説明

撮像装置、無線システム

【課題】操作者が、容易に無線端末の切り替えを行うことができる撮像装置を提供する。
【解決手段】複数の無線端末間で行う画像伝送の切り替え制御を行う撮像装置において、アレーアンテナにより無線端末の相対角度を把握し、同時に、CCD等で無線端末を撮像したスルー画像上に、相対角度を元に、アイコン等を重畳して表示させ、簡便な切り替えの指示入力を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、無線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像情報等の送受信を行う複数の無線端末間で、接続する無線端末の組み合わせを切り変えることができる無線システムがある。例えば、LCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレー)パネル等の表示デバイスとタッチパネル等の入力デバイスを組み合わせたGUI(Graphical User Interface)機能を持つ撮像装置を利用して、無線端末の探索を行い、その探索結果を撮像装置の表示デバイスに表示し、タッチパネル等を介して入力される操作者の指示に基づいて、無線端末間の接続を切り替えるシステムが特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3441422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では図9に示す様に、撮像装置9aが周囲の無線端末9c−1〜9c−3を探索し、発見した無線端末をLCD等の表示部9bにアイコンで示していた。しかしながら、探索により発見した順か、名称順等の順番でアイコンを並べて表示させる事しかできなかった。従って、実際の無線端末群9c−1〜9c−3の実空間における配置と、表示部9b上のアイコンとの関連が操作者にとって直感的にわかりづらく、接続の切り替え等の指示が困難であった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、操作者が、容易に無線端末の切り替えを行うことができる撮像装置、無線システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、画像を撮像する撮像部と、前記画像を表示する表示部と、前記撮像部に対して予め決められた位置に配置されるアンテナと、前記アンテナの最大利得方向を変化させて前記アンテナの指向性を制御するアンテナ制御部と、前記アンテナを経由して、1つ以上の無線端末に対して探索データを送信し、かつ、前記探索データに対する応答データを受信し、さらに制御データを送信する無線部と、前記応答データの受信強度を検出する受信強度検出部と、前記応答データの送信元である前記無線端末の識別情報を抽出する識別情報抽出部と、前記識別情報と前記受信強度と前記最大利得方向とを関連づけるデータセットを生成する制御を行う記録制御部と、前記データセットを記録する記録部と、前記記録部に記録された同一の前記識別情報を持つ前記データセットの中で前記受信強度が他の前記受信強度よりも相対的に大きい前記データセットの前記最大利得方向を、撮像装置を基準とする前記無線端末の相対的な方向を示す相対角度として抽出する相対角度抽出部と、前記表示部の画角と前記相対角度に基づいて、前記表示部に表示される前記画像上の前記無線端末の推定位置を計算する推定位置計算部と、前記表示部に、前記画像を表示させるとともに、前記識別情報に対応する前記無線端末を特定する端末情報を前記推定位置に重畳表示する様に表示させる制御を行う表示制御部と、前記表示部に表示された前記端末情報を操作者が選択する指示を検知する事で、複数の前記無線端末間での無線接続に関する操作者の指示を検知する指示入力検知部と、前記指示入力検知部が検知した前記操作者の指示に基づき、少なくとも1つ以上の前記無線端末に対して無線接続に関する前記制御データを送信する制御を行う無線接続切り替え制御部と、を有する撮像装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の撮像装置において、前記アンテナは複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナで、前記アンテナ制御部は前記アンテナ素子に加える信号の位相を変化させることにより、指向性の制御を行う事を特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の撮像装置と、前記撮像装置から受信した前記制御データに基づいて、前記無線端末間の接続の切り替えを行う複数の前記無線端末と、を有する無線システムである。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の無線システムにおいて、前記無線端末は、他の前記無線端末との間の無線接続及び前記撮像装置との無線接続を、同一のアンテナ及び無線部を用いて行う事を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、操作者が、容易に無線端末の切り替えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る無線システムを表す概略図である。
【図2】本実施形態に係る撮像装置を表す外観図である。
