説明

撮像装置及び撮像方法

【課題】 被検体が撮像装置内に配置された後にアライメントを行うX線タルボ干渉法用撮像装置において、アライメント時に被検体に照射されるX線量を低下させること。
【解決手段】 撮像装置1は、X線源2からのX線を回折することで干渉パターンを形成する回折格子3と、回折格子を経たX線を検出する検出器5と、X線源と前記被検体の間に配置可能なX線を遮るシャッタ21と、アライメントを行う調節機構を備える。
シャッタはX線源と被検体の間に配置されたとき、シャッタによってX線の照射を遮られる第1の空間30と、シャッタによってX線の照射を遮られない第2の空間31を形成し、被検体は第1の空間に配置される。
また、調節機構は、第2の空間を経て検出器により検出されるX線の強度分布の少なくとも一部に基づいてアライメントを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はX線を用いたX線撮像装置、およびX線撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、被検体を透過することによるX線の位相変化に基づいてコントラストを発生させるX線位相コントラストイメージングと呼ばれる撮像方法が検討されている。このX線位相コントラストイメージング法の一つとして、タルボ干渉を用いたX線タルボ干渉法と呼ばれる撮像方法がある。
【0003】
タルボ干渉法の概要を説明する。タルボ干渉法による撮像のためには、空間的に可干渉なX線源、X線を回折する回折格子、X線を検出する検出器を備えるX線撮像装置が必要である。空間的に可干渉なX線は回折格子により回折され、所定の位置に明暗周期を持つ干渉パターン(自己像)が形成される。この現象がタルボ効果である。X線源と回折格子の間に被検体を配置すると、X線源から出射したX線は被検体により位相が変化する。そのため、被検体を透過して位相が変化したX線により形成された自己像を検出すれば、被検体の位相像を得ることができる。
【0004】
自己像の周期は小さいため、自己像を検出するためには、空間分解能の高い検出器か、遮蔽格子が必要となる。
【0005】
遮蔽格子は、X線を遮蔽する遮蔽部とX線を透過する透過部が周期的に配置した格子である。この遮蔽格子を自己像が形成される位置に配置すれば、この自己像と遮蔽格子との重なりによりモアレが発生する。つまり、遮蔽格子を用いると、被検体によるX線の位相の変化の情報は被検体によるモアレの変形として検出器により検出することができる。
【0006】
また、X線タルボ干渉法を行う撮像装置は、X線源、回折格子、検出器、遮蔽格子を用いる場合は遮蔽格子のアライメントを行うことで、検出器に検出される自己像またはモアレのコントラストを調整したり、ボケを軽減したりする。
【0007】
特許文献1には、被検体を透過せずに回折格子と遮蔽格子を透過したX線を検出器で検出し、その検出結果に基づいてアライメントを行う撮像装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−164373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載されている撮像装置は、撮像装置内に被検体が配置された状態でX線を回折格子に照射してアライメントを行うため、被検体へもX線が照射される。そのため、アライメントを行わない場合と比較して被検体の被曝量が増加する。
【0010】
また、特許文献1には、撮像装置内に被検体を配置する前にアライメントを行う撮像装置も記載されている。この場合、アライメント時に被検体にX線が照射されないため、撮像装置内に被検体が配置された状態でアライメントを行うときと比べて被検体の被曝量を低下させることができる。しかし、この方法でアライメントを行うと、撮像装置内に被検体が配置された際や配置された後に生じるアライメントのずれを修正することができない。
【0011】
そこで本発明は、被検体が撮像装置内に配置された後にアライメントを行うX線タルボ干渉法用撮像装置において、アライメント時に被検体に照射されるX線量を低下させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明の撮像装置は、X線源からのX線を回折することで明部と暗部が配列した干渉パターンを形成する回折格子と、前記回折格子を経たX線を検出する検出器とを備え、前記X線源と前記検出器との間に配置された被検体を撮像するX線撮像装置であって、
前記X線源と前記被検体の間に配置可能なX線を遮るシャッタと、
前記X線源と前記回折格子と前記検出器とのうちの少なくともいずれか2つの相対位置、及び/又は、前記X線源と前記回折格子と前記検出器とのうち少なくともいずれか1つの姿勢、を調節する調節機構と、を備え、
