説明

撮像装置、撮影処理方法及びプログラム

【課題】撮他人に知られたくない情報を容易に保護しつつ、自機で撮影した画像を他人の機器に送信できるようにする。
【解決手段】保持手段に、送信手段により画像データを送信する送信先を予め保持し、この保持手段に予め保持された送信先に、第1の属性情報が付加された画像データを送信するための第1のモードと、外部装置からの要求に応じて外部装置と通信を確立し、第2の属性情報が付加された画像データを送信するための第2のモードとを有し、第2のモードが設定された場合に、送信手段は、第1のモードのときに送信されることとなる第1の属性情報よりも少ない第2の属性情報が付加された画像データを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影した画像データを他の装置に送信する機能を有する撮像装置、撮影処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、静止画又は動画の撮影を他人から依頼されるケースは、日常生活で多々遭遇する。例えば、旅行先などに於いては、記念スナップ等の撮影を他人から依頼されるケースがよくある。
【0003】
その際、依頼された撮影者は、依頼元から撮像装置を手渡され、手渡された撮像装置を使って撮像を行い、そして撮像装置を依頼元に返却すると言った一連の行為が発生する。
【0004】
ここで撮影者が、他人の撮像装置について不案内であり機能を充分に使いこなせない場合には、適当にシャッターボタンを押すだけになってしまい、依頼元および撮影者の双方にとって満足できる撮影を行えないことがある。
【0005】
そこで上記の問題点を解決すべく、以下のカメラシステムが知られている。このカメラシステムでは、撮影者が自分のカメラを所有している場合には、依頼元カメラのリクエストに応じて、撮影者は使い慣れた自分のカメラで撮像を行う。そして、撮像された画像データを撮影者所有のカメラから、依頼元が所有するカメラへ送信する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−173992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、依頼を受けた撮影者が自ら所有する撮像装置で撮像され生成された画像データには、例えば依頼を受けた撮影者の個人情報、撮像装置の機器情報又は撮影ノウハウとなる撮影パラメータ等が含まれる。
【0008】
このため、例えば依頼を受けた撮影者が自ら所有する撮像装置で撮像された画像データを、そのまま依頼元が所有するカメラへ送信すると、依頼を受けた撮影者の個人情報等が含まれた画像データが、撮影の依頼元へ渡されることになってしまう。
【0009】
本発明の目的は、他人に知られたくない情報を容易に保護しつつ、自機で撮影した画像を他人の機器に送信できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、被写体を撮像し、画像データを得る撮像手段と、前記画像データを外部装置に送信する送信手段と、を備える撮像装置であって、前記送信手段により前記画像データを送信する送信先を予め保持する保持手段と、前記保持手段に予め保持された送信先に、第1の属性情報が付加された前記画像データを送信するための第1のモードと、外部装置からの要求に応じて前記外部装置と通信を確立し、第2の属性情報が付加された前記画像データを送信するための第2のモードとを有し、前記第2のモードが設定された場合に、前記送信手段は、前記第1のモードのときに送信されることとなる前記第1の属性情報よりも少ない前記第2の属性情報が付加された前記画像データを送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、他人に知られたくない情報を容易に保護しつつ、自機で撮影した画像を他人の機器に送信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1a】(a)は、本発明の撮像装置の第1実施の形態に係わるデジタルカメラの概略正面図である。(b)は、本発明の撮像装置の第1実施の形態に係わるデジタルカメラの背面外観図である。
【図1b】本発明の撮像装置の第1実施の形態に係わるデジタルカメラの構成ブロックである。
【図2】(a)は、本発明の撮像装置の第1実施の形態に係わるデジタルカメラが備えるメタデータ生成の制御テーブルを示す説明図である。(b)は、本第1実施の形態に係わるデジタルカメラで表示するメタデータ設定画面を示す説明図である。
【図3】(a)は、本発明の撮像装置の第1実施の形態に係わるデジタルカメラにおいて、全てのメタデータ項目が生成された場合のメタデータを示す説明図である。(b)は、本第1実施の形態に係わるデジタルカメラにおいて、秘匿しなくても良いメタデータ項目が生成された場合のメタデータを示す説明図である。
【図4】本発明の撮像装置の第1実施の形態に係わるデジタルカメラで実行される転送モード生成処理の手順を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の撮像装置の第1実施の形態に係わるデジタルカメラで実行される撮影処理の手順を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の撮像装置の第2実施の形態に係わるデジタルカメラで実行される撮影処理の手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施の形態)
以下、図面を参照して本発明の撮像装置における第1実施の形態に係わるデジタルカメラについて説明する。
【0014】
<機器の構成>
本第1実施の形態に係わるデジタルカメラを示す図1(a)において、100はデジタルカメラの本体である。また、図1(a)で、61はシャッターボタン、60はモードダイヤルスイッチ、48はフラッシュ、111は外部機器と無線通信するためのアンテナ、112は外部機器と有線通信するためのコネクタである。
【0015】
このデジタルカメラ100の本体の背面側には、図1(b)に示すように、画像表示部28、電子ファインダ29及び表示部54が配置されている。さらに、このデジタルカメラ100の本体の背面側には、モードダイヤルスイッチ60、シャッターボタン61及びスイッチやボタンの類からなる操作部70が配置されている。
【0016】
次に、デジタルカメラ100の制御システムについて、図1(c)を参照して説明する。
【0017】
