説明

撮像装置、画像管理方法およびプログラム

【課題】 連写が実施され多数保存される大量の画像からユーザの意図したものを的確に保存し、不必要な画像を煩雑な操作なく消去する。
【解決手段】画像分類制御部20gは、ROM31から、設定された撮影モードに対応する条件1・2を識別し、条件1に合う画像をグループ1、条件2に合う画像をグループ2、条件1にも2にも合わない画像をグループ3に分類する。グループ1の画像は第1の記録媒体29に保存され、グループ2およびグループ3の画像は第2の記録媒体32に保存される。間引画像作成部20eは、グループ1の画像の各々を所定の間引き率によって間引くことで、グループ1の画像の各々に対応する低解像度画像を作成し、第2の記録媒体32に保存する。自動消去実行部20fは、電源オフ時、第2の記録媒体32に保存された顔検出のないグループ3の画像を消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置の得た画像の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、撮影処理プロセッサで処理された画像をメモリカードに記録する場合、代表画像や単写画像を記録するための第1のメモリと、連写画像のうち代表画像を除く他の画像を記録するための第2のメモリカードを用意し、撮影時に自動的に分類記録されるようにする。
【0003】
特許文献2では、記録媒体に記録されている複数の画像の中から操作キー及び確定ボタンの操作によって仮消去指定すべき画像が選択されると、仮消去指定・解除部の制御により、その選択画像が仮消去指定されたものであることを示す仮消去フラグ情報が記録媒体内に書き込まれる。この時、保存優先順位を手動又は自動で指定することができ、仮消去フラグ情報には、保存優先順位の情報も含まれる。撮影時に、その撮影画像の記録のための容量が不足する場合には、仮消去指定画像の内で保存優先順位の低い画像が実際に消去され、新しい撮影画像を記録媒体に記録するための空き容量が確保される。
【0004】
特許文献3では、被写体を撮像し、得られた画像を分析評価し、評価された画像を所定の判断基準により評価する。そして、所定の判断基準に基づく評価により撮影ミスと判断された画像を蓄積手段から一括消去する。
【0005】
特許文献4では、液晶ディスプレイにより表示された、1回のレリーズによって異なる撮影条件で撮影された複数の画像をユーザーが見ることで、最適な一枚を選択スイッチと決定スイッチとを用いて選択すれば、選択されなかった画像にかかる画像データは消去され、それによりユーザーが最も好みの画像を残すことができるにも関わらず、電子カメラの残り記憶容量の低下を抑制できる。
【0006】
特許文献5では、被写体の笑顔検出を行って撮像することを、所定枚数まで繰り返すとする。
【0007】
その他、本願発明に関係する先行技術として、下記の特許文献6〜9がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−313895号公報
【特許文献2】特開2002−57978号公報
【特許文献3】特開2003−204504号公報
【特許文献4】特開2002−281367号公報
【特許文献5】特開2009−10776号公報
【特許文献6】特開2008−78712号公報
【特許文献7】特開2005−101903号公報
【特許文献8】特開2007−20104号公報
【特許文献9】特開2009−33491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年の電子カメラにおいては、半導体技術の進歩によりDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリ)などのバッファメモリの大容量化、低価格化、画像処理プロセッサの高速化が進んでいる。このため、高速かつ十分な枚数の連写が可能な電子カメラが提供されるようになっている。
【0010】
このように十分に連写数を確保できるようになっている一方で、たとえ連写速度が速くなり、連写可能数が多くなっても、撮影者の撮影タイミングが間に合わない、狙った被写体が画角内に捉えられていないなど、意図する画像を取得できない場合がある(人的要因によるずれ)。また、撮影者が撮影タイミングは合っていると思った場合でも、カメラの露出や、CCD読み出しタイミングの遅れにより、撮影開始時点が撮影者の意図したタイミングよりもずれることも多い(ハードウェア要因によるずれ)。
【0011】
また、多数撮像され保存される大量の画像をユーザの意図したものを的確に保存し、不必要な画像を煩雑な操作なく消去することは困難である。この点、特許文献1〜4では、ユーザ自身の操作によって個々の画像の要不要を入力する必要があり、ユーザの負担は軽減されない。
【0012】
本発明は、連写が実施され多数保存される大量の画像からユーザの意図したものを的確に保存し、不必要な画像を煩雑な操作なく消去することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る撮像装置は、連写撮影の可能な撮像部と、撮影モードの選択を受け付ける撮影モード選択部と、撮像部の連写撮影にて得られた画像である連写画像を、撮影モード選択部が選択を受け付けた撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像ならびに高解像度保存条件に適合しない画像に分類する画像分類部と、連写画像のうち、画像分類部が分類した撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像を第1の記録媒体に記録し、画像分類部が分類した撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合しない画像を第2の記録媒体に記録する記録制御部と、電源供給停止時に、第2の記録媒体に記録された画像のうち、撮影モード選択部が選択を受け付けた撮影モードに対応する低解像度保存条件に適合する画像に基づいて低解像度画像を作成し第2の記録媒体に記録する低解像度画像作成部と、電源供給停止時に、第2の記録媒体に記録された画像のうち、撮影モード選択部が選択を受け付けた撮影モードに対応する低解像度保存条件に適合しない画像を消去する消去制御部と、を備える。
【0014】
撮像部の連写撮影にて得られた画像である連写画像の単位を示す情報である連写画像単位情報を連写画像に付与する連写画像単位情報付与部と、第1の記録媒体に記録された画像を、同一の連写画像単位情報の付与された画像ごとに順次または同時に所定の表示装置に表示するよう制御する表示制御部と、所定の表示装置に表示された第1の記録媒体の画像と同一の連写画像単位情報の付与された第2の記録媒体の画像を表示するか否かの選択を受け付ける表示選択部と、を備え、表示制御部は、表示選択部が第2の記録媒体の画像を表示する選択を受け付けたことに応じて第2の記録媒体の画像を所定の表示装置に表示するよう制御し、消去制御部は、第2の記録媒体の画像のうち所定の表示装置に表示されなかった画像を消去する。
【0015】
低解像度画像作成部は、電源供給停止時に連写画像のうち、第2の記録媒体に記録された画像のうち所定の表示装置に表示された画像に基づいて低解像度画像を作成し第2の記録媒体に記録する。
【0016】
表示制御部は、表示選択部が第2の記録媒体の画像を表示する選択を受け付けたことに応じて第2の記録媒体の画像を第1の画像から第3の画像の順に所定の表示装置に表示するよう制御する。
