説明

撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、画像処理方法のプログラム及び画像処理方法のプログラムを記録した記録媒体

【課題】本発明は、撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、画像処理方法のプログラム及び画像処理方法のプログラムを記録した記録媒体に関し、例えばデジタルスチルカメラに適用して、画質の劣化を有効に回避してRAWデータに含まれる色ノイズを除去することができるようにする。
【解決手段】本発明は、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に、各注目画素の画素値を変換してノイズを除去した後、元の画素値に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、画像処理方法のプログラム及び画像処理方法のプログラムを記録した記録媒体に関し、例えばデジタルスチルカメラに適用することができる。本発明は、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に、各注目画素の画素値を変換してノイズを除去した後、元の画素値に逆変換することにより、画質の劣化を有効に回避してRAWデータに含まれる色ノイズを除去することができるようにする。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルスチルカメラでは、撮像素子の画素配列で順次得られるRAWデータをデモザイク処理してフルカラー画像を生成した後、輝度信号、色差信号の画像データに変換して記録媒体に記録している。このようなカラー画像のノイズは、輝度信号成分のノイズである輝度ノイズと、輝度信号成分を除いた色信号成分のノイズである色ノイズとに分類され、色ノイズを除去することにより画質を格段に向上できることが知られている。
【0003】
デジタルスチルカメラに関して、特開2005−311455公報には、ノイズリダクション処理に適切な周辺画素を選択し、この選択した周辺画素を用いてノイズリダクション処理することにより、RAWデータの段階で効率良くノイズを除去する方法が提案されている。
【0004】
また特開2004−221838公報には、エッジの延長方向に沿った所定範囲の画素値を用いて注目画素の画素値を補間演算処理することにより、デモザイク処理等において、エッジを精度良く再現する方法が提案されている。
【0005】
ところでRAWデータの段階で色ノイズ除去すると、輝度信号成分にまで影響を与え、各色信号の輝度値までも変化する問題がある。その結果、エッジ部分等が誤った色で表示され、著しく画質が劣化する場合がある。
【0006】
この問題を解決する1つの方法として、輝度信号、色差信号の段階でノイズ除去することが考えられる。この方法によれば、輝度信号に影響を与えることなく、色ノイズを除去することができると考えられる。
【0007】
しかしながらこの方法では、ノイズが混入したままの状態でデモザイク処理することになり、ノイズの混入が多い場合に、デモザイク処理に影響を与える問題がある。具体的に、例えば特開2004−221838公報に開示された手法により、デモザイク処理等においてエッジを再現する場合には、ノイズにより誤ってエッジを再現することになり、エッジ部分等が誤った色で表示され、また却って色ノイズが発生し、著しく画質が劣化する場合がある。また輝度信号及び色差信号の段階では、RAWデータからの一連の処理によりノイズの特性が複雑に変化しており、その結果、色ノイズを除去しきれない問題もある。また信号処理回路等の構成上の制約から、ノイズ除去回路の構成を設けられない場合もあり、この場合には、適用できない問題もある。
【特許文献1】特開2005−311455公報
【特許文献2】特開2004−221838公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、画質の劣化を有効に回避してRAWデータに含まれる色ノイズを除去することができる撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、画像処理方法のプログラム及び画像処理方法のプログラムを記録した記録媒体を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため請求項1の発明は、撮像装置に適用して、RAWデータを出力する撮像部と、前記RAWデータによるモザイク画像に順次注目画素を設定し、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に、前記注目画素の画素値を変換する変換部と、前記ノイズ除去用の画素値からノイズを除去するノイズ除去部と、前記変換部とは逆の処理により、前記ノイズ除去部でノイズを除去した前記ノイズ除去用の画素値を、元の画素値に変換する逆変換部と、前記逆変換部で処理した画像値によるモザイク画像をデモザイク処理して、フルカラーの画像データを生成するデモザイク部とを備えるようにする。
【0010】
また請求項8の発明は、撮像素子の画素配列で順次得られるRAWデータのノイズを抑圧する画像処理装置に適用して、前記RAWデータによるモザイク画像に順次注目画素を設定し、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に、前記注目画素の画素値を変換する変換部と、前記ノイズ除去用の画素値からノイズを除去するノイズ除去部と、前記変換部とは逆の処理により、前記ノイズ除去部でノイズを除去した前記ノイズ除去用の画素値を、元の画素値に変換する逆変換部とを備えるようにする。
