説明

撮像装置および光学機器

【課題】ファインダ光学系の空間を縮小することが可能な技術を提供する。
【解決手段】撮像装置1Aは、ファインダ光学系102Aにおいて光路変更部90Aを備え、当該光路変更部90Aは、被写体光の入射光路PA1と出射光路PA3との交差位置KPに配置され、入射光路PA1から入射される被写体光のうちP偏光成分の光を透過光として透過させるとともに、被写体光のうちS偏光成分の光を反射光として反射する偏光ビームスプリッタ92と、反射光の進路に配置され、当該反射光を偏光ビームスプリッタ92に向けて反射するダハプリズム95と、偏光ビームスプリッタ92とダハプリズム95との間に配置され、反射光をP偏光成分の光に変換する1/4波長板94とを有し、P偏光成分の光に変換された反射光は、偏光ビームスプリッタ92を透過して、出射光路を通る出射光として光路変更部90Aから出射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置などの光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
光学機器の1つである一眼レフレックスタイプのカメラ(「一眼レフカメラ」とも称する)では、ユーザは、撮影光学系によって取得された被写体像を光学ファインダを介して視認することができる。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の一眼レフカメラでは、撮影光学系を通過した被写体像は、ミラーを介してファインダ光学系内のペンタダハプリズムに導かれる。
【0004】
ペンタダハプリズムでは、ペンタダハプリズムの一側面(ダハ反射面)における反射によって、被写体像が倒立像から正立像へと変換される。そして、ペンタダハプリズムの他側面における反射によって被写体光の進行方向が変更され、被写体光は、接眼レンズに向かってペンタダハプリズムから出射される。
【0005】
ペンタダハプリズムを経た被写体像は、接眼レンズによってファインダ窓まで導かれ、当該ファインダ窓を覗くユーザに視認可能となる。
【0006】
【特許文献1】特開平7−244317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、ペンタダハプリズムで行われる一連の反射は、ペンタダハプリズムから出射される被写体光の進路に影響を及ぼさない位置で行われるため、ペンタダハプリズムは大きくなり、ひいてはファインダ光学系の空間が大きくなる。
【0008】
そこで、本発明は、ファインダ光学系の空間を縮小することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面は、被写体光が導かれるファインダ光学系を有する撮像装置であって、前記ファインダ光学系は、第1光路から入射される前記被写体光の進行方向を変えて、前記被写体光を出射光として第2光路から出射する光路変更手段を備え、前記光路変更手段は、前記第1光路と前記第2光路との交差位置に配置され、前記第1光路から入射される前記被写体光のうち第1偏光成分の光を透過光として透過させるとともに、前記被写体光のうち第2偏光成分の光を反射光として反射する偏光ビームスプリッタと、前記反射光の進路に配置され、当該反射光を前記偏光ビームスプリッタに向けて反射する反射手段と、前記偏光ビームスプリッタと前記反射手段との間に配置され、前記反射光を前記第1偏光成分の光に変換する偏光成分変換手段とを有し、前記第1偏光成分の光に変換された前記反射光は、前記偏光ビームスプリッタを透過して、前記第2光路を通る前記出射光として前記光路変更手段から出射されることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の側面は、被写体光が導かれるファインダ光学系を有する撮像装置であって、前記ファインダ光学系は、第1光路から入射される前記被写体光の進行方向を変えて、前記被写体光を出射光として第2光路から出射する光路変更手段を備え、前記光路変更手段は、前記第1光路と前記第2光路との交差位置に配置され、前記第1光路から入射される前記被写体光のうち第1偏光成分の光を透過光として透過させるとともに、前記被写体光のうち第2偏光成分の光を反射光として反射する偏光ビームスプリッタと、前記透過光の進路に配置され、当該透過光を前記偏光ビームスプリッタに向けて反射する反射手段と、前記偏光ビームスプリッタと前記反射手段との間に配置され、前記透過光を前記第2偏光成分の光に変換する偏光成分変換手段とを有し、前記第2偏光成分の光に変換された前記透過光は、前記偏光ビームスプリッタにおいて反射され、前記第2光路を通る前記出射光として前記光路変更手段から出射されることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の側面は、所定光が導かれるファインダ光学系を有する光学機器であって、前記ファインダ光学系は、第1光路から入射される前記所定光の進行方向を変えて、前記所定光を出射光として第2光路から出射する光路変更手段を備え、前記光路変更手段は、前記第1光路と前記第2光路との交差位置に配置され、前記第1光路から入射される前記所定光のうち第1偏光成分の光を透過光として透過させるとともに、前記所定光のうち第2偏光成分の光を反射光として反射する偏光ビームスプリッタと、前記反射光の進路に配置され、当該反射光を前記偏光ビームスプリッタに向けて反射する反射手段と、前記偏光ビームスプリッタと前記反射手段との間に配置され、前記反射光を前記第1偏光成分の光に変換する偏光成分変換手段とを有し、前記第1偏光成分の光に変換された前記反射光は、前記偏光ビームスプリッタを透過して、前記第2光路を通る前記出射光として前記光路変更手段から出射されることを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の側面は、所定光が導かれるファインダ光学系を有する光学機器であって、前記ファインダ光学系は、第1光路から入射される前記所定光の進行方向を変えて、前記所定光を出射光として第2光路から出射する光路変更手段を備え、前記光路変更手段は、前記第1光路と前記第2光路との交差位置に配置され、前記第1光路から入射される前記所定光のうち第1偏光成分の光を透過光として透過させるとともに、前記所定光のうち第2偏光成分の光を反射光として反射する偏光ビームスプリッタと、前記透過光の進路に配置され、当該透過光の進行方向を反転させて前記透過光を反射する反射手段と、前記偏光ビームスプリッタと前記反射手段との間に配置され、前記透過光を前記第2偏光成分の光に変換する偏光成分変換手段とを有し、前記第2偏光成分の光に変換された前記透過光は、前記偏光ビームスプリッタにおいて反射され、前記第2光路を通る前記出射光として前記光路変更手段から出射されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光路変更部から出射される被写体光の光路上に、偏光ビームスプリッタを配置して被写体光の光路を変更することができるので、ファインダ光学系の空間を縮小することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
<1.第1実施形態>
<撮像装置1Aの外観構成>
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1Aの外観構成を示す図である。ここで、図1および図2は、それぞれ正面図および背面図を示している。
【0016】
撮像装置1Aは、例えば一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラとして構成されており、カメラボディ10と、カメラボディ10に着脱自在な交換レンズとしての撮影レンズユニット2とを備えている。
【0017】
