説明

携帯電話端末装置、クレードル、特定機能処理実施方法、及びプログラム

【課題】ユーザの状況に応じた特定機能の利用可否制御を実現する。
【解決手段】携帯電話端末装置1aにおいて、設備の状態変動を検出する検出部100と、検出部100の検出結果に応じて、特定機能にかかる処理を実施する処理部101と、を具備することを特徴とする。一例として、上記の携帯電話端末装置1aにおいて、この特定機能は自動着信機能であり、この特定機能にかかる処理とは自動着信モードを設定し又は解除する処理である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話端末装置、クレードル、特定機能処理実施方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話では自動着信と呼ばれる着信形態が用いられることがある(例えば特許文献1参照)。この自動着信では、着側の電話機は、着信があった場合に着信操作の有無に依らず自動的に着信し、通話モードに移行する。なお、この場合の通話モードは、受話器を持たずに話せるハンズフリー通話モードとなるのが通常である。
【特許文献1】特開2004−23185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、自動着信を行う電話機は、着側のユーザの状況に関係なく通話モードに移行してしまう。例えば、トイレに入っている最中等、着側のユーザが電話に出たくない場合であっても、自動着信機能をオフにしない限り通話モードに移行してしまう。このため、自動着信は携帯電話向け用途ではあまり普及しておらず、主として企業向けのテレビ会議システムなどで利用されている。
【0004】
ユーザの状況に関係なく特定の機能が開始されてしまうという事情は、自動着信以外の機能においても同様である。例えば、ユーザの状況によっては、留守番電話を利用したい場合とそうでない場合とがあり得る。また、近年、テレビやエアコンのリモコンとしての機能を備える携帯電話があるが、ユーザの状況によっては、リモコンとして使用したい場合とそうでない場合とがあり得る。しかしながら従来、ユーザの状況によって、特定機能の利用可否を制御することはできなかった。
【0005】
従って、本発明の課題の一つは、ユーザの状況に応じた特定機能の利用可否制御を実現できる携帯電話端末装置、クレードル、特定機能処理実施方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するための本発明にかかる携帯電話端末装置は、外部設備からの状態変動を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に応じて、特定機能にかかる処理を実施する処理手段と、を具備することを特徴とする。
携帯電話端末装置が外部設備から検出する状態変動(例えば、クレードルにおいて当該携帯電話端末装置が置かれた状態と置かれていない状態の間の状態変動、洗濯機の回転状態の状態変動、トイレのドアの開状態と閉状態の間の状態変動、等)は、ユーザの状態変動、すなわちユーザの状況を示している。この状態変動は、外部設備からの電気的信号の有無や信号内容、外部設備からの電力供給の有無、あるいは外部設備の機械的状態の変化などにより検出可能である。従って、上記携帯電話端末装置のように、設備の状態変動の検出結果に応じて特定機能にかかる処理(例えば自動着信モードの設定や解除)を行うことで、ユーザの状況に応じた特定機能の利用可否制御を実現できる。
【0007】
(2)また、上記携帯電話端末装置において、前記特定機能は自動着信機能であり、前記特定機能にかかる処理は、自動着信モードを設定し又は解除する処理である、こととしてもよい。
【0008】
(3)また、上記携帯電話端末装置において、前記外部設備はクレードルであり、前記検出手段は、前記クレードルからの状態変動であって当該携帯電話端末装置が置かれているか否かの状態と置かれていない状態の変動を検出し、前記処理手段は、前記クレードルの状態が当該携帯電話端末装置が置かれた状態となった場合に自動着信モードを設定し、前記クレードルの状態が当該携帯電話端末装置が置かれていない状態となった場合に自動着信モードを解除する、こととしてもよい。
【0009】
(4)また、上記携帯電話端末装置において、前記クレードルから所定信号の入力を受け付ける所定信号入力受付手段、を具備し、前記検出手段は、前記所定信号入力受付手段による前記所定信号の受け付けの有無に基づき、前記クレードルの状態の、当該携帯電話端末装置が置かれた状態と置かれていない状態の間での変動を検出する、こととしてもよい。
【0010】
(5)また、上記携帯電話端末装置において、前記所定信号には前記クレードルの固有情報が含まれ、当該携帯電話端末装置は、1又は複数のクレードルそれぞれの固有情報を記憶する固有情報記憶手段、を具備し、前記所定信号入力受付手段は、前記所定信号に前記固有情報記憶手段に記憶される固有情報が含まれるか否かを判定し、判定結果に応じて該所定信号の入力を受け付ける、こととしてもよい。
【0011】
(6)また、上記携帯電話端末装置において、前記固有情報記憶手段は、前記各固有情報それぞれと関連付けて、自動着信を許容する発信者情報を1又は複数記憶し、当該携帯電話端末装置は、着信時に、発信者情報を取得する発信者情報取得手段と、当該携帯電話端末装置が置かれているクレードルの固有情報を取得する固有情報取得手段と、前記発信者情報取得手段により取得された発信者情報が前記固有情報取得手段により取得される固有情報と関連付けて前記固有情報記憶手段に記憶される発信者情報のうちの1つと一致する場合に自動着信を行い、一致しない場合に自動着信を行わない自動着信処理手段と、を具備する、こととしてもよい。
【0012】
(7)また、上記各携帯電話端末装置において、前記固有情報ごとに、前記特定機能にかかる処理を示す特定機能処理情報と、前記設備の状態変動を示す設備情報と、を対応付けて記憶する特定機能処理情報記憶手段、を具備し、前記処理手段は、前記状態変動が前記検出手段により検出された場合に、前記所定信号入力受付手段により受け付けられた固有情報について、該状態変動を示す前記設備情報と対応付けて記憶される前記特定機能処理情報により示される処理を実施する、こととしてもよい。
【0013】
(8)また、上記携帯電話端末装置において、当該携帯電話端末装置が前記クレードルに置かれた場合にオンとなり、置かれていない場合にオフとなるスイッチ手段、を具備し、前記検出手段は、前記スイッチ手段のオン/オフ状態に基づき、前記クレードルの状態の、当該携帯電話端末装置が置かれた状態と置かれていない状態の間での変動を検出する、こととしてもよい。
【0014】
(9)また、上記携帯端末装置において、自動着信モードが設定されているか否かに応じて受話音声を出力する音量を変化させる機能、又は自動着信モードが設定されているか否かに応じて受話音声を出力するための複数のスピーカからいずれかを選択的に有効にする機能、の少なくともいずれか一方を有する出力制御手段を具備することとしても良い。
【0015】
(10)また、上記携帯電話端末装置において、前記特定機能は自動着信機能であり、前記特定機能にかかる処理は、自動着信モードを一時的に解除する処理であり、前記処理手段は、前記検出手段の検出結果に応じて自動着信モードを一時的に解除した場合、所定時間後に、自動着信モードの設定を行う、こととしてもよい。
【0016】
(11)また、上記各携帯電話端末装置において、自動着信を許容する発信者情報を1又は複数記憶する発信者情報記憶手段と、着信時に、発信者情報を取得する発信者情報取得手段と、前記発信者情報取得手段により取得された発信者情報が前記発信者記憶手段に記憶される発信者情報と一致する場合に自動着信を行い、一致しない場合に自動着信を行わない自動着信処理手段と、を具備することとしてもよい。
【0017】
(12)また、上記各携帯電話端末装置において、自動着信モードにおいて自動着信を行おうとする場合に、発信者電話に対して当該携帯電話端末装置において自動着信が行われる旨を示す自動着信実施確認情報を送信する自動着信実施確認情報送信手段と、前記発信者電話から、自動着信を許容するか否かを示す自動着信許否情報を受信する自動着信許否情報受信手段と、前記自動着信許否情報受信手段により受信された自動着信許否情報に応じて、自動着信の実施制御を行う自動着信実施制御手段と、を具備することとしてもよい。
前記自動着信実施確認情報送信手段は、検出手段の検出結果に応じて、特定機能にかかる処理を実施する処理手段を具備した携帯電話端末に限定されるものではない。つまり、特定のクレードルに特定の携帯端末を載せたときだけに限定されるものではなく、一般的な携帯電話の機能として自動着信実施確認情報送信手段を設けることも可能である。
【0018】
(13)また、本発明にかかるクレードルは、携帯電話端末装置の卓上設置台として機能するクレードルであって、前記携帯電話端末装置が当該クレードルに設置されていることを検出する検出手段と、当該クレードルの固有情報を記憶する固有情報記憶手段と、前記検出手段の検出結果に応じて、当該クレードルに設置されている前記携帯電話端末装置に対し、前記記憶手段に記憶される前記固有情報を含む信号を送信する送信手段と、を具備することを特徴とする。
【0019】
(14)また、上記クレードルにおいて、ユーザによる自動着信可否の切り替えを受け付けるためのスイッチ手段、を備え、前記送信手段は、前記スイッチ手段の状態に応じて、前記信号を送信する、こととしてもよい。
【0020】