【図3】本実施形態に係る撮像装置の構成を表すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る無線端末の構成を表すブロック図である。
【図5】本実施形態に係る記録部に記録されるテーブルの一例を表す概略図である。
【図6】本実施形態に係る無線端末画像及び識別情報の表示位置の関係を示した概念図である。
【図7】本実施形態に係る無線端末の位置と、識別情報の表示位置の関係を説明するための図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る無線端末の構成を表すブロック図である。
【図9】従来例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る無線システムを表す概略図である。図示する例では、無線システム100は、撮像装置1と3個の無線端末2−1、2−2、2−3から構成される。各無線端末2−1〜2−3にはその無線端末を識別するための固有ID(ID1〜ID3)が割り当てられている。撮像装置1が具備する表示部112には、撮像装置1が撮像した無線端末2−1〜2−3の実空間における配置を示す画像が表示される。撮像装置1の表示部112には、それに加えて、各無線端末の固有ID、簡易ID、名称、型式などの何れか、もしくはそれらの組み合わせからなる識別情報が、撮像した無線端末2−1〜2−3の画像の近傍に対応づけて表示される。
【0014】
図1では、各無線端末2−1〜2−3のそれぞれに対し、識別情報であるID1〜ID3が対応づけて表示されている。図1は、無線端末2−1(例えば、液晶テレビ)と無線端末2−2(例えば、DVDプレイヤー1)が無線接続され、無線端末2−2から無線端末2−1へと映像情報が伝送されているときに、無線端末2−1と無線端末2−2の間の接続を切断し、無線端末2−1と無線端末2−3との間で接続する様に無線接続を切り替える例を示している。この際、表示部112は、実際の無線端末2−1〜2−3の位置のみを表示するのではなく、無線端末2−1〜2−3の識別情報も同時に表示する。
【0015】
図2は、本発明の撮像装置を表す外観図である。図示する例では、撮像装置1は、撮像部101、アレーアンテナ102、及び表示部112を具備する。撮像部101、及びアレーアンテナ102は、撮像装置1の正面に互いに近接して配置されている。表示部112は、撮像装置1の背面に配置されている。
【0016】
撮像部101は、光を集光するレンズ(図示しない)と、レンズによって結像された被写体像を電気信号に変換するCCDやCMOSセンサー等(図示しない)の撮像素子とを有する。アレーアンテナ102は、2次元方向に並んだ複数のアンテナ素子(図示しない)から構成される。表示部112は、LCDや有機ELなどからなる表示デバイスである。
【0017】
図3は、撮像装置1の構成を表すブロック図である。図示する例では、撮像装置1は、撮像部101、アレーアンテナ102、無線部103、信号強度検出部104、識別情報抽出部105、アンテナ制御部106、記録制御部107、記録部108、相対角度抽出部109、推定位置計算部110、表示制御部111、表示部112、指示入力検知部113、及び無線接続切り替え制御部114を備える。
【0018】
撮像部101は、撮像素子が撮像した映像を示す映像情報を表示制御部111へ出力する。アレーアンテナ102(アンテナ)は、複数のアンテナ素子(図示しない)に出力する信号の位相を制御することにより、アンテナから出射される電波の出射角度(最大利得方向)に指向性を持つ電波を送受信することができる。また、アレーアンテナ102は、複数のアンテナ素子に出力する信号の位相を変化させることにより、電波の出射角度を変化させることができる。本明細書では、アレーアンテナ102の出射角度を次の様に定義する。すなわち、水平方向、垂直方向の各々について、アレーアンテナ102の出射面に垂直な方向を0°、アレーアンテナ102に平行な方向をそれぞれ+90°(例えば、左側)、−90°(例えば、右側)と定義する。アレーアンテナ102には、無線部103から、RF(Radio Frequency)信号が入力される。アンテナ制御部106は、アンテナの出射方向を指定する出射方向指定情報を無線部103に出力する。無線部103では出射方向指定情報を、複数のアンテナ素子(図示しない)に出力する信号の位相のズレ量に変換し、アレーアンテナ102へ出力し、アレーアンテナ102は、出射方向に向けて電波を送信する。また、アレーアンテナ102は、無線部103に、受信したRF信号を出力する。
【0019】
無線部103は、無線接続切り替え制御部114から入力された、無線端末間の接続を切り替えることを指示する接続制御パケットをRF信号に変換する。無線部103は、無線端末を探索する探索パケット(探索データ)を生成し、生成した探索パケットをRF信号に変換する。
図1に示す各無線端末2−1、2−2,2−3は、この探索パケットを受信した場合、データ通信が可能な事を示す応答パケット(応答データ)を生成し、変調して送信する。撮像装置1は、この変調された応答パケットをアレーアンテナ102で受信し、無線部103で応答パケットに復調する。
【0020】
