撮像方向制御装置、遠隔会議装置、撮像方向制御方法及び撮像方向制御プログラム
【課題】属性が共通する会議参加者を容易且つ迅速に表示するように撮像方向を制御できる撮像方向制御装置、遠隔会議装置、撮像方向制御方法及び撮像方向制御プログラムを提供すること。
【解決手段】撮像方向制御装置によって、会議参加者が誰であるのかが特定される(S12)。各会議参加者を撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報が特定される(S13)。その特定撮像方向情報は、「役職」ごとに記憶される(S14)。「役職」を示す属性情報が入力された場合には(S15:YES)、その属性情報で示される「役職」に対応付けて記憶されている特定撮像方向情報が、撮像方向制御装置によって各遠隔会議装置に送信される(S16〜S18)。各遠隔会議装置によって、その特定撮像方向情報で示される撮像方向となるように、撮像装置の撮像方向が切り替えられる。
【解決手段】撮像方向制御装置によって、会議参加者が誰であるのかが特定される(S12)。各会議参加者を撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報が特定される(S13)。その特定撮像方向情報は、「役職」ごとに記憶される(S14)。「役職」を示す属性情報が入力された場合には(S15:YES)、その属性情報で示される「役職」に対応付けて記憶されている特定撮像方向情報が、撮像方向制御装置によって各遠隔会議装置に送信される(S16〜S18)。各遠隔会議装置によって、その特定撮像方向情報で示される撮像方向となるように、撮像装置の撮像方向が切り替えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の拠点に居る会議参加者を撮像して、ネットワークを介して、その撮像した会議参加者を表示して実施される遠隔会議において、撮像方向を制御する撮像方向制御装置、遠隔会議装置、撮像方向制御方法及び撮像方向制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遠隔会議装置を複数の拠点に設置して、複数の拠点間での遠隔会議が実施されることが多くなってきている。この遠隔会議装置は、遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段を備えている。そして、撮像手段が撮像した会議参加者の画像を、ネットワークを介して、他の遠隔会議装置に送信するとともに、他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を表示する。したがって、各拠点の会議参加者は、他の拠点の会議参加者の様子を把握しながら遠隔会議に参加できる。
【0003】
また、例えば、会話中の会議参加者のような特定の会議参加者を撮像手段によって撮像するために、撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段を備えている遠隔会議装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。特許文献1に記載の遠隔会議装置は、会議参加者の位置を検出して、その検出した会議参加者を撮像したときの、撮像手段の撮像方向を示す特定撮像方向情報を、会議参加者ごとにプリセット番号を付して記憶する。そして、画面に、会議参加者を表示するとともに、会議参加者に対応させて上記プリセット番号を表示する。そして、遠隔会議において、画面に表示させたい会議参加者に対応するプリセット番号がリモコンで選択された場合には、切替手段は、そのプリセット番号に対応する特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、撮像手段の撮像方向を切り替える。このように、会議参加者は、プリセット番号を選択するだけで、特定の会議参加者を表示させることができる。すなわち、会議参加者は、迅速に、特定の会議参加者を表示させることができる。
【0004】
一方、特許文献2に記載の遠隔会議装置は、遠隔会議に関連の深い会議参加者や遠隔会議に関連の深い発言を行う会議参加者を優先して表示する。具体的には、上記特定撮像方向情報を会議参加者によって予め設定しておく。遠隔会議が実施されると、遠隔会議装置は、予め登録されたプロフィール情報を参照し、又は、遠隔会議での発言を音声認識することによって、会議参加者ごとに優先度を付与する。そして、切替手段は、優先度の高い会議参加者を優先して撮像するように、撮像手段の撮像方向を切り替える。これによって、遠隔会議において、自動的に特定の会議参加者が表示されるので、会議参加者の操作負担を軽減できる。さらに、表示される会議参加者は、遠隔会議に関連の深い人物となりやすいので、各会議参加者はより一層、遠隔会議に参加しやすくなる。
【特許文献1】特開平11−122593号公報
【特許文献2】特開2007−67972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遠隔会議において、例えば、同じ役職の会議参加者など、属性が共通する会議参加者を表示させたい場合がある。このような場合、特許文献1の遠隔会議装置は、各会議参加者の属性を把握していないので、各拠点において、属性が共通する会議参加者に対応するプリセット番号をリモコンで選択する必要があるので、会議参加者の操作負担が大きいという問題点がある。また、属性が共通する会議参加者を表示するまでに時間がかかるという問題点もある。
【0006】
一方、特許文献2の遠隔会議装置は、遠隔会議に関連の深い会議参加者など、特定の会議参加者を自動的に表示するので、属性が共通しない、不本意な会議参加者が表示されるという問題点がある。
【0007】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の拠点に居る会議参加者を撮像して、ネットワークを介して、その撮像した会議参加者を表示して実施される遠隔会議において、属性が共通する会議参加者を容易且つ迅速に表示するように撮像方向を制御できる撮像方向制御装置、遠隔会議装置、撮像方向制御方法及び撮像方向制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の撮像方向制御装置は、遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段と、その撮像手段によって特定の会議参加者を撮像するために、前記撮像手段の撮像方向を示す撮像方向情報に基づいて前記撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段とを備える遠隔会議装置を複数の拠点に設置して、各遠隔会議装置が、自身が撮像した会議参加者の画像を、ネットワークを介して、他の遠隔会議装置に送信するとともに、他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を表示することによって実施される遠隔会議において、各遠隔会議装置の前記撮像手段の撮像方向を制御する撮像方向制御装置であって、会議参加者を特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得手段と、記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の前記特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、前記特定情報取得手段が取得した前記特定情報とを照合して、各会議参加者が前記会議参加候補者のうちの誰かを特定する参加者特定手段と、前記参加者特定手段が特定した会議参加者を前記撮像手段が撮像するときの前記撮像方向情報である特定撮像方向情報を特定する撮像方向特定手段と、前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定する設定手段と、前記参加者特定手段が特定した会議参加者のうち、前記設定手段が設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報を前記各遠隔会議装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の撮像方向制御装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記遠隔会議装置が前記プロフィールを構成する属性情報を表示して、その属性情報を会議参加者に選択させることによって、前記設定手段が前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の撮像方向制御装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記遠隔会議装置が会議参加者をズームアップして表示するときは、表示される会議参加者が一定の大きさとなるようにすることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の撮像方向制御装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、会議参加者がどの拠点で遠隔会議に参加するかを特定可能な参加拠点情報を取得する参加拠点情報取得手段と、前記加拠点情報取得手段が取得した前記参加拠点情報に基づいて、前記設定手段が設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者が同一拠点で複数いる場合、そのうちのいずれかの会議参加者を選択する選択手段とをさらに備え、前記送信手段は、前記選択手段が選択した会議参加者に対する前記特定撮像方向情報のみを前記各遠隔会議装置に送信することを特徴とする。
【0012】
請求項5の遠隔会議装置は、複数の拠点に設けられ、それぞれネットワークに接続された遠隔会議装置であって、遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した会議参加者の画像を前記ネットワークを介して他の遠隔会議装置に送信する第1送信手段と、他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を受信する第1受信手段と、前記第1受信手段が受信した会議参加者の画像を表示する表示手段とを備え、さらに各遠隔会議装置は、会議参加者を特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得手段と、記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の前記特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、前記特定情報取得手段が取得した前記特定情報とを照合して、各会議参加者が前記会議参加候補者のうちの誰かを特定する参加者特定手段と、前記参加者特定手段が特定した会議参加者を前記撮像手段が撮像するときの前記撮像手段の撮像方向を示す特定撮像方向情報を特定する撮像方向特定手段と、前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定する設定手段と、前記設定手段が設定した属性情報を他の遠隔会議装置に送信する第2送信手段と、他の遠隔会議装置から送信されてきた前記属性情報を受信する第2受信手段と、前記設定手段が設定した前記属性情報又は前記第2受信手段が受信した前記属性情報が前記プロフィールに含まれている会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、前記撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の遠隔会議装置は、請求項5に記載の発明の構成に加え、前記表示手段が前記プロフィールを構成する属性情報を表示して、その属性情報を会議参加者に選択させることによって、前記設定手段が前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7の遠隔会議装置は、請求項5又は6に記載の発明の構成に加え、前記表示手段が会議参加者をズームアップして表示するときは、表示される会議参加者が一定の大きさとなるようにすることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8の遠隔会議装置は、請求項5〜7のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記設定手段が設定した前記属性情報又は前記第2受信手段が受信した前記属性情報が前記プロフィールに含まれている会議参加者が複数いる場合、そのうちのいずれかの会議参加者を選択する選択手段をさらに備え、前記切替手段は、前記選択手段が選択した会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、前記撮像手段の撮像方向を切り替えることを特徴とする。
【0016】
請求項9の撮像方向制御方法は、遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段と、その撮像手段によって特定の会議参加者を撮像するために、前記撮像手段の撮像方向を示す撮像方向情報に基づいて前記撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段とを備える遠隔会議装置を複数の拠点に設置して、各遠隔会議装置が、自身が撮像した会議参加者の画像を、ネットワークを介して、他の遠隔会議装置に送信するとともに、他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を表示することによって実施される遠隔会議において、各遠隔会議装置の前記撮像手段の撮像方向を制御する撮像方向制御方法であって、会議参加者を特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得ステップと、記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の前記特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、前記特定情報取得ステップにおいて取得した前記特定情報とを照合して、各会議参加者が前記会議参加候補者のうちの誰かを特定する参加者特定ステップと、前記参加者特定ステップにおいて特定した会議参加者を前記撮像手段が撮像するときの前記撮像方向情報である特定撮像方向情報を特定する撮像方向特定ステップと、前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定する設定ステップと、前記参加者特定ステップにおいて特定した会議参加者のうち、前記設定ステップにおいて設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報を前記各遠隔会議装置に送信する送信ステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項10の撮像方向制御プログラムは、請求項9に記載の撮像方向制御方法の各種処理ステップをコンピュータに実行させる撮像方向制御プログラム。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の撮像方向制御装置によれば、特定情報取得手段は、会議参加者を特定する情報である特定情報を取得できる。そして、参加者特定手段は、記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、特定情報取得手段が取得した特定情報とを照合して、各会議参加者が会議参加候補者のうちの誰かを特定できる。一方、撮像方向特定手段は、参加者特定手段が特定した会議参加者を撮像手段が撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報を特定できる。また、設定手段は、プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定できる。そして、送信手段は、参加者特定手段が特定した会議参加者のうち、設定手段が設定した属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する特定撮像方向情報を各遠隔会議装置に送信することができる。
【0019】
したがって、各遠隔会議装置は、特定撮像方向情報で示される撮像方向となるように、撮像手段の撮像方向を切替手段によって切り替えることができる。すなわち、設定手段によって属性情報を設定すれば、属性が共通する会議参加者を容易且つ迅速に表示するように撮像方向を制御できる。
【0020】
また、請求項2の撮像方向制御装置によれば、遠隔会議装置がプロフィールを構成する属性情報を表示して、その属性情報を会議参加者に選択させることによって、設定手段がプロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定できる。したがって、請求項2の撮像方向制御装置は、請求項1に記載の発明の効果に加え、会議参加者は容易に属性情報を設定できる。
【0021】
また、請求項3の撮像方向制御装置は、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、遠隔会議装置が会議参加者をズームアップして表示するときは、表示される会議参加者が一定の大きさとなるので、その会議参加者を視認しやすくできる。
【0022】
また、請求項4の撮像方向制御装置によれば、参加拠点情報取得手段は、会議参加者がどの拠点で遠隔会議に参加するかを特定可能な参加拠点情報を取得する。また、選択手段は、参加拠点情報取得手段が取得した参加拠点情報に基づいて、設定手段が設定した属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者が同一拠点で複数いる場合、そのうちのいずれかの会議参加者を選択する。そして、送信手段は、選択手段が選択した会議参加者に対する特定撮像方向情報のみを各遠隔会議装置に送信する。
【0023】
このように、同一拠点で属性が共通する会議参加者が複数いた場合には、そのうちのいずれかの会議参加者に対する特定撮像方向情報のみが各遠隔会議装置に送信される。したがって、請求項1〜3に記載の発明の効果に加え、遠隔会議装置は、同一拠点で属性が共通する会議参加者が複数いた場合にもどの会議参加者を撮像するのかを決定できる。
【0024】
請求項5の遠隔会議装置によれば、特定情報取得手段は、会議参加者を特定する情報である特定情報を取得できる。そして、参加者特定手段は、記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、特定情報取得手段が取得した特定情報とを照合して、各会議参加者が会議参加候補者のうちの誰かを特定できる。また、撮像方向特定手段は、参加者特定手段が特定した会議参加者を撮像手段が撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報を検出できる。設定手段は、プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定し、第2送信手段はその設定した属性情報を他の遠隔会議装置に送信できる。また、第2受信手段は、他の遠隔会議装置から送信されてきた属性情報を受信できる。そして、切替手段は、設定手段が設定した属性情報又は第2受信手段が受信した属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、撮像手段の撮像方向を切り替えることができる。
【0025】
これにより、設定手段によって属性情報を設定すれば、属性が共通する会議参加者を容易且つ迅速に表示するように撮像方向を制御できる。
【0026】
また、請求項6の遠隔会議装置によれば、表示手段がプロフィールを構成する属性情報を表示して、その属性情報を会議参加者に選択させることによって、設定手段がプロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定できる。したがって、請求項5の遠隔会議装置は、請求項5に記載の発明の効果に加え、会議参加者は容易に属性情報を設定できる。
【0027】
また、請求項7の遠隔会議装置は、請求項5又は6に記載の発明の効果に加え、表示手段が会議参加者をズームアップして表示するときは、表示される会議参加者が一定の大きさとなるので、その会議参加者を視認しやすくできる。
【0028】
また、請求項8の遠隔会議装置によれば、選択手段は、設定手段が設定した属性情報又は第2受信手段が受信した属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者が複数いる場合、そのうちのいずれかの会議参加者を選択する。そして、切替手段は、選択手段が選択した会議参加者に対応する特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、撮像手段の撮像方向を切り替える。
【0029】
したがって、請求項5〜7に記載の発明の効果に加え、同一拠点で属性が共通する会議参加者が複数いた場合には、そのうちのいずれかの会議参加者が撮像される。すなわち、同一拠点で属性が共通する会議参加者が複数いた場合にも、どの会議参加者を撮像するのかを決定できる。
【0030】