(15)また、本発明にかかる特定機能処理実施方法は、携帯電話端末装置において、特定機能にかかる処理を実施するための特定機能処理実施方法であって、設備の状態変動を検出する検出ステップと、前記検出手段の検出結果に応じて、特定機能にかかる処理を実施する処理ステップと、を具備することを特徴とする。
【0021】
(16)また、本発明にかかるプログラムは、設備の状態変動を検出する検出手段、及び前記検出手段の検出結果に応じて、特定機能にかかる処理を実施する処理手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本実施形態にかかる携帯電話端末装置1のシステム構成から説明する。図1は、携帯電話端末装置1の全体のシステム構成を示す概略ブロック図である。携帯電話端末装置1は、図1に示すように、主制御部10、通信制御部11、無線部12、プログラムメモリ13、操作部14、主カメラ15、主表示部16、副表示部17、振動センサー18、GPS(Global Positioning System)機能部19、音声処理部20、マイク21、スピーカ22−1及び2、RFID(Radio Frequency IDentification)リーダー23、電源制御部24、電池25、クレードル接続部26、大容量メモリ27、メモリ28、インジケータ29、Ir(Infrared ray)受信部30、Ir送信部31、近距離通信部32を構成要素として具備して構成される。
【0023】
図1に示すように、携帯電話端末装置1では、主制御部10以外の各構成要素が主制御部10に対し直接又は間接的に接続されている。主制御部10は、各構成要素によって行われる処理の制御や、各構成要素に対する信号の入出力を行う。主制御部10以外の各構成要素は、携帯電話端末装置1の各種機能にかかる処理を行う。以下、携帯電話端末装置1の各構成要素について詳細に説明する。
【0024】
無線部12はアンテナを備え、携帯電話網(PDC網、CDMA2000網、フェムトセルを利用した移動通信網など)の無線通信規格に従う無線通信を行う。すなわち、無線部12は、主制御部10から、主カメラ15で撮影される画像や、マイク21で収音される音声等の入力を受け、入力された画像や音声等に、所定の変調方式による変調処理、無線周波数帯への周波数変換処理、及び増幅処理の各処理を施し、無線信号としてアンテナから無線区間に送出する。また、アンテナに到来した無線信号に、所定の変調方式による復調処理、ベースバンド周波数帯への周波数変換処理、及び増幅処理の各処理を施し、画像や音声等として主制御部10に出力する。なお、例えば、携帯電話端末装置1が携帯電話網を用いた無線通信と無線LANを用いた無線通信の両方を行う場合、通信制御部と無線部の組み合わせが2つ備えられる。
【0025】
通信制御部11は、無線部12を用いて行う無線通信の通信制御を行う。具体的な例としては、シーケンス制御や再送制御が挙げられる。通信制御部11は、自動着信制御を含む着信制御も行う(詳細は後述する。)。
【0026】
プログラムメモリ13は、携帯電話端末装置1の種々の機能にかかる各種ソフトウェアを格納する記憶手段である。携帯電話端末装置1のCPU(図示せず)は、このプログラムメモリ13に記憶されるソフトウェアを読み出し、該ソフトウェアに従う処理を行う。
【0027】
操作部14は、ユーザによる各種指示の入力を受け付け、主制御部10に出力するものであり、例えば、文字や数値などのデータを入力するための各種キーを具備するキーボードやタッチパネル等である。
【0028】
主カメラ15は撮影手段として機能するものであり、光学系、撮像部、及び映像信号処理部を備えている。光学系は、外部の光を取り入れ、撮像部に出力する。撮像部はCCD(Charge Coupled Device)を備え、入力された光の明暗に比例した電流を発生し、映像信号処理部に出力する。映像信号処理部は、撮像部から入力された電流をデジタルデータに変換するとともに、所定の画像処理を施して主制御部10に出力する。
【0029】
主表示部16及び副表示部17は、主制御部10から入力される各種画像を表示する表示手段であり、例えば液晶ディスプレイである。携帯電話端末装置1が折り畳み式の携帯電話である場合、主表示部16は内側の液晶ディスプレイ、副表示部17は外側の液晶ディスプレイである。
【0030】
振動センサー18は、携帯電話端末装置1が受けた振動を検知し、振動の強さに対応する振幅の電気信号を主制御部10に出力する。
GPS機能部19はGPSアンテナを備え、複数のGPS衛星からそれぞれ発射された時刻信号電波の到達時間の差に基づき、当該携帯電話端末装置1の現在の位置情報(緯度経度情報)を取得する。そして、取得した位置情報を、主制御部10を介してメモリ28に記憶させる。
【0031】
音声処理部20は、マイク21が採取した周囲音を取得し、ノイズを除去して主制御部10へ伝達する。また、音声処理部20は、メモリ28や大容量メモリ27が記憶している音声データや無線部12を介して他の電話から受信される音声データを、スピーカ22−1又はスピーカ22−2を介して出力する。
【0032】
ここで、スピーカ22−1は、ハンズフリー通話用に用いられるものである。すなわち、スピーカ22−1は、携帯電話端末装置1から離れた位置にいても十分聴くことのできる程度の音量で、音を出力する。一方、スピーカ22−2は、受話器用に用いられるものである。すなわち、スピーカ22−2は、利用者が当該携帯電話端末装置1を持って耳に当てたときに聞こえやすい位置に設置されており、スピーカ22−1に比べると小さな音量で音を出力する。但し、携帯電話端末装置1から離れた位置でも充分に聴くことのできる程度にスピーカ22−2からの出力音量を大きくすることも可能となっている。これらの出力音量の調整は、後述するように、音量制御部1117が音声処理部20を制御することにより行う。
【0033】
RFIDリーダー23は、無線ICチップであるRFID(図示せず)に書き込まれたデータを読み取る。このRFIDは街中等に多数貼られており、それぞれ貼られた場所を示す位置情報を記憶している。RFIDリーダー23は、このようなRFIDに書き込まれたデータを読み取ることにより、当該携帯電話端末装置1の現在の位置情報を取得する。そして、主制御部10を介して、取得した位置情報をメモリ28に記憶させる。
【0034】
電池25は充電池(二次電池)又は乾電池(一次電池)などであり、直流電力を電源制御部24に供給する。また、クレードル接続部26はクレードル(外部設備)と接続され、該クレードルから直流電力の入力を受け付け、電源制御部24に供給する。電源制御部24は、電池25又はクレードル接続部26から供給される直流電力を主制御部10へ供給する。なお、電源制御部24は、クレードル接続部26から直流電力が供給されている場合には、クレードル接続部26から供給された直流電力を主制御部10へ供給し、電池25から供給される直流電力は主制御部10へ供給しない。これにより、クレードル接続部26から直流電力が供給されている場合、電池25は消費されないことになる。
【0035】
なお、クレードル接続部26は、クレードルとの間で音声信号や制御信号を送受信可能に構成されており、主制御部10は、クレードル接続部26を介して、クレードルとの間で音声信号や制御信号を受信する。
【0036】
ここで、クレードルについて簡単に説明しておく。クレードルは、携帯電話端末装置1の卓上設置台であるとともに携帯電話端末装置1を充電するための設備であり、自身はACアダプタ(図示せず)を介してAC電源(図示せず)と接続されている。クレードルは、その上に携帯電話端末装置1を置けるように構成されており、携帯電話端末装置1が置かれると、該携帯電話端末装置1に対して直流電力の供給を開始する。なお、図2には、携帯電話端末装置1をクレードル2の上に置いた状態が示されている。
【0037】
大容量メモリ27は、画像データや音声データを含む種々のデータを記憶するものであり、例えば、主カメラ15で撮影された画像データ等を記憶する。大容量メモリ27として、例えば、SD(Secure Digital)カードなど取り外し可能な構成の記憶装置を用いることが好適である。なお、大容量メモリ27は、ディレクトリ構造によりデータを記憶している。
【0038】
メモリ28は、携帯電話端末装置1の処理に必要な種々のデータを記憶するものである。具体的には、図1に示すように、番号プリセット、電話帳、メッセージプリセット、住所データ、メール履歴、電話履歴、位置情報、行動履歴を記憶している。以下、それぞれについて説明する。
【0039】
番号プリセットは、予めメモリ28に登録されている電話番号及びその付属情報(名前等)である。電話帳は、ユーザによって入力され、メモリ28に記憶された電話番号及びその付属情報(名前等)である。メッセージプリセットは、予めメモリ28に記憶された音声データ及び文字データである。住所データは、ユーザによって入力され、メモリ28に記憶されたものであり、電話帳の一部を構成する。メール履歴は、電子メールやショートメッセージの送受信履歴である。電話履歴は、電話の発着信履歴である。位置情報は、当該携帯電話端末装置1の現在位置を示す情報であり、GPS機能部19、RFIDリーダー23から入力される。行動履歴は、位置情報の履歴である。
【0040】
インジケータ29は、電池25の残量に応じて伸縮するインジケータ画像を表示する。また、Ir受信部30とIr送信部31は、それぞれ赤外線通信の受信装置と送信装置である。近距離通信部32は、例えばBluetoothやWPAN(Wireless Personal Area Network)などの近距離通信手段である。
【0041】
以下、以上のような携帯電話端末装置1を用いて実現される本発明の4つの実施形態について、順次説明していく。
【0042】
[第1実施形態]
