説明

撮像装置および撮像装置の制御方法

【課題】ぼかし画像の品質を向上可能な撮像装置および撮像装置の制御方法を提供する。
【解決手段】絞り23を有する交換レンズ2と、画像信号を出力する撮像素子101と、画像信号に対応する撮影画像に電子的なぼかしを付加する電子ぼかし回路78と、撮影条件に基づき撮影画像に光学的なぼかしを付加できるかを判定し、光学的なぼかしを付加できるときに、絞りを制御して光学的なぼかしを付加し、光学的なぼかしを付加できないときに、電子ぼかし回路を制御して電子的なぼかしを付加するメイン制御部62とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置および撮像装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影画像を処理することで撮影画像に電子的なぼかし、いわゆる電子ぼかしを付加する撮像装置が知られている。このような撮像装置では、オートフォーカス(AF)動作時に検出領域毎の合焦位置を検出して距離データを求め、距離データに基づき撮影領域を分割し、分割された領域毎に電子ぼかしが段階的に付加される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−124280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電子ぼかしを付加した画像(ぼかし画像)は、分割された領域同士の境界が目立ってしまい、不自然な画像となることがあった。ぼかし画像の品質向上には、画像処理性能の高度化と高速化が要求されていた。
【0005】
本発明は、ぼかし画像の品質を向上可能な撮像装置および撮像装置の制御方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある観点によれば、絞りを有する撮像光学系と、画像信号を出力する撮像素子と、画像信号に対応する撮影画像に電子的なぼかしを付加する電子ぼかし処理部と、撮影条件に基づき撮影画像に光学的なぼかしを付加できるかを判定し、光学的なぼかしを付加できるときに、絞りを制御して光学的なぼかしを付加し、光学的なぼかしを付加できないときに、電子ぼかし処理部を制御して電子的なぼかしを付加する制御部とを備える撮像装置が提供される。
【0007】
制御部は、光学的なぼかしを付加できないときに、絞りを制御して撮像光学系の対応可能な範囲で光学的なぼかしを付加し、電子ぼかし処理部を制御して残りの範囲で電子的なぼかしを付加してもよい。
【0008】
制御部は、ぼかしを付加する領域の被写体までの距離に相当するぼかし距離と、合焦した被写体までの距離に相当する合焦距離と、撮影条件に基づく被写界深度とからぼかし判定値を算出し、被写界深度とぼかし基準値とからぼかし閾値を算出し、ぼかし判定値がぼかし閾値を満たすときに、光学的なぼかしを付加できると判定してもよい。
【0009】
制御部は、動画撮影モードまたは連続撮影モードにおいて、撮影画像に光学的なぼかしを付加できないと判定してもよい。
【0010】
撮像装置は、撮影画像を表示する表示部と、撮影画像においてぼかしを付加する領域を指定するための操作情報が入力される操作部とをさらに備えてもよい。
【0011】
表示部は、ぼかしを付加された撮影画像を表示し、操作部には、撮影画像に付加されたぼかしの程度を調整するための操作情報が入力され、制御部は、操作情報に基づき、絞りおよび/または電子ぼかし処理部を制御して、撮影画像に付加されたぼかしの程度を調整してもよい。
【0012】
表示部は、撮影画像に付加されたぼかしの程度を光学的なぼかしと電子的なぼかしに区分して表示してもよい。
【0013】
撮像素子は、撮影領域毎の距離情報を算出するための位相差検出信号を画像信号と同時に出力し、撮像装置は、位相差検出信号に基づき撮影領域毎の距離情報を算出する距離情報算出部をさらに備え、制御部は、撮影領域毎の距離情報に基づき、撮影画像にぼかしを付加してもよい。
【0014】
本発明の他の観点によれば、撮影条件に基づき撮影画像に光学的なぼかしを付加できるかを判定し、光学的なぼかしを付加できるときに、絞りの調整により光学的なぼかしを付加し、光学的なぼかしを付加できないときに、画像処理の調整により電子的なぼかしを付加することを含む撮像装置の制御方法が提供される。
【0015】
本発明の他の観点によれば、画像信号と、撮影領域毎の位相差検出信号とを同時に出力する撮像素子と、位相差検出信号に基づき撮影領域毎の距離情報を算出する距離情報算出部と、画像信号に対応する撮影画像に電子的なぼかしを付加する電子ぼかし処理部と、撮影領域毎の距離情報に基づき電子ぼかし処理部を制御して、撮影画像に電子的なぼかしを付加する制御部とを備える撮像装置が提供される。
【0016】
制御部は、動画撮影モードまたは連続撮影モードにおいて、撮影画像に電子的なぼかしを付加してもよい。
【0017】
本発明の他の観点によれば、画像信号と同時に出力される撮影領域毎の位相差検出信号を取得し、位相差検出信号に基づき撮影領域毎の距離情報を算出し、撮影領域毎の距離情報に基づき、画像信号に対応する撮影画像に電子的なぼかしを付加することを含む撮像装置の制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ぼかし画像の品質を向上可能な撮像装置および撮像装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係る撮像装置の前面図である。
【図2】撮像装置の背面図である。
【図3】撮像装置の縦断面図である。
【図4】撮像装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図5】撮像素子の構成を説明するための図である。
【図6】撮像素子の構成を説明するための図である。
【図7】通常画素の構成を説明するための縦断面図である。
【図8】AF画素対の構成を説明するための縦断面図である。
【図9】射出瞳の左側と右側で受光されるデータ系列をデフォーカス量Ddに応じて示す図である。
【図10】一対の像列における重心位置の差とデフォーカス量Ddとの関係を示す図である。
【図11】第1実施形態に係る撮像装置の動作を示すフロー図である。
【図12】ぼかし領域の指定例を示す図である。
【図13】AFエリアEf毎の距離の測定例を示す図である。
【図14】光学ぼかし処理を説明するための図である。
【図15】電子ぼかし処理を説明するための図である。
【図16】光学ぼかしまたは電子ぼかしを付加された画像の例を示す図である。
【図17】第2実施形態に係る撮像装置の動作を示すフロー図である。
【図18】光学ぼかしおよび電子ぼかしを付加された画像の例を示す図である。
【図19】第3実施形態に係る撮像装置の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
[1.撮像装置の要部構成]
図1および図2は、本発明の一実施形態に係る撮像装置1の外観構成を示す図である。ここで、図1および図2は、それぞれ正面図および背面図を示している。
【0022】
撮像装置1は、例えば一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラとして構成されており、カメラボディ10と、カメラボディ10に着脱自在な撮影レンズとしての交換レンズ2とを備えている。
【0023】
