説明

撮影情報検索システム

【課題】 電子機器の使用者を撮影した撮影情報の中から、効率的に目的の人物だけが映っている撮影情報を探し出すことができる撮影情報検索システムを提供する。
【解決手段】 記憶媒体と、記憶媒体に記憶された固有情報を読み取る読取装置と、読取装置と接続され、読取装置で読み取った固有情報を受信する電子機器と、撮影装置と、電子機器と撮影装置とに接続された処理装置とからなり、電子機器は、読取装置から受信した固有情報を処理装置に送信する手段を有し、撮影装置は、撮影情報を処理装置に送信する手段を有し、処理装置は、撮影装置から受信した撮影情報を、電子機器から受信した固有情報と関係付け記憶する撮影情報データベースと、撮影情報データベースに記憶された撮影情報の中から特定の撮影情報を選択する際に、入力された固有情報に基づき、該固有情報と関係付けられて撮影情報データベースに記憶されている撮影情報を選択する手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラなどの撮影装置でパソコンやプリンタなどの電子機器の使用者を撮影した撮影情報の中から、特定の使用者が映っている映像だけを簡単に選び出して表示手段に映し出して見ることができるようにした撮影情報検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視カメラなどの撮影装置を用いて、不審人物を撮影して防犯に活用したり、犯人の特定を行なうために撮影情報を有力な証拠情報として利用するなどしている。
これらの監視カメラを用いたシステムとしては、所定の場所を監視カメラにより随時に撮影して、撮影情報をビデオとして記憶させておき、犯罪や事故などが発生した場合に、それらの記録しておいた撮影情報をディスプレイに映し出して犯行の確認を行なったり、また、予め不審者侵入検出器などを備えておき、不審者が侵入した際に監視カメラを作動させて、不審者を撮影するシステムなどが公知となっている。(例えば、特許文献1乃至5、参照)
また、社内犯罪への対応として、社員が仕事をしているフロアーを監視カメラで撮影するなどして、社員の動向を映像として記録しておき、社内犯罪や不審者の侵入などの状況を後日に調べられるようにするシステムなども知られている。
【特許文献1】特開平9−198577号公報
【特許文献2】特開平10−222773号公報
【特許文献3】特開2001−302133号公報
【特許文献4】特開2004−5511号公報
【特許文献5】実開平2−108192号公報
【0003】
近年、パソコンなどの電子機器の発達に伴って、重要な秘密情報や個人データなどの重要情報を、パソコンを利用して管理したり、検索できるようにして事務処理の効率が上がるようにしている。
ところが、パソコンなどの電子機器により重要情報を管理することは、事務処理の効率が上がるという反面、これらの電子機器の使用者が簡単に重要情報や大量のデータを盗み出すこともできるという危険性がある。
【0004】
このようなことから、パソコンなどの電子機器を正当に使用できる社員などが、電子機器を用いて不正行為を行なった場合や、他人に成りすまして電子機器を使用し、不正行為が行なわれた場合には、短時間で疑わしい人物に関する情報を収集して早急な対策を図ることが被害を拡大させないためにも必要といえる。
このような場合には、監視カメラにより随時に撮影しておいた撮影情報をディスプレイに映し出して犯罪行為を確認する方法もあるが、膨大な量の撮影情報の中から疑わしい社員が撮影されている映像を探し出すのは、時間がかかりすぎて効率が悪いという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、監視カメラなどの撮影装置により、パソコンなどの電子機器の使用者を撮影した撮影情報の中から、短時間で効率的に目的の人物だけが映っている撮影情報を探し出すことができるようにした撮影情報検索システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の撮影情報検索システムは、使用者を特定可能な固有情報が記憶された記憶媒体と、