図3は、本発明の第1実施形態にかかる携帯電話端末装置1aの機能ブロックを示す概略ブロック図である。同図には、携帯電話端末装置1aの機能ブロックのうち、第1実施形態に直接関係する部分のみを示している。また、同図において、点線はデータの流れを示している。
【0043】
図3に示すように、携帯電話端末装置1aは、図1に示した各構成に加え、スイッチ部33を具備して構成される。また、主制御部10は、機能部として検出部100及び処理部101を具備して構成される。通信制御部11は、機能部として発信者情報取得部110及び自動着信処理部111を具備して構成される。メモリ28は、機能部として特定機能処理情報記憶部280及び発信者情報記憶部281を具備して構成される。
【0044】
初めに、特定機能について説明しておく。特定機能は、携帯電話端末装置1aの有する各種機能のうち、その機能にかかる処理を示す特定機能処理情報が、ユーザによって後述する特定機能処理情報記憶部280に書き込まれているものである。各種機能を例示すると、自動着信機能、留守番電話機能、ドライブモード機能などが挙げられる。自動着信機能にかかる処理には自動着信モードの設定処理及び解除処理があり、留守番電話機能にかかる処理には留守電機能の開始処理又は終了処理があり、ドライブモード機能にかかる処理にはドライブモードの設定処理又は解除処理がある。
【0045】
以下、図3に示した各機能部について説明する。スイッチ部33は、当該携帯電話端末装置1aが、本実施形態にかかるクレードル2aに置かれた場合にオンとなり、置かれていない場合にオフとなるスイッチ手段である。
図4は、スイッチ部33の機能を説明するための図である。図4(a)は、携帯電話端末装置1aがクレードル2aに置かれていない状態を上から見た図、図4(b)は、携帯電話端末装置1aがクレードル2aに置かれた状態を上から見た図、図4(c)は、図4(a)のA−A’線断面の端面図、図4(d)は、図4(b)のB−B’線断面の端面図、をそれぞれ示している。
【0046】
図4に示すように、クレードル2aは突起物200を備えている。スイッチ部33は、携帯電話端末装置1a表面に設けられた凹部の底面に設けられる。この凹部は、当該携帯電話端末装置1aがクレードル2aに置かれたときに突起物200と嵌合するように設けられており、スイッチ部33は、突起物200によって凹部底面が押されるとオンになり、凹部底面が押されていないときにはオフになるよう構成されている。
【0047】
検出部100は、クレードル2aの状態変動を検出する検出手段として機能する。具体的には、スイッチ部33のオン/オフ状態に基づき、クレードル2aの状態に当該携帯電話端末装置1aが置かれているか否かの状態の変動を検出する。また、検出部100はクレードル2aの状態変動を記憶するための変数である設備情報を保持しており、上記状態変動を検出した場合、設備情報の値を、検出した状態変動に対応する値に変更する。
なお、上記のように検出部100がスイッチ部33の機械的状態の変化(つまり、突起物200によって押されているか否か)により状態変動を検出するだけでなく、当該携帯電話端末装置とクレードル2aとを電気的に接続可能として於き、検出部100が、外部設備であるクレードル2aからの電気的信号の有無や信号内容、あるいはクレードル2aからの電力供給の有無などを検出するようにしても良い。
【0048】
本実施形態において用いる設備情報の具体的な値を示すと、クレードル2aの状態が、当該携帯電話端末装置1aが置かれた状態から置かれていない状態に変動した場合に対応する値が「0」であり、クレードル2aの状態が、当該携帯電話端末装置1aが置かれていない状態から置かれた状態に変動した場合に対応する値が「1」である。例えば、クレードル2aの状態が、当該携帯電話端末装置1aが置かれた状態から置かれていない状態に変動した場合、検出部100はこの状態変動を検出し、設備情報の値を「0」とする。
【0049】
処理部101は、検出部100の検出結果に応じて、特定機能にかかる処理を実施する処理手段として機能する。ここで、この特定機能にかかる処理は、上述した当該携帯電話端末装置1aが有する各種機能それぞれにかかる処理の中から予めユーザにより選択されているものである。以下、処理部101が行う処理の内容を決定するための処理について、具体的に説明する。
【0050】
まず、特定機能処理情報記憶部280は、クレードル2aの状態変動を示す設備情報と、この設備情報と関連付けて予めユーザにより選択されている特定機能にかかる処理を示す特定機能処理情報と、を対応付けて記憶している。例えば特定機能が自動着信機能である場合を例示すると、特定機能処理情報記憶部280は、設備情報「1」と自動着信モードの設定処理を示す特定機能処理情報、設備情報「0」と自動着信モードの解除処理を示す特定機能処理情報、をそれぞれ対応付けて記憶する。表1には、特定機能処理情報記憶部280の具体的な記憶内容の例を示している。
【0051】
【表1】

【0052】
処理部101は、クレードル2aの状態変動が検出部100により検出された場合に、検出部100から、検出された状態変動を示す設備情報(「0」又は「1」)を取得する。そして、取得した設備情報と対応付けて記憶される特定機能処理情報を特定機能処理情報記憶部280から読み出し、読み出した特定機能処理情報により示される処理を実施する。処理部101が行う処理の内容は、こうして決定される。
【0053】
以下では、特定機能が自動着信である例を取り上げ、処理部101が行う処理の具体例について説明する。
まず、自動着信処理部111は、自動着信にかかる処理を行う自動着信処理手段である。具体的には、自動着信処理部111は自動着信モード又は手動着信モードのいずれかのモードで動作する。自動着信処理部111のモードは、外部から設定される。また、自動着信処理部111は、その内部にスピーカ選択処理部1116(出力制御手段、図示せず)と音量制御部1117(出力制御手段、図示せず)を備えている。自動着信モードに設定されているときには、自動着信処理部111は、着信があった場合、ユーザ操作に依らず着信処理を行い、発信者端末装置との間で通信を確立する。併せて、自動着信処理部111がマイク21の感度を最高にするとともに、スピーカ選択処理部1116がハンズフリー通話用のスピーカ22−1を有効にし、また音量制御部1117はスピーカ22−1からの出力音量が比較的大きくなるように音声処理部20に対して制御信号を送る。これにより利用者は、スピーカ22−1に直接耳をあてなくても、出力される音声を離れた位置で聴くことができる。一方、手動着信モードに設定されているときには、自動着信処理部111は、着信があった場合、ユーザによる受話操作がなされるまで所定の着信通知処理(図示しないベルを鳴動させる処理)を行う。受話操作がなされると、着信処理を行い、発信者端末装置との間で通信を確立する。併せて、自動着信処理部111がマイク21の感度を中程度の所定値にするとともに、スピーカ選択処理部1116が受話器用のスピーカ22−2を有効にし、また音量制御部1117はスピーカ22−2からの出力音量が比較的小さくなるように音声処理部20に対して制御信号を送る。なお、実現方法の一例としては、音量制御部1117あるいは音声処理部20が、自動着信モード用の音量値と手動着信モード用の音量値をそれぞれ設定値として予め有しており、これらの音量値を適宜選択的に切り替えて使用する。
これにより利用者は、スピーカ22−2に耳を当てたときに適度な音量で出力された音声を聴くことができる。
【0054】
つまり、スピーカ選択処理部1116は、自動着信モードが設定されているか否か(つまり手動着信モードが設定されているか)に応じて、受話音声を出力するための複数のスピーカからいずれかを選択的に有効にする。このとき、スピーカ選択処理部1116は、音声処理部20に対して適宜制御信号を送ることにより、スピーカ22−1あるいはスピーカ22−2のいずれかを有効にする制御を行う。なお、ここでは、スピーカ選択処理部1116が2つのスピーカから1つを選択的に有効にする例について述べたが、スピーカの数は3以上であっても良い。また、複数のスピーカのうちのいずれかが当該携帯端末装置の外部に存在するスピーカであって、スピーカ選択処理部1116が、自動着信モードが設定されているか否かに応じてその外部のスピーカを選択して有効にするようにしてもよい。この場合もスピーカ選択処理部1116からの制御信号に応じて、音声処理部20は選択されたスピーカから受話音声を出力するようにする。
【0055】
また、つまり、音量制御部1117は、自動着信モードが設定されているか否か(つまり手動着信モードが設定されているか)に応じて、受話音声を出力する音量を変化させる。
【0056】
なお、本実施形態の変形例として、音声の出力を制御する手段として、スピーカ選択処理部1116あるいは音量制御部1117の、少なくともいずれか一方のみを備える構成としても良い。
なお、本実施形態のさらなる変形例として、自動着信モードであるか手動着信モードであるかに関わらず、いずれの場合にもスピーカ22−2を使用して音声を出力するようにしても良い。この場合、スピーカ選択処理部1116は、常にスピーカ22−2を有効にするような制御をする。そして、音量制御部1117は、自動着信モードの場合にはスピーカ22−2からの出力音量が大きくなるように、そして手動着信モードの場合にはスピーカ22−2からの出力音量が小さくなるように、音声処理部に対して制御信号を送る。これにより、スピーカ22−2を自動着信モード(ハンズフリー)にも手動着信モードにも兼用させることができる。
【0057】
