説明

撮像装置

【課題】撮影者がファインダに接眼しているときに操作手段を誤操作することを抑制し、操作性を向上させることが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】本発明の撮像装置は、撮影対象および撮影情報を表示するファインダ(10)と、ファインダ(10)への接眼を検出する接眼検出手段と、撮影者により操作されるタッチ式の操作手段(9)と、操作手段(9)に接触する撮影者の指の位置を検出する位置検出手段と、接眼検出手段が撮影者のファインダ(10)への接眼を検出しているときに、位置検出手段による検出結果に基づいて操作手段上の指の位置を基準位置(HP)とし、基準位置(HP)からの操作手段上の指の移動を検出する移動検出手段と、移動検出手段の検出結果に基づいて撮像動作を制御する撮像制御手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮像装置には、撮影者がファインダで被写体を確認しながら撮像を行うものがある。このような撮像装置には、液晶画面を見ながら当該液晶画面の表面に配置されたタッチパネルを操作して撮影の設定を行う構成や、ファインダを覗きながらタッチパネルを操作して撮影の設定を行う構成がある。例えば、特許文献1の撮像装置は、ファインダを覗きながらタッチパネルを操作して撮影の設定を行う構成を採用している。特許文献1の撮像装置は、撮影者のファインダへの接眼を検出する接眼検出手段とシステム制御回路とを有し、システム制御回路が接眼検出手段の検出結果に基づいて液晶画面のバックライトを消灯し、タッチパネル上における入力可能領域でのタッチ操作を有効なものとして受け付ける構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−260681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、撮影者がファインダに接眼しているときには液晶画面の表示を見ることができないため、撮影者が意図する操作をスムーズに行うことができない場合があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、撮影者がファインダに接眼しているときに、操作性を向上させる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す図1〜図10に対応付けした以下の構成を採用している。なお、本発明を分かり易く説明するために、一実施形態を示す図面の符号に対応付けて説明するが、本発明は実施形態に限定されるものではない。
【0007】
本発明の撮像装置(100)は、撮影対象および撮影情報を表示するファインダ(10)と、ファインダ(10)への接眼を検出する接眼検出手段(301)と、撮影者により操作されるタッチ式の操作手段(9)と、操作手段(9)に接触する撮影者の指の位置を検出する位置検出手段(302)と、接眼検出手段(301)が撮影者のファインダ(10)への接眼を検出しているときに、位置検出手段(302)による検出結果に基づいて操作手段上の指の位置を基準位置(HP)とし、基準位置(HP)からの操作手段上の指の移動を検出する移動検出手段(303)と、移動検出手段(303)の検出結果に基づいて撮像動作を制御する撮像制御手段(304)と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の撮像装置によれば、撮影者がファインダに接眼しているときでも撮影動作設定および変更を行うことができるので、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態の撮像装置を示す斜視図である。
【図2】同、撮像装置の機能構成図である。
【図3】同、撮像装置の機能構成図である。
【図4】同、撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】同、撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】同、操作手段において基準位置設定可能領域を示す図である。
【図7】同、操作手段において基準位置及び移動有効範囲を示す図である。
【図8】同、操作手段上の指の移動とファインダ内の表示状態との関係を示す図である。
【図9】同、操作手段上の指の移動とファインダ内の表示状態との関係を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態の撮像装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の撮像装置を示す斜視図である。図1(a)はレンズ鏡筒3が沈胴しているときの正面斜視図、図1(b)はレンズ鏡筒3が繰り出しているときの正面斜視図、図1(c)は背面斜視図である。撮像装置は、例えば、撮影者がファインダに接眼することで被写体を確認しながら撮像を行うこともできる、タッチパネル搭載のカメラである。
【0012】
カメラ100は、図1(a)及び図1(b)に示すように、カメラボディ(カバー)1の前面に、レンズ鏡筒3、飾りリング4、ファインダ対物窓5、ストロボ窓6が設けられ、レンズ鏡筒3の前面には開閉式のレンズバリア2が設けられている。
【0013】
カメラボディ1の上面には、レリーズボタン7、電源ボタン8が設けられている。カメラボディ1の背面には、図1(c)に示すように、タッチパネル(操作部)9、ファインダ接眼窓(以下、単にファインダと称する場合がある)10、操作ボタン11、音声再生部(スピーカー)12が設けられている。ファインダ10は、被写体(撮影対象)及び撮影情報を表示する。ここで、撮影情報とは、合焦領域、測光領域、顔認識領域、感度、絞り値、露出時間、シャッター速度などの情報である。ファインダ10には、これら撮影情報の少なくとも一以上が表示される。
【0014】
図2は、本発明の第1実施形態の撮像装置の機能構成図である。
