説明

撮像装置

【課題】動画像コンテンツを短時間でアップロードできる撮像装置を提供すること。
【解決手段】撮像装置200は、外部機器へ送信する画像コンテンツのファイルサイズを規定値以内に縮小処理する複数のファイルサイズ縮小手段を備える。例えば、画像コンテンツから特徴的な部分を抽出するダイジェスティング手段221と、画像コンテンツのビットレートを変換するトランスレート手段222と、画像コンテンツの符号化方式を変換するトランスコード手段223を有する。さらに、ファイルサイズ縮小手段にて縮小処理後のファイルサイズを予測するファイルサイズ見積り手段224を備え、予測の結果、ファイルサイズが最小になるファイルサイズ縮小手段を用いて縮小処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像を撮影し、撮影した動画像をインターネットを介してウェブサーバにアップロードする撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNS)、ウェブログ(以下、ブログ)などのように、インターネット上でユーザが日記や動画像コンテンツを公開するためのサービスが普及している。これらのサービスは、ウェブブラウザ上の専用のフォームから文章や動画像等のコンテンツを入力し、ウェブ(WEB)サーバにアップロードすることでコンテンツを簡単に投稿することができる。同様に、動画共有サイトなどのように、動画像をWEB上で共有するための専用サービスも普及している。これによれば、WEBブラウザの専用フォームや動画像ファイルアップロードソフトを用いてサーバにアップロードし、動画像コンテンツを不特定多数のユーザで共有することができる。
【0003】
デジタルスチルカメラやビデオカメラで撮影した動画像コンテンツをWEB上で利用するには、カメラからPC(Personal Computer)などのインターネット接続が可能な機器へコンテンツをコピーし、PCからWEBサーバへアップロードする必要がある。しかしユーザの利便性を考慮すると、デジタルカメラやビデオカメラで撮影したコンテンツを一旦PCにコピーするよりも、直接WEBサーバにアップロードできた方が手間がかからず便利である。撮像装置から直接WEBサーバに画像を転送することに関し、次のような提案がなされている。
【0004】
特許文献1では、無線LAN(Local Area Network)機能を内蔵した電子カメラにおいて、撮影した画像をサーバ、PC、プリンタのいずれかを選択して転送する装置が開示されている。
【0005】
また特許文献2では、撮影した画像をブログサイトへアップロードする撮影装置において、撮影画像をブログ用画像サイズに変換することでブログに適した画像を作成する機能を有する装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2008−53978公報
【特許文献2】特開2008−34963公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1や特許文献2に記載の技術を用いれば、カメラ等の撮像装置から無線LAN経由でインターネットに接続し、撮影した画像を所望の転送先(WEBサーバなど)に、所定の画像サイズでアップロードすることができる。ここで、転送するコンテンツが静止画の場合は短時間で転送できるが、動画像コンテンツ、特に1920×1080のフルハイビジョン画質で撮影された動画などの場合は、ファイルサイズが非常に大きいものとなり、コンテンツのアップロードに長時間を要することになる。転送時間を短縮するためには撮像装置内のCPU(Central Processing Unit)をPC並みの性能に向上させれば良いが、高性能なCPUは高価であり、実現性が低い。上記各特許文献は、静止画をWEBサーバにアップロードすることを前提としたものであり、動画のアップロード時間については特に考慮されていない。
【0008】
本発明の目的は、動画像コンテンツであっても短時間でアップロードできる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、被写体を撮影し生成した画像コンテンツを外部機器へ送信する撮像装置において、被写体を撮影し映像信号に変換する撮像部と、映像信号を圧縮ストリーム形式の画像コンテンツとして保存するコンテンツ蓄積部と、送信する画像コンテンツのファイルサイズを規定値以内に縮小処理するファイルサイズ縮小手段と、縮小処理した画像コンテンツをインターネットを介して外部機器へ送信する通信モジュール部と、を備える。
【0010】