このデジタルカメラ100は、被写体を撮像するための撮像手段を有する。この撮像手段は、撮影レンズ10、絞り機能を備えるシャッター12、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像素子14及び撮像素子14のアナログ信号出力をデジタル信号に変換するA/D変換器16を備える。
【0018】
さらに、このデジタルカメラ100は、撮像素子14と、A/D変換器16と、D/A変換器26とにクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路18を備える。このタイミング発生回路18は、メモリ制御回路22及び制御部としてのシステム制御回路50によって制御される。
【0019】
このデジタルカメラ100の制御システムは、画像処理回路20を備える。この画像処理回路20は、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。
【0020】
また、この画像処理回路20は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。そして、この画像処理回路20により得られた演算結果に基づいて、制御部としてのシステム制御回路50が制御する。この制御部としてのシステム制御回路50は、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理を実行する。
【0021】
さらに、画像処理回路20は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0022】
これと共に画像処理回路20は、制御部としてのシステム制御回路50に制御されて、画像に所定の色を付けたりモノクロやセピア調への減色処理を施すデジタルフィルタ処理を始めとする各種の画像処理を実行する。
【0023】
このデジタルカメラ100の制御システムは、メモリ制御回路22を備える。このメモリ制御回路22は、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30及び圧縮・伸長回路32を制御する。
【0024】
このA/D変換器16のデータは、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して又はメモリ制御回路22だけを介して、画像表示メモリ24又はメモリ30に書き込まれる。
【0025】
また、このデジタルカメラ100は、TFT LCD等から成る画像表示部28、画像表示メモリ24及びD/A変換器26を備える。このデジタルカメラ100では、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データがD/A変換器26を介して画像表示部28に入力されることにより画像が表示される。このデジタルカメラ100では、撮像した画像データを画像表示部28に逐次表示することにより、電子ファインダ機能を実現する。
【0026】
また、このデジタルカメラ100では、予め画像表示メモリ24に文字やアイコンなどを重ね合わせた画像データを生成させておく。そして、このデジタルカメラ100は、各種情報表示やデジタルカメラの操作を指南するガイダンス表示等を画像表示部28に表示させるように構成されている。
【0027】
また、画像表示部28は、制御部としてのシステム制御回路50の制御指令に従って表示のON/OFF動作をする。この画像表示部28表示を不使用時にOFFにする場合には、デジタルカメラ100の電力消費を大幅に低減することができる。
【0028】
このデジタルカメラ100に設けられた電子ファインダ29は、TFT LCD等で構成された、覗きこんで使用するタイプの電子ファインダである。
【0029】
この電子ファインダ29には、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データがD/A変換器26を介して入力されることにより、表示用の画像が逐次表示される。また、この電子ファインダ29は、電子ファインダ機能のみならず、画像表示メモリ24に書き込まれた画像データを表示する機能を備え、画像表示部28と同等の機能を発揮するように構成されている。
【0030】
すなわち、このデジタルカメラ100では、予め画像表示メモリ24に文字やアイコンなどを重ね合わせた画像データを生成させておく。そして、電子ファインダ29には、各種情報表示やデジタルカメラの操作を指南するガイダンス表示等を表示させることが可能に構成されている。例えば、この電子ファインダ29には、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示などを表示させることが可能に構成されている。
【0031】
また、電子ファインダ29は、制御部としてのシステム制御回路50の制御指令に従って表示のON/OFF動作をする。この電子ファインダ29表示を不使用時にOFFにする場合には、デジタルカメラ100の電力消費を大幅に低減することができる。
【0032】
このデジタルカメラ100が備えるメモリ30は、撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を保存するのに十分な記憶量を備えている。このデジタルカメラ100では、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合に、メモリ30に対して、高速かつ大量の画像書き込みが行われる。
【0033】
また、このメモリ30は、画像の付帯情報(第1の属性情報と第2の属性情報)であるメタデータを格納して保存するためにも使用される。なお、このメモリ30は、システム制御回路50用の作業領域としても使用することが可能であり、記録媒体200の書き込みバッファとしても使用される。
【0034】
このデジタルカメラ100の制御システムは、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路32を備える。この圧縮・伸長回路32は、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ30に書き込む処理を実行する。
【0035】
このデジタルカメラ100の制御システムは、絞り機能を備えるシャッター12を制御する露光制御手段40を備える。さらに、この露光制御手段40は、フラッシュ48と連携することによりフラッシュ調光機能を備える。
【0036】