カメラ100は、図2に示すように、カメラボディ1、レンズ鏡筒3、ローパスフィルタ24、撮像素子20、AFE(Analog Front End)回路21、DFE(Digital Front End)回路22、TG(Timing Generator)23、システムLSI30、システムメモリ31、画像メモリ32、オーディオコーデック33、音声再生部12、記録IF(Interface)34、タッチパネル9、表示装置17、ファインダ10、カメラ操作系13、露出計15、システムメモリ16、を有している。
【0015】
レンズ鏡筒3は、撮像光学系として複数の光学レンズL3を有し、被写体像を撮像素子20の受光面に結像させる。被写体との位置、撮影する画角に応じて、焦点距離、ズーム倍率などが設定され、構成するレンズの配置が制御される。なお、図2においては、複数の光学レンズを簡略化して、1つの光学レンズを記載している。
【0016】
ローパスフィルタ24は、光学レンズL3と撮像素子20の間(撮像素子20の前方)に配置されている。ローパスフィルタ24は、画像の折り返しノイズを防止するためのフィルタである。
【0017】
撮像素子20は、受光面に受光素子が二次元的に配列されたCCD(Charge Coupled Device)或いはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などにより構成されている。また、撮像素子20は、レンズ鏡筒3が有する撮像光学系を介した被写体像を受光素子により光電変換してアナログ画像信号を生成して、AFE回路21に出力する。
【0018】
AFE回路21は、撮像素子20が出力するアナログ画像信号に対するゲイン調整(ISO(International Organization for Standardization)感度に応じた信号増幅)を行う。また、AFE回路21は、システムLSI30から入力されるISO感度設定情報に応じて、アナログ画像信号に対して予め定められた範囲内で増幅を行い、内蔵するA/D(Analog Digital)変換回路により、増幅したアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換してDFE回路22に出力する。
【0019】
DFE回路22は、AFE回路21が出力するデジタル画像信号に対するゲイン調整(ISO感度に応じた信号増幅)を行い、システムLSI30に出力する。
【0020】
TG23は、撮像素子20の各画素を行単位で順に読出しを行うタイミングを生成し、撮像素子20、AFE回路21、及びDFE回路22に供給する。撮像素子20は、生成されるタイミング信号に応じて信号を行単位に読み出して、アナログの映像信号をAFE回路21に出力する。
【0021】
システムLSI30は、マイクロプロセッサなどにより構成され、不図示のROM(Read Only Memory)或いはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などに記憶されているプログラムを実行することにより、カメラ100が行う処理を統括的に制御する。
【0022】
オーディオコーデック33は、入力された音声データを復号し、復号したデジタルの音声データをアナログに変換してスピーカー等の音声再生部12に出力する。音声再生部12は、オーディオコーデック33から入力された音声を出力する。
【0023】
記憶IF34は、メモリカードなどの記録媒体35が接続され、接続されたメモリカードに対してデータの書き込み及び読み出しを行う。
【0024】
タッチパネル9は、カメラボディ1においてファインダ10が配置される側と同じ側に配置されている。タッチパネル9は、撮影者により操作されるタッチ式の操作部である。タッチパネル9は、例えばTFTLCDなどからなる表示装置17の表面に取り付けられている。表示装置17には、撮像素子20によって電気信号に変換された映像信号に基づいた映像が表示される。表示装置17には、撮影される画像が表示されるほかに、各種設定や撮影条件が表示される。表示装置17の表示及び各種設定項目の設定変更は操作ボタン11の操作によって行われる。設定変更される各種設定項目には、ズーム倍率設定、撮影モード設定(オートモード/マニュアルモード設定)、ホワイトバランス設定、露光時間設定、表示切替設定などがある。
【0025】
ファインダ10、表示装置17及びタッチパネル9は、システムLSI30により制御され、場面に応じた表示及び入力を行うことができるようになっている。
【0026】
カメラ操作系13は、操作ボタン11、レンズ制御系14などにより構成されている。例えば、撮影者が操作ボタン11を操作することにより、レンズ鏡筒3内のレンズL3の配置が制御される。
【0027】
露出計15は、被写体の撮影において光の強度を測定し、設定すべき露出時間の割り出しを行う。露出計15は、シャッター速度や絞り値との連動が可能となっている。例えば、露出計15は、予め設定したフィルム感度と測光結果から現在のシャッター速度で適正露出になる絞り値を表示する。
【0028】
システムメモリ16は、レンズ制御系14によるレンズL3の配置の制御の前工程や後工程においてレンズ配置のデータを一時的に記憶したり、露出計15による露出時間の割り出しの前工程や後工程においてシャッター速度や絞り値を一時的に記憶したりする。
【0029】
ファインダ10は、例えばLCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)などの表示装置17に表示された撮影情報と、撮影対象とを合成して撮影者に表示させる合成部を有する。ファインダ内には、撮影対象に加えて、合焦領域、測光領域、感認識領域、感度、絞り値、露出時間、シャッター速度などの撮影情報が表示される。
【0030】
図3は、本発明の第1実施形態の撮像装置の機能構成図である。
