撮像装置及び画像処理方法
【課題】被写体画像に対して、ユーザが望む領域に所望の画像処理を施す。
【解決手段】被写体像が結像されて被写体の画像データを取得する撮像素子170と、画像データに基づいて画像を表示する表示部102と、表示部102内の任意の領域を指定する領域指定部120と、撮像した画像データについて、領域の内外で異なる画像処理を行う画像処理部180と、を備える。
【解決手段】被写体像が結像されて被写体の画像データを取得する撮像素子170と、画像データに基づいて画像を表示する表示部102と、表示部102内の任意の領域を指定する領域指定部120と、撮像した画像データについて、領域の内外で異なる画像処理を行う画像処理部180と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体画像から自動的に人物(顔)などのある領域を特定し、その領域に適した処理を適用する技術が知られている。また、予めユーザが選択できる撮影シーン別モード(夜景、ポートレート、など)を用意し、撮影時にユーザがモードを指定することで、撮影シーンに適した画像を生成する手法なども知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−279601号公報
【特許文献2】特開2009−124231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが意図的に撮像画像のある領域に対して優先的な画像処理を望む場合が想定される。上記従来技術では、このような場合にユーザの意向を反映して撮影を行うことができない問題がある。つまり、上記の技術では、画像中の特定の領域に、ユーザが指定した内容の画像処理を反映させて撮影することができなかった。
【0005】
例えば撮像装置が自動的に人の顔を検出する場合においては、多人数の被写体から自動検出された複数の顔の中に、ユーザが優先して検出して欲しい人物が含まれていない場合が生じる。このような場合、優先して検出して欲しい人物にユーザが望む所望の画像処理をすることはできなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、被写体画像に対して、ユーザが望む領域に所望の画像処理を施すことが可能な、新規かつ改良された撮像装置及び画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、被写体像が結像されて被写体の画像データを取得する撮像素子と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、ユーザの入力に応じて前記表示部内の任意の領域を指定する領域指定部と、撮像した画像データについて、前記領域の内外で異なる画像処理を行う画像処理部と、を備える撮像装置が提供される。かかる構成によれば、撮像素子によって取得された画像データに基づいて表示部に画像が表示され、ユーザの入力に応じて表示部内の任意の領域が指定される。そして、撮像した画像データについて、領域の内外で異なる画像処理が行われる。従って、ユーザが望む領域に所望の画像処理を施すことが可能となる。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被写体像が結像されて被写体の画像データを取得する撮像素子と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、前記画像から特定のオブジェクトの領域を検出するオブジェクト検出部と、ユーザの入力に応じて前記オブジェクトの検出範囲を指定する領域指定部と、撮像した画像データについて、検出されたオブジェクトの領域の内外で異なる画像処理を行う画像処理部と、を備える撮像装置が提供される。かかる構成によれば、撮像素子によって取得された画像データに基づいて表示部に画像が表示され、画像から特定のオブジェクトの領域が検出され、ユーザの入力に応じてオブジェクトの検出範囲が指定される。そして、撮像した画像データについて、検出されたオブジェクトの領域の内外で異なる画像処理が行われる。従って、ユーザが望むオブジェクトに対して所望の画像処理を施すことが可能となる。
【0009】
また、ユーザの入力に応じて、前記領域を補正する領域補正部を備える。かかる構成によれば、ユーザの入力に応じて領域が補正されるため、撮像装置の移動、手振れなどによって領域が変化した場合であっても、所望の領域に補正することができる。
【0010】
また、ユーザによる操作情報の入力に応じて、前記領域を削除する領域削除部を備える。かかる構成によれば、ユーザによる操作情報の入力に応じて領域が削除されるため、ユーザが意図しない領域に応じて画像処理が行われることを回避できる。
【0011】
また、前記画像データに基づいて被写体の動きを検出する動き検出部と、前記被写体の動きに基づいて、前記領域を補正する領域補正部と、を備える。かかる構成によれば、画像データに基づいて被写体の動きが検出され、被写体の動きに基づいて領域が補正されるため、撮像装置の移動、手振れなどによって領域が変化した場合であっても、所望の領域に補正することができる。
【0012】
また、前記画像データに基づいて被写体の動きを検出する動き検出部と、前記被写体の動きに基づいて、前記領域を削除する領域削除部と、を備える。かかる構成によれば、画像データに基づいて被写体の動きが検出され、被写体の動きに基づいて領域が削除されるため、ユーザが意図しない領域に応じて画像処理が行われることを回避できる。
【0013】
また、各画素の座標に応じて、前記領域の内外における画像処理結果を切り換えて出力するセレクタを備える。かかる構成によれば、各画素の座標に応じて領域の内外における画像処理結果が切り換えられて出力されるため、領域の内外で異なる画像処理を行うことができる。
【0014】
また、前記領域の内外における画像処理結果を合成し、前記領域の中央からの距離に応じて、合成比率を変更して出力する合成部を備える。かかる構成によれば、領域の内外における画像処理結果が合成され、領域の中央からの距離に応じて合成比率が変更されるため、領域の内外で滑らかに画像処理を変化させることができる。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被写体像が結像される撮像素子から被写体の画像データを取得するステップと、前記画像データに基づいて画像を表示するステップと、表示された画像の任意の領域を指定するステップと、撮像した画像データについて、前記領域の内外で異なる画像処理を行うステップと、を備える画像処理方法が提供される。かかる構成によれば、撮像素子によって取得された画像データに基づいて画像が表示され、表示された画像の任意の領域が指定される。そして、撮像した画像データについて、領域の内外で異なる画像処理が行われる。従って、ユーザが望む領域に所望の画像処理を施すことが可能となる。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被写体像が結像される撮像素子から被写体の画像データを取得するステップと、前記画像データに基づいて画像を表示するステップと、前記画像から特定のオブジェクトの領域を検出するステップと、ユーザの入力に応じて前記オブジェクトの検出範囲を指定するステップと、撮像した画像データについて、検出されたオブジェクトの領域の内外で異なる画像処理を行うステップと、を備える画像処理方法が提供される。かかる構成によれば、撮像素子によって取得された画像データに基づいて画像が表示され、画像から特定のオブジェクトの領域が検出され、ユーザの入力に応じてオブジェクトの検出範囲が指定される。そして、撮像した画像データについて、検出されたオブジェクトの領域の内外で異なる画像処理が行われる。従って、ユーザが望むオブジェクトに対して所望の画像処理を施すことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、被写体画像に対して、ユーザが望む領域に所望の画像処理を施すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮像装置の外観を示す模式図である。