前記記憶媒体に記憶された固有情報を読み取る読取装置と、前記読取装置と接続され、前記読取装置で読み取った固有情報を受信する電子機器と、前記電子機器の使用者を撮影する撮影装置と、前記電子機器と前記撮影装置とに接続された処理装置とからなり、前記電子機器は、前記読取装置から受信した固有情報を前記処理装置に送信する手段を有し、 前記撮影装置は、撮影情報を前記処理装置に送信する手段を有し、前記処理装置は、前記撮影装置から受信した撮影情報を、前記電子機器から受信した固有情報と関係付けて記憶する撮影情報データベースと、前記撮影情報データベースに記憶された撮影情報の中から特定の撮影情報を選択する際に、入力された固有情報に基づいて、該固有情報と関係付けられて前記撮影情報データベースに記憶されている撮影情報を選択する手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の撮影情報検索システムは、前記処理装置が、前記電子機器から固有情報を受信した場合に、前記撮影装置に対して撮影を開始させるための指示信号を送信する手段を有することを特徴とする。
【0008】
更に、本発明の撮影情報検索システムは、前記撮影装置が、前記電子機器から固有情報を受信した場合に撮影を開始することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の撮影情報検索システムは、前記処理装置が、前記撮影情報データベースに記憶された撮影情報を表示する表示手段と、固有情報を入力する入力手段とを有することを特徴とする。
【0010】
更に、本発明の撮影情報検索システムは、前記処理装置が、複数の電子機器及び複数の撮影装置と接続されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の撮影情報検索システムは、前記処理装置が、該処理装置に接続されている固有情報入力手段と表示手段とがある電子機器から固有情報を受信して、撮影情報を検索することが可能であることを特徴とする。
【0012】
更に、本発明の撮影情報検索システムは、前記処理装置が複数設けられ、該複数の処理装置に接続されている固有情報入力手段と表示手段とがある電子機器から固有情報を受信して、撮影情報を検索することが可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の撮影情報検索システムは、電子機器の使用者を撮影した撮影情報が、使用者の記憶媒体に記憶されている固有情報と関係付けられて記憶されるので、固有情報に基づいて、特定の使用者が映し出されている映像だけを短時間に効率的に探し出すことができるという効果がある。
【0014】
また、本発明の撮影情報検索システムは、入力手段から入力した固有情報に基づいて選択された撮影情報を、短時間に効率的に表示手段に映し出し確認することができるという効果がある。
【0015】
更に、本発明の撮影情報検索システムは、前記処理装置が、複数の電子機器及び複数の撮影装置と接続されているので、複数の撮影装置で撮影された撮影情報を処理装置により一元化して管理することができ、多くの電子機器が設けられている場合でも、それらの使用者が撮影されている撮影情報の中から、目的の使用者だけが映っている撮影情報を選択して表示手段に映し出すことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムについて、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムの構成の概要を説明する図、図2は、本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムで使用するIDカードの平面図、図3は、図2のA−A線断面図、図4は、IDカードに備えられている非接触ICタグの平面図、図5及び図6は、本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムのシステムブロック図、図7は、本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムの撮影情報データベースに登録されている情報の一例を示す図、図8及び図9は、本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムの処理手順を示すフローチャート図である。
【0017】
本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムは、図1に示すように、入室が管理された部屋1内に、複数のパソコン2a、コピー機2b、プリンタ2cなどからなる電子機器2が備えられていると共に、それらの電子機器2の使用者6を撮影するための監視カメラ3a,3b,3cなどからなる撮影装置3が備えられている。
更に、各電子機器2には、読取装置5であるカードリーダ5a,5b,5cが接続されて備えられている。
このカードリーダ5a,5b,5cは、使用者6が所持する記憶媒体であるIDカード4に記憶された固有情報である社員番号を読み取ることができる機能を有している。
【0018】