ここにファイルサイズ縮小手段として、画像コンテンツから特徴的な部分を抽出するダイジェスティング手段と、画像コンテンツのビットレートを変換するトランスレート手段と、画像コンテンツの符号化方式を変換するトランスコード手段のうち、少なくとも1つの手段を備える。さらに、ファイルサイズ縮小手段にて縮小処理後のファイルサイズを予測するファイルサイズ見積り手段を備え、予測の結果、ファイルサイズが最小になるファイルサイズ縮小手段を用いて縮小処理を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮影した動画コンテンツのファイルサイズが大きい場合であっても、WEBサーバに短時間でアップロードすることが可能となる。これにより、PCのない環境でも手軽にブログ等を更新することができ利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の撮像装置を用いたコンテンツ送信システムの一例を示す構成図である。本システムは、通信機能付の撮像装置100、インターネット103、WEBサーバ104、及び外部機器で構成される。
【0014】
ユーザ(撮影者)110は、撮像装置100により被写体を撮影する。撮影した画像は必要に応じて後述のコンテンツ加工処理を行い、通信機能を用いてWEBサーバ(ブログサーバやSNSサーバ)104へアップロードする。コンテンツデータ105のアップロードは、LAN環境101内のアクセスポイント/ルータ102を経由してインターネット103上のWEBサーバ104にコンテンツデータ105を送信し、格納される。LAN環境101は有線LANでも無線LANでもどちらでもかまわない。有線LANの場合は、ルータを経由してインターネット103に接続する。無線LANの場合は、アクセスポイントを経由してインターネット103に接続する。一方遠隔地にいるユーザ(閲覧者)111は、PC106、携帯電話107、DTV(Digital Television)108などのWEBブラウザを搭載した外部機器(端末)からWEBサーバ104にアクセスする。そして、WEBサーバ104に格納されているコンテンツデータ105を閲覧することができる。
【0015】
図2は、本発明の撮像装置の一実施例を示す構成図である。
撮像装置200(100)は、撮影部として、レンズ201、撮像素子202、カメラDSP(Digital Signal Processor)203、マイク204を有する。コンテンツ処理のため、圧縮伸長回路205、CPU206、メモリ(RAM)207、コンテンツ蓄積部208、グラフィック回路209、表示部210、ROM(Read Only Memory)214を有する。さらに、電源回路211、電源212、通信モジュール213を有する。そしてそれらの構成要素はバス215によって接続され、各構成要素間でデータを転送する。
【0016】
被写体からの光信号は、レンズ201を介し撮像素子202によって電気信号(デジタル映像信号)に変換される。カメラDSP203は、映像信号を圧縮伸長回路205に入力できる形式に変換する。マイク204からの音声信号は、バス215を介して圧縮伸長回路205に入力される。圧縮伸長回路205は、入力された映像・音声信号から所定のフォーマットの圧縮ストリームを生成し、コンテンツ蓄積部208は生成されたストリームを保存する。メモリ207は、圧縮処理のためのワークエリアとして用いる。コンテンツ蓄積部208には、HDD、光ディスク、半導体メモリ等を用いる。
【0017】
撮影した画像を再生する場合には、コンテンツ蓄積部208に保存されている圧縮ストリームをメモリ207へ読み出す。圧縮伸長回路205は、メモリ207からストリームを読み出し伸長処理を行う。伸長した画像データはグラフィック回路209に渡され、表示部210にて再生画像を表示する。
【0018】
通信モジュール部213は、アクセスポイント/ルータ102を介してインターネット103へ接続し、WEBサーバ104へ画像データを送信(アップロード)する。その際送信する画像データは、保存している圧縮ストリームを必要に応じてさらに加工したものである。また送信するデータには、ファイル転送プロトコルの各種コマンドを含む。
【0019】
ROM214は、上記の動作を実行するためのプログラムを格納し、CPU206はプログラムに従い各部の動作を制御する。電源212にはバッテリーと交流電源を用いることができ、電源回路211は装置内の電力供給を制御する。
【0020】
本実施例では、送信する画像データのファイルサイズを規定値以下とし、アップロード時間を短縮する。ファイルサイズが規定値を超える場合は、次のファイルサイズ縮小手段にてファイルサイズを縮小する。ROM214には、これらのサイズ縮小手段のソフトウェアを格納している。
【0021】
ダイジェスティング手段221は、撮影した映像と音声の特徴的な部分を抽出しファイルサイズを小さくする。映像の場合は、例えばフォーカスの合焦度や被写体の顔の有無、被写体の動きの変化度等から特徴点を判断する。音声の場合は、音量や、言葉から判断する。静止画の場合は、いくつかの顔が映っているとき、例えば顔の部分だけ抽出する。
ダイジェスティング手段221によれば、長時間の動画コンテンツについて、特徴的な部分を抽出したダイジェスト動画を生成するので、短時間でアップロードすることが可能であるだけでなく、長いコンテンツの盛り上がりの部分を短時間で視聴することができる。
【0022】
