説明

撮像装置、プログラム、記録媒体

【課題】小型で高倍率なズーム機能を有するデジタルカメラでも高倍率ズームでのLCDなどに表示される被写体像の視認性を高め、シャッターチャンスを捉えやすくする撮像装置等を提供する。
【解決手段】光学画像を光電変換するCCD(45)と、光電変換した信号を処理し、モニタリングのフレームレートを変更する第1のCCD信号処理ブロック(51)と、撮像された画像を表示するLCDモニタ(13)を有し、光学的またはデジタル的なズーム機能を備え、ズーム倍率を変更して撮像する撮像装置において、第1のCCD信号処理ブロック(51)によりズーム倍率に基づいてモニタリング時のフレームレートを変更し、LCDモニタ(13)は当該フレームレートによって撮像された画像を表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子画像を撮像・再生する撮像装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、小型で高倍率ズーム機能を有するデジタルカメラが数多く登場し始めている。小型化を実現するために被写体像を確認するファインダが取り除かれたものが多く、ユーザーはLCD(Liquid Crystal Display)などで構図を確認しながら撮影を行う。しかし、カメラが小型であるためズーム倍率を高倍率にしたときには、LCDに表示される画像が大きく揺れ、視認性が良いとはいえない。
【0003】
また、LCDに表示されるモニタリング画像のフレームレートが遅いとユーザーが撮影したい構図でシャッタを押しても撮影される画像は全く異なるものになる場合も少なくない。
【0004】
上記のようにズーム倍率の変更に伴う不具合を解消する発明としては、例えば、特許文献1がある。特許文献1には不用意にデジタルズームが作動してしまうことにより撮影ミスを解消する発明について開示してある。しかし、特許文献1をはじめとして、本願出願時において、LCDに表示される画像の視認性及びフレームレートについて言及しているものは見当たらない。
【特許文献1】特開2003−274253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記事情を鑑みて本発明では、小型で高倍率なズーム機能を有するデジタルカメラでも高倍率ズームでのLCDなどに表示される被写体像の視認性を高め、シャッターチャンスを捉えやすくする撮像装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の態様は、光学的またはデジタル的なズーム機能を備え、ズーム倍率を変更する撮像手段と、前記撮像手段のフレームレートを変更するフレームレート変更手段と、前記撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段を有する撮像装置において、前記フレームレート変更手段は前記ズーム倍率に基づいてモニタリング時のフレームレートを変更し、前記表示手段は当該フレームレートによって撮像された画像を表示することを特徴とする撮像装置に関するものである。
【0007】
ここで、前記フレームレート変更手段は、前記ズームの倍率に応じてフレームレートを線形的または段階的に変更させることを特徴とする。
【0008】
この態様の撮像装置は、さらに、前記撮像措置の姿勢を検出する姿勢検出手段を有し、前記姿勢検出手段により前記撮像装置の振れが検出された場合、前記フレームレート変更手段は当該振れ量に応じてフレームレートを変更させることを特徴とする。
【0009】
また、この態様の撮像装置は、さらに、前記撮像措置の振れの補正を有効にするか、または、無効にするかを選択する補正選択手段を有し、前記補正選択手段により前記撮像装置の振れの補正を有効にするように選択した場合、前記フレームレート変更手段はズーム倍率が変更してもフレームレートを変更しないことを特徴とする。
【0010】
また、この態様の撮像装置は、さらに、前記撮像装置が固定されているか否かを検出する固定検出手段を有し、前記撮像装置の固定が検出された場合、前記フレームレート変更手段はズーム倍率が変更してもフレームレートを変更しないことを特徴とする。
【0011】
