説明

携帯電話

【課題】 通話の前後を問わず、かつ必要なときに限りメモ帳を迅速に起動することができる携帯電話を提供する。
【解決手段】 表示部6は、携帯電話の画面を表示する。タブレット5は、表示部6と一体形成される。メモ帳機能部9は、ユーザによるタブレット5へのメモの入力を受付けて、入力されたメモを表わす画像データを表示部6に表示する。メモ帳起動部3は、通話中または待機中に、ユーザによるタブレット5へのメモの入力の開始動作がなされたことを判定したときに、メモ帳機能部9を起動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話に関し、特にメモ帳の機能を有する携帯電話に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、メモ帳の機能を有する携帯電話が提案されている。メモ帳の機能を利用することによって、ユーザは、通話中に通話内容をその場でメモすることができる。
【0003】
ところで、メモ帳の起動を簡便にした方法が提案されている。たとえば、特許文献1では、手動で受話器をとることで、受話器の通話開始操作検知手段であるフック検知部3によりメモ入力部の起動部4が働きメモ手帳部2の機能を立ち上がらせる。このことでペン入力装置6により表示部7に即座に入力可能になり、通話終了後は入力された情報が自動的にメモ記憶部8に記憶される。
【特許文献1】特開平8−154115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のメモ帳の起動方法では、通話開始時に、必ずメモ帳が起動されるので、メモを取る必要のないときでも勝手に起動されると煩わしい。また、メモ帳の起動のための時間が長い場合には、即座に通話内容をメモすることができない。
【0005】
また、ユーザは、通話時に通話内容をメモするだけでなく、通話していないとき(待受け中)に、思いついたアイデアをメモしたい場合があるが、特許文献1のメモ帳起動方法では、それはできない。
【0006】
それゆえに、本発明の目的は、通話の前後を問わず、かつ必要なときに限りメモ帳を迅速に起動することができる携帯電話を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の携帯電話は、画面を表示するための表示部と、表示部と一体形成されたタブレットと、ユーザによるタブレットへのメモの入力を受付けて、入力されたメモを表わす画像データを表示部に表示するメモ帳機能部と、通話中または待機中に、ユーザによるタブレットへのメモの入力の開始動作がなされたことを判定したときに、メモ帳機能部を起動する。
【0008】
好ましくは、タブレットは、入力ペンの位置を電磁誘導方式または超音波方式で検出し、メモ帳起動部は、タブレットへの入力ペンの近接を検出したときに、メモの入力の開始動作がなされたと判定して、メモ帳機能部を起動する。
【0009】
好ましくは、タブレットは、入力ペンまたはユーザの指の位置を感圧方式で検出し、メモ帳起動部は、タブレットに所定の文字、図形および記号の少なくともいずれかが入力されたことを検出したときに、メモの入力の開始動作がなされたと判定して、メモ帳機能部を起動する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の携帯電話によれば、通話の前後を問わず、かつ必要なときに限りメモ帳を迅速に起動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話の機能ブロック図である。
【0013】
図1を参照して、携帯電話1は、電話機能部2と、メモ帳機能部9と、メモ帳起動部3と、メモ保存部7と、デジタイザ8と、表示部6とを備える。
【0014】
電話機能部1は、通話などの電話の機能を実行する。
【0015】
メモ帳機能部9は、携帯電話のアプリケーションの1つであり、起動するとメモ入力画面を表示部6に表示する。メモ帳機能部9は、メモ入力画面内に、デジタイザ8によってユーザが入力したメモを表わす画像データを表示する。
【0016】
図2(a)は、待受け画面の例を表わす図である。
【0017】
図2(b)は、待受け中にメモ帳機能部9が起動されて、メモ入力画面内に入力されたメモを表わす画像データを表わす図である。
【0018】
図2(b)に示すように、ユーザは、待受け中に思いついたアイデアをメモすることができる。また、ユーザは、保存メニューを選択することによって、入力されたメモを表わす画像データの保存を指示することができ、終了メニューを選択することによって、メモ帳機能部9を終了することができる。
【0019】
図3(a)は、通話中の画面の例を表わす図である。
【0020】