トランスレート手段222は、圧縮方式は変更せずビットレートを変換してファイルサイズを小さくする。あるいは、1秒当たりのコマ数を間引くことによっても実現できる。
トランスコード手段223は、符号化方式を変換してファイルサイズを小さくする。特に動画コンテンツの場合は、圧縮形式を変換する。例えば、MPEG2(Moving Picture Experts Group)からさらに高圧縮であるH.264(MPEG4/AVC)に変換することで、ファイルサイズを半分程度に縮小することができる。
トランスレート手段222やトランスコード手段223によれば、高画質で容量の大きい動画コンテンツを、内容を省略せずに短時間でアップロードすることが可能である。
【0023】
ファイルサイズ見積り手段224は、各ファイルサイズ縮小手段(ダイジェスティング手段、トランスレート手段、トランスコード手段)にて縮小後のファイルサイズを予測する。ダイジェスティング手段の場合は、ユーザが指定した時間に収まるようにダイジェストファイルを生成した場合のファイルサイズを予測する。トランスレート手段の場合は、ビットレートの変更に伴い同じ割合でファイルサイズも減るものとしてファイルサイズを予測する。トランスコード手段の場合は、映像によって符号量が変化するためファイルサイズを正確に算出できないが、平均的な圧縮率の変更からファイルサイズを予測する。
ファイルサイズ見積り手段224によれば、ダイジェスティング、トランスレート、トランスコードといったファイルサイズ縮小手段の効果を定量的に比較し、最適な縮小手段を選択することが可能となる。
【0024】
なお、ファイルサイズ縮小手段は上記した3通りの手段に限定せず、適宜変更して用いることができる。
また、アクセスポイント検出手段225は、通信モジュール部213から無線LANにて通信を行うためのアクセスポイント102を自動的に検出する。
【0025】
以下、本実施例におけるコンテンツのアップロード処理を具体的に説明する。
図3は、コンテンツアップロード処理の全体工程を示すフローチャートである。ユーザが撮影した画像データ(コンテンツ)は、コンテンツ蓄積部208に圧縮ストリーム形式でファイル単位に保存されている。
【0026】
ステップS301では、ユーザからアップロードの指示を受けると、アップロードモードへの切替えを行う。アップロードモードへの指示は、例えばアップロード釦を押すことで実現する。あるいは、表示部210にGUIメニューを表示しコンテンツアップロードを選択することで実現する。
ステップS302では、アップロード可能なコンテンツファイル群を表示部210に表示する(図4)。
ステップS303では、ユーザはコンテンツファイル群からアップロードするコンテンツファイルを選択する。
【0027】
ステップS304では、選択されたコンテンツについて、ファイルサイズが規定値以下になるようサイズ縮小処理を行い、アップロード用ファイルを生成する。アップロード用ファイル生成の詳細は図5に示す。
ステップS305では、生成したアップロード用ファイルをコンテンツ蓄積部208に保存する。
ステップS306では、コンテンツ蓄積部208から送信するコンテンツを読み出し、通信モジュール部213からWEBサーバに向けてコンテンツをアップロードする。アップロード処理の詳細は図6に示す。
【0028】
このように、アップロードをユーザの意図したタイミングで行わせることによって、電力消費が大きい通信モジュール部213を必要なときのみ動作させることができるので、特にバッテリー電源の節約を行える。
【0029】
図4は、図3のステップS302、S303におけるアップロード用ファイルの選択画面の表示例を示す。
画面400には、アップロード用ファイルの選択を促すメッセージ401を表示する。そして、コンテンツ蓄積部208に保存されているコンテンツ群の一覧をサムネイル402にて表示する。ユーザは選択枠403を移動させて、アップロードしたいコンテンツファイルを選択する。ここでは、「file004」を選択している。アップロード選択画面表示を止める場合は、キャンセル釦404を選択する。
【0030】
図5は、図3におけるアップロード用ファイル生成処理(S304)の詳細なフローチャートを示す。
【0031】
ステップS501では、選択されたコンテンツファイルのファイルサイズを取得し、規定値M0以内であるかどうかを判定する。ここでファイルサイズの規定値M0は、アップロード時間を規定時間以内とするために、装置の転送速度からファイルサイズの上限値を割り出したものである。あるいは、標準的な転送速度を想定し、単純にファイルサイズの上限値を規定したものでも良い。規定値M0は、ユーザがデフォルト値として決めることもできる。また、WEBサーバからの制限がある場合は、WEBサーバと通信し規定値M0を取得する。
S501の判定の結果、ファイルサイズが規定値M0以下の場合は、そのままアップロードが可能であると判断し、次の処理(ステップS306のアップロード処理)へ進む。ファイルサイズが規定値M0より大きい場合は、ステップS502へ進み、ファイルサイズを縮小したアップロード用ファイルの生成を行う。
