説明

撮像装置、測光値補正方法および測光値補正プログラム

【課題】透光性の部材の交換に伴って変化した測光センサからの測光値に関する補正値の設定をユーザに負担をかけず確実に行える撮像装置の技術を提供する。
【解決手段】撮像装置は、撮像素子と、交換可能に設けられる焦点板(透光性の部材)を通った被写体光を受光して測光を行う測光センサとを備え、設定された露出値と測光センサの測光値とが比較されて露出制御が行われる。この露出制御がなされた状態において撮像素子で得られた画像信号に基づき測光を行い、この測光値と上記の露出値との差分値が閾値α以上となるかを判定する(ST9〜10)。ここで、差分値が閾値α以上となる場合には、焦点板の交換が行われたとして、差分値を測光センサの測光値に係る補正値として設定する(ST11)。その結果、焦点板の交換に伴って変化した測光センサの測光値に関する補正値の設定をユーザに負担をかけず確実に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測光センサと撮像センサとを備えた撮像装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一眼レフタイプのデジタルカメラ(デジタル一眼レフカメラ)等の撮像装置では、撮影レンズを通った被写体光をファインダ窓まで導光するファインダ光学系において、交換可能な焦点板(フォーカススクリーン)を備えているものがある。
【0003】
ここで、例えば透過率や拡散特性等の光学特性が異なるオプション品に焦点板が交換されると、その焦点板(透光性の部材)を通った被写体光を受光する測光センサでは、検出される測光値(測光レベル)が変化して誤差が発生する場合がある。このように正確な測光値に対してズレが生じた測光値に基づき露出制御を行うと、適切な露出制御を行えないこととなる。
【0004】
以上のような焦点板交換後の不具合を改善する方法として、例えば特許文献1に開示される技術がある。この技術によれば、焦点板交換の際に、焦点板を保持する保持部材に表された指標に基づきユーザが上記の誤差に相当する補正値を設定することで、適切な露出制御を可能としている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−44906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、上述した指標をユーザが認識することで、測光センサで検出される測光値についての補正値設定の必要性と、その適正な補正値とを把握できるものの、補正値の設定作業はユーザの負担となる。また、補正値設定はユーザに委ねられているため、その設定が確実に行われる訳ではない。例えば、ユーザが補正値設定を忘れたり、その設定方法を理解していない場合などには、補正値が設定されないため、その間は適切な露出状態での撮影が困難となる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、透光性の部材の交換に伴って変化した測光センサの測光値に関する補正値の設定をユーザに負担をかけず確実に行える撮像装置の技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの側面は、撮像装置であって、所定の光路に沿って撮影レンズから導光された被写体光を受光し、被写体に係る画像信号を生成する撮像センサと、前記所定の光路上でない箇所に交換可能に設けられる透光性の部材を通った被写体光を受光し、測光を行って第1測光値を取得する測光センサと、露出制御に係る目標値を設定する設定手段と、前記第1測光値に基づく計測値と前記目標値とを比較することにより前記露出制御を行う露出制御手段と、前記露出制御がなされた状態において前記撮像センサによる撮像で取得される画像信号に基づく測光を行って第2測光値を取得する測光手段とを備え、前記露出制御手段は、前記目標値と前記第2測光値とに関する差分値に基づき、前記透光性の部材が交換されたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で前記透光性の部材が交換されたと判定された場合には、前記差分値に基づく補正値を設定し、当該補正値により第1測光値を補正して前記計測値を生成する測光値補正手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、露出制御に係る目標値と、露出制御がなされた状態において撮像センサによる撮像で取得される画像信号に基づく第2測光値とに関する差分値に基づき、透光性の部材が交換されたか否かを判定し、透光性の部材が交換されたと判定された場合には、差分値に基づく補正値を設定し、この補正値により測光センサで取得される第1測光値を補正する。その結果、透光性の部材の交換に伴って変化した測光センサの測光値に関する補正値の設定をユーザに負担をかけず確実に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<撮像装置の外観構成>
図1および図2は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の外観構成を示す図である。ここで、図1および図2は、それぞれ正面図および背面図を示している。
【0011】
撮像装置1は、例えば一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラとして構成されており、カメラボディ10と、カメラボディ10に着脱自在な撮影レンズとしての交換レンズ2とを備えている。
【0012】
図1において、カメラボディ10の正面側には、正面略中央に交換レンズ2が装着されるマウント部301と、マウント部301の右横に配置されたレンズ交換ボタン302と把持可能とするためのグリップ部303とが設けられている。また、カメラボディ10には、正面左上部に配置されたモード設定ダイアル305と、正面右上部に配置された制御値設定ダイアル306と、グリップ部303の上面に配置されたシャッターボタン307とが設けられている。
