容からテレビ音声を聞きたくなった場合には、保留状態としてテレビ音声の音量を増大させることにより一時的にテレビ音声を聞くことができるので、利便性がさらに向上する。
【0051】
また、本発明によれば、テレビ放送を視聴しているときに相手方電話機から呼出しがあった場合に、表示筐体を回転させるだけで呼出しに応答することができるので、表示筐体を回転させる操作及び呼出しに応答するための操作を両方行う必要がなく、操作の煩わしさを低減することができる。
【0052】
また、本発明によれば、相手方電話機からの呼出しに対して表示筐体を回転させて応答することに基づいて、表示画面に対するテレビ画像の表示を自動的に停止させることにより、消費電力を効率的に低減することができる。
【0053】
また、本発明によれば、表示画面に対する表示が停止されることにより視聴できなくなったテレビ放送を録画しておいて、後からそのテレビ放送を見ることができるので、テレビ放送の視聴中に相手方電話機から呼出しがあった場合の利便性を向上させることができる。
【0054】
また、本発明によれば、表示画面にテレビ画像を表示している状態で電子メールを受信した場合に、テレビ画像を表示した状態のまま、受信した電子メールの文字情報を表示画面にスクロール表示させることができるので、テレビ放送を視聴しながら受信した電子メールの文字情報を閲覧することができる。
【0055】
テレビ放送を視聴しながら受信した電子メールの文字情報をスクロール表示により確認している途中で、直ちに全文を閲覧したい場合には、その電子メールの文字情報が表示画面にすべてスクロール表示される前にユーザ操作を行うことにより、既に表示画面にスクロール表示された文字情報以外の文字情報を閲覧することができる。
【0056】
一方、テレビ放送を視聴しながら受信した電子メールの文字情報をスクロール表示により確認し終わった後、その電子メールに対する返信用の電子メールを作成したい場合には、スクロール表示終了後の一定時間内にユーザ操作を行うことにより、返信用の電子メールを作成するためのアプリケーションを起動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態1による携帯電話機の一例を示した斜視図であり、筐体を閉じた状態を示している。
【図2】図1の携帯電話機の筐体を展開した状態を示した斜視図である。
【図3】図2の携帯電話機の表示筐体を回転させた状態を示した斜視図であり、正面から見て図2の状態から時計回りに約45°回転させた状態を示している。
【図4】図2の携帯電話機の表示筐体を回転させた状態を示した斜視図であり、正面から見て図2の状態から時計回りに90°回転させた状態を示している。
【図5】図2の状態における携帯電話機の背面図であり、保持部内の構造を透視した状態で示している。
【図6】図3の状態における携帯電話機の背面図であり、保持部内の構造を透視した状態で示している。
【図7】図4の状態における携帯電話機の背面図であり、保持部内の構造を透視した状態で示している。
【図8】図2の状態におけるヒンジ部の正面図である。
【図9】図3の状態におけるヒンジ部の正面図である。
【図10】図4の状態におけるヒンジ部の正面図である。
【図11】この携帯電話機の電気的構成の一例を示したブロック図である。
【図12】通信部及びテレビ放送受信部で信号を受信したときの動作について説明するためのブロック図である。
【図13】テレビ放送波の受信中に相手方電話機から呼出しがあった場合に行われる呼出応答処理の一例を示したフローチャートである。
【図14】テレビ放送波の受信中に相手方電話機から呼出しがあった場合に行われる呼出応答処理の一例を示したフローチャートであり、図13の続きを示している。
【図15】本発明の実施の形態2による携帯電話機の電気的構成の一例を示したブロック図である。
【図16】通信部及びテレビ放送受信部で信号を受信したときの動作について説明するためのブロック図である。
【図17】表示筐体が縦長状態から横長状態に切り替えられたときに行われる横長状態切替処理の一例を示したフローチャートである。
【図18】表示筐体が横長状態から縦長状態に切り替えられたときに行われる縦長状態切替処理の一例を示したフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態3による携帯電話機の電気的構成の一例を示したブロック図である。
【図20】通信部及びテレビ放送受信部で信号を受信したときの動作について説明するためのブロック図である。
【図21】図20のスクロール表示部が受信した電子メールの本文の文字情報をメイン表示部にスクロール表示する態様の一例を示した図である。
【図22】スクロール表示の開始後にユーザ操作に応じてアプリケーション起動部がアプリケーションを起動させる態様の一例を示した図である。
【図23】表示筐体が横長状態のときに電子メールを受信した場合に行われるメール受信処理の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0058】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による携帯電話機1の一例を示した斜視図であり、筐体を閉じた状態を示している。図2は、図1の携帯電話機1の筐体を展開した状態を示した斜視図である。この携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機であり、それぞれ長方形形状に形成された表示筐体2及び操作筐体5がヒンジ部3を介して連結され、表示筐体2及び操作筐体5の筐体面を対向させた状態で折り畳むことができるようになっている。
【0059】
表示筐体2には、折り畳んだ状態で操作筐体5に対向する内面にメイン表示部2a及び受話用レシーバ8が配置されている。メイン表示部2aは、長方形形状に形成されており、その長手方向が表示筐体2の長手方向と一致するように配置されている。受話用レシーバ8は、表示筐体2におけるヒンジ部3と反対側の端部に配置されている。
【0060】
操作筐体5には、折り畳んだ状態で表示筐体2に対向する内面に多数の操作キー4及び送話用マイクロホン7が配置されている。送話用マイクロホン7は、操作筐体5におけるヒンジ部3と反対側の端部に配置されている。
【0061】
このような折り畳み式携帯電話機1は、コンパクトに折り畳んだ状態で携帯することができ、筐体を展開させれば、メイン表示部2aの表示を見ながら、操作キー4を押下操作することができる。また、この携帯電話機1は、図2に示すようにメイン表示部2aを縦長状態として表示筐体2の内面に耳を当てることにより、送話用マイクロホン7に口を近づけるとともに、受話用レシーバ8に耳を近づけて、良好に通話を行うことができるようになっている。
【0062】
すなわち、より品質のよい音声を送受信するためには、送話用マイクロホン7に口を近づけるとともに、受話用レシーバ8に耳を近づけるのが好ましく、そのためには、送話用マイクロホン7と受話用レシーバ8の距離をある程度確保する必要がある。本実施の形態の携帯電話機1では、送話用マイクロホン7を操作筐体5におけるヒンジ部3と反対側の端部に配置し、受話用レシーバ8を表示筐体2におけるヒンジ部3と反対側の端部に配置することにより、縦長状態としたときの送話用マイクロホン7と受話用レシーバ8の距離を確保することができるようになっている。
【0063】