【0017】
第1の記録媒体に記録された、撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像の数を計数する計数部を備え、表示制御部は、撮像部による連写撮影の間、計数部の計数した画像の数を連写撮影のスルー画とともに表示する。
【0018】
第1の記録媒体に記録された、撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像の数を計数する計数部と、所定の操作部を介して入力された所望の画像必要数と、計数部の計数した画像の数とを比較し、計数部の計数した画像の数が所望の画像必要数に達したか否かを判定し、判定の結果に応じて撮像部の連写撮影を終了する撮像制御部と、を備える。
【0019】
画像分類部は、撮像部の連写撮影にて得られた画像である連写画像のうち、撮影モード選択部が選択を受け付けた撮影モードに対応する下位の条件に適合する第1の画像を、撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合しない画像に分類し、撮影モードに対応する下位の条件よりも厳格な上位の条件に適合する第2の画像を撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像に分類し、上位の条件および下位の条件のいずれにも適合しない第3の画像を撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合しない画像に分類する。
【0020】
記録制御部は、第2の画像を第1の記録媒体に記録するとともに、第1の画像および第3の画像を第2の記録媒体に記録し、低解像度画像作成部は、電源供給停止時に、第2の記録媒体に記録された第1の画像に基づいて低解像度画像を作成して第2の記録媒体に記録し、消去制御部は、電源供給停止時に、第2の記録媒体に記録された第3の画像を消去する。
【0021】
撮影モード選択部は、撮像部の連写撮影の終了後、所望の撮影モードの選択を受け付け、画像分類部は、撮影モード選択部が撮像部の連写撮影の終了後に選択を受け付けた撮影モードである連写後撮影モードが、撮像部の連写撮影の開始時に設定された撮影モードと異なる場合、撮像部の連写撮影で得られた画像を、連写後撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像ならびに高解像度保存条件に適合しない画像に分類し、記録制御部は、画像分類部が分類した連写後撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像を第1の記録媒体に記録し、画像分類部が分類した連写後撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合しない画像を第2の記録媒体に記録する。
【0022】
消去制御部は、撮像部の連写撮影の終了後、撮像部の連写撮影の開始時に設定された撮影モードと異なる撮影モードが選択されなかった場合、電源供給停止時に第2の記録媒体の画像を消去する。
【0023】
本発明に係る画像管理方法は、撮像装置が、連写撮影の可能な撮像部の撮影モードの選択を受け付けるステップと、撮像部の連写撮影にて得られた画像である連写画像を、選択を受け付けた撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像ならびに高解像度保存条件に適合しない画像に分類するステップと、連写画像のうち、分類した撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像を第1の記録媒体に記録し、分類した撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合しない画像を第2の記録媒体に記録するステップと、電源供給停止時に、第2の記録媒体に記録された画像のうち、選択を受け付けた撮影モードに対応する低解像度保存条件に適合する画像に基づいて低解像度画像を作成し第2の記録媒体に記録するステップと、電源供給停止時に、第2の記録媒体に記録された画像のうち、選択を受け付けた撮影モードに対応する低解像度保存条件に適合しない画像を消去するステップと、を実行する。
【0024】
この画像管理方法を撮像装置に実行させるための画像管理プログラムも本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0025】
この発明によると、連写で得られた画像の中から、撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合した画像と、そうでない画像を分類し、高解像度保存条件に適合した画像のみを第1の記録媒体に保存し、高解像度保存条件に適合しない画像を第2の記録媒体に保存する。また、第2の記録媒体の画像のうち、撮影モードに対応する低解像度保存条件に適合する画像を縮小して第2の記録媒体に保存し、ユーザが望まない画像のみを第2の記録媒体から消去する。よって、ユーザが多数の連写画像の中から残したい画像あるいは残したくない画像を1つ1つ選別する手間が省ける。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態のカメラのブロック図
【図2】第1実施形態のカメラの実行する処理のフローチャート
【図3】条件の一例を示す図
【図4】第1実施形態のカメラの実行する処理のフローチャート
【図5】連写画像の一例を示す図
【図6】第2実施形態のカメラのブロック図
【図7】第2実施形態のカメラの実行する処理のフローチャート
【図8】第3実施形態のカメラのブロック図
【図9】第3実施形態のカメラの実行する処理のフローチャート
【図10】条件を満たす画像数の表示例を示す図
【図11】第4実施形態のカメラのブロック図
【図12】第4実施形態のカメラの実行する処理のフローチャート
【図13】第5実施形態のカメラのブロック図
【図14】第5実施形態のカメラの実行する処理のフローチャート
【図15】連写撮影後の撮影モード選択画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
<第1実施形態>
図1はデジタルカメラ1のブロック図を示す。撮像部は、フォーカスレンズ、ズームレンズを含むレンズ系11、絞り、CCD12、撮像プロセス部13、レンズ系11のフォーカスレンズ、ズームレンズを駆動する手段であるAE・AF機構16を含んでいる。レンズ系11は1枚又は複数枚のレンズで構成され、例えば単一の焦点距離(固定焦点)のレンズで構成される。
【0028】
レンズ系11を介してCCD12の受光面に結像された被写体像は、各センサで入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。このようにして蓄積された信号電荷は、タイミング生成器15から加えられるCCD駆動パルスによって読み出され、信号電荷に応じた電圧信号(アナログ画像信号)として順次CCD12から撮像プロセス部13に出力される。
【0029】
CCD12には、シャッターゲートを介してシャッタードレインが設けられており、シャッターゲートをシャッターゲートパルスによって駆動することにより、蓄積した信号電荷をシャッタードレインに掃き出すことができる。すなわち、CCD12は、シャッターゲートパルスによって各センサに蓄積される電荷の蓄積時間(シャッタースピード)を制御する、いわゆる電子シャッター機能を有している。
【0030】