【0011】
また請求項9の発明は、撮像素子の画素配列で順次得られるRAWデータのノイズを抑圧する画像処理方法に適用して、前記RAWデータによるモザイク画像に順次注目画素を設定し、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に、前記注目画素の画素値を変換する変換のステップと、前記ノイズ除去用の画素値からノイズを除去するノイズ除去のステップと、前記変換のステップとは逆の処理により、前記ノイズ除去のステップでノイズを除去した前記ノイズ除去用の画素値を、元の画素値に変換する逆変換のステップとを備えるようにする。
【0012】
また請求項10の発明は、撮像素子の画素配列で順次得られるRAWデータのノイズを抑圧する画像処理方法のプログラムに適用して、前記RAWデータによるモザイク画像に順次注目画素を設定し、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に、前記注目画素の画素値を変換する変換のステップと、前記ノイズ除去用の画素値からノイズを除去するノイズ除去のステップと、前記変換のステップとは逆の処理により、前記ノイズ除去のステップでノイズを除去した前記ノイズ除去用の画素値を、元の画素値に変換する逆変換のステップとを備えるようにする。
【0013】
また請求項11の発明は、撮像素子の画素配列で順次得られるRAWデータのノイズを抑圧する画像処理方法のプログラムを記録した記録媒体に適用して、前記画像処理方法のプログラムは、前記RAWデータによるモザイク画像に順次注目画素を設定し、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に、前記注目画素の画素値を変換する変換のステップと、前記ノイズ除去用の画素値からノイズを除去するノイズ除去のステップと、前記変換のステップとは逆の処理により、前記ノイズ除去のステップでノイズを除去した前記ノイズ除去用の画素値を、元の画素値に変換する逆変換のステップとを備えるようにする。
【0014】
請求項1、請求項8、請求項9、請求項10、又は請求項11の構成によれば、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値において、ノイズを除去していることから、輝度信号への影響を十分に低減して色ノイズを抑圧することができる。従って画質の劣化を有効に回避してRAWデータに含まれる色ノイズを除去することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画質の劣化を有効に回避してRAWデータに含まれる色ノイズを除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。
【実施例1】
【0017】
(1)実施例の構成
図2は、本発明の実施例のデジタルスチルカメラを示すブロック図である。このデジタルスチルカメラ1において、撮像素子3は、CCD(Charge Coupled Device )固体撮像素子、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor )固体撮像素子等により構成される。撮像素子3は、図示しないレンズユニットにより撮像面に形成された光学像を光電変換処理し、赤色、青色、緑色の画素値をベイヤー配列に対応する順序で順次出力する。
【0018】
前処理部4は、撮像素子3の出力信号を相関二重サンプリング処理、自動利得調整処理、アナログディジタル変換処理し、RAWデータD1を出力する。
【0019】
光学補正部5は、この前処理部4から出力されるRAWデータD1を欠陥補正処理、ホワイトバランス調整処理し、RAWデータD2を出力する。またさらに光学補正部5は、所定時間以下の短い電荷蓄積時間で撮影する場合等の、十分なSN比によりRAWデータD1を取得できない場合、又はユーザーが色ノイズの除去処理を指示した場合、色ノイズの除去処理を実行し、RAWデータD2を出力する。
【0020】
画像処理部6は、このRAWデータD2をデモザイク処理、解像度変換処理、ガンマ補正処理、画質補正処理等し、輝度信号及び色差信号の画像データD3に変換して出力する。このデジタルスチルカメラ1は、この画像処理部6で処理した画像データD3を図示しない表示装置で表示し、撮像結果のモニタ画像を表示する。
【0021】
エンコーダ(ENC)7は、例えばJPEG(Joint Photographic Coding Experts Group )等の静止画像の符号化方式により、画像処理部6から出力される画像データD3をデータ圧縮して出力する。
【0022】
インターフェース(IF)8は、このエンコーダ7の出力データ、又は光学補正部5から出力されるRAWデータD2を記録媒体9に記録する。なお記録媒体9は、この実施例ではメモリカードであり、インターフェース8から出力される各種のデータを記録する。なおこの記録媒体9は、メモリカードに限らず、光ディスク、磁気ディスク等、種々の記録媒体を広く適用することができる。
【0023】