本発明の他の態様は、コンピュータに、光学的またはデジタル的なズーム機能を備え、ズーム倍率を変更する撮像手段と、前記撮像手段のフレームレートを変更するフレームレート変更手段と、前記撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段として機能させる撮像装置のプログラムにおいて、前記フレームレート変更手段が前記ズーム倍率に基づいてモニタリング時のフレームレートを変更し、前記表示手段が当該フレームレートによって撮像された画像を表示するように実行させることを特徴とするプログラムに関するものである。そして、さらに、他の態様として、当該プログラムを格納した記録媒体がある。
【発明の効果】
【0012】
本発明の撮像装置は、小型で高倍率なズーム機能を有する場合であっても、ズーム倍率に応じてフレームレートを上げることによって、被写体への追従性を向上することができるので、モニタリング画像の被写体像の視認性が高まり、シャッターチャンスを捉えやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の撮像装置を実施するための最良の形態について説明する。説明する際には、本明細書と同時に提出する図面を適宜参照する。
【0014】
図1は、本形態で使用するデジタルカメラ(1)の外観図であり、図2は、同デジタルカメラ(1)の制御系のブロック図である。
【0015】
図1に示すように、デジタルカメラ(1)は、その筐体(2)により外観が構成されており、カメラ上面、カメラ下面、カメラ右側面、カメラ左側面、カメラ正面、カメラ裏面を有している。カメラ上面には、サブLCD(11)と、レリーズボタン(9)と、撮影/再生切り換えダイヤル(10)と手振れ補正の動作のON/OFFを選択する手振れ補正SW(スイッチ)(8)とを有する。サブLCD(11)は、例えば、撮影可能枚数など表示するための表示部である。また、カメラ正面には、ストロボ発光部(4)と、測距ユニット(5)と、リモコン受光部(7)と、鏡胴ユニット(3)と、光学ファインダー(正面)(6)とを有する。メモリカードスロットル(22)は、メモリカード(21)を挿入するスロットルであり、カメラ右側面に設けてある。更に、カメラ裏面には、AFLED(オートフォーカスLED)(14)と、ストロボLED(15)と、LCDモニタ(13)と、光学ファインダー(裏面)(6)と、ズームボタン(18)と、電源スイッチ(16)と、カメラの状態を設定するためにカーソル(LCDモニタ(13)に表示される)を上下左右に移動する十字ボタン(17)を有する操作部(19)とを有する。
【0016】
ストロボ発光部(4)、ストロボ回路(91)は、自然光などの光が足りない場合に光量を補う装置である。暗い場所や被写体が暗い場合の撮影においては、後述するシステムプロセッサ(50)からストロボ回路(91)にストロボ発光信号を送信し、ストロボ回路(91)は、ストロボ発光部(4)を発光させ被写体を明るくする。
【0017】
測距ユニット(5)は、カメラと被写体との距離を測る装置である。現在、デジタルカメラでは、撮像素子(CCD(Charge Coupled Device))(45)に形成された像のコントラストを検出し、最もコントラストの高い位置にレンズを移動させてフォーカスを合わせるCCD−AF方式が用いられている。しかし、CCD−AF方式は、レンズを少しずつ動かしコントラストを探していくためフォーカス動作が遅いという問題があった。そこで、測距ユニット(5)を用いて被写体との距離情報を常に取得し、距離情報からレンズを一気に移動してフォーカス動作を高速化している。
【0018】
鏡胴ユニット(3)は、被写体の光学画像を取り込むズームレンズ(30)、ズーム駆動モータ(31)からなるズーム光学系(32)、フォーカスレンズ(33)、フォーカス駆動モータ(34)からなるフォーカス光学系(35)、絞り(36)、絞りモータ(37)からなる絞りユニット(38)、メカシャッタ(39)、メカシャッタモータ(40)からなるメカシャッタユニット(41)、各モータを駆動するモータドライバ(42)を有する。そして、モータドライバ(42)は、リモコン受光部(7)入力や操作部(19)の操作入力に基づく、後述するシステムプロセッサ(50)内にあるCPU(Central Processing Unit)ブロック(54)からの駆動指令により駆動制御される。ROM(Read Only Memory)(65)には、CPUブロック(54)にて解読可能なコードで記述された、制御プログラムや制御するためのパラメータが格納されている。
【0019】