CCD12から読み出された信号は、撮像プロセス部13において相関二重サンプリング(CDS)処理されるとともに、R,G,Bの各色信号に色分離処理され、各色信号の信号レベルの調整が行われる。
【0031】
これら所定のアナログ信号処理を経た画像信号は、A/D変換器14に加えられ、このA/D変換器14によりR,G,Bのデジタル信号に変換された後、RAM19に一時的に格納される。
【0032】
タイミング生成器(TG)15は、メインプロセッサ(CPU、中央処理装置)20からのコマンドに応じてCCD12、撮像プロセス部13及びA/D変換器14に対して適宜のタイミング信号を与えており、各回路はTG15から加えられるタイミング信号により同期して駆動されるようになっている。
【0033】
制御部20dは、デジタルカメラ1の各回路を統括制御するメインプロセッサ20の処理単位(モジュール)の一部であり、データバス10を介してタイミング生成器15、AE・AF機構16、撮像プロセス部13、メモリコントローラ18、記録/再生インターフェース27、顔検出部17b、笑顔検出部17cと接続されている。
【0034】
また、制御部20dには、レリーズボタン22、操作キー23、コントロールパネル25が接続されている。
【0035】
表示用液晶パネル30には、デジタルカメラ1の各種設定や、使用モード、状態等が表示される。
【0036】
ROM31には、後述する条件、撮影制御ルーチンのプログラムや、プログラムの実行に必要なパラメータその他のデータが記憶されている。ROM31はフラッシュメモリのような書き換え可能な媒体で構成する。
【0037】
メインプロセッサ20は操作キー23(あるいはタッチパネルのような操作手段)からの入力信号に基づいて対応する回路ブロックを制御するとともに、レンズ系11のズーミング動作や自動焦点調節(AF)動作の制御、並びに自動露出調節(AE)の制御等を行う。
【0038】
操作キー23には、電源スイッチ、カメラのモード選択手段、ズーム操作手段、その他の各種の入力手段が含まれる。これら入力手段は、スイッチボタン、ダイヤル、スライド式ツマミなど種々の形態があり、タッチパネルや表示用液晶パネル30表示部の画面上において設定メニューや選択項目を表示してカーソルで所望の項目を選択する態様もある。この操作キー23はデジタルカメラ1に配設されているが、リモコン送信機としてデジタルカメラ1本体と分離した構成にすることも可能である。
【0039】
メインプロセッサ20の制御部20dは、CCD12やCMOSその他の撮像素子から出力される画像信号に基づいて、焦点評価演算やAE演算などの各種演算を行い、その演算に基づいて、AE・AF機構16の駆動手段(例えば、AFモータやアイリスモータ等)を制御してフォーカスレンズを合焦位置に移動させるとともに、絞りを適正絞り値に設定する。
【0040】
例えば、AF制御には、G信号の高周波成分が最大になるようにフォーカスレンズを移動させるコントラストAF方式が採用される。AE制御には、1フレームのR、G、B信号を積算した積算値に基づいて被写体輝度(撮影EV)を求め、この撮影EVに基づいて絞り値とシャッタースピードを決定し、AE・AF機構16を介して絞りを駆動するとともに、決定したシャッタースピードとなるように電子シャッターによってCCD12の電荷の蓄積時間を制御する。したがって、デジタルカメラ1のレンズ系11を被写体に向けるだけで、最適な露出調整が行われるとともに、ピント合わせが自動的に行われる。
【0041】
撮影記録時においては、レリーズボタン22の「半押し」時に上述した測光動作を複数回繰り返して正確な撮影EVを求め、この撮影EVに基づいて撮影時の絞り値とシャッタースピードを最終的に決定する。そして、レリーズボタン22の「全押し」時に最終的に決定した絞り値になるように絞りを駆動し、また、決定したシャッタースピードとなるように電子シャッターによって電荷の蓄積時間を制御する。なお、AE、AFはCCD12から取得される画像信号に基づいて制御する方法の他、周知の測光センサやAF投光/受光センサからなる測距センサ等を用いてもよい。
【0042】
A/D変換器14から出力されたデータはRAM19に格納されるとともに、積算回路に加えられる。画像処理部20aは、撮影画面を複数のブロック(例えば、8×8の64個のブロック)に分割し、複数のブロック毎に受入したG信号の積算演算を行う。なお、R、G、Bのデータから輝度信号(Y信号)を生成して、輝度信号の積算演算を行ってもよい。また、画像処理部20aはAE演算回路で兼用することもできる。画像処理部20aで得られた積算値の情報(演算結果)はメインプロセッサ20に入力される。
【0043】
メインプロセッサ20の制御部20dは画像処理部20aからの情報に基づき、所定のアルゴリズムに従って撮影画面の評価値Eを算出し、求めた評価値Eを用いて撮像プロセス部13におけるゲイン値(増幅率)を決定する。メインプロセッサ20は決定したゲイン値に従って撮像プロセス部13におけるゲイン量を制御する。
【0044】
RAM19に記憶されたR、G、Bの画像データは画像処理部20aに送られ、ここで増幅処理される。増幅処理された画像データは、画像処理部20aにおいて、ガンマ補正処理が施された後、RGBデータから輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr,Cb信号)に変換される。なお、メインプロセッサ20は、必要に応じてホワイトバランス処理なども行うことができる。
【0045】
画像処理部20aにおいて生成された輝度・色差信号(YC信号と略記する)は、RAM19に書き戻される。RAM19に記憶されたYC信号は表示制御部20cに供給され、所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換されて表示用液晶パネル30に出力される。表示用液晶パネル30には液晶ディスプレイその他のカラー表示可能な表示装置が用いられる。なお、表示用液晶パネル30はYC信号入力対応のタイプのものを適用してもよいし、RGB信号入力タイプのものを適用してもよく、表示装置に対応したドライバが適用される。
【0046】
CCD12から出力される画像信号によって画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が表示用液晶パネル30に供給されることにより、CCD12が捉える画像がリアルタイムに動画像(スルー画像)として、又はリアルタイムではないが、ほぼ連続した画像として表示用液晶パネル30に表示される。
【0047】
表示用液晶パネル30は電子ビューファインダーとして利用でき、撮影者は表示用液晶パネル30の表示画像又はファインダーによって撮影画角を確認することができる。レリーズボタン22の押下操作など所定の記録指示(撮影開始指示)操作に呼応して、記録用の画像データの取り込みが開始される。
【0048】
撮影者がレリーズボタン22から撮影記録の指示を入力すると、メインプロセッサ20は必要に応じて圧縮伸張処理部20bにコマンドを送り、これにより圧縮伸張処理部20bはRAM19上のYCデータをJPEGその他の所定の形式に従って圧縮する。圧縮された画像データは、記録/再生インターフェース27と接続された記録媒体スロット28に差し込まれた第1の記録媒体29に記録される。
【0049】