請求項9の撮像方向制御方法によれば、特定情報取得ステップにおいて、会議参加者を特定する情報である特定情報が取得できる。そして、参加者特定ステップにおいて、記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、特定情報取得ステップにおいて取得した特定情報とが照合されて、各会議参加者が会議参加候補者のうちの誰かが特定できる。一方、撮像方向特定ステップにおいて、参加者特定ステップにおいて特定された会議参加者を撮像手段が撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報が特定できる。また、設定ステップにおいて、プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかが設定できる。そして、送信ステップにおいて、参加者特定ステップにおいて特定した会議参加者のうち、前記設定ステップにおいて設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する特定撮像方向情報が各遠隔会議装置に送信できる。
【0031】
したがって、各遠隔会議装置は、特定撮像方向情報で示される撮像方向となるように、撮像手段の撮像方向を切替手段によって切り替えることができる。すなわち、設定ステップにおいて属性情報が設定されれば、属性が共通する会議参加者を容易且つ迅速に表示するように撮像方向を制御できる。
【0032】
また、請求項10の撮像方向制御プログラムをコンピュータに実行させれば、請求項9に記載の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(第1実施形態)
【0034】
以下、本発明に係る撮像方向制御装置、遠隔会議装置、撮像方向制御方法の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の遠隔会議システム1の概略を示した図である。同図に示すように、遠隔会議システム1は、撮像方向制御装置10、遠隔会議装置20a〜20c、第1記憶装置30、ネットワーク40及びID読取装置60を備えている。また、図1に示すように、遠隔会議装置20aは拠点Aに、遠隔会議装置20bは拠点Bに、遠隔会議装置20cは拠点Cに設けられている。また、ID読取装置60は、各拠点において、遠隔会議が実施される会議室の会議参加者が着席する席ごとに設けられている。
【0035】
遠隔会議システム1では、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者のプロフィールが複数記録されたテーブル31が、第1記憶装置30に記憶されている。尚、第1記憶装置30が、本発明の「記憶手段」に相当する。この第1記憶装置30としては、例えばハードディスクやフラッシュメモリが用いられる。テーブル31に記録されたプロフィールは、「ID」、「氏名」、「役職」、「顔写真」から構成される。なお、「ID」は本発明の「特定情報」に相当し、「役職」は本発明の「属性情報」に相当する。図2は、第1記憶装置30に記憶されているプロフィールのテーブル31を示した概念図である。図2に示すように会議参加候補者ごとに、「ID」が割り当てられている。例えば、「ID」が1の会議参加候補者の氏名は「AAAA」で、「役職」は部長である。また、「顔写真」も記憶されている。なお、図2では、「ID」が1〜9の会議参加候補者のプロフィールを示しているが、それ以外の「ID」を有している会議参加候補者のプロフィールも第1記憶装置30には記憶されている。
【0036】
また、各会議参加候補者は、自身の「ID」が記憶されたIDカードを所持している。このIDカードは内部にマイクロチップを内蔵したICカードから構成されている。そして、ID読取装置60は、一例として、図示しないIDカード接触面及びIDカード読み取機構を有しており、そのIDカード接触面に接触されたIDカードのマイクロチップに記憶されている「ID」を読み取ることができる。また、各ID読取装置60には装置IDが割り当てられている。会議参加候補者は、遠隔会議に参加する際には、会議室の席ごとに設置されたID読取装置60で自身のIDカードに記憶されている「ID」を読み取らせる。各ID読取装置60は、ネットワーク40に接続されている、読み取った「ID」及び装置IDをネットワーク40を介して撮像方向制御装置10に送信する。
【0037】
先ず、図1に示す撮像方向制御装置10の構成について説明する。図1に示すように、撮像方向制御装置10は、内部に制御回路101と第2記憶装置102と、ネットワーク40への接続を行う図示外のネットワークカードとを備えている。また、撮像方向制御装置10の制御回路101は、CPU103、ROM104及びRAM105を備えている。また、CPU103、ROM104及びRAM105は、バスを介して相互に接続されている。そして、CPU103がROM104に記憶されているプログラムにしたがって、各種演算処理を実行する。例えば、遠隔会議装置20a〜20cがネットワーク40に接続されたときには、各遠隔会議装置20a〜20cが特定の会議参加者を撮像するための撮像方向制御処理を実行する。この撮像方向制御処理については、後述のフローチャートを参照して後述する。また、CPU103は、撮像方向制御処理と並列して、各遠隔会議装置20a〜20cが撮像した撮像画像をネットワーク40を介して受信して、それら撮像画像を一つの画像に合成して、その合成した合成画像をネットワーク40を介して各遠隔会議装置20a〜20cに送信する処理を実行する。
【0038】
さらに、ROM104には、図3に示すように、テーブル106が記憶されている。このテーブル106には、各拠点A〜Cにおいて、会議室の各席を識別する席番号に対応付けて、各席の位置情報が、後述する遠隔会議装置20a〜20cの撮像装置202を各席に向けたときの、その撮像装置202の撮像方向を示した撮像方向情報として記録されている。また、テーブル106には、各席に設置されているID読取装置60の装置IDが各席番号に対応付けて記録されている。例えば、各拠点A〜Cにはそれぞれ3つの席が用意されている場合には、図3に示すように、ROM104に記憶されたテーブル106には、一例として、各席の席番号は「A1」〜「A3」、「B1」〜「B3」、「C1」〜「C3」と記録されている。また、各席の位置情報は、「θA1」〜「θA3」、「θB1」〜「θB3」、「θC1」〜「θC3」と記録されている。さらに、各席に設置されたID読取装置60の装置IDは、「MA1」〜「MA3」、「MB1」〜「MB3」、「MC1」〜「MC3」と記録されている。
【0039】
なお、第2記憶装置102は、撮像方向制御処理において、後述する撮像装置202が特定の会議参加者を撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報を会議参加者のプロフィールに含まれている「役職」(属性情報)に対応付けて記憶するものである。ここで、図7を参照して、第2記憶装置102に記憶される内容について説明する。図7は、第2記憶装置102に記憶される内容を示した概念図である。図7に示すように、第2記憶装置102には、各役職に対応して、その役職者が居る拠点及びその者の撮影するための特定撮像方向情報が各々記憶されている。
【0040】
次に、遠隔会議装置20a〜20cの構成について図4を参照して説明する。図4は、遠隔会議装置20a〜20cの概略構成を示したブロック図である。同図に示すように、遠隔会議装置20a〜20cは、各々、制御回路201、撮像装置202、切替装置203、入力装置204、音声入出力装置205及び表示装置206を備えている。
【0041】
また、制御回路201は、ネットワーク40に接続されており、制御回路201の内部にCPU207、ROM208及びRAM209が設けられている。また、CPU207、ROM208及びRAM209はバスを介して相互に接続されている。そして、CPU207がROM208に記憶されているプログラムにしたがってメイン処理を実行する。このメイン処理については、図5に示すフローチャートを参照して後述する。この制御回路201は、自身をネットワーク40に接続するときには、接続する旨を示す接続信号を撮像方向制御装置10に送信し、反対に、ネットワーク40から切断するときには、切断する旨を示す切断信号を撮像方向制御装置10に送信する。さらに、制御回路201は、撮像装置202の撮像方向を切り替えるときには、撮像装置202の撮像方向を示した撮像方向情報を切替装置203に送信する。
【0042】
撮像装置202は、遠隔会議が実施される会議室で、会議参加者が着席する席から所定距離だけ離れた位置に設置される。そして、撮像装置202は、制御回路201に電気的に接続されており、遠隔会議に参加する会議参加者を撮像するものである。ここで、撮像装置202は、一例として、周知のデジタル式のカメラから構成され、図示外の電動ズームレンズを備えている。そして、会議参加者の全員を撮像できるように、その電動ズームレンズが制御回路201によって制御される。また、撮像装置202は、会議参加者を撮像した撮像画像を制御回路201に送信することができる。撮像装置202の撮像素子としては、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサが用いられている。
【0043】
切替装置203は、各撮像装置202に各々設けられており、ステップモータやアクチュエータ等から構成されており、且つ、制御回路201と電気的に接続されている。そして、切替装置203は、制御回路201から上記撮像方向情報を受けて、その撮像方向情報で示される撮像方向となるように、撮像装置202の撮像方向を切り替える。
【0044】
入力装置204は、例えば、リモコン、キーボード、マウス等から構成され、各種信号を制御回路201に入力するものである。各種信号としては、例えば、撮像装置202の撮像方向を切り替える信号や、特定の「役職」をプロフィールに有している会議参加者を撮像装置202によって撮像させるために、その「役職」を示した属性情報の信号などがある。制御回路201は、属性情報が入力装置204によって入力されたときには、その属性情報を撮像方向制御装置10に送信する。また、会議参加者は、属性情報を入力するために、「役職」の一覧を示したメニューを表示装置206に表示させるメニュー表示指示信号を、入力装置204によって入力することができる。
【0045】
また、会議参加者は、遠隔会議装置20a〜20cをネットワーク40に接続させたいときには、入力装置204によって、接続指示信号を入力することができる。そして、制御回路201は、その接続指示信号を受信した場合に自身をネットワーク40に接続するとともに、上記接続信号を撮像方向制御装置10に送信する。一方、会議参加者は、遠隔会議装置20a〜20cをネットワーク40から切断させたいときには、入力装置204によって、切断指示信号を入力することができる。そして、制御回路201はその切断指示信号を受信した場合に自身をネットワーク40から切断するとともに、上記切断信号を撮像方向制御装置10に送信することができる。
【0046】
音声入出力装置205は、マイク及びスピーカなどから構成され、遠隔会議において、会議参加者が発した音声を電気信号に変換して制御回路201に入力するとともに、制御回路201から送信される会議参加者が発した音声に相当する電気信号を音声として出力する。すなわち、音声入出力装置205は、各拠点A〜Cにおいて、会議参加者が発した音声を他の拠点A〜Cに送信するとともに、他の拠点A〜Cから送信されてきた音声を出力するために用いられる。
【0047】
表示装置206は、撮像方向制御装置10から送信されてくる各拠点A〜Cにおける会議参加者の画像である合成画像を表示するとともに、特定の「役職」の会議参加者を表示するために上記メニューを表示する。
【0048】
次に、上記構成を備えた撮像方向制御装置10の制御回路101が実行する撮像方向制御処理について、図1〜図7を参照して説明する。図5は、制御回路101が実行する撮像方向制御処理を示したフローチャートであり、図6は、特定撮像方向情報をどのように特定するのかを説明するための模式図である。ここで、説明の便宜のために、図2に示す「ID」が1〜9の会議参加候補者が遠隔会議に参加するものとする。そして、「ID」が1、3、5の会議参加候補者は拠点Aにて遠隔会議に参加し、「ID」が2、4、7の会議参加候補者は拠点Bにて遠隔会議に参加し、「ID」が6、8、9の会議参加候補者は拠点Cにて遠隔会議に参加するものとする。なお、撮像方向制御処理は、遠隔会議装置20a〜20cからの接続信号を受信したときに開始される。
【0049】
先ず、各会議参加候補者が、自身のIDカードをID読取装置60のIDカード接触面に接触させると、IDカードのマイクロチップに記憶されている「ID」が読み取られて、ID読取装置60の装置IDと共に撮像方向制御装置10に送信される。撮像方向制御装置10の制御回路101のCPU103では、各ID読取装置60から送信されてきた会議参加者のID及び装置IDが取得される(S11)。なお、S11を実行するCPU103は本発明の「特定情報取得手段」に相当し、S11は本発明の「特定情報取得ステップ」に相当する。また、図3に示すテーブル106を参照して、装置IDから会議参加者がどの拠点A〜Cで遠隔会議に参加するのか特定可能であるので、装置IDは本発明の「参加拠点情報」に相当し、S11を実行するCPU103は本発明の「参加拠点情報取得手段」に相当する。そして、その「ID」と第1記憶装置30に記憶されている会議参加候補者のプロフィールのテーブル31の「ID」が照合されて、会議参加者が特定される(S12)。この場合、「ID」が1〜9の会議参加候補者が会議参加者として特定される。なお、S12を実行するCPU103は本発明の「参加者特定手段」に相当し、S12は本発明の「参加者特定ステップ」に相当する。
【0050】
次いで、各会議参加者を撮像装置202が撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報が特定される(S13)。なお、S13を実行するCPU103は本発明の「撮像方向特定手段」に相当し、S13は「撮像方向特定ステップ」に相当する処理である。以下、特定撮像方向情報を特定する処理(S13)について説明する。図6に示すように、各拠点A〜Cにおいて、席が3つ用意されており、席の前方には撮像装置202が設置されている。そして、拠点Aにおける3つの席のうち、撮像装置202からみて一番左の席の席番号は「A1」、真ん中の席の席番号は「A2」、一番右の席の席番号は「A3」となっている。また、拠点Bにおける3つの席のうち、撮像装置202からみて一番左の席の席番号は「B1」、真ん中の席の席番号は「B2」、一番右の席の席番号は「B3」となっている。また、拠点Cにおける3つの席のうち、撮像装置202からみて一番左の席の席番号は「C1」、真ん中の席の席番号は「C2」、一番右の席の席番号は「C3」となっている。
【0051】
そして、「ID」が1の会議参加者は席番号「A1」の席に着席したとする。上述したように、席番号「A1」の席に設置されているID読取装置60の装置IDは「MA1」であるので(図3参照)、前記S11の処理で、ID読取装置60で読み取られた会議参加者のID:1と、ID読取装置60の装置ID:MA1が、ID読取装置60からネットワーク40を介して、撮像方向制御装置10に送信される。そして、撮像方向制御装置10の制御回路101のCPU103で、会議参加者IDの「1」とともに、「MA1」の装置IDが取得されている。また、S12の処理で、会議参加者が特定されるので、図3に示す、ROM104に記憶されたテーブル106が参照されて、装置ID「MA1」に対応する席の位置情報「θA1」が、「ID」が1の会議参加者に対する特定撮像方向情報とされる。同様にして、「ID」が2〜9の会議参加者に対する特定撮像方向情報が特定される(S13)。
【0052】
なお、本実施形態では、説明の便宜のため、図6に示すように、「ID」が1の会議参加者は席番号「A1」の席に、「ID」が3の会議参加者は席番号「A2」の席に、「ID」が5の会議参加者は席番号「A3」の席に着席したとする。また、「ID」が7の会議参加者は席番号「B1」の席に、「ID」が4の会議参加者は席番号「B2」の席に、「ID」が2の会議参加者は席番号「B3」の席に着席したとする。さらに、「ID」が8の会議参加者は席番号「C1」の席に、「ID」が6の会議参加者は席番号「C2」の席に、「ID」が9の会議参加者は席番号「C3」の席に着席したとする。
【0053】
したがって、「ID」が1の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θA1」、「ID」が3の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θA2」、「ID」が5の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θA3」と特定される(S13)。また、「ID」が7の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θB1」、「ID」が4の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θB2」、「ID」が2の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θB3」と特定される(S13)。また、「ID」が8の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θC1」、「ID」が6の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θC2」、「ID」が9の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θC3」と特定される(S13)。なお、切替装置203にはモータが組み込まれていて、その回転により撮像装置202の撮像方向が決まる。ここで、特定撮像方向情報「θA1」〜「θC3」は、各切替装置203にステップモータ等のモータが用いられている場合には、当該モータの基準位置に対する回転角のデータである。また、アクチュエータが用いられている場合には、当該アクチュエータの動作量のデータである。
【0054】
S13の処理が終了すると、次いで、第1記憶装置30に記憶されている会議参加候補者のプロフィールのテーブル31(図2参照)が参照されて、第2記憶装置102の「役職」ごとに分けられたテーブルに特定撮像方向情報が記憶される(S14)。この際、図7に示すように、各特定撮像方向情報が、どの拠点A〜Cに居る会議参加者に対するものなのかが制御回路101が認識できるように、拠点A〜Cに対応付けて各特定撮像方向情報が第2記憶装置102に記憶される。なお、図7において、特定撮像方向情報と並列列記されている括弧内にはその特定撮像方向情報に対応する会議参加者の「ID」を示している。図7に示すように、「役職」が部長の会議参加者は、「ID」が1、2、6で、それぞれ特定撮像方向情報は「θA1」、「θB3」、「θC2」である。また、「役職」が課長の会議参加者は、「ID」が3、7、9で、それぞれ特定撮像方向情報は「θA2」、「θB1」、「θC3」である。また、「役職」が係長の会議参加者は、「ID」が4、5、8で、それぞれ特定撮像方向情報は「θB2」、「θA3」、「θC1」である。
【0055】
なお、図7に示す例では、同一の拠点A〜Cで遠隔会議に参加する会議参加者は、異なる「役職」の属性を有していた。しかし、同一の拠点A〜Cで遠隔会議に参加する会議参加者のうち、同じ「役職」の会議参加者がいる場合もあり得る。この場合であっても、それらの特定撮像方向情報は、同じ「役職」のテーブルに記憶される。例えば、拠点Aで「役職」が部長の会議参加者が複数いた場合には、その複数の会議参加者に対応する特定撮像方向情報は、拠点Aという情報が付されて、「役職」が部長であるテーブルに記憶される。
【0056】
次いで、撮像方向制御装置10の制御回路101では、遠隔会議装置20a〜20cが送信する上記属性情報を受信したか否かが判断される(S15)。そして、属性情報を受信した場合には(S15:YES)、第2記憶装置102に記憶されている特定撮像方向情報を参照して、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いるか否かが判断される(S16)。なお、図7に示す例では、同一の拠点A〜Cで遠隔会議に参加する会議参加者は、異なる「役職」の属性を有している。したがって、S16の判断はNOとなり、その属性情報で示される「役職」に対応付けられて第2記憶装置102に記憶されている特定撮像方向情報が各遠隔会議装置20a〜20cに送信される(S18)。この際、拠点Aに対応付けて記憶されている特定撮像方向情報は、拠点Aに設置されている遠隔会議装置20aに送信される。また、拠点Bに対応付けて記憶されている特定撮像方向情報は、拠点Bに設置されている遠隔会議装置20bに送信される。また、拠点Cに対応付けて記憶されている特定撮像方向情報は、拠点Cに設置されている遠隔会議装置20cに送信される。例えば、属性情報で示される「役職」が部長である場合には、図7に示すように、特定撮像方向情報「θA1」が遠隔会議装置20aに送信され、特定撮像方向情報「θB3」が遠隔会議装置20bに送信され、特定撮像方向情報「θC2」が遠隔会議装置20cに送信される。なお、S15の判断がYESとなる処理は、本発明の「設定手段」及び「設定ステップ」に相当する処理である。