具体的には、図1に示されるように、カメラボディ10の正面側には、正面略中央に撮影レンズユニット2が装着されるマウント部301と、マウント部301の右横に配置されたレンズ交換ボタン302と、把持可能とするためのグリップ部303と、正面左上部に配置されたモード設定ダイアル305と、正面右上部に配置された制御値設定ダイアル306と、グリップ部303の上面に配置されたシャッターボタン(レリーズボタン)307とが設けられている。
【0018】
撮影レンズユニット2は、被写体からの光(被写体光)を取り込むレンズ窓として機能するとともに、当該被写体光をカメラボディ10の内部に配置されている撮像素子101に導くための撮影光学系として機能する。
【0019】
より詳細には、撮影レンズユニット2は、光軸LTに沿って直列的に配置された複数のレンズからなるレンズ群21を備えている(図5参照)。このレンズ群21には、焦点の調節を行うためのフォーカスレンズ211(図5)と、変倍を行うためのズームレンズ212(図5)とが含まれており、それぞれ光軸LT方向に駆動されることで、焦点調節または変倍が行われる。また、撮影レンズユニット2には、その鏡胴の外周適所に当該鏡胴の外周面に沿って回転可能な操作環が備えられており、上記のズームレンズ212は、マニュアル操作或いはオート操作により、上記操作環の回転方向および回転量に応じて光軸LT方向に移動し、その移動先の位置に応じたズーム倍率(撮影倍率)に設定されるようになっている。
【0020】
マウント部301には、装着された撮影レンズユニット2との電気的接続を行うためコネクタEc(図5参照)、および機械的接続を行うためのカプラ75(図5)が設けられている。
【0021】
レンズ交換ボタン302は、マウント部301に装着された撮影レンズユニット2を取り外す際に押下されるボタンである。
【0022】
グリップ部303は、撮影者(ユーザ)が撮影時に撮像装置1Aを把持する部分であり、グリップ部303の表面には、フィッティング性を高めるために指の形状に合わせた凹凸が設けられている。なお、グリップ部303の内部には電池収納室およびカード収納室(不図示)が設けられている。電池収納室には撮像装置1Aの電源として電池69B(図5参照)が収納されており、カード収納室には撮影画像の画像データを記録するためのメモリカード67(図5)が着脱可能に収納されるようになっている。なお、グリップ部303には、当該グリップ部303をユーザが把持したか否かを検出するためのグリップセンサを設けるようにしても良い。
【0023】
モード設定ダイアル305および制御値設定ダイアル306は、カメラボディ10の上面と略平行な面内で回転可能な略円盤状の部材からなる。モード設定ダイアル305は、撮像装置1Aに搭載された各種モード(各種撮影モード(人物撮影モード、風景撮影モードおよびフルオート撮影モード等)、撮影した画像を再生する再生モードおよび外部機器との間でデータ交信を行う通信モード等)の選択を行うためのものである。一方、制御値設定ダイアル306は、撮像装置1Aに搭載された各種の機能に対する制御値を設定するためのものである。
【0024】
シャッターボタン307は、途中まで押し込んだ「半押し状態」と、さらに押し込んだ「全押し状態」とを検出可能な押下スイッチである。撮影モードにおいてシャッターボタン307が半押し(S1)されると、被写体の静止画を撮影するための準備動作(露出制御値の設定および焦点検出等の準備動作)が実行され、シャッターボタン307が全押し(S2)されると、撮影動作(撮像素子101(図4参照)を露光し、その露光によって得られた画像信号に所定の画像処理を施してメモリカード67等に記録する一連の動作)が実行される。
【0025】
また、図2に示されるように、カメラボディ10の背面側には、表示部として機能するLCD(Liquid Crystal Display)311と、LCD311の上方に配設されたファインダ窓316と、ファインダ窓316の周囲を囲むアイカップ321と、ファインダ窓316の左方に配設されたメインスイッチ317と、ファインダ窓316の右方に配設された露出補正ボタン323およびAEロックボタン324と、ファインダ窓316の上方に配設されたフラッシュ部318および接続端子部319とが備えられている。また、カメラボディ10の背面側には、LCD311の左方に配置された設定ボタン群312と、LCD311の右方に配置された方向選択キー314と、方向選択キー314の中央に配置されたプッシュボタン315と、方向選択キー314の右下方に配置された表示切替スイッチ85とが備えられている。
【0026】
LCD311は、画像表示が可能なカラー液晶パネルを備えており、撮像素子101(図3参照)により撮像された画像の表示または記録済みの画像の再生表示等を行うとともに、撮像装置1Aに搭載される機能またはモードの設定画面を表示するものである。なお、LCD311に代えて、有機EL表示装置またはプラズマ表示装置を用いるようにしてもよい。
【0027】
ファインダ窓(接眼窓)316は、光学ファインダ(OVF)を構成し、ファインダ窓316には、撮影レンズユニット2を通過した被写体像を形成する光(被写体光)が導かれている。ユーザは、このファインダ窓316を覗くことによって、実際に撮像素子101にて撮影される被写体像を視認することができる。
【0028】
メインスイッチ317は、左右にスライドする2接点のスライドスイッチからなり、左にセットすると撮像装置1Aの電源がオンされ、右にセットすると電源がオフされる。
【0029】
フラッシュ部318は、ポップアップ式の内蔵フラッシュとして構成されている。一方、外部フラッシュ等をカメラボディ10に取り付ける場合には、接続端子部319を使用して接続する。
【0030】
アイカップ321は、ファインダ窓316への外光の侵入を抑制する遮光部材として機能する。
【0031】
露出補正ボタン323は、露出値(絞り値およびシャッタースピード)を手動で調整するためのボタンであり、AEロックボタン324は、露出を固定するためのボタンである。
【0032】
設定ボタン群312は、撮像装置1Aに搭載された各種の機能に対する操作を行うボタンである。この設定ボタン群312には、例えばメニュー画面をLCD311に表示させるメニューボタン、メニュー画面の内容を切り替えるメニュー切替ボタンなどが含まれる。
【0033】
方向選択キー314は、円周方向に一定間隔で配置された複数の押圧部(図中の三角印の部分)を備える環状の部材を有し、各押圧部に対応して備えられた図示省略の接点(スイッチ)により押圧部の押圧操作が検出されるように構成されている。また、プッシュボタン315は、方向選択キー314の中央に配置されている。方向選択キー314およびプッシュボタン315は、撮影倍率の変更(ズームレンズ212(図5参照)のワイド方向またはテレ方向への移動)、LCD311等に再生する記録画像のコマ送り、および撮影条件(絞り値、シャッタースピード、フラッシュ発光の有無等)の設定等の指示を入力するためのものである。
【0034】
表示切替スイッチ85は、2点のスライドスイッチからなり、接点を上段の「光学」位置に設定すると光学ファインダモード(「OVFモード」とも称する)が選択され、光学ファインダ視野内に被写体像が表示される。これにより、ユーザは、ファインダ窓316を介して光学ファインダ視野内に表示される被写体像を視認して、構図決め操作(フレーミング)を行うことが可能になる。
【0035】
一方、表示切替スイッチ85の接点を下段の「モニタ」位置に設定すると電子ファインダモード(「EVFモード」または「ライブビューモード」とも称する)が選択され、LCD311において被写体像に係るライブビュー画像が動画的態様にて表示される。これにより、ユーザは、LCD311に表示されるライブビュー画像を視認して、フレーミングを行うことが可能になる。
【0036】
このように、ユーザは、表示切替スイッチ85の操作によって、ファインダモードを切り替えることが可能であり、撮像装置1Aでは、ライブビュー表示が行われる電子ファインダ、或いは光学ファインダを用いて被写体の構図決めを行うことが可能である。