【図2】ユーザが始点にタッチし、終点までドラッグすることにより、始点と終点を結ぶ直線を対角線とする矩形の領域A1を指定した場合を示す模式図である。
【図3】ユーザが始点にタッチし、フリーハンドで終点までドラッグすることにより、ユーザが所望の領域A2を指定した場合を示す模式図である。
【図4】本実施形態に係る撮像装置の処理を示すフローチャートである。
【図5】図3で説明した顔検出を行う場合の処理を示すフローチャートである。
【図6】補正処理を行う場合の表示画面の推移例を示す模式図である。
【図7】指定領域をマニュアル操作で補正する例を示す模式図である。
【図8】領域選択中に一定時間が経過したことにより、指定された領域をキャンセルする例を示す模式図である。
【図9】領域選択中に撮像装置の移動に伴って指定された領域内のオブジェクトが移動した場合に、選択を解除するか否かをユーザに選択させる例を示す模式図である。
【図10】領域選択中にユーザの意思で選択を解除する場合を示す模式図である。
【図11】撮像装置100の機能ブロック構成を示す模式図である。
【図12】第1の画像処理部での画像処理で用いられるオート用のトーン補正処理カーブを示す特性図である。
【図13】第2の画像処理部での画像処理に用いられるポートレート用のトーン補正処理カーブを示す特性図である。
【図14】指定領域の境界付近で画像処理を段階的に変化させる場合の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置100の外観を示す模式図である。図1は、撮像装置100を背面から見た状態を示しており、撮像装置100の背面には液晶表示パネル等から構成される表示部102が設けられている。撮像装置100は、図1に示す反対側の面に撮像光学系を備え、撮像光学系により被写体像が撮像素子の撮像面に結像されて、被写体像が画像信号に変換される。表示部102は、撮像素子で取得された画像信号に基づいてビュー画像(ライブ画像)を表示する。なお、図1の左側はデジタルカメラの一例を示しており、右側は携帯電話の機能を備えたPDAの一例を示している。
【0021】
また、撮像装置100には、シャッターボタン、領域指定ボタンなどの各種ポインティングデバイスが設けられている。本実施形態において、ユーザは、表示部102に表示されているビュー画像に対して、ポインティングデバイスを指で操作することにより、特定のエリア(以下、指定領域または選択領域と称する)を1つまたは複数指定することができる。そして、その指定エリアに対して所定の画像処理を選択して適用させることができる。なお、表示部102に透明電極からなるタッチパネル式のセンサが設けられている場合、領域指定はタッチパネルの操作により行うことができる。
【0022】
以下、本実施形態における領域の指定について、図面に基づいて説明する。以下では、表示部102にタッチパネル式のセンサが設けられている場合について説明する。なお、領域指定の方法はタッチパネルに限定されるものではなく、操作ボタンによる領域指定であっても構わない。
【0023】
図2は、ユーザが始点にタッチし、終点までドラッグすることにより、始点と終点を結ぶ直線を対角線とする矩形の領域A1を指定した場合を示している。なお、図2では矩形の領域を示しているが、円または楕円の領域であってもよい。図2に示すように、表示部102に表示された人の顔を中心とした領域A1を指定することにより、顔の近辺の指定領域内で所定の画像処理を行うことができる。
【0024】
図3は、ユーザが始点にタッチし、フリーハンドで終点までドラッグすることにより、ユーザが所望の領域A2を指定した場合を示している。図3は、撮像装置100が備える顔検出機能により複数の顔が検出されている場合に、自動的に検出された顔以外の顔をユーザが指定して所定の画像処理を施す場合を示している。ここで、撮像装置100の顔検出機能は、一度に3つまで顔を検出できる設定とする。
【0025】
図3の最も上に示す図は、撮像装置100の顔検出機能により、表示部102内に3つの顔が自動的に検出された状態を示している。検出された3つの顔は、矩形の領域A3で示されている。ユーザが表示部102の最も左に位置する人の顔検出を望んでおらず、表示部102の右に位置する複数の人の中から3つの顔を検出したい場合、右側に位置する複数の顔を含む領域をフリーハンド(点線)で描いて、領域A2を指定する(図3の真中の図)。
【0026】
以上のようにして領域A2を指定した後、例えばユーザが表示画面102を1回だけタッチすると、図3の最も下の図に示すように、ユーザが指定した領域A2内で顔検出をした結果、3つの顔のエリア(矩形の領域A4)が表示される。これにより、ユーザが指定した領域A2内で3つの顔が検出されたことになる。顔検出のリリース後、ユーザは必要に応じて、矩形のマークの角や線分にタッチしてドラッグすることで、顔エリアをリサイズすることができる。
【0027】
また、領域指定後、ユーザが表示画面102をダブルタップ(素早く2回タッチ)すると、処理選択メニュー104が表示される(図2の下の図を参照)。ユーザは、指定した領域の画像処理について、「シャープ」、「ソフト」、「コントラスト」、「あざやか」、「カスタム」などの項目を指定することにより、指定した領域(図2の領域A2、図3の領域A4)に対して撮影時に所望の画像処理を行うことができる。例えば、ユーザが「シャープ」の項目を選択した場合、指定した領域内の画像を領域外よりもシャープにする画像処理が行われる。
【0028】
なお、ユーザによって領域が指定されていない状態でダブルタップした場合には、画面全体に対してユーザが選択した処理を適用する。また、タッチした状態でドラッグがされていない場合、領域指定がされていないものとして、数秒待機した後、処理選択メニュー表示するようにしても良い。選択できる画像処理は、プリセットのもの、ユーザが自分で登録したものなどを含むことができる。
【0029】
図4は、本実施形態に係る撮像装置100の処理を示すフローチャートであって、図2に示す通常の領域指定の場合に対応する。先ず、ステップS10では表示部102にビュー画像を表示する。次のステップS12では、ユーザによる領域指定があったか否かを判定し、領域指定があった場合はステップS14へ進む。ステップS14では、ユーザの操作に応じて表示部102に画像処理メニューを表示する。図2に示したように、画像処理メニューはポップアップの画面により表示することができる。次のステップS16では、ユーザにより表示画面102上の画像処理メニューが選択される。次のステップS18では、選択されたメニューに従って画像処理パラメータを更新する。ステップS18では、図2に示したような「シャープ」、「ソフト」、「コントラスト」、「あざやか」、「カスタム」などの項目からユーザが1つの項目を選択した場合、選択した項目に対応するように画像処理のパラメータの設定を更新する。
【0030】
ステップS18の後は、ステップS20へ進む。また、ステップS12でユーザによる領域指定がなかった場合もステップS20へ進む。ステップS20では、ユーザによりシャッターボタンが押し下げられ、撮像素子にて被写体の画像データが取得される。次のステップS22では、ステップS18で更新された画像処理パラメータによって撮像された被写体の画像データに対する画像処理が行われる。なお、ステップS12でユーザによる領域指定がなかった場合は、デフォルトのパラメータによって画像処理を行う。次のステップS24では、画像処理が施された撮影画像のデータを表示部102に表示し、また外部メモリなどのメモリに保存する。
【0031】
また、図5は、図3で説明した顔検出を行う場合の処理を示すフローチャートである。この場合、先ずステップS30にて表示部102にビュー画像を表示する。次のステップS32では、表示部102内において、画像の特徴量から顔検出を行う。次のステップS34では、ユーザによる領域指定があったか否かを判定し、領域指定があった場合はステップS36へ進む。ステップS36では、指定された領域に関する情報(指定領域情報)を生成し、ステップS32へ戻る。この場合、ステップS32では、ステップS36で生成した指定領域情報に基づいて顔検出を行なう。これにより、指定領域内で顔検出が再度行われる。
【0032】