前記シャッタは前記X線源と前記被検体の間に配置されたとき、
前記シャッタによってX線の照射を遮られる第1の空間と、
前記シャッタによってX線の照射を遮られない第2の空間と、を形成し、
前記被検体は前記第1の空間に配置され、
前記調節機構は、
前記第2の空間を経て前記検出器により検出されるX線の強度分布の少なくとも一部に基づいて、前記X線源と前記回折格子と前記検出器とのうちの少なくともいずれか2つの相対位置、及び/又は、前記X線源と前記回折格子と前記検出器とのうち少なくともいずれか1つの姿勢、を調節することを特徴とする。
【0013】
本発明の具体的な構成については、以下で説明する実施の形態で明らかにする。
【発明の効果】
【0014】
本発明を用いると、被検体が撮像装置内に配置された後にアライメントを行うX線タルボ干渉法用撮像装置において、アライメント時に被検体に照射されるX線量を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1に係るX線位相イメージング装置の模式図。
【図2】本発明の実施例に係る位相格子の断面図。
【図3】シャッタ21をX線源方向から見た模式図。
【図4】検出器5をX線源方向から見た模式図。
【図5】本発明の実施例2に係るX線位相イメージング装置の模式図。
【図6】本発明の実施例2に係るアライメント光遮蔽筒の模式図。
【図7】本発明の実施例2に係る別のアライメント光遮蔽筒の模式図。
【図8】本発明の実施例3に係るX線位相イメージング装置の模式図。
【図9】本発明の実施例4に係るX線位相イメージング装置の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付の図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【実施例】
【0017】
(実施例1)
図1は本実施例におけるX線撮像装置の構成を示した模式図である。図1に示したX線撮像装置1は、X線を発生させるX線源2と、位相型回折格子(以下、位相格子)3、振幅型回折格子(以下、遮蔽格子)4、X線を検出する検出器5、位相格子を移動させる移動手段として位相格子移動部11を備えている。X線撮像装置1は更に、アライメントを行う調節機構と、X線照射範囲を調節するシャッタ部を備えている。調節機構は検出器に接続された移動量決定部12と、位相格子に接続された位相格子移動部11を有している。また、シャッタ部はX線源2と被検体6の間に配置可能なシャッタ21と、シャッタ21を移動させるシャッタ移動部22を有している。以下、各構成について説明をする。
【0018】
本実施例のX線撮像装置1は光源としてX線源2を備えている。X線源としては、連続X線を出射するX線源を用いても、特性X線を出射するX線源を用いてもよい。また、X線源2から出射したX線の経路上に、X線を細いビームに分割するための線源格子を配置してもよく、その場合は線源格子もX線源の一部とみなす。X線源2から出射されるX線は以降説明する位相格子3で回折されることにより、干渉パターンを形成する必要があるため、干渉パターンを形成できる程度の空間的コヒーレンス性が求められる。
尚、X線照射光軸7はX線源2のX線出射部の中心と検出器5の中心とを結ぶ軸である。
【0019】
X線源2から出射したX線は位相格子3に回折されることにより明部と暗部が周期的に配列した干渉パターンを形成する。但し、本明細書では、X線の強度が大きい所を明部、小さい所を暗部とする。
【0020】
本実施例の位相格子3の上面図とその一部の拡大図を図2に示した。位相格子3は位相基準部32と位相シフト部33がピッチP1で市松格子状に配列されている。位相シフト部33を透過したX線は位相基準部32を透過したX線と比較して位相が一定量シフトする。位相のシフト量はπ又はπ/2のものが一般的であるが、他の値でも良い。本実施例において位相格子3はシリコンに周期的に開口部を設けた格子であり、位相シフト部33はシリコン、位相基準部32は開口部である。この他に、例えばシリコンの厚みを変えることで位相基準部と位相シフト部を形成しても良いし、X線透過率が高い材料であればシリコン以外の材料を用いても良いし、2種類以上の材料で位相格子を構成しても良い。位相格子の構成はこれに限定されず、例えば位相基準部と位相シフト部が井桁格子状に配列しているものでも良い。また、回折格子として振幅型の回折格子を用いることもできるが、位相格子の方がX線量の損失が少ないので有利である。
【0021】
位相格子3により回折されたX線は、被検体6を透過すると被検体の屈折率及び形状に応じて位相が変化し、位相格子3からタルボ距離と呼ばれる所定の距離はなれた位置に自己像を形成する。
【0022】