信号強度検出部104には、無線部103から、復調前の、アレーアンテナ102の複数のアンテナ素子からの入力が合成されたRF信号が入力される。信号強度検出部104は、入力されたRF信号の信号強度を検出する。信号強度検出部104は、記録制御部107から信号強度を出力させることを示す信号強度出力情報が入力されたとき、信号強度を示す信号強度情報を記録制御部107に出力する。識別情報抽出部105には、無線部103から復調後の応答パケットが入力される。応答パケットには、応答パケットを送信した無線端末の識別情報が含まれる。識別情報抽出部105は、応答パケットに含まれる識別情報を抽出する。識別情報抽出部105は、記録制御部107から識別情報を出力させることを示す識別情報出力情報が入力されたとき、識別情報を記録制御部107に出力する。
【0021】
アンテナ制御部106は、アレーアンテナ102のアンテナ各素子に加える信号の位相を変化させることにより、アレーアンテナ102の指向性の制御(最大利得方向、つまり出射角度の制御)を行う。アンテナ制御部106は、無線部103にアレーアンテナ102の出射方向を指定する出射方向指定情報を出力する。アンテナ制御部106は、アレーアンテナ102の出射角度を2次元方向に変化させる制御を行う。アンテナ制御部106は、撮像部101が撮像する視野角の全域(探索領域)を網羅するようにアレーアンテナ102の出射角度を変化させる制御を行う。アンテナ制御部106は、探索領域内のすべての方向に出射角度を変化させ終わったときに、探索領域内のすべての方向に出射角度を変化させ終わったことを示す探索終了情報を記録制御部107に出力する。アンテナ制御部106は、記録制御部107から、アレーアンテナ102の出射角度を出力させることを示す出射角度出力情報が入力されたとき、出射方向を示す出射方向情報を記録制御部107に出力する。
【0022】
記録制御部107は、記録部108に記録する情報が入力されると、入力された情報を記録部108に記録する。記録制御部107は、信号強度検出部104に信号強度出力情報を出力する。この信号強度出力情報に応じて信号強度検出部104から信号強度情報が記録制御部107に入力される。記録制御部107は、識別情報抽出部105に識別情報出力情報を出力する。この識別情報出力情報に応じて識別情報抽出部105から識別情報が記録制御部107に入力される。記録制御部107は、アンテナ制御部106に出射角度出力情報を出力する。この出射角度情報に応じてアンテナ制御部106から出射方向情報が記録制御部107に入力される。記録制御部107は、信号強度情報、識別情報、及び出射方向情報を記録部108に書き込む。記録制御部107は、アンテナ制御部106から探索終了情報が入力されたときに、探索終了情報を、記録部108を介して相対角度抽出部109に出力する。
【0023】
記録部108は、揮発性メモリや不揮発性メモリ、もしくはハードディスクなどから構成される。これらは、機器形状や使用方法、環境などに合わせて選択することができる。記録部108は、信号強度情報、識別情報、及び出射角度情報を関連づけたデータセットから構成される測定テーブルを記憶する。記録部108に記録された信号強度情報、識別情報、及び出射角度情報は、相対角度抽出部109から読み出される。記録部108は、記録制御部107から入力された探索終了情報を相対角度抽出部109に出力する。記録部108で記録される測定テーブルの形式の詳細については図面を参照しながら後述する。
【0024】
相対角度抽出部109は、記録部108から探索終了情報が入力されたときに、相対角度を抽出する。相対角度抽出部109は、記録部108に記録された測定テーブルから、同一の識別情報を持つデータセットを選択する。相対角度抽出部109は、選択されたデータセットの中で、信号強度が最大となるデータセットの出射角度を抽出し、この出射角度を、その識別情報をもつ無線端末の相対角度として抽出する。相対角度抽出部109は、抽出した相対角度を示す相対角度情報及び識別情報を、推定位置計算部110に出力する。相対角度抽出部109で行われる相対角度の抽出については図面を参照しながら詳しく後述する。
【0025】
推定位置計算部110は、相対角度抽出部109から入力された相対角度、撮像部101の画角、表示部112の画素数等に基づいて、表示部112上に表示する無線端末の識別情報の表示位置(推定位置)を計算する。推定位置計算部110は、計算した無線端末の識別情報の表示位置を示す表示位置情報を識別情報と紐付けて表示制御部111に出力する。推定位置計算部110で行われる無線端末の識別情報の表示位置の計算については図面を参照しながら詳しく後述する。
【0026】
表示制御部111には、撮像部101で撮像された各無線端末の外観の映像情報が入力される。表示制御部111は、推定位置計算部110から入力された識別情報そのもの、もしくは識別情報を操作者に理解し易い様に図形化または抽象化した識別画像を生成する。表示制御部111は、生成した識別画像を、映像情報が示す映像の、推定位置計算部110から入力された表示位置情報が示す表示位置に重畳した表示情報を生成する。表示制御部111は、生成した表示情報を表示部112に出力する。表示部112は、表示制御部111から表示情報が入力されると、表示情報が示す映像を表示面上に表示する。
【0027】