ステップS34で領域指定がない場合は、ステップS38へ進む。ステップS38では、ユーザによりシャッターボタンが押し下げられ、撮像素子にて被写体の画像データが取得される。次のステップS40では、検出された顔エリアにおいて顔に適した所定の画像処理を行う。上述したメニュー画面により特定の項目が選択されている場合は、その項目に適した画像処理を行う。次のステップS42では、画像処理が施された画像データを表示部102に表示し、またメモリに保存する。
【0033】
次に、ユーザによって指定された領域を補正する手法について説明する。通常、撮像装置100はユーザが手に持って撮影するため、領域を選択した後、手振れなどの要因により、領域指定された対象(物)が選択領域またはビュー画面から外れてしまうことが想定される。このような場合、以下の処理を行う。
【0034】
先ず、指定領域を補正する場合は、指定領域内のオブジェクトに対してオブジェクトの特徴量に基づいて動きを追跡し、動きに応じて指定領域位置を補正する。
【0035】
図6は、補正処理を行う場合の表示画面102の推移例を示す模式図である。図6に示す例では、図3と同様に右上の複数の顔を含む領域(破線で示す領域A2)を指定した後、領域を確定する前に撮像装置100の位置が移動したことによって、表示部102内で4人の顔の位置が左側に移動した場合を示している。この場合、指定領域A2内のオブジェクト(顔)の動きをその特徴量から追跡し、顔の移動に応じて指定領域A2を移動させる。なお、指定領域の確定は、表示部102を所定回数タップすること、ポインティングデバイスを操作すること、シャッターボタンを半押しにすること等の動作により行うことができる。
【0036】
また、図7は、指定領域をマニュアル操作で補正する例を示している。右側の4人の顔を含む領域を指定しているときに撮像装置100が移動し、指定した領域(破線で示す領域A2)が4人の顔の位置から外れた場合、ユーザが指定領域A2(選択エリア)をドラッグして動かすことにより指定領域を補正する。これにより、撮像装置100が動いた場合に、ユーザの意図しない領域が指定されてしまうことを抑止できる。
【0037】
次に、ユーザによって指定された領域をキャンセルする手法について説明する。撮像装置100は、指定領域内の特徴量(ヒストグラム、エッジ)を取得してモニタしておき、一定量以上の変化があった場合にその指定領域をキャンセルする。または、撮像装置100は、キャンセルして良いかユーザに問い合わせる表示を行う。ユーザがキャンセルを許可した場合、指定領域のキャンセル操作を行う。
【0038】
図8は、領域選択中に一定時間が経過したことにより、指定された領域をキャンセルする例を示す模式図である。図8の上段の図は、図2と同様に、破線で示す矩形領域A1を選択している状態を示している。この領域選択中に撮像装置100が移動し、指定した領域(破線で示す矩形領域)が顔の位置から外れた場合(図8の中段の図)、一定時間が経過した後に指定領域の選択を解除する(図8の下段の図)。撮像装置100の移動により指定領域が外れたか否かは、指定領域内の特徴量の変化に基づいて行う。
【0039】
また、図9は、領域選択中に撮像装置100の移動に伴って指定された領域内のオブジェクトが移動した場合に、選択を解除するか否かをユーザに選択させる例を示す模式図である。図9の上段の図は、破線で示す矩形領域A1を選択している状態を示している。この領域選択中に撮像装置100または被写体が移動し、指定した領域(破線で示す矩形領域A1)が顔の位置から外れた場合、選択を削除するか否かをユーザが指定するためのメニュー画面106が表示される(図9の中段の図)。ユーザが選択を解除する旨(Yes)を選択した場合、指定領域の選択を解除する(図9の下段の図)。この場合においても、撮像装置100の移動により指定領域が外れたか否かは、指定領域内の特徴量の変化に基づいて行う。
【0040】
図10は、領域選択中にユーザの意思で選択を解除する場合を示している。図10の上段の図は、破線で示す矩形領域A1を選択している状態を示している。ユーザは、選択した領域をキャンセルしたい場合は、タッチパネル上で矩形領域A1の境界を左右にこする操作をすることにより(図10の中段の図)、選択を解除することができる(図10の下段の図)。なお、選択を解除する方法は、この他にも様々な手法が考えられ、例えば撮像装置100のポインティングデバイスにキャンセルボタンを設定しておき、ユーザがこれを操作した場合は選択を解除するようにしても良い。
【0041】
次に、上述の機能を実現する構成と、ユーザに選択された領域に対する画像処理を行う構成について説明する。図11は、撮像装置100の機能ブロック構成を示す模式図である。図11に示すように、撮像装置100は、入力部110、領域指定部120、領域補正部130、顔検出部140、動き検出部150、表示処理部160、画像入力部170、画像処理部180、セレクタ190、領域信号生成部200、画像記録部210を有して構成される。図11に示す各ブロックは、回路(ハードウェア)、またはCPUなどの中央演算処理装置とこれを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)により構成することができる。このプログラムは、撮像装置100が備えるメモリ、または撮像装置100に外部から接続されるメモリなどの記録媒体に格納されることができる。
【0042】
図11において、入力部110は、上述したタッチパネル、またはポインティングデバイスに対応する。領域指定部120は、入力部110への入力に応じて指定領域を指定するブロックである。また領域指定部120は、上述した手法で指定した領域を解除する領域指定解除部としての機能も備えている。領域補正部130は、撮像装置100や被写体の移動に伴って指定された領域のオブジェクトが移動した場合に、オブジェクトの移動に伴って指定領域を移動させるブロックである。顔検出部140は、画像の特徴量により顔を検出するブロックである。顔検出の手法としては公知のものを用いることができる。顔検出部140は、図3で説明したように、領域指定部120によって領域A2が指定された場合は、領域A2内で再度顔検出を行う。このため、領域検出部120は、顔検出などのオブジェクトを検出する場合は、オブジェクトの検索範囲を指定する機能を担う。
【0043】
画像入力部170は、上述した撮像素子に対応するもので、CMOS、CCDなどのセンサから構成され、被写体の画像データを入力する。表示処理部160は、画像入力部170から入力されるビュー画像と、領域指定部120によって指定された領域を表示部102に表示するための処理を行う。また、表示処理部160は、図2に示した画像処理メニュー104などのポップアップを表示する処理を行う。動き検出部150は、画像入力部170から入力されるビュー画像について、指定領域の特徴量をモニタし、特徴量が移動した場合は移動量、移動方向を検出する。領域補正部130は、動き検出部150で検出された移動量、移動方向に基づいて指定領域を移動させる。また、領域補正部130は、補正された指定領域の座標を示す選択領域座標情報を領域信号生成部200へ送る。なお、撮像装置100や被写体が移動せず、領域補正が必要ない場合は、領域指定部120によって指定された指定領域の座標を示す選択領域座標情報が領域信号生成部200に送られる。
【0044】
画像処理部180は、シャッターボタンが押し下げられた際に、画像入力部170から入力された画像データについて、指定された領域の情報に基づいて領域内と領域外で異なる画像処理を行うブロックである。このため、画像処理部180は、第1の画像処理部182と第2の画像処理部184を備える。第1の画像処理部182は指定領域外に対応する画像処理を行い、第2の画像処理部184は指定領域内に対応する画像処理を行う。領域信号生成部200は、選択領域座標情報を受けて、入力された座標の画素が指定領域内であるか指定領域外であるかを示す領域内外信号をセレクタ190へ出力する。セレクタ190は、各画素の領域内外信号に基づいて、各画素について第1の画像処理部182の出力と第2の画像処理部184の出力の一方を選択し、画像記録部210へ出力する。この際、セレクタ190は、指定領域外の画素については第1の画像処理部182の処理結果を画像記録部210へ出力し、指定領域内の画素については第2の画像処理部184の処理結果を画像記録部210へ出力する。画像記録部210は、外部メモリなどに、セレクタ190から出力された画像処理されたデータを記録する。