【0013】
また、図2において、カメラボディ10の背面側には、LCD(Liquid Crystal Display)311と、LCD311の左方に配置された設定ボタン群312と、LCD311の右方に配置された十字キー314と、十字キー314の中央に配置されたプッシュボタン315とが備えられている。また、カメラボディ10の背面側には、LCD311の上方に配設された光学ファインダ316と、光学ファインダ316の周囲を囲むアイカップ321と、光学ファインダ316の左方に配設されたメインスイッチ317とが設けられている。さらに、カメラボディ10は、その背面側に光学ファインダ316の右方に配設された露出補正ボタン323およびAEロックボタン324と、光学ファインダ316の上方に配設されたフラッシュ部318および接続端子部319とを備えている。
【0014】
マウント部301には、装着された交換レンズ2との電気的接続を行うためコネクタEc(図6参照)や、機械的接続を行うためのカプラ75(図6参照)が設けられている。
【0015】
レンズ交換ボタン302は、マウント部301に装着された交換レンズ2を取り外す際に押下されるボタンである。
【0016】
グリップ部303は、ユーザが撮影時に撮像装置1を把持する部分であり、フィッティング性を高めるために指形状に合わせた表面凹凸が設けられている。なお、グリップ部303の内部には電池収納室およびカード収納室(不図示)が設けられている。電池収納室にはカメラの電源として電池69B(図6参照)が収納されており、カード収納室には撮影画像の画像データを記録するためのメモリカード67(図6参照)が着脱可能に収納されるようになっている。なお、グリップ部303には、当該グリップ部303をユーザが把持したか否かを検出するためのグリップセンサを設けるようにしても良い。
【0017】
モード設定ダイアル305及び制御値設定ダイアル306は、カメラボディ10の上面と略平行な面内で回転可能な略円盤状の部材からなる。モード設定ダイアル305は、自動露出(AE)制御モードや自動焦点(AF;オートフォーカス)制御モード、或いは1枚の静止画を撮影する静止画撮影モードや連続撮影を行う連続撮影モード等の各種撮影モード、記録済みの画像を再生する再生モード等、撮像装置1に搭載されたモードや機能を択一的に選択するためのものである。一方、制御値設定ダイアル306は、撮像装置1に搭載された各種の機能に対する制御値を設定するためのものである。
【0018】
ここで、モード設定ダイアル305により自動露出制御モードが設定されている場合には、露出制御における適正露出値として例えば10EV(Exposure Value)が設定され、適正な露出状態で撮影が行えるように絞り23の絞り値や撮像素子101のシャッタースピードが設定される。一方、モード設定ダイアル305によりマニュアル露出モードが設定されている場合には、ユーザが任意に露出値を設定することが可能で、多少オーバー目やアンダー目となる露出状態での撮影を行える。
【0019】
シャッターボタン307は、途中まで押し込んだ「半押し状態」の操作と、さらに押し込んだ「全押し状態」の操作とが可能とされた押下スイッチである。静止画撮影モードにおいてシャッターボタン307が半押しされると、被写体の静止画を撮影するための準備動作(露出制御値の設定や焦点検出等の準備動作)が実行される。また、シャッターボタン307が全押しされると、撮影動作(撮像素子101(図3参照)を露光し、その露光によって得られた画像信号に所定の画像処理を施してメモリカード等に記録する一連の動作)が実行される。
【0020】
LCD311は、画像表示が可能なカラー液晶パネルを備えており、撮像素子101(図3参照)により撮像された画像の表示や記録済みの画像の再生表示等を行うとともに、撮像装置1に搭載される機能やモードの設定画面を表示するものである。なお、LCD311に代えて、有機ELやプラズマ表示装置を用いるようにしても良い。
【0021】
設定ボタン群312は、撮像装置1に搭載された各種の機能に対する操作を行うボタンである。この設定ボタン群312には、例えばLCD311に表示されるメニュー画面で選択された内容を確定するための選択確定スイッチ、選択取り消しスイッチ、メニュー画面の内容を切り替えるメニュー表示スイッチ、表示オン/オフスイッチ、表示拡大スイッチなどが含まれる。
【0022】
十字キー314は、円周方向に一定間隔で配置された複数の押圧部(図中の三角印の部分)を備える環状の部材を有し、各押圧部に対応して備えられた図示省略の接点(スイッチ)により押圧部の押圧操作が検出されるように構成されている。また、プッシュボタン315は、十字キー314の中央に配置されている。十字キー314及びプッシュボタン315は、撮影倍率の変更(ズームレンズ212(図6参照)のワイド方向やテレ方向への移動)、LCD311等に再生する記録画像のコマ送り、及び撮影条件(絞り値、シャッタスピード、フラッシュ発光の有無等)の設定等の指示を入力するためのものである。
【0023】
光学ファインダ316は、被写体が撮影される範囲を光学的に表示するものである。すなわち、光学ファインダ316には、交換レンズ2からの被写体像が導かれており、ユーザは、この光学ファインダ316を覗くことにより、実際に撮像素子101にて撮影される被写体を視認することができる。
【0024】
メインスイッチ317は、左右にスライドする2接点のスライドスイッチからなり、左にセットすると撮像装置1の電源がオンされ、右にセットすると電源がオフされる。
【0025】
フラッシュ部318は、ポップアップ式の内蔵フラッシュとして構成されている。一方、外部フラッシュ等をカメラボディ10に取り付ける場合には、接続端子部319を使用して接続する。
