説明

撮像装置及びその制御方法及びプログラム

【課題】絞り制御に伴う露光量の乱れによる悪影響を抑制できるようにする。
【解決手段】入射する光量に応じた電荷の蓄積を行い画像信号を出力する撮像部と、撮像部へ入射する光量を調節する絞りの開口量を制御する絞り制御部と、表示装置に撮像部により出力された画像信号に基づく複数の画像を逐次表示させる動作中の撮像部の電荷蓄積期間に絞り制御部の制御に基づいて絞りの開口量を調節する動作が行われた場合、撮像部により蓄積された電荷に基づく画像信号を用いて行われる処理を、絞りの開口量を調節する動作が行われた電荷蓄積期間において蓄積された電荷に基づく画像信号を用いて行わないように制御する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に関し、特に電子ビューファインダで被写体像を表示し続ける撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンズの開口を制御する絞り機構においては、開口量を制御するために複数枚の絞り羽根を物理的に動かしている。したがって、開口量を大きく制御するにつれて、絞り制御に掛かる時間が長くなっていた。
【0003】
また、電子ビューファインダを備えた電子カメラにおいて、露光量の調整のために撮像素子の電荷蓄積時間制御や感度制御と絞り制御とを略同時に行う場合、撮像素子の電荷蓄積時間制御や感度制御は電子的な制御のため設定を一瞬で切り替えることができる。しかし、絞り制御は絞り羽根の物理的駆動を伴うため、開口の制御量によって制御時間が変わる。これら制御時間の相違により、例えば露光量を適切に保ちながらレンズの開口量を変更する場合、電荷蓄積時間や感度の設定変更が完了してから絞り制御が完了するまでの間に電荷蓄積された画像信号の露光量が乱れてしまう。
【0004】
図3は、絞り制御と電荷蓄積制御のタイミングおよび露光量の変化を模式的に表した図である。図3において上から順に、絞り制御期間に掛かる3枚のフレームの蓄積タイミング、フレーム1の途中から始まりフレーム3の途中で完了する絞り制御、フレーム1の途中から始まる絞りを絞る制御を受けて電荷蓄積時間が長く設定された電荷蓄積制御を示す。また、最下段は、上記の電荷蓄積制御における露光量を示している。
【0005】
図3において、フレーム1では、絞り制御の開始とともに露光量が徐々に下がり、フレーム単位の露光量は所望のレベルより若干下がってしまう。また、フレーム2では、電荷蓄積制御が電荷蓄積時間を長くする新しい設定に変わっているにもかかわらず、絞り制御が終わっていないため、露光が過多な状態になる。また、フレーム3では、絞り制御が終わってはいないものの設定絞り値に既に近づいているため、露光過多ではあるがフレーム2より程度が小さくなる。
【0006】
電子ビューファインダで蓄積画像が表示し続けられている場合、露光量の若干少ないフレーム1に続き露光過多のフレーム2が表示されると、急激な輝度変化によるチラツキとして視認されてしまう。
【0007】
絞り制御に伴う上述のチラツキを抑える技術が、特許文献1で提案されている。特許文献1に記載の技術では、電子ビューファインダに表示しているときは、絞り羽根の駆動速度(絞り制御のスピード)を遅くして、露出の設定変化量を抑える。このように動作させることで、露光量の乱れを小さくして、表示のチラツキを抑える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平03−10576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載されているように、絞り制御速度を遅くすると、露光量の制御において目標値に到達するまでの時間が長くかかってしまう。例えば、動く被写体を追いかける場合、被写体の照明条件が変化することに伴い、被写体の明るさが頻繁に変化する。そのときに絞りの制御が遅いと、目標とする露光量に合わない状態が続いてしまうこととなる。
【0010】
また、レンズ交換式の電子カメラにおいて、絞り制御速度を変更できないレンズが装着された場合、絞り制御に伴う表示のチラツキを抑えることができない。
【0011】
また、絞り制御に伴う露光量の乱れは、表示のチラツキを招くだけでなく、電荷蓄積結果に応じて動作が制御される自動露出制御(AE)、コントラスト評価方式の焦点検出(AF)、自動ホワイトバランス制御(AWB)、出力信号ゲイン制御にも影響する。また、工場出荷時やサービスサポート時における画像信号レベルの個体調整作業にも影響を与えてしまう。このような状況に対して、特許文献1に記載の方法では、電荷蓄積結果の輝度信号の乱れを抑えることができず、制御に悪影響を与えてしまうという問題があった。