【0045】
図11に示す構成例では、画像処理部180は、選択領域の内外で、画像のエッジ検出強度、コントラスト、トーン等の画像処理について、第1の画像処理部182と第2の画像処理部184とで異なる処理を行う。
【0046】
以下、画像のトーンについての画像処理を例に挙げて説明する。図12は、第1の画像処理部182での画像処理で用いられるオート(Auto)用のトーン補正(Tone Correction)処理カーブを示す特性図である。また、図13は、第2の画像処理部184での画像処理に用いられるポートレート用のトーン補正処理カーブを示す特性図である。図12及び図13において、横軸は画像入力部170から入力される画素の輝度値を示しており、縦軸は画像処理後の出力を示している。このように、図13の特性によれば、図12の特性に比べてよりコントラストを高める処理が可能となる。
【0047】
例えば、指定領域の内外でトーンの処理を変える場合、第1の画像処理部182は、図12に示すオート(Auto)用のトーン補正(Tone Correction)処理カーブを用い、第2の画像処理部184は、図13に示すポートレート用のトーン補正処理カーブを用いる。これにより、指定した領域内に人の顔がある場合は、指定した領域内で第2の画像処理部184によるポートレート用のトーンカーブで画像処理を行うことにより、人の顔に適した画像処理を行うことができる。また、指定した領域外では、通常のオート用のトーン補正処理を行うことができる。
【0048】
また、ユーザが指定する領域には、ユーザによる指示のあいまいさ、構図のブレ、または被写体位置の変更等に起因して、実際よりも指定領域が狭くなることが考えられる。このため、領域信号生成部200では、これらの影響を考慮して、領域指定部120、領域補正部130から受け取った領域座標に対して、領域を広めに設定した上で領域内外信号を出力するようにしても良い。これにより、ユーザが指定した領域よりも広い領域を設定することができ、ユーザが着目していたオブジェクトに対して確実に所望の画像処理を行うことができる。
【0049】
図11の構成では、指定領域の内外で画像処理が切り換わるが、指定領域の境界付近で画像処理を段階的に変化させることもできる。図14は、指定領域の境界付近で画像処理を段階的に変化させる場合の構成を示す模式図である。なお、図14において、図11と同一の構成要素については、一部図示を省略している。この場合、図11のセレクタの代わりに合成部220が設けられる。
【0050】
図14に示す構成の場合、領域信号生成部200によって生成した領域信号に応じて、第1の画像処理部182および第2の画像処理部184の結果を合成部220にて合成した結果を出力する。以下では、画像処理部180でエッジ強調処理を行う場合を例に挙げて説明する。この場合、指定領域外については第1の画像処理部182から通常モード用のエッジ強調ゲインG1を出力し、指定領域内については第2の画像処理部184からシャープネス強調用のエッジ強調ゲインG2を出力する。合成部220では、領域信号rgに応じて、以下の式で求まるG3を合成したエッジ強調ゲインとして、各画素のエッジ強調処理をした結果を出力する。
G3=((255−rg)*G1+rg*G2)/255
【0051】
これにより、選択領域中心からの距離によって、第1の画像処理部182の出力と第2の画像処理部184の出力との合成バランスを適応的に決定できる。このとき、領域信号rgは、選択領域座標情報および画像データの座標から、選択領域中心座標から遠ざかるに従って生成する信号の大きさが決定されるものとする。領域信号rgは、各画素について指定領域の中心からの距離を表す信号であり、0から255までの値(8bit)とする。領域信号生成部200は、領域指定部120または領域補正部130から送られた指定領域の座標から、指定領域の中心座標を求め、各画素について中心座標からの距離を求め、これを規格化して領域信号rgを算出する。
【0052】
図11及び図14で説明したセレクタ190による選択、合成部220による合成の対象となる処理は、画像処理として適用される様々な各処理に対し、様々な構成例として採用可能である。またユーザの選択領域が2つ以上ある場合には、切り替え対象となる画像処理は3つ以上にすることができる。または、2つ以上の指定領域の全てに第2の画像処理部184による処理を適用させることもできる。
【0053】
以上説明したように本実施形態によれば、撮影時に指定領域の内外で異なる画像処理を適用することができる。従って、ユーザは、特定の領域に好みの画像処理を施すことができ、所望の画像を撮影することが可能となる。
【0054】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0055】
100 撮像装置
170 画像入力部
102 表示部
120 領域指定部
180 画像処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体画像から自動的に人物(顔)などのある領域を特定し、その領域に適した処理を適用する技術が知られている。また、予めユーザが選択できる撮影シーン別モード(夜景、ポートレート、など)を用意し、撮影時にユーザがモードを指定することで、撮影シーンに適した画像を生成する手法なども知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−279601号公報
【特許文献2】特開2009−124231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが意図的に撮像画像のある領域に対して優先的な画像処理を望む場合が想定される。上記従来技術では、このような場合にユーザの意向を反映して撮影を行うことができない問題がある。つまり、上記の技術では、画像中の特定の領域に、ユーザが指定した内容の画像処理を反映させて撮影することができなかった。
【0005】
例えば撮像装置が自動的に人の顔を検出する場合においては、多人数の被写体から自動検出された複数の顔の中に、ユーザが優先して検出して欲しい人物が含まれていない場合が生じる。このような場合、優先して検出して欲しい人物にユーザが望む所望の画像処理をすることはできなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、被写体画像に対して、ユーザが望む領域に所望の画像処理を施すことが可能な、新規かつ改良された撮像装置及び画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、被写体像が結像されて被写体の画像データを取得する撮像素子と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、ユーザの入力に応じて前記表示部内の任意の領域を指定する領域指定部と、撮像した画像データについて、前記領域の内外で異なる画像処理を行う画像処理部と、を備える撮像装置が提供される。かかる構成によれば、撮像素子によって取得された画像データに基づいて表示部に画像が表示され、ユーザの入力に応じて表示部内の任意の領域が指定される。そして、撮像した画像データについて、領域の内外で異なる画像処理が行われる。従って、ユーザが望む領域に所望の画像処理を施すことが可能となる。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被写体像が結像されて被写体の画像データを取得する撮像素子と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、前記画像から特定のオブジェクトの領域を検出するオブジェクト検出部と、ユーザの入力に応じて前記オブジェクトの検出範囲を指定する領域指定部と、撮像した画像データについて、検出されたオブジェクトの領域の内外で異なる画像処理を行う画像処理部と、を備える撮像装置が提供される。かかる構成によれば、撮像素子によって取得された画像データに基づいて表示部に画像が表示され、画像から特定のオブジェクトの領域が検出され、ユーザの入力に応じてオブジェクトの検出範囲が指定される。そして、撮像した画像データについて、検出されたオブジェクトの領域の内外で異なる画像処理が行われる。従って、ユーザが望むオブジェクトに対して所望の画像処理を施すことが可能となる。