図1は、光学補正部5及び画像処理部6の色ノイズの除去に関する構成を示すブロック図である。この図1において、光学補正部5は、RAWデータD1をバッファ(B)11に入力する。ここでこのRAWデータD1は、撮像素子3のベイヤー配列の順序で順次各画素の画素値が連続する画像データであり、図3は、この撮像素子3のベイヤー配列を示す平面図である。撮像素子3は、奇数ラインに緑色及び赤色の画素Gr、Rが交互に配置され、続く偶数ラインに青色及び緑色の画素B、Gbが交互に配置され、2画素×2画素のブロックの繰り返しにより形成される。なお以下において、この1つのブロックにおける2つの緑色の画素を符号Gr、Gbにより表す。従ってRAWデータD1は、このベイヤー配列に対応して奇数ラインでは緑色、赤色の画素値が交互に繰り返されてバッファ11に格納され、偶数ラインでは青色、緑色の画素値が繰り返されてバッファ11に格納される。なお以下において、緑色、赤色、青色の画素値及び画像データは、適宜、対応する画素の符号Gr、Gb、R、Bを用いて示す。
【0024】
周辺画素参照部12は、一定領域分のバッファにより構成され、バッファ11に格納されているRAWデータD1から順次、所定のサイズ毎に画像データGr、Gb、R、Bを読み出して出力する。周辺画素参照部12は、この画像データGr、Gb、R、Bの処理によりRAWデータD1によるモザイク画像上に順次注目画素を設定し、この注目画素の画像値と周辺画素の画素値とを順次出力する。
【0025】
4色分離部13は、この周辺画素参照部12から順次出力される画像データGr、Gb、R、Bを、図3について上述した2画素×2画素のブロックの配置における4種類の画像データに分離して出力する。
【0026】
ホワイトバランス部(WB)30は、この4色分離部13から出力される画像データGr、Gb、R、Bをホワイトバランス調整して出力する。ノイズ除去部14は、このホワイトバランス部30から出力される画像データGr、Gb、R、Bから色ノイズを除去して出力する。すなわちノイズ除去部14において、簡易デモザイク部15は、画像処理部6におけるデモザイク処理に比して簡易な演算処理により、4色分離部13から出力される画像データGr、Gb、R、Bをデモザイク処理する。より具体的に、ノイズ除去部14は、注目画素の近傍画素から、各注目画素で同一の色信号成分を有する処理基準の画素値を注目画素毎に生成する。
【0027】
この実施例では、この処理基準の画素値に、緑色の画素値が適用され、簡易デモザイク部15は、赤色、青色の画素R、Bについてのみ、処理基準の画素値を生成する。すなわち簡易デモザイク部15は、隣接する緑色の画素Gr、Gbの画素値を用いた補間演算処理により、それぞれ赤色、青色の画素R、Bの空間位置における緑色の画素値を計算し、これら赤色、青色の画素R、Bについて、それぞれ処理基準の画素値を生成する。
【0028】
すなわち図3及び図4に示すように、ノイズ除去部14は、注目画素が赤色の画素R2の場合、この赤色の画素R2に隣接する緑色の画素Gb0、Gr2、Gr3、Gb2の画素値を平均値化し、注目画素R2の空間位置における緑色の画素値Gx2を求める。ノイズ除去部14は、この計算した緑色の画素値Gx2を、この赤色の画素R2の処理基準の画素値に設定する。また青色の画素Bについても、同様にして、隣接する緑色の画素の画素値を平均値化して、青色の画素B1の空間位置における緑色画素の画素値を計算して処理基準の画素値Gyに設定する。簡易デモザイク部15は、この計算した赤色、青色の画素R、Bの位置における緑色の画素値Gx、Gyを、4色分離部13から出力される画素値Gr、Gb、R、Bと共に出力する。
【0029】
色差計算部16は、簡易デモザイク部15から出力される画素値Gr、Gb、R、B、Gx、Gyを用いて、処理基準の画素値を基準にして赤色画素、青色画素の画素値を表すノイズ除去用の画素値を生成する。より具体的に、この実施例において、色差計算部16は、簡易デモザイク部15から出力される画素値Gr、Gb、R、B、Gx、Gyから色差を計算し、この実施例では、この色差の画素値がノイズ除去用の画素値に適用される。なおこの処理基準の画素値を基準にした色差の画素値は、輝度信号及び色差信号における色差の画素値だけを示すものではなく、広義に、処理基準に含まれる色信号成分との対比により、注目画素の色相を表す画素値である。
【0030】
ここでこの実施例では、処理基準の画素値に緑色の画素値が適用されることから、色差計算部16は、赤色、青色の画素R、Bの画素値についてのみ、緑色の画素値に対する色差を計算する。すなわち図3及び図4との対比により図5に示すように、赤色画素R2の色差Cr2については、この赤色画素R2の位置で計算された処理基準の画素値Gx2を、この赤色画素R2の画素値R2から減算し、その結果得られる減算値(R2−Gx2)を赤色画素R2の色差に設定する。また図6に示すように、青色画素B1の色差Cb1については、同様に、この青色画素B1の位置で計算された処理基準の画素値Gy2を、この青色画素B1の画素値から減算して、減算値(B1−Gy1)を青色画素B1の色差Cb1に設定する。
【0031】
色差計算部16は、赤色及び青色の画素R及びBの全てで、この色差の計算を実行し、その結果、図3との対比により図7に示すように、赤色画素R及び青色画素Bの画素値を、それぞれ緑色の画素値を基準にした色差の画素値Gr、Gbに変換する。
【0032】
ノイズ除去部17は、色差計算部16で計算した赤色及び青色の色差毎に、それぞれノイズ除去処理を実行して出力する。具体的にこの実施例では、図8に示すように、9画素×9画素のεフィルタを用いてノイズを除去する。ここで例えば赤色画素の色差Crcをノイズ除去する場合、この赤色画素を中心とした9画素×9画素の領域には、ハッチングで示すように、25個の赤色画素の色差が含まれていることになる。そこでノイズ除去部17は、この25画素の色差をεフィルタで処理して注目画素のノイズを除去する。また同様にして、青色画素の色差を処理してノイズを除去する。なおこの場合に、元の緑色の画素値Gr、Gbについても、又はこの元の緑色の画素値Gr、Gbと簡易デモザイク部15で計算した緑色の画素値Gx、Gyについても、ノイズ除去処理を実行するようにしてもよい。