ヒンジ部3は、操作筐体5に対して回動可能に連結される連結部3aと、表示筐体2の外面に対向して表示筐体2を保持する保持部3bとが一体的に形成された構成を有している。連結部3aは、保持部3bの一端部において互いに一定間隔を隔てて突出するように形成された2つの円筒体からなる。操作筐体5の内面における長手方向の一端部には、短手方向に延びるように円筒体6が形成されており、この円筒体6が2つの連結部3aの間に同一軸線上に配置され、互いに回転可能に取り付けられることにより、ヒンジ部3が操作筐体5に対して回動可能に連結されている。
【0064】
保持部3bは、矩形の板状に形成され、メイン表示部2aを縦長状態としたときに、表示筐体2の外面におけるヒンジ部3側の半分程度に対向する。保持部3bは、表示筐体2をメイン表示部2aに水平な面内で回転可能に保持しており、表示筐体2は、操作筐体5に対する傾斜角度を保った状態で回転できるようになっている。保持部3bの表示筐体2と反対側の外面には、主に筐体を閉じた状態で表示を行うためのサブ表示部11が配置されている。
【0065】
図3は、図2の携帯電話機1の表示筐体2を回転させた状態を示した斜視図であり、正面から見て図2の状態から時計回りに約45°回転させた状態を示している。図4は、図2の携帯電話機1の表示筐体2を回転させた状態を示した斜視図であり、正面から見て図2の状態から時計回りに90°回転させた状態を示している。ユーザは、操作筐体5を把持した状態で、表示筐体2をメイン表示部2aに水平な面内において90°の角度範囲内で回転させることにより、図2に示した縦長状態と図4に示した横長状態との間で表示筐体2を回転させることができる。
【0066】
この携帯電話機1では、テレビ放送を視聴することができるようになっており、図2に示す状態から表示筐体2を回転させ、図3の状態を経て、図4に示すようにメイン表示部2aを横長状態とすることにより、テレビ画像のアスペクト比に合致した横長状態のメイン表示部2aにテレビ画像を良好に表示させることができる。メイン表示部2aは、長辺と短辺の比が16:9となる長方形形状に形成されており、この比は、一般的なテレビ放送に用いられるテレビ画像のアスペクト比と一致している。
【0067】
図2の状態から表示筐体2を時計回りに回転させる場合、図3に示した状態となるまでは、ヒンジ部3の保持部3b内に備えられた付勢手段により、表示筐体2に対して反時計回りに付勢力が作用するようになっている。したがって、図2の状態では、表示筐体2に対して反時計回りに作用する付勢力によって、外力が作用しない限り表示筐体2が図2の状態のまま維持されるようになっている。
【0068】
一方、図3の状態を超えて表示筐体2をさらに時計回りに回転させると、表示筐体2に作用する付勢力が時計回りに切り替わり、図4に示した状態で表示筐体2が係止される。これにより、外力が作用しない限り表示筐体2が図4の状態のまま維持されるようになっている。
【0069】
本実施の形態では、表示筐体2は一定位置に固定された回転軸を中心に回転するのではなく、表示筐体2の回転に伴って移動する回転軸を中心に回転するようになっている。これにより、図2に示すように長手方向の一端部が操作筐体5に近接した縦長状態の表示筐体2を90°回転させても、図4に示すように表示筐体2の短手方向の一端部が操作筐体5に近接し、コンパクトに横長状態とされたメイン表示部2aにテレビ画面を表示させてテレビ放送を視聴することができるようになっている。
【0070】
また、操作筐体5を把持した状態のまま表示筐体2を縦長状態から横長状態に回転させることにより、携帯電話機1を持ち替えることなくテレビ放送を視聴することができる。このとき、表示筐体2に作用する付勢力により、表示筐体2を縦長状態と横長状態との間でスムーズに切り替えることができるようになっている。
【0071】
図5〜図7は、図2〜図4の状態における携帯電話機1の背面図であり、それぞれ保持部3b内の構造を透視した状態で示している。また、図8〜図10は、図2〜図4の状態におけるヒンジ部3の正面図である。図5及び図8は、図2に示す縦長状態に対応し、図6及び図9は、表示筐体2を約45°回転させた図3に示す状態に対応し、図7及び図10は、図4に示す横長状態に対応している。
【0072】
保持部3b内には、矩形形状の保持板16が配置されており、この保持板16に表示筐体2が回転可能に保持されている。保持板16には、横方向に円弧状に延びる円弧孔12と、縦方向に直線状に延びる直線孔14とが形成されている。円弧孔12の中央部の頂点は、直線孔14の一端部に近接しており、この頂点における法線方向に直線孔14が延びている。
【0073】
円弧孔12及び直線孔14には、それぞれ表示筐体2の背面側に形成された摺動軸13及び回転軸15が回転可能に係合している。摺動軸13及び回転軸15は、表示筐体2の背面に固定された軸保持部材18に一体的に形成されており、それぞれ表示筐体2の中心に対してずれた位置に互いに一定間隔を隔てて配置されている。この軸保持部材18は、保持部3bの前面に形成された開口3dを介して、保持部3b内の保持板16に係合している。
【0074】
軸保持部材18は、付勢手段としてのばねの一例である捩りコイルばね20を介して、保持板16に固定されている。捩りコイルばね20は、その一端部が軸保持部材18の摺動軸13に結合されるとともに、他端部が保持板16に形成された取付軸19に結合されている。取付軸19は、円弧孔12の頂点に対する法線上に回転可能に配置されている。表示筐体2には、ヒンジ部3側から延びるフレキシブル基板21の端部が回転軸15の近傍において取り付けられており、このフレキシブル基板21を介して、表示筐体2と操作筐体5とが電気的に接続されている。
【0075】
図5及び図8に示す縦長状態では、回転軸15が直線孔14の下端に当接し、摺動軸13が円弧孔12の一端に当接している。この状態では、捩りコイルばね20により摺動軸13が円弧孔12の一端側に付勢されており、外力が作用しない限り表示筐体2がこの状態のまま維持されるようになっている。
【0076】
この状態から表示筐体2をヒンジ部3に対して回転させると、回転軸15が直線孔14に沿って上方へ移動するとともに、摺動軸13が円弧孔12に沿って他端側へ移動する。このとき、捩りコイルばね20も取付軸19を中心に回転し、その一端部と他端部とが互いに近接するように縮められる。そして、図6及び図9に示すように表示筐体2が約45°回転された状態では、回転軸15が直線孔14の上端に当接し、摺動軸13が円弧孔12の頂点に到達する。
【0077】
この状態では、捩りコイルばね20の一端部と他端部とが最も近接した状態となり、さらに表示筐体2が回転されると、摺動軸13及び取付軸19の左右の位置が逆転し、捩りコイルばね20の一端部と他端部とが再び離れていく。したがって、表示筐体2は、図6及び図9に示す回転位置を超えて回転されると、その後は捩りコイルばね20の付勢力によってさらに回転され、図7及び図10に示すような横長状態となる。
【0078】
表示筐体2が横長状態のときには、回転軸15が直線孔14の下端に当接し、摺動軸13が円弧孔12の他端に当接している。この状態では、捩りコイルばね20により摺動軸13が円弧孔12の他端側に付勢されており、外力が作用しない限り表示筐体2がこの状態のまま維持されるようになっている。
【0079】
図11は、この携帯電話機1の電気的構成の一例を示したブロック図である。この携帯電話機1は、上述したメイン表示部2a、サブ表示部11、受話用レシーバ8、送話用マイクロホン7及び操作キー4に加えて、スピーカ9、外部入出力端子10、通信部23、テレビ放送受信部24及び回転位置検知部25を備えており、それらの動作が、プロセッサからなる制御部30により制御されるようになっている。
【0080】