指示入力検知部113は、表示部112に設けられたタッチパネルや、カーソルなどを選択するジョグダイヤルスイッチ等のスイッチで構成される。指示入力検知部113は、表示部112に表示された無線端末の映像又はその近傍(選択領域とよぶ)に表示される識別情報を操作者が選択したことを検知する。操作者は、新たに無線端末2−2から無線端末2−1への接続を確立したい場合は、例えば、まず無線端末2−2の選択領域を選択し、続いて無線端末2−1の選択領域を選択する。この操作により、指示入力検知部113は、操作者が無線端末2−2から無線端末2−1への接続を選択したことを検知する。この例の場合、指示入力検知部113は、無線端末2−2から無線端末2−1への接続を示す選択情報を無線接続切り替え制御部114に出力する。無線接続切り替え制御部114は、指示入力検知部113から入力された選択情報に基づいて、無線端末間の無線接続を切断させ、新たな無線接続を確立させることを示す接続制御パケット(制御データ)を生成し、生成された接続制御パケットを無線部103に出力する。
【0028】
図4は、無線端末2の構成を表すブロック図である。図示する例では、無線端末2は、対撮像装置アンテナ201、対無線端末アンテナ202、対撮像装置無線部203、対無線端末無線部204、及び制御部205を具備する。対撮像装置アンテナ201は、対撮像装置無線部203から入力されたRF信号を撮像装置1に向けた電波として送信する。対撮像装置アンテナ201は、撮像装置1から送信された電波を受信する。対撮像装置アンテナ201は、受信した電波に対応するRF信号を対撮像装置無線部203に出力する。対無線端末アンテナ202は、対無線端末無線部204から入力されたRF信号を他の無線端末2に向けた電波として送信する。対無線端末アンテナ202は、他の無線端末2から送信された電波を受信する。対無線端末アンテナ202は、受信した電波に対応するRF信号を対無線端末無線部204に出力する。
【0029】
対撮像装置無線部203は、対撮像装置アンテナ201からRF信号が入力されると、入力されたRF信号をベースバンド信号に変換し、変換されたベースバンド信号を制御部205に出力する。対撮像装置無線部203は、制御部205から入力されたベースバンド信号をRF信号に変換し、変換されたRF信号を対撮像装置アンテナ201に出力する。対無線端末無線部204は、対無線端末アンテナ202からRF信号が入力されると、入力されたRF信号をベースバンド信号にし、変換されたベースバンド信号を制御部205に出力する。対無線端末無線部204は、制御部205から入力されたベースバンド信号をRF信号に変換し、変換されたRF信号を対無線端末アンテナ202に出力する。
【0030】
制御部205には、対撮像装置無線部203から探索パケットが入力された場合、無線端末2のID情報を付加した応答パケットを対無線端末無線部204に出力する。制御部205には、対無線端末無線部204から無線端末間の接続を切り替えることを指示する接続制御パケットが入力される。制御部205は、接続制御パケットが示す接続の指示に応じて、接続要求を行う接続要求パケットや、切断要求を行う切断要求パケットを対無線端末無線部204に出力する事により、接続制御パケットが示す他の無線端末との接続を確立する。制御部205は、接続の確立後、制御部205に接続される、TV、DVDプレイヤー等の映像機器等と対無線端末無線部204との間で、映像データの伝送を行う。
【0031】
図5は、記録部108に記録される測定テーブルの一例を表す概略図である。図示する様に測定テーブルは、出射方向情報、識別情報、及び受信強度情報の各項目の列を有している。測定テーブルは、出射角度毎に識別情報、受信強度が格納される行と列からなる2次元の表形式のデータである。データセット5aは、出射角度は62°、識別情報はID3、受信強度は−25dBであることを示している。データセット5bは、出射角度は61°、識別情報はID3、受信強度は−15dBであることを示している。データセット5cは、出射角度は60°、識別情報はID3、受信強度は−40dBであることを示している。相対角度抽出部109は、同一の識別情報を持つデータセット5a〜5cの受信強度を比較し、最大の受信強度を示すデータセット5bを選択する。相対角度抽出部109は、選択したデータセット5bの出射角度に基づいて、ID3を持った無線端末2−3の相対角度はアンテナの左側61°であると決定する。
【0032】
また、データセット5dは、出射角度は−72°、識別情報はID2、受信強度は−51dBを示している。データセット5eは、出射角度は−73°、識別情報はID2、受信強度識別情報−40dBであることを示している。データセット5fは、出射角度は−74°、識別情報はID2、受信強度は−50dBであることを示している。相対角度抽出部109は、データセット5d〜5fの受信強度を比較し、最大の受信強度を示すデータセット5eを選択する。相対角度抽出部109は、選択したデータセット5eの出射角度に基づいて、ID3を持った無線端末2−3の相対角度はアンテナの右側73°であると決定する。データセット5gは、出射角度は90°、識別情報はなし、受信強度は−100dBであることを示している。データセット5gは、アレーアンテナ102が出射角度90°方向から受信したRF信号の受信強度が、検出できる最低のRF信号の強度である受信限界強度(ここでは−100dB)より弱く、識別情報を特定できなかったことを示す。
【0033】