【0033】
簡易デモザイク部18は、簡易デモザイク部15と同様の補間演算処理により、赤色の画素、青色の画素の空間位置における緑色の画素値Gx、Gyを計算する。
【0034】
すなわち簡易デモザイク部18は、図9に示すように、注目画素が赤色の画素R2の場合、この赤色の画素に隣接する緑色の画素Gb0、Gr2、Gr3、Gb2の画素値を平均値化し、平均値を注目画素R2の空間位置における緑色の画素値Gxに設定する。また青色の画素Bについても、同様にして、隣接する緑色の画素の画素値を平均値化して、青色の画素Bの空間位置における緑色の画素値Gyに設定する。
【0035】
RB計算部19は、簡易デモザイク部18で計算した緑色の画素値Gx、Gyを用いて、赤色画素R、青色画素Bの画素値を計算する。すなわちRB計算部19は、簡易デモザイク部18で計算した赤色画素Rの空間位置における緑色の画素値Gxを、当該画素の色差Cr2に加算し、赤色画素Rの画素値を計算する。従って図9に示す赤色画素R2の画素値R2は、Cr2+Gx2で表される。
【0036】
また図10及び図11に示すように、青色の画素B1についても、隣接する緑色の画素Gr1、Gb0、Gb1、Gr3の平均値による緑色の画素値Gy1を、この青色の画素B1の色差Cb1に加算して、当該青色の画素B1の画素値を計算する。赤色及び青色の画素R及びBの全てで、この色差の計算を実行することにより、図9との対比により図12に示すように、撮像素子3のベイヤー配列に対応する順序で緑色、赤色、青色の色信号が繰り返されるRAWデータD2が生成され、光学補正部5は、このRAWデータD2を画像処理部6、インターフェース8に出力する。なお例えば赤色及び青色の色差についてのみノイズ除去処理を実行する場合には、簡易デモザイク部15で生成した処理基準の画素値Gx、Gyを、RB計算部19の処理で使用するようにして、簡易デモザイク部18における処理を省略するようにしてもよい。
【0037】
画像処理部6において、エッジ判別デモザイク部20は、この光学補正部5から出力されるRAWデータD2をデモザイク処理し、撮像素子3の各画素の空間位置で赤色、緑色、青色の色データR、G、Bを有しているフルカラーの画像データを生成する。この処理において、エッジ判別デモザイク部20は、エッジの延長方向の画素値を用いて注目画素の画素値を補間演算処理することにより、エッジを精度良く再現する。
【0038】
すなわち図13は、エッジ判別デモザイク部20の構成を示すブロック図である。エッジ判別デモザイク部20は、光学補正部5から出力されるRAWデータD2を注目画素決定部21に入力し、ここで注目画素を順次切り換えながら、各注目画素を中心とした局所領域の画素値を出力する。ここでこの実施例では、この局所領域は、例えば注目画素を中心とした7画素×7画素の領域に設定される。
【0039】
エッジ方向算出部22は、局所領域毎に、この注目画素決定部21から出力される画素値から画像勾配を計算し、エッジの延長する方向を示すエッジ方向ベクトルV1を計算する。またエッジ方向ベクトルV1で決まる方向と直交する方向の画像勾配の大きさからエッジの強さを検出して出力する。
【0040】
重み算出部23は、エッジ方向算出部22で計算されたエッジ方向ベクトルV1により、補間演算処理に使用する画素値を選択し、さらに各画素値の重み係数を計算する。すなわち図14に示すように、重み算出部23は、エッジ方向ベクトルV1で決まる方向の、注目画素を通る直線Lに対して、各画素の距離d1、d2、d3、d4、……を計算する。またこの距離d1、d2、d3、d4、……を所定のしきい値Th1で判定し、この距離d1、d2、d3、d4、……がしきい値Th1以下の画素を補間演算処理に使用する画素に選択する。またこの距離d1、d2、d3、d4、……が短くなるに従って値が大きくなるように、この選択した各画素をそれぞれ重み付けする第1の重み付け係数W1を生成する。また図15に示すように、エッジ方向ベクトルV1で決まる方向の、注目画素から各選択した画素の距離I1、I2、I3 、I4、……を計算し、この距離I1、I2、I3 、I4、……が短くなるに従って値が大きくなるように、選択した各画素をそれぞれ重み付けする第2の重み付け係数W2を生成する。
【0041】
第1補間部24は、それぞれ第1及び第2の重み係数W1及びW2を用いた対応する画素値の重み付け加算により、注目画素の画素値を補間演算処理により計算する。またこの第1及び第2の重み係数W1及びW2を用いた重み付け加算結果を平均値化し、平均値を出力する。
【0042】
第2補間部25は、エッジ方向算出部22で求めたエッジの強さを所定のしきい値で判定し、エッジの強さが所定値以下の場合、何らエッジの方向を考慮しない、注目画素を中心とした所定範囲の画素値から、注目画素の画素値を計算して出力する。
【0043】
セレクタ26は、第1補間部24から出力される平均値を、注目画素の画素値として出力する。またエッジ方向算出部22で求めたエッジの強さを所定のしきい値で判定し、エッジの強さが所定値以下の場合、この第1補間部24から出力される平均値に代えて、第2補間部25の出力値を選択して出力する。
【0044】
YCC変換部28(図1)は、次式の演算処理により、エッジ判別デモザイク部20から出力されるフルカラーの画像データD4を演算処理し、この画像データD4を輝度信号、色差信号の画像データD5に変換して出力する。
【0045】
【数1】

【0046】
なおYCC変換部28は、この(1−1)〜(1−3)式における係数を補正して併せて色変換マトリクスを適用した色味調整処理等を実行する。また生成した画像データD5のガンマを設定する。