処理部101は、クレードル2aの状態が、当該携帯電話端末装置1aが置かれた状態から置かれていない状態に変化したとき(設備情報「0」)、自動着信処理部111の自動着信モードを解除する。この場合、自動着信処理部111のモードは手動着信モードとなる。一方、クレードル2aの状態が、当該携帯電話端末装置1aが置かれていない状態から置かれた状態に変化したとき(設備情報「1」)、自動着信処理部111に自動着信モードを設定する。処理部101は、以上のようにして、特定機能の1つである自動着信機能にかかる処理を行う。
【0058】
ところで、自動着信処理部111は、自動着信モードに設定されている場合であっても、発信者によっては自動着信処理を行わず、手動着信モードによる着信処理を行う。以下、この点について説明する。
【0059】
まず、発信者情報記憶部281は、自動着信を許容する発信者情報を1又は複数記憶する発信者情報記憶手段として機能する。具体的には、発信者電話番号を記憶することとしてよい。なお、発信者情報記憶部281の記憶内容は、予めユーザによって設定される。
次に、発信者情報取得部110は、着信時に、発信者情報を取得する発信者情報取得手段として機能する。具体的には、携帯電話網の発信者番号通知サービスにより制御データの一部に含めて通知される電話番号を、上記発信者情報として取得する。
【0060】
自動着信処理部111は、着信があると、まず発信者情報取得部110から発信者情報を取得する。さらに、取得した発信者情報が発信者情報記憶部281に記憶されているか否か、主制御部10を介して発信者情報記憶部281にアクセスすることにより、判定する。その結果、発信者情報取得部110により取得された発信者情報が発信者情報記憶部281に記憶される発信者情報のいずれか1つと一致する場合に自動着信を行い、一致しない場合に自動着信を行わない。
【0061】
以上説明したように、携帯電話端末装置1aは、クレードル2aの状態変動の検出結果に応じて特定機能にかかる処理(例えば自動着信モードの設定や解除)を行うことができる。従って、ユーザの状況に応じた特定機能の利用可否制御を実現できる。
なお、ここで、取得された発信者情報が発信者情報記憶部281に記憶される発信者情報のいずれか1つと一致する場合に自動着信を行い、一致しない場合に自動着信を行わない処理は、状態変動の検出結果に応じることを特に必要としないようにすることも可能である。つまり、状態変動の検出結果に関わらず、単に着信許容相手の電話番号と許容可否情報から、特定機能(ハンズフリー着信)しても良い。これにより、クレードルの状態変動が無い場合にも、着信許容相手の電話番号からの着信のみ、ハンズフリー着信等とすることが可能となる。
【0062】
また、携帯電話端末装置1aは、発信者によっても自動着信の利用有無を制御することができる。従って、この側面からも、ユーザの状況に応じた特定機能の利用可否制御を実現できる。
【0063】
[第2実施形態]
第1実施形態にかかる携帯電話端末装置1aは、携帯電話端末装置1a自身がクレードルの状態を検出するためのスイッチ手段(スイッチ部33)を備えていたが、第2実施形態では、クレードル側にスイッチ手段を設ける。また、携帯電話端末装置1aは、自身が設置されたクレードルによって異なる処理を行う。以下、具体的に説明する。
【0064】
図5は、本発明の第2実施形態にかかる携帯電話端末装置1bの機能ブロックを示す概略ブロック図である。同図には、携帯電話端末装置1bの機能ブロックのうち、第2実施形態に直接関係する部分のみを示している。また、同図において、点線はデータの流れを示している。
【0065】
図5に示すように、携帯電話端末装置1bにおいて、主制御部10は、機能部として検出部100、処理部101、及び設備信号入力受付部102を具備して構成される。通信制御部11は、機能部として発信者情報取得部110、自動着信処理部111、及び固有情報取得部112を具備して構成される。メモリ28は、機能部として特定機能処理情報記憶部280、固有情報記憶部282、及び受信中固有情報記憶部283を具備して構成される。以下では、携帯電話端末装置1aとの相違点を中心に説明する。
【0066】
また、図6は、本実施形態にかかるクレードル2bのシステム構成を示す図である。同図に示すように、クレードル2は、制御部201、電源部202、携帯電話端末装置検出スイッチ203、スピーカ208、マイク209、端末接触端子210、自動着信モード手動切替スイッチ211、送信部212、固有情報記憶部213を構成要素として具備して構成される。
【0067】
まず、クレードル2bの構成から説明する。図6に示すように、クレードル2bでは、制御部201以外の各構成要素が、いずれも制御部201に接続されている。制御部201は、各構成要素によって行われる処理の制御や、各構成要素に対する信号の入出力を行う。
【0068】
電源部202は、ACアダプタ(図示せず)を介してAC電源(図示せず)と接続されており、ACアダプタから直流の入力を受け付け、端末接触端子210に出力する。
端末接触端子210は携帯電話端末装置1bのクレードル接続部26と接触しており、電源部202から入力された直流を携帯電話端末装置1bに供給する。こうして供給された直流により、携帯電話端末装置1bは充電される。
【0069】
発光部207は、充電制御部204の制御に従って、赤色発光、緑色発光、又は滅光する。充電制御部204は、取得された携帯電話端末装置1bの端子間電圧が所定値以上である場合に、発光部207に緑色発光させる。また、取得された携帯電話端末装置1bの端子間電圧が所定値未満である場合に、発光部207に赤色発光させる。さらに、端末接触端子210が携帯電話端末装置1bと接触していない場合に、発光部207を滅光させる。
【0070】
制御部201は、マイク209が採取した周囲音を取得し、ノイズを除去した上で、端末接触端子210を介し、携帯電話端末装置1bに対して送信する。携帯電話端末装置1bは、ユーザの選択により、こうして受信される音声信号をマイク21により取得される音声信号に代えて音声処理部20に出力する。
【0071】
また、携帯電話端末装置1bの音声処理部20は、当該携帯電話端末装置1bがクレードル2bに置かれているとき、ユーザの選択により、メモリ28や大容量メモリ27が記憶している音声データや無線部12を介して他の電話から受信される音声データを、スピーカ22−1及びスピーカ22−2ではなく、端末接触端子210を介してクレードル2の制御部201に送信する。制御部201は、こうして受信される音声データを、スピーカ208から出力する。
【0072】
携帯電話端末装置検出スイッチ203は、携帯電話端末装置1bが当該クレードル2bに設置されていることを検出する検出手段として機能する。
図7は、携帯電話端末装置検出スイッチ203の機能を説明するための図である。図7(a)は、携帯電話端末装置1bがクレードル2bに置かれていない状態を上から見た図、図7(b)は、携帯電話端末装置1bがクレードル2bに置かれた状態を上から見た図、図7(c)は、図7(a)のC−C’線断面の端面図、図7(d)は、図7(b)のD−D’線断面の端面図、をそれぞれ示している。
【0073】
図7に示すように、携帯電話端末装置検出スイッチ203は、クレードル2bの携帯電話端末装置1b設置面から突出して設けられており、携帯電話端末装置1bが設置されるとクレードル2b内部に押し込まれるように構成されている。携帯電話端末装置検出スイッチ203は、押し込まれているときにオンになり、押し込まれていないときにオフとなるよう構成されている。そして、携帯電話端末装置検出スイッチ203は、自身がオンとなっているときに、携帯電話端末装置1bが当該クレードル2bに設置されていることを検出する。
【0074】
固有情報記憶部213は、当該クレードル2bの固有情報を記憶する固有情報記憶手段として機能する。この固有情報は、クレードル2bや他の電化製品(洗濯機、ガスコンロ、トイレドアセンサ等)等、通信機能を備えている機器の間で一意に決定されているものであり、一例では、工場出荷時に各機器に書き込まれる。具体的な例を挙げると、MACアドレスをこの固有情報として用いることができる。なお、固有情報記憶部213を書き換え可能に構成してもよく、その場合には、ユーザや携帯電話端末装置1bから設定されるものであるとしてもよい。
【0075】
送信部212は赤外線通信などの近距離通信手段であり、当該クレードル2bに設置されている携帯電話端末装置1bの近距離通信部32に対してデータ送信可能に構成されている。
【0076】
制御部201は、携帯電話端末装置検出スイッチ203により携帯電話端末装置1bが当該クレードル2bに設置されていることが検出されているとき、定期的に、送信部212に、固有情報記憶部213に記憶される固有情報を送信させる。送信部212は、制御部201の指示に従い、固有情報記憶部213に記憶される固有情報を読み出し、読み出した固有情報を含む所定信号(以下、設備信号という。)を、当該クレードル2bに設置されている携帯電話端末装置1bに対して送信する。これにより、送信部212は、携帯電話端末装置検出スイッチ203の検出結果に応じて、当該クレードル2に設置されている携帯電話端末装置1bに対し、設備信号を送信する送信手段として機能する。
【0077】
自動着信モード手動切替スイッチ211は、ユーザによる自動着信可否の切り替えを受け付けるためのスイッチ手段である。
図8は、自動着信モード手動切替スイッチ211の機能を説明するための図である。図8(a)及び(b)は、携帯電話端末装置1bがクレードル2bに置かれている状態を正面から見た斜視図である。また、図8(c)及び(d)は、クレードル2bのみを上から見た平面図である。各図に示すように、自動着信モード手動切替スイッチ211は、クレードル2bの正面に設置されるタブを含み、ユーザ操作により左右に移動可能に構成される。そして、例えばタブが右側に位置しているとき(図8(a)及び(c))にはオンとなり、タブが左側に位置しているとき(図8(b)及び(d))にはオフとなるよう構成されている。