遮蔽格子はX線を遮蔽する遮蔽部と、X線を透過する透過部が周期的に配列した構成を持ち、自己像が形成される位置に配置される。そして遮蔽格子が自己像を形成するX線の一部を遮ることでモアレを形成する。遮蔽部はX線透過率が低い金や鉛などで構成され、透過部はシリコンのようにX線透過率が高い材料で構成されていても良いし、空隙でも良い。尚、遮蔽部はX線を完全に遮らなくても良い。但し、干渉パターンに遮蔽格子を重ねることでモアレが形成される程度にX線を遮る必要がある。
【0023】
検出器5はX線に感度を持つ平面受光素子であり、数μmの画素ピッチで構成されている。検出器5は遮蔽格子4を透過したX線の強度分布(モアレ)を検出する。
【0024】
この検出結果を演算手段である計算機に送り、計算機による計算によって、被検体の微分位相像、位相像、散乱像、吸収像を得ることができる。
【0025】
アライメントを行う調節機構は検出器に接続された移動量決定部12と、位相格子に接続された位相格子移動部11を有している。移動量決定部12は検出器5により検出された強度分布(モアレ)に基づいて位相格子3の移動量(移動方向を含む)を決定する。この位相格子の移動量は、所望のモアレと実際に検出されたモアレを比較し、遮蔽格子を固定したとき、位相格子をどの方向にどれだけ移動させれば所望のモアレを検出できるかを移動量決定部12が算出することで決定される。このように決定された移動量の決定結果は位相格子移動部11に伝送される。
【0026】
位相格子移動部11は移動量決定部12から伝送された決定結果に基づいて位相格子3を移動させることにより、位相格子3と遮蔽格子4の相対位置を変える。この相対位置の変化により干渉パターンと遮蔽格子4の相対位置が変化し、遮蔽格子を経て形成されるモアレも変化する。
【0027】
尚、本実施例における調節機構は位相格子と遮蔽格子の相対位置を変えることでアライメントを行ったが、アライメントの方法はこれに限定されない。本明細書においてアライメントとは、X線源と回折格子と遮蔽格子と検出器とのうちの少なくともいずれか2つの相対位置を調節すること、及び/又は、X線源と回折格子と遮蔽格子と検出器とのうち少なくともいずれか1つの姿勢を調節することである。上記相対位置又は姿勢のいずれか一方のみを調節した場合でもアライメントを行ったとみなす。尚、本明細書における姿勢とはX線照射光軸7と平行な面に対する角度(チルト)と、X線照射光軸7と垂直な面に沿った回転角度の両方を含む。尚、遮蔽格子を用いずに直接検出器で自己像を検出する場合は、X線源と回折格子と検出器とのうちの少なくともいずれか2つの相対位置を調節することと、及び/又は、X線源と回折格子と検出器とのうち少なくともいずれか1つの姿勢を調節することをアライメントと呼ぶ。
【0028】
X線の照射範囲を調節するシャッタ部20は、X線源2と被検体6の間に配置可能なシャッタ21と、シャッタ21を移動させるシャッタ移動部22と、マスク23とを備える。尚、X線源と被検体との間とは、被検体の撮像範囲の外縁とX線源を結んで形成される空間をさす。図3((a)、(b))はシャッタ部20をX線源から見た模式図である。
【0029】
シャッタ21とマスク23はX線を遮る材料で構成され、例えば鉛のようなX線透過率が低い金属を用いることができる。また、シャッタ移動部22はシャッタ21を移動させることができる。
【0030】
シャッタ21はX線源2と被検体6の間に配置されることで第1の空間30と第2の空間31を形成する。本明細書において、第1の空間とはシャッタ21によってX線の照射を遮られる空間であり、第2の空間とはシャッタ21によってX線の照射を遮られない空間である。また、第1の空間と第2の空間はX線照射光軸7方向において、シャッタ21から検出器5までの空間であり、シャッタ21がなければ第1の空間にも第2の空間にもX線が照射される。尚、本実施例ではシャッタ21は位相格子3と被検体6の間に配置したが、X線源2と被検体6の間であればどこに配置しても良い。シャッタ21はシャッタ移動部22によって移動させられることで、X線源2と被検体6の間に配置されたり、X線源2と被検体6の間の外に配置されたりする。シャッタ21がX線源2と被検体6の間に配置されているとき、シャッタが閉まっているといい、シャッタ21がX線源2と被検体6の間の外に配置されているとき、シャッタが開いているという。図3(a)はシャッタ21が閉まった状態を表し、図3(b)はシャッタ21が開いた状態を表している。
【0031】
図3(a)のようにシャッタ21が閉まっているとき、シャッタ21によって第1の空間がX線から遮蔽され、第2の空間を経たX線のみが検出器5に入射する。X線の発散や散乱によって第2の空間を経たX線の一部が第1の空間を経て検出器5に入射する可能性もあるが、このようなX線も第2の空間を経たX線と呼ぶ。調節機構の移動量決定部12は、このようにシャッタ21が閉まっているときに第2の空間を経て検出器5により検出されたX線の強度分布(モアレ)から位相格子の移動方向と移動量を決定する。移動量決定部12は第2の空間を経て検出器により検出されたモアレ全体のデータを用いて位相格子の移動方向と移動量を決定しても良いし、モアレの一部のみのデータを用いても良い。