システムLSI30は、例えば、接眼検出部(接眼検出手段)301、位置検出部(位置検出手段)302、移動検出部(移動検出手段)303、撮像制御部(撮像制御手段)304、表示制御部(表示制御手段)305、接触時間検出部(接触時間検出手段)306、選択部(選択手段)307、報知部(報知手段)308、撮影者認識部(撮影者認識手段)309、を有している。
【0031】
「接眼検出部301」は、撮影者のファインダ10への接眼を検出する。「位置検出部302」は、タッチパネル9に接触する撮影者の指の位置を検出する。「移動検出部303」は、接眼検出部301が撮影者のファインダ10への接眼を検出しているときに、位置検出部302による検出結果に基づいてタッチパネル9上の撮影者の指の移動を検出する。「撮像制御部304」は、移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作を制御する。ここで、撮像動作とは、合焦領域、測光領域、顔認識領域、感度、露出時間、絞り値、シャッター速度などを変更する際の動作である。
【0032】
「表示制御部305」は、ファインダ10の表示状態を制御する。この表示制御部305は、移動検出部303の検出結果に基づいてファインダ10の表示状態を変更する。ここで、表示状態とは、合焦領域、測光領域、顔認識領域を表示するカーソル、或いは感度、露出時間、絞り値、シャッター速度などの、ファインダ10に表示される表示内容である。
【0033】
「接触時間検出部306」は、位置検出部302によって検出された位置に当該指が接触している接触時間を検出する。「選択部307」は、位置検出部302によって検出された当該指の位置を基準位置として基準位置記憶部311に記憶させるか否かを撮影者に選択させる。「報知部308」は、位置検出部302により検出された指が、後述する範囲記憶部312で記憶された範囲外の位置でタッチパネル9に接触しているときに、撮影者に指を前記範囲内に移動するよう報知する。「撮影者認識部309」は、後述する基準位置記憶部311に記憶された基準位置が直近に記憶された基準位置と同じであるときに、特定の撮影者によって撮影が行われていると認識する。
【0034】
システムメモリ31は、例えば、前述した基準位置記憶部311および範囲記憶部312を有している。「基準位置記憶部311」は、位置検出部302による検出結果に基づいて、タッチパネル9上に接触する撮影者の指の位置を基準位置として記憶する。「範囲記憶部312」は、タッチパネル9において基準位置として設定可能な範囲を記憶する。
【0035】
システムメモリ31は、DFE回路22によるデジタル画像信号に対するゲイン調整の前工程や後工程においてデジタル画像信号を一時的に記憶する。画像メモリ32は、撮像したデジタル画像データを記憶する。
【0036】
次に、本発明の第1実施形態における撮像動作の装置の動作について図4を参照して説明する。図4は、本発明の第1実施形態の撮像装置の動作(撮影開始から基準位置の設定を経てファインダ内の表示状態を変更するまでの動作)を示すフローチャートである。
図4に示すように、ステップS1において、接眼検出部301が撮影者のファインダ10への接眼を検出すると、ステップS2において、システムLSI30は表示装置17のバックライトを消灯する。そして、ステップS3において、接眼検出中の動作(タッチパネル9への入力の受け付け動作)を許可する。
【0037】
ステップS4において、システムLSI30は、位置検出部302の検出結果に基づいてタッチパネル9上に撮影者の指が接触しているか否かを判定する。ステップS4において、肯定判定された場合はステップS5に進み、否定判定された場合はステップS4に戻る。
【0038】
ステップS5において、システムLSI30は、タッチパネル9上に接触している指の位置は適切か否かを判定する。タッチパネル9上に接触している指の位置が適切か否かの判定は、位置検出部302がタッチパネル9において基準位置として設定可能な範囲(以下、基準位置設定可能領域と称する場合がある)内の位置で撮影者の指の位置を検出したか否かにより行われる。ステップS5において、肯定判定された場合はステップS6に進み、否定判定された場合はステップS11に進む。
【0039】
ここで、タッチパネル9における基準位置設定可能領域について図6を参照して説明する。図6は、本発明の第1実施形態のタッチパネル9において基準位置設定可能領域を示す図である。図6において符号9Aaは基準位置設定可能領域であり、符号9Abは基準位置設定不可領域である。
【0040】
図6に示すように、基準位置設定可能領域9Aaは長方形状であり、タッチパネル9の中央部分にタッチパネル9のサイズ(面積)よりも一回り小さい面積で形成されている。基準位置設定不可領域9Abは基準位置設定可能領域9Aaの周囲に枠状に形成されている。基準位置設定不可領域9Abの幅(内側の辺と外側の辺の間の距離)は、所定の長さに設定されている。例えば、基準位置設定不可領域9Abの幅は、基準位置が基準位置設定可能領域9Aaの周縁部分(基準位置設定不可領域9Abとの境界部分)に記憶されたときに撮影者が一方向に指を移動させることができる程度の長さ(例えば10〜20mmの範囲)に設定するのがよい。
【0041】
範囲記憶部312は、基準位置設定可能領域9Aaを記憶する。基準位置記憶部311は、範囲記憶部312で記憶された基準位置設定不可領域9Abの位置を基準位置として記憶しないようになっている。
【0042】
ステップS5においてタッチパネル9上に接触している指の位置が適切であると肯定判定されると、ステップS6において、システムLSI30は、接触時間検出部306の検出結果に基づいてタッチパネル9上に撮影者の指が所定時間以上(例えば3秒以上)接触しているか否かを判定する。接触時間検出部306は、位置検出部302によって検出された位置に当該指が接触している接触時間を検出している。ステップS6において、肯定判定された場合はステップS7に進み、否定判定された場合はステップS4に戻る。
【0043】