【0078】
また、図9は、別のタイプのクレードル2bにおける自動着信モード手動切替スイッチ211の例を示す図である。図9は、クレードル2bのみを上から見た平面図である。同図の例でも、自動着信モード手動切替スイッチ211は、図8同様タブを含み、ユーザ操作により左右に移動可能に構成される。そのオン/オフも上記と同様である。
【0079】
送信部212は、自動着信モード手動切替スイッチ211の状態に応じて、上記信号を送信する。すなわち、制御部201は、自動着信モード手動切替スイッチ211がオンになっているときに上記設備信号の送信を送信部212に対して指示し、自動着信モード手動切替スイッチ211がオフになっているときには指示しない。その結果、送信部212は、自動着信モード手動切替スイッチ211がオンになっているときのみ、上記設備信号を送信する。
【0080】
次に、携帯電話端末装置1bの構成について説明する。
まず、固有情報記憶部282は、1又は複数のクレードルそれぞれの固有情報を記憶する固有情報記憶手段として機能する。また、固有情報記憶部282は、各固有情報それぞれと関連付けて、自動着信を許容する発信者情報を1又は複数記憶する。なお、固有情報記憶部282の記憶内容は、予めユーザによって設定されるものである。この点の詳細については後述する。
【0081】
設備信号入力受付部102は、近距離通信部32を介して、クレードル2bから上記設備信号の入力を受け付ける。これにより、設備信号入力受付部102は所定信号入力受付手段として機能する。しかしながら、設備信号入力受付部102は全ての設備信号の入力を受け付けるわけではなく、受信された設備信号に固有情報記憶部282に記憶される固有情報が含まれるか否かを判定し、判定結果に応じて該設備信号の入力を受け付ける。すなわち、固有情報記憶部282に記憶される固有情報が含まれている設備信号のみを受け付け、そうでないものは受け付けない。
【0082】
なお、上述したように、クレードル2bは、携帯電話端末装置1bが置かれている間、上記設備信号を定期的に送信している。設備信号入力受付部102は、この送信によって定期的に受信され、順次受け付けている設備信号のうち、最新の設備信号に含まれる固有情報を受信中固有情報記憶部283に記憶させる。
【0083】
検出部100は、設備信号入力受付部102による上記設備信号の受け付けの有無に基づき、クレードル2bの状態の、当該携帯電話端末装置1bが置かれた状態と置かれていない状態の間での変動を検出する。すなわち、検出部100は、設備信号入力受付部102により上記設備信号が定期的に受け付けられている間は、クレードル2bの状態は、当該携帯電話端末装置1bが置かれた状態であると判定する。一方、検出部100は、設備信号入力受付部102により上記設備信号が所定時間以上にわたり受け付けられていないとき、クレードル2bの状態は、当該携帯電話端末装置1bが置かれていない状態であると判定する。
【0084】
検出部100は、第1実施形態で説明したように、設備情報の値を、検出した状態変動に対応する値に変更する処理を行うが、本実施形態では、この設備情報は固有情報ごとに設けられる。検出部100は、受け付けられた設備信号の中に含まれる固有情報を取得し、該固有情報についての設備情報の値を、検出した状態変動に対応する値に変更する。
【0085】
特定機能処理情報記憶部280は、固有情報ごとに、クレードル2bの状態変動を示す設備情報と、この設備情報と関連付けて予めユーザにより選択されている特定機能にかかる処理を示す特定機能処理情報と、を対応付けて記憶する。特定機能処理情報記憶部280の記憶内容も、予めユーザによって設定されるものであり、この点の詳細については後述する。表2には、特定機能処理情報記憶部280の具体的な記憶内容の例を示している。
【0086】
【表2】

【0087】
処理部101は、クレードル2bの状態変動が検出部100により検出された場合に、検出部100から、該クレードル2bの固有情報と、検出された状態変動を示す設備情報(「0」又は「1」)と、を取得する。そして、取得した固有情報について、取得した設備情報と対応付けて記憶される特定機能処理情報を特定機能処理情報記憶部280から読み出し、読み出した特定機能処理情報により示される処理を実施する。処理部101が実施する処理の具体的内容は、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0088】
次に、固有情報取得部112は、当該携帯電話端末装置1bが置かれているクレードル2bの固有情報を取得する固有情報取得手段として機能する。具体的には、主制御部10を介して受信中固有情報記憶部283にアクセスし、そこに記憶される固有情報を取得する。
【0089】
自動着信処理部111は、着信があると、まず発信者情報取得部110から発信者情報を取得する。また、固有情報取得部112に固有情報を取得させ、取得された固有情報を当該自動着信処理部111に出力させる。さらに、取得した発信者情報が、入力された固有情報と関連付けて発信者情報記憶部281に記憶されているか否か、主制御部10を介して固有情報記憶部282にアクセスすることにより、判定する。その結果、発信者情報取得部110により取得された発信者情報が、固有情報取得部112により取得される固有情報と関連付けて固有情報記憶部282に記憶される発信者情報のうちの1つと一致する場合に自動着信を行い、一致しない場合に自動着信を行わない。
【0090】
以上説明した携帯電話端末装置1bの処理を、その処理フローを参照しながら、再度より詳細に説明する。
図10は、携帯電話端末装置1bの処理のうち、特定機能処理情報記憶部280及び固有情報記憶部282の記憶内容のユーザによる設定を受け付ける際の処理の処理フローを示す図である。同図に示すように、携帯電話端末装置1bは、まず固有情報の入力又は選択を受け付ける(ステップS1)。
【0091】
図11(a)(b)は、ステップS1において主制御部10が主表示部16に表示する画面の例である。これらの画面は、主制御部10が、固有情報を有する機器を自動検索するために用いられるものである。
【0092】
まず、図11(a)に示す画面は、固有情報を有する機器を検索するために用いる通信手段をユーザに選択させるための画面である。この例では、ユーザに、Bluetooth、赤外線通信(IrSS/IrDA)、ZiGBee(家電向けの短距離無線通信規格)のうちのいずれかを選択させる。また、ユーザによるIPアドレスの入力も受け付ける。この場合、主制御部10は、入力されたIPアドレスを有する機器を検索する。
【0093】
次に、図11(b)に示す画面は、図11(a)に示す画面で選択された通信手段により検索した結果をユーザに提示するための画面である。同図の例では、3つのクレードルと、洗濯機と、トイレドア(センサー)と、が検索されており、主制御部10は、それぞれの横にその固有情報を記載している。なお、本実施形態においては、主制御部10は、クレードルのみを選択可能とする。
【0094】
図11(b)の画面においていずれかのクレードルが選択されると、主制御部10は次に、発信者情報の入力を受け付ける(ステップS2)。図11(c)は、ユーザにこの入力をさせるための画面である。同図の例は図11(b)の画面において「台所のクレードル」が選択された例であり、主制御部10は、アドレス帳に記憶される発信者情報の一覧を表示している(ただし、実際に表示しているのは発信者情報に対応する氏名である。)。この画面において、ユーザは、発信者情報の選択又は新たな発信者情報の入力を行う。
【0095】
図11(c)の画面において発信者情報の選択又は新たな発信者情報の入力がなされると、主制御部10は次に、実施する特定機能の選択を受け付ける(ステップS3)。図11(d)は、ユーザにこの選択をさせるための画面である。同図の例は図11(c)の画面において「ダイスケ」が選択された例であり、主制御部10は、選択可能な機能の一覧を表示している。なお、この例では、「自動着信」「留守番機能」「ドライブモード」「ガスコンロリモコン」「エアコンリモコン」「温度検出」が表示されているが、これらの表示はいずれも、表示されている特定機能を有効化(実施化)するということを意味している。具体的には、それぞれ「自動着信モードに設定すること」「留守番機能を開始すること」「ドライブモードに設定すること」「ガスコンロリモコン機能を開始すること」「エアコンリモコンを開始すること」「温度検出機能を開始すること」を意味している。なお、「ガスコンロリモコン」「エアコンリモコン」は、携帯電話端末装置1bが「ガスコンロ」や「エアコン」のリモコンとして動作する機能を備えていることを意味している。また、「温度検出」は、携帯電話端末装置1bが気温を測る温度計としての機能を備えていることを意味している。
【0096】
図11(d)の画面において実施機能が選択されると、主制御部10は、特定機能処理情報記憶部280に、選択されたクレードル2bの固有情報について、上記設備情報と、選択された特定機能(例えば「自動着信機能」)にかかる処理を示す特定機能処理情報と、を対応付けて記憶させる(表2)。なお、このとき、主制御部10は、設備情報「0」と特定機能の無効化にかかる処理を示す特定機能処理情報を、設備情報「1」と特定機能の有効化にかかる処理を示す特定機能処理情報を、それぞれ対応付ける。
【0097】
さらに、主制御部10は、固有情報記憶部282に、選択されたクレードル2bの固有情報を記憶させるとともに、該固有情報と関連付けて、選択された発信者情報を記憶させる。