このデジタルカメラ100の制御システムは、撮影レンズ10のフォーカシングを制御する測距制御手段42及び撮影レンズ10のズーミングを制御するズーム制御手段44を備える。さらに、このデジタルカメラ100の制御システムは、バリアである保護手段102の動作を制御するバリア制御手段46を備える。
【0037】
このデジタルカメラ100は、フラッシュ48を備える。このフラッシュ48は、AF補助光の投光機能及びフラッシュ調光機能を備える。
【0038】
このデジタルカメラ100では、露光制御手段40と測距制御手段42とがTTL方式を利用して制御されるように構成されている。このTTL方式を利用した制御では、システム制御回路50が、撮像した画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果に基づいて露光制御手段40と測距制御手段42とを制御する。
【0039】
このデジタルカメラ100では、デジタルカメラ100全体を制御するシステム制御回路50が、不揮発性メモリ56に保存されているプログラムを実行することで、後述する各種の処理を実行する。このデジタルカメラ100は、システム制御回路50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開するメモリ52を備える。
【0040】
この不揮発性メモリ56は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。この不揮発性メモリ56には、システム制御回路50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいうプログラムとは、後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムである。
【0041】
このデジタルカメラ100は、システム制御回路50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する液晶表示装置等の表示部54を備える。この表示部54は、デジタルカメラ100の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数個所に設置される。この表示部54は、例えばLCDやLEDといった表示部と、発音素子等が組み合わされて構成されている。この表示部54の表示内容は、電池残量表示、エラー表示等である。
【0042】
このデジタルカメラ100は、記録媒体200のデータ記録速度や、取得するデータのデータレートを測定するために用いるタイマ58を備える。
【0043】
このデジタルカメラ100は、システム制御回路50の各種の動作指示を入力するための操作手段としてのモードダイヤルスイッチ60、62、64、及び70を備える。この操作手段としてのモードダイヤルスイッチ60、62、64及び70は、スイッチ、ダイアル又はタッチパネル等の単数又は複数を組み合わせて構成されている。
【0044】
このデジタルカメラ100の操作手段60、62、64及び70は、具体的に説明すると、以下のように構成されている。
【0045】
この操作手段を構成するモードダイヤルスイッチ60は、電源オフ、自動撮影モード、撮影モード(パノラマ撮影モード、動画撮影モード含む)等の各機能モードを切り替え設定可能な回転式のいわゆるダイアルスイッチで構成する。
【0046】
この操作手段を構成するシャッタースイッチ62は、SW1の状態で、シャッターボタン61の操作途中でONとなる。このSW1の状態では、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作開始を、システム制御回路50に指示する。
【0047】
また、シャッタースイッチ62は、シャッターボタン61の操作完了時にSW2の状態であるON状態となる。このON状態(SW2の状態)となった場合には、撮像素子14から読み出した信号を、A/D変換器16とメモリ制御回路22とを介して、メモリ30に画像データとして書き込む露光処理動作の開始が指示される。これと同時に、このデジタルカメラ100の制御では、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理が行われる。この現像処理では、メモリ30から画像データが読み出され、圧縮・伸長回路32で圧縮され、再びメモリ30に書き込まれると共に、メタデータが作成される。
【0048】
このデジタルカメラ100は、各種ボタン、スイッチ及びタッチパネル等からなる操作部70を備える。この操作部70は、具体的に説明すると、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、再生ボタン、消去ボタン、ファンクションボタン及びフラッシュ設定ボタンを備える。この操作部70は、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタン、メニュー上移動ボタン、メニュー下移動ボタン、メニュー右移動ボタン及びメニュー左移動ボタンを備える。
【0049】
この操作部70は、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正+(プラス)ボタン、露出補正−(マイナス)ボタン、日付/時間設定ボタンを備える。この操作部70は、各種機能の選択及び切り替えを設定する選択/切り替えボタン、各種機能の決定及び実行を設定する決定ボタンを備える。この操作部70は、撮影時にズームと広角を調節し又は再生時に拡大/縮小を調節するための、1画面表示/マルチ画面表示を切り替えるズーム操作部を備える。
【0050】
この操作部70は、圧縮モードスイッチを備える。この圧縮モードスイッチは、JPEG圧縮の圧縮率を選択し又は撮像素子の信号をそのままデジタル化して記録媒体に記録するCCDRAWモードを選択可能に構成されている(ここで、JPEGとは、Joint Photographic Expert Groupである)。
【0051】
この操作部70は、操作ガイダンスを表示あるいは非表示するためのガイダンスボタン、カメラの各種情報を表示するためのInfoボタン、外部機器への画像転送モードの切替を指示するための転送モード切替ボタンを備える。
【0052】
また、このデジタルカメラ100は、電源制御手段80を備える。この電源制御手段80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。そして、この電源制御手段80は、検出結果及びシステム制御回路50の指示に基づいて、必要な電圧を必要な期間だけ、記録媒体を含む各部へ供給する。