ステップS5においてタッチパネル9上に接触している指の位置が不適切であると否定判定されると、ステップS11において、報知部308は撮影者に当該指をタッチパネル9上の基準位置設定可能領域9Aaの範囲内に移動させるよう報知する。ファインダ内に警告メッセージが表示され、ステップS12において撮影者がタッチパネル9上の基準位置設定可能領域9Aaの範囲内に指の位置を修正すると、ステップS6に進む。
【0044】
ステップS6において肯定判定されると、ステップS7において、選択部307が、当該指の位置を基準位置記憶部311に記憶するか否かを撮影者に選択させる。ステップS7において、肯定判定された場合はステップS8に進み、否定判定された場合はステップS4に戻る。
【0045】
ステップS8において、基準位置記憶部311は、位置検出部302によって検出された当該指の位置を基準位置として記憶する。
【0046】
次に、ステップS9において、タッチパネル9上の指が基準位置から移動すると、移動検出部303が当該指の基準位置からの移動量を検出する。
【0047】
ステップS10において、移動検出部302の検出結果に基づいて、撮像動作の制御とファインダ内の表示状態の制御とを行う。撮像動作の制御は、撮像制御部304によって行われる。ファインダ内の表示状態の制御は、表示制御部305によって行われる。
【0048】
本実施形態のカメラ100によれば、撮影対象及び撮影情報を表示するファインダ10を有し、移動検出部303により、撮影者がファインダ10に接眼しているときに、位置検出部302による検出結果に基づいて、タッチパネル9上の指の位置が基準位置HPとされ、基準位置HPからのタッチパネル上の指の移動が検出される。そして、撮像制御部304により、移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作の制御が行われる。したがって、撮影者がファインダに接眼しているときでも撮影動作の設定および変更を行うことができる。
【0049】
また、撮影者がファインダ10を覗いた際、タッチパネル9上に指を接触させることで任意の位置に基準位置HPを設定することができるので、撮影者の癖や手の大きさが各人で異なっていても、基準位置HPを各人それぞれの基準に対応させることができる。そのため、撮影者が違和感なくファインダ10を覗きながらタッチパネル9を操作することが可能となる。
【0050】
また、この構成によれば、表示制御部305を有し、表示制御部305が移動検出部303の検出結果に基づいてファインダ10の表示状態を変更するので、撮影者はタッチパネル上の指の移動に伴ってファインダ10の表示が変わることを認識することができる。
【0051】
また、この構成によれば、基準位置記憶部311と選択部307とを有するので、撮影者はタッチパネル9上の指の位置を基準位置HPとして基準位置記憶部311に記憶するか否かを選択することができる。
【0052】
また、この構成によれば、範囲記憶部312を有し、基準位置記憶部311が範囲記憶部312で記憶された範囲外の位置を基準位置HPとして記憶しないので、基準位置HPからのタッチパネル9上の指の移動範囲が広がる。これに対して、基準位置記憶部311が範囲記憶部312で記憶された範囲外の位置を基準位置HPとして記憶する場合には、基準位置HPからのタッチパネル9上の指の移動範囲が狭くなる。よって、操作性が向上する。
【0053】
また、この構成によれば、報知部308を有しているので、撮影者は範囲記憶部312で記憶された範囲外の位置でタッチパネル9上に指が接触していることを認識することができる。
【0054】
また、この構成によれば、接触時間検出部306を有し、基準位置記憶部311が接触時間検出部306の検出結果に基づいて、接触時間が所定の時間以上のときにタッチパネル9に指が接触している位置を基準位置HPとして記憶する。そのため、撮影者はタッチパネル9上に指を所定の時間以上接触させることで所望の位置を基準位置HPとして記憶させることができる。
【0055】
また、この構成によれば、報知部308が、範囲外接触時間が所定の時間以上のときに、撮影者に指を範囲内に移動するよう報知するので、撮影者は範囲記憶部312で記憶された範囲外の位置でタッチパネル9上に指が接触していることを所定の時間内で認識することができる。例えば、前記所定の時間を短時間に設定することにより、撮影者は範囲記憶部312で記憶された範囲外の位置でタッチパネル9上に指が接触していることに早く気が付くことができる。
【0056】
また、この構成によれば、タッチパネル9は、カメラボディ1においてファインダ10が配置される側と同じ側に配置されているので、撮影者がファインダ10を除きながらタッチパネル9を操作することが容易となる。例えば、撮影者が両手でカメラ100を持って撮影する場合には、タッチパネル9を一方の手の親指で操作することができる。
【0057】
尚、本実施形態では、報知部308は、ファインダ10内に警告メッセージを表示することにより撮影者に指をタッチパネル9上の基準位置設定可能領域9Aaの範囲内に移動させることを報知したが、音や振動によって報知してもよい。音による報知としては、例えば、スピーカー12からアラームを発することにより行うことができる。振動による報知としては、例えば、バイブレーション機能によりカメラ本体を振動させることにより行うことができる。
【0058】
尚、本実施形態では、表示制御部305は、ファインダ10内の所定領域FPを、顔認識領域として表示し、移動検出部303の検出結果に基づいて所定領域FPを移動させ、撮像制御部304が移動検出部303の検出結果に基づいて顔認識領域を制御している例を挙げて説明したがこれに限らない。例えば、表示制御部305は、ファインダ10内の所定領域FPを、合焦領域または測光領域として表示し、移動検出部の検出結果に基づいて所定領域FPを移動させ、撮像制御部304が移動検出部303の検出結果に基づいて合焦領域または測光領域を制御してもよい。これにより、撮影者は、タッチパネル9上の指を移動させることでファインダ10内の所望の被写体にピントを合わせることができる。
【0059】