このデジタルカメラ(1)の電源がオン状態になると、前記プログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPUブロック(54)はそのプログラムに従って装置各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を、一時的に、RAM(Random Access Memory)(66)、及び後述するシステムプロセッサ(50)内にあるローカルSRAM(Static Random Access Memory)(55)に保存する。ROM(65)に書き換え可能なフラッシュROMを使用することで、制御プログラムや制御するためのパラメータを変更することが可能となり、機能のバージョンアップが容易に行える。
【0020】
CCD(45)は、光学画像を光電変換するための固体撮像素子であり、F/E(フロントエンド)−IC(46)は、画像ノイズ除去用相関二重サンプリングを行うCDS(47)、利得調整を行うAGC(48)、ディジタル信号変換を行うA/D(49)、かつ、第1のCCD信号処理ブロック(51)より垂直同期信号(以下、「VD信号」と記す。)及び水平同期信号(以下、「HD信号」と記す。)を供給され、CPUブロック(54)によって制御されるCCD(45)、及びF/E−IC(46)の駆動タイミング信号を発生するTG(Trigar)(52)を有する。
【0021】
システムプロセッサ(50)は、CCD(45)よりF/E−IC(46)の出力データにホワイトバランス設定やガンマ設定を行い、又、前述したように、VD信号、HD信号を供給する第1のCCD信号処理ブロック(51)、フィルタリング処理により、輝度データ・色差データへの変換を行う第2のCCD信号処理ブロック(53)、前述した装置各部の動作を制御するCPUブロック(54)、前述した制御に必要なデータ等を、一時的に、保存するローカルSRAM(55)、パソコンなどの外部機器とUSB通信を行うUSBブロック(56)、パソコンなどの外部機器とシリアル通信を行うシリアルブロック(57)、JPEG圧縮・伸張を行うJPEG CODECブロック(58)、画像データのサイズを補間処理により拡大/縮小するリサイズブロック(59)、画像データを液晶モニタやTVなどの外部表示機器に表示するためのビデオ信号に変換するTV信号表示ブロック(60)、撮影された画像データを記録するメモリカードの制御を行うメモリカードコントローラブロック(61)を有する。
【0022】
SDRAM(Synchronous DRAM)(67)は、前述したシステムプロセッサ(50)で画像データに各種処理を施す際に、画像データを一時的に保存する。保存される画像データは、例えば、CCD(45)から、F/E−IC(46)を経由して取りこんで、第1のCCD信号処理ブロック(51)でホワイトバランス設定、ガンマ設定が行われた状態の「RAW−RGB画像データ」や第2のCCD信号処理ブロック(53)で輝度データ・色差データ変換が行われた状態の「YUV画像データ」、JPEG CODECブロック(58)で、JPEG圧縮された「JPEG画像データ」などである。メモリカードスロットル(22)は、着脱可能なメモリカードを装着するためのスロットルである。内蔵メモリ(68)は、前述したメモリカードスロットル(22)にメモリカードが装着されていない場合でも、撮影した画像データを記憶できるようにするためのメモリである。
【0023】
LCDドライバ(69)は、後述するLCDモニタ(13)に駆動するドライブ回路であり、TV信号表示ブロック(60)から出力されたビデオ信号を、LCDモニタ(13)に表示するための信号に変換する機能も有している。LCDモニタ(13)は、撮影前に被写体の状態を監視する、撮影した画像を確認する、メモリカードや前述した内蔵メモリ(68)に記録した画像データを表示する、などを行うためのモニタである。ビデオAMP(70)は、TV信号表示ブロック(60)から出力されたビデオ信号を、75Ωインピーダンス変換するためのアンプであり、ビデオジャック(71)は、TVなどの外部表示機器と接続するためのジャックである。USBコネクタ(72)は、パソコンなどの外部機器とUSB接続を行う為のコネクタである。シリアルドライバ回路(73)は、パソコンなどの外部機器とシリアル通信を行うために、前述したシリアルブロック(57)の出力信号を電圧変換するための回路であり、RS−232Cコネクタ(74)は、パソコンなどの外部機器とシリアル接続を行う為のコネクタである。
【0024】