【0037】
<撮像装置1Aの内部構成>
次に、撮像装置1Aの内部構成について説明する。図3および図4は、撮像装置1Aの縦断面図である。図3に示すように、カメラボディ10の内部には、撮像素子101、ファインダ部(「ファインダ光学系」とも称する)102A、ミラー機構8、位相差AFモジュール(単に「AFモジュール」とも称する)107等が備えられている。
【0038】
撮像素子101は、カメラボディ10に撮影レンズユニット2が装着された場合の当該撮影レンズユニット2の光軸LT上において、光軸LTに対して垂直に配置されている。撮像素子101としては、例えばフォトダイオードを有して構成される複数の画素がマトリクス状に2次元配置されたCMOSカラーエリアセンサ(CMOS型の撮像素子)が用いられる。撮像素子101は、撮影レンズユニット2を通って結像された被写体像に関するR(赤)、G(緑)、B(青)各色成分のアナログの電気信号(画像信号)を生成し、R、G、B各色の画像信号として出力する。
【0039】
撮像素子101の撮像面側には、シャッターユニット40が配置されている。このシャッターユニット40は、上下方向に移動する幕体を備え、光軸LTに沿って撮像素子101に導かれる被写体光の光路開口動作および光路遮断動作を行うメカニカルフォーカルプレーンシャッターとして構成されている。なお、シャッターユニット40は、撮像素子101が完全電子シャッター可能な撮像素子である場合には省略可能である。
【0040】
また、図3に示されるように、撮影レンズユニット2から撮像素子101に至る光路(「撮影光路」とも称する)上には、ミラー機構8が設けられている。
【0041】
ミラー機構8は、撮影光学系からの光を上方に向けて反射する主ミラー81(主反射面)を有している。この主ミラー81は、例えばその一部または全部がハーフミラーとして構成され、撮影光学系からの光の一部を透過させる。また、ミラー機構8は、主ミラー81を透過した光を下方に反射させるサブミラー82(副反射面)をも有している。
【0042】
撮影モードにおいてシャッターボタン307が全押し状態S2にされるまで、換言すれば構図決めの際には、ミラー機構8はミラーダウン状態となるように配置される(図3参照)。そして、ミラーダウン状態では、撮影レンズユニット2からの被写体光は、主ミラー81で上方に反射され観察用光束としてファインダ光学系102Aに入射し、ファインダ窓316に導かれる(図2参照)。ファインダ光学系102Aについては後述する。
【0043】
また、被写体光の一部は、主ミラー81を透過し、サブミラー82によって下方に反射され、AFモジュール107へと導かれる。
【0044】
AFモジュール107は、被写体のピント情報を検出するラインセンサ等によって構成され、所謂AFセンサとして機能する。このAFモジュール107は、ミラー機構8の底部に配設されており、被写体像の合焦度合いに応じた位相差検出信号を発生させる位相差検出機能を有している。すなわち、撮影待機時におけるミラーダウン状態においては、AFモジュール107に導かれる被写体光に基づいて、AFモジュール107から位相差検出信号が出力される。
【0045】
一方、シャッターボタン307が全押し状態S2にされると、ミラー機構8はミラーアップ状態(図4参照)となるように駆動され、露光動作が開始される。
【0046】
具体的には、図4に示すように、露光時には、ミラー機構8は、回転軸83を支点として上方に向けて跳ね上がり、撮影光路から待避する。詳細には、撮影光学系からの光を遮らないように主ミラー81とサブミラー82とが上方に待避し、撮影レンズユニット2からの光がシャッターユニット40の開放タイミングに合わせて撮像素子101に到達する。撮像素子101は、光電変換によって、受光した光束に基づいて被写体像に関する画像信号を生成する。このように、被写体からの光が撮影レンズユニット2を介して撮像素子101に導かれることによって、被写体に係る撮影画像(撮影画像データ)が得られる。
【0047】
<撮像装置1Aの電気的構成>
図5は、撮像装置1Aの電気的な構成を示すブロック図である。ここで、図1〜図4と同一の部材等については、同一の符号を付している。なお、説明の便宜上、撮影レンズユニット2の電気的構成について先ず説明する。
【0048】
撮影レンズユニット2は、上述した撮影光学系を構成するレンズ群21に加え、レンズ駆動機構24と、レンズ位置検出部25と、レンズ制御部26と、絞り駆動機構27とを備えている。
【0049】
レンズ群21では、フォーカスレンズ211およびズームレンズ212と、撮像素子101へ入射される光量を調節するための絞り23とが、鏡胴内において光軸LT方向に保持されており、レンズ群21によって取り込まれた被写体光が撮像素子101に結像される。自動合焦(AF)制御では、フォーカスレンズ211が撮影レンズユニット2内のAFアクチュエータ71Mにより光軸LT方向に駆動されることで焦点調節が行われる。
【0050】
フォーカス駆動制御部71Aは、レンズ制御部26を介して全体制御部62から与えられるAF制御信号に基づき、フォーカスレンズ211を合焦位置に移動させるために必要な駆動制御信号を生成し、当該駆動制御信号を用いてAFアクチュエータ71Mを制御する。AFアクチュエータ71Mは、ステッピングモータ等からなり、レンズ駆動機構24にレンズ駆動力を与える。
【0051】
レンズ駆動機構24は、例えばヘリコイドおよび該ヘリコイドを回転させる図示省略のギア等で構成され、AFアクチュエータ71Mからの駆動力を受けて、フォーカスレンズ211等を光軸LTと平行な方向に駆動させるものである。なお、フォーカスレンズ211の移動方向および移動量は、それぞれAFアクチュエータ71Mの回転方向および回転数に従う。
【0052】
レンズ位置検出部25は、レンズ群21の移動範囲内において光軸LT方向に複数個のコードパターンが所定ピッチで形成されたエンコード板と、このエンコード板に摺接しながらレンズと一体的に移動するエンコーダブラシとを備えており、レンズ群21の焦点調節時の移動量を検出する。なお、レンズ位置検出部25で検出されたレンズ位置は、例えばパルス数として出力される。
【0053】
レンズ制御部26は、例えば制御プログラムを記憶するROMまたは状態情報に関するデータを記憶するフラッシュメモリ等のメモリが内蔵されたマイクロコンピュータからなっている。
【0054】
また、レンズ制御部26は、コネクタEcを介してカメラボディ10の全体制御部62との間で通信を行う通信機能を有している。これにより、例えばレンズ群21の焦点距離、絞り値、合焦距離または周辺光量状態等の状態情報データ、およびレンズ位置検出部25で検出されるフォーカスレンズ211の位置情報を全体制御部62に送信できるとともに、全体制御部62から例えばフォーカスレンズ211の駆動量のデータを受信できる。
【0055】
絞り駆動機構27は、カプラ75を介して絞り駆動アクチュエータ76Mからの駆動力を受けて、絞り23の絞り径を変更するものである。
【0056】
続いて、カメラボディ10の電気的構成について説明する。カメラボディ10は、上述の撮像素子101、シャッターユニット40等の他に、AFE(アナログフロントエンド)5、画像処理部61、画像メモリ614、全体制御部62、フラッシュ回路63、操作部64、VRAM65、カードI/F66、メモリカード67、通信用I/F68、電源回路69、電池69B、ミラー駆動制御部72A、シャッター駆動制御部73A、および絞り駆動制御部76Aを備えている。
【0057】
撮像素子101は、先に説明した通りCMOSカラーエリアセンサからなり、後述のタイミング制御回路51により、当該撮像素子101の露光動作の開始(および終了)、撮像素子101が備える各画素の出力選択、および画素信号の読出し等の撮像動作が制御される。
【0058】