【0032】
このようにアライメントを行うとき、被検体は第1の空間に配置される。上記のように第1の空間はX線から遮蔽されているため、被検体に対してX線の照射をせずにアライメントを行うことができる。
【0033】
図3(b)のようにシャッタ21を開ければ被検体にX線が照射され、被検体を撮像することができる。
【0034】
シャッタ板に要求される遮蔽率Sは撮像のための撮影時間をTk、アライメントにかかる時間をTa、撮像時に照射されるX線に対するアライメント時のX線照射許容量をKとすると以下の式で表わされる。
S=K(Tk/Ta)
撮像時に被検体に照射されるX線量の1%が、アライメント時に被検体に照射されても良いとした場合、K=1%である。例えば、撮像時のX線照射時間を1秒、アライメント時のX線照射時間を10分とすると、上記式からシャッタ21に要求される遮蔽率Sは1/100(1/600)=0.6E−3となる。一方、0.5mmの厚さの鉛のX線遮蔽率は1.0E−15となるため、0.5mm厚の鉛をシャッタ21として用いれば十分なX線遮蔽効果が得られる。
【0035】
被検体を撮像範囲内に配置しながらアライメントを行うと、被検体を配置した際や配置した後に生じるアライメントずれを修正することができる。被検体を配置した際や配置した後に生じるアライメントずれの一例として、温度変化によるアライメントずれについて説明をする。
【0036】
一般にX線位相イメージング装置は撮影時間や季節により温度変化の影響を受けることになる。例えば位相格子の大きさをl、位相格子の線熱膨張係数をα、温度変化をδtとすると位相格子の熱による変形量ΔLは以下の式で表わされる。
ΔL=l×α×δt
ここで位相格子の大きさを250mm、位相格子の材質をシリコンとした時の線熱膨張係数を2.55×10−6(1/k)、温度変化を5℃とすると
ΔL=250×2.55×10−6×5=3μm
温度が5℃変化した場合の熱による位相格子の変形量ΔLは3μmである。
位相格子の位相シフト量がπ/2の場合、干渉パターンの変形量も約3μmとなる。
【0037】
この干渉パターンの変形量が遮蔽格子のピッチの1/2より大きいと、被検体の情報を得るのが困難な部分が生じてしまう。
【0038】
環境温度変化の原因について説明をする。一般にX線撮像装置を置く環境は光学系の変動が起きないようにある一定の温度に保たれ、通常25℃以下である。ところが被検体が人体の場合、人の体温は36℃付近であり、被検体が撮像範囲内に配置されることで位相格子の温度が5℃以上変化する可能性がある。また遮蔽格子は位相格子よりも被検体から離れた位置に配置されているため被検体の体温の影響を受けにくく、干渉パターンの明部の一つ一つと、遮蔽格子の遮蔽部の一つ一つの相対位置が変化し、精密な撮像が難しくなる。
【0039】
このように、例えば人体のような、それまでのX線撮像装置の環境温度と異なる温度を持つ被検体が撮像範囲に配置されたとき、同じX線撮像装置1内においても位相格子の方が温度変化に伴う変形量が大きくなる。本実施例では被検体を撮像範囲に配置し、撮影の直前にアライメントを行うことによって、温度の変化によるアライメントずれの影響を軽減している。尚、アライメントずれとは、X線源と回折格子と遮蔽格子と検出器のうちの少なくともいずれか2つの相対位置のずれと、X線源と回折格子と遮蔽格子と検出器のうち少なくともいずれか1つの姿勢のずれのことを指す。
【0040】
マスク23はシャッタ21同様、X線を遮る材料で構成されており、開口部24が設けられている。マスク23はX線撮像装置1に固定されており、X線を照射する必要がない範囲にX線が照射されることを防ぐ。尚、X線を照射する必要がない範囲とは、撮像範囲でも、アライメントに必要なX線照射範囲でもない範囲のことを指す。マスク23はシャッタ21と同様に0.5mmの厚さの鉛を使用すれば十分な遮蔽効果が得られる。また、マスク23の構成は図3に示した構成に限定されず、例えばシャッタ部とは別の構成でシャッタ部よりも上流に設けても良いし、X線源のX線出射部に設けても良い。また、X線を照射する必要がない範囲がなければマスク23はなくても良い。
【0041】
アライメント時と被検体の撮像時におけるX線撮像装置の動作について説明する。まず、被検体の撮像前にアライメントを実施する。
【0042】
既に説明した通り、本実施例のX線撮像装置1は、図3(a)に示すようにシャッタ21を閉めた状態でアライメントを行う。これにより、アライメント中に被検体6へ照射されるX線をほとんど0にすることができる。
【0043】