部屋1の出入口には、IDカード4により施錠管理された開閉ドア7が備えられ、部屋1の出入口の外側にIDカード4に記憶された固有情報である社員番号を読み取るためのカードリーダ5dが備えられている。
更に、部屋1の出入口から入室しようとしている者を撮影するための監視カメラ3dが備えられ、誰が入室したのかを撮影できるようにしてある。
そして、図5または図6に示すように、パソコン2a、コピー機2b、プリンタ2cなどの電子機器2と、カードリーダ5dと、監視カメラ3a,3b,3c,3dなどの撮影装置3と、施錠管理装置10とは、通信回線8によりコンピュータからなる処理装置9と接続されている。
【0019】
記憶媒体であるIDカード4は、電子機器の使用者を特定することができる固有情報が記憶可能であって、その固有情報を読取装置により読み取ることができればよく、特に限定されるものではないが、図示した記憶媒体では、一例として接触用のICモジュールを有する非接触ICカードを用いた場合が示されている。
このIDカード4は、図2乃至図4に示すように、カード基材4a,4bの内部に非接触ICタグ11が内蔵されると共に、ICモジュール12が埋設された構成を有している。
【0020】
この非接触ICタグ11は、例えば、非接触データキャリアやRFIDともいわれ、図4に示すように、プラスチック等の基材13にコイルパターンからなる送受信手段20が形成され、当該コイルと容量素子とにより共振回路を形成して一定周波数の電波を受信し送信することができるように構成されている。
また、他の方式として、リーダライタからの搬送波の電磁誘導により電力伝送及びデータ伝送を行うようにしてもよい。
一般的には、135kHz(中波)、13.56MHz、2.45GHz(マイクロ波)の周波数帯が使用される。
【0021】
図示した例の場合、コイルパターンからなる送受信手段14は、導通部材15により基材13の裏面でジャンピング回路を形成してコイル接続端子16CによりICチップ17の裏面のバンプに接続している。
ICチップ17には、CPUからなる制御手段18と、メモリからなる記憶手段19とが備えられている。
記憶手段19には、固有情報である社員番号が登録されている。
【0022】
図示した例では、容量素子はICチップ17に内蔵されている。
このような非接触ICタグ11は、樹脂基材にラミネートしたアルミ箔等の金属箔をフォトエッチングやレジスト印刷後のエッチングによりコイルパターンを形成し、ICチップ17を装着し、保護用の被覆を設けることにより形成することができる。
その大きさも30mm×30mm程度以下のサイズとすることができる。
【0023】
非接触ICタグ11に使用する樹脂基材13としては、PETやポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン等の各種材料を使用することができ、紙であってもよい。
厚みは15〜300μmが使用できるが、強度、加工作業性、コスト等の点から20〜100μmがより好ましい。
金属箔としては銅箔やアルミ箔あるいは鉄箔を使用できるが、コスト、加工性からアルミ箔が好ましく、その厚みは6〜50μm程度が好ましい。
【0024】
これらの非接触ICタグ11に記録した情報の読み取りは、読取装置であるカードリーダから非接触ICタグ11に対して共振する呼び出し信号を発信し、非接触ICタグ11からの応答信号を読み、且つ非接触ICタグ11のICチップ17のメモリに記録された情報を読み取ることで行なわれる。
【0025】
次に、本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムのシステム構成を、図5及び図6に基づいて詳細に説明する。
まず、電子機器2に備えられた読取装置5には、送受信手段21、記憶手段22、制御手段23、インターフェース(I/F)24などが備えられている。
送受信手段21は、IDカード4の送受信手段20から固有情報である社員番号を非接触により受信する。
記憶手段22には、各電子機器2を管理するために予め定められた管理番号と制御用プログラムとが搭載されており、送受信手段21で受信した固有情報である社員番号と管理番号とを、通信線25を介して電子機器2へ送信するようにプログラムされている。
【0026】
また、電子機器2には、認証手段26、記憶手段27、固有情報送信手段28、インターフェース(I/F)29,30、制御手段31などが備えられている。
認証手段26は、読取装置5から受信した固有情報である社員番号から、その使用者がその電子機器2を使用することができると認められた者であるか否かの判定を行なう機能を有し、その判定は、記憶手段27に記憶された照合用の情報との照合処理により、照合一致した場合にその使用者に対して認証があるとの判定結果が下される。