【0047】
YCC合成部29は、YCC変換部28から出力される画像データD5からYCCの画像データD3を生成してエンコーダ7、外部機器等に出力する。
【0048】
(2)実施例の動作
以上の構成において、このデジタルスチルカメラ1では(図2)、撮像素子3において、撮像素子3のベイヤー配列に対応する順序で赤色、青色、緑色の画素値が順次連続する撮像信号が生成され、この撮像信号が前処理部4でアナログディジタル変換処理されてRAWデータD1が生成される。デジタルスチルカメラ1では、光学補正部5において、このRAWデータD1のノイズが抑圧される。また続く画像処理部6において、RAWデータD2がデモザイク処理されてフルカラーの画像データが生成され、このフルカラーの画像データD3が輝度信号及び色差信号による画像データD3に変換され、エンコーダ7によりデータ圧縮されて記録媒体9に記録される。またユーザーがRAWデータによる記録を指示した場合には、光学補正部5から出力されるRAWデータD2が記録媒体9に記録される。
【0049】
RAWデータD2は、画像処理部6におけるデモザイク処理において(図13)、エッジの方向の画素が選択され、この選択された画素の画素値を用いた補間演算処理によりフルカラーの画像データD4が生成される。すなわちこの場合、例えば緑色の画素については、それぞれ赤色及び青色の近傍画素からエッジ方向が検出され、このエッジ方向の画素を用いた補間演算処理により赤色及び青色の画素値が求められる。また赤色の画素については、それぞれ緑色及び青色の近傍画素からエッジ方向が検出され、このエッジ方向の画素を用いた補間演算処理により緑色及び青色の画素値が求められる。また青色の画素については、それぞれ赤色及び緑色の近傍画素からエッジ方向が検出され、このエッジ方向の画素を用いた補間演算処理により赤色及び緑色の画素値が求められる。
【0050】
従ってこのデジタルスチルカメラ1では、エッジの方向に応じて注目画素毎に補間演算処理対象の画素が切り換えられてデモザイク処理され、その結果、RAWデータD2に混入したノイズは、複雑に特性が変化してフルカラーの画像データD4に混入していることになる。従ってこのようにデモザイク処理した後では、簡単には色ノイズを除去できなくなる。
【0051】
またデモザイク処理した後にノイズ除去する場合には、そもそもRAWデータD2を直接記録媒体9に記録する場合に、ノイズを除去できなくなる。
【0052】
またさらにデモザイク処理の処理対象であるRAWデータD2にノイズが混入している場合、エッジを誤検出し、デモザイク処理後のフルカラーの画像データD4において、不自然にエッジが強調されてしまうことになる。また却って色ノイズが発生し、著しく画質が劣化する恐れもある。
【0053】
従ってこの実施例のように画像処理部6を構成する場合には、画像処理部6でデモザイク処理する前の、RAWデータの段階でノイズを除去することが必要になるが、単に、各色の画素毎にノイズ除去処理を実行したのでは、輝度信号が影響を受け、エッジ部分等が誤った色で表示され、著しく画質が劣化する恐れがある。
【0054】
そこでこの実施例では、光学補正部5において(図1)、RAWデータD1は、周辺画素参照部12により、順次注目画素が設定され、この注目画素と周辺画素との画素値が4色分離部13を介して簡易デモザイク部15に入力される。RAWデータD1は、この簡易デモザイク部15において、注目画素毎に、同一の色信号成分を有している処理基準の画素値が計算される。また続く色差計算部16において、この処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に変換され、このノイズ除去用の画素値がノイズ除去部17でノイズ除去される。またその後、元の画素値に変換される。
【0055】
従ってデジタルスチルカメラ1では、直接各画素の色信号をそれぞれノイズ除去する場合に比して、格段的に、輝度信号に影響を与えることなく、色ノイズのみを除去することができ、従来に比して画質の劣化を有効に回避してRAWデータに含まれる色ノイズを除去することができる。
【0056】
またノイズを除去した後には、元のRAWデータに変換されていることにより、他のRAWデータに対するノイズ除去処理と容易に組み合わせて、ノイズ除去効果を一段と高めることもできる。
【0057】
より具体的に、この実施例では、撮像素子3のベイヤー配列が、2つの緑色画素Gr、Gbと、赤色、青色の画素R、Bとによる2画素×2画素のブロックの繰り返しで形成され、光学補正部5では、これらの画素のうちの緑色画素の画素値がこの処理基準の画素値に設定されて、各注目画素の色差がノイズ除去用の画素値として求められる。従ってRAWデータD2において最も画素数の多い緑色の画素値については、何ら色差を求めなくても、ノイズ除去処理を実行することができる。従ってこのデジタルスチルカメラ1では、処理基準の画素値を緑色の画素値に設定して緑色の画素については処理基準の計算を省略し、全体構成が簡略化される。
【0058】
(3)実施例の効果
以上の構成によれば、注目画素の近傍画素から同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を生成し、この処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に各注目画素の画素値を変換してノイズを除去した後、元の画素値に変換することにより、画質の劣化を有効に回避してRAWデータに含まれる色ノイズを除去することができる。
【0059】