図1において、カメラボディ10の正面側には、マウント部301と、レンズ交換ボタン302と、グリップ部303と、モード設定ダイアル305と、制御値設定ダイアル306と、シャッタボタン307とが設けられている。
【0024】
また、図2において、カメラボディ10の背面側には、LCD311(液晶ディスプレイ)311と、設定ボタン群312と、十字キー314と、プッシュボタン315とが備えられている。また、カメラボディ10の背面側には、EVF316(電子ビューファインダ)316と、アイカップ321と、メインスイッチ317と、露出補正ボタン323と、AEロックボタン324と、フラッシュ部318と、接続端子部319とが備えられている。
【0025】
マウント部301には、交換レンズ2との電気的接続を行うためコネクタEc(図4参照)や、機械的接続を行うためのカプラ75(図4参照)が設けられている。レンズ交換ボタン302は、マウント部301に装着された交換レンズ2を取り外す際に押下される。グリップ部303は、撮影時にユーザにより把持される。
【0026】
モード設定ダイアル305及び制御値設定ダイアル306は、カメラボディ10の上面と略平行な面内で回転可能な略円盤状の部材からなる。モード設定ダイアル305は、自動露出(AE)制御モードや自動焦点(AF)制御モード、静止画撮影モード、動画撮影モード、連続撮影モード等の各種撮影モード、画像再生モード等、撮像装置1のモードや機能を択一的に選択するために用いられる。一方、制御値設定ダイアル306は、撮像装置1に搭載された各種の機能に対する制御値を設定するために用いられる。
【0027】
シャッタボタン307は、途中まで押し込んだ「半押し状態」の操作と、さらに押し込んだ「全押し状態」の操作とが可能とされる。静止画撮影モードにおいて、シャッタボタン307が半押しされると、被写体の静止画を撮影するための準備動作(露出制御値の設定や焦点検出等の準備動作)が実行される。そして、シャッタボタン307が全押しされると、撮影動作(撮像素子101(図3参照)を露光し、その露光によって得られた画像信号に所定の画像処理を施してメモリカード等に記録する一連の動作)が実行される。
【0028】
LCD311は、画像表示が可能なカラー液晶パネルを備えており、撮像画像の表示や記録済み画像の再生表示等を行うとともに、撮像装置1に搭載される機能やモードの設定画面を表示する。
【0029】
設定ボタン群312は、撮像装置1の各種機能を操作するために用いられる。設定ボタン群312には、例えばLCD311に表示されるメニュー画面で選択された内容を確定するための選択確定スイッチ、選択取り消しスイッチ、メニュー画面の内容を切り替えるメニュー表示スイッチ、表示オン/オフスイッチ、表示拡大スイッチなどが含まれる。
【0030】
十字キー314は、円周方向に一定間隔で配置された複数の押圧部(図中の三角印の部分)を備える環状の部材を有し、各押圧部に対する押圧操作が検出されるように構成されている。また、プッシュボタン315は、十字キー314の中央に配置されている。十字キー314及びプッシュボタン315は、撮影倍率の変更(ズームレンズ212(図4参照)の移動)、記録済み画像の再生コマ送り、及び撮影条件(絞り値、シャッタスピード、フラッシュ発光の有無等)、ぼかし条件の設定等の指示を入力するために用いられる。
【0031】
EVF316は、液晶パネル310(図3参照)を備えており、撮像素子101(図3参照)によって撮像された画像の表示や記録済みの画像の再生表示等を行う。EVF316やLCD311において、本撮影(画像記録用の撮影)前に撮像素子101で順次に生成される画像信号に基づき動画的態様で被写体を表示するライブビュー(プレビュー)表示が行われる。
【0032】
メインスイッチ317は、左右にスライドする2接点のスライドスイッチからなり、撮像装置1の電源をオン/オフするために用いられる。
【0033】
フラッシュ部318は、ポップアップ式の内蔵フラッシュとして構成されている。一方、外部フラッシュ等をカメラボディ10に取り付ける場合には、接続端子部319を使用して接続する。
【0034】
アイカップ321は、遮光性を有してEVF316への外光の侵入を抑制する「コ」字状の遮光部材である。露出補正ボタン323は、露出値(絞り値やシャッタスピード)を手動で調整するために用いられ、AEロックボタン324は、露出を固定するために用いられる。
【0035】
交換レンズ2は、被写体からの光(光像)を取り込むレンズ窓として機能するとともに、カメラボディ10の内部に配置されている撮像素子101に被写体光を導く撮像光学系として機能する。交換レンズ2は、レンズ交換ボタン302を押下操作することで、カメラボディ10から取り外しが可能となる。
【0036】
交換レンズ2は、光軸LTに沿って配置された複数のレンズからなるレンズ群21を備えている(図4参照)。レンズ群21には、焦点調節用のフォーカスレンズ211(図4参照)と、変倍用のズームレンズ212(図4参照)とが含まれている。焦点調節や変倍は、フォーカスレンズ211やズームレンズ212を光軸LT(図3参照)方向に駆動することで行われる。また、交換レンズ2には、レンズ鏡胴の外周適所に外周面に沿って回転可能な操作環が備えられている。ズームレンズ212は、マニュアル操作またはオート操作により、操作環の回転方向及び回転量に応じて光軸方向に移動し、移動先の位置に応じたズーム倍率(撮影倍率)が設定される。
【0037】
[2.撮像装置の内部構成]
次に、撮像装置1の内部構成について説明する。図3は、撮像装置1の縦断面図である。図3に示すように、カメラボディ10の内部には、撮像素子101、EVF316などが備えられている。
【0038】
撮像素子101は、カメラボディ10に装着された交換レンズ2が備えているレンズ群の光軸LTに対して、垂直となる方向に配置されている。撮像素子101は、例えば複数の画素をマトリクス状に2次元配置したCMOSカラーエリアセンサ(CMOS型の撮像素子101)である。撮像素子101は、交換レンズ2を通じて受光された被写体光束に関するR(赤)、G(緑)、B(青)各色成分のアナログの電気信号(画像信号)を生成し、R、G、B各色の画像信号として出力する。
【0039】
撮像素子101の光軸方向前方には、シャッタユニット40が配置されている。シャッタユニット40は、上下方向に移動する幕体を備え、その開/閉動作により、光軸LTに沿って撮像素子101に導かれる被写体光の光路開口/遮断動作を行うメカニカルフォーカルプレーンシャッタとして構成されている。
【0040】
EVF316は、液晶パネル310と、接眼レンズ106とを備えている。液晶パネル310は、例えばカラー液晶パネルとして構成されており、撮像素子101により撮像された画像を表示する。接眼レンズ106は、液晶パネル310に表示された被写体像をEVF316の外側に導く。
【0041】
[3.撮像装置の電気的構成]
図4は、撮像装置1の電気的な構成を示すブロック図である。ここで、図1〜図3と同一の要素については、同一の符号を付している。
【0042】
まず、交換レンズ2の電気的構成について説明する。交換レンズ2は、撮像光学系を構成するレンズ群21の他に、レンズ駆動機構24と、レンズ位置検出部25と、レンズ制御部26と、絞り駆動機構27とを備えている。
【0043】