電子機器2は、認証手段26での認証が認められるまでは、使用できないようにロック状態となっているが、認証処理で認められた場合には、ロック状態を解除させて電子機器2の使用を可能な状態とする。
また、固有情報送信手段28は、電子機器2のロックが解除されて使用可能な状態となった際に、読取装置5から受信した固有情報である社員番号を、通信回線8を介して処理装置9へ送信する機能を有している。
【0027】
次に、撮影装置3には、撮影手段32、撮影情報送信手段33、記憶手段34、インターフェース(I/F)35、制御手段36などが備えられている。
撮影手段32は、予め定めた特定の電子機器を使用する使用者を撮影することができるように撮影領域が設定されている。
記憶手段34には、制御用プログラムと、撮影装置3の管理番号とが記憶されている。
撮影情報送信手段33は、撮影手段32で撮影された撮影情報と管理番号とを通信回線8を介して処理装置9へ送信する機能を有している。
尚、1台の撮影装置3で撮影可能な電子機器は、1台の電子機器だけでもよいし、また、複数の電子機器が撮影できるように撮影領域を設定してもよい。
【0028】
処理装置9には、入力手段37、撮影開始信号送信手段38、表示手段39、インターフェース(I/F)40、登録手段41、撮影情報選択手段42、記憶手段43、計時手段44、認証手段45、ドア施錠制御手段46、制御手段47、撮影情報データベース48、社員情報データベース49、撮影装置情報データベース50、などが備えられている。
社員情報データベース49には、予め社員情報として、例えば、社員毎に設定された社員番号と、この社員番号に関係付けられて、氏名、役職、所属部署、電話番号、入社日、などの情報が登録されている。
撮影装置情報データベース50には、各々の撮影装置3で撮影可能な電子機器を特定できるように、各々の撮影装置3の管理番号と、各々の撮影装置3で撮影可能な電子機器の管理番号とを関係付けた情報が予め登録されている。
【0029】
撮影開始信号送信手段38は、電子機器2から通信回線13を介して電子機器の管理番号を受信した際に、撮影装置情報データベース50において、受信した電子機器の管理番号と関係付けられて登録されている撮影装置3の管理番号を特定し、その特定した管理番号を有する撮影装置3に対して撮影を開始させるための指示信号を送信する機能を有している。
撮影装置3は、通信回線13を介して処理装置9から撮影を開始させるための指示信号を受信した場合に、電子機器の使用者が被写体となるように撮影を開始させる。
【0030】
また、登録手段41は、通信回線8を介して、電子機器2から受信した固有情報である社員番号と、撮影装置3から受信した撮影情報、時刻情報、撮影装置の管理番号とを関係付けて撮影情報データベース48に登録する機能を有している。
更に、登録手段41は、電子機器2から受信した固有情報である社員番号に基づいて、社員情報データベース49に登録されている社員情報の中から予め設定された情報を選択して、撮影情報データベース48に社員番号と関係付けて登録する機能を有している。
【0031】
また、処理装置9の計時手段25は、通信回線8を介し電子機器2から受信した固有情報である社員番号が、何時何分に受信されたものであるのかがわかるようにしてあり、社員番号を受信した時刻と、電子機器2から受信した撮影情報の撮影時刻情報とが一致する状態となるようにして、撮影情報データベース48に登録される。
つまり、読取装置5で社員番号を読み取ったのと略同じ時刻に撮影された映像には、その社員番号で特定される社員が映るようにしてある。
【0032】
図7には、撮影情報データベース48に登録された情報の一例が示されている。
図7に示したように、撮影情報データベース48に登録される情報としては、固有情報である社員番号に関係付けられて、氏名、所属部署、カメラ番号、カメラの設置場所、撮影時刻、撮影データ、などが登録されている。
したがって、ある特定した社員が撮影された映像だけを選んで見たい場合には、固有情報である社員番号や氏名から、簡単にその社員が撮影された撮影データを表示手段に映し出して見ることができる状態になっている。
【0033】
更に、認証手段45は、部屋1に入室する際に使用するカードリーダ5dから受信した固有情報である社員番号の認証処理を行なう機能を有し、認証を受けられた場合に、ドア施錠制御手段46により、開閉ドアの施錠のロックを解除させるための指示信号を、通信回線8を介して施錠管理装置10に送信させる機能を有する。
【0034】