図6は、撮像される無線端末2と、表示部112に表示される無線端末画像及び識別情報の表示位置の関係を示した概念図である。表示部112が表示面上に識別情報を表示する位置(推定位置)は、水平(X)方向と仰角(Y)方向の2次元空間の座標によって定められる。アレーアンテナ102と撮像部101の撮像中心を完全に合わせることは、実際には不可能である(図1参照)。しかし、アレーアンテナ102の中心と撮像部101の中心の間の距離が、撮像装置から無線端末までの距離に比べて十分小さく、アレーアンテナ102の中心と撮像部101の中心との不一致を無視できる場合がほとんどである。ここでは、アレーアンテナ102の中心と撮像部101の中心との不一致を無視できる場合について説明する。このとき、水平(X)方向と仰角(Y)方向の推定位置の計算は、各々独立しており、同様に考えることが可能であるので、以後、水平(X)方向のみについて説明を行い、仰角(Y)方向については説明を省略する。
【0034】
図7は、無線端末の実空間上の水平面内の位置と、表示部112上に示される無線端末の識別情報の表示位置を説明するための説明図である。点7aは、無線端末が実際に存在する位置を表す。アレーアンテナ102の中心と撮像部101の中心との不一致を無視できる前提から、図7では簡易的に、撮像部101の光軸(中心軸)と、アレーアンテナ102の中心と、表示部112の中心を同一軸上に表記している。点7bは、撮像部101及びアレーアンテナ102の中心を表す。破線7cは、撮像部101の光軸(中心軸)を表すとともに、それと重なる、アレーアンテナ102の出射面に垂直な方向(出射角度0°の方向)を表す。破線7dは、表示部112の最大画角を表す。破線7eは、撮像部101及びアレーアンテナ102の中心と無線端末を結ぶ線を表す。破線7fは、破線7cに垂直な面(撮像装置1の正面)を表す。点7gは、表示部112上に表示される無線端末及び識別情報の表示点を表す。この7gを示す表示部は理解を容易にする為に簡易的に表示部の正面図で表記している。
【0035】
表示部112の幅方向(水平方向)の解像度をW(単位はピクセル)とし、表示部112の中心から、表示部112上の、無線端末を表示すべき推定位置までの距離をd(単位はピクセル)とする。ここで、撮像部101で撮像された各無線端末の外観を含む映像は表示部の幅Wピクセルを全て使用して表示しているものとする。表示部の辺縁部等に撮像映像以外のもの(例えば、メニュー等)を表示する場合は、その部分のピクセル数を差し引いたものをWとすれば良い。
【0036】
表示部112の画角の中心と、撮像部101の視野角の中心は一致する(点7c)ものとし、さらに画角及び視野角はその中心から左右対称とする。最大画角の半分(破線7cと破線7dのなす角)をθmaxとし、アレーアンテナ102を用いて推定された無線端末の相対角度(破線7cと破線7eのなす角)をθとすると、距離dは式(1)で表される。
【0037】
【数1】

【0038】
ここでWは、表示部112のLCDパネルの水平方向のピクセル数であるので、LCDパネルが決まれば定数である。最大画角の半分の値であるθmaxも撮像系に固有な定数である。従って、相対角度θが決まれば距離d、つまり推定位置を決定できることになる。
【0039】
(無線端末の位置検出)
アンテナ制御部106は、出射方向指定情報をアレーアンテナ102へ出力する。アレーアンテナ102は、出射方向指定情報が示す出射方向へ向けて無線端末への探索パケットを送信する。無線端末が探索パケットを受信したときは、無線端末は撮像装置1に対して応答パケットを送信する。記録制御部107は、信号強度検出部104から信号強度情報を取得し、識別情報抽出部105から識別情報を取得し、アンテナ制御部106から出射方向指定情報を取得し、取得した各情報を記録部108に書き込む。
【0040】
(推定位置の算出)
相対角度抽出部109は、記録部108に記録された測定テーブルに基づいて、相対角度を抽出する。相対角度抽出部109は、抽出された相対角度を示す相対角度情報及び識別情報を推定位置計算部110に出力する。推定位置計算部110は、相対角度抽出部109から入力された相対角度情報が示す相対角度、及びW、θmaxを式(1)に代入することにより、推定位置を示す距離dを算出する。
【0041】
(表示)
表示制御部111は、撮像部101で撮像された各無線端末2の外観を含む映像を表示部112に表示する。さらに、表示制御部111は、記録部108から入力された識別情報そのもの、もしくは識別情報を操作者に理解し易い様に図形化または抽象化したものを、付加情報として、推定位置計算部110で計算した推定位置に重畳して表示部112に表示する。推定位置は無線端末の位置を示しているので、映像上の無線端末2の近くにその付加情報が表示される。
【0042】
(無線端末の接続の切り替え)
無線端末2は、撮像装置1からの探索パケットに対する応答を行う第1のデータ通信機能と共に、撮像装置1とのデータ通信のデータ量よりも遥かに大きい映像等を含むデータを各無線端末2の間で通信する第2のデータ通信機能をもつ。また、第2のデータ通信を行う無線端末2の組み合わせと方向等は自由に変更できる事が望まれる。例えば、図2に示した無線端末2−1が液晶ディスプレーと接続され、無線端末2−2がDVDプレイヤーAと、無線端末2−3が別のDVDプレイヤーBと接続されていた場合を考える。撮像装置1は、それらの間の第2のデータ通信機能による無線接続の相手を切り替える場合、無線端末2間の接続を切り替えるための多機能リモコンに搭載された制御部という位置づけになる。