レンズ群21では、フォーカスレンズ211及びズームレンズ212と、撮像素子101に対する入射光量を調節するための絞り23とが、光軸LT(図3)方向に保持されている。レンズ群21は、被写体の光像を取り込んで撮像素子101に結像させる。AF制御では、交換レンズ2内のAFアクチュエータ71Mによりフォーカスレンズ211が光軸LT方向に駆動されて焦点調節が行われる。
【0044】
フォーカス駆動制御部71Aは、フォーカスレンズ211を合焦位置に移動させるために、レンズ制御部26からのAF制御信号に基づき、AFアクチュエータ71Mのための駆動制御信号を生成する。AFアクチュエータ71Mは、ステッピングモータ等からなり、レンズ駆動機構24に駆動力を供給する。
【0045】
レンズ駆動機構24は、例えばヘリコイド及びヘリコイドを回転させるためのギア等で構成され、AFアクチュエータ71Mから駆動力を受けて、フォーカスレンズ211等を光軸LTと平行な方向に駆動させる。
【0046】
レンズ位置検出部25は、光軸LT方向に複数個のコードパターンを所定ピッチで形成されたエンコード板と、エンコード板に摺接しながらレンズと一体的に移動するエンコーダブラシとを備えており、レンズ群21の焦点調節時の移動量を検出する。
【0047】
レンズ制御部26は、制御プログラムや制御データを記憶するためのメモリを内蔵したマイクロコンピュータからなる。レンズ制御部26は、コネクタEcを介してメイン制御部62との間で通信する。レンズ制御部26は、例えば、レンズ群21の焦点距離、射出瞳位置、絞り値、合焦距離Df及び周辺光量状態等の状態情報データや、フォーカスレンズ211の位置情報を送信し、例えばフォーカスレンズ211の駆動量の状態情報データを受信する。
【0048】
絞り駆動機構27は、カプラ75を介して絞り駆動アクチュエータ76Mからの駆動力を受けて、絞り23の絞り径を変更する。
【0049】
続いて、カメラボディ10の電気的構成について説明する。カメラボディ10は、撮像素子101、シャッタユニット40等の他に、AFE(アナログフロントエンド)5、画像処理部61、画像メモリ614、メイン制御部62、フラッシュ回路63、操作部64、VRAM65(65a、65b)、カード・インターフェース(I/F)66、メモリカード67を備えている。また、カメラボディ10は、通信用インターフェース(I/F)68、電源回路69、電池69B、シャッタ駆動制御部73A及びシャッタ駆動アクチュエータ73M、絞り駆動制御部76A及び絞り駆動アクチュエータ76Mを備えている。
【0050】
撮像素子101は、CMOSカラーエリアセンサからなり、タイミング制御回路51により、露光動作の開始(及び終了)、各画素の出力選択、画素信号の読出し等の撮像動作を制御される。
【0051】
AFE5は、撮像素子101にタイミングパルスを与えるとともに、撮像素子101から出力される画像信号に所定の信号処理を施し、デジタル信号に変換して画像処理部61に出力する。このAFE5は、タイミング制御回路51、信号処理部52及びA/D変換部53などを備えている。
【0052】
タイミング制御回路51は、メイン制御部62からの基準クロックに基づいて所定のタイミングパルスを生成して撮像素子101に出力し、撮像素子101の撮像動作を制御する。また、所定のタイミングパルスを信号処理部52やA/D変換部53に出力し、信号処理部52及びA/D変換部53の動作を制御する。
【0053】
信号処理部52は、撮像素子101からのアナログ画像信号に所定のアナログ信号処理を施す。信号処理部52には、CDS(相関二重サンプリング)回路、AGC(オートゲインコントロール)回路及びクランプ回路等が備えられている。A/D変換部53は、信号処理部52から出力されたアナログのR、G、Bの画像信号を、タイミング制御回路51から出力されるタイミングパルスに基づいて、複数のビット(例えば12ビット)からなるデジタル画像信号に変換する。
【0054】
画像処理部61は、AFE5からの画像データに所定の信号処理を施して画像ファイルを作成する。画像処理部61は、黒レベル補正回路611、ホワイトバランス制御回路612及びガンマ補正回路613等を備えている。なお、画像処理部61に取り込まれた画像データは、撮像素子101の読み出しに同期して画像メモリ614に書き込まれた後、画像処理部61の各ブロックによりアクセスされて処理される。
【0055】
黒レベル補正回路611は、A/D変換部53によりA/D変換されたR、G、Bの各デジタル画像信号の黒レベルを、基準の黒レベルに補正する。ホワイトバランス補正回路612は、光源に応じた白の基準に基づいて、R、G、Bの各色成分のデジタル信号のレベル変換(ホワイトバランス(WB)調整)を行う。ガンマ補正回路613は、WB調整された画像データの階調特性を補正する。
【0056】
画像メモリ614は、撮影モード時において、画像処理部61からの画像データを一時的に記憶するとともに、画像データに対して所定の処理を行うための作業領域として用いられる。また、画像メモリ614は、再生モード時において、メモリカード67から読み出した画像データを一時的に記憶する。
【0057】
メイン制御部62は、例えば制御プログラムを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等の記憶部を内蔵したマイクロコンピュータからなり、撮像装置1各部の動作を制御する。
【0058】
フラッシュ回路63は、フラッシュ撮影モードにおいて、フラッシュ部318または接続端子部319に接続される外部フラッシュの発光量を、メイン制御部62により設定された発光量に制御する。
【0059】
操作部64は、モード設定ダイアル305、制御値設定ダイアル306、シャッタボタン307、設定ボタン群312、十字キー314、プッシュボタン315、メインスイッチ317等を含み、操作情報をメイン制御部62に入力するために用いられる。
【0060】
VRAM65a、65bは、LCD311およびEVF316の画素数に対応した画像信号の記憶容量を有し、メイン制御部62とLCD311およびEVF316との間のバッファメモリとして機能する。カードI/F66は、メモリカード67とメイン制御部62との間で信号の送受信を可能とするためのインターフェースである。メモリカード67は、メイン制御部62で生成された画像データを保存する記録媒体である。通信用I/F68は、パーソナルコンピュータやその他の外部機器との間で画像データ等の伝送を可能にするためのインターフェースである。
【0061】
電源回路69は、例えば定電圧回路等からなり、メイン制御部62等の制御部、撮像素子101、その他の各種駆動部等、撮像装置1全体を駆動させるための電圧を生成する。電池69Bは、アルカリ乾電池等の一次電池や、ニッケル水素充電池等の二次電池からなり、撮像装置1全体に電力を供給する。
【0062】
シャッタ駆動制御部73Aは、メイン制御部62からの制御信号に基づき、シャッタ駆動アクチュエータ73Mのための駆動制御信号を生成する。シャッタ駆動アクチュエータ73Mは、シャッタユニット40の開閉を駆動する。
【0063】
絞り駆動制御部76Aは、メイン制御部62からの制御信号に基づき、絞り駆動アクチュエータ76Mのための駆動制御信号を生成する。絞り駆動アクチュエータ76Mは、カプラ75を介して絞り駆動機構27に駆動力を与える。
【0064】
また、カメラボディ10には、黒レベル補正回路611からの黒レベル補正済みの画像データに基づき、撮像素子101を用いたAF制御時に必要な演算を行う位相差AF演算回路77が備えられている。また、ぼかしフィルタを用いた画像処理により、撮影領域毎の距離に応じて異なるレベルの電子ぼかしを画像データに付加する電子ぼかし回路78が備えられている。