また、撮影情報選択手段42は、固有情報である社員番号に基づいて、特定の社員が映っている撮影情報を表示手段39に映し出して見る場合に、その閲覧者が、入力手段37から入力した固有情報である社員番号から、撮影情報データベース48に登録されているその社員番号と関係付けられて登録されている撮影データを選択して、表示手段39に映し出させる機能を有している。
【0035】
また、通信回線8には、図6に示すように、部屋1の出入口の外側に備えられたカードリーダ5dと、施錠管理された開閉ドア7の施錠状態を管理する施錠管理装置10とが接続されている。
カードリーダ5dには、送受信手段51、記憶手段52、制御手段53、インターフェース(I/F)54などが備えられている。
送受信手段51は、IDカード4の送受信手段20から固有情報である社員番号を非接触により受信する。
記憶手段52には、カードリーダ5dを特定可能な管理番号と、制御用プログラムとが搭載されており、送受信手段51で受信した固有情報である社員番号と管理番号とを、通信線8を介して処理装置9へ送信するようにプログラムされている。
【0036】
また、施錠管理装置10には、開閉ドア7のドアロックの開閉状態を変化させる施錠開閉手段55、制御手段56、インターフェース(I/F)57などが備えられている。
施錠開閉手段55は、処理装置9からドアの施錠のロックを解除させるための指示信号を、通信回線8を介して受信した場合に、ドアロックの解除を行い、入室可能な状態にする。
これにより、社員以外の第三者などのIDカード4を所持していない者の入室を防止できるようにしてある。
【0037】
次に、本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムの処理手順を、図7に示すフローチャート図に基づいて説明する。
まず、部屋1内に備えられているパソコン2a、コピー機2b、プリンタ2cなどの電子機器2の使用者は、部屋1の出入口から入る際に、出入口に備えられているカードリーダ5dに対して、所持しているIDカード3を近づけることで、カードリーダ5dがIDカード3に記憶されている固有情報である社員番号を読み取らせる。(ステップS1)
カードリーダ5dは、読み取った社員番号と、カードリーダ5dの管理番号とを、通信回線8を介して処理装置9へ送信する。(ステップS2)
【0038】
そして、処理装置9は、受信した社員番号の認証処理を行なう。(ステップS3)
この認証処理では、社員情報データベース49に登録されている社員情報から、受信した管理番号が入室を認められているか否かの判定が行なわれ、入室の認証が認められている場合に、処理装置9から施錠管理装置10に対して、通信回線8を介してロック解除を指示する信号が送信される。(ステップS4)
これにより施錠管理装置10のロックが解除されて、開閉ドアからの入室が可能となる。(ステップS5)
【0039】
次に、部屋1に入室した者が、パソコン2a、コピー機2b、プリンタ2cなどの電子機器2を使用する場合には、まず、電子機器2に備えられている読取装置5に、所持しているIDカード3を近づけ、読取装置5がIDカード3に記憶されている固有情報である社員番号を読み取らせる。(ステップS6)
読取装置5で読み取った社員番号は、電子装置2に送信する。(ステップS7)
電子装置で認証処理を受ける。(ステップS8)
電子装置2での認証処理で、その社員番号の認証が認められた場合には、固有情報である社員番号と、電子機器の管理番号とを、通信回線8を介して処理装置9へと送信される。(ステップS9)
【0040】
処理装置9は、固有情報である社員番号と、電子機器の管理番号とを受信すると、直ぐに受信した管理番号に基づいて、撮影装置情報データベース50からその管理番号と関係付けられて登録されている撮影装置を特定し、その撮影装置3に対して、通信回線8を介して撮影開始を指示する撮影開始指示信号を送信する。(ステップS10)
撮影装置3は、処理装置9から撮影開始指示信号を受信したことを受けて、電子装置2の使用者が映るように撮影を開始する。(ステップS11)
撮影装置3で撮影された撮影情報は、通信回線8を介して処理装置9へ送信される。(ステップS12)
【0041】
そして、処理装置9は、図7に示すように、電子装置2から受信した固有情報である社員番号等の社員情報、撮影装置3の管理番号、その設置場所情報、撮影時刻情報、撮影装置3から受信した撮影情報などを関係付けて、撮影情報データベース48に登録する。(ステップS13)
通信回線8には、複数の電子機器や撮影装置が接続され、処理装置9には、これらの複数の電子機器や撮影装置が接続されている。