【0098】
次に、図12は、携帯電話端末装置1bの処理のうち、自動着信モード設定解除にかかる処理の処理フローを示す図である。同図に示すように、設備信号入力受付部102は、所定時間間隔で、クレードル2bから上記設備信号の受信を待ち受ける(ステップS11)。そして、設備信号が予定通り受信されたか否かを判定し(ステップS12)、受信されていると判定した場合には、受信された設備信号に含まれる固有情報が固有情報記憶部282に記憶される固有情報であるか否かを判定する(ステップS13)。肯定的な判定結果を得た場合、設備信号入力受付部102は、受信中固有情報記憶部283に、受信された固有情報を記憶させる(ステップS14)。そして、検出部100及び処理部101は、自動着信モード設定のための処理を行う(ステップS15)。
【0099】
一方、ステップS12及びステップS13で否定的な判定結果を得た場合、設備信号入力受付部102は、受信中固有情報記憶部283に固有情報が記憶されている場合、その固有情報を削除する(ステップS16)。そして、検出部100及び処理部101は、自動着信モード解除のための処理を行う(ステップS17)。
【0100】
次に、図13は、携帯電話端末装置1bの処理のうち、着信処理の処理フローを示す図である。なお、この例では、自動着信処理部111が自動着信モードに設定されている場合を取り上げる。
【0101】
図13に示すように、着信がある(ステップS21)と、発信者情報取得部110がまず発信者情報を取得する(ステップS22)。そして、自動着信処理部111は、ステップS22において取得された発信者情報が、受信中固有情報記憶部283に記憶される固有情報と関連付けて固有情報記憶部282に記憶されているか否かを判定する。その結果、肯定的な判定結果を得た場合、自動着信処理部111は自動着信モードで着信処理を行う。一方、否定的な判定結果を得た場合、自動着信処理部111は手動着信モードで着信処理を行う。
【0102】
以上説明したように、携帯電話端末装置1bは、クレードル2bの状態変動の検出結果に応じて特定機能にかかる処理(例えば自動着信モードの設定や解除)を行うことができる。また、携帯電話端末装置1bは、特定のクレードル2bに設置されているときにのみ、特定機能にかかる処理を行うようにすることができる。また、クレードル2bによって異なる処理を行うことも可能である。
【0103】
また、クレードル2bの自動着信モード手動切替スイッチ211をオフにすることによって、携帯電話端末装置1bにおいて自動着信が行われないようにすることができる。
さらに、発信者によって自動着信の実施有無を制御することも可能になっている。
【0104】
なお、本実施形態では、クレードル2bから携帯電話端末装置1bへの設備信号送信に近距離通信手段を用いたが、例えば端末接触端子210経由で優先通信により送信することとしてもよい。この場合、設備信号は、携帯電話端末装置1bがクレードル2b上に置かれないと送信され得ず、設備信号を送信できていること自体が、携帯電話端末装置1bがクレードル2b上に置かれていることの検出になるので、携帯電話端末装置検出スイッチ203を含まない構成とすることも可能である。
【0105】
また、クレードル2bを携帯電話端末装置1b以外の他の装置(例えばパソコン)とも通信可能に構成してもよい。そして、その他の装置から、クレードル2b経由で、携帯電話端末装置1bの着信モードを切替可能に構成してもよい。具体的には、クレードル2bが、上記設備信号の送信を他の装置からの制御に応じて行うことで、実現できる。
【0106】
また、特定機能処理情報記憶部280において、固有情報及び発信者情報ごとに、上記設備情報と、選択された特定機能(例えば「自動着信機能」)にかかる処理と、を対応付けて記憶させることとしてもよい。こうすれば、携帯電話端末装置1bは、固有情報ごとだけでなく、発信者ごとにも異なる処理を行うことができるようになる。
【0107】
[第3実施形態]
第2実施形態では、設備としてクレードルのみを対象にして説明したが、実際には、図11でも示したような各種の設備(洗濯機、トイレドア、ガスコンロ等)を本発明にかかる設備として利用できる。本実施形態では、このような場合にも対応可能な携帯電話端末装置1cについて説明する。なお、携帯電話端末装置1cの機能ブロック図は、携帯電話端末装置1bと同様である。以下では、携帯電話端末装置1a及び携帯電話端末装置1bとの相違点を中心に説明する。
【0108】
固有情報記憶部213は、クレードルだけでなく、その他の各設備の状態を検出する各機器(トイレドアセンサ等)にかかる固有情報も記憶する。また、固有情報ごとに、クレードルのものか、クレードル以外のものか、を示すクレードル情報(1ビットの情報)も併せて記憶する。
【0109】
検出部100は、設備信号入力受付部102による上記設備信号の受け付けの有無に基づき、クレードル又はクレードル以外の設備の状態変動を検出する。なお、検出部100は、状態変動が検出された設備がクレードルであるか否かを、固有情報記憶部213に記憶されるクレードル情報を参照することにより判定する。
【0110】
検出部100がクレードルの状態変動を検出した場合の各部の処理は、第1実施形態及び第2実施形態で説明した通りである。
【0111】
以下、検出部100がクレードル以外の設備の状態変動を検出した場合の処理について説明する。
まず、クレードル以外の設備の状態変動については、上述した設備情報を用いない。特定機能処理情報記憶部280は、クレードル以外の設備についての固有情報ごとに、特定機能にかかる処理を示す特定機能処理情報と、を対応付けて記憶する。表3には、特定機能処理情報記憶部280の具体的な記憶内容の例を示している。同表にも示すように、クレードル以外の設備についての特定機能にかかる処理は、特定機能を一時的に無効化(解除又は終了)する処理である。
【0112】
【表3】

【0113】
処理部101は、クレードル以外の設備の状態変動が検出部100により検出された場合に、検出部100から、該設備の固有情報を取得する。そして、取得した固有情報について記憶される特定機能処理情報を特定機能処理情報記憶部280から読み出し、読み出した特定機能処理情報により示される処理を実施する。
【0114】
一例を挙げると、処理部101は、検出部100によりクレードル以外の設備の状態変動が検出された場合(すなわち、設備信号入力受付部102によりクレードル以外の設備にかかる設備信号が受け付けられた場合)に、自動着信処理部111の自動着信モードを一時的に解除する。そして、所定時間後に、自動着信モードの設定を行う。これにより、クレードル以外の状態変動が検出された場合に、自動着信モードが一時的に解除されることになる。
【0115】
他の具体的な例を挙げて説明しておく。1つの例では、トイレドアが上記設備である。トイレドアにはドアの開閉を検出するトイレドアセンサが設置されており、このトイレドアセンサは、トイレドアが開けられると、上記設備信号を送信する。これにより、トイレドアが開けられた後、一時的に、自動着信モードが解除されることになる。
【0116】
また、別の例では、ガスコンロが上記設備である。ガスコンロには点火されたことを検出するセンサーが取り付けられており、このセンサーは、ガスコンロが点火されると、上記設備信号を送信する。これにより、ガスコンロが点火された後、一時的に、自動着信モードが解除されることになる。
【0117】
以上説明した携帯電話端末装置1cの処理を、その処理フローを参照しながら、再度より詳細に説明する。
図14は、携帯電話端末装置1cの処理のうち、自動着信モード一時解除にかかる処理の処理フローを示す図である。同図に示すように、設備信号入力受付部102は、各設備から上記設備信号の受信を待ち受ける(ステップS31)。そして、検出部100は、設備信号が受信されると、その設備信号に含まれる固有情報が、固有情報記憶部282においてクレードル以外の固有情報として記憶されているものであるか否かを判定する(ステップS32)。否定的な判定結果が得られた場合、検出部100は、処理を図12に示したような自動着信モード設定解除処理に移行させる。一方、肯定的な判定結果が得られた場合、処理部101は、自動着信モードを一時解除し(ステップS33)、所定時間が経過するまで待機する(ステップS34)。所定時間が経過したら、自動着信モードの一時解除を終了する(ステップS35)。
以上説明したように、本実施形態によれば、クレードル以外の設備にも対応可能な携帯電話端末装置1cを提供することができる。
【0118】
[第4実施形態]
本実施形態では、自動着信を行う際、発信側の了解を得ることのできる携帯電話端末装置1dについて説明する。
【0119】
図15は、携帯電話端末装置1dの機能ブロックを示す図である。同図には、携帯電話端末装置1dの機能ブロックのうち、第4実施形態に直接関係する部分のみを示している。また、同図において、点線はデータの流れを示している。
【0120】
図15に示すように、携帯電話端末装置1dは、携帯電話端末装置1aにおいて、自動着信処理部111の内部に、自動着信実施通知情報送信部1110、自動着信許否情報受信部1111、自動着信実施制御部1112を具備したものである。以下では、これらの追加構成について説明する。
【0121】
まず、自動着信実施通知情報送信部1110は、自動着信モードにおいて自動着信を行おうとする場合(自動着信モードに設定されている場合)に、発信者電話に対して当該携帯電話端末装置1dにおいて自動着信が行われる旨を示す自動着信実施確認情報を送信する自動着信実施確認情報送信手段として機能する。なお、自動着信実施通知情報送信部1110は、着信処理の際に発信者に対して送信する制御信号のひとつとして自動着信実施確認情報を送信することとしてもよいし、メールにより自動着信実施確認情報を送信することとしてもよい。