【0065】
[4.位相差AF動作]
撮像装置1は、射出瞳の異なった部分を透過した透過光を受光することで、位相差検出方式の焦点検出(位相差AF)を行う。図5および図6は、撮像素子101の構成を説明するための図である。撮像素子101は、撮像面101fにマトリックス状に規定された複数のAFエリアEfそれぞれで位相差AFを行う。
【0066】
AFエリアEfには、マイクロレンズML(波線円)とフォトダイオードとの間にR(赤)、G(緑)およびB(青)のカラーフィルタをそれぞれ配設した、R画素111、G画素112およびB画素113からなる通常の画素(通常画素)110が設けられている。また、AFエリアEfには、位相差AFを行うために瞳分割機能を実現する画素のペア(AF画素対)11fが設けられている。AFエリアEfでは、AF画素対11fの画素より画素数が多い通常画素110によって、被写体の画像情報が取得される。
【0067】
そして、AFエリアEfには、通常画素110の水平ライン(通常画素ライン)として、G画素112とR画素111とが水平方向に交互配置されたGrラインL1と、B画素113とG画素112とが水平方向に交互配置されたGbラインL2とが形成されている。
【0068】
また、AFエリアEfには、通常画素110と同じ構成(径および曲率)のマイクロレンズMLを1つ備えたAF画素対11fを水平方向に繰り返し配列することで、AFラインLfが垂直方向に周期的に形成されている。
【0069】
図7は、通常画素110の構成を説明するための縦断面図である。なお、図7に示す通常画素110の配列は、例えばGrラインL1に設けられている。
【0070】
通常画素110の配列では、水平方向に沿ってピッチαで配置された複数の光電変換部(フォトダイオード)PDそれぞれの上方に、マイクロレンズMLが設けられている。マイクロレンズMLと光電変換部PDとの間には、上から順に第1メタル41、第2メタル42および第3メタル43が配設されている。ここで、第2メタル42および第3メタル43は、信号配線として構成され、第1メタル41は、その接地面として構成されている。
【0071】
第1メタル41上には、カラーフィルタFLが配設されるとともに、カラーフィルタFL上にはマイクロレンズMLが設けられている。カラーフィルタFLには、例えばGrラインL1に配置された通常画素110の配列に緑色のフィルタFgと赤色のフィルタFrとが交互配置される。また、通常画素110の配列では、各マイクロレンズMLの間を通過した不要光が光電変換部PDで受光されないように、各マイクロレンズMLの間が第1メタル41で遮光されている。
【0072】
図8は、AF画素対11fの構成を説明するための縦断面図である。なお、図8に示すAF画素対11fの配列は、図6に示すAFラインLfに設けられている。
【0073】
図8に示すように、AF画素対11fは、射出瞳の左側部分Qaからの光束Taと右側部分Qbからの光束Tbとを分離(瞳分割)するために、マイクロレンズMLの光軸AXを跨いで一対の光電変換部PDを配置した、一対の画素11a、11bで構成されている。一対の光電変換部PDは、それぞれ通常画素110の光電変換部PDと同等サイズを有し、水平方向に沿って通常画素110と等しいピッチαで隣接して配置されている。
【0074】
AFラインLfでは、通常画素110の配列に形成された第1メタル41の開口OPに対し、1つおきに第1メタル44による遮光が行われる。図7に示す通常画素110の配列中で開口OPが形成されていた箇所OQが第1メタル44で塞がれ、その上に黒色のカラーフィルタ(ブラックフィルタ)Fbが1画素おきに載置されている。
【0075】
AF画素対11fには、一対の光電変換部PDの上方に、箇所OQに形成された第1メタル44とブラックフィルタFbとからなり射出瞳を通過した被写体の光束を遮光する2つの遮光領域Ea、Ebが形成された遮光部LSが配置されている。また、AFラインLfでは、第1メタル44の開口OP上に設けられるカラーフィルタとして透明なフィルタFtが採用されている。
【0076】
以上のような構成のAF画素対11fにより、射出瞳における瞳分割、つまり射出瞳の左側部分Qaからの光束Taが第2AF画素11bの光電変換部PDで受光されるとともに、射出瞳の右側部分Qbからの光束Tbが第1AF画素11aの光電変換部PDで受光される。
【0077】
以下では、第1AF画素11aで得られる受光データをA系列データと呼び、第2AF画素11bで得られる受光データをB系列データと呼ぶ。そして、例えば、ある1つのAFラインLf(図6)に配置されたAF画素対11fの群から得られるA系列データとB系列データを表す図9を参照しながら、位相差AFの原理を説明する。
【0078】
図9は、焦点面が撮像素子101の撮像面101fから200μm近側にデフォーカスしている状態(A)、焦点面が撮像面101fに一致している合焦状態(B)、焦点面が撮像面101fから200μm遠側にデフォーカスしている状態(C)のシミュレーション結果を示す図である。ここで、図9では、横軸がAFラインLf方向における第1AF画素11a、第2AF画素11bの画素位置を示し、縦軸が第1AF画素11aおよび第2AF画素11bそれぞれの光電変換部PDからの出力を示している。また、図9では、グラフGa1〜Ga3(実線)がA系列データを表し、グラフGb1〜Gb3(破線)がB系列データを表している。
【0079】
図9を参照すると、デフォーカス量Ddが大きいほど、A系列の像列(グラフGa1〜Ga3)とB系列の像列(グラフGb1〜Gb3)との間に生じるAFラインLf(水平方向)方向のシフト量(ずれ量)が増大していることが分かる。
【0080】
このような一対の像列(A系列およびB系列の像列)におけるシフト量とデフォーカス量Ddとの関係は、図10に示すグラフGcのように表される。図10では、横軸がA系列の像列の重心位置に対するB系列の像列の重心位置の差(画素ピッチ)を示し、縦軸がデフォーカス量Dd(μm)を示している。なお、各像列の重心位置Xgは、例えば式(1)から求められる。
Xg=(X1Y1+X2Y2+…+XnYn)/(Y1+Y2+…+Yn) …(1)
ただし、式(1)中のX1〜Xnは、例えばAFラインLfにおける左端からの画素位置を表し、Y1〜Ynは、各位置X1〜Xnの第1AF画素11a、第2AF画素11bからの出力値を表している。
【0081】
図10に示すグラフGcのように、一対の像列における重心位置の差とデフォーカス量Ddとは比例関係にある。この関係は、デフォーカス量DdをDd(μm)、重心位置の差をC(μm)として式 (2)のように表される。
Dd=k×C …(2)
ここで、上式(2)の係数kは、図10のグラフGcの傾きGk(破線)を表し、工場試験等によって事前に取得できるものである。
【0082】
以上より、AF画素対11fから得られるA系列データとB系列データとに関する重心位置の差(位相差)を位相差AF演算回路77で求めた後に、式(2)からデフォーカス量Ddを算出し、算出されたデフォーカス量Ddに相当する駆動量をフォーカスレンズ211に与えることで、検出された焦点位置にフォーカスレンズ211を移動させるオートフォーカス(AF)制御が可能となる。なお、デフォーカス量Ddとフォーカスレンズ211の駆動量との関係は、カメラボディ10に装着されている交換レンズ2の設計値より一意に定まる。