【0026】
アイカップ321は、遮光性を有して光学ファインダ316への外光の侵入を抑制する「コ」字状の遮光部材である。
【0027】
露出補正ボタン323は、露出値(絞り値やシャッタースピード)を手動で調整するためのボタンであり、AEロックボタン324は、露出を固定するためのボタンである。
【0028】
交換レンズ2は、被写体からの光(光像)を取り込むレンズ窓として機能するとともに、当該被写体光をカメラボディ10の内部に配置されている撮像素子101に導くための撮影光学系として機能するものである。この交換レンズ2は、上述のレンズ交換ボタン302を押下操作することで、カメラボディ10から取り外すことが可能となっている。
【0029】
交換レンズ2は、光軸LTに沿って直列的に配置された複数のレンズからなるレンズ群21を備えている(図6参照)。このレンズ群21には、焦点の調節を行うためのフォーカスレンズ211(図6参照)と、変倍を行うためのズームレンズ212(図6参照)とが含まれており、それぞれ光軸LT(図3参照)方向に駆動されることで、変倍や焦点調節が行われる。また、交換レンズ2には、その鏡胴の外周適所に該鏡胴の外周面に沿って回転可能な操作環が備えられており、上記のズームレンズ212は、マニュアル操作或いはオート操作により、上記操作環の回転方向及び回転量に応じて光軸方向に移動し、その移動先の位置に応じたズーム倍率(撮影倍率)に設定されるようになっている。
【0030】
<撮像装置1の内部構成>
次に、撮像装置1の内部構成について説明する。図3は、撮像装置1の縦断面図である。図3に示すように、カメラボディ10の内部には、撮像素子101、ファインダ部102(ファインダ光学系)、ミラー部103、位相差AFモジュール107などが備えられている。
【0031】
撮像素子101は、カメラボディ10に交換レンズ2が装着された場合の当該交換レンズ2が備えているレンズ群の光軸LT上において、光軸LTに対して垂直となる方向に配置されている。撮像素子101としては、例えばフォトダイオードを有して構成される複数の画素がマトリクス状に2次元配置され、各画素の受光面に、それぞれ分光特性の異なる例えばR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタが1:2:1の比率で配設されてなるベイヤー配列のCMOSカラーエリアセンサ(CMOS型の撮像素子)が用いられる。撮像素子101は、交換レンズ2を通って結像された被写体の光像をR(赤)、G(緑)、B(青)各色成分のアナログの電気信号(画像信号)に変換し、R、G、B各色の画像信号として出力する。
【0032】
上記の光軸LT上において、被写体光をファインダ部102へ向けて反射される位置には、ミラー部103が配置されている。交換レンズ2を通過した被写体光は、ミラー部103(後述の主ミラー1031)によって上方へ反射される。交換レンズ2を通過した被写体光の一部はこのミラー部103を透過する。
【0033】
ファインダ部102は、ペンタプリズム105、接眼レンズ106及び光学ファインダ316を備えている。ペンタプリズム105は、断面5角形を呈し、その下面から入射された被写体光像を内部での反射によって当該光像の天地左右を入れ替えて正立像にするためのプリズムである。接眼レンズ106は、ペンタプリズム105により正立像にされた被写体像を光学ファインダ316の外側に導く。このような構成により、ファインダ部102は、本撮影前の撮影待機時において被写体を確認するためのファインダとして機能する。
【0034】
ミラー部103は、主ミラー1031及びサブミラー1032から構成されており、主ミラー1031の背面側において、サブミラー1032が主ミラー1031の背面に向けて倒れるように回動可能に設けられている。主ミラー1031を透過した被写体光の一部はサブミラー1032によって反射され、この反射された被写体光は位相差AFモジュール107に入射される。
【0035】
上記のミラー部103は、所謂クイックリターンミラーとして構成されており、露光時(本撮影時)には図4に示すように回転軸1033を回動支点として上方に向けて跳ね上がる。この際、サブミラー1032は、上記のミラー部103がペンタプリズム105の下方位置で停止したときには、主ミラー1031と略平行となるように折り畳まれた状態となる。これにより、ミラー部103によって遮られることなく、光軸LT上の光路に沿って交換レンズ2から導光された被写体光が、撮像素子(撮像センサ)101で受光される。撮像素子101が露光される撮像動作が終了すると、ミラー部103は元の位置(図3に示す位置)に復帰する。
【0036】
また、ミラー部103を本撮影(画像記録用の撮影)の前に図4に示すミラーアップの状態にすることにより撮像装置1は、撮像素子101で順次に生成される画像信号に基づき動画的態様で被写体をLCD311に表示するライブビュー(プレビュー)表示が可能となっている。すなわち、本撮影前の撮像装置1では、上記のライブビュー表示が行われる電子ファインダ(ライブビューモード)、または光学ファインダを選択して被写体の構図決めが可能である。なお、電子ファインダと光学ファインダとの切替えは、図2に示す切替スイッチ85を操作することにより行われる。
【0037】
また、ファインダ部102におけるペンタプリズム106の下方には、焦点板(フォーカシングスクリーン)77が配設されるとともに、ペンタプリズム106の上面に沿って測光センサ78が設けられている。
【0038】
焦点板77は、所定の光路上でない箇所に交換可能に設けられた透光性の部材として構成されており、主ミラー1031で反射されて上方に進路を変更した被写体光が結像される。
【0039】