AFE5は、撮像素子101に対して所定の動作を行わせるタイミングパルスを与えるとともに、撮像素子101から出力される画像信号に所定の信号処理を施し、デジタル信号に変換して画像処理部61に出力する機能を有している。このAFE5は、タイミング制御回路51、信号処理部52およびA/D変換部53などを備えて構成されている。
【0059】
タイミング制御回路51は、全体制御部62から出力される基準クロックに基づいて所定のタイミングパルス(垂直走査パルスφVn、水平走査パルスφVm、リセット信号φVr等を発生させるパルス)を生成して撮像素子101に出力し、撮像素子101の撮像動作を制御する。また、所定のタイミングパルスを信号処理部52およびA/D変換部53にそれぞれ出力することにより、信号処理部52およびA/D変換部53の動作を制御する。
【0060】
信号処理部52は、撮像素子101から出力されるアナログの画像信号に所定のアナログ信号処理を施すものである。この信号処理部52には、CDS(相関二重サンプリング)回路、AGC(オートゲインコントロール)回路およびクランプ回路等が備えられている。A/D変換部53は、信号処理部52から出力されたアナログのR、G、Bの画像信号を、タイミング制御回路51から出力されるタイミングパルスに基づいて、複数のビット(例えば12ビット)からなるデジタルの画像信号に変換するものである。
【0061】
画像処理部61は、AFE5から出力される画像データに所定の信号処理を行って画像ファイルを作成するもので、黒レベル補正回路611、ホワイトバランス制御回路612およびガンマ補正回路613等を備えて構成されている。なお、画像処理部61へ取り込まれた画像データは、撮像素子101の読み出しに同期して画像メモリ614に一旦書き込まれ、以後この画像メモリ614に書き込まれた画像データにアクセスして、画像処理部61の各ブロックにおいて処理が行われる。
【0062】
黒レベル補正回路611は、A/D変換部53によりA/D変換されたR、G、Bの各デジタル画像信号の黒レベルを、基準の黒レベルに補正するものである。
【0063】
ホワイトバランス制御回路612は、光源に応じた白の基準に基づいて、R(赤)、G(緑)、B(青)各色成分のデジタル信号のレベル変換(ホワイトバランス(WB)調整)を行う。具体的には、ホワイトバランス制御回路612は、全体制御部62から与えられるWB調整データに基づき、輝度または彩度データ等から撮影被写体において本来白色であると推定される部分を特定し、その部分のR、G、Bそれぞれの色成分の平均と、G/R比およびG/B比とを求め、これをR、Bの補正ゲインとしてレベル補正する。
【0064】
ガンマ補正回路613は、WB調整された画像データの階調特性を補正するものである。具体的には、ガンマ補正回路613は、予め設定されたガンマ補正用テーブルを用いて、画像データのレベルを色成分毎に非線形変換するとともにオフセット調整を行う。
【0065】
画像メモリ614は、撮影モード時には、画像処理部61から出力される画像データを一時的に記憶するとともに、この画像データに対し全体制御部62により所定の処理を行うための作業領域として用いられるメモリである。また、再生モード時には、メモリカード67から読み出した画像データを一時的に記憶する。
【0066】
全体制御部62は、マイクロコンピュータとして構成され、主にCPU、RAM621、およびROM622等を備える。全体制御部62は、ROM622内に格納されるプログラムを読み出し、当該プログラムをCPUで実行することによって、撮像装置1Aの各種機能を実現する。
【0067】
例えば、全体制御部62は、AFモジュール107によって取得される位相差検出信号に基づいて、合焦時のフォーカスレンズの位置(合焦レンズ位置)を特定する合焦レンズ位置特定動作を行う。
【0068】
フラッシュ回路63は、フラッシュ撮影モードにおいて、フラッシュ部318または接続端子部319に接続される外部フラッシュの発光量を、全体制御部62により設定された発光量に制御するものである。
【0069】
操作部64は、上述のモード設定ダイアル305、制御値設定ダイアル306、シャッターボタン307、設定ボタン群312、方向選択キー314、プッシュボタン315、およびメインスイッチ317等を含み、操作情報を全体制御部62に入力するためのものである。
【0070】
VRAM65は、LCD311の画素数に対応した画像信号の記憶容量を有し、全体制御部62とLCD311との間のバッファメモリである。カードI/F66は、メモリカード67と全体制御部62との間で信号の送受信を可能とするためのインターフェースである。メモリカード67は、全体制御部62で生成された画像データを保存する記録媒体である。通信用I/F68は、パーソナルコンピュータまたはその他の外部機器に対する画像データ等の伝送を可能とするためのインターフェースである。
【0071】
電源回路69は、例えば定電圧回路等からなり、全体制御部62等の制御部、撮像素子101、その他の各種駆動部等、撮像装置1A全体を駆動させるための電圧を生成する。なお、撮像素子101への通電制御は、全体制御部62から電源回路69に与えられる制御信号により行われる。電池69Bは、アルカリ乾電池等の一次電池、またはニッケル水素充電池等の二次電池からなり、撮像装置1A全体に電力を供給する電源である。
【0072】
ミラー駆動制御部72Aは、ファインダモードの切り替え或いは撮影動作のタイミングに合わせて、ミラー駆動アクチュエータ72Mを駆動させる駆動信号を生成するものである。ミラー駆動アクチュエータ72Mは、ミラー機構8(クイックリターンミラー)を、水平姿勢若しくは傾斜姿勢に回動させるアクチュエータである。
【0073】
シャッター駆動制御部73Aは、全体制御部62から与えられる制御信号に基づき、シャッター駆動アクチュエータ73Mに対する駆動制御信号を生成するものである。シャッター駆動アクチュエータ73Mは、シャッターユニット40の開閉駆動を行うアクチュエータである。
【0074】
絞り駆動制御部76Aは、全体制御部62から与えられる制御信号に基づき、絞り駆動アクチュエータ76Mに対する駆動制御信号を生成するものである。絞り駆動アクチュエータ76Mは、カプラ75を介して絞り駆動機構27に駆動力を与える。
【0075】
<ファインダ光学系について>
次に、撮像装置1Aに搭載されたファインダ光学系102Aについて詳述する。図6は、ファインダ光学系102Aの拡大図である。図7は、図6のVII−VII断面で切断した断面図である。
【0076】
図6に示されるように、ファインダ光学系102Aは、光路変更部90Aと、接眼レンズ96とを備えている。
【0077】
接眼レンズ96は、光路変更部90Aから出射された被写体像をファインダ窓316の外側に導く。
【0078】
光路変更部90Aは、光路変更部90Aに入射した被写体光の進行方向を変えて出射する光路変更機能を有し、偏光ビームスプリッタ92と、ダハプリズム95と、1/4波長板94とを備えている。
【0079】
偏光ビームスプリッタ92は、広帯域偏光膜93を有した立方体型のプリズムであり、入射した光をその偏光成分に応じて分離する機能を有している。詳細には、偏光ビームスプリッタ92は、広帯域偏光膜93において、入射光のうちP偏光成分の光(P偏光)を透過させ、入射光のうちS偏光成分の光(S偏光)を反射させる。
【0080】
ダハプリズム95は、屋根(ダハ)型の反射面(「ダハ面」または「ダハ反射面」とも称する)95D(図7参照)を有するプリズムである。ダハプリズム95は、ダハ面95Dにおいて被写体光を2回反射(図7参照)させることによって被写体像の姿勢を反転させる機能を有している。
【0081】