スピーカ9は、受話用レシーバ8から出力される場合よりも音声を増幅して出力することにより、表示筐体2から耳を離した状態で音声を聞くことができるようにするためのものである。また、外部出力端子10にイヤホンマイクなどの外部入出力装置26を接続すれば、その外部入出力装置26を介して音声を入出力することができる。受話用レシーバ8、スピーカ9及び外部入出力端子10は、それぞれ音声出力手段を構成している。
【0081】
ここで、受話用レシーバ8は、表示筐体2の内面にユーザが耳を当てた状態で使用されるのに対して、スピーカ9及び外部入出力端子10は、表示筐体2の内面からユーザが耳を離した状態で使用される。したがって、メイン表示部2aに対するテレビ画像などの表示は、スピーカ9や外部入出力端子10を使用しているときには見ることができるが、受話用レシーバ8を使用しているときには見ることができない。
【0082】
スピーカ9を用いて相手方電話機との間で通話を行う場合には、相手方電話機からの音声が増幅されてスピーカ9から出力されるとともに、送話用マイクロホン7からの入力信号が増幅されることにより、携帯電話機1を把持することなく、いわゆるハンズフリーで通話を行うことができる。このとき、送話用マイクロホン7からの入力信号は、ハウリングを防止するためのキャンセル回路に入力されるようになっている。受話用レシーバ8による通常の通話とハンズフリーによる通話との切り替えは、操作キー4の操作により行うことができる。
【0083】
外部入出力端子10には、外部入出力装置26の接続端子を着脱することができるようになっており、接続端子の着脱に基づいて、受話用レシーバ8による通常の通話と外部入出力装置26による通話とが切り替えられるようになっている。すなわち、外部入出力装置26の接続端子を外部入出力端子10に取り付けることにより、通常の通話から外部入出力装置26による通話に切り替えることができ、外部入出力装置26の接続端子を外部入出力端子10から取り外すことにより、受話用レシーバ8による通常の通話に戻すことができる。
【0084】
通信部23は、通信用アンテナ23aを介して基地局との間で電波の送受信を行うことにより、通話音の送受信を行っている。相手方電話機との間で通話状態が確立された状態では、ユーザの通話音に基づく音声信号が通信部23から送信され、相手方電話機からの通話音に基づく音声信号が通信部23で受信されることにより、通話音がリアルタイムで送受信される。
【0085】
テレビ放送受信部24は、テレビ放送受信用アンテナ24aを介して、テレビ局から発信されているテレビ放送波を受信するためのものである。テレビ局から発信されているテレビ放送波には、アナログ放送に対応したアナログ放送波と、デジタル放送に対応したデジタル放送波とが含まれている。このテレビ放送受信部24が受信するデジタル放送波は、一般のデジタルハイビジョン放送波の一定帯域に割り当てられた携帯電話機向けの1セグメント放送波であり、テレビ画像及びテレビ音声に加えて、そのテレビ画像に対応する字幕や関連する記事などの文字情報が含まれている。
【0086】
テレビ放送受信部24で受信したテレビ放送波に基づいて、メイン表示部2aにテレビ画像を表示するとともに、そのテレビ画像に対応するテレビ音声をスピーカ9又は外部入出力端子10から出力することにより、テレビ放送を視聴することができる。また、テレビ放送波に含まれる文字情報を抽出してメイン表示部2aに表示させることにより、テレビ画像とともに字幕などの文字情報を表示させることができる。
【0087】
回転位置検知部25は、例えば機械的又は電気的なスイッチにより構成され、表示筐体2の回転位置を検知する。この回転位置検知部25は、ユーザによる表示筐体2の回転操作を検出する回転操作検出手段である。
【0088】
操作キー4には、通話状態が確立されているときに、相手方電話機への通話音の出力を停止させて保留状態とするための保留ボタン4aが含まれる。通話状態が確立された状態で保留ボタン4aが操作されると、ユーザの音声が相手方電話機において聞こえなくなり、携帯電話機1から相手方電話機への出力信号に基づいて、相手方電話機において音楽などの保留音が聞こえるようになっている。
【0089】
図12は、通信部23及びテレビ放送受信部24で信号を受信したときの動作について説明するためのブロック図である。本実施の形態において、制御部30は、プログラム処理を実行することにより、着信処理部31、応答部32、録画部33、テレビ出力部34及び出力選択部39として機能する。
【0090】
相手方電話機からの呼出信号が通信部23で受信された場合には、着信処理部31において、ユーザのオフフック操作による応答を可能にするための着信処理が行われる。着信処理中は、通常、相手方電話機から呼出し中である旨を報知するための着信音がスピーカ9から出力される。着信処理は、相手方電話機からの呼出しが中止されるまで、又はユーザによりオフフック操作が行われるまで継続される。
【0091】
ここで、オフフック操作には、ユーザが相手方電話機からの呼出しに対して応答するためのあらゆる操作が含まれるものとし、例えば、操作キー4の操作によるものであってもよいし、着信処理中に表示筐体2を横長状態から縦長状態に回転させる操作によるものであってもよい。
【0092】
着信処理中に、ユーザがオフフック操作を行うことにより相手方電話機からの呼出しに応答した場合には、通信部23から相手方電話機に応答信号が送信されることにより通話状態が確立され、相手方電話機との間で通話音の送受信が可能になる。通話状態が確立された状態では、相手方電話機からの音声が、受話用レシーバ8、スピーカ9及び外部入出力端子10に接続された外部入出力装置26のいずれかから出力される。相手方電話機からの音声を受話用レシーバ8、スピーカ9及び外部入出力端子10に接続された外部入出力装置26のいずれから出力するかは、出力選択部39で選択されるようになっている。
【0093】
テレビ放送受信部24においてテレビ放送波を受信しているときには、そのテレビ放送波に基づくテレビ画像、テレビ音声及び文字情報等を表す信号が、録画部33を介してテレビ出力部34に入力される。録画部33は、必要に応じて、テレビ放送受信部24において受信されるテレビ放送波に基づいて、テレビ画像、テレビ音声及び文字情報等をメモリ(図示せず)に記録することにより、テレビ放送の録画を行うことができる。
【0094】
テレビ出力部34には、テレビ画像表示部35とテレビ音声出力部36とが含まれている。テレビ画像表示部35は、テレビ放送波に基づくテレビ画像や文字情報をメイン表示部2aに表示させるものであり、メイン表示部2aに表示させる画像を回転させるための画像回転部37と、テレビ放送波に含まれる文字情報を抽出してメイン表示部2aに表示させるための文字情報表示部38とが含まれる。テレビ音声出力部36は、テレビ放送波に基づくテレビ音声をスピーカ9又は外部入出力端子10に接続された外部入出力装置26に出力する。
【0095】
画像回転部37は、テレビ放送受信部24においてテレビ放送波を受信しているときに、回転位置検知部25からの入力信号に基づいてメイン表示部2aに表示させる画像を回転させる。すなわち、テレビ放送波の受信中、表示筐体2が縦長状態から横長状態に切り替えられた場合には、横長状態とされたメイン表示部2aの短手方向を上下方向としてテレビ画像が表示され、表示筐体2が横長状態から縦長状態に切り替えられた場合には、縦長状態とされたメイン表示部2aの長手方向を上下方向としてテレビ画像が表示されることにより、テレビ画像の方向が回転位置に合わせられるようになっている。
【0096】