測光センサ78は、測光素子として構成され、焦点板77を通ってペンタプリズム105内に入射された被写体光を受光し、測光を行って被写体に関する測光値(第1測光値)を取得する。この測光センサ78で測光可能な測光領域Et(平行斜線部)は、撮像素子101の撮像範囲Esに内包される部分領域となっており、ハニカム状に分割された多数の分割領域Ehからなっている(図5)。このような構造の測光センサ78では、例えば各分割領域Ehで検出された測光値の平均値が出力される。
【0040】
位相差AFモジュール107は、被写体のピント情報を検出する測距素子等からなる所謂AFセンサとして構成されている。この位相差AFモジュール107は、ミラー部103の底部に配設されており、位相差検出方式の焦点検出(以下では「位相差AF」ともいう)により合焦位置を検出する。すなわち、撮影待機時においてユーザが光学ファインダ316で被写体を確認する場合には、図3に示すように主ミラー1031およびサブミラー1032がダウンされた状態で位相差AFモジュール107に被写体からの光が導かれる。そして、位相差AFモジュール107からの出力に基づき交換レンズ2内のフォーカスレンズ211が駆動されてピント合わせが行われる。なお、位相差AFモジュール107では、高精度な位相差AFを実現するため、いわゆる多点AF(多点測距)が可能である。
【0041】
撮像素子101の光軸方向前方には、シャッタユニット40が配置されている。このシャッタユニット40は、上下方向に移動する幕体を備え、その開動作および閉動作により光軸LTに沿って撮像素子101に導かれる被写体光の光路開口動作および光路遮断動作を行うメカニカルフォーカルプレーンシャッタとして構成されている。なお、シャッタユニット40は、撮像素子101が完全電子シャッター可能な撮像素子である場合には省略可能である。
【0042】
<撮像装置1の電気的構成>
図6は、撮像装置1の電気的な構成を示すブロック図である。ここで、図1〜図4と同一の部材等については、同一の符号を付している。なお、説明の便宜上、交換レンズ2の電気的構成について先ず説明する。
【0043】
交換レンズ2は、上述したレンズ群21に加え、レンズ駆動機構24と、レンズ位置検出部25と、レンズ制御部26と、絞り駆動機構27とを備えている。
【0044】
レンズ群21では、フォーカスレンズ211及びズームレンズ212と、カメラボディ10に備えられた撮像素子101へ入射される光量を調節するための絞り23とが、鏡胴22内において光軸LT(図3)方向に保持されており、被写体の光像を取り込んで撮像素子101に結像させる。AF制御では、フォーカスレンズ211が交換レンズ2内のAFアクチュエータ71Mにより光軸LT方向に駆動されることで焦点調節が行われる。
【0045】
フォーカス駆動制御部71Aは、レンズ制御部26を介してメイン制御部62から与えられるAF制御信号に基づき、フォーカスレンズ211を合焦位置に移動させるために必要な、AFアクチュエータ71Mに対する駆動制御信号を生成するものである。AFアクチュエータ71Mは、ステッピングモータ等からなり、レンズ駆動機構24にレンズ駆動力を与える。
【0046】
レンズ駆動機構24は、例えばヘリコイド及び該ヘリコイドを回転させる図示省略のギア等で構成され、AFアクチュエータ71Mからの駆動力を受けて、フォーカスレンズ211等を光軸LTと平行な方向に駆動させるものである。なお、フォーカスレンズ211の移動方向及び移動量は、それぞれAFアクチュエータ71Mの回転方向及び回転数に従う。
【0047】
レンズ位置検出部25は、レンズ群21の移動範囲内において光軸LT方向に複数個のコードパターンが所定ピッチで形成されたエンコード板と、このエンコード板に摺接しながらレンズと一体的に移動するエンコーダブラシとを備えており、レンズ群21の焦点調節時の移動量を検出する。なお、レンズ位置検出部24で検出されたレンズ位置は、例えばパルス数として出力される。
【0048】
レンズ制御部26は、例えば制御プログラムを記憶するROMや状態情報に関するデータを記憶するフラッシュメモリ等のメモリが内蔵されたマイクロコンピュータからなっている。
【0049】
また、レンズ制御部26は、コネクタEcを介してカメラボディ10のメイン制御部62との間で通信を行う通信機能を有している。これにより、例えばレンズ群21の焦点距離、射出瞳位置、絞り値、合焦距離及び周辺光量状態等の状態情報データや、レンズ位置検出部25で検出されるフォーカスレンズ211の位置情報をメイン制御部62に送信できるとともに、メイン制御部62から例えばフォーカスレンズ211の駆動量のデータを受信できる。
【0050】
絞り駆動機構27は、カプラ75を介して絞り駆動アクチュエータ76Mからの駆動力を受けて、絞り23の絞り径を変更するものである。
【0051】
続いて、カメラボディ10の電気的構成について説明する。カメラボディ10は、先に説明した撮像素子101、シャッタユニット40等の他に、AFE(アナログフロントエンド)5、画像処理部61、画像メモリ614、メイン制御部62、フラッシュ回路63、操作部64、VRAM65、カードI/F66、メモリカード67を備えて構成される。また、カメラボディ10は、通信用I/F68、電源回路69、電池69B、ミラー駆動制御部72A及びミラー駆動アクチュエータ72M、シャッタ駆動制御部73A及びシャッタ駆動アクチュエータ73M、絞り駆動制御部76A及び絞り駆動アクチュエータ76Mを備えて構成されている。
【0052】
撮像素子101は、先に説明した通りCMOSカラーエリアセンサからなり、後述のタイミング制御回路51により、当該撮像素子101の露光動作の開始(及び終了)や、撮像素子101が備える各画素の出力選択、画素信号の読出し等の撮像動作が制御される。
【0053】