【0083】
[5.第1実施形態に係る撮像装置の動作]
図11は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1の動作を示すフロー図である。
【0084】
撮像装置1は、撮影モードにおいてライブビュー表示をしている(ステップS101)。ライブビュー表示では、パン、チルト、ズーム等の撮影操作に応じて、撮影前の画像が動画的に表示される。ライブビュー表示のために、撮像素子101は、AFE5からのタイミングパルスに応じて撮像動作し、AFE5は、画像信号から画像データを生成し、画像処理部61は、画像データを処理して画像メモリ614に供給する。位相差AF演算回路77は、画像信号と同時に出力される位相差検出信号からAFエリアEf毎の被写体までの距離を求めて画像メモリ614に供給する。メイン制御部62は、画像データを画像メモリ614からVRAM65a、65bに転送し、LCD311およびEVF316は、撮影前の画像を動画的に表示する。
【0085】
ユーザがシャッタボタン307を半押し操作すると、メイン制御部62は、操作部64からの操作情報に基づき半押し状態を検知する(S102)。メイン制御部62は、半押し状態を検出すると、撮影準備動作をし(S103)、検出しないとライブビュー表示を継続する(S101)。撮影準備動作として、メイン制御部62は、位相差検出方式の焦点検出によりAF制御をする。また、メイン制御部62は、レンズの絞り(F)値、焦点距離、ISO感度、シャッタスピード等の撮影条件を一時的に固定する。
【0086】
メイン制御部62は、主被写体に対応するAFエリアEfのデフォーカス量DdからAF制御信号を生成してフォーカス駆動制御部71Aに供給する。フォーカス駆動制御部71Aは、AF制御信号に基づき駆動制御信号を生成し、レンズ駆動機構24は、駆動制御信号に基づきAFアクチュエータ71Mから与えられる駆動力によりフォーカスレンズ211を駆動する。これにより、位相差検出方式によるAF制御が行われ、焦点位置にフォーカスレンズ211が移動される。また、メイン制御部62は、焦点位置に対応するようにAF枠Ffを示す画像データをVRAM65a、65bに供給する。これにより、LCD311およびEVF316には、ライブビュー画像がAF枠Ffとともに表示される。
【0087】
メイン制御部62は、露出制御値(絞り値、シャッタスピード)を設定するために、輝度判定機能、絞り値設定機能、およびシャッタスピード設定機能を有している。輝度判定機能は、撮像素子101により取込まれ、画像メモリ614に記憶される画像データを用いて被写体の明るさを判定する機能である。絞り値設定機能とシャッタスピード設定機能は、プログラムAEモードでは、輝度判定による被写体の明るさの判定結果と、AEプログラムに基づき絞り値およびシャッタスピードを設定する。絞り優先モードでは、被写体の明るさと予め設定された絞り値からシャッタスピードを設定し、シャッタ優先モードでは、被写体の明るさと予め設定されたシャッタスピードから絞り値を設定する。
【0088】
ユーザは、ぼかし領域指定モードを選択するために、設定ボタン312等を操作する。メイン制御部62は、操作部64からの操作情報に基づき、ぼかし領域モードの選択を検知する(S104)。モードの選択を検知すると、メイン制御部62は、指定枠Fbを示す画像データをVRAM65aに供給し、選択を検知しないと、ライブビュー表示を継続する(S101)。モードの選択を検知すると、図12に示すように、LCD311には、ライブビュー画像がAF枠Ffおよび指定枠Fbとともに表示される。
【0089】
ユーザは、十字キー312等を操作してライブビュー画像上で指定枠Fbを移動させ、ぼかしを付加したい領域(距離)をぼかし領域として指定するために、プッシュボタン315等を操作する。メイン制御部62は、指定枠Fbを移動させる操作情報に応じて、ライブビュー画像上で指定枠Fbを移動させ、ぼかし領域を指定する操作情報に応じて、ぼかし領域を指定する情報を取得する。
【0090】
図12に示すプレビュー画像には、被写体Ofが前景に捉えられ、被写体Omが中景に捉えられ、被写体Orが背景に捉えられ、被写体Ofに合焦している。そして、被写体OfがAF枠Ffにより指定され、被写体Orが指定枠Fbによりぼかし領域として指定されている。
【0091】
メイン制御部62は、ぼかしの付加レベルを調整するための調整値を初期化する(S105)。光学ぼかしの付加レベルを調整するために用いるF調整値ΔFの初期値と、電子ぼかしの付加レベルを調整するために用いるσ調整値Δσの初期値は、例えばΔF=0、Δσ=0と設定され、付加レベルの調整に際して再設定される。
【0092】
位相差AF演算回路77は、参照画像について、AFエリアEf毎の被写体までの距離を求める(S106)。メイン制御部62は、AFエリアEf毎の被写体までの距離から、ぼかし領域の被写体までの距離(ぼかし距離Db)と、合焦した主被写体までの距離(合焦距離Df)を求める。ここで、参照画像とは、ぼかし領域を指定した時点にライブビュー画像として表示されていた画像(静止画)である。
【0093】
AFエリアEf毎の距離は、AFエリアEf毎の被写体までのデフォーカス量Ddから、交換レンズ2の光学特性に基づき求められる。ぼかし距離Dbは、指定されたぼかし領域に対応するAFエリアEfの距離として求められ、合焦距離Dfは、合焦した主被写体に対応するAFエリアEfの距離として求められる。なお、ぼかし領域に複数のAFエリアEfが含まれる場合、ぼかし距離Dbは、複数のAFエリアEfの距離の多数値、平均値等として求められる。
【0094】
図13には、AFエリアEf毎の距離測定例が示されている。図13では、撮影画像とAFエリアEfとの対応関係が模式的に示されている。図13に示す例では、被写体Ofまでの距離が合焦距離Dfとして測定され、被写体Omまでの距離が中間距離Dmとして測定され、被写体Orまでの距離がぼかし距離Dbとして測定されている。この例では、合焦距離Df<中間距離Dm<ぼかし距離Dbとなる。
【0095】
メイン制御部62は、モード設定ダイアル305等の操作部64を通じて設定されている現在の撮影モードを判別する(S107)。そして、レンズ駆動が撮影スピードに追従できる撮影モード(静止画撮影モード等)であれば、ステップS108以降の処理を実行する。一方、レンズ駆動が撮影スピードに追従できない撮影モード(動画撮影モード、連続撮影モード等)であれば、ステップS112以降の処理を実行する。
【0096】
まず、ステップS107で追従可能なモードが判別された場合について説明する。この場合、メイン制御部62は、光学ぼかしを付加した光学ぼかし画像を生成するための処理をする。
【0097】
メイン制御部62は、光学ぼかしを適切に付加できるか判定するために、光学ぼかしの判定値ΔDおよび閾値ΔDtを求める(S108)。具体的に、メイン制御部62は、式(3)、(4)から前方および後方被写界深度を求める。ここで、前方被写界深度とは、被写体よりレンズ寄りの範囲のうち焦点が合っているように見える範囲であり、後方被写界深度とは、被写体より無限遠寄りの範囲のうち焦点が合っているように見える範囲である。許容錯乱円とは、撮像素子101画面の対角線長の1/1000〜1/1500の定数である。合焦距離Dfとは、レンズから合焦された主被写体までの距離であり、焦点距離とは、レンズから撮像素子101までの距離である。F値は、絞り値である。