第1の記録媒体29および第2の記録媒体32は、それぞれ物理的または論理的に別個の媒体であるが、その構成は任意であり、共に情報の書き換えが可能な不揮発性記録媒体である点で相違はない。例えばスマートメディア、PCカード、マイクロドライブ、マルチメディアカード(MMC)、磁気ディスク(フレキシブルディスク、HDD)、光ディスク(CD−RW、DVD−RW)、光磁気ディスク(MO)、磁気テープ(DAT)、メモリスティックなど種々の形態が可能であり、使用される媒体に応じた信号処理手段とインターフェースが適用される。ただし、重要な画像はパソコンやプリンタに取り込む可能性が高いため、第1の記録媒体29は可搬性記録媒体であることが好ましい。また、以下の処理では、ユーザの意図に沿わない画像を格納する第2の記録媒体32はフラッシュメモリのような内蔵記録媒体であるとするが、可搬性記録媒体であってもよい。さらに、パーティション、フォルダ、ディレクトリなど同一の不揮発性記録媒体に論理的な区分を設け、その各々を第1の記録媒体29および第2の記録媒体32としてもよい。
【0050】
また、再生モード時には第1の記録媒体29から読み出された画像データが圧縮伸張処理部20bによって伸張処理され、表示制御部20cを介して表示用液晶パネル30に出力される。
【0051】
メインプロセッサ20は、データバス10を介して通信部59と接続されている。通信部59は、通信網を通してユーザーのパーソナルコンピュータ(PC)やプリンタなどと通信するためのインターフェースであり、例えばUSB(Universal Serial Bus)や、IEEE1394等のインターフェースを用いることができる。
【0052】
顔検出部17bは、連写画像の各々について顔検出を行う。笑顔検出部17cは、画像から笑顔の検出を行う。笑顔の検出方法は公知のものが採用でき、例えば特許文献5と同様に行う。
【0053】
図2は、メインプロセッサ20の実行する画像処理のフローチャートである。この処理をメインプロセッサ20に実行させるためのプログラムはROM31に記憶されている。
【0054】
S1では、制御部20dは操作キー23から笑顔検出モードが設定されたか否かを判断する。笑顔検出モードが設定されたらS2に進む。
【0055】
S2では、制御部20dは操作キー23から連写撮影モードおよび通常撮影モードのいずれが設定されたか否かを判断する。連写撮影モードが設定された場合はS3に進む。通常撮影モードが設定た場合はS10に進み、通常撮影すなわちレリーズボタン22の押下に応じた単一の画像の取得を行う。
【0056】
S3では、制御部20dはレリーズボタン22が半押し(S1オン)されたか否かを判断する。レリーズボタン22が半押しされたらS34に進む。
【0057】
S4では、制御部20dは自動焦点調節(AF)動作の制御、並びに自動露出調節(AE)の制御を行う。
【0058】
S5では、制御部20dはレリーズボタン22が全押し(S2オン)されたか否かを判断する。レリーズボタン22が全押しされたらS6に進む。
【0059】
S6では、制御部20dは連写(連続した所定の複数回の撮影を行なって所定の複数枚の画像を生成する動作のこと)を行うようCCD12、撮像プロセス部13、A/D変換器14その他の撮像系を制御し、連写で得られた画像をRAM19に保存する。
【0060】
S7では、画像分類制御部20gは、ROM31から、S1で設定された撮影モードすなわち笑顔検出モードに対応する条件を識別する。本処理では、ROM31に「笑顔検出モード」に対応づけて格納されている条件は、条件1(低解像度保存条件)=「画像中に少なくとも1つの顔領域が存在すること」、条件2(高解像度保存条件)=「画像中の顔領域が笑顔であること」であるとする。条件2は、条件1を前提とする条件であり、条件1よりも厳しい。
【0061】
ただし、撮影モードに対応した条件は上記のものに限らず、操作キー23の選択操作に応じて画像分類制御部20gが任意に設定できる。例えば、手ぶれ防止モードに対応する条件1および2として、条件1(低解像度保存条件)=「画像中に少なくとも1つの顔領域が存在すること」、条件2(高解像度保存条件)=「手ぶれが発生していないこと」とできる。あるいは、上記の条件1(低解像度保存条件)に「画像を表示したこと」を加重してもよい。条件1(低解像度保存条件)はユーザが選択した撮影モードに対応して最低希望する条件、条件2(高解像度保存条件)はユーザが最も望ましいと思う条件である。複数の条件間に論理的な包含関係があってもよいしなくてもよい。また、条件は3つ以上でもよい。
【0062】
制御部20dが当該条件1を識別したことに応じ、顔検出部17bは、RAM19に保存された連写画像の各々について顔検出を行い、顔検出の有無を示す顔検出フラグを第2の記録媒体32の個々の画像に付与する。例えば、顔が検出されれば「1」、顔が検出されなければ「0」の値を個々の画像に付与する。
【0063】
画像分類制御部20gは、顔検出フラグの内容とROM31の条件1に応じて、画像を分類する。すなわち、図3に示すように、条件1に適合する画像は「グループ1」、条件1に適合しない画像は「グループ3」に分類する。制御部20dは、個々の画像に付与された顔検出フラグを参照し、顔検出フラグが顔検出有りを示す「1」であればS8、顔検出フラグが顔検出なしを示す「0」であればS11に進む。
【0064】
S8では、笑顔検出部17cは、顔検出有りを示す顔検出フラグ「1」が付与された「グループ1」の顔検出画像から笑顔を検出し、笑顔検出の有無を示す笑顔検出フラグをRAM19の個々の顔検出画像に付与する。例えば、笑顔が検出されれば「1−1」、笑顔が検出されなければ「1−0」の値を個々の顔検出画像に付与する。画像分類制御部20gは、笑顔検出フラグの内容に応じて、画像を分類する。
【0065】
すなわち、図3に示すように、条件2に適合する画像は「グループ2」に分類し、条件1に適合するが条件2に適合しない画像は「グループ1」の分類のままとし、条件1に適合しない画像は「グループ3」に分類する。
【0066】
制御部20dは、個々の画像に付与された顔検出フラグを参照し、笑顔検出フラグが笑顔検出有りを示す「1−1」であればS9、笑顔検出フラグが笑顔検出無しを示す「1−0」であればS13に進む。
【0067】
S9では、制御部20dは、笑顔検出有りを示す顔検出フラグ「1−1」が付与された「グループ2」の画像の全てを、RAM19から第1の記録媒体29に移動して保存する。これにより、被写体が笑顔というユーザの希望する条件を満たす画像が第1の記録媒体29に確保される。よって、ユーザが連写画像から自分の希望する条件に合う画像を探し出して第1の記録媒体29に手動操作でいちいち移動する必要がなくなる。
【0068】
S11では、制御部20dは、顔検出なしを示す顔検出フラグ「0」が付与された画像を、RAM19から第2の記録媒体32に保存する。なお、顔検出の有無あるいは笑顔検出の有無に関わらず、ピンボケ、白飛び、黒つぶれ、手ぶれその他の失敗画像に顔検出フラグ「0」を付与して第2の記録媒体32に記録してもよい。
【0069】
S12では、S11で第2の記録媒体32に保存された画像に対応づけてフラグ「0」を保存する。顔検出フラグは画像ファイルのヘッダやメタ情報として保存してもよい。
【0070】
S13では、顔検出ありかつ笑顔検出なしを示す笑顔検出フラグ「1−0」が付与された画像、すなわち「グループ1」の画像を、RAM19から第2の記録媒体32に移動して保存する。
【0071】
S14では、S11で第2の記録媒体32に保存された「グループ1」の画像に対応づけてフラグ「1−0」を保存する。顔検出フラグは画像ファイルのヘッダやメタ情報として保存してもよい。
【0072】