1/4波長板(単に「波長板」とも称する)94は、1/4波長板94を通過する光に1/4波長(π/2)の位相差(波長板の射出面において速いほうの成分に比べて遅いほうの成分が遅延する)を与えることによって、光の偏光成分を変換する偏光成分変換機能を有している。例えば、波長板94にS偏光成分の光が入射すると、当該波長板94は、入射したS偏光を右回り(または左回り)の円偏光成分の光(円偏光)に変換する。また、波長板94に右回り(または左回り)の円偏光が入射すると、当該波長板94は、入射した右回り(または左回り)の円偏光をP偏光に変換する。
【0082】
上記各部材を有する光路変更部90Aは、図3に示されるように、ファインダ光学系102A内における被写体光の光路(「ファインダ光路」とも称する)PAを変更する。具体的には、光路変更部90Aは、入射光路PA1を通って入射した被写体光の進行方向を変えて、当該被写体光を出射光路PA3を通って出射させる光路変更機能を有し、ここでは、入射光路PA1と出射光路PA3との交差角度が直角(90°)になるように光路変更される。
【0083】
以下では、このような光路変更機能を有する光路変更部90Aの具体的構成について説明する。
【0084】
光路変更部90Aにおいては、主ミラー81で反射された被写体光の入射光路PA1上に偏光ビームスプリッタ92が配置される。具体的には、偏光ビームスプリッタ92は、偏光ビームスプリッタ92への入射光と、広帯域偏光膜93での反射光(ここでは、S偏光)との角度が90°になるように配置される。換言すれば、偏光ビームスプリッタ92は、入射光の広帯域偏光膜93への入射角が45°となるように配置される。これにより、入射光路PA1と広帯域偏光膜93での反射光の光路(「反射光路」とも称する)PA2とが垂直になる。
【0085】
また、偏光ビームスプリッタ92は、広帯域偏光膜93を含む面と、ミラーダウン状態の主ミラー81を含む面との平面角が直角になるように配置される。広帯域偏光膜93と主ミラー81とが、このような位置関係で配置されることにより、主ミラー81および広帯域偏光膜93は、被写体像の上下を反転させることが可能になる。
【0086】
また、光路変更部90Aにおいては、ダハプリズム95のダハ面95Dが反射光の進路(反射光の進行先)に配置される。具体的には、ダハ面95Dは、反射光路PA2上において水平面との平面角が直角となるように配置される。これにより、ダハ面95Dは、ダハ面95Dに到達する被写体光の光路(反射光路)PA2と、ダハ面95Dにおいて反射された被写体光の光路(出射光路)PA3との間にY方向の変位を生じさせることなく、被写体光を反射することが可能になる。すなわち、広帯域偏光膜93で反射された被写体光は、ダハ面95Dによって2回反射され、出射光路PA3上を−Z方向に進行することになる。
【0087】
また、波長板94は、ファインダ光路PA上において偏光ビームスプリッタ92とダハプリズム95との間に配置される。
【0088】
このような構成を有する光路変更部90Aでは、被写体光の進行方向を90°曲げて接眼レンズ96へと出射することが可能になるとともに、被写体像を倒立像から正立像に変えて出射することが可能になる。
【0089】
ここで、ファインダ光学系102Aに入射した被写体光HL1の振る舞いについて詳述する。
【0090】
具体的には、図6に示されるように、主ミラー81によって反射された被写体光HL1が、ファインダ光学系102Aに入射する場合を想定する。
【0091】
この場合、自然光(無偏光)である被写体光HL1は、まず、偏光ビームスプリッタ92内の広帯域偏光膜93において、S偏光とP偏光とに分離される。そして、被写体光HL1のうちP偏光成分の被写体光HL1は、広帯域偏光膜93を透過し、被写体光HL1のうちS偏光成分の被写体光HL1は、広帯域偏光膜93で反射される。
【0092】
反射されたS偏光成分の被写体光HL1は、その後、観察用光束として利用される。具体的には、被写体光HL1は、+Z方向(詳細には、出射光路PA3を含む直線上を出射光の進行方向とは反対の方向)に進み波長板94に到達する。S偏光成分の被写体光HL1は、波長板94においてS偏光から円偏光に変換され、ダハプリズム95に入射する。
【0093】
円偏光成分の被写体光HL1は、ダハプリズム95のダハ面95Dで反射されて、その進行方向が変えられる。具体的には、図7に示されるように、ダハプリズム95に入射した被写体光HL1は、ダハ面95Dに到達し、当該ダハ面95Dにおいて2回反射される。このダハ面95Dにおける反射によって、円偏光成分の被写体光HL1は、+Z方向から−Z方向へと進行方向を変え、再び波長板94へと到達する。なお、ダハ面95Dにおける反射によって、被写体像の左右は反転されることになる。
【0094】
円偏光成分の被写体光HL1は、波長板94において円偏光からP偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ92に入射する。そして、P偏光成分の被写体光HL1は、広帯域偏光膜93を通過し、光路変更部90Aから出射される。
【0095】
光路変更部90Aから出射されたP偏光の被写体光HL1は、接眼レンズ96によってファインダ窓316の外側に導かれ、ユーザに視認可能となる。
【0096】
以上のような構成により、ファインダ光学系102Aは、本撮影前の撮影待機時において被写界を確認するための光学ファインダとして機能する。
【0097】
<比較例との対比>
ここで、本実施形態における撮像装置1Aと下記の比較例における撮像装置1Fとを対比する。図8は、比較例に係る撮像装置1Fの縦断面図である。図9は、光路変更部90Aとペンタダハプリズム99とを重ねて表した縦断面図である。なお、図9では、本実施形態におけるファインダ光路PAを点線で表し、比較例におけるファインダ光路PBを一点鎖線で表している。また、図9中のファインダ光路PA,PBが重なる部分については光路をずらして表示している。
【0098】
図8に示されるように、撮像装置1Fは、ファインダ光学系102Fとしてペンタダハプリズム99と接眼レンズ96とを有している。本実施形態に係る撮像装置1Aとの相違点は、撮像装置1Fでは、光路変更部90Aの代わりにペンタダハプリズム99が採用されている点である。
【0099】
撮像装置1Fでは、ファインダ光学系102Fに入射した被写体光は、ペンタダハプリズム99のダハ側面99Dおよび一側面99Mにおいてこの順序で反射され、接眼レンズ96へと導かれる。
【0100】
本実施形態のファインダ光路PAと比較例のファインダ光路PBとを比較すると、図9に示されるように、本実施形態のファインダ光路PAよりも比較例のファインダ光路PBの方がおよそ直線光路PB1分長くなる。
【0101】
これは、本実施形態の撮像装置1Aでは、入射光路PA1と出射光路PA3とが交差する位置(「交差位置」または「交差地点」とも称する)KPに反射面を配置することができるからである。
【0102】
具体的には、図10および図11等を参照して説明する。図10は、主ミラー81と平行な状態で交差位置KPに反射部材93Rを配置した図である。図11は、本実施形態に係る配置関係で反射部材93Rを配置した図である。
【0103】
ファインダ光学系102Aにおいては、被写体光の進行方向が90°曲げられてファインダ窓316へ導かれるが、例えば、図10に示されるように、反射部材93Rを主ミラー81と平行な状態で交差位置KPに配置する場合を想定する。この場合、被写体光は、反射部材における1回の反射によって90°曲げられてファインダ窓316に導かれるが、ファインダ窓316からは、被写体の上下左右のいずれもが反転した倒立像が視認されることになる。
【0104】
そこで、撮像装置1A,1Fのファインダ光学系102A,102Fでは、ユーザに正立像を視認させるため、倒立像を正立像に直す(戻す)像入替反射(「像反転反射」とも称する)が行われる。
【0105】
例えば、比較例に係る撮像装置1F(図8参照)においては、入射した被写体光を交差位置KPにおいて反射することなく一旦通過させ、ダハ側面99Dにおいて像入替反射を行っている。そして、その後、一側面99Mにおける反射(「光路変更反射」とも称する)によって進行方向を変更し、被写体光を出射光路PB3に沿った光にして交差位置KPに戻している。