【0053】
このデジタルカメラ100は、コネクタ82、コネクタ84を備える。このデジタルカメラ100は、電源手段86を備える。この電源手段86は、アルカリ電池若しくはリチウム電池等の一次電池、NiCd電池若しくはNiMH電池若しくはLi電池等の二次電池又はACアダプター等からなる。
【0054】
このデジタルカメラ100は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェース90を備える。このため、このデジタルカメラ100は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタ92と、コネクタ92に記録媒体200が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知部98を備える。
【0055】
このデジタルカメラ100は、インタフェース90のコネクタ92に記録媒体ではなく各種通信カードを接続することにより、他機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことが可能に構成されている。
【0056】
このデジタルカメラ100は、レンズ10を含む撮像部を覆う事により、撮像部の汚れや破損を防止するバリアである保護手段102を備える。
【0057】
このデジタルカメラ100は、通信手段110を備える。この通信手段110は、USBなどの有線での通信手段として構成してもよいし、無線LANなどの無線での手段として構成してもよく、両者を併せ持つように構成してもよい。
【0058】
このデジタルカメラ100は、通信手段110により他の機器と無線で通信するためのアンテナ111と、有線で通信するためにケーブルや機器を接続するためのコネクタ112とを備える。
【0059】
このデジタルカメラ100は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200を利用可能に構成されている。この記録媒体200は、いわゆるメモリカードであり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202と、デジタルカメラ100とのインタフェース204と、デジタルカメラ100と接続を行うコネクタ206とを備えている。
【0060】
なお、このデジタルカメラ100では、制御を1つのハードウェアが行うように構成してもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行うように構成してもよい。
【0061】
<転送モード>
次に、本実施の形態に係わるデジタルカメラ100における、転送モードについて説明する。このデジタルカメラ100では、撮影動作に応じてその撮影で得られた画像データを外部装置に送信するように設定されている。このため、このデジタルカメラ100では、転送モードとして、通常転送モード(第1のモード)と依頼撮影モード(第2のモード)が設定されている。
【0062】
ここで言う通常転送モード(第1のモード)とは、予めユーザが設定しておいた転送先(送信先)、例えばユーザ自身のPCやユーザ用の領域を有するサーバなどに画像データを送信するモードを意味する。なお、予め設定しておいた画像データの転送先を特定するためのアドレス等は、不揮発性メモリ56、メモリ30などに保持されるものとする。
【0063】
これに対し依頼撮影モード(第2のモード)とは、撮影依頼を要求してきた機器と無線で通信し、その通信中に撮影された画像データを通信中の機器に送信するモードを意味する。
【0064】
なお、転送モードは、この2つに限定されるものでは無く、例えば記録媒体200に記憶された画像データをユーザが任意のタイミングで選択し、送信を指示する転送モードを設けてもよい。
【0065】
このデジタルカメラ100では、これらの転送モードを、メニュー画面などからユーザの操作によって設定可能なように構成されている。このデジタルカメラ100では、外部接続機器からの通信コマンドによって転送モードの切り換えを行えるように構成しても良い。この転送モードでは、変数をメモリ30に記憶しておき、画面操作や通信コマンドに従って変数の値を書き換える制御によって行う。
【0066】
次に、転送モード設定処理について、図4のフローチャートにより説明する。
【0067】
このデジタルカメラ100では、ユーザが転送モードを設定する指示操作がなされたとき等に、転送モード設定処理を開始する。転送モード設定処理が開始されると、デジタルカメラ100では、ステップS401で、転送モード設定処理の画面制御を行う。この画面制御では、操作者が転送モードを選択指定できるようにするための画面を、例えば、画像表示部28又は電子ファインダ29等に表示する。このときデジタルカメラ100のシステム制御回路50は、ユーザに操作されたボタンに対応して画面描画をし直すなどの画面制御を行う。
【0068】
次に、システム制御回路50は、ステップS402で設定値を判定する。設定値が通常転送モードである場合にステップS403へ進み、依頼撮影モードである場合にステップS404へ進む。
【0069】
システム制御回路50は、ユーザが通常転送モードを指定したと判断した場合に、ステップS403で転送モードを通常転送に設定する。この転送モードとは、メモリ30に記憶している制御変数名であり、ステップS403で変数の値に「通常転送モード」(第1のモード)を意味する値を設定する。
【0070】
次に、システム制御回路50は、ステップS405で、予めユーザが設定した転送先であるユーザ自身のPC又はユーザ用の領域を有するサーバ等に対して、画像データ及び通常時のメタデータ等を送信するための通信を確立する。そして、このシステム制御回路50は、通信を確立した後に、転送モード設定処理を終了する。
【0071】
また、システム制御回路50は、ステップS402でユーザが依頼撮影モードを指定したと判断した場合に、ステップS404で転送モードを依頼撮影に設定する。この転送モードとは、メモリ30に記憶している制御変数名であり、ステップS404で変数の値に「依頼撮影モード」を意味する値を設定する。
【0072】