【0012】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、絞り制御に伴う露光量の乱れによる悪影響を抑制することができる撮像装置およびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる撮像装置は、入射する光量に応じた電荷の蓄積を行い画像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段へ入射する光量を調節する絞りの開口量を制御する絞り制御手段と、表示装置に前記撮像手段により出力された画像信号に基づく複数の画像を逐次表示させる動作中の前記撮像手段の電荷蓄積期間に前記絞り制御手段の制御に基づいて前記絞りの開口量を調節する動作が行われた場合、前記撮像手段により蓄積された電荷に基づく画像信号を用いて行われる処理を、前記絞りの開口量を調節する動作が行われた電荷蓄積期間において蓄積された電荷に基づく画像信号を用いて行わないように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係わる撮像装置の制御方法は、入射する光量に応じた電荷の蓄積を行い画像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段へ入射する光量を調節する絞りの開口量を制御する絞り制御手段と、を備える撮像装置を制御する方法であって、表示装置に前記撮像手段により出力された画像信号に基づく複数の画像を逐次表示させる動作中の前記撮像手段の電荷蓄積期間に前記絞り制御手段の制御に基づいて前記絞りの開口量を調節する動作が行われた場合、前記撮像手段により蓄積された電荷に基づく画像信号を用いて行われる処理を、前記絞りの開口量を調節する動作が行われた電荷蓄積期間において蓄積された電荷に基づく画像信号を用いて行わないように制御する制御工程を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、絞り制御に伴う露光量の乱れによる悪影響を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】一実施形態のデジタルカメラの動作を説明するフローチャートである。
【図3】絞り制御と電荷蓄積制御のタイミングおよび露光量の変化を模式的に表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係わる撮像装置としてのデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【0019】
デジタルカメラ100は、被写体からの光束を結像させて被写体像を形成するレンズ群101と、レンズ群101に含まれるフォーカスレンズ(図示せず)の位置を制御するレンズ制御部102とを備える。また、レンズ群101からの入射光量を調節する絞り103と、絞りの開口を制御する絞り制御部104とを備える。絞り制御部104は絞り制御の開始および完了のタイミングを、後述する撮像信号制御部112へ通知する。
【0020】
さらに、デジタルカメラ100は、レンズ群101により形成された被写体像を光電変換するCMOSセンサ等からなる撮像素子105と、撮像素子105の蓄積タイミングや信号ゲインを制御する撮像素子駆動制御部106を備える。
【0021】
さらに、デジタルカメラ100は、撮像素子105で得られた画像信号に基づくコントラスト評価方式の焦点検出を行い、レンズ101の焦点位置を決定する焦点検出部107を備える。
【0022】
さらに、デジタルカメラ100は、撮像素子105で得られた画像信号に基づいて、絞り103の開口量や撮像素子105の電荷蓄積時間および信号ゲインを設定する露出制御部108を備える。
【0023】
さらに、デジタルカメラ100は、撮像素子105で得られた画像信号に基づいて後述する画像処理部110で用いられるホワイトバランス係数を算出するAWB(オートホワイトバランス)調整部109を備える。
【0024】
さらに、デジタルカメラ100は、撮像素子105で得られた画像信号に対して、AWB調整部109で算出されたホワイトバランス係数に基づくカラーゲインの補正処理や、所望の画像サイズに調節するためのリサイズ/リサンプリングを施す画像処理部110を備える。
【0025】
さらに、デジタルカメラ100は、撮像素子105の製造品質のばらつきを補正するために画像信号の個体ごとの出力調整を行う画像信号個体調整部111を備える。
【0026】
さらに、デジタルカメラ100は、焦点検出部107、露出制御部108、AWB調整部109、画像処理部110、画像信号個体調整部111に対する撮像素子105からの画像信号の出力を制御する撮像信号制御部112を備える。撮像信号制御部112には、絞り制御部104から通知される絞り制御の開始と終了のタイミング(絞り制御タイミング情報)、および撮像素子駆動制御部106から通知される電荷蓄積の開始と終了のタイミング(電荷蓄積タイミング情報)が入力される。入力された上述の通知から、撮像信号制御部112は電荷蓄積期間における絞り103の駆動の有無を監視する。撮像信号制御部112は監視結果に基づいて、電荷蓄積期間内に絞り103の駆動が混入していれば、撮像素子105の出力画像信号を焦点検出部107、露出制御部108、AWB調整部109、画像処理部110、画像信号個体調整部111に出力しないように制御する。
【0027】
さらに、デジタルカメラ100は、コンピュータなどの外部機器と通信を行い、焦点検出、露出制御、ホワイトバランス制御、個体調整の動作命令を受け付ける遠隔制御部113を備える。