録画部33及びテレビ出力部34には、応答部32からの信号が入力されるようになっている。また、テレビ音声出力部36には、通信部23における呼出信号の受信や保留ボタン4aの操作に基づいて信号が入力されるようになっている。
【0097】
図13及び図14は、テレビ放送波の受信中に相手方電話機から呼出しがあった場合に行われる呼出応答処理の一例を示したフローチャートである。テレビ放送受信部24においてテレビ放送波を受信しているときに(図13のステップS101でYes)、相手方電話機から呼出信号を受信した場合(ステップS102でYes)、テレビ音声出力部36は、そのとき出力していたテレビ音声の出力を停止させる(ステップS103)。これにより、テレビ放送波に基づくテレビ画像はメイン表示部2aに表示された状態のまま、そのテレビ画像に対応するテレビ音声が聞こえない状態となる。
【0098】
このとき、文字情報表示部38は、テレビ放送波に含まれる文字情報を抽出して、テレビ画像に対応する字幕をメイン表示部2aに表示させる(ステップS104)。このようにテレビ音声の出力が停止された状態で、着信処理部31が着信処理を行うことにより(ステップS105)、着信処理に基づいて出力される着信音をユーザに聞こえやすくすることができる。
【0099】
着信処理に基づく着信音は、そのとき使用していた音声出力手段から出力される。すなわち、スピーカ9からテレビ音声を出力させてテレビ放送を視聴していた場合には、スピーカ9から着信音が出力され、外部入出力端子10に接続された外部入出力装置26からテレビ音声を出力させてテレビ放送を視聴していた場合には、外部入出力装置26から着信音が出力される。また、着信処理時に着信音を出力しないよう設定されている場合には、携帯電話機1内に備えられたバイブレーション装置(図示せず)の振動や、メイン表示部2aに対する表示等により、相手方電話機から呼出し中である旨が報知されるようになっていてもよい。
【0100】
その後、ユーザがオフフック操作を行うことにより相手方電話機からの呼出しに応答した場合には(ステップS106でYes)、通話状態が確立されて、出力選択部39がテレビ音声を出力していたときと同一の音声出力手段を選択して相手方電話機からの音声を出力させる。
【0101】
これにより、スピーカ9からテレビ音声を出力させてテレビ放送を視聴していた場合には、相手方電話機からの音声がスピーカ9から出力され、外部入出力端子10に接続された外部入出力装置26からテレビ音声を出力させてテレビ放送を視聴していた場合には、相手方電話機からの音声が外部入出力装置26から出力される。したがって、着信処理時に着信音が出力された場合には、その着信音が出力されたときと同一の音声出力手段から音声が出力されることとなる。
【0102】
本実施の形態では、メイン表示部2aにテレビ画像を表示した状態で相手方電話機から呼出しがあった場合に、メイン表示部2aにテレビ画像を表示した状態のまま、そのテレビ画像に対応するテレビ音声の出力を停止させて、相手方電話機との間で通話を行うことができる。このとき、テレビ画像に対応する字幕をメイン表示部2aに表示させることができるので、相手方電話機との間で通話を行っている間も、テレビ画像及び字幕に基づいてテレビ放送を継続して見ることができる。
【0103】
また、メイン表示部2aにテレビ画像を表示した状態で相手方電話機から呼出しがあった場合に、そのときテレビ音声を出力していた音声出力手段を用いて相手方電話機からの音声を出力させることができる。したがって、相手方電話機との間で通話を行うために音声出力手段を切り替える操作を行う必要がなく、それまで使用していた音声出力手段を用いて続けて通話を行うことができるので、利便性を向上させることができる。
【0104】
上記のようにして、スピーカ9又は外部入出力端子10に接続された外部入出力装置26が選択されて通話状態が確立された状態において、ユーザは、所定の操作を行うことにより、相手方電話機からの音声を受話用レシーバ8から出力されるように切り替えることができるようになっている。
【0105】
このような切替操作は、例えば、スピーカ9から音声を出力している状態であれば、操作キー4の操作により行い、外部入出力装置26から音声を出力している状態であれば、その外部入出力装置26の接続端子を外部入出力端子10から取り外す操作により行うことができる。また、表示筐体2を横長状態から縦長状態に回転させる操作に基づいて、手方電話機からの音声が受話用レシーバ8から出力されるように切り替えられてもよい。
【0106】
相手方電話機からの音声が受話用レシーバ8から出力されるように切り替えられると(ステップS108でYes)、テレビ画像表示部35は、メイン表示部2aに対するテレビ画像の表示を停止させるとともに(ステップS109)、録画部33がその後のテレビ放送波に基づくテレビ画像やテレビ音声をメモリに記録することにより、テレビ放送の録画を行う(ステップS110)。
【0107】
このように、スピーカ9又は外部入出力装置26により相手方電話機からの音声を出力しながら、メイン表示部2aに表示されているテレビ画像を見ているときに、受話用レシーバ8により音声を出力するための操作が行われたことに基づいて、メイン表示部2aに対するテレビ画像の表示を停止させることができる。受話用レシーバ8により音声を出力するための操作が行われた場合、ユーザは通話のために表示筐体2の内面に耳を当てなければならず、メイン表示部2aを見ることはできなくなるので、自動的にテレビ画像の表示を停止させることにより、消費電力を効率的に低減することができる。
【0108】
また、メイン表示部2aに対する表示が停止されることにより視聴できなくなったテレビ放送を録画しておいて、後からそのテレビ放送を見ることができるので、利便性を向上させることができる。
【0109】
一方、通話状態が確立された状態で保留ボタン4aが操作され、その旨の入力信号に基づいて応答部32が相手方電話機への通話音の出力を停止させて保留状態とした場合には(図13のステップS108でNo、図14のステップS201でYes)、テレビ音声出力部36が、そのときメイン表示部2aに表示されているテレビ画像に対応するテレビ音声を出力させる(ステップS202)。このとき、テレビ音声は、スピーカ9又は外部入出力装置26のうち相手方電話機からの音声が出力されていたときと同一の音声出力手段から出力される。
【0110】
このように、保留状態とされている間は、テレビ画像に対応するテレビ音声が出力されるが、保留ボタン4aが再度操作されて保留状態が解除されると(ステップS203でYes)、テレビ音声出力部36は、テレビ音声の出力を再び停止させる(ステップS204)。したがって、メイン表示部2aにテレビ画像を表示したままテレビ音声の出力を停止させて相手方電話機との間で通話を行っているときに、テレビ画像の内容からテレビ音声を聞きたくなった場合には、保留状態としてテレビ音声を出力させることにより一時的にテレビ音声を聞くことができるので、利便性がさらに向上する。
【0111】
本実施の形態では、テレビ放送波の受信中に相手方電話機から呼出しがあった場合、テレビ音声出力部36は、そのとき出力していたテレビ音声の出力を完全に停止させるような構成について説明したが、このような構成に限らず、テレビ音声の音量を通話の妨げとならない程度で低下させるような構成であってもよい。
【0112】
また、本実施の形態では、表示筐体2がメイン表示部2aに水平な面内で回転可能な携帯電話機1について説明したが、本発明は、このような携帯電話機1に限らず、表示筐体2がメイン表示部2aに水平な面内で回転できないような構成の携帯電話機にも適用可能である。
【0113】
実施の形態2.