S15では、制御部20dは、操作キー23の電源スイッチが押され電源オフが指示されたか否かを判断する。Yesの場合はS16に進み、Noの場合はS19に進んで撮影(連写、通常いずれでも可)を継続できる。なお、撮影が継続していき、RAM19の画像バッファが満杯になると、既存の画像を古いものから順に新しく撮影された画像で上書きする。
【0073】
S16では、自動消去実行部20fは、第2の記録媒体32に保存されたフラグ「0」が対応づけられている「グループ3」の画像が存在するか否かを判断する。Yesの場合はS17、Noの場合はS18に進む。
【0074】
S17では、自動消去実行部20fは、第2の記録媒体32に保存されたフラグ「0」が対応づけられている「グループ3」の画像を消去する。これにより、ユーザの希望した緩い方の条件1にも適合しない画像は、電源オフ時に消去される。よって、ユーザが連写画像から自分の希望する条件に合わない画像を探し出していちいち消去する必要がなくなる。ただし、保存しておきたい画像があれば電源オフ時までにその画像を第1の記録媒体29などに退避させて消去を免れることもできる。
【0075】
S18では、間引画像作成部20eは、第2の記録媒体32に保存されたフラグ「1−0」が対応づけられている「グループ1」の画像が存在するか否かを判断する。Yesの場合はS20、Noの場合はS19に進んで、撮影を継続する。
【0076】
S20では、間引画像作成部20eは、「グループ1」の画像の各々を所定の間引き率によって間引くことで、「グループ1」の画像の各々に対応する低解像度画像を作成する。低解像度画像は、少なくともオリジナルの連写画像の解像度よりも低い解像度である。例えば、オリジナル画像がVGAであれば、低解像度画像はQVGAとする。そして、「グループ1」のオリジナル画像に代えて、当該低解像度画像を第2の記録媒体32に上書き保存する。これにより、ユーザの希望した緩い方の条件1「画像中に少なくとも1つの顔領域が存在すること」には適合するが、厳しい方の条件2「画像中の顔領域が笑顔であること」には適合しない画像は、低解像度で保存される。よって、ユーザが連写画像から自分の希望する条件に合う画像を探し出して第2の記録媒体32に手動操作でいちいち移動する必要がなくなる。また、オリジナルの解像度のまま保存しておきたい画像があれば電源オフ時までにその画像を第1の記録媒体29などに退避させることもできる。
【0077】
図4は画像処理のフローチャートの他の例である。この処理は、操作キー23から「目瞑り検出モード」が設定されたことに応じてS2以降に進み、また、ROM31には、「目瞑り検出モード」に対応する条件1=「画像中に少なくとも1つの顔領域が存在すること」、条件2=「画像中の顔領域が目瞑りでないこと」が格納されている点を除いて、図2と同様である。よって、処理の流れそのものは図2と同様であるので、詳細は省略する。
【0078】
この処理の結果、ユーザの希望した緩い方の条件1「画像中に少なくとも1つの顔領域が存在すること」には適合するが、厳しい方の条件2「画像中の顔領域が目瞑りでないこと」には適合しない画像は、低解像度で第2の記録媒体32に保存される。また、条件2に適合する画像は第1の記録媒体29に保存される。また、条件1に適合しない画像は、第2の記録媒体32に保存され、電源オフ時に消去される。
【0079】
図5は制御部20dにより分類される画像の一例を示す。このうち、図5(a)は連写(S6)で得られた画像、図5(b)は第1の記録媒体29に保存される笑顔の検出された画像を示す。図5(c)は顔の検出された画像で、第2の記録媒体32に低解像度で保存される画像を示す。図5(d)は顔の検出されなかった画像で、第2の記録媒体32に保存されるが、電源オフ時に消去される画像を示す。図5(b)および図5(c)の画像は電源スイッチがオフになっても消えないが、図5(d)の画像は、電源スイッチがオフになると消える。
【0080】
つまり、ユーザが笑顔検出モードを選択すると、笑顔の検出された画像が最もユーザの意図に合った被写体を撮影した画像とみなせるから、第1の記録媒体29に保存する。逆にユーザの意図に全く合わない顔の検出されなかった画像を消すことで、連写で得られた画像の中からユーザが望む画像のみを的確に保存できる。
【0081】
以上のように、連写画像から、ユーザが選択した撮影モードに対応する条件に合った画像と合わない画像を分類して別々の記録媒体に記録するから、ユーザが望む画像を特定の記録媒体に的確に分類して保存でき、必要のない画像をユーザが1枚ずつ確認して消したり別の記録媒体に移動したりする必要がない。
【0082】
<第2実施形態>
図6は第2実施形態に係るデジタルカメラ1のブロック図である。第1実施形態と同様の構成および機能を有するブロックには同一の符号を付しており、説明は省略する。本実施形態では、メインプロセッサ20のモジュールとして表示選択部20hが追加されている。
【0083】
図7は、メインプロセッサ20の実行する画像処理のフローチャートである。この処理をメインプロセッサ20に実行させるためのプログラムはROM31に記憶されている。この処理は、第1実施形態と同様にしてフラグの付与された画像が分類された後に行われるものとする。すなわち、この処理は、第1実施形態のS19以降に実行される。
【0084】
S21は第1実施形態のS19と同様である。
【0085】
S22では、表示選択部20hは、操作キー23から画像の再生ないしポストビュー(撮影直後の画像表示)が指示されたか否かを判断する。Yesの場合はS23、Noの場合はS21に進む。
【0086】
S23では、表示制御部20cは、第1の記録媒体29に保存された条件2に適合する「グループ2」の画像(第1実施形態でいう笑顔の検出された画像または目瞑りでない画像)を読み出し、その映像信号を表示用液晶パネル30に出力する。この際、表示制御部20cは、同一の連写単位に属する画像(同一の撮像指示に対応して撮影された画像群として制御部20dがその撮像指示に対応する連写単位の識別情報をヘッダ情報やタグ情報に付与された画像)を1つの表示単位として分類した上、1つの表示単位に属する画像を順次または同時に表示する。どの連写単位を表示するかを操作キー23で指定できてもよい。
【0087】
S24では、表示制御部20cは、表示中の連写単位と同一の連写単位に属する「グループ1」の画像が第2の記録媒体32に記録されていれば、そのような第2の記録媒体32の画像を表示するか否かの確認を促す情報、例えば「撮影モードに完全には沿わない可能性のある連写画像の続きがありますが、表示しますか?」というメッセージを表示用液晶パネル30に表示する。あるいは、連写画像の続きを示すアイコンを表示用液晶パネル30に表示する。あるいはスピーカや音声再生手段にて同様のメッセージを再生してもよい。表示選択部20hは、操作キー23の操作あるいは図示しないタッチパネルによるアイコンの選択により、当該第2の記録媒体32の画像の再生またはポストビュー(撮影直後の画像表示)の開始が指示されたか否かを判断する。Yesの場合はS25、Noの場合はS26に進む。
【0088】
S25では、表示制御部20cは、第2の記録媒体32に保存された「グループ1」の画像の中で表示中の連写単位と同一の連写単位に属するものを読み出し、その画像の映像信号を表示用液晶パネル30に出力する。
【0089】