【0028】
さらに、デジタルカメラ100は、画像処理部110から出力された画像データをライブビュー画像、静止画、または動画の1フレームとして表示したり、露出などのカメラの状態を表示するEVF(電子ビューファインダ)部114を備える。
【0029】
さらに、デジタルカメラ100は、画像処理部110から出力された画像データをライブビュー画像、静止画、または動画の1フレームとして半導体メモリや光ディスク等の記録媒体に記録する記録部115を備える。
【0030】
また、デジタルカメラ100は、デジタルカメラ100全体を制御し、焦点検出、露出制御、ホワイトバランス制御、個体調整、遠隔操作の許可/不許可といった各動作を実行させるカメラ制御部116を備える。
【0031】
図2は、本実施形態のデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。この動作は、カメラ制御部116内の不図示のメモリに格納されたコンピュータプログラムにしたがって実行される。
【0032】
まず、カメラ制御部116は、電源投入とともに撮像素子105に電荷蓄積動作を開始させ、電荷蓄積により生成される画像信号をEVF部114にライブビュー表示させる。
【0033】
ここで、カメラ制御部116は、電源投入直後では、何の判断も行うことなく、これから説明するステップS201〜ステップS211の動作を行う。しかし、ステップS201〜ステップS211の動作を1回行った後には、ステップS213の判断により、撮像素子105の電荷蓄積期間に絞り駆動が混入していない場合にのみ、ステップS201〜ステップS211の動作を行う。逆に言えば、電荷蓄積期間に絞り駆動が混入している場合には、ステップS201〜ステップS211の動作であるホワイトバランス調整処理、ライブビューの画像の更新処理(表示処理)、焦点検出処理、露出制御処理、個体調整処理を一切行わない。
【0034】
まず、ステップS201では、撮像素子駆動制御部106が撮像素子105における1フレーム単位の電荷蓄積動作の境界となるタイミング(蓄積ブランキング期間)に入ったか否かを判断する。蓄積ブランキング期間に入っていればステップS202へ進む。入っていなければステップS201へ戻る。
【0035】
ステップS202では、カメラ制御部116がホワイトバランス制御を行うか否かを判断する。
【0036】
ホワイトバランス制御を行う場合はステップS203へ進む。ホワイトバランス制御を行わない場合はステップS204へ進む。
【0037】
ここで、このフローチャートの2回目以降のループでは、ステップS213で電荷蓄積期間に絞り駆動が混入していない場合にのみ、ステップS201以降のフローに進むので、ステップS203では、電荷蓄積期間に絞り駆動が混入していない。
【0038】
そのため、ステップS203では、撮像信号制御部112の制御に従い、撮像素子105で得られた画像信号をAWB調整部109と画像処理部110へ出力する。AWB調整部109は、画像信号の入力を受けて画像のホワイトバランス補正値を算出する。算出したホワイトバランス補正値は画像処理部110へ出力される。出力後、ステップS204へ進む。
【0039】
ステップS204では、カメラ制御部116がEVF部114のライブビュー表示画像の更新を判断する。ライブビュー表示を禁止する操作入力(例えば、専用で設けられたボタンの押下)が入力された場合、あるいは遠隔制御部113でライブビュー表示を禁止する通知を受けた場合は、次のようにする。即ち、カメラ制御部116は、EVF部114に露出制御部108で設定されている露出情報や記録部115の記録状況または記録データ自体を表示するよう切り替える。この場合は、撮像素子106で得られた画像をEVF部114に表示しないので、ライブビュー表示画像を更新しないと判断する。そうでない場合は表示画像を更新すると判断する。更新する場合はステップS205へ進む。更新しない場合はステップS206へ進む。
【0040】
ステップS205では、すでに述べたように、撮像素子105で得られた画像信号の電荷蓄積期間に絞り103の駆動が混入していないので、撮像信号制御部112の制御に従い、撮像素子105で得られた画像信号を画像処理部110へ出力する。画像処理部110は、入力された画像信号に対して、EVF部114の表示に適した画像サイズに調節するためのリサイズ/リサンプリング処理を施す。また、ステップS203の処理を経てホワイトバランス補正値がAWB調整部109から通知されていれば、画像処理部110はホワイトバランス補正値に基づいてカラーゲイン補正画像処理を行う。上述の画像処理を施された新しい画像データは、EVF部114へ出力される。EVF部114は画像データの入力を受けて、入力された画像に表示を更新する。更新後ステップS206へ進む。
【0041】
ステップS206では、カメラ制御部116が、焦点検出部107により焦点検出を行うか否かを判断する。焦点検出要求信号(例えば、専用で設けられたボタンの押下によって出力される信号)が入力されている場合あるいは遠隔制御部113で焦点検出要求の通知を受けた場合、カメラ制御部116は焦点検出すると判断する。そうでない場合は、カメラ制御部は焦点検出しないと判断する。焦点検出する場合はステップS207へ進む。焦点検出を行わない場合はステップS208へ進む。