図15は、本発明の実施の形態2による携帯電話機1の電気的構成の一例を示したブロック図である。この携帯電話機1は、実施の形態1と同様に、メイン表示部2a、サブ表示部11、受話用レシーバ8、送話用マイクロホン7、操作キー4、スピーカ9、外部入出力端子10、通信部23、テレビ放送受信部24及び回転位置検知部25を備えており、それらの動作が、プロセッサからなる制御部30により制御されるようになっている。また、この携帯電話機1は、図1〜図10に示した実施の形態1と同様の構成を有している。実施の形態1と同様の構成については、図に同一符号を付して説明を省略することとする。
【0114】
図16は、通信部23及びテレビ放送受信部24で信号を受信したときの動作について説明するためのブロック図である。本実施の形態において、制御部30は、プログラム処理を実行することにより、着信処理部41、応答部42、録画部43及びテレビ出力部44として機能する。
【0115】
相手方電話機からの呼出信号が通信部23で受信された場合には、着信処理部41において、ユーザのオフフック操作による応答を可能にするための着信処理が行われる。着信処理中は、通常、相手方電話機から呼出し中である旨を報知するための着信音がスピーカ9から出力される。着信処理は、相手方電話機からの呼出しが中止されるまで、又はユーザによりオフフック操作が行われるまで継続される。ここで、オフフック操作には、ユーザが相手方電話機からの呼出しに対して応答するためのあらゆる操作が含まれるものとする。
【0116】
着信処理中に、ユーザがオフフック操作を行うことにより相手方電話機からの呼出しに応答した場合には、通信部23から相手方電話機に応答信号が送信されることにより通話状態が確立され、相手方電話機との間で通話音の送受信が可能になる。通話状態が確立された状態では、相手方電話機からの音声が、受話用レシーバ8、スピーカ9及び外部入出力端子10に接続された外部入出力装置26のいずれかから出力される。
【0117】
テレビ放送受信部24においてテレビ放送波を受信しているときには、そのテレビ放送波に基づくテレビ画像、テレビ音声及び文字情報等を表す信号が、録画部43を介してテレビ出力部44に入力される。録画部43は、必要に応じて、テレビ放送受信部24において受信されるテレビ放送波に基づいて、テレビ画像、テレビ音声及び文字情報等をメモリ(図示せず)に記録することにより、テレビ放送の録画を行うことができる。
【0118】
テレビ出力部44には、テレビ画像表示部45とテレビ音声出力部46とが含まれている。テレビ画像表示部45は、テレビ放送波に基づくテレビ画像や文字情報をメイン表示部2aに表示させるものであり、メイン表示部2aに表示させる画像を回転させるための画像回転部47と、テレビ放送波に含まれる文字情報を抽出してメイン表示部2aに表示させるための文字情報表示部48とが含まれる。テレビ音声出力部46は、テレビ放送波に基づくテレビ音声をスピーカ9又は外部入出力端子10に接続された外部入出力装置26に出力する。録画部43及びテレビ出力部44には、応答部42からの信号が入力されるようになっている。
【0119】
図17は、表示筐体2が縦長状態から横長状態に切り替えられたときに行われる横長状態切替処理の一例を示したフローチャートである。表示筐体2が回転されて、回転位置検知部25が縦長状態から横長状態に切り替えられたことを検知した場合(ステップS301でYes)、そのときテレビ放送受信部24においてテレビ放送波を受信していれば(ステップS302でYes)、そのテレビ放送波に基づくテレビ画像の表示が画像回転部47により90°回転される(ステップS303)。これにより、横長状態とされたメイン表示部2aの短手方向を上下方向としてテレビ画像が表示され、テレビ画像の方向を回転位置に合わせることができる。
【0120】
一方、表示筐体2が縦長状態から横長状態に切り替えられたときに、テレビ放送受信部24においてテレビ放送波を受信していなければ(ステップS302でNo)、テレビ放送波の受信が開始され、そのテレビ放送波に基づくテレビ画像やテレビ音声がテレビ出力部44から出力される(ステップS304)。これにより、表示筐体2を縦長状態から横長状態まで回転させるだけで、メイン表示部2aにテレビ画像を自動的に表示させることができる。したがって、テレビ放送を視聴しようとしたときに、表示筐体2を回転させる操作及びテレビ画像やテレビ音声の出力を開始させるための操作を両方行う必要がなく、操作の煩わしさを低減することができる。
【0121】
図18は、表示筐体2が横長状態から縦長状態に切り替えられたときに行われる縦長状態切替処理の一例を示したフローチャートである。表示筐体2が回転されて、回転位置検知部25が横長状態から縦長状態に切り替えられたことを検知した場合(ステップS401でYes)、そのときテレビ放送受信部24においてテレビ放送波を受信しており(ステップS402でYes)、かつ、着信処理部41が着信処理を行っているときであれば(ステップS403でYes)、応答部42がその呼出しに応答して通話状態を確立させる(ステップS404)。このとき、表示筐体2を横長状態から縦長状態に切り替える操作が、ユーザによるオフフック操作として作用することとなる。
【0122】
その後、応答部42からの入力信号に基づいて、テレビ出力部44がテレビ放送波に基づくテレビ画像やテレビ音声の出力を停止させるとともに(ステップS405)、録画部43がその後のテレビ放送波に基づくテレビ画像やテレビ音声をメモリに記録することにより、テレビ放送の録画を行う(ステップS406)。
【0123】
このように、表示筐体2が横長状態でメイン表示部2aにテレビ画像を表示した状態で、着信処理が行われているときに、表示筐体2を横長状態から縦長状態まで回転させるだけで呼出しに応答することができる。したがって、テレビ放送を視聴しているときに相手方電話機から呼出しがあった場合に、表示筐体2を回転させるだけで呼出しに応答することができるので、表示筐体2を回転させる操作及び呼出しに応答するための操作を両方行う必要がなく、操作の煩わしさを低減することができる。
【0124】
また、相手方電話機からの呼出しに対して表示筐体2を回転させて応答することに基づいて、テレビ画像やテレビ音声の出力を停止させることができる。表示筐体2を横長状態から縦長状態に回転させて呼出しに応答する場合、ユーザは通話のために表示筐体2の内面に耳を当てなければならず、メイン表示部2aを見ることはできなくなるので、自動的にテレビ画像やテレビ音声の出力を停止させることにより、消費電力を効率的に低減することができる。
【0125】
また、テレビ画像やテレビ音声の出力が停止されることにより視聴できなくなったテレビ放送を録画しておいて、後からそのテレビ放送を見ることができる。したがって、ユーザは、テレビ放送の視聴中に相手方電話機から呼出しがあった場合でも、その後のテレビ画像は自動的に録画されるという安心感により、ためらうことなく呼出しに応答して通話を行うことができる。これにより、テレビ放送の視聴中に相手方電話機から呼出しがあった場合の利便性を向上させることができる。
【0126】
一方、表示筐体2が横長状態から縦長状態に切り替えられたときに、テレビ放送受信部24においてテレビ放送波を受信しており、かつ、着信処理部41が着信処理を行っていないときであれば(ステップS403でNo)、そのテレビ放送波に基づくテレビ画像の表示が画像回転部47により90°回転される(ステップS407)。これにより、縦長状態とされたメイン表示部2aの長手方向を上下方向としてテレビ画像が表示され、テレビ画像の方向を回転位置に合わせることができる。
【0127】
このとき、テレビ放送波に基づくテレビ画像のアスペクト比は16:9の横長であるのに対して、メイン表示部2aは縦長状態であるため、テレビ画像の横幅を合わせてメイン表示部2aに表示させた場合、メイン表示部2aの表示画面に空スペースが生じる。この空スペースには、文字情報表示部48によりテレビ画像に対応する字幕などの文字情報が表示される(ステップS408)。したがって、文字情報の表示を望む場合には、表示筐体2を縦長状態まで回転させるだけで文字情報を表示させることができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【0128】
本実施の形態では、表示筐体2は一定位置に固定された回転軸を中心に回転するのではなく、表示筐体2の回転に伴って上下動する回転軸を中心に回転するような構成について説明したが、このような構成に限らず、本発明は、メイン表示部2aに水平な面内で表示筐体2が縦長状態と横長状態との間で回転可能な構成であれば、表示筐体2が固定された回転軸を中心に回転するような携帯電話機にも適用可能である。
【0129】
実施の形態3.