S26では、表示制御部20cは、表示中の連写単位と同一の連写単位に属する「グループ3」の画像が第2の記録媒体32に記録されていれば、そのような第2の記録媒体32の画像を表示するか否かの確認を促す情報、例えば「撮影モードに全く沿わない可能性のある連写画像の続きがありますが、表示しますか?」というメッセージを表示用液晶パネル30に表示する。あるいは、連写画像の続きを示すアイコンを表示用液晶パネル30に表示する。あるいはスピーカや音声再生手段にて同様のメッセージを再生してもよい。表示選択部20hは、操作キー23の操作あるいは図示しないタッチパネルによるアイコンの選択により、当該第2の記録媒体32の画像の再生またはポストビュー(撮影直後の画像表示)の開始が指示されたか否かを判断する。Yesの場合はS27、Noの場合はS28に進む。
【0090】
S27では、表示制御部20cは、第2の記録媒体32に保存された「グループ3」の画像の中で表示中の連写単位と同一の連写単位に属するものを読み出し、その画像の映像信号を表示用液晶パネル30に出力する。
【0091】
S28では、S15と同様の判断を行う。Yesの場合はS30、Noの場合はS29に進む。
【0092】
S29では、画像の再生を継続する。
【0093】
S30では、S24にてグループ1の画像を表示する指示があったか否かを判断する。Yesの場合はS33、Noの場合はS31に進む。
【0094】
S31では、電源スイッチによる電源オフの指示が入力されたことに応じて第2の記録媒体32に保存された「グループ1」の画像を消去し、その後S32に進んでデジタルカメラ1の電源を切る。あるいは、S31の終了後S34に進んでもよい。
【0095】
S33は、S20と同様である。これにより、グループ1の低解像度画像が第2の記録媒体32に保存される。つまり「低解像度保存条件=画像が再生されたこと」を満たすグループ1の画像の低解像度画像が第2の記録媒体32に保存される。
【0096】
S34では、S26にてグループ3の画像を表示する指示があったか否かを判断する。Yesの場合はS35、Noの場合はS37に進む。
【0097】
S35では、電源スイッチによる電源オフの指示が入力されたことに応じ、「グループ3」の画像の各々を所定の間引き率(少なくともオリジナルの連写画像の解像度よりも低い解像度)によって間引くことで、「グループ3」の画像の各々に対応する低解像度画像を作成する。そして、「グループ3」の画像に代えて、当該低解像度画像を第2の記録媒体32に上書き保存する。つまり「低解像度保存条件=画像が再生されたこと」を満たすグループ3の画像の低解像度画像が第2の記録媒体32に保存される。その後S36に進んでデジタルカメラ1の電源を切る。
【0098】
S37では、電源スイッチによる電源オフの指示が入力されたことに応じて第2の記録媒体32に保存された「グループ3」の画像を消去し、その後S38に進んでデジタルカメラ1の電源を切る。
【0099】
以上のように、ユーザが撮影済みの連写画像を表示画面で確認する際、まず撮影モードに応じてユーザの意図通りと予測される第1の記録媒体29の連写画像を表示した後、意図にあまり沿わないと予測される第2の記録媒体32の第1の画像を表示するか否かの確認入力、意図に全く沿わないと予測される第2の記録媒体32の第2の画像を表示するか否かの確認入力を順次促す。確認入力があれば、第2の画像(図5(b))の表示後は、第1の画像(図5(c))、第3の画像(図5(d))の順に表示する。第2の記録媒体32の連写画像(第1の画像、第3の画像)が表示されたのであればその画像は低解像度画像として残し、表示されなければ電源オフ時に削除する。このように、ポストビュー表示で確認されなかった画像を自動的に削除することで、不要な数多くの画像を無駄に確認させたり保存したりする必要がなくなる。
【0100】
<第3実施形態>
図8は第3実施形態に係るデジタルカメラ1のブロック図である。既出の実施形態と同様の構成および機能を有するブロックには同一の符号を付しており、説明は省略する。本実施形態では、メインプロセッサ20のモジュールとして検出画像数表示部20j、笑顔画像数検出部29kが追加されている。また、ジャイロセンサ17dは、カメラ1のぶれ角を検出し、その検出したぶれ角をメインプロセッサ20に送信する。メインプロセッサ20は、ジャイロセンサ17dからのぶれ角が所定の値以上であれば、手ぶれが発生したと判断する。
【0101】
図9は、メインプロセッサ20の実行する画像処理のフローチャートである。この処理をメインプロセッサ20に実行させるためのプログラムはROM31に記憶されている。この処理は、第1実施形態のS1〜4の実行後に実行される。あるいは、第1実施形態のS19の実行後にS49以降を実行してもよい。
【0102】
S41、42、43は、それぞれ第1実施形態のS5、6、7と同様である。また、S44、45、47、48はそれぞれ第1実施形態のS8、9、11、13と同様である。ただし、S45の後はS46に進む。
【0103】
S46では、笑顔画像数検出部20kは、第1の記録媒体29に保存された「グループ2」の画像の総数をカウントし、S49に進む。
【0104】
S49では、検出画像数表示部20jは、笑顔画像数検出部20kがカウントした「グループ2」の画像の総数を表示するよう表示制御部20cに指示する。表示制御部20cは、OSD信号回路により、当該画像の総数を示す映像信号を生成し、これをスルー画像に混合して表示用液晶パネル30に供給する。これにより、表示用液晶パネル30には、当該画像の総数が連写撮影中のスルー画像に重畳されて表示される(図10参照)。あるいは、連写撮影中にブラックアウトした画面に当該画像の総数を表示してもよい。
【0105】
S50はS19と同様である。
【0106】
S51は電源スイッチ操作で電源オフが指示されたか否かを判断し、当該指示がされた場合はS52に進み、されない場合はS50に戻る。
【0107】
S52では、第2の記録媒体32の「グループ1」の画像、「グループ3」の画像を消去する。なお、第2の記録媒体32の画像を一律消すのでなく、S16〜S20のように、顔の検出されなかったフラグ「0」の画像を消去し、顔は検出されたが笑顔でないフラグ「1−0」の画像を間引いて保存してもよい。また、条件2に笑顔検出以外の条件、例えば目瞑りなしを設定しても上記の処理は成り立つ。
【0108】
連写撮影において、連写間隔が短い高速撮影を行うと、顔検出されたことはスルー画像から判断できるが、より細かい部分である笑顔が記録できたかを判断することは難しい。しかし、上記の処理によると、撮影中に条件を満たす画像の数が表示され、ユーザにとって満足のいく画像が何枚撮影されたかが容易に分かる。
【0109】
<第4実施形態>
図11は第4実施形態に係るデジタルカメラ1のブロック図である。既出の実施形態と同様の構成および機能を有するブロックには同一の符号を付しており、説明は省略する。本実施形態では、メインプロセッサ20のモジュールとして検出画像数表示部20j、笑顔画像数検出部20kが追加されている。
【0110】
図12は、メインプロセッサ20の実行する画像処理のフローチャートである。この処理をメインプロセッサ20に実行させるためのプログラムはROM31に記憶されている。
【0111】
S61はS1と同様である。
【0112】
S62では、必要画像数入力部20lは、操作キー23を介して、ユーザの設定した条件2に合う画像の必要枚数の入力を受け付ける。入力する枚数は任意であるが、連写総数を超えないものとする。
【0113】
S63は、S2と同様の判断を行い、連写撮影の開始が指示された場合はS65、通常撮影の開始が指示された場合はS64に進む。
【0114】
S64はS10と同様である。
【0115】