またRAWデータを構成する赤色、緑色、青色の画素のうちの、緑色画素の画素値を処理基準の画素値に設定し、この処理基準の画素値と赤色又は緑色の画素値との差分値により色差の画素値を生成してノイズ除去用の画素値に設定することにより、緑色の画素については処理を省略して構成を簡略化することができる。
【0060】
またRAWデータを構成する緑色画素の画素値、若しくはこの緑色の画素の画素値と生成した処理基準の画素値とからノイズを除去することにより、一段とノイズを低減することができる。
【実施例2】
【0061】
この実施例では、処理基準である緑色の画素値Gx、Gyに、近傍緑色画素のメディアン値を適用する。この実施例のデジタルスチルカメラは、この処理基準の画素値を生成する構成が異なる点を除いて、上述の実施例1のデジタルスチルカメラ1と同一に構成される。
【0062】
すなわちこの実施例において、簡易デモザイク部15は、図3に示すように、赤色画素R2については、この赤色画素に隣接する緑色画素Gb0、Gr2、Gr3、Gb2の画素値を値の小さい順にソートし、ソート結果の2番目の画素値と3番目の画素値との平均値を計算する。簡易デモザイク部15は、この平均値をメディアン値としてこの赤色画素R2の位置における緑色の画素値に設定する。また同様にして、青色画素について、隣接画素の画素値をソートしてメディアン値を求め、緑色の画素値に設定する。なおこの処理において、隣接する4画素のメディアン値に代えて、さらに広い範囲の画素のメディアン値を適用するようにしてもよい。
【0063】
この簡易デモザイク部15の処理に対応して、簡易デモザイク部18は、同様の演算処理により赤色画素及び青色画素の位置における緑色の画素値を計算し、元のRAWデータを生成する。
【0064】
この実施例のように、処理基準である緑色の画素値を生成する際に、近傍緑色画素のメディアン値を適用するようにしても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0065】
この実施例では、赤色画素及び対応する青色画素の空間位置が同一であるとして、赤色画素及び青色画素の空間位置における緑色の画素値を計算する。なおこの実施例では、この計算方法が異なる点を除いて、上述の実施例と同一に構成される。
【0066】
すなわち撮像素子3は、ベイヤー配列が2画素×2画素のブロックの繰り返しにより形成されており、この2画素×2画素のブロックの画素の配置が図16(A)に示すように構成されているものとする。ここでこの図14における赤色画素R及び青色画素Bの空間位置が、点Pにより示すこの2画素×2画素のブロックの中央位置であると仮定する。この仮定に従って簡易デモザイク部15、18は、図16(A)及び(B)に示すように、この2画素×2画素のブロックの緑色画素Gr、Gbの平均値を、赤色画素R及び青色画素Bの空間位置における緑色の画素値に設定する。
【0067】
この実施例によれば、赤色画素R及び青色画素Bの空間位置が同一であると仮定して緑色画素値を計算することにより、計算量を低減して上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0068】
この実施例では、処理基準である緑色の画素値Gx、Gyをそれぞれ赤色及び青色の画素の画素値R及びBから減算してノイズ除去用の画素値を生成する代わりに、これら緑色の画素値Gx、Gyと対応する赤色及び青色の画素の画素値R及びBとの比によりノイズ除去用の画素値を生成する。なおこの実施例のデジタルスチルカメラは、この色差に関す構成が異なる点を除いて、上述の実施例のデジタルスチルカメラ1と同一に構成される。
【0069】
すなわちこの実施例において、色差計算部16は、赤色画素Rの色差Crについては、この赤色画素Rの位置で計算された処理基準の画素値Gxで、この赤色画素Rの画素値Rを割り算し、割り算した値R/Gxをこの赤色画素Rのノイズ除去用の画素値に設定する。また同様に、この青色画素Bについては、この青色の画素Bの位置で計算された処理基準の画素値Gyで、この青色画素Bの画素値Bを割り算して、割り算した値B/Gxをこの青色画素Bのノイズ除去用の画素値に設定する。
【0070】
またこの色差の生成処理に対応するように、RB計算部19は、ノイズ除去処理した色差Cr、Cbにそれぞれ対応する緑色画素値Gx、Gyを乗算して、元の画素値R、Bに変換する。
【0071】
この実施例のように、処理基準の画素値と、赤色又は緑色の画素値との比率により、ノイズ除去用の画素値を生成するようにしても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例5】
【0072】
この実施例では、緑色の画素値に代えて、輝度値を処理基準の画素値に適用する。この実施例のデジタルスチルカメラは、この処理基準の画素値に関する構成が異なる点を除いて、上述の実施例のデジタルスチルカメラ1と同一に構成される。
【0073】
この実施例において、簡易デモザイク部15は、緑色画素については、隣接する赤色画素及び青色画素の画素値を用いた補間演算処理により、各緑色画素の空間位置における赤色画素及び青色画素の画素値を計算する。また同様に、赤色画素については、隣接する緑色画素及び青色画素の画素値を用いた補間演算処理により、各赤色画素の空間位置における緑色画素及び青色画素の画素値を計算する。また同様に、青色画素については、隣接する赤色画素及び緑色画素の画素値を用いた補間演算処理により、各青色画素の空間位置における赤色画素及び緑色画素の画素値を計算する。
【0074】
簡易デモザイク部15は、この計算結果に基づいて画素毎に輝度値を計算する。なおこの輝度値の計算は、単に赤色、緑色、青色の画素値を加算して簡易的に輝度値を計算してもよく、さらには(1−1)式の演算処理を実行して正確に各画素の輝度値を計算してもよい。