【0057】
S16の判断において、受信した属性情報に対応する「役職」が共通する会議参加者が、同一の拠点A〜Cで複数いる場合には(S16:YES)、その複数の会議参加者のうち、「ID」が最も小さい会議参加者を選択する(S17)。例えば、拠点Aに、「役職」が部長の会議参加者が複数いて、それらの会議参加者の「ID」が1、3、5の場合には、S17において「ID」が1の会議参加者が選択される。その後、S15にて受信した属性情報で示される「役職」に対応付けられて第2記憶装置102に記憶されている特定撮像方向情報が各遠隔会議装置20a〜20cに送信される(S18)。この際、「役職」が共通する会議参加者が複数いる拠点A〜Cには、S17にて選択された会議参加者に対する特定撮像方向情報のみが送信される(S18)。こうすることによって、遠隔会議装置20a〜20cは、どの会議参加者を撮像するのかを決定できる。なお、S17の処理を実行するCPU103は、本発明の「選択手段」に相当する。また、S18を実行するCPU103は本発明の「送信手段」に相当し、S18は本発明の「送信ステップ」に相当する。
【0058】
次いで、遠隔会議装置20a〜20cすべてから上記切断信号を受信したか否かによって、遠隔会議が終了したか否かが判断され(S19)、遠隔会議が終了したと判断された場合は(S19:YES)、撮像方向制御処理が終了される。一方、まだ遠隔会議が終了していないと判断された場合は(S19:NO)、S15の処理に戻る。また、S15において、属性情報を受信していないと判断された場合は(S15:NO)、S19の処理が実行される。したがって、遠隔会議が終了するまでは、属性情報の受信待ち状態となる。
【0059】
続いて、遠隔会議装置20a〜20cの制御回路201が実行するメイン処理について図8のフローチャートを参照して説明する。なお、このメイン処理は一定期間おきに実行される。
【0060】
先ず、制御回路201に信号が入力されたかが判断され(S31)、何も入力がなかった場合には(S31:NO)、このメイン処理は終了される。一方、信号が入力された場合には(S31:YES)、その信号の種類が判断される(S32)。ここで、入力された信号が上記接続指示信号の場合には、制御回路201がネットワーク40に接続されて、撮像方向制御装置10に接続信号が送信される接続処理が実行され(S33)、メイン処理が終了される。また、入力された信号が上記切断指示信号の場合には、撮像方向制御装置10に切断信号が送信され、その後、制御回路201がネットワーク40から切断される切断処理が実行され(S33)、メイン処理が終了される。
【0061】
一方、入力された信号が上記メニュー表示指示信号である場合には、表示装置206に「役職」の一覧を示したメニューを表示する(S34)。例えば、部長、課長、係長等の一覧が表示装置206に表示される。次いで、そのメニューに基づいて、部長、課長、係長等の表示の何れかがマウス等により選択されて属性情報が入力されたか否かが判断される(S35)。部長、課長、係長等の属性情報が選択されて入力された場合は(S35:YES)、その属性情報が撮像方向制御装置10に送信され(S36)、メイン処理が終了される。また、属性情報が入力されていないと判断された場合は(S35:NO)、S35の処理に戻り、属性情報の入力を待つ。
【0062】
一方、S32において、入力された信号が、撮像方向制御装置10から送信された特定撮像方向情報の場合は、その特定撮像方向情報に基づいて、制御回路201が切替装置203を制御して、撮像装置202の撮像方向を切り替える(S37)。具体的には、制御回路201は、特定撮像方向情報で示される撮像方向となるように、切替装置203のモータやアクチュエータ等を制御して、撮像装置202の撮像方向を切り替える。例えば、特定撮像方向情報が「θA1」である場合には、撮像装置202の撮像方向が席番号「A1」の方向となる。
【0063】
次いで、ズームアップして会議参加者を表示するため、撮像装置202のズームが所定の度合いだけ制御され(S38)、メイン処理が終了される。このズームアップの処理では、一例として、撮像装置202により撮影されている会議参加者の顔の画像を公知の顔認識技術により認識し、例えば、両目の間隔が、予め設定されている距離になるように撮像装置202の電動ズームレンズを望遠側又は広角側に制御すればよい。尚、予め設定されている両目の間隔の距離は、各遠隔会議装置20a〜20cで同じ設定する。従って、各遠隔会議装置20a〜20cでは、ズームアップされた会議参加者の顔の大きさは、ほぼ同じになる。
【0064】
また、顔認識技術を用いない場合には、特定撮像方向情報が、「θA1」、「θB1」、「θC1」、「θA3」、「θB3」、「θC3」の場合には、撮像装置202から会議参加者までの距離が同じなので、電動ズームレンズの焦点距離が全て同じになるように、電動ズームレンズを制御し、特定撮像方向情報が、「θA2」、「θB2」、「θC2」の場合には、撮像装置202から会議参加者までの距離が短くなるので、「θA1」、「θB1」、「θC1」、「θA3」、「θB3」、「θC3」の場合よりも電動ズームレンズの焦点距離が短くなるように、電動ズームレンズを制御してもよい。この場合には、予め実験により、特定撮像方向情報が、「θA2」、「θB2」、「θC2」の場合に、特定撮像方向情報が、「θA1」、「θB1」、「θC1」、「θA3」、「θB3」、「θC3」の場合と同じ大きさに会議参加者が写るように電動ズームレンズの焦点距離を求めておけばよい。
【0065】
上述したように、撮像装置202と会議参加者が着席する席との距離は予め定められているので、撮像装置202のズームが所定の度合いだけ制御されると、ズームアップして表示される会議参加者の画像が一定の大きさとなる。図9は、属性情報が入力されたときの表示装置206が表示する画像を示している。同図に示すように、各拠点A〜Cでの特定の会議参加者がズームアップされて表示されている。なお、図9では、「役職」が部長の会議参加者がズームアップされて表示されている例を示している。
【0066】
一方、S32において、入力された信号が、上述した信号以外の信号である場合は、その信号に従った処理が実行される(S39)。例えば、撮像方向制御装置10から送信される上記合成画像が入力された場合は、その合成画像を表示装置206に表示する。また、音声入出力装置205の音声の入力又は出力感度を変更する信号である場合は、その信号にしたがって音声入出力装置205の感度が変更される。例えば、会議参加者は、他拠点A〜Cでの音声が聞き取り辛いときには、音声入出力装置205の感度を上げて、他拠点A〜Cでの音声を聞き取りやすくすることができる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態の遠隔会議システム1では、「役職」が共通する会議参加者を容易且つ迅速にズームアップして表示させることができる。この際、表示される会議参加者が一定の大きさとなるので、その会議参加者を視認しやすくできる。
【0068】
また、会議参加者は、属性情報を入力するために、「役職」の一覧を示したメニューを表示装置206に表示させることができるので、属性情報を容易に入力することができる。さらに、特定撮像方向情報が、「役職」ごとに予め記憶されるので、撮像方向制御装置10は、属性情報が入力された際に、その属性情報で示される「役職」に対応付けて記憶されている特定撮像方向情報を迅速に各遠隔会議装置20a〜20cに送信することができる。すなわち、迅速に「役職」が共通した会議参加者をズームアップして表示させることができる。
【0069】
また、ID読取装置60が読み取った「ID」に基づいて会議参加者を特定しているので、正確に会議参加者が誰かを特定することができる。すなわち、正確に「役職」が共通した会議参加者をズームアップして表示させることができる。
(第2実施形態)
【0070】
次に、本発明に係る撮像方向制御装置、遠隔会議装置、撮像方向制御方法の第2実施形態について図10乃至図16を参照して説明する。図10は、第2実施形態の遠隔会議システム2の概略を示した図であり、図11は、遠隔会議装置21a〜21cの概略構成を示したブロック図である。また、図12は、制御回路201が実行する画像表示処理を示したフローチャートであり、図13は、制御回路201が実行する撮像方向制御処理を示したフローチャートであり、図14は、遠隔会議装置21aの第2記憶装置212に記憶される情報を説明するための図である。また、図15は、遠隔会議装置21bの第2記憶装置212に記憶される情報を説明するための図であり、図16は、遠隔会議装置21cの第2記憶装置212に記憶される情報を説明するための図である。
【0071】
なお、以下の説明では、第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付している。図10に示すように、遠隔会議システム2は、遠隔会議装置21a〜21c、第1記憶装置30、ネットワーク40、及びID読取装置60を備えている。また、図10に示すように、遠隔会議装置21aは拠点Aに、遠隔会議装置21bは拠点Bに、遠隔会議装置21cは拠点Cに設けられている。また、第1記憶装置30は、第1実施形態と同様に、図2に示す、会議参加候補者のプロフィールのテーブル31を記憶している。さらに、ID読取装置60は、各拠点A〜Cにおいて、会議室の各席に設けられており、それぞれ遠隔会議装置21a〜21cに接続されている。そして、ID読取装置60は、「ID」を読み取ったときには、その「ID」及び装置IDを遠隔会議装置21a〜21cに送信する。以下、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0072】
先ず、遠隔会議装置21a〜21cの構成について説明する。図11は遠隔会議装置21a〜21cの概略構成を示したブロック図である。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付している。同図に示すように、遠隔会議装置21a〜21cは、制御回路201、撮像装置202、切替装置203、入力装置204、音声入出力装置205、表示装置206及び第2記憶装置212を備えている。ここで、第2実施形態の遠隔会議装置21a〜21cは、制御回路201のCPU207が実行する処理及びROM208に記憶されている情報が第1実施形態と異なっている。また、遠隔会議装置21a〜21cは、第2記憶装置212を備えている点も第1実施形態と異なる。以下、各構成について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0073】
制御回路201は、ネットワーク40に接続されており、内部にCPU207、ROM208、RAM209がバスを介して相互に接続されている。そして、CPU207がROM208に記憶されているプログラムにしたがって、他の拠点A〜Cでの会議参加者の画像を表示する画像表示処理及び撮像装置202の撮像方向を制御する撮像方向制御処理を実行する。これら画像表示処理及び撮像方向制御処理については、フローチャートを参照して後述する。また、制御回路201は、入力装置204から接続指示信号が入力されたときには、自身をネットワーク40に接続し、反対に、切断指示信号が入力されたときには、自身をネットワーク40から切断する。さらに、制御回路201は、撮像装置202の撮像方向を切り替えるときには、撮像装置202の撮像方向を示した撮像方向情報を切替装置203に送信する。
【0074】
さらに制御回路201のROM208には、各拠点A〜Cにおいて、会議室の各席を識別する席番号に対応付けて、各席の位置情報が、撮像装置202を各席に向けたときの、その撮像装置202の撮像方向を示した撮像方向情報として記憶されている。また、ROM208には、各席に設置されているID読取装置60の装置IDを各席番号に対応付けて記憶されている。具体的には、ROM208には、図3に示すテーブル106が記憶されている。図3に示すように、各拠点A〜Cにはそれぞれ3つの席が用意されている。そして、各席の席番号は「A1」〜「A3」、「B1」〜「B3」、「C1」〜「C3」となっている。また、各席の位置情報は、「θA1」〜「θA3」、「θB1」〜「θB3」、「θC1」〜「θC3」となっている。さらに、各席に設置されたID読取装置60の装置IDは、「MA1」〜「MA3」、「MB1」〜「MB3」、「MC1」〜「MC3」となっている。
【0075】
なお、第2記憶装置112は、撮像方向制御処理において、特定撮像方向情報を会議参加者の「ID」に対応付けて記憶するものである。撮像装置202、切替装置203、入力装置204、音声入出力装置205及び表示装置206については、第1実施形態と同じなので説明を省略する。
【0076】
続いて、制御回路201が実行する画像表示処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。なお、この画像表示処理は、入力装置204から接続指示信号が制御回路201に入力され、制御回路201がネットワーク40に接続したときに開始される。
【0077】
先ず、撮像装置202が撮像した撮像画像が取得され(S51)、その撮像画像が他の遠隔会議装置21a〜21cに送信される(S52)。なお、S52を実行するCPU207は本発明の「第1送信手段」に相当する。次いで、他の遠隔会議装置21a〜21cから送信されてくる撮像画像が受信されて(S53)、各撮像画像が一つの画像に合成される(S54)。そして、その合成された合成画像が表示装置206に表示される(S55)。したがって、各拠点A〜Cにおいて、会議参加者は、他の拠点A〜Cでの会議参加者の様子を把握できる。その後、制御回路201に切断指示信号が入力されたか否かによって、遠隔会議が終了したか否かが判断され(S56)、終了した場合は(S56:YES)、この画像表示処理が終了される。一方、未だ遠隔会議が終了していない場合は(S56:NO)、処理がS51に戻る。すなわち、遠隔会議が終了するまでは、逐次、合成画像が更新されることになる。なお、S53を実行するCPU207は本発明の「第1受信手段」に相当する。
【0078】
続いて、制御回路201が実行する撮像方向制御処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。なお、この撮像方向制御処理は、入力装置204から接続指示信号が制御回路201に入力され、制御回路201がネットワーク40に接続したときに開始される。また、撮像方向制御処理は上述した画像表示処理と並列して実行される。
【0079】
ここで、説明の便宜のために、図2に示す「ID」が1〜9の会議参加候補者が遠隔会議に参加するとする。そして、「ID」が1、3、5の会議参加候補者は拠点Aにて遠隔会議に参加し、「ID」が2、4、7の会議参加候補者は拠点Bにて遠隔会議に参加し、「ID」が6、8、9の会議参加候補者は拠点Cにて遠隔会議に参加するとする。
【0080】
先ず、各ID読取装置60から送信されてきた会議参加者の「ID」及び装置IDが取得される(S71)。なお、S71を実行するCPU207は本発明の「特定情報取得手段」に相当する。そして、その「ID」と第1記憶装置30に記憶されている会議参加候補者のプロフィールのテーブル31の「ID」が照合されて、会議参加者が特定される(S72)。この場合、「ID」が1〜9の会議参加候補者が会議参加者として特定される。なお、S72を実行するCPU207は本発明の「参加者特定手段」に相当する。
【0081】
次いで、各会議参加者を撮像装置202が撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報が特定される(S73)。図6は特定撮像方向情報をどのように特定するのかを説明するための図である。同図に示すように、各拠点A〜Cにおいて、席が3つ用意されており、席の前方には撮像装置202が設置されている。そして、拠点Aにおける3つの席のうち、撮像装置202からみて一番左の席の席番号は「A1」、真ん中の席の席番号は「A2」、一番右の席の席番号は「A3」となっている。また、拠点Bにおける3つの席のうち、撮像装置202からみて一番左の席の席番号は「B1」、真ん中の席の席番号は「B2」、一番右の席の席番号は「B3」となっている。また、拠点Cにおける3つの席のうち、撮像装置202からみて一番左の席の席番号は「C1」、真ん中の席の席番号は「C2」、一番右の席の席番号は「C3」となっている。そして、「ID」が1の会議参加者は席番号「A1」の席に着席したとする。上述したように、席番号「A1」の席に設置されているID読取装置60の装置IDは「MA1」であるので(図3参照)、S71にて、1の「ID」とともに、「MA1」の装置IDが取得される。そして、図3のテーブル106が参照されて、装置ID「MA1」に対応する席の位置情報「θA1」が、「ID」が1の会議参加者に対する特定撮像方向情報とされる。同様にして、「ID」が2〜9の会議参加者に対する特定撮像方向情報が特定される。なお、S73を実行するCPU207は本発明の「撮像方向特定手段」に相当する。
【0082】
次いで、S73にて特定された特定撮像方向情報が対応する会議参加者の「ID」に対応つけて第2記憶装置212に記憶される(S74)。例えば、図14に示すように、遠隔会議装置20aの第2記憶装置212には、「ID」1に対応付けられて特定撮像方向情報「θA1」が記憶される。すなわち、「ID」が1の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θA1」であることを示している。また、遠隔会議装置20aの第2記憶装置212には、「ID」3に対応付けられて特定撮像方向情報「θA2」が記憶される。すなわち、「ID」が3の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θA2」であることを示している。また、遠隔会議装置20aの第2記憶装置212には、「ID」5に対応付けられて特定撮像方向情報「θA3」が記憶される。すなわち、「ID」が5の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θA3」であることを示している。
【0083】
また、図15に示すように、遠隔会議装置20bの第2記憶装置212には、「ID」2に対応付けられて特定撮像方向情報「θB3」が記憶される。すなわち、「ID」が2の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θB3」であることを示している。また、遠隔会議装置20bの第2記憶装置212には、「ID」4に対応付けられて特定撮像方向情報「θB2」が記憶される。すなわち、「ID」が4の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θB2」であることを示している。また、遠隔会議装置20bの第2記憶装置212には、「ID」7に対応付けられて特定撮像方向情報「θB1」が記憶される。すなわち、「ID」が7の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θB1」であることを示している。
【0084】
また、図16に示すように、遠隔会議装置20cの第2記憶装置212には、「ID」6に対応付けられて特定撮像方向情報「θC2」が記憶される。すなわち、「ID」が6の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θC2」であることを示している。また、遠隔会議装置20cの第2記憶装置212には、「ID」8に対応付けられて特定撮像方向情報「θC1」が記憶される。すなわち、「ID」が8の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θC1」であることを示している。また、遠隔会議装置20cの第2記憶装置212には、「ID」9に対応付けられて特定撮像方向情報「θC3」が記憶される。すなわち、「ID」が9の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θC3」であることを示している。
【0085】
次いで、上記属性情報を入力するための、「役職」の一覧を示したメニューが表示装置206に表示される(S75)。ここでは、第1実施の形態と同様に、例えば、部長、課長、係長等の一覧が表示装置206に表示される。次いで、そのメニューに基づいて、部長、課長、係長等の表示の何れかがマウス等により選択されて属性情報が入力されたか否かが判断される(S76)。部長、課長、係長等の属性情報が選択されて入力された場合は(S76:YES)、その属性情報が他の遠隔会議装置21a〜21cに送信される(S77)。一方、属性情報が入力されていない場合は(S76:NO)、他の遠隔会議装置21a〜21cが送信する属性情報を受信したか否かが判断される(S78)。そして、他の遠隔会議装置21a〜21cが送信する属性情報を受信したと判断した場合(S78:YES)、又は属性情報が入力された場合(S76:YES)、その属性情報に対応する「役職」が共通する会議参加者が複数いるか否かが判断される(S79)。具体的には、特定撮像方向情報とともに第2記憶装置212に記憶されている会議参加者の「ID」に基づいて、第1記憶装置30に記憶されている会議参加者のプロフィールを参照して、「役職」が共通する会議参加者が複数いるか否かが判断される(S79)。なお、図14〜図16に示す例では、「役職」が共通する会議参加者は複数いないことになる。この場合(S79:NO)、その「役職」に対応付けられて第2記憶装置102に記憶されている特定撮像方向情報が切替装置203に出力される(S81)。そして、切替装置203によって、特定撮像方向情報で示される撮像方向となるように、撮像装置202の撮像方向が切り替えられる(S81)。例えば、特定撮像方向情報が「θA1」である場合には、撮像装置202の撮像方向が席番号「A1」の方向となる。