図19は、本発明の実施の形態3による携帯電話機1の電気的構成の一例を示したブロック図である。この携帯電話機1は、実施の形態1と同様に、メイン表示部2a、サブ表示部11、受話用レシーバ8、送話用マイクロホン7、操作キー4、スピーカ9、外部入出力端子10、通信部23、テレビ放送受信部24及び回転位置検知部25を備えるとともに、メモリ27を備えており、それらの動作が、プロセッサからなる制御部30により制御されるようになっている。また、この携帯電話機1は、図1〜図10に示した実施の形態1と同様の構成を有している。実施の形態1と同様の構成については、図に同一符号を付して説明を省略することとする。
【0130】
通信部23は、通信用アンテナ23aを介して基地局との間で電波の送受信を行うことにより、通話音だけでなく電子メールの送受信も行っている。電子メールを送受信する際には、電子メールの本文の内容である文字情報の他に、その電子メールの件名を表す文字情報や送信元のメールアドレスなどの情報が、通信部23において送受信される。すなわち、電子メールを送信する際には、この携帯電話機1のユーザが操作キー4の操作により作成した電子メールの本文及び件名の文字情報、並びにユーザ側のメールアドレスなどのメール情報が、相手方の電話機やパーソナルコンピュータ(以下、これらの電子メールを送受信可能な相手方の通信端末を総称して「相手方通信端末」と呼ぶ。)に送信される。一方、電子メールを受信する際には、相手方通信端末において作成された電子メールの本文及び件名の文字情報、並びに相手方通信端末のメールアドレスなどのメール情報が受信される。
【0131】
図20は、通信部23及びテレビ放送受信部24で信号を受信したときの動作について説明するためのブロック図である。本実施の形態において、制御部30は、プログラム処理を実行することにより、文字情報抽出部51、スクロール表示部52、アプリケーション起動部53及びテレビ出力部54として機能する。
【0132】
テレビ放送受信部24においてテレビ放送波を受信しているときには、そのテレビ放送波に基づくテレビ画像、テレビ音声及び文字情報等を表す信号が、テレビ出力部54に入力される。テレビ出力部54には、テレビ画像表示部55とテレビ音声出力部56とが含まれている。
【0133】
テレビ画像表示部55は、テレビ放送波に基づくテレビ画像や文字情報をメイン表示部2aに表示させるものであり、メイン表示部2aに表示させる画像を回転させるための画像回転部57が含まれる。テレビ音声出力部56は、テレビ放送波に基づくテレビ音声をスピーカ9又は外部入出力端子10に接続された外部入出力装置26に出力する。
【0134】
画像回転部57は、テレビ放送受信部24においてテレビ放送波を受信しているときに、回転位置検知部25からの入力信号に基づいてメイン表示部2aに表示させる画像を回転させる。すなわち、テレビ放送波の受信中、表示筐体2が縦長状態から横長状態に切り替えられた場合には、横長状態とされたメイン表示部2aの短手方向を上下方向としてテレビ画像が表示され、表示筐体2が横長状態から縦長状態に切り替えられた場合には、縦長状態とされたメイン表示部2aの長手方向を上下方向としてテレビ画像が表示されることにより、テレビ画像の方向が回転位置に合わせられるようになっている。
【0135】
相手方通信端末からの電子メールを通信部23で受信した場合には、その電子メールの本文や件名、相手方通信端末のメールアドレスなどのメール情報がメモリ27に格納される。このとき、メイン表示部2aが横長状態とされており、かつ、テレビ出力部54においてテレビ画像及びテレビ音声が出力されていれば、文字情報抽出部51が、メール情報から電子メールの本文の文字情報を抽出する。
【0136】
抽出された文字情報は、スクロール表示部52によりメイン表示部2aにスクロール表示される。ここで、スクロール表示とは、メイン表示部2aの一定領域内において、時間経過とともに移動するように文字情報が表示される表示態様であり、いわゆるマーキー表示を意味する。すなわち、電子メールの本文の文字情報が、その文頭から順次にメイン表示部2aに表示され、メイン表示部2a上において一定方向に移動した後、文頭から順次にメイン表示部2aから消去される。
【0137】
アプリケーション起動部53は、横長状態のメイン表示部2aでテレビ放送を視聴しているときに電子メールを受信し、その電子メールの本文の文字情報がメイン表示部2aにスクロール表示された場合に、そのスクロール表示の開始後、ユーザ操作のタイミングに応じたアプリケーションを起動させる。本実施の形態では、上記ユーザ操作は、表示筐体3を横長状態から縦長状態まで回転させる操作であり、その検知信号が回転位置検知部25からアプリケーション起動部53に入力されるようになっている。
【0138】
アプリケーション起動部53は、メール閲覧アプリケーションを起動させるためのメール閲覧アプリケーション起動部53aと、メール作成アプリケーションを起動させるためのメール作成アプリケーション起動部53bとからなる。メール閲覧アプリケーションは、受信した電子メールの本文の文字情報を閲覧するためのアプリケーションである。また、メール作成アプリケーションは、受信した電子メールに対する返信用の電子メールを作成するためのアプリケーションである。
【0139】
図21は、図20のスクロール表示部52が受信した電子メールの本文の文字情報をメイン表示部2aにスクロール表示する態様の一例を示した図である。メイン表示部2aが横長状態でテレビ画像を表示しているときに電子メールを受信すると、メイン表示部2aがテレビ画像表示領域2b及びスクロール表示領域2cに分割される。そして、テレビ画像表示領域2bには、それまでメイン表示部2aに表示されていたテレビ画像が継続して表示され、スクロール表示領域2cには、受信した電子メールの本文の文字情報がスクロール表示される。
【0140】
スクロール表示領域2cは、メイン表示部2aの長辺に沿って、すなわち横長状態とされたメイン表示部2aの上辺又は下辺に沿って配置される。図21の例では、スクロール表示領域2cは、横長状態とされたメイン表示部2aの下辺に沿って配置されており、左右方向に直線状に延びる1行分の表示領域として構成されている。
【0141】
スクロール表示領域2cには、受信した電子メールの本文の文字情報が、スクロール表示領域2cの右端から左端へとユーザが読むことができる程度の速度でスクロール表示される。より具体的には、まず、文頭の文字情報がスクロール表示領域2cの右端に表示された後、その文頭の文字情報が時間経過とともに左方へ移動し、当該文頭の文字情報に後続する文字情報が順次にスクロール表示領域2cの右端に表示される(図21(a)参照)。
【0142】
その後、文頭の文字情報がスクロール表示領域2cの左端まで移動すると(図21(b)参照)、その文頭の文字情報がスクロール表示領域2cに対して非表示とされ、後続する文字情報がスクロール表示領域2cの左端に表示される。このようにして、文頭の文字情報に後続する文字情報が順次にスクロール表示領域2cの左端に表示され、そして順次に非表示とされることにより、受信した電子メールの本文の文字数がスクロール表示領域2cに表示可能な文字数よりも多い場合であっても、文末の文字情報までスクロール表示領域2cに表示することができるようになっている(図21(c)参照)。
【0143】
受信した電子メールの本文の文字数がスクロール表示領域2cに表示可能な文字数よりも多い場合には、図21に示したように、文頭の文字情報がスクロール表示領域2cに対して非表示となった後、文末の文字情報がスクロール表示領域2cの右端に表示された時点で、本文の文字情報のすべてがスクロール表示領域2cに表示される。一方、受信した電子メールの本文の文字数がスクロール表示領域2cに表示可能な文字数以下である場合には、文頭の文字情報がスクロール表示領域2cに対して非表示となる前に、文末の文字情報がスクロール表示領域2cの右端に表示され、この時点で本文の文字情報のすべてがスクロール表示領域2cに表示されることとなる。
【0144】
このように、メイン表示部2aにテレビ画像を表示している状態で電子メールを受信した場合に、テレビ画像を表示した状態のまま、受信した電子メールの本文の文字情報をメイン表示部2aにスクロール表示させることができるので、テレビ放送を視聴しながら受信した電子メールの本文の文字情報を閲覧することができる。受信した電子メールの本文の文字情報をメイン表示部2aにスクロール表示させることにより、テレビ画像を表示させるためのスペースを確保しつつ電子メールの全文を表示させることができる。
【0145】
したがって、テレビ放送を視聴しながら受信した電子メールの本文の文字情報をスクロール表示で確認し、直ちに全文を閲覧したい場合や返信用の電子メールを作成したい場合には、ユーザ操作によりアプリケーションを起動させることができる。一方、テレビ放送の視聴を優先したい場合には、その時点では上記ユーザ操作を行わずにテレビ放送を視聴し、後でアプリケーションを起動させればよい。