【0098】
【数1】

【0099】
メイン制御部62は、式(5)から判定値ΔDを求める。ここで、ぼかし距離Dbとは、レンズからぼかし領域の被写体までの距離であり、ぼかし領域に対応するAFエリアEfの被写体までの距離に基づき求められる。
判定値ΔD=ぼかし距離Db−合焦距離Df−後方被写界深度 (ぼかし距離Db>合焦距離Df)
=ぼかし距離Db−合焦距離Df−前方被写界深度 (ぼかし距離Db<合焦距離Df) …(5)
【0100】
メイン制御部62は、式(6)から、光学ぼかしを適切に(十分に)付加できるかを判断するための指標であるぼかし閾値ΔDtを求める。ここで、式(6)中のパラメータα(α>1)は、理想的なぼかしを付加するために設定されるパラメータであり、既定値として設定されている。
ぼかし閾値ΔDt=後方被写界深度×α (ぼかし距離Db>合焦距離Df)
=前方被写界深度×α (ぼかし距離Db<合焦距離Df) …(6)
【0101】
例えば、ぼかしを付加したい距離を10、000mm、許容錯乱円0.02mm、F値2.8、合焦距離Df2、000mm、焦点距離28mmを想定すると、後方被写界深度が333mmとなり、パラメータαは、式(4)を用いて、α=10、000/333=30と設定される。
【0102】
図14には、合焦距離Dfとぼかし距離Dbとの大小関係に応じた、判定値ΔDとぼかし閾値ΔDtとの関係が示されている。Db>Dfのとき(ぼかし距離Db1)、判定値ΔDは、被写界深度の最も無限遠側の距離とぼかし距離Dbとの差分ΔD1となる。Db<Dfのとき(ぼかし距離Db2)、判定値ΔDは、被写界深度の最もレンズ寄りの距離とぼかし距離Dbとの差分ΔD2となる。
【0103】
メイン制御部62は、式(5)、(6)に基づき、式(7)の条件を満たすF値(絞り値)を求める。メイン制御部62は、式(7)の条件を満たすF値を式(8)に代入して目標F値を求める。
判定値ΔD=ぼかし閾値ΔDt …(7)
目標F値=F値−F調整値 …(8)
【0104】
そして、メイン制御部62は、求められた目標F値を交換レンズ2により対応可能な最小F値と比較することで、光学ぼかしを適切に(十分に)付加できるかを判定する。ここで、目標F値が最小F値以上であれば、光学ぼかしを適切に付加でき、最小F値未満であれば、光学ぼかしを適切に(十分に)付加できないことになる。
【0105】
ここで、後述するように光学ぼかしの付加レベルを調整したが、光学ぼかしを適切に付加できない場合がある。この場合、目標F値が最小F値未満であり、かつF調整値ΔFが初期値以上となる。そして、ぼかしを適切に付加しようとすると、光学ぼかしに代えて電子ぼかしを付加することになる。このため、電子ぼかしを付加する前に、電子ぼかしの付加レベルのσ調整値Δσを初期値よりも大きく設定してもよい。これにより、光学ぼかしから電子ぼかしへ切替える場合でも、電子ぼかしの付加レベルを適切に調整できる。
【0106】
光学ぼかしを適切に付加できるとき(S109で「Yes」)、メイン制御部62は、光学ぼかしを付加したぼかし画像を生成するために、ステップS110以降の処理をする。一方、光学ぼかしを適切に付加できないとき(S109で「No」)、撮像装置1は、電子ぼかしを付加したぼかし画像を生成するために、ステップS112以降の処理をする。
【0107】
光学ぼかしを適切に付加できるとき、メイン制御部62は、F調整値ΔFに基づき絞り23を調整する(S110)。メイン制御部62は、F値を目標F値に調整するための制御信号を生成して絞り駆動制御部76Aに供給し、絞り駆動制御部76Aは、制御信号に基づき駆動制御信号を生成し、絞り駆動機構27は、駆動制御信号に基づき絞りアクチュエータ76Mから与えられる駆動力により絞り23の絞り径を調整する。
【0108】
そして、撮像装置1では、光学ぼかし画像が生成される(S111)。撮像素子101は、F値が目標F値に調整された状態で撮像動作し、AFE5は、画像信号から画像データを生成し、画像処理部61は、画像データを処理して画像メモリ614に供給する。
【0109】
つぎに、ステップS107で追従不能なモードが判別された場合について説明する。この場合、メイン制御部62は、電子ぼかしを付加した電子ぼかし画像を生成するための処理をする。
【0110】
撮像素子101は、ステップS103の撮影動作で一時的に固定された撮影条件で、画像信号をAFE5に供給し、AFE5は、画像データを画像処理部61に供給し、画像処理部61は、画像処理後の画像データを画像メモリ614に供給する。メイン制御部62は、画像データを画像メモリ614からVRAM65aに転送し、LCD311は、電子ぼかしを付加する前の画像を表示する。画像メモリ614には、電子ぼかしを付加する前の画像が記憶される。
【0111】
メイン制御部62は、電子ぼかし回路78を用いて、画像データに電子ぼかしを付加する。電子ぼかし回路78は、例えば、式(9)に示されるガウシアンフィルタ等のぼかしフィルタを用いて、画像データを処理する。フィルタのサイズとしては、例えば20×20画素が適用される。ここで、x、yは、撮影画像中の画素の位置である。σは、フィルタ係数(>0)である。
【0112】
【数2】

【0113】
メイン制御部62は、電子ぼかしに基づき画像を調整する(S112)。メイン制御部62は、AFエリアEf毎の距離に応じて係数σを求め、電子ぼかし回路78に供給する。距離毎の係数σは、例えば、合焦距離Dfの係数σfをσ≒0、ぼかし距離Dbの基準係数σbをσb=σi+Δσとし、合焦距離Dfから無限遠まで線形補間して求める。ここで、σiは、ぼかし距離Dbの初期係数であり、既定値(σi=0.8等)として設定されている。Δσは、電子ぼかしのσ調整値であり、初期値として設定されており、後述する付加レベル調整処理により再設定される。
【0114】
そして、撮像装置1では、電子ぼかし画像が生成される(S113)。電子ぼかし回路78は、画像メモリ614にアクセスし、AFエリアEf毎に係数σを変化させたフィルタを画像データに適用し、画像データに電子ぼかしを付加する。そして、電子ぼかし回路78は、電子ぼかし画像のデータを画像メモリ614に記憶させる。
【0115】
図15には、合焦距離Dfとぼかし距離Dbとの大小関係に応じた距離と係数σとの関係が示されている。Db>Dfのとき(ぼかし距離Db1)、係数σは、無限縁に近づくほど大きな値となる。Db<Dfのとき(ぼかし距離Db2)、係数σは、レンズ寄りに近づくほど大きな値となる。
【0116】
ぼかし画像を生成すると、撮像装置1は、ぼかし画像をプレビュー表示する(S114)。プレビュー表示では、ぼかし画像とともに、現時点でのぼかしの付加レベルを示すレベルメータLMが表示される。ユーザは、ぼかし画像およびレベルメータLMに基づき、ぼかしが適切に付加されているかを確認する。
【0117】
メイン制御部62は、画像データを画像メモリ614からVRAM65aに転送する。また、メイン制御部62は、F調整値ΔFまたはσ調整値Δσの現在値を示すインジケータLを伴うレベルメータLMを示す画像データをVRAM65aに供給する。これにより、LCD311には、光学ぼかし画像または電子ぼかし画像がレベルメータLMとともに表示される。
【0118】
図16に示すプレビュー画面には、被写体Orに対応するぼかし領域に光学ぼかしを付加したぼかし画像が表示されている。また、レベルメータとして、F調整値ΔFまたはF調整値ΔFの関数値に対応する光学ぼかしBoのレベルバーが表示されている。なお、電子ぼかしを付加した場合には、レベルメータLMとしてσ調整値Δσまたはσ調整値Δσの関数値に対応する電子ぼかしBeのレベルバーが表示される。