【0086】
一方、S79の判断において、「役職」が共通する会議参加者が複数いると判断された場合には(S79:YES)、第1実施形態と同様に、その複数の会議参加者のうち、「ID」が最も小さい会議参加者が選択される(S80)。その後、S80にて選択された会議参加者に対応する特定撮像方向情報が切替装置203に出力されて、その特定撮像方向情報で示される撮像方向となるように、撮像装置202の撮像方向が切り替えられる(S81)。
【0087】
なお、S76の判断がYESとなる処理を実行するCPU207は、本発明の「設定手段」に相当する。また、S77を実行するCPU207は本発明の「第2送信手段」に相当する。また、S78の判断がYESとなる処理を実行するCPU207は、本発明の「第2受信手段」に相当する。また、S80の処理を実行するCPU207は、本発明の「選択手段」に相当する。
【0088】
次いで、ズームアップして会議参加者を表示するため、撮像装置202の電動ズームレンズが、前記第1実施の形態と同様に所定の度合いだけ制御され(S82)、撮像方向制御処理が終了される。上述したように、撮像装置202と会議参加者が着席する席との距離は予め定められているので、撮像装置202の電動ズームレンズが所定の度合いだけ制御されると、ズームアップして表示される会議参加者の画像が一定の大きさとなる。
【0089】
次いで、制御回路201が切断指示信号を受信したか否かによって、遠隔会議が終了したか否かが判断され(S83)、遠隔会議が終了したと判断された場合は(S83:YES)、撮像方向制御処理が終了される。一方、まだ遠隔会議が終了していないと判断された場合は(S83:NO)、S76の処理に戻る。
【0090】
以上説明したように、第2実施形態の遠隔会議システム2でも、「役職」が共通する会議参加者を容易且つ迅速にズームアップして表示させることができる。この際、表示される会議参加者が一定の大きさとなるので、その会議参加者を視認しやすくできる。
【0091】
また、「役職」が共通する会議参加者を容易且つ迅速にズームアップして表示させることができる。この際、表示される会議参加者が一定の大きさとなるので、その会議参加者を視認しやすくできる。
【0092】
また、会議参加者は、「役職」の一覧を示したメニューが表示装置206に表示されるので、会議参加者は、容易に属性情報信号を入力することができる。また、ID読取装置60が読み取った「ID」に基づいて会議参加者を特定しているので、正確に会議参加者が誰かを特定することができる。すなわち、正確に「役職」が共通した会議参加者をズームアップして表示させることができる。
【0093】
なお、本発明に係る撮像方向制御装置、遠隔会議装置、撮像方向制御方法は、上記実施形態に限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変形してもよい。例えば、上記第1、第2実施形態では、会議参加者が誰かを特定するために、ID読取装置60を用いていたが、撮像装置202が撮像した会議参加者の顔画像と、第1記憶装置30に記憶されているプロフィールのテーブル31の会議参加候補者の顔画像(図2参照)とを照合して、会議参加者が誰かを特定してもよい。
【0094】
図17は、顔画像によって、会議参加者が誰かを特定する方法を説明するための図である。図17に示すように、各拠点A〜Cにおいて、会議参加者の全員が撮像できるように、撮像装置202の電動ズームレンズの制御量を前記第1の実施の形態と同じように定める。図17では、3人の会議参加者が撮像装置202によって撮像された画像を示している。撮像方向制御装置10又は遠隔会議装置21a〜21cは、撮像装置202が撮像した会議参加者の全員が写っている画像に基づいて、先ず、顔に相当する画像を抽出する。図17では、波線で示した3つの画像が抽出される。さらに、抽出した顔画像から目、鼻、口などの顔を構成する要素を抽出する。そして、抽出したそれぞれの顔画像に対して、第1記憶装置30に記憶されているプロフィールのテーブル31の会議参加候補者の顔画像(図2参照)と照合する。例えば、顔における目、鼻、口の位置、両目の間隔の一致度合いを判断する。その一致度合いが所定の値以上の顔画像をプロフィールに有している会議参加候補者が会議参加者であると特定する。このように会議参加者を特定することによって、各席にID読取装置60を設ける必要がないので、コストダウンを図れる。なお、この場合、顔に相当する画像が本発明の「特定情報」に相当する。
【0095】
また、第1、第2実施形態では、各席の席番号「A1」〜「C3」、各席の位置情報「θA1」〜「θC3」、各席に設置されたID読取装置60の装置ID「MA1」〜「MC3」を記憶して(図3参照)、それらの値を利用して、特定撮像方向情報を特定していた(S13又はS73)。しかし、撮像方向制御装置10又は遠隔会議装置21a〜21cは、撮像装置202が撮像した会議参加者の画像から特定撮像方向情報を特定してもよい。具体的には、各拠点A〜Cにおいて、会議参加者の全員が撮像できるように、撮像装置202の電動ズームレンズの制御量を定める。そして、図17に示す3人の会議参加者が撮像装置202によって撮像された画像から各会議参加者の顔に相当する画像を抽出する。図17では、波線で示した3つの画像が抽出される。そして、撮像装置202によって撮像された画像における顔画像の位置を撮影するための撮像装置202の切換装置203の移動量の情報を特定撮像方向情報とする。このように特定撮像方向情報を特定することによって、各席の席番号、各席の位置情報、各席に設置されたID読取装置60の装置IDを記憶しておく必要がないので、データの記憶量を低減できる。
【0096】
また、上記第1、第2実施形態では、「役職」を属性情報としていたが、会話可能な言語、年齢、性別、国籍、部署名などその他の情報を属性情報に含めてもよい。こうすることによって、例えば、同じ国籍の会議参加者を容易且つ迅速にズームアップして表示させることができる。
【0097】
また、上記第1、第2実施形態では、「役職」が部長、課長、係長の会議参加候補者が会議に参加したとして説明したが、社長、専務、一般などその他の役職の会議参加候補者が会議に参加した場合であっても、上記実施形態と同じように、同じ役職の会議参加者を容易且つ迅速にズームアップして表示させることができる。
【0098】
また、上記第1、第2実施形態では、遠隔会議が開催される拠点がA〜Cの3つの場合について説明したが、2以上の拠点で開催される遠隔会議に、本発明を適用できるのは言うまでもない。さらに、上記第1、第2実施形態では、説明の便宜のために、各拠点A〜Cでの会議室の席が3つの場合について説明したが、いくつ席があっても本発明を適用できることは言うまでもない。
【0099】
また、上記第1実施形態では、予め特定撮像方向情報を「役職」ごとに第2記憶装置102に記憶して、属性情報が入力されたときに、その第2記憶装置102に記憶されている特定撮像方向情報を各遠隔会議装置20a〜20cに送信していた。しかし、これに限定されるわけではなく、例えば、属性情報が入力された後に、その属性情報で示される「役職」をプロフィールに有している会議参加者を、第1記憶装置30に記憶されているプロフィールのテーブル31から探索する。その後、探索した会議参加者に対する特定撮像方向情報を各遠隔会議装置20a〜20cに送信する。こうすることによって、第2記憶装置102を設ける必要がなくなるので、コストダウンを図れる。
【0100】
また、上記第1、第2実施形態では、撮像装置202と席との距離が予め定められているために、撮像装置202のズームレンズを制御することにより、表示装置206に表示される会議参加者の大きさを一定とすることができる。しかし、表示装置206に表示される会議参加者の大きさを一定とするために、上記第1、第2実施形態に限られない。具体的には、撮像装置202が撮像した撮像画像から、会議参加者の顔に相当する顔画像を抽出する。そして、その顔画像が表示装置206にズームアップして表示されるように、その顔画像の解像度を変更する。この際、各拠点A〜Cで表示する会議参加者の大きさが同じになるように、例えば拠点Aで表示する顔画像と同じ大きさとなるように、拠点B、Cで表示する顔画像の大きさを定める。こうすることによって、撮像装置202と席との距離を予め定める必要がないので、撮像装置202を設置する位置の自由度が増す。
【0101】
また、上記第1、第2実施形態では、各拠点A〜Cに一つの撮像装置202を設けた場合について説明したが、例えば、会議参加者の人数分の撮像装置202を設けてもよい。つまり、各会議参加者に一つの撮像装置202を割り当てる。そして、それぞれの撮像装置202が撮像した撮像画像のうち、どの撮像画像を表示装置206に表示させるかは、切替装置203によって切り替える。このように、複数の撮像装置202を用いれば、迅速に特定の会議参加者を表示させることができる。
【0102】
また、上記第1、第2実施形態では、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いる場合には(図5のS16:YES、図13のS79:YES)、その複数の会議参加者のうち、「ID」が最も小さい会議参加者が選択される(図5のS17、図13のS80)。そして、その選択された会議参加者が撮像される。しかし、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いる場合に、その複数の会議参加者のうちのいずれかの会議参加者を選択する方法としては、上記方法に限定されず、どの方法で選択してもよい。例えば、時刻を計測する装置を用いて、ID読取装置60が会議参加者の「ID」を読み取った時刻を記憶しておく。そして、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いる場合には、その時刻が最も早い「ID」の会議参加者を選択する。また、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いる場合には、その複数の会議参加者のうちのいずれかの会議参加者を会議参加者に選択させてもよい。
【0103】
また、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いる場合には(図5のS16:YES、図13のS79:YES)、その複数の会議参加者の全員若しくは一部が表示されるように、撮像装置202の撮像方向を制御してもよい。例えば、撮像装置202が複数ある場合には、上記複数の会議参加者の全員若しくは一部が撮像されるように複数の撮像装置202の撮像方向を切り替える。また、撮像装置202が複数ない場合には、撮像装置202のズームを制御して、上記複数の会議参加者の全員若しくは一部を撮像してもよい。なお、この場合、一人の会議参加者をズームアップして表示するときよりも、各会議参加者の大きさが小さく表示される。しかし、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いる場合にも、その複数の会議参加者の全員若しくは一部が表示されるので、会議参加者は、迅速に「役職」が共通する会議参加者を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】第1実施形態の遠隔会議システム1の概略を示した図である。
【図2】第1記憶装置30に記憶されているプロフィールのテーブル31を示した概念図である。
【図3】席番号、位置情報、及び装置IDのテーブル106を示した概念図である。
【図4】遠隔会議装置20a〜20cの概略構成を示したブロック図である。
【図5】制御回路101が実行する撮像方向制御処理を示したフローチャートである。
【図6】特定撮像方向情報をどのように特定するのかを説明するための図である。
【図7】第2記憶装置102に記憶される内容を示した図である。
【図8】制御回路201が実行するメイン処理を示したフローチャートである。
【図9】属性情報が入力されたときの表示装置206が表示する画像を示した図である。
【図10】第2実施形態の遠隔会議システム2の概略を示した図である。
【図11】遠隔会議装置21a〜21cの概略構成を示したブロック図である。
【図12】制御回路201が実行する画像表示処理を示したフローチャートである。
【図13】制御回路201が実行する撮像方向制御処理を示したフローチャートである。
【図14】遠隔会議装置21aの第2記憶装置212に記憶される情報を説明するための図である。
【図15】遠隔会議装置21bの第2記憶装置212に記憶される情報を説明するための図である。
【図16】遠隔会議装置21cの第2記憶装置212に記憶される情報を説明するための図である。
【図17】顔画像によって、会議参加者が誰かを特定する方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0105】
1、2 遠隔会議システム
10 撮像方向制御装置
20a〜20c、21a〜21c 遠隔会議装置
30 第1記憶装置
40 ネットワーク
101、201 制御回路
102、212 第2記憶装置
202 撮像装置
203 切替装置
206 表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の拠点に居る会議参加者を撮像して、ネットワークを介して、その撮像した会議参加者を表示して実施される遠隔会議において、撮像方向を制御する撮像方向制御装置、遠隔会議装置、撮像方向制御方法及び撮像方向制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遠隔会議装置を複数の拠点に設置して、複数の拠点間での遠隔会議が実施されることが多くなってきている。この遠隔会議装置は、遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段を備えている。そして、撮像手段が撮像した会議参加者の画像を、ネットワークを介して、他の遠隔会議装置に送信するとともに、他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を表示する。したがって、各拠点の会議参加者は、他の拠点の会議参加者の様子を把握しながら遠隔会議に参加できる。
【0003】
また、例えば、会話中の会議参加者のような特定の会議参加者を撮像手段によって撮像するために、撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段を備えている遠隔会議装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。特許文献1に記載の遠隔会議装置は、会議参加者の位置を検出して、その検出した会議参加者を撮像したときの、撮像手段の撮像方向を示す特定撮像方向情報を、会議参加者ごとにプリセット番号を付して記憶する。そして、画面に、会議参加者を表示するとともに、会議参加者に対応させて上記プリセット番号を表示する。そして、遠隔会議において、画面に表示させたい会議参加者に対応するプリセット番号がリモコンで選択された場合には、切替手段は、そのプリセット番号に対応する特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、撮像手段の撮像方向を切り替える。このように、会議参加者は、プリセット番号を選択するだけで、特定の会議参加者を表示させることができる。すなわち、会議参加者は、迅速に、特定の会議参加者を表示させることができる。
【0004】
一方、特許文献2に記載の遠隔会議装置は、遠隔会議に関連の深い会議参加者や遠隔会議に関連の深い発言を行う会議参加者を優先して表示する。具体的には、上記特定撮像方向情報を会議参加者によって予め設定しておく。遠隔会議が実施されると、遠隔会議装置は、予め登録されたプロフィール情報を参照し、又は、遠隔会議での発言を音声認識することによって、会議参加者ごとに優先度を付与する。そして、切替手段は、優先度の高い会議参加者を優先して撮像するように、撮像手段の撮像方向を切り替える。これによって、遠隔会議において、自動的に特定の会議参加者が表示されるので、会議参加者の操作負担を軽減できる。さらに、表示される会議参加者は、遠隔会議に関連の深い人物となりやすいので、各会議参加者はより一層、遠隔会議に参加しやすくなる。
【特許文献1】特開平11−122593号公報
【特許文献2】特開2007−67972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遠隔会議において、例えば、同じ役職の会議参加者など、属性が共通する会議参加者を表示させたい場合がある。このような場合、特許文献1の遠隔会議装置は、各会議参加者の属性を把握していないので、各拠点において、属性が共通する会議参加者に対応するプリセット番号をリモコンで選択する必要があるので、会議参加者の操作負担が大きいという問題点がある。また、属性が共通する会議参加者を表示するまでに時間がかかるという問題点もある。
【0006】
一方、特許文献2の遠隔会議装置は、遠隔会議に関連の深い会議参加者など、特定の会議参加者を自動的に表示するので、属性が共通しない、不本意な会議参加者が表示されるという問題点がある。
【0007】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の拠点に居る会議参加者を撮像して、ネットワークを介して、その撮像した会議参加者を表示して実施される遠隔会議において、属性が共通する会議参加者を容易且つ迅速に表示するように撮像方向を制御できる撮像方向制御装置、遠隔会議装置、撮像方向制御方法及び撮像方向制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の撮像方向制御装置は、遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段と、その撮像手段によって特定の会議参加者を撮像するために、前記撮像手段の撮像方向を示す撮像方向情報に基づいて前記撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段とを備える遠隔会議装置を複数の拠点に設置して、各遠隔会議装置が、自身が撮像した会議参加者の画像を、ネットワークを介して、他の遠隔会議装置に送信するとともに、他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を表示することによって実施される遠隔会議において、各遠隔会議装置の前記撮像手段の撮像方向を制御する撮像方向制御装置であって、会議参加者を特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得手段と、記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の前記特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、前記特定情報取得手段が取得した前記特定情報とを照合して、各会議参加者が前記会議参加候補者のうちの誰かを特定する参加者特定手段と、前記参加者特定手段が特定した会議参加者を前記撮像手段が撮像するときの前記撮像方向情報である特定撮像方向情報を特定する撮像方向特定手段と、前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定する設定手段と、前記参加者特定手段が特定した会議参加者のうち、前記設定手段が設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報を前記各遠隔会議装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の撮像方向制御装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記遠隔会議装置が前記プロフィールを構成する属性情報を表示して、その属性情報を会議参加者に選択させることによって、前記設定手段が前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の撮像方向制御装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記遠隔会議装置が会議参加者をズームアップして表示するときは、表示される会議参加者が一定の大きさとなるようにすることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の撮像方向制御装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、会議参加者がどの拠点で遠隔会議に参加するかを特定可能な参加拠点情報を取得する参加拠点情報取得手段と、前記加拠点情報取得手段が取得した前記参加拠点情報に基づいて、前記設定手段が設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者が同一拠点で複数いる場合、そのうちのいずれかの会議参加者を選択する選択手段とをさらに備え、前記送信手段は、前記選択手段が選択した会議参加者に対する前記特定撮像方向情報のみを前記各遠隔会議装置に送信することを特徴とする。