検出器5により検出されたX線の強度分布に基づいて上述のように位相格子の位置を調整する。図4は検出器5をX線源方向から見た模式図である。図4の左上方向に二点鎖線で囲まれた部分は第1の空間30と接する領域51であり、被検体を撮像するためのX線が照射される領域であり、このX線撮像装置の撮像範囲に対応する。一方、第1の空間と接する領域51の右及び下方向の領域が第2の空間31と接する領域52であり、アライメントを行うためのX線が照射される領域である。尚、図4における領域とは検出器5の検出面上の特定の範囲のことである。シャッタ21が開いているときには第1の空間と接する領域51と第2の空間と接する領域52にX線が入射する。一方、シャッタ21が閉まっているときには、X線の発散や散乱により第2の空間を経たX線が検出面の第1の空間と接する領域に入射することがあるが、主に第2の空間と接する領域52にX線が入射する。
【0044】
第2の空間と接する領域のうち実際にアライメントに用いる部分は一部である。また、アライメントに用いる部分は複数有ることが好ましい。本実施例では、図4のa1、a2、a3により検出されたX線の強度分布に基づいてアライメントを行う。本実施例のように第2の空間が形成されている場合、矩形の検出面の上下左右の端部のうち3か所を用いてアライメントを行うのが好ましい。その理由は検出面上のなるべく遠く離れた位置で検出されたX線の強度分布に基づいて位相格子の移動量と移動方向を決定した方が精度よく位相格子の移動量と移動方向とを算出できるからである。また、検出面の上下左右の4隅のうちアライメントに用いる部分がない隅(図4における左上)から被検体が撮像範囲に出入りするようにすれば、アライメント用X線9の照射中でも被検体にX線を照射させることなく被検体が撮像範囲を出入りできる。
【0045】
アライメントが終了したら被検体の撮像を行う。
【0046】
撮像のタイミングに合わせてシャッタ21を開けて被検体6へのX線照射を行う。また、本実施例のように、撮像中に第2の空間を経たX線が検出器に入射する場合、撮像中にもアライメントを行うことが可能である。第1の空間と接する領域51に入射するX線の強度分布の検出を行いつつ第2の空間と接する領域52に入射するX線の強度分布に基づいてアライメントを行えば、撮像中に発生したアライメントずれを修正することができる。そのため、撮像中にアライメントを行えば、よりアライメントのずれが小さい状態で被検体を撮像することができる。撮像中に発生するアライメントずれの原因として、上述した被検体の温度による環境温度変化の他に、撮像中のX線源、位相格子、遮蔽格子、検出器の移動が挙げられる。位相シフト法(縞走査法)では自己像と遮蔽格子の相対位置を移動させるために、またトモグラフィでは様々な角度から被検体を撮像するために、X線源、位相格子、遮蔽格子、検出器のうちいずれか1つ以上を移動させながら撮像を行うことが一般的である。撮像中にアライメントを行えば、これらの移動に伴い発生したアライメントずれを修正することが可能である。また、位相シフト法やトモグラフィなどで被検体を配置したまま複数回撮像を行う場合は撮像の合間にシャッタを閉じてアライメントを行うこともできる。アライメント中にシャッタを閉じることで被検体にアライメント用のX線が照射されるのを防ぐことができる。尚、撮像終了後は不慮の故障等による第1の空間へのX線照射を防止するために、シャッタ21を閉じておくのが好ましい。
【0047】
以上が本実施例における被検体のX線位相コントラスト像の撮像方法である。
【0048】
尚、本実施例では被検体6を位相格子3と遮蔽格子4の間に配置しているが、被検体6をX線源2と位相格子3の間に配置してもよい。シャッタ部20をX線源2と被検体6の間に配置することにより本実施例と同様の効果を得ることが出来る。
【0049】
また本実施例では、シャッタ部のマスク23によって被検体の撮像にもアライメントにも使用しないX線を遮っているが、X線源とシャッタの間にマスクを設けたり、線源格子上にマスクを設けたりしても良い。
【0050】
(実施例2)
実施例2は、第1の空間にX線が漏れることを防ぐために、シャッタと検出器の間にX線を遮蔽する壁(遮蔽壁)を設けた点で実施例1と異なる。
【0051】
図5は本実施例におけるX線撮像装置101の構成を示した模式図である。X線を発生させるX線源2、位相格子3、遮蔽格子4、X線を検出する検出器5、アライメントを行う調節機構、シャッタ部20の構成に関しては実施例1と同じであるので説明は省略する。X線撮像装置101は、シャッタ21と検出器5の間にX線を遮蔽する遮蔽壁8を備える。遮蔽壁8はX線を遮る材質で構成されており、例えば、シャッタ21と同様に0.5mmの厚さの鉛を使用すれば十分な遮蔽効果が得られる。遮蔽壁8は、第1の空間内又は第1の空間と第2の空間の境界に設けられることで、シャッタ21が閉じているときに第2の空間から第1の空間へ漏れるX線の量を軽減する。