【0146】
図22は、スクロール表示の開始後にユーザ操作に応じてアプリケーション起動部53がアプリケーションを起動させる態様の一例を示した図である。スクロール表示の開始後に、ユーザが所定のタイミングで表示筐体3を横長状態から縦長状態まで回転させると、メイン表示部2aがテレビ画像表示領域2d及びメール表示領域2eに分割される。
【0147】
本実施の形態では、縦長状態とされたメイン表示部2aの上側にテレビ画像表示領域2dが配置され、下側にメール表示領域2eが配置される。テレビ画像は横長のアスペクト比を有しているので、縦長状態とされたメイン表示部2aの上側にテレビ画像を表示した場合には、その下側に空スペースが形成され、当該空スペースにメール表示領域2eを配置することができる。ただし、縦長状態とされたメイン表示部2aの下側にテレビ画像表示領域2dが配置され、上側にメール表示領域2eが配置されてもよい。
【0148】
テレビ画像表示領域2dには、それまで横長状態のメイン表示部2aにおけるテレビ画像表示領域2bに表示されていたテレビ画像が継続して表示される。メール表示領域2eには、受信した電子メールの本文の文字情報を閲覧するための画面(図22(a)参照)、又は受信した電子メールに対する返信用の電子メールを作成するための画面(図22(b)参照)が表示される。
【0149】
図21(a)や図21(b)に示すように、受信した電子メールの本文の文字情報がメイン表示部2aにすべてスクロール表示される前に、ユーザが表示筐体3を横長状態から縦長状態まで回転させた場合には、メール閲覧アプリケーションが起動され、図22(a)に示すようなメール閲覧画面がメイン表示部2aに表示される。このメール閲覧画面におけるメール表示領域2eには、受信した電子メールの送信元である相手方通信端末の所有者名又はメールアドレスとともに、相手方通信端末において作成された電子メールの件名及び本文の文字情報が表示される。
【0150】
本実施の形態では、受信した電子メールの本文の文字情報がメイン表示部2aにすべてスクロール表示される前に、ユーザが表示筐体3を横長状態から縦長状態まで回転させた場合、既にメイン表示部2aにスクロール表示された文字情報以外の文字情報、すなわち既にスクロール表示された文字情報に後続する文字情報が、メール表示領域2eに表示されるようになっている。
【0151】
例えば、図21(a)〜(c)のスクロール表示部2cに示すような一連の本文を電子メールとして受信した場合に、図21(a)に示した状態まで本文がスクロール表示された時点で、ユーザが表示筐体3を回転させたときには、図22に示すように、既にスクロール表示された文字情報に後続する文字情報のみがメール表示領域2eに表示されることとなる。
【0152】
このように、テレビ放送を視聴しながら受信した電子メールの本文の文字情報をスクロール表示により確認している途中で、直ちに全文を閲覧したい場合には、その電子メールの本文の文字情報がメイン表示部2aにすべてスクロール表示される前にユーザ操作を行うことにより、メール閲覧アプリケーションを起動させ、既にメイン表示部2aにスクロール表示された文字情報以外の文字情報を閲覧することができる。したがって、最低限の表示で受信した電子メールの全文を閲覧することができる。
【0153】
一方、図21(c)に示すように受信した電子メールの本文の文字情報がメイン表示部2aにすべてスクロール表示された後、一定時間内にユーザが表示筐体3を横長状態から縦長状態まで回転させた場合には、メール作成アプリケーションが起動され、図22(b)に示すようなメール作成画面がメイン表示部2aに表示される。このメール作成画面におけるメール表示領域2eには、返信用の電子メールの送信先である相手方通信端末の所有者名又はメールアドレスとともに、この携帯電話機1において作成した電子メールの件名及び本文の文字情報が表示される。
【0154】
このとき、受信した電子メールの送信元である相手方通信端末のメールアドレスが、返信用の電子メールの送信先として自動的に指定されるとともに、返信用の電子メールの件名が、受信した電子メールの件名の文頭に「Re.」を付した件名に自動的に設定される。したがって、この携帯電話機1のユーザは、メール作成アプリケーションが起動されてメイン表示部2aにメール作成画面が表示された後、操作キー4を操作して返信用の電子メールの本文のみを作成すればよい。ただし、返信用の電子メールの件名は、操作キー4の操作により変更することも可能である。
【0155】
なお、メール作成アプリケーション起動時に、そのとき視聴しているテレビ放送に関連する情報が、返信用の電子メールの本文に自動的に組み込まれるようになっていてもよい。この場合、受信したデジタル放送波に含まれるテレビ番組名などの文字情報が、返信用の電子メールの本文に組み込まれるようになっていてもよい。
【0156】
このように、テレビ放送を視聴しながら受信した電子メールの本文の文字情報をスクロール表示により確認し終わった後、その電子メールに対する返信用の電子メールを作成したい場合には、スクロール表示終了後の一定時間内にユーザ操作を行うことにより、メール作成アプリケーションを起動させ、返信用の電子メールを作成することができる。これにより、送信先のメールアドレスを指定する操作を省略することができ、返信用の電子メールを容易に送信することができる。
【0157】
図23は、表示筐体2が横長状態のときに電子メールを受信した場合に行われるメール受信処理の一例を示したフローチャートである。表示筐体2が横長状態のときに相手方通信端末から電子メールを受信した場合に、テレビ放送受信部24においてテレビ放送波を受信していなければ(ステップS501でNo)、受信した電子メールの本文や件名、相手方通信端末のメールアドレスなどのメール情報がメモリ27に格納される(ステップS512)。このとき、電子メールを受信した旨がメイン表示部2aに表示され、その後にユーザが操作キー4を操作することにより、メモリ27に格納されているメール情報を読み出して閲覧することができる。
【0158】
一方、表示筐体2が横長状態のときに相手方通信端末から電子メールを受信した場合に、テレビ放送受信部24においてテレビ放送波を受信していれば(ステップS501でYes)、受信した電子メールの本文や件名、相手方通信端末のメールアドレスなどのメール情報がメモリ27に格納されるとともに(ステップS502)、文字情報抽出部51によりメール情報から本文の文字情報が抽出される(ステップS503)。そして、メイン表示部2aがテレビ画像表示領域2b及びスクロール表示領域2cに分割され、スクロール表示部52により、抽出された電子メールの本文の文字情報がスクロール表示領域2cにスクロール表示される(ステップS504)。
【0159】
スクロール表示開始後に、表示筐体3を横長状態から縦長状態まで回転させるユーザ操作が行われた場合(ステップS505でYes)、そのユーザ操作が、スクロール表示領域2cに本文の文字情報がすべてスクロール表示される前であれば(ステップS506でYes)、メール閲覧アプリケーション起動部53aによりメール閲覧アプリケーションが起動され(ステップS507)、図22(a)に示したようなメール閲覧画面がメイン表示部2aに表示される(ステップS508)。
【0160】
これに対して、スクロール表示領域2cに本文の文字情報がすべてスクロール表示された後(ステップS506でNo)、一定時間内にユーザ操作が行われた場合には(ステップS509でYes)、メール作成アプリケーション起動部53bによりメール作成アプリケーションが起動され(ステップS510)、図22(b)に示したようなメール作成画面がメイン表示部2aに表示される(ステップS511)。
【0161】
本実施の形態では、受信した電子メールの本文の文字情報をメイン表示部2aにスクロール表示するような構成について説明したが、このような構成に限らず、受信した電子メールの件名をメイン表示部2aにスクロール表示するような構成であってもよい。この場合、受信した電子メールの本文に件名を加えてメイン表示部2aにスクロール表示させてもよいし、さらに相手方通信端末の所有者名又はメールアドレスを加えてメイン表示部2aにスクロール表示させてもよい。
【符号の説明】
【0162】
1 携帯電話機
2 表示筐体
2a メイン表示部
4 操作キー
4a 保留ボタン
5 操作筐体
23 通信部
24 テレビ放送受信部
25 回転位置検知部
30 制御部
31 着信処理部
32 応答部
33 録画部
34 テレビ出力部
35 テレビ画像表示部
36 テレビ音声出力部
37 画像回転部
38 文字情報表示部
39 出力選択部
41 着信処理部
42 応答部
43 録画部
44 テレビ出力部
45 テレビ画像表示部
46 テレビ音声出力部
47 画像回転部
48 文字情報表示部
51 文字情報抽出部
52 スクロール表示部
53 アプリケーション起動部
53a メール閲覧アプリケーション起動部
53b メール作成アプリケーション起動部
54 テレビ出力部