次に、このデジタルカメラ100のシステム制御回路50は、撮影依頼主のカメラ等で発信された撮影依頼要求を受信するまで待機する(ステップS406でNO)。そして、このデジタルカメラ100のシステム制御回路50は、撮影依頼主のカメラ等で発信された撮影依頼要求を受信したことを検知すると、(ステップS406でYES)次のステップS407へ進む。次のステップS407では、このデジタルカメラ100のシステム制御回路50が、撮影依頼主のカメラ等に対して、画像データ及び依頼撮影時のメタデータ(第2の属性情報)等を送信するための通信を確立する。そして、このシステム制御回路50は、通信を確立した後に、転送モード設定処理を終了する。
【0073】
<メタデータ>
次に、本実施の形態に係わるデジタルカメラ100において設定された転送モードに対応して生成し画像データに付加して送信するための、通常時のメタデータと、依頼撮影時のメタデータとについて説明する。
【0074】
このデジタルカメラ100では、設定された転送モードに対応して、異なるメタデータを画像データに付加して転送するので、転送モードとメタデータとの関係に対応して説明する。
【0075】
このデジタルカメラ100は、転送モードに対応した異なるメタデータを生成するための属性情報の設定手段を構成するために、図2(a)に示すメタデータ生成の制御テーブルを備える。
【0076】
このメタデータ生成制御テーブルは、所定の転送モードに対応して、生成すべきメタデータを定義している。この図2(a)に示すメタデータ生成制御テーブルは、縦列にメタデータの項目、横列に制御ビット1と制御ビット2を配置した構成とする。この制御ビット1は、通常転送モード(第1のモード)でメタデータ(第1の属性情報)を生成するか否かを示す列である。この制御ビット2は、依頼撮影モード(第2のモード)でメタデータ(第2の属性情報)を生成するかを示す列である。
【0077】
このメタデータ生成制御テーブルでは、縦横の交点の値が1の場合にその項目のメタデータを作成し、0である場合にその項目のメタデータを作成しないという設定とされている。例えば、メーカ名のメタデータは、制御ビット1との交点の値が1であるので通常転送モードのときに生成する。しかし、メーカ名のメタデータは、制御ビット2との交点の値が0であるので、依頼撮影モードのときに生成しない。
【0078】
このデジタルカメラ100では、メタデータ生成の制御テーブルをメモリ30に記憶し、メタデータを生成する際に参照する。
【0079】
次に、このデジタルカメラ100において、ユーザが画面を操作指示して生成されるメタデータの項目を選択することにより、制御テーブルの制御ビットの値を変更して設定するための手段について、図2(b)により説明する。
【0080】
このデジタルカメラ100では、ユーザにメタデータを生成する項目を選択させて設定するために、図2(b)に示すメタデータ設定画面を利用する。
【0081】
この図2(b)に示すメタデータ設定画面は、デジタルカメラ100のユーザがメタデータを生成するか否かを選択する指示をすることが可能なように構成されている。このメタデータ設定画面は、ユーザのメニュー操作等に応じて表示される。
【0082】
この図2(b)に示すメタデータ設定画面では、通常転送モードと依頼撮影モードとのそれぞれのモードにおいて、メタデータを項目毎に生成するか否かを設定できるように構成されている。
【0083】
この図2(b)に示すメタデータ設定画面では、縦列にメタデータの項目、横列に転送モードの種類である通常転送モードと依頼撮影モードとを配置し、その交点にチェックマーク又は空白の何れかを表示する枠を設けて構成する。このメタデータ設定画面でチェックマークを付した項目は、メタデータを生成することを意味する。さらに、このメタデータ設定画面で空白の項目は、メタデータを生成しないことを意味する。
【0084】
また、図2(b)に示した黒い三角マークは、カーソルである。このカーソルは、メタデータの項目を示す2本の縦列の枠における何れか一つの枠の左側に表示するように設定されている。
【0085】
このように構成したメタデータ設定画面を利用してメタデータの内容を設定する場合には、ユーザが、メニュー移動ボタンを使用して、所望のメタデータと所望の転送モードの交点にカーソルを合わせて決定ボタンを押す。するとカーソルの右の表示マークが、空白あるいはチェックマークの何れかの表示状態に変化する。このような操作を順次繰り返すことにより、ユーザは、メタデータの各項目を所望の表示状態に切り換える設定作業を行う。
【0086】
このようにしてメタデータ設定画面を利用してユーザにより設定された入力値は、前述した図2(a)に示すメタデータ生成制御テーブルに反映される。
【0087】
これにより、ユーザは、例えばカメラの個体番号やカメラの所有者名等の個人情報(所有者情報)の項目や他人に知られたくない情報項目に係わるメタデータを、デジタルカメラ100から依頼元の機器に送信しないように設定できる。
【0088】
このデジタルカメラ100のシステム制御回路50は、撮影の際に、メタデータ生成制御テーブルを参照して、図3(a)(b)に例示するようなメタデータを生成し、メモリ30に格納する。この生成されたメタデータは、項目毎にIDが割り当てられている。そして、画像に付帯されるメタデータは、IDと値とのペアにされてメモリ30に格納される。
【0089】
ここで、図3(a)に例示したメタデータでは、1から11のIDに対応する11個のメタデータ項目が生成されメモリ30に格納されている。同様に図3(b)に例示したメタデータでは、7から11のIDに対応する5個のメタデータ項目が生成されメモリ30に格納されている。
【0090】
また、このデジタルカメラ100では、メタデータの項目に対するIDが、次のように割り当てられている。
【0091】
メーカー名=1、カメラ機種名=2、カメラ個体番号=3、カメラ所有者名=4、著作権情報=5、コメント=6、露出モード=7、Tv/Av/露出補正=8、ホワイトバランス=9、コントラスト/彩度=10、シャープネス=11。
【0092】
上述のIDには、ペアを成すようにメタデータの値が設定され、メモリ30に格納される。このメタデータの値は、メタデータの各項目に対応して、文字列や数値で設定される。
【0093】
ここで図3(a)は、図2の制御ビット1に設定された値に従って生成したメタデータである。すなわち、図3(a)は通常転送モードに於いて生成したメタデータである。一方図3(b)は、図2の制御ビット2に設定された値に従って生成したメタデータである。すなわち、図3(b)は、依頼撮影モードに於いて生成されたメタデータである。
【0094】
<撮影処理>