【0012】
請求項5の遠隔会議装置は、複数の拠点に設けられ、それぞれネットワークに接続された遠隔会議装置であって、遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した会議参加者の画像を前記ネットワークを介して他の遠隔会議装置に送信する第1送信手段と、他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を受信する第1受信手段と、前記第1受信手段が受信した会議参加者の画像を表示する表示手段とを備え、さらに各遠隔会議装置は、会議参加者を特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得手段と、記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の前記特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、前記特定情報取得手段が取得した前記特定情報とを照合して、各会議参加者が前記会議参加候補者のうちの誰かを特定する参加者特定手段と、前記参加者特定手段が特定した会議参加者を前記撮像手段が撮像するときの前記撮像手段の撮像方向を示す特定撮像方向情報を特定する撮像方向特定手段と、前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定する設定手段と、前記設定手段が設定した属性情報を他の遠隔会議装置に送信する第2送信手段と、他の遠隔会議装置から送信されてきた前記属性情報を受信する第2受信手段と、前記設定手段が設定した前記属性情報又は前記第2受信手段が受信した前記属性情報が前記プロフィールに含まれている会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、前記撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の遠隔会議装置は、請求項5に記載の発明の構成に加え、前記表示手段が前記プロフィールを構成する属性情報を表示して、その属性情報を会議参加者に選択させることによって、前記設定手段が前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7の遠隔会議装置は、請求項5又は6に記載の発明の構成に加え、前記表示手段が会議参加者をズームアップして表示するときは、表示される会議参加者が一定の大きさとなるようにすることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8の遠隔会議装置は、請求項5〜7のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記設定手段が設定した前記属性情報又は前記第2受信手段が受信した前記属性情報が前記プロフィールに含まれている会議参加者が複数いる場合、そのうちのいずれかの会議参加者を選択する選択手段をさらに備え、前記切替手段は、前記選択手段が選択した会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、前記撮像手段の撮像方向を切り替えることを特徴とする。
【0016】
請求項9の撮像方向制御方法は、遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段と、その撮像手段によって特定の会議参加者を撮像するために、前記撮像手段の撮像方向を示す撮像方向情報に基づいて前記撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段とを備える遠隔会議装置を複数の拠点に設置して、各遠隔会議装置が、自身が撮像した会議参加者の画像を、ネットワークを介して、他の遠隔会議装置に送信するとともに、他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を表示することによって実施される遠隔会議において、各遠隔会議装置の前記撮像手段の撮像方向を制御する撮像方向制御方法であって、会議参加者を特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得ステップと、記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の前記特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、前記特定情報取得ステップにおいて取得した前記特定情報とを照合して、各会議参加者が前記会議参加候補者のうちの誰かを特定する参加者特定ステップと、前記参加者特定ステップにおいて特定した会議参加者を前記撮像手段が撮像するときの前記撮像方向情報である特定撮像方向情報を特定する撮像方向特定ステップと、前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定する設定ステップと、前記参加者特定ステップにおいて特定した会議参加者のうち、前記設定ステップにおいて設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報を前記各遠隔会議装置に送信する送信ステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項10の撮像方向制御プログラムは、請求項9に記載の撮像方向制御方法の各種処理ステップをコンピュータに実行させる撮像方向制御プログラム。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の撮像方向制御装置によれば、特定情報取得手段は、会議参加者を特定する情報である特定情報を取得できる。そして、参加者特定手段は、記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、特定情報取得手段が取得した特定情報とを照合して、各会議参加者が会議参加候補者のうちの誰かを特定できる。一方、撮像方向特定手段は、参加者特定手段が特定した会議参加者を撮像手段が撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報を特定できる。また、設定手段は、プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定できる。そして、送信手段は、参加者特定手段が特定した会議参加者のうち、設定手段が設定した属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する特定撮像方向情報を各遠隔会議装置に送信することができる。
【0019】
したがって、各遠隔会議装置は、特定撮像方向情報で示される撮像方向となるように、撮像手段の撮像方向を切替手段によって切り替えることができる。すなわち、設定手段によって属性情報を設定すれば、属性が共通する会議参加者を容易且つ迅速に表示するように撮像方向を制御できる。
【0020】
また、請求項2の撮像方向制御装置によれば、遠隔会議装置がプロフィールを構成する属性情報を表示して、その属性情報を会議参加者に選択させることによって、設定手段がプロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定できる。したがって、請求項2の撮像方向制御装置は、請求項1に記載の発明の効果に加え、会議参加者は容易に属性情報を設定できる。
【0021】
また、請求項3の撮像方向制御装置は、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、遠隔会議装置が会議参加者をズームアップして表示するときは、表示される会議参加者が一定の大きさとなるので、その会議参加者を視認しやすくできる。
【0022】
また、請求項4の撮像方向制御装置によれば、参加拠点情報取得手段は、会議参加者がどの拠点で遠隔会議に参加するかを特定可能な参加拠点情報を取得する。また、選択手段は、参加拠点情報取得手段が取得した参加拠点情報に基づいて、設定手段が設定した属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者が同一拠点で複数いる場合、そのうちのいずれかの会議参加者を選択する。そして、送信手段は、選択手段が選択した会議参加者に対する特定撮像方向情報のみを各遠隔会議装置に送信する。
【0023】
このように、同一拠点で属性が共通する会議参加者が複数いた場合には、そのうちのいずれかの会議参加者に対する特定撮像方向情報のみが各遠隔会議装置に送信される。したがって、請求項1〜3に記載の発明の効果に加え、遠隔会議装置は、同一拠点で属性が共通する会議参加者が複数いた場合にもどの会議参加者を撮像するのかを決定できる。
【0024】
請求項5の遠隔会議装置によれば、特定情報取得手段は、会議参加者を特定する情報である特定情報を取得できる。そして、参加者特定手段は、記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、特定情報取得手段が取得した特定情報とを照合して、各会議参加者が会議参加候補者のうちの誰かを特定できる。また、撮像方向特定手段は、参加者特定手段が特定した会議参加者を撮像手段が撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報を検出できる。設定手段は、プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定し、第2送信手段はその設定した属性情報を他の遠隔会議装置に送信できる。また、第2受信手段は、他の遠隔会議装置から送信されてきた属性情報を受信できる。そして、切替手段は、設定手段が設定した属性情報又は第2受信手段が受信した属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、撮像手段の撮像方向を切り替えることができる。
【0025】
これにより、設定手段によって属性情報を設定すれば、属性が共通する会議参加者を容易且つ迅速に表示するように撮像方向を制御できる。
【0026】
また、請求項6の遠隔会議装置によれば、表示手段がプロフィールを構成する属性情報を表示して、その属性情報を会議参加者に選択させることによって、設定手段がプロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定できる。したがって、請求項5の遠隔会議装置は、請求項5に記載の発明の効果に加え、会議参加者は容易に属性情報を設定できる。
【0027】
また、請求項7の遠隔会議装置は、請求項5又は6に記載の発明の効果に加え、表示手段が会議参加者をズームアップして表示するときは、表示される会議参加者が一定の大きさとなるので、その会議参加者を視認しやすくできる。
【0028】
また、請求項8の遠隔会議装置によれば、選択手段は、設定手段が設定した属性情報又は第2受信手段が受信した属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者が複数いる場合、そのうちのいずれかの会議参加者を選択する。そして、切替手段は、選択手段が選択した会議参加者に対応する特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、撮像手段の撮像方向を切り替える。
【0029】
したがって、請求項5〜7に記載の発明の効果に加え、同一拠点で属性が共通する会議参加者が複数いた場合には、そのうちのいずれかの会議参加者が撮像される。すなわち、同一拠点で属性が共通する会議参加者が複数いた場合にも、どの会議参加者を撮像するのかを決定できる。
【0030】
請求項9の撮像方向制御方法によれば、特定情報取得ステップにおいて、会議参加者を特定する情報である特定情報が取得できる。そして、参加者特定ステップにおいて、記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、特定情報取得ステップにおいて取得した特定情報とが照合されて、各会議参加者が会議参加候補者のうちの誰かが特定できる。一方、撮像方向特定ステップにおいて、参加者特定ステップにおいて特定された会議参加者を撮像手段が撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報が特定できる。また、設定ステップにおいて、プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかが設定できる。そして、送信ステップにおいて、参加者特定ステップにおいて特定した会議参加者のうち、前記設定ステップにおいて設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する特定撮像方向情報が各遠隔会議装置に送信できる。
【0031】
したがって、各遠隔会議装置は、特定撮像方向情報で示される撮像方向となるように、撮像手段の撮像方向を切替手段によって切り替えることができる。すなわち、設定ステップにおいて属性情報が設定されれば、属性が共通する会議参加者を容易且つ迅速に表示するように撮像方向を制御できる。
【0032】
また、請求項10の撮像方向制御プログラムをコンピュータに実行させれば、請求項9に記載の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(第1実施形態)
【0034】
以下、本発明に係る撮像方向制御装置、遠隔会議装置、撮像方向制御方法の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の遠隔会議システム1の概略を示した図である。同図に示すように、遠隔会議システム1は、撮像方向制御装置10、遠隔会議装置20a〜20c、第1記憶装置30、ネットワーク40及びID読取装置60を備えている。また、図1に示すように、遠隔会議装置20aは拠点Aに、遠隔会議装置20bは拠点Bに、遠隔会議装置20cは拠点Cに設けられている。また、ID読取装置60は、各拠点において、遠隔会議が実施される会議室の会議参加者が着席する席ごとに設けられている。
【0035】
遠隔会議システム1では、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者のプロフィールが複数記録されたテーブル31が、第1記憶装置30に記憶されている。尚、第1記憶装置30が、本発明の「記憶手段」に相当する。この第1記憶装置30としては、例えばハードディスクやフラッシュメモリが用いられる。テーブル31に記録されたプロフィールは、「ID」、「氏名」、「役職」、「顔写真」から構成される。なお、「ID」は本発明の「特定情報」に相当し、「役職」は本発明の「属性情報」に相当する。図2は、第1記憶装置30に記憶されているプロフィールのテーブル31を示した概念図である。図2に示すように会議参加候補者ごとに、「ID」が割り当てられている。例えば、「ID」が1の会議参加候補者の氏名は「AAAA」で、「役職」は部長である。また、「顔写真」も記憶されている。なお、図2では、「ID」が1〜9の会議参加候補者のプロフィールを示しているが、それ以外の「ID」を有している会議参加候補者のプロフィールも第1記憶装置30には記憶されている。
【0036】
また、各会議参加候補者は、自身の「ID」が記憶されたIDカードを所持している。このIDカードは内部にマイクロチップを内蔵したICカードから構成されている。そして、ID読取装置60は、一例として、図示しないIDカード接触面及びIDカード読み取機構を有しており、そのIDカード接触面に接触されたIDカードのマイクロチップに記憶されている「ID」を読み取ることができる。また、各ID読取装置60には装置IDが割り当てられている。会議参加候補者は、遠隔会議に参加する際には、会議室の席ごとに設置されたID読取装置60で自身のIDカードに記憶されている「ID」を読み取らせる。各ID読取装置60は、ネットワーク40に接続されている、読み取った「ID」及び装置IDをネットワーク40を介して撮像方向制御装置10に送信する。
【0037】
先ず、図1に示す撮像方向制御装置10の構成について説明する。図1に示すように、撮像方向制御装置10は、内部に制御回路101と第2記憶装置102と、ネットワーク40への接続を行う図示外のネットワークカードとを備えている。また、撮像方向制御装置10の制御回路101は、CPU103、ROM104及びRAM105を備えている。また、CPU103、ROM104及びRAM105は、バスを介して相互に接続されている。そして、CPU103がROM104に記憶されているプログラムにしたがって、各種演算処理を実行する。例えば、遠隔会議装置20a〜20cがネットワーク40に接続されたときには、各遠隔会議装置20a〜20cが特定の会議参加者を撮像するための撮像方向制御処理を実行する。この撮像方向制御処理については、後述のフローチャートを参照して後述する。また、CPU103は、撮像方向制御処理と並列して、各遠隔会議装置20a〜20cが撮像した撮像画像をネットワーク40を介して受信して、それら撮像画像を一つの画像に合成して、その合成した合成画像をネットワーク40を介して各遠隔会議装置20a〜20cに送信する処理を実行する。
【0038】
さらに、ROM104には、図3に示すように、テーブル106が記憶されている。このテーブル106には、各拠点A〜Cにおいて、会議室の各席を識別する席番号に対応付けて、各席の位置情報が、後述する遠隔会議装置20a〜20cの撮像装置202を各席に向けたときの、その撮像装置202の撮像方向を示した撮像方向情報として記録されている。また、テーブル106には、各席に設置されているID読取装置60の装置IDが各席番号に対応付けて記録されている。例えば、各拠点A〜Cにはそれぞれ3つの席が用意されている場合には、図3に示すように、ROM104に記憶されたテーブル106には、一例として、各席の席番号は「A1」〜「A3」、「B1」〜「B3」、「C1」〜「C3」と記録されている。また、各席の位置情報は、「θA1」〜「θA3」、「θB1」〜「θB3」、「θC1」〜「θC3」と記録されている。さらに、各席に設置されたID読取装置60の装置IDは、「MA1」〜「MA3」、「MB1」〜「MB3」、「MC1」〜「MC3」と記録されている。
【0039】
なお、第2記憶装置102は、撮像方向制御処理において、後述する撮像装置202が特定の会議参加者を撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報を会議参加者のプロフィールに含まれている「役職」(属性情報)に対応付けて記憶するものである。ここで、図7を参照して、第2記憶装置102に記憶される内容について説明する。図7は、第2記憶装置102に記憶される内容を示した概念図である。図7に示すように、第2記憶装置102には、各役職に対応して、その役職者が居る拠点及びその者の撮影するための特定撮像方向情報が各々記憶されている。
【0040】
次に、遠隔会議装置20a〜20cの構成について図4を参照して説明する。図4は、遠隔会議装置20a〜20cの概略構成を示したブロック図である。同図に示すように、遠隔会議装置20a〜20cは、各々、制御回路201、撮像装置202、切替装置203、入力装置204、音声入出力装置205及び表示装置206を備えている。
【0041】
また、制御回路201は、ネットワーク40に接続されており、制御回路201の内部にCPU207、ROM208及びRAM209が設けられている。また、CPU207、ROM208及びRAM209はバスを介して相互に接続されている。そして、CPU207がROM208に記憶されているプログラムにしたがってメイン処理を実行する。このメイン処理については、図5に示すフローチャートを参照して後述する。この制御回路201は、自身をネットワーク40に接続するときには、接続する旨を示す接続信号を撮像方向制御装置10に送信し、反対に、ネットワーク40から切断するときには、切断する旨を示す切断信号を撮像方向制御装置10に送信する。さらに、制御回路201は、撮像装置202の撮像方向を切り替えるときには、撮像装置202の撮像方向を示した撮像方向情報を切替装置203に送信する。
【0042】
撮像装置202は、遠隔会議が実施される会議室で、会議参加者が着席する席から所定距離だけ離れた位置に設置される。そして、撮像装置202は、制御回路201に電気的に接続されており、遠隔会議に参加する会議参加者を撮像するものである。ここで、撮像装置202は、一例として、周知のデジタル式のカメラから構成され、図示外の電動ズームレンズを備えている。そして、会議参加者の全員を撮像できるように、その電動ズームレンズが制御回路201によって制御される。また、撮像装置202は、会議参加者を撮像した撮像画像を制御回路201に送信することができる。撮像装置202の撮像素子としては、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサが用いられている。
【0043】