【0052】
第1の空間へ漏れるX線の量を効果的に軽減するためには、シャッタ21と検出器との間を綱供養に遮蔽壁8を設けることが好ましいが、シャッタ21と検出器との間の一部にでも遮蔽壁8が設けられていれば、第1の空間へ漏れるX線の量を軽減することができる。
【0053】
図6((a)、(b))は本発明の実施例2のシャッタ21と遮蔽壁8をX線源側から見た模式図である。尚、図6に示した遮蔽壁8は、第1の空間と第2の空間の境界に設けた。
【0054】
図6(a)はシャッタ21が閉まった状態を表し、図6(b)はシャッタ21が開いた状態を表している。図3で示したシャッタ移動部とマスクは不図示とした。図6(a)ではシャッタ21が閉まっており、被検体はシャッタ21によりX線から遮蔽される。また、アライメントに用いるX線は遮蔽壁8に囲まれた空間を経て検出器5に入射するため、シャッタ21が閉まっていてもアライメントを行うことができる。
【0055】
遮蔽壁8はX線を遮蔽して第1の空間にアライメント用のX線が漏えいすることを防ぐ役目のほかに、第2の空間への被検体の侵入を防ぐ役目も果たす。
【0056】
実施例1のX線撮像装置は、アライメント中に第2の空間から発散又は散乱したX線が第1の空間に漏れることで、アライメント用のX線が被検体に照射される可能性があるが、本実施例のX線撮像装置101はそれを防ぐことができる。加えて、本実施例のX線撮像装置は、アライメント中に被検体が誤って第2の空間に侵入することを防ぐこともできる。
【0057】
更に本実施例のX線撮像装置では、アライメント時にアライメント用のX線としてシャッタ21の下部を通過するX線は、シャッタ21が開いたときにも遮蔽壁8により囲まれた領域を通過する。そのため、被検体撮像時にもアライメント用のX線が被検体に照射されることを防ぐことができる。
【0058】
遮蔽壁とシャッタの別の形態の模式図を図7((a)、(b))に示した。図7(a)はシャッタが閉まった状態を表し、図7(b)はシャッタが開いた状態を表している。図7(a)のシャッタ部120は、シャッタ121とシャッタ移動部(不図示)とマスク123を有し、シャッタ121には検出器上のアライメントを行う部分に対応した円形の開口125が3か所設けられている。この開口は図4のa1、a2、a3に対応した位置に設けられており、シャッタ121が閉まった状態の時、アライメント用のX線が検出器5に入射する。また図7(b)に示すように、開口125のそれぞれに対応して円筒状の遮蔽壁108が設けられている。この遮蔽壁108はシャッタ121から検出器5まで続いている。
【0059】
シャッタ121がこのような構造をとる場合でも、第1の空間はシャッタよってX線の照射が遮られる空間である。そのため、シャッタ121が閉じているとき、第1の空間とシャッタ121との接面はシャッタ121のうち、開口125が設けられていない部分である。また、シャッタ121が閉じているとき、第2の空間とシャッタ121は開口125で接しているともいえる。図7の場合、X線撮像装置は第2の空間を3か所持つ。
【0060】
また、遮蔽壁108がこのような構造をとる時、遮蔽壁108は第1の空間に開口125を通過したX線が漏れることを防ぐ。また、アライメントは遮蔽壁108に囲まれた円柱状の空間を経たX線を用いて行う。
【0061】
図7において、遮蔽壁108の、シャッタ121との接面における直径は、シャッタ121に設けられた開口125の直径よりも大きい。つまり、この遮蔽壁108は第1の空間と第2の空間の境界ではなく、第1の空間内に形成されている。遮蔽壁108をこのように形成することにより、遮蔽壁108に囲まれた空間は、シャッタによって形成される第2の空間だけでなく、第1の空間の一部も有している。
【0062】
アライメント時と被検体の撮像時における本実施例のX線撮像装置101の動作は、実施例1のX線撮像装置1と同様なので省略する。
【0063】
(実施例3)
実施例3は、第2の空間に照射されるアライメント用X線をアライメント終了後に遮るためアライメント用X線シャッタを備える点で実施例1と異なる。
【0064】
図8は本実施例におけるX線撮像装置201の構成を示した模式図である。X線源2、位相格子3、遮蔽格子4、検出器5、調節機構、シャッタ部20に関しては第1の実施例と同じであるので説明は省略する。本実施例における特有の構成はアライメント用X線シャッタ部である。このアライメント用X線シャッタ部はアライメント用X線シャッタ71と、アライメント用X線シャッタ移動部72を有する。アライメント用X線シャッタ移動部72はアライメント用X線シャッタ71を移動させることで、アライメント用X線シャッタが開いた状態にしたり、閉じた状態にしたりする。
【0065】