【0032】
ステップS502において、ファイルサイズ見積り手段224はファイルサイズ縮小手段により縮小処理した場合のファイルサイズを予測する。縮小手段として、(a)ダイジェスティング手段221、(b)トランスレート手段222、及び(c)トランスコード手段223の3通りの手段で縮小処理した場合を予測し、予測したサイズをそれぞれMa、Mb、Mcとする。
【0033】
ステップS503では、ステップS502で予測した3通りの予測サイズMa,Mb,Mcを比較し、サイズが最小になる縮小手段を判定する。
判定の結果、予測サイズMaが最小であればステップS504へ進み、ダイジェスティング手段221にてダイジェストファイルを生成する。予測サイズMbが最小であればステップS505へ進み、トランスレート手段222にてトランスレート処理を行う。予測サイズMcが最小であればステップS506へ進み、トランスコード手段223にてトランスコード処理を行う。
【0034】
もしも、いずれの予測サイズも規定値M0を超える場合は、各縮小手段の処理条件を変えて予測をやり直し、規定値M0以下のものが出現するまで繰り返す。また、予測サイズMa,Mb,Mcのうち、複数のものが規定値M0以下となったとき、最小のものを選択するのではなく、ユーザの好みの処理を優先して選択させることもできる。
【0035】
アップロード用のファイルが生成されたら、次の工程(ステップS305のファイル保存処理)へ進み、アップロード用ファイルをコンテンツ蓄積部208に保存する。
このように、アップロードするファイルが規定値M0を超えるとき、自動的に規定値以下のサイズに縮小処理することで、アップロード時間を規定時間以内に短縮することができる。
【0036】
図6は、図3におけるアップロード処理(S306)の詳細なフローチャートを示す。
ステップS601では、生成したアップロード用ファイルをアップロードするかどうかを画面にて確認を行う(図7)。
【0037】
ユーザがアップロード実行を指示すると、ステップS602で、通信モジュール部213に電力を供給する。
S603では、通信モジュール部213は無線LANの範囲内にあるアクセスポイント102を探索する。そのとき、ROM214に格納するアクセスポイント検出手段225の機能を利用する。アクセスポイント102が見つかれば、インターネット103を介して送信先のWEBサーバ104に接続する。
【0038】
S604では、コンテンツ蓄積部208からアップロード用ファイルを読み出し、ファイル転送プロトコルを用いてWEBサーバ104にファイル送信を開始する。アップロードが開始されると、その進行状況を画面に表示する(図8)。
ステップS605では、アップロード途中でユーザによりキャンセルの指示を受けたかどうかを判定する。
キャンセルの指示を受けた場合は、ステップ609にてアップロードを中止し、ステップS610にて通信モジュール部213の電力供給を停止する。
【0039】
キャンセルの指示がなければ、ステップS606で送信すべきファイル読み出しが終了したかどうかを判定する。終了していなければ、ステップS604へ戻り引き続きファイルの読み出しと送信を継続する。
ファイル読み出しが終了すると、ステップS607にて通信モジュール部213の電力供給を停止する。
【0040】
ステップS608では、コンテンツ蓄積部208に保存する縮小処理したアップロード用ファイルを削除する。なお、縮小処理前のオリジナルコンテンツは残しているので、アップロード用ファイルを削除しても支障はない。
このように、アップロードを実行する期間のみ通信モジュール部213に電力を供給するようにしたので、無駄な電力消費を抑え、特にバッテリーの節約に有効となる。また、送信済みのアップロード用ファイルを削除することで、同一コンテンツの重複による混乱を回避し、コンテンツ蓄積部208の容量を有効に利用することができる。
【0041】
図7は、図6のステップS601におけるアップロード開始画面の表示例である。画面700には、アップロード開始の最終確認をするメッセージ701を表示する。ここでは、「file004」のアップロードを確認しており、そのファイルのサムネイル702を表示している。ユーザがアップロード実行釦703を選択するとアップロード処理が実行され、キャンセル釦704を選択するアップロード処理はキャンセルされる。
【0042】
図8は、図6のステップS604におけるアップロード実行中の画面表示例である。画面800には、アップロード中であることを示すメッセージ801を表示する。ステータスバー802には、アップロード済みのファイルサイズ803と未アップロードのファイルサイズ804を表示する。キャンセル釦805は、アップロード途中でアップロードをキャンセルするための釦である。これらにより、ユーザはアップロード進行状況を把握することができる。また、アップロード終了まで長い時間がかかると判断した場合には、途中でキャンセルすることができる。
【0043】