【0042】
ステップS207では、すでに述べたように、撮像素子105で得られた画像信号の電荷蓄積期間に絞り103の駆動が混入していないので、撮像信号制御部112の制御に従い、撮像素子105で得られた画像信号を焦点検出部107へ出力する。焦点検出部107では、入力された画像信号に対してコントラスト評価を行い、レンズ群101のフォーカス位置とコントラスト評価結果の対応状況から、レンズ群101の新しいフォーカス位置を決定する。そして、カメラ制御部116を通じてレンズ制御部102へフォーカス制御命令を通知する。通知後、ステップS208へ進む。
【0043】
ステップS208では、カメラ制御部116が、露出制御部108により露出制御を行うか否かを判断する。任意の露出で固定するような操作入力(例えば、専用で設けられたボタンの押下)がある場合あるいは遠隔制御部113で任意の露出設定の通知を受けた場合は、カメラ制御部116は露出制御を行わないと判断する。そうでない場合は、カメラ制御部116は露出制御を行うと判断する。露出制御を行う場合はステップS209へ進む。露出制御を行わない場合はステップS210へ進む。
【0044】
ステップS209では、すでに述べたように、撮像素子105で得られた画像信号の電荷蓄積期間に絞り103の駆動が混入していないので、撮像信号制御部112の制御に従い、撮像素子105で得られた画像信号を露出制御部108へ出力する。露出制御部108は、入力された画像信号の輝度に基づいて、撮像素子105の電荷蓄積時間や信号ゲイン、絞り値を決定する。決定された電荷蓄積時間、信号ゲインは撮像素子駆動制御部106へ通知され、次の電荷蓄積から反映される。また、決定された絞り値はカメラ制御部116を通じて絞り制御部104へ通知される。通知後、ステップS210へ進む。
【0045】
ここで、通知後の絞り制御について説明する。決定された絞り値が現在の絞り値と異なっていた場合、絞り制御部104は絞り103を制御し始める。絞り103の絞り駆動は絞り羽根の物理的な駆動を伴うため、絞り103の制御が完了するタイミングは、絞り103の制御量に応じて異なる。したがって、絞り103の制御が完了するタイミングはステップS210以降の動作と同期せず、絞り103の制御完了を待たずにステップS210以降の動作が実行される。しかし、ステップS210、ステップS211の動作は、この絞り制御が開始される前のフレームの画像信号に基づいて行われるので、画像信号の電荷蓄積期間に絞りの駆動が混入していない画像信号に基づいて行なわれることになる。
【0046】
ステップS210では、カメラ制御部116が撮像素子105の製造品質のばらつきを補正するために画像信号の個体ごとの出力調整(個体調整)を行うか否かを判断する。個体調整要求信号(例えば、専用で設けられたボタンの押下によって出力される信号)が入力されている場合あるいは遠隔制御部113で個体調整要求の通知を受けた場合、カメラ制御部116は個体調整を行うと判断する。そうでない場合は、カメラ制御部116は個体調整しないと判断する。個体調整する場合はステップS211へ進む。個体調整しない場合はステップS212へ進む。
【0047】
ステップS211では、すでに述べたように、撮像素子105で得られた画像信号の電荷蓄積期間に絞り103の駆動が混入していないので、撮像信号制御部112の制御に従い、撮像素子105で得られた画像信号を画像信号個体調整部111へ出力する。画像信号個体調整部111は、入力された画像信号に基づいて、信号の出力レベルの補正量を決定する。決定された出力レベルの補正量は撮像素子105へ通知され、撮像素子105の画像信号レベルに反映される。通知後、ステップS212へ進む。
【0048】
ステップS212では、カメラ制御部116が撮像素子105の電荷蓄積動作を終了するか否かを判断する。終了する場合は動作を終了する。終了しない場合はステップS213へ進む。
【0049】
ステップS213では、撮像信号制御部112が絞り制御タイミング情報と電荷蓄積タイミング情報とに基づいて、電荷蓄積期間における絞り103の駆動の混入の有無を判断する。混入がある場合はステップS214へ進む。混入がない場合はステップS201へ進む。
【0050】
ステップS214では、撮像信号制御部112が撮像素子105における1フレーム単位の電荷蓄積動作の境界となるタイミング(蓄積ブランキング期間)に入ったか否かを判断する。蓄積ブランキング期間に入っていればステップS215へ進む。入っていなければ再度ステップS214へ戻る。
【0051】
ステップS215では、カメラ制御部116が絞り103の制御の完了通知を受けたか否かを判断する。絞り制御が完了していればステップS212に進み、完了していなければステップS215に戻る。
【0052】