【0009】
また、ユーザの入力に応じて、前記領域を補正する領域補正部を備える。かかる構成によれば、ユーザの入力に応じて領域が補正されるため、撮像装置の移動、手振れなどによって領域が変化した場合であっても、所望の領域に補正することができる。
【0010】
また、ユーザによる操作情報の入力に応じて、前記領域を削除する領域削除部を備える。かかる構成によれば、ユーザによる操作情報の入力に応じて領域が削除されるため、ユーザが意図しない領域に応じて画像処理が行われることを回避できる。
【0011】
また、前記画像データに基づいて被写体の動きを検出する動き検出部と、前記被写体の動きに基づいて、前記領域を補正する領域補正部と、を備える。かかる構成によれば、画像データに基づいて被写体の動きが検出され、被写体の動きに基づいて領域が補正されるため、撮像装置の移動、手振れなどによって領域が変化した場合であっても、所望の領域に補正することができる。
【0012】
また、前記画像データに基づいて被写体の動きを検出する動き検出部と、前記被写体の動きに基づいて、前記領域を削除する領域削除部と、を備える。かかる構成によれば、画像データに基づいて被写体の動きが検出され、被写体の動きに基づいて領域が削除されるため、ユーザが意図しない領域に応じて画像処理が行われることを回避できる。
【0013】
また、各画素の座標に応じて、前記領域の内外における画像処理結果を切り換えて出力するセレクタを備える。かかる構成によれば、各画素の座標に応じて領域の内外における画像処理結果が切り換えられて出力されるため、領域の内外で異なる画像処理を行うことができる。
【0014】
また、前記領域の内外における画像処理結果を合成し、前記領域の中央からの距離に応じて、合成比率を変更して出力する合成部を備える。かかる構成によれば、領域の内外における画像処理結果が合成され、領域の中央からの距離に応じて合成比率が変更されるため、領域の内外で滑らかに画像処理を変化させることができる。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被写体像が結像される撮像素子から被写体の画像データを取得するステップと、前記画像データに基づいて画像を表示するステップと、表示された画像の任意の領域を指定するステップと、撮像した画像データについて、前記領域の内外で異なる画像処理を行うステップと、を備える画像処理方法が提供される。かかる構成によれば、撮像素子によって取得された画像データに基づいて画像が表示され、表示された画像の任意の領域が指定される。そして、撮像した画像データについて、領域の内外で異なる画像処理が行われる。従って、ユーザが望む領域に所望の画像処理を施すことが可能となる。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被写体像が結像される撮像素子から被写体の画像データを取得するステップと、前記画像データに基づいて画像を表示するステップと、前記画像から特定のオブジェクトの領域を検出するステップと、ユーザの入力に応じて前記オブジェクトの検出範囲を指定するステップと、撮像した画像データについて、検出されたオブジェクトの領域の内外で異なる画像処理を行うステップと、を備える画像処理方法が提供される。かかる構成によれば、撮像素子によって取得された画像データに基づいて画像が表示され、画像から特定のオブジェクトの領域が検出され、ユーザの入力に応じてオブジェクトの検出範囲が指定される。そして、撮像した画像データについて、検出されたオブジェクトの領域の内外で異なる画像処理が行われる。従って、ユーザが望むオブジェクトに対して所望の画像処理を施すことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、被写体画像に対して、ユーザが望む領域に所望の画像処理を施すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮像装置の外観を示す模式図である。
【図2】ユーザが始点にタッチし、終点までドラッグすることにより、始点と終点を結ぶ直線を対角線とする矩形の領域A1を指定した場合を示す模式図である。
【図3】ユーザが始点にタッチし、フリーハンドで終点までドラッグすることにより、ユーザが所望の領域A2を指定した場合を示す模式図である。
【図4】本実施形態に係る撮像装置の処理を示すフローチャートである。
【図5】図3で説明した顔検出を行う場合の処理を示すフローチャートである。
【図6】補正処理を行う場合の表示画面の推移例を示す模式図である。
【図7】指定領域をマニュアル操作で補正する例を示す模式図である。
【図8】領域選択中に一定時間が経過したことにより、指定された領域をキャンセルする例を示す模式図である。
【図9】領域選択中に撮像装置の移動に伴って指定された領域内のオブジェクトが移動した場合に、選択を解除するか否かをユーザに選択させる例を示す模式図である。
【図10】領域選択中にユーザの意思で選択を解除する場合を示す模式図である。
【図11】撮像装置100の機能ブロック構成を示す模式図である。
【図12】第1の画像処理部での画像処理で用いられるオート用のトーン補正処理カーブを示す特性図である。
【図13】第2の画像処理部での画像処理に用いられるポートレート用のトーン補正処理カーブを示す特性図である。
【図14】指定領域の境界付近で画像処理を段階的に変化させる場合の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置100の外観を示す模式図である。図1は、撮像装置100を背面から見た状態を示しており、撮像装置100の背面には液晶表示パネル等から構成される表示部102が設けられている。撮像装置100は、図1に示す反対側の面に撮像光学系を備え、撮像光学系により被写体像が撮像素子の撮像面に結像されて、被写体像が画像信号に変換される。表示部102は、撮像素子で取得された画像信号に基づいてビュー画像(ライブ画像)を表示する。なお、図1の左側はデジタルカメラの一例を示しており、右側は携帯電話の機能を備えたPDAの一例を示している。
【0021】
また、撮像装置100には、シャッターボタン、領域指定ボタンなどの各種ポインティングデバイスが設けられている。本実施形態において、ユーザは、表示部102に表示されているビュー画像に対して、ポインティングデバイスを指で操作することにより、特定のエリア(以下、指定領域または選択領域と称する)を1つまたは複数指定することができる。そして、その指定エリアに対して所定の画像処理を選択して適用させることができる。なお、表示部102に透明電極からなるタッチパネル式のセンサが設けられている場合、領域指定はタッチパネルの操作により行うことができる。
【0022】
以下、本実施形態における領域の指定について、図面に基づいて説明する。以下では、表示部102にタッチパネル式のセンサが設けられている場合について説明する。なお、領域指定の方法はタッチパネルに限定されるものではなく、操作ボタンによる領域指定であっても構わない。
【0023】
図2は、ユーザが始点にタッチし、終点までドラッグすることにより、始点と終点を結ぶ直線を対角線とする矩形の領域A1を指定した場合を示している。なお、図2では矩形の領域を示しているが、円または楕円の領域であってもよい。図2に示すように、表示部102に表示された人の顔を中心とした領域A1を指定することにより、顔の近辺の指定領域内で所定の画像処理を行うことができる。
【0024】
図3は、ユーザが始点にタッチし、フリーハンドで終点までドラッグすることにより、ユーザが所望の領域A2を指定した場合を示している。図3は、撮像装置100が備える顔検出機能により複数の顔が検出されている場合に、自動的に検出された顔以外の顔をユーザが指定して所定の画像処理を施す場合を示している。ここで、撮像装置100の顔検出機能は、一度に3つまで顔を検出できる設定とする。
【0025】