【0043】
ここでは、例として、ID1をもつ無線端末2−1とID3をもつ無線端末2−3間で動画を転送しているときに、ID1をもつ無線端末2−1とID2をもつ無線端末2−2間で動画を転送する様に変更する場合の接続の切り替えについて説明する。
【0044】
表示部112は、撮像部101が撮像した各無線端末の映像を表示するとともに、映像上の無線端末の位置付近に付加情報を表示する。指示入力検知部113は、操作者が無線端末2−2の付加情報もしくはその近辺を選択する指示を検知し、選択された付加情報を示す情報(選択情報)を生成する。指示入力検知部113は、選択情報を無線接続切り替え制御部114に出力する。無線接続切り替え制御部114は、選択情報が入力されると、付加情報に対応する無線端末2−2が選択されたと判断する。無線接続切り替え制御部114は、無線端末2−1に、無線端末2−3との接続を切断し、無線端末2−2との接続を確立することを指示する接続制御パケットを無線部103とアレーアンテナ102を経由して無線端末2−1に送信する。
【0045】
無線端末2−1の対撮像装置アンテナ201は、接続制御パケットを受信する。無線端末2−1の制御部205には、対撮像装置無線部203を介して接続制御パケットが入力される。無線端末2−1の制御部205は、無線端末2−3に向けた切断要求パケットを、対無線端末無線部204を介して対無線端末アンテナ202に出力する。無線端末2−1の対無線端末アンテナ202は、無線端末2−3に向けて切断要求パケットを送信する。無線端末2−3の対無線端末アンテナ202は、無線端末2−1からの切断要求パケットを受信する。無線端末2−3の制御部205には、対無線端末無線部204を介して切断要求パケットが入力される。無線端末2−3の制御部205は、対無線端末無線部204への映像機器等から入力された動画データの出力を停止する。
【0046】
一方、無線端末2−1の制御部205は、無線端末2−2に向けた接続要求パケットを、対無線端末無線部204と対無線端末アンテナ202を経由して送信する。無線端末2−2の対無線端末アンテナ202は、接続要求パケットを受信する。無線端末2−2の制御部205には、対無線端末無線部204を介して接続要求パケットが入力される。無線端末2−2の制御部205は、映像機器等から入力された動画データを対無線端末無線部204へ出力し、対無線端末アンテナ202を経由して動画データの送信を開始する。
【0047】
この一連の動作により本無線システム100では、撮像装置1に、無線端末2間の無線接続の切り替えの指示が入力され、この指示に応じて、各無線端末2の第2のデータ通信の送受信の組み合わせ及び方向を切り替える。
【0048】
このように、本実施形態によれば、無線端末2は、アレーアンテナ102が送信した探索パケットに呼応して、応答パケットを撮像装置1に送信する。アレーアンテナ102は、撮像部101の視野角の全域を網羅するように探索パケットの出射角度を変化させる。信号強度検知部104は、応答パケットの受信強度を測定する。相対角度計算部109は、受信強度に基づいて、無線端末2の相対角度を計算する。推定位置計算部110は、無線端末2の相対角度に基づいて推定位置を計算する。表示制御部111は、表示部112に、撮像部101が撮像した画像と共に推定位置に識別情報を表示させる。指示入力検知部113は、操作者からの無線切り替え指示を検知する。無線接続切り替え制御部114は、無線切り替え指示にしたがって接続制御パケットを無線端末2に送信する。無線端末2は、接続制御パケットが示す情報にしたがって各無線端末間の接続を切り替える。
【0049】
従って、本実施形態では、表示部上で識別情報やアイコン等の付加情報が実際の無線端末の近くに表示されるので、操作者が無線端末の属性や詳細を把握し易くなり、この識別情報やアイコン等をタッチパネルなどで選択することで、簡便な無線接続の切り替えの指示入力が可能となる。
【0050】
なお、上記の構成では、アンテナ制御部106、記録制御部107、表示制御部111は、別々のブロックとして構成しているが、例えば単一の制御部に統合した構成としても良い。
【0051】
なお、上記の説明では、撮像系の視野角が一定である場合について説明を行ってきたが、撮像系の視野角がズームの様に変更される場合も、ズームの設定値から、視野角を換算し、式(1)を用いて推定位置を決定できる。例えば、予めズームの倍率と視野角の関係を記録部108に記録しておき、この関係を参照することで、ズームの設定倍率に応じて、視野角を得ればよい。この場合当然のことながら、アレーアンテナの出射角度を変化させる範囲が、ズーム変更後の視野角をカバーしていなければならない。
【0052】
なお、アレーアンテナ102がその出射方向を変更しながら、無線端末2を探索する角度の範囲は、撮像部101の視野角と等しいか、それよりも大きい必要がある。もし、アレーアンテナ102が無線端末2を探索するする角度の範囲が撮像部101の視野角よりも小さい場合は、付加情報を表示できない領域であるデッドエリアが生じることになる。
【0053】
なお、式(1)は、アレーアンテナ102のスキャン中心方向と撮像部101の撮像中心方向が同一という前提で成り立っているが、配置の都合等で方向に差異がある場合は、その差異分補正すれば良い。
【0054】