切替装置203は、各撮像装置202に各々設けられており、ステップモータやアクチュエータ等から構成されており、且つ、制御回路201と電気的に接続されている。そして、切替装置203は、制御回路201から上記撮像方向情報を受けて、その撮像方向情報で示される撮像方向となるように、撮像装置202の撮像方向を切り替える。
【0044】
入力装置204は、例えば、リモコン、キーボード、マウス等から構成され、各種信号を制御回路201に入力するものである。各種信号としては、例えば、撮像装置202の撮像方向を切り替える信号や、特定の「役職」をプロフィールに有している会議参加者を撮像装置202によって撮像させるために、その「役職」を示した属性情報の信号などがある。制御回路201は、属性情報が入力装置204によって入力されたときには、その属性情報を撮像方向制御装置10に送信する。また、会議参加者は、属性情報を入力するために、「役職」の一覧を示したメニューを表示装置206に表示させるメニュー表示指示信号を、入力装置204によって入力することができる。
【0045】
また、会議参加者は、遠隔会議装置20a〜20cをネットワーク40に接続させたいときには、入力装置204によって、接続指示信号を入力することができる。そして、制御回路201は、その接続指示信号を受信した場合に自身をネットワーク40に接続するとともに、上記接続信号を撮像方向制御装置10に送信する。一方、会議参加者は、遠隔会議装置20a〜20cをネットワーク40から切断させたいときには、入力装置204によって、切断指示信号を入力することができる。そして、制御回路201はその切断指示信号を受信した場合に自身をネットワーク40から切断するとともに、上記切断信号を撮像方向制御装置10に送信することができる。
【0046】
音声入出力装置205は、マイク及びスピーカなどから構成され、遠隔会議において、会議参加者が発した音声を電気信号に変換して制御回路201に入力するとともに、制御回路201から送信される会議参加者が発した音声に相当する電気信号を音声として出力する。すなわち、音声入出力装置205は、各拠点A〜Cにおいて、会議参加者が発した音声を他の拠点A〜Cに送信するとともに、他の拠点A〜Cから送信されてきた音声を出力するために用いられる。
【0047】
表示装置206は、撮像方向制御装置10から送信されてくる各拠点A〜Cにおける会議参加者の画像である合成画像を表示するとともに、特定の「役職」の会議参加者を表示するために上記メニューを表示する。
【0048】
次に、上記構成を備えた撮像方向制御装置10の制御回路101が実行する撮像方向制御処理について、図1〜図7を参照して説明する。図5は、制御回路101が実行する撮像方向制御処理を示したフローチャートであり、図6は、特定撮像方向情報をどのように特定するのかを説明するための模式図である。ここで、説明の便宜のために、図2に示す「ID」が1〜9の会議参加候補者が遠隔会議に参加するものとする。そして、「ID」が1、3、5の会議参加候補者は拠点Aにて遠隔会議に参加し、「ID」が2、4、7の会議参加候補者は拠点Bにて遠隔会議に参加し、「ID」が6、8、9の会議参加候補者は拠点Cにて遠隔会議に参加するものとする。なお、撮像方向制御処理は、遠隔会議装置20a〜20cからの接続信号を受信したときに開始される。
【0049】
先ず、各会議参加候補者が、自身のIDカードをID読取装置60のIDカード接触面に接触させると、IDカードのマイクロチップに記憶されている「ID」が読み取られて、ID読取装置60の装置IDと共に撮像方向制御装置10に送信される。撮像方向制御装置10の制御回路101のCPU103では、各ID読取装置60から送信されてきた会議参加者のID及び装置IDが取得される(S11)。なお、S11を実行するCPU103は本発明の「特定情報取得手段」に相当し、S11は本発明の「特定情報取得ステップ」に相当する。また、図3に示すテーブル106を参照して、装置IDから会議参加者がどの拠点A〜Cで遠隔会議に参加するのか特定可能であるので、装置IDは本発明の「参加拠点情報」に相当し、S11を実行するCPU103は本発明の「参加拠点情報取得手段」に相当する。そして、その「ID」と第1記憶装置30に記憶されている会議参加候補者のプロフィールのテーブル31の「ID」が照合されて、会議参加者が特定される(S12)。この場合、「ID」が1〜9の会議参加候補者が会議参加者として特定される。なお、S12を実行するCPU103は本発明の「参加者特定手段」に相当し、S12は本発明の「参加者特定ステップ」に相当する。
【0050】
次いで、各会議参加者を撮像装置202が撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報が特定される(S13)。なお、S13を実行するCPU103は本発明の「撮像方向特定手段」に相当し、S13は「撮像方向特定ステップ」に相当する処理である。以下、特定撮像方向情報を特定する処理(S13)について説明する。図6に示すように、各拠点A〜Cにおいて、席が3つ用意されており、席の前方には撮像装置202が設置されている。そして、拠点Aにおける3つの席のうち、撮像装置202からみて一番左の席の席番号は「A1」、真ん中の席の席番号は「A2」、一番右の席の席番号は「A3」となっている。また、拠点Bにおける3つの席のうち、撮像装置202からみて一番左の席の席番号は「B1」、真ん中の席の席番号は「B2」、一番右の席の席番号は「B3」となっている。また、拠点Cにおける3つの席のうち、撮像装置202からみて一番左の席の席番号は「C1」、真ん中の席の席番号は「C2」、一番右の席の席番号は「C3」となっている。
【0051】
そして、「ID」が1の会議参加者は席番号「A1」の席に着席したとする。上述したように、席番号「A1」の席に設置されているID読取装置60の装置IDは「MA1」であるので(図3参照)、前記S11の処理で、ID読取装置60で読み取られた会議参加者のID:1と、ID読取装置60の装置ID:MA1が、ID読取装置60からネットワーク40を介して、撮像方向制御装置10に送信される。そして、撮像方向制御装置10の制御回路101のCPU103で、会議参加者IDの「1」とともに、「MA1」の装置IDが取得されている。また、S12の処理で、会議参加者が特定されるので、図3に示す、ROM104に記憶されたテーブル106が参照されて、装置ID「MA1」に対応する席の位置情報「θA1」が、「ID」が1の会議参加者に対する特定撮像方向情報とされる。同様にして、「ID」が2〜9の会議参加者に対する特定撮像方向情報が特定される(S13)。
【0052】
なお、本実施形態では、説明の便宜のため、図6に示すように、「ID」が1の会議参加者は席番号「A1」の席に、「ID」が3の会議参加者は席番号「A2」の席に、「ID」が5の会議参加者は席番号「A3」の席に着席したとする。また、「ID」が7の会議参加者は席番号「B1」の席に、「ID」が4の会議参加者は席番号「B2」の席に、「ID」が2の会議参加者は席番号「B3」の席に着席したとする。さらに、「ID」が8の会議参加者は席番号「C1」の席に、「ID」が6の会議参加者は席番号「C2」の席に、「ID」が9の会議参加者は席番号「C3」の席に着席したとする。
【0053】
したがって、「ID」が1の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θA1」、「ID」が3の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θA2」、「ID」が5の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θA3」と特定される(S13)。また、「ID」が7の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θB1」、「ID」が4の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θB2」、「ID」が2の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θB3」と特定される(S13)。また、「ID」が8の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θC1」、「ID」が6の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θC2」、「ID」が9の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θC3」と特定される(S13)。なお、切替装置203にはモータが組み込まれていて、その回転により撮像装置202の撮像方向が決まる。ここで、特定撮像方向情報「θA1」〜「θC3」は、各切替装置203にステップモータ等のモータが用いられている場合には、当該モータの基準位置に対する回転角のデータである。また、アクチュエータが用いられている場合には、当該アクチュエータの動作量のデータである。
【0054】
S13の処理が終了すると、次いで、第1記憶装置30に記憶されている会議参加候補者のプロフィールのテーブル31(図2参照)が参照されて、第2記憶装置102の「役職」ごとに分けられたテーブルに特定撮像方向情報が記憶される(S14)。この際、図7に示すように、各特定撮像方向情報が、どの拠点A〜Cに居る会議参加者に対するものなのかが制御回路101が認識できるように、拠点A〜Cに対応付けて各特定撮像方向情報が第2記憶装置102に記憶される。なお、図7において、特定撮像方向情報と並列列記されている括弧内にはその特定撮像方向情報に対応する会議参加者の「ID」を示している。図7に示すように、「役職」が部長の会議参加者は、「ID」が1、2、6で、それぞれ特定撮像方向情報は「θA1」、「θB3」、「θC2」である。また、「役職」が課長の会議参加者は、「ID」が3、7、9で、それぞれ特定撮像方向情報は「θA2」、「θB1」、「θC3」である。また、「役職」が係長の会議参加者は、「ID」が4、5、8で、それぞれ特定撮像方向情報は「θB2」、「θA3」、「θC1」である。
【0055】
なお、図7に示す例では、同一の拠点A〜Cで遠隔会議に参加する会議参加者は、異なる「役職」の属性を有していた。しかし、同一の拠点A〜Cで遠隔会議に参加する会議参加者のうち、同じ「役職」の会議参加者がいる場合もあり得る。この場合であっても、それらの特定撮像方向情報は、同じ「役職」のテーブルに記憶される。例えば、拠点Aで「役職」が部長の会議参加者が複数いた場合には、その複数の会議参加者に対応する特定撮像方向情報は、拠点Aという情報が付されて、「役職」が部長であるテーブルに記憶される。
【0056】
次いで、撮像方向制御装置10の制御回路101では、遠隔会議装置20a〜20cが送信する上記属性情報を受信したか否かが判断される(S15)。そして、属性情報を受信した場合には(S15:YES)、第2記憶装置102に記憶されている特定撮像方向情報を参照して、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いるか否かが判断される(S16)。なお、図7に示す例では、同一の拠点A〜Cで遠隔会議に参加する会議参加者は、異なる「役職」の属性を有している。したがって、S16の判断はNOとなり、その属性情報で示される「役職」に対応付けられて第2記憶装置102に記憶されている特定撮像方向情報が各遠隔会議装置20a〜20cに送信される(S18)。この際、拠点Aに対応付けて記憶されている特定撮像方向情報は、拠点Aに設置されている遠隔会議装置20aに送信される。また、拠点Bに対応付けて記憶されている特定撮像方向情報は、拠点Bに設置されている遠隔会議装置20bに送信される。また、拠点Cに対応付けて記憶されている特定撮像方向情報は、拠点Cに設置されている遠隔会議装置20cに送信される。例えば、属性情報で示される「役職」が部長である場合には、図7に示すように、特定撮像方向情報「θA1」が遠隔会議装置20aに送信され、特定撮像方向情報「θB3」が遠隔会議装置20bに送信され、特定撮像方向情報「θC2」が遠隔会議装置20cに送信される。なお、S15の判断がYESとなる処理は、本発明の「設定手段」及び「設定ステップ」に相当する処理である。
【0057】
S16の判断において、受信した属性情報に対応する「役職」が共通する会議参加者が、同一の拠点A〜Cで複数いる場合には(S16:YES)、その複数の会議参加者のうち、「ID」が最も小さい会議参加者を選択する(S17)。例えば、拠点Aに、「役職」が部長の会議参加者が複数いて、それらの会議参加者の「ID」が1、3、5の場合には、S17において「ID」が1の会議参加者が選択される。その後、S15にて受信した属性情報で示される「役職」に対応付けられて第2記憶装置102に記憶されている特定撮像方向情報が各遠隔会議装置20a〜20cに送信される(S18)。この際、「役職」が共通する会議参加者が複数いる拠点A〜Cには、S17にて選択された会議参加者に対する特定撮像方向情報のみが送信される(S18)。こうすることによって、遠隔会議装置20a〜20cは、どの会議参加者を撮像するのかを決定できる。なお、S17の処理を実行するCPU103は、本発明の「選択手段」に相当する。また、S18を実行するCPU103は本発明の「送信手段」に相当し、S18は本発明の「送信ステップ」に相当する。
【0058】
次いで、遠隔会議装置20a〜20cすべてから上記切断信号を受信したか否かによって、遠隔会議が終了したか否かが判断され(S19)、遠隔会議が終了したと判断された場合は(S19:YES)、撮像方向制御処理が終了される。一方、まだ遠隔会議が終了していないと判断された場合は(S19:NO)、S15の処理に戻る。また、S15において、属性情報を受信していないと判断された場合は(S15:NO)、S19の処理が実行される。したがって、遠隔会議が終了するまでは、属性情報の受信待ち状態となる。
【0059】
続いて、遠隔会議装置20a〜20cの制御回路201が実行するメイン処理について図8のフローチャートを参照して説明する。なお、このメイン処理は一定期間おきに実行される。
【0060】
先ず、制御回路201に信号が入力されたかが判断され(S31)、何も入力がなかった場合には(S31:NO)、このメイン処理は終了される。一方、信号が入力された場合には(S31:YES)、その信号の種類が判断される(S32)。ここで、入力された信号が上記接続指示信号の場合には、制御回路201がネットワーク40に接続されて、撮像方向制御装置10に接続信号が送信される接続処理が実行され(S33)、メイン処理が終了される。また、入力された信号が上記切断指示信号の場合には、撮像方向制御装置10に切断信号が送信され、その後、制御回路201がネットワーク40から切断される切断処理が実行され(S33)、メイン処理が終了される。
【0061】
一方、入力された信号が上記メニュー表示指示信号である場合には、表示装置206に「役職」の一覧を示したメニューを表示する(S34)。例えば、部長、課長、係長等の一覧が表示装置206に表示される。次いで、そのメニューに基づいて、部長、課長、係長等の表示の何れかがマウス等により選択されて属性情報が入力されたか否かが判断される(S35)。部長、課長、係長等の属性情報が選択されて入力された場合は(S35:YES)、その属性情報が撮像方向制御装置10に送信され(S36)、メイン処理が終了される。また、属性情報が入力されていないと判断された場合は(S35:NO)、S35の処理に戻り、属性情報の入力を待つ。
【0062】
一方、S32において、入力された信号が、撮像方向制御装置10から送信された特定撮像方向情報の場合は、その特定撮像方向情報に基づいて、制御回路201が切替装置203を制御して、撮像装置202の撮像方向を切り替える(S37)。具体的には、制御回路201は、特定撮像方向情報で示される撮像方向となるように、切替装置203のモータやアクチュエータ等を制御して、撮像装置202の撮像方向を切り替える。例えば、特定撮像方向情報が「θA1」である場合には、撮像装置202の撮像方向が席番号「A1」の方向となる。
【0063】
次いで、ズームアップして会議参加者を表示するため、撮像装置202のズームが所定の度合いだけ制御され(S38)、メイン処理が終了される。このズームアップの処理では、一例として、撮像装置202により撮影されている会議参加者の顔の画像を公知の顔認識技術により認識し、例えば、両目の間隔が、予め設定されている距離になるように撮像装置202の電動ズームレンズを望遠側又は広角側に制御すればよい。尚、予め設定されている両目の間隔の距離は、各遠隔会議装置20a〜20cで同じ設定する。従って、各遠隔会議装置20a〜20cでは、ズームアップされた会議参加者の顔の大きさは、ほぼ同じになる。
【0064】
また、顔認識技術を用いない場合には、特定撮像方向情報が、「θA1」、「θB1」、「θC1」、「θA3」、「θB3」、「θC3」の場合には、撮像装置202から会議参加者までの距離が同じなので、電動ズームレンズの焦点距離が全て同じになるように、電動ズームレンズを制御し、特定撮像方向情報が、「θA2」、「θB2」、「θC2」の場合には、撮像装置202から会議参加者までの距離が短くなるので、「θA1」、「θB1」、「θC1」、「θA3」、「θB3」、「θC3」の場合よりも電動ズームレンズの焦点距離が短くなるように、電動ズームレンズを制御してもよい。この場合には、予め実験により、特定撮像方向情報が、「θA2」、「θB2」、「θC2」の場合に、特定撮像方向情報が、「θA1」、「θB1」、「θC1」、「θA3」、「θB3」、「θC3」の場合と同じ大きさに会議参加者が写るように電動ズームレンズの焦点距離を求めておけばよい。
【0065】
上述したように、撮像装置202と会議参加者が着席する席との距離は予め定められているので、撮像装置202のズームが所定の度合いだけ制御されると、ズームアップして表示される会議参加者の画像が一定の大きさとなる。図9は、属性情報が入力されたときの表示装置206が表示する画像を示している。同図に示すように、各拠点A〜Cでの特定の会議参加者がズームアップされて表示されている。なお、図9では、「役職」が部長の会議参加者がズームアップされて表示されている例を示している。
【0066】
一方、S32において、入力された信号が、上述した信号以外の信号である場合は、その信号に従った処理が実行される(S39)。例えば、撮像方向制御装置10から送信される上記合成画像が入力された場合は、その合成画像を表示装置206に表示する。また、音声入出力装置205の音声の入力又は出力感度を変更する信号である場合は、その信号にしたがって音声入出力装置205の感度が変更される。例えば、会議参加者は、他拠点A〜Cでの音声が聞き取り辛いときには、音声入出力装置205の感度を上げて、他拠点A〜Cでの音声を聞き取りやすくすることができる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態の遠隔会議システム1では、「役職」が共通する会議参加者を容易且つ迅速にズームアップして表示させることができる。この際、表示される会議参加者が一定の大きさとなるので、その会議参加者を視認しやすくできる。
【0068】
また、会議参加者は、属性情報を入力するために、「役職」の一覧を示したメニューを表示装置206に表示させることができるので、属性情報を容易に入力することができる。さらに、特定撮像方向情報が、「役職」ごとに予め記憶されるので、撮像方向制御装置10は、属性情報が入力された際に、その属性情報で示される「役職」に対応付けて記憶されている特定撮像方向情報を迅速に各遠隔会議装置20a〜20cに送信することができる。すなわち、迅速に「役職」が共通した会議参加者をズームアップして表示させることができる。
【0069】
また、ID読取装置60が読み取った「ID」に基づいて会議参加者を特定しているので、正確に会議参加者が誰かを特定することができる。すなわち、正確に「役職」が共通した会議参加者をズームアップして表示させることができる。
(第2実施形態)
【0070】
次に、本発明に係る撮像方向制御装置、遠隔会議装置、撮像方向制御方法の第2実施形態について図10乃至図16を参照して説明する。図10は、第2実施形態の遠隔会議システム2の概略を示した図であり、図11は、遠隔会議装置21a〜21cの概略構成を示したブロック図である。また、図12は、制御回路201が実行する画像表示処理を示したフローチャートであり、図13は、制御回路201が実行する撮像方向制御処理を示したフローチャートであり、図14は、遠隔会議装置21aの第2記憶装置212に記憶される情報を説明するための図である。また、図15は、遠隔会議装置21bの第2記憶装置212に記憶される情報を説明するための図であり、図16は、遠隔会議装置21cの第2記憶装置212に記憶される情報を説明するための図である。
【0071】
なお、以下の説明では、第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付している。図10に示すように、遠隔会議システム2は、遠隔会議装置21a〜21c、第1記憶装置30、ネットワーク40、及びID読取装置60を備えている。また、図10に示すように、遠隔会議装置21aは拠点Aに、遠隔会議装置21bは拠点Bに、遠隔会議装置21cは拠点Cに設けられている。また、第1記憶装置30は、第1実施形態と同様に、図2に示す、会議参加候補者のプロフィールのテーブル31を記憶している。さらに、ID読取装置60は、各拠点A〜Cにおいて、会議室の各席に設けられており、それぞれ遠隔会議装置21a〜21cに接続されている。そして、ID読取装置60は、「ID」を読み取ったときには、その「ID」及び装置IDを遠隔会議装置21a〜21cに送信する。以下、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0072】