尚、アライメント用X線シャッタが開いた状態では、アライメント用X線シャッタ71がX線の照射範囲外に配置されており、第2の空間にX線が照射される。また、アライメント用X線シャッタが閉じた状態では、アライメント用X線シャッタ71は、第1の空間を遮蔽するシャッタ21とマスク23で遮蔽できない領域を全て遮蔽できるように配置されており、第2の空間をX線から遮蔽する。
【0066】
アライメント時における本実施例のX線撮像装置201の動作は、実施例1のX線撮像装置1と同様なので省略する。但し、アライメント中はアライメント用X線シャッタ71を開いて第2の空間にX線を照射する。
【0067】
X線撮像装置201は、実施例1のX線撮像装置1と同様にアライメント終了後に被検体の撮像を行う。撮像を行う際は、第1の空間を遮蔽するシャッタ21を開けて被検体6へX線を照射する。その際に、アライメント用X線シャッタ71を閉じて、第2の空間に照射されていたX線を遮る。これにより、撮像時にアライメント用X線とその散乱X線で被検体に照射されることを防ぐ。ただし撮像時にアライメント用X線シャッタ71を閉じると撮像中にアライメントを行うことができないため、被検体の撮像中のアライメントを行う際だけアライメント用X線シャッタ71を開けても良い。
【0068】
(実施例4)
実施例4は、被検体が第2の空間内に入っているときにはX線源からのX線の照射を停止する点で実施例1と異なる。
【0069】
図9は本実施例におけるX線撮像装置301の構成を示した模式図である。X線源2、位相格子3、遮蔽格子4、検出器5、調節機構、シャッタ部20に関しては実施例1と同じであるので説明は省略する。本実施例特有の構成として、第2の空間内に被検体が侵入したことを検知する被検体センサ28と、X線源にX線の照射を停止させることができるX線源停止スイッチ29がX線撮像装置301に備えられている。
【0070】
被検体センサ28は、第2の空間内に被検体が侵入したことを検知する機能を持つ。被検体センサ28として、例えば光電式のラインセンサを用いることができる。尚、図9では被検体センサ28が撮像範囲内に設けられているようにも見えるが、被検体が撮像範囲より大きい場合は被検体センサ28を撮像範囲の上下左右の所望の位置に設けることで撮像の邪魔をすることなく被検体の侵入を検知することができる。
【0071】
X線源2からX線が照射され、シャッタ21が閉じて、アライメント用のX線が第2の空間に照射されているときに、被検体が第2の空間に侵入すると、被検体センサ28が被検体の侵入を検知し、X線源停止スイッチ29に被検体の侵入を送信する。
【0072】
X線源停止スイッチ29は被検体センサ28から被検体の侵入を知らせる信号を受け取ると、X線源2によるX線の照射を停止させる。これにより、被検体が第2の空間内でX線の照射を受けることを防ぐことができる。
【0073】
アライメント時と被検体の撮像時における本実施例のX線撮像装置301の動作は、実施例1のX線撮像装置1と同様なので省略するが、被検体がアライメント中に第2の空間に侵入した場合はX線源からのX線の照射が停止される。
【0074】
尚、シャッタ21が開いているときにも第2の空間に被検体が侵入したことを被検体センサ28が検知し、X線の照射を停止しても良い。また、被検体が第2の空間に侵入しているときには、アライメントを実行する操作を行ってもX線が照射されないようにしても良い。また、X線源停止スイッチはX線源によるX線の照射を停止させる代わりにX線を遮蔽することができるマスクを用いて第2の空間へのX線照射を停止させても良い。
【0075】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 X線撮像装置
2 X線源
3 位相格子
4 遮蔽格子
5 検出器
6 被検体
21 シャッタ
30 第1の空間
31 第2の空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源からのX線を回折することで明部と暗部が配列した干渉パターンを形成する回折格子と、前記回折格子を経たX線を検出する検出器とを備え、前記X線源と前記検出器との間に配置された被検体を撮像するX線撮像装置であって、
前記X線源と前記被検体の間に配置可能なX線を遮るシャッタと、
前記X線源と前記回折格子と前記検出器とのうちの少なくともいずれか2つの相対位置、及び/又は、前記X線源と前記回折格子と前記検出器とのうち少なくともいずれか1つの姿勢、を調節する調節機構と、を備え、
前記シャッタは前記X線源と前記被検体の間に配置されたとき、
前記シャッタによってX線の照射を遮られる第1の空間と、
前記シャッタによってX線の照射を遮られない第2の空間と、を形成し、
前記被検体は前記第1の空間に配置され、
前記調節機構は、