AFE5は、撮像素子101に対して所定の動作を行わせるタイミングパルスを与えるとともに、撮像素子101から出力される被写体の画像信号に所定の信号処理を施し、デジタル信号に変換して画像処理部61に出力するものである。このAFE5は、タイミング制御回路51、信号処理部52及びA/D変換部53などを備えて構成されている。
【0054】
タイミング制御回路51は、メイン制御部62から出力される基準クロックに基づいて所定のタイミングパルス(垂直走査パルスφVn、水平走査パルスφVm、リセット信号φVr等を発生させるパルス)を生成して撮像素子101に出力し、撮像素子101の撮像動作を制御する。また、所定のタイミングパルスを信号処理部52やA/D変換部53にそれぞれ出力することにより、信号処理部52及びA/D変換部53の動作を制御する。
【0055】
信号処理部52は、撮像素子101から出力されるアナログの画像信号に所定のアナログ信号処理を施すもので、CDS(相関二重サンプリング)回路、AGC(オートゲインコントロール)回路及びクランプ回路等が設けられている。このAGC回路では、撮像素子101で生成された画像信号を増幅率(ゲイン)可変に増幅することができ、このゲインを変化させることで銀塩フィルムに対応したISO感度の変更が可能である。また、A/D変換部53は、信号処理部52から出力されたアナログのR、G、Bの画像信号を、タイミング制御回路51から出力されるタイミングパルスに基づいて、複数のビット(例えば12ビット)からなるデジタルの画像信号に変換するものである。
【0056】
画像処理部61は、AFE5から出力される画像データに所定の信号処理を行って画像ファイルを作成するもので、黒レベル補正回路611、ホワイトバランス制御回路612及びガンマ補正回路613等を備えて構成されている。なお、画像処理部61へ取り込まれた画像データは、撮像素子101の読み出しに同期して画像メモリ614に一旦書き込まれ、以後この画像メモリ614に書き込まれた画像データにアクセスして、画像処理部61の各ブロックにおいて処理が行われる。
【0057】
黒レベル補正回路611は、A/D変換部53によりA/D変換されたR、G、Bの各デジタル画像信号の黒レベルを、基準の黒レベルに補正するものである。
【0058】
ホワイトバランス補正回路612は、光源に応じた白の基準に基づいて、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分のデジタル信号のレベル変換(ホワイトバランス(WB)調整)を行うものである。すなわちホワイトバランス制御回路612は、メイン制御部62から与えられるWB調整データに基づき、撮影被写体において輝度や彩度データ等から本来白色であると推定される部分を特定し、その部分のR、G、Bそれぞれの色成分の平均と、G/R比及びG/B比とを求め、これをR、Bの補正ゲインとしてレベル補正する。
【0059】
ガンマ補正回路613は、WB調整された画像データの階調特性を補正するものである。具体的にはガンマ補正回路613は、画像データのレベルを色成分毎に予め設定されたガンマ補正用テーブルを用いて非線形変換するとともにオフセット調整を行う。
【0060】
画像メモリ614は、撮影モード時には、画像処理部61から出力される画像データを一時的に記憶するとともに、この画像データに対しメイン制御部62により所定の処理を行うための作業領域として用いられるメモリである。また、再生モード時には、メモリカード67から読み出した画像データを一時的に記憶する。
【0061】
メイン制御部62は、コンピュータとして働くCPU62aと、制御プログラム等を記憶するフラッシュROM62bと、一時的にデータを記憶するRAM(不図示)とを備えて構成され、撮像装置1各部の動作を制御するものである。そして、フラッシュROM62bには、CPU62aで実行されることにより後述する測光値の補正を行う測光値補正プログラムPGが格納されている。なお、メモリカード67に記録されている測光値補正プログラムPGなどのプログラムデータを、フラッシュROM62bにインストールすることで、そのプログラムを撮像装置1の動作に反映できる。
【0062】
また、メイン制御部62は、制御プログラムがCPU62aで実行されることで実現される露出設定部621と露出制御部622と測光部623とを備えている。
【0063】
露出設定部621は、自動露出制御モードやマニュアル露出モードにおいて露出制御に関する露出値(目標値)を設定する部位である。
【0064】
露出制御部622は、測光センサ78で得られる測光値(第1測光値)に基づく計測値と、露出設定部621で制御目標値として設定された露出値とを比較することにより露出制御を行う部位である。
【0065】
測光部623は、露出制御がなされた状態において撮像素子101による撮像で取得される被写体の画像信号に基づく測光を行って測光値(第2測光値)を取得する部位である。
【0066】
フラッシュ回路63は、フラッシュ撮影モードにおいて、フラッシュ部318または接続端子部319に接続される外部フラッシュの発光量を、メイン制御部62により設定された発光量に制御するものである。
【0067】
操作部64は、上述のモード設定ダイアル305、制御値設定ダイアル306、シャッターボタン307、設定ボタン群312、十字キー314、プッシュボタン315、メインスイッチ317等を含み、操作情報をメイン制御部62に入力するためのものである。
【0068】
VRAM65は、LCD311の画素数に対応した画像信号の記憶容量を有し、メイン制御部62とLCD311との間のバッファメモリである。カードI/F66は、メモリカード67とメイン制御部62との間で信号の送受信を可能とするためのインターフェースである。メモリカード67は、メイン制御部62で生成された画像データを保存する記録媒体である。通信用I/F68は、パーソナルコンピュータやその他の外部機器に対する画像データ等の伝送を可能とするためのインターフェースである。
【0069】