先ず、遠隔会議装置21a〜21cの構成について説明する。図11は遠隔会議装置21a〜21cの概略構成を示したブロック図である。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付している。同図に示すように、遠隔会議装置21a〜21cは、制御回路201、撮像装置202、切替装置203、入力装置204、音声入出力装置205、表示装置206及び第2記憶装置212を備えている。ここで、第2実施形態の遠隔会議装置21a〜21cは、制御回路201のCPU207が実行する処理及びROM208に記憶されている情報が第1実施形態と異なっている。また、遠隔会議装置21a〜21cは、第2記憶装置212を備えている点も第1実施形態と異なる。以下、各構成について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0073】
制御回路201は、ネットワーク40に接続されており、内部にCPU207、ROM208、RAM209がバスを介して相互に接続されている。そして、CPU207がROM208に記憶されているプログラムにしたがって、他の拠点A〜Cでの会議参加者の画像を表示する画像表示処理及び撮像装置202の撮像方向を制御する撮像方向制御処理を実行する。これら画像表示処理及び撮像方向制御処理については、フローチャートを参照して後述する。また、制御回路201は、入力装置204から接続指示信号が入力されたときには、自身をネットワーク40に接続し、反対に、切断指示信号が入力されたときには、自身をネットワーク40から切断する。さらに、制御回路201は、撮像装置202の撮像方向を切り替えるときには、撮像装置202の撮像方向を示した撮像方向情報を切替装置203に送信する。
【0074】
さらに制御回路201のROM208には、各拠点A〜Cにおいて、会議室の各席を識別する席番号に対応付けて、各席の位置情報が、撮像装置202を各席に向けたときの、その撮像装置202の撮像方向を示した撮像方向情報として記憶されている。また、ROM208には、各席に設置されているID読取装置60の装置IDを各席番号に対応付けて記憶されている。具体的には、ROM208には、図3に示すテーブル106が記憶されている。図3に示すように、各拠点A〜Cにはそれぞれ3つの席が用意されている。そして、各席の席番号は「A1」〜「A3」、「B1」〜「B3」、「C1」〜「C3」となっている。また、各席の位置情報は、「θA1」〜「θA3」、「θB1」〜「θB3」、「θC1」〜「θC3」となっている。さらに、各席に設置されたID読取装置60の装置IDは、「MA1」〜「MA3」、「MB1」〜「MB3」、「MC1」〜「MC3」となっている。
【0075】
なお、第2記憶装置112は、撮像方向制御処理において、特定撮像方向情報を会議参加者の「ID」に対応付けて記憶するものである。撮像装置202、切替装置203、入力装置204、音声入出力装置205及び表示装置206については、第1実施形態と同じなので説明を省略する。
【0076】
続いて、制御回路201が実行する画像表示処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。なお、この画像表示処理は、入力装置204から接続指示信号が制御回路201に入力され、制御回路201がネットワーク40に接続したときに開始される。
【0077】
先ず、撮像装置202が撮像した撮像画像が取得され(S51)、その撮像画像が他の遠隔会議装置21a〜21cに送信される(S52)。なお、S52を実行するCPU207は本発明の「第1送信手段」に相当する。次いで、他の遠隔会議装置21a〜21cから送信されてくる撮像画像が受信されて(S53)、各撮像画像が一つの画像に合成される(S54)。そして、その合成された合成画像が表示装置206に表示される(S55)。したがって、各拠点A〜Cにおいて、会議参加者は、他の拠点A〜Cでの会議参加者の様子を把握できる。その後、制御回路201に切断指示信号が入力されたか否かによって、遠隔会議が終了したか否かが判断され(S56)、終了した場合は(S56:YES)、この画像表示処理が終了される。一方、未だ遠隔会議が終了していない場合は(S56:NO)、処理がS51に戻る。すなわち、遠隔会議が終了するまでは、逐次、合成画像が更新されることになる。なお、S53を実行するCPU207は本発明の「第1受信手段」に相当する。
【0078】
続いて、制御回路201が実行する撮像方向制御処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。なお、この撮像方向制御処理は、入力装置204から接続指示信号が制御回路201に入力され、制御回路201がネットワーク40に接続したときに開始される。また、撮像方向制御処理は上述した画像表示処理と並列して実行される。
【0079】
ここで、説明の便宜のために、図2に示す「ID」が1〜9の会議参加候補者が遠隔会議に参加するとする。そして、「ID」が1、3、5の会議参加候補者は拠点Aにて遠隔会議に参加し、「ID」が2、4、7の会議参加候補者は拠点Bにて遠隔会議に参加し、「ID」が6、8、9の会議参加候補者は拠点Cにて遠隔会議に参加するとする。
【0080】
先ず、各ID読取装置60から送信されてきた会議参加者の「ID」及び装置IDが取得される(S71)。なお、S71を実行するCPU207は本発明の「特定情報取得手段」に相当する。そして、その「ID」と第1記憶装置30に記憶されている会議参加候補者のプロフィールのテーブル31の「ID」が照合されて、会議参加者が特定される(S72)。この場合、「ID」が1〜9の会議参加候補者が会議参加者として特定される。なお、S72を実行するCPU207は本発明の「参加者特定手段」に相当する。
【0081】
次いで、各会議参加者を撮像装置202が撮像するときの撮像方向情報である特定撮像方向情報が特定される(S73)。図6は特定撮像方向情報をどのように特定するのかを説明するための図である。同図に示すように、各拠点A〜Cにおいて、席が3つ用意されており、席の前方には撮像装置202が設置されている。そして、拠点Aにおける3つの席のうち、撮像装置202からみて一番左の席の席番号は「A1」、真ん中の席の席番号は「A2」、一番右の席の席番号は「A3」となっている。また、拠点Bにおける3つの席のうち、撮像装置202からみて一番左の席の席番号は「B1」、真ん中の席の席番号は「B2」、一番右の席の席番号は「B3」となっている。また、拠点Cにおける3つの席のうち、撮像装置202からみて一番左の席の席番号は「C1」、真ん中の席の席番号は「C2」、一番右の席の席番号は「C3」となっている。そして、「ID」が1の会議参加者は席番号「A1」の席に着席したとする。上述したように、席番号「A1」の席に設置されているID読取装置60の装置IDは「MA1」であるので(図3参照)、S71にて、1の「ID」とともに、「MA1」の装置IDが取得される。そして、図3のテーブル106が参照されて、装置ID「MA1」に対応する席の位置情報「θA1」が、「ID」が1の会議参加者に対する特定撮像方向情報とされる。同様にして、「ID」が2〜9の会議参加者に対する特定撮像方向情報が特定される。なお、S73を実行するCPU207は本発明の「撮像方向特定手段」に相当する。
【0082】
次いで、S73にて特定された特定撮像方向情報が対応する会議参加者の「ID」に対応つけて第2記憶装置212に記憶される(S74)。例えば、図14に示すように、遠隔会議装置20aの第2記憶装置212には、「ID」1に対応付けられて特定撮像方向情報「θA1」が記憶される。すなわち、「ID」が1の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θA1」であることを示している。また、遠隔会議装置20aの第2記憶装置212には、「ID」3に対応付けられて特定撮像方向情報「θA2」が記憶される。すなわち、「ID」が3の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θA2」であることを示している。また、遠隔会議装置20aの第2記憶装置212には、「ID」5に対応付けられて特定撮像方向情報「θA3」が記憶される。すなわち、「ID」が5の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θA3」であることを示している。
【0083】
また、図15に示すように、遠隔会議装置20bの第2記憶装置212には、「ID」2に対応付けられて特定撮像方向情報「θB3」が記憶される。すなわち、「ID」が2の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θB3」であることを示している。また、遠隔会議装置20bの第2記憶装置212には、「ID」4に対応付けられて特定撮像方向情報「θB2」が記憶される。すなわち、「ID」が4の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θB2」であることを示している。また、遠隔会議装置20bの第2記憶装置212には、「ID」7に対応付けられて特定撮像方向情報「θB1」が記憶される。すなわち、「ID」が7の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θB1」であることを示している。
【0084】
また、図16に示すように、遠隔会議装置20cの第2記憶装置212には、「ID」6に対応付けられて特定撮像方向情報「θC2」が記憶される。すなわち、「ID」が6の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θC2」であることを示している。また、遠隔会議装置20cの第2記憶装置212には、「ID」8に対応付けられて特定撮像方向情報「θC1」が記憶される。すなわち、「ID」が8の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θC1」であることを示している。また、遠隔会議装置20cの第2記憶装置212には、「ID」9に対応付けられて特定撮像方向情報「θC3」が記憶される。すなわち、「ID」が9の会議参加者に対する特定撮像方向情報は「θC3」であることを示している。
【0085】
次いで、上記属性情報を入力するための、「役職」の一覧を示したメニューが表示装置206に表示される(S75)。ここでは、第1実施の形態と同様に、例えば、部長、課長、係長等の一覧が表示装置206に表示される。次いで、そのメニューに基づいて、部長、課長、係長等の表示の何れかがマウス等により選択されて属性情報が入力されたか否かが判断される(S76)。部長、課長、係長等の属性情報が選択されて入力された場合は(S76:YES)、その属性情報が他の遠隔会議装置21a〜21cに送信される(S77)。一方、属性情報が入力されていない場合は(S76:NO)、他の遠隔会議装置21a〜21cが送信する属性情報を受信したか否かが判断される(S78)。そして、他の遠隔会議装置21a〜21cが送信する属性情報を受信したと判断した場合(S78:YES)、又は属性情報が入力された場合(S76:YES)、その属性情報に対応する「役職」が共通する会議参加者が複数いるか否かが判断される(S79)。具体的には、特定撮像方向情報とともに第2記憶装置212に記憶されている会議参加者の「ID」に基づいて、第1記憶装置30に記憶されている会議参加者のプロフィールを参照して、「役職」が共通する会議参加者が複数いるか否かが判断される(S79)。なお、図14〜図16に示す例では、「役職」が共通する会議参加者は複数いないことになる。この場合(S79:NO)、その「役職」に対応付けられて第2記憶装置102に記憶されている特定撮像方向情報が切替装置203に出力される(S81)。そして、切替装置203によって、特定撮像方向情報で示される撮像方向となるように、撮像装置202の撮像方向が切り替えられる(S81)。例えば、特定撮像方向情報が「θA1」である場合には、撮像装置202の撮像方向が席番号「A1」の方向となる。
【0086】
一方、S79の判断において、「役職」が共通する会議参加者が複数いると判断された場合には(S79:YES)、第1実施形態と同様に、その複数の会議参加者のうち、「ID」が最も小さい会議参加者が選択される(S80)。その後、S80にて選択された会議参加者に対応する特定撮像方向情報が切替装置203に出力されて、その特定撮像方向情報で示される撮像方向となるように、撮像装置202の撮像方向が切り替えられる(S81)。
【0087】
なお、S76の判断がYESとなる処理を実行するCPU207は、本発明の「設定手段」に相当する。また、S77を実行するCPU207は本発明の「第2送信手段」に相当する。また、S78の判断がYESとなる処理を実行するCPU207は、本発明の「第2受信手段」に相当する。また、S80の処理を実行するCPU207は、本発明の「選択手段」に相当する。
【0088】
次いで、ズームアップして会議参加者を表示するため、撮像装置202の電動ズームレンズが、前記第1実施の形態と同様に所定の度合いだけ制御され(S82)、撮像方向制御処理が終了される。上述したように、撮像装置202と会議参加者が着席する席との距離は予め定められているので、撮像装置202の電動ズームレンズが所定の度合いだけ制御されると、ズームアップして表示される会議参加者の画像が一定の大きさとなる。
【0089】
次いで、制御回路201が切断指示信号を受信したか否かによって、遠隔会議が終了したか否かが判断され(S83)、遠隔会議が終了したと判断された場合は(S83:YES)、撮像方向制御処理が終了される。一方、まだ遠隔会議が終了していないと判断された場合は(S83:NO)、S76の処理に戻る。
【0090】
以上説明したように、第2実施形態の遠隔会議システム2でも、「役職」が共通する会議参加者を容易且つ迅速にズームアップして表示させることができる。この際、表示される会議参加者が一定の大きさとなるので、その会議参加者を視認しやすくできる。
【0091】
また、「役職」が共通する会議参加者を容易且つ迅速にズームアップして表示させることができる。この際、表示される会議参加者が一定の大きさとなるので、その会議参加者を視認しやすくできる。
【0092】
また、会議参加者は、「役職」の一覧を示したメニューが表示装置206に表示されるので、会議参加者は、容易に属性情報信号を入力することができる。また、ID読取装置60が読み取った「ID」に基づいて会議参加者を特定しているので、正確に会議参加者が誰かを特定することができる。すなわち、正確に「役職」が共通した会議参加者をズームアップして表示させることができる。
【0093】
なお、本発明に係る撮像方向制御装置、遠隔会議装置、撮像方向制御方法は、上記実施形態に限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変形してもよい。例えば、上記第1、第2実施形態では、会議参加者が誰かを特定するために、ID読取装置60を用いていたが、撮像装置202が撮像した会議参加者の顔画像と、第1記憶装置30に記憶されているプロフィールのテーブル31の会議参加候補者の顔画像(図2参照)とを照合して、会議参加者が誰かを特定してもよい。
【0094】
図17は、顔画像によって、会議参加者が誰かを特定する方法を説明するための図である。図17に示すように、各拠点A〜Cにおいて、会議参加者の全員が撮像できるように、撮像装置202の電動ズームレンズの制御量を前記第1の実施の形態と同じように定める。図17では、3人の会議参加者が撮像装置202によって撮像された画像を示している。撮像方向制御装置10又は遠隔会議装置21a〜21cは、撮像装置202が撮像した会議参加者の全員が写っている画像に基づいて、先ず、顔に相当する画像を抽出する。図17では、波線で示した3つの画像が抽出される。さらに、抽出した顔画像から目、鼻、口などの顔を構成する要素を抽出する。そして、抽出したそれぞれの顔画像に対して、第1記憶装置30に記憶されているプロフィールのテーブル31の会議参加候補者の顔画像(図2参照)と照合する。例えば、顔における目、鼻、口の位置、両目の間隔の一致度合いを判断する。その一致度合いが所定の値以上の顔画像をプロフィールに有している会議参加候補者が会議参加者であると特定する。このように会議参加者を特定することによって、各席にID読取装置60を設ける必要がないので、コストダウンを図れる。なお、この場合、顔に相当する画像が本発明の「特定情報」に相当する。
【0095】
また、第1、第2実施形態では、各席の席番号「A1」〜「C3」、各席の位置情報「θA1」〜「θC3」、各席に設置されたID読取装置60の装置ID「MA1」〜「MC3」を記憶して(図3参照)、それらの値を利用して、特定撮像方向情報を特定していた(S13又はS73)。しかし、撮像方向制御装置10又は遠隔会議装置21a〜21cは、撮像装置202が撮像した会議参加者の画像から特定撮像方向情報を特定してもよい。具体的には、各拠点A〜Cにおいて、会議参加者の全員が撮像できるように、撮像装置202の電動ズームレンズの制御量を定める。そして、図17に示す3人の会議参加者が撮像装置202によって撮像された画像から各会議参加者の顔に相当する画像を抽出する。図17では、波線で示した3つの画像が抽出される。そして、撮像装置202によって撮像された画像における顔画像の位置を撮影するための撮像装置202の切換装置203の移動量の情報を特定撮像方向情報とする。このように特定撮像方向情報を特定することによって、各席の席番号、各席の位置情報、各席に設置されたID読取装置60の装置IDを記憶しておく必要がないので、データの記憶量を低減できる。
【0096】
また、上記第1、第2実施形態では、「役職」を属性情報としていたが、会話可能な言語、年齢、性別、国籍、部署名などその他の情報を属性情報に含めてもよい。こうすることによって、例えば、同じ国籍の会議参加者を容易且つ迅速にズームアップして表示させることができる。
【0097】
また、上記第1、第2実施形態では、「役職」が部長、課長、係長の会議参加候補者が会議に参加したとして説明したが、社長、専務、一般などその他の役職の会議参加候補者が会議に参加した場合であっても、上記実施形態と同じように、同じ役職の会議参加者を容易且つ迅速にズームアップして表示させることができる。
【0098】
また、上記第1、第2実施形態では、遠隔会議が開催される拠点がA〜Cの3つの場合について説明したが、2以上の拠点で開催される遠隔会議に、本発明を適用できるのは言うまでもない。さらに、上記第1、第2実施形態では、説明の便宜のために、各拠点A〜Cでの会議室の席が3つの場合について説明したが、いくつ席があっても本発明を適用できることは言うまでもない。
【0099】
また、上記第1実施形態では、予め特定撮像方向情報を「役職」ごとに第2記憶装置102に記憶して、属性情報が入力されたときに、その第2記憶装置102に記憶されている特定撮像方向情報を各遠隔会議装置20a〜20cに送信していた。しかし、これに限定されるわけではなく、例えば、属性情報が入力された後に、その属性情報で示される「役職」をプロフィールに有している会議参加者を、第1記憶装置30に記憶されているプロフィールのテーブル31から探索する。その後、探索した会議参加者に対する特定撮像方向情報を各遠隔会議装置20a〜20cに送信する。こうすることによって、第2記憶装置102を設ける必要がなくなるので、コストダウンを図れる。
【0100】
また、上記第1、第2実施形態では、撮像装置202と席との距離が予め定められているために、撮像装置202のズームレンズを制御することにより、表示装置206に表示される会議参加者の大きさを一定とすることができる。しかし、表示装置206に表示される会議参加者の大きさを一定とするために、上記第1、第2実施形態に限られない。具体的には、撮像装置202が撮像した撮像画像から、会議参加者の顔に相当する顔画像を抽出する。そして、その顔画像が表示装置206にズームアップして表示されるように、その顔画像の解像度を変更する。この際、各拠点A〜Cで表示する会議参加者の大きさが同じになるように、例えば拠点Aで表示する顔画像と同じ大きさとなるように、拠点B、Cで表示する顔画像の大きさを定める。こうすることによって、撮像装置202と席との距離を予め定める必要がないので、撮像装置202を設置する位置の自由度が増す。
【0101】
また、上記第1、第2実施形態では、各拠点A〜Cに一つの撮像装置202を設けた場合について説明したが、例えば、会議参加者の人数分の撮像装置202を設けてもよい。つまり、各会議参加者に一つの撮像装置202を割り当てる。そして、それぞれの撮像装置202が撮像した撮像画像のうち、どの撮像画像を表示装置206に表示させるかは、切替装置203によって切り替える。このように、複数の撮像装置202を用いれば、迅速に特定の会議参加者を表示させることができる。
【0102】