前記第2の空間を経て前記検出器により検出されるX線の強度分布の少なくとも一部に基づいて、前記X線源と前記回折格子と前記検出器とのうちの少なくともいずれか2つの相対位置、及び/又は、前記X線源と前記回折格子と前記検出器とのうち少なくともいずれか1つの姿勢、を調節することを特徴とするX線撮像装置。
【請求項2】
X線源からのX線を回折することで明部と暗部が配列した干渉パターンを形成する回折格子と、前記X線を遮蔽する遮蔽部と前記X線を透過する透過部とを有し、前記干渉パターンを形成するX線の一部を遮る遮蔽格子と、前記遮蔽格子を経たX線を検出する検出器とを備え、前記X線源と前記検出器との間に配置された被検体を撮像するX線撮像装置であって、
前記X線源と前記被検体の間に配置可能なX線を遮るシャッタと、
前記X線源と前記回折格子と前記遮蔽格子と前記検出器とのうちの少なくともいずれか2つの相対位置、及び/又は、前記X線源と前記回折格子と前記遮蔽格子と前記検出器とのうち少なくともいずれか1つの姿勢、を調節する調節機構と、を備え、
前記シャッタは前記X線源と前記被検体の間に配置されたとき、
前記シャッタによってX線の照射を遮られる第1の空間と、
前記シャッタによってX線の照射を遮られない第2の空間と、を形成し、
前記被検体は前記第1の空間に配置され、
前記調節機構は、
前記第2の空間を経て前記検出器により検出されるX線の強度分布の少なくとも一部に基づいて、前記X線源と前記回折格子と前記遮蔽格子と前記検出器とのうちの少なくともいずれか2つの相対位置、及び/又は、前記X線源と前記回折格子と前記遮蔽格子と前記検出器とのうち少なくともいずれか1つの姿勢、を調節することを特徴とするX線撮像装置。
【請求項3】
前記第2の空間を複数有することを特徴とする請求項1又は2に記載のX線撮像装置。
【請求項4】
前記シャッタと前記検出器の間の少なくとも一部に前記X線を遮蔽する壁が設けられており、
前記壁は、前記第1の空間内または前記第1と前記第2の空間の境界に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線撮像装置。
【請求項5】
前記被検体の位置を検知する被検体センサを備え、
前記シャッタにより前記第1の空間への前記X線の照射が遮られているときに前記被検体センサが前記被検体の前記第2の空間内への侵入を検知すると、
前記X線源は前記X線の前記第2の空間への照射を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載のX線撮像装置。
【請求項6】
X線源からのX線を回折することで明部と暗部が配列した干渉パターンを形成する回折格子と、前記回折格子を経たX線を検出する検出器と、前記X線源と被検体の間に配置可能なX線を遮るシャッタと、を備え、前記X線源と前記検出器との間に配置された被検体を撮像するX線撮像装置のアライメント方法であって、
前記シャッタによって、X線の照射を遮られる第1の空間とX線の照射を遮られない第2の空間とを形成する工程と、
前記第1の空間に被検体を配置する工程と、
前記第2の空間を経て前記検出器により検出されるX線の強度分布の少なくとも一部に基づいて前記X線源と前記回折格子と前記検出器とのうちの少なくともいずれか2つの相対位置、及び/又は、前記X線源と前記回折格子と前記検出器とのうち少なくともいずれか1つの姿勢、を調節する工程と、を有することを特徴とするアライメント方法。
【請求項7】
X線源からのX線を回折することで明部と暗部が配列した干渉パターンを形成する回折格子と、前記X線を遮蔽する遮蔽部と前記X線を透過する透過部とを有し、前記干渉パターンを形成するX線の一部を遮る遮蔽格子と、前記遮蔽格子を経たX線を検出する検出器と、前記X線源と被検体の間に配置可能なX線を遮るシャッタを備え、前記X線源と前記検出器との間に配置された被検体を撮像するX線撮像装置のアライメント方法であって、
前記シャッタによって、X線の照射を遮られる第1の空間とX線の照射を遮られない第2の空間とを形成する工程と、
前記第1の空間に被検体を配置する工程と、
前記第2の空間を経て前記検出器により検出されるX線の強度分布の少なくとも一部に基づいて前記X線源と前記回折格子と前記遮蔽格子と前記検出器とのうちの少なくともいずれか2つの相対位置、及び/又は、前記X線源と前記回折格子と前記遮蔽格子と前記検出器とのうち少なくともいずれか1つの姿勢、を調節する工程と、を有することを特徴とするアライメント方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−70867(P2013−70867A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212968(P2011−212968)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】