サブ−CPU(75)は、ROM(65)・RAM(68)をワンチップに内蔵したCPUであり、操作部(19)やリモコン受光部(7)の出力信号をユーザーの操作情報として、前述したCPUブロック(54)に出力したり、前述したCPUブロック(54)より出力されるカメラの状態を、後述するサブLCD(11)、AF LED(14)、ストロボLED(15)、ブザー(76)の制御信号に変換して、出力する。サブLCD(11)は、例えば、撮影可能枚数など表示するための表示部であり、サブLCDドライバ(77)は、前述したサブ−CPU(75)の出力信号より、前述したサブLCD(11)を駆動するためのドライブ回路である。AF LED(14)は、撮影時の合焦状態を表示するためのLEDであり、ストロボLED(15)は、ストロボ充電状態を表すためのLEDである。尚、このAF LED(14)とストロボLED(15)を、メモリカードアクセス中などの別の表示用途に使用しても良い。操作部(19)は、ユーザーが操作するKey回路であり、リモコン受光部(7)は、ユーザーが操作したリモコン送信機の信号の受信部である。
【0025】
音声記録ユニット(78)は、ユーザーが音声信号を入力するマイク(79)、入力された音声信号を増幅するマイクAMP(80)、増幅された音声信号を記録する音声記録回路(81)からなる。音声再生ユニット(82)は、記録された音声信号をスピーカ(83)から出力できる信号に変換する音声再生回路(84)、変換された音声信号を増幅し、スピーカ(83)を駆動するためのオーディオAMP(85)、音声信号を出力するスピーカ(83)からなる。手振れ補正は、ジャイロセンサや加速度センサなどの姿勢差検出センサ(101)で手振れ量を検知し、姿勢検出回路(102)で信号を増幅及びA/D変換してCPUブロック(54)に入力し、CPUブロック(54)で補正量を演算して手振れ量に応じて手振れをキャンセルする方向にCCDシフトユニット(110)がCCD(45)をシフトさせる(CCDシフト方式)ことにより補正を行う。
【0026】
上述のように構成されたデジタルカメラ(1)において、本発明の技術内容について説明する。
【0027】
//フレームレート変更方法//
モニタリング画像のフレームレートを決定しているのは、システムプロセッサ(50)内にある第1のCCD信号処理ブロック(51)からTG(52)に供給しているVD信号とHD信号であり、この2つの信号の周波数を変化させることによってモニタリングのフレームレートを変更することができる。つまり、第1のCCD信号処理ブロック(51)はフレームレートを変更する手段として機能する。VD信号とHD信号の周波数は、システムプロセッサ(50)の第1のCCD信号処理ブロック(51)に入力する原信号クロックによって決定される。原信号クロックの生成には2つの方法があり、単一クロックを発振する水晶振動子のクロックをシステムプロセッサ(50)にて分周して生成する場合と、クロックの可変なクロックジェネレータによりクロックを生成する場合がある。
【0028】
//ズームに応じて変更する方法//
ユーザーがズームボタン(18)を押して、ズームの指令を出すと、カメラは鏡胴ユニット(3)のズームレンズ(30)を駆動させて被写体像をズームさせる。このとき、ズーム倍率に応じてフレームレートを以下に示す2通りの方法でフレームレートを変更する。
【0029】
//線形的なフレームレートの変更//
図3はズーム倍率に応じてフレームレートを線形的に変更したときの関係を図示したものである。横軸にズーム倍率(Za1<Za2)、縦軸にフレームレート(fa1<fa2)をとっている。ズーム倍率が高くなるにつれてフレームレートが線形的に高くなるように制御を行う。フレームレートの変更タイミングは、ズーミング中に変更しても良いし、ズーミングが終了しズームレンズが停止しズーム倍率が決定した後でも良い。
【0030】
//段階的なフレームレートの変更//
図4はズーム倍率に応じてフレームレートを段階的に変更したときの関係を図示したものである。横軸にズーム倍率(Zb1<Zb2<Zb3<Zb4)、縦軸にフレームレート(fb1<fb2<fb3)をとっている。ズーム倍率ZがZb1≦Z<Zb2の間ではフレームレートfb1を、Zb2≦Z<Zb3ではフレームレートfb2を、Zb3≦Z≦Zb4ではフレームレートfb3を選択し、段階的にフレームレートを変更する。一般的に原信号の生成で任意のクロックを作り出すことが難しいため、線形的なフレームレート変更と比較して、段階的なフレームレート変更の場合、生成可能な原信号でフレームレートを選択できるというメリットがある。
【0031】
//手振れ時にフレームレートを変更する方法//