次に、本実施の形態に係わるデジタルカメラ100で撮影する際の撮影処理について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0095】
このデジタルカメラ100のシステム制御回路50が制御して実行される撮影処理は、ユーザによりシャッタースイッチSW2(64)が押下されたことによりスタートする。
【0096】
撮影処理がスタートすると、システム制御回路50は、ステップS501で画像生成処理を実行する。この画像生成処理では、システム制御回路50が、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16で変換し、メモリ制御回路22で制御してメモリ30に画像データを書き込む露光処理の開始を指示する。これと共に、システム制御回路50は、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理を実行し、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、再びメモリ30に書き込むよう制御する。
【0097】
次に、システム制御回路50は、ステップS502へ進み、転送モードを判定する。そして、システム制御回路50は、転送モードの値が「通常転送モード」であると判定した場合に、ステップS503へ進み、「依頼撮影モード」であると判定した場合にステップS505へ進む。なお、転送モードの値とは、メモリ30内に格納された制御変数である。転送モードの設定に関しては前述した図4で説明した通りである。
【0098】
システム制御回路50が「通常転送モード」であると判定したステップS503の場合には、通常のメタデータを生成する。この通常のメタデータとは、通常転送モードに設定されている状態で撮影した画像に付加するためのメタデータである。
【0099】
具体的には、システム制御回路50が図2(a)に記したメタデータ生成テーブルの制御ビット1の値を参照し、値が1であるメタデータ項目についてのみメタデータを作成するよう制御する。
【0100】
この図2(a)に例示するメタデータ生成テーブルでは、全てのメタデータ項目に対して、制御ビット1が1となっているので、システム制御回路50が、全てのメタデータを作成する制御を行うことになる。このメタデータの作成処理にて生成されるメタデータは、図3(a)に例示する如くなる。
【0101】
このデジタルカメラ100では、メタデータ項目のうち、メーカー名・カメラ機種名・カメラ個体番号に関する値が、予めカメラ製造時にメモリ52又は不揮発性メモリ56に記録されている。よって、システム制御回路50は、メモリ52又は不揮発性メモリ56から、カメラのメーカーにて記録されたメーカー名・カメラ機種名・カメラ個体番号に関する値を読み出してメタデータに設定する。
【0102】
このデジタルカメラ100では、メタデータ項目のうち、カメラ所有者名・著作権情報・コメントに関する値が、予めデジタルカメラの利用者によって、メモリ52又は不揮発性メモリ56に記録されている。よって、システム制御回路50は、メモリ52又は不揮発性メモリ56からカメラ所有者名・著作権情報・コメントに関する値を読み出してメタデータに設定する。
【0103】
また、メタデータ項目のうち、露出モード・Tv/Av/露出補正・ホワイトバランス・コントラスト/彩度・シャープネスは、撮影者が撮影時にデジタルカメラ100に対して値を設定するものである。この撮影者が設定した露出モード・Tv/Av/露出補正・ホワイトバランス・コントラスト/彩度・シャープネスの値は、メモリ30に一時的に記録される。よって、システム制御回路50は、メモリ30に一時的に記録されている露出モード・Tv/Av/露出補正・ホワイトバランス・コントラスト/彩度・シャープネスの値を読み出してメタデータに設定する。このステップS503で生成されたメタデータと画像データ及びその他の情報等は、一体化され所定の汎用的なデータ形式に整形されて画像ファイルとされる。
【0104】
このデジタルカメラ100のシステム制御回路50は、この画像ファイルを、予め保持している通常モードにおける転送先に送信する送信処理を実行する(ステップS504)。通常モードにおける転送先は、例えば撮影者自身が管理しているサーバや自身のメールアドレスに代表される転送先などであり、通常、後述する依頼先とは異なる転送先となる。
【0105】
また、システム制御回路50は、ステップS502で、「依頼撮影モード」であると判定した場合にステップS505へ進んで、依頼撮影用のメタデータの生成処理を実行する。この依頼撮影用のメタデータとは、依頼撮影モードに設定されている状態で撮影した画像に付加するためのメタデータである。具体的には、システム制御回路50が、図2(a)に示したメタデータ生成テーブルにおける制御ビット2の値を参照し、値が1であるメタデータ項目についてのみメタデータを作成する制御を実行する。
【0106】
この図2(a)に示すメタデータ生成テーブルでは、露出モード・Tv/Av/露出補正・ホワイトバランス・コントラスト/彩度・シャープネスの5項目のメタデータ項目に対して、制御ビット2が1となっている。このため、システム制御回路50は、これら5項目のメタデータの作成処理を実行することになる。
【0107】
このメタデータの作成処理で生成されるメタデータは、図3(b)に例示する如きものである。このメタデータの作成方法は、前述したステップS503で説明したのと同様で、メモリ30やメモリ52や不揮発性メモリ56(保持手段)に記録された値を読み出して作成される。
【0108】
このステップS505で生成されたメタデータと画像データ及びその他の情報等は、一体化され所定の汎用的なデータ形式に整形されて画像ファイルとされる。
【0109】
このデジタルカメラ100のシステム制御回路50は、この画像ファイルを、撮影の依頼元に送信する送信処理を実行する(ステップS506)。この撮影の依頼元とは、撮影者に撮影を依頼した依頼者が管理しているサーバや依頼者のメールアドレスに代表される転送先を意味している。
【0110】
ここで撮影者には、一般的に見てメタデータのうち、撮影者の個人情報(所有者情報)、撮影者が使用中のカメラの情報及び撮影ノウハウに関するメタデータを秘匿しておきたい要望がある。そこで、このデジタルカメラ100では、撮影者が秘匿しておきたい項目が除外されたメタデータを依頼者側へ送信する。
【0111】
また、この依頼元への送信処理で、送信するとは、通信手段110からアンテナ111又はコネクタ112を介して外部機器にデータを届けることであり、ここでは画像ファイルを外部機器に届けることを意味する。