なお、記録部115への記録動作は、記録を開始する操作入力(例えば、専用で設けられたボタンの押下)が入力された場合あるいは遠隔制御部113で記録開始要求の通知を受けた場合に行われる。具体的には、画像処理部110が画像処理を施した新しい画像データを記録部115へ出力する。記録部115は入力された画像データを所定のフォーマットで記録媒体に記録する。
【0053】
以上のような動作により、電荷蓄積期間に絞り103の駆動が混入した場合、露光量の乱れにより輝度の変動した画像信号がホワイトバランス制御、EVF表示、コントラスト評価方式の焦点検出、自動露出制御、個体調整に悪影響を及ぼさないようにできる。
【0054】
(他の実施形態)
また、各実施形態の目的は、次のような方法によっても達成される。すなわち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、本発明には次のような場合も含まれる。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0055】
さらに、次のような場合も本発明に含まれる。すなわち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0056】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した手順に対応するプログラムコードが格納されることになる。
【符号の説明】
【0057】
100 デジタルカメラ
101 レンズ群
103 絞り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射する光量に応じた電荷の蓄積を行い画像信号を出力する撮像手段と、
前記撮像手段へ入射する光量を調節する絞りの開口量を制御する絞り制御手段と、
表示装置に前記撮像手段により出力された画像信号に基づく複数の画像を逐次表示させる動作中の前記撮像手段の電荷蓄積期間に前記絞り制御手段の制御に基づいて前記絞りの開口量を調節する動作が行われた場合、前記撮像手段により蓄積された電荷に基づく画像信号を用いて行われる処理を、前記絞りの開口量を調節する動作が行われた電荷蓄積期間において蓄積された電荷に基づく画像信号を用いて行わないように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、表示装置に前記撮像手段により出力された画像信号に基づく複数の画像を逐次表示させる動作中の前記撮像手段の電荷蓄積期間に前記絞り制御手段の制御に基づいて前記絞りの開口量を調節する動作が行われた場合、前記絞り制御手段の制御に基づいて前記絞りの開口量を調節する動作が行われている間の前記画像信号を用いて行われる処理を、前記絞りの開口量を調節する動作が行われていない電荷蓄積期間において蓄積された電荷に基づく画像信号を用いて行うように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画像信号を用いて行われる処理は、前記表示装置への表示処理であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記画像信号を用いて行われる処理は、露出制御処理であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記画像信号を用いて行われる処理は、焦点検出処理であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記画像信号を用いて行われる処理は、ホワイトバランス調整処理であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記画像信号を用いて行われる処理は、前記撮像手段の出力調整処理であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項8】
入射する光量に応じた電荷の蓄積を行い画像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段へ入射する光量を調節する絞りの開口量を制御する絞り制御手段と、を備える撮像装置を制御する方法であって、
表示装置に前記撮像手段により出力された画像信号に基づく複数の画像を逐次表示させる動作中の前記撮像手段の電荷蓄積期間に前記絞り制御手段の制御に基づいて前記絞りの開口量を調節する動作が行われた場合、前記撮像手段により蓄積された電荷に基づく画像信号を用いて行われる処理を、前記絞りの開口量を調節する動作が行われた電荷蓄積期間において蓄積された電荷に基づく画像信号を用いて行わないように制御する制御工程を備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−186860(P2012−186860A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−137253(P2012−137253)
【出願日】平成24年6月18日(2012.6.18)
【分割の表示】特願2008−1647(P2008−1647)の分割
【原出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】