尚、本実施形態では、選択部307は接眼検出部がファインダ10への接眼を検出しているときに位置検出部302により検出された指の位置を基準位置記憶部311で基準位置として記憶するか否かを撮影者に選択させているがこれに限らない。例えば、選択部307が、接眼検出部がファインダ10への接眼を検出していないときに、位置検出部302により検出された指の位置を基準位置記憶部311で基準位置として記憶するか否かを撮影者に選択させてもよい。これにより、撮影者は、ファインダ10を覗く前に、タッチパネル9上に指を接触させることで任意の位置に基準位置HPを設定することができる。
【0060】
尚、本実施形態では、報知部308はタッチパネル9上に接触している指の位置が不適切であると判定されたときに、撮影者に指をタッチパネル9上の基準位置設定可能領域9Aaの範囲内に移動させるよう報知しているが、これに限らない。例えば、報知部308が、タッチパネル9上に指が所定時間以上接触していないと判定されたときに、撮影者に指をタッチパネル9上に指を所定時間以上接触させるよう報知してもよい。
【0061】
尚、本実施形態では、タッチパネル9上に接触している指の位置は適切か否かの判定を経て、撮影者の選択により、タッチパネル9上の当該指の位置が基準位置として設定されているが、これに限らない。以下、図5を用いて異なる基準位置の設定のモードが異なるモードについて説明する。
【0062】
(個人識別して基準位置の登録、呼び出しを行うモード)
図5は、本発明の第1実施形態の撮像装置の動作(基準位置の検出から基準位置の確定までの動作)を示すフローチャートである。
図5に示すように、基準位置の検出が開始されると、位置検出部302はタッチパネル9上に接触している指の位置を検出する(図5に示すステップS21)。すると、上述したように、タッチパネル9上に接触している指の位置は適切か否かの判定(図4に示すステップS5)、タッチパネル9上に撮影者の指が所定時間以上接触しているか否かの判定(図4に示すステップS6)、タッチパネル9上に接触している指の位置を基準位置として記憶するか否かの判定(図4に示すステップS7)を経て、撮影者の選択により、タッチパネル9上の当該指の位置が基準位置として設定される(図4に示すステップS8)。
【0063】
次に、基準位置を設定する際に、システムLSI30は、位置検出部302による検出結果に基づいて、基準位置は変化しているか否かを判定する(図5に示すステップS22)。基準位置が変化あるか否かの判定は、基準位置記憶部311に記憶された基準位置が直近に記憶された基準位置と同じであるか否かにより行われる。
【0064】
基準位置は変化していない、つまり、基準位置記憶部311に記憶された基準位置が直近に記憶された基準位置と同じであると判定されると、撮影者認識部309は特定の撮影者によって撮影が行われていると認識する(図5に示すステップS24)。これにより、基準位置の特定化が行われる(図5に示すステップS25)。
【0065】
一方、基準位置は変化している、つまり、基準位置記憶部311に記憶された基準位置が直近に記憶された基準位置と異なっていると判定されると、タッチパネル上に現在接触している指の位置を基準位置として確定する(図5に示すステップS23)。
【0066】
この構成によれば、撮影者認識部309を有するので、基準位置記憶部311に記憶された基準位置HPが直近に記憶された基準位置HPと同じであるときに、特定の撮影者によって撮影が行われていると認識される。そのため、同一の撮影者が連続してカメラ100を使用する場合には、新たに基準位置HPを設定することなく自動的に確定させることができる。
【0067】
(タッチパネルを用いてAFエリアを操作するモード)
図7は、本発明の第1実施形態のタッチパネル9において基準位置及び移動有効範囲を示す図である。図7において符号HPは基準位置、符号UAは上方向有効範囲、符号DAは下方向有効範囲、符号RAは右方向有効範囲、符号LAは左方向有効範囲である。なお、図7においては、タッチパネル9上の基準位置設定可能領域9Aaの一部の領域を示している。
【0068】
図7に示すように、タッチパネル9上の所定の位置に基準位置HPが定まると、基準位置HPの周囲に移動有効範囲が定まる。ここで、「移動有効範囲」とは、上方向有効範囲UA、下方向有効範囲DA、右方向有効範囲RA、及び左方向有効範囲LAを有するものである。撮影者の指が各方向の移動有効範囲に接触すると、移動検出部303は基準位置からのタッチパネル9上の各方向への当該指の移動を検出する。例えば、撮影者の指が右方向有効範囲RAに接触すると、移動検出部303は基準位置HPからのタッチパネル9上の右方向への当該指の移動を検出する。そして、撮像制御部304は移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作を制御する。
【0069】
この構成によれば、カメラ本体の所定のボタンを押しながら十字キーを操作することなく、単にタッチパネル9上の各方向へ指を移動させることによってAFエリアを操作することができる。
【0070】
(タッチパネルを用いて顔認識エリアを操作するモード)
図8は、本発明の第1実施形態のタッチパネル9上の指の移動とファインダ10内の表示状態との関係を示す図である。図8において、符号HPはタッチパネル9上の基準位置、符号FPはファインダ10内の所定領域である。ここで、所定領域とはファインダ内に表示されるカーソル表示である。表示制御部305は、ファインダ10内の所定領域FPを、合焦領域または顔認識領域として表示し、移動検出部303の検出結果に基づいて所定領域FPを移動させる。図8においては、表示制御部305がファインダ10内の所定領域FPを顔認識領域として表示する構成を例に挙げて説明する。
【0071】
図8(a)に示すように、ファインダ10内には人型の被写体が前方と後方とに二体表示されている。ファインダ10内の中央部には所定領域FPが表示されている。タッチパネル9上で基準位置HPが設定されると、ファインダ10内の所定領域FPは、移動検出部303の検出結果に基づいて、基準位置HPからのタッチパネル9上の各方向への指の移動に対応して移動するようになる。