S65〜S68はそれぞれS3〜S6と同様である。
【0116】
S69では、S7およびS8と同様にして、第2の記録媒体32に記憶された画像を、グループ1〜3に分類する。
【0117】
S70では、フラグ「0」または「1−0」の付与された画像、すなわち、条件2に適合しない笑顔の検出されなかった画像を第2の記録媒体32に記憶したままにする。ただし、笑顔検出以外の条件、例えば目瞑りなしを設定しても本処理は成り立つ。第2の記録媒体32に記憶された画像については、第1実施形態と同様、フラグ「0」の画像は消去し、フラグ「1−0」の画像は間引いて保存することができる。あるいは、第2実施形態と同様、表示された画像は間引いて保存し、表示されない画像は消去することができる。
【0118】
S71では、フラグ「1−1」の付与された画像、すなわち、笑顔の検出されなかった画像を第1の記録媒体29に移動して記憶する。
【0119】
S73は、S49と同様である。
【0120】
S74では、画像枚数比較部20mは、S62で入力された必要画像枚数と、笑顔画像数検出部20kがカウントした第1の記録媒体29の「グループ2」の画像数とを比較し、「グループ2」の画像数<入力された必要画像枚数であるか否かを判断する。Yesの場合はS75、Noの場合はS76に進む。
【0121】
S75は、連写を繰り返す。ただし、連写によって新たに画像が得られるごとにS74の判断を繰り返す。
【0122】
S76は、連写撮影モードを終了し、S77では、「グループ1」の画像をRAM19から第1の記録媒体29に移動して記憶する。
【0123】
S78はS52と同様である。
【0124】
このように、事前に条件に合う画像が何枚必要なのかを入力しておき、その枚数に合う画像が得られたら自動的に連写を終了する。このためユーザは、撮影中に表示用液晶パネル30を見て自分の希望する条件に合った画像が希望枚数に達したかを確認しなくてすむ。
【0125】
<第5実施形態>
図13は第5実施形態に係るデジタルカメラ1のブロック図である。既出の実施形態と同様の構成および機能を有するブロックには同一の符号を付しており、説明は省略する。本実施形態では、メインプロセッサ20のモジュールとして警告表示部20n、撮影後モード変更制御部20pが追加されている。
【0126】
図14は、メインプロセッサ20の実行する画像処理のフローチャートである。この処理をメインプロセッサ20に実行させるためのプログラムはROM31に記憶されている。 この処理は、第1実施形態と同様にしてフラグの付与された画像が分類された後に行われるものとする。すなわち、この処理は、第1実施形態のS19以降に実行される。
【0127】
S81、82はS21、22と同様である。
【0128】
S83では、笑顔画像数検出部20kは、第2の記録媒体32に記憶された画像のうち「フラグ1−1」の付与された笑顔画像の総数をカウントする。
【0129】
S84では、警告表示部20nは、S83でカウントされた笑顔画像の総数と、ROM31に予め蓄積された閾値とを比較し、笑顔画像の総数<閾値であるか否かを判断する。Yesの場合はS86,Noの場合はS87に進む。この閾値はユーザが操作キー23から撮影モードごとに任意に設定できてもよい。例えば、笑顔モードの閾値=1、目瞑り防止モードの閾値=1、顔UPモードの閾値=3、手ぶれ防止モードの閾値=2などと設定できる。
【0130】
S85では、表示制御部20cは、第2の記録媒体32に記憶された画像を表示する。これはサムネイルの一覧表示でもよいし1コマの表示でもよい。
【0131】
S86では、警告表示部20nは、撮影モードに合った画像が閾値を超えて得られなかった旨の警告を表示するよう表示制御部20cに指示する。表示制御部20cは、当該指示に応じて、当該警告の映像信号をOSD信号発生回路により生成し、表示用液晶パネル30に出力する。これにより当該警告が表示用液晶パネル30に表示される。なお、警告は表示でなく音声出力でもよい。
【0132】
S87では、撮影後モード変更制御部20pは、他の撮影モードを選択させるためのモード一覧選択表示を表示制御部20cに指示する。これにより当該モード一覧選択表示が表示用液晶パネル30に表示される(図15参照)。
【0133】
S88では、撮影後モード変更制御部20pは、モード一覧表示で示される撮影モードの中から所望の撮影モードの選択を操作キー23を介して受け付ける。現在設定された撮影モードと異なる撮影モードが選択された場合はS89、そうでない場合はS91に進む。
【0134】
S89では、選択された撮影モードに対応する条件に従って第2の記録媒体32の画像を再分類する。再分類の結果、条件2に該当する画像は第1の記録媒体29に移動して記憶する。条件1に該当する画像は、第2の記録媒体32に記憶したままにするか、第1実施形態と同様に間引いて第2の記録媒体32に記憶してもよい。
【0135】
S90では、第2の記録媒体32に記憶された画像を表示する。ユーザは必要に応じて消去したくない画像を選んで第1の記録媒体29に移動して記憶させることができる。あるいは再分類に不満がある場合は、S88に戻って撮影モードの選択を行うこともできる。
【0136】
S91は、S28と同様の判断を行い、YesであればS92、NoであればS94に進む。
【0137】
S93、S94は、それぞれS31,S32と同様である。S94はS29と同様である。
【0138】
例えば、S88において、現在の撮影モードが「笑顔モード」の場合に、「目瞑り防止モード」が選択された場合は、S89に進み、「笑顔モード」に対応する条件2の画像は第1の記録媒体29に記憶される。これにより、間違って笑顔モードが選択されて連写が行われても、後から「目瞑り防止モード」を選択し、笑顔ではないが目をつぶっていない画像を第1の記録媒体29に残すことができる。つまり、ユーザが意図したモードと異なる撮影モードが選択されて連写撮影した場合、後からユーザの希望するモードに変更して、そのモードに対応する条件に合致した画像を再分類し、必要な画像の誤消去を防止できる。
【符号の説明】
【0139】
20:メインプロセッサ、29:第1の記録媒体、32:第2の記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連写撮影の可能な撮像部と、
撮影モードの選択を受け付ける撮影モード選択部と、
前記撮像部の連写撮影にて得られた画像である連写画像を、前記撮影モード選択部が選択を受け付けた撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像ならびに前記高解像度保存条件に適合しない画像に分類する画像分類部と、
前記連写画像のうち、前記画像分類部が分類した前記撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像を第1の記録媒体に記録し、前記画像分類部が分類した前記撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合しない画像を第2の記録媒体に記録する記録制御部と、
電源供給停止時に、前記第2の記録媒体に記録された画像のうち、前記撮影モード選択部が選択を受け付けた撮影モードに対応する低解像度保存条件に適合する画像に基づいて低解像度画像を作成し前記第2の記録媒体に記録する低解像度画像作成部と、