図3の最も上に示す図は、撮像装置100の顔検出機能により、表示部102内に3つの顔が自動的に検出された状態を示している。検出された3つの顔は、矩形の領域A3で示されている。ユーザが表示部102の最も左に位置する人の顔検出を望んでおらず、表示部102の右に位置する複数の人の中から3つの顔を検出したい場合、右側に位置する複数の顔を含む領域をフリーハンド(点線)で描いて、領域A2を指定する(図3の真中の図)。
【0026】
以上のようにして領域A2を指定した後、例えばユーザが表示画面102を1回だけタッチすると、図3の最も下の図に示すように、ユーザが指定した領域A2内で顔検出をした結果、3つの顔のエリア(矩形の領域A4)が表示される。これにより、ユーザが指定した領域A2内で3つの顔が検出されたことになる。顔検出のリリース後、ユーザは必要に応じて、矩形のマークの角や線分にタッチしてドラッグすることで、顔エリアをリサイズすることができる。
【0027】
また、領域指定後、ユーザが表示画面102をダブルタップ(素早く2回タッチ)すると、処理選択メニュー104が表示される(図2の下の図を参照)。ユーザは、指定した領域の画像処理について、「シャープ」、「ソフト」、「コントラスト」、「あざやか」、「カスタム」などの項目を指定することにより、指定した領域(図2の領域A2、図3の領域A4)に対して撮影時に所望の画像処理を行うことができる。例えば、ユーザが「シャープ」の項目を選択した場合、指定した領域内の画像を領域外よりもシャープにする画像処理が行われる。
【0028】
なお、ユーザによって領域が指定されていない状態でダブルタップした場合には、画面全体に対してユーザが選択した処理を適用する。また、タッチした状態でドラッグがされていない場合、領域指定がされていないものとして、数秒待機した後、処理選択メニュー表示するようにしても良い。選択できる画像処理は、プリセットのもの、ユーザが自分で登録したものなどを含むことができる。
【0029】
図4は、本実施形態に係る撮像装置100の処理を示すフローチャートであって、図2に示す通常の領域指定の場合に対応する。先ず、ステップS10では表示部102にビュー画像を表示する。次のステップS12では、ユーザによる領域指定があったか否かを判定し、領域指定があった場合はステップS14へ進む。ステップS14では、ユーザの操作に応じて表示部102に画像処理メニューを表示する。図2に示したように、画像処理メニューはポップアップの画面により表示することができる。次のステップS16では、ユーザにより表示画面102上の画像処理メニューが選択される。次のステップS18では、選択されたメニューに従って画像処理パラメータを更新する。ステップS18では、図2に示したような「シャープ」、「ソフト」、「コントラスト」、「あざやか」、「カスタム」などの項目からユーザが1つの項目を選択した場合、選択した項目に対応するように画像処理のパラメータの設定を更新する。
【0030】
ステップS18の後は、ステップS20へ進む。また、ステップS12でユーザによる領域指定がなかった場合もステップS20へ進む。ステップS20では、ユーザによりシャッターボタンが押し下げられ、撮像素子にて被写体の画像データが取得される。次のステップS22では、ステップS18で更新された画像処理パラメータによって撮像された被写体の画像データに対する画像処理が行われる。なお、ステップS12でユーザによる領域指定がなかった場合は、デフォルトのパラメータによって画像処理を行う。次のステップS24では、画像処理が施された撮影画像のデータを表示部102に表示し、また外部メモリなどのメモリに保存する。
【0031】
また、図5は、図3で説明した顔検出を行う場合の処理を示すフローチャートである。この場合、先ずステップS30にて表示部102にビュー画像を表示する。次のステップS32では、表示部102内において、画像の特徴量から顔検出を行う。次のステップS34では、ユーザによる領域指定があったか否かを判定し、領域指定があった場合はステップS36へ進む。ステップS36では、指定された領域に関する情報(指定領域情報)を生成し、ステップS32へ戻る。この場合、ステップS32では、ステップS36で生成した指定領域情報に基づいて顔検出を行なう。これにより、指定領域内で顔検出が再度行われる。
【0032】
ステップS34で領域指定がない場合は、ステップS38へ進む。ステップS38では、ユーザによりシャッターボタンが押し下げられ、撮像素子にて被写体の画像データが取得される。次のステップS40では、検出された顔エリアにおいて顔に適した所定の画像処理を行う。上述したメニュー画面により特定の項目が選択されている場合は、その項目に適した画像処理を行う。次のステップS42では、画像処理が施された画像データを表示部102に表示し、またメモリに保存する。
【0033】
次に、ユーザによって指定された領域を補正する手法について説明する。通常、撮像装置100はユーザが手に持って撮影するため、領域を選択した後、手振れなどの要因により、領域指定された対象(物)が選択領域またはビュー画面から外れてしまうことが想定される。このような場合、以下の処理を行う。
【0034】
先ず、指定領域を補正する場合は、指定領域内のオブジェクトに対してオブジェクトの特徴量に基づいて動きを追跡し、動きに応じて指定領域位置を補正する。
【0035】
図6は、補正処理を行う場合の表示画面102の推移例を示す模式図である。図6に示す例では、図3と同様に右上の複数の顔を含む領域(破線で示す領域A2)を指定した後、領域を確定する前に撮像装置100の位置が移動したことによって、表示部102内で4人の顔の位置が左側に移動した場合を示している。この場合、指定領域A2内のオブジェクト(顔)の動きをその特徴量から追跡し、顔の移動に応じて指定領域A2を移動させる。なお、指定領域の確定は、表示部102を所定回数タップすること、ポインティングデバイスを操作すること、シャッターボタンを半押しにすること等の動作により行うことができる。
【0036】
また、図7は、指定領域をマニュアル操作で補正する例を示している。右側の4人の顔を含む領域を指定しているときに撮像装置100が移動し、指定した領域(破線で示す領域A2)が4人の顔の位置から外れた場合、ユーザが指定領域A2(選択エリア)をドラッグして動かすことにより指定領域を補正する。これにより、撮像装置100が動いた場合に、ユーザの意図しない領域が指定されてしまうことを抑止できる。
【0037】
次に、ユーザによって指定された領域をキャンセルする手法について説明する。撮像装置100は、指定領域内の特徴量(ヒストグラム、エッジ)を取得してモニタしておき、一定量以上の変化があった場合にその指定領域をキャンセルする。または、撮像装置100は、キャンセルして良いかユーザに問い合わせる表示を行う。ユーザがキャンセルを許可した場合、指定領域のキャンセル操作を行う。
【0038】
図8は、領域選択中に一定時間が経過したことにより、指定された領域をキャンセルする例を示す模式図である。図8の上段の図は、図2と同様に、破線で示す矩形領域A1を選択している状態を示している。この領域選択中に撮像装置100が移動し、指定した領域(破線で示す矩形領域)が顔の位置から外れた場合(図8の中段の図)、一定時間が経過した後に指定領域の選択を解除する(図8の下段の図)。撮像装置100の移動により指定領域が外れたか否かは、指定領域内の特徴量の変化に基づいて行う。
【0039】
また、図9は、領域選択中に撮像装置100の移動に伴って指定された領域内のオブジェクトが移動した場合に、選択を解除するか否かをユーザに選択させる例を示す模式図である。図9の上段の図は、破線で示す矩形領域A1を選択している状態を示している。この領域選択中に撮像装置100または被写体が移動し、指定した領域(破線で示す矩形領域A1)が顔の位置から外れた場合、選択を削除するか否かをユーザが指定するためのメニュー画面106が表示される(図9の中段の図)。ユーザが選択を解除する旨(Yes)を選択した場合、指定領域の選択を解除する(図9の下段の図)。この場合においても、撮像装置100の移動により指定領域が外れたか否かは、指定領域内の特徴量の変化に基づいて行う。
【0040】