【0072】
図8(b)に示すように、撮影者の指が基準位置HPからタッチパネル9上の右上方向に移動すると、表示制御部305は、ファインダ10内の所定領域FPを、顔認識領域として表示し、移動検出部303の検出結果に基づいてファインダ10内の中央部から右上方向に移動させる。撮像制御部304は、移動検出部303の検出結果に基づいて合掌領域を制御し撮像を行う。これにより、二体の被写体のうち後方の被写体に顔認識した状態で撮像が行われる。なお、図8(b)においては、指を基準位置HPからタッチパネル9上の右上方向に移動させているが、この斜め方向に限らず、例えば指を基準位置HPからタッチパネル9上の右方向に移動させても二体の被写体のうち後方の被写体に顔認識した状態で撮像が行われる。
【0073】
図8(c)に示すように、撮影者の指が基準位置HPからタッチパネル9上の左上方向に移動すると、表示制御部305は、ファインダ10内の所定領域FPを、顔認識領域として表示し、移動検出部303の検出結果に基づいてファインダ10内の中央部から左上方向に移動させる。撮像制御部304は、移動検出部303の検出結果に基づいて顔認識領域を制御し撮像を行う。これにより、二体の被写体のうち前方の被写体に顔認識した状態で撮像が行われる。
【0074】
この構成によれば、表示制御部305は、ファインダ10内の所定領域FPを、合掌領域として表示し、移動検出部303の検出結果に基づいて所定領域FPを移動させ、撮像制御部304が移動検出部303の検出結果に基づいて合掌領域を制御する。よって、撮影者は、タッチパネル9上の指を移動させることでファインダ10内の所望の被写体にピントを合わせることができる。
【0075】
また、この構成によれば、表示制御部305は、ファインダ10内の所定領域FPを、顔認識領域として表示し、移動検出部303の検出結果に基づいて所定領域FPを移動させ、撮像制御部304が移動検出部303の検出結果に基づいて顔認識領域を制御する。よって、撮影者は、タッチパネル9上の指を移動させることでファインダ10内の所望の被写体に顔認識を設定することができる。
【0076】
(タッチパネル上の指の移動とファインダ内のカーソルの移動とが一致するモード)
図9は、本発明の第1実施形態のタッチパネル9上の指の移動とファインダ10内の表示状態との関係を示す図である。図9において、符号HPはタッチパネル9上の基準位置、符号EPはタッチパネル9上の所定位置(任意の位置)、符号FP1はファインダ10内の移動前の所定領域、符号FP2はファインダ10内の移動後の所定領域である。図9においては、表示制御部305が、移動検出部303の検出結果に基づいて所定領域を移動させる際の移動形態について説明する。図9において、ファインダ10内には人型の被写体が右側に一体のみ表示されている。
【0077】
図9(a)に示すように、撮影者の指が基準位置HPからタッチパネル9上の左上方向の任意の位置EPまで移動すると、表示制御部305は、ファインダ10内の所定領域をタッチパネル9上における指の移動経路に対応させて表示する。つまり、ファインダ10内の中央部の所定領域FP1は、タッチパネル9上における指の移動経路に沿ってファインダ10内の左上方向の所定領域FP2に移動する。
【0078】
図9(b)に示すように、表示制御部305は、撮影者の指がタッチパネル9上を基準位置HPから任意の位置EPに移動したとき、ファインダ10内の所定領域をタッチパネル9上の任意の位置EPに対応した位置に移動させて表示する。つまり、ファインダ10内の中央部の所定領域FP1は、タッチパネル9上における指の移動経路とは関係なく、ファインダ内の左上方向の所定領域FP2まで最短経路で(所定領域FP1の中心と所定領域FP2の中心を結ぶ直線に沿って)移動する。
【0079】
この構成によれば、表示制御部305は、所定領域FPをタッチパネル9上における指の移動経路に対応させて表示するので、撮影者はタッチパネル9上における指の移動経路をファインダ10内で認識することができる。よって、撮影者の操作感が向上する。
【0080】
また、この構成によれば、表示制御部305は、指がタッチパネル9上に基準位置HPから任意の位置EPに移動したとき、所定領域FPを任意の位置EPに対応した位置に移動させて表示する。つまり、所定領域は、タッチパネル9上の指の移動経路によらずに、タッチパネル9上の指の移動開始点と終点(任意の位置)とに対応して移動することとなる。よって、操作性が向上する。
【0081】
(指の上下左右方向の移動で撮影設定を変更するモード)
撮像制御部304は、基準位置HPからのタッチパネル9上の指の移動を検出する移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作を制御する。撮像制御部304による撮像動作の制御は、基準位置HPから各方向に指が移動したときに、移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作における撮影情報を変更する。
【0082】
例えば、「第1の方向」を基準位置HPからのタッチパネル9上の上方向、「第2の方向」を基準位置HPからのタッチパネル9上の右方向、「第3の方向」を基準位置HPからのタッチパネル9上の下方向、「第4の方向」を基準位置HPからのタッチパネル9上の左方向、とする。このように基準位置HPから4方向を設定すると、撮像制御部304は移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作における4種の撮影情報(例えば、感度、露出時間、絞り値、シャッター速度)を変更することができる。
【0083】