【0119】
ユーザは、プレビュー画面でぼかしの付加レベルを調整したい場合に、設定ボタン312等を操作する。メイン制御部62は、調整の指示を判定する(S115)。そして、調整が指示された場合、ステップS116の処理をし、指示されない場合、ステップS117の処理をする。
【0120】
付加レベルを調整する場合、ユーザは、付加レベルを調整するために十字キー314等を操作した後、付加レベルを決定するためにプッシュボタン315を操作する。メイン制御部62は、操作部64からの操作情報に基づき、F調整値ΔFまたはσ調整値Δσを再設定する(S116)。ここで、F調整値ΔFを大きくすると、調整後の光学ぼかし画像生成時にF値が小さくなり、光学ぼかしの付加レベルが高くなる。また、σ調整値Δσを大きくすると、調整後の電子ぼかし画像生成時にフィルタ強度が大きくなり、電子ぼかしの付加レベルが高くなる。これにより、メイン制御部62は、変更されたF調整値ΔFまたはσ調整値Δσを用いて、ステップS106の処理、つまりAFエリアEf毎の距離測定以降の処理を再び実行する。
【0121】
付加レベルを調整しない場合、ユーザは、ぼかし画像を記録するために、シャッタボタン307を全押し操作する。メイン制御部62は、操作部64から入力された操作情報に基づき、全押し状態を検知し(S117)、画像記録動作をする。
【0122】
画像記録動作では、メイン制御部62は、光学ぼかし画像または電子ぼかし画像のデータを画像メモリ614からメモリカード67に転送することで、ぼかし画像を記録する(S118)。また、メイン制御部62は、ぼかし画像の記録完了を示すメッセージをVRAM65aに供給する。これにより、LCD311には、ぼかし画像の記録完了を示すメッセージが表示され、メモリカード67には、ぼかし画像のデータが記録される。
【0123】
第1実施形態では、撮影条件に応じて、光学ぼかしまたは電子ぼかしが撮影画像に付加される。よって、光学ぼかしを付加できるときには、F値を調整してアナログ的な(滑らかな)光学ぼかしが付加される。これにより、撮影画像の領域毎にデジタル的に(段階的に)付加される電子ぼかしと比べて、自然なぼかし画像を生成することができる。また、位相差検出方式の距離検出を併用することで、従来の距離検出よりも高い精度の距離情報が取得されるので、ぼかし画像の品質を向上させることができる。
【0124】
[6.第2実施形態に係る撮像装置の動作]
図17は、第2実施形態に係る撮像装置1の動作を示すフロー図である。第2実施形態では、撮影モードにかかわらず、光学ぼかしにより適切な(十分な)ぼかしを付加できないときに、光学ぼかしと電子ぼかしが併用される。以下では、第1の実施形態と重複する説明を省略する。
【0125】
第2実施形態のステップS201〜S206、S214〜S218の処理は、第1実施形態のステップS101〜S106、S114〜S118の処理に対応している。よって、以下では、ステップS207〜S213の処理について説明する。
【0126】
ステップS206でAFエリアEf毎の距離を求めると、メイン制御部62は、第1実施形態とは異なり、撮影モードを判別せずに、光学ぼかしの判定値ΔDおよび閾値ΔDtを求める(S207)。メイン制御部62は、第1実施形態と同様に、式(5)、(6)から判定値ΔDおよび閾値ΔDtを求め、式(7)、(8)に基づき目標F値を求める。
【0127】
そして、メイン制御部62は、目標F値を最小F値と比較することで、光学ぼかしが可能であるかを判定する(S208)。メイン制御部62は、目標F値が最小F値以上であり、光学ぼかしを適切に(十分に)付加できると判定すると、光学ぼかし処理をする。この場合、メイン制御部62は、第1実施形態と同様に、F調整値ΔFに基づき絞り23を調整して撮像動作することで(S209)、光学ぼかし画像を生成する(S210)。
【0128】
一方、目標F値が最小F値未満であり、光学ぼかしを適切に(十分に)付加できないと判定すると、光学ぼかしと電子ぼかしを併用する。この場合、まず、メイン制御部62は、目標F値を最小F値に再設定し、目標F値をできるだけ満たすように絞りを調整する(S211)。つぎに、メイン制御部62は、σ調整値Δσに基づき画像を調整する(S212)。メイン制御部62は、電子ぼかし回路78を用いて、AFエリアEf毎に係数を変化させながら、撮影画像に電子ぼかしを付加することで、光学ぼかしと電子ぼかしを併用したぼかし画像を生成する(S213)。
【0129】
そして、ぼかし画像を生成すると、撮像装置1は、ぼかし画像をプレビュー表示する(S214)。プレビュー表示では、ぼかし画像とともに、現時点でのぼかしの付加レベルを示すレベルメータLMが表示される。第2実施形態では、ぼかしの付加レベルを光学ぼかしと電子ぼかしに区別して示すレベルメータLMが表示される。
【0130】
撮像装置1は、図18に示すように、ぼかし画像のプレビュー画面をLCD311に表示する。図18に示すプレビュー画面には、被写体Orに対応するぼかし領域に、併用処理によりぼかしを付加したぼかし画像が表示されている。また、光学ぼかしBoの最大付加レベルに対応するレベルバーLM1と電子ぼかしBeの最大付加レベルに対応するレベルバーLM2を組合せたレベルメータLMが表示されている。ここで、光学ぼかしの最大付加レベルは、F調整値ΔFの最大値に相当し、交換レンズ2により対応可能な最小F値の関数として設定される。電子ぼかしの最大付加レベルは、σ調整値Δσの最大値に相当し、ぼかしフィルタの適用範囲の関数として設定される。
【0131】
レベルメータLMでは、インジケータLにより現在の付加レベルが示される。レベルメータLMには、光学ぼかし「弱」から光学ぼかし「強」に遷移し、続いて電子ぼかし「弱」から「強」に遷移する付加レベルが示される。図18に示す例では、ぼかしの付加レベルは、電子ぼかしの付加レベル「弱」まで達している。メイン制御部62は、変更されたF調整値ΔFまたはσ調整値Δσを用いて、ステップS206の処理、つまりAFエリアEf毎の距離測定以降の処理を再び実行する。
【0132】
第2実施形態では、撮影条件に応じて、光学ぼかし、または光学ぼかしと電子ぼかしが撮影画像に付加される。よって、光学ぼかしを十分に付加できないときでも、可能な範囲でF値を調整して光学ぼかしが付加され、残りの範囲で画像を調整して電子ぼかしが付加される。これにより、光学ぼかしを十分に付加できないときでも、電子ぼかしのみを付加する場合と比べて、自然なぼかし画像を生成することができる。また、位相差検出方式の距離検出を併用することで、従来の距離検出よりも高い精度の距離情報が取得されるので、ぼかし画像の品質を向上させることができる。
【0133】
[7.第3実施形態に係る撮像装置の動作]
図19は、第3実施形態に係る撮像装置1の動作を示すフロー図である。第3実施形態では、レンズ駆動が撮影スピードに追従できないモード(動画撮影モード、連続撮影モード等)が選択されている場合に、位相差検出方式の距離検出を用いて電子ぼかし処理をする。
【0134】
なお、第3実施形態のステップS301〜S306、S309〜S313の処理は、第1実施形態のステップS101〜S106、S114〜S118の処理に対応している。よって、以下では、ステップS305〜S308の処理について説明する。