これにより、処理装置9に通信回線8を介して複数の電子機器や撮影装置から情報が送信され、処理装置9の撮影情報データベース48に順次に固有情報である社員番号と撮影情報とが関係付けられて登録される。
【0042】
次に、電子機器を用いた事件などが発生した場合において、処理装置9の撮影情報データベース48に登録された撮影情報に基づいて調査を行なう際の手順を、図8に示すフローチャート図に基づいて説明する。
まず、処理装置9の入力手段37により、調べたい社員の固有情報である社員番号を入力する。(ステップS14)
処理装置9の撮影情報選択手段42により、撮影情報データベース48に登録されている情報の中から、入力された社員番号と関係付けられて登録されている撮影情報を選択する。(ステップS15)
【0043】
処理装置9の表示手段39に、その選択された撮影情報を表示させる。(ステップS16)
撮影情報データベース48に登録されている情報の中に、調べたい社員の社員番号が複数登録されている場合には、一時的に、その社員番号と関係付けられて登録されている全ての映像情報を選択し抽出して記憶手段に記憶させてから、随時に表示手段39に映し出して見るようにしてもよい。
また、一回分の撮影情報を表示させる際に、撮影情報データベース48に登録されている個人情報や撮影時刻情報なども表示させることで、誰が、何時、どの電子機器を使用したのかを文字情報と映像情報とで確認することもでき、目的の被写体が映っている映像を短時間で効率的に探し出して見ることができるようにしてある。
【0044】
また、例えば、異なる場所に複数の事業所を有している大規模な企業などの場合には、各事業所ごとに、固有情報の読取装置と、電子機器と、撮影装置と、撮影情報データベースを備えた処理装置などを設置することで、各事業所ごとに撮影装置で撮影して撮影情報を撮影情報データベースに記憶させて蓄積しておくと共に、それらの複数の処理装置をネットワークで通信可能に接続しておいてもよい。
そして、そのネットワークに接続させた端末を操作することで、その端末から入力させた固有情報に基づいて、複数の事業所に備えられた各撮影情報データベースに記憶させた撮影情報の中から、端末から入力した固有情報に基づいて、その固有情報と関係付けられて各撮影情報データベースに記憶されている撮影情報を選択させ、ネットワークを介してそれらの選択された撮影情報を端末で受信し、端末のディスプレイに撮影情報を映し出して見ることもできる。
【0045】
このように、本発明の撮影情報検索システムは、処理装置9が複数設けられ、該複数の処理装置9に接続されている固有情報入力手段と表示手段とがある電子機器2から固有情報を受信して、撮影情報を検索することが可能であるようにシステム化することもできる。
【0046】
また、上記の実施形態の説明では、処理装置9が、電子機器2から固有情報を受信した場合に、撮影装置3に対して撮影を開始させるための指示信号を送信するようにシステム化されているが、他の方法として、撮影装置9が、電子機器2から固有情報を受信した場合に撮影を開始させるようにしてもよい。
この場合には、電子機器2に撮影開始信号送信手段38を設け、電子機器2から直接に撮影開始信号を撮影装置9に送信することで、撮影装置9の撮影手段32による撮影を開始させる。
尚、撮影開始信号は、固有情報であってもよい。
【0047】
また、カードリーダ5a,5b,5cの代わりにカードリーダライタを用いた場合には、IDカード4から固有情報を読み取った際に、リーダライタから電子機器の管理情報や時 間情報をIDカードに記憶することもできる。
また、撮影情報データベース48は、処理装置9とネットワークで通信可能に接続されたサーバなどの記憶装置に設けるようにしてもよく、処理装置の中にハードウエアと して内蔵されないものでも本発明に含まれる。
また、上記の実施形態では、発明をわかりやすく説明するために、電子機器と撮影装置と処理装置がそれぞれ別の機器、装置として実現するもので説明したが、ハード ウエアとして一体化する構成でも良い。