図3(b)は、通話中にメモ帳機能部9が起動されて、メモ入力画面内に入力されたメモを表わす画像データを表わす図である。
【0021】
図3(b)に示すように、ユーザは、通話中に通話内容をメモすることができる。
【0022】
デジタイザ8は、電磁誘導を利用したもので、入力ペン4およびタブレット5を含む。
【0023】
入力ペン4は、送信用コイルを備え、送信用コイルから連続的に交流磁界を発生される。
【0024】
タブレット5は、表示部6の裏面に配置され、表示部6と一体形成されている。タブレット5は、互いに直交する2次元(X軸、Y軸)方向に、平行に並べられた複数の長方形アンテナコイルを有する。電子ペンが最も近いアンテナコイルからは最も強い信号が検出され、それに隣接するアンテナコイルからは比較的弱い信号が検出されるので、入力ペン4の2次元(X軸、Y軸)位置を検出することができる。
【0025】
表示部6は、液晶ディスプレイであり、メモ入力画面などを表示する。
【0026】
メモ保存部7は、ユーザが、メモ帳機能部9のメモ入力画面に入力したメモを表わす画像データを保存する。
【0027】
メモ帳起動部3は、メモ帳機能部9が起動されていないときに、タブレット5への入力ペン4の近接を検出したとき(すなわち、タブレット5のアンテナコイルが入力ペン4が発生した磁界を検出したとき)、ユーザによるタブレット5へのメモの入力の開始動作がなされたと判定して、メモ帳機能部9を起動する。
【0028】
(動作)
図4は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話のメモ帳機能の動作手順を表わすフローチャートである。
【0029】
メモ帳起動部3は、メモ帳機能部9が起動されていないときに(ステップS101でYES)、タブレット5への入力ペン4の近接を検出したときに(ステップS102でYES)、メモ帳機能部9を起動する(ステップS103)。
【0030】
メモ帳機能部9は、タブレット5のメモ入力画面内への入力ペン4による入力を検出すると、検出した入力に基づいて、メモを表わす画像データを表示部6のメモ入力画面に表示する(ステップS104)。
【0031】
メモ帳機能部9は、保存が指示されたときには(ステップS105でYES)、メモを表わす画像データをメモ保存部7に保存する(ステップS106)。
【0032】
メモ帳機能部9は、終了が指示されたときには(ステップS107でYES)、終了する。
【0033】
以上のように、第1の実施形態の携帯電話によれば、メモ帳起動部3が、タブレット5への入力ペン4の近接を検出したときに、ユーザによるタブレット5へのメモの入力の開始動作がなされたと判定して、メモ帳機能部9を起動するので、通話の前後を問わず、かつ必要なときに限りメモ帳を迅速に起動することができる。
【0034】
[第1の実施形態の変形例]
第1の実施形態では、電磁誘導方式のデジタイザを用いたが、これに限定するものではない。たとえば超音波方式のデジタイザを用いてもよい。超音波方式のデジタイザでは、2箇所に配置された超音波センサが電子ペンから発信された超音波を検出する。2箇所の超音波センサでの超音波を検出した時刻を用いて三角測量によって電子ペンの位置を知ることができる。
【0035】
[第2の実施形態]
(構成)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話の機能ブロック図である。
【0036】
図5を参照して、この携帯電話11が、図1に示す第1の実施形態の携帯電話1と相違する点は、デジタイザ18の構成と、メモ帳起動部13の機能である。
【0037】
デジタイザ18は、タブレット15を含み、タブレット15は、入力ペンまたはユーザの指の位置を感圧方式で検出する。
【0038】
メモ帳起動部13は、メモ帳機能部9が起動されていないときに、タブレット15に所定の文字、図形および記号の少なくともいずれかが入力されことを検出したときに、ユーザによるタブレット15へのメモの入力の開始動作がなされたと判定して、メモ帳機能部9を起動する。
【0039】
図6(a)は、メモの入力開始動作がなされたと判定される文字の入力の例を表わす図である。
【0040】
図6(a)に示すように、“メ”の文字の入力によって、ユーザによるタブレット15へのメモの入力の開示動作がなされたと判定される。
【0041】
図6(b)は、メモの入力開始動作がなされたと判定される図形の入力の例を表わす図である。
【0042】
図6(b)に示すように、“△”の図形の入力によって、ユーザによるタブレット15へのメモの入力の開示動作がなされたと判定される。
【0043】
図6(c)は、メモの入力開始動作がなされたと判定される記号の入力の例を表わす図である。
【0044】
図6(c)に示すように、チェックを表わす記号の入力によって、ユーザによるタブレット15へのメモの入力の開示動作がなされたと判定される。