【0135】
ステップS306では、位相差検出方式の距離検出を用いて、AFエリアEf毎の被写体までの距離が求められる。すると、メイン制御部62は、第1実施形態とは異なり、撮影モードの判別、光学ぼかしの判定値ΔDおよび閾値ΔDtの算出をせずに、σ調整値Δσに基づき画像を調整する(S307)。メイン制御部62は、電子ぼかし回路78を用いて、AFエリアEf毎に係数σを変化させながら、撮影画像に電子ぼかしを付加することで、電子ぼかし画像を生成する(S308)。
【0136】
第3実施形態では、撮像素子101から画像信号と同時に出力される位相差検出信号が取得され、AFエリアEf毎の距離情報が求められる。このため、AF動作時にフォーカスレンズ211を駆動して検出領域毎の合焦位置を検出して距離情報を求める従来の距離検出よりも、高い精度の距離情報を取得することができる。そして、高い精度の距離情報に基づき撮影領域を分割し、領域毎に電子ぼかしを付加することで、分割された領域同士の境界が目立たない、自然なぼかし画像を生成することができる。
【0137】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0138】
例えば、上記説明では、第1および第2実施形態では、位相差検出方式の距離検出を併用する場合について説明した。しかし、位相差検出方式の距離検出を併用する代わりに、従来の距離検出を用いてもよい。この場合でも、撮影条件に応じて光学ぼかしを付加したり、光学ぼかしと電子ぼかしを付加したりすることで、電子ぼかしのみを付加する場合と比べて、自然なぼかし画像を生成することができる。
【0139】
また、上記説明では、ぼかしの判定値ΔDと閾値ΔDtとの関係に基づき、光学ぼかしを付加する場合について説明した。しかし、ぼかし領域について、撮影画像の周波数成分を解析し、低周波成分が少ない場合に十分なぼかしが付加されていないと判定し、逆の場合に十分なぼかしが付加されていると判定して、光学ぼかしを付加してもよい。
【0140】
また、上記説明では、設定ボタン312、十字キー314等の操作子を用いて、ぼかし領域の指定等の操作入力をする場合について説明した。しかし、LCD311をタッチパネルとして構成することで、LCD311上で操作入力をしてもよい。
【符号の説明】
【0141】
1 撮像装置
2 交換レンズ
23 絞り
77 位相差AF演算回路
78 電子ぼかし回路
62 メイン制御部
64 操作部
101 撮像素子
311 LCD
Db ぼかし距離
Df 合焦距離
ΔDt 判定値
ΔD ぼかし閾値
Ef AFエリア
LM レベルメータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
絞りを有する撮像光学系と、
画像信号を出力する撮像素子と、
前記画像信号に対応する撮影画像に電子的なぼかしを付加する電子ぼかし処理部と、
撮影条件に基づき前記撮影画像に光学的なぼかしを付加できるかを判定し、前記光学的なぼかしを付加できるときに、絞りを制御して前記光学的なぼかしを付加し、前記光学的なぼかしを付加できないときに、前記電子ぼかし処理部を制御して電子的なぼかしを付加する制御部と
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記光学的なぼかしを付加できないときに、前記絞りを制御して前記撮像光学系の対応可能な範囲で前記光学的なぼかしを付加し、前記電子ぼかし処理部を制御して残りの範囲で前記電子的なぼかしを付加する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、ぼかしを付加する領域の被写体までの距離に相当するぼかし距離と、合焦した被写体までの距離に相当する合焦距離と、前記撮影条件に基づく被写界深度とからぼかし判定値を算出し、前記被写界深度とぼかし基準値とからぼかし閾値を算出し、前記ぼかし判定値が前記ぼかし閾値を満たさないときに、前記光学的なぼかしを付加できないと判定する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、動画撮影モードまたは連続撮影モードにおいて、前記撮影画像に前記光学的なぼかしを付加できないと判定する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮影画像を表示する表示部と、
前記撮影画像においてぼかしを付加する領域を指定するための操作情報が入力される操作部とをさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記表示部は、ぼかしを付加された撮影画像を表示し、
前記操作部には、前記撮影画像に付加されたぼかしの程度を調整するための操作情報が入力され、
前記制御部は、前記操作情報に基づき、前記絞りおよび/または前記電子ぼかし処理部を制御して、前記撮影画像に付加されたぼかしの程度を調整する、請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記撮影画像に付加されたぼかしの程度を前記光学的なぼかしと前記電子的なぼかしに区分して表示する、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記撮像素子は、撮影領域毎の距離情報を算出するための位相差検出信号を前記画像信号と同時に出力し、
前記撮像装置は、前記位相差検出信号に基づき前記撮影領域毎の距離情報を算出する距離情報算出部をさらに備え、
前記制御部は、前記撮影領域毎の距離情報に基づき、前記撮影画像にぼかしを付加する、請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
撮影条件に基づき撮影画像に光学的なぼかしを付加できるかを判定し、
前記光学的なぼかしを付加できるときに、絞りの調整により前記光学的なぼかしを付加し、
前記光学的なぼかしを付加できないときに、画像処理の調整により電子的なぼかしを付加すること
を含む撮像装置の制御方法。
【請求項10】
画像信号と、撮影領域毎の位相差検出信号とを同時に出力する撮像素子と、
前記位相差検出信号に基づき前記撮影領域毎の距離情報を算出する距離情報算出部と、
前記画像信号に対応する撮影画像に電子的なぼかしを付加する電子ぼかし処理部と、
前記撮影領域毎の距離情報に基づき前記電子ぼかし処理部を制御して、前記撮影画像に前記電子的なぼかしを付加する制御部と
を備える撮像装置。
【請求項11】
前記制御部は、動画撮影モードまたは連続撮影モードにおいて、前記撮影画像に前記電子的なぼかしを付加する、請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
画像信号と同時に出力される撮影領域毎の位相差検出信号を取得し、
前記位相差検出信号に基づき前記撮影領域毎の距離情報を算出し、
前記撮影領域毎の距離情報に基づき、前記画像信号に対応する撮影画像に電子的なぼかしを付加すること
を含む撮像装置の制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−129627(P2012−129627A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277207(P2010−277207)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】