電源供給停止時に、前記第2の記録媒体に記録された画像のうち、前記撮影モード選択部が選択を受け付けた撮影モードに対応する低解像度保存条件に適合しない画像を消去する消去制御部と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記撮像部の連写撮影にて得られた画像である連写画像の単位を示す情報である連写画像単位情報を前記連写画像に付与する連写画像単位情報付与部と、
前記第1の記録媒体に記録された画像を、同一の連写画像単位情報の付与された画像ごとに順次または同時に所定の表示装置に表示するよう制御する表示制御部と、
前記所定の表示装置に表示された前記第1の記録媒体の画像と同一の連写画像単位情報の付与された前記第2の記録媒体の画像を表示するか否かの選択を受け付ける表示選択部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記表示選択部が前記第2の記録媒体の画像を表示する選択を受け付けたことに応じて前記第2の記録媒体の画像を所定の表示装置に表示するよう制御し、
前記消去制御部は、前記第2の記録媒体の画像のうち前記所定の表示装置に表示されなかった画像を消去する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記低解像度画像作成部は、電源供給停止時に前記連写画像のうち、前記第2の記録媒体に記録された画像のうち前記所定の表示装置に表示された画像に基づいて低解像度画像を作成し前記第2の記録媒体に記録する請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示選択部が前記第2の記録媒体の画像を表示する選択を受け付けたことに応じて前記第2の記録媒体の画像を第1の画像から第3の画像の順に所定の表示装置に表示するよう制御する請求項2または3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の記録媒体に記録された、前記撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像の数を計数する計数部を備え、
前記表示制御部は、前記撮像部による連写撮影の間、前記計数部の計数した画像の数を前記連写撮影のスルー画とともに表示する請求項2〜4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1の記録媒体に記録された、前記撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像の数を計数する計数部と、
所定の操作部を介して入力された所望の画像必要数と、前記計数部の計数した画像の数とを比較し、前記計数部の計数した画像の数が前記所望の画像必要数に達したか否かを判定し、前記判定の結果に応じて前記撮像部の連写撮影を終了する撮像制御部と、
を備える請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記画像分類部は、前記撮像部の連写撮影にて得られた画像である連写画像のうち、前記撮影モード選択部が選択を受け付けた撮影モードに対応する下位の条件に適合する第1の画像を、前記撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合しない画像に分類し、前記撮影モードに対応する前記下位の条件よりも厳格な上位の条件に適合する第2の画像を前記撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像に分類し、前記上位の条件および下位の条件のいずれにも適合しない第3の画像を前記撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合しない画像に分類する請求項1〜6のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項8】
前記記録制御部は、前記第2の画像を前記第1の記録媒体に記録するとともに、前記第1の画像および前記第3の画像を前記第2の記録媒体に記録し、
前記低解像度画像作成部は、電源供給停止時に、前記第2の記録媒体に記録された第1の画像に基づいて低解像度画像を作成して前記第2の記録媒体に記録し、
前記消去制御部は、電源供給停止時に、前記第2の記録媒体に記録された第3の画像を消去する請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記撮影モード選択部は、前記撮像部の連写撮影の終了後、所望の撮影モードの選択を受け付け、
前記画像分類部は、前記撮影モード選択部が前記撮像部の連写撮影の終了後に選択を受け付けた撮影モードである連写後撮影モードが、前記撮像部の連写撮影の開始時に設定された撮影モードと異なる場合、前記撮像部の連写撮影で得られた画像を、前記連写後撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像ならびに前記高解像度保存条件に適合しない画像に分類し、
前記記録制御部は、前記画像分類部が分類した前記連写後撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像を第1の記録媒体に記録し、前記画像分類部が分類した前記連写後撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合しない画像を第2の記録媒体に記録する請求項1〜8のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記消去制御部は、前記撮像部の連写撮影の終了後、前記撮像部の連写撮影の開始時に設定された撮影モードと異なる撮影モードが選択されなかった場合、電源供給停止時に前記第2の記録媒体の画像を消去する請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
撮像装置が、
連写撮影の可能な撮像部の撮影モードの選択を受け付けるステップと、
前記撮像部の連写撮影にて得られた画像である連写画像を、前記選択を受け付けた撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像ならびに前記高解像度保存条件に適合しない画像に分類するステップと、
前記連写画像のうち、前記分類した前記撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合する画像を第1の記録媒体に記録し、前記分類した前記撮影モードに対応する高解像度保存条件に適合しない画像を第2の記録媒体に記録するステップと、
電源供給停止時に、前記第2の記録媒体に記録された画像のうち、前記選択を受け付けた撮影モードに対応する低解像度保存条件に適合する画像に基づいて低解像度画像を作成し前記第2の記録媒体に記録するステップと、
電源供給停止時に、前記第2の記録媒体に記録された画像のうち、前記選択を受け付けた撮影モードに対応する低解像度保存条件に適合しない画像を消去するステップと、
を実行する画像管理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の画像管理方法を撮像装置に実行させるための画像管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−232863(P2010−232863A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77013(P2009−77013)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】