【0122】
発信者電話は、上記自動着信実施確認情報を受信すると、自動着信を許容するか否かをユーザに対して問い合わせる。例えば、この問い合わせを行うための画面表示を行い、ユーザに自動着信を許容するか否かを選択させる。発信者電話は、ユーザによる回答を取得すると、その回答を示す自動着信許否情報を返信する。
【0123】
自動着信許否情報受信部1111は、発信者電話から、自動着信を許容するか否かを示す自動着信許否情報を受信する自動着信許否情報受信手段として機能する。そして、自動着信実施制御部1112は、自動着信許否情報受信部1111により受信された自動着信許否情報に応じて、自動着信の実施制御を行う自動着信実施制御手段として機能する。
【0124】
具体的には、自動着信許否情報受信部1111により受信された自動着信許否情報が、自動着信を許容することを示している場合、自動着信実施制御部1112は自動着信処理を行う。一方、自動着信許否情報受信部1111により受信された自動着信許否情報が、自動着信を許容しないことを示している場合、自動着信実施制御部1112は自動着信処理を行わず、手動による着信処理を行う。
【0125】
以上説明した携帯電話端末装置1d及び発信者電話の処理を、その処理フローを参照しながら、再度より詳細に説明する。
図16は、携帯電話端末装置1dの処理フローを示す図である。同図に示すように、自動着信処理部111は、まず、着信を検出する(ステップS41)。そして、着信した場合、自動着信モードが設定されているか否かを判定する(ステップS42)。設定されていないと判定した場合には、自動着信処理部111は、手動着信モードでの着信処理を行う(ステップS49)。一方、設定されていると判定した場合には、自動着信処理部111は、発信者情報取得部110により取得されている発信者情報を取得する(ステップS43)。
【0126】
次に、自動着信処理部111は、取得された発信者情報が発信者情報記憶部281に記憶されているか否かを判定し、記憶されていなければ手動着信モードでの着信処理を行う(ステップS49)。記憶されていれば、自動着信実施通知情報送信部1110が、自動着信実施通知情報を発信者電話に対して送信する(ステップS45)。
【0127】
そして、自動着信許否情報受信部1111によって発信者電話から自動着信許否情報が受信される(ステップS46)と、自動着信実施制御部1112は、受信された自動着信許否情報に基づき、自動着信が許容されたか否かを判定する(ステップS47)。その結果、自動着信が許容されたと判定した場合、自動着信実施制御部1112は、自動着信モードでの着信処理を行う(ステップS48)。一方、自動着信が許容されなかったと判定した場合、自動着信実施制御部1112は、手動着信モードでの着信処理を行う(ステップS49)。
この場合も、前述した実施形態の場合と同様に、自動着信処理部111はその内部にスピーカ選択処理部1116(出力制御手段、図示せず)と音量制御部1117(出力制御手段、図示せず)を備えている。そして、自動着信モードに設定されているときには、着信があった場合、スピーカ選択処理部1116がハンズフリー通話用のスピーカ22−1を有効にし、また音量制御部1117はハンズフリー通話用のスピーカからの出力音量が比較的大きくなるように音声処理部20に対して制御信号を送る。一方、手動着信モードに設定されているときには、着信があった場合、スピーカ選択処理部1116が受話器用のスピーカ22−2を有効にし、また音量制御部1117はスピーカ22−2からの出力音量が比較的小さくなるように音声処理部20に対して制御信号を送る。つまり、スピーカ選択処理部1116は、自動着信モードが設定されているか否か(つまり手動着信モードが設定されているか)に応じて、受話音声を出力するための複数のスピーカからいずれかを選択的に有効にする。また、音量制御部1117は、自動着信モードが設定されているか否か(つまり手動着信モードが設定されているか)に応じて、受話音声を出力する音量を変化させる。なお、音量制御部1117による制御の詳細は、前述の実施形態のそれと同様である。
なお、本実施形態の変形例として、音声の出力を制御する手段として、スピーカ選択処理部1116あるいは音量制御部1117の、少なくともいずれか一方のみを備える構成としても良い。
【0128】
次に、図17は、発信者電話の処理フローを示す図である。同図に示すように、発信者電話は、まず携帯電話端末装置1dに対して発信する(ステップS51)。そして、自動着信実施通知情報が受信される(ステップS52)と、ユーザに着信モードを選択させ(ステップS53)、その結果、自動着信モードが選択された場合には自動着信を許容することを示す自動着信許否情報を、手動着信モードが選択された場合には自動着信を許容しないことを示す自動着信許否情報を、送信する。
以上説明したように、本実施形態によれば、自動着信を行う際、発信側の意志を、自動着信を行うか否かの判定に反映させることが可能となる。
【0129】
図18は、上述した各実施形態における携帯電話端末装置の外観を示す概略図である。図示するように、この携帯電話端末装置はヒンジ機構により二つ折り可能な構造となっており、同図左側は二つ折りされた際に内側となる側を示し、同図右側は二つ折りされた際に外側となる側を示す。この携帯電話端末装置は、同図右側に示すように、メインカメラ501と、カメラ用のフラッシュ(発光装置)502と、サブ表示画面503と、テレビ受信用アンテナ504とを備えている。また、この携帯電話端末装置は、同図左側に示すように、メイン画面511と、サブカメラ512と、スピーカ513と、テンキー514(「*」キーおよび「#」キーを含む)と、カーソルキー515と、決定キー516と、その他のファンクションキー517と、マイク518とを備えている。
【0130】
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
【0131】
例えば、携帯電話端末装置1の各機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、上記各処理を行ってもよい。
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、この「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
さらに、上記プログラムは、上述した各機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した各機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の実施の形態にかかる携帯電話端末装置の全体のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる携帯電話端末装置をクレードルの上に置いた状態を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる携帯電話端末装置の機能ブロックを示す概略ブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかるスイッチ部の機能を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる携帯電話端末装置の機能ブロックを示す概略ブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかるクレードルのシステム構成を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる携帯電話端末装置検出スイッチの機能を説明するための図である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる自動着信モード手動切替スイッチの機能を説明するための図である。
【図9】本発明の第2実施形態にかかる別のタイプのクレードルにおける自動着信モード手動切替スイッチの例を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかる携帯電話端末装置の処理のうち、特定機能処理情報記憶部及び固有情報記憶部の記憶内容のユーザによる設定を受け付ける際の処理の処理フローを示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態にかかる携帯電話端末装置の処理において、主制御部が主表示部に表示する画面の例である。
【図12】本発明の第2実施形態にかかる携帯電話端末装置の処理のうち、自動着信モード設定解除にかかる処理の処理フローを示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態にかかる携帯電話端末装置の処理のうち、着信処理の処理フローを示す図である。
【図14】本発明の第3実施形態にかかる携帯電話端末装置の処理のうち、自動着信モード一時解除にかかる処理の処理フローを示す図である。
【図15】本発明の第4実施形態にかかる携帯電話端末装置の機能ブロックを示す図である。
【図16】本発明の第4実施形態にかかる携帯電話端末装置の処理フローを示す図である。
【図17】本発明に関する発信者側電話の処理フローを示す図である。
【図18】本発明の各実施形態にかかる携帯電話端末装置の外観を示す概略図である。
【符号の説明】
【0133】
1,1a,1b,1c,1d 携帯電話端末装置、
2,2a,2b クレードル(外部設備)、
10 主制御部、
11 通信制御部、
12 無線部、