【0075】
色差計算部16は、この処理基準の画素値Yを用いて、画素毎に、色差の画素値(R−Y)及び(B−Y)を計算する。なおこの場合に、(1−2)及び(1−3)式を用いて色差の画素値を計算してもよい。
【0076】
ノイズ除去部17は、この色差の画素値をノイズ除去処理する。簡易デモザイク部18、RB計算部19は、このノイズ除去処理した色差の画素値を元のモザイク画像の画素値に変換する。なおこの場合に、(1−2)及び(1−3)式を用いて色差の画素値を計算した場合には、次式の演算処理により、各画素値を計算する。
【0077】
【数2】

【0078】
なおこれらの処理において、(1−1)式の演算処理を省略して、直接(1−2)及び(1−3)式を用いて色差の画素値を計算してもよい。また緑色の画素については処理を省略して、赤色画素、青色画素についてのみ一連の処理を実行するようにしてもよい。
【0079】
この実施例によれば、輝度値を処理基準の画素値に設定して色差の画素値を求めるようにしても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例6】
【0080】
この実施例のデジタルスチルカメラは、エッジ判別デモザイク部20における第2補間部25を用いて簡易デモザイク部15、18を構成する。
【0081】
この実施例のように、本来のデモザイク処理の構成を利用して、簡易デモザイク部15、18を構成すれば、全体構成を簡略化して上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例7】
【0082】
なお上述の実施例においては、εフィルタで色ノイズを除去する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ウェーブレット変換等を使用して色ノイズを除去する場合、高周波成分と低周波成分とに帯域分離して色ノイズを除去する場合、バイラテラルフィルタ、トリラテラルフィルタ等を用いてノイズ除去する場合等、種々のノイズ除去手法を広く適用することができる。
【0083】
また上述の実施例においては、単にノイズ除去部17でRAWデータのノイズを除去する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々のノイズ除去方法と組み合わせてノイズを除去するようにしてもよい。
【0084】
また上述の実施例においては、本発明をデジタルスチルカメラに適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、動画を撮影するビデオカメラ、さらにはRAWデータを処理する各種画像処理装置、各種画像処理プログラムに広く適用することができる。なおこの画像処理プログラムは、コンピュータ、画像処理等に事前にインストールして提供するようにしてもよく、またこれに代えて光ディスク、磁気ディスク、メモリカード等の各種記録媒体に記録して提供するようにしてもよく、さらにはインターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、例えばデジタルスチルカメラに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施例1のデジタルスチルカメラにおける光学補正部及び画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1のデジタルスチルカメラを示すブロック図である。
【図3】図2のデジタルスチルカメラにおける撮像素子の画素の配置を示す平面図である。
【図4】図1の光学補正部における簡易デモザイク部15の処理の説明に供する平面図である。
【図5】図4の続きを示す平面図である。
【図6】図1の光学補正部における簡易デモザイク部15の青色画素の処理の説明に供する平面図である。
【図7】図6の続きを示す平面図である。
【図8】図1の光学補正部におけるノイズ除去部の説明に供する平面図である。
【図9】図1の光学補正部における簡易デモザイク部18の赤色画素の処理の説明に供する平面図である。
【図10】図1の光学補正部における簡易デモザイク部18の青色画素の処理の説明に供する平面図である。
【図11】図10の続きを示す平面図である。
【図12】図11の続きを示す平面図である。
【図13】図1の画像処理部におけるエッジ判別デモザイク部を示すブロック図である。
【図14】図13のエッジ判別デモザイク部の重み算出部23の説明に供する平面図である。
【図15】図14の続きの説明に供する平面図である。
【図16】他の実施例における簡易デモザイク部15、18の処理の説明に供する平面図である。
【符号の説明】
【0087】
1……デジタルスチルカメラ、3……撮像素子、5……光学補正部、6……画像処理部、15、18……簡易デモザイク部、16……色差計算部、17……ノイズ除去部、19RB計算部、20……エッジ判別デモザイク部、28……YCC変換部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
RAWデータを出力する撮像部と、
前記RAWデータによるモザイク画像に順次注目画素を設定し、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に、前記注目画素の画素値を変換する変換部と、
前記ノイズ除去用の画素値からノイズを除去するノイズ除去部と、
前記変換部とは逆の処理により、前記ノイズ除去部でノイズを除去した前記ノイズ除去用の画素値を、元の画素値に変換する逆変換部と、