なお、本実施形態において、表示部112は撮像部101の裏面に配置される例を示したが、これに限定されることは無く、操作をする上で、操作者の手や身体自体が撮像部101及びアレーアンテナ102の視野を遮らない様に配置すれば何処でも良い。また、ヒンジ等で可動としても良い。
【0055】
なお、測定テーブルに記憶される出射方向情報は、必ずしも最大利得方向に対応するものでなくてもよく、最大利得方向に近い値であればよい。
【0056】
なお、測定テーブルの更新の頻度は、撮像装置の視野を変更する速度や、画角内で無線端末が移動する速度に対して更新が追従できる頻度であることが望ましい。
【0057】
なお、撮像部101で撮像された各無線端末の外観を含む映像を表示する際、通常の動画カメラの様に25フレーム/秒から60フレーム/秒ないしはそれ以上の動画像を表示していても良いし、スチルカメラの様にレリーズを押した時の画像を表示しても良い。当然のことながら、動画像を表示する方が消費電力はより大きくなり、それに伴い撮像端末のバッテリーが大型化するので好ましくない。従って、実際は表示変更頻度と消費電力とのトレードオフを判断して決定すれば良い。また、ミリ波等を使用した高速なデータ転送無線システムを利用することで高速なスキャンが可能となり、撮像装置を操作者の手で自由に動かしても、付加情報の表示を追従させることが可能となる。
【0058】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。上記第1の実施形態では、無線端末2が、撮像装置1との通信を行う対撮像装置アンテナ201及び無線端末2間の通信を行う対無線端末アンテナ202を有する場合について説明した。本実施形態では、無線端末2が、共通の1つのアンテナで撮像装置1との通信及び無線端末2間の通信を行う場合について説明する。本実施形態に係る撮像装置1は、第1の実施形態における撮像装置1と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
図8は、本実施形態に係る無線端末2aの構成を表すブロック図である。図示する例では、無線端末2aは、アンテナ201a、無線部203a、及び制御部205aを具備する。アンテナ201aは、撮像装置1との通信及びそれより大きなデータ転送が行われる他の無線端末2aとの通信の双方に用いられる。アンテナ201aは、無線部203aから入力されたRF信号を撮像装置1及び他の無線端末2aに向けた電波として送信する。アンテナ201aは、撮像装置1及び他の無線端末2aから送信された電波を受信する。アンテナ201aは、受信した電波に対応するRF信号を無線部203aに出力する。
【0060】
無線部203aは、アンテナ201aからRF信号が入力されると、入力されたRF信号をベースバンド信号に変換し、変換されたベースバンド信号を制御部205aに出力する。無線部203aは、制御部205aから入力されたベースバンド信号をRF信号に変換し、変換されたRF信号をアンテナ201aに出力する。制御部205aは、無線部203aから探索パケットが入力された場合、無線端末2aのID情報を付加した応答パケットを無線部203aに出力する。制御部205aには、無線部203aから無線端末間の接続を切り替えることを指示する接続制御パケットが入力される。制御部205aは、接続制御パケットが示す接続の指示に応じて、接続要求を行う接続要求パケットや、切断要求を行う切断要求パケットを無線部203aに出力する事により、接続制御パケットが示す他の無線端末との接続を確立する。制御部205aは、接続の確立後、制御部205aに接続される、TV、DVDプレイヤー等の映像機器等と無線部203aとの間で、映像データの伝送を行う。
【0061】
ここでは、例として、ID1をもつ無線端末2a−1とID3をもつ無線端末2a−3間で動画を転送していたものを、ID1を持つ無線端末2a−1とID2をもつ無線端末2a−2間で動画を転送する様に変更する場合の接続の切り替えについて説明する。
【0062】
表示部112は、撮像部101が撮像した各無線端末の映像を表示するとともに、映像上の無線端末の位置付近に付加情報を表示する。指示入力検知部113は、操作者が無線端末2a−2の付加情報もしくはその近辺を選択する指示を検知し、選択された付加情報を示す情報(選択情報)を生成し、無線接続切り替え制御部114に出力する。無線接続切り替え制御部114は、選択情報が入力されると、付加情報に対応する無線端末2a−2が選択されたと判断する。無線接続切り替え制御部114は、無線端末2a−1に、無線端末2a−3との接続を切断し、無線端末2a−2との接続を確立することを示す接続制御パケットを無線部103とアレーアンテナ102を経由して無線端末2a−1に送信する。
【0063】
無線端末2a−1のアンテナ201aは、接続制御パケットを受信する。無線端末2a−1の制御部205aには、無線部203aを介して接続制御パケットが入力される。無線端末2a−1の制御部205aは、無線端末2a−3に向けた切断要求パケットを、無線部203aを介してアンテナ201aに出力する。無線端末2a−1のアンテナ201aは、無線端末2a−3に向けて切断要求パケットを送信する。無線端末2a−3のアンテナ201aは、切断要求パケットを受信する。無線端末2a−3の制御部205aには、無線部203aを介して切断要求パケットが入力される。無線端末2a−3の制御部205aは、映像機器等から入力された動画データの無線部203aへの出力を停止する。