13 プログラムメモリ、
14 操作部、
15 主カメラ、
16 主表示部、
17 副表示部、
18 振動センサー、
19 機能部、
20 音声処理部、
21,209 マイク、
22−1,22−2,208 スピーカ、
23 RFIDリーダー、
24 電源制御部、
25 電池、
26 クレードル接続部、
27 大容量メモリ、
28 メモリ、
29 インジケータ、
30 Ir受信部、
31 Ir送信部、
32 近距離通信部、
33 スイッチ部(スイッチ手段)、
100 検出部(検出手段)、
101 処理部(処理手段)、
102 設備信号入力受付部(所定信号入力受付手段)、
110 発信者情報取得部(発信者情報取得手段)、
111 自動着信処理部(自動着信処理手段)、
112 固有情報取得部(固有情報取得手段)、
200 突起物、
201 制御部、
202 電源部、
203 携帯電話端末装置検出スイッチ(検出手段)、
204 充電制御部、
205 整流部、
206 入力フィルタ部、
207 発光部、
210 端末接触端子、
211 自動着信モード手動切替スイッチ(スイッチ手段)、
212 送信部(送信手段)、
213 固有情報記憶部(固有情報記憶手段)、
280 特定機能処理情報記憶部(特定機能処理情報記憶手段)、
281 発信者情報記憶部(発信者情報記憶手段)、
282 固有情報記憶部(固有情報記憶手段)、
283 受信中固有情報記憶部、
1110 自動着信実施通知情報送信部(自動着信実施確認情報送信手段)、
1111 自動着信許否情報受信部(自動着信許否情報受信手段)、
1112 自動着信実施制御部(自動着信実施制御手段)、
1116 スピーカ選択処理部(出力制御手段)、
1117 音量制御部(出力制御手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部設備からの状態変動を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に応じて、特定機能にかかる処理を実施する処理手段と、
を具備することを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯電話端末装置において、
前記特定機能は自動着信機能であり、
前記特定機能にかかる処理は、自動着信モードを設定し又は解除する処理である、
ことを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯電話端末装置において、
前記外部設備はクレードルであり、
前記検出手段は、前記クレードルからの状態変動であって当該携帯電話端末装置が置かれているか否かの状態の変動を検出し、
前記処理手段は、前記クレードルの状態が当該携帯電話端末装置が置かれた状態となった場合に自動着信モードを設定し、前記クレードルの状態が当該携帯電話端末装置が置かれていない状態となった場合に自動着信モードを解除する、
ことを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯電話端末装置において、
前記クレードルから所定信号の入力を受け付ける所定信号入力受付手段、
を具備し、
前記検出手段は、前記所定信号入力受付手段による前記所定信号の受け付けの有無に基づき、前記クレードルの状態の、当該携帯電話端末装置が置かれた状態と置かれていない状態の間での変動を検出する、
ことを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯電話端末装置において、
前記所定信号には前記クレードルの固有情報が含まれ、
当該携帯電話端末装置は、
1又は複数のクレードルそれぞれの固有情報を記憶する固有情報記憶手段、
を具備し、
前記所定信号入力受付手段は、前記所定信号に前記固有情報記憶手段に記憶される固有情報が含まれるか否かを判定し、判定結果に応じて該所定信号の入力を受け付ける、
ことを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯電話端末装置において、
前記固有情報記憶手段は、前記各固有情報それぞれと関連付けて、自動着信を許容する発信者情報を1又は複数記憶し、
当該携帯電話端末装置は、
着信時に、発信者情報を取得する発信者情報取得手段と、
当該携帯電話端末装置が置かれているクレードルの固有情報を取得する固有情報取得手段と、
前記発信者情報取得手段により取得された発信者情報が前記固有情報取得手段により取得される固有情報と関連付けて前記固有情報記憶手段に記憶される発信者情報のうちの1つと一致する場合に自動着信を行い、一致しない場合に自動着信を行わない自動着信処理手段と、
を具備する、
ことを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の携帯電話端末装置において、
前記固有情報ごとに、前記特定機能にかかる処理を示す特定機能処理情報と、前記設備の状態変動を示す設備情報と、を対応付けて記憶する特定機能処理情報記憶手段、
を具備し、
前記処理手段は、前記状態変動が前記検出手段により検出された場合に、前記所定信号入力受付手段により受け付けられた固有情報について、該状態変動を示す前記設備情報と対応付けて記憶される前記特定機能処理情報により示される処理を実施する、
ことを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項8】
請求項3に記載の携帯電話端末装置において、
当該携帯電話端末装置が前記クレードルに置かれた場合にオンとなり、置かれていない場合にオフとなるスイッチ手段、
を具備し、
前記検出手段は、前記スイッチ手段のオン/オフ状態に基づき、前記クレードルの状態の、当該携帯電話端末装置が置かれた状態と置かれていない状態の間での変動を検出する、
ことを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項9】
請求項2から8までのいずれか一項に記載の携帯電話端末装置において、
自動着信モードが設定されているか否かに応じて受話音声を出力する音量を変化させる機能、又は自動着信モードが設定されているか否かに応じて受話音声を出力するための複数のスピーカからいずれかを選択的に有効にする機能、の少なくともいずれか一方を有する出力制御手段、
を具備することを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項10】
請求項1に記載の携帯電話端末装置において、
前記特定機能は自動着信機能であり、
前記特定機能にかかる処理は、自動着信モードを一時的に解除する処理であり、
前記処理手段は、前記検出手段の検出結果に応じて自動着信モードを一時的に解除した場合、所定時間後に、自動着信モードの設定を行う、
ことを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項11】
請求項1から6まで、8、又は10のいずれか1項に記載の携帯電話端末装置において、
自動着信を許容する発信者情報を1又は複数記憶する発信者情報記憶手段と、
着信時に、発信者情報を取得する発信者情報取得手段と、
前記発信者情報取得手段により取得された発信者情報が前記発信者記憶手段に記憶される発信者情報と一致する場合に自動着信を行い、一致しない場合に自動着信を行わない自動着信処理手段と、
を具備することを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の携帯電話端末装置において、
自動着信モードにおいて自動着信を行おうとする場合に、発信者電話に対して当該携帯電話端末装置において自動着信が行われる旨を示す自動着信実施確認情報を送信する自動着信実施確認情報送信手段と、
前記発信者電話から、自動着信を許容するか否かを示す自動着信許否情報を受信する自動着信許否情報受信手段と、
前記自動着信許否情報受信手段により受信された自動着信許否情報に応じて、自動着信の実施制御を行う自動着信実施制御手段と、
を具備することを特徴とする携帯電話端末装置。
【請求項13】
携帯電話端末装置の卓上設置台として機能するクレードルであって、
前記携帯電話端末装置が当該クレードルに設置されていることを検出する検出手段と、
当該クレードルの固有情報を記憶する固有情報記憶手段と、
前記検出手段の検出結果に応じて、当該クレードルに設置されている前記携帯電話端末装置に対し、前記記憶手段に記憶される前記固有情報を含む信号を送信する送信手段と、
を具備することを特徴とするクレードル。
【請求項14】
請求項13に記載のクレードルにおいて、
ユーザによる自動着信可否の切り替えを受け付けるためのスイッチ手段、
を備え、
前記送信手段は、前記スイッチ手段の状態に応じて、前記信号を送信する、
ことを特徴とするクレードル。
【請求項15】
携帯電話端末装置において、特定機能にかかる処理を実施するための特定機能処理実施方法であって、
設備の状態変動を検出する検出ステップと、
前記検出手段の検出結果に応じて、特定機能にかかる処理を実施する処理ステップと、
を具備することを特徴とする特定機能処理実施方法。
【請求項16】
設備の状態変動を検出する検出手段、及び
前記検出手段の検出結果に応じて、特定機能にかかる処理を実施する処理手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−200998(P2009−200998A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42563(P2008−42563)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】