電源回路69は、例えば定電圧回路等からなり、メイン制御部62等の制御部、撮像素子101、その他の各種駆動部等、撮像装置1全体を駆動させるための電圧を生成する。なお、撮像素子101への通電制御は、メイン制御部62から電源回路69に与えられる制御信号により行われる。電池69Bは、アルカリ乾電池等の一次電池や、ニッケル水素充電池等の二次電池からなり、撮像装置1全体に電力を供給する電源である。
【0070】
ミラー駆動制御部72Aは、撮影動作のタイミングに合わせて、ミラー駆動アクチュエータ72Mを駆動させる駆動信号を生成するものである。ミラー駆動アクチュエータ72Mは、ミラー部103(クイックリターンミラー)を、水平姿勢若しくは傾斜姿勢に回動させるアクチュエータである。
【0071】
シャッタ駆動制御部73Aは、メイン制御部62から与えられる制御信号に基づき、シャッタ駆動アクチュエータ73Mに対する駆動制御信号を生成するものである。シャッタ駆動アクチュエータ73Mは、シャッタユニット40の開閉駆動(開閉動作)を行うアクチュエータである。
【0072】
絞り駆動制御部76Aは、メイン制御部62から与えられる制御信号に基づき、絞り駆動アクチュエータ76Mに対する駆動制御信号を生成するものである。絞り駆動アクチュエータ76Mは、カプラ75を介して絞り駆動機構27に駆動力を与える。
【0073】
<焦点板77が交換された場合の対応>
上述のような構成を有する撮像装置1では、焦点板77が光学特性の異なるものに交換された場合には、測光センサ78で検出される測光値が変化して誤った検出が行われる可能性がある。例えば撮像装置1を保有しているユーザにより、撮像装置1の購入時に取付けられていた焦点板77に対して光の透過率が低いものに交換されると、測光センサ78から出力される測光値が低下してしまう。このように測光センサ78で測光値が誤検出されると、露出制御に悪影響を及ぼすこととなる。
【0074】
そこで、本実施形態の撮像装置1では、本撮影時に撮像素子101で取得される撮影画像から測光部623により測光値を取得し、その測光値に基づき測光センサ78の測光値を補正することで、次回以降の本撮影での露出制御に反映することとする。ここで、撮像素子101を用いた測光値の取得については、撮像範囲Esにおける測光センサ78の測光領域Et(図5)に対応した領域を撮影画像から抽出し、この抽出された領域において測光センサと同様に分割領域Eh(図5)を設定する。そして、各分割領域Ehでの測光値を算出し、それらの平均を求めることで、測光値としてのLV(Light Value)を得るようにする。
【0075】
以下では、測光センサ78で検出される測光値を補正する手法について、3つの具体的なケース(1)〜(3)を挙げて説明する。
【0076】
(1)自動露出制御モードが設定され標準品の焦点板77が取付けられるケース
このケースでは、標準装備されている標準品の焦点板77のため、測光センサ78の測光値を補正する必要がない。
【0077】
すなわち、図3のように被写体光が焦点板77を介して測光センサ78に入射すると、測光センサ78で検出される測光値に基づき露出制御部622は適正露出値EV10となるように露出制御を行う。次に、シャッターボタン307が全押しされると、本撮影動作が行われ、撮像素子101で撮影画像が取得されるが、この撮影画像から測光部623で算出される測光値はLV10となる。このようにEV10とLV10とで測光値(露出値)に差がない場合には、測光センサ78の測光値を補正する必要がない標準品の焦点板77が搭載されていると判定できる。
【0078】
(2)自動露出制御モードが設定されオプション品の焦点板77が取付けられるケース
このケースでは、標準品でない、例えば光透過率が低いオプション品の焦点板77が搭載されているため、測光センサ78の測光値を補正する必要がある。
【0079】
すなわち、図3のように被写体光が焦点板77を介して測光センサ78に入射すると、測光センサ78で検出される誤った測光値に基づき露出制御部622では適正露出値EV10となるように露出制御が行われてしまう。次に、シャッターボタン307が全押しされると、撮像素子101で撮影画像が取得されるが、誤った測光値に基づく露出制御が行われているため、撮影画像から算出される測光値は、本来のLV10でない、例えばLV11となる。ここで、EV10からLV11を減算すると「−1」となるため、露出制御部622は、測光センサ78の測光値について「+1」段の補正が必要なオプション品の焦点板77が搭載されていると判定する。そして、次回以降の撮影では、測光センサ78で検出された測光値に「+1」段の補正値を加えて補正するようにすれば、オプション品の焦点板77が取付けられている場合でも適正露出状態での撮影が可能になる。なお、上記の補正値は、例えばフラッシュROM62bに保存することで、次回以降の撮影で利用できるようにする。
【0080】
(3)マニュアル露出モードが設定されオプション品の焦点板77が取付けられるケース
このケースでは、標準品でないオプション品の焦点板77が搭載されているため、上記(2)のケースと同様に測光センサ78からの測光値を補正しなければならない。ただし、この測光値の補正においては、マニュアル露出モードにおいてユーザが所望する露出値(例えば適正露出に対して「+0.5」段アップさせた露出値)が設定されていることを考慮する必要がある。
【0081】