【0106】
すなわち、撮像装置1Fでは、交差位置KPを起点にして被写体光を迂回させて像入替反射が行われている。この被写体光の迂回は、上記一連の反射(詳細には、像入替反射および光路変更反射)を行う反射面を、ペンタダハプリズムから出射される被写体光の進路に影響を及ぼさない位置に配置した構成により生じるものである。
【0107】
このように、比較例に係る撮像装置1Fでは、一連の反射が被写体光を迂回させて行われるので、ファインダ光路PBは長くなるとともに、ペンタダハプリズムは大きくなり、ひいてはファインダ光学系の空間が大きくなる。
【0108】
これに対して、本実施形態に係る撮像装置1Aの光路変更部90Aでは、図11に示されるように、反射部材93R(ここでは、広帯域偏光膜93)が主ミラー81とダハ型を形成するように交差位置KPに配置される。これにより、光路変更部90Aでは、主ミラー81によって被写体光がダハ面95Dに向けて一旦反射される構成になっている。このような構成を有する光路変更部90Aでは、反射部材93Rおよびダハ面95Dにおいて像入替反射が行われる。また、ダハ面95Dは、到達した被写体光を反射部材93Rに向けて反射するように(ここでは、当該ダハ面95Dにおける反射によって、到達した被写体光の進行方向を反転させるように)配置されているため、ダハ面95Dで反射された被写体光は、他の光路を経ることなくそのまま反射部材93Rに戻ることになる。すなわち、撮像装置1Aの光路変更部90Aにおいては、交差位置KPを起点にして被写体光を迂回させることなく像入替反射を行い、被写体光を交差位置KPに戻している。
【0109】
そして、本実施形態では、反射部材93Rとして、光の偏光成分に応じて透過機能または反射機能を択一的に奏する広帯域偏光膜93を採用することによって、像入替反射を経た被写体光を反射部材93Rにおいて反射させることなく透過させることが可能になる。具体的には、像入替反射のための光路途中に波長板94を配置し、被写体光の偏光成分を透過機能を奏させる偏光成分に変換することによって、像入替反射を経た被写体光は、反射部材93Rを透過して光路変更部90Aから出射される。
【0110】
このように、本実施形態の光路変更部90Aでは、出射光路PA3上(詳細には交差位置KP)に反射部材93Rを配置することができるので、交差位置KPから像入替反射を行う反射面(「入替反射面」とも称する)を経て再び交差位置KPに至るまでの経路を、実質的に一直線にすることができる。すなわち、像入替反射のための光路の長さを最短にすることができる。このようなファインダ光路PAの短縮化によれば、接眼レンズ96の負担を軽減することができる。
【0111】
詳細には、撮像装置1Aから被写体までの距離(撮影距離)が長くなるとレンズによって形成される像の大きさが小さくなるのと同様に、ファインダ光路PAが長くなると、接眼レンズ96によって形成される像の大きさが小さくなる。一方、上述のようにファインダ光路PAが短縮されると、ファインダ窓316から視認される被写体像の大きさが大きくなる。このように光路短縮によって被写体像が大きくなると、屈折率の低い接眼レンズ96でも比較的大きな被写体像を視認することが可能になるので、接眼レンズ96の負担を小さくすることができ、レンズ設計が容易になる。
【0112】
また、本実施形態に係る光路変更部90Aでは、出射光路PA3上(詳細には交差位置KP)に反射部材93Rを配置して、被写体光の光路変更反射および像入替反射を行うことができるので、プリズムを小さくすることができるとともに、ファインダ光学系102Aの空間を縮小することができる。すなわち、撮像装置1Aの軽量化および小型化を実現することができる。
【0113】
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態に係る撮像装置1Aでは、ファインダ光学系102Aに入射した被写体光のうち、S偏光成分の光を観察用光束として利用していたが、第2実施形態に係る撮像装置1Bでは、P偏光成分の光を観察用光束として利用する。
【0114】
なお、第2実施形態に係る撮像装置1Bは、ファインダ光学系102Bの構成を除いては、第1実施形態に係る撮像装置1Aとほぼ同様の構成および機能(図1〜図5参照)を有しており、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0115】
以下では、撮像装置1Bのファインダ光学系102Bについて説明する。図12は、ファインダ光学系102Bの拡大図である。
【0116】
上述のように、撮像装置1Bのファインダ光学系102Bでは、ファインダ光学系102Bに入射した被写体光のうちP偏光成分の光が観察用光束として利用される。具体的には、図12に示すように、ファインダ光学系102Bでは、1/4波長板94とダハプリズム95とが、被写体光の入射側からみて広帯域偏光膜93の向こう側に(広帯域偏光膜93を介した反対側に)この順序で配置されている。このような構成により、入射光のうち広帯域偏光膜93を透過したP偏光成分の光を観察用光束とすることができる。
【0117】
ここで、被写体光HL2がファインダ光学系102Bに入射する場合を想定して、ファインダ光学系102B内の被写体光HL2の振る舞いについて詳述する。
【0118】
具体的には、図12に示されるように、自然光(無偏光)である被写体光HL2は、まず、偏光ビームスプリッタ92内の広帯域偏光膜93において、S偏光とP偏光とに分離される。そして、被写体光HL2のうちP偏光成分の被写体光HL2は、透過光として広帯域偏光膜93を透過し、一方、被写体光HL2のうちS偏光成分の被写体光HL2は、広帯域偏光膜93で反射される。
【0119】
透過されたP偏光成分の被写体光HL2は、観察用光束として利用される。具体的には、被写体光HL2は、+Y方向に進み波長板94に到達する。P偏光成分の被写体光HL2は、波長板94においてP偏光から円偏光に変換され、ダハプリズム95に入射する。
【0120】
円偏光成分の被写体光HL2は、ダハプリズム95のダハ面95D(図12では不図示)で反射されて、その進行方向を反転させる。また、ダハ面95Dでの反射によって、被写体像の左右が入れ替えられる。このダハ面95Dの反射によって、+Y方向から−Y方向へと進行方向を変えた被写体光HL2は、再び波長板94へと到達する。
【0121】
そして、円偏光成分の被写体光HL2は、波長板94において円偏光からS偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ92に入射する。その後、S偏光成分の被写体光HL2は、広帯域偏光膜93において反射される。当該反射によって、S偏光成分の被写体光HL2は、その進行方向が90°曲げられて、光路変更部90Bから出射される。
【0122】
光路変更部90Bから出射されたS偏光成分の被写体光HL2は、接眼レンズ96によってファインダ窓316の外側に導かれ、ユーザに視認可能となる。
【0123】
以上のように、第2実施形態に係る撮像装置1Bのファインダ光学系102Bでは、波長板94およびダハプリズム95が偏光ビームスプリッタ92の上部に配置されているので、ファインダ光学系102Aに入射した被写体光のうちP偏光成分の光が観察用光束として利用される。
【0124】
<3.第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る撮像装置1Cは、ファインダ光学系102Cにおいて、スーパーインポーズ表示ユニット97を備えている。
【0125】
なお、第3実施形態に係る撮像装置1Cは、スーパーインポーズ表示ユニット97を備える点以外は、第1実施形態に係る撮像装置1Aとほぼ同様の構成および機能(図1〜図5参照)を有しており、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0126】