【0112】
次に、システム制御回路50は、前述した通常転送先又は依頼元の転送先に対する画像ファイルの送信処理を完了した後、ステップS507へ進んで画像の消去処理を実行する。すなわち、システム制御回路50は、ステップS501で生成した画像データをメモリ30から開放するよう制御する。
【0113】
次に、システム制御回路50は、ステップS508でメタデータの消去処理を実行する。すなわち、システム制御回路50は、ステップS503又はステップS505で生成したメタデータをメモリ30から開放するよう制御し、撮影処理を終了する。
【0114】
以上説明したように、本第1実施の形態に係わるデジタルカメラでは、通常転送モードに加えて、依頼撮影モードを設け、依頼撮影モードに於いては依頼撮影モード用のメタデータを生成する構成にした。さらに、撮影の依頼者に送信する画像ファイルに対して、撮影者の個人情報(所有者情報)、撮像装置の機器情報又は撮影ノウハウとなる撮影パラメータなどの添付したくないメタデータを生成せずに依頼元に送信する構成にした。
【0115】
なお、デジタルカメラ100では、その製造時に、依頼元の機器に送信しないメタデータを予め設定しておいてもよい。例えば、このデジタルカメラ100におけるカメラの所有者名、著作権情報等は、ユーザが特に設定しなくとも依頼元の機器に送信しないメタデータとして予め設定しておくように構成してもよい。
【0116】
このように構成した場合には、依頼撮影モードで送信される画像データに付加されるメタデータを、通常転送モードにおいて送信される画像データに付加されるメタデータに比べて制限することが可能となる。
【0117】
よって、このデジタルカメラ100によれば、撮影の依頼者に画像ファイルを送信する場合に撮影者の個人情報等が撮影の依頼者側へ渡らないようにすることができる。
【0118】
さらに、このデジタルカメラ100では、メタデータの各々の項目に対して、生成するかしないかをユーザが指定できる構成にしたので、送信するメタデータを柔軟にコントロールすることが可能となる。
【0119】
(第2実施の形態)
次に、本発明の撮像装置における第2実施の形態に係わるデジタルカメラについて説明する。
【0120】
本第2実施の形態に係わるデジタルカメラは、前述した第1実施の形態に係わるデジタルカメラにおける撮影処理の内容を変更したものであるので、その相異点について説明する。なお、本第2実施の形態は前述した第1実施の形態と共通する部分が多い。したがって、共通の部分に関してはその詳細な説明を省略し、本第2実施の形態に特有の部分を中心に説明する。
【0121】
本第2実施の形態に係わるデジタルカメラ100で撮影する際の撮影処理について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0122】
本第2実施の形態に係わるデジタルカメラ100のシステム制御回路50が制御して実行する撮影処理は、ユーザがシャッタースイッチSW2(64)を押下したことによりスタートする。
【0123】
ユーザがシャッタースイッチSW2(64)を押下して撮影処理がスタートすると、システム制御回路50は、ステップS601で画像生成処理を実行する。ここでの処理は図5のS501と同様であるため、説明を省略する。
【0124】
次に、システム制御回路50は、ステップS602へ進み、全メタデータを生成する。全メタデータとは、デジタルカメラ100が生成可能な全てのメタデータ項目である。各メタデータの生成方法は図5のステップS503、S504と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0125】
次に、システム制御回路50は、ステップS603へ進み、転送モードを判定する。そして、システム制御回路50は、転送モードの値が「通常転送モード」であると判定した場合に、ステップS604へ進み、「依頼撮影モード」であると判定した場合にステップS606へ進む。なお、転送モードの値とは、メモリ30内に格納された制御変数である。転送モードの設定に関しては前述した図4で説明した通りである。
【0126】
システム制御回路50が「通常転送モード」であると判定したステップS604の場合には、通常のメタデータを編集する。この通常のメタデータとは、通常転送モードに設定されている状態で撮影した画像に付加するためのメタデータである。
【0127】
具体的に説明すると、システム制御回路50は、図2(a)に記したメタデータ生成テーブルの制御ビット1の値を参照し、値が0であるメタデータ項目を選別する。そして、システム制御回路50は、値が0であるメタデータ項目だけを、ステップS602で生成した全メタデータから削除する。
【0128】
この図2(a)に例示するメタデータ生成テーブルでは、全てのメタデータ項目に対して、制御ビット1が1となっているので削除するメタデータ項目が一つもない。よって、システム制御回路50は、全てのメタデータを作成する制御を行う。このメタデータの編集作成処理にて作成されるメタデータは、図3(a)に例示する如くなる。このステップS604で編集された通常のメタデータは、画像データ及びその他の情報等と一体化され所定の汎用的なデータ形式に整形されて画像ファイルとされる。
【0129】
また、システム制御回路50は、ステップS603で、「依頼撮影モード」であると判定した場合にステップS606へ進んで、依頼撮影用のメタデータの編集処理を実行する。この依頼撮影用のメタデータとは、依頼撮影モードに設定されている状態で撮影した画像に付加するためのメタデータである。具体的には、システム制御回路50が、図2(a)に示したメタデータ生成テーブルにおける制御ビット2の値を参照し、値が0であるメタデータ項目を選択する。システム制御回路50は、この制御ビット2の値が0であるメタデータ項目を、ステップS602で生成した全メタデータから削除する処理を実行する。
【0130】
この図2(a)では、メーカー名・カメラ機種名・カメラ個体番号・カメラ所有者名・著作権情報・コメントの6項目のメタデータ項目において、制御ビット2が0となっている。このため、これら5項目のメタデータは、編集処理により削除される。この編集処理によって編集されたメタデータは、図3(b)に例示する如くなる。
【0131】
このステップS606で編集されたメタデータと画像データ及びその他の情報等は、一体化され所定の汎用的なデータ形式に整形されて画像ファイルとされる。
【0132】