すなわち、図3のように被写体光が焦点板77を介して測光センサ78に入射すると、測光センサ78で検出される誤った測光値に基づき露出制御部622では、撮影者が設定している「+0.5」を加味した露出値EV10.5となるように露出制御が行われる。次に、シャッターボタン307が全押しされると、撮像素子101で撮影画像が取得されるが、誤った測光値に基づく露出制御が行われているため、撮影画像から算出される測光値は、本来のLV10.5でない、例えばLV11.5となる。ここで、EV10.5からLV11.5を減算すると「−1」となるため、露出制御部622は、測光センサ78の測光値について「+1」段の補正が必要なオプション品の焦点板77が搭載されていると判定する。そして、次回以降の撮影では、測光センサ78で検出される測光値に「+1」段の補正値を加えて補正するようにすれば、オプション品の焦点板77が取付けられている場合でも撮影者が所望する露出状態での撮影が可能になる。
【0082】
以下では、撮像装置1の具体的な動作について説明する。
【0083】
<撮像装置1の動作>
図7は、撮像装置1の基本的な動作を示すフローチャートである。この動作は、特に撮影モードにおいて測光センサ78の測光値を補正する測光値補正動作を示しており、測光値補正プログラムPGがメイン制御部62のCPU62aで実行されることによって実施される。
【0084】
ステップST1では、モード設定ダイアル305において自動露出制御モードが設定されているかを判定する。ここで、自動露出制御モードが設定されている場合には、ステップST2に進み、自動露出制御モードではなくマニュアル露出モードが設定されている場合には、ステップST3に進む。
【0085】
ステップST2では、適正露出値(例えばEV10)に露出設定部621で露出設定を行う。
【0086】
ステップST3では、ユーザが手動で設定した露出値に露出設定部621で露出設定を行う。
【0087】
ステップST4では、測光センサ78で測光を行って、測光値を取得する。
【0088】
ステップST5では、測光センサ78で検出された測光値の補正が必要かを判定する。例えば、フラッシュROM62bに測光センサ78の測光値についての補正値の情報が格納されているか否かに応じて、補正の要否を判断する。ここで、測光値の補正が必要な場合には、ステップST6に進み、補正が不要な場合には、ステップST7に進む。
【0089】
ステップST6では、測光センサ78で得られた測光値に補正値を加えて露出制御を行う。すなわち、オプション品の焦点板78が取付けられているため、後述するステップST11でフラッシュROM62bに保存された補正値をフラッシュROM62bから読み出し、測光センサ78で検出された測光値に加算して露出制御に用いる。
【0090】
ステップST7では、測光センサ78で得られた測光値に基づき露出制御を行う。すなわち、標準品の焦点板77が取付けられていると判断されるため、測光センサ78で検出された測光値そのままを露出制御に用いる。
【0091】
ステップST8では、本撮影を行って撮像素子101で被写体画像を取得する。
【0092】
ステップST9では、測光部623により撮像素子101で得られた被写体画像の画像信号に基づき測光を行う。ここでは、図5に示すように撮像素子101の撮像範囲Esのうち測光センサ78で測光可能な測光領域Etに対応した領域に属する画像信号に基づき測光値を算出すれば、測光センサ78での測光値に相当するものを精度良く検出できる。
【0093】
ステップST10では、ステップST2またはステップST3で設定された露出値と、ステップST9において撮像素子101で得られた測光値との差分値が閾値α以上であるかを判定する。すなわち、設定された露出値と撮像素子101による測光値とに関する差分値を閾値αと比較することにより、焦点板77が交換されたか否かが判定される。なお、閾値αとしては、撮像装置において測光値演算の最小単位となる値、例えば0.125EVに設定すると良い。
【0094】
このステップST10において、差分値の量が閾値α以上である場合には、オプション品の焦点板77が装着されているとして、ステップST11に進み、閾値α未満である場合には、標準品の焦点板77が装着されているとして、ステップST1に戻る。
【0095】
ステップST11では、上記の差分値を測光センサ78の測光値に係る補正値として設定し、この補正値の情報をフラッシュROM62bに保存する。すなわち、ステップST10で差分値が閾値α以上となり、焦点板77が交換されたと判定された場合には、その差分値に基づく補正値をステップST11で設定し、この補正値により測光センサ78の測光値を補正して露出制御に関する計測値がステップST6で生成されることとなる。
【0096】
以上のような撮像装置1の動作により、自動露出制御モードやマニュアル露出モードで設定された露出値と撮像素子101で得られた測光値との差分値に基づき焦点板77が交換されたと判断される場合には、その差分値に基づく補正値を測光センサ78の測光値について設定する。これにより、焦点板77の交換に伴って変化した測光センサ78の測光値に関する補正値の設定をユーザに負担をかけず確実に行えることとなる。
【0097】
<変形例>
・上記の実施形態においては、図7に示すステップST10において上述の差分値が閾値α以上となる場合が1回でもあれば焦点板77が交換されたと判定するのは必須でなく、差分値が閾値α以上となる場合が複数回なければ焦点板77が交換されたと判定しないようにしても良い。このように撮像素子101による所定回数(例えば2回や3回)以上の撮像で得られた差分値それぞれが閾値α以上である場合に焦点板77が交換されたと判定すれば、測光誤差等に起因した誤った判定を排除して信頼性の向上が図れる。
【0098】
・上記の実施形態においては、本撮影時に撮像素子101で取得される画像信号に基づき測光を行うのは必須でなく、本撮影前のライブビュー表示時に撮像素子101で取得されるライブビュー画像信号に基づき測光を行って測光値(第2測光値)を得るようにしても良い。この場合には、焦点板77の交換後における最初の本撮影でも適切な露出状態の被写体画像が得られることとなる。
【0099】