以下では、撮像装置1Cのファインダ光学系102Cについて説明する。図13は、ファインダ光学系102Cの拡大図である。
【0127】
上述のように、撮像装置1Cのファインダ光学系102Cは、スーパーインポーズ表示ユニット97をさらに備えている。
【0128】
スーパーインポーズ表示ユニット97は、スーパーインポーズ表示素子971、表示反射ミラー972および倍率調整レンズ973を備え、ファインダ窓316から視認される被写体像に、付加情報(例えば、AFエリア)を表示させる機能を有している。なお、付加情報の詳細については、後述する。
【0129】
具体的には、スーパーインポーズ表示素子971は、液晶表示素子によって構成され、当該液晶表示素子には、被写体像に付加させる付加情報が表示される。また、スーパーインポーズ表示素子971からの出力光(「表示光」とも称する)は、S偏光成分の光に整えられる。具体的には、液晶表示素子からの表示光は元々直線偏光であるが、当該直線偏光がP偏光であった場合は、1/2波長板を用いることによってS偏光に変換される。また、表示光がS偏光であった場合は、当該表示光がそのまま用いられる。
【0130】
スーパーインポーズ表示素子971からのS偏光成分の表示光は、表示反射ミラー972を経て倍率調整レンズ973に到達する。
【0131】
倍率調整レンズ973では、ファインダ光路PAとの光路差が補正される。具体的には、倍率調整レンズ973は、焦点板91から広帯域偏光膜93およびダハプリズム95を経て再び広帯域偏光膜93に到達するまでの被写体光の光路と、スーパーインポーズ表示素子971から表示反射ミラー972を経て広帯域偏光膜93に到達するまでの表示光の光路との差を補正する機能を有している。このような倍率調整レンズ973を用いることによれば、上記2つの光路の長さを見かけ上等しくすることができるので、被写体像の焦点位置と付加情報に関する像の焦点位置とを合わせることが可能になる。すなわち、倍率調整レンズ973によって付加情報を被写体像に違和感なく重畳させた自然な像を形成することが可能になる。
【0132】
倍率調整レンズ973を通過したS偏光成分の表示光は、偏光ビームスプリッタ92に入射し、広帯域偏光膜93において反射される。当該反射によって、S偏光成分の表示光は、その進行方向が90°曲げられて、光路変更部90Aから出射される。
【0133】
光路変更部90Aから出射されたS偏光成分の表示光は、接眼レンズ96によってファインダ窓316の外側に導かれ、ユーザに視認可能となる。
【0134】
このように、第3実施形態に係る撮像装置1Cは、ファインダ光学系102Cにおいて、スーパーインポーズ表示ユニット97を備えているので、ユーザは、被写体像に付加情報が重畳された像を光学ファインダ視野内において視認することが可能になる。
【0135】
なお、ファインダ光学系102Cにおけるダハプリズム95の上部には、被写体像の光量を測定する測光素子KKが配置されている。当該測光素子KKからの測光情報は、露出(AE)制御値の設定に用いられる。
【0136】
ここで、付加情報について詳述する。図14は、付加情報として表示されるAFエリアを示す図である。図15は、付加情報として表示される方眼構図指標を示す図であり、図16は、付加情報として表示される目盛構図指標を示す図である。図17は、被写体像と付加情報として表示される画像との合成像を示す図である。
【0137】
撮像装置1Cでは、付加情報として、例えば、AFエリアを光学ファインダ視野内の被写体像に重畳表示させることができる。具体的には、図14に示されるように、光学ファインダ視野HU内において、スポットAFエリアSAおよび/またはローカルAFエリアRAを表示させることができる。これによれば、フレーミングの際にAFエリアを主被写体に合わせることができるので、ピントのあった撮影画像を取得することが可能になる。
【0138】
また、撮像装置1Cでは、付加情報として、例えば、図14に示されるように、測光素子KKの測光対象領域となるスポット測光サークルSKを表示させることができる。これによれば、スポット測光サークルSKを意識したフレーミングを行うことが可能になる。
【0139】
また、撮像装置1Cでは、付加情報として、例えば、図14に示される縦横比16:9時の上下枠UDを表示させることができる。これによれば、上下枠UDを意識したフレーミングを行うことが可能になる。
【0140】
また、撮像装置1Cでは、付加情報として、例えば、図15に示される方眼構図指標または図16に示される目盛構図指標を表示させることができる。方眼構図指標または目盛構図指標のうちいずれかを表示させることによれば、構図決めがより容易になる。
【0141】
また、撮像装置1Cでは、付加情報として、例えば、シャッタースピードまたは絞り値等の撮影情報を表示させることができる。これによれば、ファインダ窓316から目を離すことなく、撮影情報を確認することが可能になる。
【0142】
なお、上記付加情報を表示させるスーパーインポーズ表示素子971は、液晶表示素子であるから、付加情報が見にくい場合は、付加情報の表示色を自由に変更することが可能である。
【0143】
また、撮像装置1Cでは、付加情報として、メモリカード67に記録された撮影画像PGをスーパーインポーズ表示素子971に表示させることによって、光学ファインダ視野内で被写体像BIと撮影画像PGとを重ね合わせて表示させることができる。例えば、図17に示されるように、撮影画像PGをスーパーインポーズ表示素子971に表示させると、光学ファインダ視野HU内においては、被写体像BIと撮影画像PGとの合成像MGを表示させることができる。
【0144】
これによれば、過去に撮影した画像と同じフレーミングで撮影することが容易になるとともに、多重露出撮影を比較的容易に行うことが可能になる。
【0145】
なお、ユーザは、例えば、設定ボタン群312に含まれる表示切替ボタンを用いたボタン操作によって、上記付加情報を自由に切り替えることが可能である。
【0146】
<4.変形例>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0147】
例えば、上記各実施形態の光路変更部90A,90Bでは、入射光路と出射光路との交差角度が90°となるように内部で被写体光の光路が変更されていたが、これに限定されない。
【0148】
具体的には、入射光路PA1と出射光路PA3との交差角度は、90°からずれていてもよい。図18は、変形例に係るファインダ光学系102Dを示す図であり、図19は、変形例に係るファインダ光学系102Eを示す図である。
【0149】
より詳細には、図18に示されるように、入射光の広帯域偏光膜93への入射角が45°未満となるように偏光ビームスプリッタ92を配置してもよい。また、図19に示されるように、入射光の広帯域偏光膜93への入射角が45°を超えるように偏光ビームスプリッタ92を配置してもよい。このように広帯域偏光膜93の配置角度を変更することによって、入射光路PA1と出射光路PA3との交差角度を90°からずらすことが可能になる。
【0150】
また、上記各実施形態では、ダハ面95Dにおいて、ダハ面95Dに入射する被写体光の進行方向を反転させる反射を行っていたが、これに限定されない。
【0151】
具体的には、ダハ面95Dでの反射された被写体光の進行方向は、ダハ面95Dへ入射された被写体光の進行方向に対して、略反対であればよく、略反対方向に進む被写体光であっても、当該被写体光は、偏光ビームスプリッタ92に向かう光と表現される。
【0152】
また、上記各実施形態では、ファインダ光学系102A,102B,102Cを撮像装置1A,1B,1Cに適用した例を示したが、当該ファインダ光学系102A,102B,102Cは、双眼鏡または投影機等の他の光学機器(光学装置)にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】第1実施形態に係る撮像装置の正面外観図である。