例えば、電子機器と撮影装置を一体化されている場合や、撮影装置と処理装置が一体化した装置で実現する場合も本発明に含まれることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムの構成の概要を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムで使用するIDカードの平面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】IDカードに備えられている非接触ICタグの平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムのシステムブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムのシステムブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムの撮影情報データベースに登録されている情報の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムの処理手順を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の実施形態に係る撮影情報検索システムの処理手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0049】
1 入室が管理された部屋
2 電子機器
2a パソコン
2b コピー機
2c プリンタ
3 撮影装置
3a,3b,3c,3d 監視カメラ
4 IDカード
4a,4b カード基材
5 読取装置
5a,5b,5c,5d カードリーダ
6 電子機器の使用者
7 開閉ドア
8 通信回線
9 処理装置
10 施錠管理装置
11 非接触ICタグ
12 ICモジュール
13 基材
15 導通部材
16C コイル接続端子
17 ICチップ
18,23,31,36,47,53 制御手段
19,22,27,34,43,52 記憶手段
20,21,51 送受信手段
26 認証手段
28 固有情報送信手段
29,30 インターフェース(I/F)
32 撮影手段
33 撮影情報送信手段
37 入力手段
38 撮影開始信号送信手段
39 表示手段
41 登録手段
42 撮影情報選択手段
46 ドア施錠制御手段
48 撮影情報データベース
49 社員情報データベース
50 撮影装置情報データベース
55 施錠開閉手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者を特定可能な固有情報が記憶された記憶媒体と、
前記記憶媒体に記憶された固有情報を読み取る読取装置と、
前記読取装置と接続され、前記読取装置で読み取った固有情報を受信する電子機器と、
前記電子機器の使用者を撮影する撮影装置と、
前記電子機器と前記撮影装置とに接続された処理装置とからなり、
前記電子機器は、前記読取装置から受信した固有情報を前記処理装置に送信する手段を有し、
前記撮影装置は、撮影情報を前記処理装置に送信する手段を有し、
前記処理装置は、前記撮影装置から受信した撮影情報を、前記電子機器から受信した固有情報と関係付けて記憶する撮影情報データベースと、前記撮影情報データベースに記憶された撮影情報の中から特定の撮影情報を選択する際に、入力された固有情報に基づいて、該固有情報と関係付けられて前記撮影情報データベースに記憶されている撮影情報を選択する手段と、
を有することを特徴とする撮影情報検索システム。
【請求項2】
前記処理装置が、前記電子機器から固有情報を受信した場合に、前記撮影装置に対して撮影を開始させるための指示信号を送信する手段を有することを特徴とする請求項1記載の撮影情報検索システム。
【請求項3】
前記撮影装置が、前記電子機器から固有情報を受信した場合に撮影を開始することを特徴とする請求項1記載の撮影情報検索システム。
【請求項4】
前記処理装置が、前記撮影情報データベースに記憶された撮影情報を表示する表示手段と、固有情報を入力する入力手段とを有することを特徴とする請求項1記載の撮影情報検索システム。
【請求項5】
前記処理装置が、複数の電子機器及び複数の撮影装置と接続されていることを特徴とする請求項1記載の撮影情報検索システム。
【請求項6】
前記処理装置が、該処理装置に接続されている固有情報入力手段と表示手段とがある電子機器から固有情報を受信して、撮影情報を検索することが可能であることを特徴とする請求項1記載の撮影情報検索システム。
【請求項7】
前記処理装置が複数設けられ、該複数の処理装置に接続されている固有情報入力手段と表示手段とがある電子機器から固有情報を受信して、撮影情報を検索することが可能であることを特徴とする請求項1記載の撮影情報検索システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−217336(P2006−217336A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−28880(P2005−28880)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】