【0064】
一方、無線端末2a−1の制御部205aは、無線端末2a−2に向けた接続要求パケットを、無線部203aとアンテナ201aを経由して送信する。無線端末2a−2のアンテナ201aは、接続要求パケットを受信する。無線端末2a−2の制御部205aには、無線部203aを介して接続要求パケットが入力される。無線端末2a−2の制御部205aは、映像機器等から入力された動画データを無線部203aへ出力し、アンテナ201aを経由して、動画データの送信を開始する。
【0065】
このように、本実施形態によれば、無線端末2aは、同一のアンテナ201aで撮像装置1及び他の無線端末2aとの通信を行う。これにより、外部制御装置(撮像装置)からの無線通信による無線端末間の通信の切り替えを行う場合に、無線端末側に通信切り替え専用の無線部を具備する必要がなくなり、コスト低減と小型化が可能となる。
【0066】
なお、上述の各実施形態において、アレーアンテナ102の代わりに、機械的に水平方向及び仰方向に指向性を変化させることが可能な機構を有するアンテナを用いてもよい。
【0067】
なお、アレーアンテナを使用する場合において、無線部で使用する無線周波数が高いほどアンテナの小型化が容易となる。例えば、60GHz帯などのミリ波を用いた場合、アンテナをICチップの上に配置し、小型化を実現できる。
【0068】
以上、図面を参照してこの発明の各実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0069】
1、9a・・・撮像装置、2、2−1、2−2、2−3、2a、9c−1、9c−2、9c−3・・・無線端末、100・・・無線システム、101・・・撮像部、102・・・アレーアンテナ、103、9b・・・表示部、104・・・無線部、105・・・信号強度検出部、106・・・識別情報抽出部、107・・・アンテナ制御部、108・・・記録制御部、109・・・記録部、110・・・相対角度抽出部、111・・・推定位置計算部、112・・・表示制御部、113・・・指示入力検知部、114・・・無線接続切り替え制御部、201・・・対撮像装置アンテナ、201a・・・アンテナ、202・・・対無線端末アンテナ、203・・・対撮像装置無線部、203a・・・無線部、204・・・対無線端末無線部、205、205a・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮像する撮像部と、
前記画像を表示する表示部と、
前記撮像部に対して予め決められた位置に配置されるアンテナと、
前記アンテナの最大利得方向を変化させて前記アンテナの指向性を制御するアンテナ制御部と、
前記アンテナを経由して、1つ以上の無線端末に対して探索データを送信し、かつ、前記探索データに対する応答データを受信し、さらに制御データを送信する無線部と、
前記応答データの受信強度を検出する受信強度検出部と、
前記応答データの送信元である前記無線端末の識別情報を抽出する識別情報抽出部と、
前記識別情報と前記受信強度と前記最大利得方向とを関連づけるデータセットを生成する制御を行う記録制御部と、
前記データセットを記録する記録部と、
前記記録部に記録された同一の前記識別情報を持つ前記データセットの中で前記受信強度が他の前記受信強度よりも相対的に大きい前記データセットの前記最大利得方向を、撮像装置を基準とする前記無線端末の相対的な方向を示す相対角度として抽出する相対角度抽出部と、
前記表示部の画角と前記相対角度に基づいて、前記表示部に表示される前記画像上の前記無線端末の推定位置を計算する推定位置計算部と、
前記表示部に、前記画像を表示させるとともに、前記識別情報に対応する前記無線端末を特定する端末情報を前記推定位置に重畳表示する様に表示させる制御を行う表示制御部と、
前記表示部に表示された前記端末情報を操作者が選択する指示を検知する事で、複数の前記無線端末間での無線接続に関する操作者の指示を検知する指示入力検知部と、
前記指示入力検知部が検知した前記操作者の指示に基づき、少なくとも1つ以上の前記無線端末に対して無線接続に関する前記制御データを送信する制御を行う無線接続切り替え制御部と、
を有する撮像装置。
【請求項2】
前記アンテナは複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナで、
前記アンテナ制御部は前記アンテナ素子に加える信号の位相を変化させることにより、指向性の制御を行う事を特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の撮像装置と、
前記撮像装置から受信した前記制御データに基づいて、前記無線端末間の接続の切り替えを行う複数の前記無線端末と、
を有する無線システム。
【請求項4】
前記無線端末は、他の前記無線端末との間の無線接続及び前記撮像装置との無線接続を、同一のアンテナ及び無線部を用いて行う事を特徴とする請求項3に記載の無線システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−9180(P2013−9180A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140830(P2011−140830)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】