図10は、領域選択中にユーザの意思で選択を解除する場合を示している。図10の上段の図は、破線で示す矩形領域A1を選択している状態を示している。ユーザは、選択した領域をキャンセルしたい場合は、タッチパネル上で矩形領域A1の境界を左右にこする操作をすることにより(図10の中段の図)、選択を解除することができる(図10の下段の図)。なお、選択を解除する方法は、この他にも様々な手法が考えられ、例えば撮像装置100のポインティングデバイスにキャンセルボタンを設定しておき、ユーザがこれを操作した場合は選択を解除するようにしても良い。
【0041】
次に、上述の機能を実現する構成と、ユーザに選択された領域に対する画像処理を行う構成について説明する。図11は、撮像装置100の機能ブロック構成を示す模式図である。図11に示すように、撮像装置100は、入力部110、領域指定部120、領域補正部130、顔検出部140、動き検出部150、表示処理部160、画像入力部170、画像処理部180、セレクタ190、領域信号生成部200、画像記録部210を有して構成される。図11に示す各ブロックは、回路(ハードウェア)、またはCPUなどの中央演算処理装置とこれを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)により構成することができる。このプログラムは、撮像装置100が備えるメモリ、または撮像装置100に外部から接続されるメモリなどの記録媒体に格納されることができる。
【0042】
図11において、入力部110は、上述したタッチパネル、またはポインティングデバイスに対応する。領域指定部120は、入力部110への入力に応じて指定領域を指定するブロックである。また領域指定部120は、上述した手法で指定した領域を解除する領域指定解除部としての機能も備えている。領域補正部130は、撮像装置100や被写体の移動に伴って指定された領域のオブジェクトが移動した場合に、オブジェクトの移動に伴って指定領域を移動させるブロックである。顔検出部140は、画像の特徴量により顔を検出するブロックである。顔検出の手法としては公知のものを用いることができる。顔検出部140は、図3で説明したように、領域指定部120によって領域A2が指定された場合は、領域A2内で再度顔検出を行う。このため、領域検出部120は、顔検出などのオブジェクトを検出する場合は、オブジェクトの検索範囲を指定する機能を担う。
【0043】
画像入力部170は、上述した撮像素子に対応するもので、CMOS、CCDなどのセンサから構成され、被写体の画像データを入力する。表示処理部160は、画像入力部170から入力されるビュー画像と、領域指定部120によって指定された領域を表示部102に表示するための処理を行う。また、表示処理部160は、図2に示した画像処理メニュー104などのポップアップを表示する処理を行う。動き検出部150は、画像入力部170から入力されるビュー画像について、指定領域の特徴量をモニタし、特徴量が移動した場合は移動量、移動方向を検出する。領域補正部130は、動き検出部150で検出された移動量、移動方向に基づいて指定領域を移動させる。また、領域補正部130は、補正された指定領域の座標を示す選択領域座標情報を領域信号生成部200へ送る。なお、撮像装置100や被写体が移動せず、領域補正が必要ない場合は、領域指定部120によって指定された指定領域の座標を示す選択領域座標情報が領域信号生成部200に送られる。
【0044】
画像処理部180は、シャッターボタンが押し下げられた際に、画像入力部170から入力された画像データについて、指定された領域の情報に基づいて領域内と領域外で異なる画像処理を行うブロックである。このため、画像処理部180は、第1の画像処理部182と第2の画像処理部184を備える。第1の画像処理部182は指定領域外に対応する画像処理を行い、第2の画像処理部184は指定領域内に対応する画像処理を行う。領域信号生成部200は、選択領域座標情報を受けて、入力された座標の画素が指定領域内であるか指定領域外であるかを示す領域内外信号をセレクタ190へ出力する。セレクタ190は、各画素の領域内外信号に基づいて、各画素について第1の画像処理部182の出力と第2の画像処理部184の出力の一方を選択し、画像記録部210へ出力する。この際、セレクタ190は、指定領域外の画素については第1の画像処理部182の処理結果を画像記録部210へ出力し、指定領域内の画素については第2の画像処理部184の処理結果を画像記録部210へ出力する。画像記録部210は、外部メモリなどに、セレクタ190から出力された画像処理されたデータを記録する。
【0045】
図11に示す構成例では、画像処理部180は、選択領域の内外で、画像のエッジ検出強度、コントラスト、トーン等の画像処理について、第1の画像処理部182と第2の画像処理部184とで異なる処理を行う。
【0046】
以下、画像のトーンについての画像処理を例に挙げて説明する。図12は、第1の画像処理部182での画像処理で用いられるオート(Auto)用のトーン補正(Tone Correction)処理カーブを示す特性図である。また、図13は、第2の画像処理部184での画像処理に用いられるポートレート用のトーン補正処理カーブを示す特性図である。図12及び図13において、横軸は画像入力部170から入力される画素の輝度値を示しており、縦軸は画像処理後の出力を示している。このように、図13の特性によれば、図12の特性に比べてよりコントラストを高める処理が可能となる。
【0047】
例えば、指定領域の内外でトーンの処理を変える場合、第1の画像処理部182は、図12に示すオート(Auto)用のトーン補正(Tone Correction)処理カーブを用い、第2の画像処理部184は、図13に示すポートレート用のトーン補正処理カーブを用いる。これにより、指定した領域内に人の顔がある場合は、指定した領域内で第2の画像処理部184によるポートレート用のトーンカーブで画像処理を行うことにより、人の顔に適した画像処理を行うことができる。また、指定した領域外では、通常のオート用のトーン補正処理を行うことができる。
【0048】
また、ユーザが指定する領域には、ユーザによる指示のあいまいさ、構図のブレ、または被写体位置の変更等に起因して、実際よりも指定領域が狭くなることが考えられる。このため、領域信号生成部200では、これらの影響を考慮して、領域指定部120、領域補正部130から受け取った領域座標に対して、領域を広めに設定した上で領域内外信号を出力するようにしても良い。これにより、ユーザが指定した領域よりも広い領域を設定することができ、ユーザが着目していたオブジェクトに対して確実に所望の画像処理を行うことができる。
【0049】
図11の構成では、指定領域の内外で画像処理が切り換わるが、指定領域の境界付近で画像処理を段階的に変化させることもできる。図14は、指定領域の境界付近で画像処理を段階的に変化させる場合の構成を示す模式図である。なお、図14において、図11と同一の構成要素については、一部図示を省略している。この場合、図11のセレクタの代わりに合成部220が設けられる。
【0050】
図14に示す構成の場合、領域信号生成部200によって生成した領域信号に応じて、第1の画像処理部182および第2の画像処理部184の結果を合成部220にて合成した結果を出力する。以下では、画像処理部180でエッジ強調処理を行う場合を例に挙げて説明する。この場合、指定領域外については第1の画像処理部182から通常モード用のエッジ強調ゲインG1を出力し、指定領域内については第2の画像処理部184からシャープネス強調用のエッジ強調ゲインG2を出力する。合成部220では、領域信号rgに応じて、以下の式で求まるG3を合成したエッジ強調ゲインとして、各画素のエッジ強調処理をした結果を出力する。
G3=((255−rg)*G1+rg*G2)/255
【0051】
これにより、選択領域中心からの距離によって、第1の画像処理部182の出力と第2の画像処理部184の出力との合成バランスを適応的に決定できる。このとき、領域信号rgは、選択領域座標情報および画像データの座標から、選択領域中心座標から遠ざかるに従って生成する信号の大きさが決定されるものとする。領域信号rgは、各画素について指定領域の中心からの距離を表す信号であり、0から255までの値(8bit)とする。領域信号生成部200は、領域指定部120または領域補正部130から送られた指定領域の座標から、指定領域の中心座標を求め、各画素について中心座標からの距離を求め、これを規格化して領域信号rgを算出する。