【図2】撮像装置の背面外観図である。
【図3】撮像装置の縦断面図である。
【図4】撮像装置の縦断面図である。
【図5】撮像装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図6】ファインダ光学系の拡大図である。
【図7】図6のVII−VII断面で切断した断面図である。
【図8】比較例に係る撮像装置の縦断面図である。
【図9】光路変更部とペンタダハプリズムとを重ねて表した縦断面図である。
【図10】主ミラーと平行な状態で交差位置に反射部材を配置した図である。
【図11】本実施形態に係る配置関係で反射部材を配置した図である。
【図12】第2実施形態に係る撮像装置のファインダ光学系の拡大図である。
【図13】第3実施形態に係る撮像装置のファインダ光学系の拡大図である。
【図14】付加情報として表示されるAFエリアを示す図である。
【図15】付加情報として表示される方眼構図指標を示す図である。
【図16】付加情報として表示される目盛構図指標を示す図である。
【図17】被写体像と付加情報として表示される画像との合成像を示す図である。
【図18】変形例に係るファインダ光学系を示す図である。
【図19】変形例に係るファインダ光学系を示す図である。
【符号の説明】
【0154】
1A,1B,1C,1F 撮像装置
102A,102B,102C,102D,102E,102F ファインダ光学系
90A,90B 光路変更部
92 偏光ビームスプリッタ
93 広帯域偏光膜
93R 反射部材
94 1/4波長板
95 ダハプリズム
95D ダハ反射面
96 接眼レンズ
316 ファインダ窓
97 スーパーインポーズ表示ユニット
971 スーパーインポーズ表示素子
972 表示反射ミラー
973 倍率調整レンズ
99 ペンタダハプリズム
HL1,HL2 被写体光
KP 交差位置
PA,PB ファインダ光路
PA1 入射光路
PA2 反射光路
PA3,PB3 出射光路
PB ファインダ光路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体光が導かれるファインダ光学系を有する撮像装置であって、
前記ファインダ光学系は、第1光路から入射される前記被写体光の進行方向を変えて、前記被写体光を出射光として第2光路から出射する光路変更手段を備え、
前記光路変更手段は、
前記第1光路と前記第2光路との交差位置に配置され、前記第1光路から入射される前記被写体光のうち第1偏光成分の光を透過光として透過させるとともに、前記被写体光のうち第2偏光成分の光を反射光として反射する偏光ビームスプリッタと、
前記反射光の進路に配置され、当該反射光を前記偏光ビームスプリッタに向けて反射する反射手段と、
前記偏光ビームスプリッタと前記反射手段との間に配置され、前記反射光を前記第1偏光成分の光に変換する偏光成分変換手段と、
を有し、
前記第1偏光成分の光に変換された前記反射光は、前記偏光ビームスプリッタを透過して、前記第2光路を通る前記出射光として前記光路変更手段から出射されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記反射手段は、前記被写体光によって形成される被写体像の左右を入れ替えて反射するダハ反射面を有していることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記反射手段は、前記反射光の進行方向を反転させることを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像装置において、
前記ファインダ光学系は、
前記被写体像に付加情報を重畳表示させる表示素子を、
さらに備えていることを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の撮像装置において、
前記表示素子は、液晶表示素子であり、
前記液晶表示素子は、前記付加情報として撮影情報を表示させることを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項5に記載の撮像装置において、
前記液晶表示素子は、前記付加情報として撮影画像を表示させることを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
被写体光が導かれるファインダ光学系を有する撮像装置であって、
前記ファインダ光学系は、第1光路から入射される前記被写体光の進行方向を変えて、前記被写体光を出射光として第2光路から出射する光路変更手段を備え、
前記光路変更手段は、
前記第1光路と前記第2光路との交差位置に配置され、前記第1光路から入射される前記被写体光のうち第1偏光成分の光を透過光として透過させるとともに、前記被写体光のうち第2偏光成分の光を反射光として反射する偏光ビームスプリッタと、
前記透過光の進路に配置され、当該透過光を前記偏光ビームスプリッタに向けて反射する反射手段と、
前記偏光ビームスプリッタと前記反射手段との間に配置され、前記透過光を前記第2偏光成分の光に変換する偏光成分変換手段と、
を有し、
前記第2偏光成分の光に変換された前記透過光は、前記偏光ビームスプリッタにおいて反射され、前記第2光路を通る前記出射光として前記光路変更手段から出射されることを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
所定光が導かれるファインダ光学系を有する光学機器であって、
前記ファインダ光学系は、第1光路から入射される前記所定光の進行方向を変えて、前記所定光を出射光として第2光路から出射する光路変更手段を備え、
前記光路変更手段は、
前記第1光路と前記第2光路との交差位置に配置され、前記第1光路から入射される前記所定光のうち第1偏光成分の光を透過光として透過させるとともに、前記所定光のうち第2偏光成分の光を反射光として反射する偏光ビームスプリッタと、
前記反射光の進路に配置され、当該反射光を前記偏光ビームスプリッタに向けて反射する反射手段と、
前記偏光ビームスプリッタと前記反射手段との間に配置され、前記反射光を前記第1偏光成分の光に変換する偏光成分変換手段と、
を有し、
前記第1偏光成分の光に変換された前記反射光は、前記偏光ビームスプリッタを透過して、前記第2光路を通る前記出射光として前記光路変更手段から出射されることを特徴とする光学機器。
【請求項9】
所定光が導かれるファインダ光学系を有する光学機器であって、
前記ファインダ光学系は、第1光路から入射される前記所定光の進行方向を変えて、前記所定光を出射光として第2光路から出射する光路変更手段を備え、
前記光路変更手段は、
前記第1光路と前記第2光路との交差位置に配置され、前記第1光路から入射される前記所定光のうち第1偏光成分の光を透過光として透過させるとともに、前記所定光のうち第2偏光成分の光を反射光として反射する偏光ビームスプリッタと、
前記透過光の進路に配置され、当該透過光の進行方向を反転させて前記透過光を反射する反射手段と、
前記偏光ビームスプリッタと前記反射手段との間に配置され、前記透過光を前記第2偏光成分の光に変換する偏光成分変換手段と、
を有し、
前記第2偏光成分の光に変換された前記透過光は、前記偏光ビームスプリッタにおいて反射され、前記第2光路を通る前記出射光として前記光路変更手段から出射されることを特徴とする光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−204965(P2009−204965A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48182(P2008−48182)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】