図5は手振れを検出した場合にフレームレートを変更したときの関係を図示したものである。横軸に手振れ量(Tb1<Tb2<Tb3<Tb4)、縦軸にフレームレート(fc1<fc2<fc3)をとっている。あるズーム倍率でのフレームレートをfc1であるとし、姿勢検出センサ(101)によりカメラの手振れが検出され、姿勢検出回路(102)で信号を増幅及びA/D変換してCPUブロック(54)に入力し、CPUブロック(54)で補正量を演算して手振れ量が算出されると、手振れ量TbがTb1≦Tb<Tb2ではフレームレートを変更せずfc1のままで、Tb2≦Tb<Tb3ではフレームレートをfc2に、Tb3≦Tb≦Tb4ではフレームレートをfc3に、手振れ量に応じてフレームレート変更する。
【0032】
//手振れ補正機能がオン時はフレームレート変更しない//
ユーザーが手振れ補正の動作のON/OFFを選択する手振れ補正SW(8)を使って手振れ補正機能をONにしている場合には、姿勢検出センサ(101)によりカメラの手振れが検出してもフレームレートを変更しない。
【0033】
//カメラが固定されている場合にはフレームレートを変更しない//
一般的にカメラを固定して撮影したい場合には、カメラ側にネジ穴(三脚穴)が設けられ、三脚(又は一脚)側のネジによってネジ止めされ固定される。図6はカメラのネジ穴(三脚穴)を横方向から見た断面図であり、ネジ穴の奥にカメラ固定検出SWを設けたものを示したものである。カメラ固定検出SWはサブ−CPU(75)に接続されて、カメラ固定検出SWが押し込まれるとカメラが固定されていると検出する。ネジ穴(三脚穴)にネジ止めされることにより、ネジ穴(三脚穴)奥の固定検出SWが押し込まれカメラが固定されていると判断する。カメラが固定されている場合には、モニタリング画面に振れが生じないため視認性がよくフレームレートを変更する必要がないため変更を行わない。
フレームレートを上げるとカメラの駆動消費電力が増すことから、手振れ補正機能オン時とカメラ固定時にフレームレートを変更しないことで無駄な消費電力を抑制することができる。
【0034】
本形態を実施することにより以下の効果を奏する。即ち、ズーム倍率が高くなると、カメラの微小の移動においてもモニタリング画像の振れ量が大きくなり視認性が劣るが、ズーム倍率に応じてフレームレートを上げることによって、被写体への追従性が向上し、モニタリング画像の視認性が高まり、ユーザーが狙った構図で撮影することが可能となり、シャッターチャンスを逃さないようにすることができる。
【0035】
また、手振れ量を検知して手振れ量に応じてフレームレートを変更することによって、手振れによるモニタリング画像の視認性の劣化を補い、より撮影しやすい状況を作り出すことができる。さらに、手振れ補正機能オン時とカメラが固定されていることを検出した場合に、フレームレートを変更しないことにより必要のないフレームレート変更を無くし、消費電力を抑制することができる。
【0036】
なお、上述した形態は、本発明の撮像装置を実施するための最良のものであるが、かかる実施形式に限定するものではない。従って、本発明の要旨を変更しない範囲内においてその実施形式を種々変形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本形態で使用するデジタルカメラ(1)の外観図である。
【図2】デジタルカメラ(1)の制御系のブロック図である。
【図3】ズーム倍率に応じてフレームレートを線形的に変更したときの関係を図示したものである。
【図4】ズーム倍率に応じてフレームレートを段階的に変更したときの関係を図示したものである。
【図5】手振れを検出した場合にフレームレートを変更したときの関係を図示したものである。
【図6】カメラのネジ穴(三脚穴)を横方向から見た断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 デジタルカメラ
2 筐体
3 鏡胴ユニット
4 ストロボ発光部
5 測距ユニット
6 光学ファインダー
7 リモコン受光部
8 手振れ補正SW
9 レリーズボタン
10 撮影/再生切り換えダイヤル
11 サブLCD
13 LCDモニタ
14 AFLED
15 ストロボLED
16 電源スイッチ
17 十字ボタン
18 ズームボタン
19 操作部
21 メモリカード
22 メモリカードスロットル
30 ズームレンズ
31 ズーム駆動モータ
32 ズーム光学系
33 フォーカスレンズ
34 フォーカス駆動モータ
35 フォーカス光学系
36 絞り
37 絞りモータ