基準位置HPからの4方向に、撮像制御部304による撮像動作における4種の撮影情報を対応させる。具体的には、第1の方向に感度、第2の方向に露出時間、第3の方向に絞り値、第4の方向にシャッター速度を対応させる。すると、撮像制御部304は、第1の方向(基準位置HPからのタッチパネル9上の上方向)に指が移動したときに、移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作における感度を変更する。撮像制御部304は、第2の方向(基準位置HPからのタッチパネル9上の右方向)に指が移動したときに、移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作における露出時間を変更する。撮像制御部304は、第3の方向(基準位置HPからのタッチパネル9上の下方向)に指が移動したときに、移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作における絞り値を変更する。撮像制御部304は、第4の方向(基準位置HPからのタッチパネル9上の左方向)に指が移動したときに、移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作におけるシャッター速度を変更する。
【0084】
この構成によれば、撮像制御部304は、第1の方向に指が移動したときに、移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作における感度を変更する。よって、撮影者は、タッチパネル9上の指を移動させることで撮像動作における感度を変更することができる。
【0085】
また、この構成によれば、撮像制御部304は、第2の方向に指が移動したときに、移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作における露出時間を変更する。よって、撮影者は、タッチパネル9上の指を移動させることで撮像動作における露出時間を変更することができる。
【0086】
また、この構成によれば、撮像制御部304は、第3の方向に指が移動したときに、移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作における絞り値を変更する。よって、撮影者は、タッチパネル9上の指を移動させることで撮像動作における絞り値を変更することができる。
【0087】
また、この構成によれば、撮像制御部304は、第4の方向に指が移動したときに、移動検出部303の検出結果に基づいて撮像動作におけるシャッター速度を変更する。よって、撮影者は、タッチパネル9上の指を移動させることで撮像動作におけるシャッター速度を変更することができる。
【0088】
(第2実施形態)
図10は、図1(a)に対応した、本発明の第2実施形態の撮像装置を示す斜視図である。
図10に示すように、本実施形態のカメラ200は、操作部19がポインティングデバイスである点、ポインティングデバイス19がカメラボディ1においてファインダ10が配置される側と反対の側に配置されている点で上述の第1実施形態のカメラ100と異なっている。その他の点は上述の構成と同様であるので、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0089】
図10に示すように、ポインティングデバイス19は、カメラボディ1正面のボディー前面において、レンズ鏡筒3の配置された側と反対の側に取り付けられている。ポインティングデバイス19は、撮影者により操作されるタッチ式の操作部である。なお、図示はしないが、ポインティングデバイス19には、上述のタッチパネル9と同様に、基準位置設定可能領域及び基準位置設定不可領域が形成されている。
【0090】
本実施形態のカメラ200によれば、ポインティングデバイス19がカメラボディ1においてファインダ10が配置される側と反対の側に配置されているので、撮影者がファインダ10を除きながらポインティングデバイス19を操作することが容易となる。例えば、撮影者が両手でカメラ100を持って撮影する場合には、ポインティングデバイス19を一方の手の人差し指で操作することができる。
【0091】
尚、本実施形態では、ポインティングデバイス19はカメラボディ1正面のボディー前面に取り付けられているがこれに限らない。例えば、ポインティングデバイス19はカメラボディ1の上面、下面、左右の側面などの面に取り付けられていてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1…カメラボディ(カバー)、9…タッチパネル(操作手段)、9Aa…基準位置設定可能領域(基準位置として設定可能な範囲)、10…ファインダ、19…ポインティングデバイス(操作手段)、100,200…カメラ(撮像装置)、301…接眼検出部(接眼検出手段)、302…位置検出部(位置検出手段)、303…移動検出部(移動検出手段)、304…撮像制御部(撮像制御手段)、305…表示制御部(表示制御手段)、306…接触時間検出部(接触時間検出手段)、307…選択部(選択手段)、308…報知部(報知手段)、309…撮影者認識部(撮影者認識手段)、311…基準位置記憶部(基準位置記憶手段)、312…範囲記憶部(範囲記憶手段)、HP…基準位置、EP…任意の位置、FP…所定領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影対象および撮影情報を表示するファインダと、
前記ファインダへの接眼を検出する接眼検出手段と、
撮影者により操作されるタッチ式の操作手段と、
前記操作手段に接触する撮影者の指の位置を検出する位置検出手段と、
前記接眼検出手段が撮影者の前記ファインダへの接眼を検出しているときに、前記位置検出手段による検出結果に基づいて前記操作手段上の当該指の位置を基準位置とし、前記基準位置からの前記操作手段上の当該指の移動を検出する移動検出手段と、
前記移動検出手段の検出結果に基づいて撮像動作を制御する撮像制御手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記ファインダの表示状態を制御する表示制御手段をさらに有し、