また、上記第1、第2実施形態では、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いる場合には(図5のS16:YES、図13のS79:YES)、その複数の会議参加者のうち、「ID」が最も小さい会議参加者が選択される(図5のS17、図13のS80)。そして、その選択された会議参加者が撮像される。しかし、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いる場合に、その複数の会議参加者のうちのいずれかの会議参加者を選択する方法としては、上記方法に限定されず、どの方法で選択してもよい。例えば、時刻を計測する装置を用いて、ID読取装置60が会議参加者の「ID」を読み取った時刻を記憶しておく。そして、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いる場合には、その時刻が最も早い「ID」の会議参加者を選択する。また、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いる場合には、その複数の会議参加者のうちのいずれかの会議参加者を会議参加者に選択させてもよい。
【0103】
また、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いる場合には(図5のS16:YES、図13のS79:YES)、その複数の会議参加者の全員若しくは一部が表示されるように、撮像装置202の撮像方向を制御してもよい。例えば、撮像装置202が複数ある場合には、上記複数の会議参加者の全員若しくは一部が撮像されるように複数の撮像装置202の撮像方向を切り替える。また、撮像装置202が複数ない場合には、撮像装置202のズームを制御して、上記複数の会議参加者の全員若しくは一部を撮像してもよい。なお、この場合、一人の会議参加者をズームアップして表示するときよりも、各会議参加者の大きさが小さく表示される。しかし、同一の拠点A〜Cで「役職」が共通する会議参加者が複数いる場合にも、その複数の会議参加者の全員若しくは一部が表示されるので、会議参加者は、迅速に「役職」が共通する会議参加者を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】第1実施形態の遠隔会議システム1の概略を示した図である。
【図2】第1記憶装置30に記憶されているプロフィールのテーブル31を示した概念図である。
【図3】席番号、位置情報、及び装置IDのテーブル106を示した概念図である。
【図4】遠隔会議装置20a〜20cの概略構成を示したブロック図である。
【図5】制御回路101が実行する撮像方向制御処理を示したフローチャートである。
【図6】特定撮像方向情報をどのように特定するのかを説明するための図である。
【図7】第2記憶装置102に記憶される内容を示した図である。
【図8】制御回路201が実行するメイン処理を示したフローチャートである。
【図9】属性情報が入力されたときの表示装置206が表示する画像を示した図である。
【図10】第2実施形態の遠隔会議システム2の概略を示した図である。
【図11】遠隔会議装置21a〜21cの概略構成を示したブロック図である。
【図12】制御回路201が実行する画像表示処理を示したフローチャートである。
【図13】制御回路201が実行する撮像方向制御処理を示したフローチャートである。
【図14】遠隔会議装置21aの第2記憶装置212に記憶される情報を説明するための図である。
【図15】遠隔会議装置21bの第2記憶装置212に記憶される情報を説明するための図である。
【図16】遠隔会議装置21cの第2記憶装置212に記憶される情報を説明するための図である。
【図17】顔画像によって、会議参加者が誰かを特定する方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0105】
1、2 遠隔会議システム
10 撮像方向制御装置
20a〜20c、21a〜21c 遠隔会議装置
30 第1記憶装置
40 ネットワーク
101、201 制御回路
102、212 第2記憶装置
202 撮像装置
203 切替装置
206 表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段と、その撮像手段によって特定の会議参加者を撮像するために、前記撮像手段の撮像方向を示す撮像方向情報に基づいて前記撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段とを備える遠隔会議装置を複数の拠点に設置して、各遠隔会議装置が、自身が撮像した会議参加者の画像を、ネットワークを介して、他の遠隔会議装置に送信するとともに、他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を表示することによって実施される遠隔会議において、各遠隔会議装置の前記撮像手段の撮像方向を制御する撮像方向制御装置であって、
会議参加者を特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得手段と、
記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の前記特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、前記特定情報取得手段が取得した前記特定情報とを照合して、各会議参加者が前記会議参加候補者のうちの誰かを特定する参加者特定手段と、
前記参加者特定手段が特定した会議参加者を前記撮像手段が撮像するときの前記撮像方向情報である特定撮像方向情報を特定する撮像方向特定手段と、
前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定する設定手段と、
前記参加者特定手段が特定した会議参加者のうち、前記設定手段が設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報を前記各遠隔会議装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする撮像方向制御装置。
【請求項2】
前記遠隔会議装置が前記プロフィールを構成する属性情報を表示して、その属性情報を会議参加者に選択させることによって、前記設定手段が前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像方向制御装置。
【請求項3】
前記遠隔会議装置が会議参加者をズームアップして表示するときは、表示される会議参加者が一定の大きさとなるようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像方向制御装置。
【請求項4】
会議参加者がどの拠点で遠隔会議に参加するかを特定可能な参加拠点情報を取得する参加拠点情報取得手段と、
前記加拠点情報取得手段が取得した前記参加拠点情報に基づいて、前記設定手段が設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者が同一拠点で複数いる場合、そのうちのいずれかの会議参加者を選択する選択手段とをさらに備え、
前記送信手段は、前記選択手段が選択した会議参加者に対する前記特定撮像方向情報のみを前記各遠隔会議装置に送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の撮像方向制御装置。
【請求項5】
複数の拠点に設けられ、それぞれネットワークに接続された遠隔会議装置であって、
遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した会議参加者の画像を前記ネットワークを介して他の遠隔会議装置に送信する第1送信手段と、
他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段が受信した会議参加者の画像を表示する表示手段とを備え、
さらに各遠隔会議装置は、
会議参加者を特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得手段と、
記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の前記特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、前記特定情報取得手段が取得した前記特定情報とを照合して、各会議参加者が前記会議参加候補者のうちの誰かを特定する参加者特定手段と、
前記参加者特定手段が特定した会議参加者を前記撮像手段が撮像するときの前記撮像手段の撮像方向を示す特定撮像方向情報を特定する撮像方向特定手段と、
前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定する設定手段と、
前記設定手段が設定した属性情報を他の遠隔会議装置に送信する第2送信手段と、
他の遠隔会議装置から送信されてきた前記属性情報を受信する第2受信手段と、
前記設定手段が設定した前記属性情報又は前記第2受信手段が受信した前記属性情報が前記プロフィールに含まれている会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、前記撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段と
を備えることを特徴とする遠隔会議装置。
【請求項6】
前記表示手段が前記プロフィールを構成する属性情報を表示して、その属性情報を会議参加者に選択させることによって、前記設定手段が前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定することを特徴とする請求項5に記載の遠隔会議装置。
【請求項7】
前記表示手段が会議参加者をズームアップして表示するときは、表示される会議参加者が一定の大きさとなるようにすることを特徴とする請求項5又は6に記載の遠隔会議装置。
【請求項8】
前記設定手段が設定した前記属性情報又は前記第2受信手段が受信した前記属性情報が前記プロフィールに含まれている会議参加者が複数いる場合、そのうちのいずれかの会議参加者を選択する選択手段をさらに備え、
前記切替手段は、前記選択手段が選択した会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、前記撮像手段の撮像方向を切り替えることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の遠隔会議装置。
【請求項9】
遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段と、その撮像手段によって特定の会議参加者を撮像するために、前記撮像手段の撮像方向を示す撮像方向情報に基づいて前記撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段とを備える遠隔会議装置を複数の拠点に設置して、各遠隔会議装置が、自身が撮像した会議参加者の画像を、ネットワークを介して、他の遠隔会議装置に送信するとともに、他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を表示することによって実施される遠隔会議において、各遠隔会議装置の前記撮像手段の撮像方向を制御する撮像方向制御方法であって、
会議参加者を特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得ステップと、
記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の前記特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、前記特定情報取得ステップにおいて取得した前記特定情報とを照合して、各会議参加者が前記会議参加候補者のうちの誰かを特定する参加者特定ステップと、
前記参加者特定ステップにおいて特定した会議参加者を前記撮像手段が撮像するときの前記撮像方向情報である特定撮像方向情報を特定する撮像方向特定ステップと、
前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定する設定ステップと、
前記参加者特定ステップにおいて特定した会議参加者のうち、前記設定ステップにおいて設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報を前記各遠隔会議装置に送信する送信ステップとを備えることを特徴とする撮像方向制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の撮像方向制御方法の各種処理ステップをコンピュータに実行させる撮像方向制御プログラム。
【請求項1】
遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段と、その撮像手段によって特定の会議参加者を撮像するために、前記撮像手段の撮像方向を示す撮像方向情報に基づいて前記撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段とを備える遠隔会議装置を複数の拠点に設置して、各遠隔会議装置が、自身が撮像した会議参加者の画像を、ネットワークを介して、他の遠隔会議装置に送信するとともに、他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を表示することによって実施される遠隔会議において、各遠隔会議装置の前記撮像手段の撮像方向を制御する撮像方向制御装置であって、
会議参加者を特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得手段と、
記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の前記特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、前記特定情報取得手段が取得した前記特定情報とを照合して、各会議参加者が前記会議参加候補者のうちの誰かを特定する参加者特定手段と、
前記参加者特定手段が特定した会議参加者を前記撮像手段が撮像するときの前記撮像方向情報である特定撮像方向情報を特定する撮像方向特定手段と、
前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定する設定手段と、
前記参加者特定手段が特定した会議参加者のうち、前記設定手段が設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報を前記各遠隔会議装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする撮像方向制御装置。
【請求項2】
前記遠隔会議装置が前記プロフィールを構成する属性情報を表示して、その属性情報を会議参加者に選択させることによって、前記設定手段が前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像方向制御装置。
【請求項3】
前記遠隔会議装置が会議参加者をズームアップして表示するときは、表示される会議参加者が一定の大きさとなるようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像方向制御装置。
【請求項4】
会議参加者がどの拠点で遠隔会議に参加するかを特定可能な参加拠点情報を取得する参加拠点情報取得手段と、
前記加拠点情報取得手段が取得した前記参加拠点情報に基づいて、前記設定手段が設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者が同一拠点で複数いる場合、そのうちのいずれかの会議参加者を選択する選択手段とをさらに備え、
前記送信手段は、前記選択手段が選択した会議参加者に対する前記特定撮像方向情報のみを前記各遠隔会議装置に送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の撮像方向制御装置。
【請求項5】
複数の拠点に設けられ、それぞれネットワークに接続された遠隔会議装置であって、
遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した会議参加者の画像を前記ネットワークを介して他の遠隔会議装置に送信する第1送信手段と、
他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段が受信した会議参加者の画像を表示する表示手段とを備え、
さらに各遠隔会議装置は、
会議参加者を特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得手段と、
記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の前記特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、前記特定情報取得手段が取得した前記特定情報とを照合して、各会議参加者が前記会議参加候補者のうちの誰かを特定する参加者特定手段と、
前記参加者特定手段が特定した会議参加者を前記撮像手段が撮像するときの前記撮像手段の撮像方向を示す特定撮像方向情報を特定する撮像方向特定手段と、
前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定する設定手段と、
前記設定手段が設定した属性情報を他の遠隔会議装置に送信する第2送信手段と、
他の遠隔会議装置から送信されてきた前記属性情報を受信する第2受信手段と、
前記設定手段が設定した前記属性情報又は前記第2受信手段が受信した前記属性情報が前記プロフィールに含まれている会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、前記撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段と
を備えることを特徴とする遠隔会議装置。
【請求項6】
前記表示手段が前記プロフィールを構成する属性情報を表示して、その属性情報を会議参加者に選択させることによって、前記設定手段が前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定することを特徴とする請求項5に記載の遠隔会議装置。
【請求項7】
前記表示手段が会議参加者をズームアップして表示するときは、表示される会議参加者が一定の大きさとなるようにすることを特徴とする請求項5又は6に記載の遠隔会議装置。
【請求項8】
前記設定手段が設定した前記属性情報又は前記第2受信手段が受信した前記属性情報が前記プロフィールに含まれている会議参加者が複数いる場合、そのうちのいずれかの会議参加者を選択する選択手段をさらに備え、
前記切替手段は、前記選択手段が選択した会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報で示される撮像方向になるように、前記撮像手段の撮像方向を切り替えることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の遠隔会議装置。
【請求項9】
遠隔会議に参加する会議参加者を撮像する撮像手段と、その撮像手段によって特定の会議参加者を撮像するために、前記撮像手段の撮像方向を示す撮像方向情報に基づいて前記撮像手段の撮像方向を切り替える切替手段とを備える遠隔会議装置を複数の拠点に設置して、各遠隔会議装置が、自身が撮像した会議参加者の画像を、ネットワークを介して、他の遠隔会議装置に送信するとともに、他の遠隔会議装置から送信されてきた会議参加者の画像を表示することによって実施される遠隔会議において、各遠隔会議装置の前記撮像手段の撮像方向を制御する撮像方向制御方法であって、
会議参加者を特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得ステップと、
記憶手段に記憶されている、遠隔会議に参加する可能性がある会議参加候補者の前記特定情報を含む1つ以上の属性情報からなるプロフィールと、前記特定情報取得ステップにおいて取得した前記特定情報とを照合して、各会議参加者が前記会議参加候補者のうちの誰かを特定する参加者特定ステップと、
前記参加者特定ステップにおいて特定した会議参加者を前記撮像手段が撮像するときの前記撮像方向情報である特定撮像方向情報を特定する撮像方向特定ステップと、
前記プロフィールを構成する属性情報のうちのいずれかを設定する設定ステップと、
前記参加者特定ステップにおいて特定した会議参加者のうち、前記設定ステップにおいて設定した前記属性情報がプロフィールに含まれている会議参加者に対応する前記特定撮像方向情報を前記各遠隔会議装置に送信する送信ステップとを備えることを特徴とする撮像方向制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の撮像方向制御方法の各種処理ステップをコンピュータに実行させる撮像方向制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−74456(P2010−74456A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238824(P2008−238824)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]