38 絞りユニット
39 メカシャッタ
40 メカシャッタモータ
41 メカシャッタユニット
42 モータドライバ
45 CCD
46 F/E−IC
47 CDS
48 AGC
49 A/D
50 システムプロセッサ
51 第1のCCD信号処理ブロック
52 TG
53 第2のCCD信号処理ブロック
54 CPUブロック
55 ローカルSRAM
56 USBブロック
57 シリアルブロック
58 JPEG CODECブロック
59 リサイズブロック
60 TV信号表示ブロック
61 メモリカードコントローラブロック
65 ROM
66 RAM
67 SDRAM
68 内蔵メモリ
69 LCDドライバ
70 ビデオAMP
71 ビデオジャック
72 USBコネクタ
73 シリアルドライバ回路
74 RS−232Cコネクタ
75 サブ−CPU
76 ブザー
77 サブLCDドライバ
78 音声記録ユニット
79 マイク
80 マイクAMP
81 音声記録回路
82 音声再生ユニット
83 スピーカ
84 音声再生回路
85 オーディオAMP
91 ストロボ回路
101 姿勢差検出センサ
102 姿勢検出回路
110 CCDシフトユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学的またはデジタル的なズーム機能を備え、ズーム倍率を変更する撮像手段と、
前記撮像手段のフレームレートを変更するフレームレート変更手段と、
前記撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段を有する撮像装置において、
前記フレームレート変更手段は前記ズーム倍率に基づいてモニタリング時のフレームレートを変更し、前記表示手段は当該フレームレートによって撮像された画像を表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記フレームレート変更手段は、前記ズームの倍率に応じてフレームレートを線形的に変更させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記フレームレート変更手段は、前記ズームの倍率に応じてフレームレートを段階的に変更させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像措置の姿勢を検出する姿勢検出手段を有し、
前記姿勢検出手段により前記撮像装置の振れが検出された場合、前記フレームレート変更手段は当該振れ量に応じてフレームレートを変更させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像措置の振れの補正を有効にするか、または、無効にするかを選択する補正選択手段を有し、
前記補正選択手段により前記撮像装置の振れの補正を有効にするように選択した場合、前記フレームレート変更手段はズーム倍率が変更してもフレームレートを変更しないことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像装置が固定されているか否かを検出する固定検出手段を有し、
前記撮像装置の固定が検出された場合、前記フレームレート変更手段はズーム倍率が変更してもフレームレートを変更しないことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
コンピュータに、
光学的またはデジタル的なズーム機能を備え、ズーム倍率を変更する撮像手段と、
前記撮像手段のフレームレートを変更するフレームレート変更手段と、
前記撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段として機能させる撮像装置のプログラムにおいて、
前記フレームレート変更手段が前記ズーム倍率に基づいてモニタリング時のフレームレートを変更し、前記表示手段が当該フレームレートによって撮像された画像を表示するように実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを格納した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−5051(P2008−5051A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−170498(P2006−170498)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】