【0052】
図11及び図14で説明したセレクタ190による選択、合成部220による合成の対象となる処理は、画像処理として適用される様々な各処理に対し、様々な構成例として採用可能である。またユーザの選択領域が2つ以上ある場合には、切り替え対象となる画像処理は3つ以上にすることができる。または、2つ以上の指定領域の全てに第2の画像処理部184による処理を適用させることもできる。
【0053】
以上説明したように本実施形態によれば、撮影時に指定領域の内外で異なる画像処理を適用することができる。従って、ユーザは、特定の領域に好みの画像処理を施すことができ、所望の画像を撮影することが可能となる。
【0054】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0055】
100 撮像装置
170 画像入力部
102 表示部
120 領域指定部
180 画像処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像が結像されて被写体の画像データを取得する撮像素子と、
前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
ユーザの入力に応じて前記表示部内の任意の領域を指定する領域指定部と、
撮像した画像データについて、前記領域の内外で異なる画像処理を行う画像処理部と、
を備えることを特徴とする、撮像装置。
【請求項2】
被写体像が結像されて被写体の画像データを取得する撮像素子と、
前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
前記画像から特定のオブジェクトの領域を検出するオブジェクト検出部と、
ユーザの入力に応じて前記オブジェクトの検出範囲を指定する領域指定部と、
撮像した画像データについて、検出されたオブジェクトの領域の内外で異なる画像処理を行う画像処理部と、
を備えることを特徴とする、撮像装置。
【請求項3】
ユーザの入力に応じて、前記領域を補正する領域補正部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
ユーザによる操作情報の入力に応じて、前記領域を削除する領域削除部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記画像データに基づいて被写体の動きを検出する動き検出部と、
前記被写体の動きに基づいて、前記領域を補正する領域補正部と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記画像データに基づいて被写体の動きを検出する動き検出部と、
前記被写体の動きに基づいて、前記領域を削除する領域削除部と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
各画素の座標に応じて、前記領域の内外における画像処理結果を切り換えて出力するセレクタを備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記領域の内外における画像処理結果を合成し、前記領域の中央からの距離に応じて、合成比率を変更して出力する合成部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
被写体像が結像される撮像素子から被写体の画像データを取得するステップと、
前記画像データに基づいて画像を表示するステップと、
表示された画像の任意の領域を指定するステップと、
撮像した画像データについて、前記領域の内外で異なる画像処理を行うステップと、
を備えることを特徴とする、画像処理方法。
【請求項10】
被写体像が結像される撮像素子から被写体の画像データを取得するステップと、
前記画像データに基づいて画像を表示するステップと、
前記画像から特定のオブジェクトの領域を検出するステップと、
ユーザの入力に応じて前記オブジェクトの検出範囲を指定するステップと、
撮像した画像データについて、検出されたオブジェクトの領域の内外で異なる画像処理を行うステップと、
を備えることを特徴とする、画像処理方法。
【請求項1】
被写体像が結像されて被写体の画像データを取得する撮像素子と、
前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
ユーザの入力に応じて前記表示部内の任意の領域を指定する領域指定部と、
撮像した画像データについて、前記領域の内外で異なる画像処理を行う画像処理部と、
を備えることを特徴とする、撮像装置。
【請求項2】
被写体像が結像されて被写体の画像データを取得する撮像素子と、
前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
前記画像から特定のオブジェクトの領域を検出するオブジェクト検出部と、
ユーザの入力に応じて前記オブジェクトの検出範囲を指定する領域指定部と、
撮像した画像データについて、検出されたオブジェクトの領域の内外で異なる画像処理を行う画像処理部と、
を備えることを特徴とする、撮像装置。
【請求項3】
ユーザの入力に応じて、前記領域を補正する領域補正部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
ユーザによる操作情報の入力に応じて、前記領域を削除する領域削除部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記画像データに基づいて被写体の動きを検出する動き検出部と、
前記被写体の動きに基づいて、前記領域を補正する領域補正部と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記画像データに基づいて被写体の動きを検出する動き検出部と、
前記被写体の動きに基づいて、前記領域を削除する領域削除部と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
各画素の座標に応じて、前記領域の内外における画像処理結果を切り換えて出力するセレクタを備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記領域の内外における画像処理結果を合成し、前記領域の中央からの距離に応じて、合成比率を変更して出力する合成部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
被写体像が結像される撮像素子から被写体の画像データを取得するステップと、
前記画像データに基づいて画像を表示するステップと、
表示された画像の任意の領域を指定するステップと、
撮像した画像データについて、前記領域の内外で異なる画像処理を行うステップと、
を備えることを特徴とする、画像処理方法。
【請求項10】
被写体像が結像される撮像素子から被写体の画像データを取得するステップと、
前記画像データに基づいて画像を表示するステップと、
前記画像から特定のオブジェクトの領域を検出するステップと、
ユーザの入力に応じて前記オブジェクトの検出範囲を指定するステップと、
撮像した画像データについて、検出されたオブジェクトの領域の内外で異なる画像処理を行うステップと、
を備えることを特徴とする、画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−135376(P2011−135376A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293472(P2009−293472)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(598045058)株式会社サムスン横浜研究所 (294)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(598045058)株式会社サムスン横浜研究所 (294)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]