実施例1によれば、撮像装置内のダイジェスティング手段、トランスレート手段、トランスコード手段などを自動的に選択し、送信するファイルのサイズを規定値以内に縮小することができる。よって、長時間を要する動画コンテンツのアップロードを規定時間内で迅速に行うことができる。ビデオカメラのようにバッテリー電源で使用することが多い撮像装置では、アップロード処理の時間を短縮することでバッテリーの節約にも効果がある。
【実施例2】
【0044】
実施例2は、撮像装置を移動しながら画像コンテンツをWEBサーバへアップロードする場合、通信を中継するアクセスポイントを自動的に発見してアップロード開始するものである。
【0045】
図9は、実施例2によるアップロード処理を示すフローチャートである。ここでは、前記実施例1の図3におけるアップロード処理(S306)の詳細を示す。他のステップS301〜S305は図3と同様であり、アップロード用ファイルは、既にコンテンツ蓄積部208に保存されている。
【0046】
S901では、生成したアップロード用ファイルをアップロードするかどうかを画面にて確認を行う(図7)。
ユーザがアップロード実行を指示すると、ステップS902で、通信モジュール部213に電力を供給する。
【0047】
ステップS903では、通信モジュール部213は無線LANの範囲内にあるアクセスポイント102を探索する。そのとき、ROM214に格納するアクセスポイント検出手段225の機能を利用する。アクセスポイント102が見つかれば、インターネット103を介して送信先のWEBサーバ104に接続する。
ステップS904では、コンテンツ蓄積部208からアップロード用ファイルを読み出し、ファイル転送プロトコルを用いてWEBサーバ104にファイル送信を開始する。アップロードが開始されると、その進行状況を画面に表示する(図8)。
【0048】
ステップS905では、送信中にアクセスポイントが存在しているかどうかを判定する。これは、撮像装置が移動中にアクセスポイントから離れることがあるからである。
アクセスポイントから離れた場合は、ステップS906へ進み、ファイルの送信を中断する。そしてステップS903へ戻り、再度アクセスポイントの探索を行う。
【0049】
ステップS907では、送信すべきファイルの読み出しが終了したかどうかを判定する。終了していなければ、ステップS904へ戻り引き続きファイルの読み出しと送信を継続する。
ファイル読み出しが終了すると、ステップS908にて通信モジュール部213の電力供給を停止する。
ステップS909では、コンテンツ蓄積部208に保存していた送信済みのアップロード用ファイルを削除する。
【0050】
実施例2によれば、アクセスポイントを自動的に発見して、コンテンツ送信を自動的に開始する。アクセスポイントから離れた場合には、送信を中断して新たなアクセスポイントを検出し、送信を自動的に再開する。よって、ユーザが意識することなく移動する撮像装置からコンテンツを自動的にアップロードすることができる。
【0051】
また本実施例によれば、撮影したコンテンツを自動的にアップロードすることで、外部機器への自動バックアップを取ることができるので、撮像装置内のコンテンツ蓄積部の容量を節約できると効果がある。
【実施例3】
【0052】
実施例3は、アップロード用ファイルの生成とアップロード処理とを並行して行うものである。
【0053】
図10は、実施例3によるコンテンツアップロード処理を示すフローチャートである。
ステップS1001では、ユーザからアップロードの指示を受けると、アップロードモードへの切替えを行う。
ステップS1002では、アップロード可能なコンテンツファイル群を表示部210に表示する(図4)。
ステップS1003では、ユーザはコンテンツファイル群からアップロードするコンテンツファイルを選択する。
【0054】
ステップS1004では、選択されたコンテンツについて、ファイルサイズが規定値未満になるようサイズ縮小処理を行いアップロード用ファイルを生成する。サイズ縮小処理の詳細は前記図5と同様である。その際、コンテンツファイルを縮小処理可能な小サイズのユニットに分割して、ユニット毎にアップロード用ファイルを生成する。
【0055】
ステップS1005では、生成されたアップロード用ファイルについて、送信可能な小サイズのユニットに分割して、ユニット毎に直ちにWEBサーバに向けて送信(アップロード)する。アップロード処理の詳細は図6と同様である。なお、縮小処理のユニットとアップロードのユニットはそのサイズが異なっても良い。
【0056】
ステップS1006では、ファイル全体についてアップロード用ファイルの生成が終了したかどうかを判定する。終了していなければ、ステップS1004に戻り残りのファイル生成を行う。ファイル生成が終了していれば、ステップS1007でファイル全体について送信が終了したかどうかを判定する。送信が終了していなければ、ステップS1005に戻り残りのアップロード処理を行う。
【0057】
実施例3によれば、アップロード用ファイル生成処理とアップロード処理を並行して行い、アップロード用ファイルは蓄積部に保存しないので、撮像装置内のコンテンツ蓄積部の容量を節約できる。言い換えれば、撮像装置はより長時間の撮影が可能になる。