前記逆変換部で処理した画像値によるモザイク画像をデモザイク処理して、フルカラーの画像データを生成するデモザイク部と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記RAWデータによるモザイク画像の画素が、
赤色、緑色、青色の画素であり、
前記処理基準の画素値が、
前記赤色及び青色の画素の空間位置における緑色の画素値であり、
前記ノイズ除去用の画素値が、
前記処理基準の画素値と、前記赤色又は青色の画素の画素値との差分値である
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記ノイズ除去部は、
さらに前記モザイク画像の緑色の画素の画素値、若しくは前記モザイク画像の緑色の画素の画素値及び前記赤色及び青色の画素の空間位置における緑色の画素値からノイズを除去する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記処理基準の画素値が、
前記赤色及び青色の画素近傍の緑色の画素の画素値のメディアン値である
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記RAWデータによるモザイク画像が、
同一の画素の配置によるブロックの繰り返しで形成され、
前記処理基準の画素値が、
1つの前記ブロック内における赤色の画素及び青色の画素の空間位置が同一であると仮定して生成された
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記RAWデータによるモザイク画像が、
赤色、緑色、青色の画素であり、
前記処理基準の画素値が、
前記赤色及び青色の画素の空間位置における緑色の画素値であり、
前記ノイズ除去用の画素値が、
前記処理基準の画素値と、前記赤色又は青色の画素の画素値との比で表される画素値である
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記RAWデータによるモザイク画像の画素が、
赤色、緑色、青色の画素であり、
前記処理基準の画素値が、
前記各画素の空間位置における輝度値であり、
前記ノイズ除去用の画素値が、
色差の画素値である
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
撮像素子の画素配列で順次得られるRAWデータのノイズを抑圧する画像処理装置において、
前記RAWデータによるモザイク画像に順次注目画素を設定し、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に、前記注目画素の画素値を変換する変換部と、
前記ノイズ除去用の画素値からノイズを除去するノイズ除去部と、
前記変換部とは逆の処理により、前記ノイズ除去部でノイズを除去した前記ノイズ除去用の画素値を、元の画素値に変換する逆変換部と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
撮像素子の画素配列で順次得られるRAWデータのノイズを抑圧する画像処理方法において、
前記RAWデータによるモザイク画像に順次注目画素を設定し、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に、前記注目画素の画素値を変換する変換のステップと、
前記ノイズ除去用の画素値からノイズを除去するノイズ除去のステップと、
前記変換のステップとは逆の処理により、前記ノイズ除去のステップでノイズを除去した前記ノイズ除去用の画素値を、元の画素値に変換する逆変換のステップと
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
撮像素子の画素配列で順次得られるRAWデータのノイズを抑圧する画像処理方法のプログラムにおいて、
前記RAWデータによるモザイク画像に順次注目画素を設定し、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に、前記注目画素の画素値を変換する変換のステップと、
前記ノイズ除去用の画素値からノイズを除去するノイズ除去のステップと、
前記変換のステップとは逆の処理により、前記ノイズ除去のステップでノイズを除去した前記ノイズ除去用の画素値を、元の画素値に変換する逆変換のステップと
を備えることを特徴とする画像処理方法のプログラム。
【請求項11】
撮像素子の画素配列で順次得られるRAWデータのノイズを抑圧する画像処理方法のプログラムを記録した記録媒体において、
前記画像処理方法のプログラムは、
前記RAWデータによるモザイク画像に順次注目画素を設定し、各注目画素で同一の色信号成分を有している処理基準の画素値を基準にしたノイズ除去用の画素値に、前記注目画素の画素値を変換する変換のステップと、
前記ノイズ除去用の画素値からノイズを除去するノイズ除去のステップと、
前記変換のステップとは逆の処理により、前記ノイズ除去のステップでノイズを除去した前記ノイズ除去用の画素値を、元の画素値に変換する逆変換のステップと
を備えることを特徴とする画像処理方法のプログラムを記録した記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−153836(P2008−153836A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−338233(P2006−338233)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】