【0045】
(動作)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話のメモ帳機能の動作手順を表わすフローチャートである。
【0046】
図7を参照して、メモ帳起動部13は、メモ帳機能部9が起動されていないときに(ステップS101でYES)、タブレット15へ所定の文字、図形および記号の少なくともいずれかが入力されたことを検出したときに(ステップS202でYES)、メモ帳機能部9を起動する(ステップS103)。
【0047】
メモ帳機能部9は、タブレット15のメモ入力画面内への入力ペンまたはユーザの指による入力を検出すると、検出した入力に基づいて、メモを表わす画像データを表示部6のメモ入力画面に表示する(ステップS104)。
【0048】
メモ帳機能部9は、保存が指示されたときには(ステップS105でYES)、メモを表わす画像データをメモ保存部7に保存する(ステップS106)。
【0049】
メモ帳機能部9は、終了が指示されたときには(ステップS107でYES)、終了する。
【0050】
以上のように、第2の実施形態の携帯電話によれば、メモ帳起動部13が、タブレット15に所定の文字、図形および記号の少なくともいずれかが入力されことを検出したときに、ユーザによるタブレット15へのメモの入力の開始動作がなされたと判定して、メモ帳機能部9を起動するので、通話の前後を問わず、かつ必要なときに限りメモ帳を迅速に起動することができる。
【0051】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話の機能ブロック図である。
【図2】(a)は、待受け画面の例を表わす図であり、(b)は、待受け中にメモ帳機能部9が起動されて、メモ入力画面内に入力されたメモを表わす画像データを表わす図である。
【図3】(a)は、通話中の画面の例を表わす図であり、(b)は、通話中にメモ帳機能部9が起動されて、メモ入力画面内に入力されたメモを表わす画像データを表わす図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話のメモ帳機能の動作手順を表わすフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話の機能ブロック図である。
【図6】(a)は、メモの入力開始動作がなされたと判定される文字の入力の例を表わす図であり、(b)は、メモの入力開始動作がなされたと判定される図形の入力の例を表わす図であり、(c)は、メモの入力開始動作がなされたと判定される記号の入力の例を表わす図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話のメモ帳機能の動作手順を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
1,11 携帯電話、2 電話機能部、3,13 メモ帳起動部、4 入力ペン、5,15 タブレット、6 表示部、7 メモ保存部、8,18 デジタイザ、9 メモ帳機能部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を表示するための表示部と、
前記表示部と一体形成されたタブレットと、
ユーザによる前記タブレットへのメモの入力を受付けて、前記入力されたメモを表わす画像データを前記表示部に表示するメモ帳機能部と、
通話中または待機中に、ユーザによる前記タブレットへのメモの入力の開始動作がなされたことを判定したときに、前記メモ帳機能部を起動するメモ帳起動部とを備えた携帯電話。
【請求項2】
前記タブレットは、入力ペンの位置を電磁誘導方式または超音波方式で検出し、
前記メモ帳起動部は、通話中または待機中に、前記タブレットへの前記入力ペンの近接を検出したときに、前記メモの入力の開始動作がなされたと判定して、前記メモ帳機能部を起動する、請求項1記載の携帯電話。
【請求項3】
前記タブレットは、入力ペンまたはユーザの指の位置を感圧方式で検出し、
前記メモ帳起動部は、前記タブレットに所定の文字、図形および記号の少なくともいずれかが入力されたことを検出したときに、前記メモの入力の開始動作がなされたと判定して、前記メモ帳機能部を起動する、請求項1記載の携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−279704(P2006−279704A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−97841(P2005−97841)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】