・上記の実施形態における撮像素子101では、測光センサ78の測光領域Etに対応した領域の画像信号に基づき測光を行うのは必須でなく、撮影画像全域や中央部分の画像信号に基づき測光を行っても良い。この場合には、測光領域Etに対応した領域での測光に比べて精度が若干低下するものの、簡易に測光を行える。
【0100】
・上記の実施形態における測光センサ78の測光値補正については、焦点板が交換された場合に実施するのは必須でなく、焦点板とは別に設けられた透光性の部材(例えば合焦位置等を示すターゲットマークが表されたスクリーンなど)が交換された場合に実施するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置1の外観構成を示す図である。
【図2】撮像装置1の外観構成を示す図である。
【図3】撮像装置1の縦断面図である。
【図4】ミラー部103におけるミラーアップの状態を示す図である。
【図5】測光センサ78での測光領域Etを説明するための図である。
【図6】撮像装置1の電気的な構成を示すブロック図である。
【図7】撮像装置1の基本的な動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 撮像装置
2 交換レンズ
10 カメラボディ
62 メイン制御部
62a CPU
62b フラッシュROM
67 メモリカード
77 焦点板
78 測光センサ
101 撮像素子
103 ミラー部
307 シャッターボタン
621 露出設定部
622 露出制御部
623 測光部
Et 測光領域
PG 測光値補正プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の光路に沿って撮影レンズから導光された被写体光を受光し、被写体に係る画像信号を生成する撮像センサと、
前記所定の光路上でない箇所に交換可能に設けられる透光性の部材を通った被写体光を受光し、測光を行って第1測光値を取得する測光センサと、
露出制御に係る目標値を設定する設定手段と、
前記第1測光値に基づく計測値と前記目標値とを比較することにより前記露出制御を行う露出制御手段と、
前記露出制御がなされた状態において前記撮像センサによる撮像で取得される画像信号に基づく測光を行って第2測光値を取得する測光手段と、
を備え、
前記露出制御手段は、
前記目標値と前記第2測光値とに関する差分値に基づき、前記透光性の部材が交換されたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で前記透光性の部材が交換されたと判定された場合には、前記差分値に基づく補正値を設定し、当該補正値により第1測光値を補正して前記計測値を生成する測光値補正手段と、
を有する撮像装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記撮像センサによる所定回数以上の撮像で得られた前記差分値それぞれが所定の閾値以上である場合に、前記透光性の部材が交換されたと判定する請求項1の撮像装置。
【請求項3】
前記測光手段は、前記撮像センサの撮像範囲のうち前記測光センサで測光可能な測光領域に対応した領域に属する画像信号に基づき、前記第2測光値を取得する請求項1の撮像装置。
【請求項4】
所定の光路に沿って撮影レンズから導光された被写体光を受光する撮像センサにより、被写体に係る画像信号を生成する撮像工程と、
前記所定の光路上でない箇所に交換可能に設けられる透光性の部材を通った被写体光を受光する測光センサにより、測光を行って第1測光値を取得する第1測光工程と、
露出制御に係る目標値を設定する設定工程と、
前記第1測光値に基づく計測値と前記目標値とを比較することにより前記露出制御を行う露出制御工程と、
前記露出制御がなされた状態において前記撮像センサによる撮像で取得される画像信号に基づく測光を行って第2測光値を取得する第2測光工程と、
を備え、
前記露出制御工程は、
前記目標値と前記第2測光値とに関する差分値に基づき、前記透光性の部材が交換されたか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程で前記透光性の部材が交換されたと判定された場合には、前記差分値に基づく補正値を設定し、当該補正値により第1測光値を補正して前記計測値を生成する測光値補正工程と、
を有する測光値補正方法。
【請求項5】
撮像装置に内蔵されたコンピュータに、
所定の光路に沿って撮影レンズから導光された被写体光を受光する撮像センサにより、被写体に係る画像信号を生成する撮像工程と、
前記所定の光路上でない箇所に交換可能に設けられる透光性の部材を通った被写体光を受光する測光センサにより、測光を行って第1測光値を取得する第1測光工程と、
露出制御に係る目標値を設定する設定工程と、
前記第1測光値に基づく計測値と前記目標値とを比較することにより前記露出制御を行う露出制御工程と、
前記露出制御がなされた状態において前記撮像センサによる撮像で取得される画像信号に基づく測光を行って第2測光値を取得する第2測光工程と、
を実行させ、
前記露出制御工程は、
前記目標値と前記第2測光値とに関する差分値に基づき、前記透光性の部材が交換されたか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程で前記透光性の部材が交換されたと判定された場合には、前記差分値に基づく補正値を設定し、当該補正値により第1測光値を補正して前記計測値を生成する測光値補正工程と、
を有する測光値補正プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−272735(P2009−272735A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119579(P2008−119579)
【出願日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】