55 テレビ画像表示部
56 テレビ音声出力部
57 画像回転部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送波を受信するテレビ放送受信手段と、
受信したテレビ放送波に基づいて表示画面にテレビ画像を表示するとともに、そのテレビ画像に対応するテレビ音声を出力するテレビ出力手段と、
呼出信号及び応答信号の送受信を行う無線通信手段と、
上記呼出信号に対する応答可能期間中に、ユーザ操作に基づいて、応答信号を生成して通話状態を確立させる着信応答手段とを備え、
上記テレビ出力手段は、上記表示画面にテレビ画像を表示している状態で上記呼出信号を受信した場合に、上記表示画面にテレビ画像を表示した状態のまま、そのテレビ画像に対応するテレビ音声の音量を低下させる音量低下手段と、
上記音量低下手段がテレビ画像に対応するテレビ音声を低下させる場合に、テレビ放送波からそのテレビ画像に対応する文字情報を抽出して上記表示画面に表示させる文字情報表示手段とを有することを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
筐体面に上記表示画面が形成された筐体と、
上記筐体面にユーザが耳を当てた状態で使用される第1音声出力手段と、
上記筐体面からユーザが耳を離した状態で使用される第2音声出力手段と、
上記音量低下手段がテレビ画像に対応するテレビ音声の音量を低下させる場合に、それまでテレビ音声を出力していたときと同一の音声出力手段を選択して相手方電話機からの音声を出力させる出力選択手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項3】
上記テレビ出力手段は、上記表示画面にテレビ画像を表示した状態のまま、上記第2音声出力手段により相手方電話機からの音声が出力されているときに、上記第1音声出力手段により音声を出力するための操作が行われた場合に、上記表示画面に対するテレビ画像の表示を停止させる画像表示停止手段を有することを特徴とする請求項2に記載の携帯電話機。
【請求項4】
上記画像表示停止手段がテレビ画像の表示を停止させた場合に、テレビ放送波に基づいてその後のテレビ画像を記録する録画手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の携帯電話機。
【請求項5】
通話状態が確立されているときに、相手方電話機への通話音の出力が停止された保留状態に切り替えるための保留切替手段を備え、
上記テレビ出力手段は、テレビ音声の音量を低下させた状態で上記表示画面にテレビ画像を表示しているときに、上記保留切替手段により保留状態に切り替えられた場合に、テレビ音声の音量を増大させる音量増大手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項6】
筐体面に長方形の表示画面が形成された表示筐体と、
上記表示画面の長手方向の一端側における上記表示筐体内に配置され、上記筐体面にユーザが耳を当てた状態で使用される音声出力手段と、
上記表示画面が縦長状態及び横長状態となるように、上記表示筐体を上記表示画面に水平な面内で回転可能に保持する保持手段と、
ユーザによる上記表示筐体の回転操作を検出する回転操作検出手段と、
テレビ放送波を受信するテレビ放送受信手段と、
受信したテレビ放送波に基づいて生成され、上記回転操作に応じて回転させたテレビ画像を上記表示画面に表示させるテレビ画像表示手段と、
呼出信号及び応答信号の送受信を行う無線通信手段と、
上記呼出信号に対する応答可能期間中に、テレビ画像を表示している上記表示画面を横長状態から縦長状態へ遷移させる回転操作に基づいて、応答信号を生成して通話状態を確立させる着信応答手段とを備えたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項7】
上記テレビ画像表示手段は、上記着信応答手段が通話状態を確立させた場合に、上記表示画面に対するテレビ画像の表示を停止させる画像表示停止手段を有することを特徴とする請求項6に記載の携帯電話機。
【請求項8】
上記画像表示停止手段がテレビ画像の表示を停止させた場合に、テレビ放送波に基いてその後のテレビ画像を記録する録画手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載の携帯電話機。
【請求項9】
上記テレビ画像表示手段は、上記呼出信号に対する応答可能期間でないときに、テレビ画像を表示している上記表示画面を横長状態から縦長状態へ遷移させる回転操作に基づいて、上記表示画面に対するテレビ画像の表示を90°回転させる第1画像回転手段を有することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項10】
上記テレビ画像表示手段は、縦長状態とされた上記表示画面に、テレビ画像とともに、テレビ放送波からそのテレビ画像に対応する文字情報を抽出して表示させる文字情報表示手段を有することを特徴とする請求項9に記載の携帯電話機。
【請求項11】
上記テレビ画像表示手段は、テレビ画像を表示していない上記表示画面を縦長状態から横長状態へ遷移させる回転操作に基づいて、上記表示画面に対するテレビ画像の表示を開始させる画像表示開始手段を有することを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項12】
上記テレビ画像表示手段は、テレビ画像を表示している上記表示画面を縦長状態から横長状態へ遷移させる回転操作に基づいて、上記表示画面に対するテレビ画像の表示を90°回転させる第2画像回転手段を有することを特徴とする請求項11に記載の携帯電話機。
【請求項13】
テレビ放送波を受信するテレビ放送受信手段と、
受信したテレビ放送波に基づいて表示画面にテレビ画像を表示するテレビ画像表示手段と、
文字情報からなる電子メールを基地局から受信する電子メール受信手段と、
上記テレビ画像表示手段が上記表示画面にテレビ画像を表示している状態で電子メールを受信した場合に、その電子メールの文字情報を上記表示画面上において時間経過とともに移動するようにスクロール表示させるスクロール表示手段と、
上記スクロール表示の開始後、ユーザ操作に基づいて、受信した電子メールの文字情報を閲覧するためのアプリケーション、又は電子メールを作成するためのアプリケーションを起動させるアプリケーション起動手段とを備えたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項14】
上記アプリケーション起動手段は、受信した電子メールの文字情報が上記表示画面にすべてスクロール表示される前に上記ユーザ操作が行われた場合、既に上記表示画面にスクロール表示された文字情報以外の文字情報を閲覧させるためのアプリケーションを起動させるメール閲覧アプリケーション起動手段を有することを特徴とする請求項13に記載の携帯電話機。
【請求項15】
上記アプリケーション起動手段は、受信した電子メールの文字情報が上記表示画面にすべてスクロール表示された後、一定時間内に上記ユーザ操作が行われた場合に、受信した電子メールに対する返信用の電子メールを作成するためのアプリケーションを起動させるメール作成アプリケーション起動手段を有することを特徴とする請求項13又は14に記載の携帯電話機。
【請求項16】
長方形の表示画面が形成された表示筐体と、
上記表示画面が縦長状態及び横長状態となるように、上記表示筐体を上記表示画面に水平な面内で回転可能に保持する保持手段と、
ユーザによる上記表示筐体の回転操作を検出する回転操作検出手段とを備え、
上記テレビ画像表示手段は、上記回転操作に応じて回転させたテレビ画像を上記表示画面に表示させ、
上記アプリケーション起動手段は、上記表示画面を横長状態から縦長状態へ遷移させる回転操作に基づいて、アプリケーションを起動させることを特徴とする請求項13から15のいずれかに記載の携帯電話機。
【請求項17】
上記テレビ画像表示手段は、上記アプリケーション起動手段がアプリケーションを起動させた後も継続して、縦長状態とされた上記表示画面における長手方向の一方側にテレビ画像を表示し、
上記アプリケーション起動手段は、上記表示画面における長手方向の他方側に電子メールを閲覧又は作成するための画面を表示させることを特徴とする請求項16に記載の携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−19235(P2011−19235A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165912(P2010−165912)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【分割の表示】特願2007−546395(P2007−546395)の分割
【原出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】