【0058】
上記した各実施例の構成や処理内容は一例を示したものであり、各実施例の内容を適宜組み合わせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の撮像装置を用いたコンテンツ送信システムの一例を示す構成図。
【図2】本発明の撮像装置の一実施例を示す構成図。
【図3】コンテンツアップロード処理の全体工程を示すフローチャート。
【図4】図3のアップロード用ファイルの選択画面の表示例。
【図5】図3のアップロード用ファイル生成処理(S304)の詳細なフローチャート。
【図6】図3のアップロード処理(S306)の詳細なフローチャート。
【図7】図6のアップロード開始画面の表示例。
【図8】図6のアップロード実行中の画面表示例。
【図9】実施例2によるアップロード処理を示すフローチャート。
【図10】実施例3によるコンテンツアップロード処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0060】
100(200)…撮像装置、102…アクセスポイント/ルータ、103…インターネット、104…WEBサーバ、105…コンテンツデータ、202…撮像素子、203…カメラDSP、204…マイク、205…圧縮伸長回路、206…CPU、207…メモリ(RAM)、208…コンテンツ蓄積部、209…グラフィック回路、210…表示部、211…電源回路、212…電源、213…通信モジュール部、214…ROM、221…ダイジェスティング手段、222…トランスレート手段、223…トランスコード手段、224…ファイルサイズ見積り手段、225…アクセスポイント検出手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影し生成した画像コンテンツを外部機器へ送信する撮像装置において、
被写体を撮影し映像信号に変換する撮像部と、
上記映像信号を圧縮ストリーム形式の画像コンテンツとして保存するコンテンツ蓄積部と、
送信する画像コンテンツのファイルサイズを規定値以内に縮小処理するファイルサイズ縮小手段と、
縮小処理した上記画像コンテンツをインターネットを介して外部機器へ送信する通信モジュール部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記ファイルサイズ縮小手段として、画像コンテンツから特徴的な部分を抽出するダイジェスティング手段と、画像コンテンツのビットレートを変換するトランスレート手段と、画像コンテンツの符号化方式を変換するトランスコード手段のうち、少なくとも1つの手段を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像装置において、
上記ファイルサイズ縮小手段にて縮小処理後のファイルサイズを予測するファイルサイズ見積り手段を備え、
予測の結果、ファイルサイズが最小になるファイルサイズ縮小手段を用いて縮小処理を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記ファイルサイズ縮小手段にて縮小処理した画像コンテンツを前記コンテンツ蓄積部に一旦保存し、前記通信モジュール部にて該画像コンテンツを外部機器へ送信後、前記コンテンツ蓄積部に保存されている縮小処理した該画像コンテンツを削除することを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記通信モジュール部には、前記画像コンテンツの送信動作に合わせて電力を供給することを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記通信モジュールによりインターネットを介して外部機器へ送信するためのアクセスポイントを検出するアクセスポイント検出手段を備え、
該アクセスポイント検出手段によってアクセスポイントを検出した場合、前記画像コンテンツの送信を自動的に開始し、アクセスポイントを検出できない場合、前記画像コンテンツの送信を中断することを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記ファイルサイズ縮小手段は、画像コンテンツを縮小処理可能な小サイズのユニットに分割してユニット毎にファイルサイズの縮小処理を行い、
該縮小処理と並行して前記通信モジュール部は、縮小処理された画像コンテンツを送信可能な小サイズのユニットに分割してユニット毎に外部機器へ送信することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−114755(P2010−114755A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286786(P2008−286786)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】