前記表示制御手段は、前記移動検出手段の検出結果に基づいて前記ファインダの表示状態を制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記ファインダ内の所定領域を、合焦領域、測光領域または顔認識領域として表示し、前記移動検出手段の検出結果に基づいて前記所定領域を移動させ、
前記撮像制御手段は、前記移動検出手段の検出結果に基づいて前記合焦領域、前記測光領域または前記顔認識領域を制御することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記所定領域を前記操作手段上における指の移動経路に対応させて表示することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、指が前記操作手段上を前記基準位置から任意の位置に移動したとき、前記所定領域を前記任意の位置に対応した位置に移動させて表示することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記位置検出手段による検出結果に基づいて、前記操作手段上に接触する撮影者の指の位置を基準位置として記憶する基準位置記憶手段と、
当該指の位置を前記基準位置記憶手段に記憶するか否かを撮影者に選択させる選択手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記操作手段において前記基準位置として設定可能な範囲を記憶する範囲記憶手段をさらに有し、
前記基準位置記憶手段は、前記範囲記憶手段で記憶された前記範囲外の位置を基準位置として記憶しないことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記位置検出手段により検出された指が前記範囲記憶手段で記憶された範囲外の位置で前記操作手段に接触しているときに、撮影者に前記指を前記範囲内に移動するよう報知する報知手段をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記位置検出手段によって検出された位置に当該指が接触している接触時間を検出する接触時間検出手段をさらに有し、
前記基準位置記憶手段は、前記接触時間検出手段の検出結果に基づいて、前記接触時間が所定の時間以上のときに前記操作手段に当該指が接触している位置を基準位置として記憶することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記接触時間検出手段は、前記位置検出手段により検出された指が前記範囲記憶手段で記憶された範囲外の位置で前記操作手段に接触している範囲外接触時間を検出し、
前記報知手段は、前記範囲外接触時間が所定の時間以上のときに、撮影者に前記指を前記範囲内に移動するよう報知することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記基準位置記憶手段に記憶された前記基準位置が直近に記憶された基準位置と同じであるときに、特定の撮影者によって撮影が行われていると認識する撮影者認識手段をさらに有することを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記選択手段は、前記接眼検出手段が前記ファインダへの接眼を検出していないときに、前記位置検出手段により検出された指の位置を前記基準位置記憶手段で基準位置として記憶するか否かを撮影者に選択させることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記撮像制御手段は、第1の方向に指が移動したときに、前記移動検出手段の検出結果に基づいて撮像動作における感度を変更することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記撮像制御手段は、第2の方向に指が移動したときに、前記移動検出手段の検出結果に基づいて露出時間を変更することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記撮像制御手段は、第3の方向に指が移動したときに、前記移動検出手段の検出結果に基づいて絞り値を変更することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記撮像制御手段は、第4の方向に指が移動したときに、前記移動検出手段の検出結果に基づいてシャッター速度を変更することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記ファインダと前記操作手段を固定するカバーを有し、
前記操作手段は、前記カバーにおいて前記ファインダが配置される側と同じ側に配置されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記ファインダと前記操作手段を固定するカバーを有し、
前記操作手段は、前記カバーにおいて前記ファインダが配置される側と反対の側に配置されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記操作手段はタッチパネルであることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項20】
前記操作手段はポインティングデバイスであることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項21】
前記撮影情報は、合焦領域、測光領域、顔認識領域、感度、絞り値、露出時間、シャッター速度の少なくとも一以上であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−147100(P2012−147100A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2097(P2011−2097)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】