以降のステップS606、S607〜S609は、それぞれ図5のステップS504、S506〜S508と同様の処理となるため、説明を省略する。
【0133】
以上説明したように、本第2実施の形態に係わる依頼撮影モードに於いては、依頼者に送信する画像ファイルに対して、撮影者の個人情報、撮像装置の機器情報、あるいは撮影ノウハウとなる撮影パラメータ等の添付したくないメタデータを削除する編集処理をする。この編集処理により、添付しても良いメタデータだけが依頼元に送信される構成にしたので、情報漏洩の危惧をなくすことができる。
【0134】
なお、このデジタルカメラ100では、通常転送モードでステップS608、ステップS609における削除処理を行い、依頼撮影モードでステップS608、ステップS609における削除処理を行わないように構成してもよい。
【0135】
このように構成した場合には、通常転送モードにおいて、デジタルカメラ100を所有するユーザ自身のために撮影した画像データが記録媒体200に記憶されることになる。また、このように構成した場合には、他人のために撮影した画像データが削除されることになるため、他人の画像データで記録媒体200の残り容量が減少することを防止することができる。
【0136】
なお、上述した本第2実施の形態のデジタルカメラにおける以上説明した以外の構成、作用、効果は、前述した第1実施の形態のデジタルカメラと同様であるので、その説明を省略する。
【0137】
<他の構成例>
前述した各実施の形態は、本発明の一つの実施の形態を例示するものにすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態を適宜組み合わせて構成してもよいことは勿論である。
【0138】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像し、画像データを得る撮像手段と、
前記画像データを外部装置に送信する送信手段と、を備える撮像装置であって、
前記送信手段により前記画像データを送信する送信先を予め保持する保持手段と、
前記保持手段に予め保持された送信先に、第1の属性情報が付加された前記画像データを送信するための第1のモードと、
外部装置からの要求に応じて前記外部装置と通信を確立し、第2の属性情報が付加された前記画像データを送信するための第2のモードとを有し、
前記第2のモードが設定された場合に、前記送信手段は、前記第1のモードのときに送信されることとなる前記第1の属性情報よりも少ない前記第2の属性情報が付加された前記画像データを送信することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第2のモードが設定された場合に、前記外部装置に送信しても良い前記属性情報の項目が選択されたことに応じて、前記第2の属性情報の内容を設定するための設定手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記外部装置は、他の撮像装置であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記設定手段は、著作権情報を前記第2の属性情報として設定可能であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の属性情報は前記撮像装置の所有者情報を含み、前記第2の属性情報は前記撮像装置の所有者情報を含まないことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第2のモードが設定されて、前記送信手段が前記第2の属性情報が付加された前記画像データを前記外部装置に送信した場合に、前記画像データを削除することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第2のモードが設定されて、前記送信手段が前記第2の属性情報が付加された前記画像データを前記外部装置に送信した場合には、前記画像データを削除すると共に、
前記第1のモードが設定されて、前記送信手段が前記第1の属性情報が付加された前記画像データを前記外部装置に送信した場合には、前記画像データを削除しないことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の撮像装置。
【請求項8】
被写体を撮像し、画像データを得る撮像ステップと、
前記画像データを外部装置に送信する送信ステップと、を備える撮影処理方法であって、
前記送信ステップにより前記画像データを送信する送信先を予め保持する保持ステップと、
前記保持ステップに予め保持された送信先に、第1の属性情報が付加された前記画像データを送信するための第1のモードを設定するステップと、
外部装置からの要求に応じて前記外部装置と通信を確立し、第2の属性情報が付加された前記画像データを送信するための第2のモードを設定するステップとを有し、
前記第2のモードが設定された場合に、前記送信ステップは、前記第1のモードのときに送信されることとなる前記第1の属性情報よりも少ない前記第2の属性情報が付加された前記画像データを送信するステップと、を有することを特徴とする撮影処理方法。
【請求項9】
被写体を撮像し、画像データを得る撮像ステップと前記画像データを外部装置に送信する送信ステップとを備える撮影処理方法を、制御部に実行させるプログラムにおいて、
前記撮影処理方法は、
前記送信ステップにより前記画像データを送信する送信先を予め保持する保持ステップと、
前記保持ステップに予め保持された送信先に、第1の属性情報が付加された前記画像データを送信するための第1のモードを設定するステップと、
外部装置からの要求に応じて前記外部装置と通信を確立し、第2の属性情報が付加された前記画像データを送信するための第2のモードを設定するステップとを有し、
前記第2のモードが設定された場合に、前記送信ステップは、前記第1のモードのときに送信されることとなる前記第1の属性情報よりも少ない前記第2の属性情報が付加された前記画像データを送信するステップと、を有することを特徴とするプログラム。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−24097(P2011−24097A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168871(P2009−168871)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】